JP6086866B2 - 工作物の塗膜除去方法 - Google Patents

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Description

本発明は、とりわけ2つまたは複数の層システムを有する非導電性塗膜を備えた工作物の塗膜を除去するための方法、および/または、これに対応する工作物担体に関する。塗膜除去の方法は、例えば、塗膜設備に入れられたおよびここで必然的に共に塗膜が行われた工作物担体の塗膜を取り除き、再び使用に適するようにするために用いられる。さらに、塗膜除去方法は、磨耗した工作物または誤って塗膜された工作物の塗膜を除去し、これによって新たな塗膜に備えるために適用される。
磨耗した工作物および誤って塗膜された工作物の塗膜を除去するために、とりわけ、電気化学的方法が採用されるが、これは、例えばWO 08/028 311号に記載されている。このために、例えば、液体状の電解液を収容するための浴槽を有する塗膜除去設備が用いられ、この浴槽の内部には、給電装置の1つの極に接続可能である対電極が設けられている。ほとんどの塗膜除去設備は、塗膜除去すべき工作物を収容するための手段を有する。工作物は、大概個別に接触し、工作物がアノードとして、そして対電極がカソードとして給電装置に接続されている。
この応用では、浴槽を電解液で満たし、工作物を電解液中に浸す。工作物と対電極との間に、所定の一定の電圧をかけ、この電圧が工作物の塗膜を除去する。塗膜除去されるべき工作物の表面領域上で可能な限り均等に電流が分布し、これによって均等な塗膜除去が行われ、塗膜を担持する基体の腐食が回避されるように、対電極の表面が形成され、かつ位置づけられねばならない。
様々な因子が塗膜除去事象に影響を与える。これには、とりわけ、温度、使用される電解液、電圧、電流、ならびに、工作物の幾何学的形状、位置および対電極に対する距離が含まれる。この際、これらの因子が、互いに影響を与え合うという点にも注意すべきである。例えば、浴中の温度が上昇すると、通常導電性を高める。浴の電圧が制御されると、この場合、電流の流れが上昇する。浴の電流が制御されると、電圧がより小さくなる。この場合、電解液が異なると、温度対導電性の挙動が異なることも明らかである。
塗膜除去プロセスに影響を与えるさらなる因子の1つは、剥離されるべき1つまたは複数の層の導電性である。とりわけ非導電性層の塗膜除去時に生じうる問題は、基体の表面が損傷されることであり、この損傷は、従来技術による塗膜除去後に、統計学的に分布しているくぼみと共に見落とされている。これらのくぼみを、以下では孔と称する。
かけた電圧がより大きい際には、孔の大きさ、すなわち、表面の損傷がより増加することが観察されうる。逆に、電圧がより小さければ孔は小さくなり、したがって、基板表面の損傷がより小さくなる。これは、可能な限り基板表面の損傷を小さくするために、可能な限り電圧を小さくなるように選択する理由となるであろう。しかし、これにより、塗膜除去時間が長くなり、塗膜除去プロセスを高価にし、場合によっては不経済にしてしまいうる。例えば、16Vの電圧では、塗膜除去時間は約10分であるが、大きな孔が生じる。そこで、電圧を5Vだけにすると、表面の損傷は、はるかに小さくなりうるが、塗膜除去プロセスは3時間以上かかってしまう。したがって、従来技術によれば、容認可能な表面損傷と、容認可能な塗膜除去時間との妥協点を見つけなければならない。
塗膜除去時に、金属と電解質溶液との間の位相境界において生じる化学変化は、部分電流I・Iにより示されうる。Iは、金属溶液と結びついたアノード部分電流を表し、Iは、酸素還元と結びついた部分電流を表す。電圧がかけられない場合には、結果として生じる合計電流はI=0、すなわち、I=Iである。外部の電流が作用すると合計電流Iは変化し、したがって、電位U(I)も変化する。この事象は分極と称され、差分商ΔU/ΔI=Rpは分極抵抗、その特性値は分極コンダクタンスと称される。DE102004002763号によれば、計測された分極電流ないし計測された分極コンダクタンスは、かけられた直流電圧の関数として変化する。このようにして、この刊行物によれば、分極電流−制御電位−特性曲線、ないし、分極コンダクタンス−制御電位−特性曲線が導出されうる。DE102004002763号では、分極電流が直流電圧電位の関数として最大になる、すなわち、分極コンダクタンスが0の値を採る動作点が確定される。残念ながら、このアプローチでは、導電性を有する塗膜材料に対してのみ目的を達成することができる。最も外側の層の塗膜が、周辺の酸化のみによって不動態化された層ではなく、意図的に塗布された非導電性層である場合には、この方法も、上述の容認できない孔を生じさせる。
