JP4919168B2 - エンジンの潤滑装置 - Google Patents

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Description

本発明は、エンジンの潤滑装置、特にドライサンプ潤滑方式を採用するエンジンの潤滑装置に関する。
一般にエンジンの潤滑方式としては、ウエットサンプ潤滑方式とドライサンプ潤滑方式とが知られている。
ウエットサンプ潤滑方式とは、エンジンの被潤滑部や油圧作動部に供給される全潤滑油量を貯留可能なオイルパンをエンジン本体の最下部に設け、このオイルパンに貯留されたオイルをオイルポンプで吸い上げながら被潤滑部に供給し潤滑する方式である。このウエットサンプ潤滑方式は、その構造が簡素であることから多くの市販車に採用されている。しかし、所望の潤滑油量を貯留するためには所定の深さを有するオイルパンが必要とされること、エンジンのクランクシャフトがオイルパンに貯留された潤滑油面に衝突かつ攪拌することによる動力損失が存すること、及び車両の加減速や旋回に起因するオイルパン内の潤滑油面の傾斜動に伴い、オイルポンプでの吸上げ不良による潤滑切れが生し易いことなどの欠点を有している。
そこで、これらに対処して、特にレース用エンジンなどに向けて開発されたのがドライサンプ潤滑方式であり、ドライサンプ潤滑方式とは、エンジン本体とは別にオイルタンクを備え、エンジン本体の下部に設けられたオイルパン(ドライサンプ)内のオイルをスカベンジポンプにて吸い上げてオイルタンク内に貯留し、このオイルタンクに貯留されたオイルをオイルフィードポンプにて被潤滑部に供給し潤滑する方式である。
このようなドライサンプ潤滑方式の潤滑装置としては、例えば、特許文献1に記載の技術が提案されている。この特許文献1に記載の内燃機関の潤滑装置では、ドライサンプ式潤滑装置をウエットサンプ式と同様に小型化する目的で、機関のクランクケースの下面を覆うオイルパンの一隅にポンプ収容部を凹設すると共に、このポンプ収容部に隣接するオイルパンの下面側に上面が隔壁によってクランクケースから仕切られた比較的小さい容積のオイルタンク部を形成している。そして、ポンプ収容部にはスカベンジポンプとプレッシャポンプ(フィードポンプ)と気液分離器とが一体化され、クランクシャフトで駆動されるポンプユニットが収容されている。
特開平4−246216号公報
ところで、特許文献1に記載のものは、機関のクランクケースの下面を覆うオイルパン底面に流れ落ちてきた潤滑油(オイル)の全てを、スカベンジポンプによって直ちに吸い上げ、気液分離器を経てオイルタンク部に転送するようにしている。したがって、オイルタンク部に転送されるオイルに含まれる気泡は非常に少ないものとなるとされている。
しかしながら、気液分離器を用いて気泡の除去を図った場合でも、エンジンの高回転時にはスカベンジポンプからの吐出量が増大することから、気液分離器を経てオイルタンク部に転送されるオイルの放出速度も上昇し、オイルタンク内でオイル自らの勢いにより気泡を再巻き込みするおそれがある。また、エンジンの低回転時にはオイルパン底面に流れ落ちてくるオイルの量も少なく、スカベンジポンプはブローバイガスなどの気泡と共にオイルを吸い上げる傾向が大となる。このような場合、オイルに含まれる気泡の粒径が大きくなり、気液分離器における気泡除去作用が十分に行われないおそれがある。かかる気泡を含むオイルが、フィードポンプによりエンジンの潤滑部位や油圧作動装置に供給されると、エンジンの潤滑部位での潤滑切れや油圧作動装置の作動不良が生じ、ドライサンプ潤滑方式を採用する意味をなさないことになる。
そこで、本発明の目的は、かかる従来の問題を解消し、エンジンの回転速度にかかわらずフィードポンプに吸引されるオイルの気泡混入率を低くすることができるドライサンプ潤滑方式のエンジンの潤滑装置を提供することにある。
上記課題を解決する本発明に係るエンジンの潤滑装置の一形態は、エンジン下部に形成されたオイル受け部と、該オイル受け部内のオイルをオイルタンクに移送するスカベンジポンプと、該オイルタンクに貯留されたオイルをエンジン内に供給するフィードポンプとを備えるドライサンプ潤滑方式のエンジンの潤滑装置であって、前記エンジン内から前記オイルタンクへのオイル戻り経路が、前記スカベンジポンプを経由する第1の経路とシリンダブロック又はチェーンカバーに形成されたオイル戻し通路を経由する第2の経路とで構成され、前記第1の経路には前記スカベンジポンプの下流に第1の脱泡手段が配置されると共に、該第1の脱泡手段からの出口が前記オイルタンク内に配置されたオイルストレーナの吸い込み口近傍に開口する配管に接続され、前記オイルタンクの底面には第2の脱泡手段が配置されると共に、該第2の脱泡手段の下流に前記オイルストレーナが配置されていることを特徴とする。
