JP5356166B2 - エンジン - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンの各潤滑部に潤滑油を供給する潤滑構造を備えるエンジンに関し、より詳細には、ギヤケース内に設けられるギヤ類を潤滑する技術に関する。
従来のエンジンにおいて、ギヤケース内に設けられるギヤ類は、例えば特許文献1のように、次のような構成によって潤滑される。具体的には、ギヤケース内に設けられるアイドルギヤのアイドル軸に、潤滑油通路となるキリ穴が、アイドル軸の軸心に沿って開けられる。そして、潤滑油ポンプによって圧送された潤滑油が、メインギャラリからアイドル軸のキリ穴を通ってギヤケース内に送油され、この潤滑油によってギヤケース内のギヤ類が潤滑される。
特開2006−9653号公報
しかし、従来のエンジンでは、前記潤滑油通路を設けるときに、加工コストが高いアイドル軸のキリ穴加工を行う必要があるため、エンジンの製造コストが増加するという問題があった。
また、ギヤケース内に注油される潤滑油の温度は、潤滑油ポンプによって圧送されてからギヤケースに至るまでの過程において高くなり易かった。そして、潤滑油の温度が高くなると、潤滑油が劣化して潤滑性能が低下して、ギヤケース内のギヤ類、ひいてはエンジンの耐久性が低下し、これによりエンジンのメンテナンスコストが増加するという問題があった。
本発明の解決しようとする課題は以上のとおりであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
請求項1においては、エンジンの各潤滑部に潤滑油を供給する潤滑構造を備えるエンジンであって、前記潤滑構造は、潤滑油ポンプとメインギャラリとの間に設けられる潤滑油通路を有し、当該潤滑油通路は、シリンダブロックに設けられるウォータジャケットの近傍に配置され、当該潤滑油通路には、前記シリンダブロックに隣接するギヤケース内に潤滑油を噴出する噴出孔が設けられ、更に、前記潤滑構造は、潤滑油を溜める油溜まりを、動弁装置を構成するプッシュロッドのタペット側に有し、前記油溜まり内の潤滑油を前記ギヤケース内へと逃がす油逃がし孔が、前記シリンダブロックの前記ギヤケース側の側壁に設けられているものである。
請求項2においては、請求項1に記載のエンジンにおいて、前記潤滑構造は、前記油溜まり内の潤滑油を前記動弁装置のカム軸側へ落とす油落とし孔を、前記油溜まりの底部に有するものである。
請求項3においては、請求項1又は請求項2に記載のエンジンにおいて、前記油逃がし孔は、その開口部の一部が前記油溜まりの油面よりも上方に位置するように配置されるものである。
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
請求項1においては、潤滑油ポンプから圧送された潤滑油が、潤滑油通路および噴出孔を介してギヤケース内に供給されることにより、ギヤケース内のギヤ類を潤滑することができる。そして、従来のようにアイドル軸にキリ穴加工を行って潤滑油通路を設けるよりも、部材寸法が大きくて加工容易なシリンダブロックに、潤滑油通路を簡単かつ安価に設けることが可能となり、エンジンの製造コストを低減することができる。
また、ウォータジャケット内を流れる冷却水によって、潤滑油を冷却することが可能となる。これにより、潤滑油の劣化が抑制されて潤滑油の高温化に起因する、エンジンの各潤滑部の劣化や変形を防止することができ、ひいてはエンジンの耐久性を向上させて、エンジンのメンテナンスコストを低減することができる。
また、油逃がし孔をシリンダブロックのギヤケース側の側壁に設けるだけの簡易な構成によって、油溜まりに貯溜された潤滑油をシリンダブロック内からギヤケース内に逃がして、ギヤケース内のギヤ類を潤滑することが可能となる。したがって、潤滑構造を簡素化して、エンジンの製造コストを低減することができる。
請求項2においては、油落とし孔を油溜まりの底部に設けるだけの簡易な構成によって、油溜まりに貯溜された潤滑油をカム軸側に落として、カム軸上のカムを潤滑することが可能となる。したがって、潤滑構造を簡素化して、エンジンの製造コストを低減することができる。
請求項3においては、油逃がし孔によって、シリンダブロック内からギヤケース内へとエア抜きができ、シリンダブロック内での潤滑油の流れが円滑になって、エンジンの各潤滑部が適切に潤滑されることになる。
したがって、エンジンの耐久性が向上し、ひいてはエンジンのメンテナンスコストを低減することができる。
