JP2005009434A - ターボ過給機のオイル漏出防止装置 - Google Patents

ターボ過給機のオイル漏出防止装置 Download PDF

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和明 斉藤
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Abstract

【課題】エンジン停止時及びエンジン停止中におけるターボ過給機のタービン室やコンプレッサ室側へのオイルの漏れ出しを防止するターボ過給機のオイル漏出防止構造を提供する。
【解決手段】エンジン本体21の下部にターボ過給機10が配設されたエンジンにおいて、エンジン停止時にエンジン本体21に設けられたオイルギャラリとターボ過給機10のオイル入口18とを連通するオイル連通路25を閉じ、かつエンジン運転時に開く圧力検知式逆流防止弁27を設ける。エンジン停止時にターボ過給機10へのオイル流入を防止し、オイルがターボ過給機10のタービン室11やコンプレッサ室12側へのオイルの漏出しが防止できる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用エンジンに配設されたターボ過給機のオイル漏出防止装置に関し、特にエンジン本体の下部にターボ過給機を備えたエンジンにおけるターボ過給機のオイル漏出防止装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両用エンジンに配設されるターボ過給機は、例えば図5に断面図を示すように、タービン室11とコンプレッサ室12がセンターハウジング13を介して一体結合され、タービン室11内のタービンホイール14とコンプレッサ室12内のコンプレッサホイール15とが、センターハウジング13内に設けられたコンプレッサホイール側軸受16a及びタービンホイール側軸受16bによって回転自在に軸支されたタービン軸17によって連結されている。このターボ過給機10は、エキゾーストマニホルドからの排気ガスによってタービンホイール14を回転させることによりタービン軸17を介してコンプレッサホイール15を回転させ、回転するコンプレッサホイール15によって圧縮された吸気がインテークマニホールドに送られ、過給が行われるように構成されている。
【0003】
このターボ過給機10のタービン軸17は、高速で回転して高温になるためタービンホイール側軸受16aとコンプレッサホイール側軸受16bを十分に潤滑及び冷却する必要がある。
【0004】
このためオイルOLをセンターハウジング13内の上部に開口するオイル入口18aから供給し、センターハウジング13に設けた給油通路19を経てタービンホイール側軸受16a及びコンプレッサホイール側軸受16bに供給する。タービンホイール側軸受16a及びコンプレッサホイール側軸受16bを潤滑及び冷却したオイルOLは、センターハウジング13の下部に開口するオイル出口18bから排出して回収するように構成されている。
【0005】
なお、センターハウジング13とタービン室11の境界部分及びセンターハウジング13とコンプレッサ室12の境界部分に、センターハウジング13とタービン軸17の間からオイル油OLが漏れ出すのを防止するためのオイルシール部20が配設されている。このセンターハウジング13とタービン軸17との間に配設されるオイルシール部20は、図6に示すようにリング状でかつ高回転で回転するタービン軸17に過度の圧接力が作用しないように、その一部に隙間20aが形成されて分断されている。
【0006】
しかし、エンジンの低回転域、例えば600〜800rpmにおいてはセンターハウジング13内の圧力がコンプレッサ室12内の圧力より高くなることから、センターハウジング13内に供給されたオイルOLが各オイルシール部20の隙間20aを通過してタービン室11やコンプレッサ室12に漏出し、タービン室11やコンプレッサ室12に漏出したオイルOLによって過給性能が低下する。
【0007】
