以下、本発明の第一の実施形態である中継基板100を備えたパチンコ機1について、図面を参照して説明する。まず、図1及び図2を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。図1は、パチンコ機1の表枠14及び中枠13が開いた状態を斜め前方から見た斜視図であり、図2は、パチンコ機1の正面図である。尚、以下の説明において、図2の紙面手前側を「パチンコ機1の正面側」、紙面奥行き側を「パチンコ機1の背面側」とする。
はじめに、パチンコ機1の概略構成について説明する。図1に示すように、パチンコ機1は、遊技場の島設備(図示外)に配設され、パチンコ機1の本体を支持する正面視略長方形状の外枠12を備えている。外枠12は、パチンコ機1の本体を支持し、遊技場の島設備(図示外)に取り付けられる枠部材である。この外枠12は、外枠上柱部12a、外枠右柱部12b、外枠左柱部12c、外枠下柱部12dからなり、正面視略長方形状の枠を構成している。そして、このような構成からなる外枠12の外枠左柱部12c近傍に、中枠13の左柱部近傍が軸支されるようになっている。
この中枠13は、正面視略長方形状の金属製のアングル部材からなる。この中枠13の左柱部が、上ヒンジ22及び下ヒンジ21を介して外枠12の外枠左柱部12c近傍に軸支されることにより、中枠13が外枠12に対して略水平方向に回動可能(開閉可能)となっている。そして、中枠13が開閉されることによって、中枠13の中枠右柱部13bが外枠12に対して着脱可能となっている。
一方、中枠13の上半分には遊技盤2が固定されるための正面視略長方形状の遊技盤用開口部(図示外)が形成され、当該遊技盤用開口部に遊技盤2が配設されている。さらに、中枠13の正面側における遊技盤2の下方には、発射機に遊技球を供給し、且つ賞品球を受け入れる上皿5が設けられており、上皿5の直下には、賞品球を受ける下皿6が設けられている。当該下皿6の右側には、発射機による遊技球の発射を調節する発射ハンドル7が設けられている。また、当該遊技盤2の正面側には、正面視略矩形状の表枠14が設けられている。
そして、図1及び図2に示すように、中枠13における上皿5の右側には鍵穴9が設けられており、この鍵穴9の背後にはシリンダ錠(図示外)が設けられている。この鍵穴9に鍵(図示外)を挿入し、挿入された鍵を反時計回りに回転させることにより、外枠12に対して固定されていた中枠13が略水平方向に回動可能となる。一方、挿入された鍵を時計回りに回転させることにより、中枠13に対して表枠14が略水平方向に回動可能となる。
また、図1に示すように、パチンコ機1の中枠13の背面側にはセンターカバー27が設けられており、当該パチンコ機1を構成する各部を制御するための後述する主基板41、サブ統合基板58、演出制御基板43、中継基板100、第一ROM基板120、第二ROM基板130、電源基板42等の多数の制御装置(図4参照)を保護している。本発明では、この中継基板100の構造に特徴を有するが、詳細は後述する。また、センターカバー27の下方には下部カバー28が設けられており、パチンコ機1を動作させるための様々な部品が保護されている。さらに、センターカバー27の上方には、遊技機設置島から供給される遊技球を貯留する遊技球タンク29が設けられている。
次に、表枠14について説明する。図2に示すように、表枠14は正面視略長方形状であり、遊技盤2の遊技領域4を前側から視認し得るように、略中央に開口部が開設されている。この開口部には透明版であるガラス窓23(図1参照)が嵌め込まれており、当該ガラス窓23を介して遊技領域4を視認可能となっている。そして、表枠14の表枠左側端部14a(図1参照)が中枠13の左柱部の近傍に軸支されることにより、表枠14が中枠13に対して略水平方向に回動可能(開閉可能)となっている。そして、表枠14が開閉されることにより、表枠右側端部14b(図1参照)が中枠13に対して着脱可能となっている。また、表枠14の左上部にはスピーカ32が、右上部にはスピーカ33がそれぞれ配設されており、2つのスピーカ32,33は配線によってサブ統合基板58(図4参照)に接続されている。そして、スピーカ32,33からはサブ統合基板58の制御によって様々な音が発生する。また、表枠14の前面には演出用の電飾ランプが多数設けられている。
