JP2013131339A - 有機発光装置及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】密度低下や膜厚低下といった膜欠陥を低減・解消した保護層を有する有機発光装置を提供する。
【解決手段】基板10と、基板10上に設けられる表示部2と、表示部2の外縁(封止領域4)に設けられる封止部材と、表示部2と前記封止部材との間に設けられる有機材料部材(有機平坦化層15、画素分離膜25、有機化合物層22)と、表示部2と前記有機材料部材とを被覆する保護層40と、から構成され、表示部2が、基板10上に設けられる下部電極21と、有機化合物層22と、上部電23極と、をこの順に積層してなる有機発光素子20を有する有機発光装置1において、有機発光素子20上及び前記有機材料部材上に無機化合物層30が設けられ、無機化合物層30上に保護層40が設けられ、保護層40が原子層堆積法によって形成されることを特徴とする、有機発光装置1。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機発光装置及びその製造方法に関する。
近年、フラットパネルディスプレイとして、自発光型デバイスである有機発光装置に注目が集まっている。ところで有機発光装置の構成部材である有機発光素子は、水分や酸素により素子の特性劣化を招き易く、例えば、少量の水分が存在するだけで有機化合物層と電極層との剥離が生じダークスポットの発生の原因となる。このため、有機発光素子の寿命をより長く確保するために装置内に水分や酸素を浸入させないようにする処理が施されている。具体的には、有機発光素子を、内面に吸湿剤を装着したエッチングガラスカバーで覆い、シール剤を当該エッチングガラスカバーの周辺に設けて当該エッチングガラスカバーを有機発光素子が設けられている基板に貼り付ける処理が施されている。この処理を行うことによって、シール面から浸入する水分を吸湿剤で吸湿することが可能である。
しかし、薄型の有機発光装置、特に、省スペースのフラットパネルディスプレイを実現するためには、吸湿剤を設けるスペースを極力少なくし、特に、表示部周辺において吸湿剤を設けるスペースを無くすようにする必要がある。このため、大量の吸湿剤を必要としない有機発光装置の封止方法が必要となる。またこの省スペース化を実現するため、有機化合物層への水分や酸素の浸入を防止するための高機能な保護層、及びこの保護層による封止方法も要求されている。
ところで、有機発光素子上には、配線やスルーホールによる凹凸、さらに装置内異物が基板上に存在することがある。この様な凹凸や異物をカバーして水分や酸素の浸入を防止するために有機発光素子を覆う保護層として、高性能な無機保護層や、無機保護層からなる積層体、無機保護層と有機保護層の積層体が提案されている。
特許文献1には、保護層として、有機発光素子上に原子層堆積(ALD)法や、原子層エピタキシ(ALE)法により形成した無機酸化物からなる層を採用し、この保護層で有機発光素子を覆った有機発光装置が提案されている。また特許文献1には、当該保護層が、基板及び有機発光素子と直接接するようにすることも提案され、さらに当該保護層を校正する酸化物として、Al23、SiO2、TiO2、ZrO2、MgO、HfO2、Ta25等が挙げられている。
米国特許公開第20020003403号明細書
ところで、有機発光素子が複数配列された有機発光装置は、有機材料からなる素子分離膜や、駆動回路及び配線を保護するために発光エリア外縁に設けられる有機平坦化層が形成されている場合がある。また有機発光装置では、一般的に、隣接する二つの有機発光素子間の間隔や、所定の有機発光素子に接続される駆動回路及び配線の間隔は狭いため、隣接する二つの有機発光素子間や有機発光素子に接続される駆動回路及び配線を含む領域を保護膜で覆う必要がある。一方、有機発光素子の周囲には、形成された有機発光素子を構成する有機化合物層が、上部電極から露出している場合がある。また、基板上には、無機物又は有機物からなる異物が付着していることがある。
