まず、本発明の遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1(以下、パチンコ機1と略称する)を正面からみた正面図であり、図2はパチンコ機を示す背面図である。尚、以下の説明において、図1の手前側をパチンコ機の前面(表面)側、奥側を背面(裏面)側として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ機の前面(表面)とは、遊技者側からパチンコ機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。
(パチンコ機の前面(表面)構造)
図1は、本発明が適用されたパチンコ機及びカードユニットを示す正面図である。パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠100(図2参照)と、外枠100に開閉可能に取り付けられた前面枠101(図2参照)と、で主に構成されている。前面枠101の前面には、ガラス扉枠102及び上皿扉枠103がそれぞれ一側を中心に開閉可能に設けられているとともに、下皿枠104が取り付けられている。また、前面枠101の背面側には、機構部品等が取り付けられる機構板105(図2参照)が一側を中心にして開閉可能に取り付けられている。
図1に示すように、ガラス扉枠102の下方に取り付けられた上皿扉枠103の前面には、遊技媒体(遊技球)としてのパチンコ球(打球)を貯留可能な打球供給皿(上皿とも言う)3が、パチンコ機1の前方(パチンコ機1の前面方向)に向けて膨出するように設けてある。打球供給皿3の下方には、打球供給皿3から溢れたパチンコ球を貯留する余剰球受皿4(下皿とも言う)が、パチンコ機1の前方(パチンコ機1の前面方向)に向けて膨出するように設けてあるとともに、その側方には、パチンコ球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。ガラス扉枠102の背面には、前面枠101に対して着脱可能に取り付けられた遊技盤6が配置されている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の飾り図柄を変動表示する複数の変動表示領域を含む変動表示装置(飾り図柄表示装置)9が設けられている。また、変動表示装置9の上部には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての特別図柄を変動表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8が設けられている。変動表示装置9には、たとえば「左」、「中」、「右」の3つの変動表示領域(図柄表示エリア)がある。変動表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄であって、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての飾り図柄の変動表示を行なう。変動表示装置9は、後述する演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81(図3参照)によって制御される。特別図柄表示器8は表示部が小型であるので、変動表示の態様および変動表示の表示結果が変動表示装置9と比べて見づらいため、遊技者は主として変動表示装置9の方に注目する。
特別図柄表示器8は、たとえば0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(たとえば7セグメントLED)で実現されている。特別図柄表示器8は、遊技者に当りの種類を把握しづらくさせるために、0〜99など、より多種類の数字を変動表示するように構成されていてもよい。また、変動表示装置9は、液晶表示装置よりなる画像表示装置で実現されている。変動表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、飾り図柄の変動表示を行なう。
なお、本実施例においては、変動表示装置9は、液晶表示装置を用いた例について説明するが、これに限らず、変動表示装置9は、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクス、7セグメントLED等のLED(Light Emitting Diode)、エレクトロルミネッセンス、蛍光表示管等のその他の画像表示式の表示装置により構成されてもよい。また、変動表示装置9は、回転ドラム式表示装置等の機械式の表示装置であってもよい。
変動表示装置9の下方には、パチンコ球を受け入れ可能な入賞領域としての第1始動口15aおよび第2始動口15bを有する始動入賞装置15が設けられている。始動入賞装置15では、上部に第1始動口15aが設けられ、その下部に第2始動口15bが設けられている。第2始動口15bの左右には、開閉動作をすることが可能な態様で一対の可動片13,13が設けられている。第1始動口15aは、上方を向いて開口しており、常にパチンコ球の進入(受け入れ)が可能な状態となっている。一方、第2始動口15bは、上方に第1始動口15aの周囲の構造物が設けられ、左右に可動片13,13が設けられているため、可動片13,13が閉状態であるときにパチンコ球の進入(受け入れ)が不可能な状態となり、可動片13,13が開状態であるときにパチンコ球の進入(受け入れ)が可能な状態となる。このように、第1始動口15aは入賞のしやすさが変化せず、第2始動口15bは可動片13,13の開閉動作によって入賞のしやすさが変化する。
なお、始動入賞装置15は、可動片13,13が閉状態になっている状態において、第2始動口15bに入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、パチンコ球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。また、始動入賞装置15は、始動口として、入賞のしやすさが変化しない第1始動口15aのみが設けられたものであってもよく、可動片13,13の開閉動作によって入賞のしやすさが変化する第2始動口15bのみが設けられたものであってもよい。
始動入賞装置15の可動片13,13は、後述する開放条件が成立したときに、ソレノイド16によって駆動されることにより、閉状態から所定期間開状態とされた後、閉状態とされる。始動入賞装置15の可動片13,13が開状態となることにより、パチンコ球が第2始動口15bに入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態(第1の状態)となる。一方、始動入賞装置15の可動片13,13が閉状態となることにより、パチンコ球が第2始動口15bに入賞しなくなり(始動入賞しにくくなり)、遊技者にとって不利な状態(第2の状態)となる。第1始動口15aに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ14aによって検出される。また、第2始動口15bに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14bによって検出される。
変動表示装置9の下部には、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bに入った有効入賞球の記憶数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう)数を表示する4つの特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。特別図柄保留記憶表示器18は、保留記憶数を入賞順に4個まで表示する。特別図柄保留記憶表示器18は、第1始動口15aまたは第2始動口15bに始動入賞があるごとに、保留記憶の記憶データが1増えて、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、保留記憶の記憶データが1減って、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。具体的には、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、点灯状態をシフトする。なお、この例では、第1始動口15aまたは第2始動口15bへの入賞による保留記憶数に上限数(4個まで)が設けられている。しかし、これに限らず、保留記憶数の上限数は、4個以上の値にしてもよく、4個よりも少ない値にしてもよい。
始動入賞装置15の下部には、ソレノイド21によって開閉される開閉板を用いた特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、開閉板によって開閉される大入賞口が設けられており、大当り遊技状態において開閉板が遊技者にとって有利な開状態(第1の状態)に制御され、大当り遊技状態以外の状態において開閉板が遊技者にとって不利な閉状態(第2の状態)に制御される。このように、特別可変入賞球装置20は、大当り遊技状態となるときに開放条件が成立する。特別可変入賞球装置20に入賞し遊技盤6の背面に導かれた入賞球のうち一方(V入賞領域:特別領域)に入った入賞球及び他方の領域に入ったパチンコ球は、そのままカウントスイッチ23で検出される。遊技盤6の背面には、大入賞口内の経路を切換えるためのソレノイド21a(図3参照)も設けられている。
パチンコ球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、複数種類の識別情報としての普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10における変動表示が開始される。この実施の形態では、左右のLED(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、たとえば、変動表示の終了時に左側のLEDが点灯すれば当りになる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となったときに、始動入賞装置15の可動片13,13の開放条件が成立し、始動入賞装置15における可動片13,13が所定回数、所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した有効通過球の記憶数、すなわち、始動通過記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄始動記憶表示器41が設けられている。ゲート32へのパチンコ球の通過があるごとに、始動通過記憶の記憶データが1増えて、普通図柄始動記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10における変動表示が開始されるごとに、始動通過記憶の記憶データが1減って、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、パチンコ球を受け入れて入賞を許容する入賞装置の入賞領域として、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、および、第4通常入賞口39よりなる複数の通常入賞口が設けられる。第1通常入賞口29へのパチンコ球の入賞は、第1入賞口スイッチ29aによって検出される。第2通常入賞口30へのパチンコ球の入賞は、第2入賞口スイッチ30aによって検出される。第3通常入賞口33へのパチンコ球の入賞は、第3入賞口スイッチ33aによって検出される。第4通常入賞口39へのパチンコ球の入賞は、第4入賞口スイッチ39aによって検出される。なお、第1始動口15a、第2始動口15b、および、大入賞口も、パチンコ球を受け入れて入賞を許容する入賞装置の入賞領域を構成する。また、遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかったパチンコ球を回収するアウト口26がある。
遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠LED28a(図3参照)が内蔵される天枠発光部28Hと、左枠LED28b(図3参照)が内蔵される左発光部28Lおよび右枠LED28c(図3参照)が内蔵される右発光部28Rが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。これら天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾用LEDは、パチンコ遊技機1に設けられている装飾発光体の一例である。
そして、この例では、左発光部28Lの所定箇所に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの所定箇所に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。尚、本実施例では賞球LED51及び球切れLED52を左枠LED28bや右枠LED28cとは個別に設けていたが、左枠LED28bや右枠LED28cの発光態様を異ならせることにより賞球払出中や補給球が切れた旨を報知するようにしてもよい。また、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、「カードユニット」という。)50が、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている。
上皿扉枠103の前面における打球供給皿3の左右側方から打球供給皿3の左右側面にかけて、上皿扉枠103前面における打球供給皿3の左右側方に設けられた供給皿左LED200a及び供給皿右LED200bにより発光する供給皿左発光部200L,供給皿右発光部200Rが設けられているとともに、打球供給皿3の前面には、打球供給皿3の内部に設けられた供給皿前LED201aにより発光する供給皿前発光部201が設けられている。
余剰球受皿4の周縁上面には、余剰球受皿4の内部に設けられた受皿LED202aにより発光する受皿発光部202が設けられている。尚、これら供給皿左発光部200L,供給皿右発光部200R及び受皿発光部202の詳細については後述することとする。また、余剰球受皿4の左右側には、内蔵された受皿左LED203a及び受皿右LED203bにより発光する受皿左発光部203L及び受皿右発光部203Rが設けられている。
賞球LED51、球切れLED52、装飾LED25、天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28c、供給皿左LED200a、供給皿右LED200b、供給皿左右外LED200c、供給皿前LED201a、受皿LED202a、受皿左LED203a、受皿右LED203b等の各種発光手段は、主基板31から出力される演出制御コマンドに基づき演出制御用マイクロコンピュータ81から出力されるシリアル信号に基づいて点灯制御(LED制御)される。また、スピーカ27からの音発生制御(音制御)は、後述する音声出力基板70によって行なわれる。
カードユニット50には、たとえば、使用可能状態であるか否かを示す使用可表示ランプ、カードユニット50がいずれの側のパチンコ遊技機1に対応しているのかを示す連結台方向表示器、カードユニット50内にカードが投入されていることを示すカード投入表示ランプ、記録媒体としてのカードが挿入されるカード挿入口、および、カード挿入口の裏面に設けられているカードリーダライタの機構を点検する場合にカードユニット50を解放するためのカードユニット錠が設けられている。
遊技者の操作により打球発射装置から発射されたパチンコ球は、打球誘導レール117を通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。パチンコ球が、第1始動口15aに入り第1始動口スイッチ14aで検出されるか、または、第2始動口15bに入り第2始動口スイッチ14bで検出されると、特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が変動表示を始める。特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、保留記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示は、変動表示が行なわれるごとに設定された変動表示時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が特定表示結果としての大当り図柄(大当り表示結果ともいう)であると、大当りとなり、大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(たとえば10個)のパチンコ球が入賞するまで開放する。そして、特別可変入賞球装置20の開放中にパチンコ球がV入賞領域に入賞しカウントスイッチ23で検出されると、継続権が発生し特別可変入賞球装置20の開放が再度行なわれる。継続権の発生は、たとえば15ラウンドのような所定回数を上限値として許容される。このような制御は、繰返し継続制御と呼ばれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置20が開放されている状態がラウンドと呼ばれる。なお、V入賞領域を設けずに、各ラウンドにおいて無条件で継続権が発生するように制御してもよい。
停止時の特別図柄表示器8における特別図柄が大当り図柄のうちの予め定められた特別な大当り図柄(確変大当り図柄)である場合には、大当り遊技状態後に大当りとすると判定される確率(大当り確率)が、大当り遊技状態と異なる通常状態である通常遊技状態よりも高くなる確率変動状態(以下、確変状態と呼ぶ)という遊技者にとってさらに有利な状態になる。以下、確変状態は、高確率状態(高確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。また、非確変状態は、低確率状態(低確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。