この対策として、図7に概略を示すように、オイルパン100内のオイルOLをオイルポンプ101によってエンジンの各潤滑部分102に送り、その一部を逆止弁103を経てターボ過給機10のオイル入口18aに送油する。一方、ターボ過給機10のオイル出口18bとオイルパン100との間に第1オイル管路104と、オイルポンプ105を備えた第2オイル管路106の2系統のオイル回路を並列に配置する。そして常時はオイル出口18bからのオイルOLを第1オイル管路104によりオイルパン100に排出する。一方、エンジンの低回転域においては、その回転数を回転数センサ107で検出し、電子制御ユニット108からの信号によって切換スイッチ109により電磁制御弁110を第2オイル管路106側に切り替え、かつオイルポンプ105が作動しターボ過給機10内のオイルOLを吸引してオイルパン100に排出することによって、センターハウジング13内のオイルOLがタービン室11やコンプレッサ室12に漏出するのを防止するターボ過給機のオイル漏出防止装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平6−257455号公報(段落番号0011〜0014、図1)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記特許文献1に記載のターボ過給機のオイル流出防止装置によると、エンジンの低回転域において、オイルポンプ105によってセンタハウジング13内のオイルOLを吸引してオイルパン101に排出することにより、エンジンの低回転域で発生していたタービン室11及びコンプレッサ室12へのオイルOLの漏出が防止できる。
【0010】
しかし、排気ガス浄化装置の活性化を図るために排気ガス浄化装置に供給される排気ガスの温度を確保すると共に、車体重心位置を低下させて走行安定性の向上を図るためにエンジン本体の下部にターボ過給機を配設することがある。この種のエンジンにあっては、エンジン停止時やエンジン停止中にエンジン本体内の動弁機構等の潤滑部分やオイルギャラリ内に残存するオイルが重力で流下してオイル入口18aからセンターハウジング13内に流入し、センターハウジング13内に流入したオイルOLがオイルシール部20の隙間20a等からタービン室11及びコンプレッサ室12に漏出することがある。この漏出によりオイルOLの消費量が増大し、かつコンプレッサ室12内に漏出したオイルOLがエンジン始動時にインテークマニホール内に吸引されて白煙の発生を招くことがある。
【0011】
従って、かかる点に鑑みなされた本発明の目的は、エンジン本体の下部にターボ過給機を備えたエンジンにおいて、エンジン停止時及びエンジン停止中にオイルがターボ過給機のセンターハウジングからタービン室やコンプレッサ室側に漏出するのを未然に防止するターボ過給機のオイル漏出防止構造を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する請求項1に記載のターボ過給機のオイル漏出防止装置の発明は、エンジン本体の下部にターボ過給機が配設され、エンジン本体内のオイルギャラリから上記ターボ過給機のオイル入口に送油し、ターボ過給機のオイル出口から排出されるオイルをオイル環流ポンプを介してオイル貯留部に送油するターボ過給機のオイル漏出防止装置において、エンジン停止時に上記オイルギャラリとターボ過給機のオイル入口とを連通するオイル連通路を閉じ、かつエンジン運転時に開く入口側オイル遮断手段を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項1の発明によると、エンジン停止時に入口側オイル遮断手段によって、オイルギャラリとターボ過給機のオイル入口とを連通するオイル連通路を閉じることによって、エンジン停止時やエンジン停止中にエンジン本体内のオイルギャラリや動弁機構等の潤滑部分に残存するオイルが、オイルギャラリからオイル連通路側に重力で流下しても、そのオイルがターボ過給機のオイル入口に流入することがなくなる。よって、オイルがターボ過給機のセンターハウジングからタービン室やコンプレッサ室側に漏出するのが未然に防止できて、オイルの消費量が抑制でき、かつエンジン始動時の白煙発生が防止できる。