一方で、上述した原子層堆積(ALD)法や、原子層エピタキシ(ALE)法は、有機発光素子を保護するための保護層を形成する方法としては、優れた方法であるといえる。しかし有機発光装置に設けられる有機材料からなる素子分離膜、有機平坦化層及び有機化合物層や有機物等からなる異物が存在する中で、ALD法を利用して(無機)酸化物層を直接形成しようとすると、膜密度の低下や膜厚が低下するといった問題が発生した。これは、保護層を形成する領域によっては、ALD法で用いる材料が一原子層ずつ形成されなかったり、有機材料からなる部材の酸化によって酸化プロセスが正常にできなかったりする場所が存在していると考えられる。
従って、有機発光素子の寿命を確保するために、ALD法を利用して保護層を成膜する場合は、装置内に設けられる有機発光素子やその周辺にある部材等によってもたらされる装置内環境に左右されず膜密度や膜厚の低下のない良好な膜を形成する必要がある。
本発明は上述した課題を解決するためになされるものであり、その目的は、密度低下や膜厚低下といった膜欠陥を低減・解消した保護層を有する有機発光装置及びその製造方法を提供することである。また本発明の他の目的は、ローコストで製造することができる有機発光装置及びその製造方法を提供することである。
本発明の有機発光装置は、基板と、
前記基板上に設けられる表示部と、
前記表示部の外縁に設けられる封止部材と、
前記表示部と前記封止部材との間に設けられる有機材料部材と、
前記表示部と前記有機材料部材とを被覆する保護層と、から構成され、
前記表示部が、前記基板上に設けられる下部電極と、有機化合物層と、上部電極と、をこの順に積層してなる有機発光素子を有する有機発光装置において、
前記有機発光素子上及び前記有機物層上に無機化合物層が設けられ、
前記無機化合物層上に保護層が設けられ、
前記保護層が原子層堆積法によって形成されることを特徴とする。
また本発明の有機発光装置の製造方法は、基板と、
前記基板上に設けられる表示部と、
前記表示部の外縁に設けられる封止部材と、
前記表示部と前記封止部材との間に設けられる有機材料部材と、
前記表示部と前記有機材料部材とを被覆する保護層と、から構成され、
前記表示部が、前記基板上に設けられる下部電極と、有機化合物層と、上部電極と、をこの順に積層してなる有機発光素子を有する有機発光装置の製造方法において、
前記有機発光素子上及び前記有機物層上に無機化合物層を形成する工程と、
前記無機化合物層上に保護層を設ける工程と、を有し、
前記保護層を設ける工程において、前記保護層が原子層堆積法によって形成されることを特徴とする。
本発明によれば、密度低下や膜厚低下といった膜欠陥を低減・解消した保護層を有する有機発光装置及びその製造方法を提供することができる。また本発明によれば、ローコストで製造することができる有機発光装置及びその製造方法を提供するができる。
(a)は、本発明の有機発光装置における第一の実施形態を示す断面模式図であり、(b)は、(a)の有機発光装置を構成する基板の平面図である。
本発明の有機発光装置は、基板と、表示部と、封止部材と、有機材料部材と、保護層と、から構成される。ここで表示部は、基板上に設けられる部材であって、基板上に設けられる下部電極と、有機化合物層と、上部電極と、をこの順に積層してなる有機発光素子を有している。また封止部材は、表示部の外縁に設けられる部材である。また有機材料部材は、表示部と封止部材との間に設けられる部材である。また保護層は、表示部と有機材料部材とを被覆する層である。
ここで本発明では、表示部に含まれる有機発光素子上及び有機材料部材上には無機化合物層が設けられ、またこの無機化合物層上に保護層が設けられている。これは、さらに本発明では、無機化合物層上に形成されている保護層が原子層堆積法によって形成されている。
以下、図面を適宜参照しながら、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
[第一の実施形態]
図1(a)は、本発明の有機発光装置における第一の実施形態を示す断面模式図であり、図1(b)は、図1(a)の有機発光装置を構成する基板の平面図である。