DE19840471号およびWO9954528号でも、同様に電解液による塗膜除去方法が記載されているが、これらも、導電性塗膜工作物のみに関連する。
したがって、非導電性表面を有する塗膜を塗膜除去する方法であって、より短い塗膜除去時間で、表面損傷がより少ない結果を導き出す方法の必要性が存在する。
本発明の目的は、プロセス時間は短いが、塗膜除去されるべき工作物の表面が丁寧に保護される電気化学的塗膜除去方法に基づく方法を示すことである。
本発明によれば、この目的は、工作物にかけられる電圧を、塗膜除去の経過中で上昇させることにより達成される。本発明によれば、塗膜除去プロセス時において、段階的な上昇も、連続的な上昇も選択可能である。本発明により選択された電圧の経過は単調である必要はない。しかしながら、塗膜除去の当初に、比較的より小さい電圧での段階があり、この電圧を塗膜除去の経過中、少なくともその半ばで上昇させることが重要である。このような電圧経過曲線においては、驚くべきことに、一定の電圧を同等の塗膜除去時間の間かける方法を用いた場合に比べて、表面損傷がはるかに小さくなることが明らかである。
本発明者らは、なぜ、電圧を次第に上昇するように経過させる場合に、基板の表面が丁寧に保護されるのかを確信を持って述べることはできない。しかし、とりわけ非導電性層を塗膜除去する場合には、まず、導電性基板の孤立している小さい領域が露出すると推測することはできる。この局所的な領域では、急激に電流密度が上昇する。全電流の流れが、この小さい領域に集中する。これにより、おそらくは局所的に集中して加熱がなされ、ここで一方では酸化力が上昇する。この際に、この層から粒子が規則的に外に噴出し、基板の部分がそれと共に裂けるのを除外することができない。この点は、当初に、このような損傷が生じない小さな電圧をかけることによって回避可能である。
塗膜除去の過程で、導電性を有する基板の露出した領域が次第に大きくなると、全電流の流れが一定の場合に、局所的な電流密度が著しく下がる。この段階で電圧を上げることができ、これにより、より高い塗膜除去率が得られる。
さらに、本発明者らは、本発明による電圧経過曲線を用いた場合に、プロセス安定性が明らかに改善され、上述の因子の変動による塗膜除去プロセスの劣悪な影響を明らかに減らすことができることを確認した。この点は、とりわけ、接触の度合いが異なる工作物の場合に該当する。
工作物を電解により塗膜除去するための代表的な装置を示す図である。 未使用の、すなわちそれ以前には塗膜されていない工作物の表面を示す図である。 8Vの一定の電圧で塗膜除去された工作物の表面を示す図である。 16Vの一定の電圧で塗膜除去された工作物の表面を示す図である。 本発明による電圧の段階的なプロセスの経過曲線を示す図である。 図5の段階的なプロセス経過曲線にしたがって塗膜除去された工作物の表面を示す図である。
以下に、本発明を図および実施例に基づいて詳細に説明する。
本実施例では、鋼鉄製のいわゆるタペットを塗膜除去するが、このタペットは、厚さ2μmのCrN層と厚さ2μmのDLC層とで塗膜されている。すなわち、本実施例では、いわゆる2層システムを扱っている。
図1に、塗膜除去設備を図示するが、この塗膜除去設備は、直方体形状の筐体1を有し、この筐体1は、浴槽2を含み、この浴槽2は非導電性材料からなり、または、その内側が非導電性材料で塗膜されていて、その結果、内壁は非導電性である。この浴槽は、電解液を収容するのに役立つ。浴槽2の側方には、ふるいまたはフィルターを備えた余水路3が配置されている。
電解液は、本実施例では、浸透水中の約5体積%のデコネックス(DECONEX) HT1175である。
取り付け部5には、制御可能な2極電圧源70の1つの極72が接続されている。作動時には、取り付け部5に、塗膜が除去されるべき工作物9が装着されている。わかりやすくするために、本書面中では、工作物のうち3つのみを図示する。電圧源70は、制御可能な電圧源として形成されていて、連続的および/または段階的な制御が可能である。取り付け部5は、大きな労力なしに取り外しが可能な形で筐体1と連結されている。
