JP2006185679A - 有機elパネル及び有機el発光装置、並びに有機elパネルの製造方法 - Google Patents

有機elパネル及び有機el発光装置、並びに有機elパネルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 信頼性の高い有機ELディスプレイ及び有機EL発光装置、並びに有機ELディスプレイの製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明の一態様における有機ELパネルは、有機EL素子9が形成された素子基板10と、素子基板10に対向するように配置された対向基板20と、高分子材料から形成され、素子基板10と対向基板20とを貼り合せ、素子基板10と対向基板20との間において封止空間を形成する封止用シール23と、無機物を主成分として形成され、封止用シール23の外表面を覆い、封止用シール23を外部から遮蔽するバリア膜25とを備えたものである。
【選択図】 図2

Description

本発明は、有機ELパネル及び有機EL発光装置、並びに有機ELパネルの製造方法に関する。
近年、FPD(Flat Panel Display)として有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイが注目されている。有機ELディスプレイは、自発光表示素子であり、液晶表示素子と比較して視野角が広く、バックライトが不要なため薄型化が可能である。また、応答速度も速く、有機物が有する発光性の多様性から、次世代の表示装置として期待されている。
有機ELディスプレイは、画素となる有機EL素子を複数配置した有機ELパネルを備えている。この有機ELパネルは、例えば、平行なストライプ状に配列された陽極と、当該陽極に交差するように、かつ、平行なストライプ状に配列された陰極との交差部の間に有機EL層が挟持された構造となっている。この一つの交差部に、発光素子としての画素が形成せしめられている。
有機ELパネルは、このような画素がマトリックス状に配列されることにより構成されている。この有機ELパネルは、携帯電話の表示器や光源などとしての利用が期待されている。その製法や各種のデバイス構造について多くの研究がなされ、詳細な報告がなされている(非特許文献1)。
ところが、有機ELパネルは、時間経過により発光輝度、発光の均一性等の表示特性が劣化するという問題がある。有機ELパネル内の構成部品の表面に吸着している水分、あるいは有機ELパネル内に浸入した水分や酸素により発光層や有機層が劣化するためである。これにより、時間経過により画素領域の表示可能領域が減少する。そのため、本来表示領域であるにもかかわらず、経時的劣化等により表示できなくなってしまう幅(以下、「ダークフレーム量」という)を抑制する技術が重要となる。
そこで、一般的に、有機ELパネルにおいては、有機EL素子はガラス基板上に形成され、もう1枚のガラス基板又は金属基板とシール樹脂とにより有機EL素子を覆うように貼り合わされている。これらの2枚の基板とシール樹脂とによって囲まれた封止空間には、窒素等の不活性気体又は不活性な液体が満たされている。これによって、有機ELパネル内に備えられた有機EL素子は外気と遮断するよう封止されている。
さらに、封止された有機EL素子内に捕水材を配設している。捕水材としては、1)パウダー型、2)シート型(例えば、特許文献1、特許文献2)、3)ペースト型(例えば、特許文献3)のものが知られている。
このような有機ELパネルにおいては、ガラス基板、金属基板の透過性は低く、これらの基板から水分や気体が浸入しないが、シール樹脂やシール樹脂と基板との界面からは水分や気体が浸入しやすい。有機ELパネル内に設けられた捕水材によって浸入した水分をある程度捕獲することができるが、有機EL素子の信頼性を高め、信頼性の高い有機ELパネルを十分に実現することが困難であった。
「有機EL素子とその工業化最前線」 株式会社エヌ・ティ・エス出版、1998年11月30日 特開平13−354780号公報 特開2002−43055号公報 特開2003−317934号公報
