JP6068754B2 - 複数の種類の遷移金属触媒を用いるオレフィンブロックポリマーの製造方法、及び、エチレン/プロピレンブロック共重合体組成物 - Google Patents

複数の種類の遷移金属触媒を用いるオレフィンブロックポリマーの製造方法、及び、エチレン/プロピレンブロック共重合体組成物 Download PDF

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Description

本発明は複数の種類の遷移金属触媒を用いるオレフィンブロックポリマーの製造方法に関するものである。
性質の異なる2種類以上のセグメントが化学的に連結されたブロックポリマーは、優れた物性を発現することが知られている。例えば、非相溶系の混合樹脂に対して、その各相に相溶なセグメントを有する特定のブロックポリマーを添加した場合、該ブロックポリマーは、相間の界面に作用して分散相のモルフォロジーを制御する相溶化剤となり、同時に、混合樹脂の耐衝撃性などの物性を向上させる改質剤として機能する。
特定の遷移金属化合物を含む重合触媒と特定の有機金属化合物(有機アルミニウム、有機亜鉛、有機ガリウム化合物など)を用い、適切な条件にてオレフィンの重合を行った場合、触媒活性種である遷移金属化合物と有機金属化合物との間で、ポリマー生長鎖が可逆的に移動する可逆的連鎖移動重合が進行することが知られている。この可逆的連鎖移動重合を応用することでオレフィンブロックポリマーを合成することが可能となる。
例えば、非特許文献1および特許文献1では、遷移金属化合物と有機アルミニウム化合物あるいは有機亜鉛化合物を用いる溶液重合において、オレフィンの組成が異なる重合槽を直列に連結することにより、オレフィンブロックポリマーを得る方法が開示されている。また、特許文献2では、同等の重合条件にて、共重合性の異なる2種の遷移金属化合物を逐次的に添加することにより、オレフィンブロックポリマーを得る方法が開示されている。
国際公開公報:WO2007/035485号公報(公開日:2007年3月29日) 日本国公開特許公報:特開2010−126557号公報(公開日:2010年6月10日)
Hustad, P. D.; Kuhlman, R. L.; Arriola, D. J.; Carnahan, E. M.; Wenzel, T. T. Macromolecules 2007, 40, 7061-7064
従来の可逆的連鎖移動重合によるオレフィンブロックポリマーの合成では、生成ポリマー中にブロック化されていないポリマーが副生成物として含まれ、オレフィンブロックポリマーの生成効率の面において、必ずしも満足できるものではなかった。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、可逆的連鎖移動重合によるオレフィンブロックポリマーの合成において、副生成物がより少なくオレフィンブロックポリマーの生成効率が高いオレフィンブロックポリマーの製造方法を提供することと、融点が高い、エチレン/プロピレンブロック共重合体組成物を提供することとである。
本発明は、重合触媒(X)と、重合触媒(Y)と、
元素周期律表第2族、12族および13族から選ばれる原子を含む有機金属化合物(C)(活性化用助触媒成分(B)を除く)とを用いて、オレフィンを重合するオレフィンブロックポリマーの製造方法であって、
重合触媒(X)は、下記一般式(1−X)で表される遷移金属化合物(A−X)と、有機アルミニウムオキシ化合物(B−1)、有機ホウ素化合物(B−2)、亜鉛助触媒成分(B−3)およびイオン交換性層状珪酸塩(B−4)から選ばれる活性化用助触媒成分(B)とを接触させて形成され、
重合触媒(Y)は、下記一般式(1−Y)(但し、下記一般式(1−X)で表される遷移金属化合物を除く)から選ばれる遷移金属化合物(A−Y)と、有機アルミニウムオキシ化合物(B−1)、有機ホウ素化合物(B−2)、亜鉛助触媒成分(B−3)およびイオン交換性層状珪酸塩(B−4)から選ばれる活性化用助触媒成分(B)とを接触させて形成される、製造方法である。
Figure 0006068754
(式中、nは1、2または3であり、
は、チタニウム原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子を表す。
X1〜RX8は、それぞれ独立して、
水素原子、
ハロゲン原子、
炭素原子数1〜20のアルキル基、
環を構成する炭素原子数が3〜10のシクロアルキル基、
炭素原子数2〜20のアルケニル基、
炭素原子数2〜20のアルキニル基、
炭素原子数7〜30のアラルキル基、
炭素原子数6〜30のアリール基、
炭素原子数1〜20のアルコキシ基、
炭素原子数7〜30のアラルキルオキシ基、
炭素原子数6〜30のアリールオキシ基、
置換シリル基、または
環を構成する炭素原子数が3〜20のヘテロ環式化合物残基を表す。
X1〜RX8における上記アルキル基、上記シクロアルキル基、上記アルケニル基、上記アルキニル基、上記アラルキル基、上記アリール基、上記アルコキシ基、上記アラルキルオキシ基、上記アリールオキシ基および上記へテロ環式化合物残基はそれぞれ置換基を有していてもよい。
上記RX1〜RX8の定義に関わらず、RX1とRX2、RX2とRX3、RX3とRX4、RX5とRX6、RX6とRX7、RX7とRX8はそれぞれ相互に連結して環を形成してもよく、これらの環は置換基を有していてもよい。
は、それぞれ独立して、
水素原子、
ハロゲン原子、
炭素原子数1〜20のアルキル基、
環を構成する炭素原子数が3〜10のシクロアルキル基、
炭素原子数2〜20のアルケニル基、
炭素原子数7〜30のアラルキル基、
炭素原子数6〜30のアリール基、
炭素原子数1〜20のアルコキシ基、
炭素原子数7〜30のアラルキルオキシ基、
炭素原子数6〜30のアリールオキシ基、
炭素原子数1〜20の置換シリル基、
炭素原子数1〜20の置換アミノ基、
炭素原子数1〜20の置換チオラート基、または
炭素原子数1〜20のカルボキシラート基を表す。
における上記アルキル基、上記シクロアルキル基、上記アルケニル基、上記アラルキル基、上記アリール基、上記アルコキシ基、上記アラルキルオキシ基、上記アリールオキシ基および上記カルボキシラート基はそれぞれ置換基を有していてもよい。
同士は、相互に連結して環を形成してもよい。
は中性のルイス塩基を表す。Eが複数ある場合は、複数のEは同一でも異なっていてもよい。Eの個数を示す下付のxは、0、1、または2である。)
Figure 0006068754
(式中、Mは、元素周期律表の4〜11族の遷移金属原子を表し、nが2以上の場合、Mは互いに同一でも異なっていてもよい。
Lは、水素原子を除いて70個までの原子を含有し、共役系π電子を介してMに結合するπ電子共役系アニオン性基であり、aが2以上の場合、Lは互いに同一でも異なっていてもよい。
Xは、水素原子を除いて70個までの原子を含有する非共役系アニオン性基であり、bが2以上の場合、Xは互いに同一でも異なっていてもよい。
Eは、水素原子を除いて70個までの原子を含有し、1つ以上の非共有電子対を介してMに結合する中性ルイス塩基性配位子であり、cが2以上の場合、Eは互いに同一でも異なっていてもよい。
aは0〜6の整数であり、bは0〜8の整数であり、cは0〜9の整数であり、nは1〜4の整数である。また、M、L、Xの価数がそれぞれm、l、xのとき、m=l×a+x×bの関係を満たす。また、L、X、Eは、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、さらにaが2以上の場合、L同士が、bが2以上の場合、X同士が、cが2以上の場合、E同士が、nが2以上の場合、L同士、X同士、E同士が互いに連結して環を形成していてもよい。)
本発明の製造方法によれば、可逆的連鎖移動重合によるオレフィンブロックポリマーの合成において、オレフィンブロックポリマーの生成効率が高いオレフィンブロックポリマーを得ることができる。
さらに、そのようなオレフィンブロックポリマーの生成効率の高いオレフィンブロックポリマーは、例えば、ポリプロピレン系樹脂組成物と混合した際に、剛性および耐衝撃性を向上させることができる。
2種類のエチレン/αオレフィン共重合体についてTREF分別を実施し、その分別温度と組成との関係を示すグラフである。 実施例4および参考例11に関し、エチレン/プロピレンブロック共重合体組成物のTREF分別を行った結果を示すグラフである。 実施例9、10、11、15、比較例3〜4、参考例14〜16に関し、テンサイルインパクトとヤング率との関係を示すグラフである。
以下、本発明に係るオレフィンブロックポリマー製造方法について具体的に説明する。
遷移金属化合物(A−X)
本発明において用いられる遷移金属化合物(A−X)は、下記一般式(1−X)で表される。以下、式(1−X)で表される遷移金属化合物(A−X)について説明する。
Figure 0006068754
(式中、nは1、2または3であり、
は、チタニウム原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子を表す。
X1〜RX8は、それぞれ独立して、
水素原子、
ハロゲン原子、
炭素原子数1〜20のアルキル基、
環を構成する炭素原子数が3〜10のシクロアルキル基、
炭素原子数2〜20のアルケニル基、
炭素原子数2〜20のアルキニル基、
炭素原子数7〜30のアラルキル基、
炭素原子数6〜30のアリール基、
炭素原子数1〜20のアルコキシ基、
炭素原子数7〜30のアラルキルオキシ基、
炭素原子数6〜30のアリールオキシ基、
置換シリル基、または
環を構成する炭素原子数が3〜20のヘテロ環式化合物残基を表す。
X1〜RX8における上記アルキル基、上記シクロアルキル基、上記アルケニル基、上記アルキニル基、上記アラルキル基、上記アリール基、上記アルコキシ基、上記アラルキルオキシ基、上記アリールオキシ基および上記へテロ環式化合物残基はそれぞれ置換基を有していてもよい。
上記RX1〜RX8の定義に関わらず、RX1とRX2、RX2とRX3、RX3とRX4、RX5とRX6、RX6とRX7、RX7とRX8はそれぞれ相互に連結して環を形成してもよく、これらの環は置換基を有していてもよい。
は、それぞれ独立して、
水素原子、
ハロゲン原子、
炭素原子数1〜20のアルキル基、
環を構成する炭素原子数が3〜10のシクロアルキル基、
炭素原子数2〜20のアルケニル基、
炭素原子数7〜30のアラルキル基、
炭素原子数6〜30のアリール基、
炭素原子数1〜20のアルコキシ基、
炭素原子数7〜30のアラルキルオキシ基、
炭素原子数6〜30のアリールオキシ基、
炭素原子数1〜20の置換シリル基、
炭素原子数1〜20の置換アミノ基、
炭素原子数1〜20の置換チオラート基、または
炭素原子数1〜20のカルボキシラート基を表す。
における上記アルキル基、上記シクロアルキル基、上記アルケニル基、上記アラルキル基、上記アリール基、上記アルコキシ基、上記アラルキルオキシ基、上記アリールオキシ基および上記カルボキシラート基はそれぞれ置換基を有していてもよい。
同士は、相互に連結して環を形成してもよい。
は中性のルイス塩基を表す。Eが複数ある場合は、複数のEは同一でも異なっていてもよい。Eの個数を示す下付のxは、0、1、または2である。)
は、チタニウム原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子を表し、好ましくはハフニウム原子である。
nは1、2または3であり、好ましくは2または3であり、より好ましくは3である。
X1およびRX5は、好ましくは、それぞれ独立して、
水素原子、
ハロゲン原子、
炭素原子数1〜20のアルキル基、
環を構成する炭素原子数が3〜10のシクロアルキル基、
炭素原子数7〜30のアラルキル基、
炭素原子数6〜30のアリール基、
炭素原子数1〜20のアルコキシ基、
炭素原子数7〜30のアラルキルオキシ基、
炭素原子数6〜30のアリールオキシ基、
置換シリル基、または
環を構成する炭素原子数が3〜20のヘテロ環式化合物残基であり、
より好ましくは、それぞれ独立して、
ハロゲン原子、
炭素原子数1〜20のアルキル基、
環を構成する炭素原子数が3〜10のシクロアルキル基、
炭素原子数7〜30のアラルキル基、または
炭素原子数6〜30のアリール基、
置換シリル基、または
環を構成する炭素原子数が3〜20のヘテロ環式化合物残基であり、
X1とRX5は、特に好ましくは、RX1とRX5とが同一であって、
炭素原子数1〜20のアルキル基、
環を構成する炭素原子数が3〜10のシクロアルキル基、
炭素原子数7〜30のアラルキル基、または
置換シリル基である。
X2〜RX4およびRX6〜RX8は、好ましくは、それぞれ独立して、
水素原子、
ハロゲン原子、
炭素原子数1〜20のアルキル基、
環を構成する炭素原子数が3〜10のシクロアルキル基、
炭素原子数7〜30のアラルキル基、
炭素原子数6〜30のアリール基、
炭素原子数1〜20のアルコキシ基、
炭素原子数7〜30のアラルキルオキシ基、
炭素原子数6〜30のアリールオキシ基、
置換シリル基、または
環を構成する炭素原子数が3〜20のヘテロ環式化合物残基であり、
より好ましくは、それぞれ独立して、
水素原子、
ハロゲン原子
炭素原子数1〜20のアルキル基、
環を構成する炭素原子数が3〜10のシクロアルキル基、
炭素原子数7〜30のアラルキル基、
炭素原子数6〜30のアリール基、または
置換シリル基である。
X2、RX4、RX6およびRX8は、さらに好ましくは、水素原子である。
X3およびRX7はさらに好ましくは、それぞれ独立して、
ハロゲン原子、
炭素原子数1〜20のアルキル基
環を構成する炭素原子数が3〜10のシクロアルキル基、
炭素原子数7〜30のアラルキル基、
炭素原子数6〜30のアリール基、または
置換シリル基である。
X3およびRX7は、特に好ましくは、RX3とRX7とが同一であって、
炭素原子数1〜20のアルキル基
環を構成する炭素原子数が3〜10のシクロアルキル基、
炭素原子数7〜30のアラルキル基、
炭素原子数6〜30のアリール基、または
置換シリル基であり、
最も好ましくは、
X3とRX7とが同一であって、炭素原子数1〜20のアルキル基である。
X1〜RX8における上記アルキル基、上記シクロアルキル基、上記アルケニル基、上記アルキニル基、上記アラルキル基、上記アリール基、上記アルコキシ基、上記アラルキルオキシ基、上記アリールオキシ基および上記へテロ環式化合物残基はそれぞれ置換基を有していてもよい。
X1〜RX8におけるハロゲン原子としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
X1〜RX8における置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基としては、例えば、パーフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロ−n−プロピル基、パーフルオロイソプロピル基、パーフルオロ−n−ブチル基、パーフルオロ−sec−ブチル基、パーフルオロイソブチル基、パーフルオロ−tert−ブチル基、パーフルオロ−n−ペンチル基、パーフルオロイソペンチル基、パーフルオロ−tert−ペンチル基、パーフルオロネオペンチル基、パーフルオロ−n−ヘキシル基、パーフルオロ−n−ヘプチル基、パーフルオロ−n−オクチル基、パーフルオロ−n−デシル基、パーフルオロ−n−ドデシル基、パーフルオロ−n−ペンタデシル基、パーフルオロ−n−エイコシル基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、テキシル基、ネオヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、n−ペンタデシル基、n−エイコシル基が挙げられる。
X1およびRX5における置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基として好ましくは、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、テキシル基、ネオヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基などの炭素原子数4〜10のアルキル基であり、
より好ましくは、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、テキシル基などの炭素原子数4〜6の第3級アルキル基である。
X2〜RX4およびRX6〜RX8における置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルキル基として好ましくは、パーフルオロメチル基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、テキシル基、ネオヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−デシル基などの炭素原子数1〜10のアルキル基であり、
より好ましくは、パーフルオロメチル基、メチル基、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、テキシル基などの炭素原子数1〜6のアルキル基であり、
さらに好ましくは、パーフルオロメチル基、メチル基、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基などの炭素原子数1〜4のアルキル基である。
X1〜RX8における、置換基を有していてもよい、環を構成する炭素原子数が3〜10のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、1−メチルシクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−フェニルシクロヘキシル基、1−インダニル基、2−インダニル基、ノルボルニル基、ボルニル基、メンチル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基が挙げられ、
好ましくは、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、1−メチルシクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−インダニル基、2−インダニル基、ノルボルニル基、ボルニル基、メンチル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基などの環を構成する炭素原子数が5〜10のシクロアルキル基であり、
より好ましくは、シクロヘキシル基、1−メチルシクロヘキシル基、ノルボルニル基、ボルニル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基などの、環を構成する炭素原子数が6〜10のシクロアルキル基である。
さらにこれらのシクロアルキル基は、炭素原子数1〜10のハイドロカルビル基を置換基として有していてもよい。例えば、環を構成する基が1−アダマンチル基であれば、3,5−ジメチルアダマンチル基、3,5,7−トリメチルアダマンチル基、3,5−ジエチルアダマンチル基、3,5,7−トリエチルアダマンチル基、3,5−ジイソプロピルアダマンチル基、3,5,7−トリイソプロピルアダマンチル基、3,5−ジイソブチルアダマンチル基、3,5,7−トリイソブチルアダマンチル基、3,5−ジフェニルアダマンチル基、3,5,7−トリフェニルアダマンチル基、3,5−ジ(3,5−キシリル)アダマンチル基、および3,5,7−トリ(3,5−キシリル)アダマンチル基などが挙げられ、より好ましくは3,5−ジメチルアダマンチル基、3,5−ジエチルアダマンチル基、3,5−ジイソプロピルアダマンチル基、3,5−ジイソブチルアダマンチル基、3,5−ジフェニルアダマンチル基、および3,5−ジ(3,5−キシリル)アダマンチル基である。
X1〜RX8における置換基を有していてもよい炭素原子数2〜20のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、プロペニル基、2−メチル−2−プロペニル基、ホモアリル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基などが挙げられ、好ましくは炭素原子数3〜6のアルケニル基であり、より好ましくはアリル基またはホモアリル基である。
X1〜RX8における置換基を有していてもよい炭素原子数2〜20のアルキニル基としては、例えば、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、3−メチル−1−ブチニル基、3,3−ジメチル−1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1−ペンチニル基、4−メチル−1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、3−ペンチニル基、4−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、1−オクチニル基、フェニルエチニル基が挙げられ、好ましくは炭素原子数3〜8のアルキニル基であり、より好ましくは3−メチル−1−ブチニル基、3,3−ジメチル−1−ブチニル基、またはフェニルエチニル基である。
X1〜RX8における置換基を有していてもよい炭素原子数7〜30のアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、(2−メチルフェニル)メチル基、(3−メチルフェニル)メチル基、(4−メチルフェニル)メチル基、(2,3−ジメチルフェニル)メチル基、(2,4−ジメチルフェニル)メチル基、(2,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,6−ジメチルフェニル)メチル基、(3,4−ジメチルフェニル)メチル基、(3,5−ジメチルフェニル)メチル基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチル基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチル基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチル基、(ペンタメチルフェニル)メチル基、(エチルフェニル)メチル基、(n−プロピルフェニル)メチル基、(イソプロピルフェニル)メチル基、(n−ブチルフェニル)メチル基、(sec−ブチルフェニル)メチル基、(tert−ブチルフェニル)メチル基、(イソブチルフェニル)メチル基、(n−ペンチルフェニル)メチル基、(ネオペンチルフェニル)メチル基、(n−ヘキシルフェニル)メチル基、(n−オクチルフェニル)メチル基、(n−デシルフェニル)メチル基、ナフチルメチル基、アントラセニルメチル基、ジメチル(フェニル)メチル基、ジメチル(4−メチルフェニル)メチル基、ジメチル(1−ナフチル)メチル基、ジメチル(2−ナフチル)メチル基、メチル(ジフェニル)メチル基、メチルビス(4−メチルフェニル)メチル基、トリフェニルメチル基が挙げられ、
好ましくは、ジメチル(フェニル)メチル基、ジメチル(4−メチルフェニル)メチル基、ジメチル(1−ナフチル)メチル基、ジメチル(2−ナフチル)メチル基、メチル(ジフェニル)メチル基、メチルビス(4−メチルフェニル)メチル基、トリフェニルメチル基などの炭素原子数9〜20の第3級アラルキル基である。
X1〜RX8における置換基を有していてもよい炭素原子数6〜30のアリール基としては、例えば、フェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、2,3,4,5−テトラメチルフェニル基、2,3,4,6−テトラメチルフェニル基、2,3,5,6−テトラメチルフェニル基、ペンタメチルフェニル基、エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、n−ブチルフェニル基、sec−ブチルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、イソブチルフェニル基、n−ペンチルフェニル基、ネオペンチルフェニル基、n−ヘキシルフェニル基、n−オクチルフェニル基、n−デシルフェニル基、n−ドデシルフェニル基、n−テトラデシルフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、3,5−ジイソプロピルフェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、3,5−ジtert−ブチルフェニル基、2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、2−トリフルオロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基、2,3−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,5−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基、2−クロロフェニル基、2,3−ジクロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、2,5−ジクロロフェニル基、2−ブロモフェニル基、3−ブロモフェニル基、4−ブロモフェニル基、2,3−ジブロモフェニル基、2,4−ジブロモフェニル基、2,5−ジブロモフェニル基が挙げられ、
好ましくは、フェニル基、2−トリル基、3−トリル基、4−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、2,3,4−トリメチルフェニル基、2,3,5−トリメチルフェニル基、2,3,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、3,4,5−トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、3,5−ジイソプロピルフェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、3,5−ジtert−ブチルフェニル基などの炭素原子数6〜20のフェニル基;2−フルオロフェニル基、3−フルオロフェニル基、4−フルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、2,3−ジフルオロフェニル基、2,4−ジフルオロフェニル基、2,5−ジフルオロフェニル基、2,6−ジフルオロフェニル基などのフッ素化フェニル基;2−トリフルオロメチルフェニル基、3−トリフルオロメチルフェニル基、4−トリフルオロメチルフェニル基などのフッ素化アルキルフェニル基である。
X1〜RX8における置換シリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−n−プロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリ−n−ブチルシリル基、トリイソブチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基、メチルジフェニルシリル基、ジメチル(フェニル)シリル基、tert−ブチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基、メチルビス(トリメチルシリル)シリル基、ジメチル(トリメチルシリル)シリル基、トリス(トリメチルシリル)シリル基が挙げられ、
好ましくはトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−n−プロピルシリル基、トリイソプロピルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基などの炭素原子数3〜20のトリアルキルシリル基;メチルビス(トリメチルシリル)シリル基、ジメチル(トリメチルシリル)シリル基、トリス(トリメチルシリル)シリル基などの炭素原子数3〜20のハイドロカルビルシリル基を置換基として有するシリル基である。
X1〜RX8における置換基を有していてもよい炭素原子数1〜20のアルコキシ基としては、例えば、パーフルオロメトキシ基、パーフルオロエトキシ基、パーフルオロ−n−プロポキシ基、パーフルオロイソプロポキシ基、パーフルオロ−n−ブトキシ基、パーフルオロ−sec−ブトキシ基、パーフルオロイソブトキシ基、パーフルオロ−n−ペンチルオキシ基、パーフルオロネオペンチルオキシ基、パーフルオロ−n−ヘキシルオキシ基、パーフルオロ−n−ヘプチルオキシ基、パーフルオロ−n−オクチルオキシ基、パーフルオロ−n−デシルオキシ基、パーフルオロ−n−ドデシルオキシ基、パーフルオロ−n−ペンタデシルオキシ基、パーフルオロ−n−エイコシルオキシ基、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、イソブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−ペンタデシルオキシ基、n−エイコシルオキシ基が挙げられ、
好ましくは炭素原子数1〜4のアルコキシ基であり、より好ましくはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、またはn−ブトキシ基である。
X1〜RX8における置換基を有していてもよい炭素原子数6〜30のアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、2,3,4−トリメチルフェノキシ基、2,3,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,6−トリメチルフェノキシ基、2,4,6−トリメチルフェノキシ基、3,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,3,4,5−テトラメチルフェノキシ基、2,3,4,6−テトラメチルフェノキシ基、2,3,5,6−テトラメチルフェノキシ基、ペンタメチルフェノキシ基、2,6−ジイソプロピルフェノキシ基、2−フルオロフェノキシ基、3−フルオロフェノキシ基、4−フルオロフェノキシ基、ペンタフルオロフェノキシ基、2−トリフルオロメチルフェノキシ基、3−トリフルオロメチルフェノキシ基、4−トリフルオロメチルフェノキシ基、2,3−ジフルオロフェノキシ基、2,4−ジフルオロフェノキシ基、2,5−ジフルオロフェノキシ基、2−クロロフェノキシ基、2,3−ジクロロフェノキシ基、2,4−ジクロロフェノキシ基、2,5−ジクロロフェノキシ基、2−ブロモフェノキシ基、3−ブロモフェノキシ基、4−ブロモフェノキシ基、2,3−ジブロモフェノキシ基、2,4−ジブロモフェノキシ基、2,5−ジブロモフェノキシ基が挙げられ、
好ましくは炭素原子数6〜14のアリールオキシ基であり、より好ましくは2,4,6−トリメチルフェノキシ基、3,4,5−トリメチルフェノキシ基、2,6−ジイソプロピルフェノキシ基、またはペンタフルオロフェノキシ基である。
X1〜RX8における置換基を有していてもよい炭素原子数7〜30のアラルキルオキシ基としては、例えば、ベンジルオキシ基、(2−メチルフェニル)メトキシ基、(3−メチルフェニル)メトキシ基、(4−メチルフェニル)メトキシ基、(2,3−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,6−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,4−ジメチルフェニル)メトキシ基、(3,5−ジメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,4,6−トリメチルフェニル)メトキシ基、(3,4,5−トリメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メトキシ基、(ペンタメチルフェニル)メトキシ基、(エチルフェニル)メトキシ基、(n−プロピルフェニル)メトキシ基、(イソプロピルフェニル)メトキシ基、(n−ブチルフェニル)メトキシ基、(sec−ブチルフェニル)メトキシ基、(tert−ブチルフェニル)メトキシ基、(n−ヘキシルフェニル)メトキシ基、(n−オクチルフェニル)メトキシ基、(n−デシルフェニル)メトキシ基、(n−テトラデシルフェニル)メトキシ基、ナフチルメトキシ基、アントラセニルメトキシ基が挙げられ、
好ましくは炭素原子数7〜12のアラルキルオキシ基であり、より好ましくはベンジルオキシ基である。
X1〜RX8における、置換基を有していてもよい、環を構成する炭素原子数が3〜20のヘテロ環式化合物残基としては、例えば、チエニル基、フリル基、1−ピロリル基、1−イミダゾリル基、1−ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、2−イソインドリル基、1−インドリル基、キノリル基、ジベンゾ−1H−ピロール−1−イル基、N−カルバゾリル基が挙げられ、
好ましくはチエニル基、フリル基、1−ピロリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、2−イソインドリル基、1−インドリル基、キノリル基、ジベンゾ−1H−ピロール−1−イル基、またはN−カルバゾリル基である。
上記RX1〜RX8の定義に関わらず、RX1とRX2、RX2とRX3、RX3とRX4、RX5とRX6、RX6とRX7、RX7とRX8は、それぞれ相互に連結して環を形成してもよく、該環は置換基を有していてもよく、好ましくは、式(1−X)中に示されたベンゼン環上の2つの炭素原子を含む4〜10員環のハイドロカルビル環または複素環であり、該環は置換基を有していてもよい。
該環として具体的には、シクロブテン環、シクロペンテン環、シクロペンタジエン環、シクロヘキセン環、シクロヘプテン環、シクロオクテン環、ベンゼン環、ナフタレン環、フラン環、2,5−ジメチルフラン環、チオフェン環、2,5−ジメチルチオフェン環、ピリジン環などが挙げられ、好ましくは、シクロペンテン環、シクロペンタジエン環、シクロヘキセン環、ベンゼン環またはナフタレン環であり、より好ましくは、RX1とRX2および/またはRX5とRX6が連結したシクロペンテン環、シクロヘキセン環、ベンゼン環またはナフタレン環である。
2つのXは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、環を構成する炭素原子数が3〜10のシクロアルキル基、炭素原子数2〜20のアルケニル基、炭素原子数7〜30のアラルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数7〜30のアラルキルオキシ基、炭素原子数6〜30のアリールオキシ基、炭素原子数1〜20の置換シリル基、炭素原子数1〜20の置換アミノ基、炭素原子数1〜20の置換チオラート基、または炭素原子数1〜20のカルボキシラート基を表す。
におけるハロゲン原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、環を構成する炭素原子数が3〜10のシクロアルキル基、炭素原子数2〜20のアルケニル基、炭素原子数7〜30のアラルキル基、炭素原子数6〜30のアリール基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数7〜30のアラルキルオキシ基、炭素原子数6〜30のアリールオキシ基は、R X2 〜R X4 およびR X6 〜R X8 において説明したものと同様で、炭素原子数1〜20の置換シリル基は、RX2〜RX4およびRX6〜RX8において置換シリル基として説明したもののうち炭素原子数1〜20のものと同様である。
における炭素原子数1〜20の置換アミノ基としては、例えば、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジn−ブチルアミノ基、ジn−プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジベンジルアミノ基またはジフェニルアミノ基などの炭素原子数2〜14のハイドロカルビルアミノ基が挙げられ、
好ましくは、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジn−プロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基またはジベンジルアミノ基である。
における炭素原子数1〜20の置換チオラート基としては、例えば、チオフェノキシ基、2,3,4−トリメチルチオフェノキシ基、2,3,5−トリメチルチオフェノキシ基、2,3,6−トリメチルチオフェノキシ基、2,4,6−トリメチルチオフェノキシ基、3,4,5−トリメチルチオフェノキシ基、2,3,4,5−テトラメチルチオフェノキシ基、2,3,4,6−テトラメチルチオフェノキシ基、2,3,5,6−テトラメチルチオフェノキシ基、ペンタメチルチオフェノキシ基、2−フルオロチオフェノキシ基、3−フルオロチオフェノキシ基、4−フルオロチオフェノキシ基、ペンタフルオロチオフェノキシ基、2−トリフルオロメチルチオフェノキシ基、3−トリフルオロメチルチオフェノキシ基、4−トリフルオロメチルチオフェノキシ基、2,3−ジフルオロチオフェノキシ基、2,4−ジフルオロチオフェノキシ基、2,5−ジフルオロチオフェノキシ基、2−クロロチオフェノキシ基、2,3−ジクロロチオフェノキシ基、2,4−ジクロロチオフェノキシ基、2,5−ジクロロチオフェノキシ基、2−ブロモチオフェノキシ基、3−ブロモチオフェノキシ基、4−ブロモチオフェノキシ基、2,3−ジブロモチオフェノキシ基、2,4−ジブロモチオフェノキシ基、および2,5−ジブロモチオフェノキシ基などの炭素原子数6〜12のハイドロカルビルチオラート基が挙げられ、
好ましくはチオフェノキシ基、2,4,6−トリメチルチオフェノキシ基、3,4,5−トリメチルチオフェノキシ基、2,3,4,5−テトラメチルチオフェノキシ基、2,3,4,6−テトラメチルチオフェノキシ基、2,3,5,6−テトラメチルチオフェノキシ基、ペンタメチルチオフェノキシ基またはペンタフルオロチオフェノキシ基である。
における炭素原子数1〜20のカルボキシラート基としては、例えば、アセテート基、プロピオネート基、ブチレート基、ペンタネート基、ヘキサノエート基、2−エチルヘキサノエート基またはトリフルオロアセテート基が挙げられ、
好ましくは炭素原子数2〜10のハイドロカルビルカルボキシラート基であり、より好ましくは、アセテート基、プロピオネート基、2−エチルヘキサノエート基またはトリフルオロアセテート基である。
は、好ましくは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、炭素原子数1〜20のアルキル基、炭素原子数7〜30のアラルキル基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基、炭素原子数6〜30のアリールオキシ基、または炭素原子数1〜20のハイドロカルビルアミノ基であり、より好ましくは、塩素原子、臭素原子、炭素原子数1〜6のアルキル基、炭素原子数7〜10のアラルキル基、炭素原子数1〜6のアルコキシ基、炭素原子数6〜10のアリールオキシ基、または炭素原子数2〜10のハイドロカルビルアミノ基であり、さらに好ましくは、塩素原子、メチル基、エチル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、ベンジル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、tert−ブトキシ基、フェノキシ基ジメチルアミノ基、またはジエチルアミノ基であり、特に好ましくは、塩素原子、メチル基、ベンジル基、イソプロポキシ基、フェノキシ基、またはジメチルアミノ基であり、最も好ましくは、塩素原子である。
における上記アルキル基、上記シクロアルキル基、上記アルケニル基、上記アラルキル基、上記アリール基、上記アルコキシ基、上記アラルキルオキシ基、上記アリールオキシ基および上記カルボキシラート基はそれぞれ置換基を有していてもよい。
同士は、相互に連結して環を形成してもよく、該環は置換基を有していてもよい。
X1〜RX8およびXは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、酸素原子、ケイ素原子、窒素原子、リン原子または硫黄原子を含む置換基を有していてもよい。
は中性のルイス塩基を表す。Eとしては、エーテル類、アミン類またはチオエーテル類などが挙げられ、具体的には、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサンまたはピリジンが挙げられる。Eとして好ましくは、テトラヒドロフランである。
