JP5440474B2 - 可変バルブタイミング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、遊星歯車機構を備えた可変バルブタイミング装置に関する
特許文献1は、遊星歯車機構を備えた可変バルブタイミング装置(以下、VVT装置という)を開示している。このVVT装置は、クランクシャフトからカムシャフトに回転力を伝達する伝達経路上に設けられている。さらに、遊星歯車機構のプラネタリを偏心状態に支持するキャリヤには、プラネタリを押す板バネが設けられている。板バネは、ギヤのバックラッシュを抑制し、異音の発生を抑制している。
特許文献2は、差動摩擦ローラ減速装置を開示している。この装置も、偏心方向へのローラの押し付けのために板バネを用いることを提案している。
特開2008−38886号公報 特開2002−61727号公報
特許文献2のような回転機械では、回転角に制限が設けられていないため、プラネタリが拘束されることはない。
しかし、特許文献1が開示する可変バルブタイミング装置の場合、プラネタリは最進角位置と最遅角位置とにおいて拘束される。キャリヤは、プラネタリを偏心状態に保持するために、偏心部分を有している。プラネタリが拘束された状態で、キャリヤがさらに回転すると、キャリヤの偏心部分が、プラネタリの内面にくさびのように噛み込み、その結果、プラネタリとキャリヤとが固定されるおそれがあった。プラネタリの内面にベアリングが設けられる構成においては、キャリヤの偏心部分が、ベアリングの内輪の内面に固定される。このような固定現象は、キャリヤロックと呼ぶことができる。キャリヤロックが生じると、キャリヤを反対方向に回転させることが困難となる。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、キャリヤロックの発生を抑制することができる可変バルブタイミング装置を提供することである。
本発明は上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。
請求項1に記載の発明は、内燃機関(2)のクランクシャフト(3)とカムシャフト(4)との間に設けられ、クランクシャフトに対するカムシャフトの回転位相を調節する可変バルブタイミング装置において、クランクシャフトに連動する入力部材(31)と、カムシャフトに連動する出力部材(41)と、入力部材および出力部材の回転のための中心軸(AXR)から所定の偏心量(e)だけ偏心した偏心状態において入力部材および出力部材に設けられた内歯ギヤ(61、62)に噛み合う外歯ギヤ(63、64)と、円形の内周面(54a)とを有するプラネタリ(51)と、中心軸のまわりに回転可能に支持されるとともに、プラネタリの内側に配置されてプラネタリを支持するキャリヤ(52)と、プラネタリとキャリヤとの間に設けられ、プラネタリを偏心状態に向けて押す弾性部材とを備え、プラネタリの内周面の最小半径(RP)とキャリヤの外周面(52c)の最大半径(RC)との差(RP−RC)が、偏心量(e)より大きく設定されていることを特徴とする。
この構成によると、キャリヤの外周面がプラネタリの内周面に接触することがない。このため、キャリヤがプラネタリにくさびのように噛み込むキャリヤロックを抑制することができる。
請求項2に記載の発明は、さらに、最進角位置および最遅角位置において入力部材と出力部材との相対回転を停止させ、プラネタリを拘束する停止機構(70)を備えることを特徴とする。この構成によると、最進角位置および最遅角位置においてプラネタリが拘束された後に、キャリヤロックを抑制することができる。
請求項3に記載の発明は、プラネタリが偏心状態にあるとき、内歯ギヤ(61、62)の歯先と外歯ギヤ(63、64)の歯先との間の最大隙間(GT)は、0より大きく、かつ、外周面(52c)と内周面(54a)との間の最大隙間(GL)より小さいことを特徴とする。この構成によると、内歯ギヤの歯先と外歯ギヤの歯先との衝突により、プラネタリの移動を制限することができる。
