JP6075349B2 - フェライト系ステンレス鋼 - Google Patents

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Description

本発明は、Cr含有鋼に係り、とくに自動車やオートバイの排気管やコンバータケース、火力発電プラントの排気ダクト等の高温下で使用される排気系部材に用いて好適な、優れた熱疲労特性、耐酸化性を兼ね備えたフェライト系ステンレス鋼に関するものである。
自動車のエキゾーストマニホールドや排気パイプ、コンバータケース、マフラー等の排気系部材には、耐酸化性に優れるほか、熱疲労特性や高温疲労特性(以下、これらをまとめて「耐熱性」と呼ぶ。)にも優れることが要求されている。ここで、上記熱疲労とは、エンジンの始動・停止に伴って排気系部材は加熱・冷却を繰り返し受けるが、上記部材は周辺の部品との関係で拘束された状態にあるため、熱膨張・収縮が制限されて素材自体に熱歪が発生し、この熱歪に起因した疲労現象のことをいう。また、上記高温疲労とは、エンジン稼動中には、排気系部材は加熱された状態で振動を受け続けるが、この振動による歪の蓄積に起因した疲労現象のことをいう。前者は低サイクル疲労、後者は高サイクル疲労であり、全く異なった疲労現象である。
上記特性が求められる部材に用いられる素材としては、現在、NbとSiを添加したType429(14Cr−0.9Si−0.4Nb系)のようなCr含有鋼が多く使用されている。しかし、エンジン性能の向上に伴い、排ガス温度が900℃を超えるような温度まで上昇してくると、Type429では要求特性、特に熱疲労特性を十分に満たすことができなくなってきている。
この問題に対応できる素材として、例えば、NbとMoを添加して高温耐力を向上させたCr含有鋼や、JIS G4305に規定されるSUS444(19Cr−0.4Nb−2Mo)、Nb、Mo、Wを添加したフェライト系ステンレス鋼等が開発されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、昨今における排ガス高温化の趨勢によりSUS444でも耐熱性が不足する場合があり、SUS444を超える耐熱性を有する材料の開発が要求されるようになってきている。
SUS444を超える耐熱性を有する材料としては、例えば、特許文献2〜8には、SUS444にCuを添加し、Cuの析出強化を活用し熱疲労特性を高めた材料が開示されている。
一方、Alを積極的に添加することによって、耐熱性の向上を図る技術も提案されている。例えば、特許文献9〜13には、Alの添加によって高温強度や耐酸化性を高めたフェライト系ステンレス鋼が開示されている。
特開2004−018921号公報 特開2010−156039号公報 特開2001−123667号公報 特開2009−215648号公報 特開2011−190468号公報 特開2012−117084号公報 特開2012−193435号公報 特開2012−207252号公報 特開2008−285693号公報 特開2001−316773号公報 特開2005−187857号公報 特開2009−68113号公報 特開2011−162863号公報
発明者らの研究によれば、特許文献2〜8に開示された鋼のように、Cuを添加して耐熱性を改善しようとした場合には、熱疲労特性は向上するものの、鋼自身の耐酸化性が却って低下するため、排ガスのますますの高温化の趨勢には対応できない。
また、特許文献9〜13に開示された鋼は、Al添加によって高い高温強度や優れた耐酸化性を得ているが、Al添加は鋼の熱膨張係数を増加させるため、昇温と降温が繰り返される熱疲労特性が低下してしまう問題がある。
また、Mo添加鋼に対して850℃を超える熱疲労試験を行った場合、MoとCrを含む第二相(σ相)が粗大に析出し、却って熱疲労寿命が低下してしまうことが明らかとなってきた。
