JP6071362B2 - 車両用エンジンのオイル循環構造 - Google Patents

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本発明は、車両用エンジンのオイル循環構造に関する。
従来、車両用エンジンのオイル循環構造として、例えば特許文献1や特許文献2に開示されるような構造のものがある。
特許文献1に開示されるオイル循環構造は、水平対向型エンジン或いはV型エンジンであって、エンジン本体の左右のバンクに設ける動弁室に配置されたカム軸をクランク軸に同期させて回転駆動するタイミングチェーンを収容するチェーン室と、エンジン本体の底部に設けたオイル貯留部となるオイルパンとを備え、動弁室とオイルパンとをエンジン本体の下部に形成したオイル戻し通路を介して連通すると共に、チェーン室を介して連通する。
この場合、オイルパンに貯留されたオイルをオイルポンプよりエンジン本体に形成したオイルギャラリ等を介して各動弁室に供給して動弁機構を潤滑する。この動弁室内を潤滑したオイルはオイル戻し通路及びチェーン室を介してオイルパンに戻される。
一方、車両用エンジンにターボ過給機を配設することがある。この種のターボ過給機は、例えば、タービン室内のタービンホイールとコンプレッサ室内のコンプレッサホイールとがセンターハウジング内にて回転自在に支持されたタービン軸によって連結される。そして、エンジンの排気によってタービンホイールを回転させることでタービン軸を介してコンプレッサホイールを回転させ、回転するコンプレッサホイールによって吸気を圧縮してエンジンに過給する。
このターボ過給機のタービン軸は、高速で回転して高温になるため、タービン軸を支持する軸受け部を十分に潤滑及び冷却する必要がある。このためターボ過給機を潤滑及び冷却するオイルは、オイルポンプから吐出されたオイルの一部を流用し、このターボ過給機を潤滑及び冷却したオイルは、オイルパンに順次戻される。
このようなターボ過給機を水平対向型エンジンやV型エンジンに搭載する場合、特許文献2に開示されるように、車体重心位置を低くして走行安定性を確保するために、エンジン本体の下面に配置することがある。ターボ過給機をエンジン本体の下面に配置すると、ターボ過給機がオイルパンと同じ高さか、それよりも低い位置になる。
このため、ターボ過給機を潤滑及び冷却したオイルを、ターボ過給機の下部に配置したキャッチタンクに回収し、キャッチタンクに回収されたオイルをスカベンジポンプによって吸い上げてオイルパン側へ戻すようにしている。
特開2001−115813号公報 特開2003−343274号公報
上記特許文献1によると、エンジン本体に形成したオイル戻し通路に加え、チェーン室をオイル戻し通路として利用することでオイル戻りが向上する。しかし、水平対向型エンジンやV型エンジンにあっては、オイルパンと動弁室との高低差が比較的小さく、この種のエンジンを搭載した車両が旋回走行した際に、横加速度(横G)によってオイルパン側のオイルがオイル戻し通路やチェーン室を経由して旋回方向と反対側の動弁室に流動して偏在した状態で滞留することがある。
このオイルの偏在により、相対的にオイルパン側のオイルが減少してオイルポンプにエア吸い込みが発生して潤滑効率の低下が懸念される。この対策として、オイルの定格容量を増加させると、オイルパンの容量増加に伴いエンジンの大型化や重量増加を招き、燃費低下の要因となる。
上記特許文献2によると、ターボ過給機を潤滑及び冷却したオイルが、ターボ過給機の下部に配置したキャッチタンクに回収され、キャッチタンク内のオイルをスカベンジポンプによって吸い上げてオイルパン側へ戻すことによって、円滑なターボ過給機の潤滑及び冷却が確保できる。
しかし、このターボ過給機が配置される水平対向型エンジンやV型エンジンにあっても、特許文献1と同様に車両が旋回走行した際に、横加速度によってオイルパンのオイルが片側の動弁室側に流動して偏在した状態で滞留し、相対的にオイルパンのオイルが減少してオイルポンプにエア吸い込みが発生することが懸念される。
