JP6069906B2 - 水蒸気透過率評価用構造体および水蒸気透過率評価方法 - Google Patents

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本発明は、水蒸気バリアフィルムの水蒸気透過率を評価する際に用いられる水蒸気透過率評価用構造体および水蒸気バリアフィルムの水蒸気透過率評価方法に関する。
バリアフィルム分野においては、従来の食品包装用途のほか、電子部品用途に向けた製品開発が盛んになされている。電子部品用途としては、製品の梱包材としてのみならず、例えば石油代替エネルギーとして有望視される太陽電池など、その特性が水分により劣化する装置の保護フィルムとして使用されつつある。
水分により劣化する装置のうち、極めて敏感であるのが薄型ディスプレイとして着目される有機EL表示装置である。
有機EL表示装置は、有機物質からなるごく薄い発光層の両サイドに電極を配置し、一方は正孔を注入する陽極、もう一方は電子を注入する陰極として発光層に電流を流すことで発光させている。この電極は、発光した光を取り出すため一方が透明である必要がある。そのため、仕事関数の関係から一般に陽極を透明金属酸化物からなるものとし、陰極は金属電極とすることが多い。
しかし、一般に有機発光層や電極材料は水分や酸素により化学変化をおこし、電荷注入が効率的に行われなくなる場合がある。特に水分により有機EL装置の発光輝度は低下し、最終的にはダークスポットと呼ばれる非発光領域が発生する。
このダークスポットを抑制するために、かねてから様々な手法が確立されている。一つは、有機EL装置を作製する際、特に電極および有機発光層を成膜する工程をNや希ガスなどの不活性雰囲気中で行うことである。
また、有機EL装置を大気中の水分から保護するために、金属やガラスからなるキャップ型カバーで完全に封止する。
更には有機EL装置と封止キャップとの間に封じられる雰囲気は不活性ガスとなるようにする。
つまり、成膜から封止までの工程をすべて不活性雰囲気下で行うのが一般的である。
こうして作製された有機EL表示装置においては、許容される外部からの水蒸気透過率が10−5g/m/day以下であるとされている。
一方、近年では有機EL表示装置の多様化によりそれ自身にフレキシブル性が求められようになり、フレキシブル型有機EL表示装置と呼ばれる樹脂フィルム上に有機EL素子が形成された表示装置の開発がなされている。
フレキシブル型有機EL表示装置はフレキシブル性を維持するため、従来のように缶材やガラス材では封止することが出来ない。そのため、ガラスや缶と同等の水蒸気透過率を持つフレキシブル素材、つまりはハイバリアフィルムが嘱望されている。
ハイバリアフィルムとは、基材となる高分子フィルム上に水蒸気の透過を抑制するバリア膜と呼ばれる無機薄膜層あるいは有機薄膜層をコーティングしたものである。基材としてよく知られるものには、ポリオレフィンフィルム、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエステルフィルム、ポリアミドフィルム、ポリイミドフィルムなどがある。これら基材フィルム上にバリア膜をコーティングするには、バリア膜が例えばアルミニウムや酸化アルミニウムや酸化シリコンなどの無機薄膜層である場合にはスパッタリング法やCVD法により行い、有機薄膜層である場合には樹脂を溶剤に溶かし塗布するウェットコーティングで行うのが一般的である。
ところで、ハイバリア膜の水蒸気透過率評価には、従来からいくつかの手法がある。第1にはカップ法と呼ばれる手法である。カップ法とは、JIS Z 0208「防湿包装材料の透過湿度試験方法」に規定される水分透過率評価法であるが、この手法による測定感度は低く、10−1g/m/day程度である。第2に、カップ法より高い感度を持つJIS K 7129 B法に基づく赤外線センサーを用いた水蒸気透過率評価法である。しかし、この手法においてもその感度は10−2g/m/dayである。近年では、より低い水蒸気透過率評価として、水蒸気の検出器にクーメトリックセンサーを用いたクーメトリック法(MOCON法)が用いられているが、感度は10−4g/m/dayが限界である。
しかし、前述のように有機EL表示装置用のハイバリアフィルムには10−5g/m/day以下の水蒸気透過率が求められており、上記のような手法では正確な水蒸気透過率の測定ができない。そのため、このようなハイバリアフィルムの水蒸気透過率測定手法について様々な開発が開示されている。
