JP6323301B2 - バルブタイミング調整装置 - Google Patents

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Description

本発明は、バルブタイミング調整装置に関する。
従来、モータが発生する駆動力を利用して内燃機関(以下、「エンジン」という)の吸気バルブまたは排気バルブの少なくとも一方のバルブタイミングを調整する電動式バルブタイミング調整装置が知られている。例えば、特許文献1には、クランク軸と連結する第一回転体、バルブの開閉を駆動するカム軸と連結する第二回転体、偏心シャフトを経由してモータの駆動力が伝達される遊星回転体、バルブの駆動における反力によって発生する変動トルクに起因する第一回転体または第二回転体と遊星回転体との歯当たり異常を回避するため遊星回転体を径方向外側に付勢する付勢部材を備えるバブルタイミング調整装置が記載されている。
特許4924922号明細書
電動式バルブタイミング調整装置では、稼働しているエンジンを停止するとき、次回のエンジン始動時に良好な始動特性が得られるよう第一回転体に対する第二回転体の位相を所望の位相とし、エンジンが停止しているときには付勢部材によって径方向外側に付勢される遊星回転体と第一回転体または第二回転体との摩擦力、及び、モータのコギングトルクによって当該所望の位相を保持している。
しかしながら、精度よく所望の位相に保持するために遊星回転体と第一回転体または第二回転体との摩擦力を大きくしようとすると、付勢力を大きくするために付勢部材の体格が大きくなる。このため、バルブタイミング調整装置の体格が大きくなる。また、精度よく所望の位相に保持するためにモータのコギングトルクを大きくしようとすると、モータの回転特性が悪化する。このため、モータの性能が低下し、バルブタイミング調整装置の特性が悪化する。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、その目的は、体格を小さくしつつ、内燃機関が始動するときのバルブタイミングを所望のバルブタイミングとするバルブタイミング調整装置を提供することである。
本発明のバルブタイミング調整装置は、偏心シャフト、遊星回転体、内歯車、第一回転体、第二回転体、スプロケット、軸受、及び、付勢力発生部を備える。
偏心シャフトは、第一軸の延長上に設けられるモータに連結可能であり、第一軸の軸心まわりに回転可能に支持されている。偏心シャフトは、軸心に対し偏心する偏心部を有する。
遊星回転体は、偏心シャフトの径方向外側に設けられ、外歯車を有し、偏心部まわりに回転可能に支持される。
内歯車は、第一軸と同軸上に位置し、外歯車と噛み合い可能に設けられる。
第一回転体は、内歯車と一体に、軸心まわり回転可能に設けられる
第二回転体は、第一軸と同軸上に位置し、第一軸の端部に固定されつつ遊星回転体と一体にまたは遊星回転体の回転に対して所定の比率で回転可能に設けられる。
スプロケットは、第二軸に連結可能であり、第一回転体と一体に設けられる。
軸受は、偏心部と遊星回転体との間に設けられている。軸受は、偏心シャフトの周方向に移動可能な複数の転動体、偏心部の径方向外側に設けられ複数の転動体を回転可能に支持する支持部材、支持部材と遊星回転体との間に遊星回転体と一体に回転可能に設けられ複数の転動体を周方向に移動可能に支持する外輪部材、及び、支持部材と偏心部との間に偏心部と一体に回転可能に設けられ複数の転動体を周方向に移動可能に支持する内輪部材を有する。軸受は、偏心シャフトに対して遊星回転体を回転可能に支持する。
付勢力発生部は、軸受の径方向内側に少なくとも二つ以上設けられ、軸受を経由して遊星回転体を径外方向に付勢する。
本発明のバルブタイミング調整装置は、複数の付勢力発生部の一の付勢力発生部が複数の転動体の第一の転動体と第一の転動体に隣り合う第二の転動体との間に位置する内輪部材に径外方向の付勢力を作用させるとき、一の付勢力発生部に隣り合う他の付勢力発生部の少なくとも一つは、第一の転動体に対して第二の転動体とは反対側の第三の転動体と第一の転動体との間に位置する内輪部材に径外方向の付勢力を作用させることを特徴とする。
本発明のバルブタイミング調整装置では、偏心シャフトに対して遊星回転体を回転可能に支持する軸受の径方向内側に付勢力発生部が少なくとも二つ以上設けられている。複数の付勢力発生部の一の付勢力発生部は、第一の転動体と第一の転動体に隣り合う第二の転動体との間に位置する内輪部材に径外方向の付勢力を作用させる。このとき、一の付勢力発生部に隣り合う他の付勢力発生部の少なくとも一つは、第一の転動体に対して第二の転動体とは反対側の第三の転動体と第一の転動体との間に位置する内輪部材に径外方向の付勢力を作用させる。これにより、ひとつの転動体を挟むよう位置する内輪部材の二つの部位が径外方向に向かって変形する。この内輪部材の変形によって第一の転動体の周方向の移動が確実に規制されるため、偏心シャフトに対する遊星回転体の回転が規制される。
このように、本発明のバルブタイミング調整装置では、転動体が周方向に移動しないよう転動体に直接付勢力を作用させる場合に比べ小さい付勢力によって偏心シャフトに対する遊星回転体の相対回転を規制することができる。これにより、付勢力発生部を小さくすることができる。したがって、体格を小さくしつつ、内燃機関が停止しているとき遊星回転体を介した第一回転体に対する第二回転体の位相を所望の位相に確実に保持し、内燃機関が始動するときのバルブタイミングを所望のバルブタイミングとすることができる。
