JP6073473B2 - 高い鉄含有量を有する硫化亜鉛精鉱を出発とする、硫黄媒体中の亜鉛を回収する湿式製錬法 - Google Patents

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Description

本発明は、硫化亜鉛精鉱からの電気亜鉛(または電解亜鉛、electrolytic zinc)の製造時に、高い抽出率を有し、かつきれいな残留物(clean residues)を発生することを特徴とする、亜鉛および他の有価金属の回収のための湿式製錬法について記載する。この方法はとりわけ、異なる種類の亜鉛精鉱の処理に適しており、特に高い鉄含量の種類の処理に適しており、ジャロサイト法、ゲータイト法または直接浸出(または溶出、leaching)方法として知られる方法を用いるそれらの製造プラントに非常によく適応し、金属回収率の効率と発生する残留物の品質との両方の観点から、もたらされる結果を改良する。
その原料から亜鉛金属を得るために、主に硫化亜鉛精鉱が乾式製錬および湿式製錬手段の両方で使用されてきたが、これらの前者は、高い運転費用とこの方法に関係する環境問題に起因して明らかに使用されなくなってきている。湿式製錬方法はほとんどがRLEライン(焙焼(Roasting)、浸出(Leaching)、電解採取(Electrowinning))に従うが、いくつかのプラントは、非常に少ないが、オートクレーブ内の圧力下でまたは大気圧のいずれかで精鉱(concentrate)の直接浸出法を実行するので、精鉱の焙焼を避ける。
60年代中頃まで、電気亜鉛プラントは浸出の領域において中性浸出工程および弱酸性浸出工程を用いていた。この方法はプラントが焼鉱(またはカルサイン、か焼物、calcine)の形態で形成される酸化物に含まれる亜鉛、焙焼により生じた生成物を抽出することが出来るようにし、一方亜鉛フェライトの形で鉄と結合した亜鉛は浸出されなかった。この方法は85〜90%に亜鉛回収率を上げ、17〜20%の亜鉛含有量を有する亜鉛フェライトが濃縮された残留物を残す。
文献ES 34601、ES 385575、およびNO 108047に記載されるように、1965年にジャロサイト法として知られる方法が、産業レベルで使われ始めた。この方法の実行は、90%を超える水準の亜鉛の回収率をうまく増加させるのに重要な工程であった。中性浸出に加えて、この方法は2つ以上の酸性浸出の工程も必要とし、亜鉛フェライトに含まれる亜鉛および鉄の可溶化が硫酸亜鉛(ZnSO)および硫酸鉄(Fe(SO)を作り出し、一方同時に焼鉱内に存在する鉛および銀を含む残留物を分離することを可能とする。その後、硫酸型のFe+++を含み、かつ溶液内のFe+++を維持するのに必要な余剰の酸性度(residual acidity)を有するこの溶液は、例えば、Na、KまたはNH のようなカチオンの存在化で、焼鉱で処理され、基本的な硫酸塩はMe(SOFe(OH)の化学式を有し、Meは上述したカチオンの1つとなり得る。その後で、ジャロサイト(または鉄明礬石、jarosite)の酸洗浄工程を取り込むことで、回収率を97%まで増加する事を可能とした。この方法は効率的で、その運転費用は非常に競争力がある。
ジャロサイト法の変化(variation)は、文献CA 1094819で記載される変換過程(または変換プロセス、the conversion process)として知られるものである。この方法は、フェライトの浸出とジャロサイトとしての鉄の沈殿(または析出、precipitation)との両方が同時に行われるという点で上述の方法と異なるが、この方法では鉛−銀残留物を分離することが不可能であり、すなわち終了時にジャロサイトの形態の全ての鉄を含む単一の残留物を得ること、同様に焼鉱に含まれる鉛、銀およびシリカを得ることは不可能である。
ジャロサイト法の別の変化は、文献US 4305914(1981年12月15日)に記載される。それは、酸性浸出工程から得られ、溶液内にFe+++を含む溶液が冷却され、その後存在する酸性度が部分的に中和され、Na、K、またはNH のようなカチオンの存在化でジャロサイトを沈殿させるように溶液が再加熱され、その後ジャロサイトとして存在する鉄が沈殿することにより生じる、沈殿工程を避けるほど高い酸性を防ぐように硫酸亜鉛溶液で希釈する、手順である。この順番は焼鉱で中和する必要性を取り除き、低含有量の重金属を有するジャロサイトの残留物を得る。それにもかかわらずこの方法はコスト面が効率的でなく、そのため産業レベルで発展することはなかった。
ジャロサイト法から数年後に発達した、ゲータイト法(goethite process)として知られる別の方法が、文献CA 873262に記載される。ジャロサイト法の場合のように、この方法は中性浸出工程と、逆の働きをする1つ以上の酸性浸出工程とを必要とし、フェライトが浸出され、同時に鉛−銀の残留物を分離することが可能である。酸性浸出から得られる溶液は、第二鉄(Fe+++)を第一鉄(Fe++)に変換するように、亜鉛精鉱で処理される。この後に、存在する酸の一部が焼鉱で中和される事前の中和工程が続き、その後のゲータイト(FeO(OH))をもたらす鉄酸化および沈殿工程が続き、ゲータイトの形成で生じた酸性を中和するように焼鉱も用いられ、Fe++をFe+++に酸化するように酸素が使用される。この方法は、得られる残留物の鉄の含有量が通常は28%〜32%であるジャロサイト法で得られる割合と比べて、30%〜40%と、鉄が幾分か多い残留物を作る。しかし、この方法での亜鉛の回収率は、ジャロサイト法で得られる回収率よりも低い。ジャロサイト方法でもたらされる残留物内に含まれる通常の最終的な亜鉛の含有量は3〜4%の亜鉛であるが、ゲータイト法からもたらされる最終的な残留物は、8〜10%までの亜鉛を含む。
パラゲータイト(paragoethite)を用いるゲータイト法の変化は、上述と似ている結果をもたらす。
最近では、従来の(RLE)方法と精鉱の直接浸出を組み合わせたいくつかの数の電気亜鉛プラントがある。これらのプラントでは、鉄(大抵の場合はジャロサイトの形態)、ならびに、直接浸出方法の間に発生する硫黄元素に加えて、処置された原材料に含まれる鉛、銀およびシリカを含む最終的な残留物を生じるのが普通である。
この方法の主な欠点は、以下に要約することができる。