次に、遊技盤2について説明する。発射ハンドル7の操作により、発射手段である発射機(図示外)から発射された遊技球が遊技盤2及びガラス窓23によって形成された空間を流下する。この遊技盤2は、中枠13の裏面側に固定された遊技盤固定枠の遊技盤用開口部(図示外)の正面側に支持され、ガラス窓23を略中央に保持した表枠14によって保護されている。図1に示すように、遊技盤2の正面には、外レール3に囲まれ、発射手段によって発射された遊技球が流下する正面視略円形状の遊技領域4が設けられている。
そして、図2に示すように、この遊技領域4の略中央には、液晶表示装置36や各種ランプ及びLEDを備えた図柄表示装置8が設けられている。また、この図柄表示装置8の下側には特別図柄始動電動役物15が設けられており、当該特別図柄始動電動役物15の左右には普通図柄始動ゲート19,20がそれぞれ配設されている。そして、普通図柄始動ゲート19の左方には普通入賞口10が、普通図柄始動ゲート20の右方には普通入賞口11が設けられている。さらに、特別図柄始動電動役物15の下方には大入賞口16が設けられており、当該大入賞口16の下方には、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球が回収されるアウト口30が設けられている。
次に、図柄表示装置8について説明する。図2に示すように、図柄表示装置8の下部には4つのLEDから構成される特別図柄記憶数表示LED60が設けられており、その右隣には、2つの7セグメントLEDから構成される特別図柄表示部25が設けられている。特別図柄表示部25には、大当たり判定の判定結果を示す、2文字の数字からなる特別図柄が表示される。また、特別図柄記憶数表示LED60には、特別図柄始動電動役物15に入賞し、特別図柄表示部25に大当たり判定の判定結果がまだ表示されていない遊技球の個数、所謂特別図柄作動保留球数が、点灯しているLEDの数により4つまで表示される。
また、図柄表示装置8の上部には4つのLEDから構成される普通図柄記憶数表示LED59が設けられており、その上方には普通図柄表示部24が設けられている。普通図柄表示部24は1つのLEDからなり、点灯状態が普通当たりの当選を示し、消灯が普通当たりの落選を示しており、点滅状態がこれから普通当たりの判定結果を報知することを示す変動状態とされている。また、普通図柄記憶数表示LED59には、普通図柄始動ゲート19,20を通過し、普通図柄表示部24の普通当たり判定の判定結果がまだ表示されていない遊技球の個数、所謂普通図柄作動保留球数が、点灯しているLEDの数で表示される。
また、図柄表示装置8は、中央に液晶表示装置36を備えている。この液晶表示装置36には動画やメッセージ等様々な映像が表示されるが、特に大当たり判定の結果を報知するために、3つのデモ図柄を表示する。そして、このデモ図柄には、遊技者の目を惹くように特別図柄表示部25に表示される特別図柄よりも大きい図柄が用いられている。
次に、図3を参照して、パチンコ機1の電気的構成について説明する。図3は、パチンコ機1の電気的構成を示すブロック図である。図3に示すように、制御部40は、主に主基板41、電源基板42、演出制御基板43、払出制御基板45、電飾基板46、中間基板47及びサブ統合基板58から構成されている。この制御部40は、パチンコ機1の裏側(背面側)に設けられており、センターカバー27(図1参照)によって保護されている。
はじめに、主基板41について説明する。パチンコ機1の主制御を司る主基板41には、プログラムに従って各種の処理を行う主基板CPUユニット50が設けられている。この主基板CPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、演算処理中に発生するデータの値等を一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム、各種データの初期値、他の基板への指示を行うコマンド等を記憶したROM53とが設けられており、これらは1つのLSIとして一体にモールディングされている。また、CPUユニット50には割込信号発生回路57が接続されており、CPU51は、この割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎に、ROM53に記憶されている制御プログラムを実行する。