ここで、前記フィードポンプ及び前記スカベンジポンプは共に、エンジン回転数に同期して駆動されることが好ましい。
また、前記第1の脱泡手段は、遠心式気液分離器であることが好ましい。
さらに、前記第2の脱泡手段は、前記オイルタンクの底面に立設された仕切り壁により画成されたオイル流路により構成されていることが好ましい。
本発明に係るエンジンの潤滑装置の一形態によれば、オイルタンクに貯留されたオイルがフィードポンプによりエンジン内に供給されると、この供給されたオイルは、スカベンジポンプを経由する第1の経路とシリンダブロック又はチェーンカバーに形成されたオイル戻し通路を経由する第2の経路とで構成されているオイル戻り経路を経てオイルタンクへ戻される。第1の経路を経てオイルタンクへ戻されるオイルは、エンジン下部に形成されたオイル受け部内からスカベンジポンプによりオイルタンクに移送されるが、スカベンジポンプの下流に配置された第1の脱泡手段とその出口に接続され、オイルタンク内に配置されたオイルストレーナの吸い込み口近傍に開口する配管とを経て、オイルストレーナの吸い込み口近傍に吐出される。したがって、スカベンジポンプから第1の脱泡手段を経て気液分離されたオイルが配管によりオイルストレーナの吸い込み口近傍に導かれるので、気泡の再巻き込みを生ずることなくフィードポンプに吸われることになる。
一方、第2の経路を経てオイルタンクへ戻されるオイルは、スカベンジポンプを経ることなくシリンダブロック又はチェーンカバーに形成されたオイル戻し通路からオイルタンクの底面に配置された第2の脱泡手段を経てその下流に配置されているオイルストレーナに導かれる。この第2の経路を経てオイルタンクへ戻されるオイルはスカベンジポンプの吐出の勢いには左右されずに比較的ゆっくりとオイルストレーナに導かれるので、その間に自然脱泡が生じ気泡の混入の少ないオイルがフィードポンプに吸われることになる。したがって、総じてフィードポンプに吸われるオイルの気泡混入率を抑制することができる。
ここで、上記一形態において、前記フィードポンプ及び前記スカベンジポンプが共に、エンジン回転数に同期して駆動される態様によれば、エンジンの回転速度にかかわらずフィードポンプに吸引されるオイルの気泡混入率を確実に低くすることができる。
また、上記態様に加えて、前記第1の脱泡手段が、遠心式気液分離器であり、前記第2の脱泡手段が、前記オイルタンクの底面に立設された仕切り壁により画成されたオイル流路により構成されている形態によれば、スカベンジポンプからの吐出量の多いエンジンの高回転時には遠心式の気液分離器によって効率よく脱泡を行い、エンジンの低回転時には分離効率の低下する遠心式の気液分離器を避け、仕切り壁により画成されたオイル流路により自然脱泡を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。図1は、本発明に係るエンジンの潤滑装置が一体的に組込まれた実施の形態を示す縦断面模式図であり、図2は同じく横断面模式図である。
本実施の形態におけるエンジン本体100は、シリンダブロック110の下部にクランクケース120が取り付けられ、シリンダブロック110の上部にシリンダヘッド130及びヘッドカバー140が順次結合されて構成されている。そして、クランクケース120は、クランクシャフト軸線に直交する前方壁121および後方壁122を備え、クランクシャフト軸線に平行する両側部の一部(前方側)が内側壁123及び外側壁124とそれらの両者間で下方が開放された空間部125とを備えて形成されている。
内側壁123の下端部には後述するオイル受け部材としての第1のオイルパン部材の取り付け用のフランジ123fが形成され、同様に、外側壁124の下端部には後述するオイルタンク取り付け用のフランジ124fが形成されている。なお、本実施の形態では、変速機などが取り付けられるクランクケース120の後方側において、クランクケース120の両側部の内側壁123の両下端部は底壁127により後方壁122と共に一体構造として連結され、オイル受け部を形成すると共に剛性が確保されている。そして、クランクケース120の下部の底壁127を除く残部は、上述の第1のオイルパン部材取り付け用フランジ123fに囲繞された開口部129を形成している。