代表的な例は、リチウムやカリウムなどのアルカリ金属、またはカルシウムやバリウムなどのアルカリ土類金属における高い水との反応性を利用した手法である。代表的な手法にはカルシウム腐食観察法がある。この手法は、ハイバリアフィルムに、カルシウムに代表される水と反応して腐食する金属膜を真空蒸着し、さらに水と反応する金属膜を封止するように水と無反応の金属膜を真空蒸着し、さらに水と無反応の金属膜上を蜜蝋などの水分を透過しにくい有機物で覆った評価構造体を使用する。評価構造体を所定環境下に放置した後、顕微鏡などで腐食したカルシウム(水酸化カルシウム)の観察を行い、その面積から透過水分量を計算するものである(特許文献1参照)。
また、アルカリ金属薄膜と固体電解質薄膜と金属薄膜を順次積層した電池を作製し、ハイバリアフィルムを透過してきた水蒸気がアルカリ金属薄膜に接触し水酸化することで電池の放電容量が低下することを利用し、放電容量を計測することでその変化量から水蒸気透過率を算出する手法も開示されている(特許文献2参照)。
特許第3958235号公報 特許第4828471号公報
しかしながら、アルカリ金属あるいはアルカリ土類金属を用いた手法はハイバリアフィルムの水蒸気透過率を測定できるものの、その反応性の高さから評価構造体の原料および作製済みの構造体自身の取り扱いに細心の注意を払う必要があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、10−4g/m/day以下のハイバリアフィルムの水蒸気透過率を正確に測定することができ、かつ取り扱いが容易な水蒸気透過率評価用構造体と水蒸気透過率評価方法とを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の一態様は、基板上に配線状にパターン化されたアルミニウム薄膜と、前記アルミニウム薄膜に付着した塩素系成分とを有し、測定対象となるハイバリアフィルムで前記アルミニウム薄膜と前記塩素系成分とを覆うように封止した水蒸気透過率評価用構造体であることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る水蒸気透過率評価用構造体では、前記基板がガラス板もしくは金属板もしくは樹脂板からなる平板であることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る水蒸気透過率評価用構造体では、前記塩素系成分は、前記アルミニウム薄膜の配線幅方向の側壁に付着していることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る水蒸気透過率評価用構造体では、前記アルミニウム薄膜の配線幅方向の側壁には、塩化アルミニウムが形成されていることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る水蒸気透過率評価用構造体では、ガラス製あるいは金属製あるいは樹脂製あるいは樹脂コーティングした金属製のフレームに前記バリアフィルムを貼付したバリアフィルム付きフレームが、前記アルミニウム薄膜上を完全に覆うように前記基板に貼付されていることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る水蒸気透過率評価用構造体では、前記フレームに前記バリアフィルムを貼付する際、あるいは前記バリアフィルム付きフレームを前記基板に貼付する際には、エポキシ系接着剤が用いられていることを特徴とする。
本発明の別の態様は、基板上に配線状にパターン化されたアルミニウム薄膜と、前記アルミニウム薄膜に付着した塩素系成分とを有し、測定対象となるハイバリアフィルムで前記アルミニウム薄膜と前記塩素系成分とを覆うように封止した水蒸気透過率評価用構造体を用いて、前記パターン化された前記アルミニウム薄膜と、前記塩素系成分と、前記ハイバリアフィルムを透過してきた水蒸気との反応により生成する水酸化アルミニウムを観察することにより水蒸気透過率を評価する評価方法であることを特徴とする。
また、本発明の一態様に係る水蒸気透過率評価方法は、前記水酸化アルミニウムの生成によって起こる、前記アルミニウム薄膜の配線幅の増加量から水蒸気透過率を換算することを特徴とする。
