JP2010140786A - 有機el装置 - Google Patents

有機el装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2010140786A
JP2010140786A JP2008316537A JP2008316537A JP2010140786A JP 2010140786 A JP2010140786 A JP 2010140786A JP 2008316537 A JP2008316537 A JP 2008316537A JP 2008316537 A JP2008316537 A JP 2008316537A JP 2010140786 A JP2010140786 A JP 2010140786A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
organic
moisture
substrate
substrates
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2008316537A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Tachiki
洋幸 立木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2008316537A priority Critical patent/JP2010140786A/ja
Publication of JP2010140786A publication Critical patent/JP2010140786A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

【課題】トップエミッション方式の場合であっても確実な封止を行うことができる有機EL装置を提供する。
【解決手段】本発明の有機EL装置1は、一対の基板20,30と、一対の基板20,30の間に環状に配置されたシール材33と、一対の基板間のシール材33に囲まれる領域に配置された有機EL素子21と、シール材33の外側面が前記一対の基板20,30の側面よりも内側になるように設けられ、シール材33の外側面の一対の基板間で露出する部位全体を覆う非透湿層40と、を有することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機EL装置に関するものである。
発光素子の一種として、二つの電極で挟まれ電界により電子と正孔が注入され、それらの再結合により励起して発光する有機EL(Electro-Luminescent)素子がある。従来、有機EL素子は、外気や水分等の影響によって黒い斑点状のダークスポットが発生することで劣化し、寿命が著しく低下することが問題となっている。
このような問題点を解決するための技術が各種検討されており、例えば、特許文献1では、素子基板上に設けられた有機EL素子を覆うように接着層を配置し、この接着層を介して素子基板と保護基板とを貼り合わせ、素子基板と保護基板との間に乾燥剤を配置することにより、素子基板上に設けられた有機EL素子を封止する技術を開示している。
特許文献2では、素子基板上に設けられた有機EL素子を覆うように、保護層、封止層、接着層をこの順に積層し、最上層の接着層を介して保護基板を貼り合わせることにより、素子基板上に設けられた有機EL素子を封止する技術を開示している。また、従来では特許文献2の技術に加え、一対の基板間の有機EL素子を囲む外周部にシール材を配置することにより、素子基板上に設けられた有機EL素子を封止する技術がある。
特開2007−234332号公報 特開2007−184290号公報
しかしながら、特許文献1の技術では、トップエミッション方式の場合、光を取り出す側となる保護基板上に乾燥剤を自由に配置することが困難であり、封止性能が十分に確保できない可能性がある。また、特許文献2の技術では、保護層や封止層等のバリア層の品質を確保するためには、一般に微欠陥の排除や水分透過率の改善を膜厚や膜質で行う必要があるが、膜応力、視野角、光路長の関係により困難であり、十分に封止ができない場合がある。また、従来文献のように、さらに一対の基板の外周部にシール材を配置しても、一対の基板とシール材との間の界面から外気や水分等の異物が内部に侵入し、したがって封止性能が損なわれてしまう。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであって、トップエミッション方式の場合であっても確実な封止を行うことができる有機EL装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するため、本発明の有機EL装置は、一対の基板と、前記一対の基板の間に環状に配置されたシール材と、前記一対の基板間の前記シール材に囲まれる領域に配置された有機EL素子と、前記シール材の外側面が前記一対の基板の側面よりも内側になるように設けられ、前記シール材の外側面の前記一対の基板間で露出する部位全体を覆う非透湿層と、を有することを特徴とする。
この構成によれば、シール材と非透湿層とで封止する二重封止によって、基板とシール材との接合部分から内部への水分の侵入を防ぐことができる。本発明の構造は、従来文献のようにシール材の外側面が一対の基板間で露出する構造とはなっておらず、シール材の外側面が非透湿層で覆われる構造となっている。このように、シール材の外側面が外部に露出することなく非透湿層によって覆われ、一対の基板とシール材との間の界面が非透湿層によって封止されるので、外気や水分等の異物の侵入を防止することができる。その結果、信頼性に優れた高品質な有機EL装置が提供できる。
本発明においては、前記非透湿層は、フッ素樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂、から選ばれた少なくとも一種からなることが望ましい。
この構成によれば、非透湿層が水分を通し難い低透湿性の樹脂からなるので、格段に水分の浸入を防止することができる。その結果、より信頼性に優れた高品質な有機EL装置が提供できる。
本発明においては、前記非透湿層は、フッ素化処理されてなることが望ましい。
この構成によれば、非透湿層が水分を弾くフッ素化処理されているので、撥水性を有するようになり、水分の浸入を格段に防止することができる。その結果、より信頼性に優れた高品質な有機EL装置が提供できる。
本発明においては、前記非透湿層は、前記一対の基板のうち少なくとも前記有機EL素子からの発光光が射出する側の基板表面の露出する部位全体を覆って設けられていることが望ましい。
この構成によれば、外部に露出する一対の基板とシール材との間の界面が少なくなるので、パネル全体の防水を図ることができる。また、非透湿層が撥水性を有する場合は、パネルの観察者側の面の汚れ防止を図ることもできる。その結果、表示品質に優れた高品質な有機EL装置が提供できる。
