JP6083108B2 - ハードコートフィルム、及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、ディスプレイ等の表面を保護する目的等で使用される、透明基材フィルム上にハードコート層を設けてなるハードコートフィルム、及びその製造方法に関する。
液晶ディスプレイ、CRTディスプレイ、プロジェクションディスプレイ、プラズマディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ等の画像表示装置における画像表示面は、取り扱い時に傷がつかないように、耐擦傷性を付与することが要求される。これに対して、基材フィルムにハードコート(HC)層を設けたハードコートフィルムや、更に反射防止性や防眩性等光学機能を付与したハードコートフィルム(光学積層体)を利用することにより、画像表示装置の画像表示面の耐擦傷性を向上させることが一般になされている。
特許文献1では、基材フィルム上に、アクリル系及び/又はメタクリル系樹脂を含むハードコート層用塗工組成物を硬化させたハードコート層、及び、基材フィルムとハードコート層の間に、基材フィルムを形成する樹脂と、ハードコート層を形成する樹脂とが混合した境界層を設け、硬度及び基材との密着性の向上、並びに干渉縞の発生の防止を図っている。
しかしながら、特許文献1の実施例では厚さが3〜5μmの境界層が形成されており、この厚さの境界層では密着性は得られるが鉛筆硬度が不十分であることがわかった。
それに対して、特許文献2では、優れた硬度と密着性の両立を目的として、トリアセチルセルロース基材の一面側に隣接して、特定の反応性シリカ微粒子、特定のバインダー成分を含み、前記反応性シリカ微粒子を全固形分に対して30〜65重量%含むハードコート層用硬化性樹脂組成物の硬化物からなる膜厚3〜25μmのハードコート層が設けられ、前記トリアセチルセルロース基材の前記ハードコート層側の界面から0.05〜0.70μmの領域に、前記ハードコート層の前記バインダー成分が浸透した浸透層が形成されているハードコートフィルムを開示している。
特開2008−012675号公報 特開2010−082860号公報
しかしながら、特許文献2のハードコートフィルムでは、干渉縞の抑制が不十分で、且つ、ハードコートフィルム表面の鉛筆硬度が未だ不十分であり、特に、ハードコート層の厚みを減少すると、フィルム表面の鉛筆硬度が大きく低下するという問題があった。
本発明は、干渉縞の抑制に優れながら、高い表面硬度を有するハードコートフィルム、及び当該ハードコートフィルムの再現性に優れた製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記問題点について鋭意検討を重ねた結果、ハードコート層のバインダー成分が基材フィルムに浸透している領域(浸透層)の厚さを特定以上に厚くし、且つ、浸透層において硬度が急激に低下しないように浸透層の深さ方向の硬度を特定以上とすることにより、干渉縞の抑制に優れながら、高い表面硬度を有することを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、上記問題点を解決する本発明の特徴は、以下の点である。
本発明に係るハードコートフィルムは、厚さ20μm〜40μmのトリアセチルセルロース基材の一面側に、バインダー成分を含有するハードコート層用硬化性樹脂組成物の硬化物からなるハードコート層が、前記トリアセチルセルロース基材の前記ハードコート層側の領域に、前記バインダー成分が浸透した浸透層を介して積層されたハードコートフィルムであって、
前記浸透層の層厚が9μm以上15μm以下であり、且つ、
前記浸透層の、前記ハードコート層側界面から前記層厚の30%までの深さの領域のインデンテーション硬さが600MPa以上であることを特徴とする。
また、上記本発明に係るハードコートフィルムの製造方法は、分子量が1000以下の光硬化性化合物(1)をバインダー成分全体に対して70質量%以上と、分子量が1000超過50000以下であって、前記光硬化性化合物(1)とは相互に光硬化性官能基の数が異なる光硬化性化合物(2)をバインダー成分全体に対して30質量%以下とを組み合わせて含むバインダー成分と、酢酸メチルを溶剤全体に対して30質量%以上含む酢酸メチルと他の溶剤との混合溶剤とを含有し、前記他の溶剤がメチルエチルケトンであるハードコート層用硬化性樹脂組成物を、トリアセチルセルロース基材の一面側に塗布し、乾燥後に硬化させることを特徴とする。
本発明によれば、干渉縞の抑制に優れながら、高い表面硬度を有するハードコートフィルム及び当該ハードコートフィルムの再現性に優れた製造方法を提供することができる。
本発明に係るハードコートフィルムの断面の一例を模式的に示した図である。 本発明に係るハードコートフィルムの製造方法の一例を模式的に示した図である。 実施例2のハードコートフィルムの断面の電子顕微鏡写真である。 実施例2のハードコートフィルムの顕微IR測定結果を示したグラフである。
以下、まず本発明のハードコートフィルムについて説明し、次いでその必須構成要素である透明基材フィルム、ハードコート層、及び浸透層、並びにハードコートフィルムの製造方法について順に説明する。
なお、本発明において、浸透性とは、基材に対して浸透する性質の他、基材を膨潤又は湿潤させる概念を含む。本発明において、浸透層とは、少なくとも、トリアセチルセルロース基材の成分と、ハードコート層を形成するバインダー成分とが混合した層をいう。
なお、本発明の光には、可視及び非可視領域の波長の電磁波だけでなく、電子線のような粒子線、及び、電磁波と粒子線を総称する放射線又は電離放射線が含まれる。
また、本発明において、(メタ)アクリレートは、アクリレート及び/又はメタクリレートを表し、(メタ)アクリロイルは、アクリロイル及び/又はメタクリロイルを表す。
本発明において、分子量とは、分子量分布を有する場合には、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定したポリスチレン換算値である重量平均分子量を意味し、分子量分布を有しない場合には、化合物そのものの分子量を意味する。
本発明において、膜厚とは乾燥乃至硬化時の膜厚(乾燥膜厚)を意味する。
本発明において、微粒子の平均粒径とは、溶液中の当該粒子を動的光散乱方法で測定し、粒径分布を累積分布で表したときの50%粒子径(d50 メジアン径)を意味する。当該平均粒径は、日機装(株)製のMicrotrac粒度分析計又はNanotrac粒度分析計を用いて測定することができる。上記微粒子は、凝集粒子であっても良く、凝集粒子である場合は、二次粒径が上記範囲内であれば良い。
I.ハードコートフィルム
本発明に係るハードコートフィルムは、トリアセチルセルロース基材の一面側に、バインダー成分を含有するハードコート層用硬化性樹脂組成物の硬化物からなるハードコート層が、前記トリアセチルセルロース基材の前記ハードコート層側の領域に、前記バインダー成分が浸透した浸透層を介して積層されたハードコートフィルムであって、
前記浸透層の層厚が5μm以上であり、且つ、
前記浸透層の、前記ハードコート層側界面から前記層厚の30%までの深さの領域のインデンテーション硬さが500MPa以上であることを特徴とする。
図1は、本発明に係るハードコートフィルム1の層構成の一例を模式的に示した断面図である。本発明に係るハードコートフィルム1は、トリアセチルセルロース基材10の一面側に、バインダー成分を含有するハードコート層用硬化性樹脂組成物の硬化物からなるハードコート層20が、前記トリアセチルセルロース基材の前記ハードコート層側の領域に、前記バインダー成分が浸透した浸透層30を介して積層されたハードコートフィルムであって、前記浸透層30の層厚40が5μm以上であり、且つ、前記浸透層30の、前記ハードコート層側界面50から前記層厚の30%までの深さの領域60のインデンテーション硬さが500MPa以上となっている。
本発明のハードコートフィルムは、バインダー成分と、酢酸メチルを溶剤全体に対して30質量%以上含む溶剤とを含有するハードコート層用硬化性樹脂組成物を、トリアセチルセルロース基材の一面側に塗布し、乾燥後に硬化させて形成されてなるものであることが好ましい。
本発明のハードコートフィルムは、トリアセチルセルロースと、ハードコート層を形成するバインダー成分とが混合して存在する浸透層を有することにより、当該浸透層とトリアセチルセルロース基材との界面における屈折率差、及び浸透層とハードコート層における屈折率差が小さくなり、且つ当該浸透層の層厚が5μm以上と厚いことにより、界面反射を低減することができる。このように本発明のハードコートフィルムは、各界面における界面反射が小さいため、干渉縞の抑制が向上したものとなる。
特に本発明においては、浸透層のハードコート層側界面から特定の深さの領域までの硬度が特定以上になるように硬度の分布を調整することにより、ハードコートフィルム表面からの押し込み硬度が向上したものとなる。