また、主基板41にはI/Oインタフェイス54が設けられており、サブ統合基板58、払出制御基板45、中間基板47等のサブ基板、及び特別図柄始動電動役物15に入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ72が接続されている。また、主基板41のI/Oインタフェイス54には、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する出力ポート55が接続されている。
次いで、払出制御基板45及び中間基板47について説明する。払出制御基板45には、CPU45aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMが内蔵されており、賞品球払出装置49に接続されている。そして、主基板41から送信されるコマンドに従って、賞品球払出装置49の制御を行う。また、中間基板47には、大入賞口16の開閉部材を開放・閉鎖する大入賞口開放ソレノイド70、特別図柄始動電動役物15の開閉部材を開放・閉鎖する電動役物開放ソレノイド71、普通図柄始動ゲート19,20を通過した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ73,74、大入賞口16に入賞した遊技球数を計数するためのカウントスイッチ75、普通入賞口10,11に入賞した遊技球を検出するための入賞口スイッチ76,77、4個のLEDから構成された普通図柄記憶数表示LED59及び特別図柄記憶数表示LED60、1つのLEDで構成された普通図柄表示部24、2つの7セグメントLEDから構成された特別図柄表示部25が接続されている。そして、中間基板47は、スイッチやソレノイドの配線の中継と、主基板41から直接制御を受ける表示部等への中継とを行っている。
次いで、サブ統合基板58及び電飾基板46について説明する。サブ統合基板58には、CPU581、RAM582、及びROM583が設けられており、演出制御基板43、電飾基板46、及びスピーカ32,33に接続されている。そして、主基板41から送信されるコマンドに従って、演出制御基板43、電飾基板46、及びスピーカ32,33の総合的な制御を行っている。また、電飾基板46はCPU46aや図示外の入力インタフェイス、RAM及びROMを内蔵し、電飾ランプ63の制御を行っている。
次いで、演出制御基板43、中継基板100、及びROM基板120,130について説明する。演出制御基板43は、図示外のCPU、RAM、及びROM等を有し、サブ統合基板58から受信するコマンドに従って表示制御データを出力する表示制御ユニット48と、当該表示制御ユニット48から入力される信号に従って液晶表示装置36に画像信号を出力する画像表示プロセッサ(Video Display Proceccor、以下「VDP」という。)80とを備えている。また、VDP80には、画像生成データが記憶されているROMを有する第一ROM基板120及び第二ROM基板130が、中継基板100を介して接続されている。そして、VDP80は、表示制御ユニット48から入力される表示制御データに応じて、2つのROM基板120,130のROMに記憶されている画像生成データの中から必要なデータを読み出し、パチンコ機1の遊技状態に応じた画像データ(RGBデータ)を生成する。この画像データを図示外のVRAMに展開して一時的に記憶させ、表示制御データに応じて液晶表示装置36へ出力する。
次に、図4乃至図6を参照して、中継基板100、演出制御基板43、第一ROM基板120、及び第二ROM基板130の接続構造について詳細に説明する。図4は、第一の実施形態における中継基板100、演出制御基板43、第一ROM基板120、及び第二ROM基板130の分解斜視図である。また、図5は、第一ROM基板120のオスコネクタ123を接続方向から見た図であり、図6は、中継基板100、演出制御基板43、第一ROM基板120、及び第二ROM基板130を図4におけるP方向から見た図である。
まず、演出制御基板43の接続部について説明する。図4に示すように、演出制御基板43の一端部82には、接続部として、メスコネクタ83が設けられている。このメスコネクタ83は、接続方向(図4におけるQ方向)から見た外形が横長であり、演出制御基板43の内部から引き出され、接続方向へ向けて突出する板状のメスコネクタ端子84と、このメスコネクタ端子84の周囲を取り囲む枠部85とから構成されている。そして、枠部85を接続方向から見た形状は、内側が台形を成しており、外側が矩形を成している。