本発明においては、前記非透湿層は、前記一対の基板表面の露出する部位全体を覆って設けられていることが望ましい。
この構成によれば、外部に露出する一対の基板とシール材との間の界面がなくなるので、パネル全体の防水を格段に図ることができる。また、非透湿層が撥水性を有する場合は、パネルの観察者側の面の汚れ防止を図ることもできる。その結果、表示品質に優れた、より高品質な有機EL装置が提供できる。
本発明においては、前記一対の基板のうちの一方の基板は、前記一対の基板のうちの他方の基板よりも延在する延在領域を有してなり、前記延在領域における前記一方の基板に複数の端子部が設けられ、前記複数の端子部を介して前記一方の基板とフレキシブル基板とが接続され、前記複数の端子部は、前記一方の基板と前記フレキシブル基板とが重なる領域内に設けられ、前記複数の端子部の側面の前記一方の基板と前記フレキシブル基板との間で露出する部位全体を覆うように前記非透湿層が設けられていることが望ましい。
この構成によれば、基板とフレキシブル基板との間の端子部から内部への水分の侵入を防ぐことができる。このように、端子部の側面が露出することなく非透湿層によって覆われ、基板と端子部との間の界面が非透湿層によって封止されるので、外気や水分等の異物の侵入を防止することができる。その結果、信頼性に優れた高品質な有機EL装置が提供できる。
本発明においては、前記非透湿層は、前記フレキシブル基板表面の露出する部位全体を覆って設けられていることが望ましい。
この構成によれば、外部に露出するフレキシブル基板とシール材との間の界面がなくなるので、フレキシブル基板全体の防水を格段に図ることができる。また、非透湿層が撥水性を有する場合は、フレキシブル基板の汚れ防止を図ることもできる。その結果、より高品質な有機EL装置が提供できる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。かかる実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等が異なっている。
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係る有機EL装置の概略構成断面図である。図1に示すように、本実施形態における有機EL装置1は、いわゆる「トップエミッション方式」の有機EL装置である。有機EL装置1は、複数の有機EL素子21が配置された素子基板20と、複数の有機EL素子21を覆って積層して形成される電極保護層17、有機緩衝層18、ガスバリア層19の各層と、この素子基板20の複数の有機EL素子21が配置された面に対向配置された保護基板30と、を備えている。これら素子基板20と保護基板30とは、シール材33および接着層34とを介して貼り合わされている。シール材33は、その外側面が一対の基板の側面よりも内側になるように設けられ、シール材33の外側面の一対の基板間で露出する部位全体を覆って非透湿層40が設けられている。
有機EL素子21は、単色の発光色の光を発生する、例えば白色の光を発生する有機発光層12を有している。素子基板20上では、これら複数の有機EL素子21がマトリクス状に規則的に配列され表示領域Lを成している。なお、表示領域L外に相当する領域を非表示領域Mとする。
素子基板20は、素子基板本体20aと、素子基板本体20aの保護基板30側の面を覆う無機絶縁層14と、を備えている。素子基板本体20aは、透明基板及び不透明基板のいずれも用いることができる。不透明基板としては、例えばアルミナ等のセラミックス、ステンレススチール等の金属シートに表面酸化などの絶縁処理を施したもの、また熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂、さらにはそのフィルム(プラスチックフィルム)などが挙げられる。透明基板としては、例えばガラス、石英ガラス、窒化ケイ素等の無機物や、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の有機高分子(樹脂)を用いることができる。また、光透過性を備えるならば、上記の材料を積層または混合して形成された複合材料を用いることもできる。本実施形態では、素子基板本体20aの材料としてガラスを用いる。
素子基板本体20a上には、複数の有機EL素子21に1対1で対応する複数の薄膜トランジスタ(TFT)123及び各種の配線(図示略)が形成されており、これらを覆うように無機絶縁層14が形成されている。無機絶縁層14は、例えば酸化珪素(SiO)や窒化珪素(SiN)等の珪素化合物から形成されている。
素子基板20上には、素子基板20が備える配線やTFT素子等に由来する表面の凹凸を緩和するための平坦化層16と、平坦化層16に内装され有機EL素子21から照射される光を保護基板30側に反射する金属反射層15と、が形成されている。平坦化層16は、絶縁性の樹脂材料、例えば感光性のアクリル樹脂や環状オレフィン樹脂等により形成されている。
金属反射層15は、配線と製造工程を兼ねるため、配線材料と同じ例えばAl(アルミニウム)やTi(チタン)、Mo(モリブデン)、Ag(銀)、Cu(銅)などの金属またはそれらを組み合わせた合金材料で形成されており、光を反射する性質を備えている。
平坦化層16上の金属反射板15に平面的に重なる領域には、有機EL素子21の陽極10が形成されている。陽極10は、平坦化層16及び無機絶縁層14を貫通するコンタクトホールを介して、素子基板本体20a上のTFT123に接続されている。陽極10は、仕事関数が5eV以上の正孔注入効果の高い材料が好適に用いられる。このような正孔注入効果の高い材料としては、例えばITO(Indium Tin Oxide:インジウム錫酸化物)等の金属酸化物を挙げることができる。本実施形態ではITOを用いる。
また、平坦化層16上には、有機EL素子21を区画する絶縁性の隔壁層13が形成されている。隔壁層13は、陽極10の上部を露出させる複数の開口部を備えている。隔壁層13は平坦化層16と同様に絶縁性の樹脂材料で形成されており、材料には例えば感光性のアクリル樹脂や環状オレフィン樹脂などが用いられている。
この開口部と隔壁層13による凹凸形状に沿って、隔壁層13及び陽極10の上面を覆って有機発光層12が形成されている。有機発光層12は、電界により注入された正孔と電子との再結合により励起して発光する発光層を含む。なお、発光層以外の層をも含むように多層からなる有機発光層12を構成することも可能である。発光層以外の層としては、正孔を注入し易くするための正孔注入層や、注入された正孔を発光層へ輸送し易くするための正孔輸送層、電子を注入し易くするための電子注入層、注入された電子を発光層へ輸送し易くするための電子輸送層などの、上記の再結合に寄与する層がある。