電圧源70の他方の極は、例えばグリッド電極として形成されていて、かつ浴槽2の内部に配置されている対電極12と連結されている。対電極12は対電極表面を有するが、この対電極表面は、収容部の方向を向いていて、実質的に浴槽2の高さ全体に渡って延在している。
浴槽2中には、それ以外に、加熱および冷却装置が配置されていて、超音波源、電解液の入口、および、電解液を動かすための装置(例えば、ポンプや攪拌器)(これらは全て不図示)が配置されている。
作動中、浴槽2は、少なくとも上端のほぼ近くまで、液体状の電解液で満たされている。取り付け部5もこれ以外の浴槽2中に配置された全ての塗膜除去設備の部品も、この電解液によって腐食されない材料(通常、ステンレス鋼)から作られねばならない。あるいは、これが可能でない場合(例えば、磁性材料などの場合)、ステンレスの膜で覆わねばならない。
電圧源70は、工作物と対電極との間に電位差を発生させる。この経過は、図5の経過曲線に相当する。
本発明の方法の利点を把握するためには、従来の塗膜除去法で塗膜除去された工作物の表面と、新しい塗膜されていない工作物の表面とを、本発明により塗膜除去された工作物の表面と比較することが役に立つ。
これに応じて、図2は、塗膜されていない新しい工作物を示す。これには、非常に孤立した小さい表面欠陥(これは、例えば「1」で示されている)のみがある。この欠陥の直径は3μmしかない。これに対して、図3では、8Vの一定の電圧で塗膜除去した工作物の表面を示す。このような電圧では、塗膜除去時間は約2時間になる。この工作物は図2の工作物と同じものである。この場合には明らかな表面欠陥が見られうる。この図から明らかなように、表面欠陥の数は増加していて、その直径も大きくなっている。3つの欠陥箇所「1」,「2」,「3」を測ると、その直径は13μm〜18μmである。図4にも、図1の工作物と同じ工作物を一定の電圧で塗膜除去した場合の工作物を示す。しかし、塗膜除去時にかけた電圧は、この場合は16Vであった。これにより、塗膜除去時間は10分に短縮することができた。しかし、この場合、図3に対しても、欠陥の数とその大きさとは劇的に増加している。例として、3つの欠陥を計測したが、これらの直径は10μm〜36μmであった。
これに対して、図6に、本発明の方法で塗膜除去した工作物を示す。この工作物も、上述の工作物と同じ工作物である。図5にしたがって、最初の3分間は、電圧を3Vに保った。このいわゆる安全な段階が、最初の塗膜除去段階を形成する。この場合、おそらく、基板にある細かい孔において層材料が剥離される。電圧を低く保つことにより、まず全体的に比較的小さい電流が流れる。3分目から、電圧は3.5Vに少し引き上げられる。すでに、基板表面に対して層孔が形成されていて、これが絶え間なく拡大する。おそらくは、主に層孔の縁において剥離がなされる。層孔が拡大するにしたがって、全体として存在する縁も増加し、その結果、基板を損傷することなく、総電流量を上昇させることができる。これにしたがって、6分目からは4.5Vに引き上げられる。9分目からは電圧は6Vに設定される。電圧は12分目からは9Vに上げられる。プロセスの15分目からは、電圧を12Vに上昇させる。さらなる電圧の上昇、ここでは16Vまでの上昇が19分目から行われる。これが、電解液を新しくした後の最初の塗膜除去である場合には、24分目からは、電圧は17.5Vに設定される。したがって、塗膜除去は全体で半時間しかかからな。これは、8Vの一定の電圧で塗膜除去した場合に必要とした時間よりも、明らかに短い時間である。塗膜除去時間が短くなったにも係わらず、表面における損傷は、図6に明らかに示されているように、8Vの一定の電圧の場合よりも、著しく少ない。図2に示した未処理の工作物の表面と比較して、欠陥数は、わずかにしか増加していない。欠陥の大きさも2μmと4μmとで、これも未処理の表面の範囲内である。したがって、塗膜除去時間が短いにも係わらず、損傷の少ない表面を得ることが達成された。
選択されるべき電圧経過曲線は、プロセスを最適化するために、様々な工作物の様式と様々な層様式とに対して合わせられるのが好ましい。しかし、重要であるのは、欠陥を回避するために、小さい電圧から始めるという点である。本発明によれば、その後で、必要な塗膜除去時間を最小限にするためにこの電圧を上げる。
当業者が、いかに最適な電圧経過曲線に達することができるかには、様々な可能性がある。例えば、第1の一連の試験では、一定ではあるが、それぞれ異なる高さの電圧で塗膜除去を行い、それによりいずれの電圧まで、その当業者にとって容認可能な、すなわち十分手付かずの表面が得られ続けるかを調べることができる。その後、この電圧を開始電圧V1として確定する。