次いで、第一ROM基板120及び第二ROM基板130の接続部について説明する。図4に示すように、第一ROM基板120の一端部122には、接続部として、オスコネクタ123が設けられている。図5に示すように、このオスコネクタ123は、接続方向から見た形状が台形を成す略角柱状の部材であり、接続方向へ向けて開口するように溝部124が形成されている。そして、この溝部124の内部にはオスコネクタ端子125が設けられており、基板に搭載されたROM(図示外)に接続されている。尚、第二ROM基板130の一端部132にもオスコネクタ133が設けられているが、第一ROM基板120及び第二ROM基板130は形状が同じであり、内部のROMに記憶されている情報が異なるのみであるため、この説明を省略する。
次いで、本発明の特徴である中継基板100の構造について説明する。図4及び図6に示すように、中継基板100は、その第一板面102の中央にオスコネクタ104が1つ設けられている。また、第一板面102とは反対側の第二板面103上には、2つのメスコネクタ105,106が設けられている。この2つのメスコネクタ105,106は、その長手方向の延長線を互いに平行にして、隣り合うように並べて配設されており、さらに、オスコネクタ104の長手方向の延長線に対しても平行になるように設けられている。
次いで、メスコネクタ83,105,106と、オスコネクタ104,123,133との接続構造について説明する。演出制御基板43のメスコネクタ83と第一ROM基板120のオスコネクタ123とを例に挙げて説明すると、図4及び図5に示すように、メスコネクタ83における枠部86の内側の形状は台形形状であり、オスコネクタ123を接続方向から見た形状も同様に台形形状である。そして、メスコネクタ83の枠部85が、オスコネクタ123と嵌合するように形成されている。また、オスコネクタ123に設けられた溝部124は、オスコネクタ123がメスコネクタ83に嵌め込まれた際に、メスコネクタ83における板状のメスコネクタ端子84が差し込まれる位置に形成されている。このように形成されたメスコネクタ83にオスコネクタ123を嵌め込むと、両者の間に摩擦力が生じ、相対位置が固定される。そして、メスコネクタ端子84とオスコネクタ端子125とが接続されることで、演出制御基板43と第一ROM基板120とが電気的に接続される。
そして、演出制御基板43のメスコネクタ83、及び中継基板100のメスコネクタ105,106は全て同じ形状であり、中継基板100のオスコネクタ104、及びROM基板120,130のオスコネクタ123,133は全て同じ形状である。従って、第一ROM基板120のオスコネクタ123及び第二ROM基板130のオスコネクタ133は、演出制御基板43のメスコネクタ83、及び中継基板100のメスコネクタ105,106いずれにも嵌合させることができる。
次に、図4及び図6を参照して、中継基板100を介して2つのROM基板120,130を演出制御基板43へ接続する手順について説明する。図4及び図6に示すように、演出制御基板43には1つのメスコネクタ83が設けられているのみであるため、2つのROM基板120,130をそのまま演出制御基板43へ接続することはできない。そこで、中継基板100のオスコネクタ104を、演出制御基板43のメスコネクタ83に嵌め込む。これにより、中継基板100が演出制御基板43に対して固定される。この状態で、中継基板100のメスコネクタ105に第一ROM基板120のオスコネクタ123を嵌合させ、さらに、メスコネクタ106に第二ROM基板130のオスコネクタ133を嵌合させる。すると、中継基板100の第二板面103側において、2つのROM基板120,130が、演出制御基板43の厚み方向に積層された状態で固定される。また、演出制御基板43と2つのROM基板120,130とが電気的に接続される。尚、2つのROM基板120,130を先に中継基板100に接続してから、この中継基板100を演出制御基板43に接続してもよい。
