JP6067492B2 - 積層フィルム、太陽電池モジュール用バックシートおよび太陽電池モジュール - Google Patents

積層フィルム、太陽電池モジュール用バックシートおよび太陽電池モジュール Download PDF

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Description

本発明は、積層フィルム、太陽電池モジュール用バックシートおよび太陽電池モジュールに関する。また、本発明は、積層フィルムの製造方法に関する。
太陽電池モジュールは、一般に、太陽光が入射する受光面側からガラスまたはフロントシート/透明な充填材料(封止材)/太陽電池素子/封止材/バックシート(BS)がこの順に積層された構造を有している。太陽電池素子は一般にEVAフィルム(エチレン−酢酸ビニル共重合体)等の樹脂(封止材)で包埋され、さらにこの上に太陽電池用保護シートが貼り付けられた構造を有する。太陽電池用保護シートの中でも特に最外層に配置される太陽電池モジュール用バックシート(BS)は、太陽電池素子を保護する働きをする。太陽電池モジュールが、屋外等の過酷条件下で長期間に亘って機能を発揮できるように、太陽電池モジュール用バックシートは、EVAフィルム等の被着物に対して高い密着性を有し、経時的に優れた密着性を発揮することが求められている。
太陽電池モジュール用バックシートには、従来、ポリエステルフィルム、特にポリエチレンテレフタレート(以下、PET)フィルムが使用されている。通常、太陽電池モジュール用バックシートに用いられるポリエステルフィルムとしては、太陽光線の利用効率を高める目的で、白色ポリエステルフィルムが用いられている。白色ポリエステルフィルムは、ポリエステルフィルムに微粒子を混合したり、フィルム中にボイド(気泡)を発生させたりすることによって得ることができる。
このような白色ポリエステルフィルムは、太陽電池モジュール用バックシートとして、EVAフィルム等の被着物に付設される。この場合、白色ポリエステルフィルムには、ポリマー層(易接着層)が積層され、このポリマー層を介して白色ポリエステルフィルムとEVAフィルムは接着される。また、太陽電池モジュール用バックシートには、白色ポリエステルフィルムの他に機能性層が設けられることが好ましく、耐傷層や耐候層などの機能性層が白色ポリエステルフィルムに積層されることが好ましい。
白色ポリエステルフィルムに他の層が積層された積層フィルムとしては、例えば、微粒子を含有した白色ポリエステルフィルムの片面に樹脂層(ポリマー層)を積層した積層フィルムや、白色ポリエステルフィルムの片面にシリコーン樹脂を含む帯電防止層を積層した積層フィルムが知られている(例えば、特許文献1および2)。
特開2011−75779号公報 特開2009−53604号公報
太陽電池素子には、高い電圧がかかることがあり、このような場合、太陽電池モジュール用バックシートには、部分放電が生じることがある。部分放電が生じると、ポリエステルフィルムの劣化が進行し、また、太陽電池モジュールの発電効率も悪化するため問題となる。このため、部分放電が生じないように、太陽電池モジュール用バックシートの部分放電電圧(部分放電開始電圧)は高く維持されることが求められている。
しかしながら、特許文献1および2に記載されているような白色ポリエステルフィルムを含む積層フィルムを太陽電池モジュール用バックシートとして用いた場合、部分放電電圧を十分に高めることができないという問題があった。
また、従来の白色ポリエステルフィルムを含む積層フィルムをEVAフィルム等の被着物に接着した場合、密着性が十分ではないという問題もあった。積層フィルムとEVAフィルムの密着性が弱いと、EVAフィルムと太陽電池モジュール用バックシートとの貼合箇所で剥離が起こり、太陽電池素子を十分に保護することができない。このように、積層フィルムとEVAフィルムの密着性が弱いと、部分放電電圧を高めることができないだけではなく、太陽電池モジュール全体に不具合を生じさせることとなるため改善が求められていた。
そこで本発明者らは、このような従来技術の課題を解決するために、長期経時後であっても部分放電電圧が十分に高く、太陽電池の発電効率を高めることができる白色ポリエステルフィルムを含む積層フィルムを提供することを目的として検討を進めた。さらに、本発明者らは、被着物に対して優れた密着性を発揮することができる積層フィルムを提供することを目的として検討を進めた。
[1] ポリエステルフィルムと、前記ポリエステルフィルムの一方の面に積層されるポリマー層と、前記ポリエステルフィルムの他方の面に積層される機能性層とを有し、前記ポリエステルフィルムは、2つの表層領域を有し、前記表層領域は、各々、前記ポリエステルフィルムの各表面から前記ポリエステルフィルムの平均膜厚の2%の深さまで領域であり、前記ポリエステルフィルムは、微粒子を含み、前記微粒子の含有率は前記ポリエステルフィルム中に含まれるポリエステルに対して0.3〜5.0質量%であり、前記微粒子の40〜80%が前記表層領域に存在しており、前記ポリマー層の平均膜厚は、0.03〜0.5μmであり、前記機能性層の平均膜厚は、4.0〜8.0μmであることを特徴とする積層フィルム。
[2] 前記微粒子の平均粒子径は0.1〜3.0μmであることを特徴とする[1]に記載の積層フィルム。
[3] 前記微粒子は無機微粒子であることを特徴とする[1]または[2]に記載の積層フィルム。
[4] 前記無機微粒子は酸化チタンであることを特徴とする[3]に記載の積層フィルム。
[5] 前記ポリエステルフィルムの末端カルボン酸価は、1〜20eq/tonであることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の積層フィルム。
[6] 前記表層領域に含まれる微粒子の含有率は、前記表層領域に含まれるポリエステルの質量に対して、2.5〜6.0質量%であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載の積層フィルム。
[7] 部分放電電圧をP(∨)とし、前記ポリエステルフィルムの平均膜厚をt(μm)とすると、P>2.4t+400であることを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載の積層フィルム。
[8] 表面抵抗値が1×1010〜1×1014Ω/cm2であることを特徴とする[1]〜[7]のいずれかに記載の積層フィルム。
[9] 前記ポリマー層が、ポリオレフィン樹脂を含むことを特徴とする[1]〜[8]のいずれかに記載の積層フィルム。
[10] 前記機能性層が、シリコーン樹脂を含むことを特徴とする[1]〜[9]のいずれかに記載の積層フィルム。
