JP2008248804A - バルブタイミング調整装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】作動ロックを防止するバルブタイミング調整装置の提供。
【解決手段】バルブタイミング調整装置は、内周側に潤滑液としての潤滑油が供給される周壁部12aを有し、内燃機関のクランク軸と連動して当該周壁部12aの周方向へ回転する第一回転体としての駆動側回転体10と、内燃機関のカム軸と連動して回転する第二回転体としての従動側回転体18と、周壁部12aの内周側に同心配置される外歯車部35を有し、駆動側回転体10と一体に回転する太陽歯車31と、周壁部12a及び外歯車部35の間に偏心配置される内歯車部39を有し、当該内歯車部39を外歯車部35に噛合させつつ遊星運動することにより回転体10,18間の相対位相が変化する遊星歯車33とを備え、駆動側回転体10は、周壁部12a及び内歯車部39の間の隙間46に向かって開口する凹部90をさらに有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、クランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する吸気弁及び排気弁のうち少なくとも一方のバルブタイミングを調整する内燃機関のバルブタイミング調整装置に関する。
従来、クランク軸及びカム軸と連動して回転する第一回転体及び第二回転体を備え、それら回転体の間の相対位相によりバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置が知られている。
例えば特許文献1には、第一回転体の周壁部の内周側に同心配置されて第一回転体と一体回転する太陽歯車に対し、偏心配置された遊星歯車を噛合させつつ遊星運動させることにより、第一及び第二回転体間の相対位相を変化させるようにした装置が、開示されている。この特許文献1に開示の装置では、第一回転体の周壁部の内周側に潤滑液を供給することにより、太陽歯車及び遊星歯車の間等において磨耗が抑制されるようになっている。
特開2007−23809号公報
さて、特許文献1に開示の装置では、第一回転体の周壁部の内周側において、太陽歯車に設けた内歯車部と遊星歯車に設けた外歯車部とを互いに噛合させている。これに対し、本発明者は、第一回転体の周壁部の内周側において、太陽歯車に設けた外歯車部と遊星歯車に設けた内歯車部とを互いに噛合させる構成について、鋭意研究を行ってきた。その結果、次の問題が生じることが判明したのである。
第一回転体の周壁部の内周側では、内燃機関の運転中に第一回転体の回転によって発生した遠心力が、当該内周側の潤滑液に作用する。また、太陽歯車の外歯車部及び遊星歯車の内歯車部が配置される周壁部の内周側では、それら歯車部間において発生した磨耗粉等の異物が潤滑液に混入している場合に、当該異物にも遠心力が作用する。そのため、潤滑液に混入した異物は、遊星歯車の内歯車部とその外周側に位置する周壁部との間の隙間に流入して、堆積し易くなる。ここで遊星歯車の内歯車部は、太陽歯車の外歯車部と同心の周壁部に対して偏心配置されることになるので、内歯車部及び周壁部間の隙間は、当該偏心側において最小となる。それ故、内歯車部及び周壁部間の最小隙間部分において異物が詰まり、遊星歯車がロックされてしまうおそれがあった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、作動ロックを防止するバルブタイミング調整装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、クランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する吸気弁及び排気弁のうち少なくとも一方のバルブタイミングを調整する内燃機関のバルブタイミング調整装置であって、内周側に潤滑液が供給される周壁部を有し、クランク軸及びカム軸の一方と連動して当該周壁部の周方向へ回転する第一回転体と、クランク軸及びカム軸の他方と連動して回転する第二回転体と、第一回転体の周壁部の内周側に同心配置される外歯車部を有し、第一回転体と一体に回転する太陽歯車と、第一回転体の周壁部及び太陽歯車の外歯車部の間に偏心配置される内歯車部を有し、当該内歯車部を太陽歯車の外歯車部に噛合させつつ遊星運動することにより第一及び第二回転体の間の相対位相が変化する遊星歯車とを備え、第一回転体は、第一回転体の周壁部及び遊星歯車の内歯車部の間の隙間に向かって開口する凹部をさらに有することを特徴とする。