・亜鉛の回収率は、許容できる最良の場合でも97%を超えず、これらの方法を用いるプラントの大多数では、全体的に94〜96.5%の回収範囲である。
・鉛−銀の残留物によって回収される鉛および銀の割合は、焼鉱に含まれるこれらの金属の総量の概して60−70%を超えず、これらのプラントの多くではこれらの金属の回収率はしばしば約50%である。残留内容物は、鉄残留物と共に失われ、従ってその品質を落とす。
・鉄の残留物は相当の量の銅金属を含むので、銅の回収率は80%を超えない。
・付随する鉄残留物、ジャロサイト、ゲータイトまたはパラゲータイト(亜鉛精鉱が相当の含有量の次の元素で処理される時に、ヒ素および/または銅と同様に、既に上述した亜鉛および鉛も)の量は、残留物がいかなる他の方法にも使用することができず、安全な池(safety pond)で保存されなければならず、主な環境的債務となることを意味する。ジャロサイトの場合、環境規制が、亜鉛製造方法により発生するその形態で保管することを許さず、従って安全な池に保管することが出来る前に、まず石灰およびセメントと混合することにより不活性な状態にされなければならない(ジャロフィックス法)。
・現在は、いくつかの国は残留物のような類の保管の慣行を既に禁止おり、(オランダ、日本、オーストラリア)、一方で別の国の群では既存の池に保管することを許可しているものの、もはや新しい貯蔵池の建設を許可していない(フランス、ベルギー、ドイツ)。環境的な圧力が進み、電気亜鉛の製造のための洗浄剤および、より効率的な技術を要求するにつれて、この状況はより制限的になっている。
その結果、この分野において適用することを意図した任意の新技術は、競争力のあるコストで最大の金属回収率を可能にし、環境的に受け入れられ、他の工業方法において都合よく順に使用することが出来る残留物のみを生じなければならず、上述の通り、もはやいくつかの国では許可されていない溶液および遠くない将来他の国において禁止されるであろうと推定される溶液の永久保存の必要性を取り除かなければならないであろう。この点で、最近の30年間で亜鉛の製造の分野において、扱いやすく経済的な競争力がある高い回収率を有する方法を探す徹底的な研究活動が今日まで行われてきたが、満足のいく解決法は見つからなかった。引用することが出来るこれらの活動についての多くの実施例の1つは、文献US 第4,305,914号に記載される。記載される方法は、ジャロサイトをより簡単に市場に出せるようにするために、非鉄金属の含有量の低いジャロサイトの沈殿を得ようと試みている。
鉄がジャロサイトとして沈殿するために中和剤を必要としないので、文献 WO 02/46481 A1は、上述した条件を満たすように見える手順を記載している。中性浸出に加えて、亜鉛精鉱の存在下でFe+++がFe++に還元される還元工程へと続く1つまたは複数の酸性浸出工程および溶液内に存在する酸を部分的または全体的に中和するように焼鉱が使用される中和工程を必要とするので、この手順はゲータイト製造ラインに続く。最終的に、ゲータイトとしての鉄の沈殿をもたらす方法を続ける代わりに、ナトリウム、カリウムまたはアンモニウムのイオンの存在下で酸素の注入を用いることでジャロサイトが沈殿し、同様に溶液の沸点に近い温度状態下においてジャロサイトの固体の著しい再循環が起こる。しかし、この手順はおそらく工業方法に適用することが出来なかった理由であろう一連の難しさを示す。実に、ジャロサイト工程の間、作用する酸性度がジャロサイトとして沈殿する鉄の量に依存することは明らかであり、従ってこの工程の開始時の鉄濃度が大きければ、より多くの鉄が沈殿し、その後に鉄が沈殿する最終的な酸性度がより大きくなる。高い酸性度レベルで作用する、許容できる鉄の沈殿率を達成するために、その一方では作用する温度を沸点に近い温度を上げることが必要不可欠である。オートクレーブを使用しない限り、これは人と設備にとって容認できない危険を伴う。その一方、同文献で示される実施例に示すように、かなりの量のジャロサイトの種(seed)を再利用することは必要不可欠であり(文献は、ジャロサイト濃縮槽(または濃縮装置、thickener)からの底流を再利用することにより実行されなければならないことを言及していないが)、この工程においてそのフローおよび固体の割合も著しく増加させることを必要とする(同文献に示す実施例に係り、この工程の間循環流は高含量の浮遊固体を備える100%を超えて増加しなければならない)。要求される運転条件から生じる結果は、蒸気の高消費、必要な設備容量の増加および凝集剤の消費量の多量の増加である。
これまでに達成された失敗の証明は、赤鉄鉱(またはヘマタイト、hematite)を生じるプラントおよび残留物の処理のために乾式製錬方法を使用するプラントを例外として、鉄の残留物の品質を向上するように試みたこれらの方法が今日使用されておらず、この残留物が安全性のある池に保存され続けることである。
特許出願PCT ES 2011/070265には、文献WO 02/46481 A1に記載される手段と似ている手段が記載されている。この文献に記載される方法により提供される基本的な違いは、最大の作用する酸性度が制限を受け、それによりプラントにおけるそれらの材料の利用可能性に従い、最初の溶液の許容できる鉄含有量を制限し、汚染のない中和剤を用いる。これはジャロサイトの沈殿工程が、いかなるジャロサイトの種の再利用も必要とせず、低い酸性度および温度で行われることを可能とする。この手順はよく作用し、低い鉄含有量(5または6%まで)を有する亜鉛精鉱で動作するそれらのプラントに適しているが、その手順自体が鉄の酸化およびジャロサイト沈殿工程の間に処理される溶液内の最大の鉄含有量を制限するので、高い鉄含有量を有する亜鉛精鉱を処理するのにはふさわしくない。これは、鉄が最も豊富である、高い不純物割合を有する傾向がある現段階では適切である、今日では、8〜12%の鉄を含む亜鉛の精鉱を市場で見つけることはとても日常的である。日常的な実務において、これは以下のとおりに変わる。すなわち、平均で5%の鉄の濃度を備える亜鉛精鉱で作動するプラントは、酸性浸出工程で18から20g/lの範囲の鉄を含む溶液を作り出す。それらが平均で9%の鉄含有量を含む亜鉛精鉱で作動する場合、酸性浸出工程の後の鉄の含有量は30〜32g/lである。