図1の有機発光装置1は、基板10上に設けられる有機発光素子20と、この有機発光素子20上に設けられる無機化合物層30と、この無機化合物層30上に設けられる保護層40と、を備えている。ここで有機発光素子20は、下部電極21と、有機化合物層22と、上部電極23と、をこの順に積層してなる部材である。また保護層40は、有機発光素子20を覆い、大気中の水分や酸素から有機発光素子20を保護する部材である。尚、図1において有機発光素子20は1個のみ記載されているが、実際には、複数個の有機発光素子20が一定の規則を持って基板10上に配列されている。そして一定の規則を持って基板10上に配列されている複数個の有機発光素子20は、図1(b)に示される表示部2内に設けられている。
次に、図1の有機発光装置1の構成部材について説明する。
図1の有機発光装置1において、基板10は、基材11上に、薄膜トランジスタ(TFT)等からなり各々の有機発光素子を個別に駆動するための駆動回路12と、この駆動回路12に信号を送信するために使用される信号配線13と、がそれぞれ形成されている。
基材11としては、ガラスや合成樹脂等からなる絶縁性基板又は表面に酸化珪素、窒化珪素等の絶縁層が形成した導電性基板あるいは半導体基板を使用することができる。また基材11は、透明であってもよいし不透明であってもよい。
また図1の有機発光装置1を構成する基板10には、駆動回路12上に絶縁層14と、有機平坦化層15と、がこの順に積層されている。これらの層は、駆動回路12及び信号配線13を保護すると共に、駆動回路12や信号配線13を設けることによって生じた凹凸を埋めて基板10自体を平坦化させる機能を有する。
絶縁層14の構成材料としては、窒化珪素、酸化窒化珪素、酸化珪素等が挙げられる。
有機平坦化層15の構成材料としては、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノルボルネン系樹脂、フッ素系樹脂等が挙げられる。
ところで、図1の有機発光装置1を構成する基板10は、図1(b)に示されるように、表示部2の外縁に図1(a)中の駆動回路16を有する領域3が設けられる。そして、この領域3の外縁には、後述する封止部材の設置領域の外周に相当する領域となる封止領域4が設けられている。またこの封止領域4の外側であって基板10の所定の一辺の端部には、外部接続端子17が設けられている。ここで領域3に設けられる駆動回路16は、信号配線13を介して駆動回路12と電気接続され、かつ絶縁層14や有機平坦化層15で被覆されている。また外部接続端子17は、信号配線13aを介して駆動回路16と電気接続されている。
一方、有機平坦化層15は、図1の有機発光装置1中の封止領域4及び外部接続端子17を設ける領域(外部接続端子17の周辺の領域を含む)において部分的に除去されている。また絶縁層14は図1の有機発光装置1中の外部接続端子17を設ける領域において部分的に除去されている。
有機平坦化層15上であって、図1(b)に示される表示部2内の各画素に相当する位置には下部電極21が形成されている。尚、画素とは、画像を構成する最小単位であり、図1(a)に示される有機発光素子20は、画素1つあたり1個設けられている。
図1の有機発光装置において、下部電極21は、絶縁層14及び有機平坦化層15を貫通して形成されるコンタクトホール24を介して駆動回路12に接続されている信号配線13と電気的に接続されている。
下部電極21の構成材料として、アルミニウムと珪素との化合物、アルミニウム、銀等の金属材料、酸化インジウムスズ、酸化インジウム亜鉛等の導電材料が挙げられる。
図1の有機発光装置1では、下部電極21の周縁部を覆うように画素分離膜25が形成されている。また画素分離膜25は、領域3に設けられている有機平坦化層15の一部を被覆している。画素分離膜25の構成材料としては、窒化珪素、酸化窒化珪素、酸化珪素等からなる無機系絶縁材料や、アクリル系樹脂、ポリイミド系樹脂、ノボラック系樹脂等を使用することができる。
下部電極21上には、有機化合物層22が形成されている。有機化合物層22は、少なくとも発光層を含む単層あるいは複数層からなる積層体である。有機化合物層22の層構成として、具体的には、正孔輸送層、発光層及び電子輸送層の三層からなる三層構成が挙げられるが、本発明においてはこの三層構成に限定されない。
有機化合物層22上には、上部電極23が形成されている。上部電極23の構成材料は、上部電極23の特性(光透過性又は光反射性)を考慮して適宜選択することが可能である。具体的には、インジウム亜鉛酸化物、インジウム錫酸化物等の酸化物透明導電材料や、銀、アルミ、金等の金属材料を特定の膜厚で形成した金属半透過膜等を使用することができる。