本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置の断面図である。 本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置とエンジンとの関係を示す模式図である。 図1のIII−III線断面図である。 図1のIV−IV線断面図である。 図3のV−V部拡大図である。 図3のVI−VI部拡大図である。 図6とは異なるバルブタイミングにおけるVI−VI部拡大図である。 本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置における軸受の回転角度と回転阻害力との関係を示す模式図である。 本発明の第二実施形態によるバルブタイミング調整装置の断面図である。 本発明の第二実施形態によるバルブタイミング調整装置の断面図であって、図10とは異なる部位の断面図である。 本発明の第二実施形態によるバルブタイミング調整装置における軸受の回転角度と回転阻害力の関係を示す模式図である。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第一実施形態)
本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置を図1から図8に示す。
最初に、バルブタイミング調整装置1と「内燃機関」としてのエンジン5との関係について図2に基づいて説明する。
エンジン5は、ガソリンなどの燃焼によって発生する回転駆動力を外部に出力する「駆動軸」及び「第二軸」としてのクランク軸6を有する。クランク軸6が出力する回転駆動力は、タイミングベルト9を経由して「従動軸」及び「第一軸」としての吸気側カム軸7及び排気側カム軸8にそれぞれ伝達される。吸気側カム軸7及び排気側カム軸8が回転すると、図示しない「バルブ」としての吸気バルブ及び排気バルブが開閉する。第一実施形態では、吸気側カム軸7にバルブタイミング調整装置1が設けられている。
エンジン5は、ECU10及びモータ駆動制御ユニット(以下、「EDU」という)13を有している。
ECU10は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各種のエンジン制御プログラムを実行することで、エンジンの運転状態に応じて燃料噴射弁の燃料噴射量や点火プラグの点火時期を制御する。ECU10は、電気的に接続しているカム角センサ11やクランク角センサ12が出力する信号に基づいて実際のカム軸位相を算出するとともに、エンジンの運転条件に応じて目標とするカム軸位相を算出する。ECU10では、目標とするカム軸位相からモータ70の目標回転を算出し、算出された目標回転に応じた信号がEDU13に出力される。
EDU13は、ECU10が出力する目標回転に応じた電流をモータ70に通電する。バルブタイミング調整装置1は、EDU13が通電する電流に基づいて駆動するモータ70の駆動力を用いてクランク軸6に対する吸気側カム軸7の位相を目標とするカム軸位相に変更する。これにより、エンジン5では、カム軸位相の変更によって吸気バルブの開閉タイミングが変更される。
次に、バルブタイミング調整装置1の構成について説明する。
バルブタイミング調整装置1は、ハウジング20、偏心シャフト30、軸受32、ばね60、65、遊星回転体40、及び、「第二回転体」としてのカム軸側回転体50を備えている。バルブタイミング調整装置1は、吸気側カム軸7の延長上に設けられ、例えば、図示しないチェーンカバーに固定されるモータ70によって駆動される電動式バルブタイミング調整装置である。
ハウジング20は、モータ70側に位置しているフロントハウジング21と、吸気側カム軸7側に位置しているリアハウジング22とから構成されている。フロントハウジング21とリアハウジング22とはボルト23によって一体に回転するよう固定されている。
フロントハウジング21は、「内歯車」としての第一内歯車211、及び、「第一回転体」としてのフロントフランジ部212から形成されている。第一実施形態では、第一内歯車211及びフロントフランジ部212は、一体に形成されている。フロントハウジング21は、吸気側カム軸7の軸心AX1まわりに回転可能に支持されている。
第一内歯車211は、フロントハウジング21のリアハウジング22側に設けられている。第一内歯車211は、軸心AX1と同軸上に位置する。第一内歯車211の径方向内側には、径内方向に向かって延びるよう形成される第一内歯213を有している。
フロントフランジ部212は、第一内歯車211のモータ70側に設けられる環状の部位である。フロントフランジ部212の径方向内側には、軸心AX1の方向にボールがひとつのみ並べられる、いわゆる、単式の軸受24が設けられている。これにより、第一内歯車211及びフロントフランジ部212と後述する偏心シャフト30とは、相対回転可能である。
リアハウジング22は、筒部221、リアフランジ部222、及び、スプロケット25から形成されている。第一実施形態では、筒部221、リアフランジ部222、及び、スプロケット25は、一体に形成されている。
筒部221は、後述するカム軸側回転体50の径方向外側に設けられている。筒部221の径方向内側には、カム軸側回転体50の径方向外側の外壁と摺動する内壁223が形成されている。筒部221の径方向外側には、スプロケット25が設けられている。スプロケット25には、タイミングベルト9が連結される(図1、2参照)。筒部221は、複数のボルト23によってフロントハウジング21に固定される。
リアフランジ部222は、軸心AX1方向においてカム軸側回転体50の吸気側カム軸7側に位置している。