このような請求項1に記載の発明によると、内燃機関の運転中は、周壁部を有する第一回転体がクランク軸又はカム軸と連動して当該周壁部の周方向へ回転することにより、遠心力が発生する。故に、太陽歯車の外歯車部及び遊星歯車の内歯車部が配置される周壁部の内周側では、それら歯車部間の磨耗等に起因して潤滑液に混入した異物が、遠心力の作用を受けて周壁部及び内歯車部間の隙間に流入する。この隙間に流入した異物については、隙間に向かって開口する凹部内に逃がして捕捉することができるので、隙間における異物の堆積が抑制され得る。したがって、周壁部及びその内周側に内歯車部が偏心配置される遊星歯車間の最小隙間部分に異物の詰まりが生じて当該遊星歯車がロックする事態を、防止することができる。
請求項2に記載の発明によると、凹部は、第一回転体の周壁部の周方向に等間隔に複数設けられる。これによれば、周壁部及び内歯車部間の隙間において周方向の任意箇所に流入した異物を、当該周方向に等間隔に設けられた凹部内のいずれかに、遠心力を利用して流入させることができる。さらに、周壁部の周方向への第一回転体の回転により周壁部の内周側に発生する潤滑液の回転流や第一回転体の回転自体を利用することで、凹部内に流入した異物を凹部の当該周方向の端面により確実に捕捉することができる。
請求項3に記載の発明によると、凹部は、第一回転体の周壁部において遊星歯車の内歯車部との間に隙間を形成する内周面に開口する。故に、周壁部及び内歯車部間の隙間に流入した異物は、遠心力の作用を受けることにより、当該周壁部の内周面に開口する凹部内に流入し易くなる。これによれば、周壁部及び内歯車部間の隙間における異物の堆積抑制が促進されることになるので、遊星歯車のロック防止効果を高めることができる。
請求項4に記載の発明によると、内燃機関を潤滑する潤滑油が潤滑液として第一回転体の周壁部の内周側に供給される。これによれば、内燃機関の潤滑に起因する異物が潤滑液としての潤滑油に混入していたとしても、周壁部及び内歯車部間の隙間における当該異物の堆積を凹部の作用により抑制して、遊星歯車のロック防止効果を享受することができるのである。
請求項5に記載の発明によると、凹部内が第一回転体の外部と連通しているので、凹部内に逃がされた異物を潤滑液と共に第一回転体の外部へと排出可能となる。このように凹部内から異物が排出されることによれば、凹部内に異物が詰まることにより異物の捕捉作用が低下する事態を回避することができる。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する。
(第一実施形態)
図2は、本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置1を示している。バルブタイミング調整装置1は車両に搭載され、内燃機関のクランク軸からカム軸2へ機関トルクを伝達する伝達系に設置されている。バルブタイミング調整装置1は、電気ユニット4及び機械ユニット6等を組み合わせてなる。ここで、カム軸2は内燃機関の吸気弁を開閉するものであり、バルブタイミング調整装置1は当該吸気弁のバルブタイミングを調整する。
電気ユニット4は、電動モータ21及び通電制御回路22を備えており、機械ユニット6を作動させるための制御トルクを電動モータ21から出力する。
電動モータ21は例えばブラシレスモータ等であり、内燃機関に固定されるモータケース23により正逆回転自在に支持されるモータ軸24を有している。通電制御回路22は駆動ドライバ及びその制御用マイクロコンピュータ等から構成されており、モータケース23の外部及び/又は内部に配置されて電動モータ21と電気的に接続されている。通電制御回路22は電動モータ21への通電を制御することによりモータ軸24の周りに回転磁界を形成して、当該回転磁界に応じた方向の制御トルクをモータ軸24に発生させる。
機械ユニット6は、駆動側回転体10、従動側回転体18、遊星歯車機構30及びリンク機構50を備えており、バルブタイミングを決める回転体10,18間の相対位相を調整する。
図2〜5に示すように駆動側回転体10は、二段円筒状のスプロケット11と二段円筒状のカバー部材12とを同軸上に螺子止めしてなる。スプロケット11において円環板状の連繋部11bを介して小径側周壁部11cと接続される大径側周壁部11aには、複数の歯16が形成されており、これらの歯16とクランク軸の複数の歯との間には、環状のタイミングチェーンが掛け渡される。これにより、クランク軸から出力された機関トルクがタイミングチェーンを通じてスプロケット11へ伝達されるときには、駆動側回転体10は、クランク軸と連動して当該クランク軸との間の相対位相を保ちつつ回転する。このとき駆動側回転体10の回転方向は、スプロケット11及びカバー部材12の周方向のうち、本実施形態では図3〜6の時計方向となる。