本発明は、上記背景に鑑みてなされたものであり、有機ELパネル内への水分や気体の浸入を抑制することにより、有機EL素子の耐久性を向上し信頼性の高い有機ELディスプレイ及び有機EL発光装置、並びに有機ELディスプレイの製造方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の態様にかかる有機ELパネルは、有機EL素子が形成された素子基板と、前記素子基板に対向するように配置された対向基板と、高分子材料から形成され、前記素子基板と前記対向基板とを貼り合せ、前記素子基板と前記対向基板との間において封止空間を形成する封止用シールと、無機物を主成分として形成され、前記封止用シールの外表面を覆い、前記封止用シールを外部から遮蔽するバリア膜とを備えたものである。これにより、有機EL素子の封止空間を形成する部位の中で相対的に遮蔽性の低い封止用シール部の遮蔽性を向上させ、このシール部から封止空間内に水分や気体が浸入するのを防止することができる。それゆえ、封止空間内の有機EL素子を保護することができ、信頼の高い有機ELディスプレイを実現することができる。
本発明の第2の態様にかかる有機ELパネルは、前記封止空間の内部から外部に延在し、前記素子基板上に配設された配線又は回路と、当該有機ELパネルを駆動するために接続された外部配線とを、さらに備え、前記バリア膜は、前記配線及び前記回路を覆うとともに、前記配線及び前記回路と前記外部配線の接続部分とを覆うものである。これにより、バリア膜によって封止空間外の補助配線や外部配線を保護し、短絡等を防止することができる。
本発明の第3の態様にかかる有機ELパネルは、前記バリア膜が、当該有機ELパネルの外表面全体を覆うものである。これにより、バリア膜によって、封止用シールと素子基板や対向基板との固着部分から封止空間内に水分や気体が浸入するのを防止することができるとともに、封止空間外の補助配線や外部配線を保護することができる。特に、封止用シールと素子基板の界面付近の遮蔽性が向上し、封止用シールと素子基板、対向基板との固着部分から封止空間内に水分や気体が浸入するのを防止することができる。また、バリア膜を全面に形成することによりバリア膜の形成工程を簡素化することが可能になる。
本発明の第4の態様にかかる有機ELパネルは、前記バリア膜がシリカ膜であるものである。これにより、遮蔽性の高いバリア膜を容易かつ安価に実現することができる。
本発明の第1の態様にかかる有機EL発光装置は、このような有機ELパネルを備えたものである。これにより、封止空間内に水分や気体が浸入するのを防止することができる。それゆえ、封止空間内の有機EL素子を保護することができ、信頼性の高い有機EL発光装置を実現することができる。
本発明の第1の態様にかかる有機ELパネルの製造方法は、封止用シ−ルを備えた有機ELパネルを形成するステップと、前記封止用シールの外表面を覆うように、前記封止用シールを外部から遮蔽するバリア膜を生成するステップと、前記有機ELパネルの封止空間内部の電極に接続され、封止空間外部に引き出された補助配線と当該有機ELパネルを駆動するための駆動回路に接続された外部配線とを接続するステップとを、備え、前記補助配線と外部配線とを接続するステップの後に、前記バリア膜が前記封止空間の外部の補助配線及び前記外部配線を覆うように前記バリア膜を生成するステップを行うものである。
本発明の第2の態様にかかる有機ELパネルの製造方法は、前記バリア膜を形成する工程は、当該有機ELパネルを成膜溶液に浸積するステップと、前記浸積した有機ELパネルにバリア膜を生成するステップとを有するものである。これにより、遮蔽性の高いバリア膜を容易に形成することができる。
本発明によれば、信頼性の高い有機ELディスプレイ及び有機EL発光装置、並びに有機ELディスプレイの製造方法を提供することができる。
以下に、本発明を適用可能な実施の形態の説明をする。以下の説明は、本発明の実施形態についてのものであり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は、本実施形態にかかる有機ELパネルの構成を示す模式的上面図である。図2は、図1中のA−A’断面図である。図1に示すように、本実施形態にかかる有機ELパネル100は、陽極配線1、陰極配線3、陰極補助配線4、画素開口部5、開口絶縁膜6、陰極隔壁7、コンタクトホール8、素子基板10を備えている。また、図2に示すように、本実施形態にかかる有機ELパネル100は、有機EL素子9、捕水材22、対向基板20を備えている。
素子基板10としては、例えば、無アルカリガラス基板(例えば、旭硝子社製AN100)、又は、アルカリガラス基板(例えば、旭硝子社製AS)を用いることができる。素子基板10の厚みは、特に限定されないが、例えば0.7〜1.1mmのものを用いることが好ましい。