図1の有機発光装置1には、上部電極23上に無機化合物層30が形成されている。また無機化合物層30は、表示部2だけでなく、領域3及び封止領域4にわたって形成されている。このため無機化合物層30は、表示部2の外周に設けられる画素分離膜25上、及び領域3内に設けられる有機平坦化層15上にも形成される。また上述したように、無機化合物層30は、封止領域4にも形成されており、この封止領域4内に絶縁層14に接するように設けられている。尚、本発明に於いて、有機平坦化層15、画素分離膜25は、必ずしも形成されている必要はない。
前述したように、有機材料からなる素子分離膜、有機平坦化層、有機化合物層等の上に、ALD法を利用して(無機)酸化物層を直接形成しようとすると、膜密度の低下や膜厚が低下するといった問題が生じる。そこで、本発明では、原子層堆積法(ALD法)によって形成される保護層40が有機材料からなる部材(有機材料部材)に直接接触した形で形成されないようにするために無機化合物層30が設けられる。例えば、図1(a)に示された有機発光装置における有機材料部材は、有機平坦化層15、画素分離膜25、有機化合物層22等であり、無機化合物層30は、保護層40がこれらの有機材料部材に直接接触した形で形成されないようにする目的で形成される。有機化合物層22が、表示部の外周に広がって形成される場合、保護層40が直接接触した形で形成されないように、表示部の外周に形成された有機化合物層22を覆うように無機化合物層30が形成される。無機化合物層30は、金属材料や金属酸化物等の無機材料で構成される上部電極23上に形成させる必然性はなく、上部電極23を無機化合物層30の一部として機能させることは可能である。しかし、駆動回路16上や、信号配線(13、13a)上に、導電性のある部材が形成されると、たとえその部材が駆動回路16や信号配線(13、13a)と物理的に接触していなくても、電磁界や配線間容量の影響で駆動信号に異常が生じやすくなる。よって、駆動回路16上や信号配線(13、13a)上にも設けられる無機化合物層30の構成材料は、絶縁性の材料が望ましい。
無機化合物層30の構成材料である無機材料として、具体的には、窒化珪素、酸化珪素、酸窒化珪素、インジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、アルミニウム等が挙げられる。その中でも絶縁性の材料、例えば、窒化珪素、酸化珪素、酸窒化珪素等が好ましい。
無機化合物層30は、スパッタ法やCVD法を用いて形成することができる。ところで有機発光装置1を構成する基板10上には、装置内異物が付着している可能性がある。係る場合において、装置内異物が有機物である可能性を考えると、異物のカバレッジ性の高いCVD法で無機化合物層30を形成することが好ましい。
尚、無機化合物層30を形成する際には、基板10の全面に形成してもよいし、図1(a)に示されるように外部接続端子17を除いた基板10の全領域に形成してもよい。また無機化合物層30は、単層でもよいし、複数の層からなる積層体であってもよい。
無機化合物層30上には、保護層40が設けられている。保護層40は、水分や酸素が装置内に含まれる有機発光素子20内に侵入するのを防ぐ目的で設けられる。
保護層40の構成材料として、例えば、酸化アルミニウム等が挙げられる。また保護層40は、ALD法によって形成されている。尚、保護層40を形成する際には、基板10の全面に形成してもよいし、図1(a)に示されるように外部接続端子17を除いた基板10の全領域に形成してもよい。
図1の有機発光装置1は、基板10の所定の一辺の端部に設けられている外部接続端子17及びこの外部接続端子17上に設けられる異方性導電フィルム(ACF)51を介して、フレキシブル配線基板(FPC)52内の回路・電子素子と電気接続される。
この電気接続の具体的な方法を以下に示す。まず外部接続端子17上にACF51を仮圧着する。このときの仮圧着は低温圧着を行うとよい。次に、ACF51上の保護シートを除去し、フレキシブル配線基板(FPC)52を外部接続端子17と位置あわせする。このときの位置合わせは、自動アライメントでもよい。この位置合わせを行った後、加熱したヒーターヘッドをFPC52上に当て、熱加圧することにより、外部接続端子17とFPC52との接合を完了する。