[11] 前記ポリエステルフィルムの平均膜厚が200〜300μmであることを特徴とする[1]〜[10]のいずれかに記載の積層フィルム。
[12] 前記ポリエステルフィルムは、カルボジイミド化合物またはケテンイミン化合物を含むことを特徴とする[1]〜[11]のいずれかに記載の積層フィルム。
[13] ポリエステルフィルムを得る工程と、前記ポリエステルフィルムの一方の面に、ポリマー層を0.03〜0.5μmの平均膜厚となるように形成する工程と、前記ポリエステルフィルムの他方の面に、機能性層を4.0〜8.0μmの平均膜厚となるように形成する工程とを含み、前記ポリエステルフィルムを得る工程は、ポリエステル樹脂と、前記ポリエステル樹脂に対して0.3〜5.0質量%の微粒子を混合し、シート状に押し出す押出工程を含み、前記押出工程では、0.5〜30MPaの押出圧力が付与されることを特徴とする積層フィルムの製造方法。
[14] 前記押出工程では、押出圧力に1〜10%の変動が付与されることを特徴とする[13]に記載の積層フィルムの製造方法。
[15] [13]または[14]に記載の方法により製造された積層フィルム。
[16] [1]〜[12]および[15]のいずれかに記載の積層フィルムを用いた太陽電池用バックシート。
[17] [16]に記載の太陽電池量バックシートを用いた太陽電池用モジュール。
本発明によれば、長期経時後であっても部分放電電圧が十分に高い積層フィルムを得ることができる。これにより、長期間に亘って、太陽電池の発電効率を良好な状態に維持することができる。
また、本発明によれば、EVAフィルム等の被着物との密着性に優れた積層フィルムを得ることができる。これにより、太陽電池素子の耐久性を高め、太陽電池素子の性能低下を防ぐことができる。
図1は、本発明の積層フィルムを示す断面図である。 図2は、本発明の積層フィルムに含まれるポリエステルフィルムを示す断面図である。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は「〜」前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
(積層フィルム)
本発明は、白色ポリエステルフィルムと、ポリエステルフィルムの一方の面に積層されるポリマー層と、他方の面に積層される機能性層を有する積層フィルムに関する。ポリマー層は、EVAフィルム等の被着物とポリエステルフィルムを貼合する接着層として機能する。機能性層は、ポリエステルフィルムの耐傷性や耐候性を高めるための保護層としての役割を果たし、ポリエステルフィルムの脆化を抑制する層として機能する。
図1は、本発明の積層フィルム10の断面図を示している。図1に示されているように、本発明の積層フィルム10は、ポリエステルフィルム1と、ポリエステルフィルム1の一方の面に積層されたポリマー層3と、ポリエステルフィルム1の他方の面に積層される機能性層5を有する。なお、積層フィルム10は、これらの3つの層以外に他の層を含んでもよい。他の層は、ポリエステルフィルム1とポリマー層3の間や、ポリエステルフィルム1と機能性層5の間に積層されてもよいが、ポリエステルフィルム1と、ポリマー層3と、機能性層5は隣接して積層されることが好ましい。
図2は、積層フィルム10に含まれるポリエステルフィルム1の断面図を示している。図2に示されるように、ポリエステルフィルム1は、2つの表層領域(11a、11b)を有する。ここで、表層領域(11a、11b)とは、ポリエステルフィルム1の各表面から、ポリエステルフィルム1の膜厚の2%までの深さに至るまでの領域をいう。ポリマー層3が積層される側のポリエステルフィルム1の表面を表面Aとし、機能性層5が積層される側のポリエステルフィルム1の表面を表面Bとし、ポリエステルフィルム1の平均膜厚をLとした場合、表面Aから0.02Lの深さに至るまでの領域が表層領域11aとなり、表面Bから0.02Lの深さに至るまでの領域が表層領域11bとなる。なお、ポリエステルフィルム1には中央領域13が存在しており、中央領域は、表層領域11aと表層領域11bに挟まれた領域である。
ポリエステルフィルムは微粒子を含み、微粒子の含有率は、ポリエステルフィルム中に含まれるポリエステルに対して、0.3〜5質量%である。ポリエステルフィルムに含まれる微粒子は、ポリエステルに対して0.3質量%以上であればよく、0.4質量%以上であることが好ましく、0.5質量%以上であることがより好ましい。また、微粒子の含有率は、5質量%以下であればよく、4質量%以下であることが好ましく、3質量%であることがより好ましい。微粒子の含有率を上記範囲内とすることにより、ポリエステルフィルムの部分放電電圧を高めることができる。なお、微粒子の含有率が上記上限値を超えると、微粒子が凝集することによって、ポリエステルフィルムに隣接する層との間に剥離が生じ、密着性が悪化する。
ポリエステルフィルムに含まれる微粒子のうち、40〜80%はポリエステルフィルム中の2つの表層領域に存在する。微粒子は、2つの表層領域のいずれにも存在していることが好ましいが、いずれか1つの表層領域にのみ存在していてもよい。2つの表層領域のいずれにも微粒子が存在する場合、2つの表層領域に存在している微粒子の合計質量が、ポリエステルフィルム全体に含まれる微粒子の合計質量の40〜80%であることが好ましい。表層領域に存在する微粒子の割合は、ポリエステルフィルム全体に含まれる微粒子の全質量の40%以上であればよく、45%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましい。また、表層領域に存在する微粒子の割合は、80%以下であればよく、75%以下であることが好ましく、70%以下であることがより好ましい。このように、ポリエステルフィルムの表層領域に微粒子を集めることにより、部分放電電圧を十分に高めることができる。
上述したように、ポリエステルフィルム中において微粒子は、偏りをもって存在している。表層領域に微粒子を偏在させ、かつ、表層領域に存在する微粒子の割合を上記範囲内とすることにより、ポリエステルフィルムの表面に適度な凹凸を付与することができる。これにより、より効果的に部分放電電圧を高めることができる。なお、表層領域に存在する微粒子の割合が上記上限値を超えると、ポリエステルフィルムの表面で微粒子が凝集し、密着性が悪化するため好ましくない。
なお、中央領域に存在する微粒子の質量は、ポリエステルフィルム全体に含まれる微粒子の合計質量の20〜60%であることが好ましい。中央領域に存在する微粒子の割合は、20%以上であればよく、25%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましい。また、中央領域に存在する微粒子の割合は、60%以下であればよく、55%以下であることが好ましく、50%以下であることがより好ましい。