図2,3に示すように従動側回転体18は、軸部17及び一対の連繋部19を有している。軸部17は円筒状に形成され、スプロケット11の内周側に同心配置されている。軸部17の一端部は、スプロケット11の小径側周壁部11cに摺動回転自在に嵌合していると共に、カム軸2の一端部に同軸連結されている。これにより従動側回転体18は、カム軸2と連動して当該カム軸2との間の相対位相を保ちつつ回転可能となっており、また駆動側回転体10に対して相対回転可能となっている。尚、従動側回転体18が駆動側回転体10に対して進角する相対回転方向が図3〜6の方向Xであり、従動側回転体18が駆動側回転体10に対して遅角する相対回転方向が図3〜6の方向Yである。
図3に示すように従動側回転体18の各連繋部19は、軸部17から径方向の相反側へ突出する平板状にそれぞれ形成され、スプロケット11の大径側周壁部11aの内周側に配置されている。
図2,5に示すように遊星歯車機構30は、太陽歯車31、遊星キャリア32、遊星歯車33及び案内回転体34等から構成されている。
太陽歯車31は、カバー部材12において大径側及び小径側周壁部12a,12c間を接続する円環板状の固定部12bに同軸固定され、駆動側回転体10と一体に回転可能となっている。太陽歯車31は、歯先円が歯底円の外周側にある外歯車部35を有している。この外歯車部35は、カバー部材12の大径側周壁部12aの内周側に同心配置されている。
遊星キャリア32は筒状に形成され、カバー部材12の内周側において継手37によりモータ軸24と連結されている。これにより遊星キャリア32は、モータ軸24と一体に回転可能となっており、また回転体10,18に対して相対回転可能となっている。遊星キャリア32は、カバー部材12及び太陽歯車31に対して偏心する外周面部により偏心部38を形成している。
カバー部材12の大径側周壁部12aの内周側において遊星歯車33は、ベアリング40を介して偏心部38に嵌合することで遊星運動可能となっている。ここで遊星運動とは、遊星歯車33が偏心部38の偏心軸線周りに自転しつつ、当該偏心部38を有する遊星キャリア32の回転方向へ公転する運動である。遊星歯車33は、歯先円が歯底円の内周側にあると共に歯数が太陽歯車31の外歯車部35よりも多い内歯車部39を有している。この内歯車部39は、大径側周壁部12aと外歯車部35との間に偏心配置されている。これにより内歯車部39は、偏心側とは反対側において外歯車部35と噛合していると共に、偏心側において最小となる径方向の隙間46を大径側周壁部12aとの間に形成している。
図2,4に示すように、案内回転体34は円環板状に形成され、スプロケット11の大径側周壁部11aの内周側に同心配置されている。案内回転体34は、軸部17に摺動回転自在に嵌合することにより回転体10,18に対して相対回転可能となっている。
図2,5に示すように案内回転体34は、回転方向に等間隔をあけた複数箇所に円筒孔状の係合孔部48を有している。これに対応して遊星歯車33は、自転方向に等間隔をあけた複数箇所に柱状の係合突部49を有している。各係合突部49は、それぞれ対応する係合孔部48に個別に遊挿されて係合する。案内回転体34は、各係合孔部48への各係合突部49の係合により遊星歯車33の自転運動を抽出して、当該自転運動に応じた回転運動を実現する。
こうした構成の遊星歯車機構30では、遊星キャリア32が駆動側回転体10に対して相対回転しないときには、遊星歯車33が遊星運動することなく駆動側回転体10と共に回転し、各係合突部49が各係合孔部48を回転側へ押圧する。その結果、案内回転体34が駆動側回転体10との間の相対位相を保ちつつ、図4の時計方向へ回転する。
制御トルクが方向Xへ増大すること等により遊星キャリア32が駆動側回転体10に対して方向Xへ相対回転するときには、遊星歯車33が歯車部35,39の噛合位置を変化させつつ遊星運動することにより、各係合突部49が各係合孔部48を回転側へ押圧する力が増大する。その結果、案内回転体34が駆動側回転体10に対して方向Xへと相対回転する。一方、制御トルクが方向Yへ増大すること等により遊星キャリア32が駆動側回転体10に対して方向Yへ相対回転するときには、遊星歯車33が歯車部35,39の噛合位置を変化させつつ遊星運動することにより、各係合突部49が各係合孔部48を反回転側へ押圧する。その結果、案内回転体34が駆動側回転体10に対して方向Yへと相対回転する。
