以下、図1〜図11を参照し、発明の実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、以下の説明においてパチンコ機の各部の左右方向は、そのパチンコ機に対面する遊技者にとっての前後,上下,左右方向に一致させて説明する(各図の矢印参照)。
まず、図1を用いて遊技機の一例としてのパチンコ機1の全体構成について説明する。同図に示すように、パチンコ機1は、遊技機設置店の島ともよばれる設備に固定的に設置される縦長矩形状の機枠2と、機枠2に対して前後方向に開閉自在に軸着された本体枠3と、本体枠3内に着脱自在に装着される遊技盤10と、本体枠3に対して前後方向に開閉自在に軸着されたパネル扉15とを主たる構成として備える。
機枠2は、本体枠3を収容可能な矩形の開口部を形成する額縁状に形成され、左右方向一側部に上方に配設されたヒンジ2Aと、当該ヒンジ2Aと上下に対応するように左右方向一側部下方に配設された図外のヒンジにより本体枠3を前後方向に開閉可能に軸支する。本体枠3は、遊技盤10を収容可能な矩形状の開口部を形成する枠部4と、枠部4の下方に位置する部品搭載部30とを有する。枠部4は、下枠4A、左枠4B、右枠4C及び上枠4Dとから構成される額縁状である。下枠4Aの上面には、遊技盤10の下面と当接し、遊技盤10収容時の後方への押し込みを容易とする複数のガイドリブ6や、遊技盤10が収容された状態において遊技盤10に形成されたアウト口10Aと対応する排出誘導体7等が上方に向けて突設されている。
また、本体枠3の一側部(右側部)には、パネル扉15の左右方向一側部に設けられた凹部と係合する図外の開閉軸を有するパネル保持ヒンジ8A;8Bが前方に突設される。パネル保持ヒンジ8A;8Bは、互いに上下方向に離間し、互いに対向して同軸上に突出する開閉軸を有しており、当該開閉軸がパネル扉15の一側部に設けられた凹部と係合することにより、パネル扉15が当該開閉軸を中心として本体枠3に対して前後方向に開閉自在に保持される。つまり、本体枠3は、機枠2に対して前後方向に開閉可能に構成され、パネル扉15は本体枠3に対して開閉可能に構成される。
図2に示すように、左枠4Bの後部には、当該左枠4Bの上下方向に沿って後方に突設され、上枠4Dの後面に配設された球補給タンク9から供給される遊技球を遊技者に対して払い出す払出ユニット750が搭載される。払出ユニット750は、前後方向に蛇行しつつ上下方向に延在する図外の内部通路と、払出モータの駆動により回転し、内部通路内において遊技球を所定回転角ごとに分離して払い出すスプロケットや、当該スプロケットにより払い出される遊技球を検出する計数センサ等の払出機構とを有しており、当該払出ユニット750による払出動作は、図10に示すように、払出制御ユニット300内に格納された払出発射制御基板300Aによる処理により実行される。また、上枠4Dの後部には、球補給タンク9に隣接するように、外部情報送信ユニット800が後方に突設される。当該外部情報送信ユニット800内には、外部情報端子基板800Aが格納されている。外部情報端子基板800Aは、後述する第1中継基板450と電気的に接続されており、遊技に関する各種の情報を遊技機設置店に設けられたホールコンピュータに送信する。
図1に戻り、右枠4Cの上下方向端部の内周側には、一対の遊技盤ロック体11A;11Bが前方に突設される。遊技盤ロック体11A;11Bは、遊技盤10に開設されたロック孔10C;10Dとそれぞれ対応する円筒状の係合部と、当該係合体の前方において回動可能に設けられた楕円状のロック部とを有している。本体枠3の前方から押し込まれる遊技盤10を脱落不能に装着,収容するには、遊技盤ロック体11A;11Bのロック部を上下方向に平行となるように回動させた状態で遊技盤10の角部に開設されたロック孔10B:10Cに通し、遊技盤10を本体枠3の枠部4内における所定の位置に位置決めした後に、ロック部を左右方向に平行となるように回動させることにより行われる。これにより遊技盤10のロック孔10B;10Cが遊技盤ロック体11A;11Bの円筒状の係合部に嵌め合わされ、当該係合部からの脱落が前方に位置するロック部により阻止される。なお、枠部4内への遊技盤10の固定は、枠部4の内周側に配設された他の位置決め機構やストッパ機構等によっても行われ、遊技盤10が本体枠3の枠部4に装着,収容された場合、遊技盤10は略垂直方向に立設した状態とされる。
本体枠3の部品搭載部30は、下枠4Aの下方において広がる横長矩形状の盤状領域であって、その前面に、主として発射機構搭載部30A、スピーカ搭載部30B及び鍵飾り部30C等の各種の取り付け部に区画される。また、部品搭載部30の前面には、前後方向に貫通するハーネス導出孔が開設されており、後述する中継基板ユニット400に形成されたハーネス前方導出部411Aを経由して部品搭載部30の後面側より引き出される複数のハーネスを部品搭載部30の前面側に引き込み可能とされている。発射機構搭載部30Aは、パネル扉15の前面に形成された図外の上皿体より供給される遊技球を球送りモータの駆動により順次取り込むとともに、図外の球発射モータの駆動によって取り込んだ遊技球を所定の間隔で遊技盤10の遊技領域上に打ち出す球発射ユニット900が取り付けられる部位である。当該球発射ユニット900の動作は、後述する払出制御ユニット300内に配設された払出発射制御基板300Aによる処理により実行される。
また、スピーカ搭載部30Bは、前方に開口する円形の取り付け孔36を有するとともに、図2に示すように部品搭載部30の前面より後面側に突出する箱状の空間を形成する。同図に示すように、取り付け孔36に対向するスピーカ搭載部30Bの略矩形状の後壁37の周縁部には複数の長孔37Aが周囲の側壁に亘るように形成されている。長孔37Aは、放熱、及びスピーカの音特性を向上させる作用を奏するものである。また、後壁37の略中心位置にはハーネス引き出し孔38が前後方向に貫通する孔として開設されている。当該スピーカ搭載部30Bには、所定の固定手段を介して、例えば前方に向けて拡径するテーパ−状の図外のスピーカユニットが本体枠3の前方から後方に向けて格納される。また、当該スピーカユニットより延出するスピーカハーネスSHA1は、スピーカ搭載部30Bの後壁37に開設された引き出し孔38を介して後方に引き出され、後述の中継基板ユニット400に形成されたハーネス前方導出部411Aを経由して第2中継基板470側に接続される。なお、詳細については後述するが、本実施形態に係るパチンコ機1においては、例えばスピーカユニットに含まれる振動板の破損等に起因する音割れ等の発生によりスピーカユニットの交換,補修等のメンテナンス作業が必要となった場合、スピーカ搭載部30Bを後方から容易に露出させることができるとともに、スピーカユニットより延出するスピーカハーネスSHA1を容易に取り外し可能な構成となっている。
図1に戻り、鍵飾り部30Cは、中央部に鍵穴を有し、前方に突設される円筒体であって、パネル扉15が本体枠3側に閉じられた状態において鍵穴に図外の鍵を挿入し、一方に回動操作することによりパネル扉15のロックが解除される。また、本体枠3が機枠2側に閉じられた状態において鍵穴に図外の鍵を挿入し、他方に回動操作することにより本体枠3のロックが解除される。
また、パネル扉15が閉じられた状態おいて、鍵飾り部30Cの下部と対応するパネル扉15の前面側部には、ハンドルユニット260(図10参照)が前方に向けて突設される。ハンドルユニット260は、後述する払出制御ユニット300内に格納された払出発射制御基板300A側と図10に示す扉中継基板250Aを介して接続されており、払出発射制御基板300Aは、ハンドルユニット260を構成する発射ボリューム260Aや停止スイッチ或いはタッチセンサからの入力に基づいて前述の球発射ユニット900を制御する。
次に、本体枠3の部品搭載部30の後面側に配設される各ユニットについて説明する。図2,図3等に示すように、本体枠3の部品搭載部30の後面側には、球誘導ユニット100、電源ユニットロック体140、電源ユニット200、払出制御ユニット300、中継基板ユニット400等の各ユニットが搭載されている。また、本体枠3の部品搭載部30に搭載された電源ユニット200、払出制御ユニット300、中継基板ユニット400と、遊技盤10の後面側に搭載される主制御ユニット500及び副制御ユニット600、或いは前述のハンドルユニット260、払出ユニット750、外部情報送信ユニット800及び球発射ユニット900等の各ユニット同士は、中継基板ユニット400を基点とする電力供給によりパチンコ機1の後部側において相互又は個別に電気的に接続されている。
そして、特に本実施形態においては、部品搭載部30の後方におけるメンテナンスの容易化を図るため、図7に示すように電源ユニット200から延出する電源供給用のハーネスHA1;HA10が中継基板ユニット400内の基板(第1中継基板450及び第2中継基板470)に接続され、当該中継基板ユニット400より延出する複数のハーネスが他のユニット内に格納された基板に枝分かれするように接続されている。なお、各ユニットの取り付け構造や、接続構成の詳細については後述する。
次に、遊技盤10について概説する。図1に示すように遊技盤10は、本体枠3の枠部4の開口部の形状と対応する矩形状の盤体であって、内ガイドレール11、及び外ガイドレール12によってほぼ円形状に区画された遊技領域13を有する。当該遊技領域13は、前述の球発射ユニット900によって打ち出された遊技球が流下する領域であって、その流下経路上には、遊技球を取り込み可能に設けられた第1始動入賞部品20、第2始動入賞部品21、及び大入賞部品23等の各種の入賞部品やその他、通過ゲート24、風車25及び図外の遊技釘等の各種の遊技部品が配設されている。第1始動入賞部品20、第2始動入賞部品21、大入賞部品23及び通過ゲート24の内部には、それぞれ検出センサSW1乃至SW4が内蔵されており、これら対応する検出センサによって遊技球の入賞又は通過が検出される。また、検出センサSW1乃至SW4は、中継基板を介して主制御基板500Aと接続されており、その検出信号は主制御器基盤500Aの図示しない入力ポートを介してCPUに出力される。また、遊技盤10の略中央部には、前後左右方向に延在するステージ14や、ステージ14の後方に位置する演出表示装置650が配設される。ステージ14は、遊技領域13の流下経路上に設けられた図外のワープ通路によって導出された遊技球を例えば左右方向に転動させながら前方に誘導し、中央部に設けられた導出口より下流に排出する構成であって、例えば当該ステージ14内に到達した遊技球は、高い確率で第1始動入賞部品20内に入賞する。
演出表示装置650は、例えば遊技盤10の前方に臨む表示画面650A上において演出図柄の変動表示や、画像,動画等による所定の演出表示を表示可能な液晶表示装置であって、当該演出表示装置650によって表現される演出図柄の変動表示、或いは所定の演出表示の態様は、後述の副制御ユニット600を構成する演出制御基板600Aによる制御処理により決定される。図1に示すように、演出表示装置650は、遊技盤10の中央部に開設された取り付け孔を介して後方に突出するように配設されており、当該演出表示装置650の後面には、後述する副制御ユニット600が配設される。