その後、第2の一連の試験では、それぞれ塗膜除去開始時の時間間隔EI1に渡ってこの導出された開始電圧V1を設定し、この塗膜除去開始時の時間間隔EI1後にこの電圧を上昇させ、そこから、再び、一定ではあるがしかし試験毎に異なる電圧で、さらに塗膜除去を行う。これにより、表面を追加的に損傷させることないような開始時の時間間隔後の電圧としてどの高さの電圧を選択することができるのかを調べることができる。これにより導出された電圧V2は、値としてはV1よりも大きく、第2の塗膜除去時間間隔EI2に渡ってこの場合も一定で保たれる。
次に、第3塗膜除去時間間隔EI3についての一連の試験が続くが、これは、まずV1でのEI1に渡って、その後V2でのEI2に渡って塗膜除去が行われ、その後それぞれ異なるが一定の電圧で完全な塗膜除去が行われる。このようにして、表面が実質的にはこれ以上は腐食されない最大電圧V3に達する。
当業者は時間間隔の選択をせねばならない。この時間間隔は、全て等しい長さでもよいが、異なる長さを選択することもできる。個々の塗膜除去時間間隔が短ければ短いほど、一連のテストの実施にはより労力が必要であるが、より良く最適な段階的なプロセスに近づくことができる。極端な例では、連続的に上昇する電圧経過曲線を達成することさえもできる。ある特定の短さの時間間隔からは、さらなる一連の試験をしなくても、この電圧経過曲線を書き入れることができる。
好ましくは、本発明によりかけられる電圧の経過曲線は単調で、とりわけ好ましくは、厳格に単調に上昇する。しかし、上述から明らかであるように、短時間の電圧の降下は、基板表面を損傷しないので、その結果、単調に上昇するのではなく、ある領域ではより小さな電圧を許容するような電圧経過曲線も、本発明によるものと見なされうるべきである。この点は、とりわけ、かけられる交流電圧が、例えば開始段階では小さい振幅に限定され、かつ塗膜の経過の間により大きな振幅に上がる交流電圧についても該当する。上述の一連のテストに類似の一連のテストによっても、当業者が、最適な電圧経過曲線に近づくことができる。
好ましくは、工作物から除去されるべき層は、多孔性層である。これにより、確実に、弱い電圧をかけた際に、すでに電気が流れ、したがって電解反応が始まる。
上述の方法の特徴は、完全に塗膜除去した部品において、およびさらにより高い電圧をかけた場合(例えば、16V)に、基板の損傷が生じないという点である。したがって、塗膜除去プロセスのスイッチを切る基準は重要ではない。
以下の実施例で、この方法について、様々な非金属の層、基板および電解液に基づいて試験を行い、従来技術による一定の電圧を用いた方法との比較を行った。
実施例1:
基板: TiAl合金(例えば、競技スポーツで構成部品として採用されるような合金)
層: CrC、3〜5μm
電解液: 5%のデコネックス(Deconex) HT1175
電圧の経過:
a) 7〜10分間10Vで一定
b) 10〜15分間8Vで一定
c) 3分間3V、5分間5V、5分間6V
部品は、方法a)〜c)で塗膜除去された。塗膜除去の品質はa)からc)の順でよくなった。これは、a)からc)の順で、塗膜除去された基板の変色が低減していることにより明らかである。したがって、a)で塗膜除去された基板には変色が強く見られるが、b)で塗膜除去された基板には部分的な変色が見られ、c)の本発明により塗膜除去された基板は変色していない。
実施例2:
基板: 鋼鉄1.2379(例えば、鋳型建造用に採用されるような鋼鉄)
層: CrN、3〜5μm
電解液: 2%のNaOH
電圧の経過
a) 7〜15分間12Vで一定
b) 10〜25分間7.5Vで一定
c) 3分間2.5V、5分間5V、7分間8V、7分間10V
部品は、方法a)〜c)で塗膜除去された。塗膜除去の品質は、a)からc)の順でよくなった。
実施例3:
基板: 鋼鉄HSS(ホブ)(例えば、工具に採用されるような鋼鉄)
層: AlCrN、3〜5μm
電解液: 5%のデコネックス(Deconex) HT1175
電圧の経過
a) 7〜15分間12Vで一定
b) 10〜25分間8Vで一定
c) 3分間2.5V、5分間5V、7分間8V、8分間10V
部品は、方法a)〜c)で塗膜除去された。塗膜除去の品質は、a)からc)の順で良くなった。塗膜除去には、円筒状のカソードを用いた。