図2〜4,6に示すようにリンク機構50は、一対の第一リンク52、一対の第二リンク53、溝形成部54及び一対の可動体56等から構成されている。尚、図2〜4は、駆動側回転体10に対して従動側回転体18が最遅角したときのリンク機構50の状態を示し、図6は、駆動側回転体10に対して従動側回転体18が最進角したときのリンク機構50の状態を示している。また、図3,4,6では、断面を表すハッチングの図示を省略している。
図2,3に示すように、各第一リンク52は円弧形の平板状に形成され、スプロケット11の大径側周壁部11aの内周側において軸部17の径方向両側に配置されている。各第一リンク52は、スプロケット11の連繋部11bの対応箇所に回り対偶によって連繋している。
各第二リンク53はω字形の平板状に形成され、スプロケット11の大径側周壁部11aの内周側において軸部17の径方向両側に配置されている。各第二リンク53は、従動側回転体18の対応する連繋部19に回り対偶によって連繋していると共に、対応する第一リンク52に回り対偶によって連繋している。
図2,4に示すように溝形成部54は、案内回転体34において遊星歯車33とは反対側の部分から形成されている。溝形成部54は、軸部17を径方向に挟む二箇所に案内溝58を形成している。各案内溝58は所定の幅をもって延伸し、当該延伸方向において軸部17の中心からの距離が変化する曲線状を呈している。
図2〜4に示すように、各可動体56は円柱軸状に形成され、スプロケット11の大径側周壁部11aの内周側において軸部17の径方向両側に配置されている。各可動体56の一端部は柱筒二部材によって形成され、対応する案内溝58内に滑動自在に嵌合している。各可動体56の他端部は、対応する第一リンク52に相対回転自在に嵌合し、各可動体56の中間部は、対応する第二リンク53に圧入固定されている。これら嵌合並びに圧入固定によって、リンク52,53間の回り対偶が実現されている。
こうした構成のリンク機構50では、案内回転体34が駆動側回転体10との間の相対位相を保っているときには、各可動体56がそれぞれ案内溝58内を案内されずに案内回転体34と共に回転する。このとき、連繋するリンク52,53同士の相対位置関係は変化しないので、従動側回転体18が駆動側回転体10との間の相対位相を保ちつつ図4,6の時計方向へ回転し、それによってバルブタイミングが保持される。
案内回転体34が駆動側回転体10に対して方向Xへ相対回転するときには、各可動体56が案内溝58内を案内されて軸部17側へ移動する。その結果、各第二リンク53が可動体56により押圧されて連繋部19と共に方向Xへ駆動されるため、従動側回転体18が駆動側回転体10に対して方向Xへ相対回転し、それによってバルブタイミングが進角する。一方、案内回転体34が駆動側回転体10に対して方向Yへ相対回転するときには、各可動体56が案内溝58内を案内されて軸部17とは反対側へ移動する。その結果、各第二リンク53が可動体56により押圧されて連繋部19と共に方向Yへ駆動されるため、従動側回転体18が駆動側回転体10に対して方向Yへ相対回転し、それによってバルブタイミングが遅角する。
次に、第一実施形態の特徴部分について、図1,7,8を参照しつつ説明する。尚、図7では、上記図3等と同様にハッチングの図示を省略している。
主としてスプロケット11及びカバー部材12から構成される駆動側回転体10の内部には、図1,7に示す第一供給孔部70及び第二供給孔部74を通じて、内燃機関を潤滑する「潤滑液」としての潤滑油が供給される。
具体的に第一供給孔部70は、スプロケット11の回転方向に等間隔をあけた二箇所に設けられている。各第一供給孔部70は、スプロケット11の小径側周壁部11c及び連繋部11bを斜めに貫通している。ここで各第一供給孔部70の入口側は、内燃機関潤滑用のポンプ8から潤滑油が圧送されてくるカム軸2の孔部9と連通しており、また各第一供給孔部70の出口側は連繋部11bの内側面72に開口している。したがって、内燃機関と共に作動するポンプ8からの潤滑油は、各第一供給孔部70を通じてスプロケット11及びカバー部材12の内周側へと順次供給され、当該内周側のリンク機構50及び遊星歯車機構30を潤滑することとなる。
第二供給孔部74は、従動側回転体18の回転方向に等間隔をあけた二箇所に設けられている。各第二供給孔部74は、従動側回転体18の軸部17及び対応する連繋部19を斜めに貫通している。ここで、各第二供給孔部74の入口側はカム軸2の孔部9と連通しており、また各第二供給孔部74の出口側は対応連繋部19の側面76に開口している。したがって、ポンプ8からの潤滑油は、各第二供給孔部74を通じてスプロケット11及びカバー部材12の内周側へと順次供給され、上記第一供給孔部70の場合と同様に機構50,30を潤滑することとなる。