本発明はかかる課題を解決し、Cuを添加した場合の耐酸化性の低下を防止し、かつAlを添加した場合の熱膨張係数の増加を低減し、さらにMoを添加した場合の第二相(σ相)の析出を抑制した、耐酸化性および熱疲労特性に優れるフェライト系ステンレス鋼を提供することを目的とする。なお、本発明の「耐酸化性および熱疲労特性に優れる」とは、SUS444より優れた特性を有することであり、具体的には、耐酸化性は1100℃における耐酸化性が、また、熱疲労特性は200℃−950℃間で昇温と降温を繰り返したときの熱疲労特性が、SUS444より優れていることをいう。
発明者らは、Cu、Al、およびMoを添加した鋼において、Cu添加による耐酸化性の低下を防止し、Al添加による熱膨張係数の増加を抑制し、さらにMo添加による第二相の析出を抑制することを検討した。そして、耐酸化性、熱疲労特性のいずれもがSUS444より優れたフェライト系ステンレス鋼を開発するべく鋭意検討を重ねた。
その結果、Nbを0.02〜1.0%、Moを0.1〜6.0%、Cuを0.4〜4.0%の範囲で複合添加することによって、幅広い温度域で高温強度が上昇し、熱疲労特性が向上することを見出した。また、Alを0.05〜6.0%の範囲で添加することによって、Cu添加による耐酸化性の低下を防止し、優れた耐酸化性が得られるのみならず、高温強度も大きく増加することを見出した。さらに、Al添加による熱膨張係数の増加は適正量のCo添加により抑制できること、Mo添加による第二相の析出はAl添加により抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は以上の知見に基づいてなされたものであり、以下を要旨とするものである。
[1]mass%で、C:0.020%以下、Si:0.1超〜3.0%、Mn:2.0%以下、P:0.050%以下、S:0.010%以下、Al:0.05〜6.0%、N:0.020%以下、Cr:12〜30%、Cu:0.4〜4.0%、Nb:0.02〜1.0%、Ti:0.01〜1.0%、Mo:0.1〜6.0%、Co:0.01〜3.0%、Ni:0.02〜1.0%、かつ、Si+Al≧0.50%を満たして含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とするフェライト系ステンレス鋼。
[2]mass%で、C:0.020%以下、Si:0.1超〜3.0%、Mn:2.0%以下、P:0.050%以下、S:0.010%以下、Al:0.05〜6.0%、N:0.020%以下、Cr:12〜30%、Cu:0.4〜4.0%、Nb:0.02〜1.0%、Ti:0.01〜1.0%、Mo:0.1超〜6.0%、Co:0.01〜3.0%、Ni:0.02〜1.0%、かつ、Si+Al≧0.50%を満たして含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とするフェライト系ステンレス鋼。
[3]前記[1]または[2]において、mass%で、さらに、B:0.0002〜0.0100%、Zr:0.005〜1.0%、W:0.01〜5.0%のうちから選ばれる1種または2種以上を含むことを特徴とするフェライト系ステンレス鋼。
[4]前記[1]〜[3]のいずれかにおいて、mass%で、さらに、Ca:0.0002〜0.0050%、Mg:0.0002〜0.0050%のうちから選ばれる1種または2種を含むことを特徴とするフェライト系ステンレス鋼。
なお、本明細書において、鋼の成分を示す%はすべてmass%である。
本発明によれば、SUS444(JIS G4305)より優れる熱疲労特性および耐酸化性を有するフェライト系ステンレス鋼を提供することができる。したがって、本発明の鋼は、自動車等の排気系部材に好適に用いることができる。
熱疲労試験片を説明する図である。 熱疲労試験における温度、拘束条件を説明する図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のフェライト系ステンレス鋼は、mass%で、C:0.020%以下、Si:0.1超〜3.0%、Mn:2.0%以下、P:0.050%以下、S:0.010%以下、Cr:12〜30%、Ni:0.02〜1.0%、Al:0.05〜6.0%、N:0.020%以下、Cu:0.4〜4.0%、Nb:0.02〜1.0%、Ti:0.01