偏心シャフト30は、軸心AX1上に設けられ、軸受24を経由してフロントハウジング21により軸心AX1まわりに回転可能に支持されている。偏心シャフト30は、連結部材71によってモータ70のモータ軸72の回転が伝達可能に連結されている。偏心シャフト30のリアハウジング22側には、軸心AX1に対し偏心する偏心部31が形成されている。偏心部31の径方向外側には、軸受32が設けられている。これにより、後述する遊星回転体40と偏心シャフト30とは、相対回転可能である。
軸受32は、偏心部31の径方向外側に設けられている。軸受32は、複数の「転動体」としてのボール33、支持部材34、外輪部材35、及び、内輪部材36を有している。
複数のボール33は、図3、4に示すように、偏心シャフト30の周方向に等間隔に配置されている。複数のボール33は、軸心AX1に対して周方向に移動可能に設けられている。第一実施形態では、ボール33は、軸心AX1の方向に一つのみ設けられる。すなわち、第一実施形態の軸受32は、単式軸受である。
支持部材34は、偏心部31の径方向外側に軸心AX1まわりに回転可能に設けられている。支持部材34は、環状に形成され、複数のボール33の周方向の間隔が変化しないよう、かつ、回転可能なよう複数のボール33を支持する。
外輪部材35は、支持部材34と遊星回転体40との間に遊星回転体40と一体に回転可能に設けられる。外輪部材35は、軸心AX1からみて複数のボール33の径方向外側を複数のボール33が周方向に移動可能なよう支持している。
内輪部材36は、支持部材34と偏心部31との間に偏心シャフト30と一体に回転可能に設けられる。内輪部材36は、軸心AX1からみて複数のボール33の径方向内側を複数のボール33が周方向に移動可能なよう支持している。
「付勢手段」としての二つのばね60、65は、偏心部31と軸受32との間に設けられている。ばね60、65は、図3〜6に示すように、軸心AX1に垂直な断面形状が径方向外側に開口を有する略C字状となるよう形成されている。ばね60、65は、弾性力を有する部材から形成されている。ばね60、65が設けられる位置、形状、作用などの詳細は後述する。
遊星回転体40は、段付筒状に形成されている。遊星回転体40は、第一内歯車211と噛み合っている「外歯車」としての第一外歯車41、および、軸心AX1方向において吸気側カム軸7と第一外歯車41との間に位置し第二内歯車51と噛み合っている第二外歯車42を有している。
遊星回転体40は、偏心部31の軸心である偏心軸心AX2と同軸上に位置し、軸受32を経由して偏心部31により遊星運動可能に支持されている。遊星運動とは、偏心軸心AX2まわりに自転しつつ軸心AX1まわりに公転する運動のことである。第一実施形態では、第一外歯車41は、第一内歯車211よりも歯数が少ない。また、第二外歯車42は、カム軸側回転体50が有する第二内歯車51よりも歯数が少ない。すなわち、第一内歯車211を有するフロントハウジング21及び第二内歯車51を有するカム軸側回転体50と遊星回転体40とは所定の比率で回転可能に設けられている。
カム軸側回転体50は、吸気側カム軸7と同軸上に位置し、第二内歯車51、及び、第二内歯車51に対し吸気側カム軸7側に位置しているフランジ部52を有している。フランジ部52は、ボルト53によって吸気側カム軸7の端部に固定されている。
また、カム軸側回転体50は、図4に示すように、第二内歯車51から径方向外側に突き出す突部501を複数有している。突部501は、筒部221の径方向内側に形成される凹状空間224に周方向に移動可能に収容されている。突部501が周方向において凹状空間224を形成する筒部221の内壁に係合すると、カム軸側回転体50の回転が所定の角度範囲内に規制される。
バルブタイミング調整装置1では、クランク軸6に対する吸気側カム軸7の回転位相が目標値よりも遅角側である場合、モータ70によって偏心シャフト30がハウジング20に対し高速回転させられる。つまり、偏心シャフト30がハウジング20に対し図3、4に示す進角方向に相対回転させられる。このとき、偏心シャフト30の回転は、遊星回転体40が遊星運動することによって減速し吸気側カム軸7に伝達される。これにより、吸気バルブのバルブタイミングが進角される。
また、吸気側カム軸7の回転位相が目標値よりも進角側である場合、モータ70によって偏心シャフト30がハウジング20に対し低速回転させられる。つまり、偏心シャフト30がハウジング20に対し図3、4に示す遅角方向に相対回転させられる。このとき、偏心シャフト30の回転は、遊星回転体40が遊星運動することによって減速し吸気側カム軸7に伝達される。これにより、吸気バルブのバルブタイミングが遅角される。
また、吸気側カム軸7の回転位相が目標値と一致する場合、偏心シャフト30はハウジング20と同速回転させられる。このとき、遊星回転体40は、遊星運動せず、ハウジング20及びカム軸側回転体50と一体に回転する。これにより、吸気バルブのバルブタイミングが保持される。
第一実施形態によるバルブタイミング調整装置1は、ばね60、65に特徴がある。ここでは、図3〜8に基づいてばね60、65が設けられる位置、構成、及び、効果について説明する。図5及び図6は、バルブタイミング調整装置1において同じバルブタイミングにおけるばね60、65の近傍の拡大図を示している。また、図7は、図5及び図6とは異なるバルブタイミングにおけるばね65の近傍の拡大図である。また、図8は、軸受32の回転角度と軸受32の周方向の回転を阻害するための力(以下、「回転阻害力」という)との関係を示す特性図である。
ばね60は、図3、図4に示すように、モータ70側から軸心AX1の方向にみて進角側に位置し、偏心部31の径方向外側に形成されているばね収容空間310に収容されている。
ばね60は、図5に示すように、当接部601、及び、二つの「付勢力発生部」としての湾曲部602、603を有する。