こうした機構50,30の潤滑に起因する磨耗粉や内燃機関の潤滑に起因するスラッジ等の異物が混入した潤滑油は、図1,7に示す排出孔部80を通じて、駆動側回転体10の内部から外部へと排出される。
具体的に排出孔部80は、スプロケット11の回転方向に等間隔をあけた四箇所に設けられている。各排出孔部80は、スプロケット11の大径側周壁部11aを径方向に貫通している。これにより、各排出孔部80の入口側が大径側周壁部11aの内周面82に開口し、且つ各排出孔部80の出口側が大径側周壁部11aの外周面84に開口した形となっている。したがって、駆動側回転体10の内部に供給された潤滑油及びその混入異物は、内燃機関運転中の当該回転体10の回転により発生する遠心力の作用を受けて大径側周壁部11aの内周側から各排出孔部80内に流入し、それら排出孔部80を通じて排出されることとなる。
さて、カバー部材12の内周側に供給された潤滑油及びその混入異物については、駆動側回転体10が回転して発生する遠心力の作用を受けることで、図1,8に示すカバー部材12の大径側周壁部12a及び遊星歯車33の内歯車部39間の隙間46に流入して、滞留し易くなる。そこで、本実施形態では、隙間46に向かって開口する凹部90を設けて、隙間46における異物の堆積を抑制するようにしている。
具体的に凹部90は、カバー部材12の回転方向に等間隔をあけた八箇所に設けられている。カバー部材12の大径側周壁部12aにおいて各凹部90は、径方向の外側に凹む有底孔状を呈しており、周方向の両側に平坦面状の端面92,93、またそれら端面92,93の間に円弧面状の底面94を形成している。これにより各凹部90は、内歯車部39との間に隙間46を形成している大径側周壁部12aの内周面96に開口した形となっている。したがって、大径側周壁部12aの内周側において隙間46に流入した潤滑油及びその混入異物は、遠心力の作用を受けることにより隙間46から各凹部90内へ流入することとなる。
このようにして隙間46から各凹部90内へと逃がされた異物は、駆動側回転体10が回転して発生する遠心力の作用により、それら凹部90の底面94に捕捉され得る。また、各凹部90内へと逃がされた異物は、駆動側回転体10が回転して発生する潤滑油の回転流や当該回転体10の回転自体により、それら凹部90の端面92,93にも捕捉され得る。これらによれば、遊星歯車33外周側の隙間46において異物の滞留、ひいては堆積が抑制されることになるので、当該隙間46の最小部分に異物が詰まって遊星歯車33がロックする事態を回避することができる。
以上、第一実施形態では、駆動側回転体10が特許請求の範囲に記載の「第一回転体」に相当し、駆動側回転体10を構成するカバー部材12の大径側周壁部12aが特許請求の範囲に記載の「周壁部」に相当し、従動側回転体18が特許請求の範囲に記載の「第二回転体」に相当する。
(第二実施形態)
図9,10に示すように、本発明の第二実施形態は第一実施形態の変形例である。この第二実施形態では、駆動側回転体100を構成するカバー部材112の大径側周壁部112aに設けられた複数の凹部90内が、図9,10に示す連通孔部198を通じて、当該回転体100の外部と連通している。
具体的に連通孔部198は、各凹部90に対応する箇所に、即ちカバー部材12の回転方向において等間隔となる八箇所に設けられている。各連通孔部198は、対応する凹部90の径方向外側においてカバー部材112の大径側周壁部112aを当該径方向に貫通している。これにより、各連通孔部198の入口側が各凹部90の底面94に開口し、且つ各連通孔部198の出口側が大径側周壁部112aの外周面199に開口した形となっている。したがって、各凹部90内に逃がされた異物は、潤滑油と共に各連通孔部198を通じて駆動側回転体100の外部に排出されることとなる。これによれば、各凹部90内が満杯となって異物の捕捉が困難となる事態を回避することができる。
以上、第二実施形態では、駆動側回転体100が特許請求の範囲に記載の「第一回転体」に相当し、駆動側回転体100を構成するカバー部材112の大径側周壁部112aが特許請求の範囲に記載の「周壁部」に相当する。
(他の実施形態)
ここまで、本発明の複数の実施形態について説明してきたが、本発明はそれらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用可能である。