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1のターボ過給機のオイル漏出防止装置において、エンジン停止時に上記ターボ過給機のオイル出口と上記オイル環流ポンプとを連通するオイル通路を閉じ、かつエンジン運転時に開く出口側オイル遮断手段を備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項2の発明によると、請求項1に加え、エンジン停止時に出口側オイル遮断手段によってターボ過給機のオイル出口とオイル環流ポンプを連通するオイル通路を閉じることによって、エンジン停止時やエンジン停止中にオイル環流ポンプやオイル通路内に残存するオイルがターボ過給機に流入するのが阻止でき、センターハウジングからタービン室やコンプレッサ室に漏出するのが未然に防止できる。よって、オイルの消費量が抑制でき、かつエンジン始動時の白煙発生が防止できる。また、ターボ過給機のオイル出口と出口側オイル遮断手段の間にオイル捕集タンクを備えた場合には、オイル捕集タンクの容積を減少させることができ、オイル捕集タンクをコンパクトにすることができる。
【0016】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2のターボ過給機のオイル漏出防止装置において、上記入口側オイル遮断手段は、該入口側オイル遮断手段に対する上記オイルギャラリ側の圧力が上記ターボ過給機のオイル入口側の圧力より大で開き、上記オイルギャラリ側の圧力が上記ターボ過給機の入口側の圧力以下で閉じる圧力検知式逆流防止弁であることを特徴とする。
【0017】
請求項3の発明は、入口側オイル遮断手段を圧力検知式逆流防止弁によって構成するもので、エンジン運転中はオイルポンプによりオイルがオイルギャラリに送油されて、ターボ過給機に対するオイルギャラリ側の圧力がオイル入口側の圧力より大きくなり、圧力検知式逆流防止弁が開きターボ過給機のオイル入口にオイルが供給される。一方、エンジンが停止すると、オイルポンプが作動停止することからオイルギャラリから圧力検知式逆流防止弁に作用する圧力がなくなり、圧力検知式逆流防止弁が閉じてエンジン本体内のオイルギャラリや動弁機構等の潤滑部分に残存するオイルがターボ過給機に流入することが防止できる。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかのターボ過給機のオイル漏出防止装置において、上記出口側オイル遮断手段は、該出口側オイル遮断手段に対する上記ターボ過給機のオイル出口側の圧力が上記オイル環流ポンプ側の圧力より大で開き、上記ターボ過給機のオイル出口側の圧力が上記オイル環流ポンプ側の圧力以下で閉じる圧力検知式逆流防止弁であることを特徴とする。
【0019】
請求項4の発明は、出口側オイル遮断手段を圧力検知式逆流防止弁によって構成するもので、エンジン運転中は圧力検知式逆流防止弁に対してターボ過給機側から圧力が作用し、かつオイル環流ポンプによりオイルが吸引されてターボ過給機のオイル出口側の圧力がオイル環流ポンプ側より大きくなり、圧力検知式逆流防止弁が開く。一方、エンジンが停止すると、ターボ過給機側からの圧力作用が停止し、かつオイル循環ポンプの作動停止により圧力検知式逆流防止弁が閉じてオイル環流ポンプやオイル通路に残存するオイルがターボ過給機に流れ込むのが防止できる。
【0020】
請求項5に記載の発明は、請求項1または2のターボ過給機のオイル漏出防止装置において、上記入口側オイル遮断手段は、エンジン停止時に閉じエンジン運転時に開く電磁制御弁であることを特徴とする。
【0021】
請求項5の発明は、入口側オイル遮断手段を電磁制御弁によって構成するもので、エンジン運転中は電磁制御弁が開きターボ過給機のオイル入口にオイルが供給される。一方、エンジンが停止すると、電磁制御弁が閉じてエンジン本体内のオイルギャラリや動弁機構等の潤滑部分に残存するオイルがターボ過給機に流入するのが防止できる。この電磁制御弁はイグニッションスイッチのON・OFFによって容易に開閉制御することができる。