当接部601は、周方向に延びるよう形成されている。当接部601は、ばね収容空間310を形成する内壁に当接する。
二つの湾曲部602、603は、当接部601の両端から径外方向に向かって延びた後、湾曲部602は湾曲部603に向かって延びるよう、また、湾曲部603は湾曲部602に向かって延びるよう形成されている。湾曲部602、603の径方向外側の外壁604、605は、内輪部材36の径方向内側の内壁360に当接している。
ばね60は、湾曲部602、603の弾性変形によって軸受32を経由して遊星回転体40を径外方向に付勢する付勢力を発生している。湾曲部602は、特許請求の範囲に記載の「一の付勢力発生部」に相当する。湾曲部603は、特許請求の範囲に記載の「一の付勢力発生部に隣り合う他の付勢力発生部の少なくとも一つ」に相当する。
二つの湾曲部602、603のそれぞれの付勢力を付勢力F602、F603とする。付勢力F602は、図5に示すように、隣り合う二つのボール33の間に位置する内輪部材36に作用している。具体的には、図5に示されているボール33を進角側からボール331、332、333、334とすると、付勢力F602は、軸心AX1から径外方向にみて、「第二の転動体」としてのボール331と「第一の転動体」としてのボール332との間に位置する内輪部材36の「第一の転動体に隣り合う第二の転動体との間に位置する内輪部材」としての部位361に作用している。これにより、部位361は、図5に示すように、径外方向に当該付勢力がなくなると復元可能な程度に変形する。
また、付勢力F603は、軸心AX1から径外方向にみて、ボール332と「第三の転動体」としてのボール333との間に位置する内輪部材36の「第三の転動体と第一の転動体との間に位置する内輪部材」としての部位362に作用している。これにより、部位362は、図5に示すように、径外方向に当該付勢力がなくなると復元可能な程度に変形する。
付勢力F602と付勢力F603との合力F61は、遊星回転体40を径外方向に付勢している(図3参照)。
ばね65は、図3、図4に示すように、モータ70側から軸心AX1の方向にみて遅角側に位置し、偏心部31の径方向外側に形成されているばね収容空間315に収容されている。
ばね65は、当接部651、及び、二つの「付勢力発生部」としての湾曲部652、653を有する。
当接部651は、周方向に延びるよう形成されている。当接部651は、ばね収容空間315を形成する内壁に当接する。
二つの湾曲部652、653は、当接部651の両端から径外方向に向かって延びた後、湾曲部652は湾曲部653に向かって延びるよう、また、湾曲部653は湾曲部652に向かって延びるよう形成されている。湾曲部652、653の径方向外側の外壁654、655は、内輪部材36の径方向内側の内壁360に当接している。
ばね65は、湾曲部652、653の弾性変形によって軸受32を経由して遊星回転体40を径外方向に付勢する付勢力を発生している。湾曲部652は、特許請求の範囲に記載の「一の付勢力発生部」に相当する。湾曲部653は、特許請求の範囲に記載の「一の付勢力発生部に隣り合う他の付勢力発生部の少なくとも一つ」に相当する。
二つの湾曲部652、653のそれぞれの付勢力を付勢力F652、F653とする。付勢力F652は、図6に示すように、隣り合う二つのボール33の間に位置する内輪部材36に作用している。具体的には、図6に示されているボール33を進角側からボール335、336、337、338とすると、付勢力F652は、軸心AX1から径外方向にみて、「第二の転動体」としてのボール336と「第一の転動体」としてのボール337との間に位置する内輪部材36の「第一の転動体に隣り合う第二の転動体との間に位置する内輪部材」としての部位363に作用している。これにより、部位363は、図6に示すように、径外方向に当該付勢力がなくなると復元可能な程度に変形する。
また、付勢力F653は、軸心AX1から径外方向にみて、ボール337と「第三の転動体」としてのボール338との間に位置する内輪部材36の「第三の転動体と第一の転動体との間に位置する内輪部材」としての部位364に作用している。これにより、部位364は、図6に示すように、径外方向に当該付勢力がなくなると復元可能な程度に変形する。
付勢力F652と付勢力F653との合力F65は、遊星回転体40を径外方向に付勢している(図3参照)。
また、バルブタイミング調整装置1では、ばね60とばね65とは、隣り合うボール33の間隔の自然数倍、具体的には、隣り合うボール33の間隔の4倍離れた位置に設けられている。
図3を用いて具体的に説明すると、ばね60の中心C60と軸心AX1上の点とを結ぶ線を仮想線VL60とし、ばね65の中心C65と軸心AX1上の点とを結ぶ線を仮想線VL65とすると、仮想線VL60と仮想線VL65とがなす角度δ1は、一つのボール33の中心C330と軸心AX1上の点とを結ぶ線である仮想線VL30と当該一つのボール33に隣り合う他のボール33の中心C339と軸心AX1上の点とを結ぶ線である仮想線VL39とがなす角度δ0の4倍となっている。これにより、湾曲部602に対する湾曲部652、及び、湾曲部603に対する湾曲部653は、隣り合うボール33の間隔の4倍離れた位置に設けられる。また、湾曲部602に対する湾曲部653は、隣り合うボール33の間隔の5倍離れた位置に設けられる。また、湾曲部603に対する湾曲部652は、隣り合うボール33の間隔の3倍離れた位置に設けられる。
また、バルブタイミング調整装置1では、合力F61と合力F65との合力F60は、図3に示す領域S21において第一内歯車211と遊星回転体40とが噛み合うよう、図4に示す領域S50において第二内歯車51と遊星回転体40とが噛み合うよう遊星回転体40を付勢する。
