JP5991274B2 - バルブタイミング調整装置 - Google Patents
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Description
第2回転体は、第1回転体の内側に設けられ、内径が第1太陽歯車部の内径と異なるよう内壁に形成される第2太陽歯車部を有し、第1回転体の第2筒部の内側を経由して駆動軸および従動軸の他方に接続され、駆動軸および従動軸の他方に対応して回転する。
筒軸は、第1回転体の第1筒部の内壁に軸受けされる本体、および、当該本体に対し偏心するよう形成され軸穴部を軸受けする偏心部を有している。
モータカバーは、第1回転体の第1筒部の外側または内側に位置するよう設けられる第3筒部、および、当該第3筒部の端部から外側へ延びモータを覆うよう形成されるカバー部を有している。
第1シール部材は、第1回転体の第1筒部とモータカバーの第3筒部との間を液密に保持する。
第2シール部材は、第1回転体の第2筒部と第4筒部との間を液密に保持する。
(一実施形態)
本発明の一実施形態によるバルブタイミング調整装置、および、これを適用した車両の駆動力伝達系を図1、2に示す。
ハウジング20は、フロントハウジング21、中間ハウジング22およびリアハウジング23等を有している。
本体211は、略円板状に形成され、中央に穴部を有している。筒部212は、本体211の穴部から一方の面側に略円筒状に延びるよう形成されている。
本体221は、略円板状に形成され、中央に穴部を有している。第1太陽歯車部222は、本体221の穴部に形成されている。すなわち、第1太陽歯車部222は、内歯形状である(図3参照)。
本体231は、有底筒状に形成され、底部の中央に穴部を有している。筒部232は、本体231の穴部から本体231の軸方向へ略円筒状に延びるよう形成されている。巻掛部233は、略円筒状に形成され、本体231と同軸で、かつ、本体231の外側に位置するよう本体231と一体に形成されている。巻掛部233の外縁部(外壁)には、ドライベルト8の歯型に噛み合い可能な歯部234が形成されている。ここで、巻掛部233の軸方向の長さは、本体231の軸方向の長さと筒部232の軸方向の長さとを足した長さに概ね等しい。
筒部212は、ハウジング20(第1回転体)の軸方向の一端側に形成されている。また、筒部232は、ハウジング20(第1回転体)の軸方向の他端側に形成されている。つまり、筒部212は、特許請求の範囲における「第1筒部」に対応している。また、筒部232は、特許請求の範囲における「第2筒部」に対応している。
本体31は、略円板状に形成され、中央に穴部を有している。筒部32は、本体31の外縁部から一方の面方向へ略円筒状に延びるよう形成されている。筒部32の内側には、第2太陽歯車部321が形成されている。ここで、第2太陽歯車部321は、内径が、第1太陽歯車部222の内径よりも小さく形成されている。また、第2太陽歯車部321は、歯数が、第1太陽歯車部222の歯数よりも少なく形成されている(図3、4参照)。
ハウジング20は、リアハウジング23の本体231がロータ30の外縁部により軸受けされている。また、ハウジング20は、ロータ30に対し相対回転可能である。
第1遊星歯車部41は、環状に形成され、外縁部が第1太陽歯車部222に噛み合い可能である。第1遊星歯車部41は、歯数が、第1太陽歯車部222の歯数より少なく形成されている。
第2遊星歯車部42は、環状に形成され、外縁部が第2太陽歯車部321に噛み合い可能である。第2遊星歯車部42は、歯数が、第2太陽歯車部321の歯数より少なく形成されている。
遊星回転体40は、第1遊星歯車部41が第1太陽歯車部222に、第2遊星歯車部42が第2太陽歯車部321に噛み合い可能なよう、ハウジング20の内側に設けられている。
本体51は、略円筒状に形成されている。偏心部52は、略円筒状に形成され、本体51に対し偏心するよう本体51と一体に形成されている。
筒軸50は、フロントハウジング21の筒部212、および、遊星回転体40の軸穴部43の内側に位置するよう設けられている。
モータ60は、モータハウジング61、出力軸62、出力端部63および駆動回路(以下、「EDU」という)64を有している。
EDU64は、CPU、ROM、RAM、および、I/O等を有する小型のコンピュータである。EDU64は、ECU150からの指令値に基づき、前記コイルに供給する電力を調整することでモータ60の回転駆動を制御する。
EDU64は、モータハウジング61に一体に取り付けられている。すなわち、本実施形態では、モータ60は、制御部とモータ(回転)部とが一体になったモータである。
なお、モータ60は、作動時、EDU64およびコイルが発熱する。そのため、モータ60の作動時、EDU64、コイル、ステータ、ロータおよびモータハウジング61等の温度が上昇する。