一方、最初のケースでは、文献PCT ES 2011/070265に示される手順はいかなる問題も無く適用することが出来、2番目のケースでは、その手順を適用することはジャロサイト工程の間に過剰に高い酸性を生じ、鉄が効果的に沈殿することを避け、最終的な溶液内にかなりの量の鉄を残す。本明細書で後に記載するように、製造プラントにおいて通常は利用されない多量の中和剤が使用されない限り、これは全ての浸出工程を通して多大な量の鉄の再循環を要求し、また中和剤としてBZSを使用することに由来する追加的な費用および追加的な問題を生じ、ジャロサイトの残留物を希釈する(従ってその体積を増加する)ので、経済的な見地から薦められない状態である。これが、記載される手順が、酸性浸出工程で生じる溶液内の鉄の含有量を、最大で25g/lまでに制限する理由である。この状態は、記載される手順に従って、取り扱われる亜鉛精鉱の鉄の含有量を制限することによってのみ達成され、市場で入手可能な精鉱を取り扱う能力がこの状態によって制限されるように見込まれる、亜鉛の生産者の大部分にとっての不都合を伴う。
業界で既知であるように、RLEシステム(今日では非常にしばしば利用されるシステム)で作動するプラントは、焙焼過程の間蒸気を生じる。この蒸気は、後にいくつかの浸出および精製工程の間に処理される溶液を加熱するのに使用される。ジャロサイト法を用いるそれらのプラントの消費の最も重要な点は、酸性浸出、ジャロサイト沈殿および熱精製の工程である。より多くの蒸気が必要とされる場合、発生のための費用は実質的に運転費用を増加するため、利用出来る蒸気を思慮深く取り扱うことは、方法の経済的な観点から重要である。従って、異なる浸出工程の間で過剰な流れおよび/または温度は避けられるべきであり、プラントは焙焼過程の間に発生する蒸気を用いることにより、自給することが出来る。
鉄の一部が常に沈殿しないままであるため、大気圧の状態下でジャロサイトとして鉄を沈殿することが不十分な方法であることは、当技術分野ではよく知られている。さらに、Fe+++に酸化されない限り、沈殿しないFe++が存在することを考慮に入れるべきである。実際に、一方では酸性媒体中のFe++のFe+++への酸化が不十分であり、ジャロサイトはFe+++からのみ作られるためFe++の酸化されていない部分が溶液内に残り、その一方では溶液内に存在するFe+++が、いくつかの運転パラメータ(例えば、酸性度、温度、滞留時間およびジャロサイトを形成するのに使用されるNa、KまたはNH イオンの濃度)次第でジャロサイトとして部分的に沈殿する。特許文献WO 02/46481 A1で主張されるように、ジャロサイト種の存在、すなわちジャロサイト濃縮槽の底流の再利用も、沈殿するFe+++の割合に影響を及ぼす。ジャロサイトとして沈殿しない鉄は中性浸出工程に移動し、鉄の酸化およびジャロサイトの沈殿工程に最終的に到達するまで、浸出方法の全工程を通じて再び繰り返す。この工程の結果は全工程での流量の増加であり、より多くの鉄が再循環すると、流量はより多くなる。これは概して方法の安定性に影響を及ぼすかもしれないが、酸性浸出およびジャロサイト沈殿工程の間、まず溶液を加熱するように蒸気が消費され、これらの工程の流量がより大きければ、必要とされる蒸気の量はより多くなるためである。現在では、浸出プラントの安定性を維持することの難しさに直面しているジャロサイト方法を用いるいくつかの電気亜鉛プラントがあるが、この方法で再利用される鉄は約50%であるような方法で運転されるためである。従って、鉄がジャロサイトとして沈殿するいかなる方法の目的は、過度な鉄の再循環を最小にするように可能な限り沈殿が完全でなければならない。
それ故に本発明の目的は、高い金属回収率を実現することが出来る、高い鉄の含有量を有する硫化亜鉛精鉱から硫黄媒体内の亜鉛を回収するための湿式製錬法を提供することである。
本発明の別の目的は、他の工業過程に利用することもできる環境的に許容できる鉄の残留物が得られ、安全性のある池に貯蔵されることを避ける、高い鉄の含有量を有する硫化亜鉛精鉱から硫黄媒体内の亜鉛を回収するための湿式製錬法を提供することである。
本発明の別の目的は、運転費用を最小にするように電気亜鉛プラントにおいて行われる焙焼過程の間に発生するエネルギー資源を効率的に管理する、高い鉄の含有量を有する硫化亜鉛精鉱から硫黄媒体内の亜鉛を回収するための湿式製錬法を提供することである。
本発明の別の目的は、電気亜鉛プラントにおいて安定的で効率的な運転を提供するように様々な浸出工程を通じて鉄の再循環を低減することが出来る、高い鉄の含有量を有する硫化亜鉛精鉱から硫黄媒体内の亜鉛を回収するための湿式製錬法を提供することである。
本発明は、競争価格、高い金属回収率、他の工業過程で再利用することが出来る他の物質が入っていない残留物を発生すること、プラントで利用可能な(かつ、方法自体から発生する)エネルギー資源を効率的に処理することおよび、浸出工程を通じた鉄の低い再循環を特徴とする方法を提供することにより、既存の技術に置き換えることを意図する最新技術となる前述の要求に適合する。
この方法はFe+++を基礎とし、酸性浸出工程でもたらされる溶液内でまずFe++に還元され、その後溶液内の酸が焼鉱によって中和された後、適切な温度でジャロサイトとして沈殿する前にFe+++に酸化され直し、一方同時にそれを酸化しジャロサイトとして沈殿させる前に、硫酸亜鉛で希釈することにより溶液内の鉄含有量が調整され、そのようにして鉄の酸化とジャロサイトの沈殿の工程の間、作用する酸性度は効率的な方法で、鉄がジャロサイトとして沈殿するのに十分に弱くなることができ、これは前記工程、とりわけ高容量の蒸気が消費される酸性浸出工程の機能と適切な操作を変更しながらも、そのようにして浸出工程を通じた過度の鉄の再循環を防止する。この手順は、一方では、ジャロサイト工程へ進む前に溶液内でFeを付随する酸を中和することを可能とし、中和反応の間に生じる固体を分離し、そのようにして酸性浸出工程に再循環されることができ、一方では鉄の酸化およびジャロサイトの沈殿の実際の工程の間、中和する元素、すなわち酸素が追加される。酸素がFe++をFe+++に酸化するとき、ジャロサイトの沈殿の間に生じる十分な量の酸を消費し、ジャロサイト工程が許容できる酸性度の状況下で機能させることができ、効果的に鉄の再循環を約10〜20%に下げる。これは、浸出プラントで実行される残りの工程の性能を大幅に向上させる。同時に、酸性度の低い状態での鉄の酸化およびジャロサイトの沈殿工程の間の働きは、方法が通常要求されるよりも低い温度で完全に機能することを可能にし、そのようにして、ほとんどの場合、溶液がこの工程に入る温度(通常は80〜90°C)で十分に反応を開始することができ、温度を上昇するように蒸気を消費する必要性を排除する。