下付のxは、Eの個数を表し、0、1、または2であり、好ましくは0または1であり、さらに好ましくは0である。Eが複数ある場合は、複数のEは同一でも異なっていてもよい。
X1〜RX8における上記アルキル基、上記シクロアルキル基、上記アルケニル基、上記アルキニル基、上記アラルキル基、上記アリール基、上記アルコキシ基、上記アラルキルオキシ基、上記アリールオキシ基および上記へテロ環式化合物残基が有してもよい置換基、RX1とRX2、RX2とRX3、RX3とRX4、RX5とRX6、RX6とRX7、もしくはRX7とRX8が連結して形成された環が有していてもよい置換基、Xにおける上記アルキル基、上記シクロアルキル基、上記アルケニル基、上記アラルキル基、上記アリール基、上記アルコキシ基、上記アラルキルオキシ基、上記アリールオキシ基および上記カルボキシラート基が有していてもよい置換基、ならびにX同士が連結して形成された環が有していてもよい置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、置換シリル基、置換アミノ基、置換チオラート基、ヘテロ環式化合物残基などが挙げられる。
式(1−X)で表される遷移金属化合物(A−X)の具体例としては下記の化合物が挙げられる。
Figure 0006068754
Figure 0006068754
Figure 0006068754
Figure 0006068754
Figure 0006068754
また、これらの他にも、上記それぞれの化合物のチタニウム原子に直接結合している2つのベンジル基を、塩素原子、メチル基、ジメチルアミノ基、イソプロポキシ基、tert−ブトキシ基またはフェノキシ基に変更した化合物も遷移金属化合物(A−X)の例として挙げられる。
さらには、上記それぞれの化合物におけるチタニウム原子を、ジルコニウム原子またはハフニウム原子に変更した化合物も遷移金属化合物(A−X)の例として挙げられる。
さらには、上記それぞれの化合物における、上記一般式(1−X)中のRX3およびRX7に相当する基を、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子またはメチル基に変更した化合物も遷移金属化合物(A−X)の例として挙げられる。
さらには、上記それぞれの化合物の硫黄原子を架橋するシクロオクタン環をシクロへプタン環またはシクロヘキサン環で置換した化合物も遷移金属化合物(A−X)の例として挙げられる。
遷移金属化合物(A−X)として好ましくは下記の化合物が挙げられる。
Figure 0006068754
Figure 0006068754
また、これらの他にも、上記それぞれの化合物のチタン原子に直接結合している2つのベンジル基を、塩素原子またはメチル基に変更した化合物も挙げられる。
さらには、上記それぞれの化合物におけるチタニウム原子を、ジルコニウム原子またはハフニウム原子に変更した化合物も挙げられる。
さらには、上記それぞれの化合物における、上記一般式(1−X)中のRX3およびRX7に相当する基を、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子またはメチル基に変更した化合物も挙げられる。
さらには、上記それぞれの化合物の硫黄原子を架橋するシクロオクタン環をシクロへプタン環で置換した化合物も挙げられる。
遷移金属化合物(A−X)としてさらに好ましくは下記の化合物が挙げられる。
Figure 0006068754
また、これらの他にも、上記それぞれのチタン原子に直接結合している2つのベンジル基を、塩素原子に変更した化合物も挙げられる。
さらには、上記それぞれの化合物におけるチタニウム原子を、ジルコニウム原子またはハフニウム原子に変更した化合物も挙げられる。
さらには、上記それぞれの化合物における、上記一般式(1−X)中の化合物のRX3およびRX7に相当する基を、メチル基に変更した化合物も挙げられる。
遷移金属化合物(A−X)として特に好ましくは下記の化合物が挙げられる。
Figure 0006068754
また、これらの他にも、上記それぞれの化合物のチタン原子に直接結合している2つのベンジル基を、塩素原子に変更した化合物も挙げられる。
さらには、上記それぞれの化合物におけるチタニウム原子を、ジルコニウム原子またはハフニウム原子に変更した化合物も挙げられる。
さらには、上記それぞれの化合物における、上記一般式(1−X)中のRX3およびRX7に相当する基をメチル基に変更した化合物も挙げられる。
遷移金属化合物(A−X)は、例えば、参考文献:Journal of American Chemical Society, 2009, Volume 131,13566-13567に記載の方法により合成できる。具体的には一般式(2)で表される化合物(以下、「化合物(2)」と称する)および一般式(3)で表される化合物(以下、「化合物(3)」と称する)を出発原料として下記scheme1の方法により、一般式(1−X)で表される遷移金属化合物(A−X)を製造できる。なお、一般式(2)中のRX1〜RX8およびnは、一般式(1−X)中のRX1〜RX8およびnと同じものである。Scheme1中のEは一般式(1−X)中のEと同じものであり、反応系内にEは存在していても存在していなくてもよく、存在しない場合、Eの個数を示す下付のxは0である。
Figure 0006068754
一般式(3)中のMおよびXは、一般式(1−X)におけるMおよびXと同じものである。M としては、例えば、Ti(CHPh)、TiCl(CHPh)、Ti(CHSiMe)、TiF、TiCl、TiBr、TiI、Ti(OMe)、Ti(OEt)、Ti(O−i−Pr)、TiCl(O−i−Pr)、Ti(O−n−Bu)、Ti(O−i−Bu)、Ti(O−t−Bu)、Ti(OPh)、Ti(NMe)、TiCl(NMe)、Ti(NEt)、Zr(CHPh)、ZrCl(CHPh)、Zr(CHSiMe)、ZrF,ZrCl、ZrBr、ZrI、Zr(OMe)、Zr(OEt)、Zr(O−i−Pr)、ZrCl(O−i−Pr)、Zr(O−n−Bu)、Zr(O−i−Bu)、Zr(O−t−Bu)、Zr(OPh)、Zr(NMe)、ZrCl(NMe)、Zr(NEt)、Hf(CHPh)、HfCl(CHPh)、Hf(CHSiMe)、HfF、HfCl、HfBr、HfI、Hf(OMe)、Hf(OEt)、Hf(O−i−Pr)、HfCl(O−i−Pr)、Hf(O−n−Bu)、Hf(O−i−Bu)、Hf(O−t−Bu)、Hf(OPh)、Hf(NMe)、HfCl(NMe)、Hf(NEt)が挙げられる。好ましくは、Ti(CHPh)、TiCl(CHPh)、Ti(CHSiMe)、TiCl、TiBr、Ti(OMe)、Ti(OEt)、Ti(O−i−Pr)、Ti(O−i−Bu)、Ti(O−t−Bu)、Ti(OPh)、Ti(NMe)、TiCl(NMe)、Ti(NEt)、Zr(CHPh)、ZrCl(CHPh)、Zr(CHSiMe)、ZrCl、ZrBr、Zr(OMe)、Zr(OEt)、Zr(O−i−Pr)、Zr(O−i−Bu)、Zr(O−t−Bu)、Zr(OPh)、Zr(NMe)、ZrCl(NMe)、Zr(NEt)、Hf(CHPh)、HfCl(CHPh)、Hf(CHSiMe)、HfCl、HfBr、Hf(OMe)、Hf(OEt)、Hf(O−i−Pr)、Hf(O−i−Bu)、Hf(O−t−Bu)、Hf(OPh)、Hf(NMe)、HfCl(NMe)、またはHf(NEt)である。
遷移金属化合物(AーX)は、化合物(2)と化合物(3)とをそのまま反応させて形成してもよく、化合物(2)を塩基と反応させた後に化合物(3)を反応させて形成してもよい。これらの反応は、通常溶媒中で行う。用いる塩基としては、例えば、有機リチウム試薬、Grignard試薬、および金属水素化物が挙げられ、具体的にはn−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、リチウムヘキサメチルジシラザン、カリウムヘキサメチルジシラザン、水素化ナトリウムまたは水素化カリウムが挙げられ、好ましくは、n−ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミド、カリウムヘキサメチルジシラザン、水素化ナトリウムまたは水素化カリウムである。
化合物(2)と塩基を反応させて得られる化合物、遷移金属化合物(A−X)および化合物(3)は、通常空気および湿気に対して不安定であるため、反応は脱水脱酸素下で行うことが好ましい。具体的には、乾燥窒素または乾燥アルゴン下である。
化合物(2)の使用量は、化合物(3)に対して1モル当量以上であればよく、好ましくは、1.0〜1.5モル当量である。また、反応の過程で化合物(2)が残存する場合は、反応の途中で化合物(3)を追加してもよい。
化合物(2)と化合物(3)とを反応させる温度は、通常−100℃〜150℃であり、好ましくは−80℃〜50℃である。
化合物(2)と化合物(3)との反応は、生成物の収率が最も高くなる時間まで行えばよく、好ましくは5分間〜48時間であり、より好ましくは10分間〜24時間である。
化合物(2)と塩基とを反応させる温度は、通常−100℃〜150℃であり、好ましくは−80℃〜50℃である。
化合物(2)と塩基とを反応させる時間は、生成物の収率が最も高くなる時間まで行えばよく、5分間〜24時間であり、好ましくは10分間〜12時間、より好ましくは30分間〜3時間である。
化合物(2)と塩基とを反応させて生じた化合物と、化合物(3)とを反応させる温度は、通常−100℃〜150℃であり、好ましくは−80℃〜50℃である。
化合物(2)と塩基とを反応させて生じた化合物と、化合物(3)とを反応させる時間は、生成物の収率が最も高くなる時間まで行えばよく、例えば5分間〜48時間であり、好ましくは10分間〜24時間である。
用いる溶媒は、類似の反応で一般的に用いられる溶媒であれば特に制限されるものではないが、例えば、ハイドロカーボン溶媒またはエーテル系溶媒が挙げられる。好ましくは、トルエン、ベンゼン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、シクロヘキサン、ジエチルエーテルまたはテトラヒドロフランであり、より好ましくは、ジエチルエーテル、トルエン、テトラヒドロフラン、ヘキサン、ペンタン、ヘプタン、またはシクロヘキサンである。
化合物(2)は、例えば、参考文献:Journal of American Chemical Society, 2009, Volume 131,13566-13567に記載の方法に準じて合成することができる。具体的には下記scheme2に記載の方法より製造することができる。以下、scheme2に記載の各工程について詳しく説明する。なお、下記一般式(4)〜(7)で表される化合物をそれぞれ「化合物(4)〜(7)」と称する。
Figure 0006068754
scheme2における各化合物中のRX1〜RX8およびnは、一般式(1―X)におけるRX1〜RX8およびnと同じものである。
X’はアニオン性脱離基を表し、例えば、ハロゲン原子、アセテート基、トリフルオロアセテート基、ベンゾエート基、CF3SO3基、CH3SO3基、4−MeC64SO3基またはPhSO3基などが挙げられ、好ましくは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、CF3SO3基、CH3SO3基、4−MeC64SO3基またはPhSO3基である。
[step1]
化合物(4)に1.0〜4.0当量、好ましくは1.0〜1.5当量の化合物(5)を塩基存在下で反応させ、化合物(6)を合成することができる。
塩基としては、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素カルシウムおよび炭酸水素ナトリウムなどの無機塩基、ならびにトリエチルアミンおよびトリイソブチルアミンなどのアミン塩基が挙げられ、好ましくはアミン塩基である。
本反応は、空気、ヘリウム、アルゴンまたは窒素雰囲気下で行うことができる。好ましくは、ヘリウム、アルゴンまたは窒素雰囲気下、より好ましくは、窒素またはアルゴン雰囲気下である。
反応終了後、化合物(6)を精製してもよい。精製方法としては、例えば、反応溶液に対して塩化アンモニウム水溶液、塩酸水溶液または塩化ナトリウム水溶液を加え、次に酢酸エチルまたはジエチルエーテルを加え、抽出操作を行い、過剰の塩基または塩を除去する方法が挙げられる。さらに蒸留、再結晶またはシリカゲルクロマトグラフィー等の精製操作により、化合物(6)の純度を高めることができる。
[step2]
化合物(6)に1.0〜4.0当量、好ましくは1.0〜1.5当量の化合物(7)を塩基存在下で反応させ、化合物(2)を合成することができる。
塩基としては、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素カルシウムおよび炭酸水素ナトリウム等の無機塩基、ならびにトリエチルアミンおよびトリイソブチルアミン等のアミン塩基が挙げられ、好ましくはアミン塩基である。
本反応は、空気、ヘリウム、アルゴンまたは窒素雰囲気下で行うことができる。好ましくは、ヘリウム、アルゴンまたは窒素雰囲気下、より好ましくは、窒素またはアルゴン雰囲気下である。
反応終了後、化合物(2)を精製してもよい。精製方法としては、例えば、反応溶液に対して塩化アンモニウム水溶液、塩酸水溶液または塩化ナトリウム水溶液を加え、次に酢酸エチルまたはジエチルエーテルを加え、抽出操作を行い、過剰の塩基または塩を除去する方法が挙げられる。さらに蒸留、再結晶またはシリカゲルクロマトグラフィー等の精製操作により、化合物(2)の純度を高めることができる。
[step1]の反応条件を制御することで、反応器内で生成した化合物(6)と化合物(7)とを反応させ、化合物(2)を得ることもできる。
X1がRX5と同じであり、RX2がRX6と同じであり、RX3がRX7と同じであり、かつRX4がRX8と同じである場合、化合物(5)と化合物(7)を合わせて、化合物(4)に対して2.0〜8.0当量、好ましくは2.0〜4.0当量を塩基存在下で反応させることで、化合物(2)を合成することもできる。
化合物(2)の具体例としては下記の化合物が挙げられる。
Figure 0006068754
Figure 0006068754
Figure 0006068754
Figure 0006068754
また、これらの他にも、上記それぞれの化合物における、上記一般式(2)中のRX3およびRX7に相当する基を、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子またはメチル基に変更した化合物も化合物(2)の例として挙げられる。
さらには、上記それぞれの化合物の硫黄原子間を架橋するシクロオクタン環をシクロへプタン環またはシクロヘキサン環で置換した化合物も化合物(2)の例として挙げられる。
化合物(5)および化合物(7)の具体例としては下記の化合物が挙げられる。
Figure 0006068754
Figure 0006068754
また、これらの他にも、上記それぞれの化合物における、上記一般式(5)または(7)中のRX3またはRX7に相当する基を、水素原子、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子またはメチル基に変更した化合物も化合物(5)および化合物(7)の例として挙げられる。
遷移金属化合物(A−Y)
本発明において用いられる遷移金属化合物(A−Y)は、1つまたは複数の遷移金属原子、およびπ電子共役系アニオン性基、非共役系アニオン性基、中性ルイス塩基性配位子から選ばれる1つまたは複数の基・配位子を含有する下記一般式(1−Y)で表される遷移金属化合物のうち、前記一般式(1−X)で表される遷移金属化合物を除いた遷移金属化合物の群から選ばれる。
例として、メタロセン、ハーフメタロセン、もしくはヘテロ原子を配位元素とする多座キレート型基を有する遷移金属化合物などが含まれる。以下、式(1−Y)で表される遷移金属化合物について説明する。
Figure 0006068754
Mは、元素周期律表の4〜11族の遷移金属原子を表し、nが2以上の場合、Mは互いに同一でも異なっていてもよい。なかでも好ましくは4〜10族、より好ましくは4、5、6、8、9、10族、さらに好ましくは4、6、8、10族、最も好ましくは4族から選択される遷移金属原子である。
Lは、水素原子を除いて70個までの原子を含有し、共役系π電子を介してMに結合するπ電子共役系アニオン性基であり、aが2以上の場合、Lは互いに同一でも異なっていてもよい。
Xは、水素原子を除いて70個までの原子を含有する非共役系アニオン性基であり、bが2以上の場合、Xは互いに同一でも異なっていてもよい。
Eは、水素原子を除いて70個までの原子を含有し、1つ以上の非共有電子対を介してMに結合する中性ルイス塩基性配位子であり、cが2以上の場合、Eは互いに同一でも異なっていてもよい。
aは0〜6の整数であり、bは0〜8の整数であり、cは0〜9の整数であり、nは1〜4の整数である。また、M、L、Xの価数がそれぞれm、l、xのとき、m=l×a+x×bの関係を満たす。また、L、X、Eは、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、さらにaが2以上の場合、L同士が、bが2以上の場合、X同士が、cが2以上の場合、E同士が、nが2以上の場合、L同士、X同士、E同士が互いに連結して環を形成していてもよい。
π電子共役系アニオン性基は共役系π電子を介してMに結合するアニオン性基であればどのようなものであってもよいが、例えば、シクロペンタジエニル基、インデニル基、フルオレニル基、テトラハイドロインデニル基、テトラハイドロフルオレニル基、オクタハイドロフルオレニル基、ペンタジエニル基、シクロヘキサジエニル基、ジハイドロアントラセニル基、ヘキサハイドロアントラセニル基、デカハイドロアントラセニル基、ホスホール基およびボラタベンジル基に加えて、それらの誘導体、特には、それらのC1-10ハイドロカルビル置換もしくはトリス(C1-10ハイドロカルビル)シリル置換誘導体が含まれる。なかでも好ましくは、シクロペンタジエニル基、ペンタメチルシクロペンタジエニル基、テトラメチルシクロペンタジエニル基、テトラメチルトリメチルシリルシクロペンタジエニル基、インデニル基、テトラハイドロインデニル基、2,3−ジメチルインデニル基、2−メチルインデニル基、2−メチル−4−フェニルインデニル基、フルオレニル基、テトラハイドロフルオレニル基、オクタハイドロフルオレニル基である。
非共役系アニオン性基の例には、水素原子、酸素原子、硫黄原子、ハロゲン原子、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、ガリウム含有基、炭素含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基、窒素含有基、リン含有基、酸素含有基、硫黄含有基、セレン含有基、ハロゲン含有基および複素環式化合物残基などが挙げられる。
ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子であり、好ましくは塩素原子である。
ホウ素含有基は、ホウ素原子を1〜5個含有する基であり、好ましくはハイドロボリル基、またはハイドロボリル基の水素原子の一部もしくは全てが、ハロゲン原子、窒素含有基、酸素含有基、ハイドロカルビル基、または該ハイドロカルビル基の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子、窒素含有基、酸素含有基のいずれか、もしくは複数によって置換された基のいずれか、もしくは複数によって置換されたものが挙げられる。
アルミニウム含有基として好ましくは、前記ホウ素含有基のホウ素原子をアルミニウム原子に置換した基であり、またガリウム含有基として好ましくは、前記ホウ素含有基のホウ素原子をガリウム原子に置換した基である。
炭素含有基としては、ハイドロカルビル基、またはハイドロカルビル基の水素原子の一部もしくは全てが、ハロゲン原子、ホウ素含有基、アルミニウム含有基、ガリウム含有基、ケイ素含有基、ゲルマニウム含有基、スズ含有基、窒素含有基、リン含有基、酸素含有基、硫黄含有基、セレン含有基、ハロゲン含有基、複素環式化合物残基のいずれか、もしくは複数によって置換された基が挙げられる。
ハイドロカルビル基として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基などの炭素原子数3〜30、好ましくは3〜20の環状アルキル基、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、ビフェニル基、ターフェニル基などの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール(aryl)基、ビニル基、アリル(allyl)基、イソプロペニル基などの炭素原子数2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のアルケニル基、エチニル基、プロパルギル基など炭素原子数2〜30、好ましくは2〜20の直鎖状または分岐状のアルキニル基、また、上記ハイドロカルビル基は、水素原子の一部もしくは全てが他のハイドロカルビル基で置換されていてもよく、例えば、ベンジル、クミルなどのアラルキル基、トリル基、イソプロピルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基、ジ−tert−ブチルフェニル基などのアルキル置換アリール基などが挙げられる。
ケイ素含有基は、ケイ素原子を1〜5個含有する基であり、好ましくは、メチルシリル基、ジメチルシリル基、トリメチルシリル基、エチルシリル基、ジエチルシリル基、トリエチルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、ジメチル−t−ブチルシリル基、ジメチル(ペンタフルオロフェニル)シリル基などのハイドロカルビル置換シリル基、トリメチルシリルオキシ基などのハイドロカルビル置換シリルオキシ基、トリメチルシリルメチル基などのハイドロカルビル置換シリルアルキル基、トリメチルシリルフェニル基などのハイドロカルビル置換シリルアリール基である。
ゲルマニウム含有基として好ましくは、前記ケイ素含有基のケイ素原子をゲルマニウム原子に置換した基であり、またスズ含有基としては、前記ケイ素含有基のケイ素原子をスズ原子に置換した基である。
窒素含有基は、窒素原子を1〜5個含有する基であり、好ましくは、アミノ基、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ベンジルアミノ基、クミルアミノ基などのアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、ジナフチルアミノ基、メチルフェニルアミノ基などのアリールアミノ基、ベンジルアミノ基、クミルアミノ基などのアラルキルアミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、ヒドラジノ基、ヒドラゾノ基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、イソシアノ基、シアン酸エステル基、アミジノ基、ジアゾ基などである。
リン含有基は、リン原子を1〜5個含有する基であり、好ましくは、ホスフィド基、ホスホリル基、チオホスホリル基、ホスファト基などである。
酸素含有基は、酸素原子を1〜5個含有する基であり、好ましくは、ハイドロキシ基、メトキシ基、エトキシ基、フェニルメトキシ基、フェニルエトキシ基などのアルコキシ基、フェノキシ基、メチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基、ナフトキシ基などのアリーロキシ基、アシル基、エステル基、カルボキシル基、カルボン酸基、カルボネート基、カルボン酸無水物基、ペルオキシ基などである。
硫黄含有基は、硫黄原子を1〜5個含有する基であり、好ましくは、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、チオアシル基、チオエステル基、ジチオエステル基、チオエーテル基、チオシアン酸エステル基、イソチオシアン酸エステル基、スルホンエステル基、スルホンアミド基、チオカルボキシル基、ジチオカルボキシル基、スルホ基、スルホニル基、スルフィニル基、スルフェニル基などである。
セレン含有基として好ましくは、前記硫黄含有基の硫黄原子をセレン原子に置換した基である。
ハロゲン含有基として好ましくは、PF、BFなどのフッ素含有基、ClO、SbClなどの塩素含有基、IOなどのヨウ素含有基である。
複素環式化合物残基として好ましくは、ピロール、ピリジン、ピリミジン、キノリン、トリアジンなどの含窒素化合物、フラン、ピランなどの含酸素化合物、チオフェンなどの含硫黄化合物などの残基、およびこれらの複素環式化合物残基に炭素原子数が1〜30、好ましくは1〜20のアルキル基、アルコキシ基などの基がさらに置換した基などである。
中性ルイス塩基性配位子は、1つ以上の非共有電子対を介してMに結合する中性の配位子であればどのようなものであってもよいが、例えば、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラハイドロフラン、ジメトキシエタン、フラン、ジオキサン、ジメチルフラン、アニソール、ジフェニルエーテル、メチル−t−ブチルエーテルなどの鎖状または環状の飽和または不飽和エーテル類、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒド、p−トリルアルデヒド、p−ニトロベンズアルデヒド、フェニルアセトアルデヒドなどの鎖状または環状の飽和または不飽和アルデヒド類、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、n−ブチロフェノン、ベンジルメチルケトンなどの鎖状または環状の飽和または不飽和ケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ベンジル、酢酸フェニル、ギ酸エチル、プロピオン酸エチル、ステアリン酸エチル、安息香酸エチルなどの鎖状または環状の飽和または不飽和エステル類、無水酢酸、無水コハク酸、無水マレイン酸などの鎖状または環状の飽和または不飽和酸無水物類、ホルムアミド、アセトアミド、ベンズアミド、n−バレルアミド、ステアリルアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルプロピオンアミド、N,N−ジメチル−n−ブチルアミドなどの鎖状または環状の飽和または不飽和アミド類、スクシンイミド、フタルイミドなどの鎖状または環状の飽和または不飽和イミド類、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリフェニルアミン、ジメチルアミン、N,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン、アニリン、N,N−ジメチルアニリン、ピロリジン、ピペリジン、モルホリンなどの鎖状または環状の飽和または不飽和アミン類、メタンイミン、エタンイミン、フェニルメタンイミン、N−メチルメタンイミンなどの鎖状または環状の飽和または不飽和イミン類、ピリジン、α−ピコリン、β−ピコリン、キノリン、イソキノリン、2−メチルピリジン、ピロール、オキサゾール、イミダゾール、ピラゾール、インドールなどの含窒素複素環式化合物類、ジメチルスルフィド、メチルフェニルスルフィド、ジフェニルスルフィドなどのチオエーテル類、ジメチルスルホキシド、メチルフェニルスルホキシド、ジフェニルスルホキシドなどのスルホキシド類、ジメチルスルホン、メチルフェニルスルホン、ジフェニルスルホンなどのスルホン類、チオフェン、チアゾールなどの含硫黄複素環式化合物類、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィンなどのホスフィン類、トリメチルホスファイト、トリフェニルホスファイトなどのホスファイト類、トリメチルホスフィンオキシド、トリフェニルホスフィンオキシドなどのホスフィンオキシド類、アセトニトリル、ベンゾニトリルなどの飽和または不飽和ニトリル類、一酸化炭素、二酸化炭素等の無機化合物類、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウムなどの無機塩類である。
本発明において用いられる重合触媒(Y)を形成する遷移金属化合物(A−Y)は、好ましくは下記一般式(1−Y−1)、(1−Y−2)、(1−Y−3)、(1−Y−4)、(1−Y−5)、(1−Y−6)、(1−Y−7)および(1−Y−8)で表される遷移金属化合物から選ばれる。以下、式(1−Y−1)、(1−Y−2)、(1−Y−3)、(1−Y−4)、(1−Y−5)、(1−Y−6)、(1−Y−7)および(1−Y−8)で表される遷移金属化合物について説明する。
Figure 0006068754
一般式(1−Y−1)において、M、X、bはそれぞれ前記式(1−Y)と同様のものを表し、Mとして好ましくは4族の遷移金属原子であり、具体的にはチタニウム原子またはジルコニウム原子またはハフニウム原子であり、特に好ましくはハフニウム原子である。
は水素原子以外に1〜30個の原子を含有するハイドロカルビル基を表し、具体的には例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、ドデシル基、アイコシル基などのアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基などの炭素原子数が3〜30のシクロアルキル基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基などのアラルキル基、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、ジイソプロピルフェニル基、トリイソプロピルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、ジ−tert―ブチルフェニル基、トリ―tert−ブチルフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基、アントリル基、フェナントリル基などのアリール基などが挙げられる。また、これらのハイドロカルビル基には、ハロハイドロカルビル基、具体的には炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基の少なくとも一つの水素がハロゲン原子に置換した基も含まれる。
は水素原子以外に1〜40個の原子を含有する二価の架橋基を表し、好ましくは水素以外に1〜20個の原子を含有する架橋基であり、より好ましくは炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基が1つないし2つ置換したメチレン基またはシリレン基である。具体的には例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、ノニル基、ドデシル基などのアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基などの炭素原子数が3〜20のシクロアルキル基、ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基などのアラルキル基、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、ジイソプロピルフェニル基、トリイソプロピルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、ジ−tert−ブチルフェニル基、トリ−tert−ブチルフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基、アントリル基、フェナントリル基などのアリール基が1つないし2つ置換したメチレン基またはシリレン基が挙げられる。これらのうち、炭素原子数6〜20のアリール基が1つ置換したメチレン基またはシリレン基が好ましく、置換フェニル基または縮合多環式アリール基が1つ置換したメチレン基またはシリレン基がより好ましい。
はルイス塩基性を有する炭素原子数5〜40の複素環式化合物残基を表し、ピリジン−2−イル基、ピリミジン−2−イル基、キノリン−2−イル基、イソキノリン−2−イル基、イミダゾール−2−イル基、フラン−2−イル基、1,4−ジオキシン−2−イル基、1,4−ジオキサン−2−イル基、ピラン−2−イル基、チオフェン−2−イル基などが挙げられ、好ましくはピリジン−2−イル基、または置換ピリジン−2−イル基、あるいはそれらの二価の誘導体である。
前記一般式(1−Y−1)で表される遷移金属化合物としては、下記一般式(1−Y−1a)で表される化合物が好ましい。
Figure 0006068754
一般式(1−Y−1a)において、M、X、R、T、bはそれぞれ前記一般式(1−Y−1)と同様のものを表し、Rとして好ましくは、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、ジイソプロピルフェニル基、トリイソプロピルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、ジ−tert―ブチルフェニル基、トリ―tert−ブチルフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基、アントリル基、フェナントリル基などの炭素原子数6〜20のアリール基である。
〜Rは、水素原子、ハロゲン原子、シリル基、炭素原子数1〜20個のハイドロカルビル基、または該ハイドロカルビル基の水素原子がヘテロ原子含有基で置換された基を表し、好ましくは水素原子または炭素原子数1〜4のアルキル基である。
は、シリル基、炭素原子数1〜20個のハイドロカルビル基、または該ハイドロカルビル基の水素原子がヘテロ原子含有基で置換された基を表し、好ましくは炭素原子数6〜20のアリール基である。また、R〜Rの基は、隣接する基同士が互いに結合することによって、縮合環誘導体を形成することもできる。
さらに、前記一般式(1−Y−1a)で表される遷移金属化合物としては、下記一般式(1−Y−1b)で表される化合物がより好ましい。
Figure 0006068754
一般式(1−Y−1b)において、M、X、R〜R、T、bはそれぞれ前記一般式(1−Y−1a)と同様のものを表し、Rとして好ましくは、フェニル基、トリル基、ジメチルフェニル基、トリメチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、ジイソプロピルフェニル基、トリイソプロピルフェニル基、tert−ブチルフェニル基、ジ−tert―ブチルフェニル基、トリ―tert−ブチルフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、メチルナフチル基、アントリル基、フェナントリル基などの炭素原子数6〜20のアリール基である。
2価の架橋基Tとして好ましくは、−CR−、−SiR−であり、さらに好ましくは−CR−である。
およびRは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子または炭素原子数1〜20のアルキル基もしくはアリール基であり、好ましくは、RおよびRの一方が水素原子であり、かつ他方が炭素原子数6〜20のアリール基である。
aは、それぞれ独立に、炭素原子数1〜4のアルキル基であり、好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基であり、dは1〜5である。
によって置換されたアリール基として好ましくは、2,4,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリエチルフェニル基、2,4,6−トリイソプロピルフェニル基、2,4,6−トリt−ブチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,6−ジエチルフェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、2,6−ジt−ブチルフェニル基である。
さらに、前記一般式(1−Y−1b)で表される遷移金属化合物としては、下記一般式(1−Y−1c)で表される化合物がより好ましい。
Figure 0006068754
一般式(1−Y−1c)において、Xは前記一般式(1−Y−1b)と同様のものを表し、好ましくは、ハロゲン原子、N,N−ジメチルアミド基もしくは炭素原子数1〜4のアルキル基であり、さらに好ましくはメチル基である。
およびRは、水素原子、ハロゲン原子、炭素原子数1〜6のアルキル基もしくは炭素原子数6〜20のアリール基であり、場合によっては2つの隣接するR同士およびR同士が結合して縮合環誘導体を形成していてもよく、かつeは1〜4、fは1〜5である。
によって置換されたフェニレン基として好ましくは、5−メチルフェニレン基、5−エチルフェニレン基、5−イソプロピルフェニレン基、5−シクロヘキシルフェニレン基であり、またR同士の結合によって形成された縮合環誘導体として好ましくは、ナフタレニル基、アントリル基、フェナントリル基である。
によって置換されたフェニル基として好ましくは、2,4,6−トリメチルフェニル基、2,4,6−トリエチルフェニル基、2,4,6−トリイソプロピルフェニル基、2,4,6−トリシクロヘキシルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、2,6−ジエチルフェニル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、2,6−ジシクロヘキシルフェニル基、2−メチルフェニル基、2−エチルフェニル基、2−イソプロピルフェニル基、2−シクロヘキシルフェニル基であり、またR同士の結合によって形成された縮合環誘導体として好ましくは、ナフタレニル基、アントリル基、フェナントリル基である。
さらに、前記一般式(1−Y−1c)で表される遷移金属化合物としては、下記一般式(1−Y−1d)、(1−Y−1e)で表される化合物がより好ましい。
Figure 0006068754
一般式(1−Y−1d)、(1−Y−1e)において、Xは前記一般式(1−Y−1c)と同様のものを表し、好ましくは、ハロゲン原子、N,N−ジメチルアミド基もしくは炭素原子数1〜4のアルキル基であり、より好ましくはメチル基である。
は炭素原子数1〜6のアルキル基もしくはシクロアルキル基であり、好ましくは、メチル基、イソプロピル基、t−ブチル基もしくはシクロヘキシル基である。
以下に、一般式(1−Y−1)で表される遷移金属化合物(A−Y)の具体的構造を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 0006068754
Figure 0006068754
Figure 0006068754
Figure 0006068754
前記化合物のハフニウム原子をジルコニウム原子またはチタニウム原子に変更した化合物、前記化合物のクロライドをブロマイド、アイオダイド、ハイドライド、メチル、ベンジル、メトキシド、イソプロポキシド、n−ブトキシド、フェノキシド、ベンジロキシド、ジメチルアミドまたはジエチルアミドに変更した化合物も同様に挙げられる。
前記一般式(1−Y−1)で表される遷移金属化合物(A−Y)は、米国特許出願公開第2004/0220050号明細書に記載の方法により製造することができる。
Figure 0006068754
一般式(1−Y−2)において、M、X、a、bはそれぞれ前記一般式(1−Y)と同様のものを表す。Mとして、好ましくは元素周期律表の4族または5族の遷移金属原子であり、より好ましくは4族の遷移金属原子であり、具体的にはチタニウム原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子であり、特に好ましくはジルコニウム原子およびハフニウム原子である。
Gは酸素原子、硫黄原子、セレン原子または置換基Rを有する窒素含有基(−NR−)であり、好ましくは、酸素原子および硫黄原子であり、さらに好ましくは酸素原子である。また、aが2以上の場合、G同士は互いに同一でも異なっていてもよい。
は窒素原子または置換基Rを有する炭素含有基(−CR=)であり、好ましくは、炭素含有基である。(ここで「−」および「=」はそれぞれ単結合、二重結合を表す。以下同様。)また、aが2以上の場合、T同士は互いに同一でも異なっていてもよい。
