JP6081650B2 - 分波器及び通信モジュール - Google Patents

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Description

本発明は、分波器及び通信モジュールに関する。
近年、携帯電話端末に代表される無線通信機器のマルチバンド化及びマルチシステム化が進み、1つの無線通信機器に複数の無線装置が搭載されるようになっている。一方で、無線通信機器の小型化も引き続き求められている。このため、無線装置の中で使用される部品数を減らすことが検討されている。例えば、送信経路や受信経路の段間フィルタを削除することにより、部品数を減らすことが検討されている。しかしながら、この場合、フィルタの減衰特性の向上や、分波器の送信端子と受信端子との間のアイソレーション特性の向上が求められる。
フィルタの減衰特性又は分波器のアイソレーション特性を向上させる方法として、例えばラダー型弾性波フィルタを用いた場合、並列共振器にインダクタを直列に接続させる方法が提案されている。しかしながら、この方法では挿入損失が大きくなってしまうという課題がある。特許文献1には、高減衰、高アイソレーション化と同時に低損失化を可能とするフィルタが開示されている。特許文献1に開示されたフィルタは、任意の周波数帯域の信号を抽出するフィルタ部に接続された共振器に対して並列に位相変換器を接続させ、位相変換器に入力される信号を共振器での位相と180°異なる位相に変換するフィルタである。また、特許文献2から4には、送信信号の一部をキャパシタが設けられた経路に取り出し、この経路を通過した信号で、送信信号のうち受信側に漏れた信号を打ち消して、アイソレーション特性を向上させる技術が開示されている。
特開2011−71911号公報 特開2004−242280号公報 特開2005−136658号公報 国際公開第WO2009/025106号パンフレット
しかしながら、特許文献1のフィルタでは、位相変換器によって共振器の位相と180°異ならせる位相に変換させることは容易ではなく、アイソレーション特性の向上と低損失化とを同時に実現することは難しかった。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、挿入損失を増大させることなく、分波器のアイソレーション特性を向上させることを目的とする。
本発明は、アンテナ端子と、送信端子と、前記アンテナ端子と前記送信端子との間に接続された送信フィルタと、受信端子と、前記アンテナ端子と前記受信端子との間に接続された受信フィルタと、前記アンテナ端子と前記送信端子との間の経路に一端を、前記アンテナ端子と前記受信端子との間の経路に他端を接続する弾性波素子と、を備える分波器である。
上記構成において、前記弾性波素子は、前記送信端子に入力された送信信号の位相を略逆位相となるように変換する構成とすることができる。
上記構成において、前記弾性波素子の一端は、前記アンテナ端子と前記送信端子との間のうち、前記アンテナ端子と前記受信端子との間と共有しない経路に設けられ、前記弾性波素子の他端は、前記アンテナ端子と前記受信端子との間のうち、前記アンテナ端子と前記送信端子との間と共有しない経路に設けられている構成とすることができる。
上記構成において、前記弾性波素子に対し直列接続された静電容量をさらに備える構成とすることができる。
上記構成において、前記静電容量はIDTで構成されている構成とすることができる。
上記構成において、前記静電容量は反射器がないIDTで構成されている構成とすることができる。
上記構成において、前記弾性波素子は、縦結合型共振器又は遅延線である構成とすることができる。
上記構成において、前記弾性波素子に対し直列接続する弾性波共振器をさらに備える構成とすることができる。
上記構成において、前記送信端子と前記弾性波素子との間のうち、前記送信端子と前記アンテナ端子との間と共有しない経路、又は、前記受信端子と前記弾性波素子との間のうち、前記受信端子と前記アンテナ端子との間と共有しない経路に一端が接続され、他端がグランドに接続された弾性波共振器をさらに備える構成とすることができる。
本発明は、上記記載の分波器を有する、通信モジュールである。
本発明によれば、挿入損失を増大させることなく、分波器のアイソレーション特性を向上させることができる。
図1は、携帯電話端末のブロック図の例である。 図2は、今後予想される携帯電話端末のブロック図の例である。 図3は、分波器のブロック図の例である。 図4は、ラダー型弾性波フィルタを示す回路図の例である。 図5は、縦結合型弾性波共振器フィルタを示す回路図の例である。 図6は、ラダー型弾性波フィルタと縦結合型弾性波共振器フィルタとが組み合わされたフィルタを示す回路図の例である。 図7は、縦結合型弾性波共振器フィルタと弾性波共振器とを組み合わせたフィルタを示す回路図の例である。 図8(a)は、弾性表面波共振器を示す平面図の例、図8(b)は、図8(a)のA−A間の断面図の例である。図8(c)は、ラブ波共振器の断面図の例、図8(d)は、弾性境界波共振器の断面図の例である。 図9(a)は、圧電薄膜共振器を示す平面図の例、図9(b)は、図9(a)のA−A間の断面図の例である。 図10(a)は、弾性表面波、ラブ波及び弾性境界波を用いた縦結合型弾性波共振器フィルタの平面図の例であり、図10(b)は、バルク弾性波を用いた縦結合型弾性波共振器フィルタの断面図の例である。 図11(a)は、比較例1に係る分波器の回路図の例であり、図11(b)及び図11(c)は、アイソレーション特性を示す図の例である。 図12(a)は、キャンセル回路の回路図の例であり、図12(b)及び図12(c)は、キャンセル回路を通過する信号の特性を示す図の例である。 図13は、実施例1に係る分波器の回路図の例である。 図14(a)は、実施例1に係る分波器のアイソレーション特性のシミュレーション結果であり、図14(b)は、挿入損失のシミュレーション結果である。 図15(a)から図15(e)に、キャンセル回路の変形例を示す回路図の例である。 図16は、弾性波遅延線の平面図の例である。 図17(a)から図17(d)は、キャンセル回路の接続例を示す回路図の例である。 図18(a)は、シミュレーションに用いた分波器の図の例であり、図18(b)は、送信フィルタのフィルタ特性のシミュレーション結果である。 図19は、反射器がないIDTで形成された静電容量の平面図の例である。 図20(a)は、比較例2に係る分波器の回路図の例であり、図20(b)は、実施例2に係る分波器の回路図の例である。 図21(a)は、比較例2の送信フィルタチップの平面図の例であり、図21(b)は、実施例2の送信フィルタチップの平面図の例である。 図22(a)は、比較例2の受信フィルタチップの平面図の例であり、図22(b)は、実施例2の受信フィルタチップの平面図の例である。 図23(a)から図23(c)は、比較例2の送信フィルタチップ及び受信フィルタチップが実装される積層基板の平面図の例である。 図24(a)から図24(c)は、実施例2の送信フィルタチップ及び受信フィルタチップが実装される積層基板の平面図の例である。 図25は、パッケージを示す解体斜視図の例である。 図26は、比較例2及び実施例2に係る分波器のアイソレーション信号の振幅特性の測定結果である。 図27(a)は、通過特性の測定結果であり、図27(b)は、Q値の測定結果である。 図28(a)は、1段のラダー型弾性波フィルタの回路図の例であり、図28(b)は、通過特性を示す図の例である。 図29(a)は、直列共振器を2つ用いたラダー型弾性波フィルタの回路図の例であり、図29(b)は、通過特性を示す図の例である。 図30(a)は、直列共振器を3つ用いたラダー型弾性波フィルタの回路図の例であり、図30(b)は、通過特性を示す図の例である。 図31(a)は、比較例3に係る分波器の回路図の例であり、図31(b)は、実施例3に係る分波器の回路図の例である。 図32(a)は、キャンセル回路を通過する信号の振幅特性のシミュレーション結果であり、図32(b)は、位相特性のシミュレーション結果である。 図33は、キャンセル回路を構成する縦結合型弾性波共振器と弾性波共振器との周波数特性のシミュレーション結果である。 図34は、比較例3及び実施例3に係る分波器のアイソレーション信号の振幅特性のシミュレーション結果である。 図35は、実施例3の変形例1に係る分波器の回路図の例である。 図36は、実施例4に係る通信モジュールのブロック図の例である。
まず初めに、分波器にアイソレーション特性の向上が求められる理由の例について説明する。図1は、携帯電話端末のRF(Radio Frequency)ブロック図の例である。図1を参照して、携帯電話端末は、分波器100、アンテナ102、パワーアンプ104、段間フィルタ106、108及びトランシーバIC110を備えている。トランシーバIC110は、受信回路112、送信回路114、ローノイズアンプ116、118、ミキサ120、122、ローパスフィルタ124、126、可変ゲインアンプ128、130、ハイブリッド132及び発振器134を備えている。送信回路114は送信信号を生成する。段間フィルタ106は送信信号を通過させ、送信信号以外の周波数の信号を抑圧する。パワーアンプ104は送信信号を増幅する。分波器100は送信信号をアンテナ102に出力し、受信側には出力させない。アンテナ102は送信信号を送信する。