(a)第一実施形態によるバルブタイミング調整装置1では、エンジン5が停止しているとき、次回のエンジン始動時に良好な始動特性を得るために吸気バルブのバルブタイミングが所望のバルブタイミングとなるようクランク軸6に対する吸気側カム軸7の位相を所望の位相に保持する。エンジン5が停止しているとき、バルブタイミング調整装置1では、モータ70のコギングトルクとばね60、65の付勢力による遊星回転体40と第一内歯車211及び第二内歯車51との摩擦力によってクランク軸6に対する吸気側カム軸7の相対位置を保持する。このとき、ばね60は、軸心AX1から径外方向にみてボール332の両側に位置する内輪部材36の部位361、362を復元可能な程度に変形し、ボール332の周方向への移動を規制する。また、ばね65は、軸心AX1から径外方向にみてボール337の両側に位置する内輪部材36の部位363、364を復元可能な程度に変形し、ボール337の周方向への移動を規制する。これにより、バルブタイミング調整装置1では、エンジンが停止しているときボールが周方向に移動しないようボールに直接付勢力を作用させる場合に比べ、小さい付勢力でクランク軸6に対する吸気側カム軸7の位相を所望の位相とし、吸気バルブのバルブタイミングを所望のバルブタイミングとする位相に確実に保持することができる。したがって、ばね60、65の体格を比較的小さくすることができるため、バルブタイミング調整装置1の体格を小さくしつつ、エンジン5が始動するときのバルブタイミングを確実に所望のバルブタイミングとすることができる。
(b)バルブタイミング調整装置1では、「付勢力発生部」を二つ備える「付勢手段」としてのばね60、65を備えている。これにより、ばね収容空間310、315のように比較的狭い空間に一つのボールの周方向の移動を規制可能な二つの「付勢力発生部」を設けることができる。
(c)バルブタイミング調整装置1は、ばね60、65を二つ備えている。これにより、遊星回転体40を径外方向に付勢する付勢力、すなわち、合力F60は、一つのばねによる付勢力より大きくなる。これにより、バルブタイミングを確実に所望のバルブタイミングとする保持力をさらに向上させることができる。
(d)また、バルブタイミング調整装置1では、ばね60とばね65とは、隣り合うボール33の間隔の4倍離れた位置に設けられている。これにより、ばね60が内輪部材36の部位361、362を径外方向に付勢するとき、ばね65は、内輪部材36の部位363、364を径外方向に付勢する。これにより、二つのばねの付勢力が同時に作用するため、吸気バルブのバルブタイミングを所望のバルブタイミングとする位相にさらに確実に保持することができる。
(e)また、バルブタイミング調整装置1では、図5、6に示す軸受32の位置において内輪部材36の変形量が最も大きくなる。このときの軸受32の回転角度を回転角度θ1、θ2とすると、図8に示すように、回転角度θ1、θ2において回転阻害力は最大となる。このとき、回転角度θ1と回転角度θ2との回転角度の差は、隣り合うボール33が軸心AX1となす角度の差である角度δ0となる(図3参照)。
一方、回転角度θ1と回転角度θ2との中間の回転角度である回転角度θ3では、ばね60、65の合力F60、F65はボール33の直下に作用するため、内輪部材36は変形しにくい。具体的には、図7に示すように、ばね65の湾曲部652、653がボール336、337の径内方向に位置していると、支持部材34と内輪部材36との間に隙間がないため、内輪部材36が変形しない。これにより、軸受32に作用する回転阻害力は、湾曲部652、653が内輪部材36の部位363、364に作用する場合に比べ小さくなる。特に、回転角度θ3では、ばね65の付勢力は、ボール33の直下の内輪部材36に作用するため、最小となる。すなわち、回転阻害力が最大となるときの回転角度と最小となるときの回転角度は、隣り合うボール33が軸心AX1となす角度δ0の半分の角度となる。ここでは、図7に基づいてばね65の作用を説明したが、同じバルブタイミングにおいてはばね60も同様である。
このように、第一実施形態によるバルブタイミング調整装置1では、回転阻害力が最大となる回転角度と回転阻害力が最小となる回転角度とが周期的に交互に設けられる。これにより、支持部材34の周方向の力の掛かり方が均一となるため、支持部材34の負荷を低減することができる。
(f)また、従来、バルブタイミング調整装置では、エンジン停止時のバルブタイミングを確実に所望のバルブタイミングとするため、遊星回転体を径外方向に付勢するばねの付勢力を大きくする。
バルブタイミング調整装置が備える軸受のうちフロントハウジングを回転可能に支持する軸受としては、比較的離れた位置にある当該ばねの付勢力や比較的離れた位置にある遊星回転体の回転によるモーメントを耐えるため、軸心AX1方向に二つのボールが並ぶよう配置されている、いわゆる、複式軸受が用いられる。バルブタイミング調整装置の製造段階において、フロントハウジング側の軸受を複式軸受とすると、部品の種類を少なくしバルブタイミング調整装置の製造コストを低減するために遊星回転体側の軸受も複式軸受とする場合がある。このため、付勢力を大きくするため比較的体格が大きいばねが設けられるとともに軸心方向にボールが四つ並ぶため、バルブタイミング調整装置の軸心方向の長さが長くなり、体格が比較的大きくなる。
また、一つの軸受において軸心AX1方向に並んでいるボールが周方向にずれると、内輪部材の変形の度合いが小さくなる。このため、内輪部材の変形によってボールの周方向の移動を規制する本案の効果(a)の効果の度合いが小さくなる。
