JP2010265875A - バルブタイミング調整装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】磨耗及び異音の発生を抑制するバルブタイミング調整装置の提供。
【解決手段】カム軸2と連動回転する従動回転体20は、クランク軸と連動回転する駆動回転体10内に収容されて、当該回転体10により回転軸方向の両側から支持される。また、遊星歯車50の歯車部52,54がそれぞれ回転体10,20の歯車部18,22と噛合しつつ遊星運動することによって変化するクランク軸及びカム軸2間の相対位相につき、従動回転体20のストッパ部200は、駆動回転体10に対する回転周方向の当接により当該変化を規制する。こうした構成において従動回転体20は、回転周方向の一部分から回転径方向の外側へストッパ部200が突出する小径部210と、回転軸線Oに対する外径Rbがストッパ部の外径Rcよりも大きな大径部212とが、駆動回転体10により回転軸方向の両側から支持される。
【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置に関する。
従来、クランク軸及びカム軸のうち一方と他方とに連動して回転する第一回転体と第二回転体とに設けた歯車部を遊星歯車と噛合させて、当該遊星歯車の遊星運動によりクランク軸及びカム軸間の相対位相(以下、「機関位相」という)を変化させるようにしたバルブタイミング調整装置が知られている。
このようなバルブタイミング調整装置の一種として特許文献1には、第一回転体内に同軸に収容させた第二回転体にストッパ部を設けて、第一回転体に対する当該ストッパ部の回転周方向の当接により機関位相を規制させる装置が開示されている。ここで機関位相の規制によれば、内燃機関の運転に最適な範囲内でバルブタイミングを調整することが可能となる。
特開2008−95550号公報
特許文献1の装置において第一回転体により回転軸方向の両側から支持される第二回転体は、回転周方向の一部分から回転径方向の外側へストッパ部が突出する大径部と、回転軸線に対する外径がストッパ部よりも小径の小径部とを、回転軸方向の両端部に有している。ここで第二回転体は、内燃機関から伝達される振動等により、第一回転体に対する回転軸線の傾きを生じ易い。かかる傾きの量は、図8に模式的に示すように第二回転体1020が第一回転体1010との間の支持クリアランスC分傾いて、第一回転体1010と回転軸方向の両側にて当接することによって決まる。
こうした構成下、傾いた第二回転体1020の一端部1020aでは、大径部1210のストッパ部1200の非突出部分1210aが第一回転体1010に当接する場合(図8(b))と、大径部1210から突出のストッパ部1200が第一回転体1010に当接する場合(図8(c))とが発生する。そのため、第二回転体1020の回転軸線Oの傾き量が逐次変化して、互い噛合する当該回転体1020の歯車部と遊星歯車との間に磨耗や異音が発生し易くなる。
本発明は、以上説明した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、磨耗及び異音の発生を抑制するバルブタイミング調整装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、内燃機関のクランク軸及びカム軸のうち一方と連動して回転する第一回転体であって、第一歯車部を有する第一回転体と、第一回転体内に収容されて第一回転体により回転軸方向の両側から支持され、クランク軸及びカム軸のうち他方と連動して回転する第二回転体であって、第一回転体に対する回転周方向の当接により機関位相の変化を規制するストッパ部と、第二歯車部とを有する第二回転体と、第一歯車部及び第二歯車部と噛合しつつ遊星運動することにより機関位相を変化させる遊星歯車と、を備え、クランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置において、第二回転体においては、回転周方向の一部分から回転径方向の外側へストッパ部が突出する小径部と、回転軸線に対する外径がストッパ部以上の径となる大径部とが、第一回転体により回転軸方向の両側から支持されることを特徴とする。