本発明は、高い鉄の含有量を有する硫化亜鉛精鉱から硫黄媒体内の亜鉛を回収するための湿式製錬法を記載し、最も一般的なシナリオで次の工程を含む。
a.硫化物を酸化物に転換する焙焼工程。
b.精製工程へ送られる硫酸亜鉛溶液を得るために、亜鉛酸化物(焼鉱)が使用後電解液(または使用済み電解液、spent electrolyte)の形態の硫酸内に溶解する中性浸出工程。
c.精鉱に存在する鉛、銀および金を含む残留物、ならびに硫酸亜鉛および硫酸第二鉄の富化溶液を生じる、使用後電解液の形態の硫酸および濃硫酸を用いて亜鉛フェライトを浸出する酸性浸出工程。
d.工程(f)でもたらされる固体を含まない硫酸亜鉛溶液を再循環し、亜鉛精鉱を追加することで溶液に含まれるFe+++をFe++に還元することにより、工程(c)からもたらされる溶液の鉄の含有量を調整する工程であって、反応(5)に従い形成された元素の硫黄と反応しなかった硫化亜鉛を含む残留物が焙焼炉を通じて再循環され、一方で硫酸亜鉛と硫酸第一鉄を主に含む溶液が工程(e)へ向かう工程。
e.Fe+++がFe++に還元される工程でもたらされる溶液内の酸性を焼鉱で中和する工程。
f.80°Cから溶液の沸点の間の温度において、好ましくは80°Cから90°Cの間の温度において、酸素または酸素富化空気を注入し、Na、KもしくはNH のアルカリ型のカチオンまたはそれらのカチオンのいずれかの塩を追加することにより、工程(e)から生じた、汚染する固体を含まない溶液から、鉄を酸化しジャロサイトを沈殿する工程。
高い基準のヒ素および銅を含む精鉱を処理する時、循環(in the circuit)で蓄積するこれらの要素を分離し、かつ非常に困難な方法を避けるように、中和工程(e)の後に個別の工程が方法に追加することが出来る。
ジャロサイトの沈殿方法に影響を及ぼす上述の全ての変数の中で、酸性度が最も決定的な影響力を有し、他の全ての変数は操作範囲内に維持される場合、最終的な酸性度がより強ければ、再循環される鉄の量がより多くなる。逆に、機能する酸性度がより弱ければ、鉄がジャロサイトに沈殿する効率がより大きくなる。酸性度が10g/lより低く保たれる時、Fe+++がジャロサイトとして沈殿する間の方法は、残りの浸出工程において問題を引き起こさないように十分に完全であることが、経験により実証される。この最終的な酸性度レベルは、実際のジャロサイト工程の間に、Fe++をFe+++に酸化するのに用いられる酸素以外のいかなる中和剤を添加することなく、適度な温度(80〜90°C)で15g/lのFe++を含む溶液を処理することにより成し遂げられ、後で他の方法において使用されるのを避ける不純物を含まないきれいなジャロサイトの残留物を得て、その結果安全性のある池に保管する必要がなくなる。明らかに、NaイオンまたはNH イオンのいずれかの必要量は、NaOH、NaCOまたはNHのような中和剤の形態で方法に添加することができる。これは作動状態を、ジャロサイト工程における鉄の沈殿が最良の結果を得るのに適した状態にする。鉄の沈殿方法はより高温、すなわち約95°Cにおいて好まれることは明らかであるが、この特殊な例においてはプラントが余剰蒸気を有する時にのみ適用される。
本文書に記載される革新的な手段は、再循環溶液は鉄を含まず、または低い鉄含有量を有しているため、鉄の酸化およびジャロサイトの沈殿の工程(f)の開始時に最適なFe++濃度を得ることを可能とし、この工程の終わりに達する最終的な酸性状態を効率的な鉄の沈殿にとって理想的なものとし、浸出工程の全体を通じて鉄を再利用(または再循環、recycle)させる不要な必要性を除去する。溶液の再循環は、以下に記載する異なる方法で実行することができる。
1.工程(b)、すなわち中性浸出から生じた硫酸亜鉛溶液を、鉄の酸化およびジャロサイトの沈殿の工程(f)に再利用すること。これは最も好ましくない選択である。なぜなら、残りの浸出工程に再循環されるジャロサイト工程の間に沈殿しなかった鉄(酸性浸出工程の間に生じる標準流量(nominal flow)に対応する)に加えて、この工程で再利用されたオーバーフロー内に含まれる沈殿しなかった鉄も再循環されるからである。
2.工程(f)から工程(e)(焼鉱での中和工程)に、低い鉄含有量を有する硫酸亜鉛溶液を再利用すること。ジャロサイト工程を通じて再利用される過剰な流量内にFe+++として存在する鉄もまた再循環されるが、これは許容できる選択である。
3.工程(f)から工程(d)(Fe+++の還元工程)に、低い鉄含有量を有する硫酸亜鉛溶液を再利用すること。中性浸出および酸性浸出工程を通じて溶液の再利用は鉄の再循環の増加を伴わないので、これは好ましい選択である。
4.工程(f)から、存在する固体が分離された後、Fe++がFe+++に酸化され、かつジャロサイトが沈殿する同じ工程(f)に、低い鉄含有量を有する硫酸亜鉛溶液を再利用すること。工程(f)以外の工程を通じて再利用する付加的な鉄はないが、この工程(f)において最終的な酸性度を維持するように、鉄がジャロサイトとして効率的に沈殿するのに必要な限度内で溶液の再利用から生じるフローはとても大きくなければならないので、これはより好ましくない選択である。
実際には、溶液内のFe+++を保つのに必要とされるある程度の酸性度(10〜70g/l)と同様に、第二鉄の形態の鉄の大部分を含む(通常は10〜35g/lの鉄で、1〜2g/lだけがFe++として存在し、残りはFe+++として存在する)酸性の工程で生じる溶液は、Fe+++をFe++に変換するように初めに亜鉛精鉱で処理される。後の工程において、酸性は焼鉱で中和され、汚染する固体(contaminating solid)を含まず、主として硫酸亜鉛と硫酸第一鉄を含む中性溶液を得る。最終的に、酸素が注入され、アルカリ(NaOH、NaCO、NH)または塩[NaSO、(NHSO]が、アルカリまたは塩のどちらが個々に(respectively)に添加されるかに応じて、反応(8)または(9)により指示された化学量論に従い沈殿した鉄の量に基づくジャロサイトを形成するのに必要な量が添加される時に、Fe++のFe+++への酸化とジャロサイトの沈殿が同時に起こる。工程(f)は、生じた酸性浸出溶液が15g/lを超える鉄を含む時は、適切に再利用すること(すなわち選択1に係る工程(b)における工程(f)への溶液、選択2に係る工程(f)から工程(e)への溶液、選択3にかかる工程(f)から工程(d)への溶液、または選択4にかかる工程(f)から同じ工程(f)への溶液)により鉄の含有量が前もって所望の値に調整されていた時のみ正確に機能する。