本発明の一実施形態に係るエンジンを示す背面断面図。 潤滑油通路を示す正面図。 潤滑油通路を示す側面断面図。 油溜まり、油逃がし孔、及び油落とし孔を示す左方斜視図。 油逃がし孔を示す斜視一部断面図。 潤滑油の流れを示す図。
以下、本発明の一実施形態に係るエンジン1について説明する。
図1及び図2に示すエンジン1は、直列二気筒のエンジンである。エンジン1は、エンジン本体部と、運動部と、燃料供給部と、潤滑構造と、を備える。なお、以下ではエンジン1において、クランク軸14の軸心方向を「前後方向」とし、この前後方向おいてギヤケース22側を「前側」として説明する。また、エンジンの気筒数は、二気筒に限定するものではない。
先ず、エンジン本体部は、シリンダブロック10やシリンダヘッド11等によって構成される。エンジン本体部において、シリンダブロック10は、メッキ等を施してライナとして使用するスリーブレスとされる。シリンダブロック10には、二つのシリンダ20がそれぞれ上下方向に延びるように設けられる。各シリンダ20は、クランク軸14の軸心方向と直交するように配置される。シリンダブロック10には、ウォータジャケット21が各シリンダ20の周囲に冷却水が流れるように設けられる。なお、シリンダブロックのライナは、スリーブレスに限定するものではなく、乾式ライナ又は湿式ライナであってもよい。
さらに、シリンダブロック10には、詳しくはシリンダブロック10の右側壁には、潤滑油が流れる主通路であるメインギャラリ102が、前後略水平方向に設けられる。このメインギャラリ102は、シリンダブロック10の右側でウォータジャケット21の下方に配置される。また、シリンダブロック10の上側面は、シリンダヘッド11が載置されるトップデッキ101とされる。
シリンダヘッド11は、シリンダブロック10のトップデッキ101に載置された状態で、ヘッドボルト111によってシリンダブロック10に固定される。シリンダヘッド11には、各シリンダ20内に空気を送り込むための吸気通路112、及び排気ガスを排出するための排気通路(図示省略)が設けられる。
続いて、運動部は、ピストン12、コネクティングロッド13、クランク軸14、及びオーバヘッド・バルブ(OHV)方式の動弁装置15等によって構成される。運動部において、シリンダブロック10の下部には、クランク軸14のクランクジャーナル142(図3参照)が、軸受を介して回転可能に軸支される。クランク軸14は、シリンダ20内を上下往復運動可能に設けられるピストン12と、コネクティングロッド13を介して連接される。このピストン12の上下往復運動が、コネクティングロッド13を介してクランク軸14に伝達されて、クランク軸14の回転運動に変換される。また、ピストン12の頭部、シリンダヘッド11、及びシリンダ20とによって、燃焼室121が形成される。
また、コネクティングロッド13の両端部には、小端部131及び大端部132が前後方向の略円筒状に設けられる。コネクティングロッド13の小端部131は、ピストン12にピストンピン131Aを介して回動可能に軸支される。コネクティングロッド13の大端部132は、クランク軸14にクランクピン132Aを介して回動可能に軸支される。
動弁装置15は、吸気弁151及び排気弁(図示省略)を適宜の時期に開閉させて、空気を燃焼室121へ吸入させ、また燃焼ガスを燃焼室121から排出させるものである。動弁装置15は、一つのシリンダ20に二つのバルブ(吸・排気弁)を備える二バルブ式とされる。なお、以下の動弁装置15に係る説明では、二つの弁の内、例として吸気弁151に係る構造について説明する。
動弁装置15は、吸気弁151、弁腕152、プッシュロッド153、タペット154、カム軸155、及びカムギヤ156等から構成される。
吸気弁151は、シリンダヘッド11の吸気通路112を開閉するものである。吸気弁151は、シリンダヘッド11に上下方向へ移動可能に設けられる。シリンダヘッド11から上方へ突出する吸気弁151の弁頭部には、バルブリテーナ151Aが設けられる。バルブリテーナ151Aとシリンダヘッド11の上側面との間には、バルブスプリング151Bが介装される。バルブスプリング151Bは、バルブリテーナ151Aを介して、吸気弁151を上方へ付勢する。