一方、キャッチタンク内のオイルが過剰になると、ターボ過給機からのオイル及びターボブローバイガスの排出が妨げられて、ターボ過給機の潤滑及び冷却不良の要因となり、かつ排気白煙の発生を招くことが懸念されることから、一般にターボ過給機からキャッチタンク内に落下して回収されるオイル量に対してスカベンジポンプによる吸上げ可能なオイル量を多く設定している。
発明者は、このターボ過給機からキャッチタンク内に落下するオイル量に対してスカベンジポンプによる吸い上げ可能なオイル量を大きく設定することで、スカベンジポンプのオイル吸い上げ可能な容量に余力があることに着目し、スカベンジポンプを有効活用することで効率的に動弁室側からオイルパンにオイルを戻すことを見出した。
従って、かかる点に鑑みなされた本発明の目的は、スカベンジポンプを有効的に活用することで、横加速度等が作用する状況においてもオイルを効率的に循環させ、かつオイル戻りの悪化を防止するエンジンのオイル循環構造を提供することにある。
上記目的を達成する請求項1に記載の車両用エンジンのオイル循環構造は、エンジン本体の下面に配置されたターボ過給機及び前記エンジン本体に形成された動弁室に、該エンジン本体の下部に設けたオイル貯留部に貯留されたオイルをオイルポンプにより供給して潤滑するエンジンの潤滑構造において、前記ターボ過給機の下方に配設されて該ターボ過給機を潤滑した後のオイルを回収するキャッチタンクと、該キャッチタンクと前記オイル貯留部とを連通する第1のオイル通路と、該第1のオイル通路に配置され、前記キャッチタンクに回収されたオイルを吸引して前記オイル貯留部に送油するスカベンジポンプと、前記動弁室と前記キャッチタンクとを前記ターボ過給機を介さずに直接連通する第2のオイル通路と、を備えた、ことを特徴とする。
これによると、通常走行においてターボ過給機を潤滑及び冷却したオイルをターボ過給機の下部に配置したキャッチタンクに回収し、キャッチタンクに回収したオイルをスカベンジポンプによって吸い上げてオイル貯留部側へ直接戻すことによって、ターボ過給機の潤滑及び冷却が確保できる。
また、旋回走行した際に、その旋回に伴う横加速度(横G)によって動弁室側に偏在して滞留するオイルが増加し、相対的にオイル貯留部側のオイルが減少する。ここで、動弁室とキャッチタンクとの高低差によって動弁室側に滞留するオイルを、オイル通路を介して動弁室側からキャッチタンクに流下して動弁室に滞留するオイルの増加を抑制する。一方、この動弁室側からキャッチタンク内に流下したオイルは、ターボ過給機からキャッチタンクに回収されたオイルと共に、スカベンジポンプによって吸い上げられてオイル貯留部に直接送油されて、オイル貯留部内のオイル量が確保される。
このように旋回走行等において横加速度が作用する状況においても、動弁室に過剰なオイルが滞留することがなくなり、相対的にオイル貯留部内のオイルが確保されてオイルの定格容量を増加させることなくオイルポンプにエア吸い込みの発生が回避され、オイル戻りの悪化による潤滑効率の低下が回避される。
請求項2に記載の車両用エンジンのオイル循環構造は、
左右のバンクを備えたエンジン本体の下面に配置されたターボ過給機及び前記バンクに形成された動弁室に、該エンジン本体の下部に設けられたオイル貯留部に貯留されたオイルをオイルポンプにより供給して潤滑するエンジンの潤滑構造において、前記ターボ過給機の下方に配設されて該ターボ過給機を潤滑した後のオイルを回収するキャッチタンクと、該キャッチタンクと前記オイル貯留部とを連通する第1のオイル通路と、該第1のオイル通路に配置され、前記キャッチタンクに回収されたオイルを吸引して前記オイル貯留部に送油するスカベンジポンプと、前記各動弁室と前記キャッチタンクとを前記ターボ過給機を介さずに直接連通する第2のオイル通路と、を備えた、ことを特徴とする。


これによると、通常走行においてターボ過給機を潤滑及び冷却したオイルを過給機の下部に配置したキャッチタンクに回収し、キャッチタンクに回収したオイルをスカベンジポンプによって吸い上げてオイル貯留部側へ戻すことによって、円滑なターボ過給機の潤滑及び冷却が確保できる。
