JP6076237B2 - 農用資材供給装置 - Google Patents
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Description
特許文献1では、繰り出し部を駆動する駆動軸(特許文献1の図7及び図14の21)に、第1ワンウェイクラッチ(特許文献1の図7及び図14の38)、及び第2ワンウェイクラッチ(特許文献1の図14の42)が備えられている。動力が伝達されることにより上下に所定範囲で往復作動する駆動部(特許文献1の図7の40)が備えられて、駆動部が第1ワンウェイクラッチに接続されている。
これと同時に、第1ワンウェイクラッチの作動が2つのロッド及び中継部材を介して第2ワンウェイクラッチに伝達されて、第2ワンウェイクラッチが紙面時計方向に回転駆動される。この場合、第2ワンウェイクラッチが空転するだけで、第2ワンウェイクラッチにより駆動軸は回転駆動されない。
これと同時に、第1ワンウェイクラッチの作動が2つのロッド及び中継部材を介して第2ワンウェイクラッチに伝達されて、第2ワンウェイクラッチが紙面反時計方向に回転駆動され、第2ワンウェイクラッチにより駆動軸が紙面反時計方向に回転駆動される。
これにより、駆動部の復路作動を第2ワンウェイクラッチに伝達する伝達系が、伝達効率という面で不利な構造となっている。
(構成)
本発明の第1特徴は、農用資材供給装置において次のように構成することにある。
農用資材を貯留する貯留部と、前記貯留部の農用資材を繰り出す繰り出し部と、前記繰り出し部を駆動する駆動軸とが備えられ、
動力が伝達されることにより所定範囲で往復作動する単一の駆動部が備えられて、前記駆動軸に第1ワンウェイクラッチ及び第2ワンウェイクラッチが備えられ、前記駆動部と前記第1ワンウェイクラッチのアームとに亘って第1連係部材が接続されて、前記駆動部と前記第2ワンウェイクラッチのアームとに亘って第2連係部材が接続され、
前記駆動部の往路作動により、前記第1ワンウェイクラッチが所定方向に回転駆動され、前記第2ワンウェイクラッチが前記所定方向とは逆方向に回転駆動されて、前記第1ワンウェイクラッチにより前記駆動軸が前記所定方向に回転駆動され、
前記駆動部の復路作動により、前記第1ワンウェイクラッチが前記所定方向とは逆方向に回転駆動され、前記第2ワンウェイクラッチが前記所定方向に回転駆動されて、前記第2ワンウェイクラッチにより前記駆動軸が前記所定方向に回転駆動されるように構成されている。
本発明の第1特徴によると、繰り出し部を駆動する駆動軸に第1及び第2ワンウェイクラッチを備え、往復作動する単一の駆動部を備えた場合、駆動部と第1ワンウェイクラッチのアームとが第1連係部材により直接的に接続され、駆動部と第2ワンウェイクラッチのアームが第2連係部材により直接的に接続される。
以上のように、本発明の第1特徴によると、駆動部の往路作動及び復路作動の両方が第1及び第2ワンウェイクラッチに直接的に伝達されるのであり、駆動部の往路作動及び復路作動の両方が第1及び第2ワンウェイクラッチの両方に対して効率良く伝達されるようになる。
(構成)
本発明の第2特徴は、本発明の第1特徴の農用資材供給装置において次のように構成することにある。
前記第1ワンウェイクラッチのアームと前記第2ワンウェイクラッチのアームとが互いに逆向きになるように構成され、
前記駆動部と前記第1ワンウェイクラッチのアームとに亘って第1連係部材が接続されて、前記駆動部と前記第2ワンウェイクラッチのアームとに亘って第2連係部材が接続されている。
本発明の第2特徴によれば、駆動部が往路作動すると、第1及び第2連係部材が略同じ向きに作動するのであり、駆動部が復路作動すると、第1及び第2連係部材が略同じ向きに作動する(駆動部の往路作動(復路作動)において、第1及び第2連係部材が互いに逆向きに作動することはない)。
以上のように、駆動部と第1連係部材との接続部分と、駆動部と第2連係部材との接続部分とを、互いに接近させることによって、駆動部と第1及び第2連係部材との接続部分をコンパクトに構成することができる。
(構成)
本発明の第3特徴は、本発明の第2特徴の農用資材供給装置において次のように構成することにある。
前記駆動部が支持軸芯周りに所定範囲で往復作動するように構成され、
前記支持軸芯に対して同じ側の前記駆動部の部分に、前記第1及び第2連係部材が互いに接近して接続されている。