陽極配線1は、図1に示すように素子基板10上に複数本備え、それぞれが平行となるように配設されている。陽極配線1の材料としては、例えばITOを用いることが好ましい。陽極配線1は、素子基板10の端部側において異方性導電膜(以下、「ACF」と略記する)を介してFPC(Flexible Printed Circuit board)やTCP(Tape Career Package)等の外部配線と接続するための金属パッドとして機能する。このように構成することにより、外部に設けられた駆動回路から陽極配線1に電流が供給されることになる。また、ITOを用いて形成された陽極配線1の下に、CF、CCM、オーバーコート(平坦化膜)、バリア膜等を設けてもよい。
陰極配線3は、図1に示すように複数本備え、それぞれが平行となるよう、かつ、上記陽極配線1と直交するように配設されている。陰極配線3は、通常はAl又はAl合金を使用する。陰極補助配線4は、陰極配線3の端部において陰極配線3とコンタクトホール8を介して電気的に接続され、平行となるように配置されている。この陰極補助配線4は、陰極配線3端部から素子基板10の端部に向けて延設されている。したがって、陰極配線3と同じ本数の陰極補助配線4が形成されている。陰極補助配線4は、その端部側においてFPCやTCP等の外部配線42と接続するための金属パッドとして機能する。また、陰極補助配線4は、多層構造又は単層構造の金属膜により形成することができる。
開口絶縁膜6は、陽極配線1、及び陰極補助配線4上にその一部を覆うように形成されている(図1及び図2参照)。そして、陽極配線1と陰極配線3が交差する位置に、表示画素領域となる画素開口部5が設けられている。有機EL素子9は、図2に示すように開口絶縁膜6の上に形成されており、陽極配線1と陰極配線3とに挟持された構造となっている。有機EL素子9は、例えば、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層により構成された有機EL層である。
陰極隔壁7は、図1に示すように陰極配線3と平行に配設されている。陰極隔壁7は、陰極配線3の配線同士が導通しないように、複数の陰極配線3を空間的に分離する。陰極隔壁7の断面形状は、素子基板10から離間するにつれて断面幅(図1中のB方向)が大きくなる形状(逆テーパ形状)のことをいう。これにより、陰極隔壁7の側壁及び立ち上がり部分が陰となり、後述する陰極配線3の製造工程において、複数の陰極配線3を空間的に分離しやすくすることができる。
上記素子基板10は、対向基板20とシール材を介して貼り合わせられ、有機EL素子9等が設けられた空間が封止せしめられている。封止を行うのは、有機EL素子9が空気中の水分により劣化するのを避けるためである。対向基板20上であって、上記封止された空間内には上述した有機EL素子9や陰極配線3等と間隙をもって捕水材22が配設されている。すなわち、陽極配線1、有機EL素子9、及び陰極配線3等を有し、有機EL素子となる積層体から離間して捕水材22が配設される。
捕水材22としては物理吸着性捕水材と化学吸着性捕水材等が利用可能である。物理吸着性捕水材としてはシリカゲルや合成ゼオライトなどがあり、化学吸着性捕水材としては、五酸化燐や塩化カルシウムなどがある。また、捕水材22としては、アルカリ土類金属酸化物と不活性油を主成分とする捕水材を使用することができる。アルカリ土類金属酸化物としては、例えば、BaO、CaO、MgO、を挙げることができる。不活性油としては、本発明の趣旨に反しない限り公知のものを用いることができる。好適には、フッ素系油やシリコーン系油を用いることができる。
封止用シール23は、素子基板10と対向基板20の両者に固着し、これらの素子基板10と対向基板20を貼り合わしている。これによって、素子基板10と対向基板20との間に、封止空間が形成されている。封止用シール23の材料としては、高分子材料であり、例えば、光カチオン重合型エポキシ樹脂などの感光性エポキシ樹脂を好適に用いることができる。また例えば、封止用シール23の幅は2mm程度とすることができ、その高さは20μm程度とすることができる。
バリア膜25は、封止用シール23上に覆設され、この封止用シール23を外部から遮蔽している。詳細には、バリア膜25は、素子基板10と封止用シール23との固着部分の外表面を覆い、それとともに対向基板20と封止用シール23との固着部分の外表面を覆っている。従って、バリア膜25は、封止用シール23と素子基板10、対向基板20との固着部分を外部から遮蔽している。また、バリア膜25は、封止用シール23全体の外表面を覆うように設けられ、本実施形態においては、有機ELパネル100全体の外表面を覆って有機ELパネル100全体を外部から遮蔽している。
