JP6080390B2 - 麦類原料液及び飲料並びにこれらに関する方法 - Google Patents

麦類原料液及び飲料並びにこれらに関する方法 Download PDF

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Description

本発明は、麦類原料液及び飲料並びにこれらに関する方法に関し、特に、麦類原料液及び飲料におけるプリン体含有量の低減に関する。
従来、ビールや発泡酒等の大麦麦芽を使用して製造される発泡性アルコール飲料において、活性炭等の吸着剤を使用した吸着によりプリン体を除去することが提案されている(例えば、特許文献1,2)。
特開2004−275091号公報 特開2004−290071号公報
しかしながら、発泡性アルコール飲料に含まれるプリン体を吸着によって除去する場合には、香味成分も同時に除去されてしまうため、当該発泡性アルコール飲料の香味が損なわれるという問題があった。
また、例えば、麦芽等の麦類原料の使用量を低減することにより、プリン体の含有量を低減することも考えられる。しかしながら、この場合、麦類原料の使用に由来する香味も低減される。
本発明は、上記課題に鑑みて為されたものであり、香味を損なうことなくプリン体の含有量が効果的に低減された麦類原料液及び飲料並びにこれらに関する方法を提供することをその目的の一つとする。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る方法は、粉砕された麦類原料を、まず70℃以上の温度の水と混合する処理を行い、プリン体の含有量が低減された麦類原料液を製造することを含むことを特徴とする。本発明によれば、香味を損なうことなくプリン体の含有量が効果的に低減された麦類原料液及び飲料の製造方法を提供することができる。
また、前記処理においては、前記温度で活性を示すα−アミラーゼを外的に添加することとしてもよい。この場合、前記処理は、前記α−アミラーゼを外的に添加しない場合には液化が起こらない処理であることとしてもよい。
また、前記処理は、前記麦類原料に含まれるα−アミラーゼが失活する処理であることとしてもよい。また、前記いずれかの方法において、前記処理における前記水の前記温度は90℃超であることとしてもよい。
また、前記方法は、前記麦類原料液を使用して、飲料を製造することをさらに含むこととしてもよい。この場合、前記飲料は、ノンアルコール飲料であることとしてもよい。また、前記飲料は、アルコール飲料であることとしてもよい。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る麦類原料液は、前記いずれかの方法により製造されたことを特徴とする。本発明によれば、香味を損なうことなくプリン体の含有量が効果的に低減された麦類原料液を提供することができる。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る飲料は、前記いずれかの方法により製造されたことを特徴とする。本発明によれば、香味を損なうことなくプリン体の含有量が効果的に低減された飲料を提供することができる。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る方法は、麦類原料液の製造において、麦類原料を、まず70℃以上の温度の水と混合することにより、前記麦類原料を、まず前記温度より低い温度の水と混合する場合に比べて、前記麦類原料液のプリン体含有量を低減することを特徴とする。本発明によれば、香味を損なうことなく麦類原料液のプリン体含有量を効果的に低減する方法を提供することができる。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態に係る方法は、麦類原料液を使用した飲料の製造において、麦類原料を、まず70℃以上の温度の水と混合して調製した前記麦類原料液を使用することにより、前記麦類原料を、まず前記温度より低い温度の水と混合して調製した麦類原料液を使用する場合に比べて、前記飲料のプリン体含有量を低減することを特徴とする。本発明によれば、香味を損なうことなく飲料のプリン体含有量を効果的に低減する方法を提供することができる。
