JP6068238B2 - 塗色評価パネル及び塗色評価パネルキット - Google Patents
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Description
この場合、観察角度による色の変化を観察、評価するには、照明、試験板、観察者の目の相対位置を変えて評価を行う。
なお、塗色評価に関する技術を開示する公知文献としては後述の特許文献1、2を挙げることができる。
第1の発明は、少なくとも片面に塗料の被塗面を備えた塗色評価パネルであって、直線、又は曲線の辺に囲まれた凸曲面である主面と、前記主面の1辺を境界線として当該境界線に沿って曲げられたコーナーR部と、前記コーナーR部を介し前記主面に隣接した凸曲面である副面と、を備え、前記主面及び前記副面が、前記境界線上の任意の点における前記境界線に垂直な断面において前記コーナーR部を挟んで同じ曲率となることがない凸曲面であり、かつ当該曲率が前記境界線の長手方向に沿って変化しており、前記主面が、当該主面を構成する辺のうち前記境界線である1辺と他1辺によって、先細り形状を形成し、前記副面が、前記境界線に沿って帯状に形成され、前記主面の先細り形状を形成する2辺のうち前記境界線ではない1辺と、前記副面の前記境界線と反対側に位置する1辺とが、外形を構成することを特徴とする塗色評価パネルを提供する。
第2の発明は、前記主面の先細り形状が鋭角をなすことを特徴とする第1の発明の塗色評価パネルを提供する。
第3の発明は、前記境界線が、前記主面の外形を内側に凹とするように円弧状に湾曲し、前記副面の前記境界線とは反対側の端辺が、前記境界線に沿って湾曲し、前記端辺が、パネル外形の一部であることを特徴とする第1又は第2の発明の塗色評価パネルを提供する。
第4の発明は、前記主面に対して異なる位置に、2つの前記コーナーR部と当該2つの前記コーナーR部を介しそれぞれ前記主面に隣接して形成された2つの前記副面を有し、一方を第1副面及び第1コーナーR部とし、他方を第2副面及び第2コーナーR部とし、前記第1コーナーR部と前記第2コーナーR部とが逆方向に曲げられており、第1及び第2副面は、主面に対して逆方向に突出して形成されていることを特徴とする第1〜3の何れか1つの発明の塗色評価パネルを提供する。
第5の発明は、アルミニウム板からなる一体成形品であることを特徴とする第1〜4の何れか1つの発明の塗色評価パネルを提供する。
第6の発明は、前記被塗面に塗料を塗装して形成した塗膜を有する第1〜5の何れか1つの発明の塗色評価パネルを提供する。
第7の発明は、第6の発明の塗色評価パネルを、任意の分断線に沿って複数の分割体に分断した形状を有する1組の塗色評価パネルキットであって、前記複数の分割体が2色以上の塗料によって、塗り分けられていることを特徴とする塗色評価パネルキットを提供する。
第8の発明は、第6の発明の塗色評価パネルと、当該塗色評価パネルと異なる塗料によって塗装された板片とを有することを特徴とする塗色評価パネルキットを提供する。
また、境界線の長手方向に沿って境界線に垂直な断面における前記主面と前記副面の曲率が変化するため、当該塗色評価パネルの向きを固定した状態で、特定の方向から塗色評価用の光を照射して、特定場所から境界線の長手方向に沿って観察者の視点を変えることで、照明、パネル、観察者の相対位置を動かさずに、ハイライトからシェードへ移り変わる様々なパターンを十分に効率よく観察することができる。
図1に、本実施形態の塗色評価パネル10の斜視図を示し、図2に正面図を示す。また、図3に、塗色評価パネル10の上面図を示し、さらに図4、図5に側面図を示す。
塗色評価パネル10は、片面に被塗面7を備え、当該被塗面7に塗料を塗装しその塗色の評価に用いることができる。被塗面7は、主面1、第1副面2、第2副面3、第1コーナーR部4、第2コーナーR部5とから構成され、各面は、それぞれ曲面を有する。