本発明によれば、ハイバリアフィルムの水蒸気透過率を正確に、利便性良く測定することが可能となる。
本発明の実施形態に適用される、水蒸気透過率評価用構造体の構成を示す断面図である。 本発明の実施形態に適用される、水蒸気透過率評価用構造体の構成を示す上面図である。 本発明の実施形態に適用される、水蒸気透過率評価方法を示すフローチャート図である。 本発明の実施形態に適用される、配線増加量と水蒸気透過率の関係を示す一例である。
《水蒸気透過率評価用構造体の実施形態》
図1は、本発明に係る水蒸気透過率評価用構造体1の一例を側面から示した図である。図1に示すように、水蒸気透過率評価用構造体1は、基板2上に、成膜されたアルミニウム薄膜をパターニングしたアルミニウム配線3があり、そのアルミニウム配線3上を覆うように、ハイバリアフィルム4およびフレーム5をエポキシ系接着剤6aおよび6bを用いて貼付させた構成となっている。
ここで、基板2の材質はガラスもしくは金属もしくは樹脂などが挙げられるが、アルミニウム薄膜の成膜およびドライエッチングを考慮すると、ガラス板であることが好ましい。また、ミクロンオーダーの微細なアルミニウム配線3を観察することを考慮すると平坦度は高いことが望ましい。
また、アルミニウム薄膜は0.5μm以上2.0μmの範囲内に成膜される。成膜は、真空蒸着またはEB蒸着またはスパッタリング法で行うのが一般的であるが、成膜速度、膜質制御性に優れていることからスパッタリング法が望ましい。
アルミニウム配線3のパターン化は、半導体プロセスで一般的に行われるレジストを用いたフォトリソプロセスおよびドライエッチングにて行う。アルミニウム配線3の配線幅は0.5μm以上10.0μm以下の範囲内であり、ラインまたはスペース形状に形成される。レジストへの転写プロセスはi線ステッパーまたはレーザー描画にてパターン化するのが好ましい。すなわちアルミニウム薄膜が成膜された基板2にレジストを塗布し、フォトマスクを用いてi線露光を行うか、もしくはレーザー描画機を用いてi線レジストに直接パターンを書き込めばよい。その後現像液により不要部のレジストを溶解し、アルミニウム薄膜上にレジストパターンを作製する。
次に、レジストパターンが形成されたアルミニウム薄膜付き基板2をドライエッチングする。ドライエッチングはリアクティブイオンエッチング(RIE)装置を用い、異方性エッチングを行う必要がある。すなわち、レジストパターンが形成されたアルミニウム薄膜付き基板2を平面電極(カソード)に設置し、エッチングガスが導入された状態で、RF発振器により対向電極(アノード)とカソード間に高周波電圧を印加する。ここで、アルミニウム薄膜のエッチングガスにはCl、BCl、CClなどの塩素系ガスを用いる。電圧を印加すると電極間にプラズマが発生し、エッチングガスはプラスイオン化される。このときカソード側は電子によりマイナス電位となるため、プラスイオン化されたエッチングガスが基板2に垂直に引かれ、レジストの存在しないアルミニウム薄膜が露出した部分と反応する。このようにしてアルミニウム配線3は形成される。その後、エッチング処理の終わった基板2を酸素プラズマで処理してレジストを剥離する。
ところで、アルミニウム配線3の側壁にはエッチング残渣ポリマー(図示せず)と呼ばれる生成物が薄く堆積する。このエッチング残渣ポリマーはレジストおよびアルミニウムおよびエッチングガスおよびそれらの酸化物を含む物質である。LSIの製造においてはエッチング残渣ポリマー中に含まれる塩素系成分によりアルミニウム配線腐食が引き起こされることが知られている。特にアルミニウム配線腐食はエッチング後に直ちに基板を水洗すると起こりやすく、近傍の塩素により水酸化アルミニウムとなった部分が水中に溶け出してしまい配線抵抗が高くなる。また、水洗しない場合でも室内環境中の水蒸気と反応し、配線腐食が起こる。いずれにせよエッチング後は残渣を除去することが必須である。本発明では、このようなアルミニウムと塩素系成分の反応を利用するため、エッチング残渣ポリマーは除去せずに付着させたままとする。
次に、アルミニウム配線3上へのハイバリアフィルム4の被覆について説明する。図2に示すように、フレーム5はアルミニウム配線3のパターンをすべて囲めるようにあらかじめ所定の大きさに型がつくられる。フレーム5の材質は、ガラス製でも樹脂製でも金属製でもよいが、フレーム材質からの水蒸気の透過を避けるため、ガラス製もしくは金属製が好ましい。