〜R11、Gに含まれるR、Tに含まれるRは、前記一般式(1−Y)中のXと同様のものが挙げられる。R〜R11、R、Rは、互いに同一でも異なっていてもよく、aが2以上の場合、R同士、R10同士、R11同士、R同士、R同士は互いに同一でも異なっていてもよい。また、R10、R11、R、Rは、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、aが2以上の場合、R〜R11、R、Rのうちの1個の基と、他の配位子に含まれるR〜R11、R、Rのうちの1個の基とが連結されていてもよい。
〜R11、R、Rとして好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、炭素含有基、ケイ素含有基、窒素含有基、酸素含有基、複素環式化合物残基であり、さらに好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基などのハイドロカルビル基、およびこれらのハイドロカルビル基中の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子に置換された、ハロハイドロカルビル基およびパーハロカルビル基、およびトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基などのハイドロカルビル置換シリル基である。
前記一般式(1−Y−2)で表される遷移金属化合物としては、下記一般式(1−Y−2a)で表される化合物が好ましく用いられる。
Figure 0006068754
一般式(1−Y−2a)において、M、X、T、Rはそれぞれ前記一般式(1−Y−2)と同様のものを表す。Mとして好ましくは、元素周期律表の4族の遷移金属原子であり、具体的にはチタニウム原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子であり、特に好ましくはジルコニウム原子およびハフニウム原子である。
Xとして好ましくは、ハロゲン原子、メチル基、ネオペンチル基、ベンジル基、トリアルキルシリルメチル基、アルコキソ基、アリーロキソ基、N,N−ジアルキルアミド基である。
12〜R15は、前記一般式(1−Y)中のXと同様のものが挙げられる。R、R12〜R15、Tに含まれるRは、互いに同一でも異なっていてもよく、R同士、R12同士、R13同士、R14同士、R15同士、R同士は互いに同一でも異なっていてもよい。また、R12〜R15、Rは、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、R、R12〜R15、Rのうちの1個の基と、他の配位子に含まれるR、R12〜R15、Rのうちの1個の基とが連結されていてもよい。
、R12〜R15、Rとして好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、炭素含有基、ケイ素含有基、窒素含有基、酸素含有基、複素環式化合物残基であり、さらに好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基などのハイドロカルビル基、およびこれらのハイドロカルビル基中の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子に置換された、ハロハイドロカルビル基およびパーハロカルビル基、ならびにトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基などのハイドロカルビル置換シリル基である。
前記一般式(1−Y−2)で表される遷移金属化合物としては、下記一般式(1−Y−2b)で表される化合物が好ましく用いられる。
Figure 0006068754
一般式(1−Y−2b)において、M、X、Tはそれぞれ前記一般式(1−Y−2)と同様のものを表す。Mとして好ましくは、元素周期律表の4族の遷移金属原子であり、具体的にはチタニウム原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子であり、特に好ましくはジルコニウム原子およびハフニウム原子である。
Xとして好ましくは、ハロゲン原子、メチル基、ネオペンチル基、ベンジル基、トリアルキルシリルメチル基、アルコキソ基、アリーロキソ基、N,N−ジアルキルアミド基である。
は前記一般式(1−Y−2a)のR同士が互いに連結した2価の架橋基を表し、Tは、−CR −、−SiR −、−NR−、−PR−、−P(O)R−、−O−、−S−、−S(O)−または−SO−を表し、好ましくは−CR −、−SiR −、さらに好ましくは−CR −である。Tがヘテロ原子を含む場合は、Tのヘテロ原子がMに直接配位結合していてもよい。gは、1〜7の整数であり、好ましくは2〜5である。また、gが2以上の場合、T同士は互いに同一でも異なっていてもよい。
に含まれるRは、前記一般式(1−Y)中のXと同様のものが挙げられる。Rが複数の場合、R同士は互いに同一でも異なっていてもよく、R同士が互いに連結して環を形成していてもよい。
12〜R15は、前記一般式(1−Y−2a)と同様のものを表す。R12〜R15、Tに含まれるR、Tに含まれるRは互いに同一でも異なっていてもよく、R12同士、R13同士、R14同士、R15同士、R同士は互いに同一でも異なっていてもよく、また、R12〜R15、R、Rは、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。
12〜R15、R、Rとして好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、炭素含有基、ケイ素含有基、窒素含有基、酸素含有基、複素環式化合物残基であり、さらに好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基などのハイドロカルビル基、およびこれらのハイドロカルビル基中の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子に置換された、ハロハイドロカルビル基およびパーハロカルビル基、ならびにトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基などのハイドロカルビル置換シリル基である。
以下に、一般式(1−Y−2)で表される遷移金属化合物(A−Y)の具体的構造の例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 0006068754
Figure 0006068754
Figure 0006068754
前記化合物のジルコニウム原子をハフニウム原子またはチタニウム原子に変更した化合物、前記化合物のクロライドをブロマイド、アイオダイド、ハイドライド、メチル、ベンジル、メトキシド、イソプロポキシド、n−ブトキシド、フェノキシド、ベンジロキシド、ジメチルアミドまたはジエチルアミドに変更した化合物も同様に挙げられる。
前記一般式(1−Y−2)で表される遷移金属化合物(A−Y)は、「J.Am.Chem.Soc.」 Vol.123、6847(2001)に記載の方法により製造することができる。
Figure 0006068754
一般式(1−Y−3)において、M、X、G、R10、R11、a、bはそれぞれ前記一般式(1−Y−2)と同様のものを表す。Mとして、好ましくは元素周期律表の4族または5族の遷移金属原子であり、より好ましくは4族の遷移金属原子であり、具体的にはチタニウム原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子であり、特に好ましくはジルコニウム原子およびハフニウム原子である。
は、−CR −、−C −、−SiR −、−NR−、−PR−、−P(O)R−、−S−、−S(O)−または−SO−を表し、好ましくは−CR −、−C −、−SiR −、さらに好ましくは−CR −である。Tがヘテロ原子を含む場合は、Tのヘテロ原子がMに直接配位結合していてもよい。
10、R11、R16、Gに含まれるR、Tに含まれるRは、前記一般式(1−Y)中のXと同様のものが挙げられる。R10、R11、R16、R、Rは、互いに同一でも異なっていてもよく、R16同士は互いに同一でも異なっていてもよく、aが2以上の場合、R10同士、R11同士、R同士、R同士は互いに同一でも異なっていてもよい。また、R10、R11、R、Rは、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、aが2以上の場合、R10、R11、R16、R、Rのうちの1個の基と、他の配位子に含まれるR10、R11、R16、R、Rのうちの1個の基とが連結されていてもよい。
10、R11、R16、R、Rとして好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、炭素含有基、ケイ素含有基、窒素含有基、酸素含有基、複素環式化合物残基であり、さらに好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基などのハイドロカルビル基、およびこれらのハイドロカルビル基中の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子に置換された、ハロハイドロカルビル基およびパーハロカルビル基、ならびにトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基などのハイドロカルビル置換シリル基である。
前記一般式(1−Y−3)で表される遷移金属化合物としては、下記一般式(1−Y−3a)で表される化合物が好ましく用いられる。
Figure 0006068754
一般式(1−Y−3a)において、M、X、T、R16はそれぞれ前記一般式(1−Y−3)と同様のものを表す。Mとして好ましくは、元素周期律表の4族の遷移金属原子であり、具体的にはチタニウム原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子であり、特に好ましくはジルコニウム原子およびハフニウム原子である。
Xとして好ましくは、ハロゲン原子、メチル基、ネオペンチル基、ベンジル基、トリアルキルシリルメチル基、アルコキソ基、アリーロキソ基、N,N−ジアルキルアミド基である。
12〜R15は、前記一般式(1−Y−2a)と同様のものを表す。R12〜R15、R16、Tに含まれるRは、互いに同一でも異なっていてもよく、R12同士、R13同士、R14同士、R15同士、R16同士、R同士は互いに同一でも異なっていてもよい。また、R12〜R15、Rは、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、R12〜R15、R16、Rのうちの1個の基と、他の配位子に含まれるR12〜R15、R16、Rのうちの1個の基とが連結されていてもよい。
12〜R15、R16、Rとして好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、炭素含有基、ケイ素含有基、窒素含有基、酸素含有基、複素環式化合物残基であり、さらに好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基などのハイドロカルビル基、およびこれらのハイドロカルビル基中の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子に置換された、ハロハイドロカルビル基およびパーハロカルビル基、ならびにトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基などのハイドロカルビル置換シリル基である。
前記一般式(1−Y−3)で表される遷移金属化合物としては、下記一般式(1−Y−3b)で表される化合物が好ましく用いられる。
Figure 0006068754
一般式(1−Y−3b)において、M、X、T、R16はそれぞれ前記一般式(1−Y−3)と同様のものを表し、T、gは前記一般式(1−Y−2b)と同様のものを表す。Mとして好ましくは、元素周期律表の4族の遷移金属原子であり、具体的にはチタニウム原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子であり、特に好ましくはジルコニウム原子およびハフニウム原子である。
Xとして好ましくは、ハロゲン原子、メチル基、ネオペンチル基、ベンジル基、トリアルキルシリルメチル基、アルコキソ基、アリーロキソ基、N,N−ジアルキルアミド基である。
12〜R15は、前記一般式(1−Y−3a)と同様のものを表す。R12〜R15、R16、Tに含まれるR、Tに含まれるRは互いに同一でも異なっていてもよく、R12同士、R13同士、R14同士、R15同士、R16同士、R同士、は互いに同一でも異なっていてもよく、Rが複数の場合、R同士は互いに同一でも異なっていてもよい。また、R12〜R15、R16、R、Rは、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、Rが複数の場合、2個以上のR同士が互いに連結して環を形成していてもよい。
12〜R15、R16、R、Rとして好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、炭素含有基、ケイ素含有基、窒素含有基、酸素含有基、複素環式化合物残基であり、さらに好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基などのハイドロカルビル基、およびこれらのハイドロカルビル基中の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子に置換された、ハロハイドロカルビル基およびパーハロカルビル基、ならびにトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基などのハイドロカルビル置換シリル基である。
以下に、一般式(1−Y−3)で表される遷移金属化合物(A−Y)の具体的構造の例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 0006068754
Figure 0006068754
Figure 0006068754
前記化合物のジルコニウム原子をハフニウム原子またはチタニウム原子に変更した化合物、前記化合物のクロライドをブロマイド、アイオダイド、ハイドライド、メチル、ベンジル、メトキシド、イソプロポキシド、n−ブトキシド、フェノキシド、ベンジロキシド、ジメチルアミドまたはジエチルアミドに変更した化合物も同様に挙げられる。
前記一般式(1−Y−3)で表される遷移金属化合物(A−Y)は、「Organometallics」、Vol.28、1391(2009)、「Macromolecules」、Vol.43、1689(2010)に記載の方法により製造することができる。
Figure 0006068754
一般式(1−Y−4)において、M、X、R12〜R15はそれぞれ前記一般式(1−Y−2a)と同様のものを表し、T、gはそれぞれ前記一般式(1−Y−2b)と同様のものを表す。Mとして好ましくは、元素周期律表の4族の遷移金属原子であり、具体的にはチタニウム原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子であり、特に好ましくはジルコニウム原子およびハフニウム原子である。また、gが2以上の場合、T同士は互いに同一でも異なっていてもよい。
は、−CR −、−C −、−SiR −、−NR−、−PR−、−P(O)R−、−S−、−S(O)−または−SO−を表し、好ましくは−CR −、−C −、−SiR −、さらに好ましくは−C −である。Tがヘテロ原子を含む場合は、Tのヘテロ原子がMに直接配位結合していてもよい。また、T同士は互いに同一でも異なっていてもよい。
に含まれるRは、前記一般式(1−Y)中のXと同様のものが挙げられる。
12〜R15は、前記一般式(1−Y−2a)と同様のものを表す。R12〜R15、Tに含まれるR、Tに含まれるRは互いに同一でも異なっていてもよく、R12同士、R13同士、R14同士、R15同士、R同士は互いに同一でも異なっていてもよく、Rが複数の場合、R同士は互いに同一でも異なっていてもよい。また、R12〜R15、R、Rは、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。
12〜R15、R、Rとして好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、炭素含有基、ケイ素含有基、窒素含有基、酸素含有基、複素環式化合物残基であり、さらに好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基などのハイドロカルビル基、およびこれらのハイドロカルビル基中の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子に置換された、ハロハイドロカルビル基およびパーハロカルビル基、ならびにトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基などのハイドロカルビル置換シリル基、ならびにピロリジル基、ピロリル基、ピペリジル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、インドリル基、カルバゾリル基などの炭素原子数2〜30、好ましくは2〜20の複素環式化合物残基、およびこれらの複素環式化合物残基中の水素原子の一部もしくは全てがハイドロカルビル基に置換された基である。
前記一般式(1−Y−4)で表される遷移金属化合物としては、下記一般式(1−Y−4a)で表される化合物が好ましく用いられる。
Figure 0006068754
一般式(1−Y−4a)において、M、X、T、gはそれぞれ前記一般式(1−Y−4)と同様のものを表す。Mとして好ましくは、元素周期律表の4族の遷移金属原子であり、具体的にはチタニウム原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子であり、特に好ましくはジルコニウム原子およびハフニウム原子である。gが2以上の場合、T同士は互いに同一でも異なっていてもよい。
Xとして好ましくは、ハロゲン原子、メチル基、ネオペンチル基、ベンジル基、トリアルキルシリルメチル基、アルコキソ基、アリーロキソ基、N,N−ジアルキルアミド基である。
12〜R15は、前記一般式(1−Y−4)と同様のものを表し、R17〜R20もまた、前記一般式(1−Y−4)のR12〜R15と同様のものを表す。R12〜R15、R17〜R20、Tに含まれるRは互いに同一でも異なっていてもよく、R12同士、R13同士、R14同士、R15同士、R17同士、R18同士、R19同士、R20同士は互いに同一でも異なっていてもよく、gが2以上の場合、R同士は互いに同一でも異なっていてもよい。また、R12〜R15、R17〜R20、Rは、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、gが2以上の場合、2個以上のR同士が互いに連結して環を形成していてもよい。
12〜R15、R17〜R20、Rとして好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、炭素含有基、ケイ素含有基、窒素含有基、酸素含有基、複素環式化合物残基であり、さらに好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基などのハイドロカルビル基、およびこれらのハイドロカルビル基中の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子に置換された、ハロハイドロカルビル基およびパーハロカルビル基、ならびにトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基などのハイドロカルビル置換シリル基、ならびにピロリジル基、ピロリル基、ピペリジル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、インドリル基、カルバゾリル基などの炭素原子数2〜30、好ましくは2〜20の複素環式化合物残基、およびこれらの複素環式化合物残基中の水素原子の一部もしくは全てがハイドロカルビル基に置換された基である。
前記一般式(1−Y−4a)で表される遷移金属化合物としては、下記一般式(1−Y−4b)で表される化合物が好ましく用いられる。
Figure 0006068754
一般式(1−Y−4b)において、M、X、T、gはそれぞれ前記一般式(1−Y−4a)と同様のものを表す。Mとして好ましくは、元素周期律表の4族の遷移金属原子であり、具体的にはチタニウム原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子であり、特に好ましくはジルコニウム原子およびハフニウム原子である。gが2以上の場合、T同士は互いに同一でも異なっていてもよい。
Xとして好ましくは、ハロゲン原子、メチル基、ネオペンチル基、ベンジル基、トリアルキルシリルメチル基、アルコキソ基、アリーロキソ基、N,N−ジアルキルアミド基である。
13、R15、R18は、前記一般式(1−Y−4a)と同様のものを表す。R13、R15、R18、Tに含まれるRは互いに同一でも異なっていてもよく、R13同士、R15同士、R18同士は互いに同一でも異なっていてもよく、gが2以上の場合、R同士は互いに同一でも異なっていてもよい。また、R13、R15、R18、Rは、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、gが2以上の場合、2個以上のR同士が互いに連結して環を形成していてもよい。
13、R15、R18、Rとして好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、炭素含有基、ケイ素含有基、窒素含有基、酸素含有基、複素環式化合物残基であり、さらに好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基などのハイドロカルビル基、およびこれらのハイドロカルビル基中の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子に置換された、ハロハイドロカルビル基およびパーハロカルビル基、ならびにトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基などのハイドロカルビル置換シリル基、ならびにピロリジル基、ピロリル基、ピペリジル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、インドリル基、カルバゾリル基などの炭素原子数2〜30、好ましくは2〜20の複素環式化合物残基、およびこれらの複素環式化合物残基中の水素原子の一部もしくは全てがハイドロカルビル基に置換された基である。
前記一般式(1−Y−4b)で表される遷移金属化合物としては、下記一般式(1−Y−4c)で表される化合物が好ましく用いられる。
Figure 0006068754
一般式(1−Y−4c)において、Xはそれぞれ前記一般式(1−Y−4b)と同様のものを表し、Xとして好ましくは、ハロゲン原子、メチル基、ネオペンチル基、ベンジル基、トリアルキルシリルメチル基、アルコキソ基、アリーロキソ基、N,N−ジアルキルアミド基である。
21は、前記一般式(1−Y)中のXと同様のものが挙げられる。R21は互いに同一でも異なっていてもよく、また、R21同士が互いに連結して環を形成していてもよい。
21として好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、炭素含有基、ケイ素含有基、窒素含有基、酸素含有基、複素環式化合物残基であり、さらに好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数1〜30、好ましくは1〜20の直鎖状または分岐状のアルキル基、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、ターフェニル基、フェナントリル基、アントラセニル基などの炭素原子数6〜30、好ましくは6〜20のアリール基などのハイドロカルビル基、およびこれらのハイドロカルビル基中の水素原子の一部もしくは全てがハロゲン原子に置換された、ハロハイドロカルビル基およびパーハロカルビル基、ならびにトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基などのハイドロカルビル置換シリル基である。
以下に、一般式(1−Y−4)で表される遷移金属化合物(A−Y)の具体的構造の例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 0006068754
Figure 0006068754
Figure 0006068754
前記化合物のハフニウム原子をジルコニウム原子またはチタニウム原子に変更した化合物、前記化合物のクロライドをブロマイド、アイオダイド、ハイドライド、メチル、ベンジル、メトキシド、イソプロポキシド、n−ブトキシド、フェノキシド、ベンジロキシド、ジメチルアミドまたはジエチルアミドに変更した化合物も同様に挙げられる。
前記一般式(1−Y−4)で表される遷移金属化合物(A−Y)は、米国特許第7,241,714号明細書に記載の方法により製造することができる。
Figure 0006068754
一般式(1−Y−5)において、M、Xはそれぞれ前記一般式(1−Y)と同様のものが挙げられ、R22は前記一般式(1−Y)中のXと同様のものが挙げられる。
Mとして好ましくは、元素周期律表の4族または5族の遷移金属原子であり、より好ましくは4族の遷移金属原子であり、具体的にはチタニウム原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子であり、特に好ましくはチタニウム原子およびジルコニウム原子である。
Xとして好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基、リン含有基、ハイドロカルビル基、またはケイ素含有基であり、これらの基は水素以外の20個までの原子を含有する基であり、該ハイドロカルビル基の水素原子の一部もしくは全てが、ハロゲン原子、酸素含有基、窒素含有基のいずれか、もしくは複数によって置換されていてもよい。
bは1〜4の整数である。またbが2以上の場合、X同士は互いに同一でも異なっていてもよく、2つ以上のX同士が互いに連結して環を形成していてもよい。
22として好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基、リン含有基、ハイドロカルビル基、またはケイ素含有基であり、これらの基は水素以外の20個までの原子を含有する基であり、該ハイドロカルビル基の水素原子の一部もしくは全てが、ハロゲン原子、酸素含有基、窒素含有基のいずれか、もしくは複数によって置換されていてもよい。また、R22はそれぞれ互いに同一でも異なっていてもよく、隣接する2つのR22同士が互いに連結して環を形成していてもよい。
シクロペンタジエニル環上の置換基R22同士の結合により形成される上記環は、芳香族環、脂肪族環または複素環などいかなる環を含んでもよいが、好ましくは、インデニル環、フルオレニル環、アズレニル環などであり、それらの環上の水素原子の一部もしくは全てが、さらにR22によって置換されていてもよい。
Figure 0006068754
一般式(1−Y−6)において、M、X、R22はそれぞれ前記一般式(1−Y−5)と同様のものを表す。
Mとして好ましくは、元素周期律表第4族または第5族の遷移金属原子であり、より好ましくは第4族の遷移金属原子であり、具体的にはチタニウム原子、ジルコニウム原子、ハフニウム原子であり、特に好ましくはジルコニウム原子およびハフニウム原子である。
Xとして好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、酸素含有基、硫黄含有基、窒素含有基、リン含有基、ハイドロカルビル基、またはケイ素含有基であり、これらの基は水素以外の20個までの原子を含有する基であり、該ハイドロカルビル基の水素原子の一部もしくは全てが、ハロゲン原子、酸素含有基、窒素含有基のいずれか、もしくは複数によって置換されていてもよい。
bは1〜3の整数である。またbが2以上の場合、X同士は互いに同一でも異なっていてもよく、2つ以上のX同士が互いに連結して環を形成していてもよい。
22として好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、酸素含有基、窒素含有基、ハイドロカルビル基、またはケイ素含有基であり、これらの基は水素以外の20個までの原子を含有する基であり、該ハイドロカルビル基の水素原子の一部もしくは全てが、ハロゲン原子、酸素含有基、窒素含有基のいずれか、もしくは複数によって置換されていてもよい。また、R22はそれぞれ互いに同一でも異なっていてもよく、隣接する2つのR22同士が互いに連結して環を形成していてもよい。
シクロペンタジエニル環上の置換基R22同士の結合により形成される上記環は、芳香族環、脂肪族環または複素環などいかなる環を含んでもよいが、好ましくは、インデニル環、フルオレニル環、アズレニル環などであり、それらの環上の水素原子の一部もしくは全てが、さらにR22によって置換されていてもよい。
前記一般式(1−Y−6)の例を以下に挙げる。
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(t−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロライド、ビス(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、
(シクロペンタジエニル)(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(シクロペンタジエニル)(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(シクロペンタジエニル)(t−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(シクロペンタジエニル)(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロライド、(シクロペンタジエニル)(フルオレニル)ジルコニウムジクロライド
前記化合物のジルコニウム原子をチタニウム原子またはハフニウム原子に変更した化合物、前記化合物のシクロペンタジエニルをメチルシクロペンタジエニル、n−ブチルシクロペンタジエニル、t−ブチルシクロペンタジエニル、テトラメチルシクロペンタジエニル、インデニルまたはフルオレニルに変更した化合物、前記化合物のクロライドをブロマイド、アイオダイド、ハイドライド、メチル、フェニル、ベンジル、メトキシド、n−ブトキシド、イソプロポキシド、フェノキシド、ベンジロキシド、ジメチルアミドまたはジエチルアミドに変更した化合物も同様に挙げられる。
前記一般式(1−Y−5)および(1−Y−6)で表される遷移金属化合物(A−Y)は、特開平3−163088号公報、特開平3−188092号公報、特開平4−268307号公報、特開平6−206890号公報、特開平9−87313号公報に記載の方法により製造することができる。
Figure 0006068754
一般式(1−Y−7)において、M、X、bはそれぞれ前記一般式(1−Y)と同様のものを表す。Mとして、好ましくは元素周期律表の8族または9族の遷移金属原子であり、より好ましくは鉄原子およびコバルト原子であり、さらに好ましくは鉄原子である。
Zは窒素原子、リン原子、酸素原子、硫黄原子、置換基Rを有する窒素含有基(−NR−)または、置換基Rを有するリン含有基(−PR−)であり、好ましくは、窒素原子、酸素原子および硫黄原子であり、さらに好ましくは窒素原子である。
23〜R25、Zに含まれるRは、前記一般式(1−Y)中のXと同様のものが挙げられる。R23〜R25、Rは、互いに同一でも異なっていてもよく、R23同士、R24同士、R25同士は互いに同一でも異なっていてもよい。また、R23、R24、R25、Rは、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。
以下に、一般式(1−Y−7)で表される遷移金属化合物(A−Y)の具体的構造の例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 0006068754
Figure 0006068754
Figure 0006068754
前記化合物の鉄原子をルテニウム原子、オスミウム原子、コバルト原子に変更した化合物、前記化合物のクロライドをブロマイド、アイオダイド、ハイドライド、メチル、フェニル、ベンジル、メトキシド、n−ブトキシド、イソプロポキシド、フェノキシド、ベンジロキシド、ジメチルアミド、ジエチルアミド、スルホネート、ヘキサフルオロホスフェートに変更した化合物も同様に挙げられる。
前記一般式(1−Y−7)で表される遷移金属化合物(A−Y)は、Small, B. L.; Brookhart, M.; Bennett, A. M. A. J. Am. Chem. Soc. 1998, 120, 4049-4050.に記載の方法により製造することができる。
Figure 0006068754
一般式(1−Y−8)において、M、X、bはそれぞれ前記一般式(1−Y)と同様のものを表す。Mとして、好ましくは元素周期律表の10族の遷移金属原子であり、より好ましくはニッケル原子、パラジウム原子であり、さらに好ましくはニッケル原子である。
26、R27は、互いに独立に、前記一般式(1−Y)中のXと同様のものが挙げられる。R26同士、R27同士は、互いに同一でも異なっていてもよい。また、2個のR26および2個のR27から選ばれる2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。
以下に、一般式(1−Y−8)で表される遷移金属化合物(A−Y)の具体的構造の例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 0006068754
Figure 0006068754
Figure 0006068754
前記化合物のニッケル原子をパラジウム原子、白金原子に変更した化合物、前記化合物のクロライドをブロマイド、アイオダイド、ハイドライド、メチル、フェニル、ベンジル、メトキシド、n−ブトキシド、イソプロポキシド、フェノキシド、ベンジロキシド、ジメチルアミド、ジエチルアミド、スルホネート、ヘキサフルオロホスフェートに変更した化合物も同様に挙げられる。
前記一般式(1−Y−8)で表される遷移金属化合物(A−Y)は、Ittel, S. D.; Johnson, L. K.; Brookhart, M. Chem. Rev. 2000, 100, 1169-1204.に記載の方法により製造することができる。
活性用助触媒成分(B)
本発明において用いられる活性用助触媒成分(B)としては、以下に挙げる有機アルミニウムオキシ化合物(B−1)、有機ホウ素化合物(B−2)、亜鉛助触媒成分(B−3)およびイオン交換性層状珪酸塩(B−4)から選ばれる1種類以上の化合物が挙げられる。
<有機アルミニウムオキシ化合物(B−1)>
有機アルミニウムオキシ化合物(B−1)としては、下記の化合物(B−1−1)および(B−1−2)から選ばれる1種類以上の化合物が挙げられる。
(B−1−1):一般式 RB1{−Al(RB1)−O−}B1AlRB1 で表される鎖状アルミノキサン
(B−1−2):一般式 {−Al(RB2)−O−}B2 で表される環状アルミノキサン
B1およびRB2は炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基を表し、RB1同士およびRB2同士は同一でも異なっていてもよい。下付のB1およびB2は2以上の整数を表す。
B1およびRB2として具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基などの炭素原子数1〜20、好ましくは1〜10の直鎖状または分岐状のアルキル基;シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基などの炭素原子数3〜20、好ましくは3〜10の環状アルキル基;ビニル基、アリル基、イソプロペニル基などの炭素原子数2〜20、好ましくは2〜10の直鎖状または分岐状のアルケニル基;エチニル基、プロパルギル基などの炭素原子数2〜20、好ましくは2〜10の直鎖状または分岐状のアルキニル基などが挙げられ、より好ましくは、メチル基またはイソブチル基である。
有機アルミニウムオキシ化合物(B−1)は、例えば下記のような方法によって製造することができ、通常、ハイドロカルビル溶媒の溶液として得られる。
(1)吸着水を含有する化合物または結晶水を含有する塩類、例えば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和物、硫酸アルミニウム水和物、硫酸ニッケル水和物、塩化第1セリウム水和物などのハイドロカルビル懸濁液に、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物を添加して、吸着水または結晶水と有機アルミニウム化合物とを反応させる方法。
(2)ベンゼン、トルエン、エチルエーテル、テトラハイドロフランなどの溶媒中で、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に、水、氷または水蒸気を反応させる方法。
(3)デカン、ベンゼン、トルエンなどの溶媒中で、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に、ジメチルスズオキシド、ジブチルスズオキシドなどの有機スズ酸化物を反応させる方法。
なお該有機アルミニウムオキシ化合物(B−1)は、少量の有機アルミニウム成分を含有してもよい。また該有機アルミニウムオキシ化合物の溶液から、溶媒または未反応有機アルミニウム化合物を蒸留して除去した後、アルミノキサンを溶媒に再溶解またはアルミノキサンの貧溶媒に懸濁させてもよい。
<有機ホウ素化合物(B−2)>
有機ホウ素化合物(B−2)としては、下記の化合物(B−2−1)、(B−2−2)、および(B−2−3)から選ばれる1種類以上の化合物が挙げられる。
(B−2−1):一般式 BRB3 で表されるボラン化合物
(B−2−2):一般式 QB+BRB4 で表されるボレート化合物
(B−2−3):一般式 EBRB5 で表されるボレート化合物
B+は無機または有機のカチオンを表し、無機のカチオンとして好ましくは、リチウムカチオン、ナトリウムカチオン、カリウムカチオン、銀カチオン、フェロセニウムカチオンおよび置換フェロセニウムカチオンなどが挙げられ、有機のカチオンとして好ましくは、トリフェニルメチルカチオンが挙げられる。
はブレンステッド酸を表し、好ましくは、トリアルキル置換アンモニウム、N,N−ジアルキルアニリニウム、ジアルキルアンモニウム、トリアリールホスホニウムなどが挙げられる。
B3、RB4およびRB5は、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基、炭素原子数1〜20のハロハイドロカルビル基、炭素原子数1〜20のハイドロカルビルシリル基、炭素原子数1〜20のアルコキシ基または炭素原子数2〜20のハイドロカルビルアミノ基を表し、好ましくは、ハロゲン原子、炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基または炭素原子数1〜20のハロハイドロカルビル基である。またRB3同士、RB4同士およびRB5同士は同一でも異なっていてもよい。
BRB4 およびBRB5 はボレートアニオンを表し、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(2,3,4−トリフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、フェニルトリス(ペンタフルオロフェニル)ボレ−トなどが挙げられる。
一般式 BRB3 で表されるボラン化合物(B−2−1)としては、例えば、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,5,6−テトラフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,4,5−テトラフルオロフェニル)ボラン、トリス(3,4,5−トリフルオロフェニル)ボラン、トリス(2,3,4−トリフルオロフェニル)ボラン、トリス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボラン、フェニルビス(ペンタフルオロフェニル)ボランなどが挙げられる。