本文書で記載される新しい方法は、前述の全ての問題について満足のいく解決法を提供し、以下の目的を果たす。すなわち、
・その鉄の含有量に関わらず、いかなる種類の亜鉛精鉱も処理することを可能とする。
・亜鉛、鉛、銀および金の高い回収率を達成し、これらの金属のそれぞれについて約99%を超え、文献WO 02/46481 A1とPCT ES 2011/070265において記載される方法を除いて、いかなる既存の方法によっても以前に達成されなかったものである。銅の回収は90%を優に上回る。
・通常の状況下では、ジャロサイト沈殿工程(f)において蒸気を消費することは必要がなく、蒸気が必要とされた場合には最小の量となるので、既存のエネルギー資源を効率的に管理することを可能とする。
・方法における鉄の再循環は10〜20%に下げられ、割合は鉄がジャロサイトとして沈殿する他の方法よりも著しく低く、浸出工程、主に酸性浸出工程の操作性を向上させる。
・操業コストは好意的には、今までで最も安価なジャロサイト法に匹敵する。
・既存の亜鉛プラントは、新しい方法に適応するように容易に改良することが出来、短い期間でこの新しい方法を使い始めることが出来る。
・方法内に存在する有価金属の高い回収率および原材料高に起因して、既存の亜鉛の残留物のいくつかの貯蔵池を処理し、経済的利益を得て、一方では過去の工業的実施から生じた環境賠償責任を除去することが可能である。
・最後に、かつ最も重要なことに、方法は例えばセメント製造のような他の工業方法での使用を不可能とするいかなる不純物も含まないきれいなジャロサイトの残留物を発生し、プラントは亜鉛プラント内で発生するジャロサイトを処理する十分な能力を有する。さらに、これはこれまで習慣的に電気亜鉛を製造するのに用いられた湿式製錬法を妨害する最大の障害であった環境的賠償責任を除去する。あるいは、ジャロサイトの沈殿のためのNH イオンの使用は、硫酸アンモニウムおよび酸化鉄(両方の生成物とも商業的価値を有し、かつ容易に商業化される)を作るように熱的にジャロサイトを分解することを可能にする。
図1は本発明にかかる方法のフロー図を示し、ジャロサイトの工程(f)で生じる溶液の一部は、溶液内の鉄の含有量を所望の値に調整するように要求される割合で還元工程(d)に再利用される。 図2は本発明にかかる方法のフロー図を示し、ジャロサイトの工程(f)で生じる溶液の一部は、溶液内の鉄の含有量を所望の値に調整するように要求される割合で中和工程(e)に再利用される。 図3は本発明にかかる方法のフロー図を示し、中性浸出工程(b)で生じる溶液の一部は、溶液内の鉄の含有量を所望の値に調整するように要求される割合でジャロサイト工程(f)に再利用される。 図4は本発明にかかる方法のフロー図を示し、ジャロサイトの工程(f)で生じる溶液の一部は、溶液内の鉄の含有量を所望の値に調整するように要求される割合で同じジャロサイト工程(d)に再利用される。
最も一般的な場合において、高い鉄含有量を有する精鉱について、本発明の湿式製錬法は以下の工程を含む(図1に示す)。
a)焙焼された亜鉛精鉱(焼鉱)およびその後硫酸に変換される二酸化硫黄を得るように、硫化亜鉛精鉱を焙焼する工程。焙焼炉内で行われる主要な反応は、
(1)2ZnS+3O=2ZnO+2SO
(2)ZnO+Fe=ZnFe
である。
b)焼鉱が硫酸、具体的には電解槽から戻った使用後電解液で浸出される、中性浸出工程。この工程において、焼鉱に含まれる酸化亜鉛は、使用後電解液によって浸出され、精製工程に移動する硫酸亜鉛溶液を発生し、一方焙焼の工程で発生する不溶性の亜鉛フェライト(Fe・ZnO)はスラリーのままであり、次の工程に移動する。この工程での主要な反応は
(3)ZnO+HSO=ZnSO+H
である。
c)向流(counter-current)において作用する1つまたはいくつかの工程を含み、使用後電解液および硫酸により、80°Cから沸点の範囲の温度状況下で、大気圧で亜鉛フェライトが浸出され、一方で10〜140g/lの範囲に酸性度を維持する酸性浸出工程。この工程(または複数の工程)において、焼鉱に含まれる鉛、銀および金の全てが濃縮される残留物が生じる。この残留物はこれらの金属を回収するように用いられてもよい。得られる溶液は10〜70g/lの酸性度および10〜35g/lのFe+++を含み、次の工程に移動する。この工程で行われる主要な反応は、
(4)Fe・ZnO+4HSO=ZnSO+Fe(SO+4H
である。
d)工程(f)で生じる正確な量の固体のない溶液(ジャロサイト濃縮槽からのオーバーフロー)を再利用することによって工程(c)で生じる溶液内の鉄濃度が約15g/lの値に調整され、一方で前の工程(c)で生じる溶液および工程(f)から再利用する溶液を、大気圧で、亜鉛精鉱によって、80°Cから溶液の沸点の範囲の温度で、処理することにより第二鉄イオンが第一鉄イオンに還元される。この工程での主要な反応は
(5)Fe(SO+ZnS=2FeSO+ZnSO+S
である。
この工程(d)で生じる残留物は、反応(5)に従って形成される元素状の硫黄と未反応の過剰なZnSを含み、焙焼炉に再利用することが出来、一方で溶液は主としてZnSO、FeSO(約15g/lのFe++)、HSOおよび少量のFe(SO(0.5〜1g/lの範囲のFe+++)を含み、次の工程に移動する。
e)前の工程で生じる酸性溶液が、反応(3)に従った焼鉱によって中和され、反応の最後で、実際の反応温度でpH3.8〜5.2を維持する中和工程。
この工程で行われる主要な反応は、
(3)HSO+ZnO=ZnSO+H
(6)Fe(SO+6HO=2Fe(OH)+3HSO
である。