アンテナ102は受信信号を受信する。分波器100は受信信号を受信側に出力し、送信側には出力させない。ローノイズアンプ116、118は受信信号を増幅する。段間フィルタ108は受信信号を通過させ、受信信号以外の周波数の信号を抑圧する。また、段間フィルタ108は不平衡入力を平衡出力している。ハイブリッド132は、発振器134の出力した発振信号を位相が90°異なる信号とし、それぞれミキサ120、122に出力する。ミキサ120、122は、受信信号と発振信号とをミキシングする。ローパスフィルタ124、126はダウンコンバートした受信信号を通過させ、キャリア信号を抑圧する。受信回路112は受信した信号を処理する。
図1の構成の携帯電話端末を小型化するためには、図2のような構成が望まれる。図2を参照して、図1の段間フィルタ106、108とローノイズアンプ116とが取り除かれ、平衡信号への変換は分波器100が行っている。このように、段間フィルタ106、108が除去されると、段間フィルタの機能を分波器100が負担することとなる。つまり、分波器100内のフィルタに2つのフィルタ分の抑圧性能が求められる。具体的には、フィルタ特性の通過帯域外抑圧度の向上と、分波器のアイソレーション特性の向上と、が求められる。
ここで、アイソレーションについて図を用いて説明する。図3は、分波器のブロック図の例である。図3を参照して、分波器は、送信フィルタ136、受信フィルタ138及び整合回路140を備えている。送信フィルタ136は、アンテナ端子Antと送信端子Txの間に接続されている。受信フィルタ138は、アンテナ端子Antと受信端子Rxの間に接続されている。送信フィルタ136と受信フィルタ138の少なくとも一方とアンテナ端子Antの間に整合回路140が接続されている。
送信フィルタ136は、送信端子Txから入力された信号のうち送信帯域の信号を送信信号としてアンテナ端子Antに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。受信フィルタ138は、アンテナ端子Antから入力された信号のうち受信帯域の信号を受信信号として受信端子Rxに通過させ、他の周波数の信号を抑圧する。整合回路140は、送信フィルタ136を通過した送信信号が、受信フィルタ138側に漏れずアンテナ端子Antから出力するようにインピーダンスを整合させる回路である。
このように、理想的には、送信端子Txから入力された送信信号は、送信フィルタ136及び整合回路140を介してアンテナ端子Antから全て出力され、受信端子Rxには出力されないことが望ましい。しかしながら、現実には、送信信号の全てがアンテナ端子Antから出力されるわけではなく、一部は整合回路140及び受信フィルタ138を通過して受信端子Rxに出力されてしまう。送信端子Txに入力される送信信号の電力は、アンテナ端子Antに入力される受信信号の電力に対して非常に大きいため、受信端子Rxに出力される送信信号の割合を非常に小さくすることが求められる。送信端子Txに入力された送信信号のうち受信端子Rxに漏れる電力の割合を送信端子と受信端子間のアイソレーションといい、漏れた信号のことをアイソレーション信号という。そこで、以下にアイソレーション特性を向上させることが可能な実施例を示す。
まず、分波器に用いられるフィルタの例について説明する。図4は、ラダー型弾性波フィルタを示す回路図の例である。図4を参照して、ラダー型弾性波フィルタ10は、入力端子Tinと出力端子Toutの間に、弾性波共振器を直列に接続させた直列共振器S1〜S3と、並列に接続させた並列共振器P1〜P2と、を備えている。
図5は、縦結合型弾性波共振器フィルタ(多重モードフィルタ)を示す回路図の例である。図5を参照して、縦結合型弾性波共振器フィルタ12は、弾性波共振器R1〜R3を備えている。弾性波共振器R1〜R3は、弾性波の伝搬方向に配列されている。弾性波共振器R2の一端が入力端子Tinに、他端がグランドに接続されている。弾性波共振器R1及びR3のそれぞれの一端が出力端子Toutに、それぞれの他端がグランドに接続されている。
図6は、ラダー型弾性波フィルタと縦結合型弾性波共振器フィルタとが組み合わされたフィルタを示す回路図の例である。図6を参照して、入力端子Tinと出力端子Toutの間にラダー型弾性波フィルタ10と縦結合型弾性波共振器フィルタ12が直列に接続されている。ラダー型弾性波フィルタ10は、直列共振器S1〜S2と並列共振器P1〜P2を備えている。縦結合型弾性波共振器フィルタ12は、弾性波共振器R1〜R3を備えている。
図7は、縦結合型弾性波共振器フィルタと弾性波共振器を組み合わせたフィルタを示す回路図の例である。図7を参照して、入力端子Tinと出力端子Toutの間に、直列共振器S1と縦結合型弾性波共振器フィルタ12が直列に接続され、並列共振器P1が並列に接続されている。
分波器の送信フィルタ及び受信フィルタとして、図4から図7で説明したフィルタのいずれかを用いることができる。
次に、フィルタに用いられる弾性波共振器の例について説明する。図8(a)は、弾性表面波共振器を示す平面図の例、図8(b)は、図8(a)のA−A間の断面図の例である。図8(c)は、ラブ波共振器の断面図の例、図8(d)は、弾性境界波共振器の断面図の例である。図8(a)及び図8(b)を参照して、タンタル酸リチウム(LT)又はニオブ酸リチウム(LN)などの圧電基板14上に、アルミニウム又は銅などの金属膜16が設けられている。金属膜16により、反射器R0、IDT(Interdigital Transducer)IDT0、入力端子Tin及び出力端子Toutが形成されている。IDTは、2つの櫛型電極18を備えている。2つの櫛型電極18にはそれぞれ入力端子Tin及び出力端子Toutが接続されている。入力端子Tin及び出力端子Toutは、例えばパッドである。IDT0の弾性波の伝搬方向の両側に反射器R0が配置されている。櫛型電極18及び反射器R0は、弾性波の波長λに対応する間隔に配置された電極指を備えている。IDT0により励振された弾性波は、反射器R0により反射される。これにより、弾性表面波共振器は、弾性波の波長λに対応する周波数において共振する。
ラブ波共振器及び弾性境界波共振器の平面図は図8(a)と同じであるため説明を省略する。図8(c)を参照して、ラブ波共振器においては、金属膜16を覆うように誘電体膜20が設けられている。誘電体膜20としては、例えば酸化シリコン膜を用いることができる。図8(d)を参照して、弾性境界波共振器においては、誘電体膜20上にさらに誘電体膜22が設けられている。誘電体膜22は、例えば酸化アルミニウム膜を用いることができる。弾性波を誘電体膜20内に閉じ込めるため誘電体膜22の音速は誘電体膜20より速いことが好ましい。
図9(a)は、圧電薄膜共振器を示す平面図の例、図9(b)は、図9(a)のA−A間の断面図の例である。図9(a)及び図9(b)を参照して、例えばシリコン等の基板24上に下部電極26、窒化アルミニウム等の圧電膜28、上部電極30が順次積層されている。圧電膜28を挟み上部電極30と下部電極26とが重なる領域が共振領域32である。共振領域32においては、圧電膜28内で励振されて上下方向に伝搬する弾性波(厚み縦振動のバルク波)が共振し共振器として機能する。共振領域32の下方の基板24には、空隙34が形成されている。空隙34は、基板24と下部電極26との間に形成されていてもよい。また、空隙34の代わりに、弾性波を反射する音響多層膜が形成されていてもよい。
図4から図7で説明したフィルタの弾性波共振器として、図8(a)から図9(b)で説明した弾性表面波共振器、ラブ波共振器、弾性境界波共振器及び圧電薄膜共振器の少なくとも1つを用いることができる。
次に、縦結合型弾性波共振器について詳しく説明する。図10(a)は、弾性表面波、ラブ波及び弾性境界波を用いた縦結合型弾性波共振器の平面図の例である。図10(a)を参照して、反射器R0の間に複数のIDT1〜3が弾性波の伝搬方向に配列されている。IDT2の一方の櫛型電極が入力端子Tinに接続され、他方の櫛型電極がグランドに接続されている。IDT1及びIDT3のそれぞれの一方の櫛型電極が出力端子Toutに接続され、それぞれの他方の櫛型電極がグランドに接続されている。
図10(b)は、バルク弾性波を用いた縦結合型弾性波共振器の断面図の例である。図10(b)を参照して、圧電膜28と、圧電膜28を挟む下部電極26及び上部電極30と、を備える複数の圧電薄膜共振器36a、36bが積層されている。圧電薄膜共振器36aと36bとの間には、誘電体膜38が設けられている。圧電薄膜共振器36aの上部電極30は出力端子Toutに接続され、下部電極26はグランドに接続されている。圧電薄膜共振器36bの上部電極30はグランドに接続され、下部電極26は入力端子Tinに接続されている。なお、図10(a)及び図10(b)で説明した縦結合型弾性波共振器は、出力が不平衡出力であるが、平衡出力とすることもできる。