一方、表示部2の領域の設けられる保護層40上には、粘着剤61を介してガラス板62が貼り付けてある。ここでガラス板62上には、円偏光板(不図示)を配置してもよい。
以下、実施例により本発明を説明するは、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
図1に示される有機発光装置を以下の方法で製造した。
まずガラス基板(基材11)上に、駆動回路12及び信号配線13を含む回路群と、絶縁層14(膜厚:300nm)と、有機平坦化層15(膜厚:1000nm)と、をこの順で積層した。次に、フォトリソ工程により、有機平坦化膜15上に所定の領域にコンタクトホール24を形成した。次に、有機平坦化層15上に、コンタクトホール24及び信号配線13と電気的に接続するように、画素単位でアルミ(Al)膜とインジウム錫酸化物(ITO)膜とからなる下部電極21を形成した。このとき下部電極21の総膜厚を150nmの膜厚とした。次に、少なくとも下部電極21上にポリイミド膜を形成した後、フォトリソ工程によるポリイミド膜の加工を行うことによって画素を形成する部分の周囲を被覆するように画素分離膜25を形成した。
次に、画素分離膜25まで形成された基板(TFT基板)を、約5分間純水により洗浄した後、この基板を約200℃で2時間ベークすることで、脱水処理を行った。次に、下部電極21にUV/オゾン洗浄を施した。
次に、下部電極21上に、正孔輸送層と、発光層と、電子輸送層と、電子注入層と、からなる有機化合物層22を形成した。
以下に、有機化合物層22の具体的な形成方法を以下に説明する。まず真空蒸着装置内に、上記のTFT基板及び有機化合物層の構成材料を所定の位置に取り付けた。次に、蒸着装置内の圧力を1×10-3Paに設定してから、下部電極21上にN,N’−α−ジナフチルベンジジン(α−NPD)を成膜し正孔輸送層を形成した。このとき正孔輸送層の膜厚を40nmとした。
次に、正孔輸送層上に、緑色発光するクマリン色素(クマリン−540)と、トリス[8−ヒドロキシキノリナート]アルミニウム(Alq3)とを、クマリン色素とAlq3との体積比が1.0:99.0となるように共蒸着することで発光層を形成した。このとき発光層の膜厚を30nmとした。
次に、下記式(1)に示されるフェナントロリン化合物を成膜し電子輸送層を形成した。このとき電子輸送層の膜厚を10nmとした。
Figure 2013131339
次に、電子輸送層上に、炭酸セシウム(2.9体積%)と式(1)のフェナントロリン化合物とを、炭酸セシウムとフェナントロリン化合物との体積比が2.9:97.1となるように共蒸着することで電子注入層を形成した。このとき電子注入層の膜厚を40nmとした。
次に、電子注入層まで成膜した基板を、別のスパッタ装置へ移動させ、この電子注入層上にインジウム錫酸化物(ITO)をスパッタ法にて成膜し上部電極23を形成した。このとき上部電極23の膜厚を60nmとした。
次に、外部接続端子17を除いた基板10の略全領域を覆うように無機化合物層30を形成した。具体的には、プラズマCVD法により、外部接続端子17を除いた基板10の略全領域(表示部2、領域3及び封止領域4を含む。)において、無機化合物層30を、有機平坦化層15及び画素分離膜25を覆うように形成した。より具体的には、まず堆積膜形成装置の高周波電極と、この高周波電極に対向する接地電極とが基板10の裏面に接するように固定した。次に、SiH4ガス、N2ガス及びH2ガスをそれぞれをフローしながら、高周波電極と接地電極との間の反応空間圧力を制御した。次に、高周波電力を高周波電極に供給することで窒化珪素からなる無機化合物層30を堆積形成した。このとき無機化合物層30の膜厚を約1μmとした。