本発明によれば、香味を損なうことなくプリン体の含有量が効果的に低減された麦類原料液及び飲料並びにこれらに関する方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る実施例において、麦類原料液のプリン体含有量を評価した結果の一例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る実施例において、麦類原料液のプリン体含有量を評価した結果の他の例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る実施例において、麦類原料液のプリン体含有量を評価した結果のさらに他の例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る実施例において、麦類原料液の官能検査を実施した結果の一例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る実施例において、麦類原料液のプリン体含有量を評価した結果のさらに他の例を示す説明図である。 本発明の一実施形態に係る実施例において、麦類原料液のプリン体含有量を評価した結果のさらに他の例を示す説明図である。
以下に、本発明の一実施形態について説明する。なお、本発明は本実施形態に限られるものではない。
本発明の発明者らは、麦類原料を使用して製造される麦類原料液及び飲料のプリン体含有量を低減する技術的手段について鋭意検討を重ねた結果、当該麦類原料液及び飲料の製造において、当該麦類原料を、まず高温の水で処理してから使用することにより、当該麦類原料液及び飲料のプリン体含有量を効果的に低減できることを独自に見出し、本発明を完成するに至った。
このような発明者ら独自の知見に基づく本実施形態に係る方法(以下、「本方法」という。)は、例えば、粉砕された麦類原料を、まず70℃以上の温度の水と混合する処理(以下、「高温処理」という。)を行い、プリン体の含有量が低減された麦類原料液を製造することを含む方法である。すなわち、この場合、本方法は、麦類原料液の製造方法であるともいえる。
本方法においては、まず、粉砕された麦類原料を準備する。麦類原料は、麦類原料液又は飲料の製造に使用される麦類及び/又は発芽麦類(発芽させた麦類)であれば特に限られないが、例えば、大麦麦芽(発芽させた大麦)、大麦(発芽させていない大麦)、小麦麦芽(発芽させた小麦)及び小麦(発芽させていない小麦)からなる群より選択される1種以上であることとしてもよい。麦類原料を粉砕する方法は、特に限られず、例えば、ローラーを備えた粉砕機を使用する方法等、ビールの製造に使用される粉砕された大麦麦芽を調製する場合と同様の方法を使用することとしてもよい。
そして、本方法においては、高温処理において、粉砕された麦類原料(以下、単に「麦類原料」という。)と最初に混合する水の温度として、70℃以上という比較的高い初期温度を採用する。初期温度は、70℃以上(70℃以上、100℃未満)であれば特に限られないが、例えば、80℃以上であることとしてもよく、80℃超であることとしてもよく、85℃以上であることとしてもよく、90℃以上であることとしてもよく、90℃超であることとしてもよい。
高温処理においては、例えば、上記初期温度より低い温度の水と混合されていない麦類原料を、当該初期温度の水と混合する。すなわち、例えば、麦類原料を、予め温度が上記初期温度に調節された水と混合する。この場合、例えば、上記初期温度の水に、麦類原料を投入することとしてもよい。
そして、本方法においては、麦類原料を上記初期温度の水と混合し、当該麦類原料に含まれる成分を抽出することにより、当該成分を含む麦類原料液を製造する。こうして得られる麦類原料液は、例えば、ビールや発泡酒の製造における麦汁に相当する。
本方法によれば、麦類原料を、まず比較的高い上記初期温度の水と混合することにより、当該麦類原料を当該初期温度より低い温度の水と混合して製造される麦類原料液に比べて、プリン体の含有量が効果的に低減された麦類原料液を製造することができる。
なお、本方法によってプリン体含有量が効果的に低減されるメカニズムは明らかではないが、例えば、麦類原料を比較的高い上記初期温度の水と接触させることにより、当該麦類原料に含まれるプリン体の溶出に寄与する、当該麦類原料に含まれる酵素(例えば、ヌクレオシダーゼ等のヌクレオシド分解酵素)が失活することが考えられる。すなわち、高温処理は、例えば、麦類原料に含まれるヌクレオシド分解酵素を失活させる処理であることとしてもよい。
本方法において、麦類原料液の原料は、麦類原料以外の他の原料をさらに含むこととしてもよい。他の原料は、麦類原料液又は飲料の製造に使用されるものであれば特に限られないが、例えば、穀類(例えば、米類及びとうもろこしからなる群より選択される1種以上)、豆類及びいも類からなる群より選択される1種以上及び/又は当該群より選択される1種以上を発芽させたものであることとしてもよい。また、他の原料として、ホップを使用することとしてもよい。
麦類原料液の製造に使用する原料における麦類原料の含有量(使用率)は、特に限られないが、当該原料は、例えば、当該麦類原料を0重量%超(0重量%超、100重量%以下)含むこととしてもよく、20重量%以上含むこととしてもよく、25重量%以上含むこととしてもよく、50重量%以上含むこととしてもよい。