駆動部を支持軸芯周りに所定範囲で往復作動するように構成した場合、本発明の第3特徴によると、支持軸芯に対して同じ側の駆動部の部分に第1及び第2連係部材の一端を互いに接近して接続することにより、前項[II]に記載のように、駆動部の往路作動(復路作動)において第1及び第2連係部材が略同じ向きに作動する構成を容易に得ることができる。
(構成)
本発明の第4特徴は、本発明の第3特徴の農用資材供給装置において次のように構成することにある。
前記駆動軸と前記支持軸芯とが平行に設定されている。
本発明の第4特徴のように、駆動軸と駆動部の支持軸芯とを平行に設定することによって、駆動軸が回転する所定方向と駆動部の往路作動(復路作動)とを同じ向きに設定することができて、支持軸芯周りの駆動部の往復作動が無理なく第1及び第2ワンウェイクラッチ(駆動軸)に伝達されるようになる。
(構成)
本発明の第5特徴は、本発明の第1〜第4特徴の農用資材供給装置のうちのいずれか一つにおいて次のように構成することある。
前記第2連係部材による前記駆動部と前記第2ワンウェイクラッチのアームとの接続が解除可能に構成されている。
本発明の第5特徴によると、第2連係部材による駆動部と第2ワンウェイクラッチのアームとの接続を解除することにより、以下のような状態を得ることができる。
駆動部が往路作動すると、駆動部の往路作動が第1連係部材を介して第1ワンウェイクラッチに伝達されて、第1ワンウェイクラッチにより駆動軸が所定方向に回転駆動されるのに対して、駆動部が復路作動しても、駆動部の復路作動が第2ワンウェイクラッチに伝達されない。
(構成)
本発明の第6特徴は、本発明の第5特徴の農用資材供給装置において次のように構成することにある。
前記第2連係部材が前記第2ワンウェイクラッチのアームに接続された状態で前記駆動部から取り外されることにより、前記第2連係部材による前記駆動部と前記第2ワンウェイクラッチのアームとの接続が解除されるように構成され、
前記駆動部から取り外された前記第2連係部材が固定部に接続されることにより、前記第2ワンウェイクラッチが前記第2連係部材を介して固定可能に構成されている。
前項[V]に記載のように、第2連係部材による駆動部と第2ワンウェイクラッチのアームとの接続を解除する場合、本発明の第6特徴によると、第2連係部材を第2ワンウェイクラッチのアームに接続された状態で駆動部から取り外し、駆動部から取り外された第2接続部材を固定部に接続するように構成している。
(構成)
本発明の第7特徴は、本発明の第5又は第6特徴の農用資材供給装置において次のように構成することにある。
前記駆動部、前記第1及び第2ワンウェイクラッチ、前記第1及び第2連係部材が農用資材供給装置の右又は左端部に備えられ、
前記第1連係部材に対して農用資材供給装置の横外側に位置するように、前記第2連係部材が配置されている。
農用資材供給装置は一般に乗用型田植機等の作業車に搭載されることが多く、農用資材供給装置が作業車に搭載されると、農用資材供給装置の右及び左端部は作業車の右及び左横側部に位置することが多いので、農用資材供給装置の前又は後側に比べて、農用資材供給装置の右及び左端部は横外側に開放された状態になることが多い。
(構成)
本発明の第8特徴は、本発明の第5〜第7特徴の農用資材供給装置のうちのいずれか一つにおいて次のように構成することある。
前記駆動部の往路作動による前記第1ワンウェイクラッチの回転角度が、前記駆動部の復路作動による前記第2ワンウェイクラッチの回転角度よりも小さくなるように設定されている。
[VIII]−1
第1ワンウェイクラッチの状態と第2ワンウェイクラッチの状態とが同じ状態において前項[V]に記載のように、駆動部と第1及び第2ワンウェイクラッチのアームとに亘って第1及び第2連係部材が接続された第1状態、及び、駆動部と第1ワンウェイクラッチとの第1連係部材の接続が維持された状態で第2連係部材による駆動部と第2ワンウェイクラッチのアームとの接続が解除された第2状態を設定した場合、第1状態での駆動軸の回転速度と第2状態での駆動軸の回転速度とが、2:1の関係になるはずである。
仮に、第1状態及び第2状態において駆動軸の回転速度を変更して繰り出し部の繰り出し量を変更するように構成した場合、第1状態での駆動軸の回転速度の変更範囲(繰り出し量の変更範囲)と、第2状態での駆動軸の回転速度の変更範囲(繰り出し量の変更範囲)とが合致するはずである。
これにより、第1状態及び第2状態において駆動軸の回転速度を変更して繰り出し部の繰り出し量を変更するように構成した場合、第1状態での駆動軸の回転速度の変更範囲(繰り出し量の変更範囲)と、第2状態での駆動軸の回転速度の変更範囲(繰り出し量の変更範囲)とがずれることがある。