次に、比較例1に係る分波器について説明する。比較例1に係る分波器は、送信帯域が1850MHz〜1910MHz、受信帯域が1930MHz〜1990MHzの北米PCS(Personal Communications Service)に用いる分波器である。図11(a)は、比較例1に係る分波器の回路図の例であり、図11(b)及び図11(c)は、アイソレーション特性を示す図の例である。図11(a)を参照して、比較例1に係る分波器では、送信フィルタ142及び受信フィルタ144にラダー型弾性波フィルタが用いられている。送信フィルタ142は、直列共振器S11〜S14と並列共振器P11〜P13を備えている。受信フィルタ144は、直列共振器S21〜S24と並列共振器P21〜P23を備えている。整合回路146は、アンテナ端子Antとグランドの間に接続されたインダクタL1を備えている。送信端子Txに入力された送信信号は、送信フィルタ142を通過して、大部分がアンテナ端子Antから出力するが、一部はアイソレーション信号として受信端子Rxに出力する。アンテナ端子Antに入力された受信信号は、受信フィルタ144を通過して、受信端子Rxに出力する。
図11(b)は、アイソレーション信号の振幅特性のシミュレーション結果であり、図11(c)は、アイソレーション信号の位相特性のシミュレーション結果である。図11(b)及び図11(c)を参照して、送信帯域及び受信帯域において、アイソレーション信号の抑圧度は小さく、位相は大きく変動していることが分かる。
ここで、送信帯域及び受信帯域において、図11(b)の振幅と同程度の大きさの振幅を持ち、図11(c)の位相と逆位相となるような信号パスを作り出すことができれば、アイソレーション信号を相殺させて、アイソレーション信号の振幅を低減できると考えられる。送信帯域及び受信帯域において、アイソレーション信号と同程度の大きさの振幅で、逆位相となる信号を意図的に作り出す信号パスをキャンセルパスと呼び、キャンセルパスを構成する回路をキャンセル回路と呼ぶこととする。
発明者が鋭意検討した結果、縦結合型弾性波共振器を用いることで、キャンセルパスを作り出せることを見出した。図12(a)は、キャンセル回路の回路図の例であり、図12(b)及び図12(c)は、キャンセル回路を通過する信号の特性を示す図の例である。図12(a)を参照して、キャンセル回路40は、入力端子Tinと出力端子Toutの間に直列に接続された静電容量42、44と縦結合型弾性波共振器46を備えている。静電容量42は縦結合型弾性波共振器46の入力側に接続され、静電容量44は出力側に接続されている。
縦結合型弾性波共振器46は、3つの弾性波共振器R1〜R3を備えていて、例えば弾性表面波、ラブ波及び弾性境界波を用いた縦結合型弾性波共振器であり、図10(a)と同様な構成をしている。つまり、縦結合型弾性波共振器46は、反射器の間に3つのIDTが弾性波の伝搬方向に配列されている。弾性波共振器R1〜R3の互いの間隔(つまり、入力IDTと出力IDTの間隔)並びにR1〜R3それぞれの電極指間ピッチ及び開口長の少なくとも1つを調整することで、キャンセル回路40を通過する信号の振幅及び位相を調整することができる。電極指間ピッチは、1つのIDTの中で複数の電極指間ピッチが存在するように調整をしてもよい。なお、縦結合型弾性波共振器46に、図10(b)のようなバルク波を用いた縦結合型弾性波共振器を用いてもよい。この場合、誘電体膜38の厚さを調整することで、キャンセル回路40を通過する信号の振幅及び位相を調整することができる。
図12(b)は、キャンセル回路を通過する信号の振幅特性のシミュレーション結果であり、図12(c)は、位相特性のシミュレーション結果である。図12(b)及び図12(c)では、キャンセル回路を通過する信号を太線で示し、比較例1に係る分波器のアイソレーション信号を細線で示している。図12(b)及び図12(c)を参照して、縦結合型弾性波共振器46の入力IDTと出力IDTの間隔、電極指間ピッチ及び開口長を適切に調整することで、送信帯域及び受信帯域において、キャンセル回路40を通過する信号を、アイソレーション信号と同程度の振幅でほぼ逆位相とすることができる。縦結合型弾性波共振器は、入出力IDTと出力IDTの間隔などの調整により位相を調整することが容易である点を利用している。そこで、このようなキャンセル回路を用い、アイソレーション特性を向上させることが可能な実施例1に係る分波器を以下に説明する。
図13は、実施例1に係る分波器の回路図の例である。実施例1に係る分波器も北米PCSに用いる分波器である。図13を参照して、実施例1に係る分波器では、送信フィルタ48及び受信フィルタ50にラダー型弾性波フィルタが用いられている。送信フィルタ48、受信フィルタ50及び整合回路52の構成は、比較例1と同じであるため、ここでは説明を省略する。送信フィルタ48の共振器のうち最も送信端子Tx側に位置する直列共振器S11と送信端子Txとの間のノードと、受信フィルタ50の共振器のうち最も受信端子Rx側に位置する直列共振器S24と受信端子Rxとの間のノードと、の間にキャンセル回路40が接続されている。つまり、キャンセル回路40は、送信端子Txと受信端子Rxとの間に、送信フィルタ48の直列共振器S11〜S14及び受信フィルタ50の直列共振器S21〜S24に対して並列に接続されている。キャンセル回路40は、図12(a)で説明した構成と同じであるため、ここでは説明を省略する。
図14(a)は、実施例1に係る分波器のアイソレーション信号の振幅特性のシミュレーション結果であり、図14(b)は、挿入損失のシミュレーション結果である。なお、図14(a)及び図14(b)では、比較のために、比較例1に係る分波器のシミュレーション結果も示しており、実施例1のシミュレーション結果を太線で、比較例1のシミュレーション結果を細線で示している。図12(b)及び図12(c)で説明したように、キャンセル回路40の縦結合型弾性波共振器46のパラメータを適切に設定することで、キャンセル回路40を通過する信号を、アイソレーション信号と同程度の振幅でほぼ逆位相とすることができる。このため、キャンセル回路40を通過する信号によってアイソレーション信号を相殺することができ、図14(a)のように、実施例1では、比較例1に比べて、送信帯域及び受信帯域において、アイソレーションを10dB程度向上させることができる。
また、図14(b)のように、送信フィルタ48及び受信フィルタ50の挿入損失は、実施例1と比較例1とでほとんど差のない結果である。つまり、キャンセル回路40を接続しても、挿入損失はほとんど増加しない。これは、縦結合型弾性波共振器46に静電容量42、44が直列に接続されていることで、キャンセル回路40の入出力インピーダンスを高くすることができ、キャンセル回路40に流れ込む信号量を抑制することができる為である。したがって、静電容量42、44は、キャンセル回路40に流れ込む信号量やキャンセルパスを通過する信号の振幅を考慮して、容量の大きさを決めることが望まれる。
以上説明してきたように、実施例1によれば、送信端子Txと受信端子Rxとの間に、送信フィルタ48及び受信フィルタ50に対して並列に縦結合型弾性波共振器46を含むキャンセル回路40が接続されている。このように、送信フィルタ48及び受信フィルタ50の弾性波共振器の少なくとも一部に対して並列にキャンセル回路40を接続させることで、挿入損失を増大させることなく、分波器のアイソレーション特性を向上させることができる。
キャンセル回路40は、図12(a)で説明した構成に限られる訳ではない。図15(a)から図15(e)に示す、キャンセル回路の変形例の場合でもよい。図15(a)を参照して、出力側の静電容量44が接続されていない場合でもよい。図15(b)を参照して、入力側と出力側の両方の静電容量42、44が接続されていない場合でもよい。なお、図15(b)の場合では、静電容量42、44が接続されていないため、縦結合型弾性波共振器46の設計でキャンセル回路40の入出力インピーダンスを高くすることが求められる。図15(c)を参照して、縦結合型弾性波共振器46は、2つの弾性波共振器R1、R2を備えている場合でもよい。つまり、縦結合型弾性波共振器46は、反射器の間に少なくとも2つのIDTが弾性波の伝搬方向に配列されている場合であればよい。
図15(d)を参照して、静電容量42、44に代えて、弾性波共振器54、56が接続されている場合でもよい。弾性波共振器54、56の共振周波数を調整することで、キャンセル回路に流れ込む信号量を抑制できる。図15(e)を参照して、弾性波共振器54と縦結合型弾性波共振器46との間のノードと、グランドとの間に弾性波共振器58が接続されている場合でもよい。これにより、縦結合型弾性波共振器46にかかる電力を抑えられ、耐電力を向上させることができる。
また、キャンセル回路40において、縦結合型弾性波共振器46の代わりに弾性波遅延線を用いてもよい。図16は、弾性波遅延線を示す平面図の例である。図16を参照して、弾性波遅延線60は、少なくとも2つのIDT(IDT1、IDT2)を備える。IDT1の一方の櫛型電極が入力端子Tinに接続され、他方の櫛型電極がグランドに接続されている。IDT2の一方の櫛型電極が出力端子Toutに接続され、他方の櫛型電極がグランドに接続されている。IDT1とIDT2とは弾性波の伝搬方向で配列されていて、IDT1及びIDT2の外側に反射器は配置されていない。つまり、弾性波遅延線60は、共振状態にない。このような弾性波遅延線60を用いた場合でも、入力IDTと出力IDTの間隔、電極指間ピッチ及び開口長を適切に設定することで、キャンセル回路40を通過する信号を、アイソレーション信号と同程度の振幅でほぼ逆位相とすることができる。また、アポタイズの構造を適切に変化させて振幅及び位相の調整を行ってもよい。