また、特別図柄表示器8での変動表示の停止時における特別図柄の表示結果が、確変大当り図柄である場合には、大当り遊技状態後に変動時間短縮状態である時短状態に所定期間に亘り制御される。時短状態とは、通常遊技状態に比べて、特別図柄表示器8、変動表示装置9、および、普通図柄表示器10のそれぞれの変動表示時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御状態をいう。さらに、時短状態中には、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、始動入賞装置15の可動片13,13の開放時間が長くされ、開放回数が増加させられる。時短状態中では、図柄の変動表示時間が短縮されるので、後述する保留記憶数が早期に消化され、保留記憶数の上限(たとえば「4」)を超えて発生した始動入賞が無効になってしまう状態を減少でき、短期間に頻繁に表示結果を導出表示して早期に大当り表示結果を導出表示しやすくなるので、時間効率的な観点で変動表示の表示結果が大当り図柄の表示結果となりやすくなり、遊技者にとって有利な遊技状態となる。このように、確変大当りの場合は、大当り遊技状態の終了後の所定期間において、高確率状態かつ時短状態に制御されることとなる。大当り遊技状態の終了後の所定期間に亘る時短状態は、次の大当り遊技状態が発生するか、または、特別図柄および飾り図柄の変動表示が所定回数(100回)行なわれるまでの、いずれか早い方の条件が成立するまで継続される。
また、入賞に応じたパチンコ球の払出しの面から考えると、時短状態は、非時短状態と比べて、普通図柄の変動表示時間が短縮され、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、当り時における始動入賞装置15の可動片13,13の開放時間が長くされ、当り時における始動入賞装置15の可動片13,13の1度の開放回数が多くされることに基づいて、通常遊技状態と比べて始動入賞装置15の可動片13,13が開放状態となりやすい。したがって、時短状態では、第2始動口15bへの入賞(始動入賞が有効である場合と無効である場合との両方を含む)が生じやすくなるため、遊技領域7へ打込んだパチンコ球数(打込球数)に対して、入賞に応じた賞球として払出されるパチンコ球数(払出球数)の割合が、通常遊技状態と比べて多くなる。一般的に、発射球数に対する入賞による賞球の払出球数の割合は、「ベース」と呼ばれる。たとえば、100球の打込球数に対して40球の払出球数があったときには、ベースは40(%)となる。この実施の形態の場合では、たとえば通常遊技状態のような非時短状態よりもベースが高い時短状態を高ベース状態と呼び、逆に、そのような高ベース状態と比べてベースが低い通常遊技状態のような非時短状態を低ベース状態と呼ぶ。
このように、発射球数に対する入賞による賞球の払出球数の割合が一般的に「ベース」と呼ばれるが、たとえば1分間等の単位時間におけるパチンコ球の最大発射数は、一定数に制限されている。このため、「ベース」は、単位時間において、遊技領域に設けられた複数の入賞口への入賞による賞球の払出球数の合計値によっても示すことができる。たとえば、単位時間におけるパチンコ球の最大発射数を100球とすると、単位時間における入賞による賞球の払出球数の合計値は、一般的な「ベース」の値と一致することとなる。このような関連性に基づいて、本実施形態では、第1始動口15a、第2始動口15b、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、および、第4通常入賞口39のそれぞれを異常監視対象入賞口としており、該異常監視対象入賞口の入賞による賞球の払出球数の合計値は、ベースと呼ばれ、入賞に関する異常監視の対象として用いられる。
確変状態(高確率状態)と非確変状態(低確率状態)とのどちらの状態であるかは、確変状態においてセットされるフラグである確変フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。また、時短状態(高ベース状態)と非時短状態(低ベース状態)とのどちらの状態であるかは、時短状態においてセットされるフラグである時短フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。
また、前述の時短状態に制御されていない状態においては、特別図柄の保留記憶数が所定個数以上となるごとに、特別図柄および飾り図柄の変動表示時間を短縮する記憶変動短縮状態に制御する記憶変動短縮制御が行なわれる。記憶変動短縮制御は、特別図柄の保留記憶数が所定個数未満となった段階で終了する。したがって、時短状態に制御されていない状態においても、特別図柄および飾り図柄の変動表示時間が短縮される場合がある。
変動表示装置9において変動表示される飾り図柄は、特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために、特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある図柄である。このような図柄についての所定の関係には、たとえば、特別図柄の変動表示が開始されたときに飾り図柄の変動表示が開始する関係、および、特別図柄の変動表示の終了時に特別図柄の表示結果が導出表示されるときに飾り図柄の表示結果が導出表示されて飾り図柄の変動表示が終了する関係等が含まれる。特別図柄表示器8により予め定められた大当り図柄が表示結果として導出表示されるときには、変動表示装置9により、左,中,右図柄がゾロ目となる大当り図柄の組合せが表示結果として導出表示される。このような特別図柄による大当り図柄の表示結果および飾り図柄による大当り図柄の組合せの表示結果は、大当り表示結果という。
特別図柄表示器8と変動表示装置9とは変動表示結果が前述したような対応関係になるため、以下の説明においては、これらをまとめて変動表示部と呼ぶ場合がある。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。本実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄については変動表示が行なわれていること、および、すべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
たとえば、変動表示装置9において、図柄が停止することで大当りとなる有効ライン(本実施の形態の場合は横1本の有効ライン)が予め定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において変動表示が行なわれている状態(たとえば、変動表示装置9における左,中,右の変動表示領域のうち左,右の表示領域に同一の図柄が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行なわれている状態)、および、有効ライン上の表示領域のすべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(たとえば、変動表示装置9における左,中,右の表示領域のすべてに変動表示が行なわれており、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行なわれている状態)をリーチ表示態様またはリーチという。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がLEDや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(飾り図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、変動表示装置9の背景画像の表示態様(たとえば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
また、変動表示装置9については、大当りを発生させる契機となる変動表示において、大当りとなることを報知する予告演出である大当り予告が行なわれる場合がある。
この実施の形態の場合は、大当りとして、通常大当りおよび確変大当りというような複数種類の大当りが設けられている。以下の説明においては、大当りの種類を特定せずに単に「大当り」と示すときは、これら複数種類の大当りを代表して示す場合である。
通常大当りは、大当り遊技状態の終了後に確変状態にならず、かつ、時短状態にならないことにより、低確率状態、かつ、低ベース状態となる大当り(非確変大当り)である。このような、低確率状態かつ低ベース状態となった状態は、低確低ベース状態と呼ばれる。確変大当りは、大当り遊技状態の終了後に確変状態になり、かつ、所定期間に亘り時短状態になる高確率状態、かつ、高ベース状態となる大当りである。このような、高確率状態かつ高ベース状態となった状態は、高確高ベース状態と呼ばれる。確変大当りとなった後においては、所定期間が経過すると時短状態が終了し、高確率状態、かつ、低ベース状態になる。このような、高確率状態かつ低ベース状態となった状態は、高確低ベース状態と呼ばれる。
また、変動表示装置9については、大当りを発生させる契機となる変動表示において、大当りとなることを報知する予告演出である大当り予告が行なわれる場合がある。
(パチンコ機の背面(裏面)構造)
次に、パチンコ遊技機1の裏面の構造について図2を参照して説明する。図2は、パチンコ機及びカードユニットを示す背面図である。
図2に示すように、パチンコ遊技機1裏面側では、変動表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータが搭載された演出制御基板80を含む変動表示制御ユニット49、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声出力基板70、LEDドライバ基板(図示省略)、および、球払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている。
さらに、パチンコ遊技機1裏面側には、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板910やタッチセンサ基板91Aが設けられている。電源基板910は、一部が払出制御基板37と重なっているが、払出制御基板37に重なることなく外部から視認可能に露出した露出部分には、パチンコ遊技機1における主基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチが設けられている。さらに、露出部分における電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
なお、電気部品制御基板には、電気部品制御用マイクロコンピュータを含む電気部品制御手段が搭載されている。電気部品制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)にしたがってパチンコ遊技機1に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、変動表示装置9、LEDなどの発光体、スピーカ27等)を制御する。以下、主基板31を電気部品制御基板に含めて説明を行なうことがある。その場合には、電気部品制御基板に搭載される電気部品制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号にしたがってパチンコ遊技機1に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。
パチンコ遊技機1裏面において、上方には、各種情報をパチンコ遊技機1外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板159が設置されている。ターミナル基板159には、少なくとも、球切れ検出スイッチ167の出力を導入して外部出力するための球切れ用端子、賞球情報(賞球個数信号)を外部出力するための賞球用端子および球貸し情報(球貸し個数信号)を外部出力するための球貸し用端子が設けられている。また、中央付近には、主基板31からの各種情報をパチンコ遊技機1外部に出力するための各端子を備えた情報端子基板(情報出力基板)36が設置されている。
図示しない遊技機設置島から供給される球を貯留可能な球タンク38に貯留されたパチンコ球は、タンクレール722(図28参照)を通り、カーブ樋を経てケースカバー731(図28参照)で覆われた球払出装置97に至る。球払出装置97の上方には、通路内に球がない旨を検出する遊技媒体切れ検出手段としての球切れスイッチ197が設けられている。球切れスイッチ197が球切れを検出すると、球払出装置97の払出動作が停止する。球切れスイッチ197はパチンコ球通路内のパチンコ球の有無を検出するスイッチであるが、球タンク38内の補給球の不足を検出する球切れ検出スイッチ167も誘導レールにおける上流部分(球タンク38に近接する部分)に設けられている。球切れ検出スイッチ167がパチンコ球の不足を検知すると、遊技機設置島に設けられている補給機構からパチンコ遊技機1に対してパチンコ球の補給が行なわれる。
入賞に基づく景品としてのパチンコ球や球貸し要求に基づくパチンコ球が多数払出されて打球供給皿3が満杯になると、パチンコ球は、余剰球誘導通路を経て余剰球受皿4に導かれる。さらにパチンコ球が払出されると、感知レバー(図示せず)が貯留状態検出手段としての満タンスイッチ19(図示せず)を押圧して、貯留状態検出手段としての満タンスイッチ19がオンする。その状態では、球払出装置内の払出モータの回転が停止して球払出装置の動作が停止するとともに打球発射装置の駆動も停止する。尚、満タンスイッチ19がオンした状態において、球払出装置の動作及び打球発射装置の駆動は必ずしも停止させなくてもよいし、あるいはオンした時点から所定時間経過後に停止させるようにしてもよい。
(パチンコ機の回路構成)
図3は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図3には、パチンコ遊技機1に搭載されている払出制御基板37、LEDドライバ基板35、音声出力基板70、インタフェース基板66、中継基板77、および、演出制御基板80も示されている。主基板(遊技制御基板)31には、プログラムにしたがってパチンコ遊技機1を制御する基本回路(遊技制御手段に相当)となる遊技制御用マイクロコンピュータ156と、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23、第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30a、第3入賞口スイッチ33a、第4入賞口スイッチ39a、満タンスイッチ19からの信号の他、電源断信号およびクリア信号等の各種信号を遊技制御用マイクロコンピュータ156に与える入力ドライバ回路58と、始動入賞装置15の可動片13,13を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21、および、大入賞口内の経路を切換えるためのソレノイド21aを遊技制御用マイクロコンピュータ156からの指令にしたがって駆動する出力回路59と、遊技制御用マイクロコンピュータ156からの指令にしたがって各種の情報信号をホール管理コンピュータ等のパチンコ遊技機1の外部に設けられた装置に出力する情報出力回路53とが搭載されている。情報出力回路53から出力された情報信号は、情報端子基板36を介して、パチンコ遊技機1の外部に出力される。
尚、本実施例では満タンスイッチ19の検出信号は払出制御基板37を経由して主基板31に入力されるようになっているが、払出制御基板37を経由することなく入力ドライバ回路58に直接入力されるようにしてもよい。
情報出力回路53から出力される情報信号としては、大当り1情報信号、大当り2情報信号、大当り3情報信号、高確率情報信号、時短情報信号、第1始動情報信号、第2始動情報信号、第1入賞数異常信号、第2入賞数異常信号、第1ベース異常信号、第2ベース異常信号、および、始動口入賞異常信号が含まれる。
大当り1情報信号、大当り2情報信号および大当り3情報信号のそれぞれは、確変大当り、非確変大当り等の大当りの種類を特定した大当りの発生を示す信号である。高確率情報信号は、確率変動が生じたことを示す信号である。時短情報信号は、時短状態が生じたことを示す信号である。第1始動情報信号は、第1始動口15aへの入賞により特別図柄および飾り図柄の変動表示開始に利用されるパチンコ球が検出されたことを示す信号である。第2始動情報信号は、第2始動口15bへの入賞により特別図柄および飾り図柄の変動表示開始に利用されるパチンコ球が検出されたことを示す信号である。
第1入賞数異常信号は、第1始動口15a、第2始動口15b、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、および、第4通常入賞口39のそれぞれを異常監視対象入賞口として、後述するように実行される入賞数監視処理において、所定の単位時間中での入賞数が第1入賞数異常判定値以上となったことに基づく異常状態(以下、入賞数異常状態または第1入賞数異常状態ともいう)が生じたときに、そのような異常が生じた旨を示す信号である。第2入賞数異常信号は、第1始動口15a、第2始動口15b、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30、第3通常入賞口33、および、第4通常入賞口39のそれぞれを異常監視対象入賞口として、後述するように実行される入賞数監視処理において、所定の単位時間中での入賞数が第1入賞数異常判定値よりも大きい第2入賞数異常判定値以上となったことに基づく異常状態(以下、入賞数異常状態または第2入賞数異常状態ともいう)が生じたときに、そのような異常が生じた旨を示す信号である。
第1ベース異常信号は、前述の異常監視対象入賞口を対象として、後述するように実行される入賞数監視処理において、所定の単位時間中でのこれら入賞口への入賞数に基づく賞球数の合計値(以下、ベースという)が第1のベース異常判定値以上となったことに基づく異常状態(以下、ベース異常状態または第1ベース異常状態ともいう)が生じたときに、そのような異常が生じた旨を示す信号である。第2ベース異常信号は、前述の異常監視対象入賞口を対象として、後述するように実行される入賞数監視処理において、所定の単位時間中でのこれら入賞口への入賞数に基づく賞球数の合計値(ベース)が第1のベース異常判定値よりも大きい第2のベース異常判定値以上となったことに基づく異常状態(以下、ベース異常状態または第2ベース異常状態ともいう)が生じたときに、そのような異常が生じた旨を示す信号である。
始動口入賞異常信号は、第2始動口15bを対象として、可動片13,13が閉状態であるときにパチンコ球が入賞したことに基づく異常状態が生じたときに、そのような異常状態が生じた旨を示す信号である。
なお、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23、第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30a、第3入賞口スイッチ33a、第4入賞口スイッチ39a等のスイッチは、センサと称されているものでもよい。すなわち、パチンコ球を検出できる遊技媒体検出手段(この例ではパチンコ球検出手段)であれば、その名称を問わない。入賞検出を行なう第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23、第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30a、第3入賞口スイッチ33a、および、第4入賞口スイッチ39aへのパチンコ球の入賞を検出する入賞検出手段でもある。