表層領域に含まれる微粒子の含有率は、表層領域に含まれるポリエステルの質量に対して、2.5〜6質量%であることが好ましい。表層領域に含まれる微粒子の含有率は、2.5質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがより好ましい。また、表層領域に含まれる微粒子の含有率は、6質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。表層領域に含まれる微粒子の含有率を上記範囲内とすることにより、部分放電電圧を十分に高めることができる。
なお、微粒子の含有率は、フィルムの断面をSEMで観察し、10μm×10μm角に観察される微粒子の数を数えることにより算出することができる。また、ポリエステルの総量に対する微粒子の質量の割合を求めることによっても算出することができる。具体的には、ポリエステルフィルムをXg精秤し、次いでそのフィルムを空気中、900℃3時間の条件で加熱し、加熱後の重さをYgとすると、無機微粒子の含有率(質量%)は、100×(X−Y)/Xで算出することができる。
本発明では、ポリマー層の平均膜厚は0.01〜0.5μmであり、機能性層の平均膜厚は4.0〜8.0μmである。
ポリマー層の平均膜厚は、0.03μm以上であればよく、0.05μm以上であることが好ましく、0.07μm以上であることがより好ましい。また、ポリマー層の平均膜厚は、0.5μm以下であればよく、0.4μm以下であることが好ましく、0.3μm以下であることがより好ましい。
機能性層の平均膜厚は、4.0μm以上であればよく、4.5μm以上であることが好ましく、5.0μm以上であることがより好ましい。また、機能性層の平均膜厚は、8.0μm以下であればよく、7.5μm以下であることが好ましく、7.0μm以下であることがより好ましい。
このように、ポリエステルフィルムの表裏に厚みの異なる層を設けることにより、乾燥工程における熱収縮差によって、積層フィルム全体が円弧を描き、カールするような形状となる。本発明では、ポリマー層および機能性層の膜厚を上記範囲内とし、所望の厚み差を付与することにより、積層フィルムの形状を、ポリマー層側に円中心を持つような円弧を有する形状とすることができる。
このように、積層フィルム全体が円弧を描くようにカールすることによって、ポリマー層と、ポリマー層が接着する被着物との密着性を高めることができる。これは、積層フィルムの接線方向Xに伸縮応力が発生するためであると考えられる。通常、ポリマー層と被着物の接着を剥がす際には法線方向Yに剥離応力がかかるが、積層フィルムがカールしていることにより、剥離応力が働く方向がフィルム表面から傾くこととなる。これにより、ポリマー層と被着物の密着性を高めることができる。
しかし、ポリマー層と機能性層の厚みに差を持たせた場合、必要以上のカールが発生し、搬送不良等を招く恐れがある。搬送不良の発生は、積層フィルムの表面が擦れ、傷がつくことにより、密着不良を起こす原因となる。そこで、本発明では、積層フィルムに緩やかなカールが付与されるような構成としている。具体的には、ポリエステルフィルムの表層領域に微粒子を集め、ポリエステルフィルムの表層の弾性率を高めることにより、必要以上のカールが発生することを制御している。また、積層フィルムの乾燥工程においては、積層フィルムの表裏に付与される乾燥風の風速を異なるようにすることができる。これにより、積層フィルムに必要以上のカールが発生することを抑制し、緩やかなカールが発生するようにしている。
本発明の積層フィルムは、ポリマー層を介してEVAフィルム等の被着物と接着する。上述したように、本発明の積層フィルムとEVAフィルムの密着性は優れており、具体的には、積層フィルムのポリマー層側をEVAフィルムに貼合した際の密着力は、4N/mm以上であることが好ましく、5N/mm以上であることがよい好ましく、6N/mm以上であることがさらに好ましい。また、積層フィルムをEVAフィルムに貼合した状態で20℃、相対湿度100%の環境下に30時間置いた後の密着力が1.5N/mm以上であることが好ましく、2N/mm以上であることがより好ましく、2.5N/mm以上であることがさらに好ましい。
<部分放電電圧>
本発明の積層フィルムの部分放電電圧をP(∨)とし、ポリエステルフィルムの平均膜厚をt(μm)とすると、P>2.4t+400となることが好ましい。なお、ここで、部分放電電圧Pの単位は∨とし、ポリエステルフィルムの平均膜厚tの単位はμmとする。部分放電電圧Pと平均膜厚tを上記のような関係とすることにより、積層フィルムの絶縁特性を高めることができる。
積層フィルムの部分放電電圧は、積層フィルムを23℃、相対湿度65%の環境下に一晩放置した後に、部分放電試験器KPD2050(菊水電子工業製)を用い、部分放電電圧を10回測定し、その平均値を算出することで求めることができる。なお試験条件は、下記の通りとする。
(1)出力シートにおける出力電圧印加パターンは、1段階目が0Vから所定の試験電圧までの単純に電圧を上昇させるパターン、2段階目が所定の試験電圧を維持するパターン、3段階目が所定の試験電圧から0Vまでの単純に電圧を降下させるパターンの3段階からなるパターンのものを選択する。
(2)周波数は50Hzとする。
(3)試験電圧は1kVとするが、部分放電が観測されなかった場合には、1kVずつ試験電圧を上昇させて、部分放電が観測されるまで測定する。
(4)1段階目の時間T1は10sec、2段階目の時間T2は2sec、3段階目の時間T3は10secとする。
(5)パルスカウントシートにおけるカウント方法は「+」(プラス)、検出レベルは50%とする。
<表面抵抗>
本発明の積層フィルムにおいて、その少なくとも一方の表面の表面抵抗R0は、1×1010〜1×1014Ω/cm2であることが好ましい。表面抵抗R0は、より好ましくは1×1011〜1×1013Ω/cm2である。
積層フィルム表面にゴミが付着すると、この上に貼り合せるEVAフィルムとの界面に隙間が生じ、密着力が低下する場合がある。しかし、本発明の積層フィルムの表面抵抗は、上記範囲内であるため、静電気の発生が抑制され、静電気の発生によるゴミの付着を抑制することができる。ポリエステルフィルム表面の表面抵抗R0が、上記の好適な範囲とすることにより、積層フィルムとEVAフィルムの密着力を高めることができ、かつ、電圧による絶縁破壊を抑制することができる。