したがって、図12(a)及び図15(a)から図16で説明したことをまとめると、キャンセル回路40は、少なくとも2つのIDTを含む弾性波遅延線又は縦結合型弾性波共振器を有する場合であればよい。また、弾性波遅延線又は縦結合型弾性波共振器の入力側及び出力側の少なくとも一方に、弾性波遅延線又は縦結合型弾性波共振器に対して弾性波共振器又は静電容量が直列に接続されている場合が好ましく、両方に直列に接続されている場合がより好ましい。入力側及び出力側の少なくとも一方に弾性波共振器又は静電容量を直列に接続することで、挿入損失の増大を容易に抑えることができ、両方に直列に接続することで、挿入損失の増大をより容易に抑えることができる。さらに、弾性波遅延線又は縦結合型弾性波共振器と直列に接続された弾性波共振器又は静電容量との間のノードと、グランドとの間に、弾性波遅延線又は縦結合型共振器に対して弾性波共振器又は静電容量が並列に接続されている場合が好ましい。これにより、弾性波遅延線又は縦結合型弾性波共振器にかかる電力を抑えられ、耐電力を向上させることができる。
キャンセル回路40は、図13で説明した構成で接続されている場合に限られる訳ではない。図17(a)から図17(d)に示す、キャンセル回路40の接続例の場合でもよい。図17(a)を参照して、キャンセル回路40は、送信フィルタ48内の任意のノードと受信フィルタ50内の任意のノードとの間に接続されている場合でもよい。図17(b)を参照して、キャンセル回路40は、送信端子Txとアンテナ端子Antの間に、送信フィルタ48に対して並列に接続されている場合でもよい。この場合、送信フィルタ48の減衰特性を向上させることができるため、受信帯域での抑圧度を上げることで、受信帯域のアイソレーション特性を向上させることが可能となる。図17(c)を参照して、キャンセル回路40は、受信端子Rxとアンテナ端子Antの間に、受信フィルタ50に対して並列に接続されている場合でもよい。この場合、受信フィルタ50の減衰特性を向上させることができるため、送信帯域での抑圧度を上げることで、送信帯域のアイソレーション特性を向上させることが可能となる。図17(d)を参照して、送信端子Txとアンテナ端子Antの間に、送信フィルタ48に並列にキャンセル回路40が1つ接続され、受信端子Rxとアンテナ端子Antの間に、受信フィルタ50に並列にキャンセル回路40が1つ接続されている場合でもよい。つまり、複数のキャンセル回路40を備える場合でもよい。このように、キャンセル回路40は、分波器の様々なノード間に接続されることができ、送信フィルタ48及び受信フィルタ50の弾性波共振器の少なくとも一部に対して並列に接続される構成とすることができる。
ここで、送信端子とアンテナ端子の間にキャンセル回路を接続させた場合での、送信フィルタのフィルタ特性について説明する。図18(a)は、シミュレーションに用いた分波器の図の例である。シミュレーションに用いた分波器は、送信帯域が1920MHz〜1980MHz、受信帯域が2110MHz〜2170MHzのW−CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)方式のバンド1に対応した分波器である。図18(a)を参照して、静電容量42、44と縦結合型弾性波共振器46を有するキャンセル回路40が、送信端子Txとアンテナ端子Antの間に、送信フィルタに対して並列に接続されている。
このような分波器に対して、縦結合型弾性波共振器46のパラメータ(入力IDTと出力IDTの間隔、電極指間ピッチ及び開口長)を変えた3通りについてシミュレーションを行った。図18(b)は、送信フィルタのフィルタ特性のシミュレーション結果である。図18(b)において、3通りについてのシミュレーション結果を、太線、細線及び1点鎖線で示している。また、比較のために、キャンセル回路40を接続させない場合の送信フィルタのフィルタ特性もシミュレーションを行い、この結果を破線で示している。図18(b)を参照して、縦結合型弾性波共振器46のパラメータの設定如何によって、GPS(Global Positioning System)帯域(1565MHz〜1585MHz)での抑圧度の大幅な向上、受信帯域での抑圧度の大幅な向上、及び、GPS帯域と受信帯域との両方での抑圧度の向上を実現できることが分かる。また、キャンセル回路40を接続しても、送信帯域における挿入損失に増加は見られなかった。
このことから、キャンセル回路40を用いることで、分波器のアイソレーション特性を向上させるだけではく、フィルタの減衰特性を向上させることもできることが分かる。つまり、フィルタを、複数の弾性波共振器と、複数の弾性波共振器の少なくとも一部に対して並列に接続されたキャンセル回路と、を備える構成とすることで、挿入損失を増大させることなく、フィルタの減衰特性を向上させることができる。このようなフィルタを示す図の例として、図17(b)の送信フィルタ48、図17(c)の受信フィルタ50、及び図17(c)の送信フィルタ48及び受信フィルタ50が挙げられる。
なお、フィルタの場合であっても、分波器の場合と同様、弾性波遅延線又は縦結合型弾性波共振器の入力側及び出力側の少なくとも一方に、弾性波遅延線又は縦結合型弾性波共振器に対して弾性波共振器又は静電容量が直列に接続されている場合や、両方に直列に接続されている場合でもよい。これにより、挿入損失の増大を容易に抑えることができる。また、弾性波遅延線又は縦結合型弾性波共振器と直列に接続された弾性波共振器又は静電容量との間のノードとグランドとの間に、弾性波遅延線又は縦結合型弾性波共振器に対して弾性波共振器又は静電容量が並列に接続されている場合でもよい。これにより、弾性波遅延線又は縦結合型弾性波共振器にかかる電力を抑えられ、耐電力を向上させることができる。
また、フィルタが不平衡入力−平衡出力のバランスフィルタである場合では、キャンセル回路は、入力端子と一方の出力端子との間及び入力端子と他方の出力端子との間の少なくとも一方に、弾性波共振器に対して並列に接続されていればよく、両方に並列に接続されている場合がより好ましい。
図12(a)、図15(a)及び図15(c)に示したキャンセル回路40において、縦結合型弾性波共振器46に直列に接続された静電容量42、44は、反射器がないIDTで構成される場合でもよい。また、静電容量42と縦結合型弾性波共振器46との間に並列に静電容量が接続される場合、並列に接続される静電容量は、反射器がないIDTで構成される場合でもよい。図19に、反射器がないIDTで構成された静電容量の平面図の例を示す。
弾性波遅延線60及び縦結合型弾性波共振器46を構成するIDTの開口長が短いと耐電力が低くなり壊れ易くなる。したがって、耐電力を考慮すると、弾性波遅延線60及び縦結合型弾性波共振器46のIDTの開口長は長い方が好ましく、例えば20λ以上の場合が好ましく、40λ以上の場合がより好ましい。なお、λは弾性波の波長である。
実施例1において、送信フィルタ48及び受信フィルタ50がラダー型弾性波フィルタの場合を例に示したが、図4から図7で説明したフィルタの少なくとも1つを用いる場合でもよい。また、フィルタに備わる共振器には、図8(a)から図9(b)で説明した弾性表面波共振器、ラブ波共振器、弾性境界波共振器及び圧電薄膜共振器の少なくとも1つを用いることができる。
図20(a)は、比較例2に係る分波器の回路図の例であり、図20(b)は、実施例2に係る分波器の回路図の例である。比較例2及び実施例2に係る分波器も北米PCSに用いる分波器である。図20(a)を参照して、送信フィルタ142は4段のラダー型弾性波フィルタが用いられ、受信フィルタ144は6段のラダー型弾性波フィルタが用いられている。送信フィルタ142は、直列共振器S11〜S13と並列共振器P11〜P12を備えている。受信フィルタ144は、直列共振器S21〜S24と並列共振器P21〜P23を備えている。直列共振器及び並列共振器には弾性表面波共振器を用いている。整合回路146は、アンテナ端子Antとグランドの間に接続されたインダクタL1を備えている。
図20(b)を参照して、送信フィルタ48、受信フィルタ50及び整合回路52は、比較例2と同じ構成であるため、ここでは説明を省略する。送信端子Txと受信端子Rxとの間に、送信フィルタ48及び受信フィルタ50に対して並列にキャンセル回路40aが接続されている。キャンセル回路40aは、弾性波共振器54、56と縦結合型弾性波共振器46が直列に接続されている。弾性波共振器54は縦結合型弾性波共振器46の送信端子Tx側に接続され、弾性波共振器56は受信端子Rx側に接続されている。縦結合型弾性波共振器46は、3つの弾性波共振器R1〜R3で構成されている。弾性波共振器54、56及びR1〜R3には弾性表面波共振器を用いている。
図21(a)は、比較例2の送信フィルタチップの平面図の例であり、図21(b)は、実施例2の送信フィルタチップの平面図の例である。図21(a)及び図21(b)を参照して、送信フィルタチップ148、62は、LTからなる圧電基板150、64上に、Alからなる金属膜が形成されている。金属膜により各共振器、パッド152、66及び配線が形成される。パッド152、66上にはバンプ154、68が形成されている。パッド152、66のうち、パッドAntはアンテナ端子に接続されるパッド、パッドTxは送信端子に接続されるパッド、パッドGndはグランドに接続されるパッド、パッドXはキャンセル回路40の縦結合型弾性波共振器46に接続されるパッドである。各共振器は、図20(a)及び図20(b)の回路図中の共振器に対応している。このように、キャンセル回路40aに含まれる弾性波共振器54は、送信フィルタチップ62上に設けられている。