バリア膜25は、無機薄膜を形成する化合物を含んだ成膜溶液から析出、膜状化して形成される無機薄膜から形成される。すなわち、バリア膜25は、無機物を主成分とする膜から形成されている。ここで、成膜溶液とは、この無機薄膜を形成する化合物を含んだ液である。この無機薄膜は、複雑形状に追従できる成膜性と封止材以上の遮蔽性及び安定性が求められる。このようなの条件を満たすバリア膜25としては、無機物を主成分とする膜が好ましく、成膜時の透明性に優れ、絶縁性も高いシリカ膜がさらに好ましい。また、無機物を主成分とする膜の成膜法としては、周知のさまざまな方法が適用可能であるが、成膜溶液に用いる可溶性化合物として、4官能性の加水分解性シラン化合物やその部分加水分解縮合物、シリコーン系熱硬化性化合物およびポリシラザンなどがある。
4官能性の加水分解性シラン化合物やその部分加水分解縮合物としては、例えばテトラアルコキシシランやその部分加水分解縮合物がある。緻密なシリカ膜を生成するポリシラザンを成膜溶液として用いることがさらに好ましく、平坦性及び表面特性の優れたバリア膜を得ることができる。また、成膜溶液の自然乾燥によってもシリカ膜の成膜は可能であるが、より緻密なシリカ膜を生成するため、加熱乾燥、焼成、紫外線硬化などの手法を利用することが可能である。また、成膜反応の促進のため触媒や成膜助剤を用いることも可能である。
バリア膜25の膜厚は、薄すぎると遮蔽性の低下や異物等の突起に対する被覆性の低下が発生し、厚すぎると亀裂が入りやすくなり、遮蔽性の低下や均一性の低下が生じる。そのため、バリア膜25の膜厚は、30nm〜3μm程度が好ましく、100nm〜1μm程度が付着物等を覆うことができ、かつ耐クラック性が低下しないためより好ましい。
次に、本実施形態にかかる有機EL発光装置の製造方法について図1〜6を用いつつ説明する。なお、下記の製造工程は有機EL発光装置の場合における典型的な一例であり、本発明の趣旨に合致する限り他の製造方法を採用することができることは言うまでもない。図3は、本実施形態にかかる有機EL発光装置の製造工程を示すフローチャートである。図4は、有機ELパネル100の構成を示す断面図である。図5は、浸漬中の有機ELパネル100の構成を示す断面図、乾燥後の有機ELパネル100の構成を示す断面図である。
ステップS1として、素子基板10上に陽極配線1及び陰極補助配線4を形成する。例えば、スパッタや蒸着を用いて、ITO等の陽極配線材料を素子基板10全面に均一性よく成膜する。その後、フォトリソグラフィー工程及びエッチング工程により、成膜された陽極配線材料をパターニングする。これにより陽極配線1が形成される。例えば、フォトリソグラフィー工程では、レジストとしてフェノールノボラック樹脂を使用する。エッチング工程では、ウエットエッチング法を採用し、処理液として塩酸及び塩酸第2鉄の混合水溶液を使用する。剥離液として、例えばモノエタノールアミン水溶液を使用する。
陰極補助配線4は、例えば、スパッタや蒸着によって成膜したAl又はAl合金などの低抵抗な金属材料を、フォトリソグラフィー工程及びエッチング工程によりパターニングして形成することができる。例えば、ウエットエッチング法を採用する場合には、処理液として燐酸、酢酸、硝酸の混合水溶液よりなるエッチング液を使用する。また、下地との密着性向上や、腐食防止等の観点からAl膜の下層又は上層にTiNやCr等のバリア層を形成して、補助配線を多層構造体とすることができる。例えば、DCスパッタ法により、総厚が450nmのCr/Al/Crの多層構造体を成膜する。なお、陽極材料と補助配線材料とを順に成膜した後に、補助配線材料と陰極配線材料とを順番にパターニングすることも可能である。
その後、ステップS2として、開口絶縁膜7を形成する。開口絶縁膜材料としては、例えば感光性ポリイミドを用いることができる。例えば、スピンコーティングによりポリイミドを成膜する。成膜された開口絶縁膜材料は、表示領域となる画素開口部5及びコンタクトホール8が開口せしめられるようにパターニングされる。感光性ポリイミドを用いる場合には、露光工程、現像工程の後にキュア工程を行い、図1及び図2に示すような画素開口部5及びコンタクトホール8を有する開口絶縁膜6のパターンを得る。