積層フィルムの表面抵抗R0は、積層フィルムを10cm×10cmに10枚カットし、23℃、相対湿度65%の環境下で4時間以上放置した後に、表面抵抗値を測定することにより求めることができる。測定装置としては、例えば、デジタル超高抵抗/微小電流計 8340A(株式会社エーディーシー製)及びレジスティビティ・チャンバ 12702A(株式会社エーディーシー製)を用いることができる。本発明では、作製した10枚のフィルムを測定し、その平均値を算出することに表面抵抗R0を求めた。
<ポリエステルフィルム>
本発明に用いられるポリエステルフィルムは、ポリエステルを含む。ポリエステルの種類は特に制限されるものではなく、ポリエステルとして公知のものを使用することができる。
原料樹脂となるポリエステルとしては、ジカルボン酸成分と、ジオール成分とを用いて合成してもよいし、市販のポリエステルを用いてもよい。
ポリエステルを合成する場合は、例えば、(A)ジカルボン酸成分と、(B)ジオール成分とを、周知の方法でエステル化反応及び/又はエステル交換反応させることによって得ることができる。
本発明で用いることができる(A)ジカルボン酸成分および(B)ジオール成分の具体例や好ましい態様、使用量等については、特開2012−197432号公報の段落[0036]〜[0039]の記載を参照することができる。
エステル化反応及び/又はエステル交換反応には、従来から公知の反応触媒を用いることができる。本発明で用いることができる反応触媒の具体例やエステル化反応工程等については、特開2012−197432号公報の段落[0040]〜[0042]の記載を参照することができる。
また、上記ポリエステルの重合に際し、リン化合物、マグネシウム化合物等を加えることも好ましく、リン化合物およびマグネシウム化合物の具体例や添加率等については、特開2012−197432号公報の段落[0071]〜[0077]の記載を参照することができ、エステル化反応工程の好ましい条件や用いることができる添加剤等については、特開2012−197432号公報の段落[0078]〜[0085]の記載を参照することができる。
ポリエステルフィルム基材の原料樹脂として用いるポリエステル樹脂は、エステル化反応により重合した後に、固相重合を行うことが好ましい。固相重合することにより、ポリエステルの含水率、結晶化度、ポリエステルの酸価、すなわち、ポリエステルの末端カルボキシル基の濃度、固有粘度を制御することができる。固相重合時間を長くするとカルボン酸価は低下し、固相重合時間を短くするとカルボン酸価は増加する。
特に、固相重合開始時のエチレングリコール(EG)ガス濃度を固相重合終了時のEGガス濃度よりも200〜1000ppmの範囲で高くすることが好ましく、より好ましくは250〜800ppm、さらに好ましくは300〜700ppmの範囲で高くして固相重合することが好ましい。この時、平均EGガス濃度(固相重合開始時と終了時のガス濃度の平均)を添加することでAVを制御できる。即ちEG添加により末端COOHと反応させAVを低減できる。EGは100〜500ppmが好ましく、より好ましくは150〜450ppm、さらに好ましくは200〜400ppmである。
固相重合の温度は180〜230℃が好ましく、より好ましくは190〜215℃、さらに好ましくは195〜209℃である。また、固相重合時間は10〜40時間が好ましく、より好ましくは14〜35時間、さらに好ましくは18〜30時間である。
ポリエステルフィルムの末端カルボン酸価は、1〜20eq/tonであることが好ましい。末端カルボン酸価は、1eq/ton以上であることが好ましく、3eq/ton以上であることがより好ましく、5eq/ton以上であることがさらに好ましい、また、末端カルボン酸価は、20eq/ton以下であることが好ましく、18eq/ton以下であることがより好ましく、15eq/ton以下であることがさらに好ましい。このように、ポリエステルフィルムの末端カルボン酸価を上記範囲内とすることにより、微粒子を表層領域に分散させることができ、部分放電電圧を高めることができる。さらに、末端カルボン酸価を上記範囲内とすることにより、ポリエステルの粘度を適切な範囲内とすることができるため、ポリエステルフィルムおよび積層フィルム
に適度なカーブを付与することを可能とし、密着性を高めることができる。
ポリエステルフィルムの平均膜厚は、200〜300μmであることが好ましく、220〜280μmであることがより好ましい。ポリエステルフィルムの平均膜厚を上記範囲内とすることにより、積層フィルムに適度なカールを発生させることができ、また、コストメリットも得ることができる。
<微粒子>
ポリエステルフィルムは、微粒子を含む。本発明では、微粒子として、無機微粒子および有機微粒子を用いることができるが、無機微粒子を用いることが好ましい。無機微粒子としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化チタン、アルミナ、水酸化アルミニウム、ヒドロキシアパタイト、シリカ、マイカ、タルク、カオリン、クレイ、ガラス粉、アスベスト粉、ゼオライトおよび珪酸白土等といった無機質微粉体から選ばれた少なくとも1種を用いることが好ましい。中でも酸化チタン、硫酸バリウムを好ましく用いることができる。有機微粒子としては、例えば架橋構造を有するポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリメタクリレート、シリコーン樹脂、フッ素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、フェノール樹脂、ナイロン樹脂等が挙げられる。
また、得られるフィルムの反射率の向上効果を高くするという観点からは、フィルムを構成する組成物との屈折率差が大きいものが好ましく用いられる。すなわち、無機質微粉体の屈折率が大きいものが好ましい。具体的には、屈折率が1.6以上である炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタンおよび酸化亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることが更に好ましく、これらの中でも酸化チタンを用いることが特に好ましい。酸化チタンを用いることにより、より少ない充填量でフィルムに高い反射性能を付与することができ、また、薄肉でも反射性能の高いフィルムを得ることができる。
酸化チタンとしては、例えば、アナターゼ型酸化チタン及びルチル型酸化チタンのような結晶形の酸化チタンが挙げられる。高分子との屈折率差を大きくするという観点からは、屈折率が2.7以上の酸化チタンであることが好ましく、例えば、ルチル型酸化チタンの結晶形のものを用いることが好ましい。