また、本発明のハードコートフィルムは、上記浸透層を有することによりハードコート層とトリアセチルセルロース基材との密着性に優れている。
本発明のハードコートフィルムは、ハードコートフィルムとしての機能又は用途を加味して、ハードコート層上(トリアセチルセルロース基材とは反対側の面)に、その他の層、例えば、帯電防止層、防眩層、低屈折率層、防汚層、及び前記ハードコート層と同一又は異なる第2のハードコート層よりなる群から選択される1種又は2種以上の層を形成しても良い。例えば、トリアセチルセルロース基材(以下、「TAC基材」と略することがある。)/ハードコート層、TAC基材/ハードコート層/低屈折率層、TAC基材/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層、TAC基材/ハードコート層/高屈折率層/中屈折率層/低屈折率層などの層構成が好ましく挙げられる。
また、本発明のハードコートフィルムは、前記ハードコート層が帯電防止剤や防眩剤等を含んでなることにより、帯電防止機能や防眩機能が付与されるものであっても良い。また、本発明のハードコートフィルムは、前記ハードコート層に配合される無機微粒子及びバインダー成分の種類を適宜調節することにより、ハードコート層自体を中屈折率層或いは高屈折率層に調製されたものであっても良い。
以下、本発明のハードコートフィルムの必須の構成要素であるトリアセチルセルロース基材、ハードコート層、及び浸透層、並びに必要に応じて適宜設けることができるその他の層について順に説明する。
1.トリアセチルセルロース基材
本発明に用いられるトリアセチルセルロース基材は、透明性(光透過性)の高いプラスチックフィルム又はシートである。
光学積層体の透明基材として用い得る物性を満たすものであれば特に限定されることはなく、適宜選んで用いることができる。
通常、光学積層体に用いられる基材には、透明、半透明、無色又は有色を問わないが、光透過性が要求される。なお、光透過率の測定は、紫外可視分光光度計(例えば、(株)島津製作所製 UV−3100PC)を用い、室温、大気中で測定した値を用いる。
トリアセチルセルロース基材は、可視光域380〜780nmにおいて、平均光透過率を50%以上とすることが可能な光透過性基材である。トリアセチルセルロース基材の平均光透過率は70%以上、更に85%以上であることが好ましい。
トリアセチルセルロース基材は、光学的等方性を有するため、液晶ディスプレイ用途の場合においても好ましく用いることができる。
尚、本発明に於けるトリアセチルセルロースとしては、純粋なトリアセチルセルロース以外に、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートの如くセルロースとエステルを形成する脂肪酸として酢酸以外の成分も併用した物であっても良い。又、これらトリアセチルセルロースには、必要に応じて、ジアセチルセルロース等の他のセルロース低級脂肪酸エステル、或いは可塑剤、帯電防止剤、紫外線吸收剤等の各種添加剤が添加されていても良い。
本発明においては、トリアセチルセルロース基材の厚さは適宜選択して用いることができる。20〜120μmのトリアセチルセルロース基材を用いることが好ましく、20〜80μmであることがより好ましい。
2.ハードコート層
本発明のハードコート層は、バインダー成分を含有するハードコート層用硬化性樹脂組成物の硬化物からなるものである。
本発明においてハードコート層とは、JIS5600−5−4(1999)で規定される鉛筆硬度試験で「H」以上の硬度を示すものをいう。本発明のハードコート層は、前記鉛筆硬度試験で3H以上であることが好ましく、4H以上であることがより更に好ましい。
スチールウール#0000で荷重をかけながら10往復擦り試験を行い、裏面に黒テープを貼付した状態でキズが確認されない最大荷重で評価する、耐スチールウール擦り性では、200g/cm2以上であることが好ましく、500g/cm2以上であることがさらに好ましく、700g/cm2以上であることが特に好ましい。
ハードコート層の膜厚(硬化時)は、上記基材の強度や要求性能に応じて適宜選択することができ、0.1〜100μm、好ましくは0.8〜20μmである。十分な硬度を得て、カールやクラックの発生を抑制する点から、より好ましくは3〜20μmの範囲である。
[ハードコート層用硬化性樹脂組成物]
本発明に用いられるハードコート層用硬化性樹脂組成物は、少なくともバインダー成分を含むものであり、更に、溶剤、バインダー成分を硬化させるための重合開始剤、ハードコート性や屈折率調整のための微粒子、更に、機能性付与を目的として防眩剤や防汚剤、帯電防止剤等、コーティング適性の制御としてレベリング剤、ブロッキング防止を目的として易滑剤等、その他の成分を含んでいて良いものである。
(バインダー成分)
ハードコート層用硬化性樹脂組成物に用いられるバインダー成分は、硬化性有機樹脂が好ましく、塗膜とした時に光が透過する透光性のものが好ましく、少なくとも光硬化性化合物を含むことが好ましい。バインダー成分として、1種又は2種以上のバインダー成分を用いることができ、非硬化性化合物を含んでいても良い。
光硬化性化合物としては、光硬化性官能基を有する化合物が挙げられる。光硬化性官能基としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、アリル基等のエチレン性不飽和結合基及びエポキシ基、オキセタニル基等が挙げられる。光硬化性官能基を有する化合物としては、エチレン性不飽和結合基を有する化合物が好適に用いられる。
本発明においては、バインダー成分の一部が浸透層を形成するため、バインダー成分中には、浸透層を形成し得る成分が含まれる。浸透層を形成し得る成分としては、分子量が1000以下の化合物が好適に用いられる。
ハードコート層用硬化性樹脂組成物におけるバインダー成分中の硬化性化合物は通常、ハードコート層乃至浸透層において、架橋し硬化物として存在する。
光硬化性官能基を有する化合物としては、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する化合物が好適に用いられ、中でも、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する多官能性(メタ)アクリレート系化合物が好適に用いられる。
本発明において、多官能性(メタ)アクリレート系化合物としては、2官能(メタ)アクリレートとして、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAテトラエトキシジアクリレート、ビスフェノールAテトラプロポキシジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート等が挙げられる。
3官能以上の(メタ)アクリレート系化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性トリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、これら(メタ)アクリレートは、分子骨格の一部を変性しているものでもよく、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、カプロラクトン、イソシアヌル酸、アルキル、環状アルキル、芳香族、ビスフェノール等による変性がなされたものも使用することができる。
また、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する多官能性(メタ)アクリレート系化合物としては、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレート、後述する下記一般式(I)で表されるアクリレート系重合体等が挙げられる。
ウレタン(メタ)アクリレートは、多価アルコール及び有機ジイソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレートとの反応によって得られる。
多価アルコールとしては、例えば、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、トリシクロデカンジメチロール、ビス−[ヒドロキシメチル]−シクロヘキサン等;上記多価アルコールと多塩基酸(例えば、コハク酸、フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テレフタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、テトラヒドロ無水フタル酸等)との反応によって得られるポリエステルポリオール;上記多価アルコールとε−カプロラクトンとの反応によって得られるポリカプロラクトンポリオール;ポリカーボネートポリオール(例えば、1,6−ヘキサンジオールとジフェニルカーボネートとの反応によって得られるポリカーボネートジオール等);及び、ポリエーテルポリオールを挙げることができる。上記ポリエーテルポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、エチレンオキサイド変性ビスフェノールA等を挙げることができる。