また、旋回走行した際に、その旋回に伴う横加速度によってオイル貯留部側のオイルが一方側の動弁室側に流動して、この一方側の動弁室内に滞留するオイルが増加し、相対的にオイル貯留部側のオイルが減少する。一方側の動弁室に滞留するオイルは、動弁室とキャッチタンクとの高低差に従ってオイル通路を経てキャッチタンク側に流下して動弁室に滞留するオイルの増加が抑制される。この動弁室側からキャッチタンクに流下したオイルは、ターボ過給機からキャッチタンクに回収されたオイルと共に、スカベンジポンプによって吸い上げられ、かつオイル貯留部内に直接送油される。このように旋回走行等において横加速度が作用する状況においても、動弁室に過剰にオイルが滞留することがなくなり、相対的にオイル貯留部内のオイルが十分に確保されることから、横加速度等が作用する状況においてもオイルを効率的に循環させ、かつオイル戻りの悪化を防止することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の車両用エンジンの潤滑構造において、同一エンジン回転数におけるターボ過給機側からキャッチタンクに回収されるオイル量に対し、前記スカベンジングポンプによって前記キャッチタンクから吸い上げ可能なオイル量を大きく設定したことを特徴とする。
これによると、スカベンジポンプの吸い上げ可能なオイル量とターボ過給機からキャッチタンクに回収されるオイル量の差がスカベンジポンプにおけるオイルくみ上げ量の余力となり、旋回走行に伴い偏在した動弁室内のオイルはオイル通路を介してキャッチタンクに流下し、ターボ過給機からキャッチタンクに回収されたオイルと共に余力のあるスカベンジポンプにより吸い上げられ、かつオイル貯留部内に直接送油される。これにより、オイル貯留部内のオイルが確保されて、オルポンプによるエア吸い込みの発生が回避される。
本発明によると、旋回走行した際に、その旋回に伴う横加速度によって動弁室内に偏在して滞留するオイルが増加し、その増加した余剰の動弁室のオイルがオイル通路を介してキャッチタンクに流下して回収されて動弁室におけるオイルの増加が抑制される。一方、キャッチタンクのオイルが、スカベンジポンプによって吸い上げられてオイル貯留部に直接送油されてオイル貯留部内のオイル量が確保される。
従って、旋回走行等において横加速度が作用する状況においても、動弁室に過剰にオイルが滞留することがなくなり、相対的にオイル貯留部内のオイルが十分に確保され、オイルの定格容量を増加させることなくオイルを効率的に循環させ、かつオイル戻りの悪化を防止できる。
本発明によるオイル循環構造の実施の形態の概要を示すターボ過給機が装備された水平対向型エンジンの正面図である。 同じく、模式的に示す説明図である。 同じく、オイル系統図である。 同じく、エンジン回転数に対するターボ過給機側からキャッチタンクへのオイル量とスカベンジポンプの吸い上げ可能なオイル量の相関関係を示す図である。 オイル循環構造の概要を示す比較例を示す図である。
以下、本発明による車両用エンジンのオイル循環構造の実施の形態をターボ過給機を備えた水平対向型エンジンを例に図を参照して説明する。
図1は、ターボ過給機が装備された水平対向型エンジンの概要を示す正面図、図2は模式的に示す説明図、図3はオイル系統図である。
図1及び図2における符号1は水平対向型エンジンのエンジン本体であり、2はエンジン本体1のシリンダブロックである。このシリンダブロック2が中央部にクランクケースを形成すると共に左右のバンク2L、2Rに分割され、各バンク2L、2Rにシリンダヘッド3L、3Rが固設される。
各シリンダヘッド3L、3R内には、動弁機構を収容する動弁室4L、4Rが形成されており、この動弁室4L、4Rに動弁機構の吸気カム軸5と排気カム軸6が上下に配設される。
また、エンジン本体1の中央底部にオイル貯留部となるオイルパン8を配設する。オイルパン8と各動弁室4L、4Rは、シリンダブロック2の底部に形成された図示しないオイル戻し通路を介して連通する。
更に、このエンジン本体1の直下にターボ過給機20を配設する。このターボ過給機20はシリンダヘッド3L或いは3R、本実施の形態ではシリンダヘッド3Rの下面であって、オイルパン8の側面付近に配設する。