ここで、一般に、ビールや発泡酒等の発泡性アルコール飲料の製造においては、麦類原料の使用率が増加するにつれて、プリン体の含有量も増加する傾向がある。これに対し、本方法においては、上述のとおり、麦類原料液及び飲料におけるプリン体の含有量を効果的に低減できるため、麦類原料の使用率を十分に大きくして、当該麦類原料の使用に由来する香味に優れた麦類原料液及び飲料を製造することができる。
本方法において、麦類原料と上記初期温度の水とを混合して得られた混合液を当該初期温度で維持する時間は、プリン体の含有量が低減される範囲であれば特に限られないが、例えば、1分以上(例えば、1分以上、180分以下)であることとしてもよく、5分以上(例えば、5分以上、120分以下)であることとしてもよい。
また、本方法においては、麦類原料を、まず上記初期温度の水と混合し、得られた混合液を当該初期温度で維持し、その後、当該混合液を、当該初期温度と異なる温度で維持して、麦類原料液を製造することとしてもよい。
すなわち、例えば、麦類原料を、まず上記初期温度の水と混合し、得られた混合液を当該初期温度で維持し、その後、当該混合液を冷却して、当該初期温度より低い温度で維持することとしてもよいし、当該混合液を加熱して、当該初期温度より高い温度で維持することとしてもよい。
また、本方法において、高温処理は、麦類原料に含まれるタンパク質分解酵素及び/又はデンプン分解酵素が失活する処理であることとしてもよい。すなわち、この場合、麦類原料を上記初期温度の水と混合して得られた混合液を、当該麦類原料に含まれるタンパク質分解酵素及び/又はデンプン分解酵素が失活する温度(失活温度)で、当該タンパク質分解酵素及び/又はデンプン分解酵素が実質的に失活するまで(例えば、当該初期温度で活性を示す当該タンパク質分解酵素及び/又はデンプン分解酵素を外的に添加しない限り液化が起こらなくなるまで)維持する。
ここで、失活させる麦類原料に含まれるタンパク質分解酵素及び/又はデンプン分解酵素は、例えば、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ、プロテアーゼ、ペプチダーゼ、β−グルカナーゼ及びプルラナーゼからなる群より選択される1種以上であることとしてもよい。
失活温度は、上記タンパク質分解酵素及び/又はデンプン分解酵素が失活する温度であれば特に限られず、上記初期温度と同一の温度であることとしてもよいし、上記初期温度とは異なる温度であることとしてもよい。
すなわち、高温処理においては、例えば、麦類原料を、まず当該麦類原料に含まれるタンパク質分解酵素及び/又はデンプン分解酵素の失活温度以上の上記初期温度の水と混合し、得られた混合液を当該初期温度で維持して、当該麦類原料に含まれるタンパク質分解酵素及び/又はデンプン分解酵素を失活させることとしてもよい。
また、高温処理においては、例えば、麦類原料を、まず当該麦類原料に含まれるタンパク質分解酵素及び/又はデンプン分解酵素の失活温度以上の上記初期温度の水と混合し、得られた混合液を当該初期温度で維持し、その後、当該混合液を冷却して、当該初期温度より低く、且つ当該失活温度以上の温度で当該混合液を維持して、当該麦類原料に含まれるタンパク質分解酵素及び/又はデンプン分解酵素を失活させることとしてもよい。
具体的に、失活温度は、例えば、80℃以上(80℃以上、100℃未満)であることとしてもよく、80℃超であることとしてもよく、85℃以上であることとしてもよく、90℃以上であることとしてもよく、90℃超であることとしてもよい。
混合液を失活温度で維持する時間は、麦類原料に含まれるタンパク質分解酵素及び/又はデンプン分解酵素が失活する範囲であれば特に限られないが、例えば、0分超(例えば、0分超、200分以下)であることとしてもよく、1分以上(例えば、1分以上、200分以下)であることとしてもよく、5分以上(例えば、5分以上、180分以下)であることとしてもよい。
また、本方法においては、麦類原料を、まず上記初期温度の水と混合し、得られた混合液を当該初期温度で維持し、その後、当該混合液にタンパク質分解酵素及び/又はデンプン分解酵素を外的に添加して、当該混合液を当該タンパク質分解酵素及び/又はデンプン分解酵素が作用する温度に維持し、麦芽液を製造することとしてもよい。
すなわち、例えば、麦類原料を、まず上記初期温度の水と混合し、得られた混合液を当該初期温度で維持し、その後、当該混合液を冷却するとともに当該混合液にタンパク質分解酵素及び/又はデンプン分解酵素を外的に添加し、当該混合液を当該初期温度より低い温度に維持することとしてもよい。
この場合、例えば、麦類原料を、まず上記初期温度の水と混合し、得られた混合液を当該初期温度で維持し、次いで、当該混合液を当該初期温度と同一の又は異なる失活温度で維持して、当該麦類原料に含まれるタンパク質分解酵素及び/又はデンプン分解酵素を失活させ、その後、当該混合液を冷却するとともに当該混合液にタンパク質分解酵素及び/又はデンプン分解酵素を外的に添加して、当該混合液を当該失活温度より低い温度で維持することとしてもよい。