反応(5)に従って工程(d)で作られたFe++形態である溶液内の鉄の大部分は、沈殿せずに溶液内に残り、Fe+++として存在する鉄は、反応(6)に従って水酸化第二鉄として沈殿する。このようにして、この工程で工程(c)および(d)で生じる溶液内に存在する酸性を焼鉱で中和することによって、工程(f)において、鉄を酸化し、ジャロサイトを沈殿するのに焼鉱を使用する必要が除去される。
工程(c)に戻される前にこれらの要素がこの残留物から分離される場合に、処理される精鉱が高濃度のヒ素および/または銅を有さない限りは、この工程からの残留物は酸性浸出工程(c)に戻される。
f)Fe++のFe+++への酸化とジャロサイトの沈殿が同時に行われる、鉄の酸化およびジャロサイト沈殿の工程。これを達成するように、工程(e)で生じる固体のない中和された溶液は、大気圧で、80°Cから90°Cの範囲の温度で処理され、酸素または酸素富化空気(Fe++をFe+++に酸化する方法を容易にするのに必要な量)を注入し、アルカリ(NaOH、NaCOまたはNH)を反応(8)の化学量論に従ってジャロサイトが形成する事ができるように要求される割合で添加する。これらが機能する状況下で、溶液の最終的な酸性度は約6g/lの値を有し、このようにしてFe++のFe+++への酸化とFe+++のジャロサイトとしての効率的な沈殿との両方が、次の反応に従って同時に達成される。
(7)4FeSO+O+2HSO=2Fe(SO+2H
(8)3Fe(SO+2MeOH+10HO=2[Fe(SO(OH)]Me+5HSO
ここでMeはNaまたはNH となり得る。
これらの反応に従って、ジャロサイトとして沈殿するFe+++の1g/lの毎に、1.46g/lの硫酸が発生し、その0.88g/lがFe+++へ酸化されるFe++のg/l毎に対して順に消費される。従って、もたらされる平衡(balance)は、Fe+++へ酸化されジャロサイトとして沈殿するFe++のg/l毎に、溶液の酸性度は0.58g/lずつ増加する。これによると、工程の開始時に15g/lのFe++を含み、工程の終了時に1.5g/lのFe++および1g/lのFe+++を含む溶液は、この工程の最後で6g/lの最大の最終的な酸性度を有し、効率的なジャロサイトの沈殿を達成するのに非常に好ましい状態である。出発溶液は、さらにFe++の濃度を低下するように希釈されてもよく、そのようにしてpH1.5の最終的な溶液を得て、方法の間鉄がより再利用されない状態にする。
上述のようなアルカリを使用する代わりに、ナトリウムまたはアンモニウムの塩(NaSOまたは(NHSO)がジャロサイトの形成に必要とされるカチオンに寄与するように使用される場合、反応(8)は次のとおり置き換えられる。
(9)3Fe(SO+MeSO+12HO=2[Fe(SO(OH)]Me+6HSO
ここでMeは、不明瞭にNaまたはNH となり得る。
この場合、反応(9)に従ってFeのg/l毎に、1.76g/lの硫酸が発生し、一方で反応(7)に従ってFe+++へ酸化されるFe++のg/l毎に、0.88g/lが消費される。従って、もたらされる平衡は、Fe+++へ酸化され、ジャロサイトとして沈殿するFe++のg/l毎に、溶液の酸性度は0.88g/lずつ増加する。これによると、この工程の開始時に15g/lのFe++を含み、同様に工程の終了時に1.5g/lのFe++と1.5g/lのFe+++を含む溶液は、10g/lの最終的な酸を有し、これらは効率的なジャロサイトの沈殿を達成するのに好ましい状態ともなる。このように、中性浸出および酸性浸出の工程を通じて、鉄の再利用は10〜20%まで低下する。
当然ながら、上述されたこの方法を用いて、きれいなジャロサイトを作ることが可能であることに留意すべきである。このジャロサイト内の最大の不純物濃度は、
Zn≦0.25%
Pb≦0.05%
As≦0.10%
Cu≦0.10%
である。
本発明は、汚染する要素(contaminating elements)(例えば、焼鉱があてはまる)を含む恐れがあるいかなる外部の中和剤も必要としない。これにより沈殿方法は、最終的なジャロサイトの残留物を汚染し得る固体が無いきれいな溶液で開始することができる。また、この工程で焼鉱を用いないことにより、有価金属(Zn、Pb、AgおよびAu)の損失が著しく低下しながら、回収率は前述の基準まで増加する。すなわち、浸出工程の全体で、亜鉛の場合は99%を超えて、鉛、銀および金の場合100%まで増加する。
もし、酸素および添加されたアルカリ(この場合NaOHであるが、NaCOまたはNHでもよい)の両方が、汚染生成物(polluting product)ではなく、むしろジャロサイトに取り込まれる要素である場合、最終的なジャロサイトの残留物がきれいな生成物であり、かつそのようなものが他の工業方法(例えば、セメント製造)で使用することが出来ることは明らかである。これは本発明を、既存のジャロサイト、ゲータイト、パラゲータイトまたは直接浸出方法と異なるものとするが、既存の方法はこれらの全てが他の金属(主に亜鉛および鉛および時々銅および/またはヒ素)で汚染されたFe残留物を生じ、これらは後に他の方法で使用することが出来なくし、かつ安全な状態で貯蔵することを要求し、この活動に要求される許可を得ることが困難または不可能であるので、よりますます困難となった慣行である。
さらに、ジャロサイト沈殿工程から焼鉱を除去することにより、浸出工程の間での亜鉛、鉛、銀および金の回収率は99%を超えて増加する。
得られるジャロサイトの残留物は、分離して他の工業方法のために再利用することが可能なきれいな生成物を構成する。この工程で生じる鉄の大部分が沈殿した溶液は、中性浸出工程(b)に戻される。
工程(a)、(b)および(c)は、大多数の工業方法(ジャロサイト、ゲータイト、パラゲータイト)に共通している。工程(d)および(e)はゲータイト法で用いられるが、ジャロサイト法では用いられない。工程(f)は新しい工程である。その革新はこの工程において入ってくる溶液が中性の硫酸亜鉛、および得られる最終的なジャロサイトの沈殿を汚染し得る固体を含まない硫酸第一鉄溶液であり、鉄がジャロサイトとして効率的に沈殿するようにより導電性の、最終的な酸性度を得るように所望の値に調整された鉄含量を有することにある。同じ工程の溶液を再循環することにより作ることが出来る状況(還元工程(d)に入るジャロサイト濃縮槽からの固体のないオーバーフロー)。それは、この工程で添加される試薬(酸素または酸素富化空気、およびアルカリまたはアルカリ塩)が単に反応(7)、(8)を可能にするのに厳密に必要とされるものである、という事実に基づいている。