筒部71は、略円筒状に形成されている。図1に示すように、カバー部72は、筒部71の一端から外側へ延びるよう形成されている。モータカバー70は、筒部71がフロントハウジング21の筒部212の外側に位置するよう、かつ、カバー部72がモータ60を覆うようエンジンカバー82に取り付けられる。筒部71の内径は、筒部212の外径より大きい。そのため、筒部71と筒部212との間には、環状の隙間が形成される。ここで、筒部71は、特許請求の範囲における「第3筒部」に対応している。
カバー部72とエンジンカバー82との間には、環状でゴム製のOリング822が設けられる。これにより、カバー部72とエンジンカバー82との間は、液密に保持される。
図1に示すように、流入口101は、カムシャフト4に形成されている。流入口101は、エンジンヘッド81の筒部811が形成される面に対し、筒部811とは反対側に位置するよう形成されている。流入口101には、ポンプ120によりオイルパン121から汲み上げられたオイルが流入する。
<エンジン始動時>
エンジン10が停止している状態では、ロータ30は、ハウジング20に対し最遅角位置にある。このとき、ハウジング20の規制部24とロータ30の規制部33とは当接している。エンジン10が始動すると、ECU150は、規制部24と規制部33との当接が維持される方向(遅角方向)に筒軸50が回転するようモータ60を回転駆動する。
エンジン10が始動すると、ポンプ120が作動し、オイルパン121のオイルが流入口101を経由してオイル流路100に供給される。なお、エンジン10の始動後、エンジン10が停止するまで、オイルがオイル流路100に供給され、排出口103から排出される。エンジン10の始動直後は、ハウジング20とロータ30とは同位相で回転している。そのため、モータ60の出力軸62もハウジング20およびロータ30と同位相、同回転数で回転している。
バルブタイミング調整装置1を進角制御するとき、ECU150は、ハウジング20の回転数より筒軸50の回転数が大きくなるようモータ60を回転制御する。これにより、遊星回転体40がハウジング20内で自転および公転し、ロータ30が、ハウジング20に対し進角方向に相対回転する。その結果、カムシャフト4の回転位相が進角し、吸気弁11の開閉タイミングが進角側に変更される。
バルブタイミング調整装置1を遅角制御するとき、ECU150は、ハウジング20の回転数より筒軸50の回転数が小さくなるようモータ60を回転制御する。これにより、遊星回転体40がハウジング20内で自転および公転し、ロータ30が、ハウジング20に対し遅角方向に相対回転する。その結果、カムシャフト4の回転位相が遅角し、吸気弁11の開閉タイミングが遅角側に変更される。
ロータ30(カムシャフト4)が目標位相に到達すると、ECU150は、ハウジング20の回転数と筒軸50の回転数とが同じになるようモータ60を回転制御する。これにより、遊星回転体40はハウジング20に対し相対回転せず、ロータ30は、ハウジング20に対し所定の位相(目標位相)に保持される。その結果、カムシャフト4の回転位相が所定の位相(目標位相)に保持され、吸気弁11の開閉タイミングが所定のタイミングに保持される。
バルブタイミング調整装置1の作動中にエンジン10の停止が指示されると、ロータ30は、上記遅角作動時と同様の作動によりハウジング20に対して遅角方向に回転し、最遅角位置で回転が停止する。
本発明の他の実施形態では、フロントハウジング21の筒部212、および、リアハウジング23の筒部232は、外径が第1太陽歯車部222および第2太陽歯車部321の内径以上になるよう形成されていてもよい。また、筒部212および筒部232は、外径が巻掛部233の外径以上になるよう形成されていてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、第1シール部材91は、第1軸受部材16の径外方向以外の位置に設けられてもよい。
また、本発明の他の実施形態では、第1軸受部材16、第2軸受部材17および繭バネ18の少なくとも1つを備えていなくてもよい。
上述の実施形態では、エンジン10の停止中、ロータ30がハウジング20に対し最遅角位置に設定される場合の作動例を示した。これに対し、本発明の他の実施形態では、エンジン10の停止中、ロータ30は、ハウジング20に対し最遅角位置以外の位置、すなわち、中間位相(最遅角位置と最進角位置との間の位置)または最進角位置に設定されることとしてもよい。この場合、エンジン10の始動時、ロータ30は、ハウジング20に対し中間位相または最進角位置にある。
また、本発明は、排気弁の開閉タイミングを調整するのに用いることもできる。
このように、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の形態に適用可能である。
20 ・・・・ハウジング(第1回転体)