上記構成からなる遊技盤10を備えたパチンコ機1の遊技の流れを概説すると、遊技球が第1始動入賞部品20又は第2始動入賞部品21に入賞した場合、主制御ユニット500を構成する主制御基板500Aの処理により、乱数を用いた所定の当否抽選処理が実行され、副制御ユニット600を構成する演出制御基板600Aは、前記所定の当否抽選の結果(「当り」又は「外れ」)を示す態様で変動表示中の演出図柄を停止表示させる。そして、演出図柄の停止表示した態様が「当り」を示す態様である場合には、大入賞部品23を開放動作させる特別遊技(大当り遊技)を実行する。また、主制御基板500Aは、遊技球が第1始動入賞部品20、第2始動入賞部品21及び大入賞部品23のいずれかに入賞したことに基づいて前述の払出発射制御基板300Aに対して賞球払出コマンドを送信し、当該コマンドを受信した払出発射制御基板300A側では賞球払出コマンドを解析するとともに、各入賞部品に対して予め設定された賞球数が払い出されるように前述の払出ユニット750を制御し、遊技者に対して遊技球(賞球)を払い出す。
特に特別遊技中において入賞可能となる大入賞部品23への1球の入賞に対する賞球数は、他の入賞部品への1球の入賞に対する賞球数よりも多く設定され(例えば「3個」に対して「15個」)、特別遊技を獲得した場合には、多くの入賞を可能としているため(例えば1R=10個の入賞で、15Rの遊技)、一度に大量の賞球を獲得することが可能となる。なお、遊技盤10の盤面構成、或いはパチンコ機1の遊技性についてはこの限りではなく、例えば上述した入賞部品以以外の入賞部品や、役物と呼ばれる動的装飾装置等を含んで構成されるがこれ以上の詳細な説明は省略する。
次にパネル扉15について説明する。パネル扉15は、本体枠3の前方の全域を前方から閉鎖可能な縦長矩形状の外観を呈し、その中央部には遊技盤10の遊技領域13の範囲とほぼ対応する大きさのガラス窓16が配設されている。また、パネル扉15の前面下部には、前述のハンドルユニット260の他、払出ユニット750より払い出された遊技球を貯留可能な図外の上皿と、当該上皿より溢れた遊技球を貯留可能な図外の下皿とが上下に分かれて突設されている。上皿に貯留された遊技球は、遊技者によるハンドルユニット260の操作によって前述の球発射ユニット900内に順次送出され、球発射ユニット900の駆動により遊技領域13内に打ち出される。また、パネル扉15の前面上部には、左右方向に分かれて複数のスピーカSP1;SP2が設けられており、前述のスピーカユニットと同一又は異なる多様な音声がパネル扉15の前方に発せられる。なお、パネル扉15には上述した部品の他、複数のLEDを搭載した電飾基板などの多様な装飾部品が搭載されている。
次に、図2乃至図6を参照して本実施形態の主要な構成に係る本体枠3の後側の構造について説明する。図2に示すように、本体枠3において遊技盤10が収容される枠部4よりも下側の領域である部品搭載部30の後面には、左右方向に亘って隣接配置される複数の通路形成体110;120、及び球受け拡張体130から構成される球誘導ユニット100と、一方の通路形成体110の後部に着脱自在に配設される電源ユニットロック体140と、他方の通路形成体120の後部に着脱自在に配設される中継基板ユニット400と、部品搭載部30の右側部において開閉可能に配設された電源ユニット200、及び部品搭載部30の左側部において開閉可能に配設された払出制御ユニット300が搭載される。以下、各ユニットの具体的な構造について説明する。
図2乃至図4に示すように、球誘導ユニット100は、部品搭載部30の中央部を含んで左側部に亘って配設される合成樹脂製の成型体であって、複数の通路形成体110;120が左右方向に隣接するように組み付けられ、他方の通路形成体120の前方に球受け拡張体130が組み付けられることにより、部品搭載部30の後面に対して一体的に取り付けられる。また、本実施形態における球誘導ユニット100は、遊技球の詰まりや、遊技球の衝突等に起因する破損等によって定期的或いは不定期なメンテナンスが必要となる部品であって、当該球誘導ユニット100のメンテナンスが必要な場合には、パチンコ機1の後方において後述する電源ユニット200及び払出制御ユニット300を開放する工程が必要となるが、本実施形態においては電源ユニット200及び払出制御ユニット300の開放工程が極めて簡略的になされるように構成されており、さらに電源ユニット200及び払出制御ユニット300の開放により球誘導ユニット100が露出する構成であるため、パチンコ機1の後方から見て奥深くに位置する球誘導ユニット100へのメンテナンス作業を容易に行える構成となっている。以下、球誘導ユニット100について詳説する。
図3,図4に示すように、通路形成体110は、前述の球発射ユニット900によって打ち出された遊技球の全て、例えば前述したいずれかの入賞部品20;21;23又はアウト口10A内に取り込まれ、遊技盤10の後方に誘導された後に、セット盤と呼ばれる球誘導体によって下方に流下してくる遊技球を受け止める球受け通路111と、当該球受け通路111と連通し、球受け通路111によって受け止められて集約された遊技球を順次パチンコ機1の外部まで誘導する排出通路112とを主たる構成として備える。
図4に示すように、球受け通路111は、通路形成体110が部品搭載部30に搭載された場合に、部品搭載部30の取り付け面35と平行となる盤面113より前後方向に突設される底壁111Aと、当該底壁111Aの後端縁に沿って上方に立ち上がる背壁111Bと、底壁111Aの右端部より上方に立ち上がる側壁111Cによって囲まれた上方及び前方が開口する空間である。球受け通路111の前方開口は、部品搭載部30の後面である取り付け面35によって閉塞される。上方から流下してくる遊技球を受け止める底壁111Aは、右側から左側に向かって漸次下傾斜するように延在しており、上方から落下して当該底壁111A上に到達した遊技球は、左方に転動することによって排出通路112側に誘導される。また、底壁111Aの上方には、背壁111Bの上端縁より後方に突出し、底壁111Aに対向して左右方向に延在する上壁115が設けられる。図1にも示すように上壁115は、通路形成体110が部品搭載部30の取り付け面35に取り付けられた場合に、前述の本体枠3の下枠4Aの上面より僅かに高い壁であり、下枠4Aの後端縁と上壁115の前端縁との間に、少なくとも遊技球の直径よりも広く形成され、球受け通路111に連通する球取り込み間口Sが形成される。
排出通路112は、盤面113より前後方向に突設される下壁112Aと、同じく盤面113より前後方向に突設され、前記下壁112Aの延在形状に沿って対向する上壁112Bと、下壁112A,上壁112Bの後端縁同士を接続する背壁112Cによって囲まれた前方開口の空間である。なお、前述の球受け通路111と同様に排出通路112の前方開口は、部品搭載部30の取り付け面35によって閉塞される。下壁112Aは、前述の底壁111Aの左端部に対して遊技球の直径以上の寸法離れた側部を基点として右側に向かって緩やかに下傾斜するとともに鋭角に左側に折れ曲がった後に下方に向けて緩やかに湾曲する壁である。これに対向する上壁112Bは、底壁111Aの左端部に連接して、右側に向かって緩やかに下傾斜するとともに、緩やかに左側に湾曲した後に下方に向けて垂下する壁である。つまり、排出通路112は、通路形成体110内を左右方向に蛇行するように設けられた通路であって、底壁111Aの左端部に到達した遊技球は、左右方向に蛇行しながら下流側へ誘導され、パチンコ機1の外部に排出されることとなる。
図3に示すように、通路形成体110の盤面113の後部は、電源ユニット閉鎖領域R1と、ロック体装着領域R2とに区画されている。電源ユニット閉鎖領域R1は、盤面113より後方に突出し、上下方向に延在する仕切り壁116を境界とする通路形成体110のほぼ右半部の領域である。当該電源ユニット閉鎖領域R1において突設された十字状のリブの交点には、後述する電源ユニット200のケーシング210より前方に突出する十字ボス212Aと係合するボス受け117が設けられている。電源ユニット200が閉鎖方向に回動動作され、十字ボス212Aがボス受け117に係合した場合、電源ユニット閉鎖領域R1は、電源ユニット200によって後方から閉塞される。
つまり、電源ユニット200を閉鎖した状態において、通路形成体110の右半部は電源ユニット200の前方に位置することとなり、部品搭載部30を後方から視認した場合に通路形成体110の右半部(電源ユニット閉鎖領域R1)を視認することは不可能とされる。換言すれば、通路形成体110の右半部は、電源ユニット200の閉鎖動作によって秘匿されるとともに、開放動作によって初めて後方に露出した状態となる。
ロック体装着領域R2は、仕切り壁116を境界とする通路形成体110のほぼ左半部の領域である。当該ロック体装着領域R2において突設された格子状のリブ内には、後述する電源ユニットロック体140の前方に開設された図外のボス受けと係合する複数のボス118A乃至118Cが後方に突設される。当該複数のボス118A乃至118Cを介してその後方に電源ユニットロック体140が取り付けられた場合、通路形成体110の左半部は電源ユニットロック体140の前方に位置することとなり、パチンコ機1を後方から視認した場合に通路形成体110の左半部(ロック体装着領域R2)を視認することは不可能とされる。なお、電源ユニットロック体140の具体的構成については後述する。
図2に示すように、上記構成からなる通路形成体110は、その前方開口が部品搭載部30の取り付け面35と前後方向に対向する向きで取り付け面35に複数形成されたボス35A及び図外の止めねじ等の固定手段を介して取り付けられ、当該通路形成体110が、本体枠3の部品搭載部30に取り付けられることにより、上方から流下してくる遊技球を取り込み可能な前述の球取り込み間口Sが形成される。
次に、通路形成体110の左側に隣接して配設される通路形成体120について説明する。図3,図4に示すとおり、通路形成体120は例えば機種入れ替え時においてパチンコ機1内に残存する全ての遊技球(抜球)をパチンコ機1の外部まで誘導する排出通路121を主たる構成として備える。上記抜球作業は、払出ユニット750の外部に設けられた図外の遊技球排出レバーを操作することにより、払出ユニット750内に設けられた流路切替用の図外の弁を抜球方向に動作させ、遊技球の流下方向を排出通路121側に切り替え、払出ユニット750の内部通路内及び球補給タンク9内に残存する全ての遊技球をパチンコ機1外に排出する作業である。
図3に示すように排出通路121は、通路形成体120が部品搭載部30に図外の止めねじ等を介して後方から搭載された場合に、部品搭載部30の取り付け面35と平行となる盤面123より前後方向に突設される下壁121Aと、当該下壁121Aの上方において対向する上壁121Bと、下壁121A及び上壁121Bの前端縁同士を接続する背壁121Cとにより区画された後方開口の空間である。なお、排出通路121の後方開放は、後方に配置される中継基板ユニット400のケーシング410によって閉塞される。排出通路121は、部品搭載部30に取り付けられた状態において、払出ユニット750の下部に設けられた図外の排出口と連通する球導入口122を有し、左側から右側に向かって緩やかに下傾斜する。また、球導入口122より導入された遊技球は、その終端部において下方に垂下する導出口124より機外に排出される。