塗色評価パネル10は、一体成形品であることが好ましい。本発明の塗色評価パネル10が、一体成形品であることで構成要素である主面1、第1及び第2副面2、3、並びに第1及び第2コーナーR部4、5の境に接合部を形成することがなく、被塗面7に塗料を塗装した場合、当該塗料によるハイライトからシェードへ移り変わる様子を自然に表出させることができる。
また、この塗色評価パネル10の材料として1枚の金属薄板を使用し、曲げ加工、絞り加工、しごき等の加工を行うことによってして所望形状に成形することができる。金属薄板としては、軽量化及び耐食性の点でアルミニウム板を好適に用いることができる。軽量の塗色評価パネル10は、可搬性の確保に有利である他、傾動させることで照明、試験板、観察者の目の相対位置を変えることも楽に行えるといった利点がある。
本実施形態においては、特に指定がない場合は、塗色評価パネル10はアルミニウム板を板金加工したものであるとする。
なお、塗色評価パネル10は可搬性を確保できる重量であれば良く、金属薄板の材質はアルミニウムに限定されるものではない。加えて、塗色評価パネル10は金属薄板を成形した一体成形品に限定されず、例えば、樹脂を射出成形することにより形成される樹脂製の一体成形品であっても良い。
本実施形態の塗色評価パネル10は、当該塗色評価パネル10を構成する金属薄板の片面(前面側の面。主面1、第1副面2、第2副面3、第1コーナーR部4、第2コーナーR部5が形成されている側の面)全体が、塗料を塗装可能な被塗面7となっている。
なお、被塗面7のみならず、当該被塗面7の裏側に塗料を塗装することによって、被塗面7に形成される曲面が反転した状態での、塗料の評価を行っても良い。
この塗色評価パネル10の好適な使用方法の一つは、当該塗色評価パネル10を構成する両面のうち少なくとも片面全体に塗料を塗装して、塗色評価に用いることである。この点、本実施形態の塗色評価パネル10は、少なくとも片面の被塗面7全体が、塗料を塗装可能である構成を採用する。
このとき、被塗面7を構成する面のうち、最も面積の広い面であり緩やかな凸曲面である主面1がX−Y平面に沿って配置される。また、しかも当該主面1を構成する辺1a、1b、1c、1d、1eのうち、最も長く緩やかな曲線である第1辺1aは、X軸に沿って配置される。
本明細書中においては、以上のように設定したX−Y−Z空間を基に、塗色評価パネル10の説明を行う。
図1、図2に示すように、主面1は、5つの直線又は曲線の辺1a、1b、1c、1d、1eに囲まれた凸曲面である。5つの辺は、主面1を前面側から見た場合(図2参照)、第1辺1aから右回りに、第2辺1b、第3辺1c、第4辺1d、第5辺1eの順に構成され、第5辺1eの一端が第1辺1aの一端と一致する。
主面1を構成する凸曲面は、第1辺1aと第2辺1bの一致点、第2辺1bと第3辺1cの一致点、並びに第5辺1eと第1辺1aの一致点をそれぞれ通過する仮想平面を考慮した場合に、当該仮想平面に対する最上点である頂点30を有する。主面1は、頂点30を中心として等高線状に形成される凸曲面であって、特定の線に沿って一定の曲率を有する凸曲面ではない。
以下、本実施形態の塗色評価パネル10に関して、図2に基づき、Y軸方向を上下方向、X軸方向を左右方向、Z軸方向を奥行き方向(手前方向、奥方向)として説明する。
また、第1辺1aには、当該第1辺1aを第1境界線6として、当該第1境界線6に沿って奥方向に曲げられた第1コーナーR部4が形成されている。
図2中においては、第2辺1bは、直線的に表現されているが、主面1が奥行き方向に湾曲する凸曲面であるため、第2辺1bも奥行き方向に湾曲して形成されている(図4に示す塗色評価パネル10の右側面図参照)。
ところで、第2辺1bと第4辺1dは第3辺1cを挟んで構成され、第2辺1bと第4辺1dによって先細り形状である第2先細り部12を形成している。このように、本発明における先細り形状は、必ずしも隣接する2辺により構成される必要はなく、全体形状としてみた場合に先端に向かうに従って次第に狭くなっていく形状であれば良い。
また、第4辺1dには、当該第4辺1dを第2境界線8として、当該第2境界線8に沿って手前方向に曲げられた第2コーナーR部5が形成されている。