酸化チタンの中でも純度の高い高純度酸化チタンを用いることが特に好ましい。ここで、高純度酸化チタンとは、可視光に対する光吸収能が小さい酸化チタンであり、バナジウム、鉄、ニオブ、銅、マンガン等の着色元素の含有量が少ないものをいう。なお、本明細書においては、酸化チタンに含まれるバナジウムの含有率が5ppm以下である酸化チタンを高純度酸化チタンという。高純度酸化チタンは、光吸収能を小さくするという観点からは、酸化チタンに含まれる、鉄、ニオブ、銅、マンガン等の着色元素も少なくすることが好ましい。
また、微粒子の高分子への分散性を向上させるために、充填剤の表面に、シリコーン系化合物、多価アルコール系化合物、アミン系化合物、脂肪酸、脂肪酸エステル等で表面処理を施しても良い。例えば、酸化チタンの脂肪族ポリエステル樹脂への分散性を向上させ、かつ、酸化チタンの光触媒活性を抑制するために、酸化チタンの表面に表面処理を施しても良い。表面処理剤としては、例えば、アルミナ、シリカおよびジルコニア等からなる群から選ばれた少なくとも1種の無機化合物、シロキサン化合物、シランカップリング剤、ポリオールおよびポリエチレングリコールからなる群から選ばれた少なくとも1種の有機化合物等を用いることができる。また、これらの無機化合物と有機化合物とを組み合わせて用いてもよい。
微粒子として、無機微粒子と有機微粒子とを組み合わせて使用してもよい。また、微粒子は複数種類を併用することができ、例えば、酸化チタンと他の充填剤、高純度酸化チタンと他の微粒子とを併用してもよい。
上述したように、微粒子の含有率はポリエステルフィルム中に含まれるポリエステルに対して、0.3〜5質量%である。微粒子の含有率は、ポリエステルフィルム中に含まれるポリエステルの総質量に対する微粒子の質量の割合で表される。具体的には、微粒子の含有率は、ポリエステルフィルムの加熱前後の重さを精秤することで算出することができる。具体的には、ポリエステルフィルムをXg精秤し、次いでそのフィルムを空気中、900℃3時間の条件で加熱し、加熱後の重さをYgとすると、無機微粒子の含有率(質量%)は、100×(X−Y)/Xで算出することができる。
また、有機微粒子の含有率は、ポリエステルフィルムを溶解し、その溶解液に含まれる有機微粒子を捕集し、精秤することにより算出することができる。具体的には、ポリエステルフィルムをPg精秤し、これをHFIP(ヘキサフルオロイソプロパノール)50mlに溶解する。この溶液を14000rpmで30分間遠心分離を行い、有機微粒子を捕集する。捕集した有機微粒子を精秤したテフロン(登録商標)製の孔径0.2μmのフィルター(Qg)でろ過し、HFIPで洗浄しながら乾燥し、精秤する(Rg)。有機微粒子の含有率(質量%)は、100×(R−Q)/Pで算出することができる。
本発明に用いられる微粒子の粒径は0.1〜3μmであることが好ましい。微粒子の粒径は0.15〜2μmであることがより好ましく、0.2〜1μmであることがさらに好ましい。微粒子の粒径を上記範囲内とすることにより、樹脂と微粒子の界面(比晶面積/粒子の単位重量あたりの表面積)を好ましい状態にすることができ、部分放電電圧向上効果を得ることができる。
<カルボジイミド化合物および/またはケテンイミン化合物>
本発明の積層フィルムを構成するポリエステルフィルムは、カルボジイミド化合物および/またはケテンイミン化合物を含むことが好ましい。カルボジイミド化合物またはケテンイミン化合物は単独で用いても良く、両者を併用して用いても良い。
ポリエステルの末端カルボン酸および水酸基は極性が高く、水が吸着し、部分放電が低下しやすい傾向にある。しかし、ポリエステルフィルムがカルボジイミド化合物および/またはケテンイミン化合物を含有することにより、これらの化合物がポリエステルの末端カルボン酸および水酸基と反応し、末端封止剤として機能する。これにより、部分放電が低下することを抑制することができる。特に、部分放電電圧が低下しやすいサーモ処理後においても高い部分放電電圧を維持することができ、絶縁性を発揮することができる。
カルボジイミド化合物および/またはケテンイミン化合物は、ポリエステルに対して、0.1質量%〜10質量%含有されていることが好ましく、0.1〜4質量%含有されていることがより好ましく、0.1〜2質量%含有されていることがさらに好ましい。カルボジイミド化合物および/またはケテンイミン化合物の含有率を上記範囲内とすることにより、ポリエステルフィルムの層間の密着性およびポリエステルフィルムとポリマー層間の密着性を高めることができる。また、ポリエステルフィルムの耐熱性を高めることができる。
なお、カルボジイミド化合物とケテンイミン化合物が併用される場合は、2種類の化合物の含有率の合計が、上記範囲内であることが好ましい。
<カルボジイミド化合物>
カルボジイミド化合物としては、分子中に1個以上のカルボジイミド基を有する化合物(ポリカルボジイミド化合物を含む)が挙げられ、具体的には、モノカルボジイミド化合物として、ジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジメチルカルボジイミド、ジイソブチルカルボジイミド、ジオクチルカルボジイミド、t−ブチルイソプロピルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、ジ−t−ブチルカルボジイミド、ジ−β−ナフチルカルボジイミド、N,N’−ジ−2,6−ジイソプロピルフェニルカルボジイミドなどが例示される。ポリカルボジイミド化合物としては、その重合度が、下限が通常2以上、好ましくは4以上であり、上限が通常40以下、好ましくは、30以下であるものが使用され、米国特許第2941956号明細書、特公昭47−33279号公報、J.Org.Chem.28巻、p2069−2075(1963)、及びChemical Review 1981、81巻、第4号、p.619−621等に記載された方法により製造されたものが挙げられる。
工業的に入手可能な具体的なポリカルボジイミドとしては、カルボジライトHMV−8CA(日清紡製)、カルボジライト LA−1(日清紡製)、スタバクゾールP(ラインケミー社製)、スタバクゾールP100(ラインケミー社製)、スタバクゾールP400(ラインケミー社製)、スタビライザー9000(ラシヒケミ社製)などが例示される。カルボジイミド化合物は単独で使用することもできるが、複数の化合物を混合して使用することもできる。
<環状カルボジイミド化合物>
本発明のポリエステルフィルムは、環状カルボジイミド化合物を含有してもよい。環骨格にカルボジイミド基を1つ含み、その第一窒素と第二窒素が結合基により結合されている環状構造を分子内に少なくとも1つ有する環状カルボジイミド化合物は、環状封止剤として機能する。環状カルボジイミド化合物は、国際公開2011/093478号パンフレットに記載された方法によって調製することができる。