有機発光層12の発光層は低分子系有機EL材料あるいは高分子系有機EL材料から形成されている。低分子系有機EL材料は、正孔と電子との再結合により励起して発光する有機化合物のうち、分子量が比較的に低いものである。また、高分子系有機EL材料は、正孔と電子との再結合により励起して発光する有機化合物のうち、分子量が比較的に高いものである。有機EL素子21を形成している低分子系有機EL材料あるいは高分子系有機EL材料は、有機EL素子21の発する単色の発光色の光(白色光)に応じた物質となっている。発光層における再結合に寄与する層の材料は、この層に接する層の材料に応じた物質となっている。
有機発光層12上には、有機発光層12の凹凸形状に沿うように有機発光層12を覆って、最外周(素子基板20の外周部に近い側)に配置された平坦化層16の側壁部に至るまで延在して、陰極11が形成されている。陰極11としては、電子注入効果の大きい(仕事関数が4eV以下)材料により形成された薄膜が好適に用いられる。陰極11は、例えば有機発光層12へ電子を注入し易くするための電子注入バッファ層と、電子注入バッファ層上にITOやAl等の金属から形成された電気抵抗の小さい層とを有する。電子注入バッファ層は、例えば、LiF(フッ化リチウム)やCa(カルシウム)、MgAg(マグネシウム‐銀合金)から形成されている。
素子基板20上であって、非表示領域Mにおける素子基板20の外周部近傍の平坦化層16が形成されていない領域には、陰極配線22が形成されている。陰極配線22と陰極11とは、電気的に接続している。
陰極配線22は、陰極11を不図示の電源まで通電させることを目的として形成されており、主に素子基板20の外周部付近に設けられる。陰極配線22の形成材料には、電気伝導性の高いアルミニウムやチタン、モリブデン、タンタル、銀、銅などの金属またはそれらを組み合わせた合金が用いられ、これらの材料を単層もしくは多層に積層して形成したものが用いられる。本実施形態では、チタン、アルミニウム、チタンを三層積層して形成したもの用いる。また、陰極配線22の最表層には、陽極10と同じ材料であるITOが形成されている。
また、素子基板20上には、無機絶縁層14、平坦化層16、及び有機EL素子21の陰極11を覆って、電極保護層17が形成されている。電極保護層17は、例えば、珪素酸窒化物(SiON)等の珪素化合物により形成されている。
電極保護層17上には、電極保護層17を覆うように有機緩衝層18が形成されている。有機緩衝層18は、隔壁層13とその開口部による凹凸形状を埋めるように形成され、素子基板20上を平坦化している。有機緩衝層18の形成材料としては、例えばエポキシ化合物等を用いることができる。
有機緩衝層18上には、有機緩衝層18を覆い、さらに電極保護層17の終端部までを覆うガスバリア層19が形成されている。ガスバリア層19は、透光性、ガスバリア性、耐水性を考慮して、例えばSiON等によって形成されている。
また、電極保護層17およびガスバリア層19は、陰極配線22の一部を覆って形成されている。陰極配線22の表面には、上述のように陽極10に用いられるITO(酸化物導電膜)が形成されている。また、ガスバリア層19は、有機緩衝層18を完全に被覆するように有機緩衝層18よりも広く形成されており、このガスバリア層19上にシール材33が配置されている。
素子基板20のガスバリア層19が形成された面には、保護基板30が対向して配置されている。保護基板30は、接着層34とシール材33とを介して素子基板20上のガスバリア層19に接着されている。保護基板30は、例えばガラス又は透明プラスチック等の光透過性を有する材料で構成された保護基板本体31を備えている。
保護基板本体31の素子基板20と対向する面には、カラーフィルタ層37として、赤色着色層37R、緑色着色層37G、青色着色層37Bがマトリクス状に規則的に配列され表示領域Lを成している。また、各着色層37R,37G,37Bの周囲を囲む位置に、より具体的には隔壁層13に対応する領域にブラックマトリクス層(遮光層)32が形成されている。ブラックマトリクス層32の形成材料は、例えばCr(クロム)等を用いることができる。なお、表示領域L外に相当する領域を非表示領域Mとする。
各着色層37R,37G,37Bは、陽極10上に形成された白色の有機発光層12に対向して平面的に重なるように配置されている。これにより、有機発光層12から発せられた光が、着色層37R,37G,37Bの各々を透過し、赤色光、緑色光、青色光の各色光として観察者側に射出されるようになっている。
また、保護基板本体31上には、表示領域Lに形成されたカラーフィルタ層37及びブラックマトリクス層32上を覆うオーバーコート層(被覆層)38が形成されている。オーバーコート層38は、表示領域Lの内側から非表示領域Mのシール材33の形成領域まで延設されている。オーバーコート層38は、例えばアクリルやポリイミド等の樹脂材料により形成されている。
オーバーコート層38上には、オーバーコート層38を覆うガスバリア層39が形成されている。ガスバリア層39は、透光性、ガスバリア性、耐水性を考慮して、例えばSiON等によって形成されている。
また、素子基板20と保護基板30との間の外周部には、シール材33が形成されている。シール材33の形成材料は、例えばエポキシ系樹脂にフィラーとしてシリカ、アルミナ等を添加した低透湿性樹脂構成としたものを用いることができる。なお、シール材33の内部には、例えば樹脂やガラス等から形成されたギャップ剤(図示略)が配置されている。なお、シール材33には、ギャップ剤を含まない構成としても良い。
また、シール材33の外側面の一対の基板間で露出する部位全体を覆うように、非透湿層40が設けられている。非透湿層40の形成材料は、例えばフッ素樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂、から選ばれた少なくとも一種を用いることができる。
フッ素樹脂としては、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)、パーフルオロエチレン・プロペンコポリマー、ETFE(テトラフルオロエチレン・エチレン共重合体)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン)、TFE/PDD(テトラフルオロエチレン・パーフルオロジオキソールコポリマー)、PVF(ポリフッ化ビニル)が挙げられる。
アクリル樹脂としては、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリルレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリルオキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−メタアクリルオキシプロピルアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、トリメチオールプロパントリアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、1−6−ヘキサンジオールジアクリレートが挙げられる。