〜1.0%、Mo:0.1〜6.0%、Co:0.01〜3.0%、かつ、Si+Al≧0.50を満たして含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる。本発明では、成分組成のバランスが非常に重要であり、このような成分組成の組み合わせとすることで、Cu添加による耐酸化性の低下を防止し、Al添加による熱膨張係数の増加を抑制し、さらにMo添加による第二相の析出を抑制し、耐酸化性および熱疲労特性がSUS444より優れたフェライト系ステンレス鋼を得ることができる。
次に、本発明のフェライト系ステンレス鋼の成分組成について説明する。
C:0.020%以下
Cは、鋼の強度を高めるのに有効な元素であるが、0.020%を超えて添加すると、靭性および成形性の低下が顕著となる。よって、Cは0.020%以下とする。なお、Cは、成形性を確保する観点からは0.010%以下が好ましい。また、排気系部材としての強度を確保する観点からは0.001%以上が好ましい。より好ましくは0.003〜0.008%の範囲である。
Si:0.1超〜3.0%
Siは、耐酸化性向上のために必要な重要元素である。Cu添加により低下した耐酸化性を改善するためには0.1%超えの添加が必要である。一方、3.0%を超える過剰の添加は、加工性を低下させるので、上限は3.0%とする。好ましくは0.3超〜2.0%の範囲である。より好ましくは0.5超〜1.5%の範囲である。
Mn:2.0%以下
Mnの過剰な添加は、高温でγ相が生成しやすくなり、耐熱性を低下させる。よって、Mnは2.0%以下とする。一方、Mnは、脱酸剤として、また、鋼の強度を高めるために添加される元素である。また、酸化スケールの耐剥離性を高める効果も有する。これらの効果を得るためには、0.05%以上の添加が好ましい。より好ましくは0.2超〜1.0%の範囲である。さらに好ましくは0.5超〜0.6%の範囲である。
P:0.050%以下
Pは、鋼の靭性を低下させる有害な元素であり、可能な限り低減するのが望ましい。よって、Pは0.050%以下とする。好ましくは0.030%以下である。
S:0.010%以下
Sは、伸びやr値を低下させ、成形性に悪影響を及ぼすとともに、ステンレス鋼の基本特性である耐食性を低下させる有害元素でもあるため、できる限り低減するのが望ましい。よって、本発明では、Sは0.010%以下とする。好ましくは0.005%以下である。
Al:0.05〜6.0%
Alは、Cu添加の鋼において耐酸化性を向上させるのに必要不可欠な元素である。特に、本発明ではSUS444を超える耐酸化性と熱疲労特性を得ることを目的とする。さらに、本発明のようにMoが添加されている鋼においては,Alは熱疲労試験中のMoを含む第二相(σ相)の析出を抑制する効果も有する。第二相が析出すると固溶Mo量の減少により後述するような固溶強化効果が得られなくなるのみならず、短時間で粗大化して亀裂発生の起点となってしまう。これらの効果を得るためにAlは0.05%以上の添加が必要である。一方、6.0%を超えて添加すると、耐酸化性向上効果が飽和するのみならず、鋼が硬質化して加工性が低下してしまう。よって、Alは0.05〜6.0%の範囲とする。好ましくは0.25超〜5.0%の範囲である。より好ましくは0.50超〜4.0%の範囲である。さらに好ましくは2.0超〜3.0%の範囲である。
Si+Al≧0.50
上述したように、SiとAlは耐酸化性向上に有効な元素である。それぞれ0.1%超、0.05%以上の添加でその効果が認められる。しかし、本発明の目的であるSUS444を超える耐酸化性を実現するためには、両元素を所定の範囲で添加した上で、少なくともSi+Al≧0.50%を満たす必要がある。好ましくはSi+Al≧1.0%である。より好ましくはSi+Al≧2.0%である。
N:0.020%以下
Nは、鋼の靭性および成形性を低下させる元素であり、0.020%を超えて含有すると、靭性および成形性の低下が顕著となる。よって、Nは0.020%以下とする。なお、Nは、靭性、成形性を確保する観点からは、できるだけ低減するのが好ましく、0.010%未満とするのが望ましい。
Cr:12〜30%