なお、ゲート32のような通過ゲートであっても、賞球の払出しが行なわれるものであれば、通過ゲートへパチンコ球が進入することが入賞になり、通過ゲートに設けられているスイッチ(たとえばゲートスイッチ32a)が入賞検出手段になる。また、V入賞領域に入賞したパチンコ球がカウントスイッチ23でも検出される。よって、大入賞口に入賞したパチンコ球数は、カウントスイッチ23による検出数に相当する。また、V入賞領域に入賞したパチンコ球はV入賞スイッチのみで検出されるようにし、大入賞口に入賞したパチンコ球数は、V入賞スイッチによる検出数とカウントスイッチ23による検出数との和になるようにしてもよい。また、V入賞領域を設けず、最終ラウンド以外のラウンドでは、常に継続権が発生するようにしてもよい。また、V入賞領域を設け、1ラウンド目は無条件(V入賞領域への入賞によらず)継続権が発生し、2ラウンド目以降においてV入賞領域への入賞により継続権が発生するようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する変動データ記憶手段)としてのRAM55、およびプログラムにしたがって制御動作を行なうプロセッサであるCPU56、および、I/Oポート57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ156は、1チップマイクロコンピュータである。なお、1チップマイクロコンピュータは、CPU56の他に少なくともRAM55が内蔵されていればよい。また、ROM54およびI/Oポート57は、外付けであっても内蔵されていてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ156においては、CPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行する。したがって、以下に説明するような遊技制御用マイクロコンピュータ156が実行する(または、処理を行なう)ということは、具体的にはCPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。また、遊技制御手段は、CPU56を含む遊技制御用マイクロコンピュータ156で実現されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、クロック信号を発生させるクロック回路、システムリセット手段として機能するリセットコントローラ、乱数回路、および、CPU56に割込要求信号を送出するCTCを内蔵する。
乱数回路は、特別図柄および飾り図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否かを判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。この乱数回路は、初期値(たとえば、0)と上限値(たとえば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新させていき、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bへの始動入賞が生じたときに乱数回路から数値データを乱数値R1として読出し、その数値データに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを判定する。そして、大当りとすると判定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。なお、乱数回路が発生させた乱数は、確変とするか否かを決定するための確変判定用乱数や、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン決定用乱数など、大当りとするか否かの判定以外の判定用乱数として用いてもよい。
乱数回路は、ユーザによる数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および、数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能により、乱数回路は、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、乱数回路が更新する数値データの初期値を設定する機能を有しており、たとえば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ156のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ156の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路が更新する数値データの初期値として設定する。これにより、乱数回路が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。また、初期値を設定するときに、IDナンバを用いた所定の演算を行なうことにより、遊技制御用マイクロコンピュータ156のIDナンバを見ただけでは乱数の初期値を認識しにくくすることができる。そのため、無線信号を用いた取込み信号をパチンコ遊技機1に対して発生させるなどの行為によって、大当り状態への移行条件を不正に成立させられてしまうことをより確実に防止することができ、セキュリティ性を向上させることができる。
クロック回路は、システムクロック信号をCPU56に出力し、このシステムクロック信号を2の7乗(=128)分周して生成した所定の周期の基準クロック信号CLKを、各乱数回路に出力する。リセットコントローラは、ローレベルの信号が一定期間入力されたとき、CPU56および各乱数回路に所定の初期化信号を出力して、遊技制御用マイクロコンピュータ156をシステムリセットする。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、発生可能な乱数の値の範囲が異なる2つの乱数回路を搭載する。第1の乱数回路は、12ビットの疑似乱数を発生する乱数回路(以下、12ビット乱数回路ともいう)である。12ビット乱数回路は、12ビットで発生できる範囲(すなわち、1から4095までの範囲)の値の乱数を発生する機能を備える。また、第2の乱数回路は、16ビットの疑似乱数を発生する乱数回路(以下、16ビット乱数回路ともいう)である。16ビット乱数回路は、16ビットで発生できる範囲(すなわち、1から65535までの範囲)の値の乱数を発生する機能を備える。2つの乱数回路は、予め選択されたどちらか一方の回路が乱数の発生に用いられる。
なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ156が2つの乱数回路を内蔵する場合を説明するが、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、1つの乱数回路を内蔵してもよく、3以上の乱数回路を内蔵してもよい。また、この実施の形態では、12ビット乱数回路および16ビット乱数回路を包括的に表現する場合、または、12ビット乱数回路と16ビット乱数回路とのうちいずれかを指す場合に、乱数回路という。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電源電力の供給が停止したときである電源断時でも、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップデータとして、RAM55に保存される。制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを、遊技の進行状態を示すデータと定義する。この実施の形態では、RAM55の全部の記憶領域が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ156のリセット端子には、電源基板910からのリセット信号が入力される。また、払出制御用マイクロコンピュータのリセット端子にも、電源基板910からのリセット信号が入力される。なお、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ156および払出制御用マイクロコンピュータは動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ156および払出制御用マイクロコンピュータは動作停止状態になる。したがって、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ156および払出制御用マイクロコンピュータの動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ156および払出制御用マイクロコンピュータの動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。なお、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(主基板31を含む)に搭載してもよいし、複数の電気部品制御基板のうち一つまたは複数にリセット回路を搭載し、そこからリセット信号を他の電気部品制御基板に供給するようにしてもよい。
さらに、払出制御基板37を経由して、電源基板910からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力ドライバ回路58に入力される。電源断信号は、入力ドライバ回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに入力される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力ドライバ回路58に入力される。クリア信号は、入力ドライバ回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに入力される。
尚、本実施例では、電源断信号は払出制御基板37を経由して主基板31に入力されるようになっているが、払出制御基板37を経由することなく入力ドライバ回路58に直接入力されるようにしてもよい。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、払出制御基板37を経由して、満タンスイッチ19からの満タン信号が入力されたときに、前述した受皿LED202aを発光させる旨を示す演出制御コマンドを演出制御基板80に送信する。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、大当り遊技状態以外の状態においてカウントスイッチ23により球が検出されたとき、すなわち、例えば大当り遊技状態以外の状態において特別可変入賞球装置20の開閉板が前述した不正器具等により遊技者にとって有利な開状態(第1の状態)とされてカウントスイッチ23により球が検出されたときに、エラーが発生したとして、供給皿左LED200a,供給皿右LED200bを発光させる旨を示す演出制御コマンドを演出制御基板80に送信する。
また、クリア信号は、主基板31において分岐され、払出制御基板37にも供給される。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ156が入力ポートを介して入力したクリア信号の状態を、出力ポートを介して払出制御基板37に出力してもよい。
また、複数のスイッチのそれぞれは、入力ドライバ回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに接続されている。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、複数のスイッチのそれぞれから各スイッチの設定状態を示す設定検出信号を受ける。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156が搭載するシリアル出力回路78は、シフトレジスタなどによって構成され、CPU56が出力する演出制御コマンドをシリアルデータに変換して、中継基板77を介して演出制御基板80に送信する。また、シリアル出力回路78は、CPU56が出力する制御信号をシリアルデータに変換して、中継基板77を介して特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41に出力する。なお、特別図柄表示器8、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10および普通図柄保留記憶表示器41には、シリアルデータをパラレルデータに変換するシリアル−パラレル変換ICがそれぞれ設けられ、中継基板77からの制御信号をパラレルデータに変換して、特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41に供給される。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、演出制御基板80に表示制御、音制御、および、LED制御を含む演出制御を指令するための制御信号としての演出制御コマンド(演出制御信号)を送信する。演出制御基板80には、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ156からの演出制御コマンドを受信し、変動表示装置9での表示制御を行なう演出制御用マイクロコンピュータ81等の電気部品制御手段が搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560からの演出制御コマンドをシリアルデータ方式として受信し、飾り図柄を可変表示する可変表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、遊技盤6に設けられているステージLED25bの表示制御を行うとともに、枠側に設けられている賞球LED51、球切れLED52、天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28c、供給皿左右LED200a,200b、供給皿左右外LED200c,供給皿前LED201a、受皿LED202a、受皿左右LED203a,203b、方向LED510a〜510dの表示制御を行い、スピーカ27からの音出力の制御を行う。
また、演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ81には、演出制御手段が出力する各LED51、52、28a、28b、28c、200a,200b、200c,201a、202a、203a,203b、510a〜510dを表示制御するための制御信号をパラレルデータからシリアルデータに変換するシリアル出力回路253が搭載されている。また、演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ81には、入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して演出制御手段に出力するシリアル入力回路254が搭載されている。したがって、演出制御手段は、シリアル出力回路253を介して制御信号をシリアルデータ方式として出力することによって、各LED51、52、28a、28b、28c、200a,200b、200c,201a、202a、203a,203b、510a〜510dの表示制御を行う。
また、遊技盤側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された盤側IC基板としての装飾基板98、ステージ装飾基板99が設けられている。盤側IC基板98,99は、中継基板88を介して演出制御基板80と接続される。また、前面枠101側には、シリアルデータをパラレルデータに変換するためのシリアル−パラレル変換ICが搭載された各枠側IC基板としての中前板天基板473a、左前板天基板473b、右前板天基板473c(図17(b)参照)、上皿左サイド基板310L、上皿右サイド基板310R(図19参照)、上皿前左反射板332L、上皿前右反射板332R(図19参照)、受皿LED基板353、左幕板LED基板340L、右幕板LED基板340R(図24参照)、ジョグ基板508(図22参照)が設けられている。これら各枠側IC基板473a、473b、473c、310L、310R、332L、332R、353、340L、340R、508は、中継基板88,89を介して演出制御基板80と接続される。
なお、図3に示すように、演出制御基板80、中継基板88および中継基板89は、バス型に1系統の配線ルートで接続される。図4は、中継基板77および演出制御基板80の回路構成例を示すブロック図である。なお、図4に示す例では、演出制御に関して演出制御基板80のみを設ける場合を示すが、LEDドライバ基板および音声出力基板を設けてもよい。この場合、LEDドライバ基板および音声出力基板には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU86、RAM85、シリアル出力回路253、シリアル入力回路254、クロック信号出力部256および入力取込信号出力部257を含む演出制御用マイクロコンピュータ81を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU86は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、シリアル入力回路260および入力ポート261を介して演出制御コマンドを受信する。この場合、シリアル入力回路260は、シリアルデータ方式として受信した演出制御コマンドをパラレルデータに変換し出力する。また、演出制御用CPU86は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)262に可変表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ81と共動して可変表示装置9の表示制御を行うVDP262が演出制御基板80に搭載されている。VDP262は、演出制御用マイクロコンピュータ81とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP262は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して可変表示装置9に出力する。