請求項4に記載の発明は、プラネタリは、入力部材に設けられた駆動ギヤ(61)に噛み合う第1ギヤ(63)、および出力部材に設けられた従動ギヤ(62)に噛み合う第2ギヤ(64)を有することを特徴とする。この構成によると、位相変換機構を提供する遊星歯車機構におけるキャリヤロックを抑制することができる。
請求項5に記載の発明は、キャリヤは、入力部材に回転可能に支持された第1外周面(52b)と、キャリヤの外周面を提供する第2外周面(52c)とを有し、第2外周面(52c)は、中心軸(AXR)と最大半径(RC)とによって規定される円形であることを特徴とする。この構成によると、キャリヤが回転しても、キャリヤがくさびのように作用することが回避される。
請求項6に記載の発明は、さらに、キャリヤとプラネタリとの間に設けられたベアリング(54)を備え、内周面(54a)はベアリングの内輪の内周面であることを特徴とする。この構成によると、キャリヤに対するプラネタリの回転を円滑にすることができる。
請求項7に記載の発明は、弾性部材は、ベアリングとキャリヤとの間に設けられていることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、さらに、キャリヤを回転させる電気モータ(7)を備えることを特徴とする。
なお、特許請求の範囲および上記手段の項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
本発明を適用した第1実施形態に係る可変バルブタイミング装置(以下、VVT装置という)を搭載した車両用内燃機関を示すブロック図である。 第1実施形態のVVT装置の断面図である。 第1実施形態のVVT装置の部分断面図である。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示してなくとも実施形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
図1は、本発明を適用した第1実施形態に係る可変バルブタイミング装置(以下、VVT装置という)を搭載した車両用の内燃機関システム1を示すブロック図である。内燃機関2(以下、エンジン2という)は、多気筒の4サイクルエンジンである。図中には、1気筒に関連する構成部品が模式的に図示されている。エンジン2は、出力軸としてのクランクシャフト3と、吸気バルブおよび/または排気バルブを駆動するカムシャフト4とを有する。クランクシャフト3とカムシャフト4との間には、駆動力を伝達する伝達機構5が設けられている。この実施例の伝達機構5は、チェーンとスプロケットとを含むチェーン機構である。伝達機構5は、歯付ベルトと歯車とを含むベルト機構、または複数の歯車を含むギヤ機構によって構成されてもよい。伝達機構5は、カムシャフト4を駆動するためにクランクシャフト3の回転をカムシャフト4に伝達する伝達経路を提供する。
伝達機構5には、クランクシャフト3に対するカムシャフト4の回転位相を調節するVVT装置6が設けられている。VVT装置6は、クランクシャフト3とカムシャフト4との間に設けられている。VVT装置6は、カムシャフト4の一端に設けられている。VVT装置6は、円柱状に構成されている。VVT装置6の外周面には、伝達機構5と連動するためのスプロケットが設けられている。VVT装置6は、クランクシャフト3、すなわち伝達機構5の回転位相と、カムシャフト4の回転位相とを所定の可変範囲内で調節する位相変換機構を内蔵している。位相変換機構は、遊星歯車機構を含んでいる。遊星歯車機構は、差動歯車機構とも呼ぶことができる。VVT装置6は、遊星歯車機構を駆動するための電気モータ(MTR)7を備える。電気モータ7は、プラネタリキャリヤの位置を調節することにより、位相を調節する。
VVT装置6は、制御系を構成する制御装置(CTR)8と複数のセンサ(SNR)9とを備える。制御装置8は、センサ9から入力される信号に基づいて電気モータ7を制御する。センサ9は、複数のセンサを含むことができる。例えば、センサ9には、クランクシャフト3の回転角度を検出するクランク角センサ、およびカムシャフト4の回転角度を検出するカム角センサを含むことができる。制御装置8は、最進角位置と最遅角位置との間の所定の位置にVVT装置6を制御する。制御装置8は、VVT装置6が最進角位置または最遅角位置に到達すると、電気モータ7による進角動作または遅角動作を終了する。制御装置8の制御遅れ、電気モータ7の応答遅れなどの遅れ要素、および遊星歯車機構の遊びに起因して、VVT装置6が最進角位置に到達した後にも電気モータ7がわずかに進角動作することがある。また、VVT装置6が最遅角位置に到達した後にも電気モータ7がわずかに遅角動作することがある。