Crは、ステンレス鋼の特徴である耐食性、耐酸化性を向上させるのに有効な重要元素であるが、12%未満では、十分な耐酸化性が得られない。一方、Crは、室温において鋼を固溶強化し、硬質化、低延性化する元素であり、特に30%を超えて添加すると、上記弊害が顕著となるので、上限は30%とする。好ましくは14〜25%の範囲である。より好ましくは18超〜22%の範囲である。
Cu:0.4〜4.0%
Cuは、熱疲労特性の向上に非常に有効な元素であり、その効果は0.4%以上の添加で現れる。しかし、4.0%を超える添加は、熱処理後の冷却時にε−Cu相が析出し、鋼を硬質化するとともに、熱間加工時に脆化を起こしやすくする。さらに、Cuの添加は、熱疲労特性を向上させるものの、鋼自身の耐酸化性を却って低下し、総体的に見て耐熱性が低下してしまうことがある。この原因は、十分に明らかとはなっていないが、生成したスケール直下の脱Cr層にCuが濃化し、ステンレス鋼本来の耐酸化性を向上する元素であるCrの再拡散を抑制するためと考えられる。よって、これらの理由により、上限は4.0%とする。好ましくは0.7〜3.0%の範囲である。より好ましくは1.0超〜2.0%の範囲である。
Nb:0.02〜1.0%
Nbは、C、Nと炭窒化物を形成して固定し、耐食性や成形性、溶接部の耐粒界腐食性を高める作用を有するとともに、高温強度を上昇させて熱疲労特性を向上させる元素である。このような効果は、0.02%以上の添加で認められる。しかし、1.0%を超える添加は、Laves相が析出しやすくなり、脆化を促進する。よって、Nbは0.02〜1.0%の範囲とする。好ましくは0.30超〜0.80%の範囲である。より好ましくは0.40超〜0.50%未満の範囲である。
Ti:0.01〜1.0%
Tiは、Nbと同様、C、Nを固定して、耐食性や成形性を向上し、溶接部の粒界腐食を防止する元素である。Tiを添加することにより、TiがNbよりも優先的にC、Nと結びつくため、高温強度に有効な鋼中固溶Nb量を確保することができ、耐熱性向上に有効である。また、本発明のAl添加の鋼においては、耐酸化性の向上に有効な元素であり、特に1000℃を超える高温域で使用され、優れた耐酸化性が要求される鋼では必須の添加元素である。高温での耐酸化性を得るためには、Tiは0.01%以上添加する。一方、1.0%を超える過剰な添加は、耐酸化性向上効果が飽和するほか、靭性の低下を招いて、例えば、熱延板焼鈍ラインで繰り返し受ける曲げ−曲げ戻しによって破断を起こしたりする等、製造性に悪影響を及ぼすようになる。よって、Tiの上限は1.0%とする。好ましくは0.15超〜0.80%の範囲である。より好ましくは0.20超〜0.50%の範囲である。
Mo:0.1〜6.0%
Moは、鋼中に固溶し鋼の高温強度を向上させることで熱疲労特性を向上させる有効な元素である。その効果は0.1%以上の添加で現れる。特に0.1%を超えて添加すると効果がより現れる。一方、過剰な添加は鋼を硬質化させて加工性を低下させてしまうのみならず、σ相のような粗大な金属間化合物を形成しやすくなるため却って熱疲労特性は低下してしまう。従って、上限は6.0%とする。好ましくは0.3〜5.0%の範囲である。
より好ましくは1.2超〜4.0%の範囲である。さらにより好ましくは1.4〜3.0%の範囲である。

Co:0.01〜3.0%
Coは、鋼の靭性向上に有効な元素として知られている。さらに、本発明ではAl添加により増加した熱膨張係数を低減する元素として重要な元素でもある。これらの効果を得るためには、0.01%以上とする。一方、過剰な添加は鋼の靭性を却って低下させるため、上限は3.0%とする。好ましくは0.01〜0.30未満%の範囲である。
Ni:0.02〜1.0%
Niは、鋼の靭性および耐酸化性を向上させる元素である。これらの効果を得るためには、0.02%以上の添加とする。しかし、Niは、高価であり、また、強力なγ相形成元素であるため、高温でγ相を生成し、耐酸化性を低下させる。よって、上限は1.0%とする。好ましくは0.05〜0.80%未満の範囲である。より好ましくは0.2超〜0.5%未満の範囲である。
残部はFeおよび不可避的不純物からなる。
本発明のフェライト系ステンレス鋼は、上記必須成分に加えて、さらに、B、Zr、V、Wのうちから選ばれる1種または2種以上を、下記の範囲で添加することができる。