図22(a)は、比較例2の受信フィルタチップの平面図の例であり、図22(b)は、実施例2の受信フィルタチップの平面図の例である。図22(a)及び図22(b)を参照して、受信フィルタチップ156、70は、LTからなる圧電基板150、64上に、Alからなる金属膜が形成されている。金属膜により、各共振器、パッド152、66及び配線が形成される。パッド152、66上にはバンプ154、68が形成されている。パッド152、66のうち、パッドAntはアンテナ端子に接続されるパッド、パッドRxは受信端子に接続されるパッド、パッドGndはグランドに接続されるパッド、パッドYはキャンセル回路40aの弾性波共振器54に接続されるパッドである。各共振器は、図20(a)及び図20(b)の回路図中の共振器に対応している。このように、キャンセル回路40aに含まれる縦結合型弾性波共振器46及び弾性波共振器56は、受信フィルタチップ70上に設けられている。
図23(a)から図23(c)は、比較例2の送信フィルタチップ及び受信フィルタチップが実装される積層基板の平面図の例である。図24(a)から図24(c)は、実施例2の送信フィルタチップ及び受信フィルタチップが実装される積層基板の平面図の例である。図23(a)及び図24(a)は、送信フィルタチップ148、62及び受信フィルタチップ156、70がフリップチップ実装されるダイアタッチ層158、72の上面図の例である。送信フィルタチップ148、62及び受信フィルタチップ156、70を透視して図示している。図23(b)及び図24(b)は、下面にフットパッド160、74が形成されているフットパッド層162、76の上面図の例である。フットパッド160、74はフットパッド層を透視して破線で示している。図23(c)及び図24(c)は、フットパッド層162、76の下面を透視した図の例である。
図23(a)及び図24(a)を参照して、セラミックなどの絶縁体からなるダイアタッチ層158、72の上面には、銅などの金属からなる配線164、77が形成されている。送信フィルタチップ62上に設けられた弾性波共振器54と、受信フィルタチップ70上に設けられた縦結合型弾性波共振器46及び弾性波共振器56とは、キャンセル回路用配線77aにより電気的に接続されている。ビア166、78は、ダイアタッチ層158、72を貫通する金属が埋め込まれたビアである。
図23(b)及び図24(b)を参照して、セラミックなどの絶縁体からなるフットパッド層162、76の上面には、銅などの金属からなる配線164、77が形成されている。ダイアタッチ層158、72を貫通したビア166、78が配線164、77に電気的に接続されている。ビア168、80は、フットパッド層162、76を貫通する金属が埋め込まれたビアである。
図23(c)及び図24(c)を参照して、金属からなるフットパッド160、74には、フットパッド層162、76を貫通したビア168、80が電気的に接続されている。フットパッド160、74のうち、フットパッドAntはアンテナ端子に接続されるフットパッド、フットパッドTxは送信端子に接続されるフットパッド、フットパッドRxは受信端子に接続されるフットパッド、フットパッドGndはグランドに接続されるフットパッドである。
図25は、パッケージを示す解体斜視図の例である。図25を参照して、ダイアタッチ層及びフットパッド層を含む積層基板82上に、セラミックなどの絶縁体からなるキャビティ層84が形成されている。キャビティ層84の中央にはキャビティ86が形成されている。積層基板82上に、チップ62及び70をフリップチップ実装する。金属からなるリッド88をキャビティ層84上に固着する。これにより、チップ62及び70は、キャビティ86に気密封止される。以上により、チップ62及び70が実装されたパッケージ90が形成される。
図26は、比較例2及び実施例2に係る分波器のアイソレーション信号の振幅特性の測定結果である。図26において、比較例2のアイソレーション信号を細線で、実施例2のアイソレーション信号を太線で示している。図26を参照して、送信帯域及び受信帯域において、実施例2は比較例2に比べて、アイソレーションが10dB程度向上している。これは、実施例1と同じ理由によるものであり、送信端子Txと受信端子Rxとの間に、送信フィルタ48及び受信フィルタ50に対して並列にキャンセル回路40aが接続されているためである。
実施例2では、図21(b)及び図22(b)のように、縦結合型弾性波共振器46の送信端子Tx側に接続された弾性波共振器54は送信フィルタチップ62上に設けられ、受信端子Rx側に接続された弾性波共振器56は受信フィルタチップ70上に設けられている。弾性波共振器54は送信信号を減衰させることから、弾性波共振器54、56が共に送信フィルタチップ62又は受信フィルタチップ70上に設けられている場合に比べて、送信端子Txと受信端子Rxとを電気的に離すことができる。これにより、アイソレーション特性をより向上させることができる。縦結合型弾性波共振器46については、送信フィルタチップ62上に設けられていても、受信フィルタチップ70上に設けられていてもよい。
実施例2では、縦結合型弾性波共振器46と弾性波共振器54、56とが全て送信フィルタチップ62上及び受信フィルタチップ70上に設けられている場合を例に説明した。図16(e)のように、弾性波共振器54と縦結合型弾性波共振器46の間に弾性波共振器58が並列に接続されている場合、縦結合型弾性波共振器46と、弾性波共振器54、56、58と、のうちの一部又は全部が、送信フィルタチップ62上及び受信フィルタチップ70上に設けられている場合でもよい。
実施例2においても、実施例1と同様に、縦結合型弾性波共振器46に直列に接続される弾性波共振器54、56に代えて静電容量とする場合でもよい。また、弾性波共振器54と縦結合型弾性波共振器46との間に並列に弾性波共振器又は静電容量が接続される接続される場合でもよい。さらに、縦結合型弾性波共振器46を弾性波遅延線とする場合でもよい。
ここで、弾性波共振器54、56のように、弾性波共振器をキャパシタとして用いる場合における、弾性波共振器のQ値についての検討結果について説明する。42°YカットLT基板上にIDTを形成し、IDTの電極指間ピッチλを1.62μm、開口長を19.9λ、IDT対数を59.5対とした弾性表面波共振器を作製し、通過特性とQ値について測定した。図27(a)は、通過特性の測定結果であり、図27(b)は、Q値の測定結果である。図27(a)を参照して、弾性波共振器の共振周波数frは2332MHzで、反共振周波数faは2405MHzであった。
図27(b)を参照して、共振周波数fr付近でQ値は0となることがわかった。また、共振周波数fr以上の周波数では、Q値は低い値(10前後)となることがわかった。これは、共振周波数frより高い周波数では、IDTからバルク波(圧電基板内部に放射される弾性波)が励振され、この波が損失となりQ値の低下を招いていると考えられる。一方、共振周波数frより低い周波数では、frから離れるほどQ値は高くなることがわかった。Q値が例えば40以上となると、キャパシタとして用いる弾性波共振器を通過する信号の損失を十分に抑制できる。したがって、Q値は40以上の場合が好ましく、Q値が40となる周波数f40は2050MHzであった。
ここで、frとf40の関係を一般化すると、図27(b)の結果から、
fr=1.138×f40・・・・(1)
の関係が得られる。ここで、図20(b)の分波器において、弾性波共振器54、56のQ値が40以上となるのが好ましいのは、送信フィルタ48の送信帯域及び受信フィルタ50の受信帯域である。受信帯域の上端周波数をfupとすると、弾性波共振器54、56の共振周波数frが、
fr>1.138×fup・・・・(2)
を満たせば、送信帯域及び受信帯域において、弾性波共振器54、56のQ値が40以上を確保できる。
ここで、式(2)を電極指間ピッチで表現することを考える。ラダー型弾性波フィルタにおいて、通過帯域の上端周波数を決めるのは、直列共振器のうち最も共振周波数が低い共振器である。つまり、最も電極指間ピッチの広い直列共振器である。図20(b)の分波器において、送信フィルタ48及び受信フィルタ50のうち通過帯域周波数が高い方のフィルタの直列共振器の中で、最も電極指間ピッチが広い共振器の電極指間ピッチをλIDTとし、弾性波共振器54、56の電極指間ピッチをλcapとすると、式(2)から、
λIDT>1.138×λcap・・・・(3)
が得られる。
したがって、式(3)を満たすように弾性波共振器54、56の電極指間ピッチλcapを設定すれば、送信帯域及び受信帯域において、弾性波共振器54、56のQ値を40以上とすることができ、弾性波共振器54、56を通過する信号の損失を抑制できる。