212 ・・・筒部(第1筒部)
222 ・・・第1太陽歯車部
232 ・・・筒部(第2筒部)
233 ・・・巻掛部
30 ・・・・ロータ(第2回転体)
321 ・・・第2太陽歯車部
40 ・・・・遊星回転体
41 ・・・・第1遊星歯車部
42 ・・・・第2遊星歯車部
43 ・・・・軸穴部
50 ・・・・筒軸
51 ・・・・本体
52 ・・・・偏心部
60 ・・・・モータ
70 ・・・・モータカバー
71 ・・・・筒部(第3筒部)
72 ・・・・カバー部
811 ・・・筒部(第4筒部)
91 ・・・・第1シール部材
92 ・・・・第2シール部材
100 ・・・オイル流路
101 ・・・流入口
102 ・・・流路部
103 ・・・排出口
Claims (6)
- 内燃機関(10)の駆動力を駆動軸(2)から従動軸(4、6)に伝達する駆動力伝達系に設けられ、前記従動軸により開閉駆動される吸気弁(11)および排気弁(12)の少なくとも一方の開閉タイミングを調整するバルブタイミング調整装置(1)であって、
一端側に形成される第1筒部(212)、他端側に形成される第2筒部(232)、前記駆動軸および前記従動軸の一方の回転を伝達する伝達部材(8)が巻き掛けられるよう外壁に形成される巻掛部(233)、ならびに、内壁に形成される第1太陽歯車部(222)を有し、前記駆動軸および前記従動軸の一方に対応して回転する筒状の第1回転体(20)と、
前記第1回転体の内側に設けられ、内径が前記第1太陽歯車部の内径と異なるよう内壁に形成される第2太陽歯車部(321)を有し、前記第2筒部の内側を経由して前記駆動軸および前記従動軸の他方に接続され、前記駆動軸および前記従動軸の他方に対応して回転する筒状の第2回転体(30)と、
前記第1太陽歯車部に噛み合う第1遊星歯車部(41)、前記第2太陽歯車部に噛み合う第2遊星歯車部(42)、ならびに、前記第1遊星歯車部および前記第2遊星歯車部の内側に形成される軸穴部(43)を有し、前記第1太陽歯車部および前記第2太陽歯車部の内側で遊星運動することにより前記第1回転体と前記第2回転体との相対回転位相を変化させる遊星回転体(40)と、
前記第1筒部の内壁に軸受けされる本体(51)、および、当該本体に対し偏心するよう形成され前記軸穴部を軸受けする偏心部(52)を有する筒軸(50)と、
前記第1筒部の前記第2筒部とは反対側に設けられ、前記本体の軸周りに前記筒軸を回転駆動可能なモータ(60)と、
前記第1筒部の外側または内側に位置するよう設けられる第3筒部(71)、および、当該第3筒部の端部から外側へ延び前記モータを覆うよう形成されるカバー部(72)を有するモータカバー(70)と、
前記駆動軸および前記従動軸の他方を軸受けする前記内燃機関から前記駆動軸および前記従動軸の他方の軸方向へ延び前記第2筒部の外側または内側に位置するよう形成される第4筒部(811)と、
前記第1筒部と前記第3筒部との間を液密に保持する第1シール部材(91)と、
前記第2筒部と前記第4筒部との間を液密に保持する第2シール部材(92)と、
前記駆動軸および前記従動軸の他方に形成されオイルが流入する流入口(101)、前記駆動軸および前記従動軸の他方の内側、前記第1回転体の内側、前記第2回転体の内側、前記遊星回転体の内側、前記筒軸の内側、および、前記モータカバーの内側に形成され前記流入口に接続し前記流入口から流入したオイルが流れる流路部(102)、ならびに、前記カバー部の前記巻掛部から所定距離離れた位置に形成され前記流路部に接続し前記流路部内のオイルが排出される排出口(103)を有するオイル流路(100)と、
を備えるバルブタイミング調整装置。 - 前記第1筒部および前記第2筒部は、外径が前記巻掛部の外径より小さく形成されていることを特徴とする請求項1に記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記第1筒部および前記第2筒部は、外径が前記第1太陽歯車部および前記第2太陽歯車部の内径より小さく形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記第1筒部の内壁と前記本体の外壁との間に設けられる第1軸受部材(16)と、
前記偏心部の外壁と前記軸穴部の内壁との間に設けられる第2軸受部材(17)と、をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。 - 前記第1シール部材は、前記第1軸受部材の径外方向に位置するよう設けられていることを特徴とする請求項4に記載のバルブタイミング調整装置。
- 前記伝達部材は、ゴムを含む材料で形成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
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