続いて、ステップS3として陰極隔壁6を形成する。例えば、感光性ノボラック樹脂、感光性アクリル樹脂等をスピンコート法によって成膜した後、複数の陰極配線3が形成される位置の間隙に、図1に示すように陰極配線3と平行になるようにパターニングを行う。また、ネガタイプの感光性樹脂を用いると、露光工程において、陰極隔壁7の下層位置ほど光反応が不十分となり逆テーパ構造を容易に形成できる。なお、このステップS3の後に、絶縁膜に形成された画素開口部5により露出するITO層の表面改質を行うために、酸素プラズマ又は紫外線を照射する工程を加えてもよい。
続いて、ステップS4として有機EL素子9を構成する有機EL層をマスク蒸着する。例えば、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層を順次蒸着する。さらに、ステップS5として、例えばAl等の陰極配線材料をマスク蒸着することによって陰極配線3を形成する。マスク蒸着に変えて、スパッタリング、イオンプレーティングなどの他の物理的気相成長法(PVD)により形成してもよい。以上の工程により、素子基板10上には複数の有機EL素子9が形成される。
次に、有機EL素子9を封止するための対向基板を製造する工程について説明する。まず、対向基板20上に凹部形状の捕水材収容部21をエッチングやサンドブラスト等により複数設ける。捕水材収容部21は、図4に示すように素子基板10上に設けられた有機EL素子9と対向する位置に離間して設ける。封止空間内の水分を捕獲するための捕水材22を有機EL表示領域11と対向する位置に設けるためである。
続いて、ステップS6として対向基板20の捕水材収容部21が設けられている面側に、図4に示すように封止用シール23、飛散防止用シール24を塗布する。封止用シール23は、図4に示すように捕水材収容部21が設けられている凹部を囲む外枠部に塗布する。この封止用シール23は、有機EL表示領域11を封止する役割を担う。陰極補助配線4及び陽極配線1は、後述する外部の駆動回路と接続させるために、封止用シール23外まで延設されるようにする。飛散防止用シール24は、図4に示すように各有機ELパネル同士の間隙の中央部付近に設けられる。飛散防止用シール24は、後述する各有機ELパネルを分離するための基板の切断時に、切断端材が飛散するのを防止する役割を担う。
その後、ステップS7として、塗布ノズルによりペースト状の捕水材22を塗布する。この塗布量は、捕水材収容部21の大きさに応じて適宜変更して適切な量が塗布されるようにする。上記各シール材は、ディスペンサ等を用いて塗布することができる。封止用シール23の材料としては、光カチオン重合型エポキシ樹脂などの感光性エポキシ樹脂を好適に用いることができる。飛散防止用シール24にも同じ材料を使用することができる。これにより、製造工程を簡略化することができる。以上のようにして、対向基板20を製造する。
次に、ステップS8として素子基板10と対向基板20とを貼り合わせる。素子基板10と対向基板20とを位置合わせした後に、両基板を加圧し、各シール材にUV光を照射する。これにより、素子基板10と対向基板20とが接着せしめられる。これにより、有機EL素子9が形成された表示領域が封止される。
続いて、ステップS9として素子基板10と対向基板20とが貼り合わされた基板を切断分離し、有機ELパネル100ごとに分割する。その後、ステップS10として、この有機ELパネル100に外部配線や駆動回路等を実装する。封止用シール23の外側まで延設された陰極補助配線4及び陽極配線1の端部に、ACFを貼り付け、駆動回路が設けられたFPCやTCP等の外部配線41と接続する。そして、配線が接続された有機ELパネル100が完成する。
最後に、ステップS11として、封止用シール23によって封止され、配線接続済みの有機ELパネル100を容器26内の成膜溶液27に浸漬する(図5参照)。ここで、成膜溶液27としては、例えば、ポリシラザン溶液等が用いられる。その後、配線接続済みの有機ELパネル100は、100℃程度の温度下で10〜30分程度加熱乾燥され、配線接続済みの有機ELパネル100の外表面に付着した成膜溶液27からバリア膜25が生成される。これにより、配線接続済みの有機ELパネル100の外表面全体にシリカ膜からなるバリア膜25が形成され、本発明にかかる有機ELパネル100が完成する。そして、このバリア膜25で覆われた有機ELパネル100を筐体に取り付け、有機EL発光装置が完成する(図6参照)。このとき、バリア膜25は、陰極補助配線4及び陽極配線1、さらには、これらに接続された外部配線41にも形成されている。ここで、このシリカ膜は無色透明なので、有機ELパネル100の発光面に膜形成されても全く問題とならない。