以上説明したように、第一の実施形態の中継基板100によると、接続部であるメスコネクタ83が1つしか設けられていない演出制御基板43に対して、2つのROM基板120,130を電気的に接続して相対位置を固定することができる。従って、複数のメスコネクタ83をあらかじめ演出制御基板43に設けておく必要がないため、製造コストを抑えることができ、演出制御基板43の形状の自由度に制限が生じることもない。また、中継基板100の第二板面103側において、2つのROM基板120,130が、演出制御基板43の厚み方向に立体積層状に保持される。よって、複数のROM基板120,130を用いた場合でも、ROM基板120,130と平行な方向の空間を有効に利用することができ、ROM基板120,130と平行な方向に他の基板や部品等が配設されている場合であっても、複数のROM基板120,130を保持することができる。
また、信号の送受信関係にある演出制御基板43とROM基板120,130とを近接した状態で固定することができるので、電気配線が複雑になることを防止することができる。そして、中継基板100に設けられているオスコネクタ104とメスコネクタ105,106とは、互いに嵌合する形状である。従って、ROM基板120,130のオスコネクタ123,133は、中継基板100のメスコネクタ105,106を介して演出制御基板43に接続することもできるし、演出制御基板43のメスコネクタ83に直接嵌め込むこともできる。これにより、例えば演出制御基板43に合計4GBのROM基板を接続する場合、中継基板100を用いて2GBのROM基板を2つ接続することもできるし、中継基板100を用いずに4GBのROM基板を直接接続することもできる。また、ソケットを用いて基板にROMを直接接続する場合には接触不良を起こしやすいが、コネクタを用いてROMを接続することで、接触不良の発生を防止することができる。
尚、第一の実施形態の演出制御基板43が本発明の「第一の基板」に相当し、演出制御基板43のメスコネクタ83が「第一の基板の接続部」に相当する。また、中継基板100のオスコネクタ104が「第一被接続部」に相当し、メスコネクタ105,106が「第二被接続部」に相当する。また、第一ROM基板120及び第二ROM基板130が「第二の基板」に相当し、ROM基板120,130のオスコネクタ123,133が「第二の基板の接続部」に相当する。
次に、本発明の第二の実施形態である中継基板200を備えたパチンコ機210について、図7を参照して説明する。図7は、第二の実施形態における中継基板200、演出制御基板43、第一ROM基板120、及び第二ROM基板130の分解斜視図である。
尚、第二の実施形態の中継基板200を備えたパチンコ機210は、中継基板200の構造が第一の実施形態のパチンコ機1と異なるのみである。従って、パチンコ機1と共通する部分については同一の符号を付し、図1乃至図3に示す機械的構成の説明及び電気的構成の説明についてはこれを省略する。
図7に示すように、第二の実施形態である中継基板200は、その第一板面202の中央に、オスコネクタ204が1つ設けられている。また、第一板面202とは反対側の第二板面203上には、2つのメスコネクタ205,206が設けられている。この2つのメスコネクタ205,206は、その長手方向の延長線が互いに一致する位置に、隣り合うように並べて配設されている。さらに、2つのメスコネクタ205,206の長手方向の延長線は、オスコネクタ204の長手方向の延長線に対して平行になるように設けられている。尚、中継基板200のオスコネクタ204はROM基板120,130のオスコネクタ123,133と同じ形状であり、メスコネクタ205,206は演出制御基板43のメスコネクタ83と同じ形状である。
そして、2つのROM基板120,130を演出制御基板43へ接続する場合、中継基板200のオスコネクタ204を、演出制御基板43のメスコネクタ83に嵌め込むことにより、中継基板200を演出制御基板43に対して固定する。この中継基板200のメスコネクタ205に第一ROM基板120のオスコネクタ123を嵌合させ、さらに、メスコネクタ206に第二ROM基板130のオスコネクタ133を嵌合させる。すると、2つのROM基板120,130は、中継基板200の第二板面203側において、演出制御基板43と同一の平面上に並んだ状態で固定される。尚、2つのROM基板120,130を中継基板200に接続してから、この中継基板200を演出制御基板43に接続してもよい。