外的に添加するタンパク質分解酵素及び/又はデンプン分解酵素(例えば、微生物を使用して製造されたタンパク質分解酵素及び/又はデンプン分解酵素)は、目的に応じて適宜選択されるが、例えば、プロテアーゼ、アミラーゼ(例えば、α−アミラーゼ、β−アミラーゼ及びグルコアミラーゼからなる群より選択される1種以上)、ペプチダーゼ及びβ−グルカナーゼからなる群より選択される1種以上であることとしてもよい。
タンパク質分解酵素及び/又はデンプン分解酵素が作用する温度は、所望のタンパク質分解酵素及び/又はデンプン分解酵素が作用する範囲であれば特に限られないが、例えば、例えば、30℃以上、80℃未満であることとしてもよく、30℃以上、75℃以下であることとしてもよい。
また、高温処理においては、上記初期温度で活性を示すα−アミラーゼ(以下、「耐熱性α−アミラーゼ」という。)を外的に添加することとしてもよい。すなわち、この場合、麦類原料を、まず外的に添加された耐熱性α−アミラーゼの存在下で上記初期温度の水と混合する。このため、耐熱性α−アミラーゼを麦類原料に作用させながら、当該麦類原料を上記初期温度で維持することとなる。したがって、α−アミラーゼの作用を継続しながら、麦類原料の高温処理を行うことができる。
なお、耐熱性α−アミラーゼは、高温処理で採用される初期温度において活性を示す(すなわち、失活しない)α−アミラーゼであれば特に限られない。すなわち、例えば、初期温度が80℃以上である場合には、80℃以上の温度で活性を示す耐熱性α−アミラーゼを使用し、初期温度が90℃超である場合には、90℃超の温度で活性を示す耐熱性α−アミラーゼを使用する。
また、高温処理は、耐熱性α−アミラーゼを外的に添加しない場合には液化が起こらない処理であることとしてもよい。すなわち、この場合、高温処理は、例えば、麦類原料に含まれるα−アミラーゼが実質的に失活する処理である。
例えば、粉砕された麦類原料を、まず50℃〜65℃程度の水と混合し、その後、得られた混合液を、当該麦類原料に含まれるα−アミラーゼが失活しない温度範囲(例えば、50℃〜75℃)で維持する場合には、当該混合液の糊化が起こり、次いで、当該混合液の液化が起こる。
ここで、糊化は、例えば、麦類原料に含まれるデンプン(アミロース及びアミロペクチン)の分子結晶構造の隙間に水分子が入り込むことで、当該構造が緩み、分子の枝が水中に広がることで起こる。糊化によって、麦類原料を含む混合液の粘度は増加する。
そして、その後、アミロース及びアミロペクチンのα1→4グリコシド結合が、麦類原料に含まれるα−アミラーゼで切断されることにより、液化が起こる。液化によって、麦類原料を含む混合液の粘度は低下する。
これに対し、麦類原料液及び飲料のプリン体含有量の低減を目的とする本方法の高温処理においては、麦類原料を、まず上記初期温度の水と混合して、麦類原料に含まれるα−アミラーゼが実質的に失活するまで維持することにより、糊化は起こるものの、耐熱性α−アミラーゼを外的に添加しない限り、液化が起こらなくなる。液化が起こらない場合、麦類原料を含む混合液は、例えば、撹拌が実質的に困難となる程度まで、その粘度が増加する。このため、例えば、その後、いわゆる糖化を行うことは困難となる。このように液化が起こらなくなる原因としては、例えば、糊化したデンプンから水分子が遊離して、当該デンプンが不溶化することが考えられる。
そこで、本方法の高温処理は、例えば、耐熱性α−アミラーゼを外的に添加して行う処理であって、当該耐熱性α−アミラーゼを外的に添加しない場合には液化が起こらない処理であることとしてもよい。この場合、本方法においては、麦類原料を上記初期温度の水と混合して得られる混合液の液化を確実に進行させ、プリン体含有量が効果的に低減された麦類原料液及び飲料を製造することができる。
また、本方法においては、麦類原料と水とを混合して得られた混合液の一部を煮沸することなく(いわゆるデコクチオン法における仕込釜での煮沸のような操作を行うことなく)、麦類原料液を製造することとしてもよい。
すなわち、例えば、麦類原料を、まず上記初期温度の水と混合し、得られた混合液を当該初期温度で維持し、その後、当該混合液を冷却して、いわゆるインフュージョン法のように、当該初期温度より低い温度で(例えば、当該初期温度より低い範囲で温度を段階的に上昇させながら)維持して、麦類原料液を製造することとしてもよい。
この場合、冷却した混合液にタンパク質分解酵素及び/又はデンプン分解酵素を外的に添加した後、当該混合液の一部を煮沸することなく、当該混合液の全体を初期温度より低い温度で維持して、当該タンパク質分解酵素及び/又はデンプン分解酵素を作用させることとしてもよい。