なお、主面1を構成する各辺のうち、第2辺1b、第3辺1c、及び第5辺1eは、それぞれ塗色評価パネル10のパネル外形を構成する辺である。また、第2辺1bと第3辺1cの一致点は、塗色評価パネル10のパネル外形を構成し、小径のスミRが形成されている。
主面1の第1辺1aを第1境界線6として、当該第1境界線6に沿って図2において奥側へ曲げられた第1コーナーR部4が形成されている。この第1コーナーR部4は、前記第1境界線6に沿って左右方向に延在している。また、第1コーナーR部4を介して、主面1の反対側には、第1副面2が形成されており、第1コーナーR部4は、主面1と第1副面2の境界領域に形成され、一定の曲率でこれらの面を滑らかに接続して形成されている凸曲面である。
第1副面2は、前記第1コーナーR部4を介し、主面1と隣接し、前記第1境界線6に沿って帯状に形成された凸曲面である。第1コーナーR部4と第1副面2との境界には第1副面2の第1辺2aが、第1境界線6と並行して左右方向に延びている。また、前記第1辺2aの反対側の辺である第2辺(端辺)2bは、塗色評価パネル10のパネル外形をなす辺であり、前記第1辺2aと同様に第1境界線6に並行して左右方向に延びている。
第1副面2は、前記第1コーナーR部4が手前方向から奥方向に曲げて形成されているため、主面1に対して奥方向に突出して形成されている。
ところで上述したように、主面1の第1辺1a(即ち第1境界線6)と第2辺1bは、第1辺1aに沿って先端に向かうに従って次第に狭くなっていく主面1の第1先細り部11を構成している。第1副面2は、第1境界線6に沿って帯状に形成されており、当該第1副面2の第2辺2bは、第1境界線6に並行して延びているため、第1副面2の第2辺2bは、主面1の第2辺1bと合わせて先細り形状を形成する。
主面1及び第1副面2は、前記第1境界線6に垂直な断面において、第1コーナーR部4を挟んで異なる曲率を有する。加えて、これらの曲率は、前記第1境界線6の長手方向に沿って変化している。
図6(a)〜(c)に、主面1の第1辺1aである第1境界線6に垂直なA−A線、B−B線、C−C線(図2参照)に沿った断面を示す。なお、塗色評価パネル10の断面図である図6(a)〜(c)及び後述する図7(a)〜(c)は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる構成要素を拡大、強調して模式的に示した図である。したがって、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
図6(a)に示すように、A−A線に沿う断面には、半径RA1(即ち曲率1/RA1)を有する主面1と半径RA2(即ち曲率1/RA2)を有する第1副面2との間に、半径r4(即ち曲率1/r4)を有する第1コーナーR部4が形成されており、当該第1コーナーR部4によって主面1と第1副面2が、滑らかに接続されている。ここで、主面1の半径RA1と第1副面2の半径RA2は異なる。即ちRA1≠RA2となっている。
即ち、主面1及び第1副面2は、前記第1境界線6に垂直な断面において、第1コーナーR部4を挟んで異なる曲率を有する。
本実施形態の塗色評価パネル10には、主面1に隣接するコーナーR部及び当該コーナーR部を介し主面1に隣接する副面が2つ構成されている。即ち、塗色評価パネル10には、上述した第1コーナーR部4及び第1副面2に加えて第2コーナーR部5及び第2副面3が形成されている。
即ち、塗色評価パネル10には、主面1の第4辺1dを第2境界線8として、当該第2境界線8に沿って図2において奥方向から手前方向へ曲げられた第2コーナーR部5が形成されている。この第2コーナーR部5は、前記第2境界線8に沿って円弧状に湾曲した帯状に形成されている。また、第2コーナーR部5を介して、主面1の反対側には、第2副面3が形成されている。換言すると、第2コーナーR部5は、主面1と第2副面3の境界領域に形成され、一定の曲率で、これらを滑らかに接続して形成されている凹曲面であると説明できる。