フレーム5の形状と同じ形状に切り出されたハイバリアフィルム4はエポキシ系接着剤6aを用いてフレーム5に貼付される。その後、フレーム5のもう一方の面は、エポキシ系接着剤6bを用いて基板2上に形成されたアルミニウム配線3を覆うように基板2に貼付される。このようにして水蒸気透過率評価用構造体1は作製される。
《水蒸気透過率評価方法の実施形態》
本発明に係る水蒸気透過率評価は、水蒸気透過率評価用構造体1を用い、ハイバリアフィルム4を透過してきた水蒸気によりアルミニウム配線3に生成される水酸化アルミニウムを観察することにより実現される。本発明の水蒸気透過率評価方法について、図3に示されるフローチャートを用いて説明する。
水蒸気透過率評価用構造体1は、前記水蒸気透過率評価用構造体の実施形態のとおり作製される。このとき、アルミニウム配線3はその側壁に存在するエッチング残渣ポリマー中の塩素と反応し式1に示す化学反応により側壁に塩化アルミニウムが形成される。
2Al+3Cl → 2AlCl ・・・・(式1)
続いて、アルミニウム配線3は測長SEMにて任意の場所が観察され、アルミニウム配線3の線幅が計測される。
続いて、水蒸気透過率評価用構造体1は所定の温度および所定の温度に調整された評価環境に静置される。このとき評価環境に存在する水蒸気は、ハイバリアフィルム4を通過し基板2とフレーム5に囲まれた空間に拡散する。拡散された水蒸気はアルミニウム配線3に到達する。このとき、式2に示す化学反応により水酸化アルミニウムが生成される。
2AlCl+6HO → 2Al(OH)+3H+3Cl ・・・・(式2)
生成した水酸化アルミニウムは水蒸気と塩素イオンにより溶解性を示すため、配線内部のアルミニウムが露出される。また式2にて生成された塩素は式1の反応のとおり、露出されたアルミニウムと反応する。
このようにして、エッチング残渣ポリマー中に含まれる少量の塩素を利用して、アルミニウム配線3は供給される水蒸気量に応じて水酸化アルミニウムへ変化していく。
次に、所定時間経過ののち、アルミニウム配線3は測長SEMで観察され、評価環境静置前に計測した際と同じ位置のアルミニウム配線3の線幅が計測される。そうして初期のアルミニウム配線3の線幅からの線幅増加量が算出される。
配線増加量からの水蒸気透過度の換算は、検量線により求める。すなわち水蒸気透過率の異なる、かつ既知透過量を示すフィルム等を上記と同様に測定し、予め検量線を作成しておく。
次に、上記の実施形態に基づいて実現した水蒸気透過率測定の具体的な実施例について説明する。
《実施例1》
まず、水蒸気透過率評価用構造体を作成した。このとき、基板には10cm角のガラス板を用い、ガラス板にスパッタリング法にてアルミニウムを0.5μmの膜厚となるように成膜した。
次に、ガラス板上にネガ型レジストをスピンコートし、レーザー描画機にて配線パターンを描画した。このとき、パターン描画エリアは1cm角とし、そのパターンエリアの内部に配線幅が2.0μm、線長を1cmとするラインパターンを100本描画した。描画後は、現像液にて未描画部のレジストを溶解し、レジストパターンを作成した。
次に、レジストパターンが形成されたアルミニウム薄膜付き基板をドライエッチングした。このとき、ドライエッチングはリアクティブイオンエッチング(RIE)装置を用い、異方性エッチングを行った。アルミニウム薄膜のエッチングガスにはCl、BCl混合ガスを用いた。その後、エッチング処理の終わった基板を酸素プラズマで処理してレジストを剥離した。
次に、1cm角アルミニウム配線パターン内部9箇所の配線幅を測長SEMにて計測した。このとき、配線幅は平均で2.035μmであった。
続いて、アルミニウム配線パターンが作成された基板上にハイバリアフィルムを被覆した。ハイバリアフィルムは、予めカルシウム腐食法にて、1.12×10−4g/m/dayと確認したものを使用した。また、このとき用いたフレームは、樹脂コート付きのアルミニウムで、上面から見た際に5cm角になるよう形成されており、高さは6mmとした。
具体的には、フレームの片面にエポキシ系接着剤を塗布し、その上に5cm角に切り出したハイバリアフィルムを貼付し、さらに、フレームの別の一方に同様にエポキシ系接着剤を塗布した後アルミニウム配線パターンを完全に覆うように基板に貼付した。