弁腕152は、シリンダヘッド11上の支持台152Aに設けられた弁腕軸152Bを支点にして揺動可能に設けられる。弁腕152の一端部(右端部)は、吸気弁151の弁頭部に上方から当接する。弁腕152の他端部(左端部)には、調整ネジ152Cが上下方向に螺挿される。そして、この調整ネジ152Cの下端部が、プッシュロッド153の上端部に当接する。プッシュロッド153は、シリンダブロック10の内部からシリンダヘッド11を貫通して上方へ突出される。プッシュロッド153の下端部には、タペット154が設けられる。
タペット154は、上方に開口する有底の略円筒形状の部材であり、シリンダブロック10内に設けられたタペット室103内に、上下往復運動可能に設けられる。タペット154内には、プッシュロッド153が上方から挿入される。そして、タペット154の下部には、タペット154の内部に溜まった潤滑油を滴下するタペット孔154Aが設けられる。また、タペット154の下側面には、カム軸155上のカム155Aの表面が接触する。カム軸155は、シリンダブロック10に回動可能に軸支され、クランク軸14と平行に配置されて、クランク軸14に連動連結される。
このような構成により、クランク軸14によりカム軸155が回転するときに、カム軸155上のカム155Aの回転よって、タペット154を介してプッシュロッド153が上下往復運動する。そして、このプッシュロッド153の上下往復運動によって、弁腕152が弁腕軸152Bを支点に揺動し、これにより、吸気弁151が上下往復運動して吸気通路112が開閉される。
また、図2に示すように、シリンダブロック10の前側面には、ギヤケース22が隣接して取り付けられる。ギヤケース22内には、カムギヤ156、クランクギヤ141、アイドルギヤ231、燃料カムギヤ161A、及びポンプギヤ171Aが内装される。
カムギヤ156は、ギヤケース22内へ突出したカム軸155上の一端部(前端部)に設けられる。クランクギヤ141は、ギヤケース22内へ突出したクランク軸14上の一端部(前端部)に設けられる。アイドルギヤ231は、ギヤケース22内へ突出したアイドル軸23上の一端部(前端部)に設けられ、カムギヤ156及びクランクギヤ141と噛合する。アイドル軸23は、シリンダブロック10に回動可能に軸支され、クランク軸14及びカム軸155と平行に配置される。
続いて、燃料供給部は、燃料噴射ポンプ16、及び燃料噴射ノズル(図示省略)等によって構成される。燃料供給部において、燃料噴射ポンプ16は、燃料タンク内の燃料を高圧にして圧送するものである。燃料噴射ポンプ16は、燃料カム軸161を有し、この燃料カム軸161は、クランク軸14及びカム軸155と平行に配置される。そして、ギヤケース22内へ突出した燃料カム軸161上の一端部(前端部)には、燃料カムギヤ161Aが設けられ、この燃料カムギヤ161Aは、アイドル軸23上のアイドルギヤ231と噛合する。
続いて、潤滑構造は、潤滑油ポンプ17、潤滑油フィルタ18、調圧弁19、及び潤滑油通路(潤滑油通路104、105、106等)等によって構成される。潤滑構造は、潤滑油をエンジン1の各潤滑部に供給するように構成される。なお、エンジン1の各潤滑部とは、エンジン1において潤滑が必要とされる部分であり、例えば、本実施形態では、クランク軸14、動弁装置15、燃料噴射ポンプ16、及びギヤケース22である。
潤滑油ポンプ17は、オイルパン24内の潤滑油を、ストレーナが設けられた給油管(図示省略)を介して汲み上げて圧送するものである。潤滑油ポンプ17は、エンジン1の左右一側(左側)に配置される。潤滑油ポンプ17は、例えばトロコイド式ポンプとされる。また、潤滑油ポンプ17は、ポンプ軸171を有し、このポンプ軸171は、クランク軸14及びカム軸155と平行に配置される。そして、ギヤケース22内へ突出したポンプ軸171上の一端部(前端部)には、ポンプギヤ171Aが設けられ、このポンプギヤ171Aは、クランク軸14上のクランクギヤ141と噛合する。
潤滑油フィルタ18は、潤滑油ポンプ17からの潤滑油を濾過するものである。潤滑油フィルタ18は、エンジン1の左右一側(左側)に配置される。つまり、潤滑油フィルタ18と潤滑油ポンプ17とは、エンジン1の左右同側(左側)に配置される。
調圧弁19は、潤滑油フィルタ18からの潤滑油の圧力を、メインギャラリ102に適した圧力に調圧するものである。また、シリンダブロック10には、潤滑油通路として、潤滑油通路104、105、106、油溜まり107(図4参照)、油逃がし孔108、及び油落とし孔109が設けられる。