なお、上記説明は、42°YカットLT基板上にIDTを形成し、電極指間ピッチλを1.62μm、開口長を19.9λ、IDT対数を59.5対とする弾性表面波共振器の測定結果を基に行ったが、これ以外の共振器についても同様の測定を行っている。その結果、LT基板のカット角を36°〜48°Yまで変化させても式(1)の関係は変化せず、また、共振器の電極指間ピッチ、開口長、IDT対数を変化させても式(1)の関係は変化しなかった。
静電容量のQ値は、−Im[Z]/Re[Z]で定義される。純粋なキャパシタのインピーダンスZをZ=R+1/jωC(Rは抵抗、ωは角振動数、Cは静電容量)とすると、Q=1/ωCRで表せる。CとRを定数とすると、Qの周波数依存は、1/f型(fは周波数)の関数になる。一方、共振器で静電容量を作製した場合のQ特性は、図27(b)のように、1/f型にはならない。この理由は以下によるものである。即ち、共振周波数と反共振周波数との間はL性(誘電性)となるため、Qは定義されない。共振周波数以下では、徐々に1/ωCRに漸近する。LTやLN基板を用いたSH波共振器の場合、反共振周波数を少し超えた周波数(バルク波のカットオフ周波数)からバルク波放射(圧電基板内部への波の放射)が起こり、この損失により、反共振周波数よりも高い周波数では静電容量のQ値は極端に悪くなる。以上の理由により、SH波を用いた共振器で静電容量を作製した場合のQ特性は、基板やカット角などによらず、図27(b)のようになる。
また、図17(b)から図17(d)のように、キャンセル回路40aが送信フィルタ48又は受信フィルタ50の直列共振器に並列に接続されている場合は、キャンセル回路40aに並列に接続された直列共振器の中で最も広い電極指間ピッチを有する共振器の電極指間ピッチをλIDTとして、λIDT>1.138×λcapの関係を満たせばよい。図17(a)のように、キャンセル回路40aが送信フィルタ48及び受信フィルタ50の一部の直列共振器に並列に接続されている場合は、送信フィルタ48又は受信フィルタ50のうち通過帯域周波数が高い方のフィルタに含まれる直列共振器で、且つ、キャンセル回路40aに並列に接続された直列共振器の中で、最も広い電極指間ピッチを有する共振器の電極指間ピッチをλIDTとして、λIDT>1.138×λcapの関係を満たせばよい。これにより、弾性波遅延線又は縦結合型弾性波共振器に直列に接続された弾性波共振器を通過する信号の損失を抑制できる。
キャンセル回路40aに含まれる弾性波共振器54、56は高耐電力であることが望ましい。耐電力を向上させるために、IDTの一方の櫛型電極と他方の櫛型電極とが、その間に浮き導体を介して直列に接続された構成とすることが好ましい。特に、送信信号は大電力であることから、送信端子Tx側に設けられた弾性波共振器54は、IDTの櫛型電極が浮き導体を介して直列に接続された構成として、耐電力を向上させることが好ましい。
実施例2において、送信フィルタ48及び受信フィルタ50がラダー型弾性波フィルタの場合を例に示したが、図4から図7で説明したフィルタの少なくとも1つを用いることもできる。また、送信フィルタ48及び受信フィルタ50に弾性表面波共振器を用いた場合を例に説明したが、ラブ波共振器及び弾性境界波共振器を用いることもできる。
実施例1及び実施例2においては、送信帯域が1850MHz〜1910MHz、受信帯域が1930MHz〜1990MHzの北米PCSに用いる分波器を例に説明した。しかしながら、他の送信帯域及び受信帯域を有する分波器にも適用できる。例えば、送信帯域が824MHz〜849MHz、受信帯域が869MHz〜894MHzのCellularシステム用の分波器に適用することもできる。
実施例3は、送信フィルタにラダー型弾性波フィルタが用いられた分波器において、送信フィルタの通過帯域よりも高周波数側の抑圧域でのアイソレーション特性をより向上させることができる場合の例である。まず、ラダー型弾性波フィルタの通過特性について説明する。図28(a)は、1段のラダー型弾性波フィルタの回路図の例であり、図28(b)は、通過特性を示す図の例である。図28(a)のように、1段のラダー型弾性波フィルタは、入力端子Inと出力端子Outとの間に直列に直列共振器S1が接続され、並列に並列共振器P1が接続されている。
この1段のラダー型弾性波フィルタの通過特性を、図28(b)を用いて説明する。図28(b)においては、1段のラダー型弾性波フィルタの通過特性を太実線で示し、直列共振器S1単体での通過特性を細実線で示し、並列共振器P1単体での通過特性を破線で示している。図28(b)のように、直列共振器S1単体での通過量は、共振周波数frsで最大値をとり、反共振周波数fasで最小値をとる。一方、並列共振器P1単体での通過量は、共振周波数frpで最小値をとり、反共振周波数fapで最大値をとる。このため、直列共振器S1の共振周波数frsと並列共振器P1の反共振周波数fapとをほぼ同じ周波数とすることで、バンドパス特性を有するラダー型弾性波フィルタが得られる。このことから、ラダー型弾性波フィルタの通過特性は、通過帯域の高周波数側は直列共振器S1の通過特性を反映して形成され、低周波数側は並列共振器P1の通過特性を反映して形成される。
しかしながら、1段のラダー型弾性波フィルタでは、通過帯域よりも高周波数側及び低周波数側に十分な広さの抑圧域が形成されない。例えば、通過帯域よりも高周波数側の抑圧域を広くする手法として、反共振周波数の異なる複数の直列共振器を用いる方法がある。
図29(a)は、直列共振器を2つ用いたラダー型弾性波フィルタの回路図の例であり、図29(b)は、通過特性を示す図の例である。図29(a)のように、入力端子Inと出力端子Outとの間に直列に、直列共振器S1に加えて、直列共振器S1よりも反共振周波数が高い直列共振器S2が接続されている。図29(b)においては、直列共振器を2つ用いたラダー型弾性波フィルタの通過特性を太実線で示し、直列共振器S2単体での通過特性を一点鎖線で示している。図29(b)のように、直列共振器を2つ用いたラダー型弾性波フィルタでは、通過帯域よりも高周波数側に、2つの直列共振器S1、S2の反共振特性を反映した抑圧域が形成される。
図30(a)は、直列共振器を3つ用いたラダー型弾性波フィルタの回路図の例であり、図30(b)は、通過特性を示す図の例である。図30(a)のように、入力端子Inと出力端子Outとの間に直列に、直列共振器S2よりも反共振周波数が高い直列共振器S3がさらに接続されている。図30(b)においては、直列共振器を3つ用いたラダー型弾性波フィルタの通過特性を太実線で示し、直列共振器S3単体での通過特性を二点鎖線で示している。図30(b)のように、直列共振器を3つ用いたラダー型弾性波フィルタでは、通過帯域よりも高周波数側に、3つの直列共振器S1〜S3の反共振特性を反映した抑圧域が形成される。
このように、ラダー型弾性波フィルタにおいては、通過帯域よりも高周波数側に十分な広さの抑圧域を形成するために、反共振周波数の異なる複数の直列共振器を設けることがなされる。このようなラダー型弾性波フィルタを分波器に用いた場合、高周波数側のアイソレーション特性は、ラダー型弾性波フィルタの直列共振器の反共振特性を反映した周波数特性となる。つまり、アイソレーション信号は、ラダー型弾性波フィルタの直列共振器の反共振特性を反映し、高周波数側の抑圧域内に減衰極が存在することになり、抑圧域内で振幅特性及び位相特性が急激に変化する。したがって、このようなアイソレーション信号をキャンセル回路を通過する信号で相殺させるには、キャンセル回路を通過する信号の周波数特性に、直列共振器の反共振特性を反映させることが好ましい。そこで、以上のことを踏まえて、実施例3に係る分波器について以下に説明する。
図31(a)は、比較例3に係る分波器の回路図の例であり、図31(b)は、実施例3に係る分波器の回路図の例である。比較例3及び実施例3に係る分波器は、W−CDMA方式のバンド1(送信帯域:1920MHz〜1980MHz、受信帯域:2110MHz〜2170MHz)に対応した分波器である。図31(a)のように、比較例3に係る分波器は、送信フィルタ142、受信フィルタ144、及び整合回路146を有する。送信フィルタ142は、8段のラダー型弾性波フィルタが用いられ、直列共振器S11〜S15と並列共振器P11〜P14とを有する。受信フィルタ144は、アンテナ端子Antと受信端子Rxとの間に直列に接続された弾性波共振器S30〜S32と縦結合型弾性波共振器フィルタFとを有する。縦結合型弾性波共振器フィルタFは、互いに並列に接続された2つの縦結合型弾性波共振器フィルタF1、F2を有する。縦結合型弾性波共振器フィルタF1は、3つの弾性波共振器R10〜R12を有し、縦結合型弾性波共振器F2は、3つの弾性波共振器R13〜R15を有する。直列共振器S11〜S15、並列共振器P11〜P14、並びに弾性波共振器S30〜S32及びR10〜R15には、弾性表面波共振器が用いられている。整合回路146は、アンテナ端子Antとグランドとの間に接続されたインダクタL1を備える。
図31(b)のように、実施例3に係る分波器は、送信フィルタ48、受信フィルタ50、整合回路52、及びキャンセル回路40bを有する。送信フィルタ48、受信フィルタ50、及び整合回路52は、比較例3と同じであるため、ここでは説明を省略する。キャンセル回路40bは、送信端子Txと受信端子Rxとの間に、送信フィルタ48及び受信フィルタ50に対して並列に接続されている。キャンセル回路40bは、直列に接続された弾性波共振器81、83、85、87と縦結合型弾性波共振器46とを有する。弾性波共振器81〜85は縦結合型弾性波共振器46の送信端子Tx側に接続され、弾性波共振器87は受信端子Rx側に接続されている。縦結合型弾性波共振器46は、3つの弾性波共振器R1〜R3を有する。弾性波共振器81〜87及びR1〜R3には弾性表面波共振器が用いられている。
