JP2009074398A - バルブタイミング調整装置 - Google Patents

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JP2009074398A JP2007242736A JP2007242736A JP2009074398A JP 2009074398 A JP2009074398 A JP 2009074398A JP 2007242736 A JP2007242736 A JP 2007242736A JP 2007242736 A JP2007242736 A JP 2007242736A JP 2009074398 A JP2009074398 A JP 2009074398A
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Shigeyuki Kusano
茂之 草野
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Abstract

【課題】小型で耐久性に優れたバルブタイミング調整装置を提供すること。
【解決手段】遊星回転体60は、クランク軸及びカム軸2と連動回転する回転体10,20に設けた歯車部14,22にそれぞれ偏心して噛合し、一体に遊星運動することにより回転体10,20間の相対位相を変化させる歯車部68,69を有するとともに、回転体10に設けたストッパ溝部70のストッパ面と周方向に当接することにより回転体10,20間の相対位相変化を規制し、当該ストッパ面から周方向に離間することにより回転体10,20間の相対位相変化を許容するストッパ面をストッパ突部73によって形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する吸気弁及び排気弁のうち少なくとも一方のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置に関する。
従来、クランク軸と連動して回転する回転体及びカム軸と連動して回転する回転体の間を遊星減速機構により連繋させて、それら回転体間の相対位相に基づきバルブタイミングを調整するようにしたバルブタイミング調整装置が知られている。
このようなバルブタイミング調整装置の一種として特許文献1に開示される装置では、クランク軸の連動回転体に設けた第一歯車部とカム軸の連動回転体に設けた第二歯車部とに対し、遊星回転体に設けた第三歯車部と第四歯車部とをそれぞれ偏心状態で噛合させている。かかる構成によれば、コンパクトな設計で大きな減速比を得ることができるので、内燃機関に設置されるバルブタイミング調整装置として好適となるのである。
ここで、特許文献1に開示される装置では、クランク軸の連動回転体に設けたノッチの側面とカム軸の連動回転体に設けた歯の側面とを当接させることにより、それら回転体間の相対位相変化を規制するようにしている。こうした相対位相変化の規制は、内燃機関の運転に適した範囲でバルブタイミングを調整することを可能にする。
独国特許発明第4110195C2号明細書
さて、特許文献1に開示されるバルブタイミング装置では、カム軸からその連動回転体へ変動トルクが伝達されることになるが、バルブスプリング反力等に由来する変動トルクのピークトルクは、一般に過大なトルクとなる。故に、過大な変動トルクが伝達されることによって、カム軸の連動回転体の歯がクランク軸の連動回転体のノッチと衝突するおそれがあり、その場合には、衝撃によって各回転体の歯やノッチが破損する等、バルブタイミング装置の耐久性に影響を及ぼす事態が懸念される。そこで、各回転体の歯及びノッチが衝突時の衝撃に耐えることができるように、それら歯及びノッチのサイズを大きくして強度を高めようとすると、今度は、バルブタイミング装置の体格増大を招いてしまうのである。
以上より、本発明の目的は、小型で耐久性に優れたバルブタイミング調整装置を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する吸気弁及び排気弁のうち少なくとも一方のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置において、第一歯車部及び第一ストッパ面を有し、クランク軸及びカム軸のうち一方と連動して回転する第一回転体と、第二歯車部を有し、クランク軸及びカム軸のうち他方と連動して回転する第二回転体と、第一及び第二歯車部にそれぞれ偏心して噛合し、一体に遊星運動することにより第一及び第二回転体の間の相対位相を変化させる第三及び第四歯車部を有するとともに、第一ストッパ面と周方向に当接することにより第一及び第二回転体間の相対位相変化を規制し、第一ストッパ面から周方向に離間することにより第一及び第二回転体間の相対位相変化を許容する第二ストッパ面を有する遊星回転体と、を備えることを特徴とする。