次に、ALD法により、無機化合物層30上に保護層13を形成した。具体的には、まず無機化合物層30まで形成された基板10を、真空引きされたALD法の堆積膜形成装置に挿入し、接地電極上に基板10を置いた後、基板10を80℃に昇温した。次に、堆積膜形成装置内にトリメチルアルミニウム(TMA)を導入し、一定時間圧力を一定に制御した後、過剰量のトリメチルアルミニウムガスを排気した。次に、酸素を導入し、圧力を一定に制御した後、高周波電力を導入し酸素プラズマを一定時間発生させた。これにより、基板に付着したトリメチルアルミニウムを酸化させた。次に、酸素を排気した。これにより、一原子層の酸化アルミニウムを形成した。次に、TMAの導入、酸素の導入、酸素プラズマの発生からなる一連のプロセスを繰り返して、保護層40を形成した。このとき保護層40の膜厚は100nmであった。
次に、基板10上に設けられる外部接続端子17とFPC52との間に異方性導電フィルム51を挟みこんだ後、外部接続端子17とFPC52との間を熱圧着した。
次に、保護層40上に接着剤51を塗布してガラス板52を基板10に貼り付けることにより、有機発光装置1を得た。
また以上に説明した方法により、10枚の有機発光装置を製造した。
製造した10枚の有機発光装置について、それぞれ60℃90%RHの環境に1000時間放置することで、1000時間耐久実験を行った。評価は60℃90%RHの環境に、それぞれ250時間、500時間、1000時間放置したときに有機発光装置を取出し、有機発光素子を発光させ有機発光素子にダークスポットが発生するかどうかで行った。この実験結果を表1に示す。尚、下記表1において、○は、ダークスポット等の非点灯エリアが発生せずに正常に点灯した場合を示し、×は、ダークスポット等の非点灯エリアが発生した場合を示す。
Figure 2013131339
表1に示すように、本実施例の有機発光装置は、60℃90%RHの環境下で1000時間さらされたとしても、ダークスポットの発生することなく正常に点灯した。この結果、本実施例の有機発光装置を構成する保護層40は、密度低下や、膜厚低下といった欠陥が発生していないことが分かった。
[実施例2]
本実施例は、無機化合物層30を形成するにあたり、窒化珪素に替えて酸窒化珪素を形成した。これを除いては、実施例1と同様の方法により、図1に示される有機発光素子を製造した。
ここで本実施例における無機化合物層30の形成プロセスを説明する。まず有機発光素子20までの部材を実施例1と同様の方法で作製した。次に、実施例1で使用した装置と同様の装置内に基板10を設置した。次に、SiH4ガス、N2ガス、H2ガス及びN2Oガスをフローしながら、高周波電極と接地電極との間の反応空間圧力を制御した。次に、高周波電力を高周波電極に供給して酸窒化珪素からなる無機化合物層12を堆積形成した。このとき無機化合物層30膜厚は約1μmであった。
得られた有機発光装置について、実施例1と同様に評価した。結果を表2に示す。
Figure 2013131339
表2に示されるように、本実施例の有機発光装置は、60℃90%RHの環境下で1000時間さらされたとしても、ダークスポットの発生することなく正常に点灯した。また本実施例の有機発光装置は、封止の不良は見られなかった。このため本実施例の有機発光装置を構成する保護層40に欠陥はなく、有機発光装置が正常に封止されることがわかった。
[比較例1]
本比較例では、実施例1において、無機化合物層30の形成を省略したことを除いては、実施例1と同様の方法によりに有機発光装置を得た。
得られた有機発光装置を、実施例1と同様に評価した。結果を表3に示す。
Figure 2013131339
表3に示されるように、本比較例の有機発光装置は、60℃90%RHの環境下で1000時間さらさすと、表示部周囲から点灯しない部分が広がり、正常に点灯しないものが10枚中5枚で生じた。
ここで、実施例1で作製した有機発光装置と、比較例1で作製した有機発光装置のうち正常に点灯しなかったものとにおいて、点灯しない部分の周囲を断面SEM観察で比較した。また、分光エリプソメータを用い、実施例1及び比較例1でそれぞれ作製した有機発光装置に含まれる保護層40の屈折率を測定した。ここで比較例1の有機発光装置では、ALD法にて有機平坦化膜15等の有機材料部材上に直接形成された保護層40の膜厚が薄く、その結果SEM像が不明瞭に観察された。また保護層40の屈折率は、実施例1のサンプルでは、1.63であったのに対し、比較例1のサンプルは、1.55と低い値であった。これは、保護層40として形成されている膜が特に有機材料部材上において正常に形成されず結果として膜密度が低下しているためであると考えられる。これは、有機材料部材上に、TMAが付着しないか又はTMAが1原子層のみ付着した後の酸化プロセスにおいて有機材料部材自体が酸化される等によって酸化プロセスが不十分となっていることが考えられる。