このように第二回転体は、回転周方向の一部分から回転径方向の外側へストッパ部が突出する小径部と、回転軸線に対する外径がストッパ部以上の径となる大径部とが、第一回転体により回転軸方向の両側から支持される。こうした構成下、第一回転体に対して回転軸線の傾いた第二回転体の回転軸方向の一方側では、小径部のストッパ部の非突出部分が第一回転体に当接する場合と、小径部から突出のストッパ部が第一回転体に当接する場合とが発生する。しかし、傾いた第二回転体の回転軸方向の他方側では、ストッパ部以上の外径となる大径部が第一回転体と当接することにより、その傾きを抑えられる。したがって、第一回転体との当接箇所の違いにより第二回転体の回転軸線の傾き量が逐次変化したとしても当該傾き量自体を低減して、互いに噛合する第二回転体の第二歯車部及び遊星歯車の間にて磨耗及び異音の発生を抑制することが可能となる。
請求項2に記載の発明によると、第二回転体において大径部の回転軸線に対する外径は、ストッパ部よりも大径である。これによれば、傾いた第二回転体においてストッパ部よりも大径の大径部が第一回転体と当接することにより、その傾きの低減量が可及的に増大し得る。したがって、磨耗及び異音の発生抑制効果を高めることができるのである。
請求項3に記載の発明によると、第二回転体は、小径部と大径部とを回転軸方向の両端部に有する。これによれば、第一回転体に対して回転軸線の傾いた第二回転体の回転軸方向の一端部では、小径部のストッパ部の非突出部分が第一回転体に当接する場合と、小径部から突出のストッパ部が第一回転体に当接する場合とが発生する。しかし、傾いた第二回転体の回転軸方向の他端部では、ストッパ部以上の外径となる大径部が第一回転体と当接することにより、その傾きを抑えられることになるので、磨耗及び異音の発生抑制効果を得ることができるのである。
請求項4に記載の発明によると、第二回転体は、クランク軸と連動して回転する第一回転体内に収容され、回転軸方向に連結されるカム軸と連動して回転する。このようにカム軸と回転軸方向に連結されて連動回転する第二回転体は、それを収容してクランク軸と連動回転する第一回転体に対して、当該カム軸から直に伝達されるカムトルクの変動等により傾き易くなる。しかし、ストッパ部以上の外径となる大径部が傾きにより第一回転体と当接することになる第二回転体によれば、当該傾きを抑えて磨耗及び異音の発生抑制効果を得ることができる。
請求項5に記載の発明によると、第二回転体は、回転軸方向において遊星歯車と隣接する。このように、第二回転体がそれの第二歯車部に噛合する遊星歯車と回転軸方向において隣接する構成では、傾いた第二回転体が遊星歯車と当接することにより、第二歯車部及び遊星歯車間に磨耗及び異音が発生し易くなる。しかし、ストッパ部以上の外径となる大径部が傾きにより第一回転体と当接することになる第二回転体によれば、当該傾きを抑えて磨耗及び異音の発生抑制効果を得ることができる。
請求項6に記載の発明によると、第二回転体は、小径部及び大径部間を接続する段差部を有し、ストッパ部は、回転軸方向において段差部と連設される。これによれば、第二回転体においてストッパ部は、その回転径方向内側の小径部及びそれ以上の外径となる大径部間を接続した段差部と回転軸方向に連設されるので、確実に補強され得る。したがって、第二回転体のストッパ部が回転周方向に第一回転体と当接して生ずる衝撃が異常時に増大する事態となっても、当該ストッパ部の破損を抑制することができるのである。
本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置の基本構成を示す図であって、図2のI−I線断面図である。 図1のII−II線断面図である。 図1のIII−III線断面図である。 本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置の特徴構成となる要部を拡大して示す断面図である。 本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置の特徴構成について説明するための模式図である。 図4の変形例を示す断面図である。 