通路形成体120の盤面123の後部は、中継基板ユニット装着領域R3として形成されている。中継基板ユニット装着領域R3は、盤面123より後方に突出する側壁や格子状のリブによって区画されている。当該格子状のリブ内には後述する中継基板ユニット400の前面に開設された図外のボス受けと係合する複数のボス128A:128Bが突設されており、中継基板ユニット400を前方から着脱可能に支持する。そして、通路形成体120の中継基板ユニット装着領域R3に中継基板ユニット400が取り付けられると、通路形成体120の略全域が中継基板ユニット400の前方に位置することとなり、図2に示すように、パチンコ機1を後方から視認した場合に通路形成体120の後方を視認することは不可能とされる。換言すれば、通路形成体120は、中継基板ユニット400によって秘匿され、中継基板ユニット400の取り外しによって露出する。
また、通路形成体120の盤面123より後方に向けて突設される上壁125は、前述の通路形成体110の上壁115と略面一となる位置に形成されており、通路形成体120が通路形成体110の左側に隣接するように組み付けられることにより、下枠4Aの上面と略面一となる上壁115;125が左右方向に亘って延在する。
図2にも示すように、球受け拡張体130は、通路形成体120と、部品搭載部30の取り付け面35との間に上方から介挿可能に取り付けられる部品である。球受け拡張体130は、通路形成体120の上部前方に介挿された状態において、通路形成体120の上壁125と略面一となる上壁135と、当該上壁135の右端部より下方に垂下して右側に向かって下傾斜する球受け通路拡張部137を有する。図4に示すように、球受け通路拡張部137は、前述の通路形成体110の排出通路112を構成する下壁112Aの突出寸法と略同一の前後寸法を有するとともに、下壁112Aの始端部(上流側端部)と連接する。球受け拡張体130が通路形成体120の前方において部品搭載部30の取り付け面35との間に介挿され、右側に向かって下傾斜する球受け通路拡張部137が下壁112Aと連接することにより、上方から落下してくる遊技球を受け入れ可能な球取り込み間口Sの左右方向の寸法が拡張されることとなり、遊技盤10に配設される各入賞部品のレイアウトに幅広く対応することが可能となる。また、球受け拡張体130を通路形成体120とは独立した部品とし、上方から介挿可能な部品として構成したことにより遊技球の落下により破損,損傷を受けやすい球受け拡張体130単独でのメンテナンス作業(交換作業)を容易に行わしめることが可能となる。
以上説明したとおり、部品搭載部30の取り付け面35にはメンテナンス対象部品としての通路形成体110;120及び球受け拡張体130からなる球誘導ユニット100が取り付け面35に対してボスやその他の固定手段を介して着脱自在に取り付けられており、さらに球誘導ユニット100の一部の領域(R2;R3)には電源ユニットロック体140と中継基板ユニット400とが後方に重ね合されるようにして着脱自在に配設される。なお、本例においては、球誘導ユニット100を別体として成型された通路形成体110;120及び球受け拡張体130から構成したが、これに限られるものではなく球誘導ユニット100を単一の部品として一体成型してもよい。また、球誘導ユニット100に形成された通路の本数や形状、或いは機能は上記の例に限られるものではなく、遊技盤10に配設される入賞部品のレイアウト等によって適宜変更可能である。
次に通路形成体110の後部(ロック体装着領域R2)に配設される電源ユニットロック体140の構成について説明する。図3に示すように、電源ユニットロック体140は、前述の通路形成体110のロック体装着領域R2の外郭形状と対応するように後方視縦長矩形状の箱型であって、ロック体装着領域R2に突設された当該複数のボス118A乃至118Cを介して通路形成体110の後方に積層されるように組み付けられる。
電源ユニットロック体140は、組み付けられた状態において前述の取り付け面35と略平行な盤面部141と、当該盤面部141の上下の縁部において前後方向に延在する底壁142及び上壁143と、盤面部141の左右の縁部において前後方向に延在する右側壁146及び左側壁147とを有する。盤面部141は、電源ユニットロック体140の後面に相当する面であって、図7に示すように、盤面部141内には、電源ユニット200及び中継基板ユニット400間に亘って延在する電源ケーブルK1,ハーネスHA1;HA10の3本が通過する。上壁143は、通路形成体110に取り付けられた状態において、通路形成体110の上壁115と面一となる高さに形成されている。
右側壁146の上部には、図2,図5に示す電源ユニット200のケーシング210の後部において左右方向に進退自在に設けられた第1ロックレバー220の先端部を受け入れ可能であるとともに、当該第1ロックレバー220の先端部と係合可能なロック部145が開設される。ロック部145は、右側壁146における閉鎖状態にある電源ユニット200の第1ロックレバー220の高さと対応する位置に開設された凹部であって、電源ユニット200を閉鎖状態とした後に第1ロックレバー220を左方向に操作することにより電源ユニットロック体140に対して電源ユニット200が開放動作不能にロックされる。また、右側壁146には、上下方向中央部に掛けて前後方向の寸法が減少する段落とし部146Aが形成されており、当該段落とし部146Aを経由して電源ケーブルK1,ハーネスHA1;HA10が左右方向に延在した状態で引き回される。左側壁147は、隣接する中継基板ユニット400のケーシング410の右側壁417の凸部417Aの突出形状と合致する凹部147Aを有しており、両者がそれぞれロック体装着領域R2及び中継基板ユニット装着領域R3に対して組み付けられた場合、左右方向に連接した状態で固定される。また、左側壁147の上下方向略中央部の後面には、電源ケーブルK1及び、ハーネスHA1;HA10を通すための段部147Bが形成されており、当該段部147Bを経由して電源ケーブルK1,ハーネスHA1;HA10が左右方向に延在する。
次に通路形成体120の後部(中継基板ユニット装着領域R3)に配設される中継基板ユニット400の構成について説明する。図2,図3に示すように中継基板ユニット400は、後方が開放した箱型のケーシング410と、当該ケーシング410内において格納される第1中継基板450及び第2中継基板470とを主たる構成として備える。ケーシング410は、中継基板ユニット装着領域R3に装着された状態において、前述の取り付け面35と略平行となる横長矩形状の基板搭載面411と、当該基板搭載面411の4方を取り囲むように前後方向に突設される底壁414、上壁415、右側壁417及び左側壁418から形成される。
基板搭載面411には、縦長矩形状の第1中継基板450及び第2中継基板470の周囲を取り囲むように後方に突設されたリブ状の基板搭載部412A;412Bが形成されており、第1中継基板450及び第2中継基板470をそれぞれ基板搭載部412内に位置決めした後に図外の止めねじ等の固定手段を用いることにより第1中継基板450及び第2中継基板470が基板搭載面411上に配設される。なお、固定手段を用いることなく基板搭載部412に設けられた係止爪等の係止手段によって第1中継基板450及び第2中継基板470を基板搭載面411上に配設してもよい。また、第1中継基板450及び第2中継基板470上において突設された複数のコネクタ端子CN2乃至CN15と、これらコネクタ端子に接続される複数のハーネスとの関係については、電源ユニット200及び払出制御ユニット300との関係を交えながら後述する。基板搭載面411上に配置された第2中継基板470の下方には、基板搭載面411を前後方向に貫通するハーネス前方導出部411Aが開設される。ハーネス前方導出部411Aは、基板搭載面411を前後方向に貫通する開口であって、前述の通路形成体120の左側下部に開設されたハーネス導出路129と連通する。ハーネス導出路129は、通路形成体120を前後方向に貫通する通路である。第1中継基板450及び第2中継基板470に配設されたコネクタ端子に接続される一部のハーネス(SHA1;HA4乃至HA9、HA12及びHA12A)は、ハーネス前方導出部411A及びこれに連通するハーネス導出路129を通り、部品搭載部30の前面に開設された複数のハーネス導出孔より部品搭載部30の前面側に引き込まれるか、或いは、ハーネス導出路129を通り、前述の取り付け面35よりも後方かつ通路形成体120の前方に形成される隙間から引き出される。例えば本実施形態においては、ハーネス引き出し孔38から後方に導出される前述のスピーカハーネスSHA1が前述の取り付け面35よりも後方かつ通路形成体120の前方の隙間を介して引き回されて後述のコネクタ端子CN15と接続されている。
基板搭載面411の下縁より前後方向に突設される底壁414の右側部には、パチンコ機1の外部から供給される電源(例えばAC24V)供給用の電源ケーブルK1を係止するための電源ケーブル係止部414Aが開設される。当該電源ケーブル係止部414Aは、底壁414において前後方向に延在する切欠きであって、当該電源ケーブル係止部414A内に電源ケーブルK1を挟みつけるように係止することにより、電源ケーブルK1の緩みや垂れ下がりが生じることなく電源ケーブルK1を電源ユニット200の方向に引き回すことが可能となる。
基板搭載面411の上縁より前後方向に突設され、底壁414と平行に対向する上壁415の左側部には、ハーネス上方導出部415Aが開設される。当該ハーネス上方導出部415Aは、底壁414において前後方向に延在する切欠きであって、第1中継基板450、第2中継基板470又は払出制御ユニット300の払出発射制御基板300Aに配設されたコネクタ端子にその一端部が接続され、その他端部が本体枠3の部品搭載部30よりも上方に配設される主制御ユニット500、副制御ユニット600及び払出ユニット750側に接続される複数のハーネスHA3;HA11;HA13が束ねられた状態で上下方向に亘って引き回される。また、ハーネス上方導出部415Aの下部には、複数のハーネスHA3;HA11;HA13を束ねた状態に維持する図外のクランプが配設されている。
基板搭載面411の右縁より前後方向に突設される右側壁417は、電源ユニットロック体140の左側壁147に形成された凹部147Aと合致する凸部417Aを有している。また、右側壁417の後面には、前述の電源ユニットロック体140の左側壁147と同様にハーネスHA1を通すための段部417Bが形成されており、当該段部417Bを経由して電源ケーブルK1及びハーネスHA1;HA10が左右方向に延在する。
基板搭載面411の左縁より前後方向に突設される左側壁418は、その後面に上下方向に離間して形成される開閉ヒンジ420;421を備える。図3に示すように開閉ヒンジ420;421は、左側壁418の後面より後方に突設され、上下方向に貫通する開閉軸挿通部420A;421Aを有する。当該開閉軸挿通部420A;421A内には、後述する払出制御ユニット300のケーシング310に設けられた上下一対の開閉ボス319B;320Bが挿入可能となっており、開閉ボス319B;320Bが開閉軸挿通部420A;421Aによって回転自在に保持されることにより、払出制御ユニット300を中継基板ユニット400の前後方向に向けて開閉自在に動作させることが可能となる。