制御装置8は、エンジン2の運転状態に応じて最適なバルブタイミングを提供するように電気モータ7を制御する。制御装置8は、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体を備えるマイクロコンピュータによって提供される。記憶媒体は、コンピュータによって読み取り可能なプログラムを格納している。記憶媒体は、メモリによって提供されうる。プログラムは、制御装置8によって実行されることによって、制御装置8をこの明細書に記載される装置として機能させ、この明細書に記載される制御方法を実行するように制御装置8を機能させる。制御装置8が提供する手段は、所定の機能を達成する機能的ブロック、またはモジュールとも呼ぶことができる。
図2は、第1実施形態のVVT装置6の断面図である。図2は、図3に図示されたII−II断面にほぼ対応している。VVT装置6の周方向に沿って分散して配置された複数の構成要素の形状を示すために、図中には、複数の箇所の断面が合成して図示されている。
VVT装置6は、クランクシャフト3に連動する入力部材31と、カムシャフト4に連動する出力部材41とを有する。入力部材31は、伝達経路における回転の入力側に設けられており、入力回転部材、または駆動部材とも呼ばれる。出力部材41は、伝達経路における回転の出力側に設けられており、出力回転部材、または従動部材とも呼ばれる。出力部材41は、カムシャフト4の一端の端面にボルトによって固定される。
入力部材31は、カムシャフト4の一端の外周面に回転可能に支持されている。入力部材31は、カムシャフト4の回転軸と同軸上に設けられている。入力部材31は、スプロケット32と、ハウジング33と、駆動歯車部材34とを備える。スプロケット32と、ハウジング33と、駆動歯車部材34とは、複数のボルト35によって軸方向に締結されている。スプロケット32と、ハウジング33と、駆動歯車部材34とは、駆動歯車部材34の径方向内側に開口部を有し、スプロケット32の径方向内側がカムシャフト4によって閉じられる筒状部材を提供している。スプロケット32に掛けられたチェーンにより、入力部材31は、クランクシャフト3と連動する。スプロケット32とハウジング33との間には、位置決め用のピン36が配置されている。
出力部材41は、カップ状に形成されている。出力部材41は、カムシャフト4の端面に固定される底壁と、底壁の径方向外側からカムシャフト4の軸方向に延び出す円筒状の外壁とを有する。
入力部材31と出力部材41との間には、入力部材31と出力部材41との一部を含み、さらにプラネタリ51とキャリヤ52とを含む遊星歯車機構が設けられている。遊星歯車機構は、入力部材31から出力部材41へ回転力を伝達する。さらに、遊星歯車機構は、入力部材31と出力部材41との間の回転位相を調節する。遊星歯車機構は、入力部材31に設けられた駆動ギヤ61と、出力部材に設けられた従動ギヤ62とを含む。駆動ギヤ61と従動ギヤ62とは、内歯である。駆動ギヤ61と従動ギヤ62とは、内歯ギヤを提供する。駆動ギヤ61は、駆動歯車部材34に形成されている。従動ギヤ62は、出力部材41の外壁の内面に形成されている。