図4の変形例を示す断面図である。 従来構成について説明するための模式図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態によるバルブタイミング調整装置1を示している。バルブタイミング調整装置1は車両に搭載され、内燃機関のクランク軸(図示しない)からカム軸2へ機関トルクを伝達する伝達系に設置されている。尚、本実施形態においてカム軸2は、内燃機関の「動弁」のうち吸気弁(図示しない)を機関トルクの伝達によって開閉するものである。したがって、バルブタイミング調整装置1は、クランク軸及びカム軸2間の機関位相に応じた吸気弁のバルブタイミングを調整する。
(基本構成)
以下、バルブタイミング調整装置1の基本構成を説明する。バルブタイミング調整装置1は、アクチュエータ4、通電制御回路部7及び位相調整機構8等を組み合わせてなる。
アクチュエータ4は、例えばブラシレスモータ等の電動モータであり、内燃機関の固定節に固定されるモータケース5と、当該モータケース5により正逆回転自在に支持される制御軸6とを有している。通電制御回路部7は駆動ドライバ及びその制御用マイクロコンピュータ等から構成されており、モータケース5の外部及び/又は内部に配置されてアクチュエータ4と電気接続されている。通電制御回路部7は、アクチュエータ4への通電により制御軸6の回転状態を制御する。
位相調整機構8は、駆動回転体10、従動回転体20、遊星キャリア40及び遊星歯車50を備えている。
図1〜3に示すように駆動回転体10は、全体として筒状を呈しており、位相調整機構8の他の構成要素20,40,50を内部に収容している。駆動回転体10は、歯車部材12及びスプロケット部材13の間に筒壁部材14を同軸に共締めしてなる。
図1,2に示すように有底円筒状の歯車部材12は、歯底円の内周側に歯先円を有する駆動側内歯車部18を周壁部に形成している。図1〜3に示すように段付円筒状のスプロケット部材13は、周壁部から回転径方向の外側へと突出する歯19を回転周方向に複数有している。スプロケット部材13は、それら歯19とクランク軸の複数の歯との間でタイミングチェーン(図示しない)が掛け渡されることにより、クランク軸と連繋する。かかる連繋により、クランク軸から出力の機関トルクがタイミングチェーンを通じてスプロケット部材13へ伝達されるときには、駆動回転体10がクランク軸と連動して回転する。このとき駆動回転体10の回転は、図2,3の時計方向に発生する。
図1,3に示すように有底円筒状の従動回転体20は、それよりも大径円筒状の筒壁部材14内に同軸に配置され、歯車部材12とスプロケット部材13とにより回転軸方向の両側から支持されている。従動回転体20は、回転軸方向の螺子止めによりカム軸2と同軸に連結される連結部21を、底壁部に形成している。この連結により従動回転体20は、カム軸2と連動して回転可能且つ駆動回転体10に対して相対回転可能となっている。ここで従動回転体20の回転は、駆動回転体10と同じ図3の時計方向に発生するようになっている。
従動回転体20は、歯底円の内周側に歯先円を有する従動側内歯車部22を、周壁部に形成している。従動側内歯車部22は、駆動側内歯車部18に対して回転軸方向のカム軸2側にずれて配置されている。従動側内歯車部22の内径は、駆動側内歯車部18の内径よりも小さく設定されている。従動側内歯車部22の歯数は、駆動側内歯車部18の歯数よりも少なく設定されている。
図1〜3に示すように遊星キャリア40は、全体として筒状を呈しており、周壁部の内周面に入力部41を形成している。入力部41は、回転体10,20及び制御軸6に対して同軸に配置されている。入力部41には、継手43と嵌合する嵌合溝42が形成されており、制御軸6が当該継手43を介して遊星キャリア40と連結されている。この連結により遊星キャリア40は、制御軸6と共に回転可能となっており、また駆動回転体10に対して相対回転可能となっている。
遊星キャリア40はさらに、入力部41に対して偏心する偏心部44を周壁部の外周面に形成している。偏心部44は、遊星歯車50の中心孔51の内周側にベアリング45を介して嵌合している。この嵌合により遊星歯車50は偏心部44により支持されて、駆動回転体10に対する遊星キャリア40の相対回転に応じて遊星運動可能となっている。ここで遊星運動とは、遊星歯車50が偏心部44の偏心軸線周りに自転しつつ、遊星キャリア40の回転周方向へ公転する遊星運動をいう。