【0022】
請求項6に記載の発明は、請求項1、2、5のいずれかのターボ過給機のオイル漏出防止装置において、上記出口側オイル遮断手段は、エンジン停止時に閉じエンジン運転時に開く電磁制御弁であることを特徴とする。
【0023】
請求項6の発明は、出口側オイル遮断手段を電磁制御弁によって構成するもので、エンジン運転中は電磁制御弁が開く一方、エンジンが停止すると、電磁制御弁が閉じてオイル環流ポンプやオイル通路に残存するオイルがターボ過給機に流れ込むのが防止できる。この電磁制御弁はイグニッションスイッチのON・OFFによって容易に開閉制御することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
次に、本発明におけるターボ過給機のオイル漏出防止構造の実施の形態を、ターボ過給機を備えた水平対向式エンジンを例に図を参照して説明する。なお、各実施の形態において、ターボ過給機は、上記図5に示すターボ過給機と実質同一構成であり、その詳細な説明は省略する。
【0025】
(第1実施の形態)
図1乃至図3によって本発明によるターボ過給機のオイル漏出防止構造の第1実施の形態について説明する。
【0026】
図1は、ターボ過給機が装備された水平対向式エンジンの概要を示す正面図、図2は模式的に示す説明図、図3はオイル系統図である。
【0027】
エンジン本体21の中央のクランクケース22から左右にバンク23L、23Rが設けられ、右側のバンク23Rの下部にターボ過給機10が配置され、クランクケース22の直下にオイル貯留部となるオイルパン25が取り付けられている。
【0028】
後述する右側のバンク23Rに形成されたギャラリ40Rとターボ過給機10のオイル入口18aが入口側オイル遮断手段となる圧力検知式逆流防止弁27が介在するオイル連通路26を介して連通している。ターボ過給機10の下方にオイル出口18bに連通するオイルドレン連通路28を介してオイル捕集タンク29が配設されている。オイル捕集タンク29は、オイルパン25に貯留されるオイルOLの油面Lより下方に位置している。
【0029】
オイル捕集タンク29の下部は、オイル捕集タンク29側から順に出口側オイル遮断手段となる圧力検知式逆流防止弁31及びオイル環流ポンプ32が介在するオイル通路30を介してオイルパン25に連通している。特に、圧力検知式逆流防止弁31はオイル捕集タンク29の近傍に配置することが好ましい。
【0030】
ここで、圧力検知式逆流防止弁27は、その圧力検知式逆流防止弁27の上流側、即ちギャラリ40R側の圧力をA、下流側、即ちターボ過給機10側の圧力をBとすると、A>Bの場合に開きギャラリ40R側からターボ過給機10側にオイルOLが流れ、A≦Bの場合には閉じてオイルOLの流れを遮断するように設定されている。また、圧力検知式逆流防止弁31は、その圧力検知式逆流防止弁31の上流側、即ちオイル捕集タンク29側の圧力をC、下流側、即ち、オイル環流ポンプ32側の圧力をDとすると、C>Dの場合に開きオイル捕集タンク29側からオイル循環ポンプ32側にオイルOLが流れ、C≦Dの場合には閉じてオイルOLの流れを遮断するように設定されている。
【0031】
次に、図3に示すオイル系統図を参照してオイルOLの各部への送油を説明する。
【0032】
エンジンの運転により、エンジン本体21の内部に配置されたオイルポンプ33及びオイル環流ポンプ32が作動し、オイルポンプ33によってオイルパン25内のオイルOLが吸引される。このオイルポンプ33によって吸い込まれたオイルOLは、オイルクーラ34に圧送され、オイルクーラ34によって油温が適正化されてエンジン本体21内のオイルギャラリから潤滑部分に送油される。
【0033】
具体的には、クランクケース22側の左右のメインギャラリ35L及び35Rに導かれ、左側のメインギャラリ35Lに供給されたオイルOLは、クランクケース22に配置された潤滑部分であるクランク軸部37Lに送油されてクランク軸部37Lを潤滑すると共に、メインギャラリ35Lから分岐して左側のバンク23Lのシリンダヘッド24Lに配置されたギャラリ38Lを介して潤滑部分である動弁機構39Lに送油され、動弁機構39Lを潤滑する。クランク軸部37L及び動弁機構39Lをそれぞれ潤滑したオイルOLはオイルパン25に回収される。