B:0.0002〜0.0100%
Bは、鋼の加工性、特に二次加工性を向上させるのに有効な元素である。また、本発明のようなCu添加の鋼においては、Cuの析出物を微細化し、析出強化を有効に活用できるようにする効果も有する。このような効果は、0.0002%以上の添加で得ることができる。一方、過剰な添加は、BNを生成して加工性を低下させる。よって、Bを添加する場合は、0.0002〜0.0100%以下とする。好ましくは0.0005〜0.0050%の範囲である。より好ましくは0.0008〜0.0020%の範囲である。
Zr:0.005〜1.0%
Zrは耐酸化性を向上させる元素であり、本発明では、必要に応じて添加することができる。この効果を得るためには、0.005%以上添加するのが好ましい。しかし、1.0%を超える添加は、Zr金属間化合物が析出して、鋼を脆化させる。よって、Zrを添加する場合は、0.005〜1.0%とする。
V:0.01〜1.0%
Vは、鋼の加工性向上に有効な元素であるとともに、耐酸化性の向上にも有効な元素である。これらの効果は、0.01%以上で顕著となる。しかし、1.0%を超える過剰な添加は、粗大なV(C、N)の析出を招き、靭性を低下させるのみならず、表面性状を低下させる。よって、Vを添加する場合は、0.01〜1.0%とする。好ましくは0.03〜0.50%の範囲である。より好ましくは0.05〜0.30%の範囲である。
W:0.01〜5.0%
Wは、Moと同様に固溶強化により高温強度を大きく向上させる元素である。この効果は0.01%以上の添加で現れる。一方、過剰な添加は鋼を著しく硬質化するのみならず、製造時の焼鈍工程において強固なスケールが生成するため、酸洗時の脱スケールが困難になる。よって、Wを添加する場合は、0.01〜5.0%とする。好ましくは0.30〜4.0%の範囲である。さらに好ましくは1.0〜4.0%の範囲である。
本発明のフェライト系ステンレス鋼は、さらに、Ca、Mgのうちから選ばれる1種または2種を、下記の範囲で添加することができる。
Ca:0.0002〜0.0050%
Caは、連続鋳造の際に発生しやすいTi系介在物析出によるノズルの閉塞を防止するのに有効な成分である。0.0002%未満ではその効果がない。一方、表面欠陥を発生させず良好な表面性状を得るためには0.0050%以下とする必要がある。従って、Caを含有する場合は、0.0002〜0.0050%の範囲とするこ。好ましくは0.0005〜0.0030%の範囲である。より好ましくは0.0005〜0.0020%の範囲である。
Mg:0.0002〜0.0050%
Mgはスラブの等軸晶率を向上させ、加工性や靭性の向上に有効な元素である。本発明のようにNbやTiが添加されている鋼においては、NbやTiの炭窒化物の粗大化を抑制する効果も有する。その効果は0.0002%以上の含有で現れる。Ti炭窒化物が粗大化すると、脆性割れの起点となるため靭性が大きく低下する。Nb炭窒化物が粗大化すると、Nbの鋼中固溶量が低下するため、熱疲労特性の低下に繋がる。一方、Mg含有量が0.0050%超えとなると、鋼の表面性状を悪化させてしまう。したがって、Mgを含有する場合は、0.0002〜0.0050%の範囲とする。好ましくは0.0002〜0.0030%の範囲である。より好ましくは0.0004〜0.0020%の範囲である。
次に、本発明のフェライト系ステンレス鋼の製造方法について説明する。
本発明のステンレス鋼の製造方法は、フェライト系ステンレス鋼の通常の製造方法であれば好適に用いることができ、特に限定されるものではない。例えば、転炉、電気炉等公知の溶解炉で鋼を溶製し、あるいはさらに取鍋精錬、真空精錬等の二次精錬を経て上述した本発明の成分組成を有する鋼とし、連続鋳造法あるいは造塊−分塊圧延法で鋼片(スラブ)とし、その後、熱間圧延、熱延板焼鈍、酸洗、冷間圧延、仕上げ焼鈍、酸洗等の各工程を経て冷延焼鈍板とする製造工程で製造することができる。上記冷間圧延は、1回または中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延としてもよく、また、冷間圧延、仕上げ焼鈍、酸洗の各工程は、繰り返して行ってもよい。さらに、熱延板焼鈍は省略してもよく、鋼板の表面光沢や粗度調整が要求される場合には、冷延後あるいは仕上げ焼鈍後、スキンパス圧延を施してもよい。