本発明で用いる環状カルボジイミド化合物の具体例としては、以下の化合物が挙げられる。但し、本発明は以下の具体例により限定されるものではない。
Figure 0006067492
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<ケテンイミン化合物>
本発明で用いるケテンイミン化合物は、ケテンイミン基を少なくとも1つ有する化合物であり、例えば、J.Am.Chem.Soc.,1953,75(3),pp657−660記載の方法などを参考にして合成することができる。
本発明で用いるケテンイミン化合物の好ましい具体例を示すが、本発明はこれに限定されない。
Figure 0006067492
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<ポリマー層>
本発明の積層フィルムは、ポリエステルフィルムの一方の面上にポリマー層を有する。ポリマー層には、ポリオレフィン樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂またはポリアミド樹脂が含まれることが好ましい。中でも、ポリオレフィン樹脂およびアクリル樹脂の少なくともいずれかを含むことが好ましい。
[ポリオレフィン樹脂]
本発明に用いることができるポリオレフィン樹脂はポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィンを主鎖骨格に持つ樹脂である。主鎖の具体例としてはエチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−プロピレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−ブテン−無水マレイン酸および/または−(メタ)アクリル酸共重合体、プロピレン−ブテン−無水マレイン酸および/または−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体などが挙げられる。中でも、(メタ)アクリル酸を共重合したものが好ましく、特にオレフィンとメタアクリル酸を共重合したアイオノマータイプの樹脂が好ましい。
本発明で用いることができるポリオレフィン樹脂の形状や使用態様については、ポリマー層を形成できれば特に制限はない。例えば、水分散可能なオレフィン樹脂であっても、溶融可能なオレフィン樹脂であってもよい。また、結晶性のオレフィン樹脂であっても、非結晶性のオレフィン樹脂であってもよい。
また、本発明においては、酸変性ポリオレフィン樹脂を用いることもできる。酸変性ポリオレフィン樹脂は、不飽和カルボン酸またはその無水物により酸変性された樹脂である。不飽和カルボン酸成分としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等のほか、不飽和ジカルボン酸のハーフエステル、ハーフアミド等が挙げられる。中でもアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸が好ましく、特にアクリル酸、無水マレイン酸が好ましい。
不飽和カルボン酸成分は、酸変性ポリオレフィン樹脂中に共重合されていればよく、その形態は限定されず、共重合の状態としては、例えば、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合(グラフト変性)などが挙げられる。
酸変性ポリオレフィン樹脂における不飽和カルボン酸またはその無水物の含有量は、0.1〜10質量%であり、0.5〜8質量%が好ましく、1〜5質量%がより好ましく、2〜4質量%がさらに好ましい。含有量が0.1質量未満の場合は水性分散体とすることが困難であり、10質量%を超える場合は耐候性が低下する傾向にある。
本発明において酸変性ポリオレフィン樹脂は、ポリマー層が十分な接着性を発揮できるようにするために、不飽和カルボン酸エステルまたは(メタ)アクリル酸エステル成分を含有していることが好ましい。
不飽和カルボン酸エステル成分としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等のエステル成分が好ましい。中でもアクリル酸、メタクリル酸エステル成分が好ましい。
また、(メタ)アクリル酸エステル成分としては、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜30のアルコールとのエステル化物が挙げられ、中でも入手のし易さの点から、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜20のアルコールとのエステル化物が好ましい。
(メタ)アクリル酸エステル成分の具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸ステアリル等が挙げられる。これらの混合物を用いてもよい。この中で、入手の容易さと接着性の点から、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチルがより好ましく、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルがより好ましく、アクリル酸エチルが特に好ましい。なお、「(メタ)アクリル酸〜」とは、「アクリル酸〜またはメタクリル酸〜」を意味する。
酸変性ポリオレフィン樹脂における不飽和カルボン酸エステルまたは(メタ)アクリル酸エステル成分の含有量は、0.1〜25質量%であることが好ましく、1〜20質量%であることがより好ましく、2〜18質量%であることがさらに好ましく、3〜15質量%であることが特に好ましい。不飽和カルボン酸エステルまたは(メタ)アクリル酸エステル成分の含有量を上記範囲内とすることにより、接着性を高めつつも、耐候性や耐酸性を高めることができる。
不飽和カルボン酸エステルまたは(メタ)アクリル酸エステル成分は、酸変性ポリオレフィン樹脂中に共重合されていればよく、その形態は限定されず、共重合の状態としては、例えば、ランダム共重合、ブロック共重合、グラフト共重合(グラフト変性)等が挙げられる。中でも、酸変性ポリオレフィン樹脂は、エチレン−不飽和カルボン酸エステル−不飽和カルボン酸又はその無水物の三元共重合体であることが好ましく、特に、酸変性ポリオレフィン樹脂は、エチレン−アクリル酸エステル−アクリル酸又はその無水物、又は、エチレン−メタアクリル酸エステル−アクリル酸又はその無水物の三元共重合体であることが好ましい。
