JP6086076B2 - 防鳥ネット留め具 - Google Patents

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本発明は、主に中高層住宅や官庁舎等のベランダ内への鳩やカラスなどの害鳥の侵入防止に使用される防鳥ネットの留め具に関するものである。
マンション等の中高層住宅では、特に空き室がある場合に鳩等の鳥が侵入して、ベランダの天井などに巣を作って棲みつくことがある。鳥がベランダの天井などに出入りするようになると、ベランダの手すりから糞を排出して、下階の干している洗濯物を汚したりする。また、鳥の糞は悪臭の原因になるばかりか、オウム病やクリプトコッカス病などの感染源になり衛生上好ましくない。これに対処する方法として、防鳥ネットを張って鳥の侵入を阻止する方法がある。
従来の防鳥ネットとしては、一般にカスミ網や金属網から構成したものが広く知られている。しかし、カスミ網製のものでは、網目に鳥の首が絡まって死亡させるという欠点があった。また、カスミ網は細くて強度が比較的低いため、鳥によって網が破れやすいという欠点があった。一方、ステンレス等の金属網製のものでは、ネットの存在が外部から目立ちやすく外観体裁が悪く、しかもネット自体が重いため、万一、ネットが落下した場合は危険である。これを防止するためには、ネットの支持構造を頑丈にすればよいが、この場合にはネットの取付け取外し作業に多大な手間がかかる。また、例えば、ゴルフ練習用のネット等の他の設備で用いられているネットを流用しているものも多く、その色も様々である。
例えば、特許文献1には、極細、軽量なネットを、マンションのバルコニーの上下に取り付けたレールの間にカーテン式に開閉自在に展張し、ネットの合わせ目はレールを重複させてマグネット付ランナーにより着脱自在にされた防鳥マットが開示されている。また、ポリエチレン製のテグス網によりなり、網目のサイズは鳥の首よりも小さい20ミリとされ、ネットの上下端部は、アンカーが埋設されたコンクリート部に、二枚のアルミニウム板で挟持し、これらのアルミニウム板を介してネジ釘で固定されて中高層住宅の空室ベランダに張られた防鳥ネットなども提案されている(特許文献2参照。)。
一方、こうした防鳥ネットを固定する装置や冶具として、例えば、図5及び図6に示すような金属製フック7がある。また、取付基体Mに接着又はねじ止めする略板状の硬質合成樹脂成型物からなる取付チップに、鳥止まり防止ピンを起立状態に保持させるピン挿通孔と、防鳥ネットの掛止フック具を係着させる差込みゲートとが一体形成されてなるもの(特許文献3参照。)。平板状のベース体と、ベース体に取付けられた係止体にネット挿通させて、ロック体で固定するもの(特許文献4参照。)。また、防止ネットではないが、特許文献5には、台車上の荷崩れを防止するネットに対する固定部と、伸縮紐とカゴ固定部からなり、ネット固定部は強靭な布片からなる本体と、相互に着脱可能な面ファスナー片とからなり、ネット目から本体を潜らせてネットの外枠に対して一対の面ファスナー片同士を付着させて係止具をネットに固定するものが提案されている。
実用新案登録第3038580号公報 実用新案登録第3080409号公報 特開2008−67620号公報 実用新案登録第3156987号公報 特開2008−179391号公報
しかしながら、上記従来の係止具や取付用治具は構造が複雑で製造コストが嵩むという問題、施工作業に習熟を要するという問題、施工後の建物の美観を考慮していないという問題がある。
本発明は、前記従来技術の課題に鑑み、製造コストの低減を図り得ると共に、施工に要する労力を低減できるばかりでなく、軽量で耐久性に優れ、ネット取付け取外し作業を簡便に行うことができる防鳥ネットの留め具を提供することを目的とする。
このため本発明は、防鳥ネットを壁面等の被取付物に取り付けるための防鳥ネット留め具であって、前記被取付物に固定されるベース部と、該ベース部上に断面略L字状の防鳥ネット端部の差込み溝を形成すると共に、該溝内にネット端部の抜け止め用膨出部を設けたフック部とを一体成形してなることを第1の特徴とする。また、防鳥ネット留め具が硬質合成樹脂製であることを第2の特徴とする。