段付円筒状の遊星歯車50は、歯底円の外周側に歯先円を有する駆動側外歯車部52及び従動側外歯車部54を、周壁部における回転軸方向の両端部に形成している。駆動側外歯車部52の外径は、従動側外歯車部54の外径よりも大きく設定されている。駆動側外歯車部52及び従動側外歯車部54の歯数は、それぞれ駆動側内歯車部18及び従動側内歯車部22の歯数よりも同数ずつ少なく設定されている。駆動側外歯車部52は、駆動側内歯車部18の内周側に配置されて当該歯車部18と噛合している。また、駆動側外歯車部52よりもカム軸2側の従動側外歯車部54は、従動側内歯車部22の内周側に配置されて当該歯車部22と噛合している。
このように、遊星歯車50を介して回転体10,20間を連繋してなる位相調整機構8は、制御軸6の回転状態に応じた遊星キャリア40の回転運動を遊星歯車50の遊星運動へと変換することにより、バルブタイミングを決める機関位相を調整する。
具体的には、制御軸6が駆動回転体10と同速に回転するときには、遊星キャリア40が駆動回転体10に対して相対回転しないことにより、遊星歯車50が遊星運動しないで回転体10,20と連れ回りする。したがって、機関位相は変化せず、バルブタイミングが保持されることになる。一方、制御軸6が駆動回転体10よりも高速に回転するときには、遊星キャリア40が駆動回転体10に対する進角側へ相対回転することにより、遊星歯車50が遊星運動して従動回転体20が当該進角側へと相対回転する。したがって、機関位相が進角側へ変化し、バルブタイミングが進角することになる。また一方、制御軸6が駆動回転体10よりも低速に回転又は駆動回転体10とは逆方向に回転するときには、遊星キャリア40が駆動回転体10に対する遅角側へ相対回転することにより、遊星歯車50が遊星運動して従動回転体20が当該遅角側へと相対回転する。したがって、機関位相が遅角側へ変化し、バルブタイミングが遅角することになるのである。
尚、以上において駆動回転体10が「第一回転体」に相当し、駆動側内歯車部18が「第一歯車部」に相当し、従動回転体20が「第二回転体」に相当し、従動側内歯車部22が「第二歯車部」に相当している。
(特徴構成)
以下、バルブタイミング調整装置1の特徴構成を詳細に説明する。
(ストッパ構造)
図3に示すように駆動回転体10の筒壁部材14は、段差面状の進角側当接部100〜103及び遅角側当接部110〜113を、周壁部の内周側において回転周方向の複数個所に形成している。末尾の符号が同一数字の進角側当接部100〜103と遅角側当接部110〜113とは、駆動回転体10の回転周方向に間隙120〜123をあけて向き合っている。
図3,4に示すように従動回転体20は、従動側内歯車部22の回転径方向の外側へ突出するストッパ部200〜203を、周壁部における回転周方向の複数個所に形成している。各ストッパ部200〜203は、符号の末尾が同一数字の間隙120〜123へ揺動可能に挿入されている。
このようなストッパ構造の本実施形態では、ストッパ部200が回転周方向の進角側にある進角側当接部100と当接するときには、駆動回転体10に対する従動回転体20の進角側への相対回転、即ち機関位相の進角側への変化が規制される。一方、ストッパ部200が回転周方向の遅角側にある遅角側当接部110と当接するときには、駆動回転体10に対する従動回転体20の遅角側への相対回転、即ち機関位相の遅角側への変化が規制される。また一方、ストッパ部200が進角側当接部100から回転周方向の遅角側に離間し且つ遅角側当接部110から回転周方向の進角側に離間するときには、駆動回転体10に対する従動回転体20の相対回転、即ち機関位相の変化が許容されるのである。
尚、当接部101,111及びストッパ部201の組、当接部102,112及びストッパ部202の組、並びに当接部103,113及びストッパ部203の組については、当接部100,110及びストッパ部200の組に異常が生じた場合に上述の如き位相変化の規制/許容機能を代替するため、予備的に設けられている。