【0034】
一方、右側のメインギャラリ35Rに供給されたオイルOLは、クランクケース22に配置されたクランク軸部37Rに送油されて潤滑部分であるクランク軸部37Rを潤滑すると共に、メインギャラリ35Rから分岐して右側のバンク23Rのシリンダヘッド24Rに配置されたギャラリ38Rを介して動弁機構39Rに送油され、動弁機構39Rを潤滑する。クランク軸部37R及び動弁機構39Rをそれぞれ潤滑したオイルOLはオイルパン25に回収される。
【0035】
更に、シリンダヘッド24R内でギャラリ38Rから分岐したギャラリ40Rを経てオイル連通路26にオイルOLが供給される。ここで、ギャラリ40Rからオイル通路26を介して圧力検知式逆流防止弁27に供給されるオイルOLは、オイルポンプ33からの圧力が作用し、圧力検知式逆流防止弁27に作用するギャラリ40R側の圧力Aがターボ過給機10側から作用する圧力Bより大きく、圧力検知式逆流防止弁27にA>Bの圧力が作用し、圧力検知式逆流防止弁27が開きオイル連通路26を介してターボ過給機10のオイル入口18aにオイルOLが送油される。
【0036】
オイル入口18aから供給されたオイルOLは、給油通路19を経てタービンホイール側軸受16a及びコンプレッサホイール側軸受16bに送油されて該部を潤滑する。タービンホイール側軸受16a及びコンプレッサホイール側軸受16bを潤滑及び冷却したオイルOLは、センタハウジング13の下部に開口するオイル出口18bからオイルドレン連通路28を介してオイル捕集タンク29に排出される。
【0037】
ここで、ターボ過給機10側からの圧力が作用し、かつオイル環流ポンプ32の作動により、圧力検知式逆流防止弁31に対するオイル捕集タンク29側の圧力Cに対しオイル環流ポンプ32側の圧力Dが小さくなり、圧力検知式逆流防止弁31にC>Dの圧力が作用して圧力検知式逆流防止弁31が開き、オイル捕集タンク29内に供給されたオイルOLはオイル環流ポンプ32により吸い上げられてオイル通路30を経てオイルパン35に回収される。
【0038】
一方、エンジンが停止すると、オイルポンプ33及びオイル環流ポンプ32の作動が停止する。オイルポンプ33の作動停止により、オイルポンプ33側からメインギャラリ35L、35RへのオイルOLの圧送が停止し、ギャラリ40Rからオイル連通路26へのオイルOLの供給も停止する。これにより、圧力検知式逆流防止弁27に対するギャラリ40R側から作用する圧力A及びターボ過給機10側から作用する圧力BがA≦Bとなり、圧力検知式逆流防止弁27が閉じる。また、オイル環流ポンプ32の作動停止により圧力検知式逆流防止弁31に対するオイル捕集タンク29側から作用する圧力C及びオイル環流ポンプ32側から作用する圧力DがC≦Dとなり、圧力検知式逆流防止弁31が閉じる。
【0039】
この圧力検知式逆流防止弁27が閉じることにより、エンジン停止時やエンジン停止中にエンジン本体21内のオイルギャラリや動弁機構等の潤滑部分に残存するオイルOLが、ギャラリ40Rからオイル連通路26側に重力で流下しても、閉じた圧力検知式逆流防止弁27によってその流下が阻止される。これによりオイルOLがターボ過給機10に流入することがなくなり、センターハウジング13から各オイルシール部20の隙間20a等を介してタービン室11及びコンプレッサ室12に漏出すことが確実に防止できる。
【0040】
同様に、圧力検知式逆流防止弁31が閉じることにより、エンジン停止時やエンジン停止中にオイル環流ポンプ31やオイル通路30内に残存するオイルOLがオイル捕集タンク29内に流下することが防止される。これによりオイルOLがターボ過給機10に流入することが防止され、オイルがタービン室11及びコンプレッサ室12に漏出す不具合が確実に防止できる。また、オイル捕集タンク29内へのオイルOLの流入が防止されることから、オイルOLがセンターハウジング13内に流入するおそれがなくなり、オイル捕集タンク29の容積を減少させることができ、オイル捕集タンク29のコンパクト化が可能になる。
