JP6228065B2 - バルブタイミング調整装置 - Google Patents
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Description
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、カム軸の回転位相の制御性を低下させることなく、内燃機関停止時のカム軸の回転位相を内燃機関の始動に適切な位相に保持することができるバルブタイミング調整装置を提供することである。
駆動軸および従動軸の一方を第1軸とし、他方を第2軸とすると、偏心軸は、第1軸の延長上に設けられるモータに連結可能であり、第1軸の軸心まわりに回転可能に支持され、第1軸の軸心に対し偏心する偏心部を有している。第1内歯車は、偏心軸に対し径方向外側に設けられ、第1軸と同軸上に位置している。遊星回転体は、第1内歯車と噛み合っている第1外歯車、および、軸方向において第1軸と第1外歯車との間に位置している第2外歯車を有し、偏心軸により偏心部まわりに回転可能に支持されている。
これに対し、本発明によれば、モータのコギングトルクを大きくする必要がないため、モータの大型化および製造コスト増加を回避可能である。
<一実施形態>
本発明の一実施形態によるバルブタイミング調整装置を図1に示す。バルブタイミング調整装置10は、内燃機関90のクランク軸91に対しカム軸92を相対回転させることによって、カム軸92が開閉駆動する図示しない吸気弁のバルブタイミングを調整するものであり、クランク軸91からカム軸92までの駆動力伝達系に設けられている。クランク軸91は、特許請求の範囲に記載の「駆動軸、第2軸」に相当し、カム軸92は、特許請求の範囲に記載の「従動軸、第1軸」に相当し、吸気弁は、特許請求の範囲に記載の「バルブ」に相当する。
先ず、バルブタイミング調整装置10の全体構成について図1〜図4を参照して説明する。
バルブタイミング調整装置10は、モータ93により駆動される電動式であり、ハウジング20、スプロケット25、偏心軸30、第1内歯車40、遊星回転体50および第2内歯車60を備えている。モータ93は、カム軸92の延長上に設けられ、例えば図示しないチェーンカバーに固定される。
次に、バルブタイミング調整装置10の特徴構成について図1、図3、図5を参照して説明する。図5では、偏心軸30およびスプロケット25を除く他の部材は切断部端面が示されている。
図1に示すように、リアハウジング22は、第2内歯車60の内歯部61に対し径方向外側に位置している第1筒部71と、第2内歯車60のフランジ部62に対し径方向外側に位置している第2筒部72と、軸方向においてフランジ部62に対し内歯部61とは反対側に位置しているフランジ部73とから構成されている。第2筒部72の内壁は、第2内歯車60を軸心AX1まわりに回転可能に支持している円筒状の内歯支持部74を形成している。
本実施形態では、リアハウジング22の内歯支持部74および第2外歯車52は、軸方向において互いに離間している。また、スプロケット25は、軸方向において内歯支持部74に対し第2外歯車52側に離間している。つまり、第2外歯車52およびスプロケット25は、リアハウジング22の内歯支持部74に対し共に軸方向で離間している。
このように構成することで、第2外歯車52と第2内歯車60との噛み合い反力F1が第2外歯車52に作用するとともに、チェーン張力による力F2がスプロケット25に作用すると、第2内歯車60とリアハウジング22の内歯支持部74との接触箇所79を中心としたモーメントが第1内歯車40等に作用する。これにより、第2内歯車60が軸方向において第1内歯車40と摩擦接触することによる抵抗トルクが発生する。
また、第1外歯車51および第2外歯車52の一方が非噛み合い状態となる場合のギアバックラッシュに起因する異音の発生が問題となるが、前述のモーメントによって相対的にギアバックラッシュを小さくすることができる。
よって本実施形態によれば異音を低減することができる。
したがって、接触箇所79を中心としたモーメントが第1内歯車40に作用するとき、第2内歯車60の当接壁部77と第1内歯車40とを摩擦接触させることができる。
したがって、第2内歯車60の相対回転を規制する規制手段としての凸部75を利用して第2内歯車60と第1内歯車40とを摩擦接触させることができる。
これにより、第1内歯車40等に作用する接触箇所79を中心としたモーメントが増大する。したがって、第2内歯車60と第1内歯車40との摩擦接触による抵抗トルクが増大し、カム軸92の回転位相を確実に保持することができる。
本発明の他の実施形態では、第2内歯車は凸部を有していなくてもよい。そして第2内歯車の当接壁部は、凸部以外に形成されてもよい。
本発明の他の実施形態では、スプロケットは、第2外歯車に対し径方向外側に位置していなくてもよい。つまり、スプロケットおよび第2外歯車は、軸方向において互いに重なっていなくてもよい。
本発明の他の実施形態では、ハウジングは、2つの部材に限らず、1つまたは3つ以上の部材から構成されてもよい。
本発明の他の実施形態では、バルブタイミング調整装置は、内燃機関の排気弁のバルブタイミングを調整するものであってもよい。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
20・・・ハウジング
21・・・軸支持部
25・・・スプロケット
30・・・偏心軸
31・・・偏心部
40・・・第1内歯車
50・・・遊星回転体
51・・・第1外歯車
52・・・第2外歯車
60・・・第2内歯車
61・・・内歯部
62・・・フランジ部
74・・・内歯支持部
93・・・モータ
AX1・・軸心
Claims (4)
- 内燃機関(90)の駆動軸(91)から従動軸(92)までの駆動力伝達系に設けられ、従動軸が開閉駆動するバルブのバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置(10)であって、
駆動軸および従動軸の一方を第1軸とし、他方を第2軸とすると、
前記第1軸の延長上に設けられるモータ(93)に連結可能であり、前記第1軸の軸心(AX1)まわりに回転可能に支持され、前記軸心に対し偏心する偏心部(31)を有している偏心軸(30)と、
前記偏心軸に対し径方向外側に設けられ、前記第1軸と同軸上に位置している第1内歯車(40)と、
前記第1内歯車と噛み合っている第1外歯車(51)、および、軸方向において前記第1軸と前記第1外歯車との間に位置している第2外歯車(52)を有し、前記偏心軸により前記偏心部まわりに回転可能に支持されている遊星回転体(50)と、
前記第1軸と同軸上に位置し前記第2外歯車と噛み合っている内歯部(61)、および、前記第1軸の端部に固定されるフランジ部(62)を有している第2内歯車(60)と、
前記偏心軸を前記軸心まわりに回転可能に支持している軸支持部(21)、および、前記第2内歯車を前記軸心まわりに回転可能に支持している内歯支持部(74)を有しているハウジング(20)と、
前記第2軸に連結可能であり、前記ハウジングと一体に設けられているスプロケット(25)と、
を備え、
前記第2外歯車および前記スプロケットは、前記ハウジングのうち前記第2内歯車に嵌合している部分である前記内歯支持部と前記第1軸に嵌合している部分(73)との両方に対し共に軸方向で離間していることを特徴とするバルブタイミング調整装置。 - 前記第2内歯車は、軸方向において前記第1内歯車と対向するとともに当該第1内歯車に当接可能な当接壁部(77)を有していることを特徴とする請求項1に記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記第2内歯車は、径方向外側に突き出す凸部(75)を有し、
前記ハウジングは、前記第2内歯車の相対回転を所定角度範囲内に規制可能なように、回転方向において前記第2内歯車の前記凸部と係合可能な凹部(76)を有し、
前記第2内歯車の前記凸部は前記当接壁部を形成していることを特徴とする請求項2に記載のバルブタイミング調整装置。 - 前記第2外歯車を前記第2内歯車の前記内歯部との噛み合い部側に付勢している付勢手段(78)をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
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