一般式 QB+BRB4 で表されるボレート化合物(B−2−2)としては、例えば、ナトリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、銀テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、1,1’−ビス−トリメチルシリルフェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルメチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルメチルテトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレートなどが挙げられる。
一般式 EBRB5 で表されるボレート化合物(B−2−3)としては、例えば、トリエチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(ノルマルブチル)アンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(ノルマルブチル)アンモニウムテトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、N,N−ビス−トリメチルシリルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジエチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ビス−トリメチルシリルアニリニウムテトラキス(3,5−ビストリフルオロメチルフェニル)ボレート、ジイソプロピルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ジシクロヘキシルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリフェニルホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ(ビス−トリメチルシリルフェニル)ホスホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが挙げられる。
前記のような有機ホウ素化合物(B−2)は、2種類以上組み合わせて用いてもよく、また、前記有機アルミニウムオキシ化合物(B−1)と併用してもよい。
<亜鉛助触媒成分(B−3)>
亜鉛助触媒成分(B−3)としては、下記の化合物(B−3a)および化合物(B−3b)を接触させて得られる亜鉛助触媒成分(B−3−1)または下記の化合物(B−3a)〜(B−3c)を接触させて得られる亜鉛助触媒成分(B−3−2)が挙げられる。
(B−3a):一般式 ZnRB6 で表される化合物
(B−3b):一般式 RB7 B3−1B1H で表される化合物
(B−3c):一般式 RB8 B4−1B2 で表される化合物
B6は水素原子、ハロゲン原子、ヒドロカルビル基またはハロゲン化ヒドロカルビル基を表し、RB6同士は同一でも異なっていてもよい。RB7およびRB8はそれぞれ独立にヒドロカルビル基、ハロゲン化ヒドロカルビル基、電子求引性基または電子求引性基を含有する基を表し、RB7同士およびRB8同士は同一でも異なっていてもよい。TB1およびTB2はそれぞれ独立に周期律表第15族または第16族の原子を表す。B3はTB1の原子価を表し、B4はTB2の原子価を表す。
化合物(B−3a)の例としては、例えば、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジプロピル亜鉛、ジノルマルブチル亜鉛、ジイソブチル亜鉛、ジノルマルヘキシル亜鉛、ジアリル亜鉛、ビス(シクロペンタジエニル)亜鉛などのジアルキル亜鉛;ジフェニル亜鉛、ジナフチル亜鉛、ビス(ペンタフルオロフェニル)亜鉛などのジアリール亜鉛;塩化メチル亜鉛、塩化エチル亜鉛、塩化プロピル亜鉛、塩化ノルマルブチル亜鉛、塩化イソブチル亜鉛、塩化ノルマルヘキシル亜鉛、臭化メチル亜鉛、臭化エチル亜鉛、臭化プロピル亜鉛、臭化ノルマルブチル亜鉛、臭化イソブチル亜鉛、臭化ノルマルヘキシル亜鉛、ヨウ化メチル亜鉛、ヨウ化エチル亜鉛、ヨウ化プロピル亜鉛、ヨウ化ノルマルブチル亜鉛、ヨウ化イソブチル亜鉛、ヨウ化ノルマルヘキシル亜鉛などのハロゲン化アルキル亜鉛;フッ化亜鉛、塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ化亜鉛などのハロゲン化亜鉛;などが挙げられる。
化合物(B−3b)のアミン類としては、例えば、ジ(フルオロメチル)アミン、ジ(クロロメチル)アミン、ジ(ブロモメチル)アミン、ジ(ヨードメチル)アミン、ビス(ジフルオロメチル)アミン、ビス(ジクロロメチル)アミン、ビス(ジブロモメチル)アミン、ビス(ジヨードメチル)アミン、ビス(トリフルオロメチル)アミン、ビス(トリクロロメチル)アミン、ビス(トリブロモメチル)アミン、ビス(トリヨードメチル)アミン、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)アミン、ビス(2,2,2−トリクロロエチル)アミン、ビス(2,2,2−トリブロモエチル)アミン、ビス(2,2,2−トリヨードエチル)アミン、ビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)アミン、ビス(2,2,3,3,3−ペンタクロロプロピル)アミン、ビス(2,2,3,3,3−ペンタブロモプロピル)アミン、ビス(2,2,3,3,3−ペンタヨードプロピル)アミン、ビス(2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)アミン、ビス(2,2,2−トリクロロ−1−トリクロロメチルエチル)アミン、ビス(2,2,2−トリブロモ−1−トリブロモメチルエチル)アミン、ビス(2,2,2−トリヨード−1−トリヨードメチルエチル)アミン、ビス(1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル)アミン、ビス(1,1−ビス(トリクロロメチル)−2,2,2−トリクロロエチル)アミン、ビス(1,1−ビス(トリブロモメチル)−2,2,2−トリブロモエチル)アミン、ビス(1,1−ビス(トリヨードメチル)−2,2,2−トリヨードエチル)アミン、ビス(2−フルオロフェニル)アミン、ビス(3−フルオロフェニル)アミン、ビス(4−フルオロフェニル)アミン、ビス(2−クロロフェニル)アミン、ビス(3−クロロフェニル)アミン、ビス(4−クロロフェニル)アミン、ビス(2−ブロモフェニル)アミン、ビス(3−ブロモフェニル)アミン、ビス(4−ブロモフェニル)アミン、ビス(2−ヨードフェニル)アミン、ビス(3−ヨードフェニル)アミン、ビス(4−ヨードフェニル)アミン、ビス(2,6−ジフルオロフェニル)アミン、ビス(3,5−ジフルオロフェニル)アミン、ビス(2,6−ジクロロフェニル)アミン、ビス(3,5−ジクロロフェニル)アミン、ビス(2,6−ジブロモフェニル)アミン、ビス(3,5−ジブロモフェニル)アミン、ビス(2,6−ジヨードフェニル)アミン、ビス(3,5−ジヨードフェニル)アミン、ビス(2,4,6−トリフルオロフェニル)アミン、ビス(2,4,6−トリクロロフェニル)アミン、ビス(2,4,6−トリブロモフェニル)アミン、ビス(2,4,6−トリヨードフェニル)アミン、ビス(ペンタフルオロフェニル)アミン、ビス(ペンタクロロフェニル)アミン、ビス(ペンタブロモフェニル)アミン、ビス(ペンタヨードフェニル)アミン、ビス(2−(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(3−(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(4−(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(2,6−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(2,4,6−トリ(トリフルオロメチル)フェニル)アミン、ビス(2−シアノフェニル)アミン、(3−シアノフェニル)アミン、ビス(4−シアノフェニル)アミン、ビス(2−ニトロフェニル)アミン、ビス(3−ニトロフェニル)アミン、ビス(4−ニトロフェニル)アミンなどが挙げられる。また、前記化合物中の窒素原子がリン原子に置換されたホスフィン化合物も、化合物(B−3b)の例として挙げられる。それらホスフィン化合物は、上述の具体例のアミンをホスフィンに書き換えることによって表される化合物などである。
化合物(B−3b)のアルコール類としては、例えば、フルオロメタノール、クロロメタノール、ブロモメタノール、ヨードメタノール、ジフルオロメタノール、ジクロロメタノール、ジブロモメタノール、ジヨードメタノール、トリフルオロメタノール、トリクロロメタノール、トリブロモメタノール、トリヨードメタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,2−トリクロロエタノール、2,2,2−トリブロモエタノール、2,2,2−トリヨードエタノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパノール、2,2,3,3,3−ペンタクロロプロパノール、2,2,3,3,3−ペンタブロモプロパノール、2,2,3,3,3−ペンタヨードプロパノール、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエタノール、2,2,2−トリクロロ−1−トリクロロメチルエタノール、2,2,2−トリブロモ−1−トリブロモメチルエタノール、2,2,2−トリヨード−1−トリヨードメチルエタノール、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタノール、1,1−ビス(トリクロロメチル)−2,2,2−トリクロロエタノール、1,1−ビス(トリブロモメチル)−2,2,2−トリブロモエタノール、1,1−ビス(トリヨードメチル)−2,2,2−トリヨードエタノールなどが挙げられる。また、上記化合物中の酸素原子が硫黄原子に置換されたチオール化合物も、化合物(B−3b)の例として挙げられる。それらチオール化合物は、上述の具体例のメタノールをメタンチオールに、エタノールをエタンチオールに、プロパノールをプロパンチオールに書き換えることによって表される化合物などである。
化合物(B−3b)のフェノール類としては、例えば、2−フルオロフェノール、3−フルオロフェノール、4−フルオロフェノール、2−クロロフェノール、3−クロロフェノール、4−クロロフェノール、2−ブロモフェノール、3−ブロモフェノール、4−ブロモフェノール、2−ヨードフェノール、3−ヨードフェノール、4−ヨードフェノール、2,6−ジフルオロフェノール、3,5−ジフルオロフェノール、2,6−ジクロロフェノール、3,5−ジクロロフェノール、2,6−ジブロモフェノール、3,5−ジブロモフェノール、2,6−ジヨードフェノール、3,5−ジヨードフェノール、2,4,6−トリフルオロフェノール、3,4,5−トリフルオロフェノール、2,4,6−トリクロロフェノール、2,4,6−トリブロモフェノール、2,4,6−トリヨードフェノール、ペンタフルオロフェノール、ペンタクロロフェノール、ペンタブロモフェノール、ペンタヨードフェノール、2−(トリフルオロメチル)フェノール、3−(トリフルオロメチル)フェノール、4−(トリフルオロメチル)フェノール、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェノール、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノール、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェノール、2−シアノフェノール、3−シアノフェノール、4−シアノフェノール、2−ニトロフェノール、3−ニトロフェノール、4−ニトロフェノールなどが挙げられる。また、上記化合物中の酸素原子が硫黄原子に置換されたチオフェノール化合物も、化合物(B−3b)の例として挙げられる。それらチオフェノール化合物は、上述の具体例のフェノールをチオフェノールに書き換えることによって表される化合物などである。
化合物(B−3b)のカルボン酸類としては、例えば、2−フルオロ安息香酸、3−フルオロ安息香酸、4−フルオロ安息香酸、2,3−ジフルオロ安息香酸、2,4−ジフルオロ安息香酸、2,5−ジフルオロ安息香酸、2,6−ジフルオロ安息香酸、2,3,4−トリフルオロ安息香酸、2,3,5−トリフルオロ安息香酸、2,3,6−トリフルオロ安息香酸、2,4,5−トリフルオロ安息香酸、2,4,6−トリフルオロ安息香酸、2,3,4,5−テトラフルオロ安息香酸、2,3,4,6−テトラフルオロ安息香酸、ペンタフルオロ安息香酸、フルオロ酢酸、ジフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ペンタフルオロプロパノイック酸、ヘプタフルオロブタノイック酸、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタノイック酸などが挙げられる。
化合物(B−3b)のスルホン酸類としては、例えば、フルオロメタンスルホン酸、ジフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタンスルホン酸などが挙げられる。
化合物(B−3b)として好ましくは、アミン類としては、ビス(トリフルオロメチル)アミン、ビス(2,2,2−トリフルオロエチル)アミン、ビス(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル)アミン、ビス(2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチル)アミン、ビス(1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチル)アミン、またはビス(ペンタフルオロフェニル)アミンであり、アルコール類としては、トリフルオロメタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパノール、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエタノール、または1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエタノールであり、フェノール類としては、2−フルオロフェノール、3−フルオロフェノール、4−フルオロフェノール、2,6−ジフルオロフェノール、3,5−ジフルオロフェノール、2,4,6−トリフルオロフェノール、3,4,5−トリフルオロフェノール、ペンタフルオロフェノール、2−(トリフルオロメチル)フェノール、3−(トリフルオロメチル)フェノール、4−(トリフルオロメチル)フェノール、2,6−ビス(トリフルオロメチル)フェノール、3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェノール、または2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)フェノールであり、カルボン酸類としては、ペンタフルオロ安息香酸、またはトリフルオロ酢酸であり、スルホン酸類としては、トリフルオロメタンスルホン酸である。
化合物(B−3a)と(B−3b)とを接触させる際の化合物(B−3a)および(B−3b)の使用量は、化合物(B−3a)1モルに対して、好ましくは、化合物(B−3b)が0モルより大きく100モル以下であり、より好ましくは、化合物(B−3b)が0モルより大きく20モル以下であり、更に好ましくは、化合物(B−3b)が0モルより大きく10モル以下であり、特に好ましくは、化合物(B−3b)が0モルより大きく5モル以下であり、最も好ましくは、化合物(B−3b)が0モルより大きく4モル以下である。
亜鉛助触媒成分(B−3−1)の製造方法の具体例を、化合物(B−3a)がジエチル亜鉛であり、化合物(B−3b)がハロゲン化アルコールである場合についてさらに詳細に以下に示す。
トルエン溶媒に、ジエチル亜鉛のヘキサン溶液を加え、0℃に冷却し、そこへジエチル亜鉛に対して2モル〜4モル量のハロゲン化アルコールを滴下した後に、90℃〜120℃で10分間〜24時間攪拌する。減圧下、揮発性物質を留去した後に、残渣を室温で減圧下1〜20時間乾燥する。これによって成分(B−3−1)を製造できる。
化合物(B−3c)として好ましくは、水、硫化水素、アルキルアミン、アリールアミン、アラルキルアミン、ハロゲン化アルキルアミン、ハロゲン化アリールアミン、または(ハロゲン化アルキル)アリールアミンであり、さらに好ましくは、水、硫化水素、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、イソブチルアミン、n−ペンチルアミン、ネオペンチルアミン、アミルアミン、n−ヘキシルアミン、n−オクチルアミン、n−デシルアミン、n−ドデシルアミン、n−ペンタデシルアミン、n−エイコシルアミン、アリルアミン、シクロペンタジエニルアミン、アニリン、2−トリルアミン、3−トリルアミン、4−トリルアミン、2,3−キシリルアミン、2,4−キシリルアミン、2,5−キシリルアミン、2,6−キシリルアミン、3,4−キシリルアミン、3,5−キシリルアミン、2,3,4−トリメチルアニリン、2,3,5−トリメチルアニリン、2,3,6−トリメチルアニリン、2,4,6−トリメチルアニリン、3,4,5−トリメチルアニリン、2,3,4,5−テトラメチルアニリン、2,3,4,6−テトラメチルアニリン、2,3,5,6−テトラメチルアニリン、ペンタメチルアニリン、エチルアニリン、n−プロピルアニリン、イソプロピルアニリン、n−ブチルアニリン、sec−ブチルアニリン、tert−ブチルアニリン、n−ペンチルアニリン、ネオペンチルアニリン、n−ヘキシルアニリン、n−オクチルアニリン、n−デシルアニリン、n−ドデシルアニリン、n−テトラデシルアニリン、ナフチルアミン、アントラセニルアミン、
ベンジルアミン、(2−メチルフェニル)メチルアミン、(3−メチルフェニル)メチルアミン、(4−メチルフェニル)メチルアミン、(2,3−ジメチルフェニル)メチルアミン、(2,4−ジメチルフェニル)メチルアミン、(2,5−ジメチルフェニル)メチルアミン、(2,6−ジメチルフェニル)メチルアミン、(3,4−ジメチルフェニル)メチルアミン、(3,5−ジメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,4−トリメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,5−トリメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,6−トリメチルフェニル)メチルアミン、(3,4,5−トリメチルフェニル)メチルアミン、(2,4,6−トリメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,4,5−テトラメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,4,6−テトラメチルフェニル)メチルアミン、(2,3,5,6−テトラメチルフェニル)メチルアミン、(ペンタメチルフェニル)メチルアミン、(エチルフェニル)メチルアミン、(n−プロピルフェニル)メチルアミン、(イソプロピルフェニル)メチルアミン、(n−ブチルフェニル)メチルアミン、(sec−ブチルフェニル)メチルアミン、(tert−ブチルフェニル)メチルアミン、(n−ペンチルフェニル)メチルアミン、(ネオペンチルフェニル)メチルアミン、(n−ヘキシルフェニル)メチルアミン、(n−オクチルフェニル)メチルアミン、(n−デシルフェニル)メチルアミン、(n−テトラデシルフェニル)メチルアミン、ナフチルメチルアミン、アントラセニルメチルアミン、フルオロメチルアミン、クロロメチルアミン、ブロモメチルアミン、ヨードメチルアミン、ジフルオロメチルアミン、ジクロロメチルアミン、ジブロモメチルアミン、ジヨードメチルアミン、トリフルオロメチルアミン、トリクロロメチルアミン、トリブロモメチルアミン、トリヨードメチルアミン、2,2,2−トリフルオロエチルアミン、2,2,2−トリクロロエチルアミン、2,2,2−トリブロモエチルアミン、2,2,2−トリヨードエチルアミン、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルアミン、2,2,3,3,3−ペンタクロロプロピルアミン、2,2,3,3,3−ペンタブロモプロピルアミン、2,2,3,3,3−ペンタヨードプロピルアミン、2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチルエチルアミン、2,2,2−トリクロロ−1−トリクロロメチルエチルアミン、2,2,2−トリブロモ−1−トリブロモメチルエチルアミン、2,2,2−トリヨード−1−トリヨードメチルエチルアミン、1,1−ビス(トリフルオロメチル)−2,2,2−トリフルオロエチルアミン、1,1−ビス(トリクロロメチル)−2,2,2−トリクロロエチルアミン、1,1−ビス(トリブロモメチル)−2,2,2−トリブロモエチルアミン、1,1−ビス(トリヨードメチル)−2,2,2−トリヨードエチルアミン、
2−フルオロアニリン、3−フルオロアニリン、4−フルオロアニリン、2−クロロアニリン、3−クロロアニリン、4−クロロアニリン、2−ブロモアニリン、3−ブロモアニリン、4−ブロモアニリン、2−ヨードアニリン、3−ヨードアニリン、4−ヨードアニリン、2,6−ジフルオロアニリン、3,5−ジフルオロアニリン、2,6−ジクロロアニリン、3,5−ジクロロアニリン、2,6−ジブロモアニリン、3,5−ジブロモアニリン、2,6−ジヨードアニリン、3,5−ジヨードアニリン、2,4,6−トリフルオロアニリン、2,4,6−トリクロロアニリン、2,4,6−トリブロモアニリン、2,4,6−トリヨードアニリン、ペンタフルオロアニリン、ペンタクロロアニリン、ペンタブロモアニリン、ペンタヨードアニリン、2−(トリフルオロメチル)アニリン、3−(トリフルオロメチル)アニリン、4−(トリフルオロメチル)アニリン、2,6−ジ(トリフルオロメチル)アニリン、3,5−ジ(トリフルオロメチル)アニリン、または2,4,6−トリ(トリフルオロメチル)アニリンである。
成分(B−3−2)は、化合物(B−3a)、(B−3b)および(B−3c)を接触させて得られる成分である。(B−3a)、(B−3b)および(B−3c)を接触させる順序は特に限定されないが、例えば以下の(1)〜(3)に挙げる順序を採用することができる。
(1)(B−3a)と(B−3b)とを接触させた後に(B−3c)を接触させる方法。
(2)(B−3a)と(B−3c)とを接触させた後に(B−3b)を接触させる方法。
(3)(B−3b)と(B−3c)とを接触させた後に(B−3a)を接触させる方法。
接触順序として好ましくは(1)または(2)であり、より好ましくは(1)である。すなわち、成分(B−3−2)として好ましくは、(B−3a)と(B−3b)とを接触させて得られた接触物と(B−3c)とを接触させて得られる成分、または(B−3a)と(B−3c)とを接触させて得られた接触物と(B−3b)とを接触させて得られる成分であり、より好ましくは(B−3a)と(B−3b)とを接触させて得られた接触物と(B−3c)とを接触させて得られる成分である。
各化合物の使用量は特に制限はないが、各化合物の使用量のモル比率を、(B−3a):(B−3b):(B−3c)=1:y:zとすると、yおよびzが下記式[B1]〜[B3]を満足することが好ましい。
|2−y−2z|≦1 [B1]
0<y<2 [B2]
0<z [B3]
上記式[B1]および[B2]におけるyとしてより好ましくは0.20〜1.80の数であり、特に好ましくは0.25〜1.50の数であり、最も好ましくは0.50〜1.00の数である。
<イオン交換性層状珪酸塩(B−4)>
本発明において用いるイオン交換性層状珪酸塩(以下、単に「珪酸塩」と略記する)は、イオン結合などによって構成される面が互いに結合力で平行に積み重なった結晶構造を有し、かつ、含有されるイオンが交換可能である珪酸塩化合物をいう。大部分の珪酸塩は、天然には主に粘土鉱物の主成分として産出されるため、イオン交換性層状珪酸塩以外の夾雑物(石英、クリストバライト等)が含まれることが多いが、それらを含んでもよい。珪酸塩の具体例としては、例えば、参考文献:白水春雄著「粘土鉱物学」朝倉書店(1995年)に記載されている以下の層状珪酸塩が挙げられる。
すなわち、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト、スチーブンサイトなどのスメクタイト族、バーミキュライトなどのバーミキュライト族、雲母、イライト、セリサイト、海緑石などの雲母族、アタパルジャイト、セピオライト、パリゴルスカイト、ベントナイト、パイロフィライト、タルク、緑泥石群などである。
本発明で原料として使用する珪酸塩は、主成分の珪酸塩が2:1型構造を有する珪酸塩であることが好ましく、スメクタイト族であることがさらに好ましく、モンモリロナイトが特に好ましい。層間カチオンの種類は、工業原料として比較的容易に且つ安価に入手し得る観点から、アルカリ金属またはアルカリ土類金属を層間カチオンの主成分とする珪酸塩が好ましい。
本発明で使用する珪酸塩は、特に処理を行うことなくそのまま用いることができるが、
化学処理を施すことが好ましい。化学処理は、表面に付着している不純物を除去する表面処理および粘土の構造に影響を与える処理のいずれをも用いることができる。本発明における化学処理としては、具体的には、以下の(1)酸処理、(2)塩類処理、(3)アルカリ処理、および(4)有機物処理、などが挙げられる。
(1)酸処理
酸処理は珪酸塩の表面の不純物を取り除くほか、結晶構造のAl、Fe、Mgなどの陽イオンの一部または全部を溶出させることができる。
酸処理で用いられる酸として好ましくは、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、酢酸またはシュウ酸である。処理に用いる酸は、2種以上であってもよい。酸により珪酸塩を処理する条件は、通常、酸濃度は0.1〜50重量%、処理温度は室温〜沸点、処理時間は5分〜24時間である。酸は一般的には水溶液で用いられる。
(2)塩類処理
本発明においては、塩類で処理される前の、珪酸塩の含有する交換可能な1族金属の陽イオンの40%以上、好ましくは60%以上を、下記に示す塩類から解離した陽イオンと、イオン交換することが好ましい。
このようなイオン交換を目的とした塩類処理で用いられる塩類は、1〜14族原子から成る群より選ばれた少なくとも一種の原子を含む陽イオンと、ハロゲン原子、無機酸および有機酸から成る群より選ばれた少なくとも一種の陰イオンとから成る化合物であり、さらに好ましくは、2〜14族原子から成る群より選ばれた少なくとも一種の原子を含む陽イオンと、Cl、Br、I、F、PO、SO、NO、CO、C、ClO、OOCCH、CHCOCHCOCH、OCl、O(NO、O(ClO、O(SO)、OH、OCl、OCl、OOCH、OOCCHCH、CおよびCから成る群から選ばれる少なくとも一種の陰イオンとから成る化合物である。
塩類として具体的には、LiF、LiCl、LiBr、LiI、LiSO、Li(CHCOO)、LiCO、Li(C)、LiCHO、LiC、LiClO、LiPO、CaCl、CaSO、CaC、Ca(NO、Ca(C6H5O7)、MgCl、MgBr、MgSO、Mg(PO、Mg(ClO、MgC、Mg(NO、Mg(OOCCH、MgCなど;Ti(OOCCH、Ti(CO、Ti(NO、Ti(SO、TiF、TiCl、Zr(OOCCH、Zr(CO、Zr(NO、Zr(SO、ZrF、ZrCl、ZrOCl、ZrO(NO、ZrO(ClO、ZrO(SO)、HF(OOCCH、HF(CO、HF(NO、HF(SO、HFOCl、HFF、HFCl、V(CHCOCHCOCH、VOSO、VOCl、VCl、VCl、VBrなど;Cr(CHCOCHCOCH、Cr(OOCCHOH、Cr(NO、Cr(ClO、CrPO、Cr(SO、CrOCl、CrF、CrCl、CrBr、CrI、Mn(OOCCH、Mn(CHCOCHCOCH、MnCO、Mn(NO、MnO、Mn(ClO、MnF、MnCl、Fe(OOCCH、Fe(CHCOCHCOCH、FeCO、Fe(NO、Fe(ClO、FePO、FeSO、Fe(SO、FeF、FeCl、FeCなど;Co(OOCCH、Co(CHCOCHCOCH、CoCO、Co(NO、CoC、Co(ClO、Co(PO、CoSO、CoF、CoCl、NiCO、Ni(NO、NiC、Ni(ClO、NiSO、NiCl、NiBrなど;Zn(OOCCH、Zn(CHCOCHCOCH、ZnCO、Zn(NO、Zn(ClO、Zn(PO、ZnSO、ZnF、ZnCl、AlF、AlCl、AlBr、AlI、Al(SO、Al(C、Al(CHCOCHCOCH、Al(NO、AlPO、GeCl、GeBr、GeIが挙げられる。
(3)アルカリ処理
アルカリ処理で用いられる処理剤としては、例えば、LiOH、NaOH、KOH、Mg(OH)、Ca(OH)、Sr(OH)、Ba(OH)が挙げられる。
(4)有機物処理
有機物処理に用いられる有機物としては、例えば、トリメチルアンモニウム、トリエチルアンモニウム、N,N−ジメチルアニリニウム、トリフェニルホスホニウムなどが挙げられる。
有機物処理剤を構成する陰イオンとしては、例えば、塩類処理剤を構成する陰イオンとして例示した陰イオン、ヘキサフルオロフォスフェート、テトラフルオロボレート、テトラフェニルボレートなどが挙げられる。
これら珪酸塩には、通常吸着水および層間水が含まれる。本発明においては、これらの吸着水および層間水を除去して使用することが好ましい。
珪酸塩の吸着水および層間水は、珪酸塩を加熱して除去できるが、層間水が残存しないように、また構造破壊を生じないよう加熱条件を選ぶことが必要である。加熱時間は0.5時間以上、好ましくは1時間以上である。温度200℃、圧力1mmHgの条件下で2時間珪酸塩を脱水して得られた珪酸塩の水分含有率を0重量%とした時、珪酸塩の水分含有率が3重量%以下、好ましくは1重量%以下、となるように、珪酸塩を加熱することが好ましい。
以上のように、本発明において、イオン交換性層状珪酸塩(B−4)として、特に好ましいものは、塩類処理および/または酸処理を行って得られた、水分含有率が3重量%以下の、珪酸塩である。
珪酸塩は、触媒の原料または触媒として使用する前に、後述する有機金属化合物(C)で処理を行うことが好ましい。珪酸塩1gに対する有機金属化合物(C)の使用量は、通常20mmol以下、好ましくは0.5mmol以上、10mmol以下である。処理温度は、通常0℃以上70℃以下であり、処理時間は10分以上3時間以下である。処理後に珪酸塩を洗浄することが好ましい。洗浄に用いる溶媒は後述する予備重合またはスラリー重合で使用する溶媒と同様の炭化水素溶媒を使用する。
イオン交換性層状珪酸塩(B−4)は、平均粒径が5μm以上の球状粒子を用いることが好ましい。粒子の形状が球状であれば天然物または市販品をそのまま使用してもよいし、造粒、分粒、分別等により粒子の形状および粒径を制御した珪酸塩を用いてもよい。
造粒法としては、例えば攪拌造粒法、噴霧造粒法が挙げられる。
造粒の際に有機物、無機溶媒、無機塩、各種バインダ−を用いてもよい。
上記のようにして得られた球状粒子は、重合工程での破砕または微粉の生成を抑制する観点からは0.2MPa以上、特に好ましくは0.5MPa以上の圧縮破壊強度を有することが望ましい。このような強度の粒子を用いると、特に予備重合を行う場合に、ポリマー粒子性状改良効果が有効に発揮される。
本発明において、有機アルミニウムオキシ化合物(B−1)、有機ホウ素化合物(B−2)、亜鉛助触媒成分(B−3)、およびイオン交換性層状珪酸塩(B−4)は、単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
有機金属化合物(C)
本発明に用いる有機金属化合物(C)は、元素周期律表第2、12および13族から選ばれる元素を含む化合物(活性化用助触媒成分(B)を除く)であれば特に制限はないが、下式で表される化合物の群から選ばれる1種類以上の化合物が用いられる。
(NR (OR
は、元素周期律表第2、12、13族原子を表し、例えば、ベリリウム原子、マグネシウム原子、カルシウム原子、ストロンチウム原子、バリウム原子、亜鉛原子、カドミウム原子、水銀原子、ホウ素原子、アルミニウム原子、ガリウム原子、インジウム原子、タリウム原子などが挙げられ、好ましくはマグネシウム原子、カルシウム原子、アルミニウム原子、亜鉛原子またはガリウム原子であり、より好ましくはアルミニウム原子または亜鉛原子である。
は、水素原子または炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基を表し、例えば、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アルケニル基などが挙げられ、これらはハロゲン原子、ハイドロカルビルオキシ基、アミノ基、ニトロ基、スルホニル基または、シリル基などを置換基として有していてもよい。また、複数のR同士は互いに同一でも異なっていてもよい。
アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、およびn−オクチル基などの直鎖状アルキル基、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、イソアミル基、および2−エチルヘキシル基などの分岐状アルキル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、およびシクロオクチル基などの環状アルキル基などが挙げられ、好ましくは炭素原子数1〜20の直鎖状または分岐状アルキル基である。
アラルキル基としては、例えば、ベンジル基およびフェネチル基などが挙げられ、好ましくは炭素原子数7〜20のアラルキル基である。
アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基およびトリル基などが挙げられ、好ましくは炭素原子数6〜20のアリール基である。
アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、3−ブテニル基、および5−ヘキセニル基などの直鎖状アルケニル基、イソブテニル基、および4−メチル−3−ペンテニル基などの分岐状アルケニル基、2−シクロヘキセニル基、および3−シクロヘキセニル基などの環状アルケニル基などが挙げられ、好ましくは炭素原子数2〜20の直鎖状または分岐状アルケニル基である。
は、ハロゲン原子を表し、例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、およびフッ素原子などが挙げられ、好ましくは塩素原子である。また、複数のX同士は互いに同一でも異なっていてもよい。
p、q、r、sは、0〜3のいずれかの整数であり、Mが元素周期律表第2または12族原子である場合はp+q+r+s=2であり、Mが元素周期律表第13族原子である場合はp+q+r+s=3である。
本発明において、有機金属化合物(C)として用いられる有機アルミニウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリn−プロピルアルミニウム、トリn−ブチルアルミニウム、トリn−ペンチルアルミニウム、トリn−ヘキシルアルミニウム、トリn−オクチルアルミニウム、トリn−デシルアルミニウムなどのトリn−アルキルアルミニウム;
トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリsec−ブチルアルミニウム、トリtert−ブチルアルミニウム、トリ2−メチルブチルアルミニウム、トリ3−メチルブチルアルミニウム、トリ2−メチルペンチルアルミニウム、トリ3−メチルペンチルアルミニウム、トリ4−メチルペンチルアルミニウム、トリ2−メチルヘキシルアルミニウム、トリ3−メチルヘキシルアルミニウム、トリ2−エチルヘキシルアルミニウムなどのトリ分岐鎖アルキルアルミニウム;
トリシクロヘキシルアルミニウム、トリシクロオクチルアルミニウムなどのトリシクロアルキルアルミニウム;
トリフェニルアルミニウムなどのトリアリールアルミニウム、
ジエチルアルミニウムブロマイド、ジn−プロピルアルミニウムブロマイド、ジn−ブチルアルミニウムブロマイド、ジn−ペンチルアルミニウムブロマイド、ジn−ヘキシルアルミニウムブロマイド、ジエチルアルミニウムクロライド、ジn−プロピルアルミニウムクロライド、ジn−ブチルアルミニウムクロライド、ジn−ペンチルアルミニウムクロライド、ジn−ヘキシルアルミニウムクロライドなどのジn−アルキルアルミニウムハライド;
ジイソプロピルアルミニウムブロマイド、ジイソブチルアルミニウムブロマイド、ジsec−ブチルアルミニウムブロマイド、ジtert−ブチルアルミニウムブロマイド、ジ2−メチルブチルアルミニウムブロマイド、ジ3−メチルブチルアルミニウムブロマイド、ジ2−メチルペンチルアルミニウムブロマイド、ジ3−メチルペンチルアルミニウムブロマイド、ジ4−メチルペンチルアルミニウムブロマイド、ジ2−メチルヘキシルアルミニウムブロマイド、ジ3−メチルヘキシルアルミニウムブロマイド、ジ2−エチルヘキシルアルミニウムブロマイド、ジイソプロピルアルミニウムクロライド、ジイソブチルアルミニウムクロライド、ジsec−ブチルアルミニウムクロライド、ジtert−ブチルアルミニウムクロライド、ジ2−メチルブチルアルミニウムクロライド、ジ3−メチルブチルアルミニウムクロライド、ジ2−メチルペンチルアルミニウムクロライド、ジ3−メチルペンチルアルミニウムクロライド、ジ4−メチルペンチルアルミニウムクロライド、ジ2−メチルヘキシルアルミニウムクロライド、ジ3−メチルヘキシルアルミニウムクロライド、ジ2−エチルヘキシルアルミニウムクロライドなどのジ分岐鎖アルキルアルミニウムハライド;
ジフェニルアルミニウムブロマイド、ジメチルフェニルアルミニウムブロマイド、ジエチルフェニルアルミニウムブロマイド、ジブロモフェニルアルミニウムブロマイド、ジクロロフェニルアルミニウムブロマイド、ジフルオロフェニルアルミニウムブロマイド、ジシアノフェニルアルミニウムブロマイド、ジフェニルアルミニウムクロライド、ジメチルフェニルアルミニウムクロライド、ジエチルフェニルアルミニウムクロライド、ジブロモフェニルアルミニウムクロライド、ジクロロフェニルアルミニウムクロライド、ジフルオロフェニルアルミニウムクロライド、ジシアノフェニルアルミニウムクロライドなどのジアリール(aryl)アルミニウムハライド;などが挙げられ、
好ましくは、炭素原子数3〜24の有機アルミニウム化合物であり、より好ましくは、炭素原子数3〜24のトリn−アルキルアルミニウム、トリ分岐鎖アルキルアルミニウム、またはトリアリールアルミニウムであり、さらに好ましくは、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、またはトリn−オクチルアルミニウムである。
本発明において、有機金属化合物(C)として用いられる有機亜鉛化合物としては、例えば、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジn−プロピル亜鉛、ジn−ブチル亜鉛、ジn−ペンチル亜鉛、ジn−ヘキシル亜鉛、ジn−オクチル亜鉛、ジn−デシル亜鉛などのジn−アルキル亜鉛;
ジイソプロピル亜鉛、ジイソブチル亜鉛、ジsec−ブチル亜鉛、ジtert−ブチル亜鉛、ジ2−メチルブチル亜鉛、ジ3−メチルブチル亜鉛、ジ2−メチルペンチル亜鉛、ジ3−メチルペンチル亜鉛、ジ4−メチルペンチル亜鉛、ジ2−メチルヘキシル亜鉛、ジ3−メチルヘキシル亜鉛、ジ2−エチルヘキシル亜鉛などのジ分岐鎖アルキル亜鉛、
ジシクロヘキシル亜鉛、ジシクロオクチル亜鉛などのジシクロアルキル亜鉛、
ジフェニル亜鉛などのジアリール亜鉛;
エチル亜鉛ブロマイド、n−プロピル亜鉛ブロマイド、n−ブチル亜鉛ブロマイド、n−ペンチル亜鉛ブロマイド、n−ヘキシル亜鉛ブロマイド、エチル亜鉛クロライド、n−プロピル亜鉛クロライド、n−ブチル亜鉛クロライド、n−ペンチル亜鉛クロライド、n−ヘキシル亜鉛クロライドなどのn−アルキル亜鉛ハライド;