このように、遊星回転体の第三歯車部が第一回転体の第一歯車部に偏心噛合し、当該第三歯車部と一体に遊星運動する遊星回転体の第四歯車部が第二回転体の第二歯車部に偏心噛合することで、第一及び第二回転体間を連繋する遊星減速機構が構成される。こうした構成の遊星減速機構では、第一及び第二回転体のうちカム軸の連動回転体へ伝達される変動トルクが、減じられて遊星回転体に作用することになる。故に、変動トルクの伝達によって遊星回転体の第二ストッパ面が第一回転体の第一ストッパ面と周方向に衝突するようなことがあっても、その際には、第二ストッパ面の形成部分に加わるトルク自体は小さくなる。これによれば、第一及び第二ストッパ面を可及的に小さく形成しつつ、それらストッパ面が衝突時の衝撃によって破損する事態を抑制できるので、バルブタイミング装置の小型化とともに耐久性の向上が可能となる。しかも、上述の遊星減速機構においては、遊星運動する遊星回転体の第二ストッパ面が第一回転体の第一ストッパ面と周方向に当接することで、第一及び第二回転体間の相対位相変化が確実に規制されることになるので、内燃機関の運転に適したバルブタイミング調整を長期に亘って実現し得るのである。
請求項2に記載の発明によると、遊星回転体は、径方向外側へ突出して第二ストッパ面を形成するストッパ突部を有する。これによれば、第二ストッパ面を形成するストッパ突部を、モーメントの腕が長くなる遊星回転体の径方向外側位置に突出配置して、第二ストッパ面が第一ストッパ面に衝突するときの衝撃を小さく抑えることができる。したがって、バルブタイミング装置の小型化効果並びに耐久性の向上効果を高めることができるのである。
請求項3に記載の発明によると、ストッパ突部は、遊星回転体の軸方向において第三及び第四歯車部の間に設けられる。これによれば、第一及び第二ストッパ面の衝突によって発生する衝撃が、第二ストッパ面を形成するストッパ突部に伝播したとしても、ストッパ突部を軸方向の第三及び第四歯車部間に設けてなる遊星回転体は、傾き難くなる。したがって、第三及び第四歯車部をそれぞれ第一及び第二歯車部と常に正しく噛合させることができるので、それら噛合部分における磨耗劣化が抑制されて耐久性が向上するのである。
請求項4に記載の発明によると、第一回転体は、第一ストッパ面を形成するストッパ溝部を有し、ストッパ突部は、ストッパ溝部に挿入され、当該ストッパ溝部により遊星回転体の軸方向に挟持される。これによれば、第一及び第二ストッパ面の衝突によって発生する衝撃が、第二ストッパ面を形成するストッパ突部に伝播したとしても、第一回転体において第一ストッパ面を形成するストッパ溝部にストッパ突部が挿入されて軸方向に挟持された遊星回転体は、傾き難くなる。したがって、第三及び第四歯車部をそれぞれ第一及び第二歯車部と常に正しく噛合させることができるので、それら噛合部分における磨耗劣化が抑制されて耐久性が向上するのである。
請求項5に記載の発明は、遊星回転体を自転自在に支持し、遊星回転体の公転方向へ回転する遊星キャリアと、遊星キャリアを回転駆動するために遊星キャリアへ入力する駆動トルクを発生するトルク発生手段と、を備える。このような発明において上述の如く構成される遊星減速機構では、トルク発生手段から遊星キャリアへ入力された駆動トルクが増幅されて遊星回転体に作用し、さらに増幅されて第一又は第二回転体まで伝達される。故に、遊星キャリアへの駆動トルクの入力によって遊星回転体が遊星運動、即ち自転並びに公転することで第二ストッパ面が第一ストッパ面と周方向に当接する際には、特許文献1に準じて第二ストッパ面を第二回転体に設ける場合と比べ、第二ストッパ面の形成部分に加わるトルク自体が小さくなる。これによれば、第一及び第二ストッパ面を可及的に小さく形成しつつ、それらストッパ面が第一及び第二回転体間の相対位相変化規制時の衝撃により破損する事態を抑制できるので、バルブタイミング装置の小型化効果並びに耐久性の向上効果が高められることになるのである。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1〜3は、本発明の一実施形態によるバルブタイミング調整装置1を示している。以下、バルブタイミング調整装置1の基本的構成について説明する。