上壁415と左側壁417とが交差する角部の内側には、逆L字状に形成されたハーネス後方導出部425が設けられる。ハーネス後方導出部425は、左側壁418に沿って略平行に上下方向に延在する導出片425Aと、当該導出片425Aの下端部より略直角に屈曲して、上壁415と略平行に延在する導出片425Bとにより形成される。当該ハーネス後方導出部425の後方への突出寸法は上壁415及び左側壁417よりも後方に設定される。また、当該ハーネス後方導出部425内には、複数のハーネスHA2;HA12A;HA13が束ねられた状態で引き込まれるとともに、導出片425A;425Bにより形成される後方開口部から後方に向かって引き出される。なお、ハーネス後方導出部415Aの右側部には、複数のハーネスHA2;HA12A;HA13を束ねた状態に維持する図外のクランプが配設されている。また、ハーネス後方導出部425の後方開口部は、後述の払出制御ユニット300が閉鎖状態とされた場合において、払出制御ユニット300のケーシング310に形成された切欠きであるハーネス引き出し領域R4によって後方に臨む部分(露出する部分)であり、当該ハーネス後方導出部425を経由して、中継基板ユニット400の後方に位置する払出制御ユニット300側に複数のハーネスHA2;HA12A;HA13が引き回される。
以上のとおり、中継基板ユニット400は、ケーシング410の内部に格納された第1中継基板450及び第2中継基板470に配設された複数のコネクタ端子にそれぞれ接続される複数のハーネスを中継基板ユニット400の前方に引き回し可能とするハーネス前方導出部411Aと、複数のハーネスを上方に引き回し可能とするハーネス上方導出部415A、及び複数のハーネス後方に引き回し可能とするハーネス後方導出部425とを有しており、これら各導出部を経由して複数のハーネスが中継基板ユニット400の外部に延出するように引き回されることにより、電源ユニット200の電源基板200Aから供給される電力が各ユニット内の基板に対して分配されるように供給されることとなる。
なお、図示は省略するが、第1中継基板450及び第2中継基板470の後方には、複数のコネクタ端子と対応するコネクタ開口部、及びヒューズFU1;FU2、バックアップ電池BP1の突出形状と対応する凹部を有し、ケーシング410内において開閉自在に設けられたカバー体が配設されており、メンテナンス作業時における第1中継基板450及び第2中継基板470の板面への直接的な接触が防止される。
次に、本体枠3の後部において、開閉自在に設けられた電源ユニット200及び払出制御ユニット300の構成について説明する。特に図2に示すように、電源ユニット200及び払出制御ユニット300は、本体枠3の部品搭載部30に対して、取り付け面35の左右方向両側に設けられた開閉手段を介して互いに観音開き可能なように配設されている。
図2,図5に示すように、電源ユニット200は左右方向に長尺な箱状のケーシング210と、当該ケーシング210内に格納された図外の電源基板200A(図10参照)とから構成され、部品搭載部30の右側部に突設された開閉手段としての開閉ヒンジ40A;40Bを回転中心として図5の矢印で示す前後方向に閉鎖動作又は開放動作可能とされる。
ケーシング210は、電源基板200Aが図外の固定手段や係合手段を介してマウントされる基板ケース211と、当該基板ケース211の後方に一体的に組み付けられる基板カバー216とにより構成される。基板ケース211は、例えば合成樹脂により形成され、内部に収容される電源基板200Aの外郭形状と略同様の形状を有する収容体である。図5に特に示すように、基板ケース211は、閉塞壁212と、電源ユニット200が閉鎖状態にある場合において閉塞壁212の4方の縁部から後方に立ち上がる下壁213A、上壁213B、右側壁213C及び左側壁213Dとから構成される後方開放状である。閉塞壁212は、電源ユニット200の閉鎖状態において、前述したスピーカ搭載部30Bの後壁37及び、通路形成体110の盤面113の後部である電源ユニット閉鎖領域R1の面積と略対応する面積を有し、その全域を後方から覆うように閉塞する壁部である。また、閉塞壁212の内面側には、略同形状の図外の電源基板200Aが閉塞壁212と平行に配設される。また、閉塞壁212の外面側には、閉鎖状態における電源ユニット200の前方に向けて突出する十字ボス212Aが形成される。当該十字ボス212Aの位置は、閉鎖状態にある電源ユニット200の閉塞壁212によって閉塞される電源ユニット閉鎖領域R1内に形成された前述のボス受け117と対応する位置に設定されており、電源ユニット200の閉鎖動作によって十字ボス212Aがボス受け117と係合することにより電源ユニット200の閉鎖状態が維持される。
図5に示すように閉塞壁212の右側部には、上下方向に所定の間隔を隔てて複数の開閉ボス212B;212Cが突設される。開閉ボス212B;212Cは、閉塞壁212より僅かに前方に突出するとともに、下方に向けて突出する略円筒状であって、その外径は開閉ヒンジ40A;40Bの内径と嵌り合う寸法に設定される。開閉ヒンジ40A;40Bは、スピーカ搭載部30Bの右側部において部品搭載部30から前後方向に突設され、上下方向に延在する隔壁部40と連接し、該隔壁部40の上下端部においてそれぞれ個別に設けられた略筒状体である。開閉ヒンジ40A;40Bには、上下方向に貫通し、開閉ボス212B;212Cの外径と対向する内径を有する保持孔が開設されている。図5の仮想線で示すように、開閉ヒンジ40A;40Bの上下位置と対応する開閉ボス212B;212Cを上方から嵌め合わせるように電源ユニット200を部品搭載部30の後方に装着することにより、部品搭載部30の後方において電源ユニット200が左右方向に開閉自在に保持される。
閉塞壁212の下縁部及び上縁部から後方に立ち上がる下壁213A及び上壁213Bには、その長手方向に沿って所定の間隔をもって複数の係止部214が形成されている。当該係止部214は、基板カバー216の下放熱壁217及び上放熱壁218の前端縁において長手方向に所定の間隔をもって形成された複数の係止爪219と係合可能な形状を有しており、これら複数の係止部214及び複数の係止爪219を互いに係合することにより基板ケース211と基板カバー216を一体化することが可能となる。
次に、基板ケース211に対して組み付けられる基板カバー216について説明する。基板カバー216は、例えば樹脂によって形成され、電源基板200Aが収容された基板ケース211の全域を覆うように基板ケース211と一体化される。各図に示すように、基板カバー216は、電源ユニット200が閉鎖状態にある場合において基板ケース211の下壁213A及び上壁213Bそれぞれの後縁部に連接し、後方に向けて互いに対向して立ち上がる下放熱壁217及び上放熱壁218と、基板ケース211の右側壁213Cの後端部に連接し、後方に向けて互いに対向して立ち上がる右側壁221と、基板ケース211の左側壁213Dの後端部の一部と連接し、後述の天壁224との間にハーネス接続凹部240を形成する左側壁222と、これら下放熱壁217、上放熱壁218、右側壁221及び左側壁222の後端部同士を接続し、前記基板ケース211の閉塞壁212と対向する天壁224とによって囲まれる前方開放の箱型状である。
図2等に示すように、互いに対向する下放熱壁217及び上放熱壁218には、前後方向に長い略楕円状の放熱孔が左右方向に沿って複数開設されており、当該放熱孔からは、パチンコ機1の稼働時において電源基板200Aから発せられる熱が放出される。右側壁221は、左方に向けて僅かに傾斜しつつ後方に延在し、天壁224の右縁部に至る。右側壁221は、上下方向に略直線的に延在するとともに、その下方において直角に屈曲するクランク部221Aを有する。当該クランク部221Aは、基板ケース211内の電源基板200Aと電気的に接続される後述のメインスイッチMSW1操作用の切欠きであって、当該クランク部221Aを介して電源基板200A上に配設されたメインスイッチMSW1が後方に突出する。
図6に示すように、天壁224は、電源ユニット200が閉鎖状態にある場合において、左右方向に亘って複数の段差を介して延在する壁部である。天壁224において右側に位置する(払出制御)ユニットロック部224Aの表面は、電源ユニット200及び後述する払出制御ユニット300がともに閉鎖状態にある場合において、払出制御ユニット300のケーシング310の後壁317の表面と略面一となる面である。このように、ユニットロック部224Aの表面と後壁317の表面とを略面一となる寸法に設定することにより、電源ユニット200及び後述する払出制御ユニット300の閉鎖状態において、左右方向にフラットな状態で隣接することとなり、後方視した場合の外観を向上させることができるとともに、これらのユニットを最大限後方に配設したことによって、セキュリティ性の向上、及び設計制限領域内のスペースを最大限活用することができる。
ユニットロック部224Aには、閉鎖状態にある払出制御ユニット300の開放方向への動作を規制する第2ロックレバー230が設けられる。第2ロックレバー230は、ユニットロック部224Aの表面から前方に向けて凹となるように開設されたスライダ部231上を左右方向に摺動自在に設けられており、第2ロックレバー230より後方に突出する操作部230Aを作業者が操作することにより、閉鎖状態にある払出制御ユニット300を開放動作不能とするロック状態、或いは、開放動作可能とするアンロック状態に切替可能である。第2ロックレバー230の先端部は、後述の払出制御ユニット300のケーシング310上に設けられたロック部317Aに係合し、払出制御ユニット300をロック状態に維持する。
天壁224において、図5に示す所定寸法の段差L1を介してユニットロック部224Aの左側に位置する(払出制御)ユニット係合部224Bは、電源ユニット200及び払出制御ユニット300がともに閉鎖状態にある場合において、払出制御ユニット300のケーシング310の閉塞壁312の一部と前後に当接する面である。ユニット係合部224Bには、後方に向けて突出する十字ボス225が設けられている。図2に示すように、当該十字ボス225は、払出制御ユニット300のケーシング310の右側部に形成されたボス受け313と対応する位置に突設されており、電源ユニット200を閉鎖状態とした後に払出制御ユニット300を閉鎖動作させることにより十字ボス225がボス受け313に係合する。また、払出制御ユニット300が閉鎖状態となった場合、ユニット係合部224Bの外面は、払出制御ユニット300によって覆われた状態となり、後方から視認することはできない。また、ユニットロック部224Aとユニット係合部224Bとの段差寸法L1は後述の払出制御ユニット300のケーシング310の前後寸法L2(厚さ寸法)と略一致するように設定されており、このような設定とすることによりユニットロック部224Aと、払出制御ユニット300のケーシング310の後壁317とが略面一となる。
次に、ケーシング210に設けられたハーネス接続凹部240の構造について説明する。図2に示すように、ハーネス接続凹部240は、基板カバー216の天壁224の左側部において前方(基板ケース211)に向けて凹となるように開設された後方及び左方が開放された領域である。当該ハーネス接続凹部240内には、基板ケース211上に配設された電源基板200Aと電気的に接続された複数のコネクタ端子PCN1;CN1;CN11及びヒューズFU1が上下方向に並んだ状態で後方に向けて臨む。ハーネス接続凹部240は概略、天壁224のユニット係合部224Bよりも左側の領域において前方に向けて延在する下側壁241、上側壁242及び右側壁243と、これら各側壁241乃至243と連接し、基板ケース211の閉塞壁212と略平行に対向する底壁245とにより区画される。