また、本方法は、上述のようにして得られた麦類原料液を使用して、飲料を製造することをさらに含むこととしてもよい。すなわち、この場合、本方法は、飲料の製造方法である。
本方法においては、ノンアルコール飲料を製造することとしてもよい。ノンアルコール飲料は、エタノールの含有量が1体積%未満の飲料である。ノンアルコール飲料のエタノール含有量は、1体積%未満であれば特に限られないが、例えば、0.05体積%以下であることとしてもよく、0.005体積%未満であることとしてもよい。
本方法がノンアルコール飲料の製造方法である場合、例えば、麦類原料液と他の原料とを混合することにより、アルコール発酵を行うことなく、当該ノンアルコール飲料を製造する。他の原料としては、例えば、糖類、食物繊維、酸味料、色素、香料、甘味料及び苦味料からなる群より選択される1種以上を使用することとしてもよい。
また、本方法においては、アルコール飲料を製造することとしてもよい。アルコール飲料は、エタノールの含有量が1体積%以上(アルコール分1度以上)の飲料である。アルコール飲料のエタノール含有量は、1体積%以上であれば特に限られないが、例えば、1〜20体積%であることとしてもよい。
本方法がアルコール飲料の製造方法である場合、例えば、麦類原料液に酵母(例えば、ビール酵母)を添加してアルコール発酵を行い、当該アルコール飲料を製造することとしてもよい。アルコール発酵は、例えば、麦類原料液に酵母を添加して所定の温度(例えば、0〜40℃)で所定の時間(例えば、1〜14日)維持することにより行う。
また、例えば、上述のノンアルコール飲料を製造する場合と同様に、アルコール発酵を行うことなく、麦類原料液と他の原料とを混合するとともに、さらにエタノールを含有する溶液を添加することにより、アルコール飲料を製造することとしてもよい。
ここで、例えば、麦類原料液に酵母を添加してアルコール発酵を行う場合には、当該麦類原料液に含まれる糖分が当該酵母により消費される。しかしながら、アルコール発酵を行うことなくノンアルコール飲料を製造する場合には、麦類原料液の糖分がそのまま当該ノンアルコール飲料に移行する。このため、一般に、麦類原料液を使用して、アルコール発酵を行うことなく、ノンアルコール飲料を製造する場合には、当該ノンアルコール飲料の甘味が強くなり過ぎる傾向がある。
そこで、例えば、麦類原料液と他の原料との調合において、当該麦類原料液の使用比率を低減することにより、ノンアルコール飲料の甘味を低減することが考えられる。しかしながら、この場合、麦類原料液の使用比率を低減することにより、当該麦類原料液に由来するキレやコクといった香味が不十分なものとなる。
この点、本発明の発明者らは、上述したように麦類原料液及び飲料のプリン体含有量を低減する技術的手段について鋭意検討を重ねる過程において、意外にも、麦類原料を、まず上記初期温度の水と混合して麦類原料液を調製することにより、当該麦類原料液及び当該麦類原料液を使用してアルコール発酵を行うことなく製造される飲料の甘味が適度に低減され、且つ当該麦類原料液及び飲料のキレやコクといった香味が向上するという独自の知見を得た。したがって、本方法によれば、甘味と、キレやコクといった香味とのバランスに優れた麦類原料液及び飲料を製造することができる。
また、本方法においては、発泡性飲料を製造することとしてもよい。発泡性飲料は、泡立ち特性及び泡持ち特性を含む泡特性を有する飲料である。すなわち、発泡性飲料は、例えば、炭酸ガスを含有する飲料であって、グラス等の容器に注いだ際に液面上部に泡の層が形成される泡立ち特性と、その形成された泡が一定時間以上保たれる泡持ち特性とを有する飲料である。
発泡性飲料は、発泡性アルコール飲料であることとしてもよく、発泡性ノンアルコール飲料であることとしてもよい。発泡性アルコール飲料は、例えば、上述したように、麦類原料液に酵母を添加してアルコール発酵を行うことにより製造することができる。
また、アルコール発酵を行うことなく発泡性ノンアルコール飲料又は発泡性アルコール飲料を製造する場合には、例えば、炭酸水の使用及び/又は炭酸ガスの吹き込みにより飲料に発泡性を付与することとしてもよい。
また、本方法においては、非発泡性飲料を製造することとしてもよい。非発泡性飲料は、上述のような泡特性を有しない飲料である。この場合、本方法においては、非発泡性ノンアルコール飲料を製造することとしてもよく、非発泡性アルコール飲料を製造することとしてもよい。
次に、本実施形態に係る具体的な実施例について説明する。
[麦類原料液の調製]
麦類原料を100重量%含む原料を使用して、麦類原料液を調製した。麦類原料としては、大麦麦芽のみを使用した。すなわち、大麦麦芽の含有量が100重量%の麦類原料を使用した。具体的に、粉砕した大麦麦芽を、予め温度が95℃に調節された水と混合し、さらに市販の耐熱性α−アミラーゼ(至適温度90℃)を麦類原料に対して0.1重量%で添加し、得られた混合液を95℃で20分維持することにより、麦類原料液を得た。