そして、クランクケース120の内側壁123のフランジ123f下面には、底面がほぼ平坦で浅底の上記第1のオイルパン部材150が同じくフランジ150fを介して不図示のボルトなどで取り付けられ、主オイル受け部155を形成している。この第1のオイルパン部材150、前方壁121、後方壁122、内側壁123及び底壁127によって、クランクシャフト112や一対のバランスシャフト114などの回転体を収容するクランクケース内部が画成されている。
なお、シリンダブロック110内のボアにはピストン116が往復移動可能に収容され、コネクティングロッド118によってピストン116の往復運動がクランクシャフト112の回転運動に変換される。また、シリンダヘッド130には、燃焼室が形成され、この燃焼室の図示しない吸気ポート及び排気ポートにそれぞれ連通されて、吸気マニホルド及び排気マニホルド(共に図示せず)が接続されている。吸気ポート及び排気ポートは、吸気バルブ及び排気バルブによってそれぞれ開閉され、これらの吸・排気バルブは不図示の吸・排気カムシャフトにより駆動される。そして、本実施の形態では後述するように、吸気バルブの作動タイミングを変更する可変吸気バルブタイミング機構VVT−iが設けられており、この可変吸気バルブタイミング機構VVT−iに供給する作動オイルの切り替えのためのオイル制御弁OCVも、上記シリンダヘッド130及びヘッッドカバー140内に配置されている。なお、119は、シリンダヘッド130に供給されたオイルの一部を、後述するオイルタンク165に戻すためにシリンダブロック110に形成されたオイル戻し通路である。さらに、クランクシャフト112の最端部に設けられたスプロケット117と上述した吸・排気カムシャフトにそれぞれ設けられた不図示のスプロケットとの間にはタイミングチェーンが巻回されており、これらを覆う形態でチェーンカバー111がシリンダブロック110に取り付けられている。
さらに、本実施形態におけるエンジン本体100では、クランクケース120の外側壁124のフランジ124f及びチェーンカバー111のフランジ111fの下面に、第2のオイルパン部材160が同じくフランジ160fを介して不図示のボルトなどで取り付けられている。この第2のオイルパン部材160は、浅底の第1のオイルパン部材150より深底で、その全面を含んで所定の距離を有しつつ下側から覆う形態で取り付けられている。かくて、上述のクランクケース120の空間部125と共にオイルタンク165が構成されている。このオイルタンク165は、底面がほぼ平坦な第2のオイルパン部材160と、この平坦な底面と上記第1のオイルパン部材150の下面との間の空間部、クランクケース120の前方壁121とチェーンカバー111との間の空間部、及びクランクケース120の両側部における内側壁123と外側壁124との間の空間部125を内容積として含んで、エンジン本体100のクランクシャフト112の軸線を含む中央面に対しほぼ対称に構成されている。そして、このオイルタンク165では、エンジンの停止時におけるオイル面OLが第1のオイルパン部材150の取り付け用フランジ123fの下面よりも上方となるように、内容積が定められている。
また、本実施の形態では、上記クランクケース内部に、主オイル受け部155に回収されたオイルをオイルタンク165に移送するスカベンジポンプ170が一対のバランスシャフト114の一方により駆動されるように設けられている。なお、オイルタンク165に貯留されたオイルをエンジン本体100内に供給するフィードポンプ180は、一対のバランスシャフト114の他方により駆動されるように、同じくクランクケース内部に配設されている。
そして、この一対のバランスシャフト114のいずれか一方に設けられたドリブンギヤ113がクランクシャフト112のカウンタウエイトに圧入されたドライブギヤ115により駆動される。なお、一対のバランスシャフトは周知のように、互いに噛合う不図示のドリブンギヤにより同期して互いに逆方向に回転される。
スカベンジポンプ170の吸入ポートは、吸入パイプ172を介して、主オイル受け部155を形成している第1のオイルパン部材150の上面に近接して開口されたオイルストレーナ171に接続され、スカベンジポンプ170の吐出ポートは第1の吐出パイプ174に接続されている。さらに、第1の吐出パイプ174は第1の脱泡手段としての遠心式の気液分離器175の入口に接続され、気液分離器175の出口にはオイルタンク165内に配置されたオイルストレーナ181の吸い込み口近傍に開口する後述の配管としての第2の吐出パイプ176が接続されている。