下側壁241は、ケーシング210の下部左側において、下放熱壁217と対向するように天壁224から底壁245側に向かって所定の段部241Aを介して延在する。段部241Aは、上方に突出するように形成された壁部であって、当該段部241Aの外面上に設けられたコネクタ開口部を介して外部電源投入用のコネクタ端子PCN1が後方に突出するように臨む。
上側壁242は、ケーシング210の上部左側において、下放熱壁217及び側壁241と対向するように天壁224から底壁245側に向かって所定の段部242Aを介して延在する。段部242Aは、下方に突出するように形成された壁部であって、当該段部242Aの外面上には、第1ロックレバー220が設けられる。第1ロックレバー220は、前述の第2ロックレバー230と同様に、段部242Aの外面上に形成された図外のスライダ部を左右方向に摺動自在に設けられており、後方に突出する操作部220Aを作業者が操作することにより、閉鎖状態にある電源ユニット200を開放動作不能とするロック状態、或いは、開放動作可能とするアンロック状態に切替可能である。また、第1ロックレバー220の先端部は、前述した電源ユニットロック体140に設けられたロック部145に係合し、電源ユニット200をロック状態に維持する。右側壁243は、下側壁241及び上側壁242の右側縁と連接するとともに、天壁224から底壁245側に向かって僅かに左傾斜しつつ延在する。
底壁245は、上記各側壁241乃至243の前端縁に連接するとともに、その表面には前後方向に連通する複数のコネクタ開口部が開設されている。各コネクタ開口部は、電源基板200Aと電気的に接続された電源出力用のコネクタ端子CN1;CN11、及びヒューズFU1の外郭形状と対応する開口であって、各コネクタ開口部を介してコネクタ端子CN1、コネクタ端子CN11、及びヒューズFU1が後方に突出する。図7(a)にも示すように、電源基板200Aに配設されたコネクタ端子PCN1;CN1;CN11及びヒューズFU1は、ケーシング210の左側部に設けられたハーネス接続凹部240内において上下方向に沿って所定の間隔を隔てて外部に突設されており、各コネクタ端子PCN1、コネクタ端子CN1;CN11にそれぞれ前述の電源ケーブルK1及びハーネスHA1;HA10の一端側のコネクタが接続され、これら接続された電源ケーブルK1及びハーネスHA1;HA10がハーネス接続凹部240の左側の開放部より左方に延在する(引き回される)こととなる。
また、ケーシング210の左側に形成され、複数のコネクタ端子PCN1;CN1;CN11及びヒューズFU1が後方に突出するハーネス接続凹部240の後方開放部は、後述の払出制御ユニット300が閉鎖状態とされた場合において、前述のユニット係合部224Bと同様にその全域が覆われるように閉塞され、コネクタ端子PCN1;CN1;CN11と、これに対応する電源ケーブルK1及びハーネスHA1;HA10の接続部を後方から視認することは不可能とされ、換言すれば電源ケーブルK1及びハーネスHA1;HA10の接続部が秘匿された状態となる。
つまり、払出制御ユニット300が閉鎖状態とされた場合においては、複数のコネクタ端子PCN1:CN1;CN11及びヒューズFU1はもとより、各コネクタ端子PCN1;CN1;CN11から左方に延在する電源ケーブルK1及ハーネスHA1;HA10を後方から視認或いは接触することはできず、セキュリティ性を向上させることが可能となる。一方で、払出制御ユニット300が開放状態とされた場合には、電源ケーブルK1、ハーネスHA1;HA10の接続部が直ちに後方に露出した状態となり、例えば球誘導ユニット100へのメンテナンス作業に際して電源ユニット200の開放動作が必要となる場合、露出した複数のコネクタ端子PCN1:CN1;CN11に接続された僅か3本の電源ケーブルK1、ハーネスHA1;HA10を引き抜くだけで電源ユニット200を容易に開放動作させることが可能となる。
また、払出制御ユニット300が閉鎖状態とされた場合においては、電源ケーブルK1及びハーネスHA1;HA10が秘匿され、外部から視認不能となるため、パチンコ機1を後方視した場合に全体としてスッキリとした収まりの良い外観を呈することが可能となる。
また、本実施形態においては、ハーネス接続凹部240を電源ユニット200の開閉動作の中心となる開閉ボス212B;212C側とは反体側の側部(左側部)に形成しているため、ハーネス接続凹部240から延出する電源ケーブルK1及びハーネスHA1;HA10の延出距離を短くすることが可能となる。
次に、閉鎖状態において電源ユニット200に隣接するように配設される払出制御ユニット300について詳説する。図2、図6等に示すように、払出制御ユニット300は、左右方向に長尺な薄板状のケーシング310と、当該ケーシング310内に格納された払出発射制御基板300A(図10参照)、及び図外のCRユニット中継基板350A(図10参照)とから構成され、中継基板ユニット400のケーシング410の一部を構成する左側壁418に形成された開閉手段としての前述の開閉ヒンジ420;421を回転中心として、図2の矢印で示す前後方向に閉鎖動作又は開放動作可能とされる。
払出制御ユニット300のケーシング310は、払出発射制御基板300Aが図外の固定手段や係合手段を介してマウントされる基板ケース311と、当該基板ケース311に対して一体的に組み付けられる基板カバー316とにより構成される。基板ケース311と基板カバー316とは、図外の係合手段を介して前後方向に組み付けられた状態で、右側部に設けられた封印ボス318によって互いに強固に接合されており、封印ボス318の切断以外の手段によっては、ケーシング310を容易に開封することはできない。また、前述のとおり、ケーシング310の前後方向の寸法L2は、前述の段差寸法L1と略一致する寸法とされている。
図2に示すように、基板ケース311の閉塞壁312は、払出制御ユニット300の閉鎖状態において、前述した電源ユニット200のケーシング210の一部を構成する天壁224のユニット係合部224B、電源ユニットロック体140及び中継基板ユニット400の面積と略対応する面積を有しており、その略全域を後方から覆うように閉塞する壁部である。
閉塞壁312の右側方には、払出制御ユニット300の閉鎖状態においてユニット係合部224B上に突設された十字ボス225の位置と対応して係合するボス受け313が後方に向けて凹となるように開設されている。十字ボス225とボス受け313とが係合することにより払出制御ユニット300の閉鎖状態が維持される。
よって、払出制御ユニット300が閉鎖状態とされた場合には、中継基板ユニット400内において後方に露出する各コネクタ端子CN2乃至CN10及びコネクタ端子CN12乃至CN14及びこれに対応するように接続される複数のハーネスとの接続部が秘匿された状態とされる。一方で、払出制御ユニット300が開放状態とされた場合には、接続部が直ちに後方に露出した状態となる。
また、図6に示すように、基板カバー316の後壁317には、前記ボス受け313の位置と前後に対応するロック部317Aが設けられている。当該ロック部317Aは、前述の第2ロックレバー230の先端部と係合可能である。また、基板カバー316の後壁317の左側には、後壁317より前方に凹となるコネクタ突出領域が形成されており、当該領域には、基板カバー316に開設された複数のコネクタ開口部を介してコネクタ端子CN16乃至CN19が後方に臨む。同図に示すように、コネクタ端子CN17;CN18は、基板カバー316の左側上部において左右方向に隣接して突出する端子である。コネクタ端子CN16は、コネクタ端子CN17の左側において、その長手方向がコネクタ端子CN17に対して直交するように配置されて後方に突出する端子である。また、コネクタ端子CN19は、コネクタ端子CN16の左側下部においてその長手方向がコネクタ端子CN17と平行となるように配置されて後方に突出する端子である。基板カバー316に開設された複数のコネクタ開口部は、これらコネクタ端子CN16乃至CN19の配置及び形状と対応するように開設されている。また、コネクタ開口部を介して後方に突設されたコネクタ端子CN16乃至CN18には、中継基板ユニット400のケーシング410に設けられた後方ハーネス導出部425を経由して後方に引き出されるハーネスHA2;HA12A;HA13が接続され、コネクタ端子CN19には、ハーネスHA14が接続される。なお、図6の例においては、図示の簡略化のため後方ハーネス導出部425を介して上記いずれかのハーネスが後方に引き出された様子を示す。
基板カバー316の左側壁325には、当該左側壁325から左方に突出する複数の開閉支持部319;320が設けられる。開閉支持部319;320はそれぞれ、ボス挿入部319A;320Aと、開閉ボス319B;320Bとから構成される。ボス挿入部319A;320Aは、上方及び前方が開口するコ字状に形成され、後述のコネクタ保護カバー480に形成された開閉ボス485A;485Bとの外径と嵌り合う内径を有する。開閉ボス319B;320Bは、ボス挿入部319A;320Aの底面から下方に向けて突出する略円筒状であって、その外径は開閉ヒンジ420;421の内径と嵌り合う寸法に設定される。
払出制御ユニット300は、上記開閉ボス319B;320Bを介して部品搭載部30に対して開閉可能に配設される。具体的には、図6の仮想線で示すように、開閉ヒンジ420;421の上下間隔と対応する開閉ボス319B;320Bを開閉ヒンジ420;421の上方から嵌め合わせ、払出制御ユニット300全体を下方に押し下げることにより開閉ヒンジ420;421によって払出制御ユニット300を開閉自在に保持させる。
上記構成からなる払出制御ユニット300の左側の角には、ハーネス引き出し領域R4が形成される。当該ハーネス引き出し領域R4は、前述の後方ハーネス導出部425の開口範囲と略対応するように、L字状に切りかかれた領域である。図7(b)にも示すとおり、払出制御ユニット300が閉鎖状態とされ、前方に位置する中継基板ユニット400が払出制御ユニット300により閉塞された場合、ハーネス引き出し領域R4を通じて前方に位置する後方ハーネス導出部425が後方に臨み、後方ハーネス導出部425を経由して後方(払出制御ユニット300側)に引き出されるハーネスHA2;HA12A;HA13は、払出制御ユニット300の開閉動作と干渉することなく各コネクタ端子CN16乃至CN18と接続される。
即ち、中継基板ユニット400に形成されたハーネス後方導出部425、及び払出制御ユニット300に形成されたハーネス引き出し領域R4は、ともに払出制御ユニット300の開閉動作の開閉中心となる一側部に形成されており、さらに払出制御ユニット300における各コネクタ端子CN16乃至CN18の突出位置も、払出制御ユニット300の開閉動作の中心となる一側部に形成されていることから、ハーネスHA2;HA12A;HA13の長さを短縮化することができる。