プラネタリ51は、大径部と小径部とを有する段付き筒状に形成されている。プラネタリ51は、入力部材31および出力部材41に対して偏心した偏心状態に配置される。プラネタリ51の大径部は、駆動歯車部材34の径方向内側に配置されている。プラネタリ51の小径部は、出力部材41の径方向内側に配置されている。プラネタリ51は、駆動ギヤ61と従動ギヤ62とに対して偏心して配置されている。プラネタリ51の大径部には、駆動ギヤ61に噛み合う第1ギヤ63が形成されている。プラネタリ51の小径部には、従動ギヤ62とに噛み合う第2ギヤ64が形成されている。ギヤ63、64は、外歯である。第1ギヤ63と第2ギヤ64とは、外歯ギヤを提供する。駆動ギヤ61と第1ギヤ63とは、プラネタリ51の偏心方向において部分的にだけ噛み合っている。従動ギヤ62と第2ギヤ64とは、プラネタリ51の偏心方向において部分的にだけ噛み合っている。よって、プラネタリ51は、中心軸AXRから所定の偏心量eだけ偏心した偏心状態において入力部材31に設けられた内歯ギヤ61または出力部材41に設けられた内歯ギヤ62に噛み合う外歯ギヤ63、64を有している。この実施形態では、駆動ギヤ61と従動ギヤ62との一方がサンギヤを提供し、他方がリングギヤを提供している。
駆動ギヤ61の歯数は、第1ギヤ63の歯数より多い。従動ギヤ62の歯数は、第2ギヤ64の歯数より多い。さらに、駆動ギヤ61の歯数は、従動ギヤ62の歯数より多い。駆動ギヤ61と第1ギヤ63とは、電動モータ7の回転を減速してプラネタリ51を自転させる第1減速機構を構成する。従動ギヤ62と第2ギヤ64とは、電動モータ7の回転を減速してプラネタリ51を自転させる第2減速機構を構成する。このとき、2つの減速機構の差に起因して、プラネタリ51の自転は入力部材31と出力部材41との間の回転方向の位置、すなわち位相を変化させる。これにより、電動モータ7の回転によって、入力部材31と出力部材41との間に位相差が与えられる。よって、遊星歯車機構は、減速機構と、位相変換機構とを提供している。
出力部材41とハウジング33との間には、出力部材41とハウジング33との周方向に関する相対回転を、所定の可変範囲内においてのみ許容する扇状の噛み合い部が設けられている。この可変範囲は、VVT装置6の回転位相の可変範囲に対応する。噛み合い部は、VVT装置6を最進角位置と最遅角位置とにおいて機械的に停止させる停止機構70を提供する。停止機構70は、入力部材31と出力部材41とに形成された複数の衝突面によって提供されている。入力部材31に形成された扇状のチャンバ71は、周方向に離れて位置する2つの入力衝突面を提供する。出力部材41に設けられ、チャンバ71内に突入して配置された凸部72は、入力衝突面に接触して入力部材31と出力部材41との相対的な回転を停止させる2つの出力衝突面を提供する。VVT装置6が停止機構70によって停止すると、プラネタリ51も停止する。言い換えると、VVT装置6が最進角位置または最遅角位置に到達すると、遊星歯車機構は機械的に停止し、プラネタリ51は拘束される。
キャリヤ52は、プラネタリ51の径方向内側に配置されている。キャリヤ52は、入力部材31の駆動歯車部材34に回転可能に支持され、プラネタリ51を回転可能に支持する。キャリヤ52は、中心軸AXRのまわりに回転可能に支持されている。キャリヤ52の端部は、プラネタリ51の内側に配置されてプラネタリを支持する。キャリヤ52の内面には、電気モータ7に連結するための溝部52aが形成されている。キャリヤ52は、軸方向に沿って配置された2つの円筒部分を有する。ひとつの円筒部分は、円形の外周面である第1外周面52bを提供する。第1外周面52bは、駆動歯車部材34によって回転可能に支持される。第1外周面52bは、支持部とも呼ぶことができる。他の円筒部分は、円形の外周面である第2外周面52cを提供する。キャリヤ52は、第2外周面52cをプラネタリ51の径方向内側に位置付けるように配置される。第2外周面52cは、プラネタリ51を支持する。
入力部材31とキャリヤ52との間、すなわち駆動歯車部材34とキャリヤ52との間には、ベアリング53が設けられている。ベアリング53の内輪は第1外周面52bに固定されている。キャリヤ52は、ベアリング53によって駆動歯車部材34に回転可能に支持されている。ベアリング53は、第1ベアリング53とも呼ばれる。キャリヤ52とプラネタリ51との間には、ベアリング54が設けられている。ベアリング54は、プラネタリ51がキャリヤ52に対して自由に回転することを許容する。ベアリング54は、第2ベアリング54とも呼ばれる。ベアリング54は、プラネタリ51を支持するための円形の内周面54aを提供している。第2外周面52cは、ベアリング54の内輪の内周面54aの内側に位置付けられている。内周面54aは、第2外周面52cと接触することなく対向している。