イソプロピル亜鉛ブロマイド、イソブチル亜鉛ブロマイド、sec−ブチル亜鉛ブロマイド、tert−ブチル亜鉛ブロマイド、2−メチルブチル亜鉛ブロマイド、3−メチルブチル亜鉛ブロマイド、2−メチルペンチル亜鉛ブロマイド、3−メチルペンチル亜鉛ブロマイド、4−メチルペンチル亜鉛ブロマイド、2−メチルヘキシル亜鉛ブロマイド、3−メチルヘキシル亜鉛ブロマイド、2−エチルヘキシル亜鉛ブロマイド、イソプロピル亜鉛クロライド、イソブチル亜鉛クロライド、sec−ブチル亜鉛クロライド、tert−ブチル亜鉛クロライド、2−メチルブチル亜鉛クロライド、3−メチルブチル亜鉛クロライド、2−メチルペンチル亜鉛クロライド、3−メチルペンチル亜鉛クロライド、4−メチルペンチル亜鉛クロライド、2−メチルヘキシル亜鉛クロライド、3−メチルヘキシル亜鉛クロライド、2−エチルヘキシル亜鉛クロライドなどの分岐鎖アルキル亜鉛ハライド、
フェニル亜鉛ブロマイド、メチルフェニル亜鉛ブロマイド、エチルフェニル亜鉛ブロマイド、ブロモフェニル亜鉛ブロマイド、クロロフェニル亜鉛ブロマイド、フルオロフェニル亜鉛ブロマイド、シアノフェニル亜鉛ブロマイド、フェニル亜鉛クロライド、メチルフェニル亜鉛クロライド、エチルフェニル亜鉛クロライド、ブロモフェニル亜鉛クロライド、クロロフェニル亜鉛クロライド、フルオロフェニル亜鉛クロライド、シアノフェニル亜鉛クロライドなどのアリール(aryl)亜鉛ハライド;などが挙げられ、
好ましくは、炭素原子数2〜16の有機亜鉛化合物であり、より好ましくは、炭素原子数2〜16のジn−アルキル亜鉛、ジ分岐鎖アルキル亜鉛、またはジアリール亜鉛であり、さらに好ましくは、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、ジイソブチル亜鉛、またはジn−オクチル亜鉛である。
担体(D)
本発明において、担体(D)は遷移金属化合物(A−X)および/または遷移金属化合物(A−Y)および/または活性化用助触媒成分(B)を担持する目的で必要に応じて使用される。
担体(D)としては、例えば無機酸化物粒子、無機ハロゲン化物粒子、有機ポリマー粒子などが挙げられるが、それらの中で、好ましくは、粒径の整った多孔質の粒子である。得られるポリマーの粒径分布の観点から、その粒径の体積基準の幾何標準偏差が好ましくは2.5以下、より好ましくは2.0以下、さらに好ましくは1.7以下である担体(D)が用いられる。
無機酸化物粒子としては、どのような無機酸化物を用いてもよく、複数の無機物質を混合して用いてもよい。無機酸化物としては、例えば、SiO2、Al23、MgO、ZrO2、TiO2、B23、CaO、ZnO、BaO、およびThO2、ならびにこれらの混合物、SiO2−MgO、SiO2−Al23、SiO2−TiO2、SiO2−V25、SiO2−Cr23、およびSiO2−TiO2−MgOが挙げられる。これらの無機酸化物として好ましくは、SiO2および/またはAl23であり、特に好ましくはSiO2である。上記無機酸化物は、少量のNa2CO3、K2CO3、CaCO3、MgCO3、Na2SO4、Al2(SO43、BaSO4、KNO3、Mg(NO32、Al(NO33、Na2O、K2O、Li2O等の炭酸塩、硫酸塩、硝酸塩、酸化物成分を含有していてもよい。
無機酸化物は、乾燥され、実質的に水分が除去されていることが好ましく、乾燥方法として好ましくは加熱乾燥である。乾燥温度は、通常100〜1500℃であり、好ましくは100〜1000℃であり、更に好ましくは200〜800℃である。乾燥時間は、好ましくは10分間〜50時間、より好ましくは1時間〜30時間である。加熱乾燥の方法としては、例えば、無機酸化物を加熱しながら乾燥した不活性ガス(例えば、窒素またはアルゴン等)を一定の流速で流通させて乾燥する方法、または、減圧下で無機酸化物を加熱乾燥する方法等が挙げられる。
無機酸化物には通常、表面にハイドロキシ基が生成し存在しているが、無機酸化物として、表面ハイドロキシ基の活性水素を種々の置換基で置換した、改質無機酸化物を使用してもよい。改質無機酸化物としては、例えば、トリメチルクロロシラン、tert−ブチルジメチルクロロシラン等のトリアルキルクロロシラン、トリフェニルクロロシラン等のトリアリールクロロシラン、ジメチルジクロロシラン等のジアルキルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン等のジアリールジクロロシラン、メチルトリクロロシラン等のアルキルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン等のアリールトリクロロシラン、トリメチルメトキシシラン等のトリアルキルアルコキシシラン、トリフェニルメトキシシラン等のトリアリールアルコシキシランおよびジメチルジメトキシシラン等のジアルキルジアルコキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン等のジアリールジアルコキシシラン、メチルトリメトキシシラン等のアルキルトリアルコキシシラン、フェニルトリメトキシシラン等のアリールトリアルコキシシラン、テトラメトキシシラン等のテトラアルコキシシラン、1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシラザン等のアルキルジシラザン、テトラクロロシラン、メタノールおよびエタノール等のアルコール、フェノール、ジブチルマグネシウム、ブチルエチルマグネシウム、ブチルオクチルマグネシウム等のジアルキルマグネシウム、ブチルリチウム等のアルキルリチウムで接触処理された無機酸化物が挙げられる。
更に、トリアルキルアルミニウムと接触後、ジエチルアミン、ジフェニルアミン等のジアルキルアミン、メタノール、エタノール等のアルコール、フェノールで接触処理された無機酸化物が挙げられる。
無機酸化物はハイドロキシ基同士が水素結合することにより無機酸化物自体の強度が高まっていることがある。その場合、仮に表面ハイドロキシ基の活性水素すべてについて種々の置換基で置換してしまうと、粒子強度の低下等をまねく場合がある。よって、無機酸化物の表面ハイドロキシ基の活性水素は必ずしもすべて置換する必要はなく、表面ハイドロキシ基の置換率は適宜決めればよい。表面ハイドロキシ基の置換率は、例えば、接触処理に使用する化合物の使用量によって変えられる。
無機酸化物粒子の平均粒子径は特に限定されないが、通常1〜5000μmであり、好ましくは5〜1000μmであり、より好ましくは10〜500μmであり、更に好ましくは10〜100μmである。無機酸化物粒子の細孔容量は好ましくは、0.1ml/g以上であり、より好ましくは0.3〜10ml/gである。無機酸化物粒子の比表面積は好ましくは、10〜1000m2/gであり、より好ましくは100〜500m2/gである。
無機ハロゲン化物としては、MgCl、MgBr、MnCl、MnBr等が用いられる。無機ハロゲン化物は、そのまま用いてもよいし、ボールミル、振動ミルにより粉砕した後に用いてもよい。また、アルコールなどの溶媒に無機ハロゲン化物を溶解させた後、析出剤によってこれらを微粒子状に析出させた無機ハロゲン化物を用いることもできる。
有機ポリマー粒子は、どのような有機ポリマーを用いてもよく、また複数種の有機ポリマーの混合物を用いてもよい。有機ポリマーとして好ましくは、活性水素を有する官能基または非プロトン供与性のルイス塩基性官能基を有する重合体である。
活性水素を有する官能基としては、活性水素を有していれば特に限定されない。その官能基としては、例えば、1級アミノ基、2級アミノ基、イミノ基、アミド基、ヒドラジド基、アミジノ基、ハイドロキシ基、ハイドロペルオキシ基、カルボキシル基、ホルミル基、カルバモイル基、スルホン酸基、スルフィン酸基、スルフェン酸基、チオール基、チオホルミル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピペリジル基、インダゾリル基、およびカルバゾリル基が挙げられる。好ましくは、1級アミノ基、2級アミノ基、イミノ基、アミド基、イミド基、ハイドロキシ基、ホルミル基、カルボキシル基、スルホン酸基またはチオール基であり、特に好ましくは、1級アミノ基、2級アミノ基、アミド基またはハイドロキシ基である。これらの基はハロゲン原子や炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基で置換されていてもよい。
非プロトン供与性のルイス塩基性官能基としては、活性水素原子を有さず、かつルイス塩基部分を有する官能基であれば特に限定されない。その官能基としては、例えば、ピリジル基、N−置換イミダゾリル基、N−置換インダゾリル基、ニトリル基、アジド基、N−置換イミノ基、N,N−置換アミノ基、N,N−置換アミノオキシ基、N,N,N−置換ヒドラジノ基、ニトロソ基、ニトロ基、ニトロオキシ基、フリル基、カルボニル基、チオカルボニル基、アルコキシ基、アルキルオキシカルボニル基、N,N−置換カルバモイル基、チオアルコキシ基、置換スルフィニル基、置換スルホニル基、および置換スルホン酸基が挙げられる。好ましくは複素環基であり、更に好ましくは、酸素原子および/または窒素原子を環内に有する芳香族複素環基である。特に好ましくは、ピリジル基、N−置換イミダゾリル基、N−置換インダゾリル基であり、最も好ましくはピリジル基である。これらの基はハロゲン原子や炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基で置換されていてもよい。
有機ポリマー中の活性水素を有する官能基または非プロトン供与性のルイス塩基性官能基の含有量は特に限定されない。その含有量は、好ましくは、重合体の単位グラム当りの官能基のモル量として0.01〜50mmol/gであり、より好ましくは0.1〜20mmol/gである。
活性水素を有する官能基または非プロトン供与性のルイス塩基性官能基を有する有機ポリマーの製造方法としては、例えば、活性水素を有する官能基もしくは非プロトン供与性のルイス塩基性官能基と、1個以上の重合性不飽和基とを有するモノマーを単独重合させる方法、またはそのモノマーと重合性不飽和基を有する他のモノマーとを共重合させる方法が挙げられる。このとき更に2個以上の重合性不飽和基を有する架橋重合性モノマーをも一緒に共重合することが好ましい。
重合性不飽和基としては、例えば、ビニル基、アリル基等のアルケニル基、エチン基等のアルキニル基が挙げられる。活性水素を有する官能基と1個以上の重合性不飽和基を有するモノマーとしては、例えば、ビニル基含有1級アミン、ビニル基含有2級アミン、ビニル基含有アミド化合物、およびビニル基含有ハイドロキシ化合物が挙げられる。そのモノマーとしては、例えば、N−(1−エテニル)アミン、N−(2−プロペニル)アミン、N−(1−エテニル)−N−メチルアミン、N−(2−プロペニル)−N−メチルアミン、1−エテニルアミド、2−プロペニルアミド、N−メチル−(1−エテニル)アミド、N−メチル−(2−プロペニル)アミド、ビニルアルコール、2−プロペン−1−オール、3−ブテン−1−オールが挙げられる。活性水素原子を有さず、かつルイス塩基部分を有する官能基と1個以上の重合性不飽和基を有するモノマーとしては、例えば、ビニルピリジン、ビニル(N−置換)イミダゾール、およびビニル(N−置換)インダゾールが挙げられる。
重合性不飽和基を有する他のモノマーとしては、例えば、エチレン、α−オレフィン、芳香族ビニル化合物および環状オレフィン化合物を挙げることができる。そのモノマーとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、スチレン、ノルボルネン、ジシクロペンタジエンが挙げられる。好ましくはエチレンまたはスチレンである。これらのモノマーは2種類以上を用いてもよい。上記2個以上の重合性不飽和基を有する架橋重合性モノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン等を挙げることができる。
有機ポリマー粒子の平均粒子径は特に限定されないが、通常1〜5000μmであり、好ましくは5〜1000μmであり、より好ましくは10〜500μmである。有機ポリマー粒子の細孔容量は、好ましくは0.1ml/g以上であり、より好ましくは0.3〜10ml/gである。有機ポリマー粒子の比表面積は、好ましくは10〜1000m2/gであり、より好ましくは50〜500m2/gである。
これらの有機ポリマー粒子は、乾燥され、実質的に水分が除去されていることが好ましく、加熱乾燥により乾燥されたものが好ましい。乾燥温度は通常30〜400℃であり、好ましくは50〜200℃であり、更に好ましくは70〜150℃である。加熱時間は、好ましくは10分間〜50時間であり、より好ましくは1時間〜30時間である。加熱乾燥の方法としては、例えば、有機ポリマー粒子を加熱しながら乾燥した不活性ガス(例えば、窒素またはアルゴン等)を一定の流速で流通させて乾燥する方法、または、減圧下で有機ポリマー粒子を加熱乾燥する方法等が挙げられる。
有機ポリマー粒子としては、粒径が10〜300μmの範囲にある顆粒状ないしは微粒子状固体が挙げられる。有機ポリマー粒子を形成するポリマーとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテンなどの炭素原子数が2〜14のα−オレフィンを主成分として生成される(共)重合体またはビニルシクロヘキサン、スチレンを主成分として生成される(共)重合体、およびそれらの変成体が挙げられる。
有機化合物(E)
本発明において、有機化合物(E)は重合性能および生成ポリマーの物性を向上させる目的で必要に応じて使用される。有機化合物(E)としては、例えばアルコール類、フェノール類、カルボン酸類、アミン類、リン化合物、ならびにスルホン酸およびその塩が挙げられる。
アルコール類およびフェノール類は、一般式RE1OHで表され、RE1は炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基または炭素原子数1〜20のハロハイドロカルビル基を表し、好ましくは炭素原子数1〜10のハロハイドロカルビル基である。
カルボン酸類は、一般式RE2COOHで表され、RE2は炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基または炭素原子数1〜20のハロハイドロカルビル基を表し、好ましくは炭素原子数1〜10のハロハイドロカルビル基である。
アミン類は、一般式NRE3 で表され、RE3は水素原子、炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基または炭素原子数1〜20のハロハイドロカルビル基を表し、少なくとも1つのRE3はハイドロカルビル基またはハロハイドロカルビル基であり、好ましくは炭素原子数1〜10のハロハイドロカルビル基である。
リン化合物としては、一般式PRE4 で表されるホスフィン類、一般式P(ORE4で表される亜リン酸エステル類、一般式O=PRE4 で表されるホスフィンオキシド類、および一般式O=P(ORE4で表されるリン酸エステル類が挙げられ、RE4は水素原子、炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基または炭素原子数1〜20のハロハイドロカルビル基を表し、少なくとも1つのRE4はハイドロカルビル基またはハロハイドロカルビル基であり、好ましくは炭素原子数1〜10のハロハイドロカルビル基である。
スルホン酸およびその塩は、一般式RE5SOHおよび(RE6SO で表され、Mは周期表第1〜14族の元素である。
E5およびRE6は炭素原子数1〜20のハイドロカルビル基または炭素原子数1〜20のハロハイドロカルビル基である。
tおよびuは、1〜4のいずれかの整数であり、Mの原子価をvとするとき、t=u×vを満たす。
=重合触媒(X)の形成=
重合触媒(X)を形成する方法としては、特に限定されるものではないが、遷移金属化合物(A−X)、活性化用助触媒成分(B)、任意成分として有機金属化合物(C)、および任意成分として担体(D)を接触させる方法が挙げられる。接触は溶媒の存在下または非存在下で行われ、これらの接触混合物を重合槽に添加してもよいし、これらを別々に任意の順序で重合槽に添加して重合槽中で接触させてもよいし、任意の二成分の接触混合物と残りの成分とを別々に重合槽に添加してもよい。
重合触媒(X)を形成する際、各成分の添加法、添加順序および添加量は任意に選ばれるが、以下のような方法が例示される。
(1)遷移金属化合物(A−X)および活性化用助触媒成分(B)の接触混合物を重合槽に添加する方法。
(2)遷移金属化合物(A−X)、活性化用助触媒成分(B)および担体(D)の接触混合物を重合槽に添加する方法。
(3)遷移金属化合物(A−X)を担体(D)に担持した触媒成分と、活性化用助触媒成分(B)との接触混合物を重合槽に添加する方法。
(4)活性化用助触媒成分(B)を担体(D)に担持した触媒成分と、遷移金属化合物(A−X)との接触混合物を重合槽に添加する方法。
(5)遷移金属化合物(A−X)および活性化用助触媒成分(B)を任意の順序で重合槽に添加する方法。
(6)遷移金属化合物(A−X)、活性化用助触媒成分(B)および担体(D)を任意の順序で重合槽に添加する方法。
(7)遷移金属化合物(A−X)を担体(D)に担持した触媒成分と、活性化用助触媒成分(B)とを任意の順序で重合槽に添加する方法。
(8)活性化用助触媒成分(B)を担体(D)に担持した触媒成分と、遷移金属化合物(A−X)とを任意の順序で重合槽に添加する方法。
(9)遷移金属化合物(A−X)および活性化用助触媒成分(B)を担体(D)に担持した触媒成分を重合槽に添加する方法。
前記(1)〜(9)の各方法においては、重合槽中の微量の水分、酸素およびその他触媒毒となる成分のスカベンジャー、もしくは遷移金属化合物(A−X)のアルキル化剤として使用する目的で、必要に応じて、前記有機金属化合物(C)から選ばれる1種類以上の化合物を、任意の順序で重合槽に添加することができる。なお、有機金属化合物(C)は、重合触媒(X)の形成においては任意成分であるが、本発明に係る製造方法においては必須成分である。
遷移金属化合物(A−X)が担持されている前記(3)、(7)および(9)の各方法においては、担持された触媒成分は、オレフィンが予備重合されていてもよく、予備重合された触媒成分上に、さらに、遷移金属化合物(A−X)が担持されていてもよい。この場合、担体(D)に担持されている遷移金属化合物(A−X)と、担体(D)に担持されていない遷移金属化合物(A−X)は、互いに同一でも異なっていてもよい。
活性化用助触媒成分(B)が担持されている前記(4)、(8)および(9)の各方法においては、必要に応じて担持されていない活性化用助触媒成分(B)を、任意の順序で重合槽に添加してもよい。この場合、担体(D)に担持されている活性化用助触媒成分(B)と、担体(D)に担持されていない活性化用助触媒成分(B)とは、互いに同一でも異なっていてもよい。
遷移金属化合物(A−X)は、反応容積1リットル当り、通常10-12〜10-2モル、好ましくは10-10〜10-3モルになるような量で用いられる。
活性化用助触媒成分(B)として有機アルミニウムオキシ化合物(B−1)が用いられる場合は、有機アルミニウムオキシ化合物(B−1)中のアルミニウム原子と、遷移金属化合物(A−X)とのモル比〔Al/(A−X)〕が、通常10〜500,000、好ましくは20〜100,000となるような量で用いられる。有機ホウ素化合物(B−2)が用いられる場合は、有機ホウ素化合物(B−2)中のホウ素原子と、遷移金属化合物(A−X)とのモル比〔B/(A−X)〕が、通常1〜1,000、好ましくは1〜100となるような量で用いられる。
前記(1)〜(9)の各方法において、なかでも好ましくは、各成分を任意の順序で重合槽に添加する前記(5)、(6)、(7)、(8)の方法であり、さらに好ましくは前記(5)の方法である。
本発明におけるオレフィンブロックポリマーの製造方法では、重合触媒(X)を構成する上記各成分、遷移金属化合物(A−X)、活性化用助触媒成分(B)、有機金属化合物(C)および担体(D)のうち少なくとも1種類が異なるようにして形成した互いに異なる複数の重合触媒(X)を用いてもよい。
=重合触媒(Y)の形成=
重合触媒(Y)を形成する方法としては、特に限定されるものではないが、遷移金属化合物(A−Y)、活性化用助触媒成分(B)、任意成分として有機金属化合物(C)、および任意成分として担体(D)を接触させる方法が挙げられる。接触は溶媒の存在下または非存在下で行われ、これらの接触混合物を重合槽に添加してもよいし、これらを別々に任意の順序で重合槽に添加して重合槽中で接触させてもよいし、任意の二成分の接触混合物と残りの成分とを別々に重合槽に添加してもよい。
重合触媒(Y)を形成する際、各成分の添加法、添加順序および添加量は任意に選ばれるが、以下のような方法が例示される。
(1)遷移金属化合物(A−Y)および活性化用助触媒成分(B)の接触混合物を重合槽に添加する方法。
(2)遷移金属化合物(A−Y)、活性化用助触媒成分(B)および担体(D)の接触混合物を重合槽に添加する方法。
(3)遷移金属化合物(A−Y)を担体(D)に担持した触媒成分と、活性化用助触媒成分(B)との接触混合物を重合槽に添加する方法。
(4)活性化用助触媒成分(B)を担体(D)に担持した触媒成分と、遷移金属化合物(A−Y)との接触混合物を重合槽に添加する方法。
(5)遷移金属化合物(A−Y)および活性化用助触媒成分(B)を任意の順序で重合槽に添加する方法。
(6)遷移金属化合物(A−Y)、活性化用助触媒成分(B)および担体(D)を任意の順序で重合槽に添加する方法。
(7)遷移金属化合物(A−Y)を担体(D)に担持した触媒成分と、活性化用助触媒成分(B)とを任意の順序で重合槽に添加する方法。
(8)活性化用助触媒成分(B)を担体(D)に担持した触媒成分と、遷移金属化合物(A−Y)とを任意の順序で重合槽に添加する方法。
(9)遷移金属化合物(A−Y)および活性化用助触媒成分(B)を担体(D)に担持した触媒成分を重合槽に添加する方法。
前記(1)〜(9)の各方法においては、重合槽中の微量の水分、酸素およびその他触媒毒となる成分のスカベンジャー、もしくは遷移金属化合物(A−Y)のアルキル化剤として使用する目的で、必要に応じて、前記有機金属化合物(C)から選ばれる1種類以上の化合物を、任意の順序で重合槽に添加することができる。なお、有機金属化合物(C)は、重合触媒(Y)の形成においては任意成分であるが、本発明に係る製造方法においては必須成分である。
遷移金属化合物(A−Y)が担持されている前記(3)、(7)および(9)の各方法においては、担持された触媒成分は、オレフィンが予備重合されていてもよく、予備重合された触媒成分上に、さらに、遷移金属化合物(A−Y)が担持されていてもよい。この場合、担体(D)に担持されている遷移金属化合物(A−Y)と、担体(D)に担持されていない遷移金属化合物(A−Y)とは、互いに同一でも異なっていてもよい。
活性化用助触媒成分(B)が担持されている前記(4)、(8)および(9)の各方法においては、必要に応じて担持されていない活性化用助触媒成分(B)を、任意の順序で重合槽に添加してもよい。この場合、担体(D)に担持されている活性化用助触媒成分(B)と、担体(D)に担持されていない活性化用助触媒成分(B)とは、互いに同一でも異なっていてもよい。
遷移金属化合物(A−Y)は、反応容積1リットル当り、通常10-12〜10-2モル、好ましくは10-10〜10-3モルになるような量で用いられる。
活性化用助触媒成分(B)として有機アルミニウムオキシ化合物(B−1)が用いられる場合は、有機アルミニウムオキシ化合物(B−1)中のアルミニウム原子と、遷移金属化合物(A−Y)とのモル比〔Al/(A−Y)〕が、通常10〜500,000、好ましくは20〜100,000となるような量で用いられる。有機ホウ素化合物(B−2)が用いられる場合は、有機ホウ素化合物(B−2)中のホウ素原子と、遷移金属化合物(A−Y)とのモル比〔B/(A−Y)〕が、通常1〜1,000、好ましくは1〜100となるような量で用いられる。
前記(1)〜(9)の各方法において、なかでも好ましくは、各成分を任意の順序で重合槽に添加する前記(5)、(6)、(7)、(8)の方法であり、さらに好ましくは前記(5)の方法である。
本発明におけるオレフィンブロックポリマーの製造方法では、重合触媒(Y)を構成する上記各成分、遷移金属化合物(A−Y)、活性化用助触媒成分(B)、有機金属化合物(C)および担体(D)のうち少なくとも1種類が異なるようにして形成した互いに異なる複数の重合触媒(Y)を用いてもよい。
本発明におけるオレフィンブロックポリマーの製造方法では、重合触媒(X)と重合触媒(Y)を同時または逐次的に形成するいずれの場合においても、両触媒を形成するために用いられる活性化用助触媒成分(B)、任意成分として用いられる有機金属化合物(C)、および任意成分として用いられる担体(D)は、両触媒で同一でも異なっていてもよい。また、重合触媒(X)と重合触媒(Y)を逐次的に形成させる場合、あらかじめ遷移金属化合物(A−X)を接触させた活性化用助触媒成分(B)、有機金属化合物(C)および担体(D)を、重合触媒(Y)を形成させる成分として用いてもよく、またあらかじめ遷移金属化合物(A−X)を担持した(D)を、重合触媒(Y)を形成させる成分として用いてもよい。同様に、あらかじめ遷移金属化合物(A−Y)を接触させた活性化用助触媒成分(B)、有機金属化合物(C)および担体(D)を、重合触媒(X)を形成させる成分として用いてもよく、またあらかじめ遷移金属化合物(A−Y)を担持した(D)を、重合触媒(X)を形成させる成分として用いてもよい。
オレフィン
本発明で用いるオレフィンとしては、炭素原子数2〜20のオレフィンが好ましく、例えば、エチレン、α−オレフィン、環状オレフィン、アルケニル脂環式化合物、極性オレフィンが挙げられる。
α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、5−メチル−1−ヘキセン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセンなどが挙げられる。
環状オレフィンとしては、例えば、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプテン、シクロオクテン、シクロノネン、シクロデセン、ノルボルネン、5−メチルノルボルネン、5−エチルノルボルネン、5−ブチルノルボルネン、5−フェニルノルボルネン、5−ベンジルノルボルネン、テトラシクロドデセン、トリシクロデセン、トリシクロウンデセン、ペンタシクロペンタデセン、ペンタシクロヘキサデセン、8−メチルテトラシクロドデセン、8−エチルテトラシクロドデセン、5−アセチルノルボルネン、5−アセチルオキシノルボルネン、5−メトキシカルボニルノルボルネン、5−エトキシカルボニルノルボルネン、5−メチル−5−メトキシカルボニルノルボルネン、5−シアノノルボルネン、8−メトキシカルボニルテトラシクロドデセン、8−メチル−8−テトラシクロドデセン、8−シアノテトラシクロドデセンなどが挙げられる。
アルケニル脂環式化合物としては、例えば、ビニルシクロヘキサンなどが挙げられる。
極性オレフィンとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、ビシクロ(2,2,1)−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸などのα,β−不飽和カルボン酸、およびそのナトリウム、カリウム、リチウム、亜鉛、マグネシウム、カルシウムなどの金属塩;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチルなどのα,β−不飽和カルボン酸エステル;マレイン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニルなどのビニルエステル;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸モノグリシジルエステルなどの不飽和カルボン酸グリシジルエステル;などが挙げられる。
上記のオレフィンとして好ましくは、エチレン、炭素原子数3〜20のα−オレフィン、炭素原子数3〜20の環状オレフィン、または炭素原子数5〜20のアルケニル脂環式化合物であり、より好ましくは、エチレンまたは炭素原子数3〜20のα−オレフィンであり、さらに好ましくは、エチレンまたは炭素原子数3〜10のα−オレフィンであり、最も好ましくは、エチレンまたはプロピレンである。
オレフィンは、1種類で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。2種類以上のオレフィンを用いる場合には、その添加方法は同時であっても逐次的であってもよく、そのオレフィンの組み合わせおよび使用割合についても特に制限されない。
オレフィンの重合条件
本発明では、オレフィンの重合法は溶媒重合法、懸濁重合法などの液相重合法または気相重合法のいずれでもよい。
液相重合法において用いられる不活性ハイドロカルビル媒体として具体的には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油などの脂肪族ハイドロカルビル、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタンなどの脂環式ハイドロカルビル、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族ハイドロカルビル、エチレンクロライド、クロルベンゼン、ジクロロメタンなどのハロハイドロカルビルまたはこれらの混合物などが挙げられ、オレフィン自身を溶媒として用いることもできる。
本発明のオレフィンブロックポリマーの製造方法は、重合触媒(X)と重合触媒(Y)と有機金属化合物(C)とを用いてオレフィンを重合する限り制限されるものではないが、以下の重合方法が挙げられる。
単段重合法(1)
1つの方法は、1種類以上の重合触媒(X)、1種類以上の重合触媒(Y)、1種類以上の有機金属化合物(C)、1種類以上のオレフィン、さらに必要に応じて有機化合物(E)を用いて、単一の重合工程からなる単段重合を行うオレフィンブロックポリマーの製造方法である。
該単段重合法(1)において、重合触媒(X)および重合触媒(Y)の形成は、それぞれ、前記重合触媒の形成方法に従い、ほぼ同時に行われることが好ましい。
該単段重合法(1)において、オレフィンは、重合触媒(X)または重合触媒(Y)が重合槽内で形成される前に、もしくは重合槽外で形成された重合触媒(X)または重合触媒(Y)が重合槽内に添加される前に、あらかじめ重合槽内に添加されることが好ましい。また1種類のオレフィンを用いる場合には重合槽内のオレフィン濃度が、2種以上のオレフィンを用いる場合には重合槽内の各オレフィン濃度および組成比が、重合中一定に保たれるように、オレフィンを重合槽に連続的に添加してもよい。
多段重合法(2)
他の方法は、1種類以上の重合触媒(X)、1種類以上の重合触媒(Y)、1種類以上の有機金属化合物(C)、1種類以上のオレフィン、さらに必要に応じて有機化合物(E)を用いて、2つ以上の重合工程からなる多段重合を行うオレフィンブロックポリマーの製造方法であって、各重合工程は、オレフィンの組成が等しく、かつ、隣り合う2つの工程がそれぞれ1種類以上の重合触媒(X)を用いる重合工程と、1種類以上の重合触媒(Y)を用いる重合工程であり、1つ前の重合工程までに得られた重合体の存在下で該オレフィンの重合を行う製造方法である。
多段重合法(2)は、重合触媒(X)の存在下、オレフィンを重合する工程〈工程2X〉と、重合触媒(Y)の存在下、〈工程2X〉で用いたものと組成が等しいオレフィンを重合する工程〈工程2Y〉とを少なくとも含む。
該多段重合法(2)における〈工程2X〉で形成される重合触媒(X)および、〈工程2Y〉で形成される重合触媒(Y)は、いずれも重合槽内で形成させても、重合槽外で形成させた重合触媒を重合槽に添加して用いてもよい。
該多段重合法(2)において、〈工程2X〉で用いるオレフィンは、重合触媒(X)が重合槽内で形成される前に、もしくは重合槽外で形成された重合触媒(X)が重合槽内に添加される前に、あらかじめ重合槽内に添加されることが好ましく、〈工程2Y〉で用いるオレフィンは、重合触媒(Y)が重合槽内で形成される前に、もしくは重合槽外で形成された重合触媒(Y)が重合槽内に添加される前に、あらかじめ重合槽内に添加されることが好ましい。またオレフィンが1種類のオレフィンである場合には重合槽内のオレフィン濃度が、2種以上のオレフィンである場合には重合槽内の各オレフィン濃度および組成比が、重合中一定に保たれるように、オレフィンを重合槽に連続的に添加してもよい。
多段重合法(2)は、〈工程2X〉および〈工程2Y〉で用いたものとは異なる重合触媒(X)または重合触媒(Y)の存在下、〈工程2X〉および〈工程2Y〉で用いたものと組成が等しいオレフィンを重合する工程をさらに含んでいてもよい。多段重合法(2)における重合工程数として好ましくは2〜5段であり、さらに好ましくは2および3段であり、最も好ましくは2段である。
また各重合工程では1つ前の重合工程までに得られた重合体の存在下でオレフィンの重合が行われる。2番目以降の重合工程では、その一つ前の重合工程で製造された重合体の存在下でオレフィンを重合する。
多段重合法(3)
さらに他の方法は、1種類以上の重合触媒(X)、1種類以上の重合触媒(Y)、1種類以上の有機金属化合物(C)、1種類以上のオレフィン、さらに必要に応じて有機化合物(E)を用いて、2つ以上の重合工程からなる多段重合を行うオレフィンブロックポリマーの製造方法であって、各重合工程は、隣り合う2つの重合工程でオレフィンの組成が互いに異なり、かつ、隣り合う2つの重合工程がそれぞれ1種類以上の重合触媒(X)を用いる重合工程と、1種類以上の重合触媒(Y)を用いる重合工程であり、1つ前の重合工程までに得られた重合体の存在下で該オレフィンの重合を行う製造方法である。
多段重合法(3)は、1種類以上の重合触媒(X)の存在下、オレフィン[X]を重合する工程〈工程3X〉と、重合触媒(Y)の存在下、〈工程3X〉で用いたものとは組成の異なるオレフィン[Y]を重合する工程〈工程3Y〉を少なくとも含む。
該多段重合法(3)における〈工程3X〉で形成される重合触媒(X)および、〈工程3Y〉で形成される重合触媒(Y)は、いずれも重合槽内で形成させても、重合槽外で形成させた重合触媒を重合槽に添加して用いてもよい。
該多段重合法(3)において、〈工程3X〉で用いるオレフィン[X]は、重合触媒(X)が重合槽内で形成される前に、もしくは重合槽外で形成された重合触媒(X)が重合槽内に添加される前に、あらかじめ重合槽内に添加されることが好ましく、〈工程3Y〉で用いるオレフィン[Y]は、重合触媒(Y)が重合槽内で形成される前に、もしくは重合槽外で形成された重合触媒(Y)が重合槽内に添加される前に、あらかじめ重合槽内に添加されることが好ましい。またオレフィンが1種類のオレフィンである場合には重合槽内のオレフィン濃度が、2種以上のオレフィンである場合には重合槽内の各オレフィン濃度および組成比が、重合中一定に保たれるように、オレフィンを重合槽に連続的に添加してもよい。
多段重合法(3)は、〈工程3X〉および〈工程3Y〉で用いたものと同じまたは異なる重合触媒(X)または重合触媒(Y)の存在下、〈工程3X〉および〈工程3Y〉で用いたものとは組成の異なるオレフィンを重合する工程をさらに含んでいてもよい。多段重合法(3)における重合工程数として好ましくは2〜5段であり、さらに好ましくは2および3段であり、最も好ましくは2段である。
また各重合工程では1つ前の重合工程までに得られた重合体の存在下でオレフィンの重合が行われる。2番目以降の重合工程では、その一つ前の重合工程で製造された重合体の存在下でオレフィンを重合する。
単段重合法(1)、多段重合法(2)および多段重合法(3)のいずれにおいても、有機金属化合物(C)は、反応操作における任意の時点で重合槽に添加することができるが、重合開始前すなわち、重合触媒(X)または重合触媒(Y)が形成される前に重合槽内に添加することが好ましい。有機金属化合物(C)の添加方法としては、例えば攪拌下に該有機金属化合物(C)を特定の方法で重合槽に添加する方法が好ましい。この場合、該有機金属化合物(C)を直接添加してもよいし、例えばn−ヘキサンなどの有機溶媒に溶解した溶液を添加してもよい。また、必要に応じて任意の回数に分割して添加してもよい。
有機金属化合物(C)は、遷移金属化合物(A)とのモル比〔(C)/(A)〕が、通常1〜100000、好ましくは10〜10000、より好ましくは20〜5000となるような量で用いられる。
有機化合物(E)を用いる場合は、単独で、または有機金属化合物(C)との接触混合物として反応操作における任意の時点で重合槽に添加することができるが、重合開始前すなわち、重合触媒(X)または重合触媒(Y)が形成される前に重合槽内に添加することが好ましい。有機化合物(E)の添加方法としては、例えば攪拌下に該有機化合物(E)を特定の方法で重合槽に添加する方法が好ましい。この場合、該有機金属化合物(C)を直接添加してもよいし、例えばn−ヘキサンなどの有機溶媒に溶解した溶液を添加してもよい。また、必要に応じて任意の回数に分割して添加してもよい。
有機化合物(E)を用いる場合は、有機金属化合物(C)とのモル比〔(E)/(C)〕が、通常0.001〜10、好ましくは0.005〜2となるような量で用いられる。
本発明における前記重合法(1)〜(3)では、例えば、立体規則性、分岐構造の導入率、共重合性などの重合性能が互いに異なる重合触媒(X)および重合触媒(Y)を選択し、さらに該重合触媒(X)および重合触媒(Y)によって化学的または物理的性質が異なる2種類以上のセグメントが形成されうるように、オレフィンの種類および組成を選択することが好ましい。
さらに多段重合法(2)および(3)では、隣り合う2つの重合工程において形成されるセグメントの化学的または物理的性質が互いに異なるように、各工程で使用する重合触媒(X)および重合触媒(Y)を選択することが好ましい。
とくに多段重合法(3)では、隣り合う2つの重合工程において形成されるセグメントの化学的または物理的性質が互いに異なるように、各工程で使用する重合触媒(X)および重合触媒(Y)とオレフィンの組み合わせを選択することが好ましい。
上記単段重合法(1)、多段重合法(2)および(3)は、連続重合であってもバッチ重合であってもよいが、好ましくはバッチ重合である。さらに多段重合法(2)および(3)では、一つ前の重合工程までに生成した重合体の存在下、同一の反応槽または反応帯域において、続く重合工程を実施してもよいし、一つ前の重合工程までに生成した重合体を、別の反応槽または反応帯域へと移送し、続く重合工程を実施してもよいが、好ましくは一つ前の重合工程までに生成した重合体の存在下、同一の反応槽または反応帯域において、続く重合工程を実施する方法である。
本発明のオレフィンブロックポリマーの製造方法として前記単段重合法(1)、多段重合法(2)および多段重合法(3)が挙げられるが、好ましくは単段重合法(1)および多段重合法(3)であり、より好ましくは単段重合法(1)である。
単段重合法(1)として好ましくは、立体規則性または分岐構造の導入率が互いに異なる重合触媒(X)および重合触媒(Y)による1種類のオレフィンの単独重合、もしくは共重合性が互いに異なる重合触媒(X)および重合触媒(Y)による2種類以上のオレフィンの共重合であり、より好ましくは、分岐構造の導入率が互いに異なる重合触媒(X)および重合触媒(Y)による1種類のオレフィンの単独重合、もしくは共重合性が互いに異なる重合触媒(X)および重合触媒(Y)による2種類以上のオレフィンの共重合であり、さらに好ましくは、共重合性が互いに異なる重合触媒(X)および重合触媒(Y)による2種類以上のオレフィンの共重合であり、もっとも好ましくは、共重合性が互いに異なる重合触媒(X)および重合触媒(Y)によるエチレン/プロピレン共重合である。
多段重合法(3)として好ましくは、前段と後段とで、オレフィンの組成が互いに異なる2段重合であり、より好ましくは2種類以上のオレフィンの共重合と1種類のオレフィンの単独重合からなる2段重合(前段および後段と、共重合および単独重合の対応関係は問わない)であり、さらに好ましくは、エチレン/プロピレン共重合とプロピレン単独重合からなる2段重合(前段および後段と、共重合および単独重合の対応関係は問わない)である。
以下、単段重合法(1)について、より詳細に説明する。
単段重合法(1)では、重合触媒(X)および重合触媒(Y)の存在下、オレフィンを重合する。