次に、水蒸気透過率評価用構造体を40℃90%に調整した恒温恒湿環境に、96時間静置した。
96時間後に、水蒸気透過率評価用構造体を恒温恒湿環境から取り出し、剥離ナイフを用いてフレームと基板の間に挟まれるエポキシ系接着剤を剥がしたのち、測長SEMにて初期に計測した位置と同じ箇所のアルミニウム配線幅を計測した。このとき配線幅は平均で2.115μmであり、増加量は0.080μmであった。
図4は、同構造の水蒸気透過率評価用構造体を用いて、事前に10−4から10−6g/m/dayレベルの水蒸気透過率をもつハイバリアフィルムで計測した配線増加量と水蒸気透過率の関係を示す図である。この図より、配線増加量0.080μmに相当する水蒸気透過率は、1.04×10−4g/m/dayであり予めカルシウム腐食法にて測定した水蒸気透過率とほぼ一致した。
以上のように、本発明の実施形態によれば10−4g/m/day以下の水蒸気透過率を正確に測定できることが確認された。
本発明に係る構造体の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、本発明の具体的な構成は上述した実施形態の内容に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても、それらは本発明に含まれる。
1 水蒸気透過率評価用構造体
2 基板
3 アルミニウム配線
4 ハイバリア膜
5 フレーム
6a、6b エポキシ系接着剤

Claims (9)

  1. 基板上に配線状にパターン化されたアルミニウム薄膜と、前記アルミニウム薄膜に付着した塩素系成分とを有し、測定対象となるハイバリアフィルムで前記アルミニウム薄膜と前記塩素系成分とを覆うように封止したことを特徴とする水蒸気透過率評価用構造体。
  2. 請求項1に記載の水蒸気透過率評価用構造体であって、
    前記基板が、ガラス板もしくは金属板もしくは樹脂板からなる平板であることを特徴とする水蒸気透過率評価用構造体。
  3. 請求項1または請求項2に記載の水蒸気透過率評価用構造体であって、
    前記塩素系成分は、前記アルミニウム薄膜の配線幅方向の側壁に付着していることを特徴とする水蒸気透過率評価用構造体。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の水蒸気透過率評価用構造体であって、
    前記アルミニウム薄膜の配線幅方向の側壁には、塩化アルミニウムが形成されていることを特徴とする水蒸気透過率評価用構造体。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の水蒸気透過率評価用構造体であって、
    前記アルミニウム薄膜の配線幅は、0.5μm以上10.0μm以下の範囲内であることを特徴とする水蒸気透過率評価用構造体。
  6. 請求項1から請求項のいずれか一項に記載の水蒸気透過率評価用構造体であって、
    ガラス製あるいは金属製あるいは樹脂製あるいは樹脂コーティングした金属製のフレームに前記バリアフィルムを貼付したバリアフィルム付きフレームが、前記アルミニウム薄膜上を完全に覆うように前記基板に貼付されていることを特徴とする水蒸気透過率評価用構造体。
  7. 請求項に記載の水蒸気透過率評価用構造体であって、
    前記フレームに前記バリアフィルムを貼付する際、あるいは前記バリアフィルム付きフレームを前記基板に貼付する際には、エポキシ系接着剤が用いられていることを特徴とする水蒸気透過率評価用構造体。
  8. 基板上に配線状にパターン化されたアルミニウム薄膜と、前記アルミニウム薄膜に付着した塩素系成分とを有し、測定対象となるハイバリアフィルムで前記アルミニウム薄膜と前記塩素系成分とを覆うように封止した水蒸気透過率評価用構造体を用いて、前記パターン化された前記アルミニウム薄膜と、前記塩素系成分と、前記ハイバリアフィルムを透過してきた水蒸気との反応により生成する水酸化アルミニウムを観察することにより水蒸気透過率を評価することを特徴とする水蒸気透過率評価方法。
  9. 請求項に記載の水蒸気透過率評価方法であって、
    前記水酸化アルミニウムの生成によって起こる、前記アルミニウム薄膜の配線幅の増加量から水蒸気透過率を換算することを特徴とする水蒸気透過率評価方法。
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