上記製造方法における、好ましい製造条件について説明する。
鋼を溶製する製鋼工程は、転炉あるいは電気炉等で溶解した鋼をVOD法等により二次精錬し、上記必須成分および必要に応じて添加される成分を含有する鋼とするのが好ましい。溶製した溶鋼は、公知の方法で鋼素材とすることができるが、生産性および品質面からは、連続鋳造法によるのが好ましい。鋼素材は、その後、好ましくは1000〜1250℃に加熱され、熱間圧延により所望の板厚の熱延板とされる。もちろん、板材以外に熱間加工することもできる。上記熱延板は、その後必要に応じて600〜800℃の温度でバッチ焼鈍あるいは900〜1100℃の温度で連続焼鈍を施した後、酸洗等により脱スケールし、熱延製品とするのが好ましい。なお、必要に応じて、酸洗前にショットブラストによりスケール除去してもよい。
さらに、上記熱延焼鈍板を、冷間圧延等の工程を経て冷延製品としてもよい。この場合の冷間圧延は、1回でもよいが、生産性や要求品質上の観点から中間焼鈍を挟む2回以上の冷間圧延としてもよい。1回または2回以上の冷間圧延の総圧下率は60%以上が好ましく、より好ましくは70%以上である。冷間圧延した鋼板は、その後、好ましくは900〜1150℃、さらに好ましくは950〜1120℃の温度で連続焼鈍(仕上げ焼鈍)し、酸洗し、冷延製品とするのが好ましい。さらに用途によっては、仕上げ焼鈍後、スキンパス圧延等を施して、鋼板の形状や表面粗度、材質調整を行ってもよい。
上記のようにして得た熱延製品あるいは冷延製品は、その後、それぞれの用途に応じて、切断や曲げ加工、張出し加工、絞り加工等の加工を施して、自動車やオートバイの排気管、触媒外筒材、火力発電プラントの排気ダクトあるいは燃料電池関連部材、例えばセパレータ、インタコネクター、改質器等に成形される。これらの部材を溶接する方法は、特に限定されるものではなく、MIG(Metal Inert Gas)、MAG(Metal Active Gas)、TIG(Tungsten Inert Gas)等の通常のアーク溶接や、スポット溶接、シーム溶接等の抵抗溶接、および電縫溶接などの高周波抵抗溶接、高周波誘導溶接等を適用することができる。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
表1に示したNo.1〜41の成分組成を有する鋼を真空溶解炉で溶製し、鋳造して30kg鋼塊とし、鍛造して2分割した。その後、2分割した片方の鋼塊を1170℃に加熱し、次いで、熱間圧延して板厚5mmの熱延板とし、1000〜1150℃の範囲の温度で焼鈍後、酸洗し熱延焼鈍板とした。続いて、圧下率60%の冷間圧延を行い、1000〜1150℃の温度で仕上げ焼鈍を行った後、酸洗または研磨によりスケールを除去し、板厚が2mmの冷延焼鈍板として、酸化試験に供した。なお、参考として、SUS444(No.30)についても、上記と同様にして冷延焼鈍板を作製し、酸化試験に供した。焼鈍温度については、上記温度範囲内で組織を確認しながら各鋼について温度を決定した。
<大気中連続酸化試験>
上記のようにして得た各種冷延焼鈍板から30mm×20mmの試験片を切り出し、上部に4mmφの穴をあけ、表面および端面を#320のエメリー紙で研磨し、脱脂後、1100℃に加熱保持した大気雰囲気の炉内に吊り下げて、200時間保持した。試験後、試験片の質量を測定し、予め測定しておいた試験前の質量との差を求め、酸化増量(g/m)を算出した。なお、試験は各2回実施し、その平均値で耐連続酸化性を評価した。なお、酸化増量には剥離したスケール分を含めて、以下のように評価した。
○:異常酸化もスケール剥離も発生しなかったもの
△:異常酸化は発生しないが、スケール剥離が生じたもの
×:異常酸化(酸化増量≧50g/m)が発生したもの
得られた結果を表1に示す。