有機金属化合物(C)は、遷移金属化合物(A−X)とのモル比〔(C)/(A−X)〕および遷移金属化合物(A−Y)とのモル比〔(C)/(A−Y)〕が、通常1〜100000、好ましくは10〜10000、より好ましくは20〜5000となるような量で用いられる。さらに有機化合物(E)を用いる場合は、有機金属化合物(C)とのモル比〔(E)/(C)〕が、通常0.001〜10、好ましくは0.005〜2となるような量で用いられる。
単段重合法(1)で重合するオレフィンは、炭素原子数2〜20のオレフィンから、1種以上を選択して用いる。用いるオレフィンの種類や、2種以上用いる場合の量比は特に制限はない。用いるオレフィンとして好ましくは、エチレン、炭素原子数3〜20のα−オレフィン、炭素原子数3〜20の環状オレフィン、または炭素原子数5〜20のアルケニル脂環式化合物から選択される1種類以上のオレフィンであり、より好ましくは、エチレンまたは炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選択される1種類以上のオレフィンであり、さらに好ましくは、エチレンまたは炭素原子数3〜10のα−オレフィンから選択される1種類以上のオレフィンであり、最も好ましくは、エチレンまたはプロピレンから選択される1種類以上のオレフィンである。
単段重合法(1)におけるオレフィンの重合反応温度は、通常−40〜200℃、好ましくは0〜150℃、さらに好ましくは40〜130℃である。また、反応圧力は、通常常圧〜10MPa、好ましくは常圧〜5MPaである。また、反応時間は、通常5分〜48時間、好ましくは5分〜12時間である。
多段重合法(2)では〈工程2X〉および〈工程2Y〉は、どちらから始めてもよいが、以下、多段重合法(2)のうち〈工程2X〉(前段)および〈工程2Y〉(後段)からなる2段重合について、より詳細に説明する。
〈工程2X〉
〈工程2X〉では、重合触媒(X)の存在下、オレフィンを重合する。
〈工程2X〉で有機金属化合物(C)を用いる場合には、有機金属化合物(C)は、遷移金属化合物(A−X)とのモル比〔(C)/(A−X)〕が、通常1〜100000、好ましくは10〜10000、より好ましくは20〜5000となるような量で用いられる。さらに有機化合物(E)を用いる場合は、有機金属化合物(C)とのモル比〔(E)/(C)〕が、通常0.001〜10、好ましくは0.005〜2となるような量で用いられる。
〈工程2X〉で重合するオレフィンは、炭素原子数2〜20のオレフィンから、1種以上を選択して用いる。用いるオレフィンの種類や、2種以上用いる場合の量比は特に制限はない。用いるオレフィンとして好ましくは、エチレン、炭素原子数3〜20のα−オレフィン、炭素原子数3〜20の環状オレフィン、または炭素原子数5〜20のアルケニル脂環式化合物から選択される1種類以上のオレフィンであり、より好ましくは、エチレンまたは炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選択される1種類以上のオレフィンであり、さらに好ましくは、エチレンまたは炭素原子数3〜10のα−オレフィンから選択される1種類以上のオレフィンであり、最も好ましくは、エチレンまたはプロピレンから選択される1種類以上のオレフィンである。
〈工程2X〉におけるオレフィンの重合反応温度は、通常−40〜200℃、好ましくは0〜150℃、さらに好ましくは40〜130℃である。また、反応圧力は、通常常圧〜10MPa、好ましくは常圧〜5MPaである。また、反応時間は、通常5分〜48時間、好ましくは5分〜12時間である。
〈工程2Y〉
〈工程2Y〉では、〈工程2X〉に続いて、重合触媒(Y)の存在下、〈工程2X〉で用いたものと組成が等しいオレフィンを重合する。
〈工程2Y〉で有機金属化合物(C)を用いる場合には、有機金属化合物(C)は、遷移金属化合物(A−Y)とのモル比〔(C)/(A−Y)〕が、通常1〜100000、好ましくは10〜10000、より好ましくは20〜5000となるような量で用いられる。さらに有機化合物(E)を用いる場合は、有機金属化合物(C)とのモル比〔(E)/(C)〕が、通常0.001〜10、好ましくは0.005〜2となるような量で用いられる。
〈工程2Y〉で重合するオレフィンは、〈工程2X〉と同一の組成のオレフィンである。
〈工程2Y〉におけるオレフィンの重合反応温度は、通常−40〜200℃、好ましくは0〜150℃、さらに好ましくは40〜130℃である。また、反応圧力は、通常常圧〜10MPa、好ましくは常圧〜5MPaである。また、反応時間は、通常5分〜48時間、好ましくは5分〜12時間である。
多段重合法(3)では〈工程3X〉および〈工程3Y〉は、どちらから始めてもよいが、以下、多段重合法(3)のうち〈工程3X〉(前段)および〈工程3Y〉(後段)からなる2段重合について、より詳細に説明する。
〈工程3X〉
〈工程3X〉では、1種類以上の重合触媒(X)の存在下、オレフィン[X]を重合する。
〈工程3X〉で有機金属化合物(C)を用いる場合には、有機金属化合物(C)は、遷移金属化合物(A−X)とのモル比〔(C)/(A−X)〕が、通常1〜100000、好ましくは10〜10000、より好ましくは20〜5000となるような量で用いられる。さらに有機化合物(E)を用いる場合は、有機金属化合物(C)とのモル比〔(E)/(C)〕が、通常0.001〜10、好ましくは0.005〜2となるような量で用いられる。
〈工程3X〉で重合するオレフィンは、炭素原子数2〜20のオレフィンから、1種以上を選択して用いる。用いるオレフィンの種類や、2種以上用いる場合の量比は特に制限はない。用いるオレフィンとして好ましくは、エチレン、炭素原子数3〜20のα−オレフィン、炭素原子数3〜20の環状オレフィン、または炭素原子数5〜20のアルケニル脂環式化合物から選択される1種類以上のオレフィンであり、より好ましくは、エチレンまたは炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選択される1種類以上のオレフィンであり、さらに好ましくは、エチレンまたは炭素原子数3〜10のα−オレフィンから選択される1種類以上のオレフィンであり、最も好ましくは、エチレンまたはプロピレンから選択される1種類以上のオレフィンである。
〈工程3X〉におけるオレフィンの重合反応温度は、通常−40〜200℃、好ましくは0〜150℃、さらに好ましくは40〜130℃である。また、反応圧力は、通常常圧〜10MPa、好ましくは常圧〜5MPaである。また、反応時間は、通常5分〜48時間、好ましくは5分〜12時間である。
〈工程3Y〉
〈工程3Y〉では、〈工程3X〉に続いて、重合触媒(Y)の存在下、〈工程3X〉で用いたものとは組成の異なるオレフィン[Y]を重合する。
〈工程3Y〉で有機金属化合物(C)を用いる場合には、有機金属化合物(C)は、遷移金属化合物(A―Y)とのモル比〔(C)/(A―Y)〕が、通常1〜100000、好ましくは10〜10000、より好ましくは20〜5000となるような量で用いられる。さらに有機化合物(E)を用いる場合は、有機金属化合物(C)とのモル比〔(E)/(C)〕が、通常0.001〜10、好ましくは0.005〜2となるような量で用いられる。
〈工程3Y〉で重合するオレフィンは、炭素原子数2〜20のオレフィンから、1種以上を選択して用いる。用いるオレフィンの種類や、2種以上用いる場合の量比は〈工程3X〉と組成が異なる限り特に制限はない。用いるオレフィンとして好ましくは、エチレン、炭素原子数3〜20のα−オレフィン、炭素原子数3〜20の環状オレフィン、または炭素原子数5〜20のアルケニル脂環式化合物から選択される1種類以上のオレフィンであり、より好ましくは、エチレンまたは炭素原子数3〜20のα−オレフィンから選択される1種類以上のオレフィンであり、さらに好ましくは、エチレンまたは炭素原子数3〜10のα−オレフィンから選択される1種類以上のオレフィンであり、最も好ましくは、エチレンまたはプロピレンから選択される1種類以上のオレフィンである。
〈工程3Y〉におけるオレフィンの重合反応温度は、通常−40〜200℃、好ましくは0〜150℃、さらに好ましくは40〜130℃である。また、反応圧力は、通常常圧〜10MPa、好ましくは常圧〜5MPaである。また、反応時間は、通常5分〜48時間、好ましくは5分〜12時間である。
〈工程3X〉および〈工程3Y〉からなる2段重合において、より好ましくは〈工程3X〉および〈工程3Y〉のうちの一方において2種類以上のオレフィンの共重合を行い、他方において1種類のオレフィンの単独重合を行う。さらに好ましくは、〈工程3X〉および〈工程3Y〉のうちの一方においてエチレン/プロピレン共重合を行い、他方においてプロピレン単独重合を行う。
全重合工程が完了した後に重合反応を停止することで、オレフィンブロックポリマーが得られる。
重合反応を停止する方法としては、(1)重合触媒(X)および重合触媒(Y)の活性を低下させる特定の物質を添加する方法、もしくは(2)加熱処理、もしくは(3)オレフィンの除去であり、好ましくは(1)の方法である。
重合触媒(X)および重合触媒(Y)の活性を低下させる前記の物質としては、一酸化炭素、水、アルコールなどが挙げられるが、好ましくは水、アルコールである。
オレフィンブロックポリマー
本発明の方法で製造するオレフィンブロックポリマーは、炭素原子数2〜20のオレフィンから選ばれる1種類以上のオレフィンが重合触媒(X)により重合して形成されるポリマーセグメント(X)と、炭素原子数2〜20のオレフィンから選ばれる1種類以上のオレフィンが重合触媒(Y)により重合して形成され、かつ、前記ポリマーセグメント(X)とは化学的または物理的性質の異なるポリマーセグメント(Y)とを、それぞれ1つ以上含むオレフィンブロックポリマーである。
なお、該オレフィンブロックポリマーは、前記ポリマーセグメント(X)およびポリマーセグメント(Y)に加えてさらに、前記ポリマーセグメント(X)およびポリマーセグメント(Y)のいずれとも化学的または物理的性質の異なるポリマーセグメント(Z)を1つ以上有していてもよい。
オレフィンブロックポリマー中のポリマーセグメントを足し合わせた数は2以上である。単段重合法(1)で得られるオレフィンブロックポリマー中の平均のポリマーセグメント数として好ましくは、3以上であり、より好ましくは、5以上であり、さらに好ましくは、7以上であり、最も好ましくは、10以上である。多段重合法(2)および(3)で得られるオレフィンブロックポリマー中のポリマーセグメント数は実施される多段重合に含まれる重合工程数と一致するか、もしくはそれ以下であるが、好ましくは、2〜5であり、より好ましくは、2〜4であり、さらに好ましくは、2および3であり、最も好ましくは、2である。
各ポリマーセグメントは、炭素原子数2〜20のオレフィンから選ばれる1種類のオレフィンの単独重合体セグメントであってもよく、炭素原子数2〜20のオレフィンから選ばれる2種類以上のオレフィンの共重合体セグメントであってもよい。
ポリマーセグメントが2種類以上のオレフィンから得られる共重合体セグメントである場合には、ポリマーセグメントの中でオレフィン組成が一定の比率であるランダム共重合体セグメント、オレフィン組成が連続的に変化していくテーパードポリマーセグメント、または2種類のオレフィンが交互に重合した交互共重合体セグメントであってもよい。
ポリマーセグメント(X)、(Y)および(Z)として好ましい単独重合体セグメントは、エチレン、炭素原子数3〜20のα−オレフィン、炭素原子数3〜20の環状オレフィン、または炭素原子数5〜20のアルケニル脂環式化合物の単独重合体セグメントであり、より好ましくはエチレンまたは炭素原子数3〜20のα−オレフィンの単独重合体セグメントであり、さらに好ましくはエチレンまたは炭素原子数3〜10のα−オレフィンの単独重合体セグメントであり、最も好ましくは、エチレンまたはプロピレンの単独重合体セグメントである。
エチレンの単独重合体セグメントとしては、直鎖ポリエチレンセグメント、短鎖分岐ポリエチレンセグメント、長鎖分岐ポリエチレンセグメント、ハイパーブランチポリエチレンセグメントであってもよいが、好ましくは直鎖ポリエチレンセグメントおよびハイパーブランチポリエチレンセグメントである。
プロピレンの単独重合体セグメントとしては、アイソタクチックポリプロピレンセグメント、アタクチックポリプロピレンセグメント、シンジオタクチックポリプロピレンセグメントであってもよいが、好ましくはアイソタクチックポリプロピレンセグメントおよびアタクチックポリプロピレンセグメントである。
一方、好ましい共重合体セグメントとしては、
エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとの共重合体セグメント、具体的にはエチレンと、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンなどとの共重合体セグメント、
プロピレンと炭素数4〜20のα−オレフィンとの共重合体セグメント、具体的にはプロピレンと1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセンなどとの共重合体セグメント、
エチレンまたはプロピレンと炭素数5〜20の環状オレフィンとの共重合体セグメント、具体的にはテトラシクロドデセン、ノルボルネン、メチルノルボルネンなどとの共重合体セグメント、
エチレンまたはプロピレンと炭素数8〜20のアルケニル脂環式化合物との共重合体セグメント、具体的にはビニルシクロヘキサンなどとの共重合体セグメント、などが挙げられ、
これらのなかでは、ポリエチレンセグメント、ポリプロピレンセグメント、ポリブテンセグメント、ポリヘキセンセグメント、ポリオクテンセグメント、エチレン/プロピレン共重合体セグメント、エチレン/ブテン共重合体セグメント、エチレン/ヘキセン共重合体セグメント、エチレン/オクテン共重合体セグメント、プロピレン/ブテン共重合体セグメント、プロピレン/ヘキセン共重合体セグメント、プロピレン/オクテン共重合体セグメントがより好ましく、なかでもポリエチレンセグメント、ポリプロピレンセグメント、エチレン/プロピレン共重合体セグメントがさらに好ましい。
本発明の方法で製造するオレフィンブロックポリマーとして好ましくは、
直鎖ポリエチレンセグメントと分岐ポリエチレンセグメントとを有するブロックポリマー、ポリエチレンセグメントとポリプロピレンセグメントとを有するブロックポリマー、ポリエチレンセグメントとポリブテンセグメントとを有するブロックポリマー、ポリエチレンセグメントとポリヘキセンセグメントとを有するブロックポリマー、ポリエチレンセグメントとポリオクテンセグメントとを有するブロックポリマー、
アイソタクチックポリプロピレンセグメントとシンジオタクチックポリプロピレンセグメントとを有するブロックポリマー、アイソタクチックポリプロピレンセグメントとアタクチックポリプロピレンセグメントとを有するブロックポリマー、アタクチックポリプロピレンセグメントとシンジオタクチックポリプロピレンセグメントとを有するブロックポリマー、ポリプロピレンセグメントとポリブテンセグメントとを有するブロックポリマー、ポリプロピレンセグメントとポリヘキセンセグメントとを有するブロックポリマー、ポリプロピレンセグメントとポリオクテンセグメントとを有するブロックポリマー、
ポリエチレンセグメントとエチレン/プロピレン共重合体セグメントとを有するブロックポリマー、ポリエチレンセグメントとエチレン/ブテン共重合体セグメントとを有するブロックポリマー、ポリエチレンセグメントとエチレン/ヘキセン共重合体セグメントとを有するブロックポリマー、ポリエチレンセグメントとエチレン/オクテン共重合体セグメントとを有するブロックポリマー、
ポリプロピレンセグメントとエチレン/プロピレン共重合体セグメントとを有するブロックポリマー、ポリプロピレンセグメントとプロピレン/ブテン共重合体セグメントとを有するブロックポリマー、ポリプロピレンセグメントとプロピレン/ヘキセン共重合体セグメントとを有するブロックポリマー、ポリプロピレンセグメントとプロピレン/オクテン共重合体セグメントとを有するブロックポリマーなどであり、
より好ましくは、ポリエチレンセグメントとポリプロピレンセグメントとを有するブロックポリマー、ポリエチレンセグメントとエチレン/プロピレン共重合体セグメントとを有するブロックポリマー、ポリプロピレンセグメントとエチレン/プロピレン共重合体セグメントとを有するブロックポリマーなどであり、
さらに好ましくは、ポリエチレンセグメントとエチレン/プロピレン共重合体セグメントとを有するブロックポリマー、ポリプロピレンセグメントとエチレン/プロピレン共重合体セグメントとを有するブロックポリマーである。
オレフィンブロック共重合体組成物
本発明の製造方法に従って得られたオレフィンブロック共重合体組成物は、ポリマーセグメント(X)とポリマーセグメント(Y)とが化学的に結合したオレフィンブロックポリマーに加えて、ポリマーセグメント(X)と同等の構造のブロック化されていないポリマー(X)および/またはポリマーセグメント(Y)と同等の構造のブロック化されていないポリマー(Y)から構成される。
ポリマーセグメント(X)とポリマーセグメント(Y)とが化学的に結合したオレフィンブロックポリマーでは、一般的に溶媒抽出時における抽出成分量もしくは残留成分量が、ポリマー(X)とポリマー(Y)との単純なブレンドポリマーとは異なる。この性質を利用することで、オレフィンブロック共重合体組成物中のオレフィンブロックポリマーの生成量を評価することができる。
例えば、互いにエチレン含量の異なる或る2種類のエチレン/プロピレン共重合体の混合物は、溶媒分別条件を適切に選択することで、エチレン含量の異なる2種類の成分を可溶成分と不溶成分に分別することができる。適度に組成分布をもった低エチレン含量および高エチレン含量の2種類のエチレン/αオレフィン共重合体として住友ノーブレン S131(住友化学社製)及びスミカセンーLFS150(住友化学社製)についてTREF分別を実施し、各温度で分別された成分のエチレン含量を算出する。このTREF分別およびNMR解析結果から、或る溶媒分別温度において、可溶成分となるエチレン/プロピレン共重合体のエチレン含量の範囲と、不溶成分となるエチレン/プロピレン共重合体のエチレン含量の範囲が推定できる(図1も参照のこと)。
これに従うと、エチレン/プロピレン共重合体を溶媒分別温度が68℃となる沸騰へキサン抽出による溶媒分別を実施した場合、エチレンの組成が9.3mol%以下または94.6mol%以上のエチレン/プロピレン共重合体は沸騰へキサン不溶(以下、BHIS)成分に残留し、エチレンの組成が9.3mol%よりも大きく94.6mol%未満のエチレン/プロピレン共重合体は沸騰へキサン可溶(以下、BHS)成分へと分別される。
したがって上記の沸騰ヘキサン抽出において、エチレン含量が0.1mol%以上9.0mol%以下である低エチレン含量のエチレン/プロピレン共重合体(以下、EP)セグメントはBHIS成分に、エチレン含量が80.0mol%以上94.5mol%以下である高エチレン含量のエチレン/プロピレン共重合体(以下、EP)セグメントはBHS成分へと分別される。一方、EP、EPおよびEPとEPが化学的に結合したブロックポリマー(以下、EP−b−EP)から構成されるエチレン/プロピレンブロック共重合体組成物について、上記の沸騰へキサン抽出を実施すると、EPセグメントの性質によって、EPおよびEP−b−EPの一部がBHIS成分に存在することになる。
BHIS成分中のEP含量(以下、EPBHIS)、BHIS成分中のEP成分中のエチレン含量(BHIS)、BHIS成分中のEP含量(以下、EPBHIS)、BHIS成分中のEP成分中のエチレン含量(BHIS)の算出法について以下に説明する。まずBHIS成分について、13CNMRにより求められる各三連子の全三連子に対する割合PPP、PPE、PEP、EPE、EEP、EEEを算出する。BHIS成分中にはEPセグメントおよびEPセグメントが共存するが、EPセグメントはエチレン含量が0.1mol%以上9.0mol%以下と低いためEPセグメント由来のEEE、EEP、EPEの3連子の割合は無視できるほど小さく、EPセグメントはエチレン含量が80.0mol%以上94.5mol%以下と高いためEPセグメント由来のPPP、PPE、PEPの3連子の割合は無視できるほど小さい。したがって、EPBHISBHISEPBHISBHISは下式により算出できる。

EPBHIS =(EEE+EEP+EPE)/(PPP+PPE+PEP+EPE+EEP+EEE)×100
BHIS = (EEE+EEP)/(EEE+EEP+EPE)×100

EPBHIS =(PPP+PPE+PEP)/(PPP+PPE+PEP+EPE+EEP+EEE)×100
BHIS = PEP/(PPP+PPE+PEP) ×100
BHS成分中のEP含量(以下、EPBHS)、BHS成分中のEP成分中のエチレン含量(BHS)、BHS成分中のEP含量(以下、EPBHS)、BHS成分中のEP成分中のエチレン含量(BHS)の算出法についても同様に算出できる。
高い立体規則性を有するポリプロピレンはポリエチレンと比べ、高い融点を有しており、耐熱性の面で優れているが、コモノマーの組成が高くなるにしたがって、また立体規則性の低下に従って融点が低下する。
本発明におけるエチレン/プロピレンブロック共重合体組成物中のEPセグメントの融点も同様に、’およびEPセグメント中のプロピレン連鎖の立体規則性に依存しており、それらは用いる触媒のエチレンとプロピレンの反応性比およびプロピレン重合における立体規則性に依存する。
本発明のエチレン/プロピレンブロック共重合体組成物は、耐熱性や機械物性の面から融点が高いことが好ましく、ポリエチレンよりも高い耐熱性示すために、好ましくは、130℃以上の融点を一つ以上有し、より好ましくは135℃以上の融点を一つ以上有し、さらに好ましくは140℃以上の融点を一つ以上有し、特に好ましくは145℃以上の融点を一つ以上有する。
本発明のエチレン/プロピレンブロック共重合体組成物のEPBHISの値として好ましくは2.0wt%以上であり、より好ましくは3.0wt%以上、さらに好ましくは4.0wt%以上、特に好ましくは5.0wt%以上、最も好ましくは6.0wt%以上である。
本発明のエチレン/プロピレンブロック共重合体組成物のBHISの値として好ましくは80.0mol%以上94.5mol%以下であり、より好ましくは80.0mol%以上94.0mol%以下、さらに好ましくは80.0mol%以上93.5mol%以下、特に好ましくは80.0mol%以上93.0mol%以下、最も好ましくは80.0mol%以上92.8mol%以下である。
本発明のエチレン/プロピレンブロック共重合体組成物のBHISの値として好ましくは0.1mol%以上9.0mol%以下であり、より好ましくは0.1mol%以上6.0mol%以下、さらに好ましくは0.1mol%以上4.0mol%以下、特に好ましくは0.1mol%以上3.0mol%以下、最も好ましくは0.1mol%以上2.0mol%以下である。
本発明のエチレン/プロピレンブロック共重合体組成物のBHISBHSの差の絶対値(|BHISBHS|)が好ましくは5.0mol%以下であり、より好ましくは4.0mol%以下、さらに好ましくは3.0mol%以下、特に好ましくは2.5mol%以下、最も好ましくは2.3mol%以下である。
本発明のエチレン/プロピレンブロック共重合体組成物のBHIS成分の該組成物全体に対する重量比率の値として好ましくは10.0wt%以上であり、より好ましくは20.0wt%以上、さらに好ましくは30.0wt%以上、特に好ましくは40.0wt%以上、最も好ましくは50.0wt%以上である。
本発明のエチレン/プロピレンブロック共重合体組成物として好ましくは、該組成物のBHS成分が5.0℃以上150.0℃以下の融点を一つ以上有し、さらに好ましくは、それらの融点が5.0J/g以上200.0J/g以下の融解熱量を示す。
本発明のエチレン/プロピレンブロック共重合体組成物の重量平均分子鎖長A の値として好ましくは100以上50,000以下であり、より好ましくは500以上25,000以下、さらに好ましくは2,500以上25,000以下、特に好ましくは2,500以上10,000以下、最も好ましくは5,000以上10,000以下である。
本発明のエチレン/プロピレンブロック共重合体組成物のA の値として好ましくは1.7以上15.0以下であり、より好ましくは1.7以上10.0以下、さらに好ましくは1.8以上5.0以下、特に好ましくは1.8以上4.0以下、最も好ましくは1.9以上3.0以下である。なお、Aは、本発明のエチレン/プロピレンブロック共重合体組成物の数平均分子鎖長を表す。
本発明のエチレン/プロピレンブロック共重合体組成物として好ましくは、該組成物のBHIS成分中のPPP連鎖が29%以上かつEEE連鎖が1.5%以上であり、より好ましくはPPP連鎖が50%以上かつEEE連鎖が2.5%以上であり、さらに好ましくはPPP連鎖が60%以上かつEEE連鎖が3.5%以上、特に好ましくはPPP連鎖が65%以上かつEEE連鎖が4.5%以上である。
本発明のエチレン/プロピレンブロック共重合体組成物は剛性と耐衝撃性のバランスの観点から下記式(M−1)を満たす事が好ましく、より好ましくは式(M−2)を満たし、さらに好ましくは式(M−3)を満たし、特に好ましくは(M−4)、最も好ましくは式(M−5)を満たす。
12000≦ヤング率(MPa)×テンサイルインパクト(kJ/m2)・・(M−1)
17000≦ヤング率(MPa)×テンサイルインパクト(kJ/m2)・・(M−2)
25000≦ヤング率(MPa)×テンサイルインパクト(kJ/m2)・・(M−3)
33000≦ヤング率(MPa)×テンサイルインパクト(kJ/m2)・・(M−4)
42000≦ヤング率(MPa)×テンサイルインパクト(kJ/m2)・・(M−5)
本発明のエチレン/プロピレンブロック共重合体組成物は透明性の観点からヘイズの値が好ましくは18%以下であり、より好ましくは15%以下であり、さらに好ましくは13%以下である。
本発明のエチレン/プロピレンブロック共重合体組成物の好ましい一形態は、以下の要件(1)〜(5)の全てを満たすものである。
(1)130℃以上の融点を一つ以上有する
(2)EPBHISの含量が2.0wt%以上である
(3)BHISが80.0mol%以上94.5mol%以下である
(4)BHISが0.1mol%以上9.0mol%以下である
(5)BHISBHSの差の絶対値が5.0mol%以下である
本発明のエチレン/プロピレンブロック共重合体組成物のより好ましい一形態は、上記の要件(1)〜(5)の全てを満たし、かつ以下の要件(6)を満たすものである。
(6)12000 ≦ ヤング率(MPa)×テンサイルインパクト(kJ/m2
本発明のエチレン/プロピレンブロック共重合体組成物のさらに好ましい一形態は、上記の要件(1)〜(6)の全てを満たし、かつ以下の要件(7)を満たすものである。
(7)ヘイズの値が18%以下である
本発明のエチレン/プロピレンブロック共重合体組成物は、高い耐熱性を有しており、剛性と耐衝撃性のバランスおよび透明性に優れている。
以下、実施例及び比較例により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)遷移金属化合物(A−X)の合成
(参考例1):trans-1,2-ビス(3-(1-アダマンチル)-5-メチル-2-ヒドロキシベンジルスルファニル)シクロオクタンの合成
(i)6-(1-アダマンチル)-2-ヒドロキシメチル-p-クレゾールの合成
窒素置換した1 L四口フラスコに2-(1-アダマンチル)-p-クレゾール 20.9 g(86.1 mmol)、 塩化マグネシウム 16.4 g(172 mmol)、パラホルムアルデヒド 13.0 g(433 mmol)およびテトラヒドロフラン 400 mLを加えた。ここにトリエチルアミン 24 mL(172 mmol)を加え、2.5時間加熱還流した。反応溶液を室温まで放冷した後、不溶物を濾過した。濾液から減圧下揮発成分を留去した後、残渣に酢酸エチルを加え、1M HCl、飽和食塩水の順で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムにより乾燥した後、減圧下溶媒を留去することで、2-(1-アダマンチル)-5-メチルサリチルアルデヒドを含む混合物19.2 gを得た。
1H-NMR (400 MHz,δ, ppm, CDCl3)
1.78 〜 2.25 (15H), 2.32(s, 3H), 6.98 (d, J = 2 Hz, 1H), 7.27 (d, J = 2 Hz, 1H), 9.82 (s, 1H), 11.64 (s, 1H).
窒素置換した500 mL四口フラスコに上記混合物 19.2 gとテトラヒドロフラン 135 mLおよびメタノール 80 mLを加え、氷冷した。ここに水素化ホウ素ナトリウム 1.60 g(42.5 mmol)をゆっくり加え、室温まで昇温後、14.5時間撹拌した。減圧下揮発成分を留去した後、酢酸エチルを加え、1 M HCl、飽和食塩水の順で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムにより乾燥した後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 クロロホルム:へキサン=1:3〜1:0)で精製することで、6-(1-アダマンチル)-2-ヒドロキシメチル-p-クレゾール 8.80 g(収率 38%)を白色固体として得た。
1H-NMR (400 MHz,δ, ppm, CDCl3)
1.78 (m, 6H), 2.01 (br, 1H), 2.07 (m, 3H), 2.15 (m, 6H), 2.25 (s, 3H), 4.81 (d, J = 4 Hz, 2H), 6.70 (d, J = 2 Hz, 1H), 6.99 (d, J = 2 Hz, 1H), 7.50 (s, 1H).
(ii)臭化 3-(1-アダマンチル)-5-メチル-2-ヒドロキシベンジルの合成
窒素置換した200 mL四口フラスコに6-(1-アダマンチル)-2-ヒドロキシメチル-p-クレゾール 8.80 g(32.3 mmol)とジクロロメタン 132 mLを加えた。ここに、三臭化リン 15 mL(1.23 M ジクロロメタン溶液, 18.5 mmol)を加え室温で、3.5時間撹拌した。反応溶液を氷水に加え、有機層を水、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下揮発成分を留去することで、臭化 3-(1-アダマンチル)-5-メチル-2-ヒドロキシベンジル 11.1 g(粗収率 103%)を淡黄色固体として得た。
1H-NMR (400 MHz,δ, ppm, CDCl3)
1.78 (m, 6H), 2.09 (m, 3H), 2.12 (m, 6H), 2.26 (s, 3H), 4.54 (s, 2H), 6.92 (d, J = 2 Hz, 1H), 7.04 (d, J = 2 Hz, 1H).
(iii)trans-1,2-ビス(3-(1-アダマンチル)-5-メチル-2-ヒドロキシベンジルスルファニル)シクロオクタンの合成
窒素置換した200 mL四口フラスコに臭化 3-(1-アダマンチル)-5-メチル-2-ヒドロキシベンジル 7.04 g(21.0 mmol)とtrans-シクロオクタン-1,2-ジチオール 1.83 g(10.4 mmol)とテトラヒドロフラン100 mLを加えた。ここに、トリエチルアミン 4.3 mL(31 mmol)を加え、室温で21.5時間撹拌した。反応溶液を濾過し、濾液から減圧下揮発成分を留去した。得られた残渣に酢酸エチルと塩化アンモニウム水溶液を加えた。有機層をさらに塩化アンモニウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 酢酸エチル:へキサン=20:1)で精製することで、trans-1,2-ビス(3-(1-アダマンチル)-5-メチル-2-ヒドロキシベンジルスルファニル)シクロオクタンとtrans-1-(3-(1-アダマンチル)-5-メチル-2-ヒドロキシベンジルスルファニル)-2-スルファニルシクロオクタンの6:1混合物6.61 gを得た。この混合物および臭化 3-(1-アダマンチル)-5-メチル-2-ヒドロキシベンジル1.36 g(3.98 mmol)をテトラヒドロフラン100 mLに溶解し、氷冷した。ここに、トリエチルアミン0.74 mL(5.31 mmol)を加え、15.5時間撹拌した。反応溶液を濾過し、濾液から減圧下揮発成分を留去した。得られた残渣に酢酸エチルと塩化アンモニウム水溶液を加え、有機層をさらに塩化アンモニウム水溶液、飽和食塩水の順で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧下溶媒を留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 酢酸エチル:へキサン=20:1)で精製し、得られた固体をさらにヘキサンにて室温でリパルプ洗浄することで、trans-1,2-ビス(3-(1-アダマンチル)-5-メチル-2-ヒドロキシベンジルスルファニル)シクロオクタン 6.08 g(収率 85%)を白色固体として得た。
1H-NMR (400 MHz,δ, ppm, CDCl3)
1.2〜2.0 (m, 12H), 1.77 (m, 12H), 2.05 (m, 6H), 2.13 (12H), 2.24 (s, 6H), 2.67 (m, 2H), 3.73 (d, J = 13 Hz, 2H), 3.82 (d, J = 13 Hz, 2H), 6.71 (d, J = 2 Hz, 2H), 6.83 (s, 2H), 6.97 (d, J = 2 Hz, 2H).
(参考例2):[シクロオクタンジイル−trans-1,2-ビス(3-(1-アダマンチル)-5-メチル-2-オキソイルベンジルスルファニル)]ジベンジルハフニウム(A−X1)の合成
窒素雰囲気下のグローブボックス中、50 mLシュレンク管でtrans-1,2-ビス(3-(1-アダマンチル)-5-メチル-2-ヒドロキシベンジルスルファニル)シクロオクタン 200 mg(0.29 mmol)のトルエン(6 mL)溶液に、テトラベンジルハフニウム159 mg(0.29 mmol)のトルエン(6 mL)溶液を室温で滴下した。1.5時間後、反応溶液を濾過し、濾液から減圧下揮発成分を留去した。得られた残渣をペンタンで洗浄し、減圧下乾燥することで、[シクロオクタンジイル−trans-1,2-ビス(3-(1-アダマンチル)-5-メチル-2-オキソイルベンジルスルファニル)]ジベンジルハフニウム 249 mg (収率 82%)を白色粉末として得た。
1H-NMR (400 MHz,δ, ppm, トルエン-d8)
0.6〜1.4 (m, 12H), 1.84 (m, 6 H), 2.1〜2.2 (16H), 2.17 (s, 6H), 2.41 (m, 12H),
2.66 (d, J = 12 Hz, 2H), 2.83 (d, J = 12 Hz, 2H), 3.11 (d, J = 14 Hz, 2H), 3.51 (d, J = 14 Hz, 2H), 6.27 (s, 2H), 6.78 (t, J = 7 Hz, 2H), 7.1〜7.2 (10H).
(参考例3):trans-1,2-ビス[5-tert-ブチル-3-(3, 5-ジメチル-1-アダマンチル)-2-ヒドロキシベンジルスルファニル]シクロオクタンの合成
(i)4-tert-ブチル-2-(3, 5-ジメチル-1-アダマンチル)フェノールの合成
窒素置換した50 mLシュレンクに、4-tert-ブチルフェノール3.3 g(22 mmol)、3,5-ジメチル-1-アダマンタノール 4.0 g(22 mmol)およびジクロロメタン20 mLを加え、氷浴で0℃まで冷却した。ここに硫酸 1.2 mL(22 mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。反応溶液を炭酸水素ナトリウム水溶液に注いだ。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で揮発成分を留去した。得られた白色固体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 酢酸エチル:ヘキサン=1:10)で精製することで4-tert-ブチル-2-(3, 5-ジメチル-1-アダマンチル)フェノール 4.0 g(収率 59%)を白色固体として得た。1H-NMR (400 MHz,δ, ppm, CDCl3)
0.874 (s, 6H), 1.20 (s, 2H), 1.29 (s, 9H), 1.35〜1.45 (m, 4H), 1.70〜1.78 (m, 4H), 1.95 (m,2H), 2.17 (m, 1H), 4.56 (s, 1H), 6.56 (d, J = 8 Hz, 1H), 7.06 (dd, J = 2 Hz, 8 Hz, 1H), 7.2〜7.3 (5H), 7.24 (d, J = 2 Hz, 1H).
(ii)4-tert-ブチル-6-(3, 5-ジメチル-1-アダマンチル)-2-ヒドロキシメチルフェノールの合成
窒素置換した100 mL二口フラスコに、4-tert-ブチル-2-(3, 5-ジメチル-1-アダマンチル)フェノール4.0 g(13 mmol)、塩化マグネシウム4.8 g(50 mmol)、パラホルムアルデヒド2.1 g(70 mmol)およびテトラヒドロフラン50 mLを加えた。ここにトリエチルアミン6.7 mL(48 mmol)を加え、3時間加熱還流した。反応溶液を室温まで放冷した後、不溶物を濾過した。濾液から減圧下で揮発成分を留去した後、残渣に酢酸エチルおよび水を加えた。有機層を1 M HCl、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。減圧下で溶媒を留去することで、5-tert-ブチル-3-(3, 5-ジメチル-1-アダマンチル)サリチルアルデヒド(収率96%)を含む混合物4.2 gを得た。
1H-NMR (400 MHz,δ, ppm, CDCl3)
0.874 (s, 6H), 1.2〜2.2 (m, 22H), 7.32 (d, J = 2 Hz, 1H), 7.53 (d, J = 2 Hz, 1H), 9.85 (s, 1H), 11.7 (s, 1H).
窒素置換した100 mLフラスコに、上記混合物 4.2 gとテトラヒドロフラン20 mLおよびメタノール20 mLとを加え、氷冷した。ここに水素化ホウ素ナトリウム 490 mg(13 mmol)をゆっくり加え、室温まで昇温後、1時間撹拌した。反応溶液から減圧下で揮発成分を留去した後、水および酢酸エチルを加えた。有機層を1 M HCl、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムにより乾燥した。減圧下、溶媒を留去した後、得られた無色オイルをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 酢酸エチル:へキサン=1:10〜1:5)で精製することで4-tert-ブチル-6-(3, 5-ジメチル-1-アダマンチル)-2-ヒドロキシメチルフェノール3.4 g(収率81%)を白色固体として得た。
1H-NMR (400 MHz,δ, ppm, CDCl3)
0.875 (s, 6H), 1.2〜2.2 (m, 23H), 4.85 (d, J = 5 Hz, 2H), 6.88 (d, J = 2 Hz, 1H), 7.22 (d, J = 2 Hz, 1H), 7.55 (s, 1H).
(iii)臭化 5-tert-ブチル-3-(3, 5-ジメチル-1-アダマンチル)-2-ヒドロキシベンジルの合成
窒素置換した200 mLフラスコに、4-tert-ブチル-6-(3, 5-ジメチル-1-アダマンチル)-2-ヒドロキシメチルフェノール3.4 g(9.9 mmol)とジクロロメタン20 mLを加えた。ここに、三臭化リン6.6 mL(1.0 M ジクロロメタン溶液, 6.6 mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。反応溶液に水を加え、有機層をさらに水で2回洗浄した後、飽和食塩水で洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で揮発成分を留去することで、臭化 5-tert-ブチル-3-(3, 5-ジメチル-1-アダマンチル)-2-ヒドロキシベンジル3.95 g(収率98%)を白色固体として得た。
1H-NMR (400 MHz,δ, ppm, CDCl3)
0.882 (s, 6H), 1.22 (s, 2H), 1.28 (s, 9H), 1.35〜1.45 (m, 4H), 1.70〜1.78 (m, 4H), 1.96 (m,2H), 2.19 (m, 1H), 4.57 (s, 1H), 7.08 (d, J = 2 Hz, 1H), 7.27 (d, J = 2 Hz, 1H).