バルブタイミング調整装置1では、効果(a)でも述べたように、ばね60、65の付勢力が比較的小さい付勢力であっても吸気バルブのバルブタイミングを所望のバルブタイミングとする位相に確実に保持することができるため、ばね60、65を小さくすることができる。これにより、軸受24として、複式軸受を用いるバルブタイミング調整装置に比べ近い位置にある遊星回転体40の回転によるモーメントを軸心AX1の方向にボールが一つのみ設けられる単式軸受を用いることができる。また、バルブタイミング調整装置1の製造コストを低減するため、軸受32にも同じ単式軸受を用いることができるため、バルブタイミング調整装置1の軸心AX1方向の長さをさらに短くすることができ、体格をさらに小さくすることができる。
(g)また、軸受32を単式軸受とすると、一つの軸受において複式軸受の場合に発生する軸心AX1方向でのボールのずれがなくなるため、同じ付勢力であっても内輪部材36の変形の度合いが大きくなる。これにより、本案の効果(a)の効果の度合いが小さくなることを防止できる。
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態によるバルブタイミング調整装置を図9〜11に基づいて説明する。第二実施形態は、二つのばねの位置関係が第一実施形態と異なる。なお、第一実施形態と実質的に同一の部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
第二実施形態によるバルブタイミング調整装置2では、「付勢手段」としてのばね80、85が偏心部31と軸受32との間に設けられている。図9及び図10は、バルブタイミング調整装置2において同じバルブタイミングにおけるばね80、85近傍の拡大図を示している。
ばね80は、モータ70側から軸心AX1の方向にみて進角側に位置し、偏心部31のばね収容空間310に収容されている。ばね80は、当接部801、及び、二つの「付勢力発生部」としての湾曲部802、803を有する。
当接部801は、周方向に延びるよう形成されている。当接部801は、ばね収容空間310を形成する内壁に当接する。
二つの湾曲部802、803は、当接部801の両端から径方向外側に延びた後、湾曲部802は湾曲部803に向かって延びるよう、また、湾曲部803は、湾曲部802に向かって延びるよう形成されている。湾曲部802、803の径方向外側の外壁804、805は、内輪部材36の径方向内側の内壁360に当接している。ばね80は、湾曲部802、803の弾性変形によって軸受32を経由して遊星回転体40を径外方向に付勢する。湾曲部802は、特許請求の範囲に記載の「一の付勢力発生部」に相当する。湾曲部803は、特許請求の範囲に記載の「一の付勢力発生部に隣り合う他の付勢力発生部の少なくとも一つ」に相当する。
二つの湾曲部802、803のそれぞれの付勢力を付勢力F802、F803とする。付勢力F802は、軸心AX1から径外方向にみて、ボール331とボール332との間に位置する内輪部材36の部位361に作用している。これにより、部位361は、図9に示すように、径外方向に当該付勢力がなくなると復元可能な程度に変形する。
また、付勢力F803は、軸心AX1から径外方向にみて、ボール332とボール333との間に位置する内輪部材36の部位362に作用している。これにより、部位362は、図9に示すように、径外方向に当該付勢力がなくなると復元可能な程度に変形する。
付勢力F802と付勢力F803との合力は、遊星回転体40を径外方向に付勢している。
ばね85は、モータ70側から軸心AX1の方向にみて遅角側に位置し、偏心部31の径方向外側に形成されているばね収容空間317に収容されている。
ばね85は、当接部851、及び、二つの「付勢力発生部」としての湾曲部852、853を有する。
当接部851は、周方向に延びるよう形成されている。当接部851は、ばね収容空間317を形成する内壁に当接する。
二つの湾曲部852、853は、当接部851の両端から径方向外側に延びた後、湾曲部852は湾曲部853に向かって延びるよう、また、湾曲部853は湾曲部852に向かって延びるよう形成されている。湾曲部852、853の径方向外側の外壁854、855は、内輪部材36の径方向内側の内壁360に当接している。ばね85は、湾曲部852、853の径方向外側への弾性変形によって軸受32を経由して遊星回転体40を径外方向に付勢する。湾曲部852は、特許請求の範囲に記載の「一の付勢力発生部」に相当する。湾曲部853は、特許請求の範囲に記載の「一の付勢力発生部に隣り合う他の付勢力発生部の少なくとも一つ」に相当する。
二つの湾曲部852、853のそれぞれの付勢力を付勢力F852、F853とする。ばね80の付勢力F802、F803が図9に示すように、内輪部材36の部位361、362に作用しているとき、付勢力F852は、軸心AX1から径外方向にみて、ボール336の径方向内側に位置する内輪部材36の部位365に作用している。また、付勢力F853は、軸心AX1から径外方向にみて、ボール337の径方向内側に位置する内輪部材36の部位366に作用している。
付勢力F852と付勢力F853との合力は、遊星回転体40を径外方向に付勢している。
第二実施形態によるバルブタイミング調整装置2では、ばね80とばね85とは、隣り合うボール33の間隔の自然数倍に当該間隔の半分の間隔を加えた間隔、具体的には、隣り合うボール33の間隔の3.5倍離れた位置に設けられている。