ターボ過給機20の下方に、オイルドレーン通路21を介してキャッチタンク25を配設する。このターボ過給機20の下方に配置されるキャッチタンク25はオイルパン8に貯留されるオイルOLの液面より低位置となる。
キャッチタンク25と各動弁室4L、4Rをオイル通路となるホース26L、26Rによってそれぞれ連通する。各動弁室4L、4Rよりキャッチタンク25が低位置であり、この動弁室4Lに滞留するオイルの液面位置とキャッチタンク25との高低差により動弁室4L内に滞留する余剰のオイルがホース26Lを経てキャッチタンク25内に流下する。同様に動弁室4R内に滞留する余剰のオイルがホース26Rを経てキャッチタンク25内に流下する。
キャッチタンク25の上部がブローバイ通路となるバランスチューブ27によってシリンダブロック2のクランクケース内に連通する。クランクケース内はターボ過給機20からキャッチタンク25に排出するターボブローバイガスの圧力より低圧であり、キャッチャタンク25の減圧に適した良好な潤滑経路部分である。
また、キャッチタンク25が吸引油路28を介してスカベンジポンプ30の吸込口30aに連通する。一方、スカベンジポンプ30の吐出口30bに連通する送油通路31がオイルパン8内に開口する。
このスカベンジポンプ30は、シリンダヘッド3L、3Rの一方、本実施の形態ではシリンダヘッド3Rに配置される内接形歯車ポンプ等の周知のトロコイドポンプであって、駆動軸が吸気カム軸5の軸端に直結して吸気カム軸5によって駆動される。このスカベンジポンプ30によってキャッチタンク25内のオイルOLを吸引油路28を介して吸い上げ、かつ送出油路31を介してオイルパン8内に直接送油する。
また、シリンダブロック2の中央にクランク軸7によって駆動されるオイルポンプ10が配設される。このオイルポンプ10の吸込ポート11がオイルパン8内の底面に近傍して開口する吸込口12を有する。この吸込口12はオイルパン8に貯留されるオイルOLに浸漬された状態で配置される。
このオイルポンプ10によって吸引されたオイルOLは、図3のオイル系統図に示すようにオイルクーラ15によって油温が適正化され、左右のバンク2L、2Rに形成されたオイルギャラリ16L、16Rを介して各シリンダヘッド3L、3Rに形成された動弁室4L、4Rの動弁機構等の潤滑部に供給される。また、一方のオイルギャラリ16Rに過給機潤滑路17が分岐接続されており、この過給機潤滑路17にターボ過給機20のオイル流入口が連通する。
更に、ターボ過給機20のオイル流出口にオイルドレーン通路21が連通し、このオイルドレーン油路21がターボ過給機20の下方に配設されたキャッチタンク25に連通する。過給機潤滑路17からターボ過給機20内に供給されたオイルは、タービン軸を支持する軸受部等の潤滑部を潤滑及び冷却し、潤滑及び冷却した後、オイルドレーン通路21を経てキャッチタンク25内に落下して回収される。また、シリンダヘッド3L、3Rに形成された動弁室4L、4Rに導入されて動弁機構等を潤滑したオイルは、シリンダブロック2に形成されたオイル戻し通路を介してオイルパン8に戻される。
また、ターボ過給機20からキャッチタンク25に回収されたオイルOLは、吸引油路28を介してスカベンジポンプ30によって吸い上げられ、かつ送出油路31を介してオイルパン8内に直接送油される。
ここで、図4に示すように、通常運転時におけるエンジン回転数に対するターボ過給機20側からキャッチタンク25に落下するオイル量Q1に対し、スカベンジポンプ30による吸い上げ可能なオイル量Q2を大きく設定する。これにより、ターボ過給機20側からキャッチタンク25側に供給されるオイルOLがキャッチタンク25内に過剰に残存することがなくなり、ターボ過給機20からのオイル及びターボブローバイガスの円滑な排出を確保することできてターボ過給機20の良好な潤滑及び冷却が維持される。
また、同一エンジン回転数におけるスカベンジポンプ30の吸い上げ可能なオイル量Q2とターボ過給機20からキャッチタンク25に回収されるオイル量Q1の差(Q2−Q1)がスカベンジポンプ30の余力となる。また、実用旋回走行時に使用されるエンジン回転数領域におけるスカベンジポンプ30の吸い上げ可能なオイル量Q2とターボ過給機20からキャッチタンク25に供給されるオイル量Q1の差は、図4にハッチングAで示すように、スカベンジポンプ30による吸い上げ可能なオイル量に十分な余力が確保できる。