これは以下の[VIII]−2,3に示す理由によると考えられる。
第2状態では、駆動部が往路作動すると、駆動部の往路作動が第1連係部材を介して第1ワンウェイクラッチに伝達されて、第1ワンウェイクラッチにより駆動軸が所定方向に回転駆動される。これに対して、駆動部の往路作動は第2ワンウェイクラッチに伝達されない。
従って、例えば図22に示すように、第2状態においては、駆動部の往路作動による駆動軸の回転角度AA1が、駆動部の往路作動による第1ワンウェイクラッチの回転角度A3ではなく、回転角度A3よりも少し大きな回転角度AA1になるものと考えられる。
第2状態に対して第1状態では、駆動部が往路作動すると、駆動部の往路作動が第1連係部材を介して第1ワンウェイクラッチに伝達されて、第1ワンウェイクラッチにより駆動軸が所定方向に回転駆動される。これと同時に、駆動部の往路作動が第2連係部材を介して第2ワンウェイクラッチに伝達されて、第2ワンウェイクラッチが所定方向とは逆方向に回転駆動されるのであるが、駆動軸に対して第2ワンウェイクラッチは空転する。
この場合、第2ワンウェイクラッチが所定方向とは逆方向に回転駆動されることが、駆動軸に対する抵抗となるので、前項[VIII]−2に記載のような第1ワンウェイクラッチによる駆動軸のオーバーラン現象は発生し難いと考えられる。
この場合、第1ワンウェイクラッチが所定方向とは逆方向に回転駆動されることが、駆動軸に対する抵抗となるので、前項[VIII]−2に記載のような第2ワンウェイクラッチによる駆動軸のオーバーラン現象は発生し難いと考えられる。
これにより、第1状態での駆動軸の回転速度(回転角度AA1+回転角度AA2=10)と、第2状態での駆動軸の回転速度(回転角度AA1=6)とが、2:1の関係にはならない。
前項[VIII]−1,2,3に記載の状態に対して、本発明の第8特徴では、駆動部の往路作動による第1ワンウェイクラッチの回転角度が、駆動部の復路作動による第2ワンウェイクラッチの回転角度よりも小さくなるように設定されている。
例えば図23に示すように、駆動部の往路作動による第1ワンウェイクラッチの回転角度A3を「4」とし、駆動部の復路作動による第2ワンウェイクラッチの回転角度A4を「6」としたとする。
これにより、第1状態での駆動軸の回転速度(回転角度AA1+回転角度AA2=10)と、第2状態での駆動軸の回転速度(回転角度AA1=5)とを、2:1の関係にすることができる。
仮に、第1状態及び第2状態において駆動軸の回転速度を変更して繰り出し部の繰り出し量を変更するように構成した場合、第1状態での駆動軸の回転速度の変更範囲(繰り出し量の変更範囲)と、第2状態での駆動軸の回転速度の変更範囲(繰り出し量の変更範囲)とを合致させることができる。
(構成)
本発明の第9特徴は、本発明の第1〜第8特徴の農用資材供給装置のうちのいずれか一つにおいて次のように構成することある。
前記駆動軸の前記所定方向への回転を許容し且つ前記駆動軸の前記所定方向とは逆方向の回転を阻止する第3ワンウェイクラッチが備えられている。
[IX]−1
例えば、駆動部が往路作動の終点に到達し次に逆方向である復路作動を開始する場合、第1ワンウェイクラッチにより駆動軸が所定方向に回転駆動される状態が、駆動部が往路作動の終点に到達したときに終了し、次に駆動部が復路作動を開始すると、第2ワンウェイクラッチにより駆動軸が所定方向に回転駆動される状態に切り換わる。駆動部が復路作動を開始すると、第1ワンウェイクラッチは所定方向とは逆方向に回転駆動されるのであるが、駆動軸に対して第1ワンウェイクラッチは空転する。
前述の状態は、駆動部が復路作動の終点に到達し次に逆方向である往路作動を開始する場合においても同様であり、この場合には駆動軸が第2ワンウェイクラッチに連れ回りして、駆動軸が所定方向とは逆方向に少し回転駆動されることがある。
本発明の第9特徴によると、第1及び第2ワンウェイクラッチとは別に、駆動軸の所定方向への回転を許容し且つ駆動軸の所定方向とは逆方向の回転を阻止する第3ワンウェイクラッチを備えている。
従って、駆動部が往路作動から復路作動に切り換わるとき、及び駆動部が復路作動から往路作動に切り換わるときに、駆動軸が所定方向とは逆方向に少し回転駆動される状態を防止することができて、駆動軸が所定方向に円滑に回転駆動されるようになる。
(構成)