上記有機ポリイソシアネートとしては、例えばイソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジシクロペンタニルイソシアネート等のイソシアネート化合物、これらイソシアネート化合物の付加体、或いはこれらイソシアネートの多量体等が挙げられる。
上記ヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジメチロールシクロヘキシルモノ(メタ)アクリレート、ヒドロキシカプロラクトン(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なかでも、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレートであることが硬度の面から好ましい。
上記ウレタン(メタ)アクリレートは、6官能以上であることが好ましい。上記ウレタン(メタ)アクリレートが6官能未満であると、ハードコート層の硬度が弱くなるおそれがある。
上記ウレタン(メタ)アクリレートは、6〜15官能であることがより好ましい。
ウレタン(メタ)アクリレートはウレタン樹脂として市販されているが、本発明においては、市販品を用いてもよい。本発明において使用できる市販品としては、例えば、日本合成化学工業社製:UV1700B(重量平均分子量2000、10官能)、UV7600B(重量平均分子量1500、6官能)、日本化薬社製:DPHA40H(重量平均分子量7000、10官能)、UX5003(重量平均分子量700、6官能)、根上工業社製:UN3320HS(重量平均分子量5000、15官能)、UN904(重量平均分子量4900、15官能)、UN3320HC(重量平均分子量1500、10官能)、UN3320HA(重量平均分子量1500、6官能)、荒川化学工業社製:BS577(重量平均分子量1000、6官能)、及び、新中村化学工業社製:U15HA(重量平均分子量2300、15官能)等を挙げることができる。
また、エポキシ(メタ)アクリレートで好ましいものは、3官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等と多塩基酸と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレート、及び2官能以上の芳香族エポキシ樹脂、脂環族エポキシ樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等とフェノール類と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られる(メタ)アクリレートである。これらのエポキシ(メタ)アクリレートのうち特に好ましいものは、ノボラックタイプエポキシ樹脂の(メタ)アクリレート、及び1分子中に少なくとも3個以上の水酸基を含有する脂肪族または芳香族多価アルコール及び、該多価アルコールのアルキレンオキシド付加物またはε−カプロラクトン付加物のグリシジルエーテルと、アクリル酸またはメタクリル酸との反応物である。これらのエポキシ(メタ)アクリレートは、分子内の全てのエポキシ基を(メタ)アクリル化しても、あるいは一部エポキシ基が残っていても良い。
好ましいエポキシ(メタ)アクリレートを例示すると、フェノールノボラックエポキシ樹脂の(メタ)アクリレート、o−クレゾールノボラックエポキシ樹脂の(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルの(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテルのテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサグリシジルエーテルのヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテルのトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサグリシジルエーテルのペンタ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラグリシジルエーテルのテトラ(メタ)アクリレート、フェノールノボラックエポキシ樹脂とアジピン酸と(メタ)アクリル酸との反応物、o−クレゾールノボラックエポキシ樹脂とテレフタル酸と(メタ)アクリル酸との反応物、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテルトリメリット酸と(メタ)アクリル酸との反応物、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテルとハイドロキノンと(メタ)アクリル酸との反応物、ジペンタエリスリトールヘキサグリシジルエーテルとp−ノニルフェノールと(メタ)アクリル酸との反応物が挙げられる。
また、エチレン性不飽和結合基を2つ以上有する多官能性(メタ)アクリレート系化合物としては、下記一般式(I)で表されるアクリレート系重合体も用いることができる。下記一般式(I)で表されるアクリレート系重合体の重量平均分子量としては、1000以上100000以下であることが好ましく、更に、1000以上50000以下であることが好ましい。
(一般式(I)中、Lは炭素数1〜10の連結基を表し、nは0又は1を表す。Rは水素原子又はメチル基を表す。Aは任意のビニルモノマーの重合単位を表し、単一成分であっても複数の成分で構成されていてもよい。x、yは各重合単位のモル%である。yは0であっても良い。)
Lは炭素数1〜10の連結基を表し、より好ましくは炭素数1〜6の連結基であり、特に好ましくは2〜4の連結基であり、直鎖であっても分岐構造を有していてもよく、環構造を有していてもよく、O、N、Sから選ばれるヘテロ原子を有していても良い。
連結基Lの好ましい例としては、*−(CH−O−**,*−(CH−NH−**、*−(CH−O−**、*−(CH−O−**、*−(CH−O−(CH)−O−**、*−CONH−(CH−O−**、*−CHCH(OH)CH−O−**、*−CHCHOCONH(CH−O−**等が挙げられる。ここで、*は、ポリマー主鎖側の連結部位を表し、**は、(メタ)アクリロイル基側の連結部位を表す。
一般式(I)中、Rは水素原子またはメチル基を表すが、硬化反応性の観点から、より好ましくは水素原子である。
一般式(I)においてxは100モル%、すなわち単独の重合体であっても良い。また、xが100モル%であっても、xモル%で表された(メタ)アクリロイル基を含有する重合単位が2種以上混合して用いられた共重合体であってもよい。xとyの比は、特に制限はなく、硬度や、溶剤への溶解性、透明性等種々の観点から適宜選択することができる。
一般式(I)中、Aは任意のビニルモノマーの重合単位を表し、特に制限はなく、硬度や、溶剤への溶解性、透明性等種々の観点から適宜選択することができ、目的に応じて単一あるいは複数のビニルモノマーによって構成されていても良い。
例えば、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、シクロへキシルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、グリシジルビニルエーテル、アリルビニルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリシジルメタアクリレート、アリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリレート類、スチレン、p−ヒドロキシメチルスチレン等のスチレン誘導体、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸およびその誘導体等を挙げることができる。
本発明のハードコート層用硬化性樹脂組成物に用いられるバインダー成分としては、中でも、分子量が1000以下の光硬化性化合物をバインダー成分全体に対して70質量%以上含むことが、更に80質量%以上含むことが好ましい。このような場合は、浸透層に屈折率分布をもたせ干渉縞を解消し、且つ、浸透層に比較的低分子量のバインダー成分をより多く浸透させ、浸透層中でのバインダー成分の架橋が十分になり、浸透層の硬度を向上することができる点から好ましい。分子量が1000を超えると、TAC基材へ塗布する際の粘度が高くなって、浸透力が低下し、浸透層の硬度が不十分になる恐れがある。