第2副面3は、前記第2コーナーR部5を介し主面1と隣接し、前記第2境界線8に沿って帯状に形成された凸曲面である。第2コーナーR部5と第2副面3との境界には第2副面3の第1辺3aが第2境界線8と並行して、円弧状に延びている。また、前記第1辺3aの反対側の辺である第2辺(端辺)3bは、塗色評価パネル10のパネル外形をなす辺であり、前記第2境界線8に沿って円弧状に延びている。
第2副面3は、前記第2コーナーR部5が手前方向から奥方向に曲げて形成されているため、主面1に対して手前方向に突出して形成されている。
第2副面3は、円弧状に湾曲した帯形状を有するため、照明方向又は観察方向に対し様々な法線方向を備えた面となる。したがって、観察方向によって様々に変化するハイライトからシェードへ移り変わる様子を確認することができる。
加えて、第2副面3は、自動車のフェンダー部分に類似した形状となり、当該塗色評価パネル10の被塗面7に塗料を塗装して塗膜を形成した場合、これを観察することでこの塗料を自動車に適用した場合のフェンダー部分のハイライトからシェードへ移り変わる様子を確認できる。
したがって、上述した第1境界線6近傍の第1先細り部11と同様の効果を奏することができる。即ち、背景色に対して前記第2境界線8近傍の意匠性を確認することができ、更に観察者にこの第2境界線8の近傍に表出するハイライトからシェードへの移り変わりを自然と意識させることができる。
第2副面3は、上述した主面1と第1副面2との関係同様、第2境界線8に垂直な断面において、主面1と異なる曲率を有する。また、これらの曲率は、第2境界線8の長手方向に沿って変化している。
図7(a)〜(c)に主面1の第4辺1dである第2境界線8に垂直なD−D線、E−E線、F−F線(図2参照)に沿った断面を示す。
図7(a)〜(c)に示すように、塗色評価パネル10は一定の板厚を有し、その表面に凸曲面である主面1、第2コーナーR部5、第2副面3を形成している。
また、E−E線、F−F線に沿った断面である図7(b)、(c)においても同様である。E−E線に沿った断面においては、主面1の半径RE1と第2副面3の半径RE3は異なり、即ちRE1≠RE3となっている。F−F線に沿った断面においては、主面1の半径RF1と第2副面3の半径RF3は異なり、即ちRF1≠RF3となっている。このように、主面1及び第2副面3は、前記第2境界線8に垂直な断面において、第2コーナーR部5を挟んで異なる曲率を有する。
また、第2境界線8の長手方向に沿って主面1と第2副面3の曲率が変化するため、第2境界線8の長手方向に沿って観察者の視点を変えることで、様々なパターンのハイライトからシェードへ移り変わりを観察できる。
前記塗色評価パネル10は、その被塗面7に塗料を塗装して、塗色評価に用いられる。被塗面7には、塗料の塗装によって、塗色評価パネル10を形成する板状材の板厚に比べて格段に薄い塗膜を形成する。被塗面7に形成した塗膜は、その表面が、塗色評価パネル10の被塗面7の形状に沿った形状となる。
被塗面7への塗料の塗装によって形成される塗膜構造は特に限定は無く、周知のものを採用できる。被塗面7に形成される塗膜構造は、塗色が適用される製品の素材や使用環境に応じて決定される。この塗膜構造は、実際の製品に適用される塗膜構造と同じものを適用できる。
但し、アルミニウム板を用いて塗色評価パネル10を形成した場合においては、アルミニウムは耐食性に優れるため、例えば鋼板への塗膜形成にて必要となる防錆用の化成処理層(例えば防錆塗料や亜鉛めっきといった耐食性素材からなる層)の形成を省略できる。したがって、アルミニウム板を用いて形成した塗色評価パネル10は、塗料の塗装の手間及びコストの軽減、軽量化の点で有利である。
中塗り層は、下塗り層を隠蔽し、塗膜表面(上塗り層表面)の平滑性を確保する塗膜であり、ビヒクル形成成分と着色顔料とを含むものである。
なお、塗色評価パネル10の被塗面7に形成する塗膜構造は、適宜設計変更可能である。