(iv)trans-1,2-ビス[5-tert-ブチル-3-(3, 5-ジメチル-1-アダマンチル)-2-ヒドロキシベンジルスルファニル]シクロオクタンの合成
窒素置換した50 mLシュレンクに、臭化 5-tert-ブチル-3-(3, 5-ジメチル-1-アダマンチル)-2-ヒドロキシベンジル1.0 g(2.5 mmol)、trans-シクロオクタン-1,2-ジチオール 0.18 g(1.0 mmol)およびテトラヒドロフラン 7 mLを加え、氷冷した。ここに、トリエチルアミン 0.7 mL(5.0 mmol)を加え、0℃で1時間、室温で2時間撹拌した。さらに臭化 5-tert-ブチル-3-(3, 5-ジメチル-1-アダマンチル)-2-ヒドロキシベンジル0.05 g(0.013 mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。反応溶液から減圧下で揮発成分を留去した後、酢酸エチルおよび塩化アンモニウム水溶液を加えた。有機層を水、飽和食塩水の順で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下で溶媒を留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒 酢酸エチル:へキサン=1:10)で精製することで、trans-1,2-ビス[5-tert-ブチル-3-(3, 5-ジメチル-1-アダマンチル)-2-ヒドロキシベンジルスルファニル]シクロオクタン1.0 g(収率>99%)を白色固体として得た。
1H-NMR (400 MHz,δ, ppm, CDCl3)
0.88 (s, 12H), 1.2〜2.2 (m, 56H), 2.59 (m, 2H), 3.77 (d, J = 14 Hz, 2H), 3.87 (d, J = 14 Hz, 2H), 6.89 (d, J = 2 Hz, 2H), 7.19 (d, J = 2 Hz, 2H).
(参考例4):{シクロオクタンジイル−trans-1,2-ビス[5-tert-ブチル-3- (3, 5-ジメチル-1-アダマンチル) -2-オキソイルベンジルスルファニル]}ジクロロハフニウム(A−X2)の合成
窒素雰囲気下のグローブボックス中、50 mLシュレンク管でtrans-1,2-ビス[5-tert-ブチル-3-(3, 5-ジメチル-1-アダマンチル)-2-ヒドロキシベンジルスルファニル]シクロオクタン 83 mg(0.10 mmol)のトルエン(1 mL)溶液に、ジクロロ{1,1’-オキシビス[エタン][ビス(フェニルメチル)ハフニウム]}51 mg(0.10 mmol)のトルエン(1 mL)溶液を室温で滴下した。1.5時間後、減圧下で揮発成分を留去した。得られた残渣をペンタンで洗浄し、減圧下で乾燥することで、{シクロオクタンジイル−trans-1,2-ビス[5-tert-ブチル-3- (3, 5-ジメチル-1-アダマンチル) -2-オキソイルベンジルスルファニル]}ジクロロハフニウム 55 mg (収率51%)を白色粉末として得た。
1H-NMR (400 MHz,δ, ppm, CDCl3)
0.901 (s, 12H), 1.0〜2.4 (m, 56H), 2.58 (brs, 2H), 3.88 (d, J = 14 Hz, 2H), 4.54 (d, J = 14 Hz, 2H), 6.85 (d, J = 2 Hz, 2H), 7.37 (d, J = 2 Hz, 2H).
(2)遷移金属化合物(A−Y)の合成
(参考例5)
下記に示される遷移金属化合物(A−Y1)は、米国特許出願公開第2005/090427号明細書に記載の方法により合成した。
Figure 0006068754
(参考例6)
下記に示される遷移金属化合物(A−Y2)は、Small, B. L.; Brookhart, M.; Bennett, A. M. A. J. Am. Chem. Soc. 1998, 120, 4049-4050.に記載の方法により合成した。
Figure 0006068754
(参考例7)
下記に示される遷移金属化合物(A−Y3)は、国際特許出願公開WO1996/023010号明細書に記載の方法により合成した。
Figure 0006068754
(参考例8)
下記に示される遷移金属化合物(A−Y4)は、米国特許出願公開第2004/0220050号明細書に記載の方法により合成した。
Figure 0006068754
(参考例9)
比較例において用いた下記に示される遷移金属化合物(A−Y5)を、参考文献:米国特許出願公開第2006/0205588号明細書に記載の方法により合成した。
Figure 0006068754
(3)有機アルミニウムオキシ化合物(B−1)の合成
(参考例10)
d−MAOの合成
3方コックを取り付けた撹拌子入りの200mL二口フラスコを窒素置換し、東ソー・ファインケム社製PMAO−Sトルエン溶液(アルミニウム含量6.1wt%)100mLをシリンジで測り取り、フラスコに投入した。この溶液を減圧し揮発成分を除去した。得られた白色固体を脱水トルエン100mLに再溶解した後、揮発成分を減圧除去した。この操作を更に2回繰り返し、白色粉末14.1gを得た。
本実施例で示す物性値は以下の方法で求めた。
(1)極限粘度(η)[単位:dl/g]
ウベローデ型粘度計を用いて、テトラリン溶媒および温度135℃の条件で、濃度0.1、0.2、および0.5g/dlの3点について還元粘度を測定した。次に、参考文献:「高分子溶液、高分子実験学11」(1982年共立出版会社刊)第491頁に記載の計算法に従い、還元粘度を濃度に対しプロットし、濃度をゼロに外挿する外挿法によって極限粘度を求めた。
(2)平均分子鎖長(Aw、An)およびAw/An
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、下記の条件で測定した。検量線は標準ポリスチレンを用いて作成した。
機種: ミリポアウオーターズ社製 150C型
カラム: TSK−GEL GMH−HT 7.5×600×2本
測定温度:140℃,152℃
溶媒: オルトジクロロベンゼン
測定濃度:5mg/5mL
(3)ガラス転移温度(T)、結晶化温度(T)、融解温度(T)[単位:℃]、および融解熱量(ΔH)[単位:J/g]
DSC測定条件(1):熱分析装置 示差走査熱量計(TA Instruments社製 Q100)を用い下記の方法で測定した。
1)等温保持 220℃ 5分間
2)測定 220℃〜−90℃(10℃/分)・・・(T
3)測定 −90℃〜220℃(10℃/分)・・・(T)、(ΔH)
4)冷却 220℃〜−90℃(10℃/分)
5)等温保持 −90℃ 5分間
6)測定 −90℃〜60℃(2℃/分)・・・(T
(変調振幅±0.16℃、変調周期30秒)
DSC測定条件(2):熱分析装置 示差走査熱量計(Perkin Elmer社製 Diamond DSC)を用い下記の方法で測定した。
1)等温保持 220℃ 5分間
2)測定 220℃〜20℃(5℃/分)・・・(T
3)等温保持 20℃ 2分間
4)測定 20℃〜220℃(5℃/分)・・・(T)、(ΔH)
(4)ポリマー中のエチレン含量(C’)およびEP含量[単位:wt%]
核磁気共鳴分光器(NMR)を用い、以下のように測定したポリマーの13C−NMRスペクトルの結果を用い、Kakugoらの報告(参考文献:Macromolecules、1982年、15号、1150ページ〜1152ページ)に記載の方法に準拠して求めた。また、EP含量を、上述の算出法を用いて求めた。
装置 :Bruker社製 AVANCE600 10mmクライオプローブ
測定溶媒:1,2−ジクロロベンゼン/1,2−ジクロロベンゼン−d=75/25(容積比)の混合液
測定温度:130℃
測定方法:プロトンデカップリング法
パルス幅:45度
パルス繰り返し時間:4秒
化学シフト値基準:テトラメチルシラン
(5)エチレン/プロピレンブロック共重合体組成物のTREF分別
TREF分別については、次のように実施した。
装置 PREPmc2 PolymerChar社製
溶媒 1,2ジクロロベンゼン
溶媒量 各フラクションについて、100mlで溶解。
ポリマー量 500mg
TREF分別条件(1)
溶解ステップ 130℃、90分
安定化温度 120℃、45分
結晶化温度 0.2℃/分の降温速度で40℃まで冷却
分別温度 50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、110℃、130℃の8フラクションとした。
TREF分別条件(2)
溶解ステップ 130℃、90分
安定化温度 120℃、45分
結晶化温度 0.2℃/分の降温速度で40℃まで冷却
分別温度 30℃、40℃、50℃、60℃、70℃、80℃、90℃、100℃、110℃、120℃、130℃の11フラクションとした。
TREF分別で得られた各ポリマー溶液について、アセトンを1リットル加え、ポリマーを沈殿させたのち、減圧濾過にてポリマーを回収した。回収したポリマーを70℃真空乾燥を12時間以上実施することで、分析用サンプルとした。
(6)エチレン/プロピレンブロック共重合体組成物の0.3mmtプレスシート作成
得られた重合パウダーをアルミ板、更に鋼製平板に挟んで230℃の熱プレス機にて5分間予熱し、重合体粒子が融着するのに十分な圧力で5分間プレス、次に30℃の冷却プレス機にて冷却し、測定に供した。この際、鋼製スペーサーを用いることで所望の厚みのプレスシートに調整した。
(7)エチレン/プロピレンブロック共重合体組成物の0.1mmtプレスシート作成
得られた重合パウダーをアルミ板、更に鋼製平板に挟んで190℃の熱プレス機にて5分間予熱し、重合体粒子が融着するのに十分な圧力で5分間プレス、次に30℃の冷却プレス機にて冷却し、測定に供した。この際、鋼製スペーサーを用いることで所望の厚みのプレスシートに調整した。
(8)エチレン/プロピレンブロック共重合体組成物の透明性測定(ヘイズ[%])
ヘイズ(曇価)をJIS K7136に準拠した方法で測定した。上記の方法で0.1ミリメートルの厚みのプレスシートを作製し、ヘイズメーター(日本電色工業製NDH2000)を用いて測定した。
(9)エチレン/プロピレンブロック共重合体組成物の機械的強度測定(テンサイルインパクト[kJ/m]、ヤング率[MPa]、降伏強度[MPa]、引張強度[MPa]、伸び[%])
テンサイルインパクト(引張衝撃強度)を上記0.3mmtプレスシートより JIS K6251−7号試験片を作製し、引張衝撃試験機(オリエンテック社製CIT−150T−20)を用いて測定した。ハンマーの振り上げ角度を110°、チャック間距離は20mmとした。
ヤング率(剛性)を上記0.3mmtプレスシートより JIS K6251−7号試験片を作製し、引張試験機(オリエンテック社製STA−1225)を用いて5.0mm/分の速度で引張り試験を行い、引張−応力カーブのゼロ点での接線の傾きから初期弾性率を求めた。
降伏強度、引張強度および伸びをJIS K6251に準拠した方法で測定した。上記0.3mmtプレスシートよりJIS K6251−7号試験片を作製し、引張試験機(オリエンテック社製STA−1225)を用いて50mm/分の引張速度で測定した。
[実施例1]
(1)エチレン/プロピレン共重合の単段重合
内容積0.4リットルの撹拌機付きオートクレーブを十分乾燥した後、トルエン40mL、プロピレン80gを加え50℃に昇温し、さらにエチレンを分圧で0.05MPa分加えた。次いで、加圧投入器からトリイソブチルアルミニウム(有機金属化合物(C))0.50mmolとジエチル亜鉛(有機金属化合物(C))0.05mmolの混合溶液、遷移金属化合物(A−X2)のトルエン溶液2.00mL(1.0mM、2.0μmol)と遷移金属化合物(A−Y1)のトルエン溶液2.00mL(0.40mM、0.80μmol)の混合溶液、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(活性化用助触媒成分(B))のトルエン溶液1.25mL(4.0mM、5.0μmol)の順にオートクレーブに加え、50℃で30分重合を行った。少量のエタノールを加えて反応を停止させ、未反応モノマーをパージして、オートクレーブを開放した後、エタノール500mLおよび1N塩酸水溶液5mLを加え、室温で30分攪拌した。析出したポリマーを吸引濾過した後、真空乾燥機にて十分に減圧乾燥し、単段重合ポリマーを8.5g得た。
(2)単段重合ポリマーの溶媒分別
内容積300mLのナス型フラスコにヘキサン250mLを加え、実施例1(1)で合成した単段重合ポリマー2.00gを充填した円筒濾紙(ADVANTECH社製 R86 )をソックスレー抽出器内に設置し、還流管を取り付けた後5時間加熱還流し、円筒濾紙上の不溶成分(BHIS)および下部フラスコ中の溶出成分(BHS)へと分別した。減圧乾燥によりそれぞれ十分に溶媒を留去し、BHIS成分を0.89g、BHS成分を1.11g得た。
[実施例2]
(1)エチレン/プロピレン共重合の単段重合
内容積1リットルの撹拌機付きオートクレーブを十分乾燥した後、トルエン100mL、プロピレン200gを加え50℃に昇温し、さらにエチレンを分圧で0.05MPa分加えた。次いで、加圧投入器からトリイソブチルアルミニウム(有機金属化合物(C))0.50mmolとジエチル亜鉛(有機金属化合物(C))0.05mmolの混合溶液、遷移金属化合物(A−X2)のトルエン溶液2.00mL(2.0mM、4.0μmol)と遷移金属化合物(A−Y1)のトルエン溶液2.00mL(1.0mM、2.0μmol)の混合溶液、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(活性化用助触媒成分(B))のトルエン溶液2.50mL(4.0mM、10.0μmol)の順にオートクレーブに加え、50℃で30分重合を行った。少量のエタノールを加えて反応を停止させ、未反応モノマーをパージして、オートクレーブを開放した後、エタノール500mLおよび1N塩酸水溶液5mLを加え、室温で30分攪拌した。析出したポリマーを吸引濾過した後、真空乾燥機にて十分に減圧乾燥し、単段重合ポリマーを21.0g得た。
(2)単段重合ポリマーの溶媒分別
実施例2(1)で合成した2段重合ポリマーを使用すること以外は、実施例1(2)に記載の方法に従って行い、BHIS成分を1.13g、BHS成分を0.87g得た。
[実施例3]
(1)エチレン/プロピレン共重合の単段重合
遷移金属化合物(A−X2)のトルエン溶液2.00mL(2.0mM、4.0μmol)と遷移金属化合物(A−Y1)のトルエン溶液2.00mL(1.0mM、2.0μmol)の混合溶液を、遷移金属化合物(A−X2)のトルエン溶液1.00mL(2.0mM、2.0μmol)と遷移金属化合物(A−Y1)のトルエン溶液2.00mL(2.0mM、4.0μmol)の混合溶液としたこと以外は実施例2(1)に記載の方法に従って行い、単段重合ポリマーを22.1g得た。
(2)単段重合ポリマーの溶媒分別
実施例3(1)で合成した2段重合ポリマーを使用すること以外は、実施例1(2)に記載の方法に従って行い、BHIS成分を0.81g、BHS成分を1.19g得た。
[実施例4]
(1)エチレン/プロピレン共重合の単段重合
遷移金属化合物(A−X2)のトルエン溶液2.00mL(2.0mM、4.0μmol)と遷移金属化合物(A−Y1)のトルエン溶液2.00mL(1.0mM、2.0μmol)の混合溶液を、遷移金属化合物(A−X2)のトルエン溶液3.00mL(1.0mM、3.0μmol)と遷移金属化合物(A−Y1)のトルエン溶液3.00mL(1.0mM、3.0μmol)の混合溶液としたこと、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(活性化用助触媒成分(B))のトルエン溶液2.50mL(4.0mM、10.0μmol)の添加量を3.75mL(4.0mM、15.0μmol)としたこと以外は実施例2(1)に記載の方法に従って行い、単段重合ポリマーを22.6g得た。
(2)単段重合ポリマーの溶媒分別
実施例4(1)で合成した2段重合ポリマーを使用すること以外は、実施例1(2)に記載の方法に従って行い、BHIS成分を1.10g、BHS成分を0.90g得た。
[実施例5]
(1)エチレン/プロピレン共重合の単段重合
遷移金属化合物(A−X2)のトルエン溶液2.00mL(2.0mM、4.0μmol)と遷移金属化合物(A−Y1)のトルエン溶液2.00mL(1.0mM、2.0μmol)の混合溶液を、遷移金属化合物(A−X2)のトルエン溶液1.00mL(5.0mM、5.0μmol)と遷移金属化合物(A−Y1)のトルエン溶液1.00mL(5.0mM、5.0μmol)の混合溶液としたこと、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(活性化用助触媒成分(B))のトルエン溶液2.50mL(4.0mM、10.0μmol)の添加量を5.00mL(4.0mM、20.0μmol)としたこと以外は実施例2(1)に記載の方法に従って行い、単段重合ポリマーを29.8g得た。
(2)単段重合ポリマーの溶媒分別
実施例5(1)で合成した2段重合ポリマーを使用すること以外は、実施例1(2)に記載の方法に従って行い、BHIS成分を1.24g、BHS成分を0.76g得た。
[実施例6]
(1)エチレン/プロピレン共重合の単段重合
ジエチル亜鉛(有機金属化合物(C))0.05mmolを0.10mmolとしたこと、遷移金属化合物(A−X2)のトルエン溶液2.00mL(2.0mM、4.0μmol)と遷移金属化合物(A−Y1)のトルエン溶液2.00mL(1.0mM、2.0μmol)の混合溶液を、遷移金属化合物(A−X2)のトルエン溶液3.00mL(1.0mM、3.0μmol)と遷移金属化合物(A−Y1)のトルエン溶液3.00mL(1.0mM、3.0μmol)の混合溶液としたこと、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(活性化用助触媒成分(B))のトルエン溶液2.50mL(4.0mM、10.0μmol)の添加量を3.75mL(4.0mM、15.0μmol)としたこと以外は実施例2(1)に記載の方法に従って行い、単段重合ポリマーを29.2g得た。
(2)単段重合ポリマーの溶媒分別
実施例6(1)で合成した2段重合ポリマーを使用すること以外は、実施例1(2)に記載の方法に従って行い、BHIS成分を0.79g、BHS成分を1.21g得た。
[実施例7]
(1)エチレン/プロピレン共重合の単段重合
重合温度を40℃に変更し、遷移金属化合物(A−X2)のトルエン溶液2.00mL(2.0mM、4.0μmol)と遷移金属化合物(A−Y1)のトルエン溶液2.00mL(1.0mM、2.0μmol)の混合溶液を、遷移金属化合物(A−X2)のトルエン溶液3.00mL(1.0mM、3.0μmol)と遷移金属化合物(A−Y1)のトルエン溶液3.00mL(1.0mM、3.0μmol)の混合溶液としたこと、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(活性化用助触媒成分(B))のトルエン溶液2.50mL(4.0mM、10.0μmol)の添加量を3.75mL(4.0mM、15.0μmol)としたこと以外は実施例2(1)に記載の方法に従って行い、単段重合ポリマーを29.2g得た。
(2)単段重合ポリマーの溶媒分別
実施例7(1)で合成した2段重合ポリマーを使用すること以外は、実施例1(2)に記載の方法に従って行い、BHIS成分を0.89g、BHS成分を1.11g得た。
[実施例8]
(1)エチレン/プロピレン共重合の単段重合
トリイソブチルアルミニウム(有機金属化合物(C))0.50mmolを0.25mmolとし、遷移金属化合物(A−X2)のトルエン溶液2.00mL(2.0mM、4.0μmol)と遷移金属化合物(A−Y1)のトルエン溶液2.00mL(1.0mM、2.0μmol)の混合溶液を、遷移金属化合物(A−X2)のトルエン溶液3.00mL(1.0mM、3.0μmol)と遷移金属化合物(A−Y1)のトルエン溶液3.00mL(1.0mM、3.0μmol)の混合溶液としたこと、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(活性化用助触媒成分(B))のトルエン溶液2.50mL(4.0mM、10.0μmol)の添加量を3.75mL(4.0mM、15.0μmol)としたこと以外は実施例2(1)に記載の方法に従って行い、単段重合ポリマーを41.0g得た。
(2)単段重合ポリマーの溶媒分別
実施例8(1)で合成した2段重合ポリマーを使用すること以外は、実施例1(2)に記載の方法に従って行い、BHIS成分を0.88g、BHS成分を1.12g得た。
[比較例1]
(1)エチレン/プロピレン共重合の単段重合
遷移金属化合物(A−X2)のトルエン溶液2.00mL(2.0mM、4.0μmol)と遷移金属化合物(A−Y1)のトルエン溶液2.00mL(1.0mM、2.0μmol)の混合溶液を、遷移金属化合物(A−Y5)のトルエン溶液0.10mL(0.20mM、0.020μmol)と遷移金属化合物(A−Y1)のトルエン溶液1.00mL(1.0mM、1.0μmol)の混合溶液としたこと以外は実施例2(1)に記載の方法に従って行い、単段重合ポリマーを14.0g得た。
(2)単段重合ポリマーの溶媒分別
比較例1(1)で合成した2段重合ポリマーを使用すること以外は、実施例1(2)に記載の方法に従って行い、BHIS成分を1.00g、BHS成分を1.00g得た。
[比較例2]
(1)エチレン/プロピレン共重合の単段重合
遷移金属化合物(A−X2)のトルエン溶液2.00mL(2.0mM、4.0μmol)と遷移金属化合物(A−Y1)のトルエン溶液2.00mL(1.0mM、2.0μmol)の混合溶液を、遷移金属化合物(A−Y5)のトルエン溶液0.10mL(0.20mM、0.020μmol)と遷移金属化合物(A−Y1)のトルエン溶液2.00mL(1.0mM、2.0μmol)の混合溶液としたこと以外は実施例2(1)に記載の方法に従って行い、単段重合ポリマーを13.7g得た。
(2)単段重合ポリマーの溶媒分別
比較例2(1)で合成した2段重合ポリマーを使用すること以外は、実施例1(2)に記載の方法に従って行い、BHIS成分を0.05g、BHS成分を1.95g得た。
[実施例9]
(1)エチレン/プロピレン共重合の単段重合
内容積0.4リットルの撹拌機付きオートクレーブを十分乾燥した後、トルエン40mL、プロピレン80gを加え40℃に昇温し、さらにエチレンを分圧で0.05MPa分加えた。次いで、加圧投入器からMMAO-3A(有機金属化合物(C))2.0mmolとジエチル亜鉛(有機金属化合物(C))0.05mmolの混合溶液、遷移金属化合物(A−X2)のトルエン溶液0.40mL(1.0mM、0.40μmol)と遷移金属化合物(A−Y1)のトルエン溶液0.20mL(0.50mM、0.10μmol)の混合溶液の順にオートクレーブに加え、40℃で30分重合を行った。少量のエタノールを加えて反応を停止させ、未反応モノマーをパージして、オートクレーブを開放した後、エタノール500mLおよび1N塩酸水溶液5mLを加え、室温で30分攪拌した。析出したポリマーを吸引濾過した後、真空乾燥機にて十分に減圧乾燥し、単段重合ポリマーを9.4g得た。
(2)単段重合ポリマーの溶媒分別
実施例9(1)で合成した2段重合ポリマーを使用すること以外は、実施例1(2)に記載の方法に従って行い、BHIS成分を1.62g、BHS成分を0.38g得た。
[実施例10]
(1)エチレン/プロピレン共重合の単段重合
内容積1リットルの撹拌機付きオートクレーブを十分乾燥した後、トルエン100mL、プロピレン200gを加え40℃に昇温し、さらにエチレンを分圧で0.05MPa分加えた。次いで、加圧投入器からMMAO-3A(有機金属化合物(C))2.0mmol、ジエチル亜鉛(有機金属化合物(C))0.05mmol、遷移金属化合物(A−X2)のトルエン溶液2.00mL(1.0mM、2.0μmol)と遷移金属化合物(A−Y1)のトルエン溶液0.20mL(1.0mM、0.20μmol)の混合溶液の順にオートクレーブに加え、40℃で30分重合を行った。少量のエタノールを加えて反応を停止させ、未反応モノマーをパージして、オートクレーブを開放した後、エタノール500mLおよび1N塩酸水溶液5mLを加え、室温で30分攪拌した。析出したポリマーを吸引濾過した後、真空乾燥機にて十分に減圧乾燥し、単段重合ポリマーを14.0g得た。
(2)単段重合ポリマーの溶媒分別
実施例10(1)で合成した2段重合ポリマーを使用すること以外は、実施例1(2)に記載の方法に従って行い、BHIS成分を1.22g、BHS成分を0.78g得た。
[実施例11]
(1)エチレン/プロピレン共重合の単段重合
遷移金属化合物(A−X2)のトルエン溶液2.00mL(1.0mM、2.0μmol)と遷移金属化合物(A−Y1)のトルエン溶液0.20mL(1.0mM、0.2μmol)の混合溶液を遷移金属化合物(A−X2)のトルエン溶液1.00mL(1.0mM、1.0μmol)と遷移金属化合物(A−Y1)のトルエン溶液0.20mL(1.0mM、0.20μmol)の混合溶液としたこと以外は実施例10(1)に記載の方法に従って行い、単段重合ポリマーを8.2g得た。
(2)単段重合ポリマーの溶媒分別
実施例11(1)で合成した2段重合ポリマーを使用すること以外は、実施例1(2)に記載の方法に従って行い、BHIS成分を1.48g、BHS成分を0.52g得た。
[実施例12]
(1)エチレン/プロピレン共重合の単段重合
トルエン100mLを300mLとし、プロピレン200gを100gとし、遷移金属化合物(A−X2)のトルエン溶液2.00mL(1.0mM、2.0μmol)と遷移金属化合物(A−Y1)のトルエン溶液0.20mL(1.0mM、0.2μmol)の混合溶液を遷移金属化合物(A−X2)のトルエン溶液1.00mL(1.0mM、1.0μmol)と遷移金属化合物(A−Y1)のトルエン溶液0.20mL(1.0mM、0.20μmol)の混合溶液としたこと以外は実施例10(1)に記載の方法に従って行い、単段重合ポリマーを4.8g得た。
(2)単段重合ポリマーの溶媒分別
実施例12(1)で合成した2段重合ポリマーを使用すること以外は、実施例1(2)に記載の方法に従って行い、BHIS成分を1.77g、BHS成分を0.23g得た。
[実施例13]
(1)エチレン/プロピレン共重合の単段重合
ジエチル亜鉛(有機金属化合物(C))0.05mmolを0.10mmolとし、遷移金属化合物(A−X2)のトルエン溶液2.00mL(1.0mM、2.0μmol)と遷移金属化合物(A−Y1)のトルエン溶液0.20mL(1.0mM、0.2μmol)の混合溶液を遷移金属化合物(A−X2)のトルエン溶液1.00mL(1.0mM、1.0μmol)と遷移金属化合物(A−Y1)のトルエン溶液0.20mL(1.0mM、0.20μmol)の混合溶液としたこと以外は実施例10(1)に記載の方法に従って行い、単段重合ポリマーを8.0g得た。
(2)単段重合ポリマーの溶媒分別
実施例13(1)で合成した2段重合ポリマーを使用すること以外は、実施例1(2)に記載の方法に従って行い、BHIS成分を1.10g、BHS成分を0.90g得た。
[実施例14]
(1)エチレン/プロピレン共重合の単段重合
ジエチル亜鉛(有機金属化合物(C))0.05mmolを0.30mmolとし、遷移金属化合物(A−X2)のトルエン溶液2.00mL(1.0mM、2.0μmol)と遷移金属化合物(A−Y1)のトルエン溶液0.20mL(1.0mM、0.2μmol)の混合溶液を遷移金属化合物(A−X2)のトルエン溶液1.00mL(1.0mM、1.0μmol)と遷移金属化合物(A−Y1)のトルエン溶液0.20mL(1.0mM、0.20μmol)の混合溶液としたこと以外は実施例10(1)に記載の方法に従って行い、単段重合ポリマーを14.3g得た。
(2)単段重合ポリマーの溶媒分別
実施例14(1)で合成した2段重合ポリマーを使用すること以外は、実施例1(2)に記載の方法に従って行い、BHIS成分を0.79g、BHS成分を1.21g得た。
[実施例15]
(1)エチレン/プロピレン共重合の単段重合
ジエチル亜鉛(有機金属化合物(C))0.05mmolを0.02mmolとしたこと以外は実施例10(1)に記載の方法に従って行い、単段重合ポリマーを16.5g得た。
(2)単段重合ポリマーの溶媒分別
実施例15(1)で合成した2段重合ポリマーを使用すること以外は、実施例1(2)に記載の方法に従って行い、BHIS成分を1.05g、BHS成分を0.95g得た。
[実施例16]
(1)エチレン/プロピレン共重合の単段重合
ジエチル亜鉛(有機金属化合物(C))0.05mmolを0.01mmolとしたこと以外は実施例10(1)に記載の方法に従って行い、単段重合ポリマーを14.7g得た。
(2)単段重合ポリマーの溶媒分別
実施例16(1)で合成した2段重合ポリマーを使用すること以外は、実施例1(2)に記載の方法に従って行い、BHIS成分を1.04g、BHS成分を0.96g得た。
[比較例3]
(1)エチレン/プロピレン共重合の単段重合
遷移金属化合物(A−X2)のトルエン溶液2.00mL(1.0mM、2.0μmol)と遷移金属化合物(A−Y1)のトルエン溶液0.20mL(1.0mM、0.2μmol)の混合溶液を、遷移金属化合物(A−Y5)のトルエン溶液0.10mL(0.060mM、0.0060μmol)と遷移金属化合物(A−Y1)のトルエン溶液0.20mL(1.0mM、0.20μmol)の混合溶液としたこと以外は実施例10(1)に記載の方法に従って行い、単段重合ポリマーを7.0g得た。
(2)単段重合ポリマーの溶媒分別
比較例3(1)で合成した2段重合ポリマーを使用すること以外は、実施例1(2)に記載の方法に従って行い、BHIS成分を1.13g、BHS成分を0.87g得た。
[比較例4]
(1)エチレン/プロピレン共重合の単段重合
遷移金属化合物(A−X2)のトルエン溶液2.00mL(1.0mM、2.0μmol)と遷移金属化合物(A−Y1)のトルエン溶液0.20mL(1.0mM、0.2μmol)の混合溶液を、遷移金属化合物(A−Y5)のトルエン溶液0.10mL(0.060mM、0.0060μmol)と遷移金属化合物(A−Y1)のトルエン溶液0.40mL(1.0mM、0.40μmol)の混合溶液としたこと以外は実施例10(1)に記載の方法に従って行い、単段重合ポリマーを7.9g得た。
(2)単段重合ポリマーの溶媒分別
比較例4(1)で合成した2段重合ポリマーを使用すること以外は、実施例1(2)に記載の方法に従って行い、BHIS成分を0.45g、BHS成分を1.55g得た。
実施例1〜16および比較例1〜4の(1)より得られた、単段重合ポリマー(Whole)について、それぞれBHIS比率、Tm1、Tm2、ΔH、Aw、Aw/An、を表1にまとめた。
Figure 0006068754
実施例1〜16および比較例1〜4の(2)より得られた、単段重合ポリマーのBHS成分(BHS)およびBHIS成分(BHIS)について、それぞれBHISBHISBHS、CBHIS、CBHSEPBHIS、PPP、EEE、Tm1、Tm2、ΔH、|BHISBHS|を表2にまとめた。
Figure 0006068754
単段重合法(1)に従い、重合触媒(X)および(Y)を用いてエチレン/プロピレン共重合を実施した実施例1〜16は、いずれもBHIS成分中に本来BHS成分中に存在するべき組成のEPが存在している。したがってオレフィンブロックポリマーが生成していることを示している。さらに、2種の異なる重合触媒(Y)を用いてエチレン/プロピレン共重合を実施した比較例3、4に比べて、いずれも融点が高く耐熱性に優れたエチレン/プロピレンブロック共重合体組成物が得られている。
単段重合法(1)に従い、重合触媒(X)および(Y)を用いてエチレン/プロピレン共重合を実施した実施例4、および同一の重合条件にて重合触媒(Y)のみを用いてエチレン/プロピレン共重合を実施した参考例11について、それぞれTREF分別および該分別成分についてNMR解析を実施した結果を以下に示す(表3、表4および図2も参照)。
(参考例11)
(1)エチレン/プロピレン共重合の単段重合(EPの合成)
遷移金属化合物(A−X2)のトルエン溶液3.00mL(1.0mM、3.0μmol)と遷移金属化合物(A−Y1)のトルエン溶液3.00mL(1.0mM、3.0μmol)の混合溶液を、遷移金属化合物(A−Y1)のトルエン溶液3.00mL(1.0mM、3.0μmol)の溶液としたこと以外は実施例4(1)に記載の方法に従って行い、単段重合ポリマーを19.0g得た。
Figure 0006068754
Figure 0006068754
重合触媒(Y)のみを用いたエチレン/プロピレンブロック共重合体組成物である参考例11は、すべてEP成分であり、TREF分別により50℃以下で溶出している事がわかる。一方、重合触媒(X)および(Y)を用いたエチレン/プロピレンブロック共重合体組成物である実施例4は、EP成分およびEP成分を含有しており、50℃以下で溶出する成分および90〜110℃で溶出する成分が確認された。
90〜110℃で溶出する成分のNMR解析結果から、EP成分が9.7〜23.0%確認された。観測されたEP成分は参考例11とほぼ等しい組成を有しており、50℃以下で溶出するべき成分であるにもかかわらず、90〜110℃で溶出する成分に存在している。すなわち、これは単独では50℃以下で溶出するべきEP成分が、EP成分に対して化学的に連結したEP成分の性質によって、90〜110℃で溶出したことを表しており、実施例4で得られたエチレン/プロピレンブロック共重合体組成物において、オレフィンブロックポリマーが存在していることを強く示唆する結果である。
単段重合法(1)に従い、重合触媒(X)および(Y)を用いてエチレン/プロピレン共重合を実施した実施例9、10、11、15、および2種の異なる重合触媒(Y)を用いてエチレン/プロピレン共重合を実施した比較例3、4で得られたエチレン/プロピレンブロック共重合組成物について、各種機械的強度および透明性測定を実施した。
さらに実施例10と同一の重合条件にて重合触媒(Y)のみを用いてエチレン/プロピレン共重合を実施した参考例12より得られたEP、および実施例10と同一の重合条件にて重合触媒(X)のみを用いてエチレン/プロピレン共重合を実施した参考例13より得られたEP、以上の2成分を3種類の混合比にてそれぞれ溶媒ブレンドを実施した参考例14〜16にて得られたブロックポリマーを含まないEPとEPのブレンドポリマーについても、同様に各種機械的強度および透明性測定を実施した。結果を、表5、表6および図3に示す。
(参考例12)
(1)エチレン/プロピレン共重合の単段重合(EPの合成)
遷移金属化合物(A−X2)のトルエン溶液2.00mL(1.0mM、2.0μmol)と遷移金属化合物(A−Y1)のトルエン溶液0.20mL(1.0mM、0.20μmol)の混合溶液を遷移金属化合物(A−Y1)のトルエン溶液0.20mL(1.0mM、0.20μmol)の溶液としたこと以外は実施例10(1)に記載の方法に従って行い、単段重合ポリマーを5.7g得た。
(参考例13)
(1)エチレン/プロピレン共重合の単段重合(EPの合成)
遷移金属化合物(A−X2)のトルエン溶液2.00mL(1.0mM、2.0μmol)と遷移金属化合物(A−Y1)のトルエン溶液0.20mL(1.0mM、0.2μmol)の混合溶液を遷移金属化合物(A−X2)のトルエン溶液1.00mL(1.0mM、1.0μmol)の溶液としたこと以外は実施例10(1)に記載の方法に従って行い、単段重合ポリマーを12.5g得た。
(参考例14)
(1)EPおよびEPの溶媒ブレンド
内容積1Lのナス型フラスコに参考例12(1)で合成した単段重合ポリマー1.0g、参考例13(1)で合成した単段重合ポリマー4.0gと、キシレン500mLを加え、還流管を取り付けた後1時間加熱還流した。得られた均一溶液を、氷冷したエタノール2000mL中へと攪拌しながら一度に加えてさらに15分間攪拌した。次いで、析出物を濾過した後に減圧乾燥することで、溶媒ブレンドポリマーを5.0g得た。