当然ながら工程(f)は、工程(d)および(e)無しにはこのような方法で実行することができない。酸性浸出工程(c)の間、亜鉛フェライトを浸出して得られる溶解した鉄の大部分はFe+++の形態である。この溶液内の第二鉄を保持するように、溶液内にある程度の酸性度が保持されなければならない。工業方法においては、この酸性度は通常10〜70g/lの間で振動する。後に、工程(d)の間に亜鉛精鉱を添加することによりFe+++がFe++に還元され、そのようにして次の工程(e)において、工程(d)の終了時に溶液内に存在する酸性を中和することが出来る。このようにして、工程(e)において残存する酸性を中和し、かつ工程(f)において反応(7)に従ってFe++がFe+++に酸化されて得られる酸性が消費されることにより、反応(8)または(9)に従ってジャロサイトとして沈殿することができ、全体の方法は協働して、2つの結果を作る。すなわち、非常に優れた金属回収率ときれいな鉄の残留物である。
この手順は、WO 02/46481 A1記載される手順とは異なる。当該文献に記載される手順は実に、ジャロサイトの沈殿が酸性浸出工程で生じる溶液の鉄の含有量に依存する可変の酸性状態で行われる。この鉄の沈殿が最低効率で実行されるために、同じジャロサイトの工程を通じてかなりの量のジャロサイト濃縮槽の底流から得られる固体を再利用することが必要であり、同時に加工温度を溶液の沸点にかなり近づけなければならない。しかし、本文書に記載する手順において、ジャロサイトの固体は再利用されない。還元工程(d)を通じて再利用されるものは、ジャロサイト濃縮槽から得られる固体のない溶液である。また、再利用の目的も、WO 02/46481 A1の文献に記載される目的(ジャロサイトの形態を発生させるために実行する)と十分に異なる。本文書に記載される手順において、再利用の目的は、後にいかなる種類の播種(またはシーディング、seeding)もすることなく、この文書で十分に記載されるような所望の結果を得ることができる低い酸性度の範囲内で、ジャロサイトを沈殿することが出来るように、溶液の鉄の含有量を調整することである。
本手順はまたPCT ES 2011/070265に記載される手順とも異なり、この手順は追加的な中和剤を必要とすることなく酸性浸出工程で生じる溶液内に見られる鉄含有量(20g/lまで)によく作用するが、20g/lを上回る鉄含有量に対して、方法はBZSのような他の不純物を広げない中和剤を要求し、中性および酸性浸出工程において再利用する鉄を大幅に増加することにより25g/lの鉄の最大の鉄含有量を可能にする。それとは逆に、固体のないジャロサイト溶液の使用は、酸性浸出工程で生じる溶液を再利用するので、本文書に記載される手順は、酸性浸出工程で生じる溶液の鉄含有量にいかなる制限ももたらさず、上述のように、ジャロサイト沈殿工程の間最適な酸性度の範囲内でいつも作用し、中性および酸性浸出工程を通じて鉄の再利用を最小にすることが可能である。
確かに本発明は、酸素または酸素富化空気の消費(ジャロサイト法では必要とされなかった工程)に加えて、従来のジャロサイト法で必要であったものと比べてより大きい設備投資を必要とするが、単に得られる金属の回収をより大きくするために増加した費用は正当化される。増加した投資費用に関して、ジャロサイト法またはゲータイト法でのプラント運転については投資の返済は1年未満で行われ、経済的な観点からこの種の計画をとても魅力的なものにする。
直接浸出方法に関して、それらの方法は精鉱の浸出から生じる残留物(ジャロサイトが鉛、銀、浸出されない亜鉛フェライトおよび元素の硫黄と混合される、いかなる商業的価値もない1つの要素で構成される残留物を得る)の存在下で鉄を沈殿させ、または分離工程において大気圧で鉄を沈殿させる。それでも、全ての場合において、文献US 第6,475,450号に記載されるように最終的な鉄の残留物を不純にする中和剤として焼鉱は添加され、またはUS 第5,120,353号に記載されるようにそれらは沈殿物(一般的には赤鉄鉱)を形成するのにオートクレーブを使用するが、これにより方法は非常にコストが高くなり、競争力が無くなる。従って、方法の全ての工程が大気圧で行われるならば、本発明は直接浸出法と、a)最終的なジャロサイト残留物を不純にしない、固体のない溶液を使用する;b)焼鉱を使用せず、Fe++をFe+++に酸化するのに必要である酸素富化空気以外の他のいかなる中和剤またはジャロサイトの沈殿に必要なアルカリも使用しない;およびc)オートクレーブを必要としない;という点で異なる。
以前の産業活動で生じた他の有価金属を不純にする亜鉛残留物を回収するように、必要とされる全てが、既存の工程(c)と平行する工程(c’)を構成し、前記残留物が使用後電解液および硫酸により、鉄、亜鉛および銅を溶解し、一方で鉛、銀および金のような他の有価金属は不溶のままであるように処理される。この工程の残留物は既存の工程(c)の残留物に加えられ、溶液は工程(d)へ進む。

Claims (6)

  1. 少なくとも5重量%の鉄含有量を有する硫化亜鉛精鉱から硫黄媒体中の亜鉛を回収する湿式製錬法であって、前記亜鉛精鉱が
    前記亜鉛精鉱の少なくとも一部を焙焼して、焼鉱を得る工程と、
    酸化亜鉛が溶解する中性浸出工程と、
    亜鉛フェライトが使用後電解液の形態の硫酸と濃硫酸を用いて浸出され、亜鉛と鉄に富んでいる10〜35g/lの範囲のFe+++および10〜70g/lの範囲の硫酸を含んで得られる溶液と、前記亜鉛精鉱に含まれる鉛、銀および金が濃縮された残留物とを発生する酸性浸出工程と、
    )亜鉛精鉱を添加し、かつ硫酸亜鉛溶液で希釈することによって、工程(c)で生じる溶液に含まれるFe+++をFe++に還元し、Fe +++ がFe ++ に還元された溶液を得る工程と、
    工程(d)で生じる溶液の酸性を焼鉱で中和する工程であって、3.8〜5.2の範囲のpHと、F++の濃度とを有する溶液を生じさせる中和工程と、
    酸素または酸素富化空気を注入し、かつアルカリまたはNaもしくはNH の塩を添加することにより、工程(e)で生じる溶液から鉄を酸化し、ジャロサイトを沈殿する工程と、