また、比較の対象として、粉砕した大麦麦芽を、予め温度が62℃に調節された水と混合し、得られた混合液を62℃で30分維持し、次いで、当該混合液を67℃で30分維持し、さらに、当該混合液を75℃で10分維持することにより、麦類原料を製造した。
[プリン体含有量の評価]
上述のようにして製造した2種類の麦類原料液の各々について、そのエキス(%)及びプリン体の合計含有量(Hypoxanthine、Guanine、Xanthine及びAdenineからなる4成分の含有量の合計値)(mg/100mL)を測定した。エキスの測定は、振動式密度計を使用して行った。プリン体含有量の測定は、K.Kanekoらの方法(Biomedical Chromatography,2009,23:858−864)に準じて行った。また、プリン体の合計含有量をエキス(%)で除した値に10を乗ずることにより、エキス10%換算のプリン体含有量を算出した。
[結果]
図1には、麦類原料(大麦麦芽)の処理温度(℃)、麦類原料液のエキス(%)、プリン体の合計含有量(mg/100mL)、エキス10%換算のプリン体含有量、及び比較例1のエキス10%換算プリン体含有量に対する実施例1のそれの比(当該比較例1のエキス10%換算プリン体含有量を100とした場合)を示す。
図1に示すように、実施例1で製造された麦類原料液のエキス10%換算プリン体含有量は、比較例1のそれの36%であり、顕著に小さかった。すなわち、麦類原料を、まず95℃の水と混合して麦類原料液を製造することにより、当該麦類原料液のプリン体含有量を顕著に低減できることが確認された。
[麦類原料液の調製]
実施例2−1では、粉砕した大麦麦芽を、予め温度が74℃に調節された水と混合したこと以外は上述の実施例1と同様にして、麦類原料液を製造した。また、実施例2−2では、粉砕した大麦麦芽を、予め温度が81℃に調節された水と混合したこと以外は上述の実施例1と同様にして、麦類原料液を製造した。また、実施例2−3では、上述の実施例1と同様にして、麦類原料液を製造した。また、比較例2では、粉砕した大麦麦芽を、予め温度が64℃に調節された水と混合したこと以外は上述の実施例1と同様にして、麦類原料液を製造した。そして、上述の実施例1と同様に、麦類原料液のプリン体含有量を評価した。
[結果]
図2には、上述の実施例1と同様にして、麦類原料液のプリン体含有量を評価した結果を示す。図2に示すように、実施例2−1、実施例2−2及び実施例2−3で製造された麦類原料液のエキス10%換算プリン体含有量は、それぞれ比較例2のそれの78%、55%及び35%であり、顕著に小さかった。
すなわち、麦類原料を、まず70℃以上(74℃)の水と混合して麦類原料液を製造することにより、当該麦類原料液のプリン体含有量を顕著に低減できることが確認された。また、麦類原料と最初に混合する水の初期温度を80℃以上(81℃)、さらには90℃超(95℃)と増加させることにより、プリン体含有量をより一層顕著に低減できることが確認された。
[麦類原料液の調製]
実施例3−1では、上述の実施例1と同様にして、麦類原料液を製造した。また、実施例3−2では、粉砕した大麦麦芽を、予め温度が95℃に調節された水と混合し、得られた混合液を95℃で20分維持し、その後、当該混合液を50℃で30分維持し、次いで、当該混合液を65℃で30分維持し、さらに、当該混合液を75℃で10分維持することにより、麦類原料液を製造した。そして、上述の実施例1と同様に、麦類原料液のプリン体含有量を評価した。
[結果]
図3には、上述の実施例1と同様にして、麦類原料液のプリン体含有量を評価した結果を示す。図3に示すように、麦類原料を、まず90℃超(95℃)の水と混合することにより、プリン体の含有量が効果的に低減された麦類原料液を製造できることが確認された。
また、麦類原料を90℃超(95℃)の水と混合した後、当該混合液をそのまま90℃超(95℃)に維持する場合、及び当該混合液を、より低い温度(50℃以上、75℃以下の温度)で維持する場合のいずれの場合でも、プリン体含有量の顕著な低減という効果が得られることも確認された。
また、実施例3−2では、麦類原料を90℃超(95℃)の水で高温処理した後、混合液を50℃〜75℃の温度で維持しても、得られた麦類原料液のエキスが実施例3−1と同程度であったことから、当該90℃超(95℃)の高温処理によって、当該麦類原料に含まれるヌクレオチド分解酵素は失活していたものと考えられた。
[麦類原料液の調製]
実施例4では、粉砕した大麦麦芽を、予め温度が95℃に調節された水と混合したこと以外は上述の実施例1と同様にして、麦類原料液を製造した。さらに、この麦芽液を飲料水で希釈することにより、エキス(%)の異なる5種類の麦類原料液を調製した。