上記において2分割した30kg鋼塊の残りの鋼塊を、1170℃に加熱後、熱間圧延して厚さ35mm×幅150mmのシートバーとした後、このシートバーを鍛造し、30mm角の各棒とした。次いで、1000〜1150℃の温度で焼鈍後、機械加工し、図1に示す形状、寸法の熱疲労試験片に加工し、下記の熱膨張係数の測定および熱疲労試験に供した。なお、参考として、SUS444の成分組成を有する鋼についても、上記と同様にして試験片を作製し、熱膨張係数の測定および熱疲労試験に供した。
<熱膨張係数の測定>
上記で作製した熱疲労試験片を用い、熱膨張係数の測定を行った。測定は、試験片に荷重を与えずに、200℃から950℃の間で昇温、降温を3サイクル行い、変位が安定する3サイクル目の変位量を読み取って、熱膨張係数を算出し、以下のように評価した。
○:13.0×10-6/℃未満
×:13.0×10-6/℃以上
<熱疲労試験>
熱疲労試験は、図2に示すように、上記試験片を拘束率0.45で拘束しながら、200℃と950℃の間で昇温・降温を繰り返す条件で行った。この際の昇温速度および降温速度はそれぞれ7℃/secとし、200℃での保持時間は1min、950℃での保持時間は2minとした。なお、熱疲労寿命は、200℃において検出された荷重を試験片均熱平行部(図1参照)の断面積で割って応力を算出し、初期のサイクル(試験が安定する5サイクル目)の値に対して75%まで低下したサイクル数とし、以下のように評価した。
○:800サイクル以上
×:800サイクル未満
得られた結果を表1に示す。
Figure 0006075349
表1より、本発明例の鋼(No.1〜23、25〜28)は、いずれもSUS444(No.30)より優れた耐酸化性および熱疲労特性を示している。これに対して、本発明の範囲を外れる比較例の鋼(No.31〜41)は、耐酸化性または熱疲労特性のいずれかもしくはその両方がSUS444と同等以下である。なお、実施例No.33に関しては,Alが適量添加されていないため、耐酸化性が不足しているのみならず、熱疲労特性も不十分であった。この原因としては、試験中に粗大な第二相が析出していたことが挙げられる。
本発明のフェライト系ステンレス鋼は、自動車等の排気系部材用として好適であるだけでなく、同様の特性が要求される火力発電システムの排気系部材や固体酸化物タイプの燃料電池用部材としても好適に用いることができる。

Claims (4)

  1. mass%で、C:0.020%以下、Si:0.1超〜3.0%、Mn:2.0%以下、P:0.050%以下、S:0.010%以下、Al:0.05〜6.0%、N:0.020%以下、Cr:12〜30%、Cu:0.4〜4.0%、Nb:0.02〜1.0%、Ti:0.01〜1.0%、Mo:0.1〜6.0%、Co:0.01〜3.0%、Ni:0.02〜1.0%、かつ、Si+Al≧0.50%を満たして含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とするフェライト系ステンレス鋼。
  2. mass%で、C:0.020%以下、Si:0.1超〜3.0%、Mn:2.0%以下、P:0.050%以下、S:0.010%以下、Al:0.05〜6.0%、N:0.020%以下、Cr:12〜30%、Cu:0.4〜4.0%、Nb:0.02〜1.0%、Ti:0.01〜1.0%、Mo:0.1超〜6.0%、Co:0.01〜3.0%、Ni:0.02〜1.0%、かつ、Si+Al≧0.50%を満たして含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなることを特徴とするフェライト系ステンレス鋼。
  3. mass%で、さらに、B:0.0002〜0.0100%、Zr:0.005〜1.0%、W:0.01〜5.0%のうちから選ばれる1種または2種以上を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のフェライト系ステンレス鋼。
  4. mass%で、さらに、Ca:0.0002〜0.0050%、Mg:0.0002〜0.0050%のうちから選ばれる1種または2種を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のフェライト系ステンレス鋼。
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