【0041】
従って、本実施の形態によると、エンジン停止時及び停止中にオイルOLがタービン室11及びコンプレッサ室12に漏出することが未然に防止でき、オイルOLの消費量が抑制できる。更に、コンプレッサ室12内に漏出したオイルOLによるエンジン始動時における白煙発生が防止できる。
【0042】
(第2実施の形態)
次に、本発明によるターボ過給機のオイル漏出防止構造の第2実施の形態を図4を参照して説明する。
【0043】
本実施の形態は、入口側オイル遮断手段及び出口側オイル遮断弁をエンジンの停止時に閉じる電磁制御弁51、52により構成したことを特徴とし、他の構成は第1実施の形態と同様であり、図4に図2と対応する部分に同一符号を付することで対応する部分の詳細な説明は省略する。
【0044】
オイル連通路26に介装される電磁制御弁51及びオイル通路30に介装される電磁制御弁52は、イグニッションスイッチ53のONによる電子制御ユニット54からの信号により、切換スイッチ55が作動して開き、かつイグニッションスイッチ53のOFFにより閉じるように構成されている。
【0045】
エンジンの運転時には、イグニッションスイッチ53がON状態に維持され、オイルポンプ33及びオイル環流ポンプ32が作動し、エンジン本体21内の潤滑部分がオイルOLによって潤滑されると共に、電磁制御弁51及び電磁制御弁52が共に開状態に維持される。
【0046】
エンジン本体21に形成されたギャラリ40Rから開状態の電磁制御弁51を介在するオイル連通路26を介してターボ過給機10のオイル入口18aにオイルOLが送油される。オイル入口18aから供給に供給されたオイルOLは、給油通路19を経てタービンホイール側軸受16a及びコンプレッサホイール側軸受16bを潤滑及び冷却する。タービンホイール側軸受16a及びコンプレッサホイール側軸受16bを潤滑及び冷却したオイルOLは、センターハウジング13の下部に開口するオイル出口18bからオイルドレン連通路26を介してオイル捕集タンク29に排出される。
【0047】
オイル捕集タンク29に供給されたオイルOLは、開状態に維持された電磁制御弁52を介してオイル環流ポンプ32により吸い上げられ、オイル通路30を経てオイルパン25に回収される。
【0048】
一方、イグニッションスイッチ53がOFFし、エンジンが停止するとオイルポンプ33及びオイル環流ポンプ32の作動が停止すると共に、電磁制御弁51及び電磁制御弁52が閉じられる。
【0049】
従って、エンジン停止時やエンジン停止中にエンジン本体21内のオイルギャラリや動弁機構等の潤滑部分内に残存するオイルOLが流下しても、オイルOLが電磁制御弁51からターボ過給機10のオイル入口18a側へ流下することがなく、また、オイル環流ポンプ31やオイル通路30内に残存するオイルOLがターボ過給機10内に流下することが防止でき、第1実施の形態と同様の効果が得られる。
【0050】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、ドライサンプ潤滑方式のエンジンにあっては、オイルパンの代えてオイル貯留部となるオイルタンクにオイル環流ポンプ31によってオイルOLを送油するように構成することもできる。また、上記実施の形態では1個のターボ過給機を備えた水平対向式エンジンを例に説明したが、複数のターボ過給機を備えた水平対向式エンジンに適用することも、更に、ターボ過給機を備えたV型エンジンや他の形式のエンジンに適用することもできる。
【0051】
【発明の効果】