凹部90については、上述したように駆動側回転体10,100を構成するカバー部材12,112の大径側周壁部12a,112aに設ける以外にも、図11,12に示すように、当該カバー部材12,112の固定部12b,112bに設けて軸方向に開口させてもよい。また、同様に連通孔部198については、図12に示すように、固定部112bにおいて凹部90を軸方向に挟んで隙間46とは反対側となる箇所に設けてもよい。
凹部90及び連通孔部198の配設数については、上述した八つ以外の適数に設定可能である。また、第一及び第二供給孔部70,74の配設数については、上述した二つ以外の適数に設定可能であり、あるいはそれら孔部70,74の一方を設けないようにしてもよい。さらに、排出孔部80については、上述した四つ以外の適数に設定可能である。
回転体10,18については、上述したものとは反対に、回転体10をカム軸2と連動して回転させ、回転体18をクランク軸と連動して回転させてもよい。
そして、本発明は、上述した吸気弁のバルブタイミングを調整する装置以外にも、排気弁のバルブタイミングを調整する装置や、吸気弁及び排気弁の双方のバルブタイミングを調整する装置にも適用可能である。
本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置の機械ユニットを拡大して示す図であって、図7のI−I線断面図である。 本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置を示す図であって、図3のII−II線断面図である。 図2のIII−III線断面図である。 図2のIV−IV線断面図である。 図2のV−V線断面図である。 図4とは異なる作動状態を示す断面図である。 図1のVII−VII線断面図である。 図1のVIII−VIII線断面図である。 本発明の第二実施形態によるバルブタイミング調整装置を示す図であって、図1に対応する断面図である。 図9のX−X線断面図である。 本発明の第一実施形態の変形例を示す図であって、図1に対応する断面図である。 本発明の第二実施形態の変形例を示す図であって、図9に対応する断面図である。
符号の説明
1 バルブタイミング調整装置、2 カム軸、4 電気ユニット、6 機械ユニット、8 ポンプ、9 孔部、10,100 駆動側回転体(第一回転体)、12,112 カバー部材、12a,112a 大径側周壁部(周壁部)、12b,112b 固定部、18 従動側回転体(第二回転体)、30 遊星歯車機構、31 太陽歯車、32 遊星キャリア、33 遊星歯車、35 外歯車部、39 内歯車部、46 隙間、70 第一供給孔部、72 内側面、74 第二供給孔部、76 側面、80 排出孔部、82 内周面、84 外周面、90 凹部、92,93 端面、94 底面、96 内周面、198 連通孔部、199 外周面

Claims (5)

  1. クランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する吸気弁及び排気弁のうち少なくとも一方のバルブタイミングを調整する内燃機関のバルブタイミング調整装置であって、
    内周側に潤滑液が供給される周壁部を有し、前記クランク軸及び前記カム軸の一方と連動して当該周壁部の周方向へ回転する第一回転体と、
    前記クランク軸及び前記カム軸の他方と連動して回転する第二回転体と、
    前記周壁部の内周側に同心配置される外歯車部を有し、前記第一回転体と一体に回転する太陽歯車と、
    前記周壁部及び前記外歯車部の間に偏心配置される内歯車部を有し、当該内歯車部を前記外歯車部に噛合させつつ遊星運動することにより前記第一回転体及び前記第二回転体の間の相対位相が変化する遊星歯車とを備え、
    前記第一回転体は、前記周壁部及び前記内歯車部の間の隙間に向かって開口する凹部をさらに有することを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  2. 前記凹部は、前記周壁部の周方向に等間隔に複数設けられることを特徴とする請求項1に記載のバルブタイミング調整装置。
  3. 前記凹部は、前記周壁部において前記内歯車部との間に前記隙間を形成する内周面に開口することを特徴とする請求項1又は2に記載のバルブタイミング調整装置。
  4. 前記内燃機関を潤滑する潤滑油が前記潤滑液として前記周壁部の内周側に供給されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  5. 前記凹部内が前記第一回転体の外部と連通していることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
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