このような構成の中継基板200によると、演出制御基板43、第一ROM基板120、及び第二ROM基板130の3つの基板を同一平面上に位置させて固定することができる。よって、複数のROM基板120,130を演出制御基板43に接続した場合でも、基板の厚みが増えることがないため、基板と垂直な方向の空間を有効に利用することができる。
尚、第二の実施形態における中継基板200のオスコネクタ104が本発明の「第一被接続部」に相当する。また、中継基板200のメスコネクタ205,206が「第二被接続部」に相当する。
次に、本発明の第三の実施形態である中継基板300を備えたパチンコ機310について、図8を参照して説明する。図8は、第三の実施形態における中継基板300、演出制御基板43、第一ROM基板120、及び第二ROM基板130の分解斜視図である。
尚、第三の実施形態の中継基板300を備えたパチンコ機310は、中継基板300の構造が第一及び第二の実施形態のパチンコ機1,210と異なるのみである。従って、パチンコ機1,210と共通する部分については同一の符号を付し、図1乃至図3に示す機械的構成の説明及び電気的構成の説明についてはこれを省略する。
図8に示すように、第三の実施形態である中継基板300は、長方形状の平板であるオスコネクタ支持部301及びメスコネクタ支持部302により構成されている。そして、オスコネクタ支持部301の板面303の中央には、オスコネクタ306が1つ設けられている。また、オスコネクタ支持部301の短手方向一端部から、オスコネクタ306の接続方向に向けてメスコネクタ支持部302が延設されている。そして、このメスコネクタ支持部302におけるオスコネクタ306を向く板面304とは反対側の板面305には、2つのメスコネクタ307,308が設けられている。この2つのメスコネクタ307,308は、その長手方向の延長線が互いに平行となるように並べて配設されており、さらに、オスコネクタ306の長手方向の延長線に対しても平行となるように配設されている。尚、中継基板300のオスコネクタ306の形状はROM基板120,130のオスコネクタ123,133と同じであり、メスコネクタ307,308の形状は演出制御基板43のメスコネクタ83と同じである。
そして、2つのROM基板120,130を演出制御基板43へ接続する場合、中継基板300のオスコネクタ306を、演出制御基板43のメスコネクタ83に嵌め込むことによって、中継基板300を演出制御基板43に対して固定する。この際、メスコネクタ支持部302におけるオスコネクタ306を向く板面304は、演出制御基板43によって支持されるため、メスコネクタ支持部302に対して図8における下向きの力が加わった場合でも、中継基板300が折損することはない。そして、中継基板300のメスコネクタ307に第一ROM基板120のオスコネクタ123を嵌合させ、メスコネクタ308に第二ROM基板130のオスコネクタ133を嵌合させる。すると、2つのROM基板120,130は、演出制御基板43の中継基板300への接続方向に対して垂直な状態で固定される。
このような構成の中継基板300によると、中継基板300から見て、演出制御基板43が位置している側の反対側の空間にROM基板120,130を位置させずに複数の基板を固定することができる。よって、演出制御基板43におけるメスコネクタ83の接続方向のスペースが無い場合でも、複数のROM基板120,130を演出制御基板43に接続することができる。
尚、第三の実施形態における中継基板300のオスコネクタ306が本発明の「第一被接続部」に相当する。また、中継基板300のメスコネクタ307,308が「第二被接続部」に相当する。
尚、本発明は、上記実施の形態に限定されることなく、様々な変形が可能であることは言うまでもない。以下、図9を参照して、第一〜第三の実施形態の変形例1について説明する。図9は、中継基板100、第一ROM基板120、第二ROM基板130、及び2つのメスコネクタ83を有する演出制御基板430の分解斜視図である。図7に示すように、変形例1では、中継基板100を用いることで、2つのメスコネクタ83を有する演出制御基板430に対して、最大で4つのROM基板を接続することが可能となっている。この場合、中継基板100を用いなければ、2つのメスコネクタ83にROM基板を直接嵌め合わせることで、演出制御基板430に2つのROM基板が接続されることになる。