図2は、図1のA部拡大図である。図2に示すように、非透湿層40は、一対の基板間においてシール材33の外側面を覆う本体部40aと、シール材33の外側面とシール材33に隣り合う一対の基板20,30の表面とを跨いで一対の基板20,30とシール材33との間の界面を塞ぐ屈曲部40bとを有している。また、非透湿層40は、基板20,30、及びシール材33の各側面を連続的に全周に亘って覆っている。非透湿層40は、一対の基板間において非透湿層40の側面が一対の基板20,30の側面よりも内側になるように配置されている。つまり、非透湿層40は、一対の基板20,30の側面と面一にならないように凹部を有して形成されている。
(有機EL装置の製造方法)
次に、本発明の有機EL装置1の製造方法の一例を説明する。有機EL装置1の製造工程は素子基板20側の工程と、保護基板30側の工程と、素子基板20と保護基板30の固定の工程と、からなる。
先ず、素子基板本体20a上にTFT123及び各種配線(図示略)を形成し、それらを覆うように無機絶縁層14を熱酸化法、CVD法、スパッタリング法等の乾式成膜法や、スピンコート法等の湿式成膜法を用いて形成する。
次に、無機絶縁層14上にAl合金などの光反射性の金属反射板15を形成し、それを覆うように平坦化層16をスクリーン印刷法やスピンコート法等の湿式成膜法を用いて形成する。
次に、平坦化層16上の金属反射板15に平面的に重なる領域に、透明なITOをスパッタリング法により成膜して複数の画素となる陽極10を形成する。この陽極10の形成時と同時に、陰極配線22の最表層にもITOを形成しておく。
次に、無機絶縁層14上に陽極10を囲むように、公知のレジスト技術、フォトリソグラフィ技術、エッチング技術等を用いてパターニングし、隔壁層13を形成する。次に、素子基板20上から有機物系の異物除去とITO表面の濡れ性を向上させるために、プラズマ洗浄などの洗浄処理を行う。
次に、隔壁層13に囲まれた開口部と隔壁層13による凹凸形状に沿って、隔壁層13及び陽極10の上面を覆うように、例えば蒸着、あるいはスピンコートやスリットコート法等の湿式成膜法により有機発光層12を形成する。有機発光層12が複数の層からなる場合には、各層を順に成膜することになる。
次に、複数の有機EL素子21に共通の電極となる陰極11を、有機発光層12上に有機発光層12の凹凸形状に沿って有機発光層12を覆うように形成する。例えば、先ず、加熱ボート(るつぼ)を用いた真空蒸着法によりLiF及びCaやMgなどの電子注入性の高い金属又は合金を成膜する。次に、電極抵抗を下げるため、真空蒸着法により画素部を避けるようにパターン形成したAlか、ECR(Electron Cyclotron Resonance:電子サイクロトロン共鳴)プラズマスパッタ法やイオンプレーティング法、対向ターゲットスパッタ法などの減圧雰囲気下で高密度プラズマ成膜法により透明なITOを成膜する。
次に、素子基板20上に、無機絶縁層14、平坦化層16、及び有機EL素子21の陰極11を覆うように電極保護層17を形成する。電極保護層17は、例えばSiON等の珪素化合物をECRスパッタ法やイオンプレーティング法等の高密度プラズマ成膜法により成膜して形成する。
次に、電極保護層17上に有機緩衝層18を形成する。有機緩衝層18は、減圧雰囲気下でスクリーン印刷を行った後、加熱硬化させることにより形成する。
次に、有機緩衝層18上にガスバリア層19を形成する。ガスバリア層19は、ECRスパッタ法やイオンプレーティング法などの高密度プラズマ成膜法で形成する。また、ガスバリア層19の形成前には、酸素プラズマ処理によって密着性を向上させると信頼性が向上する。以上の工程により、複数の有機EL素子21を備え、それらが電極保護層17、有機緩衝層18、及びガスバリア層19により被覆された素子基板20が形成される。
一方、保護基板本体31上の隔壁層13に対応する領域に、例えば蒸着法やスパッタリング法でCr(クロム)を成膜し、この膜を公知のレジスト技術、フォトリソグラフィ技術、エッチング技術等を用いてパターニングし、ブラックマトリクス層32を形成する。
次に、ブラックマトリクス層32を隔壁として、例えばインクジェットなどの液滴吐出法により、カラーフィルタ層37を形成する。具体的には、液滴吐出ヘッドから所定のブラックマトリクス層32の間に、例えば赤色着色層37R、緑色着色層37G、青色着色層37Bの液状の材料を選択的に配し、これを所定の温度で加熱乾燥させて、赤色着色層37R、緑色着色層37G、青色着色層37Bを形成する。このようにして、赤色着色層37R、緑色着色層37G、青色着色層37Bからなるカラーフィルタ層37を形成することができる。
次に、カラーフィルタ層37及びブラックマトリクス層32を覆い、表示領域Lの内側から外側まで延設するようにオーバーコート層38を形成する。オーバーコート層38は、アクリルやポリイミド等の樹脂材料を原料成分又は有機溶媒等で希釈して、スリットコート法やスクリーン印刷法等を用いてパターン塗布し、熱オーブン等で蒸発及び硬化することにより形成する。
次に、オーバーコート層38上にガスバリア層39を形成する。ガスバリア層39は、ECRスパッタ法やイオンプレーティング法などの高密度プラズマ成膜法で形成する。また、ガスバリア層39の形成前には、酸素プラズマ処理によって密着性を向上させると信頼性が向上する。以上の工程により、保護基板本体31上に、カラーフィルタ層37及びブラックマトリクス層32が形成され、これらを覆うオーバーコート層38及びガスバリア層39を備えた保護基板30が形成される。
次に、保護基板30上の額縁部、より具体的には非表示領域Mにおける保護基板30上のガスバリア層39と一部重なる領域に、シール材33の形成材料を塗布する。このとき、シール材33の形成材料の中にギャップ剤を混入させてもよい。具体的には、例えばディスペンス描画法やスクリーン印刷法により前述した樹脂材料を塗布していく。次に、保護基板30上の少なくとも表示領域Lに形成されたガスバリア層39を覆うように、接着層34の形成材料を塗布する。具体的には、例えばディスペンス滴下法により前述した樹脂材料を塗布していく。
次に、シール材33、接着層34の形成材料が塗布された保護基板30に紫外線照射を行う。具体的には、シール材33、接着層34の形成材料の硬化反応を開始させる目的で、紫外線を保護基板30に照射する。これにより、シール材33、接着層34の形成材料が反応し、徐々に粘度が向上する。