また、図6,図11に示すように、払出制御ユニット300を後方視した場合に後方に臨むこととなるハーネス後方導出部425、ハーネス引き出し領域R4及びコネクタ端子CN16乃至CN18は、前述の開閉自在にコネクタ端子保護カバー480によって後方から閉塞される。同図に示すように、コネクタ端子保護カバー480は、払出制御ユニット300の左側部の角に形成されたハーネス引き出し領域R4を含んで、払出制御ユニット300において後方に突出するコネクタ端子CN16乃至CN18及びコネクタ端子CN19に亘って延長する略L字状の部品であって、コネクタ端子保護カバー480を閉鎖状態とすることにより、コネクタ端子CN19を除く他のコネクタ端子CN16乃至CN18が後方から閉塞される。なお、コネクタ端子保護カバー480は、例えば透明の樹脂から形成されており、コネクタ端子保護カバー480が閉鎖された状態であっても、コネクタ端子CN16乃至CN18を視認することは可能である。
図11に示すように、コネクタ保護カバー480は、前述のコネクタ突出領域の範囲と対応する略L字状に形成された後壁部481を有し、当該後壁部481の周縁部から前方に向かってそれぞれ下壁部482、右側壁部483、底壁部484、左側壁部485及び上壁部486が立ち上がる。下壁部482は、後壁317の左側の角部付近の形状に沿うように後壁部481の右側部より左右方向に延在し、傾斜部を介して上下方向に垂下するとともに再び左右方向に屈曲するように延在して右側壁部483に至る。右側壁部483は、コネクタ端子CN19の長手方向の寸法よりも長い寸法で上下方向に垂下し、底壁部484に至る。底壁部484は、コネクタ端子CN19の短手方向の寸法よりも長い左右方向に延在し、左側壁部485に至る。左側壁485は、基板カバー316の上下寸法L3と略対応する寸法で右側壁部483と平行に上下方向に延在して上壁部486に至る。上壁部486は、コネクタ突出領域の左右方向の左右寸法L4と略対応する寸法で左右方向に延在し、下壁部482に至る。つまり、コネクタ保護カバー480は、コネクタ端子CN16乃至CN19が後方に向けて突出するコネクタ突出領域の形状と対応し、コネクタ突出領域を後方から覆うように取り付けられる。
また、コネクタ保護カバー480には、コネクタ端子CN19と対応する位置において開設されるコネクタ開口部490が開設される。図11に示すように、コネクタ開口部490は、後壁部481の左側部におけるコネクタ端子CN19と対応する位置において前方に延長する内側側壁491;492と、内側側壁491;492の上端部同士を接続する内側上壁494と、内側側壁491;492の下端部と連接し、左右方向に延長する内側底壁495によって囲まれた開口部であって、当該コネクタ開口部490を介してコネクタ端子CN19が後方に臨む。内側底壁495の中央部には、ハーネスHA14を導出するための引き出し部495Aが形成されており、後述するハーネスHA14は、引き出し部495Aに係止された状態でコネクタ端子CN19と接続される。
上記構成からなるコネクタ保護カバー480は、左側壁部485において前方に突設された開閉ボス485A;485Bを介して払出制御ユニット300に対して開閉自在に配設される。開閉ボス485A;485Bは、下方に向けて突出する略円筒状であって、その外径は前述したボス挿入部319A;320Aの内径と嵌り合う寸法に設定される。そして、コネクタ保護カバー480を払出制御ユニット300に対して取り付けるには、図6の仮想線で示すように、ボス挿入部319A;320Aの上下間隔と対応する開閉ボス485A;485Bの上方から嵌め合わせ、コネクタ保護カバー480全体を下方に押し下げることによりボス挿入部319A;320Aによってコネクタ保護カバー480を開閉自在に保持させる。
以下、図7,図8,図10を参照して電源ユニット200内に格納された電源基板200Aと、中継基板ユニット400の第1中継基板450及び第2中継基板470を中心とするハーネスの接続関係について説明する。なお、各図においてハーネスは、図示の便宜上、直線的な線分により表されており、その両端部に設けられたコネクタについても省略しているが、ハーネスの形状は如何なる形状であってもよい。
また、不図示のコネクタの形状は、各コネクタ端子の形状,ピン数に対応した形状及びピン数を有していることは言うまでもない。また、各コネクタ端子に接続されるハーネスには、コネクタのピン数に対応した電源(例えば、DC32V,DC12V,AC24V)供給線、GNP(グランド)線、駆動信号線、検出信号入力線、或いはコマンド送信,受信用線等の各種の信号線が含まれることは言うまでもない。
図7に示すように、電源基板200Aから後方に突出するコネクタ端子PCN1には、電源ケーブルK1が接続される。当該電源ケーブルK1は、前述のとおり電源ユニットロック体140の盤面部141上を経由して第1中継基板450側に引き回され、中継基板ユニット400のケーシング410の底壁414に開設された電源ケーブル係止部414Aによって係止され、ケーシング410の下方に引き出される。中継基板ユニット400の下方に引き出された電源ケーブルK1は、部品搭載部30の左側下縁部、左側側縁部、及び枠部4を構成する左枠4Bの後面において後方に起立するように形成されたケーブル導出路39に沿って延在し、パチンコ機1の左側部を迂回するように前述の外部情報送信ユニット800近傍まで引き出された状態で遊技機設置店に設けられた図外の電源(例えばAC24V)に接続される。つまり、電源ケーブルK1は、パチンコ機1の起動原となる電力をパチンコ機1の外部から引き込むケーブルである。なお、パチンコ機1を起動するには、電源ユニット200の右側部において後方に突設されたメインスイッチMSW1の押下を行う必要がある。なお、図6に示すようにケーブル導出路39の経路上には、電源ケーブルK1を係止可能な複数のクランプ39Aが設けられている。
上記電源ケーブルK1によってパチンコ機1に投入された電力は、電源基板200A上に配設された多様な電気素子を含む回路によって交直変換又は変換されることなく、或いは平滑又は平滑されることなくハーネスHA1及びハーネスHA10によってそれぞれ中継基板ユニット400の第1中継基板450及び第2中継基板470側に分配される。また、電源基板200A上に配設されたヒューズFU1は、例えば副制御ユニット600側の電源ショート等の異常によって作動し、電源基板200Aと演出制御基板600A間の電力供給を遮断して基板の損傷を保護する。
図7(a)に示すようにハーネスHA1の一端部は、電源基板200Aに配設されたコネクタ端子CN1に接続され、他端部は第1中継基板450上に配設されたコネクタ端子CN2に接続される。同図に示すようにハーネスHA1は、電源ケーブルK1と同様に電源ユニットロック体140の盤面部141上を経由して第1中継基板450に至り、コネクタ端子CN2に接続される。これにより電源基板200A及び第1中継基板450が電気的に接続される。
以下、ハーネスHA1を介して電源基板200Aと接続される第1中継基板450の構成について説明する。図7(a)に示すように、第1中継基板450上には、複数のコネクタ端子CN2乃至CN10、ヒューズFU2及びバックアップ電池BP1が配設されている。
コネクタ端子CN3には、ハーネスHA2の一端部が接続され、当該ハーネスHA2の他端部は、払出発射制御基板300A上に配設されたコネクタ端子CN16と接続される。
より詳細には、ハーネスHA2は、中継基板ユニット400に形成された前述のハーネス後方導出部425側に引き出された後、当該ハーネス後方導出部425の後方開口から払出制御ユニット300側(後方)に引き回され、払出発射制御基板300Aの左側部に配設されたコネクタ端子CN16に接続される。これらコネクタ端子CN3;CN16間のハーネスHA2による接続により、払出発射制御基板300Aへ電源が供給され、当該払出発射制御基板300Aに関連する制御に必要な電力が確保される。また、ケーシング310内に格納された払出発射制御基板300A及びCRユニット中継基板350A同士は、互いに内部コネクタによってボード接続がなされており、払出発射制御基板300Aへの電源の供給によってCRユニット中継基板350Aへの電力も確立される。
図7(a)に戻り、コネクタ端子CN4には、ハーネスHA3の一端部が接続され、当該ハーネスHA3の他端部は、左枠4Bの後面に沿って配設された払出ユニット750に配設されたコネクタ端子CN20と接続される。より詳細には、ハーネスHA3は中継基板ユニット400のハーネス上方導出部415Aを経由して上方に引き出され、払出ユニット750の側部に設けられたコネクタ端子CN20と接続される(図8参照)。
コネクタ端子CN4;CN20間のハーネスHA3による接続により、払出ユニット750の一部を構成する払出モータに対する駆動信号の出力が確立され、同じく払出ユニット750の一部を構成する計数センサの検出信号の払出発射制御基板300A側への入力が確立される。なお、計数センサからの検出信号は、ハーネスHA3を通じて第1中継基板450側に入力し、ハーネスHA2を通じて払出発射制御基板300A側に入力する。
図7(a)に戻り、コネクタ端子CN5には、ハーネスHA4の一端部が接続され、当該ハーネスHA4の他端部は、部品搭載部30の前方に配設される図外の球発射ユニット900を構成する球発射モータのコネクタ端子と接続される。より詳細には、ハーネスHA4は、中継基板ユニット400の下部に開設されたハーネス前方導出部411Aを経由して部品搭載部30の前面側に引き出され、当該部品搭載部30の前面側に搭載される球発射モータのコネクタ端子と接続される。コネクタ端子CN5及び球発射モータのコネクタ端子間のハーネスHA4による接続により、球発射モータに対する駆動信号の出力が確立される。なお、球発射モータに対する駆動信号は、払出発射制御基板300Aより、ハーネスHA2を通じて第1中継基板450側に出力され、ハーネスHA4を通じて球発射モータ側に出力される。
コネクタ端子CN6には、ハーネスHA5の一端部が接続され、当該ハーネスHA5の他端部は、外部情報送信ユニット800に格納された外部情報端子基板800Aに配設されたコネクタ端子CN21と接続される。より詳細には、ハーネスHA5は、中継基板ユニット400のハーネス前方導出部411Aを経由して取り付け面35よりも後方かつ通路形成体120の前方の隙間を介して上方に引き回されて外部情報端子基板800Aのコネクタ端子CN21と接続される。コネクタ端子CN6;CN21間のハーネスHA5による接続により、外部情報端子基板800Aに対する、主制御基板500A及び払出制御ユニット300内に格納された払出発射制御基板300Aによって出力される入賞信号、大当り信号或いは賞球信号等の遊技の進行に関わる所定の情報に係る信号の出力が確立される。なお、当該遊技の進行に関わる所定の情報に係る信号は、払出制御ユニット300内に格納された払出発射制御基板300Aより、ハーネスHA2を通じて第1中継基板450側に出力され、ハーネスHA5を通じて外部情報端子基板800Aに出力される。また、外部情報端子基板800Aは、これらの情報を遊技情報として遊技設置店に設けられた管理コンピュータ側に送信する。また、図示の例では図示の便宜上、ハーネス前方導出部411Aから部品搭載部30の前面側に引き出される複数のハーネスHA4乃至HA9を集約された単一の線分として表している。