演出制御用CPU86は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP262に出力する。CGROMは、変表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(飾り図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP262は、演出制御用CPU86の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP262は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図4には、ダイオードが例示されている。
さらに、演出制御用CPU86は、シリアル出力回路253を介してLEDを駆動する信号を出力する。シリアル出力回路は、入力したLEDを駆動する信号(パラレルデータ)をシリアルデータに変換して中継基板88に出力する。また、演出制御用CPU86は、音声合成用IC173に対して音番号データを出力する。
また、クロック信号出力部256は、クロック信号を中継基板88に出力する。クロック信号出力部256からのクロック信号は、中継基板88,89を介して各枠側IC基板473a、473b、473c、310L、310R、332L、332R、353、340L、340R、508に搭載されたシリアル−パラレル変換ICや入力ICに供給される。また、クロック信号出力部256からのクロック信号は、中継基板88を介して盤側IC基板98,99に搭載されたシリアル−パラレル変換ICや入力ICに供給される。したがって、この実施の形態では、各シリアル−パラレル変換ICおよび各入力ICに共通のクロック信号が供給されることになる。
また、入力取込信号出力部257は、演出制御用CPU86の指示に従って、中継基板88,607を介して、枠側IC基板508に入力取込信号(ラッチ信号)を出力する。枠側IC基板508に搭載された入力ICは、演出制御用マイクロコンピュータ81からの入力取込信号を入力すると、ジョグスイッチ512a〜512dの検出信号をラッチし、シリアルデータ方式として中継基板88,89を介して演出制御用マイクロコンピュータ81に出力する。
音声合成用IC173は、音番号データを入力すると、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路175に出力する。増幅回路175は、音声合成用IC173の出力レベルを、ボリューム176で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM174には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば飾り図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
また、演出制御基板80の演出制御用マイクロコンピュータ81は、制御信号としてのシリアルデータとともに、クロック信号を中継基板89に出力する。また、入力ICに入力信号をラッチさせるための入力取込信号を中継基板88に出力する。
中継基板88は、演出制御用マイクロコンピュータ81から入力したシリアルデータおよびクロック信号を、盤側IC基板98,99に搭載された各シリアル−パラレル変換ICに供給する。そして、各シリアル−パラレル変換ICは、入力したシリアルデータに付加されているアドレスが自分のアドレスに合致するか否かを確認し、合致していれば入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して、遊技盤6に設けられた各LED25a、25bに供給する。
また、中継基板89は、バス型に1系統の配線ルートで中継基板88と接続されており、各シリアル−パラレル変換ICに接続されるシリアルデータ線およびクロック信号線は、盤側IC基板上でバス形式に接続されている。また、盤側IC基板に搭載された各シリアル−パラレル変換ICにはそれぞれ固有のIDがある。
中継基板89に入力されたシリアルデータおよびクロック信号は、各枠側IC基板473a、473b、473c、310L、310R、332L、332R、353、340L、340R、508に搭載された各シリアル−パラレル変換ICに供給される。そして、各シリアル−パラレル変換ICは、入力したシリアルデータに付加されているアドレスが自分のアドレスに合致するか否かを確認し、合致していれば入力したシリアルデータをパラレルデータに変換して、前面枠101に設けられた各LED51、52、28a、28b、28c、200a,200b、200c,201a、202a、203a,203b、510a〜510dに供給する。
また、各シリアル−パラレル変換ICに接続されるシリアルデータ線およびクロック信号線は、各枠側IC基板上でバス形式に接続されている。また、シリアル−パラレル変換ICに接続されるシリアルデータ線およびクロック信号線は、中継基板89から直接接続される。また、各枠側IC基板に搭載された各シリアル−パラレル変換ICにはそれぞれ固有のIDがある。
また、枠側IC基板508には、前面枠101に設けられたジョグスイッチ512a〜512dの検出信号を入力する入力ICが搭載されている。この実施の形態では、枠側IC基板508に搭載された入力ICと演出制御用マイクロコンピュータ81とは、中継基板88,89を介して入力信号線、クロック信号線および入力取込信号線が接続されており、演出制御用マイクロコンピュータ81は、所定のタイミングで、入力取込信号を中継基板88,89を介して入力ICに出力する。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ81は、入力ICに入力取込信号を出力するタイミングとは異なるタイミングで、入力取込信号を入力ICに出力する。すると、入力ICは、入力取込信号(ラッチ信号)にもとづいてジョグスイッチ512a〜512dからの検出信号をラッチし、中継基板88,607を介して演出制御用マイクロコンピュータ81に出力する。この場合、入力ICは、ジョグスイッチ512a〜512dからパラレルに入力した検出信号をシリアルデータに変換して出力する。
尚、演出制御用マイクロコンピュータ81は、入力ICに入力取込信号を出力するタイミングとは異なるタイミングで、入力取込信号を入力ICに出力しているが、入力ICに入力取込信号を出力するタイミングと同じタイミングで、入力取込信号を入力ICに出力してもよい。
盤側IC基板88,89に搭載されたシリアル−パラレル変換ICと各枠側IC基板473a、473b、473c、310L、310R、332L、332R、353、340L、340R、508に搭載されたシリアル−パラレル変換ICとは、1系統の配線を介して接続されている。1系統の配線を介して接続とは、具体的には、各中継基板88,89がバス型に接続されているとともに、各シリアル−パラレル変換ICがバス型またはデイジーチェーン型に接続されていることである。なお、この実施の形態では、各シリアル−パラレル変換ICはバス型に接続されている。このように、この実施の形態では、盤側IC基板に搭載された各シリアル−パラレル変換ICと、各枠側IC基板に搭載された各シリアル−パラレルICとが、中継基板88,89を介してコネクタを用いて1系統の配線を介して接続されている。そのため、コネクタの着脱を行うだけで前面枠101と遊技盤6との配線作業を行うことができ、前面枠101と遊技盤6との着脱作業をさらに容易に行えるようにすることができる。
また、この実施の形態によれば、盤側IC基板に搭載されたシリアル−パラレル変換IC、枠側IC基板に搭載されたシリアル−パラレル変換ICおよび入力ICに、演出制御用マイクロコンピュータ81から共通のクロック信号を入力する。そのため、シリアル−パラレル変換ICへのクロック信号の配線と入力ICへのクロック信号の配線とを共通化することができ、演出制御手段と盤側IC基板との間の通信、および演出制御手段と枠側IC基板との間の通信を、それぞれ1チャネルを用いて実現することができ、配線数を低減することができる。また、盤側IC基板に搭載されたシリアル−パラレル変換IC、枠側IC基板に搭載されたシリアル−パラレル変換IC、および入力ICとを容易に同期させることができ、クロック信号用の配線数も低減することができる。
この実施の形態では、各シリアル−パラレル変換ICには、あらかじめアドレスが付与されており、演出制御用マイクロコンピュータ81は、シリアルデータに変換した制御信号を出力する際に、シリアルデータにアドレスを付加して出力する。尚、制御信号は、固定長(コマンドのバイト数(例えば2バイトや3バイトのコマンド))のコマンドで構成され、アドレスに対応するビットを異ならせている。各IC基板に搭載されたシリアル−パラレル変換ICは、シリアルデータを入力すると、入力したシリアルデータに付加されているアドレスが自分のアドレスに合致するか否かを確認し、合致していればパラレルデータに変換して各LEDに供給する(すなわち、出力する)。アドレスが合致していなければ各LEDへの供給は行わない。
つまり、演出制御用マイクロコンピュータ81は、満タンスイッチ19からの満タン信号が入力されたときに遊技制御用マイクロコンピュータ156から出力される受皿LED202aを点滅(発光)させる旨を示す演出制御コマンドを受信したことに基づいて、前面枠101側に設けられた受皿LED202aを制御するための制御信号を出力するときには、枠側シリアル−パラレル変換回路(受皿LED202aに信号を出力する枠側シリアル−パラレル変換回路)を特定可能なアドレス情報を付加した制御信号をシリアル出力回路253からシリアル信号方式で出力する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ81は、大当り遊技状態以外の状態においてカウントスイッチ23から球検出信号が入力されたときに遊技制御用マイクロコンピュータ156から出力される供給皿左LED200a,供給皿右LED200bを点滅(発光)させる旨を示す演出制御コマンドを受信したことに基づいて、前面枠101側に設けられた供給皿左LED200a,供給皿右LED200bを制御するための制御信号を出力するときには、枠側シリアル−パラレル変換回路(供給皿左LED200aと供給皿右LED200bとに信号を出力する枠側シリアル−パラレル変換回路)を特定可能なアドレス情報を付加した制御信号をシリアル出力回路253からシリアル信号方式で出力する。
(パチンコ機の全体構成(前面側))
次に、パチンコ機1の全体構成(前面側)を説明する。図5は、パチンコ機1の開放した状態を示す斜視図であり、図6は、前面枠及び機構板を斜め背面側から見た状態を示す斜視図である。
パチンコ機1は、図5及び図6に示されるように、複数のパチンコ機1を並設可能な図示しない遊技機設置島に固設される縦長の方形状をなす外枠100と、外枠100の一側を中心に開閉可能に取り付けられた前面枠101と、前面枠101の一側を中心に開閉可能に取り付けられ、前面枠101の背面側に配置される機構板105と、から主に構成されている。これらのうち外枠100は木材にて構成され、前面枠101及び機構板105は合成樹脂財にて構成されている。
前面枠101の前面には、ガラス扉枠102及びその下方に配置される上皿扉枠103が一側を中心にそれぞれ開閉可能に設けられているとともに、上皿扉枠103の下方には下皿枠104が取り付けられている。ガラス扉枠102の中央には、閉状態において遊技盤6の表面に形成された遊技領域7の前方を被覆するとともに、該遊技領域7を遊技者側から透視可能とする略円形の透視窓110が設けられている。透視窓110の上部左右側には、前面枠101の上部左右側に配設されるスピーカ27,27から出力される音を放音するための放音穴111が形成されている。
上皿扉枠103は、前面に前述した打球供給皿3が取り付けられているとともに、ガラス扉枠102を開放することにより開放可能となるように構成されている。打球供給皿3の上流側端部には、背面側の機構板105に設けられた球払出装置97から払い出される賞球を受け入れ可能とする払出口112が形成されているとともに、打球供給皿3に待機(貯留)している待機球を前面枠101の背面に形成された後述する余剰球誘導通路に流出させて余剰球受皿4に返却するための球抜き口113が内部に形成されている。また、打球供給皿3の下流側端部には、打球供給皿3に待機している待機球を、後述する発射装置により打ち出される発射位置に誘導する待機球誘導口119が形成されている。尚、打球供給皿3の内部構造については後述する。
下皿枠104は、前面枠101の前面下部に取り付けられており、その前面には、余剰球受皿4及び打球操作ハンドル5が取り付けられている。また、余剰球受皿4の配設位置には、後述する余剰球誘導通路を流下してきたパチンコ球が返却される返却口120が形成されている。尚、余剰球受皿4の内部構造については後述する。
前面枠101は、前述した遊技盤6を背面側から取り付け保持可能に構成されているとともに、該遊技盤6の前面に形成された遊技領域7を前面側から視認可能とするための略円形の遊技用開口114が略中央に形成されている。遊技用開口114の上部左右側には、スピーカ27を有するスピーカユニット27aを前面側から嵌合することにより取り付け可能なスピーカ取付穴115が形成されている。スピーカユニット27aは、スピーカ27本体と、該スピーカ本体を被覆するカバー体とが一体化されてなるものであり、スピーカ取付穴115に取り付けられた状態において、その後部が前面枠101の背面側に突出した状態で取り付けられるようになっている(図10参照)。
上皿扉枠103の閉状態において前記払出口112に対向する箇所には、該払出口112に連通する払出連通口112aが形成されている。また、払出連通口112aの下方には、上皿扉枠103が開放されたときに払出口112から賞球を回収して余剰球誘導通路130に流出させて余剰球受皿4に返却するための賞球返却通路407a(図14参照)に連通する賞球返却口113aが形成されている。また、賞球返却口113aの近傍には、後述するファール球を前面枠101の背面側に形成される余剰球誘導通路130に流出させるためのファール球口116が形成されている。また、ファール球口116のさらに側方には、打球供給皿3から球抜き口113を介して流出された待機球を前面枠101の背面側に形成される余剰球誘導通路130に流出させるための球抜き連通口106が形成されている。
前面枠101の前面における遊技用開口114の下方には、発射装置により打ち出される打球を遊技領域7に向けて誘導する打球誘導レール117(図1参照)が設けられる。また、打球誘導レール117の途中には、発射装置により打ち出されたものの遊技領域7に到達することなく戻ってきたファール球を前述したファール球口116に誘導して回収するファール球誘導通路118が形成されており、該ファール球は、ファール球口116を介して背面側の余剰球誘導通路130に流出された後、余剰球受皿4に返却されるようになっている。また、このファール球誘導通路118近傍には、打球供給皿3から球抜き口113を介して流出された待機球を球抜き連通口106に誘導する球抜き誘導通路(図示略)が形成されており、これらファール球及び待機球はファール球口116及び球抜き連通口106に連通する誘導通路を介して余剰球誘導通路130に流出される。
(パチンコ機の全体構成(背面側))
次に、パチンコ機1の全体構成(背面側)を図7〜図9に基づいて説明する。図7は、前面枠を示す背面図であり、図8は、余剰球誘導通路の構造を示す要部拡大斜視図であり、図9は、図7のA−A断面図である。
前面枠101の裏面下部には、図7〜図9に示されるように、機構板105側に設けられる球払出装置97から払い出されたパチンコ球を払出連通口112aに向けて誘導する第1払出球誘導通路131aに接続される第2払出球誘導通路131bと、上方の払出連通口112aと下方の返却連通口120aとを連通する余剰球誘導通路130と、アウト口26に流入したアウト球を機構板105側に形成された後述する合流通路163に向けて誘導するアウト球誘導通路132と、が形成されている。
第2払出球誘導通路131bの上流側端部は、払出連通口112aの上方位置において第1払出球誘導通路131aの連通口131cに接続され、該第1払出球誘導通路131aを流下してきた払出球が流入されるようになっている。流入した払出球は、後述するバックプレート135に取り付けられた傾斜板133上に落下し、該傾斜板133により前方の払出連通口112aに向けて誘導されるようになっている。また、この第2払出球誘導通路131bの下流側は、払出連通口112aの下端縁から背面側に向けて突設されるとともに、前記傾斜板133が上面に載置される傾斜板保持片133aの側方に形成されており、余剰球誘導通路130の上流側端部と連通している。
従って、打球供給皿3が満杯になって払出連通口112aを介して傾斜板133上まで球が詰まってきた場合、第2払出球誘導通路131bから傾斜板133上に誘導落下された払出球は、傾斜板133から側方に溢れて余剰球誘導通路130内に流入することになる。すなわち、打球供給皿3から溢れた余剰球は、余剰球誘導通路130内に流入して返却連通口120aに誘導されるようになっている。
余剰球誘導通路130は、前面枠101の裏面から背面側に向けて突設された水平な樋板134(図8,図9参照)により底面が形成されている。また、前側面は前面枠101の前面板101aにより形成されているとともに、背側面は合成樹脂材からなるバックプレート135及び流し部材136の背面板(図6,図9参照)により形成されており、払出連通口112a側から返却連通口120a側に向けて下方に傾斜するように、左右方向に延設されている。このように余剰球誘導通路130は、底面及び前後側面が被覆されている。
バックプレート135は、図6に示されるように、第2払出球誘導通路131b、余剰球誘導通路130、アウト球誘導通路132の背側面を被覆可能な横長板状に形成されており、その周縁の複数箇所に取り付けられる複数のバックプレート取付ネジN1,N2により前面枠101の背面下部に取り付けられるようになっている。
バックプレート135の上辺には、遊技盤6下部に形成されたアウト口26の背面を被覆するアウト口被覆部材(図示略)との干渉を回避するための切り欠き137が形成されている。また、アウト球誘導通路132の下流側端部との対向位置にはアウト球連通口138が形成されているとともに、第1払出球誘導通路131aの連通口131cとの対向位置には連通口131dが形成されている。