また、フィードポンプ180の吸入ポートは、吸入パイプ182を介して、オイルタンク165を構成している第2のオイルパン部材160に近接して開口された上述のオイルストレーナ181に接続されている。さらに、フィードポンプ180の吐出ポートはクランクケース120ないしはシリンダブロック110に形成された潤滑ないしは作動油の供給通路に、本図では不図示のオイルフィルタを介して連通する不図示の吐出パイプに接続されている。なお、190はオイルタンク165の底面、換言すると、第2のオイルパン部材160に立設された仕切り壁であり、後述するように、オイル流路200を画成するためのものである。
そこで、この仕切り壁190で画成されるオイル流路200と気液分離器175の出口に接続されオイルストレーナ181の吸い込み口近傍に開口する第2の吐出パイプ176及びフィードポンプ180のオイルストレーナ181の吸い込み口の配置に関する構成を、図3及び図4を参照して説明する。
図3は、オイルタンク165の下方部を構成している第2のオイルパン部材160をクランクケース120及びチェーンカバー111から取外した状態の第2のオイルパン部材160の斜視図である。また、図4は、第1のオイルパン部材150が取付けられた状態で第2のオイルパン部材160のみが取外された状態でのクランクケース120の下面図である。
この実施形態では、基本形状が平面視ほぼ方形のオイルタンク165の四隅が内方に湾曲され、一偶にはオイルフィルタ195を取り付けるための凹み部166が形成されている。そして、仕切り壁190は、クランクシャフト112の軸線を含む中央面の付近にそれに対しほぼ平行に配置された第1仕切り壁190Aと、この両端部にそれぞれほぼ直角に交わる第2仕切り壁190B及び第3仕切り壁190Cとを有し、第2仕切り壁190B及び第3仕切り壁190Cの自由端部がそれぞれ内方に曲折された曲折部190Ba及び190Caを備えて、平面視において略C字状に構成されている。第2仕切り壁190B及び第3仕切り壁190Cの自由端部はそれぞれ上述の凹み部166及び一偶の湾曲部の内壁との間に隙間を残して配置されている。第2仕切り壁190B及び第3仕切り壁190Cの曲折部190Ba及び190Caとの間にフィードポンプ180のオイルストレーナ181が配置される収容室202への入口204が形成されている。そして、第1仕切り壁190Aに対し第2の吐出パイプ176が接続され、その出口がオイルストレーナ181の吸い込み口近傍に開口されている。
なお、3つの第1仕切り壁190Aないし第3仕切り壁190Cの上端は、第2のオイルパン部材160がクランクケース120に取り付けられた状態では、第1のオイルパン部材150の下面に当接する。かくて、図3において中実矢印を主流線とし、上述の収容室202を下流端とするオイル流路200が形成されている。
次に、本実施の形態におけるオイルの循環系につき、図5を参照して説明する。本実施の形態においては、まず、フィードポンプ180によりオイルストレーナ181を介してオイルタンク165から吸引されたオイルが、オイルフィルタ195を介して、シリンダブロック110に形成されているメインオイルホール210に圧送されるべくクランクケース120に供給通路が形成されている。そして、第1の供給系として、オイルはメインオイルホール210からシリンダブロック110に形成されている供給通路を経てシリンダヘッド130に送られ、吸・排気カムシャフトのジャーナル220及び可変吸気バルブタイミング機構VVT−iのオイル制御弁OCV230に供給される。同時に、オイルはメインオイルホール210からシリンダヘッド130を経てチェーンテンショナ240に送られると共に、同時にシリンダブロック110に形成されたオイルジェット250に送られ、タイミングチェーン117に噴射供給される。
他方、第2の供給系として、オイルはメインオイルホール210からシリンダブロック110内のクランクシャフト112のジャーナル260へ送られると共に、該ジャーナルを介してコネクティングロッド118との連結部であるクランクピン270に供給される。同時に、クランクシャフト112のジャーナル260を経てオイルジェット280に送られ、ピストン116の下面に噴射供給される。この第2の供給系に送られたオイルは、それぞれの供給箇所の潤滑に供された後は、クランクケース120の下部の底壁127や主オイル受け部155に自然に落下して、最終的には第1のオイルパン部材150で構成されている主オイル受け部155に回収される。