    を受け、工程(a)を除く全ての工程が大気圧で行われ、
    工程(f)は、如何なるジャロサイトシードも加えることなく、工程(e)で生じる溶液を処理してpH1.5〜pH0.95の範囲の最終的な酸性度を達成することを含み、ここで前記最終的な酸性度は、工程(f)において得られる前記最終的な溶液の一部を、工程(d)において希釈するための硫酸亜鉛溶液として工程(d)に再循環し、かつ工程(f)の間、pH1.5〜pH0.95の範囲の前記最終的な酸性度を伴う運転が可能となるように工程(d)および(e)で生じる溶液のFe ++ 濃度を調整することより得られる、湿式製錬法。
  2. 少なくとも5重量%の鉄含有量を有する硫化亜鉛精鉱から硫黄媒体中の亜鉛を回収する湿式製錬法であって、前記亜鉛精鉱が
    前記亜鉛精鉱の少なくとも一部を焙焼して、焼鉱を得る工程と、
    酸化亜鉛が溶解する中性浸出工程と、
    亜鉛フェライトが使用後電解液の形態の硫酸と濃硫酸を用いて浸出され、亜鉛と鉄に富んでいる10〜35g/lの範囲のFe+++および10〜70g/lの範囲の硫酸を含んで得られる溶液と、前記亜鉛精鉱に含まれる鉛、銀および金が濃縮された残留物とを発生する酸性浸出工程と、
    亜鉛精鉱を添加することにより、工程(c)で生じる溶液に含まれるFe+++をFe++に還元して、Fe +++ がFe ++ に還元された溶液を得る工程と、
    工程(d)で生じる溶液の酸性を焼鉱で中和し硫酸亜鉛溶液で希釈して、3.8〜5.2の範囲のpHとF++の濃度とを有する溶液を得る工程と、
    酸素または酸素富化空気を注入しかつアルカリまたはNaもしくはNH の塩を添加することにより、工程(e)で生じる溶液から鉄を酸化し、ジャロサイトを沈殿する工程と、
    を受け、工程(a)を除く全ての工程が大気圧で行われ、
    工程(f)は、如何なるジャロサイトシードも加えることなく、工程(e)で生じる溶液を処理してpH1.5〜pH0.95の範囲の最終的な酸性度を達成することを含み、ここで前記最終的な酸性度は、工程(f)において得られる前記最終的な溶液の一部を、工程(e)において希釈するための硫酸亜鉛溶液として工程(e)に再循環し、かつ工程(f)の間、pH1.5〜pH0.95の範囲の前記最終的な酸性度を伴う運転が可能となるように工程(e)において溶液のFe ++ 濃度を調整することより得られる、湿式製錬法。
  3. 少なくとも5重量%の鉄含有量を有する硫化亜鉛精鉱から硫黄媒体中の亜鉛を回収する湿式製錬法であって、前記亜鉛精鉱が
    前記亜鉛精鉱の少なくとも一部を焙焼して、焼鉱を得る工程と、
    酸化亜鉛が溶解する中性浸出工程と、
    亜鉛フェライトが使用後電解液の形態の硫酸と濃硫酸を用いて浸出され、亜鉛と鉄に富んでいる10〜35g/lの範囲のFe+++および10〜70g/lの範囲の硫酸を含んで得られる溶液と、前記亜鉛精鉱に含まれる鉛、銀および金が濃縮された残留物とを発生する酸性浸出工程と、
    亜鉛精鉱を添加することにより、工程(c)で生じる溶液に含まれるFe+++をFe++に還元して、Fe +++ がFe ++ に還元された溶液を得る工程と、
    工程(d)で生じる溶液の酸性を焼鉱で中和して、3.8〜5.2の範囲のpHを有する溶液を得る工程と、
    )酸素または酸素富化空気を注入し、かつアルカリまたはNaもしくはNH の塩を添加することにより、工程(e)で生じる溶液から鉄を酸化し、ジャロサイトを沈殿する工程と、
    を受け、工程(a)を除く全ての工程が大気圧で行われ、
    工程(f)は、如何なるジャロサイトシードも加えることなく、工程(e)で生じる溶液を処理してpH1.5〜pH0.95の範囲の最終的な酸性度を達成することを含み、ここで前記最終的な酸性度は、工程(f)における前記溶液を、工程(b)から生じる硫酸亜鉛で希釈して、pH1.5〜pH0.95の範囲の前記最終的な酸性度を伴う運転が可能となるようなFe ++ 濃度を達成することより得られる、湿式製錬法。
  4. 少なくとも5重量%の鉄含有量を有する硫化亜鉛精鉱から硫黄媒体中の亜鉛を回収する湿式製錬法であって、前記亜鉛精鉱が
    前記亜鉛精鉱の少なくとも一部を焙焼して、焼鉱を得る工程と、
    酸化亜鉛が溶解する中性浸出工程と、
    亜鉛フェライトが使用後の電解液の形態の硫酸と濃硫酸を用いて浸出され、亜鉛と鉄に富んでいる10〜35g/lの範囲のFe+++および10〜70g/lの範囲の硫酸を含んで得られる溶液と、前記亜鉛精鉱に含まれる鉛、銀および金が濃縮された残留物とを発生する酸性浸出工程と、
    亜鉛精鉱を添加することにより、工程(c)で生じる溶液に含まれるFe+++をFe++に還元して、Fe +++ がFe ++ に還元された溶液を得る工程と、
    工程(d)で生じる溶液の酸性を焼鉱で中和して、3.8〜5.2の範囲のpHを有する溶液を得る工程と、
    )酸素または酸素富化空気を注入し、かつアルカリまたはNaもしくはNH の塩を添加することによって、工程(e)で生じる溶液から、鉄を酸化し、ジャロサイトを沈殿する工程と、
    を受け、工程(a)を除く全ての工程が大気圧で行われ、
    工程(f)は、如何なるジャロサイトシードも加えることなく、工程(e)で生じる溶液を処理してpH1.5〜pH0.95の範囲の最終的な酸性度を達成することを含み、ここで前記最終的な酸性度は、工程(f)における前記溶液を、工程(f)から生じる硫酸亜鉛溶液で希釈して、pH1.5〜pH0.95の範囲の前記最終的な酸性度を伴う運転が可能となるようなFe ++ 濃度を達成することより得られる、湿式製錬法。
  5. 工程(f)の間、溶液内のFe++の含有量が2g/lよりも低く低下するまで、溶液内に存在するFe++をFe+++に酸化するのに必要な量の酸素または酸素富化空気が注入されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載される方法。
  6. 工程(f)の間、温度が80〜90°Cの範囲で保持されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載される方法。
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