そして、潤滑油通路104、105、106は、シリンダブロック10において潤滑油ポンプとメインギャラリ102との間に、少なくとも一部がギヤケース22に沿って延びるように設けられる。第一の潤滑油通路104は、潤滑油ポンプ17と潤滑油フィルタ18との間に、第二の潤滑油通路105は、潤滑油フィルタ18と調圧弁19との間に、第三の潤滑油通路106は、調圧弁19とメインギャラリ102との間に、それぞれ設けられる。各潤滑油通路104、105、106は、例えばキリ穴加工によってシリンダブロック10に設けられる。なお、各潤滑油通路104、105、106の加工方法は、特に限定するものではなく、例えば鋳造よって加工されてもよい。
そして、第三の潤滑油通路106は、詳しくはギヤケース22内に臨むシリンダブロック10の前側壁に、左右略水平方向に設けられる。第三の潤滑油通路106は、シリンダブロック10の前側壁において、ウォータジャケット21の近傍、具体的にはウォータジャケット21の前部の下方に設けられる(図3参照)。なお、なお、潤滑油通路106の位置は、ウォータジャケット21の近傍であれば特に限定するものではなく、例えばウォータジャケット21の外側(シリンダ20とは反対側)に設けられる構成でもよい。
そして、第三の潤滑油通路106の上流側端部(左端部)は、調圧弁19に接続され、第三の潤滑油通路106の下流側端部(右端部)は、メインギャラリ102に接続される。第三の潤滑油通路106には、複数(本実施形態では三つ)の噴出孔106A・106A・106Aが設けられる。なお、前記「上流側」とは、潤滑油の流れ方向における上流側であり、前記「下流側」とは、潤滑油の流れ方向における下流側であり、以下の説明においても同様である。
噴出孔106A・106A・106Aは、第三の潤滑油通路106における潤滑油の流れ方向(左右方向)に沿って設けられる。隣り合う噴出孔106A・106A同士の間隔は、適宜の間隔(例えば、等間隔)とされる。噴出孔106Aの下流側端部(前端部)は、シリンダブロック10の前側面にギヤケース22内に臨むように開口して、潤滑油通路106を流れる潤滑油がギヤケース22内に噴出するように構成される。
これらの噴出孔106A・106A・106Aは、特にアイドルギヤ231の後方で、アイドルギヤ231と対向するように配置される。つまり、噴出孔106A・106A・106Aから噴出した潤滑油がアイドルギヤ231に注油されて、アイドルギヤ231が潤滑されるように構成される。ここで前述のように、アイドルギヤ231は、燃料カムギヤ161A、カムギヤ156及びクランクギヤ141に噛合し、さらにアイドルギヤ231に噛合したクランクギヤ141がポンプギヤ171Aに噛合するため、ギヤケース22内においてアイドルギヤ231に次いでその他の四つのギヤも効率良く潤滑されることとなる。
なお、噴出孔の数は、三つに限定するものではないが、一の噴出孔が詰まっても残る他の噴出孔によって潤滑油が噴出可能となるという理由から、複数とすることが望ましい。
図4に示すように、油溜まり107は、シリンダブロック10におけるプッシュロッド153のタペット154の周囲に設けられる。油溜まり107は、シリンダブロック10の前側壁と、シリンダブロック10内の仕切壁(隣り合うタペット室103・103同士を仕切る隔壁)と、タペット154とによって、この仕切壁の上端面(図4に示す油面O)まで潤滑油を溜めることができるように構成される。
油逃がし孔108は、シリンダブロック10の前側壁に設けられ(図5参照)、油溜まり107側の空間とその前方のギヤケース22内とを連通させる。油逃がし孔108は、シリンダブロック10の前側壁を前後方向に貫通する孔である。油逃がし孔108は、その上流側の開口部が油溜まり107側の空間に臨むように配置され、その下流側の開口部がギヤケース22内、特にそこに配置されるカム軸155上のカムギヤ156に臨むように配置される。そして、油逃がし孔108の上流側及び下流側の開口部は、その開口上端が前記仕切壁の上端面(油面O)よりも上方に位置し、その開口下端が前記仕切壁の上端面(油面O)よりも下方に位置するように配置される。つまり、油逃がし孔108の上流側及び下流側の開口部は、その一部(上部)が油溜まり107の油面Oよりも上方に位置し、その残部(下部)が油溜まり107の油面Oよりも下方に位置するように配置される。