一方、このようにしてフィードポンプ180により圧送されたオイルのオイルタンク165へのオイルの戻り系としては、上述のように主オイル受け部155に回収され、そこからスカベンジポンプ170により汲み上げられて気液分離器175を経てオイルタンク165へ戻される第1の戻り経路と、エンジン本体100のシリンダブロック110またはシリンダヘッド130に供給されたオイルが直接にオイルタンク165へ戻される第2の戻り経路とを有している。この第2の戻り経路をより詳細に説明すると、本実施の形態では、上述のチェーンテンショナ240やタイミングチェーン117に供給されたオイルが流通する、チェーンカバー111内に形成されたオイル戻し通路300でその一方が構成されている。また、この第2の戻り経路の他方は、シリンダヘッド130からのオイルを自然落下により戻すべくシリンダブロック110に形成されたオイル戻し通路119と、このオイル戻し通路119に連通すべくクランクケース120の上部に空間部125に開口して形成された連通路128とでもって構成されている。
ここで、上記のように構成された本実施形態の作用を説明する。エンジン100の作動中においては、クランクシャフト112によりエンジン回転数に同期して駆動されるフィードポンプ180により、オイルタンク165内のオイルがオイルストレーナ181を介して吸い上げられ、オイルフィルタ195及びメインオイルホール210を経て、クランクケース120ないしはシリンダブロック110に形成された供給通路に供給される。そして、被潤滑部ないしは油圧作動部に供給されたオイルは、スカベンジポンプ170を経由する第1の経路と、シリンダブロック110に形成されたオイル戻し通路119及びクランクケース120に形成された連通路128又はチェーンカバー111に形成されたオイル戻し通路300を経由する第2の経路とで構成されているオイル戻り経路を経てオイルタンク165へ戻される。第1の経路を経てオイルタンク165へ戻されるオイルは、エンジン下部に形成されたオイル受け部155内からスカベンジポンプ170によりオイルタンク165に移送されるが、スカベンジポンプ170の下流に配置された気液分離器175及び第2の吐出パイプ176を経て、オイルストレーナ181が配置されている収容室202へ吐出される。したがって、スカベンジポンプ170から気液分離器175を経て脱泡されたオイルが第2の吐出パイプ176によりオイルストレーナ181の吸い込み口近傍に導かれるので、気泡の再巻き込みを生ずることなくフィードポンプ180に吸われることになる。
一方、第2の経路を経てオイルタンク165へ戻されるオイルは、スカベンジポンプ170を経ることなく、シリンダブロック110に形成されたオイル戻し通路119及びクランクケース120に形成された連通路128、又は、チェーンカバー111に形成されたオイル戻し通路300からオイルタンク165に自然落下する。そして、オイル流路200を流れて、入口204を通って収容室202へ至り、そこに配置されているオイルストレーナ181に導かれる。この第2の経路を経てオイルタンク165へ戻されるオイルは、スカベンジポンプ170の吐出の勢いには左右されずに比較的ゆっくりとオイルストレーナ181に導かれるので、その間に自然脱泡が生じ気泡の混入の少ないオイルがフィードポンプ180に吸われることになる。したがって、総じてフィードポンプ180に吸われるオイルの気泡混入率を抑制することができる。
かくて、スカベンジポンプ170からの吐出量の多いエンジン100の高回転時には遠心式の気液分離器175によって効率よく脱泡が行なわれ、エンジン100の低回転時には分離効率の低下する遠心式の気液分離器175への依存度を低下させ、仕切り壁190により画成されたオイル流路200により自然脱泡を行うことにより、エンジン100の回転速度にかかわらずフィードポンプ180に吸引されるオイルの気泡混入率を確実に低くすることができるのである。
このようにエンジン100の全回転領域に亘り、フィードポンプ180に吸引されるオイルの気泡混入率を低くする目的で、本実施の形態では、上述の第1の戻り経路と第2の戻り経路とからオイルタンク165へ戻されるオイルの流量比が、約7対3となるように設定されている。すなわち、上述のメインオイルホール210からシリンダヘッド130やオイルジェット250に送られる第1の供給系の流路抵抗、及び、シリンダブロック110内の第2の供給系の流路抵抗が設定されると共に、フィードポンプ180及びスカベンジポンプ170の吐出容量が設定されている。具体的には、第1の供給系に供給されたオイルは上述のように第2の戻り経路を経て自然落下によりオイルタンク165へ戻され、第2の供給系に供給されたオイルはクランクケース120の下部の底壁127や主オイル受け部155に自然に落下して主オイル受け部155に回収され、第1の戻り経路を経てスカベンジポンプ170により最終的にオイルタンク165へ戻されるので、このスカベンジポンプ170の吐出容量はフィードポンプ180の吐出容量の約70%、換言すると、スカベンジポンプ170とフィードポンプ180の定格吐出容量比は約0.7とされている。この実施形態によれば、エンジン内に供給されたオイルの全量をスカベンジポンプ170によりオイルタンク165へ戻す従来のドライサンプ方式の場合に比べ、スカベンジポンプ170を駆動する動力を軽減することができ、エンジン100の燃費性能を向上させることができる。