以上のように、本発明にかかる有機ELパネル100においては、バリア膜25によって封止用シール23の遮蔽性能を改善することができる。特に、バリア膜25は、シリカ膜等の無機薄膜によって形成されている。この無機薄膜の遮蔽性が高分子材料を用いて形成された封止用シール23に比べて遥かに高いため、無機薄膜のバリア膜25は、封止用シール23よりも水分や気体を透過しにくい。それゆえ、バリア膜25は、水分や気体が外部から封止用シール23を通って封止空間内に浸入するのを確実に防止することができる。したがって、バリア膜25によって信頼性の高い有機ELパネル100を実現することができる。
さらに、本発明においては、有機ELパネル100の全体がバリア膜25によって覆われている。これによって、従来、水分、気体等の浸入経路となっていた有機ELパネル100のセル端面に形成された封止用シール23の露出部及び封止用シール23と素子基板10や対向基板20との固着部分を封止用シール23とともにバリア膜25によって覆うことができる。それゆえ、封止空間内に水分や気体が浸入するのを防ぐことができる。特に、封止空間内の有機EL素子9の耐久性を向上させることができ、有機ELパネル100の信頼性を向上させることができる。
さらにまた、本実施形態においては、有機ELパネル100外部に引き出された陰極補助配線4及び陽極配線1、さらには、これらに接続された外部配線41上にもバリア膜25が形成されている。そのため、バリア膜25は、これら配線金属の保護膜としても機能し、それとともに、このような接続部分からの水分や気体の浸入量を低減させることができる。したがって、より信頼性の高い有機ELパネル100を実現することができる。
なお、本実施形態においては、バリア膜25は、有機ELパネル100及び封止空間外の配線や接続部の外表面全体を覆っており、水分及び気体の遮蔽性向上と配線や接続部の保護が同時に期待できる。一方で、バリア膜原料使用量の低減や工程上の都合により、封止用シール部、または、封止用シールと基板の界面を選択的にバリア膜で覆うことも可能である。また、バリア膜はクラックやピンホールなどの成膜欠陥がないことが望ましい。しかし、バリア膜の一部に成膜欠陥が存在しても、健全に成膜しているバリア膜の水分や気体の浸入抑制効果により、バリア膜がない有機ELパネルと比較した場合、有機EL素子の耐久性向上が期待できる。
またなお、本実施形態においては、バリア膜25の形成工程において、成膜溶液27中に1度だけ浸漬させるだけであるが、1度に限らず、何度浸漬させてもよい。さらに、本実施形態においては、浸漬によってバリア膜25を有機ELパネル100に付着させているが、これに限らず、スプレー等によって成膜溶液を塗布してもよい。
上記の実施形態においては、陽極配線1、陰極補助配線4が有機ELパネル100の2辺から引き出されている。これに対して、図7に示すように、有機ELパネル100の1辺のみから陰極配線1、陰極補助配線4が引き出され、その1辺から外部配線42が引き出されることがある。このような場合には、1辺から引き出された外部配線42を保持し、配線接続済みの有機ELパネル100を成膜溶液27に浸漬することができる。その後、配線接続済みの有機ELパネル100を加熱乾燥することによって、配線接続済みの有機ELパネル100の外表面に付着した成膜溶液27からバリア膜25を生成することができる(図8参照)。このように外部配線42が1辺から引き出される場合には、成膜溶液27に容易に浸漬することができ、バリア膜25を効率よく生成することができる。
以下に本実施形態を実施例などにより具体的に説明するが、本発明はそれにより何ら限定されない。また、以下の実施例で得られた有機ELパネル100を覆う無機薄膜(バリア膜25)を用いて、以下のようにしてダークフレーム(非発光領域)の拡大量を測定又は評価した。
本実施例では、素子基板10と対向基板20を封止樹脂(封止用シール23)で貼り合わせて封止し、有機ELパネル100にFPCを圧着した。その後、配線接続済みの有機ELパネル100全体をポリシラザン溶液(クラリアント社製NP−110;商品名アクアミカ)に浸漬、100℃のオーブンにて10分間乾燥し、シール樹脂(封止用シール23)の外表面を含む有機ELパネル100外表面全体にシリカ膜(バリア膜25)を形成した。また、本実施例における有機ELパネル100では、市販の(ダイニック社製)シール状の捕水材を用いた。