また、バックプレート135の前面には、前述した傾斜板133の後端が傾斜板保持片133aとの対向位置に取り付けられているとともに、アウト球誘導通路132の底面を構成する樋板139(図9参照)の背面側の端部と該バックプレート135の前面との間に形成される隙間を塞ぐための突片140(図9参照)が、樋板139に沿って突設されている。
尚、このような突片は、図示はしないが、特に余剰球誘導通路130の上方に形成される樋板、すなわち、余剰球誘導通路130の上方を閉塞している前面枠101の背面に突設された板部材の背面側端部とバックプレート135の前面との間に設けられることが好ましい。つまり、余剰球誘導通路130の上方は、アウト球誘導通路132の底面を構成する樋板139を含む前面枠101の背面から略水平に突設される複数の板部材により閉塞され、これら板部材によりアウト口26との連通が遮断されているため、これら板部材の背面側端部とバックプレート135の前面との間に隙間を突片により閉塞することで、余剰球誘導通路130内に進入されたセル板等の不正器具を前記隙間から余剰球誘導通路130の外部に延出してアウト口26にアプローチさせることが困難となる。
また、余剰球誘導通路130の上方には、該余剰球誘導通路130と同様に前面枠101の背面に形成されたアウト球誘導通路132が形成され、これら通路は互いに垂直方向を向く前面枠101の背面に沿って上下に配設されているとともに、互いの通路の背面が1枚のバックプレート135により被覆されることで互いに非連通状態とされているため、返却口120からアウト口26に連通するアウト球誘導通路132への不正器具の挿通が困難となっている。
また、アウト口26と返却口120とは、パチンコ機1の左右方向の略中央位置に互いに上下に配設されているが、返却口120から上流側、すなわち、払出口112側に向けて延設される余剰球誘導通路130は、返却口120の背面奥方において、その上方に配設されたアウト球誘導通路132を避けるように、パチンコ機1を正面から見て左斜め上方(背面から見て右斜め上方)に向けて屈曲形成されていることで、パチンコ機1の前面側から返却口120を介して余剰球誘導通路130内に挿通した不正器具をそのまま押し込んだときにバックプレート135に当たってしまい、さらに奥方まで差し込むためには左側に屈曲させなければならないため、不正器具を挿入し難くなっている。
また、バックプレート135は複数のバックプレート取付ネジN1,N2により前面枠101の背面下部に取り付けられるため、余剰球誘導通路130やアウト球誘導通路132内で球詰まりが発生した場合でもバックプレート135を取り外すことで球詰まりを解消することができる。
流し部材136は、返却連通口120aの背面を被覆するとともに、上面に形成された受け入れ口136aを介して受け入れた余剰球を、返却連通口120a側に向けて誘導可能な前面及び上面が開口する箱状に形成された部材である。そして、その周縁に取り付けられる複数の流し部材取付ネジN3により前面枠101の背面下部に取り付けられるようになっている。
また、受け入れ口136aの後縁辺からは取付片136b(図6参照)が上向きに立設されており、該取付片136bの背面にはバックプレート135の下部が当接されるようになっている(図9参照)。このように流し部材136の背面側にバックプレート135を配置した状態において、バックプレート135の背面下部側から取り付けたバックプレート取付ネジN2を取付片136bの両端に挿通して前面枠101の裏面に形成されたネジ孔に螺入するようになっている。つまり、流し部材136の取付片136bの背面とバックプレート135の下部とが重合した状態で取り付けられることで、バックプレート135が背面側に向けて押圧されても取付片136bとの間に隙間が形成されにくくなっている。
また、余剰球誘導通路130の背面を被覆するバックプレート135は、背面に配置される機構板105が図示しない係止部材等を介して前面枠101に係止されることで、該機構板105の前面により前面枠101側に向けて押圧されるようになっているため(図9参照)、余剰球誘導通路130に挿入されたセル板等によりバックプレート135が背面側に向けて押圧されても、樋板139の背面側端部との間に隙間が形成されにくい。
余剰球誘導通路130は、図7,図8に示されるように、通路途中に上下方向に屈曲する段部141が形成されており、該段部141には満タンスイッチ19が設けられている。詳しくは、樋板134の一部が段部141において切り欠かれており、該切欠部には、満タンスイッチ19を押圧可能なスイッチ片19aが、前面枠101に枢支された上端を中心に揺動自在に設けられている。スイッチ片19aは、通常時においてその一部が通路内に突出する突出位置に保持されており、余剰球受皿4の球が満杯状態となって満タンスイッチ19の下流側に余剰球が詰まって滞留し、その球によりスイッチ片19aが押圧されて満タンスイッチ19がon状態となった場合には、球払出装置97の駆動が停止されて賞球及び貸球の払出動作が不能動化されるようになっている。
このように余剰球誘導通路130が前面枠101側に形成されているため、満タンスイッチ19も前面枠101に取り付けられている。また、余剰球誘導通路130における段部141の近傍には、前述した賞球返却口113a及びファール球口116が形成されており、ファール球及び返却賞球が、該余剰球誘導通路130を介して余剰球受皿4に返却されるようになっているとともに、返却連通口120aの上方には球抜き連通口106が形成されており、打球供給皿3から流出された待機球が余剰球受皿4に返却されるようになっている。
アウト球誘導通路132は、段部141よりも下流側の余剰球誘導通路130の上方位置において払出連通口112a側に向けて延設されており、前面枠101の裏面から背面側に向けて突設された水平な樋板139(図8,図9参照)により底面が形成されている。また、前側面は前面枠101の前面板101aにより形成されているとともに、背側面はバックプレート135(図6,図9参照)により形成されている。
そして、アウト口26から流下してきたアウト球は、下流側端部において背面側に誘導され、バックプレート135に形成されたアウト球連通口138を介して機構板105側に流出されるようになっている。
次に、機構板105の構造について説明すると、図2及び図6に示されるように、機構板105の上部には球タンク38が設けられ、図示しない遊技機設置島の供給樋より導出された供給管(図示略)よりパチンコ球が球タンク38に供給されるようになっているとともに、球タンク38内に貯留されたパチンコ球は、供給球誘導通路160を流下して払出装置97に供給されるようになっている。
また、供給球誘導通路160の経路中には球切れスイッチ197が設けられており、この球切れスイッチ197により払出装置97での1回の球貸球数である25球のパチンコ球が通路内に準備されているか否かが検出されるようになっている。
この払出装置97には、球切り用のスプロケット(図示略)が設けられており、これらスプロケットが駆動回転されることでパチンコ球が1球ずつ下方に排出されるようになっている。また、スプロケットが同期回転することで交互にパチンコ球が排出される。尚、これら排出されたパチンコ球は、図示しない賞球用カウントスイッチにて検出された後、前述した第1払出球誘導通路131aを流下し、前面枠101側の第2払出球誘導通路131b内に流出して打球供給皿3に供給されるようになっている。
また、供給球誘導通路160における球払出装置97の配置位置の上流側には、球タンク38及び供給球誘導通路160内のパチンコ球を排出するための球抜き通路161の上端が接続されており、球抜き弁710を球抜きレバー730(図28参照)を操作することにより、球タンク38及び供給球誘導通路160内のパチンコ球を外部に排出することができるようになっている。
球抜き通路161は、機構板105の前面におけるアウト球連通口138との対向位置に形成された合流口162まで延設されている。また、合流口162からは、合流通路163が下方に向けて延設されている。つまり、アウト球誘導通路132を流下してくるアウト球及び後述する入賞球は、アウト球連通口138及び合流口162を介して合流通路163内に流入し、機構板105の下面から機構板105外部に排出されるようになっている。尚、機構板105外部に排出されたパチンコ球は、図示しない遊技機設置島に設けられるアウト球タンク内に落下し、計数された後に遊技機設置島内に貯留される。
また、機構板105の下部前面側には、前述した遊技領域7において各種入賞口15,20,29,30,33,39に入賞した入賞球を回収する入賞球回収路164が設けられている。各種入賞口15,20,29,30,33,39に入賞した入賞球は、遊技盤6を通して背面側に流出された後、図7に示されるように、遊技盤6の背面を覆うように形成された入賞球誘導カバー体170(図9参照)により収集されるようになっている。収集された入賞球は、図9に示されるように、入賞球誘導カバー体170の下面に形成された流出口171を介して下方に流出された後、該流出口171の鉛直下方に配置される入賞球回収路164の上面開口から入賞球回収路164内に落下される。
入賞球回収路164内に落下した入賞球は、その下部に形成された連通路165を介して前面枠101側のアウト球誘導通路132の上流部に流出されるようになっている。つまり、回収された入賞球は、アウト球誘導通路132から再び機構板105側の合流通路163に流出されるため、機構板105を介して外部に排出されることになる。
このように機構板105には、第1払出球誘導通路131a,供給球誘導通路160,球抜き通路161,合流通路163,入賞球回収路164等の余剰球誘導通路130を除く各種球通路が形成されている。
以上説明したように、本実施例のパチンコ機1にあっては、余剰球誘導通路130を、打球供給皿3から溢れた余剰球が機構板105を介すことなく余剰球受皿4に誘導されるように前面枠101の背面に形成するとともに、該前面枠101の背面における余剰球誘導通路130近傍に満タンスイッチ19を設けているため、従来のように、余剰球誘導通路130の一部に機構板105側に形成した通路との連通部等が形成されることがないので、余剰球受皿4から不正器具等を進入させても、該不正器具を余剰球誘導通路130の外部に突出させることが困難となるため、不正器具を前面枠101の背面とその背面側に配置される機構板105の前面との間からアウト口26を介して遊技領域7内の特別可変入賞球装置20の開閉板等を強制的に開放させて球を不正に入賞させるといった不正行為を効果的に防止することができる。
また、余剰球誘導通路130が前面枠101から機構板105にわたり形成されることがない、つまり通路内における前面枠101と機構板105との連通部に段部等が形成されることがないので、球詰まりの発生等が防止される。
(球タンク及びスピーカの取り付け構造)
次に、球タンク38及びスピーカ27の取付構造を図10及び図11に基づいて説明する。図10は、機構板が組み付けられた前面枠の上部を背面側から見た状態を示す要部斜視図であり、図11は、図10のB−B断面図である。
前面枠101の背面上部左右側には、前述したスピーカ取付穴115,115が内部に形成される前面が開口する膨出部121,121が、背面側に向けて膨出するように形成されている。該膨出部121の背面側には、後述する垂直面122が形成されており、該スピーカ取付穴115,115内に前面側から嵌合されるスピーカユニット27aの後面の一部が該垂直面122の前面側にて当接規制される。また、該垂直面122の側方には開口123(図11,図15参照)が形成されており、スピーカ取付穴115が背面側に開放されるようになっており、スピーカユニット27aの後部の一部が該開口123を介して垂直面122よりも背面側に向けて突出されるようになっている(図11参照)。
膨出部121の内面上部には、スピーカユニット27aの上面に形成された上下方向を向く位置決め溝27bに嵌合可能な位置決め片27c(図14参照)が突設されており、スピーカ取付穴115内でのスピーカユニット27aのガタツキが防止されるようになっている。
球タンク38は、図10及び図11に示されるように、機構板105の背面上部、詳しくは後述する上辺部700a(図28参照)の背面側に凹設された球タンク取付部720に背面側からネジにより取り付けられる。球タンク38は、上面が開口する所定深さを有する平面視略長方形状の箱体からなり、図11に示されるように、平面視で略横長長方形状に形成されているとともに、前面枠101と対向する前側板38bの右側角部(図中向かって左側角部)には、前方及び側方に開放する切欠凹部38aが内向きに凹むように形成されている。また、底面側方には、供給球誘導通路160を構成するタンクレール722に連通する流出口38cが形成されており、底面は該流出口38cに向けて下方に傾斜するように配置されている。
一方、機構板105の球タンク取付部720における右側角部には、球タンク38と同様の機構板切欠凹部720aが内向きに凹むように形成されている。この機構板切欠凹部720aにおける前側面は垂直面122及び内側面124に当接し、後側面は切欠凹部38aの前側面(外面)が当接するようになっている。
このように、球タンク38における前面枠101の背面と対向する前側板38bの角部に形成した切欠凹部38a内に右側のスピーカユニット27aの一部を収容するように配設することができる。すなわち、球タンク38の前側板38bにおける切欠凹部38aの形成箇所以外の部分が、左右に配設されるスピーカユニット27aの背面よりも前方に配置されるため、スピーカ27が大型化されてスピーカユニット27aの前後幅が長寸となり、球タンク38の側部と干渉する虞がある場合でも、球の貯留量を低減することなく、かつ、前面枠101の裏面側に大きく張り出すことなく球タンク38を配設することができ、これにより遊技機設置島(図示略)内に設けられる各種装置との干渉等を回避することができる。
また、スピーカユニット27a,27aが前面枠101の左右側に離間配置されている場合において、該スピーカユニット27a,27aの配設位置と同高さ位置に配設することができるとともに、左右のスピーカユニット27a,27aの間のスペースを利用して球の貯留スペースを効率的に形成できるばかりか、左右方向の幅寸法を全体的に短寸とすることなく、スピーカユニット27a,27aの背面側にも貯留スペースを形成することができるため、球の貯留量が著しく低減されることがない。
つまり、球タンク38は、前側板38bの角部に切欠凹部38aが形成されていることで、球の貯留領域は、左右のスピーカユニット27a,27a間に形成される前後幅L1の第1の貯留領域と、切欠凹部38aの背面側に形成されるL1よりも短寸の前後幅L2を有する第2の貯留領域と、から構成されている。
また、球タンク38の切欠凹部38aの外側面が、前面枠101の背面側に突出するスピーカユニット27aの本体外面に直接接触することはなく、スピーカユニット27aの本体外面に直接当接する垂直面122及び該垂直面122に当接する機構板105の本体板(球タンク取付部720)を介して間接的に当接するようになっているため、スピーカ27が音を出力することにより生じる振動が球タンク38に伝達されやすくなり、該振動により、球タンク38内に貯留されるパチンコ球が均されて、偏りなく貯留されるようになるため、球詰まり等の発生を効果的に防止できる。
尚、本実施例では、球タンク38の左右の切欠凹部38a,38aの前側面(外面)が、機構板105の球タンク取付部720背面に当接した状態で設けられていたが、少なくともスピーカユニット27aの背面または側面の一部に近接した状態で設けられていれば、必ずしも直接当接した状態で設けられていなくてもよいし、球タンク取付部720背面やスピーカユニット27aの背面または側面から離間した状態で配設されていてもよい。また、スピーカユニット27aの背面または側面の少なくとも一部に直接当接した状態で設けられていてもよい。
また、スピーカ27及びスピーカユニット27aが大型化し、前面枠101の背面から背面側に向けて大きく膨出するように取り付けられた場合、球タンク38の左右幅を左右のスピーカユニット27a,27a間に納まるように短寸にすると、球の貯留量が制限されるが、上記のように球タンク38の一部に内側に凹む凹部38aを形成し、該凹部38a内にスピーカユニット27aの一部を嵌合させた状態で球タンク38を取り付けることで、左右幅全体を短寸にしなくても済むため、貯留量の低減を回避できるばかりか、球タンク38を左右のスピーカユニット27a,27aよりも背面側に大きく突出させなくて済み、パチンコ機1の前後幅が大寸となることがないので、スペース効率よく配設することができる。
(電源基板ケース及び払出制御基板ケースの取り付け構造)
次に、機構板105の背面下部に設けられる電源基板910が収納された電源基板ケース910a及び払出制御基板37が収納された払出制御基板ケース37aの取り付け構造に次いて、図12及び図13に基づいて説明する。図12は、機構板の背面下部を背面側から見た状態を示す要部斜視図であり、図13は、図12のC−C断面図である。
図12に示されるように、機構板105の背面下部(図12中下側)には、背面側から見て左側に電源基板ケース910aが取り付けられるとともに、右側に払出制御基板ケース37aが取り付けられるようになっている。具体的には、図13に示されるように、機構板105の内部を前後方向に仕切るように配設された仕切り板180の背面側の取付面180a,180bにそれぞれ取り付けられる。機構板105を背面側から見て右側の取付面180bは、取付面180aから背面側に膨出した膨出部に形成されている。尚、仕切り板180を挟んで反対側、つまり、機構板105の前面下部(図13中上側)には前述した合流通路163,入賞球回収路164等が形成されているが、図13においては図示を省略している。
取付面180aの左側端部に設けられる側板181には、電源基板ケース910aの左側辺の上下に設けられる差込片185aが挿入される差込穴182が形成されている。また、取付面180aの右側には、電源基板ケース910aの右側辺に設けられる押え片185bに係脱可能に設けられた押え用レバー183が、取付板180から背面側に向けて突設された前後方向を向く軸を中心に回動自在に設けられている。
取付面180bには、払出制御基板ケース37aの裏面に突設され、後述するスライド方向(図中左側)に向けて屈曲するフック189を挿通可能とするフック挿通用スリット190(図28参照)が左右方向に向けて形成されている。また、フック挿通用スリット190の右側には、払出制御基板ケース37aの右側面に当接して突っ張り可能な突張りレバー184が、取付板180から背面側に向けて突設された前後方向を向く軸を中心に回動自在に設けられている。