図8(a)は、いわゆるメタリック塗色を得る塗膜構造の例を示す。この塗膜構造は、塗料を被塗面7に直接塗布して形成した中塗り層50に、例えばアルミフレーク、マイカフレークといった微細な鱗片状の光輝材を顔料とともにバインダ中に分散してなる塗料を塗布し乾燥及び/又は硬化させて形成したメタリックベース層51を積層し、該メタリックベース層51を覆う透明なトップクリアー層52を積層した構成となっている。
この塗膜構造は、塗料を被塗面7に直接塗布して形成した中塗り層60に、バインダ中に着色顔料を分散した塗料を塗布して乾燥及び/又は硬化させたカラーベース層61を積層し、例えば半透明な鱗片状基材を該鱗片状基材とは屈折率が異なる酸化チタン等の金属酸化物で被覆した干渉性の光輝性顔料、又は前記鱗片状基材を酸化鉄で被覆した着色性の光輝性顔料をバインダ中に分散してなる塗料をカラーベース層61に塗布し乾燥及び/又は硬化させて形成したパールベース層62を積層し、更に該パールベース層62を覆う透明なトップクリアー層63を積層した構成となっている。
この塗色評価パネル10は、その被塗面7に異なる曲率を有する様々な凸曲面又は凹曲面が形成されているため、照明、塗色評価パネル10、観察者の目の相対位置等を様々変えることで、この塗色評価パネル10の被塗面7に塗料を塗装して形成した塗膜の観察角度による色の見え方の違いと、ハイライトからシェードへ移り変わる様子を様々に確認できる。
図9として本発明の一実施形態である塗色評価パネルキット22の正面図を示す。
本実施形態の塗色評価パネルキット22は、上述した塗色評価パネル10と第1板片10Aと第2板片10Bとから構成される。第1板片10Aと第2板片10Bとは、塗色評価パネル10を−Y方向に延長した形状を有する。換言すると、塗色評価パネルキット22は、上述した塗色評価パネル10を左方に延長したものを用意し、この延長した部分を第1分断線26と第2分断線27に沿って分断し、3つの分割体である第1板片10Aと第2板片10Bと塗色評価パネル10を構成したと説明できる。
なお、本実施形態の塗色評価パネルキット22において、3つの分割体のうち、最も面積の大きな分割体である塗色評価パネル10は、上段において詳しく説明した塗色評価パネル10と同形態のものである。
第1板片10Aは、塗色評価パネル10の左端部の外形と一致する、右端部の外形を有する。また、第1板片10Aは、塗色評価パネル10の上端部の外形と、下端部の外形を延長した形状を有する。
第2板片10Bは、第1板片10Aの左端部の外形と一致する右端部の外形を有する。また、第2板片10Bは、第1板片10Aの上端部の外形と、下端部の外形を延長した形状を有する。
換言すると、第1板片10Aは、塗色評価パネル10を左方に延長し、第1分断線26によって、延長した部分を分断した形状を有すると説明できる。同様に、第2板片10Bは、第1板片10Aを左方に延長し、第2分断線27によって、延長した部分を分断した形状を有すると説明できる。
したがって、図9に示すように第1板片10Aを塗色評価パネル10の左方に配置し、外形の上端部及び下端部並びに第1分断線26を一致させると、塗色評価パネル10が左方に延長したような形状を表出させることができる。また、前記第1板片10Aの更に左方に第2板片10Bを配置し、これらの外形の上端部及び下端部並びに第1分断線26、第2分断線27を一致させると、塗色評価パネル10が左方に更に延長したような形状を表出させることができる。
第1板片10Aの被塗面7Aは、主面1A、第1副面2A、第2副面3A、第1コーナーR部4A、第2コーナーR部5Aとから構成され、各面は、それぞれ曲面を有する。同様に、第2板片10Bの被塗面7Bは、主面1B、第1副面2B、第2副面3B、第1コーナーR部4B、第2コーナーR部5Bとから構成され、各面は、それぞれ曲面を有する。
これらの曲面は全て、隣接する分割体の曲面と連続した曲率を形成している。即ち、第1板片10Aの主面1A、第1副面2A、第2副面3A、第1コーナーR部4A、第2コーナーR部5Aは、それぞれ、塗色評価パネル10の主面1、第1副面2、第2副面3、第1コーナーR部4、第2コーナーR部5の凸曲面と連続して形成されている。また、第2板片10Bの主面1B、第1副面2B、第2副面3B、第1コーナーR部4B、第2コーナーR部5Bは、それぞれ、第1板片10Aの主面1A、第1副面2A、第2副面3A、第1コーナーR部4A、第2コーナーR部5Aの凸曲面と連続して形成されている。