より具体的には、ばね80の中心C80と軸心AX1上の点とを結ぶ線を仮想線VL80とし、ばね85の中心C85と軸心AX1上の点とを結ぶ線を仮想線VL85とすると、仮想線VL80と仮想線VL85とがなす角度は、一つのボール33の中心と軸心AX1上の点とを結ぶ線である仮想線と当該一つのボール33に隣り合う他のボール33の中心と軸心AX1上の点とを結ぶ線である仮想線とがなす角度δ0の3.5倍となっている。これにより、湾曲部802に対する湾曲部852、及び、湾曲部803に対する湾曲部853は、隣り合うボール33の間隔の4.5倍離れた位置に設けられる。また、湾曲部802に対する湾曲部853は、隣り合うボール33の間隔の5.5倍離れた位置に設けられる。また、湾曲部803に対する湾曲部852は、隣り合うボール33の間隔の3.5倍離れた位置に設けられる。
また、バルブタイミング調整装置1では、付勢力F802と付勢力F803との合力と、付勢力F852と付勢力F853との合力とを組み合わせた合力は、第一外歯車41と第一内歯車211とが噛み合うよう、かつ、第二外歯車42と第二内歯車51とが噛み合うよう遊星回転体40を径外方向に付勢する。
バルブタイミング調整装置2の軸受32の回転角度と回転阻害力との関係を示す特性図を図11に示す。図11には、ばね80が発生する付勢力による回転阻害力を二点鎖線L80で示し、ばね85が発生する付勢力による回転阻害力を三点鎖線L85で示す。また、図11には、ばね80が発生する付勢力による回転阻害力とばね85が発生する付勢力による回転阻害力との合計を実線L20で示す。
バルブタイミング調整装置2では、ばね80とばね85とは、隣り合うボール33の間隔の3.5倍離れた位置に設けられているため、ばね80の付勢力が一つのボール33の両側に位置する内輪部材36に作用しているとき、ばね85の付勢力は他のボール33の径方向内側に位置する内輪部材36に作用する。これにより、例えば、図11に示す回転角度θ4、θ5では、ばね80が発生する付勢力による回転阻害力は最大となる一方、ばね85が発生する付勢力による回転阻害力は最小となる。軸受32が回転し、軸受32の回転角度が回転角度θ4と回転角度θ5との中間の回転角度θ6や回転角度θ5に回転角度θ4と回転角度θ5との差の半分を加えた回転角度θ7になると、ばね85の付勢力が一つのボール33の両側に位置している内輪部材36に作用するとき、ばね80の付勢力は他のボール33の径方向内側に位置する内輪部材36に作用する。これにより、図11に示すように、回転角度θ6、θ7では、ばね85が発生する付勢力による回転阻害力は最大となる一方、ばね80が発生する付勢力による回転阻害力は最小となる。
第二実施形態におけるバルブタイミング調整装置2では、ばね80が発生する付勢力による回転阻害力が最大となる回転角度とばね85が発生する付勢力による回転阻害力が最大となる回転角度とは交互に表れるため、ばね80が発生する付勢力による回転阻害力とばね85が発生する付勢力による回転阻害力との合計は、図11の実線L20に示すように、変動が比較的小さくなる。具体的には、第二実施形態では、回転阻害力の変動の周期は、角度δ0の半分とすることができる。これにより、回転阻害力によって軸受32の回転が比較的長い周期毎に変動することを防止することができる。したがって、第二実施形態では、第一実施形態の効果(a)〜(c)、(f)、(g)を奏するとともに、遊星回転体40を比較的スムーズに回転することができる。
(他の実施形態)
(ア)上述の実施形態では、バルブタイミング調整装置は、「付勢力発生部」を二つ有する「付勢手段」を二つ備えるとした。しかしながら、本発明のバルブタイミング調整装置が有する「付勢力発生部」の数はこれに限定されない。「付勢力発生部」は少なくとも二つ以上有すればよい。また、本発明のバルブタイミング調整装置が有する「付勢手段」の数はこれに限定されない。「付勢手段」はなくてもよいし、一つまたは三つ以上であってもよい。
(イ)上述の実施形態では、一つの「付勢手段」が二つの「付勢力発生部」を有するとした。しかしながら、一つの「付勢手段」が一つの「付勢力発生部」を有してもよいし、一つの「付勢手段」が三つの「付勢力発生部」を有してもよい
(ウ)上述の実施形態では、二つの付勢手段がそれぞれ有する付勢力の合力は、第一外歯車と第一内歯車及び第二外歯車と第二内歯車とが噛み合うよう遊星回転体を付勢するとした。しかしながら、合力が第一外歯車と第一内歯車及び第二外歯車と第二内歯車とが噛み合うよう付勢しなくてもよい。
(エ)第一実施形態では、複数の湾曲部のうち二つの湾曲部は、隣り合うボールの間隔の自然数倍離れた位置に設けられるとした。第二実施形態では、複数の湾曲部のうち二つの湾曲部は、隣り合うボールの間隔の自然数倍に当該間隔の半分の間隔を加えた間隔離れた位置に設けられるとした。しかしながら、二つの湾曲部が設けられる位置はこれに限定されない。
(オ)上述の実施形態では、軸受は、軸心方向にボールが一つのみ設けられるとした。しかしながら、軸心方向に設けられるボールの数はこれに限定されない。
(エ)上述の実施形態では、バルブタイミング調整装置は、吸気側カム軸に設けられるとした。しかしながら、バルブタイミング調整装置は、排気側カム軸に設けられてもよいし、吸気側カム軸及び排気側カム軸それぞれに設けられてもよい。
(オ)上述の実施形態では、吸気側カム軸に連結するカム軸側回転体と遊星回転体とは所定の比率で回転可能に設けられるとした。しかしながら、カム軸側回転体と遊星回転体と関係はこれに限定されない。カム軸側回転体が有する第二内歯車及び遊星回転体が有する第二外歯車の代わりにカム軸側回転体と遊星回転体とが、例えば、連結ピンなどによって連結されており、カム軸側回転体と遊星回転体とが一体となって回転してもよい。
(カ)上述の実施形態では、スプロケットは、リアハウジングにもうけられるとした。しかしながら、スプロケットは、フロントハウジングに設けられてもよい。