次に、素子基板20のガスバリア層19が形成された面と、保護基板30の接着層材料が配置された面とを対向させ、シール材33、接着層34の形成材料を介して素子基板20と保護基板30とを貼り合せる。このとき、貼り合わせた素子基板20と保護基板30とのアライメント位置の微調整を行いながら、素子基板20と保護基板30の双方を接近させていく。具体的には、素子基板20と保護基板30とを面方向(平行方向)に相対移動させ、有機EL素子21とカラーフィルタ層37との対向位置を調整する。このように、アライメント位置精度をしながら最終的な位置合わせを行う。
次に、素子基板20と保護基板30とを圧着する。次に圧着して貼り合わせた素子基板20と保護基板30とを大気雰囲気中で加熱する。具体的には、素子基板20と保護基板30とを貼り合わせた状態で、大気中において所定の温度で加熱することで、前述した硬化反応が開始したシール材33、接着層34の形成材料を熱硬化させ、シール材33、接着層34を形成する。
次に、固定された一対の基板間の隙間に非透湿層40の材料液を塗布する。非透湿層40の材料液の塗布方法としては、例えばディップ方式がある。ディップ方式としては、例えば、非透湿層40の材料液の貯溜槽と、一対の基板20,30を搬送する搬送部とを有する浸漬装置を用いることができる。具体的には、搬送部によって一対の基板10,20を、貯溜槽内の非透湿層40の材料液に浸漬した後に引き上げることで、一対の基板間の隙間に非透湿層40の材料液を塗布することができる。なお、必要に応じて、非透湿層40の材料液の塗布が不要な部分に予めマスキングを施したり、一対の基板20,30の全面に非透湿層40の材料液を塗布した後に不要な部分を除去したりするとよい。
なお、ディップ方式を用いて非透湿層40の材料液を塗布する場合、非透湿層40の材料液は低粘度のものを用いるのがよい。これにより、毛細管現象を利用して非透湿層40の材料液を一対の基板間の隙間に滞りなく隅々まで配置することができる。そして、一対の基板とシール材33との間の界面が、非透湿層40の材料液で十分に満たされる。
そして、熱を加えることにより一対の基板間の隙間に塗布された非透湿層40の材料液の溶媒を揮発し、非透湿層40を形成する。特に、一対の基板とシール材33との間の界面は、上述した毛細管現象によって非透湿層40で十分に封止されている。以上により、上述した本発明の有機EL装置1を形成することができる。
本実施形態の有機EL装置1によれば、シール材33と非透湿層40とで封止する二重封止によって、基板20,30とシール材33との接合部分から内部への水分の侵入を防ぐことができる。本発明の構造は、従来文献のようにシール材の外側面が一対の基板間で露出する構造とはなっておらず、シール材33の外側面が非透湿層40で覆われる構造となっている。このように、シール材33の外側面が外部に露出することなく非透湿層40によって覆われ、一対の基板20,30とシール材33との間の界面が非透湿層40によって封止されるので、外気や水分等の異物の侵入を防止することができる。その結果、信頼性に優れた高品質な有機EL装置1が提供できる。
また、この構成によれば、非透湿層40が水分を通し難い低透湿性の樹脂からなるので、格段に水分の浸入を防止することができる。その結果、より信頼性に優れた高品質な有機EL装置1が提供できる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態に係る有機EL装置について、図3を用いて説明する。本図は、図2に対応した、有機EL装置2の側面における非透湿層40の断面構成を示す図となっている。本実施形態では、非透湿層40が一対の基板の側面に設けられていない点で上述の第1実施形態で説明した有機EL装置1と異なっている。その他の点は第1実施形態と同様であるので、図2と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図3に示すように、有機EL装置2は第1実施形態の有機EL装置1と異なり、非透湿層40が一対の基板20,30の側面を覆って形成されていない。つまり、非透湿層40は、シール材33の外側面とシール材33に隣り合う一対の基板20,30の表面とを連続的に覆って形成されている。
非透湿層40の形成材料は、フッ素化処理された材料を用いている。フッ素化処理された材料としては、例えばビスフェノールAを原料とするエポキシ樹脂において、OH基(水酸基)またはH(水素)をF(フッ素)へ置換したものが挙げられる。以下の化学式(1)から化学式(2)への置換は、一例としてHをFへ置換したものを挙げている。化学式(1)に示すCHのC(炭素)に結合しているHを、化学式(2)に示すようにFに置換している。
Figure 2010140786
なお、非透湿層40の形成材料のフッ素化処理は、反応前に行っても反応後に行っても良い。具体的には、非透湿層40の材料液の塗布前にOH基またはHをFへ置換してもよい。また、非透湿層40の材料液の塗布後、つまり非透湿層40の形成後に非透湿層40の表面においてOH基またはHをFへ置換してもよい。
(有機EL装置の製造方法)
本実施形態の非透湿層40の材料液の塗布方法は、滴下方式を用いている。滴下方式としては、例えばスポイト、シリンジ、ディスペンサー、インクジェットを用いる方法が挙げられる。なお、これらの方式を用いて非透湿層40の材料液を塗布する場合、非透湿層40の材料液は低粘度のものを用いるのがよい。これにより、毛細管現象を利用して非透湿層40の材料液を一対の基板間の隙間に滞りなく隅々まで配置することができる。そして、一対の基板とシール材33との間の界面が、非透湿層40の材料液で十分に満たされる。
本実施形態の有機EL装置2によれば、非透湿層40が水分を弾くフッ素化処理されているので、撥水性を有するようになり、水分の浸入を格段に防止することができる。その結果、より信頼性に優れた高品質な有機EL装置2が提供できる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態に係る有機EL装置について、図4を用いて説明する。本図は、図1に対応した、有機EL装置3の断面構成を示す図となっている。本実施形態では、非透湿層40が保護基板30のカラーフィルタ層37が設けられている側と反対側の面(上面)を覆って設けられている点で上述の第1実施形態で説明した有機EL装置1と異なっている。その他の点は第1実施形態と同様であるので、図1と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図4に示すように、有機EL装置3は第1実施形態の有機EL装置1と異なり、非透湿層40が保護基板30の上面を覆って設けられている。つまり、非透湿層40は、シール材33の外側面とシール材33に隣り合う一対の基板20,30の表面と保護基板30の上面とを連続的に覆って設けられている。また、非透湿層40は保護基板30の上面のほぼ全面に形成され、均一な厚さになっている。