本発明のハードコート層用硬化性樹脂組成物に用いられるバインダー成分としては、中でも、分子量が1000以下の光硬化性化合物(1)をバインダー成分全体に対して70質量%以上と、分子量が1000〜50000であって、前記光硬化性化合物(1)とは相互に光硬化性官能基の数が異なる光硬化性化合物(2)をバインダー成分全体に対して30重量%以下とを、選択して組み合わせて用いることが好ましく、中でも、上記光硬化性化合物(1)及び光硬化性化合物(2)はいずれも光硬化性官能基の数が2個以上、更に3個以上であることが好ましい。
このような組み合わせの場合、浸透層に屈折率分布をもたせ干渉縞を解消し、且つ、ハードコートフィルムのカールを低減し、耐クラック性を向上する点から好ましい。上記光硬化性化合物(2)においても、分子量が50000を超えると浸透性溶剤とともにTAC基材に浸透するという効果が得られない場合があるので、50000以下であることが好ましい。
ハードコート層用硬化性樹脂組成物におけるバインダー成分の含有量は、通常、ハードコート層用硬化性樹脂組成物の全固形分に対して、後述する微粒子を含有する場合には、30〜90質量%であることが好ましく、60〜90質量%であることがより好ましく、後述する微粒子を含有しない場合には、70〜100質量%であることが好ましい。
なお、後述する重合開始剤を用いる場合、当該重合開始剤の含有量は、通常、ハードコート層用硬化性樹脂組成物の全固形分に対して1〜10質量%であり、この場合、バインダー成分の含有量は、後述する微粒子を含有する場合には、20〜89質量%であることが好ましく、50〜89質量%であることがより好ましく、後述する微粒子を含有しない場合には、60〜99質量%であることが好ましい。
(溶剤)
本発明のハードコート層用硬化性樹脂組成物に用いられる溶剤は、前記トリアセチルセルロース基材の前記ハードコート層側の領域に、前記バインダー成分が浸透した浸透層を形成するために、通常、TAC基材に対して浸透性を有する浸透性溶剤が用いられる。
TAC基材に対して浸透性を有する浸透性溶剤としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン、及びメチルイソブチルケトンが挙げられる。中でも、トリアセチルセルロース基材の溶解性が非常に高く、深い浸透層を形成できる点から、浸透性溶剤としては、酢酸メチルを用いることが好ましい。具体的には、酢酸メチルを溶剤全体に対して30質量%以上含む溶剤を用いることが好ましい。
一方で、酢酸メチルは、乾燥が速く、製造設備においてノズル詰まりなどのトラブルが発生する恐れがある。そこで、他の溶剤と混合して、トリアセチルセルロース基材への浸透性と、溶剤の乾燥速度等を勘案した酢酸メチルとの混合溶剤を用いることが好ましい。
他の溶剤としては、他の浸透性溶剤を用いることが好ましく、具体的にはケトン類の溶剤が好適に用いられ、中でも、メチルエチルケトン、及びメチルイソブチルケトンが好ましい。他の溶剤は、1種類であっても2種類以上を組み合わせてもよい。他の溶剤としては、メチルエチルケトンとメチルイソブチルケトンとを組み合わせて使用することが、浸透性と溶剤の乾燥速度のバランスの点から好ましい。
溶剤全体に対する酢酸メチルの含有量は30質量%以上であり、浸透性の点から、中でも、40質量%以上であることが好ましい。一方、乾燥速度の点からは、溶剤全体に対する酢酸メチルの含有量が、70質量%以下であることが好ましく、50質量%以下であることがより好ましい。
また、ハードコート層用硬化性樹脂組成物中の溶剤の含有量は、ハードコート層用硬化性樹脂組成物全体に対して、通常、30〜70質量%であり、35〜55質量%が好ましい。
(重合開始剤)
上記バインダー成分に含まれる光硬化性成分の硬化反応を開始又は促進させるために、必要に応じて光重合開始剤を適宜選択して用いても良い。これらの重合開始剤は、光照射により分解されて、ラジカルもしくはカチオンを発生してラジカル重合とカチオン重合を進行させるものである。バインダー成分の反応性に合わせて適宜選択して用いる。
光照射によりラジカルを発生するラジカル重合開始剤としては、例えば、イミダゾール誘導体、ビスイミダゾール誘導体、N−アリールグリシン誘導体、有機アジド化合物、チタノセン類、アルミナート錯体、有機過酸化物、N−アルコキシピリジニウム塩、チオキサントン誘導体等が挙げられ、更に具体的には、1,3−ジ(tert−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラキス(tert−ブチルジオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3−フェニル−5−イソオキサゾロン、2−メルカプトベンズイミダゾール、ビス(2,4,5−トリフェニル)イミダゾール、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(商品名イルガキュア651、チバ・ジャパン(株)製)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(商品名イルガキュア184、チバ・ジャパン(株)製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタン−1−オン(商品名イルガキュア369、チバ・ジャパン(株)製)、ビス(η−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム)(商品名イルガキュア784、チバ・ジャパン(株)製)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記以外にも、市販品が使用でき、具体的には、チバ・ジャパン(株)製のイルガキュア907、イルガキュア379、イルガキュア819、イルガキュア127、イルガキュア500、イルガキュア754、イルガキュア250、イルガキュア1800、イルガキュア1870、イルガキュアOXE01、DAROCUR TPO、DAROCUR1173、日本シイベルヘグナー(株)製のSpeedcureMBB、SpeedcurePBZ、SpeedcureITX、SpeedcureCTX、SpeedcureEDB、Esacure ONE、Esacure KIP150、Esacure KTO46、日本化薬(株)製のKAYACURE DETX−S、KAYACURE CTX、KAYACURE BMS、KAYACURE DMBI等が挙げられる。
また、光照射によりカチオンを発生するカチオン重合開始剤としては、例えば、スルホン酸エステル、イミドスルホネート、ジアルキル−4−ヒドロキシスルホニウム塩、アリールスルホン酸−p−ニトロベンジルエステル、シラノール−アルミニウム錯体、(η−ベンゼン)(η−シクロペンタジエニル)鉄(II)等が例示され、さらに具体的には、ベンゾイントシレート、2,5−ジニトロベンジルトシレート、N−トシフタル酸イミド等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ラジカル重合開始剤としても、カチオン重合開始剤としても用いられるものとしては、芳香族ヨードニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ホスホニウム塩、トリアジン化合物、鉄アレーン錯体等が例示され、更に具体的には、ジフェニルヨードニウム、ジトリルヨードニウム、ビス(p−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム、ビス(p−クロロフェニル)ヨードニウム等のヨードニウムのクロリド、ブロミド、ホウフッ化塩、ヘキサフルオロホスフェート塩、ヘキサフルオロアンチモネート塩等のヨードニウム塩、トリフェニルスルホニウム、4−tert−ブチルトリフェニルスルホニウム、トリス(4−メチルフェニル)スルホニウム等のスルホニウムのクロリド、ブロミド、ホウフッ化塩、ヘキサフルオロホスフェート塩、ヘキサフルオロアンチモネート塩等のスルホニウム塩、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン等の2,4,6−置換−1,3,5トリアジン化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(微粒子)
本発明のハードコート層においては、ハードコート層に硬度を付与するためや屈折率を調節するため、更には帯電防止性等の機能を付与するために、微粒子を含んでいても良い。
微粒子は平均粒径が5〜100nmであることが好ましく、10〜50nmであることがより好ましい。微粒子は、凝集粒子であっても良く、凝集粒子である場合は、二次粒径が上記範囲内であることが好ましい。微粒子の平均粒径が5nm未満ではハードコート層に十分な硬度を付与することが難しく、平均粒径が100nmを超えると、ハードコート層の透明性が低下する恐れがある。