そのため、有機平坦化層15等の有機材料部材上に直接保護層40を設けると、水分の防湿能力が不十分な膜ができあがり、この不完全な膜から大気中の水分が侵入し、この水分が有機発光素子の周囲から非点灯エリアが発生したと考えられる。
以上に示したように、本発明では有機発光素子20や有機平坦化層15と保護層40との間に無機化合物層30を介在させている。これにより、封止領域4の内側の領域にある有機発光素子20やその周囲の駆動回路16が設けられている領域に付着した異物の影響で生じ得る封止不良を大幅に減少させることができる。また封止端部の封止性能を確保することもできる。これにより、本発明の有機発光装置は、有機発光素子への水分や酸素の浸入を防止することができると共に、有機発光素子上に形成する保護層40の膜厚を薄膜化でき、ローコストで作製できる有機発光装置を提供できる。
本発明の有機発光装置は、表示装置として好ましく使用することができ、特に、テレビ受像機、携帯電話の表示部、撮像装置の表示部として好ましく使用することができる。
1:有機発光装置、2:表示部、4:封止領域、10:基板、11:基材、12:薄膜トランジスタ、13:信号配線、14:絶縁層、15:有機平坦化層、16:駆動回路、17:外部接続端子、20:有機発光素子、21:下部電極、22:有機化合物層、23:上部電極、24:コンタクトホール、25:画素分離膜、30:無機化合物層、40:保護層、51:異方性導電フィルム(ACF)、52:フレキシブル配線基板(FPC)、61:ガラス板、62:粘着剤

Claims (6)

  1. 基板と、
    前記基板上に設けられる表示部と、
    前記表示部の外縁に設けられる封止部材と、
    前記表示部と前記封止部材との間に設けられる有機材料部材と、
    前記表示部と前記有機材料部材とを被覆する保護層と、から構成され、
    前記表示部が、前記基板上に設けられる下部電極と、有機化合物層と、上部電極と、をこの順に積層してなる有機発光素子を有する有機発光装置において、
    前記有機発光素子上及び前記有機材料部材上に無機化合物層が設けられ、
    前記無機化合物層上に保護層が設けられ、
    前記保護層が原子層堆積法によって形成されることを特徴とする、有機発光装置。
  2. 前記無機化合物層が、窒化珪素、酸化珪素又は酸窒化珪素からなる層であることを特徴とする、請求項1に記載の有機発光装置。
  3. 前記保護層が、酸化アルミニウムからなる層であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の有機発光装置。
  4. 基板と、
    前記基板上に設けられる表示部と、
    前記表示部の外縁に設けられる封止部材と、
    前記表示部と前記封止部材との間に設けられる有機材料部材と、
    前記表示部と前記有機材料部材とを被覆する保護層と、から構成され、
    前記表示部が、前記基板上に設けられる下部電極と、有機化合物層と、上部電極と、をこの順に積層してなる有機発光素子を有する有機発光装置の製造方法において、
    前記有機発光素子上及び前記有機材料部材上に無機化合物層を形成する工程と、
    前記無機化合物層上に保護層を設ける工程と、を有し、
    前記保護層を設ける工程において、前記保護層が原子層堆積法によって形成されることを特徴とする、有機発光装置の製造方法。
  5. 前記無機化合物層を形成する工程において、前記無機化合物層が、窒化珪素、酸化珪素又は酸窒化珪素からなる層であり、
    前記無機化合物層がCVD法を用いて形成されることを特徴とする、請求項4に記載の有機発光装置の製造方法。
  6. 前記保護層が、酸化アルミニウムからなる層であることを特徴とする、請求項4又は5に記載の有機発光装置の製造方法。
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