本発明の第10特徴は、農用資材供給装置において次のように構成することにある。
農用資材を貯留する貯留部と、前記貯留部の農用資材を繰り出す繰り出し部と、前記繰り出し部を駆動する駆動軸とが備えられ、
動力が伝達されることにより前記駆動軸と平行な支持軸芯周りに所定範囲で往復作動する単一の駆動部が備えられて、前記支持軸芯に対して同じ側の前記駆動部の部分に、第1及び第2連係部材の一端が互いに接近して接続され、
前記駆動軸に第1ワンウェイクラッチ及び第2ワンウェイクラッチが備えられて、前記第1ワンウェイクラッチのアームと前記第2ワンウェイクラッチのアームとが互いに逆向きになるように構成され、前記第1ワンウェイクラッチのアームに前記第1連係部材の他端が接続されて、前記第2ワンウェイクラッチのアームに前記第2連係部材の他端が接続され、
前記駆動部の往路作動により、前記第1ワンウェイクラッチが所定方向に回転駆動され、前記第2ワンウェイクラッチが前記所定方向とは逆方向に回転駆動されて、前記第1ワンウェイクラッチにより前記駆動軸が前記所定方向に回転駆動され、
前記駆動部の復路作動により、前記1ワンウェイクラッチが前記所定方向とは逆方向に回転駆動され、前記第2ワンウェイクラッチが前記所定方向に回転駆動されて、前記第2ワンウェイクラッチにより前記駆動軸が前記所定方向に回転駆動されるように構成され、
前記第2連係部材が前記第2ワンウェイクラッチのアームに接続された状態で前記駆動部から取り外されることにより、前記第2連係部材による前記駆動部と前記第2ワンウェイクラッチのアームとの接続が解除されるように構成され、
前記駆動部から取り外された前記第2連係部材が固定部に接続されることにより、前記第2ワンウェイクラッチが前記第2連係部材を介して固定可能に構成され、
前記駆動部の往路作動による前記第1ワンウェイクラッチの回転角度が、前記駆動部の復路作動による前記第2ワンウェイクラッチの回転角度よりも小さくなるように設定され、
前記駆動軸の前記所定方向への回転を許容し且つ前記駆動軸の前記所定方向とは逆方向の回転を阻止する第3ワンウェイクラッチが備えられている。
本発明の第10特徴によると、前述の本発明の第1,2,3,4,5,6,8,9特徴と同じ(作用及び発明の効果)を備えている。
図1及び図2に示すように、右及び左の前輪1、右及び左の後輪2で支持された機体の後部に、上下揺動自在なリンク機構3が備えられて、リンク機構3を介して6条植型式の苗植付装置5が昇降自在に支持され、リンク機構3を昇降駆動する油圧シリンダ4が備えられて、乗用型田植機が構成されている。
図1及び図2に示すように、苗植付装置5は、3個の伝動ケース6、伝動ケース6の後部に回転駆動自在に支持された一対の回転ケース7、回転ケース7の両端に備えられた一対の植付アーム8、接地フロート9及び苗のせ台10等を備えて構成されている。
次に、施肥装置11(農用資材供給装置に相当)について説明する。
図1,2,3,5に示すように、運転座席31の前方下方のフロア32に対して、運転座席31の後側に少し高い後部ステップ33が備えられている。角パイプ状の支持フレーム20が運転座席31の後側で後部ステップ33の上方に位置するように、機体左右方向に沿って支持されており、4個の繰り出し部13が支持フレーム20に連結されている。
図1及び図2に示すように、逆U字状の手摺り34が後部ステップ33の右及び左端部に位置するように備えられており、右及び左の手摺り34に亘って前フレーム35及び後フレーム36が連結されて、前及び後フレーム35,36の間にホッパー12が位置している。
作業状態において、ブロア14の送風が供給ダクト27を介して繰り出し部13に供給され、ホッパー12から肥料が所定量ずつ繰り出し部13により繰り出されると、ブロア14の送風により肥料がホース16を通って作溝器15に供給され、作溝器15を介して田面に供給される。
これにより、ホッパー12の肥料が繰り出し部13の排出部13bから排出ダクト29に出るのであり、ブロア14の送風が排出ダクト29に供給されて、排出ダクト29に出た肥料が送られて排出ダクト29の排出口29aから排出される。
次に、施肥装置11への伝動系について説明する。
図1,3,12に示すように、エンジン17の動力が、走行用の静油圧式無段変速装置(図示せず)及び施肥クラッチ(図示せず)から伝動軸21に伝達されている。施肥装置11の右側後部の左右方向に沿って伝動軸22が回転自在に支持されており、伝動軸21の後端部に連結されたアーム21aと、伝動軸22の左端部(中央側の端部)に連結されたアーム22aとに亘って連係ロッド23が接続されている。