また、微粒子は、透明性を損なうことなく、上述のバインダー成分のみを用いた場合の回復率(復元率)を維持しつつ、硬度を向上させる点から、粒径分布が狭く、単分散であることが好ましい。
微粒子が含まれる場合には、ハードコート層用硬化性樹脂組成物の全固形分に対して10〜70質量%含まれることが好ましく、10〜40質量%がより好ましい。10質量%未満ではハードコート層に十分な硬度を付与することが難しい。70質量%を超えると、充填率が上がり過ぎ、かえってハードコート層の硬度を低下させてしまう恐れがある。ここで固形分とは、溶剤以外の成分をいう。
微粒子は単一の材質や単一の平均粒径のものだけでなく、材質や平均粒径の異なるものを2種類以上組み合わせて用いても良い。2種類以上組み合わせて用いる場合は、各粒子の平均粒径が5〜100nm以内で且つ各粒子の合計質量%が10〜70質量%となることが好ましい。
微粒子は無機微粒子でも有機微粒子でも良いが、硬度付与の観点から無機微粒子であることが好ましい。
無機微粒子としては、例えば、シリカ(SiO)、酸化アルミニウム、ジルコニア、チタニア、酸化亜鉛、酸化ゲルマニウム、酸化インジウム、酸化スズ、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化アンチモン、酸化セリウム等の金属酸化物微粒子、フッ化マグネシウム、フッ化ナトリウム等の金属フッ化物微粒子などが挙げられる。金属微粒子、金属硫化物微粒子、金属窒化物微粒子等を用いても良い。
硬度が高い点からは、シリカ、酸化アルミニウムが好ましい。また、後述するその他の層に対してハードコート層を相体的に高屈折率層とするためには、五酸化アンチモン(Sb)、ジルコニア、リンドープ酸化スズ(PTO)、アンチモン含有酸化スズ(ATO)、ガリウム添加酸化亜鉛(GZO)、チタニア、酸化アンチモン等の膜形成時に屈折率が高くなる微粒子を適宜選択して用いることができる。
同様に、相対的に低屈折率層とするためには、フッ化マグネシウム、フッ化ナトリウム等のフッ化物微粒子などの膜形成時に屈折率が低くなる微粒子を適宜選択して用いることができる。更に、帯電防止性、導電性を付与したい場合には、インジウムスズ酸化物(ITO)、酸化スズ等を適宜選択して用いることができる。これらは、1種単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
無機微粒子の表面には通常、無機微粒子内ではこの形態で存在できない基を有する。これら表面の基は通常、相対的に反応しやすい官能基である。例えば、金属酸化物の場合には、例えば、水酸基及びオキシ基、例えば、金属硫化物の場合には、チオール基及びチオ基、又は例えば、窒化物の場合には、アミノ基、アミド基及びイミド基を有する。
防眩性を付与するために、有機微粒子を用いても良く、有機微粒子としては、例えば、プラスチックビーズを挙げることができる。プラスチックビーズの具体例としては、スチレンビーズ(屈折率1.59)、メラミンビーズ(屈折率1.57)、アクリルビーズ(屈折率1.49)、アクリル−スチレンビーズ(屈折率1.54)、ポリカーボネートビーズ、ポリエチレンビーズなどが挙げられる。上記プラスチックビーズは、その表面に疎水性基を有することが好ましく、例えば、スチレンビーズを挙げることができる。
無機微粒子は、当該無機微粒子表面に当該無機微粒子同士又は前記バインダー成分の多官能光硬化性化合物及び表面処理用化合物との間で架橋反応し、共有結合が形成可能な光反応性を有する反応性官能基を少なくとも粒子表面の一部に有する反応性無機微粒子であることが好ましい。反応性無機微粒子同士又は反応性無機微粒子と多官能光硬化性化合物及び表面処理用化合物の間で架橋反応することにより、ハードコートフィルムの硬度を更に向上させることができる。
反応性無機微粒子には、1粒子あたりコアとなる無機微粒子の数が2つ以上のものも含まれる。また、反応性無機微粒子は、粒径を小さくすることにより含有量に対して、ハードコート層のマトリクス内での架橋点を高めることができる。
反応性無機微粒子は、ハードコート層に更に機能を付与するものであっても良く、目的に合わせて適宜選択して用いる。
本発明の反応性無機微粒子は、中空粒子のような粒子内部に空孔や多孔質組織を有する粒子よりも、粒子内部に空孔や多孔質組織を有しない中実粒子を用いることが硬度向上の点から好ましい。
反応性無機微粒子は、少なくとも表面の一部に有機成分が被覆され、当該有機成分により導入された反応性官能基を表面に有する。ここで、有機成分とは、炭素を含有する成分である。また、少なくとも表面の一部に有機成分が被覆されている態様としては、例えば、無機微粒子の表面に存在する水酸基にシランカップリング剤等の有機成分を含む化合物が反応して、表面の一部に有機成分が結合した態様、または、無機微粒子の表面に存在する水酸基にイソシアネート基を有する有機成分を含む化合物が反応して、表面の一部に有機成分が結合した態様、のほか、例えば、無機微粒子の表面に存在する水酸基に水素結合等の相互作用により有機成分を付着させた態様や、ポリマー粒子中に1個又は2個以上の無機微粒子を含有する態様、などが含まれる。具体的には、特開2008−165040号公報の段落0078〜0114に記載の反応性無機微粒子が好適に用いられる。
(帯電防止剤)
帯電防止剤の具体例としては、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、第1〜第3アミノ基等のカチオン性基を有する各種のカチオン性化合物、スルホン酸塩基、硫酸エステル塩基、リン酸エステル塩基、ホスホン酸塩基などのアニオン性基を有するアニオン性化合物、アミノ酸系、アミノ硫酸エステル系などの両性化合物、アミノアルコール系、グリセリン系、ポリエチレングリコール系などのノニオン性化合物、スズ及びチタンのアルコキシドのような有機金属化合物及びそれらのアセチルアセトナート塩のような金属キレート化合物等が挙げられ、さらに上記に列記した化合物を高分子量化した化合物が挙げられる。また、第3級アミノ基、第4級アンモニウム基、又は金属キレート部を有し、且つ、電離放射線により重合可能なモノマー又はオリゴマー、或いは電離放射線により重合可能な重合可能な官能基を有する且つ、カップリング剤のような有機金属化合物等の重合性化合物もまた帯電防止剤として使用できる。
帯電防止剤としては、導電性ポリマーも挙げることができる。導電性ポリマーとしては特に限定されず、例えば、芳香族共役系のポリ(パラフェニレン)、複素環式共役系のポリピロール、ポリチオフェン、脂肪族共役系のポリアセチレン、含ヘテロ原子共役系のポリアニリン、混合型共役系のポリ(フェニレンビニレン)、分子中に複数の共役鎖を持つ共役系である複鎖型共役系、前述の共役高分子鎖を飽和高分子にグラフト又はブロック共重した高分子である導電性複合体等を挙げることができる。
また、前記帯電防止剤の他の例としては、上述の微粒子のうち、導電性微粒子を用いても良い。
(防眩剤)
防眩剤としては微粒子が挙げられ、微粒子の形状は、真球状、楕円状などのものであってよく、好ましくは真球状のものが挙げられる。また、微粒子は無機系、有機系のものが挙げられるが、好ましくは有機系材料により形成されてなるものが好ましい。上述した微粒子のうち、防眩性を発揮するものであり、好ましくは透明性のものを選択して用いることができる。
(その他の成分)
ハードコート層硬化性樹脂組成物には、上記成分のほかに、更に、凝集防止効果及び沈降防止効果、その他、レベリング性などの特性の向上のため、各種界面活性剤を用いることができる。界面活性剤としては、シリコーンオイル、フッ素系界面活性剤、好ましくはパーフロロアルキル基を含有するフッ素系界面活性剤などが挙げられる。
さらに、本発明のハードコート層硬化性樹脂組成物には、増感剤、防汚剤、着色剤(顔料、染料)、難燃剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、接着付与剤、重合禁止剤、酸化防止剤、表面改質剤などを添加することができる。
以上のようにして、本発明にかかるハードコートフィルムにはハードコート性の他に、防眩性、反射防止性、帯電防止性、防汚性等の機能を持たせることが可能である。
3.浸透層
本発明に係るハードコートフィルムは、トリアセチルセルロース基材のハードコート層側領域に、ハードコート層のバインダー成分が浸透した浸透層を有する。当該浸透層ではハードコート層のバインダー成分がトリアセチルセルロース基材の樹脂と混合している。
当該浸透層の存在は、例えば、ハードコートフィルムの断面の電子顕微鏡写真、及びハードコートフィルムの断面の顕微IRによるマッピングやTOF−SIMS法によって、確認することができる。
本発明のハードコートフィルムにおいて、浸透層は、層厚が5μm以上であり、且つ、前記浸透層の、前記ハードコート層側界面から前記層厚の30%までの深さの領域のインデンテーション硬さが500MPa以上であることを特徴とする。