(キ)上述の実施形態では、ハウジングは、二つの部材から形成されるとした。しかしながら、一つまたは三つ以上の部材から形成されてもよい。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の形態で実施可能である。
1、2 ・・・バルブタイミング調整装置、
211 ・・・第一内歯車(内歯車)、
212 ・・・フロントフランジ部(第一回転体)、
30 ・・・偏心シャフト、
31 ・・・偏心部、
32 ・・・軸受、
33、331、332、333、334、335、336、337、338・・・ボール(転動体)、
34 ・・・支持部材、
36 ・・・内輪部材、
40 ・・・遊星回転体、
41 ・・・第一外歯車(外歯車)、
50 ・・・カム軸側回転体(第二回転体)、
602、603、652、653、802、803、852、853・・・湾曲部(付勢力発生部)。

Claims (7)

  1. 内燃機関(5)の駆動軸(6)から従動軸(7)までの駆動力伝達系に設けられ、前記従動軸が開閉駆動するバルブのバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置(1、2)であって、
    前記駆動軸および前記従動軸の一方を第一軸とし、他方を第二軸とすると、
    前記第一軸の延長上に設けられるモータ(70)に連結可能であり、前記第一軸の軸心(AX1)まわりに回転可能に支持され、前記軸心に対し偏心する偏心部(31)を有する偏心シャフト(30)と、
    前記偏心シャフトの径方向外側に設けられ、外歯車(41)を有し、前記偏心部まわりに回転可能に支持される遊星回転体(40)と、
    前記第一軸と同軸上に位置し、前記外歯車と噛み合い可能に設けられる内歯車(211)と、
    前記内歯車と一体に、前記軸心まわり回転可能に設けられる第一回転体(212)と、
    前記第一軸と同軸上に位置し、前記第一軸の端部に固定されつつ前記遊星回転体と一体にまたは前記遊星回転体の回転に対して所定の比率で回転可能に設けられる第二回転体(50)と、
    前記第二軸に連結可能であり、前記第一回転体と一体に設けられるスプロケット(25)と、
    前記偏心部と前記遊星回転体との間に設けられ、前記偏心シャフトの周方向に移動可能な複数の転動体(33、331、332、333、334、335、336、337、338)、前記偏心部の径方向外側に設けられ複数の前記転動体を回転可能に支持する支持部材(34)、前記支持部材と前記遊星回転体との間に前記遊星回転体と一体に回転可能に設けられ複数の前記転動体を周方向に移動可能に支持する外輪部材(35)、及び、前記支持部材と前記偏心部との間に前記偏心部と一体に回転可能に設けられ複数の前記転動体を周方向に移動可能に支持する内輪部材(36)を有し、前記偏心シャフトに対して前記遊星回転体を回転可能に支持する軸受(32)と、
    前記軸受の径方向内側に少なくとも二つ以上設けられ、前記軸受を経由して前記遊星回転体を径外方向に付勢する付勢力発生部(602、603、652、653、802、803、852、853)と、
    を備え、
    複数の前記付勢力発生部の一の付勢力発生部(602、652、802、852)が複数の前記転動体の第一の転動体(332、337)と前記第一の転動体に隣り合う第二の転動体(331、336)との間に位置する内輪部材(361、363)に径外方向の付勢力を作用させるとき、前記一の付勢力発生部に隣り合う他の付勢力発生部の少なくとも一つ(603、653、803、853)は、前記第一の転動体に対して前記第二の転動体とは反対側の第三の転動体(333、338)と前記第一の転動体との間に位置する内輪部材(362、364)に径外方向の付勢力を作用させることを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  2. 複数の前記付勢力発生部が前記遊星回転体を付勢する方向は、それぞれ異なることを特徴とする請求項1に記載のバルブタイミング調整装置。
  3. 複数の前記付勢力発生部の付勢力(F602、F603、F652、F653)の合力(F60)は、前記内歯車と前記外歯車とが噛み合うよう前記遊星回転体を付勢することを特徴とする請求項1または2に記載のバルブタイミング調整装置。
  4. 前記一の付勢力発生部及び前記一の付勢力発生部に隣り合う他の付勢力発生部の少なくとも一つを除く付勢力発生部と前記一の付勢力発生部との間隔は、隣り合う前記転動体の間隔の自然数倍であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  5. 前記一の付勢力発生部及び前記一の付勢力発生部に隣り合う他の付勢力発生部の少なくとも一つを除く付勢力発生部と前記一の付勢力発生部との間隔は、隣り合う前記転動体の間隔の自然数倍に隣り合う前記転動体の間隔の半分の間隔を加えた間隔であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  6. 前記軸受は、軸心方向に前記転動体が一つのみ設けられることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
  7. 前記一の付勢力発生部と前記他の付勢力発生部とは、一つの付勢手段(60、65、80、85)として一体に形成されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
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