一方、旋回走行、例えば左旋回走行した際に、その旋回に伴う右方向の横加速度(横G)によってオイルパン8側のオイルOLがオイル戻し通路等を経由して右側の動弁室4R側に流動して、右側の動弁室4R内に滞留するオイルが偏在して増加し、相対的にオイルパン8側のオイルOLが減少する。ここで、偏在した右側の動弁室4Rの余剰となるオイルは、動弁室4Rとキャッチタンク25との高低差に従ってホース26Rを経てキャッチタンク25側に流下して動弁室4Rに滞留するオイルの増加が抑制される。
この動弁室4R側からホース26Rを介してキャッチタンク25内に流下したオイルは、ターボ過給機20からキャッチタンク25に排出して回収されたオイルと共に、吸引油路28を介してスカベンジポンプ30によって吸い上げられ、かつ送出油路31からオイルパン8内に直接送油される。このスカベンジポンプ30の吸い上げ可能なオイル量Q2とターボ過給機20からキャッチタンク25に回収されるオイル量Q1の差(Q2−Q1)が大きく、スベンジポンプ30の吸い込みオイル量に余力があることから、確実に余裕をもってキャッチタンク25からオイルパン8側に送油できる。
これにより、オイルパン8内のオイルOLが十分に確保されて、吸込ポート11の吸込口12がオイルOLに浸漬された状態に維持されてオイルポンプ10によるエア吸い込みの発生が回避される。なお、図1における破線Lは、旋回走行時におけるオイルパン8及び動弁室4R内のオイルの液面位置を示す。
同様に、右旋回走行した際に、その旋回に伴う左方向の横加速度(横G)によってオイルパン8側のオイルOLがオイル戻し通路等を経由して左側の動弁室4L側に流動して動弁室4Lのオイルが増加して相対的にオイルパン8側のオイルOLが減少する。ここで、増加した左側の動弁室4Lに偏在する余剰のオイルは動弁室4Lとキャッチタンク25との高低差に従ってホース26Lを経てキャッチタンク25側に流下して動弁室4Lに滞留するオイルOLの増加が抑制される。
動弁室4L側からホース26Lを介してキャッチタンク25内に流下したオイルはターボ過給機20からキャッチタンク25に供給されたオイルOLと共に、吸引油路28を介してスカベンジポンプ30によって吸い上げられ送出油路31からオイルパン8に送油され、オイルパン8のオイルOLが確保される。これにより、吸込ポート11の吸込口12はオイルOLに浸漬された状態に維持されてオルポンプ10によるエア吸い込みの発生が回避される。
このように旋回走行等において横加速度が作用する状況においても、動弁室4L、4Rに過剰にオイルが滞留することがなくなり、相対的にオイルパン8内のオイルOLが十分に確保されることから、オイルの定格容量を増加させることなくオイルポンプ10にエア吸い込みが発生したり、オイル戻りの悪化による潤滑効率の低下が回避される。
オイルの定格容量の減少に伴い、エンジンの小型及び軽量化が可能になり、燃費の向上が得られ、更に、暖機の促進による燃費の改善が得られる。更に、オイルの定格容量の減少によりオイル交換量の低減によりランニングコストの低減が得られる。
また、余力のある既存のスカベジンジポンプ30を利用して、動弁室4L、4Rとキャッチタンク25とを連通するホースを追加する簡単な構成であり、従来のターボ過給機及びキャッチタンクを備えた車両用エンジンを大きく変更することなく、容易かつ安価に構成することができる。
本実施の形態と比較するために、動弁室4L、4Rとキャッチタンク25とを連通するオイル通路となるホース26L、26Rを備えない比較例を図5を参照して説明する。
例えば、左旋回走行によって左方向の横加速度が作用して、オイルパン8側のオイルOLがオイル戻し通路等を経由して右側の動弁室4R側に流動した際には、動弁室4R側のオイルが増加して動弁室4R側に滞留して相対的にオイルパン8側のオイルOLが減少する。