電源基板ケース910aの表面右側には、払出制御基板ケース37aが配置される段部186が形成されているとともに、該段部186における右側面には、払出制御基板ケース37aの左側辺から突設される係止片188が挿入可能な係止用スリット187が形成されている。尚、この該段部186の背面は、取付面180aに取り付けた状態において、取付面180bとほぼ面一をなす前後位置に形成されており(図13(b)参照)、払出制御基板ケース37aの取付面の一部を構成するようになっている。
ここで、図13に基づいて、電源基板ケース910a及び払出制御基板ケース37aの機構板105への取付方法を説明する。
まず、図13(a)に示されるように、電源基板ケース910aの左側の差込片185aを差込穴182に挿通した状態で、取付面180aに向けて電源基板ケース910aの裏面を当接させる。そして、押え用レバー183を回転させて横向きにし、押え片185bを係止する。この状態で、電源基板ケース910aは取付面180aに仮止めされた状態となるとともに、段部186の背面は取付面180bとほぼ面一をなす。
次いで、図13(b)に示されるように、フック189をフック挿通用スリット190に挿通させて払出制御基板ケース37aの背面を取付面180bに当接させる。この状態で、該取付面180bの左側方に配置された段部186に向けて、払出制御基板ケース37aを取付面180bに押し当てた状態でスライド移動させる。
そして、図13(c)に示されるように、払出制御基板ケース37aの係止片188が係止用スリット187内に挿入されて左側面が段部186の右側面に当接した状態で、突張りレバー184を回転させて横向きにし、払出制御基板ケース37aを電源基板ケース910a側に向けて押圧する突っ張り位置に位置させる。
これにより、払出制御基板ケース37aは、フック189の係止作用により背面側への離脱が防止されるとともに、突張りレバー184により左右方向への移動が規制され、取り付け位置に保持される。また、電源基板ケース910aは、差込片185a及び押え用レバー183により取付面180aからの離脱及び左右方向のスライド移動が規制されるとともに、その背面側の一部を覆うように取り付けられた払出制御基板ケース37aにより取付面180aからの離脱が規制されるため、例えば押え用レバー183による押さえ忘れがあっても、払出制御基板ケース37aが突張りレバー184を介して背面側に取り付けられることで離脱が防止される。
このように、2つの制御基板ケース910a,37aのうち一方の制御基板ケース910aの背面側に段部186を設け、他方の制御基板ケース37aの一部を該段部186に当接するように背面側から覆うように取り付けできるようにする、すなわち、双方の制御基板ケース910a,37aの一部を互いに左右及びケースの厚み方向に重合させてスペース効率よく配設することができるばかりか、双方の制御基板ケース910a,37aを互いに係合させて取り付けるため、各制御基板ケースそれぞれに対応した取り付け部材等を取付面に設ける必要がないので、取り付け構造を簡素化できる。
さらに、2つの制御基板ケース910a,37aのうち不正行為が行われる可能性が高い制御基板ケースである払出制御基板ケース37aの方を背面側から覆うように取り付けるようにすることで、万が一払出制御基板ケース37aに何らかの不正行為が行われた場合においても早期のうちに発見することができる。一方、電源基板ケース910aに不正行為が行われたとしても制御に異常が生じることは少ないので、不正行為が行われる可能性は極めて少ないため、電源基板910の一部が払出制御基板ケース37aにより被覆されても問題はない。
(前面枠の前面に対する各種部品の取付構造)
次に、前面枠101の前面側から取り付けられる各種部材について、図14に基づいて説明する。図14は、前面枠の前面に組み付けられる各種部材を示す分解斜視図である。
前面枠101の上部左右側に形成されたスピーカ取付穴115,115には、前述したように、スピーカユニット27a,27aが前面側から取り付けられる。スピーカユニット27aの上面には、スピーカ取付穴115,115の上部内面に形成された前後方向を向く位置決め片27cに嵌合可能な位置決め溝27bが、上面後端から前方に向けて凹設されている。よって、スピーカユニット27aは、位置決め溝27bを位置決め片27cに合わせた状態で前面枠101の前面側からスピーカ取付穴115,115に向けて後部を挿入することにより、位置決め溝27bの前壁が位置決め片27cの前端に当接規制されることにより前後位置が決定されるとともに、スピーカ取付穴115,115に対してがたつきなく嵌合される。
この状態で、スピーカユニット27aに形成された各取付ネジ孔27dにスピーカ取付ネジ27eを取り付け、前面枠101に設けられたネジ孔27fにそれぞれ螺入することで前面枠101に取り付けられる。このようにスピーカ取付穴115,115に取り付けられた状態において、スピーカユニット27aの後部が前面枠101の裏面から背面側に向けて張り出すようになっている。
尚、スピーカユニット27aは、スピーカ27の音出力部(コーン正面)が前面に開放されるように、後方の本体部が箱状のカバー体(エンクロージャ)内に収納されて一体化されたものであるため、スピーカのコーンから正面に出る音と背面に出る音とが効果的に遮断され、これにより音が打ち消しあうことが防止されることで、特に低音域の音質が効果的に向上されるようになっている。尚、スピーカユニット27aの前面におけるスピーカ27の音出力部(コーン)の外側方には、カバー体(エンクロージャ)の内部(スピーカ背面)に連通する縦長長方形状の開口部が形成されており、背面からの音も利用して低音再生が行われることで、より音質が向上するようになっている。
また、左右のスピーカユニット27a,27aの間には、該スピーカユニット27aから延出される配線を被覆するスピーカ配線カバー400が、スピーカユニット27aの中央側を取り付ける取付ネジ27eにより取り付けられるとともに、左側のスピーカユニット27aの近傍に取り付けられるスピーカ中継基板401が、スピーカ配線カバー400により被覆されるようになっている。
前面枠101の前面における遊技用開口114の左側には、該前面枠101を補強する上下方向を向く上前面枠補強板金402がネジを介して取り付けられる。上前面枠補強板金402の下端には、上皿扉枠103の上端を回動自在に枢支する中ヒンジ板金403が取り付けられるとともに、その下方位置には、上皿扉枠103の下端を回動自在に枢支する下ヒンジ板金404が取り付けられている。また、上前面枠補強板金402よりも中央側には、破損防止カバー405が取り付けられている。
払出連通口112aの近傍には、シリアル中継基板406が取り付けられるとともに、その前方には貯留カバー407が取り付けられる。貯留カバー407は、ガラス扉枠102の開放時に払出連通口112aからこぼれた賞球を賞球返却口113aに誘導する賞球返却通路407aが背面側に形成されているとともに、この前面側に配置される打球供給皿3の裏面に形成される球抜き口113と対向する箇所には該球抜き口113と連通する球抜き連通口407bが形成されており、背面側に形成されるファール球誘導通路118に連通されている。
貯留カバー407の右側には、打球誘導レール117を構成する発射点レール408が取り付けられるとともに、さらにその右側には、上皿扉枠103をロックするロック装置のロック片(図示略)が係止される被係止部を有する上皿ロック409が取り付けられているとともに、その前方には錠前飾り411が取り付けられている。尚、遊技用開口114の内周左右側には、遊技盤6の帯電を防止するための中アース板金410,410がそれぞれ取り付けられている。
(前面枠の背面に対する各種部品の取付構造)
次に、前面枠101の背面側から取り付けられる各種部材について、図15に基づいて説明する。図15は、前面枠の背面に取り付けられる各種部品を示す分解斜視図である。尚、図15においては、前面枠101の背面を正面から見た状態として説明する。
前面枠101の背面上部におけるスピーカ取付穴115,115間には、ドアスイッチを構成するスイッチバー415、前板スイッチバネ416、ドアスイッチカバー417が取り付けられている。スイッチバー415は、前後方向を向く棒材にて構成されており、前板スイッチバネ416により前面側に向けて付勢された状態で設けられている。そして、通常状態においては、その前端が前面枠101の前面側に突出しており、前面枠101の前面側に配置されるガラス扉枠102が閉状態となったときに、該ガラス扉枠102の背面所定箇所に当接し、前板スイッチバネ416の付勢力に抗して背面側に向けて移動されるようになっている。
また、ガラス扉枠102により背面側に押圧された状態において、スイッチバー415の後端はドアスイッチカバー417から貫通して背面側に突出されるとともに、この状態において、前面枠101の背面側に配置される機構板105に設けられた後述する前板スイッチ706を押圧するようになっている。
すなわち、ガラス扉枠102が開放されたときには、スイッチバー415の前端は開放されるので、前板スイッチバネ416の付勢力により前方に付勢され、後端は前板スイッチ706から離脱されるので、ガラス扉枠102の開放が検出されるようになっている。
また、ガラス扉枠102が閉状態においては、スイッチバー415の後端は前板スイッチ706を押圧する状態で保持されるが、機構板105が開放された場合には、スイッチバー415は保持されたままであるが、その後端から前板スイッチ706が機構板105とともに離脱されるため、機構板105の開放も検出できる。
前面枠101における左右のスピーカ取付穴115,115は、前面枠101の上部背面から後向きに突設された膨出壁からなる膨出部121,121の内部にそれぞれ形成されている。膨出部121,121の背面におけるスピーカ取付穴115,115の背面側開口123の側方に形成された垂直面122及び左側下部には、機構板105を前面枠101の背面に近接配置した状態で保持するための機構板止め具418a,418bがそれぞれ突設されているとともに、遊技用開口114の右側上下位置には、機構板105の右側辺の上下端部を回動自在に支持する上機構板ヒンジ419a及び下機構板ヒンジ419bがそれぞれ突設されている。
また、前面枠101の背面右側上下角部には、外枠100に対して前面枠101を回動自在に枢支するための上内蝶番420a及び下内蝶番420bが取り付けられている。また、上機構板ヒンジ419aの近傍には上アース板金421aが取り付けられ、背面左下角部には下アース板金421bが取り付けられている。
遊技用開口114の周囲には、遊技盤6を遊技用開口114に対して着脱自在に保持するための上下一対の左遊技盤押え部材422a及び右遊技盤押え部材422bがそれぞれ4箇所に設けられている。また、背面左側には、外枠100に対して前面枠101を施解錠可能であるとともに、前面枠101に対してガラス扉枠102を施解錠可能な施解錠装置423が、左側辺部に沿って上下方向に設けられている。
背面右側には、下前面枠補強板金424が上下方向に向けて取り付けられている。また、余剰球誘導通路130における段部141(図8参照)の近傍には、前述した満タンスイッチ19、スイッチ片19a、前面枠中継基板424が配設されている。また、アウト球誘導通路132の上流側端部近傍に形成された凹部には、遊技盤6の下部を保持するためのセンターフック425が配設されているとともに、その下方には配線押さえ426が取り付けられている。
尚、バックプレート135、流し部材136に係わる部材に関しては、図6において説明済みであるため、ここでは同様の符号を付すことによりその説明は省略するものとする。
(ガラス扉枠構造)
次に、図16〜図18に基づいて、ガラス扉枠102の構造を説明する。図16は、前板飾りの前面に取り付けられる各種部品を示す分解斜視図であり、図17は、(a)は前板ベースの背面に取り付けられる各種部品を示す分解斜視図であり、(b)は前板ベースの前面に取り付けられる各種部品を示す分解斜視図であり、図18は、前板飾りと前板ベースとの組み付け状態を示す斜視図である。
ガラス扉枠102は、図18に示されるように、遊技者側から遊技盤6の表面に形成された遊技領域7を透視可能とするための円形状の透視用開口450aが中央に形成された前板飾り451(図16参照)と、前板飾り451の背面に取り付けられ、円形状のガラス窓取付用開口452aが中央に形成された前板ベース452(図17参照)と、から構成される。これら各部材451,452に形成される透視用開口451a及びガラス窓取付用開口452aは、その円弧の下部が各部材の下端辺から下方に向けて湾曲状に張り出すように形成されている。
まず、図16に基づいて前板飾り451の構造を説明すると、透視用開口451aの上方左右側には、スピーカ27から出力される音を前方に向けて放音させるための円形状の放音穴453,453がそれぞれ形成されている。また、左右の放音穴453,453の間には、後述するトップレンズが背面側から嵌合されるトップレンズ取付部464が前面側に突出するように形成されている。
前板飾り451の前面における透視用開口451aの周囲には、放音穴454が上部に形成された左上クリアベース455a及び右上クリアベース455bと、これら左上クリアベース455a及び右上クリアベース455bの下方に配置される左下クリアベース456a及び右下クリアベース456bが取り付けられる。
これら左上クリアベース455a、左下クリアベース456a及び右上クリアベース455b、右下クリアベース456bそれぞれの外側には、上下方向に延びる直線状のサイドインナーレンズ457a〜457dが並設されているとともに、その前面側には、透明な合成樹脂材からなる帯状の左サイドレンズ458a及び右サイドレンズ458bがそれぞれ取り付けられている。
これら棒状のサイドインナーレンズ457a〜457dにより、その背面側に配置される10個の左枠LED28b,右枠LED28cの光が上下方向に拡散されるようになっている。また、前面4隅には、ガラス扉枠102を回動するためのヒンジ(図示略)及び回動軸の他端を係合する係合部を被覆するヒンジカバー459a〜459dがそれぞれ取り付けられている。
放音穴453,453とトップレンズ取付部464との間には、透明なレンズからなり、LEDの光を透過可能な飾り部材460,460が取り付けられるとともに、左右の放音穴453,453の前面側には、スピーカ27のコーン等を保護するためのスピーカネット461が取り付けられるとともに、放音穴453,453の周囲を装飾する上ストラクチャー462a,462bが取り付けられる。また、下部左右側には、フレーム構造をなす下ストラクチャー462c、462dが取り付けられる。
さらに、前板飾り451の前面における透視用窓451aの左右側部に設けられる各種部材をそれぞれ前面側から被覆する透明な左クリアレンズ463a,右クリアレンズ463bと、前板飾り451の前面における透視用窓451aの上部を被覆する透明な上クリアレンズ463cがそれぞれ取り付けられる。尚、これら左クリアレンズ463a,右クリアレンズ463bを通して上ストラクチャー462a,462bや下ストラクチャー462c、462dが視認可能とされている。
また、上記各種レンズは、LEDからの光を透光可能な透光性を有する合成樹脂材等にて構成されていればよい。
次に、図17に基づいて前板ベース452の構造を説明すると、図17(a)に示されるように、ガラス窓取付用開口452aには、透明なガラス窓(図示略)が背面側から取り付けられ、ガラス窓取付用開口452aの周囲4箇所に設けられた窓押さえ470により保持されるようになっている。また、ガラス窓取付用開口452aの上部左右側には円筒状の放音穴471が形成されている。
前板ベース452の背面左右側辺部及び上辺部には、左前板補強板金472a,右前板補強板金472b,上前板補強板金472cがそれぞれネジにより取り付けられて補強されている。
図17(b)に示されるように、前板ベース452の前面下辺部には、下前板補強板金472dが前面側から取り付けられて補強されている。前面における左右の放音穴471,471間には、天枠LED28aが前面に複数実装された中前板天基板473a及びその左右側に配設される左前板天基板473b及び右前板天基板473cが取り付けられているとともに、左前板天基板473b及び右前板天基板473cの前面側には、左天基板シート474a,右天基板シート474bが取り付けられる。
前板ベース452の前面左右辺部には、複数の左枠LED28b及び1つの賞球LED51が前面に実装された上下方向に延びる左前板基板475aと、複数の右枠LED28c及び1つの球切れLED52が前面に実装された上下方向に延びる右前板基板475bとが取り付けられるとともに、これらの前面側には、左前板基板シート476a及び右前板基板シート476bが取り付けられる。
このように構成された前板飾り451及び前板ベース452は、図18に示されるように、前板ベース452の前面と前板飾り451の背面とを互いに当接させた状態でネジ止めすることにより一体化されて、ガラス扉枠102として構成される。尚、前板飾り451のトップレンズ取付部464には、トップレンズ480、トップレンズカバー481、トップレンズベース482が背面側から取り付けられ、これらトップレンズ480、トップレンズカバー481、トップレンズベース482が取り付けられた状態で前板飾り451と前板ベース452とが一体化される。
また、前板飾り451の前面下辺部には、下飾り483が配置され、該下飾り483の裏面に、前板飾り451と前板ベース452とを一体化するためのネジが螺入されるようになっている。また、前板ベース452の背面における左前板補強板金472a背面には、前板返し板金477が取り付けられる。
(打球供給皿の内部構造)
次に、打球供給皿3の内部構造を、図19〜図21に基づいて説明する。図19は、打球供給皿の内部構造を示す分解斜視図であり、図20は、同じく打球供給皿の内部構造を示す分解斜視図であり、図21は、同じく打球供給皿の内部構造を示す分解斜視図である。
図19に示されるように、打球供給皿3は、上皿扉枠103の本体を構成する上皿本体板300と、上皿本体板300の前方及び左右側方を被覆する上皿カバー体301と、上向きに開口する皿状に形成される上皿球受け302と、から主に構成されている。上皿本体板300の前面左右側には、供給皿左発光部200L及び供給皿右発光部200Rを構成する各種部材が組み付けられるとともに、上皿本体板300の前面中央には、上皿カバー体301及び上皿球受け302が前面側から取り付けられる。尚、上皿本体板300の前面中央上部には、上皿球受け302に待機する待機球との当接による磨耗を保護するカバーシール315が取り付けられる。