こうして、油溜まり107内に貯溜される潤滑油の一部は、油逃がし孔108を通過してギヤケース22内へ逃げることとなる。同時に、油溜まり107の油面Oと油逃がし孔108の上端との間の空間が、エア抜き部Aとなり、このエア抜き部Aを通じて、シリンダブロック10内からギヤケース22内への空気の移動が可能となる。これにより、エア抜き性が向上して、シリンダブロック10内の内圧変動が小さくなり、シリンダブロック10からオイルパン24(図2参照)へと潤滑油が円滑に(短時間で)戻ることになる。
油落とし孔109は、油溜まり107の底部(油溜まり107の下方)に設けられて、油溜まり107側の空間とその下方の空間とを連通させる。油落とし孔109は、シリンダブロック10の側壁と、タペット154やそれに隣接する仕切壁等と間に上下方向に設けられる孔である。油落とし孔109は、その上流側の開口部が油溜まり107側の空間に臨むように配置され、その下流側の開口部がタペット154の下方に位置するカム軸155側の空間、特にそこに配置されるカム軸155に臨むように配置される。こうして、油溜まり107内に貯溜される潤滑油の一部が、シリンダブロック10内において、油落とし孔109を通過してカム軸155側の空間に落ちることとなる。
次に、エンジン1における潤滑油の流れについて説明する。
図6に示すように、潤滑油ポンプ17によって汲み上げられたオイルパン24内の潤滑油は、第一の潤滑油通路104を介して潤滑油フィルタ18まで流れ、潤滑油フィルタ18によって濾過される。次いで、潤滑油は、第二潤滑油通路105を介して調圧弁19まで流れ、調圧弁19によって調圧された後、第三の潤滑油通路106に流れる。なお、調圧後の余分な潤滑油は、潤滑油通路(図示省略)を通ってオイルパン24に戻る。
ここで、潤滑油が第三の潤滑油通路106を流れる際、この潤滑油の一部は、第三の潤滑油通路106に設けられた三つの噴出孔106A・106A・106Aから、ギヤケース22内に向かって噴出して、ギヤケース22内のギヤ類を潤滑する。本実施形態においては、各噴出孔106A・106A・106Aから噴出した潤滑油が、先ずアイドルギヤ231を潤滑し、続いてアイドルギヤ231に噛合するカムギヤ156やクランクギヤ141等を潤滑する。そして、ギヤケース22内のギヤ類を潤滑した後の潤滑油は、潤滑油通路(図示省略)を通ってオイルパン24に戻る。
一方、第三の潤滑油通路106を流れる潤滑油の残りは、メインギャラリ102まで流れる。メインギャラリ102内の潤滑油は、動弁装置15、クランク軸14、及び燃料噴射ポンプ16に供給される。
動弁装置15においては、メインギャラリ102内の潤滑油が、先ずカム軸155のカム軸受155Bまで流れて、カム軸受155Bを潤滑する。そして、カム軸受155Bを潤滑した後の潤滑油が、シリンダブロック10、シリンダヘッド11、及び支持台152Aに設けられた潤滑油通路(図示省略)を通過して、弁腕軸152Bまで流れて、弁腕軸152B及び弁腕152を潤滑する。そして、弁腕軸152B及び弁腕152を潤滑した後の潤滑油は、シリンダブロック10のタペット室103内をプッシュロッド153に沿って落下して、タペット154内または油溜まり107に溜まる。
そして、タペット154内に溜まった潤滑油の一部は、タペット154のタペット孔154Aから滴下して、シリンダブロック10のカム軸115側の空間に至り、カム軸115上のカム155A(タペット154との接触部)を潤滑する。
また、油溜まり107に溜まった潤滑油の一部は、油落とし孔109から落下して、シリンダブロック10のカム軸115側の空間に至り、カム軸115上のカム155A(タペット154との接触部)を潤滑する。また、この潤滑油の一部は、油逃がし孔108を通ってギヤケース22内に流れ込み、ギヤケース22内のギヤ類を潤滑する。本実施形態においては、油落とし孔109から逃げた潤滑油が、先ずカムギヤ156を潤滑し、つづいてその下方に位置するアイドルギヤ231やクランクギヤ141等を潤滑する。その後、潤滑油は潤滑油通路(図示省略)を通ってオイルパン24に戻る。
また、クランク軸14においては、メインギャラリ102内の潤滑油が、潤滑油通路(図示省略)を通過して、クランクジャーナル142及びクランクピン132Aまで流れて、クランクジャーナル142及びクランクピン132Aを潤滑する。
以上のように、エンジン1は、エンジン1の各潤滑部に潤滑油を供給する潤滑構造を備えるものであって、前記潤滑構造は、潤滑油ポンプ17とメインギャラリ102との間に設けられる潤滑油通路106を有し、潤滑油通路106は、シリンダブロック10に設けられるウォータジャケット21の近傍に配置され、潤滑油通路106には、シリンダブロック10に隣接するギヤケース22内に潤滑油を噴出する噴出孔106A・106A・106Aが設けられるものである。