本実施形態の有機EL装置3によれば、外部に露出する一対の基板20,30とシール材33との間の界面が少なくなるので、パネル全体の防水を図ることができる。また、非透湿層40が撥水性を有する場合は、パネルの観察者側の面の汚れ防止を図ることもできる。その結果、表示品質に優れた高品質な有機EL装置3が提供できる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態に係る有機EL装置について、図5を用いて説明する。本図は、図4に対応した、有機EL装置4の断面構成を示す図となっている。本実施形態では、非透湿層40が素子基板20の有機EL素子21が設けられている側と反対側の面(下面)を覆って設けられている点で上述の第3実施形態で説明した有機EL装置3と異なっている。その他の点は第3実施形態と同様であるので、図4と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図5に示すように、有機EL装置4は第3実施形態の有機EL装置3と異なり、非透湿層40が素子基板20の下面を覆って設けられている。つまり、非透湿層40は、一対の基板表面の露出する部位全体を覆って設けられている。具体的には、非透湿層40は、シール材33の外側面とシール材33に隣り合う一対の基板20,30の表面と保護基板30の上面と素子基板20の下面とを連続的に覆って設けられている。また、非透湿層40は素子基板20の下面にほぼ全面に形成され、均一な厚さになっている。
本実施形態の有機EL装置4によれば、外部に露出する一対の基板20,30とシール材33との間の界面がなくなるので、パネル全体の防水を格段に図ることができる。また、非透湿層40が撥水性を有する場合は、パネルの観察者側の面の汚れ防止を図ることもできる。その結果、表示品質に優れた、より高品質な有機EL装置4が提供できる。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態に係る有機EL装置5について、図6〜図9を用いて説明する。図6は、本実施形態の有機EL装置5の全体構成を示す平面図である。図7は、図6のB−B線に沿う断面図である。図8は、図6のC部拡大図である。図9は、図8のD−D線に沿う断面図である。本実施形態の有機EL装置5は、素子基板20が保護基板30よりも延在してなり、素子基板20が複数の端子部51を介してフレキシブル基板50と接続され、非透湿層40が複数の端子部51の側面を覆って設けられている点で上述の第1実施形態で説明した有機EL装置1と異なっている。その他の点は第1実施形態と同様であるので、図1、図2と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図6に示すように、素子基板20は、その下端部が保護基板30よりも延在して形成された延在領域Nとなっている。この延在領域Nには、陰極配線22や信号線等の各種配線に接続された複数の端子部51が素子基板20の一辺に沿って形成されている。複数の端子部51は、例えば陰極端子51a、電源系パルス系端子51b、信号端子51cを含んで構成されている。
図7に示すように、延在領域Nにおける素子基板10の陰極配線22の上面には端子部51が設けられている。この端子部51を介して、素子基板20とフレキシブル基板50とが接続されている。また、端子部51は、素子基板20とフレキシブル基板50(二点鎖線部)とが平面視重なる領域内に設けられている。すなわち、端子部51は、その側面が素子基板20の側面及びフレキシブル基板50の側面よりも内側になるように設けられている。
非透湿層40は、端子部51の側面の素子基板20とフレキシブル基板50との間で露出する部位全体を覆うように形成されている。この非透湿層40は、素子基板20とフレキシブル基板50との間において端子部51の側面を覆う本体部40cと、端子部51の側面と端子部51に隣り合う基板20,50の表面とを跨いで基板20,50と端子部51との間の界面を塞ぐ屈曲部40dとを有している。つまり、非透湿層40は、基板20,30,50、シール材33、端子部51の各側面を連続的に全周に亘って覆っている。また、非透湿層40は、素子基板20とフレキシブル基板50との間で非透湿層40の側面が基板20,50の側面よりも内側になるように配置されている。具体的には、非透湿層40は、その本体部40c及び屈曲部40dが素子基板20とフレキシブル基板50とが平面視重なる領域内に収まるように設けられている。つまり、非透湿層40は、基板20,50の側面と面一にならないように凹部を有して形成されている。
図8及び図9に示すように、端子部51は、素子基板20上の陰極配線22(一点鎖線部)に重なるように設けられている。素子基板20を構成する素子基板本体20a上には、陰極配線22が形成されている。また、素子基板本体20a上には、無機絶縁層14が形成され、この無機絶縁層14に陰極配線22へ通じるコンタクトホールが設けられている。そして、端子部51が無機絶縁層14と一部重なるように配置され、陰極配線22が露出したコンタクト部22a(破線部)と接するように形成されている。端子部51の形成材料は、例えばITOを用いることができる。端子部51の形成材料を上述した陽極10と同一材料を用いることにより、端子部51及び陽極10を同一工程で形成することができる。
端子部51の上面には、フレキシブル基板50(二点鎖線部)が接続されている。つまり、素子基板20は、陰極配線22のコンタクト部22aと端子部51とを介してフレキシブル基板50に電気的に接続されている。そして、非透湿層40が、端子部51の側面の素子基板20とフレキシブル基板50との間で露出する部位全体を覆うように形成されている。
本実施形態の有機EL装置5によれば、素子基板20とフレキシブル基板50との間の端子部51から内部への水分の侵入を防ぐことができる。このように、端子部51の側面が露出することなく非透湿層40によって覆われ、素子基板20と端子部51との間の界面が非透湿層40によって封止されるので、外気や水分等の異物の侵入を防止することができる。その結果、信頼性に優れた高品質な有機EL装置5が提供できる。
(第6実施形態)
次に、本発明の第6実施形態に係る有機EL装置について、図10を用いて説明する。本図は、図7に対応した、有機EL装置6の断面構成を示す図となっている。本実施形態では、非透湿層40がフレキシブル基板50の表面全体を覆って設けられている点で上述の第5実施形態で説明した有機EL装置5と異なっている。その他の点は第5実施形態と同様であるので、図7と同様の要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
図10に示すように、有機EL装置6は第5実施形態の有機EL装置5と異なり、非透湿層40がフレキシブル基板50の上面を覆って設けられている。つまり、非透湿層40は、フレキシブル基板50表面の露出する部位全体を覆って設けられている。具体的には、非透湿層40は、基板20,30、シール材33、端子部の各側面とフレキシブル基板50表面全体を連続的に覆って設けられている。また、非透湿層40はフレキシブル基板50の表面にほぼ全面に形成され、均一な厚さになっている。