同様に、第1板片10Aの主面1Aと第2副面3Aとは、第2コーナーR部5Aを介して隣接し、第2コーナーR部5Aは、主面1Aの1辺であり、塗色評価パネル10の第2境界線8から延長して伸ばされた第2境界線8Aに沿って図9において手前側へ曲げられて形成されている。また、第1板片10Aは、第2境界線8Aに垂直な断面において、第2コーナーR部5Aを挟んで異なる曲率を有し、加えて、当該曲率が前記第2境界線8Aの長手方向に沿って変化している。
本実施形態の塗色評価パネルキット22において、3つの分割体(塗色評価パネル10、第1板片10A、第2板片10B)のうち、少なくとも隣接する分割体は、それぞれ異なった色を有する塗料によって塗色されていることが好ましい。即ち、塗色評価パネル10と第1板片10A並びに第1板片10Aと第2板片10Bが異なる色の塗料で塗色されていることが好ましい。
また、塗色評価パネルキット22において、3つの分割体は、それぞれ異なった色を有する塗料によって塗色されていることがより好ましい。
Claims (8)
- 少なくとも片面に塗料の被塗面を備えた塗色評価パネルであって、
直線、又は曲線の辺に囲まれた凸曲面である主面と、
前記主面の1辺を境界線として当該境界線に沿って曲げられたコーナーR部と、
前記コーナーR部を介し前記主面に隣接した凸曲面である副面と、を備え、
前記主面及び前記副面が、前記境界線上の任意の点における前記境界線に垂直な断面において前記コーナーR部を挟んで同じ曲率となることがない凸曲面であり、かつ当該曲率が前記境界線の長手方向に沿って変化しており、
前記主面が、当該主面を構成する辺のうち前記境界線である1辺と他1辺によって、先細り形状を形成し、
前記副面が、前記境界線に沿って帯状に形成され、
前記主面の先細り形状を形成する2辺のうち前記境界線ではない1辺と、前記副面の前記境界線と反対側に位置する1辺とが、外形を構成することを特徴とする塗色評価パネル。 - 前記主面の先細り形状が鋭角をなすことを特徴とする請求項1に記載の塗色評価パネル。
- 前記境界線が、前記主面の外形を内側に凹とするように円弧状に湾曲し、
前記副面の前記境界線とは反対側の端辺が、前記境界線に沿って湾曲し、
前記端辺が、パネル外形の一部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の塗色評価パネル。 - 前記主面に対して異なる位置に、2つの前記コーナーR部と当該2つの前記コーナーR部を介しそれぞれ前記主面に隣接して形成された2つの前記副面を有し、
一方を第1副面及び第1コーナーR部とし、他方を第2副面及び第2コーナーR部とし、
前記第1コーナーR部と前記第2コーナーR部とが逆方向に曲げられており、第1及び第2副面は、主面に対して逆方向に突出して形成されていることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の塗色評価パネル。 - アルミニウム板からなる一体成形品であることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の塗色評価パネル。
- 前記被塗面に塗料を塗装して形成した塗膜を有する請求項1〜5の何れか一項に記載の塗色評価パネル。
- 請求項6に記載の塗色評価パネルを、任意の分断線に沿って複数の分割体に分断した形状を有する1組の塗色評価パネルキットであって、
前記複数の分割体が2色以上の塗料によって、塗り分けられていることを特徴とする塗色評価パネルキット。 - 請求項6に記載の塗色評価パネルと、
当該塗色評価パネルと異なる塗料によって塗装された板片とを有することを特徴とする塗色評価パネルキット。
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