酸変性ポリオレフィン樹脂の具体例としては、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−プロピレン−(メタ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−ブテン−(メタ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体、プロピレン−ブテン−(メタ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−(メタ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−プロピレン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−ブテン−無水マレイン酸共重合体、プロピレン−ブテン−無水マレイン酸共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−無水マレイン酸共重合体などが挙げられ、中でもエチレン−(メタ)アクリル酸エステル−無水マレイン酸共重合体が最も好ましい。共重合体の形態はランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体等のいずれでもよいが、入手が容易という点でランダム共重合体、グラフト共重合体が好ましい。
本発明において、酸変性ポリオレフィン樹脂は、耐候性や耐酸性を良好にし、さらには接着層を薄くし易くするため、水性分散体とすることが好ましい。
また、各種性能面やコーティングする際の厚みを均一にしやすいなどの理由から、水性分散体中の酸変性ポリオレフィン樹脂の数平均粒子径が1μm以下であることが好ましく、0.5μm以下であることがより好ましく、0.2μm以下であることがさらに好ましく、0.1μm以下であることが特に好ましい。ポリオレフィン樹脂の中でも、ポリエステルと非相容でミクロ分散が可能なポリオレフィン構造を選択すれば、リサイクル性をより高めることができる。
上述したようなポリオレフィン樹脂としては、商業的に入手できるものを用いてもよい。商業的に入手できるポリオレフィン樹脂としては、例えば、アローベースSE−1010、SE−1013N、SD−1010、TC−4010、TD−4010(以上ユニチカ(株)製)、ハイテックS3148、S3121、S8512(以上東邦化学(株)製)、ケミパールS−120、S−75N、V100、EV210H(以上三井化学(株)製)、などを挙げることができる。その中でも、本発明ではアローベースSE−1013N、ユニチカ(株)製を用いることが好ましい。
ポリオレフィン樹脂は、ポリマー層に含まれるバインダー樹脂の総質量に対して、10〜90質量%含まれることが好ましく、15〜85質量%含まれることがより好ましく、20〜80質量%含まれることがさらに好ましい。ポリオレフィン樹脂を上記範囲内となるように含有することにより、ポリマー層とEVAフィルム等の被着物との密着性をより効果的に高めることができる。
[アクリル樹脂]
本発明に用いることができるアクリル樹脂は、ポリメチルメタクリレート、ポリエチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート等のアクリルモノマーが重合したポリマーであり、必要に応じてアクリル酸、メタクリル酸などが共重合したものであってもよい。アクリル樹脂の例としては、ジュリマーET410、ジュリマーSEK301、ジュリマーFC30(いずれも日本純薬(株)製)などを挙げることができる。
アクリル樹脂は、ポリマー層に含まれるバインダー樹脂の総質量に対して、10〜90質量%含まれることが好ましく、15〜85質量%含まれることがより好ましく、20〜80質量%含まれることがさらに好ましい。
なお、アクリル樹脂やポリオレフィン樹脂は単独で用いてもよく、これらの2種を併用して用いてもよい。さらに、他のバインダー樹脂を混合してもよい。2種類以上のバインダー樹脂を併用する場合、併用したバインダー樹脂の合計が上記範囲内となることが好ましい。なお、上記範囲内となるようにバインダー樹脂を含有することにより、ポリマー層とEVAフィルム等の被着物との密着性をより効果的に高めることができる。
[ポリエステル樹脂]
本発明に用いることができるポリエステル樹脂は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレート(PEN)等のポリエステルがあり、バイロナールMD−1245(東洋紡(株)製)などが挙げられる。
[その他の添加剤等]
ポリマー層は、アニオン系やノニオン系等の界面活性剤を含有することが好ましい。中でもノニオン系界面活性剤を含有することが好ましい。
界面活性剤を添加する場合、アニオン性界面活性剤またはカチオン性界面活性剤の含有率は、ポリマー層の全質量に対して0.01〜2.0質量%であることが好ましく、0.1〜1.8質量%であることがより好ましく、0.1〜1.5質量%であることがさらに好ましい。界面活性剤の含有率を上記範囲内とすることにより、ハジキの発生を抑えて良好な層形成とすることができ、被着物との接着性を高めることができる。
また、ポリマー層に架橋剤を含有させると、ポリエステルフィルムとの密着性を向上させることができ好ましい。架橋剤としては、エポキシ系、イソシアネート系、オキサゾリン系、カルボジイミド系等の架橋剤を挙げることができる。これらの架橋剤のうち、経時後の接着性を確保する観点から、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤が特に好ましく用いられる。
架橋剤の含有率としては、保護層を構成するバインダーに対して、5質量%〜40質量%が好ましく、10質量%〜30質量%がより好ましい。架橋剤の含有量が、5質量%以上であると、接着性を保持しながら充分な架橋効果が得られ、40質量%以下とすると塗布液のポットライフをより長く保つことができる。
ポリマー層には、その他添加剤を加えてもよく、添加剤の具体例や添加量、例えば特開2012−197432号公報の段落[0101]〜[0103]の記載を参照することができる。
本発明では、ポリマー層の平均膜厚は、0.03μm以上であればよく、0.05μm以上であることが好ましく、0.07μm以上であることがより好ましい。また、ポリマー層の平均膜厚は、0.5μm以下であればよく、0.4μm以下であることが好ましく、0.3μm以下であることがより好ましい。ポリマー層の平均膜厚を上記範囲内とすることにより、ポリエステルフィルムとポリマー層の密着性と高め、さらに、ポリマー層とEVAフィルム等の被着物との密着性を効果的に高めることができる。