図1に示すように電動ユニット4及び機構ユニット8等を組み合わせてなるバルブタイミング調整装置1は、車両において内燃機関のクランク軸(図示しない)からカム軸2へ機関トルクを伝達する伝達系に設置される。本実施形態において、カム軸2は内燃機関の吸気弁(図示しない)を開閉するものであり、バルブタイミング調整装置1は当該吸気弁のバルブタイミングを調整する。
(電動ユニット)
電動ユニット4は、電動モータ5及び通電制御回路部6を備えている。電動モータ5は例えばブラシレスモータ等であり、回転軸7を回転駆動するための駆動トルクを通電によって発生する。通電制御回路部6は例えばマイクロコンピュータ及びモータドライバ等から構成されており、電動モータ5の外部及び/又は内部に配置されている。通電制御回路部6は電動モータ5と電気的に接続されており、内燃機関の運転状況に応じて電動モータ5への通電を制御する。この通電制御を受けて電動モータ5は、回転軸7に与える駆動トルクを保持又は増減する。
(機構ユニット)
機構ユニット8は差動歯車式の遊星減速機構であり、駆動側回転体10、従動側回転体20、遊星キャリア40及び遊星回転体60を備えている。
図1〜図3に示すように駆動側回転体10は、共に有底筒状に形成された歯車部材12及びスプロケット13を同軸上に螺子止めしてなり、機構ユニット8の他の構成要素20,40,60を内部に収容している。歯車部材12の周壁部は、歯先円が歯底円の内周側にある駆動側内歯車部14を形成している。スプロケット13には、径方向外側へ突出する複数の歯16が設けられている。スプロケット13は、それらの歯16とクランク軸の複数の歯との間で環状のタイミングチェーン(図示しない)が掛け渡されることにより、クランク軸と連繋する。したがって、クランク軸から出力された機関トルクがタイミングチェーンを通じてスプロケット13へ入力されるときには、駆動側回転体10がクランク軸と連動して回転することになる。このとき駆動側回転体10の回転方向は、図2,3の時計方向となる。
図1,2に示すように、従動側回転体20は有底筒状に形成され、スプロケット13の内周側に同心上に嵌合している。従動側回転体20の周壁部は、歯先円が歯底円の内周側にある従動側内歯車部22を形成している。従動側内歯車部22は、駆動側内歯車部14に対し軸方向へずれて同軸上に配置されている。本実施形態において、従動側内歯車部22の径は駆動側内歯車部14の径よりも小さく、また従動側内歯車部22の歯数は駆動側内歯車部14の歯数よりも少ない。
図1に示すように従動側回転体20の底壁部は、カム軸2に同軸上に連結される連結部24を形成している。これにより従動側回転体20は、カム軸2と連動して回転可能となっており、また駆動側回転体10に対して相対回転可能となっている。尚、図2,3では、駆動側回転体10に対する進角側への相対回転方向を矢印Xにて示し、また駆動側回転体10に対する遅角側への相対回転方向を矢印Yにて示している。
図1,3に示すように、遊星キャリア40は筒状に形成され、回転軸7から駆動トルクが入力される入力部41を内周部によって形成している。入力部41は歯車部14,22及び回転軸7に対して同心上に配置されており、径方向内側へ向かって開口する溝部42を複数有している。遊星キャリア40は、それら溝部42に嵌合する継手43を介して回転軸7に連結されている。これにより遊星キャリア40は、回転軸7と一体に回転可能となっており、また回転体10,20に対して相対回転可能となっている。
図1〜3に示すように、遊星キャリア40はさらに、歯車部14,22に対して偏心する偏心部44を外周部によって形成している。
遊星回転体60は段付筒状に形成され、遊星ベアリング62を介して偏心部44の外周側に同心上に嵌合している。これにより遊星回転体60は、歯車部14,22に対しては偏心した状態で、遊星キャリア40によって支持されている。遊星回転体60は、歯先円が歯底円の外周側にある駆動側外歯車部68及び従動側外歯車部69を、それぞれ大径部分及び小径部分によって一体に形成している。本実施形態において、駆動側外歯車部68の歯数は駆動側内歯車部14の歯数よりも一つ少なく、また従動側外歯車部69の歯数は従動側内歯車部22の歯数よりも一つ少なくなっている。したがって、本実施形態では、駆動側外歯車部68の歯数よりも従動側外歯車部69の歯数が少なくなっているのである。
駆動側外歯車部68は、駆動側内歯車部14の内周側において当該歯車部14に偏心噛合している。従動側外歯車部69は、駆動側外歯車部68に対し軸方向へずれて同軸上に配置され、従動側内歯車部22の内周側において当該歯車部22に偏心噛合している。このような噛合形態により遊星回転体60は、歯車部68,69の偏心軸線周りに自転しつつ遊星キャリア40の回転方向へ公転する遊星運動を実現可能となっている。