実施例4:
基板: 硬質金属kタイプ(ドリル)(例えば、工具に採用されるような金属)
層: AlCrN、3〜5μm
電解液: NH4/NO3/CH3COOH(欧州特許1080254号参照)
電圧の経過
a) 3〜60秒間15Vで一定
b) 10秒間2.8V、10秒間5V、10秒間8V、10秒間10V
部品は、方法a)で一度塗膜除去され、方法b)で一度塗膜除去された。塗膜除去の品質は、a)の場合よりもb)の場合のほうがより良好であった。塗膜除去には、円筒状のカソードを用いた。
非導電性表面を有する塗膜を備えた工作物の塗膜を除去するための方法が提供され、この方法は電解液を用いて行われ、以下の工程(Schritte)、すなわち、
−浴槽を準備する工程であって、この浴槽の内部に、給電装置の1つの極に接続可能な電極が設けられている、工程と、
−浴槽中に電解液を満たす工程であって、その結果、電極が電解液と接触する、工程と、
−電解液中に1つまたは複数の工作物を浸す工程と、
−工作物を少なくとも部分的に塗膜除去するために、工作物と電極との間に電圧をかける工程と
を含み、この少なくとも部分的に塗膜除去する際の電圧は、第1の時点で、第1の電圧がかけられ、より遅い時点で、第1の電圧と比較してより高くかつ孔の発生にはつながらない第2の電圧がかけられるように制御され、このとき第1の時点で、より高い第2の電圧をかけると、孔の発生につながりうる。
好ましくは、少なくとも部分的に塗膜除去する際の電圧は、電極と工作物との間の電位差の値が、連続的におよび/または段階的に上がるように制御される。
好ましくは、とりわけ、少なくとも部分的に塗膜除去する際の電位差が、単調に、好ましくは厳格に単調に上昇するように、電圧が制御される。
電圧は、塗膜除去の当初には、第1の時間間隔EI1に渡って電位差を実質的に第1の値U1に一定に保ち、第1の時間間隔に続く時間間隔EI2の間は、電位差を、第2の値U2に一定に保つように制御されることもでき、ここでU1<U2である。

Claims (4)

  1. 導電性基板および非導電性表面を有する塗膜を備えた工作物から塗膜を除去するための方法であって、前記方法が電解液を用いて行われ、以下の工程、すなわち、
    −浴槽を準備する工程であって、前記浴槽の内部に、給電装置の1つの極に接続可能な電極が設けられている、工程と、
    −前記浴槽中に電解液を満たす工程であって、その結果、前記電極が前記電解液と接触する、工程と、
    −前記電解液中に1つまたは複数の工作物を浸す工程と、
    −前記工作物を少なくとも部分的に塗膜除去するために、工作物と電極との間に電圧をかける工程と
    を含む方法において、前記少なくとも部分的に塗膜除去する際の前記電圧は、第1の時点で始まる第1の時間間隔EI1の間、第1の電圧U1がかけられ、
    塗膜除去の過程の間に前記導電性基板の大部分が露出し、全電流の流れが一定の間に局所的な電流密度が減少した、電圧が上昇してより高い塗膜除去率が達成され、より遅い時点で始まる第2の時間間隔EI2の間、より高い塗膜除去率を達成するために用いられる増大した電圧が印加され、前記増大した電圧は、前記第1の電圧U1と比較してより高くかつ基板での孔の発生にはつながらない第2の電圧U2であり、前記第1の時間間隔EI1の間、前記第2の電圧U2をかけると、前記基板において孔の発生につながりうるように前記第2の電圧U2の値が選択されることを特徴とする方法。
  2. 前記少なくとも部分的に塗膜除去する際の前記電圧は、電極と工作物との間の電位差の値が、連続的におよび/または段階的に上がるように制御されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記少なくとも部分的に塗膜除去する際の前記電圧は、単調に上昇することを特徴とする請求項1および2のいずれか1項に記載の方法。
  4. 前記電圧は、前記塗膜除去の当初には、前記第1の時間間隔EI1に渡って前記電位差を実質的に前記第1の電圧U1に一定に保ち、前記第1の時間間隔に続く前記時間間隔EI2の間は、前記電位差を、前記第2の電圧U2に一定に保つように制御され、ここでU1<U2であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
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