コネクタ端子CN7には、ハーネスHA6の一端部が接続され、当該ハーネスHA6の他端部は、ガラス窓開放検知センサのコネクタ端子と接続される。コネクタ端子CN7及びガラス窓開放検知センサのコネクタ端子間のハーネスHA6による接続により、ガラス窓開放検知センサの検出信号の払出発射制御基板300A側への入力が確立される。なお、ガラス窓開放検知センサからの検出信号は、ハーネスHA6を通じて第1中継基板450側に入力し、ハーネスHA2を通じて払出発射制御基板300A側に入力する。ガラス窓開放検知センサによりガラス窓16の不正開放が検出される。
また、コネクタ端子CN8には、ハーネスHA7の一端部が接続され、当該ハーネスHA7の他端部は、本体枠開放検知センサのコネクタ端子と接続される。コネクタ端子CN8及び本体枠開放検知センサのコネクタ端子間のハーネスHA7による接続により、本体枠開放検知センサの検出信号の払出発射制御基板300A側への入力が確立される。なお、本体枠開放検知センサからの検出信号は、ハーネスHA7を通じて第1中継基板450側に入力し、ハーネスHA2を通じて払出発射制御基板300A側に入力する。本体枠開放検知センサにより本体枠3の不正開放が検出される。
また、コネクタ端子CN9には、ハーネスHA8の一端部が接続され、当該ハーネスHA8の他端部は、磁気センサのコネクタ端子と接続される。コネクタ端子CN9及び磁気センサのコネクタ端子間のハーネスHA8による接続により、磁気センサの検出信号の払出発射制御基板300A側への入力が確立される。なお、磁気検知センサからの検出信号は、ハーネスHA8を通じて第1中継基板450側に入力し、ハーネスHA2を通じて払出発射制御基板300A側に入力する。また、磁気検知センサは、例えば遊技盤10の背面に搭載されており、遊技盤10の前面に磁石を近づけることによって実行される不正行為を検出するセンサである。
また、コネクタ端子CN10には、ハーネスHA9の一端部が接続され、当該ハーネスHA9の他端部は、満タン検知センサのコネクタ端子と接続される。コネクタ端子CN10及び満タン検知センサのコネクタ端子間のハーネスHA9による接続により、満タン検知センサの検出信号の払出発射制御基板300A側への入力が確立される。当該満タン検知センサは、皿上に所定量以上の遊技球が貯留されたことを検知する。上記各ハーネスHA6乃至HA9は、前述のハーネスHA4;HA5及び後述のハーネスHA12;HA12A;SHA1とともに纏められた状態でハーネス前方導出部411Aを経由して取り付け面35よりも後方かつ通路形成体120の前方の隙間を介して引き回されて各センサと接続される。なお、コネクタ端子CN3乃至CN10及びその接続先は、各種の信号線と共に、適宜、電源供給線又はGND線が接続されており、以下に説明する各コネクタ端子及びその接続先についても同様である。
以上のとおり、第1中継基板450は、電源基板200A側から供給された電源を分配,供給する機能を有するとともに、払出発射制御基板300A側から出力されるモータの駆動信号を中継して払出モータや球発射モータ側に出力する機能、及び複数の検知センサからの検知信号を中継して払出発射制御基板300A側に入力する機能を有する。
第1中継基板450のヒューズFU2は、例えば機外のCRユニットにおける電源ショート等の異常によって入力され得る定格以上の電力(電流)の入力によって作動し、ハーネスHA14を介して供給される電源基板200AとCRユニット間の電力供給を遮断して基板の損傷を保護する。また、バックアップ電池BP1は、例えば遊技設置店の停電による断電時に電力を供給し、各種の遊技データが消失することを防止する電源として機能する。
次にハーネスHA10を介して電源基板200Aより電力が供給される第2中継基板470の構成について説明する。
図7(a)に示すように、ハーネスHA10の一端部は、電源基板200Aに配設されたコネクタ端子CN11に接続され、他端部は、第2中継基板470上に配設されたコネクタ端子CN12に接続される。同図に示すようにハーネスHA10は、電源ケーブルK1及びハーネスHA1と同様に電源ユニットロック体140の盤面部141上を経由して第2中継基板470に至り、コネクタ端子CN12に接続される。第2中継基板470上には、複数のコネクタ端子CN12乃至CN15が配設されている。
コネクタ端子CN13には、ハーネスHA11の一端部が接続され、当該ハーネスHA11の他端部は、図8に示す演出制御基板600A上に配設されたコネクタ端子CN22と接続される。より詳細には、ハーネスHA11は、前述のハーネスHA3とともに、ハーネス上方導出部415Aを経由して上方に引き出されたのち、部枠4内に配設される副制御ユニット600内に格納された演出制御基板600Aに配設されたコネクタ端子CN22と接続される。コネクタ端子CN13;22間のハーネスHA11による接続により、演出制御基板600Aへ電源が供給され、当該演出制御基板600Aに関連する制御に必要な電力が確保される。
ここで、図8に示すように副制御ユニット600は、枠部4内に着脱自在に搭載される前述の遊技盤10の後面側に対して配設された演出表示装置650の背面に着脱自在に配設されている。副制御ユニット600は、払出制御ユニット300のケーシング310と略同等の機能を有する開封困難なケーシングと、当該ケーシング内に格納された演出制御基板600Aとから構成され、後述の主制御ユニット500よりも上方かつ外部情報送信ユニット800よりも下方に配設されている。演出制御基板600Aに配設されたコネクタ端子CN22は、ケーシング下部左方より後方に突出しており、上記のとおり、当該コネクタ端子CN22にはハーネス上方導出部425を介して上方に導出されたハーネスHA11が接続されている。演出制御基板600Aは、図柄制御、ランプ制御及び音声制御を行う基板である。また、演出制御基板600Aには、機能ごとに分割された制御基板に対応するように演出表示装置650へのコマンド出力用のコネクタ端子や、パネル扉15の前面上部に配設されたスピーカSP1;SP2への駆動信号出力用のコネクタ端子等の複数のコネクタ端子の他、主制御基板500Aとの接続用のコネクタ端子が配設されている。
コネクタ端子CN14には、ハーネスHA12の一端部が接続され、当該ハーネスHA12の他端部は、パネル扉15の前面側に配設された装飾ランプ基板のコネクタ端子に接続される。より詳細には、ハーネスHA12は、ハーネス前方導出部411Aを経由して取り付け面35よりも後方かつ通路形成体120の前方の隙間を介してパネル扉15の前面側に配設された装飾ランプ基板のコネクタ端子と接続される。コネクタ端子CN14及び装飾ランプ基板のコネクタ端子間のハーネスHA12による接続により、装飾ランプ基板に対する点灯制御信号の出力が確立される。なお、装飾ランプ基板に対する点灯制御信号は、演出制御装置600Aより、ハーネスHA11を通じて第2中継基板470側に出力され、ハーネスHA12を通じて装飾ランプ基板側に出力される。
また、上記ハーネスHA12が引き回されるハーネス前方導出部411Aには、前述のハーネスHA4乃至HA9及び上記ハーネスHA12の他、払出発射制御基板300Aと、枠部4内に配設された扉中継基板250A(図10参照)とを接続するハーネスHA12Aが引き回されている。より詳細には、ハーネスHA12Aの一端部は、前述のハーネスHA2;HA3とともにハーネス後方導出部425より後方に引き出され、中継基板ユニット400の後方に位置する払出制御ユニット300を構成する払出発射制御基板300Aのコネクタ端子CN18に接続される。また、ハーネスHA12Aの他端部は、ハーネス前方導出部411Aを経由して取り付け面35よりも後方かつ通路形成体120の前方の隙間を介して上方に引き回され、枠部4内に配設された扉中継基板250A(図10参照)に配設された図外のコネクタ端子と接続される。つまり、ハーネスHA12Aは、中継基板ユニット400のケーシング410内を通過して払出発射制御基板300Aと扉中継基板250Aとを接続する。
扉中継基板250Aには、主としてハンドルユニット260を構成する発射ボリューム、停止スイッチ及びタッチセンサと、球送りモータとが接続されている。
コネクタ端子CN18及び扉中継基板250Aのコネクタ端子間のハーネスHA12Aによる接続により、扉中継基板250Aと接続された球送りモータへの駆動信号の出力が確立され、発射ボリューム、停止スイッチ及びタッチセンサの検出信号の払出発射制御基板300A側への入力が確立される。
なお、球送りモータに対する駆動信号は、払出発射制御基板300Aより、ハーネスHA12Aを通じ、扉中継基板250Aを介して球送りモータ側に出力される。また、発射ボリューム、停止スイッチ、タッチセンサからの検出信号は、扉中継基板250Aを介して、ハーネスHA12を通じ、払出発射制御基板300A側に入力する。そして、払出発射制御基板300Aは、ハーネスHA12Aを介して入力される発射ボリューム、停止スイッチ、タッチセンサの検出信号に基づいて前述の球発射ユニット900及び球送りモータを制御する。
コネクタ端子CN15には、スピーカハーネスSHA1の一端部が接続され、当該スピーカハーネスの他端部は、スピーカユニットと接続される。より詳細には、スピーカハーネスSHA1は、前述の取り付け面35よりも後方かつ通路形成体120の前方の隙間を介して、閉鎖状態にある電源ユニット200の前方を通ってハーネス引き出し孔38に至り、スピーカ搭載部30Bに搭載されスピーカユニットと接続される。
コネクタ端子CN15及びスピーカユニット間のハーネスSHA1による接続により、スピーカユニットに対するスピーカ駆動信号の出力が確立される。なお、スピーカユニットに対するスピーカ駆動信号は、演出制御基板600Aより、ハーネスHA11を通じて第2中継基板470側に出力され、ハーネスSHA1を通じてスピーカユニットに出力される。
また、図2に示すように、スピーカ搭載部30Bの後面37には、スピーカハーネスSHA1を係止するためのクランプ37A;37Bが設けられており、当該クランプ37Bを介してスピーカハーネスSHA1を予め弛ませた状態でスピーカユニットに接続することによりスピーカユニットに対するメンテナンスを容易化することが可能となる。即ち、スピーカハーネスSHA1を予め弛ませた状態としておけば、スピーカユニットをスピーカ搭載部30Bの前方から前側に容易に引き抜くことができるため、スピーカユニット自体のメンテナンスを容易に行うことができる。
図7(b)に示すように、払出制御基板300Aのコネクタ端子CN17には、ハーネスHA13の一端部が接続され、当該ハーネスHA13の他端部は、図8に示す主制御ユニット500に格納された主制御基板500A上に配設されたコネクタ端子CN23と接続される。より詳細には、ハーネスHA13は、ハーネス後方導出部425及びハーネス上方導出部415Aを経由して中継基板ユニット400の上方に引き出され、中継基板ユニット400よりも上方に配設された主制御ユニット500を構成する主制御基板500Aに配設されたコネクタ端子CN23に接続される。つまり、ハーネスHA13は、中継基板ユニット400のケーシング410内を通過して払出発射制御基板300Aと主制御基板500Aとを接続する。コネクタ端子CN17;CN23間のハーネスHA13による接続により、主制御基板500Aへ電源が供給され、当該主制御基板500Aに関連する制御に必要な電力が確保される。また、主制御基板500Aから払出発射制御基板300Aに対しては、ハーネスHA13を通じて、例えば発射許可信号、賞球制御信号等が出力される。