さらに、キャリヤ52とプラネタリ51との間には、弾性部材としての板バネ55が設けられている。板バネ55は、第2外周面52cとベアリング54との間に設けられている。板バネ55は、ベアリング54の内輪の内面に接触している。板バネ55は、ベアリング54の内輪の内面を摺動することができる。板バネ55は、少なくともプラネタリ51を偏心方向、すなわちギヤ61−64の噛み合い位置に向けて押し出す弾性部材を提供する。板バネ55は、ベアリング54とプラネタリ51とを偏心状態に向けて押し出している。
板バネ55は、キャリヤ52に保持されている。キャリヤ52には、板バネ55を保持するための収容溝52dが形成されている。さらに、キャリヤ52の端部にはリング52eが装着されている。リング52eは、板バネ55の軸方向への移動を規制し、正規の位置に保持する。キャリヤ52と板バネ55とは、プラネタリ51を偏心状態に支持する偏心支持部を構成する。偏心支持部は、駆動ギヤ61とギヤ63、および従動ギヤ62とギヤ64の噛み合い状態が維持されるようにプラネタリ51を支持する。
図3は、第1実施形態のVVT装置6の部分断面図である。図3は、図2に図示されたIII−III断面にほぼ対応している。図中には、プラネタリ51、ベアリング54、および板バネ55が平面図として図示されている。図中において、カムシャフト4の回転軸は、中心軸AXRである。中心軸AXRは、VVT装置6がカムシャフト4に装着された状態のときに、入力部材31および出力部材41の回転のための中心軸でもある。プラネタリ51の回転軸は、偏心軸AXPである。
内周面54aは、プラネタリ51の内周面と平行である。よって、内周面54aは、プラネタリ51の内面と同視しうる面である。内周面54aは、偏心軸AXPと、偏心軸AXPからの半径RPとによって規定される。内周面54aは、偏心軸AXPを中心とする円柱状のチャンバを形成している。半径RPは、内周面54aの最小半径とも呼ぶことができる。
キャリヤ52の第2外周面52cは、中心軸AXRから偏心していない。第2外周面52cは、円形である。第2外周面52cは、中心軸AXRと、中心軸AXRからの半径RCとによって規定される。半径RCは、第2外周面52cの最大半径とも呼ぶことができる。よって、キャリヤ52は、中心軸AXRから偏心した偏心部を持たない。
第2外周面52cの一部には、板バネ55を収容するための収容溝52dが形成されている。収容溝52dは、第2外周面52cより凹んで形成されている。第2外周面52cには、偏心方向に関して対称となるように2本の収容溝52dが形成されている。収容溝52dは、ベース部分55aを収容し、保持するために、ベース部分55aの外形に対応した曲面によって構成されている。
板バネ55は、扁平で、かつ、やや湾曲したU字形またはC字形と呼びうる形状である。板バネ55は、眉形バネとも呼ばれる。VVT装置6は、2つの板バネ55、55を有する。2つの板バネ55、55は、偏心方向を対称軸として、周方向の両側に対称に配置されている。それぞれの板バネ55は、バネ鋼を曲げることによって形成されている。板バネ55は、ベース部分55aと、腕部分55bと、連結部分55cとを有する。ベース部分55aは収容溝52dに収容され、保持されている。腕部分55bは、キャリヤ52から径方向外側に延び出している。腕部分55bの外面は、内周面54aに接触している。連結部分55cは、ベース部分55aと腕部分55bとを連結している。板バネ55は、VVT装置6が組み立てられた状態ではやや圧縮された状態にある。板バネ55は、腕部分55bをキャリヤ52から径方向外側へ広げるように弾性力を発揮する。
板バネ55は、内周面54aに接触した状態では、プラネタリ51を支持するための仮想円に内接している。言い換えると、板バネ55の腕部分55bは、偏心軸AXPと半径RPとによって規定される仮想円に内接している。板バネ55は、最大に圧縮された場合に、板バネ55の全体が第2外周面52cによって規定される仮想円の内部に収容可能な形状である。例えば、腕部分55bが径方向内側へ圧縮された場合、その腕部分55bは、中心軸AXRと半径RCとによって規定される仮想円内にまで変形することができる。この結果、キャリヤ52と板バネ55とによって提供される偏心支持部は、中心軸AXRを中心する半径RCの仮想円と、偏心軸AXPを中心とする半径RPの仮想円との間で連続的に変形可能である。