本実施形態の有機EL装置6によれば、外部に露出するフレキシブル基板50とシール材33との間の界面がなくなるので、フレキシブル基板50全体の防水を格段に図ることができる。また、非透湿層40が撥水性を有する場合は、フレキシブル基板50の汚れ防止を図ることもできる。その結果、より高品質な有機EL装置6が提供できる。
なお、本実施形態では、非透湿層40は、基板20,30、シール材33、端子部の各側面とフレキシブル基板50表面全体を連続的に覆って形成されているが、これに限らず、保護基板30の表面を覆って形成されていてもよい。
なお、本実施形態では、非透湿層40は、一対の基板20,30表面の露出する部位全体を覆って形成されていてもよい。
なお、本実施形態では、素子基板20が保護基板30よりも延在してなり、素子基板20が複数の端子部51を介してフレキシブル基板50と接続されているが、これに限らない。例えば、保護基板30が素子基板20よりも延在してなり、保護基板20上に複数の端子部51が配置され、これら複数の端子部51を介して保護基板30とフレキシブル基板50とが接続されていてもよい。
なお、本発明の有機EL装置は、単色の発光色の光(白色光)を発生する有機EL素子21としているが、これに限らない。例えば、有機EL素子21は、RGBの三つの有機材料を使い塗り分けて3種類の有機EL素子、赤色光を発生する有機EL素子、緑色光を発生する有機EL素子、青色光を発生する有機EL素子としても良い。
(電子機器)
次に、本発明の非透湿層を有する有機EL装置に係る電子機器について、携帯電話を例に挙げて説明する。図11は、携帯電話600の全体構成を示す斜視図である。携帯電話600は、筺体601、複数の操作ボタンが設けられた操作部602、画像や動画、文字等を表示する表示部603を有する。表示部603には、本発明の非透湿層を有する有機EL装置1が搭載される。
このように、本発明の非透湿層を有する有機EL装置1を備えているので、確実な封止を行うことができる高信頼性かつ高性能な電子機器(携帯電話)600を得ることができる。
なお、電子機器としては、上記携帯電話600以外にも、マルチメディア対応のパーソナルコンピュータ(PC)、およびエンジニアリング・ワークステーション(EWS)、ページャ、ワードプロセッサ、テレビ、ビューファインダ型またはモニタ直視型のビデオテープレコーダ、電子手帳、電子卓上計算機、カーナビゲーション装置、POS端末、タッチパネルなどを挙げることができる。
第1実施形態の有機EL装置の概略構成断面図である。 図1のA部拡大図である。 第2実施形態の有機EL装置の概略構成断面図である。 第3実施形態の有機EL装置の概略構成断面図である。 第4実施形態の有機EL装置の概略構成断面図である。 第5実施形態の有機EL装置の概略構成平面図である。 図6のB−B線に沿う断面図である。 図6のC部拡大図である。 図8のD−D線に沿う断面図である。 第6実施形態の有機EL装置の概略構成平面図である。 電子機器の一例である携帯電話の概略構成図である。
符号の説明
1,2,3,4,5,6…有機EL装置、20…素子基板(一方の基板)、30…保護基板(他方の基板)、21…有機EL素子、33…シール材、40…非透湿層、50…フレキシブル基板、51…端子部

Claims (7)

  1. 一対の基板と、
    前記一対の基板の間に環状に配置されたシール材と、
    前記一対の基板間の前記シール材に囲まれる領域に配置された有機EL素子と、
    前記シール材の外側面が前記一対の基板の側面よりも内側になるように設けられ、前記シール材の外側面の前記一対の基板間で露出する部位全体を覆う非透湿層と、
    を有することを特徴とする有機EL装置。
  2. 前記非透湿層は、フッ素樹脂、シリコン樹脂、アクリル樹脂、から選ばれた少なくとも一種からなることを特徴とする請求項1に記載の有機EL装置。
  3. 前記非透湿層は、フッ素化処理されてなることを特徴とする請求項1または2に記載の有機EL装置。
  4. 前記非透湿層は、前記一対の基板のうち少なくとも前記有機EL素子からの発光光が射出する側の基板表面の露出する部位全体を覆って設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機EL装置。
  5. 前記非透湿層は、前記一対の基板表面の露出する部位全体を覆って設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機EL装置。
  6. 前記一対の基板のうちの一方の基板は、前記一対の基板のうちの他方の基板よりも延在する延在領域を有してなり、前記延在領域における前記一方の基板に複数の端子部が設けられ、前記複数の端子部を介して前記一方の基板とフレキシブル基板とが接続され、
    前記複数の端子部は、前記一方の基板と前記フレキシブル基板とが重なる領域内に設けられ、前記複数の端子部の側面の前記一方の基板と前記フレキシブル基板との間で露出する部位全体を覆って前記非透湿層が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の有機EL装置。
  7. 前記非透湿層は、前記フレキシブル基板表面の露出する部位全体を覆って設けられていることを特徴とする請求項6に記載の有機EL装置。
JP2008316537A 2008-12-12 2008-12-12 有機el装置 Withdrawn JP2010140786A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008316537A JP2010140786A (ja) 2008-12-12 2008-12-12 有機el装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008316537A JP2010140786A (ja) 2008-12-12 2008-12-12 有機el装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2010140786A true JP2010140786A (ja) 2010-06-24

Family

ID=42350736

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008316537A Withdrawn JP2010140786A (ja) 2008-12-12 2008-12-12 有機el装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2010140786A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013504851A (ja) * 2009-09-11 2013-02-07 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 保護カバーを備えたoledデバイス