比較例3及び実施例3では、送信フィルタに多段のラダー型弾性波フィルタが用いられている。このため、図28(a)から図30(b)で説明したように、アイソレーション信号は、送信フィルタの高周波数側の抑圧域内(受信帯域内)に減衰極を有し、抑圧域内で振幅特性及び位相特性が急激に変化する。このようなアイソレーション信号をキャンセル回路40bを通過する信号で相殺させるには、縦結合型弾性波共振器46を構成する弾性波共振器R1〜R3のパラメータを適切に設定することに加え、キャンセル回路40bを通過する信号の周波数特性に弾性波共振器81〜87の反共振特性を反映させることが好ましい。
図32(a)は、キャンセル回路40bを通過する信号の振幅特性のシミュレーション結果であり、図32(b)は、位相特性のシミュレーション結果である。図32(a)及び図32(b)では、キャンセル回路40bを通過する信号を太線で示している。また、比較のために、比較例3に係る分波器のアイソレーション信号を細線で示している。図32(a)及び図32(b)のように、縦結合型弾性波共振器46のパラメータと弾性波共振器81〜87の反共振周波数を適切に設定することで、送信帯域及び受信帯域において、キャンセル回路40bを通過する信号を、アイソレーション信号と同程度の振幅でほぼ逆位相とすることができる。特に、アイソレーション信号は、受信帯域に減衰極を有するが、キャンセル回路40bを通過する信号も、受信帯域に同様の減衰極を有し、同様の振幅特性が確保されている。
図33は、キャンセル回路40bを構成する縦結合型弾性波共振器46と弾性波共振器81〜87との周波数特性のシミュレーション結果である。図33では、縦結合型弾性波共振器46の周波数特性を二点鎖線で示し、弾性波共振器81〜87の周波数特性をそれぞれ実線、点線、破線、一点鎖線で示している。図33のように、弾性波共振器81〜87それぞれの反共振周波数は異なっていて、弾性波共振器81〜87のうちの1つの弾性波共振器85の反共振周波数は、受信帯域内に設定されている。図32(a)及び図33のシミュレーション結果から、弾性波共振器85の反共振特性を利用することで、受信帯域において、キャンセル回路40bを通過する信号にアイソレーション信号と同様の減衰極を持たせることができ、同様の振幅特性を確保できたことが分かる。
図34は、比較例3及び実施例3に係る分波器のアイソレーション信号の振幅特性のシミュレーション結果である。図34では、実施例3のシミュレーション結果を太線で示し、比較例3のシミュレーション結果を細線で示している。図34のように、実施例3は、比較例3に比べて、送信帯域及び受信帯域の両方で、アイソレーション特性が向上している。特に、比較例3のアイソレーション信号は受信帯域内に減衰極を有して振幅特性が急激に変化しているが、実施例3では、受信帯域全体に渡ってアイソレーション特性が向上できている。これは、前述の通り、弾性波共振器85の反共振特性を利用することで、受信帯域において、キャンセル回路40bを通過する信号にアイソレーション信号と同様の減衰極を持たせることができ、同様の振幅特性を確保できたためである。
以上説明してきたように、実施例3によれば、キャンセル回路40bは、縦結合型弾性波共振器46と、これに直列に接続された弾性波共振器81〜87と、を有する。送信フィルタ48がラダー型弾性波フィルタであるため、アイソレーション信号の振幅特性及び位相特性は、送信フィルタ48の高周波数側の抑圧域(受信帯域)で急激に変化する。そこで、縦結合型弾性波共振器46のパラメータを適切に設定することに加え、弾性波共振器85の反共振周波数を受信帯域に設定する。これにより、図32(a)から図33で説明したように、送信帯域及び受信帯域において、キャンセル回路40bを通過する信号を、アイソレーション信号と同振幅で且つ逆位相により近づけることができる。したがって、図34のように、分波器のアイソレーション特性をより向上させることができる。
実施例3では、送信帯域が受信帯域よりも低い分波器を例に説明したが、受信帯域が送信帯域よりも低い分波器の場合でもよい。この場合、受信フィルタをラダー型弾性波フィルタで構成し、且つ、キャンセル回路に含まれ、縦結合型弾性波共振器に直列に接続された弾性波共振器の反共振周波数を送信帯域に設定する。これにより、送信帯域でのアイソレーション特性をより向上させることができる。以上のことから、送信フィルタ又は受信フィルタのうち通過帯域周波数が低い方のフィルタがラダー型弾性波フィルタで、且つ、キャンセル回路に含まれ、縦結合型弾性波共振器に直列に接続された弾性波共振器の反共振周波数が、送信フィルタ又は受信フィルタのうち通過帯域周波数が高い方のフィルタの通過帯域にある場合が好ましい。
また、実施例3においても、実施例1の図18(a)及び図18(b)で説明したのと同様に、キャンセル回路40bを送信端子Txとアンテナ端子Antとの間に接続することで、分波器のアイソレーション特性を向上させるだけでなく、送信フィルタ48の減衰特性を向上させることができる。つまり、ラダー型弾性波フィルタを構成する複数の弾性波共振器の少なくとも一部に対してキャンセル回路を並列に接続し、縦結合型弾性波共振器に対して直列に接続された弾性波共振器の反共振周波数をラダー型弾性波フィルタの高周波数側の抑圧域にすることで、フィルタの減衰特性を向上させることができる。
実施例3では、縦結合型弾性波共振器46に対して複数の弾性波共振器81〜87が直列に接続され、その中の1つの弾性波共振器85の反共振周波数が受信帯域に設定されている場合を例に示したが、これに限られない。縦結合型弾性波共振器46に直列に接続された複数の弾性波共振器のうち二以上(複数)の弾性波共振器の反共振周波数が受信帯域に設定されている場合でもよい。また、縦結合型弾性波共振器46に対して1つの弾性波共振器が直列に接続され、この弾性波共振器の反共振周波数が受信帯域に設定されている場合でもよい。しかしながら、縦結合型弾性波共振器46に対して複数の弾性波共振器が直列に接続されている場合は、設計自由度が増すことから、この場合がより好ましい。また、縦結合型弾性波共振器46に直列に接続され、反共振周波数が受信帯域に設定された弾性波共振器は、縦結合型弾性波共振器46の入力側、出力側、及び入力側と出力側の両方、のいずれに接続されている場合でもよい。
図28(a)及び図28(b)で説明したように、1段のラダー型弾性波フィルタでは、通過帯域よりも高周波数側だけでなく、低周波数側にも十分な広さの抑圧域が形成されない。通過帯域よりも低周波数側の抑圧域を広くする手法として、共振周波数の異なる複数の並列共振器を用いる方法がある。このようなラダー型弾性波フィルタを分波器に用いた場合、アイソレーション特性は、ラダー型弾性波フィルタの並列共振器の共振特性を反映した周波数特性となる。つまり、アイソレーション信号は、ラダー型弾性波フィルタの並列共振器の共振特性を反映し、低周波数側の抑圧域内に減衰極が存在することになり、抑圧域内で振幅特性及び位相特性が急激に変化する。したがって、このようなアイソレーション信号をキャンセル回路を通過する信号で相殺させるには、キャンセル回路を通過する信号の周波数特性に、並列共振器の共振特性を反映させることが好ましい。
実施例3と同様の思想を適用すると、送信フィルタ又は受信フィルタのうち通過帯域周波数が高い方のフィルタがラダー型弾性波フィルタで、且つ、キャンセル回路に含まれ、縦結合型弾性波共振器に並列に接続された弾性波共振器の共振周波数を、送信フィルタ又は受信フィルタのうち通過帯域周波数が低い方のフィルタの通過帯域にすることで、分波器のアイソレーション特性をより向上させることができる。
図35は、実施例3の変形例1に係る分波器の回路図の例である。実施例3の変形例1に係る分波器は、実施例3と同様に、W−CDMA方式のバンド1(送信帯域:1920MHz〜1980MHz、受信帯域:2110MHz〜2170MHz)に対応した分波器である。図35のように、送信フィルタ48は、実施例3と同じく、8段のラダー型弾性波フィルタが用いられ、直列共振器S11〜S15と並列共振器P11〜P14とを有する。受信フィルタ50は、6段のラダー型弾性波フィルタが用いられ、直列共振器S21〜S24と並列共振器P21〜P23とを有する。整合回路52は、アンテナ端子Antとグランドとの間に接続されたインダクタL1を備えている。
送信端子Txと受信端子Rxとの間であって、送信フィルタ48及び受信フィルタ50に対して並列に接続されたキャンセル回路40cは、実施例3のキャンセル回路40bの構成に加えて、縦結合型弾性波共振器46に対して並列に接続された弾性波共振器89を有する。弾性波共振器89の共振周波数は、送信帯域に設定されている。