(参考例15)
(1)EPおよびEPの溶媒ブレンド
参考例12(1)で合成した単段重合ポリマー1.0g、参考例13(1)で合成した単段重合ポリマー4.0gを、参考例12(1)で合成した単段重合ポリマー2.5g、参考例13(1)で合成した単段重合ポリマー2.5gとしたこと以外は、参考例14(1)に記載の方法に従って行い、溶媒ブレンドポリマーを5.0g得た。
(参考例16)
(1)EPおよびEPの溶媒ブレンド
参考例12(1)で合成した単段重合ポリマー1.0g、参考例13(1)で合成した単段重合ポリマー4.0gを、参考例12(1)で合成した単段重合ポリマー4.0g、参考例13(1)で合成した単段重合ポリマー1.0gとしたこと以外は、参考例15(1)に記載の方法に従って行い、溶媒ブレンドポリマーを5.0g得た。
Figure 0006068754
Figure 0006068754
単段重合法(1)に従い、重合触媒(X)および(Y)を用いてエチレン/プロピレン共重合を実施した実施例9、10、11、15では、2種の異なる重合触媒(Y)を用いてエチレン/プロピレン共重合を実施した比較例3、4、およびEPとEPのブレンドポリマーである参考例14〜16に比べて、ヤング率とテンサイルインパクトの積が大きく、剛性と耐衝撃性のバランスに優れている。また実施例9、10、11、15では参考例14〜16に比べて、ヘイズが小さく透明性が高い。また実施例9、10、11、15では比較例3,4に比べて、降伏強度、引張強度、伸びが大きく機械物性に優れる。
[実施例17]
(1)エチレン/プロピレン共重合の単段重合
内容積0.4リットルの撹拌機付きオートクレーブを十分乾燥した後、トルエン100mL、プロピレン50gを加え70℃に昇温し、さらにエチレンを分圧で0.6MPa分加えた。次いで、加圧投入器からトリイソブチルアルミニウム(有機金属化合物(C))0.50mmol、ジエチル亜鉛(有機金属化合物(C))0.05mmol、遷移金属化合物(A−X1)のトルエン溶液1.00mL(1.0mM、1.0μmol)と遷移金属化合物(A−Y1)のトルエン溶液0.10mL(1.0mM、0.1μmol)の混合溶液、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(活性化用助触媒成分(B))のトルエン溶液1.00mL(4.0mM、4.0μmol)の順にオートクレーブに加え、70℃で30分重合を行った。少量のエタノールを加えて反応を停止させ、未反応モノマーをパージして、オートクレーブを開放した後、エタノール500mLおよび1N塩酸水溶液5mLを加え、室温で30分攪拌した。析出したポリマーを吸引濾過した後、真空乾燥機にて十分に減圧乾燥し、単段重合ポリマーを13.5g得た。
(2)単段重合ポリマーの溶媒分別
内容積1リットルのナス型フラスコに実施例17(1)で合成した単段重合ポリマー2.00gと、キシレン1.00Lを加え、還流管を取り付けた後、オイルバス中140℃で3時間攪拌した。得られた均一溶液を氷冷した後、室温で2時間攪拌した。次いで、析出物を濾過、濾液を濃縮乾固した後に、各々減圧乾燥することで、CXIS成分を1.05g、CXS成分を0.95g得た。
[実施例18]
(1)エチレン/プロピレン共重合の単段重合
遷移金属化合物(A−X1)の替わりに遷移金属化合物(A−X2)のトルエン溶液1.00mL(1.0mM、1.0μmol)を加え、重合時間を15分としたこと以外は実施例17(1)に記載の方法に従って行い、単段重合ポリマーを7.8g得た。
(2)単段重合ポリマーの溶媒分別
実施例18(1)で得られた単段重合ポリマーを用いたこと以外は、実施例17(2)と同様に行い、CXIS成分を1.55g、CXS成分を0.45g得た。
[比較例5]
(1)エチレン/プロピレン共重合の単段重合
遷移金属化合物(A−X1)を加えなかったこと以外は実施例17(1)に記載の方法に従って行い、単段重合ポリマーを10.0g得た。
(2)単段重合ポリマーの溶媒分別
比較例5(1)で得られた単段重合ポリマーを用いたこと以外は、実施例17(2)と同様に行い、CXIS成分を2.00g得た。
[実施例19]
(1)エチレン/プロピレン共重合の単段重合
遷移金属化合物(A−X1)の替わりに遷移金属化合物(A−X2)のトルエン溶液1.00mL(1.0mM、1.0μmol)を加え、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートの替りにd−MAO(活性化用助触媒成分(B))31.0mgを加え、トリイソブチルアルミニウムを加えなかったこと以外は実施例17(1)に記載の方法に従って行い、単段重合ポリマーを15.1g得た。
(2)単段重合ポリマーの溶媒分別
実施例19(1)で得られた単段重合ポリマーを用いたこと以外は、実施例17(2)と同様に行い、CXIS成分を0.87g、CXS成分を1.13g得た。
[比較例6]
(1)エチレン/プロピレン共重合の単段重合
遷移金属化合物(A−X2)を加えなかったこと以外は実施例19(1)に記載の方法に従って行い、単段重合ポリマーを9.4g得た。
(2)単段重合ポリマーの溶媒分別
比較例6(1)で得られた単段重合ポリマーを用いたこと以外は、実施例17(2)と同様に行い、CXIS成分を2.00g得た。
[実施例20]
(1)エチレン/プロピレン共重合の単段重合
遷移金属化合物(A−Y1)の替わりに遷移金属化合物(A−Y2)のトルエン溶液0.50mL(1.0mM、0.5μmol)を加えたこと以外は実施例17(1)に記載の方法に従って行い、単段重合ポリマーを8.9g得た。
(2)単段重合ポリマーの溶媒分別
実施例20(1)で得られた単段重合ポリマーを用いたこと以外は、実施例17(2)と同様に行い、CXIS成分を0.47g、CXS成分を1.53g得た。
[実施例21]
(1)エチレン/プロピレン共重合の単段重合
遷移金属化合物(A−X1)の替わりに遷移金属化合物(A−X2)のトルエン溶液1.00mL(1.0mM、1.0μmol)を加え、重合時間を15分としたこと以外は実施例20(1)に記載の方法に従って行い、単段重合ポリマーを4.5g得た。
(2)単段重合ポリマーの溶媒分別
実施例21(1)で得られた単段重合ポリマーを用いたこと以外は、実施例17(2)と同様に行い、CXIS成分を1.19g、CXS成分を0.81g得た。
[比較例7]
(1)エチレン/プロピレン共重合の単段重合
遷移金属化合物(A−X1)を加えなかったこと以外は実施例20(1)に記載の方法に従って行い、単段重合ポリマーを2.5g得た。
(2)単段重合ポリマーの溶媒分別
比較例7(1)で得られた単段重合ポリマーを用いたこと以外は、実施例17(2)と同様に行い、CXIS成分を2.00g得た。
実施例17〜21および比較例5〜7の(1)、(2)より得られた、単段重合ポリマー(Whole)、単段重合ポリマーのCXS成分(CXS)およびCXIS成分(CXIS)について、それぞれ極限粘度[η]、An、Aw、Aw/An、Tm、Tc、Tg、ΔH、エチレン含量を表7にまとめた。
Figure 0006068754
単段重合法(1)に従い、重合触媒(X)および(Y)を用いてエチレン/プロピレン共重合を実施した実施例17〜21それぞれについて、Whole、CXIS、CXS各成分のNMRおよびDSC測定を実施した。その結果、いずれの実施例においても、CXIS成分にTgが観測され、かつ該CXIS成分のエチレン含量が、重合触媒(Y)のみを用いた対応する比較例5〜7のCXIS成分のエチレン含量に対して、減少していることがわかる。
このことは、CXIS成分中に重合触媒(X)由来の非晶性のエチレン/プロピレン共重合体セグメント(X)が存在することを示している。しかし、該セグメント(X)はそのTgの値から、通常ではすべてCXS成分に分別される組成である。したがってこのことは、単独ではCXS成分として分別されるべき非晶性のエチレン/プロピレン共重合体セグメント(X)が、該セグメント(X)に対して化学的に連結した結晶性のエチレン/プロピレン共重合体セグメント(Y)の性質によって、不溶成分としてCXIS成分中に存在していることを示しており、実施例17〜21で得られた単段重合ポリマーにおいて、オレフィンブロックポリマーが生成していることが示唆される。
[実施例22]
(1)エチレンの単段重合
内容積0.4リットルの撹拌機付きオートクレーブを十分乾燥した後、トルエン200mLを加え40℃に昇温し、さらにエチレンを分圧で0.6MPa分加えた。次いで、加圧投入器からトリイソブチルアルミニウム(有機金属化合物(C))0.25mmol、遷移金属化合物(A−X1)のトルエン溶液1.00mL(1.0mM、1.0μmol)と遷移金属化合物(A−Y3)のトルエン溶液1.00mL(1.0mM、1.0μmol)の混合溶液、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(活性化用助触媒成分(B))のトルエン溶液1.00mL(4.0mM、4.0μmol)の順にオートクレーブに加え、40℃で30分重合を行った。少量のエタノールを加えて反応を停止させ、未反応モノマーをパージして、オートクレーブを開放した後、エタノール500mLおよび1N塩酸水溶液5mLを加え、室温で30分攪拌した。析出したポリマーを吸引濾過した後、真空乾燥機にて十分に減圧乾燥し、単段重合ポリマーを4.4g得た。
[比較例8]
(1)エチレンの単段重合
遷移金属化合物(A−X1)を加えなかったこと以外は実施例22(1)に記載の方法に従って行い、単段重合ポリマーを1.2g得た。
実施例22および比較例8(1)より得られた、単段重合ポリマー(Whole)について、それぞれ極限粘度[η]、An、Aw、Aw/An、Tm、Tc、Tg、ΔHを表8にまとめた。
Figure 0006068754
[実施例23]
(1)エチレン/プロピレン共重合(前段)とプロピレン単独重合(後段)の2段重合
前段:内容積0.4リットルの撹拌機付きオートクレーブを十分乾燥した後、トルエン160mL、プロピレン20gを加え50℃に昇温し、さらにエチレンを分圧で0.4MPa分加えた。次いで、加圧投入器からdーMAO(活性化用助触媒成分(B))31.8mg、ジエチル亜鉛(有機金属化合物(C))0.05mmol、遷移金属化合物(A−Y4)のトルエン溶液0.10mL(1.0mM、0.1μmol)の順にオートクレーブに加え、50℃で30分重合を行った。重合反応終了後、未反応モノマーをパージし、アルゴン2.0MPaを加え、再びパージする操作を2回繰り返した。
後段:オートクレーブ内をアルゴン雰囲気に保ったまま室温に冷却した後、再びプロピレン20gを加え50℃に昇温した。次いで、加圧投入器から遷移金属化合物(A−X1)のトルエン溶液4.00mL(1.0mM、4.0μmol)をオートクレーブに加え、50℃で60分重合を行った。少量のエタノールを加えて反応を停止させ、未反応モノマーをパージして、オートクレーブを開放した後、エタノール500mLおよび1N塩酸水溶液5mLを加え、室温で30分攪拌した。析出したポリマーを吸引濾過した後、真空乾燥機にて十分に減圧乾燥し、2段重合ポリマーを4.3g得た。
(2)2段重合ポリマーの溶媒分別
実施例23(1)で合成した2段重合ポリマーを使用すること以外は、実施例17(2)に記載の方法に従って行い、CXIS成分を1.19g、CXS成分を0.81g得た。
[実施例24]
(1)エチレン/プロピレン共重合(前段)とプロピレン単独重合(後段)の2段重合
前段:内容積0.4リットルの撹拌機付きオートクレーブを十分乾燥した後、トルエン160mL、プロピレン20gを加え50℃に昇温し、さらにエチレンを分圧で0.2MPa分加えた。次いで、加圧投入器からトリイソブチルアルミニウム(有機金属化合物(C))0.50mmol、ジエチル亜鉛(有機金属化合物(C))0.05mmol、遷移金属化合物(A−Y4)のトルエン溶液0.20mL(1.0mM、0.2μmol)、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(活性化用助触媒成分(B))のトルエン溶液1.00mL(4.0mM、4.0μmol)の順にオートクレーブに加え、50℃で15分重合を行った。重合反応終了後、未反応モノマーをパージし、アルゴン2.0MPaを加え、再びパージする操作を2回繰り返した。
後段:オートクレーブ内をアルゴン雰囲気に保ったまま室温に冷却した後、再びプロピレン20gを加え50℃に昇温した。次いで、加圧投入器から遷移金属化合物(A−X1)のトルエン溶液4.00mL(1.0mM、4.0μmol)、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(活性化用助触媒成分(B))のトルエン溶液1.00mL(4.0mM、4.0μmol)の順にオートクレーブに加え、50℃で120分重合を行った。少量のエタノールを加えて反応を停止させ、未反応モノマーをパージして、オートクレーブを開放した後、エタノール500mLおよび1N塩酸水溶液5mLを加え、室温で30分攪拌した。析出したポリマーを吸引濾過した後、真空乾燥機にて十分に減圧乾燥し、2段重合ポリマーを16.7g得た。
(2)2段重合ポリマーの溶媒分別
実施例24(1)で合成した2段重合ポリマーを使用すること以外は、実施例17(2)に記載の方法に従って行い、CXIS成分を0.91g、CXS成分を1.09g得た。
[実施例25]
(1)エチレン/プロピレン共重合(前段)とプロピレン単独重合(後段)の2段重合
前段:内容積0.4リットルの撹拌機付きオートクレーブを十分乾燥した後、トルエン160mL、プロピレン20gを加え50℃に昇温し、さらにエチレンを分圧で0.2MPa分加えた。次いで、加圧投入器からトリイソブチルアルミニウム(有機金属化合物(C))0.50mmol、ジエチル亜鉛(有機金属化合物(C))0.01mmol、遷移金属化合物(A−Y4)のトルエン溶液0.10mL(1.0mM、0.1μmol)、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(活性化用助触媒成分(B))のトルエン溶液1.00mL(4.0mM、4.0μmol)の順にオートクレーブに加え、50℃で15分重合を行った。重合反応終了後、未反応モノマーをパージし、アルゴン2.0MPaを加え、再びパージする操作を2回繰り返した。
後段:オートクレーブ内をアルゴン雰囲気に保ったまま室温に冷却した後、再びプロピレン20gを加え50℃に昇温した。次いで、加圧投入器から遷移金属化合物(A−X2)のトルエン溶液4.00mL(1.0mM、4.0μmol)、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(活性化用助触媒成分(B))のトルエン溶液1.00mL(4.0mM、4.0μmol)の順にオートクレーブに加え、50℃で60分重合を行った。少量のエタノールを加えて反応を停止させ、未反応モノマーをパージして、オートクレーブを開放した後、エタノール500mLおよび1N塩酸水溶液5mLを加え、室温で30分攪拌した。析出したポリマーを吸引濾過した後、真空乾燥機にて十分に減圧乾燥し、2段重合ポリマーを15.3g得た。
(2)2段重合ポリマーの溶媒分別
実施例25(1)で合成した2段重合ポリマーを使用すること以外は、実施例17(2)に記載の方法に従って行い、CXIS成分を1.09g、CXS成分を0.91g得た。
[比較例9]
(1)エチレン/プロピレン共重合(前段)とプロピレン単独重合(後段)の2段重合
前段:内容積3.0リットルの撹拌機付きオートクレーブを十分乾燥した後、トルエン800mL、プロピレン100gを加え50℃に昇温し、さらにエチレンを分圧で0.2MPa分加えた。次いで、加圧投入器からトリイソブチルアルミニウム(有機金属化合物(C))1.00mmol、ジエチル亜鉛(有機金属化合物(C))0.15mmol、遷移金属化合物(A−Y4)のトルエン溶液0.80mL(1.0mM、0.8μmol)、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(活性化用助触媒成分(B))のトルエン溶液1.00mL(4.0mM、4.0μmol)の順にオートクレーブに加え、50℃で30分重合を行った。重合反応終了後、未反応モノマーをパージし、アルゴン2.0MPaを加え、再びパージする操作を2回繰り返した。
後段:オートクレーブ内をアルゴン雰囲気に保ったまま室温に冷却した後、再びプロピレン100gを加え80℃に昇温した。次いで、加圧投入器から遷移金属化合物(A−Y4)のトルエン溶液2.00mL(1.0mM、2.0μmol)、トリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(活性化用助触媒成分(B))のトルエン溶液1.00mL(4.0mM、4.0μmol)の順にオートクレーブに加え、80℃で30分重合を行った。少量のエタノールを加えて反応を停止させ、未反応モノマーをパージして、オートクレーブを開放した後、エタノール2000mLおよび1N塩酸水溶液20mLを加え、室温で30分攪拌した。析出したポリマーを吸引濾過した後、真空乾燥機にて十分に減圧乾燥し、2段重合ポリマーを53.8g得た。
(2)2段重合ポリマーの溶媒分別
比較例9(1)で合成した2段重合ポリマーを使用すること以外は、実施例17(2)に記載の方法に従って行い、CXIS成分を1.40g、CXS成分を0.60g得た。
実施例23〜25および比較例9(1)、(2)より得られた、2段重合ポリマー(Whole)、2段重合ポリマーのCXS成分(CXS)およびCXIS成分(CXIS)について、それぞれ極限粘度[η]、An、Aw、Aw/An、Tm、Tc、Tg、ΔH、エチレン含量、EP含量を表9にまとめた。
Figure 0006068754
多段重合法(3)に従い、前段で重合触媒(Y)を用いてエチレン/プロピレン共重合を行い、後段で重合触媒(X)を用いてプロピレン単独重合を行う2段重合を実施した実施例23〜25それぞれについて、Whole、CXIS、CXS各成分のNMRおよびDSC測定を実施した。その結果、いずれの実施例においても、CXIS成分にTgおよびエチレン/プロピレン共重合体由来のNMRシーケンスが観測された。
このことは、CXIS成分中に重合触媒(Y)由来のエチレン/プロピレン共重合体セグメント(Y)が存在することを示している。しかし、該セグメント(Y)はそのTgの値から、通常ではすべてCXS成分に分別される組成である。したがってこのことは、単独ではCXS成分として分別されるべき非晶性のエチレン/プロピレン共重合体セグメント(Y)が、該セグメント(Y)に対して化学的に連結した結晶性のプロピレン単独重合体セグメント(X)の性質によって、不溶成分としてCXIS成分中に存在していることを示しており、実施例23〜25で得られた2段重合ポリマーにおいて、オレフィンブロックポリマーが生成していることが示唆される。
さらに上記の実施例23〜25では、重合触媒(Y)のみを用いた比較例9に比べて、CXIS成分中のEP含量の値が大きく、オレフィンブロックポリマーの生成効率が高い。
本発明に係るオレフィンブロックポリマーの製造方法によれば、高い生産性でオレフィンブロックポリマーを製造することができ、工業的に極めて価値が高い。

Claims (21)

  1. 以下の要件(1)〜(5)の全てを満たすエチレン/プロピレンブロック共重合体組成物。
    (1)130℃以上153.4℃以下の融点を一つ以上有する
    (2)EPBHISの含量が2.0wt%以上65.7wt%以下
    (3)BHISが80.0mol%以上94.5mol%以下
    (4)BHIS1.3mol%以上6.0mol%以下
    (5)BHISBHSの差の絶対値が2.5mol%以下
    ここで、前記エチレン/プロピレンブロック共重合体組成物は、エチレン含量が0.1mol%以上9.0mol%以下であるエチレン/プロピレン共重合体EP、エチレン含量が80.0mol%以上94.5mol%以下であるエチレン/プロピレン共重合体EP、および、EPとEPが化学的に結合したブロックポリマーEP−b−EPから構成されており、
    前記EPBHISは、前記エチレン/プロピレンブロック共重合体組成物の沸騰ヘキサン不溶成分中の前記EP含量であり、
    前記BHISは、前記エチレン/プロピレンブロック共重合体組成物の沸騰ヘキサン不溶成分中の前記EP成分中のエチレン含量であり、
    前記BHISは、前記エチレン/プロピレンブロック共重合体組成物の沸騰ヘキサン不溶成分中の前記EP成分中のエチレン含量であり、
    前記BHSは、前記エチレン/プロピレンブロック共重合体組成物の沸騰ヘキサン可溶成分中の前記EP成分中のエチレン含量である。
  2. 以下の要件(6)を満たす請求項1に記載のエチレン/プロピレンブロック共重合体組成物。
    (6)12000 ≦ ヤング率(MPa)×テンサイルインパクト(kJ/m2
  3. 以下の要件(7)を満たす請求項2に記載のエチレン/プロピレンブロック共重合体組成物。
    (7)ヘイズの値が18%以下
  4. 重合触媒(X)と、重合触媒(Y)と、
    元素周期律表第2族、12族および13族から選ばれる原子を含む有機金属化合物(C)(活性化用助触媒成分(B)を除く)とを用いて、オレフィンを重合するオレフィンブロックポリマーの製造方法であって、
    重合触媒(X)は、下記一般式(1−X)で表される遷移金属化合物(A−X)と、有機アルミニウムオキシ化合物(B−1)、有機ホウ素化合物(B−2)、亜鉛助触媒成分(B−3)およびイオン交換性層状珪酸塩(B−4)から選ばれる活性化用助触媒成分(B)とを接触させて形成され、
    重合触媒(Y)は、下記一般式(1−Y)(但し、下記一般式(1−X)で表される遷移金属化合物を除く)から選ばれる遷移金属化合物(A−Y)と、有機アルミニウムオキシ化合物(B−1)、有機ホウ素化合物(B−2)、亜鉛助触媒成分(B−3)およびイオン交換性層状珪酸塩(B−4)から選ばれる活性化用助触媒成分(B)とを接触させて形成される、製造方法。
    Figure 0006068754
    (式中、nは1、2または3であり、
    は、チタン原子、ジルコニウム原子またはハフニウム原子を表す。
    X1〜RX8は、それぞれ独立して、
    水素原子、
    ハロゲン原子、
    炭素原子数1〜20のアルキル基、
    環を構成する炭素原子数が3〜10のシクロアルキル基、
    炭素原子数2〜20のアルケニル基、
    炭素原子数2〜20のアルキニル基、
    炭素原子数7〜30のアラルキル基、
    炭素原子数6〜30のアリール基、
    炭素原子数1〜20のアルコキシ基、
    炭素原子数7〜30のアラルキルオキシ基、
    炭素原子数6〜30のアリールオキシ基、
    置換シリル基、または
    環を構成する炭素原子数が3〜20のヘテロ環式化合物残基を表す。
    X1〜RX8における上記アルキル基、上記シクロアルキル基、上記アルケニル基、上記アルキニル基、上記アラルキル基、上記アリール基、上記アルコキシ基、上記アラルキルオキシ基、上記アリールオキシ基および上記へテロ環式化合物残基はそれぞれ置換基を有していてもよい。
    上記RX1〜RX8の定義に関わらず、RX1とRX2、RX2とRX3、RX3とRX4、RX5とRX6、RX6とRX7、RX7とRX8はそれぞれ相互に連結して環を形成してもよく、これらの環は置換基を有していてもよい。
    は、それぞれ独立して、
    水素原子、
    ハロゲン原子、
    炭素原子数1〜20のアルキル基、
    環を構成する炭素原子数が3〜10のシクロアルキル基、
    炭素原子数2〜20のアルケニル基、
    炭素原子数7〜30のアラルキル基、
    炭素原子数6〜30のアリール基、
    炭素原子数1〜20のアルコキシ基、
    炭素原子数7〜30のアラルキルオキシ基、
    炭素原子数6〜30のアリールオキシ基、
    炭素原子数1〜20の置換シリル基、
    炭素原子数1〜20の置換アミノ基、
    炭素原子数1〜20の置換チオラート基、または
    炭素原子数1〜20のカルボキシラート基を表す。
    における上記アルキル基、上記シクロアルキル基、上記アルケニル基、上記アラルキル基、上記アリール基、上記アルコキシ基、上記アラルキルオキシ基、上記アリールオキシ基および上記カルボキシラート基はそれぞれ置換基を有していてもよい。
    同士は、相互に連結して環を形成してもよい。
    は中性のルイス塩基を表す。Eが複数ある場合は、複数のEは同一でも異なっていてもよい。Eの個数を示す下付のxは、0、1、または2である。)
    Figure 0006068754
    (式中、Mは、元素周期律表の4〜11族の遷移金属原子を表し、nが2以上の場合、Mは互いに同一でも異なっていてもよい。
    Lは、水素原子を除いて70個までの原子を含有し、共役系π電子を介してMに結合するπ電子共役系アニオン性基であり、aが2以上の場合、Lは互いに同一でも異なっていてもよい。
    Xは、水素原子を除いて70個までの原子を含有する非共役系アニオン性基であり、bが2以上の場合、Xは互いに同一でも異なっていてもよい。
    Eは、水素原子を除いて70個までの原子を含有し、1つ以上の非共有電子対を介してMに結合する中性ルイス塩基性配位子であり、cが2以上の場合、Eは互いに同一でも異なっていてもよい。
    aは0〜6の整数であり、bは0〜8の整数であり、cは0〜9の整数であり、nは1〜4の整数である。また、M、L、Xの価数がそれぞれm、l、xのとき、m=l×a+x×bの関係を満たす。また、L、X、Eは、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、さらにaが2以上の場合、L同士が、bが2以上の場合、X同士が、cが2以上の場合、E同士が、nが2以上の場合、L同士、X同士、E同士が互いに連結して環を形成していてもよい。)
  5. 重合触媒(Y)を形成する遷移金属化合物(A−Y)として、式(1−Y−1)〜(1−Y−8)に示す化合物の少なくとも1つを用いる、請求項4に記載のオレフィンブロックポリマーの製造方法。
    Figure 0006068754
    (式中、M、X、bはそれぞれ前記一般式(1−Y)と同様のものを表す。
    は水素原子以外に1〜30個の原子を含有するハイドロカルビル基を表す。
    は水素原子以外に1〜40個の原子を含有する二価の架橋基を表す。
    はルイス塩基性を有する炭素原子数5〜40の複素環式化合物残基を表す。)
    Figure 0006068754
    (式中、M、X、a、bはそれぞれ前記一般式(1−Y)と同様のものを表す。
    Gは酸素原子、硫黄原子、セレン原子または置換基Rを有する窒素含有基(−NR−)を表す。また、aが2以上の場合、G同士は互いに同一でも異なっていてもよい。
    は窒素原子または置換基Rを有する炭素含有基(−CR=)である。また、aが2以上の場合、T同士は互いに同一でも異なっていてもよい。
    〜R11、Gに含まれるR、Tに含まれるRは、前記一般式(1−Y)中のXと同様のものを表す。R〜R11、R、Rは、互いに同一でも異なっていてもよく、aが2以上の場合、R同士、R10同士、R11同士、R同士、R同士は互いに同一でも異なっていてもよい。また、R10、R11、R、Rは、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、aが2以上の場合、R〜R11、R、Rのうちの1個の基と、他の配位子に含まれるR〜R11、R、Rのうちの1個の基とが連結されていてもよい。)
    Figure 0006068754
    (式中、M、X、G、R10、R11、a、bはそれぞれ前記一般式(1−Y−2)と同様のものを表す。
    は、−CR −、−C −、−SiR −、−NR−、−PR−、−P(O)R−、−S−、−S(O)−または−SO−を表す。Tがヘテロ原子を含む場合は、Tのヘテロ原子がMに直接配位結合していてもよい。
    10、R11、R16、Gに含まれるR、Tに含まれるRは、前記一般式(1−Y)中のXと同様のものを表す。R10、R11、R16、R、Rは、互いに同一でも異なっていてもよく、R16同士は互いに同一でも異なっていてもよく、aが2以上の場合、R10同士、R11同士、R同士、R同士は互いに同一でも異なっていてもよい。また、R10、R11、R、Rは、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、aが2以上の場合、R10、R11、R16、R、Rのうちの1個の基と、他の配位子に含まれるR10、R11、R16、R、Rのうちの1個の基とが連結されていてもよい。)
    Figure 0006068754
    (式中、M、X、はそれぞれ前記一般式(1−Y)と同様のものを表す。
    は、−CR −、−SiR −、−NR−、−PR−、−P(O)R−、−O−、−S−、−S(O)−または−SO−を表す。Tがヘテロ原子を含む場合は、Tのヘテロ原子がMに直接配位結合していてもよい。gは、1〜7の整数である。また、gが2以上の場合、T同士は互いに同一でも異なっていてもよい。
    は、−CR −、−C −、−SiR −、−NR−、−PR−、−P(O)R−、−S−、−S(O)−または−SO−を表す。Tがヘテロ原子を含む場合は、Tのヘテロ原子がMに直接配位結合していてもよい。また、T同士は互いに同一でも異なっていてもよい。
    12〜R15は、前記一般式(1−Y)中のXと同様のものを表す。R12〜R15、Tに含まれるR、Tに含まれるRは互いに同一でも異なっていてもよく、R12同士、R13同士、R14同士、R15同士、R同士は互いに同一でも異なっていてもよく、gが2以上の場合、R同士は互いに同一でも異なっていてもよい。また、R12〜R15、R、R、は、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成していてもよく、gが2以上の場合、2個以上のR同士が互いに連結して環を形成していてもよい。)
    Figure 0006068754
    (式中、M、Xはそれぞれ前記一般式(1−Y)と同様のものを表し、R22は前記一般式(1−Y)中のXと同様のものを表す。
    bは1〜4の整数である。またbが2以上の場合、X同士は互いに同一でも異なっていてもよく、2つ以上のX同士が互いに連結して環を形成していてもよい。
    また、R22はそれぞれ互いに同一でも異なっていてもよく、隣接する2つのR22同士が互いに連結して環を形成していてもよい。
    シクロペンタジエニル環上の置換基R22同士の結合により形成される上記環上の水素原子の一部もしくは全てが、さらにR22によって置換されていてもよい。)
    Figure 0006068754
    (式中、M、X、R22はそれぞれ前記一般式(1−Y−5)と同様のものを表す。
    bは1〜3の整数である。またbが2以上の場合、X同士は互いに同一でも異なっていてもよく、2つ以上のX同士が互いに連結して環を形成していてもよい。
    Figure 0006068754
    (式中、M、X、bはそれぞれ前記一般式(1−Y)と同様のものを表す。
    Zは窒素原子、リン原子、酸素原子、硫黄原子、置換基Rを有する窒素含有基(−NR−)または、置換基Rを有するリン含有基(−PR−)である。
    23〜R25、Zに含まれるRは、前記一般式(1−Y)中のXと同様のものを表す。R23〜R25、Rは、互いに同一でも異なっていてもよく、R23同士、R24同士、R25同士は互いに同一でも異なっていてもよい。また、R23、R24、R25、Rは、これらのうち2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。
    Figure 0006068754
    (式中、M、X、bはそれぞれ前記一般式(1−Y)と同様のものを表す。
    26、R27は、互いに独立に、前記一般式(1−Y)中のXと同様のものを表す。R26同士、R27同士は、互いに同一でも異なっていてもよい。また、2個のR26および2個のR27から選ばれる2個以上が互いに連結して環を形成していてもよい。
  6. 一般式(1−X)において、
    X1およびRX5が、それぞれ独立して、
    ハロゲン原子、
    炭素原子数1〜20のアルキル基、
    環を構成する炭素原子数が3〜10のシクロアルキル基、
    炭素原子数7〜30のアラルキル基、
    炭素原子数6〜30のアリール基、
    置換シリル基、または
    環を構成する炭素原子数が3〜20のヘテロ環式化合物残基
    である請求項4または5に記載のオレフィンブロックポリマーの製造方法。
  7. 一般式(1−X)において、
    nが3である請求項4〜6のいずれか1項に記載のオレフィンブロックポリマーの製造方法。
  8. 有機金属化合物(C)が有機アルミニウム化合物および/または有機亜鉛化合物を含む、請求項4〜7のいずれか1項に記載のオレフィンブロックポリマーの製造方法。
  9. 有機金属化合物(C)が炭素原子数3〜24の有機アルミニウム化合物および/または炭素原子数2〜16の有機亜鉛化合物を含む、請求項8に記載のオレフィンブロックポリマーの製造方法。
  10. オレフィンブロックポリマーの製造方法が、重合触媒(X)および重合触媒(Y)を単一の工程で形成させてオレフィンを重合する単段重合である、請求項4〜9のいずれか1項に記載のオレフィンブロックポリマーの製造方法。
  11. 単段重合において2種類以上のオレフィンを重合する、請求項10に記載のオレフィンブロックポリマーの製造方法。
  12. オレフィンブロックポリマーの製造方法が、重合触媒(X)を形成させてオレフィンを重合する工程と重合触媒(Y)を形成させてオレフィンを重合する工程とを含む多段重合であり、隣り合う2つの工程で形成される重合触媒の種類が互いに異なり、かつ、一つ前の工程までに得られた重合体の存在下で該オレフィンを重合する、請求項4〜9のいずれか1項に記載のオレフィンブロックポリマーの製造方法。
  13. 多段重合が2段重合である、請求項12に記載のオレフィンブロックポリマーの製造方法。
  14. 2段重合の前段と後段で、オレフィンの組成が互いに異なる、請求項13に記載のオレフィンブロックポリマーの製造方法。
  15. 2段重合の前段と後段の一方で2種以上のオレフィンの共重合を行い、当該前段と後段の他方で1種のオレフィンの単独重合を行う、請求項14に記載のオレフィンブロックポリマーの製造方法。
  16. オレフィンが、エチレン、炭素原子数が3〜20のα−オレフィン、炭素原子数が3〜20の環状オレフィン、および炭素原子数が5〜20のアルケニル脂環式化合物から選ばれる、請求項4〜15のいずれか1項に記載のオレフィンブロックポリマーの製造方法。
  17. オレフィンが、エチレンおよび炭素原子数が3〜10のα−オレフィンからなる群より選ばれる、請求項16に記載のオレフィンブロックポリマーの製造方法。
  18. オレフィンが、エチレンおよびプロピレンからなる群より選ばれる、請求項17に記載のオレフィンブロックポリマーの製造方法。
  19. 単段重合において、エチレンおよび炭素原子数が3〜10のα−オレフィンを重合する、請求項11に記載のオレフィンブロックポリマーの製造方法。
  20. 炭素原子数が3〜10のα−オレフィンがプロピレンである請求項19に記載のオレフィンブロックポリマーの製造方法。
  21. 2段重合の前段と後段の一方でエチレンおよびプロピレンの共重合を行い、当該前段と後段の他方でプロピレンの単独重合を行う、請求項15に記載のオレフィンブロックポリマーの製造方法。
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