これにより、伝動軸21の回転動力が、伝動軸21のアーム21a及び連係ロッド23により上下の往復運動に変換され、所定角度A1(図13及び図14参照)の範囲での往復回転運動として伝動軸22に伝達される。
駆動ギヤ37aが駆動軸37に相対回転自在に取り付けられており、駆動ギヤ37aが繰り出し部13の入力ギヤ13cに咬合している。シフト部材37bが駆動軸37に一体回転及びスライド自在に取り付けられて、シフト部材37bが駆動ギヤ37aに咬合する伝動位置及び駆動ギヤ37aから離間した遮断位置にスライド自在に構成されており、駆動ギヤ37aとシフト部材37bとにより、施肥装置11の少数条クラッチが構成されている。
供給量変更装置24において駆動軸37の回転速度が変更されるのであり、駆動軸37の動力が駆動ギヤ37aから繰り出し部13の入力ギヤ13cに伝達され、繰り出しロールが回転駆動されて繰り出し部13から肥料が繰り出される。
この場合、駆動部46の姿勢を変更して、駆動部46から第1及び第2ワンウェイクラッチ41,42への往復作動の伝達状態を変更することにより、駆動軸37の回転速度(繰り出し部13の繰り出し量)を変更する。
次に、供給量変更装置24の構造について説明する。
図4,6,7,10に示すように、板材を断面コ字状に折り曲げて構成されたカバー部材40が備えられて、カバー部材40が支持フレーム20の右端部に連結されており、カバー部材40の前部分及び後部分が開放されている。カバー部材40の右壁部40aの内面の横軸芯P1周りに支持部材47が姿勢変更自在に支持されており、支持部材47の下部のボス部47aの横軸芯P2(支持軸芯に相当)周りに、側面視で菱形の駆動部46が揺動自在に支持されている。
この場合、連係ロッド49にターンバックル構造が備えられており、連係ロッド49の長さを調節することができるのであり、連係ロッド49が施肥装置11の右端部に位置しているので、連係ロッド49の長さ調節の操作が行い易い。
この場合、第1,2,3ワンウェイクラッチ41,42,43は、駆動軸37の所定方向B1(図13参照)への回転を許容し、且つ、駆動軸37の所定方向B1とは逆方向の回転を阻止する機能を備えている。
次に、供給量変更装置24における伝動軸22から駆動軸37への伝動について説明する。
図13及び図14、前項[3]に記載のように、伝動軸22が所定角度A1の範囲で往復回転駆動されると(伝動軸22のアーム22bが所定角度A1の範囲で揺動駆動されると)、駆動部46が所定角度A1に対応する所定角度A2(所定範囲に相当)の範囲で揺動駆動される。この場合、所定角度A1は一定値である。
このように第2ワンウェイクラッチ42(アーム42a)は所定方向B1とは逆方向に回転駆動されるのであるが、駆動軸37に対して第2ワンウェイクラッチ42(アーム42a)は空転する。
このように第1ワンウェイクラッチ41(アーム41a)は所定方向B1とは逆方向に回転駆動されるのであるが、駆動軸37に対して第1ワンウェイクラッチ41(アーム41a)は空転する。
エンジン17を停止した状態で駆動軸37を回転駆動する場合、手動ハンドル56をカバー部材40から取り外し、駆動軸37の右端部に手動ハンドル56のボス部56bの六角孔を挿入することにより、手動ハンドル56を駆動軸37に取り付けるのであり、手動ハンドル56により駆動軸37を所定方向B1に回転駆動することができる。
次に供給量変更装置24において駆動部46の姿勢を変更して、駆動部46から第1及び第2ワンウェイクラッチ41,42への往復作動の伝達状態を変更することにより、駆動軸37の回転速度(繰り出し部13の繰り出し量)を変更する構造について説明する。
この場合、図9及び図13に示すように、ボス部材44をカバー部材40の開口部40eからカバー部材40の内部に挿入し、ボス部材44の支持軸44aをカバー部材40のボス部40dに挿入する。
次に、前項[6]に記載の構造により駆動軸37の回転速度(繰り出し部13の繰り出し量)が変更される状態について説明する。
図13及び図14に示す状態は、駆動軸37の回転速度(繰り出し部13の繰り出し量)が高速側(多側)に設定された状態であり、支持部材47の横軸芯P2が紙面左方に位置して、伝動軸22、第1及び第2ワンウェイクラッチ41,42に接近している。
この場合、以下に示す3つの要素[7]−1,2,3により、駆動軸37の回転速度(繰り出し部13の繰り出し量)が高速側(多側)となる。