上皿本体板300の前面左右側には、供給皿左LED200a及びその外側に配置された供給皿左外LED200cを前面に有する上皿左サイド基板310L,供給皿右LED200b及びその外側に配置された供給皿右外LED200cを前面に有する上皿右サイド基板310Rと、上皿左基板シート311L,上皿右基板シート311Rと、上皿左横飾り312L,上皿右横飾り312Rと、上皿左クリアベース313L,上皿右クリアベース313Rと、上皿左サイドレンズ314L,上皿右サイドレンズ314Rと、がそれぞれ記載した順に前面側から取り付けられている。
また、上皿本体板300の前面における上皿左サイド基板310L,上皿左基板シート311L,上皿左横飾り312L,上皿左クリアベース313L,上皿左サイドレンズ314Lのさらに左側には、上皿扉枠103を前面枠101に対して回動可能に枢支するための上皿ヒンジ316及び上皿軸カバー317が取り付けられている。
上皿カバー体301は、合成樹脂材からなる1枚の板材を側面視で略V字状をなすように屈曲し、該屈曲部が前方に向けて突出するように形成されており、内部空間に上皿球受け302が配設可能とされている。また、左右方向を向く屈曲部301aは上下方向に所定幅を有しており、該屈曲部301aに供給皿前発光部201を構成する横長帯状の前面が形成されている。
そしてその左右側部には、上皿左横飾り320L,上皿右横飾り320Rが背面側から差し込まれて取り付けられるとともに、上皿左横飾り320L,上皿右横飾り320Rの外側には、上皿左横Vレンズ321L,上皿右横Vレンズ321Rと、上皿左横レンズ322L,上皿右横レンズ322Rと、ロゴ(図示略)が刻印された左ロゴレンズ323L,右ロゴレンズ323Rと、がそれぞれ記載した順に取り付けられている。
また、屈曲部301aの背面には、上皿前レンズ330と、上皿前中レンズ331と、上皿前左反射板332L,上皿前右反射板332Rと、上皿前左シート333L,上皿前右シート333Rと、供給皿前LED201aを前面に有する上皿前左基板334L,上皿前右基板334Rと、上皿前基板カバー335と、がそれぞれ記載した順に背面側から取り付けられている。
この棒状の上皿前中レンズ331により、その背面側に配置される4つの供給皿前LED201aの光が左右方向に拡散されるようになっている。
このように、供給皿左発光部200Lを発光させる発光体としての供給皿左LED200aを有する上皿左サイド基板310L及び供給皿左発光部200Rを発光させる発光体としての供給皿右LED200bを有する上皿右サイド基板310Rは、上皿本体板300の前面左右側にそれぞれ前向きに設けられている。従って、パチンコ機1の左右側面側を向く供給皿左発光部200L及び供給皿右発光部200Rは、前方に向けて光を照射する供給皿左LED200a,供給皿右LED200bの前方に前後方向に縦向き姿勢で配置される各レンズ321L〜323L,321R〜323Rが間接的に面発光することで発光するようになっている。
また、本実施例では、特に図示はしないが、三角形状の左ロゴレンズ323L,右ロゴレンズ323Rは、刻印された図示しないロゴのみが発光するようになっているが、略三角形状をなす左ロゴレンズ323L,右ロゴレンズ323R全域を面発光させてもよい。
尚、供給皿左外LED200c及び供給皿右外LED200cが発光することで、前面側を向く上皿左サイドレンズ314L、上皿右サイドレンズ314Rが面発光するようになっており、例えば遊技に関わる演出や装飾用発光部として利用されている。
次いで、図20に示されるように、上皿本体板300の背面側には、払出口112と払出連通口112aとを連通させるための前板シュート360、前板シュート板金361、下前板シュート板金362が、払出口112の背面にネジにより取り付けられるとともに、待機球誘導口119の背面側には、整流器下板金363がネジにより取り付けられる。これらの背面側には、上皿本体板300の背面を被覆するように取り付けられる補強用の上皿本体板金364がネジにより取り付けられる。
また、上皿本体板金364の背面には、上皿板金365と、発射装置91に球を1球ずつ供給するための整流器366と、上皿扉枠103を構成する上皿本体板300を前面枠101に係止するための上皿ロックセット367と、がネジにより取り付けられる。尚、368は整流器押え金具であり、369は配線クランプであり、370は上皿アース板金である。
上皿カバー体301の下面には、上皿下飾り375がネジにより取り付けられているとともに、上皿下飾り375の下部左右側には、左上皿下飾り376a及び右上皿下飾り376bが取り付けられている。
上皿カバー体301の上面には、図21(a)に示されるように、切欠凹部301bが形成されており、該切欠凹部301bには、カードユニット50に係わる操作部や表示部等が設けられる残高ベース380及び上皿球受け302が取り付けられる。
残高ベース380は、左側に上皿球受け302を収容可能な収容凹部380aが形成されているとともに、右側には水平面からなるパネル取付部380bが形成されている。パネル取付部380bには、後述するジョグボタン500、球貸ボタン381a、返却ボタン381b、残高表示器382が取り付けられるようになっており、該パネル取付部380bの表面には、残高装飾パネル383が取り付けられている。
残高装飾パネル383には、カードユニット50にて受け付けられた記録媒体(例えばICカードやICコイン等)等に記憶された有価価値の大きさを表示するための残高表示器382の表示部を透視可能とする残高表示レンズ384が取り付けられている。残高表示器382は、残高表示基板385の上面に実装されているとともに、残高表示基板385の上面には、残高基板シート386が取り付けられている。
また、後述するジョグボタン500は、パネル取付部380bに形成された円筒状のジョグボタン取付穴380cに上方から嵌合されるようになっており、その押圧操作面が残高装飾パネル383の上面よりも上方に突出した状態で配置されている。
上皿カバー体301の内部には、上皿中継基板390が背面に取り付けられる上皿中継基板ベース391がネジにより背面側から取り付けられている。
上皿中継基板ベース391の上方に配置される上皿球受け302には、貯留部302aと整流部302bとが形成されており、整流部302bの下面の一部は、金属製のメタルシュー393により構成されており、発射装置91に誘導される球がアースされるようになっている。また、整流部302bからは、球抜き口113に連通する球抜き通路392が斜め下方に向けて連設され、さらにその前面側には、該球抜き通路392の上流側の開口を開閉可能とする上皿球抜きシャッター394と、該上皿球抜きシャッター394を開閉操作するための上皿球抜きレバー395及び上皿球抜きレバーベース395aと、球抜き軸ピン397と、上皿球抜きレバー395を閉鎖方向に付勢する上皿球抜きバネ398と、上皿球抜きリンク399とが取り付けられているとともに、これら部材は上皿球抜きカバー396により前面側が覆われている。上皿球抜きレバー395を操作することにより上皿球抜きシャッター394が開放され、余剰球受皿4に球が流出することになる。
(ジョグボタンの内部構造)
次に、ジョグボタン500の内部構造を、図22及び図23に基づいて説明する。図22は、ジョグボタンの内部構造を示す分解斜視図であり、図23は、(a)はジョグボタンを示す平面図であり、(b)は(a)のD−D断面図であり、(c)はジョグボタンの使用状況の一例を示す断面図である。
尚、図22において、図中左側が遊技者から見て奥側、図中右側は遊技者から見て手前側、図中下側が遊技者から見て左側、図中上側が遊技者から見て右側に向けて配置されるようになっており、説明上において、図中左側をジョグボタン500の上方、図中右側をジョグボタン500の下方、図中下側をジョグボタン500の左方、図中上側をジョグボタン500の右方として説明する。
図22に示されるように、ジョグボタン500は、上面に略水平な操作面501aを有するトップボタン501と、トップボタン501の下方に配置されてトップボタン501を支持するボタンハウジング502と、トップボタン501の周縁において水平方向に回動自在に設けられる環状のジョグダイアル503と、トップボタン501を上方に付勢するジョグボタンバネ504と、ジョグダイアル503の下方に配置される環状のカバープレートセット505と、ジョグダイアル503を回動自在に支持するダイアルベース506と、各部材を支持するボタンベース507と、ボタンベース507の下面に取り付けられるジョグ基板508と、から主に構成されている。
尚、このジョグ基板508上に、トップボタン501の操作面501aを発光可能なLED等を設けてもよい。
トップボタン501は、透光性を有する下面が開口する円筒状部材からなり、上面は操作面501aを構成しているとともに、下方に配置されるボタンハウジング502の上部に嵌合可能になっている。操作面501aには、上・下・左・右の方向を示す上方向マーク520a,下方向マーク520b,左方向マーク520c,右方向マーク520dがそれぞれ印刷されている。尚、これら方向マークは、トップボタン501の下方に配置される印刷シート(図示略)等に印刷し、操作面501aを通して透視可能としてもよい。
ボタンハウジング502は、筒状部材からなるとともに、該筒状部材の上部における上下左右位置からは、後述するように光学式センサからなる各種方向スイッチ512a〜512dの透光部と受光部との間を遮蔽可能な上下方向を向く被検出片521a〜521d(図23(b)参照)が放射状に形成されている。
また、筒状部材の下部には、ボタンベース507内部に配置されるジョグボタンバネ504の上端が取り付けられるバネ取付部524が形成されており、このジョグボタンバネ504により、ボタンベース507に対してボタンハウジング502が常時上方に付勢された状態で支持されるようになっている。
よって、被検出片521a〜521dは、図23(b)に示される通常状態において各種方向スイッチ512a〜512dの上方に配置され、トップボタン501の所定箇所がジョグボタンバネ504の付勢力に抗して下向きに押圧されたときに、いずれか1つまたは複数の被検出片521a〜521dが各種方向スイッチ512a〜512dの透光部と受光部との間に配置されて遮光しうるようになっている。
このように、本実施例のジョグボタン500は、ジョグボタンバネ504により、トップボタン501の操作面501aが押圧方向(下方向)に対して略直交する直交姿勢のまま下方向に向けて押圧に、かつ、該操作面501aの中央から見て周縁の任意の方向(例えば上下左右方向)が押圧方向(下方向)に対して傾倒する傾倒姿勢で下方向に向けて押圧可能なように、ボタンベース507上に設けられている。
ジョグダイアル503は、ダイアルベース506の外周縁に上向きに連続形成された環状の噛合部522上に載置されるようになっており、該噛合部522に噛合することよりダイアルベース506とともに回転されるようになっている。また、ジョグダイアル503の上面には、複数のグリップ部523が所定間隔おきに突設されている。
ダイアルベース506の筒状の本体部下端縁からは、後述する右上ダイアルスイッチ511a,右下ダイアルスイッチ511bにより検出される複数の被検出ドグ527が、所定間隔おきに下向きに突設されている。
ボタンベース507は、ジョグダイアル503及びダイアルベース506を外周に嵌合可能とする筒状部525が中央に突設されており、その内部にジョグボタンバネ504が配置される。また、ボタンベース507の周縁下部所定箇所からは、ジョグボタン500本体を前述したジョグボタン取付穴380cに嵌合した状態において、ジョグボタン取付穴380cの下面開口周縁に弾性変形により係止可能な外向きの係止爪526(図23(b)参照)が下向きに延設されている。
ジョグボタン500は、ジョグボタン取付穴380cに上方から嵌合することにより、図23(b)に示されるように、ジョグダイアル523の外周下面がジョグボタン取付穴380cの上面開口の周縁部に載置されて位置決めされるとともに、この状態において係止爪526がジョグボタン取付穴380cの下面開口の周縁部に係止されることにより、ジョグボタン取付穴380cに保持されるようになっている。
ジョグ基板508は、上方の被検出片521a〜521dそれぞれに対応する位置に、該被検出片521a〜521dそれぞれを検出可能な光学式フォトセンサからなる上ジョグスイッチ510a,下ジョグスイッチ510b,左ジョグスイッチ510c,右ジョグスイッチ510dが、同一円周上に90度間隔おきに取り付けられており、それぞれの被検出片521a〜521dを検出できるようになっている。
各ジョグスイッチ512a〜512dの外側には、上方LED512a,下方向LED512b,左方向LED512c,右方向LED512dがそれぞれ各ジョグスイッチ512a〜512dそれぞれに対応するように配設されている。
また、各方向LED510a〜510dよりも外側における上ジョグスイッチ510aと右ジョグスイッチ510dとの間には、被検出ドグ527を検出可能な光学式フォトセンサからなる右上ダイアルスイッチ511a,右下ダイアルスイッチ511bが配設されている。複数の被検出ドグ527は、ダイアルベース506の回転とともに円周方向に回転し、2つの右上ダイアルスイッチ511a,右下ダイアルスイッチ511bそれぞれの透光部と受光部との間を通過するように配置されており、2つの右上ダイアルスイッチ511a,右下ダイアルスイッチ511bそれぞれの検出状況に基づいて、ジョグダイアル503の回転方向及び回転量等を特定できるようになっている。
次に、このように構成されたジョグボタン500の押圧操作の検出状況について説明する。まず、通常状態においては、トップボタン501はジョグボタンバネ504により常時上方に向けて付勢されている(図23(b)参照)。この状態において、操作面501aは、ジョグダイアル503の上端よりも上方位置において略水平に保持されている。
この通常状態において、例えば平面視円形の操作面501aの略中央部が下向きに押圧された場合、トップボタン501及びボタンハウジング502は、操作面501aが略水平に保持された状態のまま下方に向けて押圧される。つまり、操作面501aが押圧方向に対して略直交する直交姿勢のまま押圧されるため、全ての被検出片521a〜521dまたは4つのうち2以上の被検出片が2以上のジョグボタンスイッチ510a〜510dにより同時に検出される。
また、例えば平面視円形の操作面501aの周縁におけるいずれかの方向マーク520a〜520d(ここでは左方向マーク520c)の印刷箇所が下向きに押圧された場合、トップボタン501及びボタンハウジング502は、操作面501aが左側に傾倒した傾倒姿勢のまま下方に向けて押圧される。つまり、操作面501aが押圧方向に対して左側に傾倒する左傾倒姿勢のまま下方に向けて押圧されるため、全ての被検出片521a〜521dのうち1つの被検出片(ここでは左被検出片521c)のみが、左ジョグボタンスイッチ510cにより検出される(図23(c)参照)。
このように、ジョグボタン500にあっては、操作面501aを直交姿勢のまま下方に向けて押圧した場合と、上下左右いずれかの方向に傾倒する傾倒姿勢で下方に向けて押圧した場合と、でそれぞれ個別に押圧操作が検出されるため、例えば傾倒姿勢での押圧操作の検出が不要な機種または必要な機種でも共通して使用できるので汎用性が向上するばかりか、押圧姿勢の違いを判定できるため、1つの操作手段により、多数の押圧操作を検出することができる。さらに、例えば上下左右の傾倒方向の違いに応じて押圧方向を認識することができるため、ジョグボタン500を方向キーとして使用することもできる。
また、ジョグボタン500は、打球供給皿3の上面側に遊技者による操作が可能に設けられているため、例えば遊技に関連する演出の実行時等において、例えば変動表示装置9に表示される演出画像や、あるいは図示しない機械的構造物からなる役物装置等を動作させたり、演出背景等を選択可能な演出用操作ボタンとして使用することができるばかりか、遊技履歴等の表示操作ボタンとして使用することも可能である。さらに、例えばリーチ演出の発生時において、複数種類のリーチ演出パターンのうちからいずれかを選択させるための操作ボタンとして使用することも可能である。
また、単一の押圧操作を検出するだけでなく、上下左右の4種類の方向への傾倒姿勢での押圧操作を個別に検出できるため、いわゆる方向キーとしての機能を持たせることができ、これにより、例えば選択画面上におけるカーソルの移動方向を選択したり、役物装置の可動方向を指示する方向キーとして使用することが可能となる。
尚、本実施例においては、演出制御用マイクロコンピュータ81は、上記のように2以上のジョグスイッチ512a〜512dにより被検出片521a〜521dの検出があった場合には、前記直交姿勢で押圧操作がなされたと判定するようになっていたが、所定条件成立時、例えば演出実行中においてジョグボタン500の押圧操作を促す演出(上下左右等の方向を示さない演出)が行われた場合等においては、いずれか1つのジョグスイッチ512a〜512dでのみいずれかの被検出片521a〜521dが検出された場合でも、前記直交姿勢で押圧操作がなされたと判定するようになっている。このように所定条件の成立状況に応じて、押圧操作の判定方法を変えることができるため、汎用性が向上するとともに、遊技者による押圧操作を確実に検出することが可能となる。
また、トップボタン501の外周にジョグダイアル503が正逆回転自在に設けられていることで、前述したような変動表示装置9に表示される演出画像や、あるいは図示しない機械的構造物からなる役物装置等を動作量や動作方向等を指定可能な演出用操作ダイヤルとして使用することが可能となるため、操作性が向上する。
(余剰球受皿の内部構造)
次に、余剰球受皿の内部構造について、図24に基づいて説明する。図24は、余剰球受皿4の内部構造を示す分解斜視図である。
図24に示されるように、余剰球受皿4は、下皿枠104を構成する下皿本体板350と、余剰球受皿4の背面を覆う下皿背板351と、上向きに開口する皿状に形成される下皿球受け352と、から主に構成されている。下皿本体板350の中央部には、下皿球受け352を収容可能な球受け収容部350aが前方に向けて膨出するように形成されており、該球受け収容部350aには、下皿球受け352が背面側から取り付けられるようになっている。
下皿球受け352は、受皿LED202aを上面に有する受皿LED基板353が取り付けられる下皿LEDベース354を介して球受け収容部350aに取り付けられる。下皿LEDベース354は、透明な合成樹脂材により、下皿球受け352の前縁及び左右側縁を囲む平面視略コ字形に形成されており、その前縁及び左右側縁上部には、受皿発光部202を構成する平面視略コ字形をなす上面板354aが形成されているとともに、前縁及び左右側縁下部には、上面板354aとほぼ同形をなす下板354bが形成されており、該下面板354bの上面に受皿LED基板353が取り付けられるようになっている。