以上説明した本発明によるターボ過給機のオイル漏出防止構造によると、エンジン本体の下部にターボ過給機を備えたエンジンにおいて、エンジン停止時に入口側オイル遮断手段によりオイルギャラリとターボ過給機のオイル入口とを連通するオイル連通路を閉じることによって、エンジン停止時やエンジン停止中にエンジン本体内のオイルギャラリや動弁機構等の潤滑部分に残存するオイルが、オイルギャラリからオイル連通路側に重力で流下しても、閉じた入口側オイル遮断手段によってターボ過給機への流入が防止される。よってエンジン停止時及びエンジン停止中にオイルがターボ過給機のセンターハウジングからタービン室やコンプレッサ室側に漏出するのが未然に防止できて、オイルの消費量が抑制できる。更に、コンプレッサ室内に漏出したオイルによるエンジン始動時の白煙発生が防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるターボ過給機のオイル漏出防止装置の第1実施の形態の概要を示すターボ過給機が装備された水平対向式エンジンの正面図である。
【図2】同じく、模式的に示す説明図である。
【図3】同じく、潤滑油系統図である。
【図4】本発明によるターボ過給機のオイル漏出防止装置の第2実施の形態の概要を模式的に示す説明図である。
【図5】ターボ過給機の説明図である
【図6】ターボ過給機に使用されるオイルシール部の説明図である。
【図7】従来のターボ過給機のオイル漏出防止装置の概要説明図である。
【符号の説明】
10 ターボ過給機
11 タービン室
12 コンプレッサ室
13 センターハウジング
14 タービンホイール
15 コンプレッサホイール
18a オイル入口
18b オイル出口
19 給油通路
20 オイルシール部
21 エンジン本体
25 オイルパン(オイル貯留部)
26 オイル連通路
27 圧力検知式逆流防止弁(入口側オイル遮断手段)
29 オイル捕集タンク
30 オイル通路
31 圧力検知式逆流防止弁(出口側オイル遮断手段)
32 オイル環流ポンプ
33 オイルポンプ
35L、35R メインギャラリ
36L、36R ギャラリ
37L、37R クランク軸部(オイル潤滑部)
38L、38R ギャラリ
39L、39R 動弁機構(オイル潤滑部)
40R ギャラリ
51 電磁制御弁(入口側オイル遮断手段)
52 電磁制御弁(出口側オイル遮断手段)

Claims (6)

  1. エンジン本体の下部にターボ過給機が配設され、エンジン本体内のオイルギャラリから上記ターボ過給機のオイル入口に送油し、ターボ過給機のオイル出口から排出されるオイルをオイル環流ポンプを介してオイル貯留部に送油するターボ過給機のオイル漏出防止装置において、
    エンジン停止時に上記オイルギャラリとターボ過給機のオイル入口とを連通するオイル連通路を閉じ、かつエンジン運転時に開く入口側オイル遮断手段を備えたことを特徴とするターボ過給機のオイル漏出防止装置。
  2. エンジン停止時に上記ターボ過給機のオイル出口と上記オイル環流ポンプとを連通するオイル通路を閉じ、かつエンジン運転時に開く出口側オイル遮断手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のターボ過給機のオイル漏出防止装置。
  3. 上記入口側オイル遮断手段は、
    該入口側オイル遮断手段に対する上記オイルギャラリ側の圧力が上記ターボ過給機のオイル入口側の圧力より大で開き、上記オイルギャラリ側の圧力が上記ターボ過給機の入口側の圧力以下で閉じる圧力検知式逆流防止弁であることを特徴とする請求項1または2に記載のターボ過給機のオイル漏出防止装置。
  4. 上記出口側オイル遮断手段は、
    該出口側オイル遮断手段に対する上記ターボ過給機のオイル出口側の圧力が上記オイル環流ポンプ側の圧力より大で開き、上記ターボ過給機のオイル出口側の圧力が上記オイル環流ポンプ側の圧力以下で閉じる圧力検知式逆流防止弁であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のターボ過給機のオイル漏出防止装置。
  5. 上記入口側オイル遮断手段は、
    エンジン停止時に閉じエンジン運転時に開く電磁制御弁であることを特徴とする請求項1または2に記載のターボ過給機のオイル漏出防止装置。
  6. 上記出口側オイル遮断手段は、
    エンジン停止時に閉じエンジン運転時に開く電磁制御弁であることを特徴とする請求項1、2、5のいずれかに記載のターボ過給機のオイル漏出防止装置。
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