「図13及び図14に示すように、連係ロッド49に対して駆動部46が横に傾斜した姿勢(連係ロッド49が駆動部46に接続される点と横軸芯P2を結ぶ直線と、連係ロッド49との間の角度が小さい状態)となるので、伝動軸22のアーム22bの所定角度A1(一定値)に対して、駆動部46の所定角度A2が大きなものとなる。」
「図13及び図14に示すように、第1連係部材51が駆動部46に接続される点と横軸芯P2とを結ぶ直線と、第1連係部材51とが略直交する状態となり、且つ、第1ワンウェイクラッチ41のアーム41aと第1連係部材51とが略直交する状態となるので、駆動部46の所定角度A2に対して、第1ワンウェイクラッチ41の回転角度A3が大きなものとなる。」
「図13及び図14に示すように、第2連係部材52が駆動部46に接続される点と横軸芯P2とを結ぶ直線と、第2連係部材52とが略直交する状態となり、且つ、第2ワンウェイクラッチ42のアーム42aと第2連係部材52とが略直交する状態となるので、駆動部46の所定角度A2に対して、第2ワンウェイクラッチ42の回転角度A4が大きなものとなる。」
この場合、以下に示す3つの要素[7]−4,5,6により、駆動軸37の回転速度(繰り出し部13の繰り出し量)が低速側(少側)となる。
「図15及び図16に示すように、連係ロッド49に対して駆動部46が起立した姿勢(連係ロッド49が駆動部46に接続される点と横軸芯P2を結ぶ直線と、連係ロッド49との間の角度が大きい状態)となるので、伝動軸22のアーム22bの所定角度A1(一定値)に対して、駆動部46の所定角度A2が小さなものとなる。」
「図15及び図16に示すように、第1連係部材51が駆動部46に接続される点と横軸芯P2とを結ぶ直線と、第1連係部材51との間の角度が直角よりも大きなものとなり、且つ、第1ワンウェイクラッチ41のアーム41aと第1連係部材51との間の角度が直角よりも大きなものとなるので、駆動部46の所定角度A2に対して、第1ワンウェイクラッチ41の回転角度A3が小さなものとなる。」
「図15及び図16に示すように、第2連係部材52が駆動部46に接続される点と横軸芯P2とを結ぶ直線と、第2連係部材52との間の角度が、直角よりも大きなものとなるので、駆動部46の所定角度A2に対して、第2ワンウェイクラッチ42の回転角度A4が小さなものとなる。」
次に、駆動軸37の回転速度(繰り出し部13の繰り出し量)を、全体的に高速の状態(多い状態)で変更したり、駆動軸37の回転速度(繰り出し部13の繰り出し量)を、全体的に低速の状態(少ない状態)で変更したりする状態について説明する。
目盛板58の第1目盛部58aの最小位置C11と、目盛板58の第2目盛部58bの最小位置C21とが同じ位置に配置されている。目盛板58の第1目盛部58aの最小位置C11と、目盛板58の第2目盛部58bの最小位置C21とにおいて、駆動軸37の回転速度(繰り出し部13の繰り出し量)の比は、2:1となっている。
前項[6][7]に記載の状態は、駆動部46と第1及び第2ワンウェイクラッチ41,42のアーム41a,42aとに亘って第1及び第2連係部材51,52が接続された第1状態であり、目盛板58の第1目盛部58aに対応する。
この状態は、駆動部46と第1ワンウェイクラッチ41との第1連係部材51の接続が維持された状態で第2連係部材52による駆動部46と第2ワンウェイクラッチ42のアーム42aとの接続が解除された第2状態であり、図17に示す目盛板58の第2目盛部58bに対応する。
前項[8]に記載のように、第2連係部材52を駆動部46に接続及び解除自在に構成すると(第1及び第2状態を設定するように構成すると)、前項[VIII]−1,2,3に記載の状態が生じる。
これにより、駆動部46の往路作動による第1ワンウェイクラッチ41の回転角度A3が、駆動部46の復路作動による第2ワンウェイクラッチ42の回転角度A4よりも小さくなるように設定されている(第1ワンウェイクラッチ41のアーム41aの長さと、第2ワンウェイクラッチ42のアーム42aの長さとは、同じものに設定されている)。
図17に示すように、目盛板58において、目盛板58の第1目盛部58aの最小位置C11と、目盛板58の第2目盛部58bの最小位置C21とを同じ位置に配置することができるのであり、目盛板58の第1目盛部58aの最小位置C11と、目盛板58の第2目盛部58bの最小位置C21とにおいて、駆動軸37の回転速度(繰り出し部13の繰り出し量)の比を、2:1とすることができる。