また、中継基板100を1つ用いれば、一方のメスコネクタ83には2つのROM基板が、他方のメスコネクタ83には1つのROM基板が接続されることになる。そして、中継基板100を2つ用いれば、4つのROM基板が演出制御基板430に接続されることになる。このような構成にすることで、演出制御基板430に対するROM基板の接続の自由度を向上させることができる。尚、演出制御基板側のコネクタの数が3つ以上である場合でも本発明が適用できることは勿論である。また、図9に示す変形例では第一の実施形態の中継基板100を用いているが、第二、第三の実施形態の中継基板200,300を複数用いることもできる。
次いで、図10を参照して、第一〜第三の実施形態の変形例2について説明する。図10は、変形例2としての中継基板400を介して、演出制御基板43へ第一ROM基板120及び第二ROM基板130を接続した際の接続状態を示す図である。図10に示すように、変形例2である中継基板400は、横長形状であるコネクタ106の、図10における下方向の縁部が、自身の本体の縁部と一致するように形成されている。そして、第二ROM基板130のオスコネクタ133を中継基板400のメスコネクタ106へ嵌め合わせた際に、メスコネクタ106の一側面(図10における下方の側面)と、第二ROM基板130の板面とが同一平面上に位置するように形成されている。さらに、演出制御基板43の片側の板面(図10における下方の板面)と、メスコネクタ83の一側面(図10における下方の側面)とが同一平面上に位置するように形成されている。すなわち、中継基板400を介してROM基板120,130を演出制御基板43に接続すると、図10における下方では凹凸のない1つの平面が形成される。この平面を他の部品、例えば液晶表示装置36の裏面、他の基板、基板ケース、遊技盤面、金属枠等の平面部分に接触させた状態で、相互に接続された複数の基板を遊技機に固定することで、基板同士の接続をより安定させることができる。また、第一ROM基板120の板面と、第二ROM基板130の板面とが接触した状態で複数の基板を保持するように中継基板を形成することもできる。
また、中継基板100,200,300におけるメスコネクタの配設位置は変更することができる。例えば、図4に示す中継基板100における2つのメスコネクタ105,106の距離を変更することができる。また、図8に示す中継基板300において、2つのメスコネクタ307,308を、長手方向の延長線が互いに重なる位置に並べて配設することもできるし、メスコネクタ307とメスコネクタ308とがオスコネクタ306から見て反対側に位置するように配設してもよい。
また、第一〜第三の実施形態の中継基板100,200,300は、1つの演出制御基板43に対して2つのROM基板120,130を接続するための基板であるが、中継基板100,200,300のメスコネクタの数を増やせば、2つ以上のROM基板を演出制御基板43に接続するための中継基板とすることができる。また、第一〜第三の実施形態では、一例として、中継基板100,200,300を用いて演出制御基板43と複数のROM基板とを接続する場合についてのみ説明したが、接続される基板の種類はこれに限定されるものではない。例えば、サブ統合基板58に演出制御基板43及び電飾基板46を接続する際に、本発明に係る中継基板を使用することもできる。
また、オスコネクタ及びメスコネクタの形状は適宜変更が可能である。例えば、コネクタを接続方向から見た形状は台形形状に限られず、矩形、三角形、楕円形、波型等、様々な形状とすることができる。また、第一〜第三の実施形態では、メスコネクタ側の端子を板状に形成して突出させ、オスコネクタ側の端子を溝部の内側に設けたが、複数の金属棒を並べた形状の端子をメスコネクタ側の端子として用いることもできる。この場合メスコネクタ側の端子が嵌合する形状にオスコネクタ側の端子を形成すればよい。
また、第一〜第三の実施形態では、全てのオスコネクタの形状は同一とし、このオスコネクタに対応する全てのメスコネクタの形状も同一とすることで、接続の自由度を向上させているが、コネクタの形状を同一とせずに、コネクタ毎に変更することもできる。この場合、対応していないオスコネクタとメスコネクタとを接続することができないため、基板の接続の間違いを防止することができる。