本発明のハードコートフィルムは、当該特徴を有することにより、基材との密着性及び干渉縞の抑制に優れながら、高い表面硬度を有する。
従来、例えば特許文献2のような浸透層の層厚が1μm未満や1μm程度といった薄い場合には、干渉縞発生を抑制する効果が不十分である上、浸透層において押し込み硬度が急激に低下するため、ハードコート層の硬度を高くしても、ハードコートフィルム表面の鉛筆硬度が不十分になる問題があった。当該問題は、ハードコート層を薄くした場合に顕著な問題となっていた。一方、浸透層の層厚を厚くすると、干渉縞発生を抑制する効果は改善されるものの、従来、高い表面硬度は得られていなかった。
それに対し、本発明では、浸透層の層厚の深さ方向の硬度分布に着目した。本発明では、浸透層を特定以上厚くした上で、浸透層の、前記ハードコート層側界面から前記層厚の30%までの深さの領域のインデンテーション硬さが特定以上となるような硬度分布とすることにより、フィルム表面の押し込み強度を高くし、高い表面硬度を実現した。ハードコート層からTAC基材に至るまでの硬度低下の勾配を緩やかにすることができるため、フィルム表面の押し込み強度を高くすることが可能になると推定される。本発明のハードコートフィルムにおいては、ハードコート層を従来より薄くしても、高い表面硬度を得ることができる。
なお、浸透層の層厚は、平均層厚のことをいい、例えば、ハードコートフィルムの断面の電子顕微鏡写真から求めることができる。
本発明において、浸透層の層厚は、5μm以上である。厚みが5μm未満では、干渉縞発生を抑制する効果が少なく、且つ、本発明の浸透層の特定のインデンテーション硬さを実現することは困難である。
当該浸透層の層厚は、硬度及び干渉縞抑制の点から、中でも7μm以上であることが好ましく、15μm以下であることが好ましい。浸透層の層厚が15μm以下であれば、TAC基材が柔軟化して剛性が不足したり、浸透しすぎることにより、ハードコート層と浸透層界面の反射による干渉縞が発生する恐れが低減する。
また、上記インデンテーション硬さは、ナノインデンテーションにより計測する硬度であり、圧子を試料に押込み、荷重−変位曲線を測定することで算出することができる。前記浸透層の前記ハードコート層側界面から前記層厚の30%までの深さの領域のインデンテーション硬さは、例えば、走査透過型電子顕微鏡により、ハードコートフィルムの断面観察を行って、ハードコート層、浸透層、トリアセチルセルロール界面を確認し、ハードコートフィルム断面の浸透層の所定の深さ位置における、インデンテーション硬さを測定することにより求めることができる。インデンテーション硬さは、微小押込み試験機(例えば、TI950 Triboindenter (HYSITRON社製))で、バーコビッチ圧子を使用して測定することができる。
前記浸透層の、前記ハードコート層側界面から前記層厚の30%までの深さの領域のインデンテーション硬さは、600MPa以上であることが更に好ましい。
前記浸透層の前記ハードコート層側界面から前記層厚の40%までの深さの領域のインデンテーション硬さが500MPa以上であることが更に好ましく、前記浸透層の前記ハードコート層側界面から前記層厚の50%までの深さの領域のインデンテーション硬さが500MPa以上であることがより更に好ましい。
また、浸透層においては、前記ハードコート層のバインダー成分がトリアセチルセルロース基材に浸透して、通常硬化しているので、トリアセチルセルロース基材−ハードコート層間の密着性が優れたものになる。これにより、トリアセチルセルロース基材からのハードコート層の剥離といった問題が生じないため耐熱性や耐水性等の信頼性が高くなるという利点を有する。
なお、本発明に係るハードコートフィルムの密着性としては、塗布密着性(JIS K 5600)を測定する。測定方法としては、例えば、1mm角で合計100目の碁盤目を入れ、ニチバン(株)製工業用24mmセロテープ(登録商標)を用いて5回連続剥離試験を行い、残っているマス目の数量を計測し、下記基準に基づいて密着度を測定する。当該密着度で90%以上であることが好ましい。
密着度(%)=(剥がれなかったマス目の数/合計のマス目数100)×100
4.その他の層
ハードコートフィルムは、上記したようにトリアセチルセルロース基材、ハードコート層及び浸透層により基本的には構成されてなる。しかしながら、ハードコートフィルムとしての機能又は用途を加味して、上記ハードコート層のトリアセチルセルロース基材とは反対側の面に、更に下記のような一又は二以上の層を設けてもよい。
<低屈折率層>
低屈折率層は、前記ハードコート層上に、直接、又は、高屈折率層及び中屈折率層から選ばれる少なくとも一層を介して設けられることで、反射防止フィルムの反射防止性をより高めるはたらきを有する。ここで高屈折率層、中屈折率層、低屈折率層とは屈折率の高低を相対的に表したものである。
低屈折率層は、当該層の基材フィルム側に隣接する層よりも屈折率が低い層であればよく、例えば、1.49以下であることが好ましく、1.47以下であることがより好ましく、1.42以下であることが特に好ましい。
低屈折率層は、バインダー成分、溶剤の他、低屈折率化のための低屈折率微粒子、低屈折率樹脂等を含有する組成物を用いて形成することができる。
低屈折率微粒子としては、空隙を有する微粒子(中空粒子)を用いることが好ましい。空隙を有する微粒子の材料は、低屈折率層の屈折率を低減するために、シリカ又はフッ素樹脂を用いることが好ましい。空隙を有する微粒子の平均粒径は、5〜300nmであることが好ましく、10〜80nmであることが特に好ましい。
低屈折率微粒子の含有量は、適宜調節して用いればよく、低屈折率層用塗工組成物の全固形分に対して10〜95重量%が好ましく、より好ましくは、20〜90重量%である。
このほか、低屈折率層は、SiOからなる薄膜で構成することもでき、蒸着法、スパッタリング法、もしくはプラズマCVD法等により、またはSiOゾルを含むゾル液からSiOゲル膜を形成する方法によって形成されたものであってもよい。なお、低屈折率層は、SiO以外にも、MgFの薄膜や、その他の素材でも構成し得るが、下層に対する密着性が高い点で、SiO薄膜を使用することが好ましい。
低屈折率層の厚さdは、d=mλ/4nを満たすものが好ましい。ここで、mは正の奇数を表し、nは低屈折率層の屈折率を表わし、λは波長を表わす。mは好ましくは1であり、λは好ましくは480〜580nmである。また、低反射率化の点から、120<n・d<145の関係を有することが好ましい。
<帯電防止層>
帯電防止層は、帯電防止剤と硬化性樹脂を含む帯電防止層用硬化性樹脂組成物の硬化物からなる。帯電防止層の厚さは、30nm〜3μm程度であることが好ましい。
帯電防止剤としては、上記ハードコート層の帯電防止剤で挙げたものと同様のものを用いることができる。
帯電防止層用硬化性樹脂組成物に含まれる硬化性樹脂としては、公知のものを適宜選択して、1種又は2種以上用いることができる。
<防眩層>
防眩層は、防眩剤と硬化性樹脂を含む防眩層用硬化性樹脂組成物の硬化物からなる。当該硬化性樹脂は、公知のものを適宜選択して、1種又は2種以上用いることができる。
防眩剤としては、上記ハードコート層の防眩剤で挙げたものと同様のものを用いることができる。
<防汚層>
本発明の好ましい態様によれば、ハードコートフィルム最表面の汚れ防止を目的として防汚層を設けてもよい。防汚層は、ハードコートフィルムに対して防汚性と耐擦傷性のさらなる改善を図ることが可能となる。防汚層は、防汚剤と硬化性樹脂組成物を含む防汚層用硬化性樹脂組成物の硬化物からなる。
防汚層用硬化性樹脂組成物に含まれる防汚剤や硬化性樹脂は、公知の防汚剤及び硬化性樹脂から適宜選択して1種又は2種以上を用いることができる。
<第2のハードコート層>
ハードコートフィルムの硬度を更に向上させるために、前記ハードコート層のトリアセチルセルロース基材とは反対側の面に第2のハードコート層を設けても良い。
第2のハードコート層は前記ハードコート層と同様のものを用いることができ、当該二つのハードコート層の組成は同一であっても良く、異なっていても良い。
II.ハードコートフィルムの製造方法
本発明に係るハードコートフィルムの製造方法は、分子量が1000以下の光硬化性化合物をバインダー成分全体に対して70質量%以上含むバインダー成分と、酢酸メチルを溶剤全体に対して30質量%以上含む溶剤とを含有するハードコート層用硬化性樹脂組成物を、トリアセチルセルロース基材の一面側に塗布し、乾燥後に硬化させることを特徴とする。
上記製造方法によれば、上記本発明に係るハードコートフィルムを、再現性よく製造することができる。
ハードコート層用硬化性樹脂組成物は、通常、溶剤にバインダー成分の他、光重合開始剤等を一般的な調製法に従って、混合し分散処理することにより調製される。混合分散には、ペイントシェーカー又はビーズミル等を用いることができる。ハードコート層用硬化性樹脂組成物の構成成分については、上述したのでここでの説明を省略する。