半径RCと半径RPとは、RC<RPの関係を満たすように設定されている。半径RCは、半径RPより十分に小さい。半径RPと半径RCとの差(RP−RC)は、中心軸AXRと偏心軸AXPとの間の偏心量eより大きい。よって、第2外周面52cと内周面54aとの間の最小隙間GSは、ゼロ(0)より大きい。この構成では、第2外周面52cが中心軸AXRの周りを回転した場合、第2外周面52cは、半径RCを越える位置に到達することはない。言い換えると、第2外周面52cが内周面54aに直接に接触することがない。この結果、第2外周面52cは、内周面54aに対してくさび状に噛み込むことがない。言い換えると、キャリヤ52とプラネタリ51とがロックすることが防止される。
一方、駆動ギヤ61の歯先と第1ギヤ63の歯先との間の最大隙間GTは、0より大きく、かつ第2外周面52cと内周面54aとの間の最大隙間GLより小さい。最大隙間GLは、板バネ55が最大に圧縮されたときに、ギヤ61−64の噛み合いがずれるほどに大きく設定されてもよい。偏心軸AXPが中心軸AXRに接近するようにプラネタリ51が移動した場合、最大隙間GTの部分において駆動ギヤ61の歯先と第1ギヤ63の歯先とが衝突することによって、プラネタリ51の最大移動量が制限される。従動ギヤ62の歯先と第2ギヤ63の歯先との間の隙間は、最大隙間GTにほぼ等しい。よって、従動ギヤ62の歯先と第2ギヤ63の歯先との衝突によって、プラネタリ51の最大移動量が制限されることもある。この構成によると、内周面54aと第2外周面52cとの接触が回避される。また、加工精度が低いギヤ61−64を用いることが可能となる。また、他の観点では、異音の発生が抑制される。
この実施形態によると、キャリヤ52の第2外周面52cは、ベアリング54の内輪の内周面54a、すなわちプラネタリ51の内周面に接触することがない。このため、プラネタリ51が拘束された状態で、さらにキャリヤ52が回転しても、キャリヤロックが発生しない。さらに、板バネ55は、キャリヤ52の最大半径RCより内側にまで弾性変形可能である。このため、キャリヤ52に板バネ55が保持されていても、キャリヤ52と板バネ55とが内周面54a、すなわちプラネタリ51の内周面に噛み込むことを回避できる。
(他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。上記実施形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。
例えば、上記実施形態では、第2外周面52cは、全く偏心しておらず、第1外周面52bと第2外周面52cとは同心軸上に配置された2つの円柱外面である。これに代えて、第2外周面52cを僅かに偏心した偏心面として形成してもよい。また、第2外周面52cの形状を、円形以外の形状としてもよい。
また、上記実施形態では、板バネ55が最大半径RC以内に弾性変形可能な構成を採用した。これに代えて、弾性部材の変形可能量を、最大半径RCより僅かに径方向外側に突出するように設定してもよい。例えば、板バネ55を、中心軸AXRを中心とする半径RC+GSより内側に弾性変形可能に構成してもよい。例えば、板バネ55を、中心軸AXRを中心とする半径RC+GTより内側に弾性変形可能に構成してもよい。また、プラネタリ51とベアリング54との間に弾性部材を設けてもよい。この場合、キャリヤ52の第2外周面52cがベアリング54の外輪の外周面によって提供される。また、板バネ55に代えて、コイルバネ、ゴム等の弾性部材を用いてもよい。
また、上記実施形態では、遊星歯車機構によって減速機構と位相変換機構とを提供したが、遊星歯車機構によって減速機構だけを提供し、カム機構などによって位相変換機構を提供してもよい。