ここで、本実施の形態では、第2の戻り経路が、チェーンカバー111内に形成された、シリンダヘッドからのオイル戻し通路300、及び/又はクランクケース120に空間部125に開口して形成され、シリンダブロック110に形成された、シリンダヘッド130からのオイル戻し通路119に連通する連通路128で構成されている。この結果、いずれもスカベンジポンプ170を用いることなく重力を利用することによりオイルをオイルタンク165へ直接に戻すことが可能であり、スカベンジポンプ170を駆動する動力損失を効果的に低減することができる。したがって、オイル攪拌抵抗による動力損失の方が大きいエンジンの高速回転域でのドライサンプ潤滑方式のメリットを享受しつつ、オイル攪拌抵抗が比較的小さいエンジンの低速回転域でのスカベンジポンプ170を駆動する動力損失の低減によりエンジンの燃費性能を向上させることができる。さらに、スカベンジポンプ170の吐出容量はフィードポンプ180の吐出容量よりも小さくてもよいので、コスト的にも有利である。
本発明に係るエンジンの潤滑装置が一体的に組み込まれた実施形態を示す縦断面模式図である。 本発明に係るエンジンの潤滑装置が一体的に組み込まれた実施形態を示す横断面模式図である。 本発明に係るエンジンの潤滑装置の実施形態において、オイルタンクの下方部を構成している第2のオイルパン部材の取り付ける前の状態を示す斜視図である。 本発明に係るエンジンの潤滑装置の実施形態において、第1のオイルパン部材が取付けられた状態で第2のオイルパン部材のみが取外された状態でのクランクケースの下面図である。 本発明に係るエンジンの潤滑装置の実施形態におけるオイルの循環系を示すブロック線図である。
符号の説明
100 エンジン本体
110 シリンダブロック
111 チェーンカバー
112 クランクシャフト
113 ドリブンギヤ
114 バランスシャフト
115 ドライブギヤ
116 ピストン
118 コネクティングロッド
119 オイル戻し通路
120 クランクケース
121 前方壁
122 後方壁
123 内側壁
124 外側壁
125 空間部
127 底壁
129 開口部
130 シリンダヘッド
140 ヘッドカバー
150 第1のオイルパン部材
155 主オイル受け部
160 第2のオイルパン部材
165 オイルタンク
170 スカベンジポンプ
171 オイルストレーナ
174 第1吐出パイプ
175 気液分離器
176 第2吐出パイプ
180 フィードポンプ
181 オイルストレーナ
190 仕切り壁
200 オイル流路

Claims (2)

  1. エンジン下部に形成されたオイル受け部と、該オイル受け部内のオイルをオイルタンクに移送するスカベンジポンプと、該オイルタンクに貯留されたオイルをオイルストレーナを介して吸い込んでエンジン内に供給するフィードポンプとを備えるドライサンプ潤滑方式のエンジンの潤滑装置であって、
    前記エンジン内から前記オイルタンクへのオイル戻り経路が、前記スカベンジポンプを経由する第1の経路とシリンダブロック又はチェーンカバーに形成されたオイル戻し通路を経由する第2の経路とで構成され、
    前記第1の経路には前記スカベンジポンプの下流に遠心式気液分離器である第1の脱泡手段が配置され、
    前記オイルタンクの底面には前記オイルタンクの底面に立設された仕切り壁により画成されたオイル流路によって構成されている第2の脱泡手段が配置されると共に、該第2の脱泡手段のオイル流路の下流端の収容室に前記オイルストレーナが配置され、
    前記第1の脱泡手段からの出口が前記オイルタンクのオイル流路の下流端の収容室内に配置されたオイルストレーナの吸い込み口近傍に前記仕切り壁を介して開口する配管に接続されている
    ことを特徴とするエンジンの潤滑装置。
  2. 前記フィードポンプ及び前記スカベンジポンプは共に、エンジン回転数に同期して駆動されることを特徴とする請求項1に記載のエンジンの潤滑装置。
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