(外径設定)
図3〜4に示すように従動回転体20は、本実施形態では特に段付の有底円筒状に形成されており、周壁部における回転軸方向の両端部に小径部210及び大径部212を有している。
従動回転体20の開口部側端部20aを形成する小径部210は、回転軸方向において駆動回転体10の歯車部材12及び遊星歯車50の駆動側外歯車部52と隣接している。小径部210は、それぞれ回転周方向の一部分から回転径方向外側へと突出する各ストッパ部200〜203の間において、一定の外径Raを従動回転体20の回転軸線Oに対して有している。
従動回転体20の底壁部側端部20bを形成する大径部212は、回転軸方向において駆動回転体10のスプロケット部材13と隣接している。従動回転体20の回転軸線Oに対する大径部212の外径Rbは、当該軸線Oに対する小径部210の外径Ra及び各ストッパ部200〜203の共通外径Rcよりも、大径に設定されている。
そして、外径Raの小径部210と外径Rbの大径部212との間を回転径方向に接続する段差部214は、外径Rcのストッパ部200〜203と回転軸方向に連設されている。これにより段差部214は、回転軸方向のカム軸2側からストッパ部200〜203を補強する形態となっているので、特にストッパ部200について、異常時に高速で駆動回転体10と衝突することにより大きな衝撃を生むことになっても破損を抑制し得るのである。
ここまで説明した本実施形態において従動回転体20は、その各部210,212を部材12,13により回転軸方向両側から挟んで支持する駆動回転体10との間に、図5(a)に模式的に示す如き回転軸方向の支持クリアランスCを製品上、不可避的に有することとなる。そのため、カム軸2から直に伝達されるカムトルクの変動等により従動回転体20は、図5(b),(c)に示すように支持クリアランスC分、駆動回転体10に対する回転軸線Oの傾きを生じ易くなる。ここで図5(b)は、傾いた従動回転体20の一端部20aのうち、小径部210におけるストッパ部200〜203の非突出部分210a(図3,4も参照)が駆動回転体10の歯車部材12と当接する場合を示している。一方で図5(c)は、傾いた従動回転体20の一端部20aのうち、小径部210から突出のストッパ部200が駆動回転体10の歯車部材12と当接する場合を示している。
しかし、本実施形態では、傾いた従動回転体20のうちストッパ部200〜203の非形成側端部20bにおいて、ストッパ部200〜203よりも大径の大径部212が駆動回転体10のスプロケット部材13と当接することになる。故に、図8の如く回転体1020においてストッパ部1200よりも小径の小径部1212がストッパ部1200の非形成側端部1020bにて回転体1010と当接する構成に比べて、本実施形態では、ストッパ部200〜203の外径Rcを増大させることなく回転軸線Oの傾きを抑え得る。即ち、駆動回転体10との当接箇所の違いにより傾き量が逐次変化する従動回転体20について、当該傾き量自体を低減し得るのである。したがって、従動回転体20がそれの従動側内歯車部22と噛合の遊星歯車50に回転軸方向において隣接する構成であっても、従動側内歯車部22及び遊星歯車50間での磨耗及び異音の発生を抑制可能である。
(他の実施形態)
ここまで本発明の一実施形態について説明してきたが、本発明は当該説明の実施形態に限定して解釈されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができる。
具体的に、従動回転体20の大径部212の外径Rbについては、ストッパ部200〜203の外径Rc以上であればよく、例えば図6に示す変形例の如くストッパ部200〜203の外径Rcと等しく設定してもよい。また、従動回転体20において小径部210と大径部212とは、駆動回転体20により回転軸方向の両側から支持されていればよく、例えば図7に示す変形例の如く小径部210から、さらに小径の端部20aを大径部212とは反対側の回転軸方向へと突出させ、当該端部20aの突出元となる小径部210の端面20cを、当該端部20aからは離間した要素10,50に回転軸方向にて隣接させてもよい。さらに、従動回転体20については、回転軸方向において遊星歯車50と隣接しないように配置してもよい。またさらに、従動回転体20においてストッパ部200〜203については、小径部210及び大径部212間の段差部214とは連設しないで、当該段差部214から間隔をあけて形成してもよい。