例えば、制御装置が提供する手段と機能は、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの組合せによって提供することができる。例えば、制御装置をアナログ回路によって構成してもよい。
1 内燃機関システム(エンジンシステム)、2 エンジン、3 クランクシャフト、4 カムシャフト、5 伝達機構、6 可変バルブタイミング装置(VVT装置)、7 電気モータ、8 制御装置、9 センサ、31 入力部材、41 出力部材、51 プラネタリ、52 キャリヤ、55 板バネ。

Claims (8)

  1. 内燃機関(2)のクランクシャフト(3)とカムシャフト(4)との間に設けられ、前記クランクシャフトに対する前記カムシャフトの回転位相を調節する可変バルブタイミング装置において、
    前記クランクシャフトに連動する入力部材(31)と、
    前記カムシャフトに連動する出力部材(41)と、
    前記入力部材および前記出力部材の回転のための中心軸(AXR)から所定の偏心量(e)だけ偏心した偏心状態において前記入力部材および前記出力部材に設けられた内歯ギヤ(61、62)に噛み合う外歯ギヤ(63、64)と、円形の内周面(54a)とを有するプラネタリ(51)と、
    前記中心軸のまわりに回転可能に支持されるとともに、前記プラネタリの内側に配置されて前記プラネタリを支持するキャリヤ(52)と、
    前記プラネタリと前記キャリヤとの間に設けられ、前記プラネタリを前記偏心状態に向けて押す弾性部材とを備え、
    前記プラネタリの前記内周面の最小半径(RP)と前記キャリヤの外周面(52c)の最大半径(RC)との差(RP−RC)が、前記偏心量(e)より大きく設定されていることを特徴とする可変バルブタイミング装置。
  2. さらに、最進角位置および最遅角位置において前記入力部材と前記出力部材との相対回転を停止させ、前記プラネタリを拘束する停止機構(70)を備えることを特徴とする請求項1に記載の可変バルブタイミング装置。
  3. 前記プラネタリが前記偏心状態にあるとき、前記内歯ギヤ(61、62)の歯先と前記外歯ギヤ(63、64)の歯先との間の最大隙間(GT)は、0より大きく、かつ、前記外周面(52c)と前記内周面(54a)との間の最大隙間(GL)より小さいことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の可変バルブタイミング装置。
  4. 前記プラネタリは、
    前記入力部材に設けられた駆動ギヤ(61)に噛み合う第1ギヤ(63)、および前記出力部材に設けられた従動ギヤ(62)に噛み合う第2ギヤ(64)を有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の可変バルブタイミング装置。
  5. 前記キャリヤは、
    前記入力部材に回転可能に支持された第1外周面(52b)と、
    前記キャリヤの前記外周面を提供する第2外周面(52c)とを有し、
    前記第2外周面(52c)は、前記中心軸(AXR)と前記最大半径(RC)とによって規定される円形であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の可変バルブタイミング装置。
  6. さらに、前記キャリヤと前記プラネタリとの間に設けられたベアリング(54)を備え、前記内周面(54a)は前記ベアリングの内輪の内周面であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の可変バルブタイミング装置。
  7. 前記弾性部材は、前記ベアリングと前記キャリヤとの間に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の可変バルブタイミング装置。
  8. さらに、前記キャリヤを回転させる電気モータ(7)を備えることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の可変バルブタイミング装置。
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