また、比較例4では、粉砕した大麦麦芽を、予め温度が50℃に調節された水と混合し、得られた混合液を50℃で30分維持し、次いで、当該混合液を65℃で30分維持し、さらに、当該混合液を75℃で30分維持することにより、麦類原料液を製造した。そして、実施例4と同様に、麦類原料液を飲料水で希釈することにより、エキス(%)の異なる5種類の麦類原料液を調製した。
[麦類原料液の官能検査」
上述のようにして製造した10種類の麦類原料液の官能検査を行った。すなわち、10種類の麦類原料液の各々について、熟練したパネラー6人により、その甘味及びキレを評価した。具体的に、各パネラーは、甘味及びキレのそれぞれに対して、1点、2点、3点、4点又は5点の点数を付与した。すなわち、麦類原料液の甘味が強いほど、当該甘味について大きな点数が付与された。また、麦類原料液のキレが好ましいほど、当該キレについて大きな点数が付与された。
[結果」
図4には、麦類原料液の官能検査を行った結果を示す。図4において、横軸は麦類原料液のエキス(%)を示し、縦軸は付与された点数の平均値(合計点数をパネラーの人数で除することで算出された算術平均値)を示し、黒塗り丸印は実施例4で製造された麦類原料液の甘味を評価した結果を示し、黒塗り三角印は実施例4で製造された麦類原料液のキレを評価した結果を示し、白抜き丸印は比較例4で製造された麦類原料液の甘味を評価した結果を示し、白抜き三角印は比較例4で製造された麦類原料液のキレを評価した結果を示す。
図4に示すように、全てのエキス範囲において、実施例4で製造された麦類原料液は、比較例4で製造された麦類原料液に比べて、甘味が低減され、且つキレが向上していると評価された。
ここで、一般に、麦類原料液のエキスが増加すると、当該麦類原料液のキレが損なわれ、甘味が強くなり過ぎる傾向がある。この点、図4に示すように、実施例4で製造された麦類原料液は、そのエキスが増加しても、十分なキレを維持し、且つ甘味の増加が効果的に抑制されていることが確認された。すなわち、実施例4で製造された麦類原料液は、甘味とキレとのバランスに優れ、スッキリした味わいを有することが確認された。
[麦類原料液の調製]
高温処理が施された麦類原料と、当該高温処理が施されていない麦類原料とを含む原料を使用して、麦類原料液を製造した。すなわち、実施例5−1〜5−4においては、高温処理された大麦麦芽と、高温処理されていない大麦麦芽とを含む麦類原料を使用した。具体的に、まず、粉砕した大麦麦芽を、予め温度が95℃に調節された水と混合し、さらに上述の実施例1と同様に耐熱性α−アミラーゼを当該大麦麦芽に対して0.1重量%で添加した。そして、得られた混合液を95℃で20分維持することにより、大麦麦芽の高温処理を行った。
次いで、上述のようにして高温処理された大麦麦芽を含む混合液を50℃まで冷却し、当該混合液に、高温処理されていない粉砕した大麦麦芽を添加した。そして、得られた混合液を50℃で30分維持し、次いで、当該混合液を65℃で30分維持し、さらに、当該混合液を75℃で30分維持することにより、麦類原料液を製造した。また、実施例5−5においては、麦類原料として高温処理が施された大麦麦芽のみを使用したこと以外は、上述の実施例5−1〜5−4と同様にして、麦類原料液を製造した。なお、麦類原料液の原料に対する麦類原料の使用比率は、約100重量%であった。
一方、比較例5においては、粉砕した大麦麦芽を、予め温度が50℃に調節された水と混合し、得られた混合液を50℃で30分維持し、次いで、当該混合液を65℃で30分維持し、さらに、当該混合液を75℃で30分維持することにより、麦類原料液を製造した。そして、上述の実施例1と同様に、実施例5−1〜5−4及び比較例5で得られた麦類原料液のプリン体含有量を評価した。
[結果]
図5には、上述の実施例1と同様にして、麦類原料液のプリン体含有量を評価した結果を示す。なお、図5の「処理麦芽(重量%)」欄には、麦類原料全体に対する、高温処理された大麦麦芽の使用比率(重量%)を示し、「未処理麦芽(重量%)」欄には、当該麦類原料全体に対する、高温処理されていない大麦麦芽の使用比率(重量%)を示す。
図5に示すように、高温処理された麦類原料を使用することにより(実施例5−1〜5−5)、当該高温処理された麦類原料を使用せず高温処理されていない麦類原料のみを使用する場合(比較例5)に比べて、プリン体の含有量が効果的に低減された麦類原料液を製造できることが確認された。また、高温処理された麦類原料の使用比率が増加するにつれて、プリン体含有量の低減効果も顕著になる傾向が確認された。