以上の構成を有する機構ユニット8は、回転軸7から遊星キャリア40へ入力される駆動トルクに応じて回転体10,20間の相対位相を調整することにより、内燃機関の運転に応じたバルブタイミングを逐次実現する。
具体的には、駆動トルクの保持等により遊星キャリア40が駆動側回転体10に対して相対回転しないときには、遊星回転体60が歯車部68,69の歯車部14,22との噛合位置を保持して回転体10,20と連れ回りする。即ち、回転体10,20間の相対位相が変化せず、バルブタイミングが一定に保持される。一方、駆動トルクの方向Xへの増大等により遊星キャリア40が駆動側回転体10に対して方向Xへと相対回転するときには、遊星回転体60の歯車部68,69が一体に遊星運動することにより、従動側回転体20が駆動側回転体10に対して方向Xへと相対回転する。即ち、回転体10,20間の相対位相は進角側へ変化するので、バルブタイミングが進角することになる。また一方、駆動トルクの方向Yへの増大等により遊星キャリア40が駆動側回転体10に対して方向Yへと相対回転するときには、遊星回転体60の歯車部68,69が一体に遊星運動することにより、従動側回転体20が駆動側回転体10に対して方向Yへと相対回転する。即ち、回転体10,20間の相対位相は遅角側へ変化するので、バルブタイミングが遅角することになる。
以上、バルブタイミング調整装置1の基本的構成について、説明した。以下、バルブタイミング調整装置1の特徴的構成であるストッパ構造について、説明する。
図1,2に示すように駆動側回転体10には、その周方向に1周未満(ここでは約1/2周)の長さで延伸する円弧溝状のストッパ溝部70が設けられている。本実施形態においてストッパ溝部70は、スプロケット13の凹状面13aと歯車部材12の軸方向端面12aとから形成されており、駆動側回転体10の内周側へ向かって開口する形となっている。このようなストッパ溝部70において凹状面13aの一部をなす周方向の両端面70a,70bは、回転体10,20間の回転位相変化を規制するためのストッパ面70a,70bを形成している。
遊星回転体60には、その軸方向における駆動側外歯車部68及び従動側外歯車部69の間から径方向外側へ台形板状に突出するストッパ突部73が設けられている。本実施形態において、ストッパ突部73の周方向幅はストッパ溝部70の周方向幅よりも十分に小さくされており、最進角位相及び最遅角位相の間では、遊星回転体60の遊星運動が制限されないようになっている。ストッパ突部73は、駆動側回転体10内の最外周側においてストッパ溝部70に挿入され、当該溝部70をなす面13a,12aにより回転体10,60の軸方向において挟持されている。このようなストッパ突部73において周方向の両側面73a,73bは、回転体10,20間の回転位相変化を規制するためのストッパ面73a,73bを形成している。
ここで、ストッパ突部73のストッパ面73a,73bがストッパ溝部70のストッパ面70a,70bと周方向当接することにより、回転体10,20間の回転位相変化を規制する原理について、説明する。
図2に示すように、ストッパ突部73の方向Yを向くストッパ面73aが、ストッパ溝部70の方向Xを向くストッパ面70aに当接するときには、遊星回転体60の遊星運動が制限されることにより、駆動側回転体10に対する遊星キャリア40の方向Xへの相対回転が規制される。その結果、駆動側回転体10に対する従動側回転体20の方向Xへの相対回転が規制されることになり、このときの回転体10,20間の相対位相が最進角位相となる。一方、図4に示すように、ストッパ突部73の方向Xを向くストッパ面73bが、ストッパ溝部70の方向Yを向くストッパ面70bに当接するときには、駆動側回転体10に対する遊星キャリア40の方向Yへの相対回転が規制される。その結果、駆動側回転体10に対する従動側回転体20の方向Yへの相対回転が規制されることになり、このときの回転体10,20間の相対位相が最遅角位相となる。
尚、ストッパ突部73のストッパ面73aがストッパ溝部70のストッパ面70aから周方向に離間し、且つストッパ突部73のストッパ面73bがストッパ溝部70のストッパ面70bから周方向に離間するときには、回転体10,20間の相対位相変化が許容されることになる。
次に、上述したストッパ構造により奏される作用効果について、説明する。尚、以下では、図2,3に示すように駆動側内歯車部14の歯数が34、駆動側外歯車部68の歯数が33、従動側内歯車部22の歯数が28、従動側外歯車部69の歯数が27であるとして、作用効果の説明を行う。