ここで、主制御ユニット500は、枠部4内に着脱自在に搭載される図外の遊技盤10の背面に対して装着されている。主制御ユニット500は、前記同様の開封困難なケーシングと、当該ケーシング内に格納された主制御基板500Aとから構成され、上記中継基板ユニット400よりも上方かつ副制御ユニット600よりも下方に配設されている。主制御基板500Aに配設されたコネクタ端子CN23は、例えばケーシング上部左方より後方に突出しており、当該コネクタ端子CN23には、ハーネス上方導出部425を介して上方に導出されたハーネスHA13が接続されている。
なお、主制御基板500Aには、ハーネスHA13の他、前述した各種の検出センサSW1乃至SW4接続用のコネクタ端子や、前述の当否抽選処理の結果(当否抽選結果)を報知するための表示装置接続用のコネクタ端子、或いは前述の大入賞部品23を開閉動作させるための駆動源となるソレノイド接続用のコネクタ端子等の複数のコネクタ端子の他、演出制御基板300Aとの接続用のコネクタ端子が配設されており、これらコネクタ端子間へのハーネスの接続によって主制御基板500Aとこれらの機器の接続が確保される。
図7(b)に示すように、CRユニット中継基板350Aのコネクタ端子CN19には、ハーネスHA14の一端部が接続され、当該ハーネスHA14の他端部は、遊技機設置店に設置されたCRユニット(球貸し出し装置)内に配設された図外のCRユニット基板に配設されたコネクタ端子に接続される。コネクタ端子CN19及びCRユニット基板のコネクタ端子間のハーネスHA14による接続により、CRユニットへ電源が供給され、CRユニットの駆動に必要な電力が確保される。なお、ハーネスHA14の引き回しは、例えば前述の電源ケーブルK1の経路に準じて行われる。
以上のとおり、第2中継基板470は、電源基板200A側から供給された電源を分配,供給する機能を有するとともに、演出制御基板600A側から出力される点灯制御信号或いはスピーカ駆動信号を中継して、それぞれの信号を、装飾ランプ基板及びスピーカユニット側に出力する機能を有する。
以上のとおり、本実施形態における中継基板ユニット400を構成する第1中継基板450及び第2中継基板470には、2系統のハーネスHA1;HA10を通じて電源基板200A側からの電力がそれぞれ供給されている。また、第1中継基板450及び第2中継基板470に供給された電力は、閉鎖状態において払出制御ユニット300によって後方から秘匿されるケーシング410に形成された複数のハーネス導出部411A;414A;425を介してそれぞれ中継基板ユニット400の前方、後方及び上方に引き回される複数ハーネスによって各基板側に出力される構成である。
以下、中継基板ユニット400を介して複数のハーネスを引き回す構成とした場合のメンテナンス作業における優位性について説明する。
(払出制御ユニット300の取り外しについて)
図11に示すように、開閉自在に配設された電源ユニット200及び払出制御ユニット300が完全に閉鎖状態にある場合において、払出制御ユニット300の払出制御基板300Aに何らかの支障が生じ、払出制御ユニット300の取り外し作業が必要となった場合、図9(a)に示すように、作業者はまずS1において、前述のコネクタ保護カバー480を開放動作させた後、払出制御ユニット300に接続された4本のハーネス(HA2;HA12A;HA13;HA14)を引き抜く。そして、S2において、電源ユニット200側に設けられた第2ロックレバー230を右方に操作することにより、第2ロックレバー230とロック部317Aとの係合を解除し、払出制御ユニット300を後方に向けて開放動作させる。このとき、S1において引き抜かれ、後方ハーネス導出部425を介して後方に導出されたハーネスHA2;HA12A;HA13は、払出制御ユニット300に形成されたハーネス引き出し領域R4によって払出制御ユニット300の開放動作に干渉することはなく、作業者は払出制御ユニット300を速やかに開放することができる。次に、作業者は、S3において払出制御ユニット300をやや上方に引き上げることにより、中継基板ユニット400に設けられた開閉ヒンジ420;421と、開閉ボス319B;320Bとの係合を解除することにより払出制御ユニット300を容易に取り外すことができる。また、取り外し後に現状復帰する場合には、上記手順と逆の手順を踏むことが必要となるが、ハーネスの接続に関しては、事前に引き抜かれ、後方ハーネス導出部425から後方に導出された状態の僅か4本のハーネスを元のコネクタ端子CN17乃至CN19に接続するだけでよいため、容易に現状復帰することができる。
(電源ユニットの取り外しについて)
図11に示す状態から例えば電源ユニット200の電源基板200Aに何らかの支障が生じ、電源ユニット200の取り外し作業が必要となった場合、図9(b)に示すように、作業者は、まずS10において、電源ユニット200側に設けられた第2ロックレバー230を右方に操作することにより、第2ロックレバー230とロック部317Aとの係合を解除し、払出制御ユニット300を後方に向けて開放動作させる。このとき、後方ハーネス導出部425を介して後方に導出されたハーネスHA2;HA12A;HA13は、ハーネス引き出し領域R4によって干渉することがないため、ハーネスHA2;HA12A;HA13を払出制御ユニット300から引き抜く作業は不要である。次に作業者は、S11において、払出制御ユニット300の開放動作によって後方に露出する中継器基板ユニット400及び電源ユニット200間に延在するハーネスを引き抜く。具体的には、電源ケーブルK1、ハーネスHA1;HA10の計3本をそれぞれ払出制御ユニット300側のコネクタ端子PCN1;CN1;CN11から引き抜く。
次に、作業者は、S12において電源ユニット200に設けられた第1ロックレバー220を右方に操作し、電源ユニットロック体140に設けられたロック部145との係合を解除するとともに、電源ユニット200を後方に向けて開放動作させる。次に作業者は、S13において電源ユニット200を上方にやや上方に引き上げることにより、部品搭載部30に設けられた開閉ヒンジ40A;40Bと、開閉ボス212B;212Cとの係合を解除することにより、電源ユニット200を容易に取り外すことができる。また、取り外し後に現状復帰する場合には、上記手順と逆の手順を踏む必要があるが、ハーネスの接続に関しては、中継基板ユニット400側から延出する僅か3本の電源ケーブルK1,ハーネスHA1;HA10を元のコネクタ端子PCN1;CN1;CN11に接続するだけでよいため、容易に現状復帰することができる。
(球誘導ユニットの取り外しについて)
次に、図11に示す状態から例えば球誘導ユニット100を構成するいずれかの通路形成体110;120、及び球受け拡張体130に遊技球の落下の衝撃等による損傷が生じ、各通路形成体110;120、及び球受け拡張体130を個別、或いは複数交換するに際して取り外し作業が必要となった場合について説明する。なお、以下の説明においては、前述のS12までの手順は同様であるのでその説明を省略する。S12までの手順が終了すると、図2に示すように部品搭載部30の後方は、電源ユニット200及び払出制御ユニット300の開放動作によって露わとなり、電源ユニット200及び払出制御ユニット300によって視認不能に秘匿されていた通路形成体110及び中継基板ユニット400が後方に露出した状態となる。
上記の状態において通路形成体110を取り外すには、取り付け面35に複数形成されたボスとの係合を解除すべく、通路形成体110の後部から前方に向けて螺入された図外の止めねじ等の固定手段を後方から取り外せばよい。また、上記の状態において球受け拡張体130を取り外すには、通路形成体120と取り付け面35との間に介挿された球受け拡張体130を図外の工具によって上方に持ち上げることにより容易に取り外すことができる。なお、球受け拡張体130が止めねじ等によって螺合されている場合にはこれを取り外せばよい。
また、上記の状態において通路形成体120を取り外すには、まず中継基板ユニット400を通路形成体120の中継基板ユニット装着領域R3から取り外す必要がある。それには、図3に示すように、中継基板ユニット400の後面に開設された図外のボス受けと係合する複数のボス128A:128Bとの係合を解除すべく中継基板ユニット400を後方に向けて引き抜く。これにより、中継基板ユニット400によって秘匿されていた通路形成体120の後部が後方に露出するため、あとは通路形成体120後部から前方に向けて螺入された図外の止めねじ等の固定手段を後方から取り外せばよい。
以上のとおり、メンテナンス作業が必要な主な対象となる球誘導ユニット100は、電源ユニット200及び払出制御ユニット300が開放状態とされた場合において、後方から容易に目視可能であり、さらに容易に取り外すことが可能とされているため、例えば遊技球の詰まりや、損傷に伴う交換等のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
また、その前提としての電源ユニット200及び払出制御ユニット300の開放動作については、電源ユニット200及び中継基板ユニット400間に延在する僅か3本のハーネス(電源ケーブルK1,ハーネスHA1;HA10)を引き抜くだけで電源ユニット200及び払出制御ユニット300をともに開放状態とすることができるため、球誘導ユニット100の露出作業及び、メンテナンス後の現状復帰作業も容易かつ速やかに行うことができる。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に限定されるものではない。各実施形態に多様な変更、改良を加え得ることは当業者にとって明らかであり、そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
例えば、上記実施形態おいては、電源ユニット200及び払出制御ユニット300をともに上述の開閉ボスを介して開閉自在とし、互いに観音開き可能に搭載したがこれに限られるものではなく、開閉ボスを用いることなく電源ユニット200を本体枠3の部品搭載部30の後面に対して図外の係止爪や止めねじ等の固定手段により固定的に取り付け、さらに払出制御ユニット300を中継基板ユニット400のケーシング410に対して図外の係止爪や止めねじ等の固定手段により固定的に取り付ける構成としてもよい。
一方で、上述の観音開きの構成を採用すれば電源ユニット200又は払出制御ユニット300の開放時に電源ユニット200又は払出制御ユニット300のそれぞれが開閉ヒンジ40A;40B又は開閉ヒンジ420;421によって片開き状態で支持されるため、球誘導ユニット100へのメンテナンス作業中に電源ユニット200又は払出制御ユニット300を作業台等のパチンコ機1外の場所に置く必要がなくなるため、より一層メンテナンス作業の効率化を図ることができる。
1 パチンコ機,3 本体枠,4 枠部,10 遊技盤,30 部品搭載部,
100 球誘導ユニット,110;120 通路形成体,130 球受け拡張体,
140 電源ユニットロック体,141 盤面部,200 電源ユニット,
200A 電源基板,300 払出制御ユニット,300A 払出発射制御基板,
350A CR中継基板,400 中継基板ユニット,411A ハーネス前方導出部,
415A ハーネス上方導出部,425 ハーネス後方導出部,
480 コネクタ保護カバー。