実施例6においては、麦類原料として大麦(発芽させていない大麦)のみを使用して、麦類原料液を製造した。具体的に、粉砕した大麦を、予め温度が95℃に調節された水と混合し、さらに上述の実施例1と同様に耐熱性α−アミラーゼを当該大麦に対して0.1重量%で添加し、得られた混合液を95℃で20分維持し、その後、当該混合液を50℃で30分維持し、次いで、当該混合液を65℃で30分維持し、さらに、当該混合液を75℃で30分維持することにより、麦類原料液を製造した。なお、麦類原料液の原料に対する麦類原料の使用比率は、約100重量%であった。
一方、比較例6においては、粉砕した大麦を、予め温度が50℃に調節された水と混合し、得られた混合液を50℃で30分維持し、次いで、当該混合液を65℃で30分維持し、さらに、当該混合液を75℃で30分維持することにより、麦類原料液を製造した。そして、上述の実施例1と同様に、実施例6及び比較例6麦類原料液のプリン体含有量を評価した。
[結果]
図6には、上述の実施例1と同様にして、麦類原料液のプリン体含有量を評価した結果を示す。図6に示すように、実施例6で製造された麦類原料液のエキス10%換算プリン体含有量は、比較例6のそれの19%であり、顕著に小さかった。すなわち、大麦を、まず90℃超(95℃)の水と混合して麦類原料液を製造することにより、当該麦類原料液のプリン体含有量を顕著に低減できることが確認された。

Claims (7)

  1. アルコール発酵を行わないノンアルコール飲料の製造に使用される麦類原料液を製造する方法であって、
    粉砕された大麦麦芽、大麦、小麦麦芽及び小麦からなる群より選択される1種以上である麦類原料を、まず80℃以上、100℃未満の温度の水と混合する処理であって、得られた混合液を、前記温度で活性を示すα−アミラーゼを外的に添加しない場合には液化が起こらなくなるまで、前記温度で1分以上維持するとともに、前記温度で活性を示す前記α−アミラーゼを外的に添加して前記混合液を液化させる処理を行い、プリン体の含有量が低減された前記麦類原料液を製造することを含む
    ことを特徴とする方法。
  2. 麦類原料液を使用してアルコール発酵を行うことなくノンアルコール飲料を製造する方法であって、
    粉砕された大麦麦芽、大麦、小麦麦芽及び小麦からなる群より選択される1種以上である麦類原料を、まず80℃以上、100℃未満温度の水と混合する処理であって、得られた混合液を、前記温度で活性を示すα−アミラーゼを外的に添加しない場合には液化が起こらなくなるまで、前記温度で1分以上維持するとともに、前記温度で活性を示す前記α−アミラーゼを外的に添加して前記混合液を液化させる処理を行い、プリン体の含有量が低減された前記麦類原料液を製造することを含む
    ことを特徴とする方法。
  3. 前記処理における前記水の前記温度は90℃超である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記処理は、前記麦類原料に含まれるヌクレオシド分解酵素を失活させる処理である
    ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の方法。
  5. 前記処理を行い、前記混合液の一部を煮沸することなく、前記麦類原料液を製造する
    ことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の方法。
  6. アルコール発酵を行わないノンアルコール飲料の製造に使用される麦類原料液の製造において、
    粉砕された大麦麦芽、大麦、小麦麦芽及び小麦からなる群より選択される1種以上である麦類原料を、まず80℃以上、100℃未満の温度の水と混合する処理であって、得られた混合液を、前記温度で活性を示すα−アミラーゼを外的に添加しない場合には液化が起こらなくなるまで、前記温度で1分以上維持するとともに、前記温度で活性を示す前記α−アミラーゼを外的に添加して前記混合液を液化させる処理を行うことにより、前記麦類原料を、まず前記温度より低い温度の水と混合する場合に比べて、前記麦類原料液のプリン体含有量を低減する
    ことを特徴とする方法。
  7. 麦類原料液を使用したアルコール発酵を行わないノンアルコール飲料の製造において、
    粉砕された大麦麦芽、大麦、小麦麦芽及び小麦からなる群より選択される1種以上である麦類原料を、まず80℃以上、100℃未満の温度の水と混合する処理であって、得られた混合液を、前記温度で活性を示すα−アミラーゼを外的に添加しない場合には液化が起こらなくなるまで、前記温度で1分以上維持するとともに、前記温度で活性を示す前記α−アミラーゼを外的に添加して前記混合液を液化させる処理を行って調製した前記麦類原料液を使用することにより、前記麦類原料を、まず前記温度より低い温度の水と混合して調製した麦類原料液を使用する場合に比べて、前記ノンアルコール飲料のプリン体含有量を低減する
    ことを特徴とする方法。
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