内燃機関の運転中においては、吸気弁のバルブスプリング反力等に由来してカム軸2側から従動側回転体20へ伝達される変動トルクが、従動側内歯車部22及び従動側外歯車部69の噛合部分を通じて遊星回転体60に作用する。こうした変動トルクのピークトルクが駆動トルクの保持中等に過大となると、ストッパ面70a,73a同士又はストッパ面70b,73b同士が衝突するおそれがある。
しかし、本実施形態において従動側回転体20へ伝達された変動トルクは、遊星減速機構たる機構ユニット8の減速機能により減じられて、遊星回転体60に作用することになる。例えば図5に示すように、1N・mの変動トルクがカム軸2から従動側回転体20へ伝達されたとすると、遊星回転体60に作用するトルクは、理論上、1/4.67N・mとなる。したがって、特許文献1に準じて従動側回転体20にストッパ突部73を設ける場合と比べ、変動トルクに起因してストッパ突部73に加わるトルクが小さくなるので、ストッパ突部73の形成するストッパ面70a,70bがストッパ面73a,73bと衝突するときの衝撃も小さくなる。しかも、ストッパ突部73は、遊星回転体60においてモーメントの腕が長くなる径方向外側位置に突出配置された形となっているので、ストッパ面73a,73bとの衝突による衝撃が十分に低減されることになるのである。
また、内燃機関の運転中において、駆動トルクの増減によりバルブタイミングを最進角位相又は最遅角位相へ変化させるときには、ストッパ面70a,73a同士又はストッパ面70b,73b同士の当接により衝撃が生じるおそれがある。
しかし、本実施形態において回転軸7から遊星キャリア40へ入力された駆動トルクは、遊星減速機構たる機構ユニット8の減速機能により増幅されて遊星回転体60に作用し、さらに当該減速機能により増幅されて従動側回転体20まで伝達されることになる。例えば図6に示すように、1N・mの駆動トルクが回転軸7から遊星キャリア40へ入力されたとすると、遊星回転体60及び従動側回転体20に作用するトルクは、理論上、それぞれ33N・m及び154N・mとなる。したがって、特許文献1に準じて従動側回転体20にストッパ突部73を設ける場合と比べ、駆動トルクに起因してストッパ突部73に加わるトルクが小さくなるので、ストッパ突部73の形成するストッパ面70a,70bがストッパ面73a,73bと当接するときの衝撃も小さくなる。しかも、ストッパ突部73は、上述の如く遊星回転体60の径方向外側位置に突出配置されているので、ストッパ面73a,73bへの当接による衝撃が十分に低減されることになるのである。
以上、本実施形態によると、ストッパ溝部70のストッパ面70a,70b及びストッパ突部73のストッパ面73a,73bを可及的に小さく形成しつつも、それらストッパ面の衝撃破壊を抑制することが可能になる。したがって、本実施形態によれば、機構ユニット8の小型化と耐久性向上とを両立させることができるのである。
加えて、本実施形態では、遊星回転体60の軸方向において歯車部68,69間から突出するストッパ突部73を、当該軸方向において駆動側回転体10のストッパ溝部70が挟持している。故に、遊星回転体60は、ストッパ面70a,73a間又はストッパ面70b,73b間にて衝撃が生じたとしても、傾き難くなっているのである。しかも、そうした衝撃自体が上述のストッパ構造によって低減されるので、遊星回転体60の傾きに起因する磨耗が歯車部14,68間や歯車部22,69間にて発生して耐久性が低下する事態も、抑制できるのである。
尚、ここまで説明した実施形態においては、駆動側回転体10が特許請求の範囲に記載の「第一回転体」に相当し、駆動側内歯車部14が特許請求の範囲に記載の「第一歯車部」に相当し、ストッパ面70a,70bが特許請求の範囲に記載の「第一ストッパ面」に相当する。また、従動側回転体20が特許請求の範囲に記載の「第二回転体」に相当し、従動側内歯車部22が特許請求の範囲に記載の「第二歯車部」に相当する。さらに、駆動側外歯車部68が特許請求の範囲に記載の「第三歯車部」に相当し、従動側外歯車部69が特許請求の範囲に記載の「第四歯車部」に相当し、ストッパ面73a,73bが特許請求の範囲に記載の「第二ストッパ面」に相当する。またさらに、電動モータ5が特許請求の範囲に記載の「トルク発生手段」に相当する。
(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定して解釈されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができる。