塗布方法は、トリアセチルセルロース基材表面にハードコート層用硬化性樹脂組成物を均一に塗布することができる方法であれば特に限定されるものではなく、例えば、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ロールコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、ダイコート法、ブレードコート法、マイクログラビアコート法、スプレーコート法、スピンコート法等の公知の方法が用いられる。
本発明においては、塗布量により硬度特性が変化するので、機能層の厚さを1〜20μmの範囲で安定して得やすいロールコート法、グラビアコート法、(スロット)ダイコート法が好ましい。
また、トリアセチルセルロース基材上へのハードコート層用硬化性樹脂組成物の塗工量としては、得られるハードコートフィルムが要求される性能により異なるものであるが、乾燥後の膜厚が5μm以上になるように適宜調節すればよく、塗工量が5g/m〜30g/mの範囲内、特に10g/m〜25g/mの範囲内であることが好ましい。
前記の方法のいずれかで塗布した後、溶剤を乾燥するために加熱されたゾーンに搬送され各種の公知の方法で溶剤を乾燥する。ここで固形分濃度、塗布液温度、乾燥温度、乾燥風の風速、乾燥時間、乾燥ゾーンの溶剤雰囲気濃度等を選定することにより、表面凹凸形状のプロファイルによる外部拡散及び無機微粒子や添加剤による内部拡散を調整できる。特に、乾燥条件の選定によって浸透層の深さを調整する方法が簡便で好ましい。具体的な乾燥温度としては、30〜120℃、硬度向上の点からより好ましくは
50〜90℃、乾燥風速では0.2〜50m/sであることが好ましく、乾燥時間20秒〜3分、好ましくは30秒〜1分程度の範囲内で適宜調整する。このようにして、トリアセチルセルロース基材への浸透性溶剤、バインダー成分による浸透深さ、すなわち浸透層の層厚及び浸透層の硬度分布を調整することができる。
より具体的には、乾燥温度を高くすることで、バインダー成分及び溶剤の基材への浸透性が向上する。すなわち、乾燥温度を制御することで、バインダー成分及び溶剤の基材への浸透性を制御することができ、浸透層中のバインダー成分量の調整による浸透層の硬度向上や、アンカー効果によりトリアセチルセルロース基材とハードコート層との密着性や、光透過性透明基材とハードコート層との屈折率差が0.03以上で顕著となる干渉縞の発生を防止することが可能となる。
乾燥によりハードコート層形成用組成物は乾燥塗膜となり、これに光照射を行い、ハードコート層が形成される。
本発明の光照射における光には、可視及び非可視領域の波長の電磁波だけでなく、電子線のような粒子線、及び、電磁波と粒子線を総称する放射線又は電離放射線が含まれる。
光照射には、主に、紫外線、可視光、電子線、電離放射線等が使用される。紫外線硬化の場合には、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク、キセノンアーク、メタルハライドランプ等の光線から発する紫外線等を使用する。
エネルギー線源の照射量は、紫外線波長365nmでの積算露光量として、50〜5000mJ/cm程度である。本発明においては、ハードコート層形成用組成物に含まれる上記必須成分の(メタ)アクリレート系化合物が反応性官能基を有し、塗膜中のほぼ全成分が架橋するため、低いエネルギーでも有効に硬化させることが可能である。例えば、エネルギー線源の照射量は、紫外線波長365nmでの積算露光量として、50〜150mJ/cmとすることができる。
その結果、短時間硬化が可能となり、生産効率を高めることが可能である。また、電子線硬化の場合には、100keV〜300keVのエネルギーを有する電子線等を使用する。
加熱する場合は、通常40℃〜120℃の温度にて処理する。また、室温(25℃)で24時間以上放置することにより反応を行っても良い。
図2は本発明に係るハードコートフィルムの製造方法の一例を模式的に示した図である。
図2(A)に示すように、トリアセチルセルロース基材10の一面側にハードコート層用硬化性樹脂組成物を塗布し、塗膜70を形成する。
次いで、図2(B)に示すように、塗膜70を乾燥させ、乾燥した塗膜80とする。この際、ハードコート層用硬化性樹脂組成物に含まれる溶剤がトリアセチルセルロース基材10に浸透していき、溶剤及びバインダー成分が浸透している領域90が形成される。
次いで、図2(C)に示すように、トリアセチルセルロース基材10側から光照射100を行い、乾燥した塗膜80が硬化させられることにより、ハードコート層20が形成されると共に、トリアセチルセルロース基材10のハードコート層20側の領域に浸透層30が形成される。
以下、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。これらの記載により本発明を制限するものではない。なお、実施例中、部は特に特定しない限り重量部を表す。
後述する実施例において行った評価方法は以下のとおりである。
(1)浸透層の層厚
ハードコートフィルムのハードコート層表面と逆の面に接着剤でPETを貼り付けた後、ミクロトーム(LEICA社製 ウルトラミクロトームUC6)を用いて断面作製を行い、走査透過型電子顕微鏡((株)日立ハイテクノロジーズ製、電界放出型走査電子顕微鏡(FE−SEM) 商品名S−4800)により断面観察を行い、浸透層の層厚(μm)を測定した。
(2)浸透層のインデンテーション硬さ
上記浸透層の走査透過型電子顕微鏡によるハードコートフィルムの断面観察により、ハードコート層、浸透層、トリアセチルセルロール界面を確認し、ハードコートフィルム断面の下記の所定の深さ位置について、TI950 Triboindenter (HYSITRON社製)でバーコビッチ圧子を使用し、100μN荷重で押し込み測定し、インデンテーション硬さを算出した。
深さ位置(1):ハードコート層
深さ位置(2):浸透層のハードコート層側界面から層厚の10%の深さ位置
深さ位置(3):浸透層のハードコート層側界面から層厚の30%の深さ位置
深さ位置(4):浸透層のハードコート層側界面から層厚の70%の深さ位置
深さ位置(5):トリアセチルセルロース基材
(3)顕微IR測定
上記浸透層の走査透過型電子顕微鏡によるハードコートフィルムの断面観察により、ハードコート層、浸透層、トリアセチルセルロール界面を確認し、ハードコートフィルム断面の上記インデンテーション硬さ測定を行った所定の深さ位置について、フーリエ変換顕微赤外分光光度計(FT−IR)(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製、NICOLET 6700)を用いて、IR測定を行った。トリアセチルセルロース(TAC)由来の1230〜1240cm−1のピークに対する、ハードコート層のバインダー成分のアクリル由来の1160〜1170cm−1のピークの高さの比(アクリル/TAC)を算出した。
(4)鉛筆硬度
得られたハードコートフィルムのハードコート層表面の鉛筆硬度をJISK5600−5−4(1999)に準じて評価した。3Hおよび4Hの鉛筆を用いて、500g荷重で5本線を引きその後のハードコート層の傷の有無を目視し下記の基準にて評価した。
<評価基準>
評価◎:傷は0〜1本であった。
評価○:傷は2〜3本であった。
評価×:傷は4〜5本であった。
(5)干渉縞
フナテック(株)製の干渉縞検査ランプ(Naランプ)を用い、目視にて検査し、下記基準で評価した。
<評価基準>
○:干渉縞の発生がほとんど見られなかったもの
×:干渉縞がはっきり見えたもの
(実施例1)
(1)ハードコート層用硬化性樹脂組成物の調製
以下の各成分を混合し、ハードコート層用硬化性樹脂組成物を調製した。
<ハードコート層用硬化性樹脂組成物の組成>
・(メタ)アクリレート系化合物(1):ペンタエリスリトールトリアクリレート(日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD−PET−30、分子量298):40質量部
・(メタ)アクリレート系化合物(2):アクリレートポリマー(荒川化学工業(株)製、商品名:BS371、分子量30000〜40000):10質量部
・溶剤1.(酢酸メチル):30質量部
・溶剤2.メチルエチルケトン(MEK):20質量部
・光重合開始剤:(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュアー184):2質量部
(2)ハードコートフィルムの製造
光透過性基材としてトリアセチルセルロース(TAC)基材(コニカミノルタ(株)製、商品名:KC4UY、厚さ40μm)を用い、当該基材上にスロットダイコーターを用いて、上記ハードコート層用硬化性樹脂組成物を、塗布速度20m/minにて塗布し、塗膜を形成した。その塗膜を70℃で、30秒間乾燥し、溶剤を除去した。次いでその塗膜に紫外線照射装置を用いて、照射量80mJ/cmで紫外線照射を行い、塗膜を硬化させて、ハードコート(HC)層を有するハードコートフィルムを得た。TAC基材のハードコート層側には層厚10μmの浸透層が形成されていた。ハードコート層の層厚と浸透層の層厚の合計は、13μmであった。