加えて、回転体20,10の歯車部22,18については、歯底円の外周側に歯先円を有する外歯車部に少なくとも一方を形成してもよく、それに応じて遊星歯車50の歯車部52,54の少なくとも一方を、歯底円の内周側に歯先円を有する内歯車部に形成してもよい。そして、本発明は、上述した吸気弁のバルブタイミングを調整する装置以外にも、「動弁」としての排気弁のバルブタイミングを調整する装置や、吸気弁及び排気弁の双方のバルブタイミングを調整する装置に適用することができるのである。
1 バルブタイミング調整装置、2 カム軸、4 アクチュエータ、8 位相調整機構、10 駆動回転体(第一回転体)、12 歯車部材、13 スプロケット部材、14 筒壁部材、18 駆動側内歯車部(第一歯車部)、20 従動回転体(第二回転体)、20a,20b 端部、21 連結部、22 従動側内歯車部(第二歯車部)、40 遊星キャリア、50 遊星歯車、52 駆動側外歯車部、54 従動側外歯車部、100,101,102,103 進角側当接部、110,111,112,113 遅角側当接部、120,121,122,123 間隙、200,201,201,203 ストッパ部、210 小径部、210a 非突出部分、212 大径部、214 段差部、C 支持クリアランス、O 回転軸線、Ra,Rb,Rc 外径

Claims (6)

  1. 内燃機関のクランク軸及びカム軸のうち一方と連動して回転する第一回転体であって、第一歯車部を有する第一回転体と、
    前記第一回転体内に同軸に収容されて前記第一回転体により回転軸方向の両側から支持され、前記クランク軸及び前記カム軸のうち他方と連動して回転する第二回転体であって、前記第一回転体に対する回転周方向の当接により前記クランク軸及び前記カム軸間の相対位相の変化を規制するストッパ部と、第二歯車部とを有する第二回転体と、
    前記第一歯車部及び前記第二歯車部と噛合しつつ遊星運動することにより前記相対位相を変化させる遊星歯車と、
    を備え、前記クランク軸からのトルク伝達により前記カム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置において、
    前記第二回転体においては、
    回転周方向の一部分から回転径方向の外側へ前記ストッパ部が突出する小径部と、
    回転軸線に対する外径が前記ストッパ部以上の径となる大径部と
    が、前記第一回転体により回転軸方向の両側から支持されることを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  2. 前記第二回転体において前記大径部の前記外径は、前記ストッパ部よりも大径であることを特徴とする請求項1に記載のバルブタイミング調整装置。
  3. 前記第二回転体は、前記小径部と前記大径部とを回転軸方向の両端部に有することを特徴とする請求項1又は2に記載のバルブタイミング調整装置。
  4. 前記第二回転体は、前記クランク軸と連動して回転する前記第一回転体内に収容され、回転軸方向に連結される前記カム軸と連動して回転することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項にバルブタイミング調整装置。
  5. 前記第二回転体は、回転軸方向において前記遊星歯車と隣接することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  6. 前記第二回転体は、前記小径部及び前記大径部間を接続する段差部を有し、前記ストッパ部は、回転軸方向において前記段差部と連設されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
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