これにより、肥料の種類等に応じて、支持部材47の指標部47cと目盛板58とが合致するように、目盛板58の位置をカバー部材40のガイド孔40fに沿って微調節することができる。
前項[7]において、図15及び図16に示す状態は、駆動軸37の回転速度(繰り出し部13の繰り出し量)が低速側(少側)に設定された状態である。
図16に示す状態において、第1連係部材51がデッドポイントDP1(横軸芯P2、第1連係部材51が駆動部46に接続される点、第1連係部材51が第1ワンウェイクラッチ41のアーム41aに接続される点の3点が、一直線上に並ぶ位置)に接近する状態となる。
同様に、図16に示す状態において、第2連係部材52がデッドポイントDP2(横軸芯P2、第2連係部材52が駆動部46に接続される点、第2連係部材52が第2ワンウェイクラッチ42のアーム42aに接続される点の3点が、一直線上に並ぶ位置)に接近する状態となる。
図19(a)(b)に示すように、駆動部46のボス部46dに連係ロッド49を接続すると、図16に示す駆動部46の所定角度A2が全体的に紙面右側に移動することになる。これにより、駆動軸37の回転速度(繰り出し部13の繰り出し量)が低速側(少側)に設定された状態において、第1及び第2連係部材51,52がデッドポイントDP1,DP2に接近する状態とはならない。
図13〜16,18,21に示す構成に代えて、図20及び図21に示すように構成してもよい。
図20に示すように、第1及び第2ワンウェイクラッチ41,42のアーム41a,42aを同じ下方(又は同じ上方)に延出する。天秤アーム状で上下向きの駆動部46を横軸芯P2周りに揺動駆動するように構成して、駆動部46の一方の端部と第1ワンウェイクラッチ41のアーム41aとに亘って第1連係部材51を接続し、駆動部46の他方の端部と第2ワンウェイクラッチ42のアーム42aとに亘って第2連係部材52を接続する。
図20に示す構成において、図21に示すように、駆動部46を上下方向の縦軸芯P5周りに揺動駆動するように構成してもよい。
前述の[発明を実施するための形態][発明の実施の第1別形態][発明の実施の第2別形態]において、第1連係部材51が駆動部46に接続される点と横軸芯P2(縦軸芯P5)との間の距離L1を、第2連係部材52が駆動部46に接続される点と横軸芯P2(縦軸芯P5)との間の距離L2よりも短いものに設定するのではなく、この距離L1,L2を同じ長さに設定し、第1ワンウェイクラッチ41のアーム41aの長さを、第2ワンウェイクラッチ42のアーム42aの長さよりも長いものに構成して、駆動部46の往路作動による第1ワンウェイクラッチ41の回転角度A3が、駆動部46の復路作動による第2ワンウェイクラッチ42の回転角度A4よりも小さくなるように構成してもよい。
本発明は、粒状の肥料を田面に供給する施肥装置ばかりではなく、液状の肥料を田面に供給する施肥装置(農用資材供給装置に相当)、種籾(農用資材に相当)を田面に供給する直播装置(農用資材供給装置に相当)、粒状や液状の薬剤を田面に供給する施薬装置(農用資材供給装置に相当)にも適用できる。
13 繰り出し部
37 駆動軸
41 第1ワンウェイクラッチ
42 第2ワンウェイクラッチ
41a 第1ワンウェイクラッチのアーム
42a 第2ワンウェイクラッチのアーム
43 第3ワンウェイクラッチ
46 駆動部
48 固定部
51 第1連係部材
52 第2連係部材
A2 所定範囲
A3 第1ワンウェイクラッチの回転角度
A4 第2ワンウェイクラッチの回転角度
B1 所定方向
P2 支持軸芯
Claims (10)
- 農用資材を貯留する貯留部と、前記貯留部の農用資材を繰り出す繰り出し部と、前記繰り出し部を駆動する駆動軸とが備えられ、
動力が伝達されることにより所定範囲で往復作動する単一の駆動部が備えられて、前記駆動軸に第1ワンウェイクラッチ及び第2ワンウェイクラッチが備えられ、前記駆動部と前記第1ワンウェイクラッチのアームとに亘って第1連係部材が接続されて、前記駆動部と前記第2ワンウェイクラッチのアームとに亘って第2連係部材が接続され、
前記駆動部の往路作動により、前記第1ワンウェイクラッチが所定方向に回転駆動され、前記第2ワンウェイクラッチが前記所定方向とは逆方向に回転駆動されて、前記第1ワンウェイクラッチにより前記駆動軸が前記所定方向に回転駆動され、