(実施例2)
(1)ハードコート層用硬化性樹脂組成物の調製
以下の各成分を混合し、ハードコート層用硬化性樹脂組成物を調製した。
<ハードコート層用硬化性樹脂組成物の組成>
・(メタ)アクリレート系化合物(1):ペンタエリスリトールトリアクリレート(日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD−PET−30、分子量298):32質量部
・(メタ)アクリレート系化合物(2):アクリレートポリマー(荒川化学工業(株)製、商品名:BS371、分子量30000〜40000):8質量部
・反応性シリカ(日産化学社製、商品名:MIBK−SD、平均一次粒径12nm、反応性官能基:メタクリレート):10質量部
・溶剤1.(酢酸メチル):30質量部
・溶剤2.メチルエチルケトン(MEK):20質量部
・光重合開始剤:(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュアー184):2質量部
(2)ハードコートフィルムの製造
ハードコート層用硬化性樹脂組成物として、上記で得られたハードコート層用硬化性樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、ハードコートフィルムを製造した。その結果、ハードコート(HC)層を有するハードコートフィルムを得た。TAC基材のハードコート層側には層厚9μmの浸透層が形成されていた。ハードコート層の層厚と浸透層の層厚の合計は、13μmであった。
(比較例1)
(1)ハードコート層用硬化性樹脂組成物の調製
以下の各成分を混合し、ハードコート層用硬化性樹脂組成物を調製した。
<ハードコート層用硬化性樹脂組成物の組成>
・(メタ)アクリレート系化合物(1):ペンタエリスリトールトリアクリレート(日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD−PET−30、分子量298):24質量部
・(メタ)アクリレート系化合物(2):アクリレートポリマー(荒川化学工業(株)製、商品名:BS371、分子量30000〜40000):16質量部
・反応性シリカ(日産化学社製、商品名:MIBK−SD、平均一次粒径12nm、反応性官能基:メタクリレート):10質量部
・溶剤1.メチルイソブチルケトン(MIBK):30質量部
・溶剤2.メチルエチルケトン(MEK):20質量部
・光重合開始剤:(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュアー184):2質量部
(2)ハードコートフィルムの製造
ハードコート層用硬化性樹脂組成物として、上記で得られたハードコート層用硬化性樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、ハードコートフィルムを製造した。その結果、ハードコート(HC)層を有するハードコートフィルムを得た。TAC基材のハードコート層側には層厚3μmの浸透層が形成されていた。ハードコート層の層厚と浸透層の層厚の合計は、10μmであった。
(比較例2)
(1)ハードコート層用硬化性樹脂組成物の調製
以下の各成分を混合し、ハードコート層用硬化性樹脂組成物を調製した。
<ハードコート層用硬化性樹脂組成物の組成>
・(メタ)アクリレート系化合物(1):ペンタエリスリトールトリアクリレート(日本化薬(株)製、商品名:KAYARAD−PET−30、分子量298):30質量部
・(メタ)アクリレート系化合物(2):アクリレートポリマー(荒川化学工業(株)製、商品名:BS371、分子量30000〜40000):20質量部
・溶剤1.(酢酸メチル):40質量部
・溶剤2.メチルエチルケトン(MEK):10質量部
光重合開始剤:(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製、商品名:イルガキュアー184):2質量部
(2)ハードコートフィルムの製造
ハードコート層用硬化性樹脂組成物として、上記で得られたハードコート層用硬化性樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、ハードコートフィルムを製造した。その結果、ハードコート(HC)層を有するハードコートフィルムを得た。TAC基材のハードコート層側には層厚11μmの浸透層が形成されていた。ハードコート層の層厚と浸透層の層厚の合計は、14μmであった。
上記実施例、比較例のハードコートフィルムの構成、及び、浸透層の層厚、インデンテーション硬さ、鉛筆硬度、干渉縞の評価結果について表1に示す。
また、実施例2について、ハードコートフィルムの断面の走査透過型顕微鏡写真を図3に、及び、顕微IR測定結果(ハードコートフィルム表面からの深さ位置に対して、IR測定ピークの高さの比(アクリル/TAC)をプロットしたグラフ)を図4に示す。
実施例1、2で得られたハードコートフィルムは、干渉縞の抑制に優れながら、高い表面硬度を有することが確認された。
一方、浸透層厚みが3μmであった比較例1では、干渉縞が観察され、且つ、浸透層のハードコート層側界面から層厚の30%の深さの領域のインデンテーション硬さが449MPaとなり、鉛筆硬度が不十分であった。また、浸透層の厚みが12μmであるが、浸透層のハードコート層側界面から層厚の30%の深さの領域のインデンテーション硬さが421MPaであった比較例2は、干渉縞は抑制されたものの、鉛筆硬度が不十分であった。
また、図3に示されるように、ハードコートフィルムの断面の走査透過型電子顕微鏡写真により、浸透層の界面や層厚を観測することができた。インデンテーション硬さを測定した深さと同じ深さ位置で、ハードコートフィルムの断面の顕微IR測定を行ったところ、図4に示されるように、ハードコート層から、浸透層、TAC基材へ向かう深さ方向で、ハードコート層のバインダー成分とTAC基材成分比が変化していくことが確認できた。
本発明によれば、干渉縞の抑制に優れながら、高い表面硬度を有するハードコートフィルム及びその製造方法を提供することができ、例えば、該ハードコートフィルムに低屈折率層を積層して、優れた反射防止特性を有する反射防止フィルムを得ることができる。当該反射防止フィルムは、偏光板、画像表示装置に好適に設けられる。
1 ハードコートフィルム
10 トリアセチルセルロース基材
20 ハードコート層
30 浸透層
40 浸透層の層厚
50 浸透層のハードコート層側界面
60 浸透層のハードコート層側界面から層厚の30%までの深さの領域
70 塗膜
80 乾燥した塗膜
90 溶剤及びバインダー成分が浸透している領域
100 光照射

Claims (4)

  1. 厚さ20μm〜40μmのトリアセチルセルロース基材の一面側に、バインダー成分を含有するハードコート層用硬化性樹脂組成物の硬化物からなるハードコート層が、前記トリアセチルセルロース基材の前記ハードコート層側の領域に、前記バインダー成分が浸透した浸透層を介して積層されたハードコートフィルムであって、
    前記浸透層の層厚が9μm以上15μm以下であり、且つ、
    前記浸透層の、前記ハードコート層側界面から前記層厚の30%までの深さの領域のインデンテーション硬さが600MPa以上である、ハードコートフィルム。
  2. 前記浸透層の、前記ハードコート層側界面から前記層厚の40%までの深さの領域のインデンテーション硬さが500MPa以上であり、
    かつ前記浸透層の、前記ハードコート層側界面から前記層厚の50%までの深さの領域のインデンテーション硬さが500MPa以上である、請求項1に記載のハードコートフィルム。
  3. 前記ハードコート層に無機微粒子が含まれることを特徴とする、請求項1又は2に記載のハードコートフィルム。
  4. 分子量が1000以下の光硬化性化合物(1)をバインダー成分全体に対して70質量%以上と、分子量が1000超過50000以下であって、前記光硬化性化合物(1)とは相互に光硬化性官能基の数が異なる光硬化性化合物(2)をバインダー成分全体に対して30質量%以下とを組み合わせて含むバインダー成分と、酢酸メチルを溶剤全体に対して30質量%以上含む酢酸メチルと他の溶剤との混合溶剤とを含有し、前記他の溶剤がメチルエチルケトンであるハードコート層用硬化性樹脂組成物を、トリアセチルセルロース基材の一面側に塗布し、乾燥後に硬化させることを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一項に記載のハードコートフィルムの製造方法。
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