防鳥ネットが対象とする鳥は、主に鳩と同等の大きさまたはこれよりも小さい鳥である。防鳥ネットの設置場所は、鳥が飛来して巣を作りやすい所、例えば、集合住宅、商業ビル、学校、病院、廃棄物処理場、競技場、公共施設、駅、神社仏閣、駐車場等である。
本発明の防鳥ネット留め具は、製造コストの低減を図り得ると共に、施工に要する労力を低減できるばかりでなく、軽量で耐久性に優れ、ネット取付け取外し作業を簡便に行うことができるという優れた効果を奏する。
本発明の一実施例に係る防鳥ネットの留め具を示す斜視図である。 留め具を示す(a)は平面図、(b)は(a)のA−A線断面図である。 ベタンダに防鳥ネットを張設した状態を模式的に示す(a)は斜視図、(b)は側面断面図である。 留め具への防鳥ネットの取付け状態を示す要部拡大断面図である。 従来の留め金具の一例を示す斜視図である。 従来の防鳥ネットの取付状態を示す一部拡大斜視図である。
以下、図面に示す実施例に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1乃至図3に示すように、本発明に係るネット留め具3は、基本的には、ベランダの壁面2の天井壁2a及び前壁2b等の手すり部分等の被取付物に接着固定して使用される。ネット留め具3は、ポリカーボネート等の硬質合成樹脂の押し出し成型によって、平板矩形状のベース部3aと、ベース部3a上のドーム型(半球状)のフック部3bとを一体形成して構成されている。尚、材質は硬質合成樹脂に限定されないことは言うまでもなく、所期の物性、すなわち、硬質合成樹脂と同等の弾性と硬度を有する金属あるいはポリカーボネート以外の合成樹脂、合金又はこれらのハイブリッド材料でもよい。
このように、フック部3bを半球状の弧状に形成すると、万一、需要者が不用意に接触するようなことがあっても怪我をするおそれがなく安全である。とくに、年少者が居る家庭や防鳥ネット1を外した状態でベランダの手すりに触れるような場合に功を奏する。また、防鳥ネット1の縦横の糸や網目4とも柔軟に接触するので、張設した防鳥ネット1に係る外力によるネット1の撚れ等による破網もし難くなる。すなわち、フック部3bはその全面あるいは上面の一部でも曲面状に形成することが好ましく、その具体的形状は本実施例のようなドーム型には限定されない。
ベース体3aは、その四辺角端が弧状に面取りされると共に、各々の角部近傍面に透孔3dが穿設されている。この透孔3dは基本的には接着剤6が充填されるアンダーカット部として機能するが、取り付け状況に応じてアンカービス止め用の貫通孔としても使用できる。また、ベース体3aの裏面(接着面)には、接着効果を高めるためのザラザラした砂状面や鑢面等の粗面に形成することが好ましい。
すなわち、ベース部3a上には、防鳥ネット1の端部ロープ5の差込み溝3cを形成したドーム型のフック部3bが一体成形されている。フック部3bの差込み溝3cは、ロープ嵌装用の縦溝3fと連続して断面略L字状に形成され、この差込み溝3c内には、ネット端部ロープ5の抜け止め用の膨出部3eが設けられている。この膨出部3eも下方に向かって凸となる弧面を有する略楕円弧形状に形成されており、ネット端部ロープ5の挿脱着をスムーズに行うことができるばかりでなく、挿脱着時にネット端部ロープ5を傷つけたり切断したりすることがないようにされている。
尚、本実施例では、差込み溝3cにネット端部ロープ5を挿入するようにしているが、施工状況に応じてはネット1の網目4や横糸あるいは縦糸を直接掛止するようにしてもよい。また、ネット留め具3の固定方向は、破網や経年劣化による交換時のネット1の取り付け取り外し作業を考慮すると、差込み溝3cの開口が室内側向きになるように配置することが好ましいが、室外側向きであってもよく配置方向は特に限定されない。
図3は、建物の開口部としてマンションのベランダ2に防鳥ネット1を張設した状態を示している。防鳥ネット1は、ベランダ2の天井壁2aと前壁2b各々の壁面に各々固着された複数のネット留め具3に、ネット1の上下端ロープ5を複数か所掛け止めするだけで簡単に張設でき、また取り外しも簡便である。さらに、ベース部3aとドーム型のフック部3bが一体成形された本発明の留め具3は外観意匠性にも優れ、建物の外観を阻害しない。尚、防鳥ネット1としては、網糸がナイロン(商品名)等の化学繊維製で、黒色に染められ、網目の大きさは、鳩やカラスなどの害鳥が通過できない程度(例えば、3cmから6.5cm程度)のものを使用するのが好ましい。
1 防鳥ネット
2 ベランダ
2a ベランダの天井壁
2b ベランダの前壁
3 留め具
3a ベース板
3b フック部
3c ロープ差込み溝
3d 取付孔
3e 膨出部
3f ロープ嵌装溝
4 網目
5 ロープ
6 接着剤
7 金属製フック

Claims (2)

  1. 防鳥ネットを壁面等の被取付物に取り付けるための防鳥ネット留め具であって、前記被取付物に固定されるベース部と、該ベース部上に断面略L字状の防鳥ネット端部の差込み溝を形成すると共に、該溝内にネット端部の抜け止め用膨出部を設けたフック部とを一体成形してなることを特徴とする防鳥ネット留め具。
  2. 硬質合成樹脂製であることを特徴とする請求項1記載の防鳥ネット留め具。
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