そして、この上面板354aの上方には、上面板354aとほぼ同形をなす乳白色のシボシート355が配置されるとともに、さらにその上方には、下皿アクリルセンター356が配置されている。このシボシート355により受皿LED202aからの光を拡散され、かつ受皿発光部202が面発光されるようになっている。
このように構成された余剰球受皿4は、球が貯留される下皿球受け352の前縁及び左右側縁上部に、所定幅を有する平面視略コ字形をなす平坦な受皿発光部202が、上向きに発光可能な状態で設けられている。
また、受皿発光部202を発光させる発光体(演出用の電気部品)としての受皿LED202aを有する受皿LED基板353は、該受皿発光部202の発光面を構成する下皿アクリルセンター356から下方に離間した位置に配置され、さらにこれら受皿LED基板353と下皿アクリルセンター356との間にシボシート355及び上面板354aが配設されており、指向性の高い受皿LED202aからの光を拡散させて下皿アクリルセンター356を面発光させることができるようになっている。
下皿本体板350の前面左右側には、受皿左LED203aが前面に実装される左幕板LED基板340L及び受皿右LED203bが前面に実装される右幕板LED基板340Rが取り付けられ、その前面には、下皿幕板保護シート341及び左下皿LEDケース342L,右下皿LEDケース342Rが取り付けられる。また、左下皿LEDケース342L,右下皿LEDケース342Rの前面外側には、凹凸加工が施された下皿光拡散レンズ343がそれぞれ取り付けられるとともに、一方の右下皿LEDケース342Rの前面内側には、下皿アクリルサーキット344及び下皿ストラクチャー345がネジにより取り付けられる。
この棒状の下皿光拡散レンズ343により、その背面側に配置される1つの受皿左LED203a,受皿右LED203bの光が上下方向に拡散されるようになっている。また、左側には、コ字形をなす下皿メッキフレーム346及び下皿ストラクチャーカバー347が取り付けられる。
さらにこれらの前面側には、透明な左下皿アクリルカバー348L及び右下皿アクリルカバー348Rが取り付けられ、さらにその下方には、左下皿下飾り349L及び右下皿下飾り349Rが取り付けられ、これらにより受皿左発光部203L及び受皿右発光部203Rが形成される。尚、下皿本体板350の前面右側には、打球操作ハンドル5を構成するハンドルベース540が取り付けられるハンドル取付部551が突設されている。
また、下皿本体板350の前面左側における左幕板LED基板340Lの取付位置の内側には、前後に貫通する貫通口が形成されており、その背面側には、左下皿ストラクチャー560が配置され、さらにその背面側には、下皿アクリルサーキット561、下皿メッキ飾り562が配置される。そして、この下皿メッキ飾り562の前面には、その背面側から取り付けられるネジにより、下皿メッキ飾り562と、さらに下皿本体板350の前面側に配置される左下皿アクリルカバー348Lが取り付けられるようになっており、下皿本体板350を挟んでその前後の下皿メッキ飾り562と左下皿アクリルカバー348Lとが一体化された状態で取り付けられる。尚、下皿メッキ飾り562の背面側には、下皿幕板保護シート563及び前面に左下皿LEDが実装される左下皿LED基板564が取り付けられている。尚、右下皿アクリルカバー348Rを通して左下皿ストラクチャー560等が視認できるようになっている。
また、下皿球受け352の下面には、球抜き穴を開閉自在とするスライド板570と、該スライド板570を球抜き穴の閉塞方向に付勢するコイルバネ571と、これらスライド板570及びコイルバネ571を配設するための下皿球抜きベース572が下面側からネジにより取り付けられている。
(供給皿左右発光部及び受皿発光部の発光状況)
次に、このように構成された供給皿左発光部200L,供給皿右発光部200R及び受皿発光部202の発光状況について、図25及び図26に基づいて説明する。図25は、(a)は供給皿左発光部200L,供給皿右発光部200Rの発光状況を示す正面図であり、(b)は供給皿右発光部200Rの発光状況を示す右側面図であり、図26は、(a)は受皿発光部202の発光状況を示す正面図であり、(b)は受皿発光部202の発光状況を示す右側面図である。
供給皿左発光部200L,供給皿右発光部200Rは、図25(a)(b)中網点で示されるように、打球供給皿3の左右側面に側面視略V字形状に形成されている。すなわち、供給皿左発光部200L,供給皿右発光部200Rはパチンコ機1の外側方を向くように設けられているため、図25(b)に示されるように、パチンコ機1の側方からの視認性が高いので、例えば遊技店の店員等が図示しない遊技機設置島の端部側等にいる場合でも、供給皿左発光部200L,供給皿右発光部200Rの発光を視認しやすくなるため、前述したエラーの発生に対して早期に対処することができる。
また、供給皿左発光部200L,供給皿右発光部200Rは、図25(a)に示されるように、前面枠101の前面から遊技者側(先端の屈曲部301a)に向かうに従い、前面枠101の左右方向の中央に向けて傾斜するように設けられているため、遊技者も発光状況を視認可能になるため、供給皿左発光部200L,供給皿右発光部200Rを、遊技に関わる演出手段として発光させることも可能となる。
また、本実施例では、エラーの発生時に供給皿左LED200a,供給皿右LED200bが発光して供給皿左発光部200L,供給皿右発光部200Rが面発光するようになっていたが、供給皿左外LED200c及び供給皿右外LED200cを発光させて前面側を向く上皿左サイドレンズ314L、上皿右サイドレンズ314Rを面発光させてもよい。
尚、供給皿前発光部201は、遊技に関わる演出や装飾用発光部として利用される。
受皿発光部202は、図26に示されるように、余剰球受皿4における下皿球受け352の前縁及び左右側縁を囲むように、平面視略コ字形に形成されているため、余剰球受皿4が満杯になった旨を音声や変動表示装置等により報知する場合、遊技に関わる演出等が遮られてしまうことがあるが、光により報知することにより、演出等を遮ることなく遊技者に認識させることができる。また、余剰球受皿4の周縁が発光するため、遊技者は貯留皿が満杯になった旨を認識しやすいばかりか、余剰球受皿4に球が貯留されていても球により光が遮られることがない。
(打球操作ハンドルの内部構造)
次に、打球操作ハンドル5の内部構造について、図27に基づいて説明する。図27は、打球操作ハンドルの内部構造を示す分解斜視図である。
打球操作ハンドル5は、前述したハンドル取付部 に取り付けられる円筒状のハンドルベース540と、該ハンドルベース540の前面開口中心部にハンドルカラー541を介して後端が回動自在に軸支される前後方向を向くハンドルシャフト542と、ハンドルシャフト542の前端に相対回転不能に固定されるとともに、遊技者により操作可能に設けられるハンドルリング543と、ハンドルリング543の前面に取り付けられる略半球状のハンドルトップ台544と、から主に構成される。
ハンドルベース540は、円筒状の筒状取付部540aと、該筒状取付部540aの前部に拡径して連設されるとともに、前面開口にハンドルリング543が回動自在に設けられるハンドル取付部540bと、から構成され、ハンドル取付部540bの内部には、ハンドルリング543の回転及びスイッチレバー546を検出可能なマイクロスイッチ545と、上端を中心に揺動自在に支持され、球の連続発射を停止させる際に操作するスイッチレバー546と、アース線が取り付けられるとともに、ハンドルリング543の回動を規制するためのフック板金547と、が取り付けられている。尚、ハンドルリング543が初期位置にある状態においてスイッチレバー546が押圧されて球の発射が停止されることになる。
ハンドルシャフト542の前端は、ハンドルリング543の中心を貫通して前方に突出されており、該前端には、ハンドルコイルバネ548及び円筒状のハンドルカラー549を介してハンドルトップ台544が相対回転不能に固定されている。また、ハンドルトップ台544の前面には、ハンドルクロス550が取り付けられている。
(機構板の構造)
次に、機構板105の構造について、図28に基づいて説明する。図28は、機構板の構造を示す分解斜視図である。尚、図28において図中右斜め上側が前面側、左斜め下側が背面側であり、前面側から見た状態で説明する。
機構板105は、水平な上辺部700a及び上辺部700aの左側端部から下方に連設される上下方向に延びる左辺部700bにより略L字形をなす機構板本体上部700と、機構板本体上部700の左辺部700b下端に接続される機構板本体下部701と、機構板本体上部700と機構板本体下部701との右側端部同士を連結する棒状のジョイント部702と、から四角枠状に構成されている。
機構板本体上部700における上辺部700aの前面側には、母線カバー705,前述したスイッチバー415により押圧可能に設けられ、ガラス扉枠102及び当該機構板105の開放を検出する前板スイッチ706,前板スイッチカバー707,配線押え708が取り付けられている。左辺部700bの前面側には、供給球誘導通路160を構成する裏通路カバー709と、上端が弁固定ピン711により揺動自在に枢支され、供給球誘導通路160を流下してきた球流路を球抜き通路161に切り替え可能とする球抜き弁710と、球抜き弁710を押える弁押え712とが設けられるとともに、球抜き弁710の上方には、機構板105を回動自在に枢支するための上蝶番713,外枠100に対する機構板105及び前面枠101の開放を検出する外枠スイッチ714,外枠スイッチレバー715,外枠スイッチベース716がそれぞれ取り付けられている。
機構板本体上部700における上辺部700aの背面側には、球タンク38を取り付けるための球タンク取付部720が凹設されている。この球タンク取付部720の前面は、前面枠101における膨出部121に対向配置される。球タンク取付部720の上部左右側には、前面枠101の背面に取り付けられた機構板止め具418a,418bに係合可能な機構板押え721,721がスライド自在に取り付けられている。球タンク取付部720の下方には、供給球誘導通路160を構成する左右方向を向くタンクレール722が取り付けられているとともに、タンクレール722内の球を均す球均し振子723が上端を中心に揺動自在に枢支されている。尚、タンクレール722内には前後2条の球通路が構成されている。
供給球誘導通路160のカーブ通路近傍には、球均し板金724,球を2列に仕切る仕切り板725が取り付けられているとともに、その上方には、アース基板726が取り付けられている。また、供給球誘導通路160におけるカーブ通路及びその下流側の背面は経路カバー727により構成されるとともに、カーブ通路の上側は母線出口カバー728により被覆される。
経路カバー727におけるカーブ通路下部には球切れスイッチ197が取り付けられるとともに、下端には球ストッパーセット729が取り付けられている。また、経路カバー727により構成される通路近傍には、弁押え712に固着されて該弁押え712を回動操作可能な前後方向を向く円柱状の球抜きレバー730が軸心周りに回動自在に枢支されている。
経路カバー727の下部には、球払出装置97が左辺部700bに対して着脱自在に取り付けられており、供給球誘導通路160を流下してきた球が供給されるようになっている。また、経路カバー727の背面にはケースカバー731が、その上端を左右方向を向く軸周りに揺動自在に取り付けられており、経路カバー727及び球払出装置97の背面が被覆されるようになっている。また、左辺部700bの下端には、払出球誘導通路カバー732が取り付けられている。
機構板本体下部701の左側上部には、払出球誘導通路131aの一部が形成されており、その背面側には、配線カバー740が取り付けられている。機構板本体下部701を構成する取付板180の背面左側には、球抜き通路161及び合流通路163が形成されているとともに、その近傍には機構板中継基板741が取り付けられている。これら球抜き通路161,合流通路163,機構板中継基板741の背面側には、これら通路背面を構成する排出部カバー742が取り付けられている。尚、排出部カバー742の背面右側には電源基板ケース910aを押さえるための押え用レバー183が回動自在に取り付けられている。
排出部カバー742の背面には、基板取付ベース743が取り付けられているとともに、その側方には、カードユニット50との通信用の基板であって、払出制御基板37とのやり取り信号と残高表示基板385にカードユニット50からの信号を中継する基板SAKV744を収容可能なケース本体744b及びケースカバー744cからなる基板SAKVケース744aが取り付けられている。これら排出部カバー742及びその背面に取り付けられる基板取付ベース743により背面側に膨出する膨出部が形成されており、基板取付ベース743の背面は、払出制御基板ケース37aが取り付けられる取付面180bとして形成されており、該取付面180bにはフック挿通用スリット190が形成されている。
払出制御基板ケース37aは、ケース本体37b及びケースカバー37cから構成され、内部に払出制御基板37を収納可能に構成されており、取付面180bの背面に取り付けられている。ケースカバー37cには複数の封止片37eが形成されており、これら封止片37eに取り付けた図示しないワンウェイネジをケース本体37bに形成されたネジ部37dに螺入することにより、ケース本体37bとケースカバー37cとを開放不能に固着することが複数回できるようになっている。尚、37fはワンウェイネジの頭部を被覆するキャップである。また、基板取付ベース743の上部には、図示しない遊技機設置島の内部に配設された球通路等から落下する球によりコネクタが破損することを防止するためのコネクタカバー745及び突張りレバー184が取り付けられている。
コネクタカバー745は、一側端部に形成された軸受け部745bが基板取付ベース743に形成された軸部743bに回動可能に枢支されているとともに、基板取付ベース743側に向けて突設された弾性変形可能な係止爪745aを基板取付ベース743の上部に形成された係止穴743aに係止することにより、基板取付ベース743上部に保持されるようになっている。
取付板180の背面右側には、電源基板ケース910aが取り付けられる取付面180aが形成されており、その背面には、シールド板金750及び配線収束用のワイヤーラグ751が取り付けられており、シールド板金750の背面側に電源基板ケース910aが配設されるようになっている。電源基板ケース910aは、ケース本体910b及びケースカバー910cから構成され、内部に電源基板910を収納できるようになっている。
尚、これら払出制御基板ケース37a及び電源基板ケース910aの取付方法の詳細は前述しているため、ここでの詳細な説明は省略する。
また、取付板180の背面右側辺部には、前面枠101の背面に取り付けられた機構板止め具418cに係合可能な機構板押え721がスライド自在に取り付けられているとともに、取付板180の前面左側辺部には、上端が左側辺部700bの前面に固定される上下方向に延びる下蝶番752の下端が固定されている。よって機構板105は、下蝶番752及び上蝶番713により、上下方向を向く左辺部700bを中心として回動自在に枢支されている。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
例えば、球タンク38には、右側のスピーカユニット27aに対応する箇所にのみ切欠凹部38aが形成されていたが、左側のスピーカユニット27aに対応する左側角部に切欠凹部が形成されていてもよい。また、切欠凹部38aは球タンク38の角部に形成されていたが、角部、すなわち、前側板38bの左右側端部のみならず、例えば左右方向の中央等に切欠凹部を形成してもよく、スピーカユニット27aの配設状況に応じた数量の切欠凹部を任意の箇所に形成すればよい。
また、切欠凹部の形状は、前方及び側方に開放する平面視L字形の切欠凹部だけでなく、前方に開放する平面視コ字形であってもよいし、あるいは平面視半球状等であってもよく、スピーカユニット27aの外面形状に応じた形状とすることが好ましい。
また、前記実施例では、球タンク38は前面枠101の背面側に配置される機構板105の上部に取り付けられていたが、前面枠101の背面側に配置されるようになっていれば、前面枠101に直接取り付けられていてもよい。
また、前記実施例では、操作手段としてのジョグボタン500の押圧操作面501aは、平面視円形に形成されていたが、形状は任意に変形可能であり、例えば平面視十字形に形成されていてもよい。
また、操作面501aは、上中左右の4方向に傾倒可能に形成されていたが、傾倒方向の数は任意であり、例えば左右または上下の2方向にのみ傾倒可能であってもよいし、あるいは4方向以上の方向に傾倒可能に設けられていてもよい。
また、操作面501aの直交姿勢での押圧は2以上のジョグスイッチ512a〜512dによる検出にて判定されるようになっていたが、3以上または全ての検出にて判定されるようにしてもよい。
さらに、2つのジョグスイッチ512a〜512dによる検出で、例えば上下左右の4方向に左上、左下、右上、右下の4方向を加えた合計8方向を検出することも可能である。
また、前記実施例では、余剰球誘導通路130は、前面枠101の背面及び該背面に形成された樋板134とバックプレート135により形成されていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、前面枠101のみにより一体形成されていてもよい。
また、余剰球誘導通路130の配設位置や通路形状等は任意であり、上記実施例に記載の形状に限定されるものではなく、種々に変形可能である。
また、前記実施例では、供給皿左発光部200L,供給皿右発光部200Rは、所定のエラーが発生したことに基づいて発光するようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば遊技に関連する演出装置としてこれら発光部を発光させてもよいし、装飾用発光部として発光させてもよい。さらに、球切れや賞球時に発光させるようにしてもよい。また、これら供給皿左発光部200L,供給皿右発光部200Rとともに供給皿前発光部201を発光させてもよい。
また、受皿発光部202は、余剰球受皿4が球で満杯になったことに基づいて発光するようになっていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば遊技に関連する演出装置としてこれら発光部を発光させてもよし、装飾用発光部として発光させてもよい。さらに、球切れや賞球時に発光させるようにしてもよい。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ機1が適用されていたが、遊技球を用いてゲームを行うことが可能なスロットマシン等の他の遊技機にも適用可能である。