実施例3の変形例1によれば、キャンセル回路40cは、縦結合型弾性波共振器46とこれに直列に接続された弾性波共振器81〜87に加えて、縦結合型弾性波共振器46に並列に接続された弾性波共振器89を有する。送信フィルタ48と受信フィルタ50とがラダー型弾性波フィルタであるため、アイソレーション信号の振幅特性及び位相特性は、送信フィルタ48の高周波数側の抑圧域(受信帯域)と受信フィルタ50の低周波数側の抑圧域(送信帯域)とで急激に変化する。このため、実施例3で説明したような縦結合型弾性波共振器46のパラメータを適切に設定し且つ弾性波共振器85の反共振周波数を受信帯域に設定することに加え、弾性波共振器89の共振周波数を送信帯域に設定する。これにより、送信帯域及び受信帯域において、キャンセル回路40cを通過する信号を、アイソレーション信号と同振幅で且つ逆位相により近づけることができる。したがって、分波器のアイソレーション特性をより向上させることができる。
実施例3の変形例1でも、実施例3と同様に、受信帯域が送信帯域よりも低い分波器の場合でもよい。この場合、送信フィルタをラダー型弾性波フィルタで構成し、且つ、キャンセル回路に含まれ、縦結合型弾性波共振器に並列に接続された弾性波共振器の共振周波数を受信帯域に設定する。これにより、受信帯域でのアイソレーション特性をより向上させることができる。
また、実施例3の変形例1の場合でも、キャンセル回路40cを受信端子Rxとアンテナ端子Antとの間に接続することで、分波器のアイソレーション特性を向上させるだけでなく、受信フィルタ50の減衰特性を向上させることができる。つまり、ラダー型弾性波フィルタを構成する複数の弾性波共振器の少なくとも一部に対してキャンセル回路を並列に接続し、縦結合型弾性波共振器に対して並列に接続された弾性波共振器の共振周波数をラダー型弾性波フィルタの低周波数側の抑圧域にすることで、フィルタの減衰特性を向上させることができる。
実施例3の変形例1においても、縦結合型弾性波共振器46に対して複数の弾性波共振器が並列に接続され、その中の少なくとも1つの弾性波共振器の共振周波数が送信帯域に設定されている場合でもよい。また、縦結合型弾性波共振器46に並列に接続され、共振周波数が送信帯域に設定された弾性波共振器は、縦結合型弾性波共振器46の入力側、出力側、及び入力側と出力側の両方、のいずれに接続されている場合でもよい。
実施例3及び実施例3の変形例1においても、実施例1のように、キャンセル回路に流れ込む信号量を抑制するために、縦結合型弾性波共振器46に静電容量又は弾性波共振器が直列に接続される場合でもよい。また、縦結合型弾性波共振器46を弾性波遅延線とする場合でもよい。さらに、キャンセル回路40b、40cを、実施例1の図17(a)から図17(d)のように接続させてもよい。さらに、フィルタに備わる共振器には、弾性表面波共振器の他に、図8(c)から図9(b)で説明したラブ波共振器、弾性境界波共振器及び圧電薄膜共振器を用いてもよい。
実施例3及び実施例3の変形例1においては、送信帯域が1920MHz〜1980MHz、受信帯域が2110MHz〜2170MHzのW−CDMA方式のバンド1に対応した分波器の場合を例に説明した。しかしながら、他の送信帯域及び受信帯域を有する分波器にも適用できる。例えば、実施例1及び実施例2のような北米PCSに用いる分波器又はCellularシステム用の分波器等にも適用することができる。
実施例1から実施例3のように、キャンセル回路を通過する信号でアイソレーション信号を相殺する場合において、アイソレーション信号の振幅特性及び位相特性が送信帯域及び/又は受信帯域で急激に変化する場合には、キャンセル回路は縦結合型弾性波共振器又は遅延線を含んで構成されることが望ましい。
実施例4は、実施例1から実施例3のいずれかに係る分波器を備える通信モジュールの例である。図36は、実施例4に係る通信モジュールのブロック図の例である。図36を参照して、通信モジュールは、アンテナ92、アンテナスイッチ94、分波器バンク96及びアンプモジュール98を備える。通信モジュールは、例えば携帯電話用のRFモジュールであり、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communication)通信方式及びW−CDMA通信方式など、複数の通信方式に対応している。GSM(登録商標)方式については、850MHz帯(GSM(登録商標)850)、900MHz帯(GSM(登録商標)900)、1800MHz帯(GSM(登録商標)1800)、1900MHz帯(GSM(登録商標)1900)に対応している。アンテナ92は、GSM(登録商標)方式及びW−CDMA方式のいずれの送受信信号も送受信できる。
分波器バンク96は、複数の分波器96a〜96cを含む。複数の分波器96a〜96cは、それぞれ複数の通信方式の各々に対応した分波器である。アンテナスイッチ94は、送受信する信号の通信方式に応じて、分波器バンク96が備える複数の分波器から、通信方式に対応する分波器を選択し、選択された分波器とアンテナ92とを接続する。各分波器はアンプモジュール98に接続されている。アンプモジュール98は、分波器96a〜96cの受信フィルタが受信した信号を増幅し、処理部に出力する。また、アンプモジュール98は、処理部により生成された信号を増幅し分波器96a〜96cの送信フィルタに出力する。
分波器96a〜96cの少なくとも1つが、実施例1から実施例3のいずれかに係る分波器である。これにより、挿入損失を増大させることなく、分波器のアイソレーション特性が向上した通信モジュールを得ることができる。通信モジュールは、例えば無線LAN(Local Area Network)、パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant:携帯情報端末)などの電子装置に搭載してもよい。
実施例4では、実施例1から実施例3のいずれかの分波器を備える通信モジュールを例に説明したが、複数の弾性波共振器の少なくとも一部に対して並列に接続されたキャンセル回路を有するフィルタを備える通信モジュールの場合でもよい。この場合、挿入損失を増大させることなく、フィルタの減衰特性が向上した通信モジュールを得ることができる。
以上、本発明の実施例について詳述したが、本発明はかかる特定の実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
10 ラダー型弾性波フィルタ
12 縦結合型弾性波共振器フィルタ
14 圧電基板
16 金属膜
18 櫛型電極
20、22 誘電体膜
24 基板
26 下部電極
28 圧電膜
30 上部電極
32 共振領域
34 空隙
36a、36b 圧電薄膜共振器
38 誘電体膜
40、40a、40b、40c キャンセル回路
42、44 静電容量
46 縦結合型弾性波共振器
48 送信フィルタ
50 受信フィルタ
52 整合回路
54、56、58 弾性波共振器
60 弾性波遅延線
62 送信フィルタチップ
64 圧電基板
66 パッド
68 バンプ
70 受信フィルタチップ
72 ダイアタッチ層
74 フットパッド
76 フットパッド層
77 配線
77a キャンセル回路用配線
78、80 ビア
82 積層基板
84 キャビティ層
86 キャビティ
88 リッド
90 パッケージ
81、83、85、87、89 弾性波共振器
92 アンテナ
94 アンテナスイッチ
96 分波器バンク
96a、96b、96c 分波器
98 アンプモジュール

Claims (10)

  1. アンテナ端子と、
    送信端子と、
    前記アンテナ端子と前記送信端子との間に接続された送信フィルタと、
    受信端子と、
    前記アンテナ端子と前記受信端子との間に接続された受信フィルタと、
    前記アンテナ端子と前記送信端子との間の経路に一端を、前記アンテナ端子と前記受信端子との間の経路に他端を接続する弾性波素子と、を備える分波器。
  2. 前記弾性波素子は、前記送信端子に入力された送信信号の位相を略逆位相となるように変換する、請求項1記載の分波器。
  3. 前記弾性波素子の一端は、前記アンテナ端子と前記送信端子との間のうち、前記アンテナ端子と前記受信端子との間と共有しない経路に設けられ、
    前記弾性波素子の他端は、前記アンテナ端子と前記受信端子との間のうち、前記アンテナ端子と前記送信端子との間と共有しない経路に設けられている、請求項1または2記載の分波器。
  4. 前記弾性波素子に対し直列接続された静電容量をさらに備える、請求項1から3のいずれか一項記載の分波器。
  5. 前記静電容量はIDTで構成されている、請求項4記載の分波器。
  6. 前記静電容量は反射器がないIDTで構成されている、請求項5記載の分波器。
  7. 前記弾性波素子は、縦結合型共振器又は遅延線である、請求項1から6のいずれか一項記載の分波器。
  8. 前記弾性波素子に対し直列接続する弾性波共振器をさらに備える、請求項1から7のいずれか一項記載の分波器。
  9. 前記送信端子と前記弾性波素子との間のうち、前記送信端子と前記アンテナ端子との間と共有しない経路、又は、前記受信端子と前記弾性波素子との間のうち、前記受信端子と前記アンテナ端子との間と共有しない経路に一端が接続され、他端がグランドに接続された弾性波共振器をさらに備える、請求項1から8のいずれか一項記載の分波器。
  10. 請求項1から9のいずれか一項記載の分波器を有する、通信モジュール。
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