例えば、回転体10をカム軸2と連動回転させ、回転体20をクランク軸と連動回転させるようにしてもよい。また、各歯車部14,22,68,69については、図7に示すように、歯車部14,22を外歯車部、歯車部68,69を内歯車部としてもよい。尚、その場合には、例えば歯車部14の歯数を27、歯車部68の歯数を28、歯車部22の歯数を33、歯車部69の歯数を34とすることによって、上述の実施形態と同様の効果を得ることが可能となる。
また、ストッパ突部73については、遊星回転体60において歯車部68側又は歯車部69側の軸方向端部に設けるようにしてもよいし、ストッパ溝部70により遊星回転体60の軸方向に挟持しないようにしてもよい。
さらに、遊星キャリア40を回転駆動するための駆動トルクを発生する「トルク発生手段」としては、電動モータ5以外にも、例えば電磁ブレーキ又は流体ブレーキ等の電動ブレーキや油圧モータを使用してもよい。
そして、本発明は、吸気弁のバルブタイミングを調整する装置以外にも、排気弁のバルブタイミングを調整する装置や、吸気弁及び排気弁の双方のバルブタイミングを調整する装置にも適用することができる。
本発明の一実施形態によるバルブタイミング調整装置を示す図であって、図2のI−I線断面図である。 図1のII−II線断面図である。 図1のIII−III線断面図である。 図2とは異なる作動状態を示す断面図である。 本発明の一実施形態の作用効果を説明するために、図1の機構ユニットを模式的に示すスケルトン図である。 本発明の一実施形態の作用効果を説明するために、図1の機構ユニットを模式的に示すスケルトン図である。 本発明の一実施形態の変形例を模式的に示すスケルトン図である。
符号の説明
1 バルブタイミング調整装置、2 カム軸、4 電動ユニット、5 電動モータ、6 通電制御回路部、7 回転軸、8 機構ユニット、10 駆動側回転体(第一回転体)、12 歯車部材、12a 端面、13 スプロケット、13a 凹状面、14 駆動側内歯車部(第一歯車部)、20 従動側回転体(第二回転体)、22 従動側内歯車部(第二歯車部)、24 連結部、40 遊星キャリア、41 入力部、44 偏心部、60 遊星回転体、68 駆動側外歯車部(第三歯車部)、69 従動側外歯車部(第四歯車部)、70 ストッパ溝部、70a,70b ストッパ面(第一ストッパ面)、73 ストッパ突部、73a,73b ストッパ面(第二ストッパ面)

Claims (5)

  1. 内燃機関においてクランク軸からのトルク伝達によりカム軸が開閉する吸気弁及び排気弁のうち少なくとも一方のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置において、
    第一歯車部及び第一ストッパ面を有し、前記クランク軸及び前記カム軸のうち一方と連動して回転する第一回転体と、
    第二歯車部を有し、前記クランク軸及び前記カム軸のうち他方と連動して回転する第二回転体と、
    前記第一歯車部及び前記第二歯車部にそれぞれ偏心して噛合し、一体に遊星運動することにより前記第一回転体及び前記第二回転体の間の相対位相を変化させる第三歯車部及び第四歯車部を有するとともに、前記第一ストッパ面と周方向に当接することにより前記相対位相の変化を規制し、前記第一ストッパ面から周方向に離間することにより前記相対位相の変化を許容する第二ストッパ面を有する遊星回転体と、
    を備えることを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  2. 前記遊星回転体は、径方向外側へ突出して前記第二ストッパ面を形成するストッパ突部を有することを特徴とする請求項1に記載のバルブタイミング装置。
  3. 前記ストッパ突部は、前記遊星回転体の軸方向において前記第三歯車部及び前記第四歯車部の間に設けられることを特徴とする請求項2に記載のバルブタイミング調整装置。
  4. 前記第一回転体は、前記第一ストッパ面を形成するストッパ溝部を有し、
    前記ストッパ突部は、前記ストッパ溝部に挿入され、当該ストッパ溝部により前記遊星回転体の軸方向に挟持されることを特徴とする請求項2又は3に記載のバルブタイミング調整装置。
  5. 前記遊星回転体を自転自在に支持し、前記遊星回転体の公転方向へ回転する遊星キャリアと、
    前記遊星キャリアを回転駆動するために前記遊星キャリアへ入力する駆動トルクを発生するトルク発生手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
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