このように形成した有機ELパネル100について、80℃、90%RHの高温高湿炉で保存試験を行った。そして、シリカ膜(バリア膜25)が形成されなかった従来の有機ELパネルとの比較を行った。この比較結果が、図9のグラフに示されている。
図9に示すように、本発明にかかる有機ELパネル100においては、220時間程度経過して以降、従来の有機ELパネルよりもダークフレームの拡大を抑制できている。これは、本発明において新たに設けたバリア膜25によって、有機ELパネル100の外部からの水分や気体等の浸入を遮断するからと考えられる。
なお、上記実施形態においては、発明を有機EL発光装置に適用した例について示したが、この有機EL発光装置には有機EL表示装置及び有機EL光源装置等の有機EL素子の発光を利用した装置が含まれるものとする。またなお、本実施形態においては、バリア膜が陽極配線、陰極補助配線上に形成されているが、本発明に係るバリア膜は、種々の電極配線、これらの補助配線等の配線形態に適用することができる。例えば、本発明を、基板に直接駆動用の回路が取付けられたCOG(Chip On Glass)等の配線形態にも適用することができる。
本実施形態にかかる有機ELパネルの一構成例の模式的上面図。 図1のA−A’切断線における部分断面図。 本実施形態にかかる有機EL発光装置の製造方法を示すフローチャート。 本実施形態にかかる有機ELパネルの構成を示す断面図。 本実施形態にかかる有機ELパネルの浸漬中の構成を示す断面図。 本実施形態にかかる有機ELパネルの乾燥後の構成を示す断面図。 本実施形態にかかる有機ELパネルの浸漬中の構成を示す断面図。 本実施形態にかかる有機ELパネルの乾燥後の構成を示す断面図。 高温高湿試験時間とダークフレーム量の関係を示す図。
符号の説明
1 陽極配線
3 陰極配線
4 陰極補助配線
5 画素開口部
6 陰極隔壁
7 開口絶縁膜
8 コンタクトホール
9 有機EL素子
10 素子基板
11 表示領域
20 対向基板
21 捕水材収容部
22 捕水材
23 封止用シール
24 飛散防止用シール
25 バリア膜
26 容器
27 成膜溶液
41,42 外部配線
100 有機ELパネル

Claims (7)

  1. 有機EL素子が形成された素子基板と、
    前記素子基板に対向するように配置された対向基板と、
    高分子材料から形成され、前記素子基板と前記対向基板とを貼り合せ、前記素子基板と前記対向基板との間において封止空間を形成する封止用シールと、
    無機物を主成分として形成され、前記封止用シールの外表面を覆い、前記封止用シールを外部から遮蔽するバリア膜とを備えた、
    有機ELパネル。
  2. 前記封止空間の内部から外部に延在し、前記素子基板上に配設された配線又は回路と、
    当該有機ELパネルを駆動するために接続された外部配線とを、さらに備え、
    前記バリア膜は、前記配線及び前記回路を覆うとともに、前記配線及び前記回路と前記外部配線の接続部分とを覆う、
    請求項1記載の有機ELパネル。
  3. 前記バリア膜は、当該有機ELパネルの外表面全体を覆う、
    請求項1又は2に記載の有機ELパネル。
  4. 前記バリア膜はシリカ膜である、
    請求項1乃至3の一項のいずれかに記載の有機ELパネル。
  5. 請求項1乃至4の一項のいずれかに記載の有機ELパネルを備えた有機EL発光装置。
  6. 封止用シ−ルを備えた有機ELパネルを形成するステップと、
    前記封止用シールの外表面を覆うように、前記封止用シールを外部から遮蔽するバリア膜を生成するステップと、
    前記有機ELパネルの封止空間内部の電極に接続され、封止空間外部に引き出された補助配線と当該有機ELパネルを駆動するための駆動回路に接続された外部配線とを接続するステップとを、備え、
    前記補助配線と外部配線とを接続するステップの後に、前記バリア膜が前記封止空間の外部の補助配線及び前記外部配線を覆うように前記バリア膜を生成するステップを行う、
    有機ELパネルの製造方法。
  7. 前記バリア膜を形成する工程は、
    当該有機ELパネルを成膜溶液に浸積するステップと、
    前記浸積した有機ELパネルにバリア膜を生成するステップとを有する、
    請求項6記載の有機ELパネルの製造方法。
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