一方、ターボ過給機20からキャッチタンク25に導入されたオイルは吸引油路28を介してスカベンジポンプ30によって吸い上げられ送出油路31からオイルパン8に送油される。しかし、オイルパン8内に戻されたオイルは横加速度の作用により右側の動弁室4Rに流動して更に動弁室4R側のオイルの滞留が増加してオイルパン8に貯留されるオイルが減少し、吸込ポート11の吸込口12は液面から露出してオイルポンプ10によるエア吸い込みが発生する。図5における破線Lはオイルパン8及び動弁室4R内のオイルの液面位置を示す。
このように旋回走行に伴い横加速度が作用した際に、オイルパン8内のオイルが一方の動弁室4R或いは4L側に流動して相対的にオイルパン8に貯留されるオイル量が減少してオイルポンプ10にエア吸い込みが発生したり、オイル戻りの悪化による潤滑効率の低下が懸念される。また、動弁室等に大量のオイルが滞留して動弁機構によるオイルの攪拌抵抗が多くなり、オイルの劣化を誘発し、かつ燃費の悪化を招くことが懸念される。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々変更可能である。例えば、上記実施の形態では、一方のバンクにターボ過給機及びキャッチタンクを配置した例について説明したが、左右のバンクにそれぞれターボ過給機及びキャッチタンクを配置した水平対向型エンジンに適用することもできる。
更に、本実施の形態では、水平対向型エンジンに適用した例について説明したが、複数のバンクを備えたエンジンとして左右のバンクを有するV型エンジン等に適用可能である。また、複数のバンクを備えたエンジンに限らず、傾斜型エンジンや、直列エンジン等に適用することも可能である。
1 エンジン本体
2 シリンダブロック
2L、2R バンク
3L、3R シリンダヘッド
4L、4R 動弁室
5 吸気カム軸
6 排気カム軸
8 オイルパン(オイル貯留部)
10 オイルポンプ
11 吸込ポート
12 吸込口
17 過給機潤滑路
20 ターボ過給機
21 オイルドレーン通路
25 キャッチタンク
26L、26R ホース(オイル通路)
28 吸引油路
30 スカベンジポンプ
31 送出油路

Claims (3)

  1. エンジン本体の下面に配置されたターボ過給機及び前記エンジン本体に形成された動弁室に、該エンジン本体の下部に設けたオイル貯留部に貯留されたオイルをオイルポンプにより供給して潤滑するエンジンの潤滑構造において、
    前記ターボ過給機の下方に配設されて該ターボ過給機を潤滑した後のオイルを回収するキャッチタンクと、
    該キャッチタンクと前記オイル貯留部とを連通する第1のオイル通路と、
    該第1のオイル通路に配置され、前記キャッチタンクに回収されたオイルを吸引して前記オイル貯留部に送油するスカベンジポンプと、
    前記動弁室と前記キャッチタンクとを前記ターボ過給機を介さずに直接連通する第2のオイル通路と、
    を備えた、ことを特徴とする車両用エンジンの潤滑構造。
  2. 左右のバンクを備えたエンジン本体の下面に配置されたターボ過給機及び前記バンクに形成された動弁室に、該エンジン本体の下部に設けられたオイル貯留部に貯留されたオイルをオイルポンプにより供給して潤滑するエンジンの潤滑構造において、
    前記ターボ過給機の下方に配設されて該ターボ過給機を潤滑した後のオイルを回収するキャッチタンクと、
    該キャッチタンクと前記オイル貯留部とを連通する第1のオイル通路と、
    該第1のオイル通路に配置され、前記キャッチタンクに回収されたオイルを吸引して前記オイル貯留部に送油するスカベンジポンプと、
    前記各動弁室と前記キャッチタンクとを前記ターボ過給機を介さずに直接連通する第2のオイル通路と、
    を備えた、ことを特徴とする車両用エンジンの潤滑構造。
  3. 同一エンジン回転数におけるターボ過給機側からキャッチタンクに回収されるオイル量に対し、前記スカベンジングポンプによって前記キャッチタンクから吸い上げ可能なオイル量を大きく設定したことを特徴とする請求項1または2に記載の車両用エンジンの潤滑構造。
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