前記駆動部の復路作動により、前記第1ワンウェイクラッチが前記所定方向とは逆方向に回転駆動され、前記第2ワンウェイクラッチが前記所定方向に回転駆動されて、前記第2ワンウェイクラッチにより前記駆動軸が前記所定方向に回転駆動されるように構成されている農用資材供給装置。 - 前記第1ワンウェイクラッチのアームと前記第2ワンウェイクラッチのアームとが互いに逆向きになるように構成され、
前記駆動部と前記第1ワンウェイクラッチのアームとに亘って第1連係部材が接続されて、前記駆動部と前記第2ワンウェイクラッチのアームとに亘って第2連係部材が接続されている請求項1に記載の農用資材供給装置。 - 前記駆動部が支持軸芯周りに所定範囲で往復作動するように構成され、
前記支持軸芯に対して同じ側の前記駆動部の部分に、前記第1及び第2連係部材が互いに接近して接続されている請求項2に記載の農用資材供給装置。 - 前記駆動軸と前記支持軸芯とが平行に設定されている請求項3に記載の農用資材供給装置。
- 前記第2連係部材による前記駆動部と前記第2ワンウェイクラッチのアームとの接続が解除可能に構成されている請求項1〜4のうちのいずれか一つに記載の農用資材供給装置。
- 前記第2連係部材が前記第2ワンウェイクラッチのアームに接続された状態で前記駆動部から取り外されることにより、前記第2連係部材による前記駆動部と前記第2ワンウェイクラッチのアームとの接続が解除されるように構成され、
前記駆動部から取り外された前記第2連係部材が固定部に接続されることにより、前記第2ワンウェイクラッチが前記第2連係部材を介して固定可能に構成されている請求項5に記載の農用資材供給装置。 - 前記駆動部、前記第1及び第2ワンウェイクラッチ、前記第1及び第2連係部材が農用資材供給装置の右又は左端部に備えられ、
前記第1連係部材に対して農用資材供給装置の横外側に位置するように、前記第2連係部材が配置されている請求項5又は6に記載の農用資材供給装置。 - 前記駆動部の往路作動による前記第1ワンウェイクラッチの回転角度が、前記駆動部の復路作動による前記第2ワンウェイクラッチの回転角度よりも小さくなるように設定されている請求項5〜7のうちのいずれか一つに記載の農用資材供給装置。
- 前記駆動軸の前記所定方向への回転を許容し且つ前記駆動軸の前記所定方向とは逆方向の回転を阻止する第3ワンウェイクラッチが備えられている請求項1〜8のうちのいずれか一つに記載の農用資材供給装置。
- 農用資材を貯留する貯留部と、前記貯留部の農用資材を繰り出す繰り出し部と、前記繰り出し部を駆動する駆動軸とが備えられ、
動力が伝達されることにより前記駆動軸と平行な支持軸芯周りに所定範囲で往復作動する単一の駆動部が備えられて、前記支持軸芯に対して同じ側の前記駆動部の部分に、第1及び第2連係部材の一端が互いに接近して接続され、
前記駆動軸に第1ワンウェイクラッチ及び第2ワンウェイクラッチが備えられて、前記第1ワンウェイクラッチのアームと前記第2ワンウェイクラッチのアームとが互いに逆向きになるように構成され、前記第1ワンウェイクラッチのアームに前記第1連係部材の他端が接続されて、前記第2ワンウェイクラッチのアームに前記第2連係部材の他端が接続され、
前記駆動部の往路作動により、前記第1ワンウェイクラッチが所定方向に回転駆動され、前記第2ワンウェイクラッチが前記所定方向とは逆方向に回転駆動されて、前記第1ワンウェイクラッチにより前記駆動軸が前記所定方向に回転駆動され、
前記駆動部の復路作動により、前記1ワンウェイクラッチが前記所定方向とは逆方向に回転駆動され、前記第2ワンウェイクラッチが前記所定方向に回転駆動されて、前記第2ワンウェイクラッチにより前記駆動軸が前記所定方向に回転駆動されるように構成され、
前記第2連係部材が前記第2ワンウェイクラッチのアームに接続された状態で前記駆動部から取り外されることにより、前記第2連係部材による前記駆動部と前記第2ワンウェイクラッチのアームとの接続が解除されるように構成され、
前記駆動部から取り外された前記第2連係部材が固定部に接続されることにより、前記第2ワンウェイクラッチが前記第2連係部材を介して固定可能に構成され、
前記駆動部の往路作動による前記第1ワンウェイクラッチの回転角度が、前記駆動部の復路作動による前記第2ワンウェイクラッチの回転角度よりも小さくなるように設定され、
前記駆動軸の前記所定方向への回転を許容し且つ前記駆動軸の前記所定方向とは逆方向の回転を阻止する第3ワンウェイクラッチが備えられている農用資材供給装置。
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