このような構成により、潤滑油ポンプ17から圧送された潤滑油が、潤滑油通路106および噴出孔106A・106A・106Aを介してギヤケース22内に供給されることにより、ギヤケース22内のギヤ類を潤滑することができる。そして、従来のようにアイドル軸にキリ穴加工を行って潤滑油通路を設けるよりも、部材寸法が大きくて加工容易なシリンダブロック10に、潤滑油通路106を簡単かつ安価に設けることが可能となり、エンジン1の製造コストを低減することができる。また、ウォータジャケット21内を流れる冷却水によって、潤滑油を冷却することが可能となる。これにより、潤滑油の劣化が抑制されて潤滑油の高温化に起因する、エンジン1の各潤滑部の劣化や変形を防止することができ、ひいてはエンジン1の耐久性を向上させて、エンジン1のメンテナンスコストを低減することができる。
そして、前記潤滑構造は、潤滑油を溜める油溜まり107を、動弁装置15を構成するプッシュロッド153のタペット154側に有し、油溜まり107内の潤滑油をギヤケース22内へと逃がす油逃がし孔108が、シリンダブロック10のギヤケース22側の側壁に設けられるものである。
このような構成により、油逃がし孔108をシリンダブロック10のギヤケース22側の側壁に設けるだけの簡易な構成によって、油溜まり107に貯溜された潤滑油をシリンダブロック10内からギヤケース22内に逃がして、ギヤケース22内のギヤ類を潤滑することが可能となる。したがって、潤滑構造を簡素化して、エンジン1の製造コストを低減することができる。
また、前記潤滑構造は、油溜まり107内の潤滑油を動弁装置15のカム軸155側へ落とす油落とし孔109を、油溜まり107の底部に有するものである。
このような構成により、油落とし孔109を油溜まり107の底部に設けるだけの簡易な構成によって、油溜まり107に貯溜された潤滑油をカム軸155側に落として、カム軸155上のカム155Aを潤滑することが可能となる。したがって、潤滑構造を簡素化して、エンジン1の製造コストを低減することができる。
さらに、油逃がし孔108は、その開口部の一部が油溜まり107の油面Oよりも上方に位置するように配置されるものである。
このような構成により、油逃がし孔108によって、シリンダブロック10内からギヤケース22内へとエア抜きができ、シリンダブロック10内での潤滑油の流れが円滑になって、エンジン1の各潤滑部が適切に潤滑されることになる。したがって、エンジン1の耐久性が向上し、ひいてはエンジン1のメンテナンスコストを低減することができる。
1 エンジン
10 シリンダブロック
15 動弁装置
17 潤滑油ポンプ
21 ウォータジャケット
22 ギヤケース
102 メインギャラリ
106 潤滑油通路
106A 噴出孔
107 油溜まり
108 油逃がし孔
109 油落とし孔
153 プッシュロッド
154 タペット
155 カム軸
155A カム
O 油面

Claims (3)

  1. エンジンの各潤滑部に潤滑油を供給する潤滑構造を備えるエンジンであって、前記潤滑構造は、潤滑油ポンプとメインギャラリとの間に設けられる潤滑油通路を有し、
    当該潤滑油通路は、シリンダブロックに設けられるウォータジャケットの近傍に配置され、
    当該潤滑油通路には、前記シリンダブロックに隣接するギヤケース内に潤滑油を噴出する噴出孔が設けられ、
    更に、前記潤滑構造は、潤滑油を溜める油溜まりを、動弁装置を構成するプッシュロッドのタペット側に有し、
    前記油溜まり内の潤滑油を、前記ギヤケース内へと逃がす油逃がし孔が、前記シリンダブロックの前記ギヤケース側の側壁に設けられている
    ことを特徴とするエンジン。
  2. 請求項1に記載のエンジンにおいて、
    前記潤滑構造は、前記油溜まり内の潤滑油を前記動弁装置のカム軸側へ落とす油落とし孔を、前記油溜まりの底部に有する
    ことを特徴とするエンジン。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のエンジンにおいて、
    前記油逃がし孔は、その開口部の一部が前記油溜まりの油面よりも上方に位置するように配置される
    ことを特徴とするエンジン。
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