KR20150028741A (ko) * 2013-09-06 2015-03-16 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 발광 장치, 및 발광 장치의 제작 방법
JP2015148795A (ja) * 2014-01-08 2015-08-20 パナソニック株式会社 表示装置
KR20160026379A (ko) * 2014-09-01 2016-03-09 엘지디스플레이 주식회사 유기 발광 표시 장치 및 유기 발광 표시 장치 제조 방법
WO2017163331A1 (ja) * 2016-03-23 2017-09-28 パイオニア株式会社 発光装置、電子装置および発光装置の製造方法
JP2022082797A (ja) * 2020-06-24 2022-06-02 パイオニア株式会社 発光装置

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013504851A (ja) * 2009-09-11 2013-02-07 コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ 保護カバーを備えたoledデバイス
KR20150028741A (ko) * 2013-09-06 2015-03-16 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 발광 장치, 및 발광 장치의 제작 방법
KR102297220B1 (ko) * 2013-09-06 2021-09-01 가부시키가이샤 한도오따이 에네루기 켄큐쇼 발광 장치, 및 발광 장치의 제작 방법
US11355729B2 (en) 2013-09-06 2022-06-07 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Light-emitting device and method for manufacturing light-emitting device
JP2015148795A (ja) * 2014-01-08 2015-08-20 パナソニック株式会社 表示装置
KR20160026379A (ko) * 2014-09-01 2016-03-09 엘지디스플레이 주식회사 유기 발광 표시 장치 및 유기 발광 표시 장치 제조 방법
KR102300582B1 (ko) * 2014-09-01 2021-09-09 엘지디스플레이 주식회사 유기 발광 표시 장치 및 유기 발광 표시 장치 제조 방법
WO2017163331A1 (ja) * 2016-03-23 2017-09-28 パイオニア株式会社 発光装置、電子装置および発光装置の製造方法
JPWO2017163331A1 (ja) * 2016-03-23 2019-01-31 パイオニア株式会社 発光装置、電子装置および発光装置の製造方法
US10707428B2 (en) 2016-03-23 2020-07-07 Pioneer Corporation Light emitting device, electronic device, and method for manufacturing light emitting device
JP2022082797A (ja) * 2020-06-24 2022-06-02 パイオニア株式会社 発光装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6515537B2 (ja) 有機el装置の製造方法、有機el装置、電子機器
US7928646B2 (en) Organic electroluminescent display with improved barrier structure
JP5024220B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス装置、有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法、電子機器
TWI252709B (en) Electrooptical apparatus and its manufacturing method, and electronic apparatus
TW200930137A (en) Organic electroluminescent device, method for producing the same, and electronic apparatus
KR102084395B1 (ko) 유기전계 발광소자 및 이의 제조 방법
KR100855763B1 (ko) 유기 el소자 어레이 및 표시소자 및 촬상장치
JP2018200787A (ja) 表示装置
JP4448148B2 (ja) 有機発光装置
JP2011228229A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス装置
JP5605283B2 (ja) 有機エレクトロルミネッセンス装置の製造方法
JP2006236963A (ja) 表示装置及びその製造方法
JP2010140786A (ja) 有機el装置
JP2010033734A (ja) 有機エレクトロルミネッセンス装置
JP2009266922A (ja) 有機発光装置
JP2012209215A (ja) 有機el装置の製造方法、電子機器
US20130248827A1 (en) Organic electroluminescence display device
US10319943B2 (en) Display device
JP4952318B2 (ja) エレクトロルミネッセンス装置の製造方法
JP2018022624A (ja) 表示装置、表示装置の製造方法
JP5228513B2 (ja) 有機el装置
WO2014073534A1 (ja) 有機電界発光表示装置及びその製造方法
US11469398B2 (en) Display panel, display device and method of manufacturing display panel
JP2007128741A (ja) 有機el発光装置および電子機器、有機el発光装置の製造方法
JP2016031889A (ja) 表示装置、及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20120306