なお、ポリマー層の厚みは、積層フィルムのフィルム断面を、ミクロトームを用い切削し、これをTEMによって、ポリマー層が1〜2cmとなるように観察し求めることができる。
<機能性層>
本発明の積層フィルムは、機能性層を有する。機能性層としては、保護層(耐傷層、耐候層)などを設けることが好ましい。
[シリコーン樹脂]
本発明の保護層は、シリコーン樹脂を含むことが好ましい。中でも、シリコーン−アクリル複合樹脂を用いることが好ましく、このような樹脂を用いることにより、耐候性を高めることができる。アクリルとシリコーンの複合樹脂の例としては、セラネートWSA1060、WSA1070〔共にDIC(株)製〕とH7620、H7630、H7650〔共に旭化成ケミカルズ(株)製〕が挙げられる。
本発明の保護層には、シリコーン樹脂として、コロイダルシリカを添加してもよい。本発明で使用できるコロイダルシリカは、ケイ素酸化物を主成分とする微粒子が水または単価のアルコール類またはジオール類またはこれらの混合物を分散媒として微粒子状態で存在するものである。
コロイダルシリカ粒子の粒子径は平均一次粒径が数nm〜100nm程度であることが好ましい。また、コロイダルシリカ粒子の形状は球形であってもよいし、これらが数珠状に連結したものでもよい。
コロイダルシリカ粒子の具体的としては、たとえば日産化学工業社製のスノーテックスST−20、ST−30、ST−40、ST−C、ST−N、ST−20L、ST−O、ST−OL、ST−S、ST−XS、ST−XL、ST−YL、ST−ZL、ST−OZL、ST−AK、スノーテックス−AKシリーズ、スノーテックス−PSシリーズ、スノーテックス−UP等を挙げることができる。
[フッ素系樹脂]
本発明の保護層は、耐久性の観点からフッ素系樹脂を含むことが好ましい。本発明で好ましく用いることができるフッ素系樹脂は、主鎖又は側鎖にフッ素含有モノマーを含むポリマーである。フッ素含有モノマーは主鎖、側鎖のどちらに含まれていてもよいが、耐久性の観点から主鎖に含まれている事が好ましい。フッ素を含むモノマーの具体例としては、4フッ化エチレン、塩化3フッ化エチレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、ヘキサフロロプロピレン、フッ素含有アルキルビニルエーテル(例:パーフロロエチルビニルエーテル)、フッ素含有エステル等(パーフロロブチルメタクリレート等)がある。
本発明におけるフッ素系樹脂は必要に応じて非フッ素含有モノマーを共重合してもよい。これらのモノマーの具体例としてはエチレン、アルキルビニルエーテル(例:エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル)、カルボン酸(例:アクリル酸、メタクリル酸、ヒドロキシブチメビニルエーテル等)がある。
本発明におけるフッ素系樹脂のフッ素含有モノマーの割合は30質量%〜98質量%、より好ましくは40〜80質量%が好ましい。フッ素含有モノマーの割合を上記範囲内とすることにより、耐久性を高めることができ、かつ重合反応を安定させることができる。
本発明のフッ素系樹脂の具体例としては4フッ化エチレン/エチレン共重合体、4フッ化エチレン/エチレン/アクリル酸共重合体、6フッ化プルピレン/4フッ化エチレン共重合体、6フッ化プルピレン/4フッ化エチレン/エチレン共重合体、塩化3フッ化エチレン/パーフロロエチルビニルエーテル共重合体、塩化3フッ化エチレン/パーフロロエチルビニルエーテル/メタクリル酸共重合体、塩化3フッ化エチレン/エチルビニルエーテル共重合体、塩化3フッ化エチレン/エチルビニルエーテル/メタクリル酸共重合体、フッ化ビニリデン/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、フッ化ビニル/エチルアクリレート/アクリル酸共重合体等が挙げられる。
本発明のフッ素系樹脂は水系のポリマー分散物(いわゆるラテックス)の形で使用することが好ましい。本発明のフッ素系樹脂をラテックスの形態にする方法には特に制限がなく重合したポリマーを水中で乳化する方法、乳化重合により水中で重合する方法等がある。
乳化重合の方法には特に制限はなく、公知の乳化重合の方法を用いることができる。
例えば重合開始剤として、過硫酸カリ、過硫酸アンモニウム、アゾビスイソブチロニトリルなどの公知の重合開始剤を用いることができる。また、乳化剤として公知の界面活性剤を用いることができるが、CF3CF2CF2C(CF32CH2CH2COONH4、CF3CF2CF2C(CF32CH2CH2Na、CF3CF2CF2C(CF32CH2CH2NH4のようなフッ素系界面活性剤は特に好ましい。
本発明で使用できるフッ素系樹脂は市販されているものもある。市販品の具体例としては、ルミフロンLF200(旭硝子(株)製)、ゼッフルGK570(ダイキン工業(株)製)、オブリガードSW0011F(AGCコーテック(株)製)等がある。
[その他の添加剤等]
機能性層は、アニオン系やノニオン系等の界面活性剤を含有することが好ましい。中でもノニオン系界面活性剤を含有することが好ましい。
界面活性剤を添加する場合、アニオン性界面活性剤またはカチオン性界面活性剤の含有率は、機能性層の全質量に対して0.01〜2.0質量%であることが好ましく、0.03〜0.7質量%であることがより好ましく、0.05〜0.4質量%であることがさらに好ましい。界面活性剤の含有率を上記範囲内とすることにより、部分放電電圧を高くすることができ、密着性を良好にすることができる。
フッ素系樹脂をラテックス形態で使用する場合、安定性を向上させるために界面活性剤は好ましく用いられる。さらに、必要に応じてpH調整剤(例:アンモニア、トリエチルアミン、炭酸水素ナトリウム等)、防腐剤(例:1、3、5−ヘキサヒドロ――(2−ヒドロキシエチル)―s―トリアジン、2−(4−チアゾリル)ベンズイミダゾール等)、増粘剤(例:ポリアクリル酸ナトリウム、メチルセルロース等)、造膜助剤(例:ブチルカルビトールアセテート等)等のラテックスの添加剤として公知の化合物を添加してもよい。
また、機能性層には、ポリエステルフィルムとの接着性を向上させるために、架橋剤を添加することが好ましい。架橋剤としては、エポキシ系、イソシアネート系、オキサゾリン系、カルボジイミド系等の架橋剤を挙げることができる。これらの架橋剤のうち、経時後の接着性を確保する観点から、カルボジイミド系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤が特に好ましく用いられる。
架橋剤の含有率としては、機能性層の全質量に対して、5質量%〜40質量%が好ましく、10質量%〜30質量%がより好ましい。架橋剤の含有量が、5質量%以上であると、接着性を保持しながら充分な架橋効果が得られ、40質量%以下とすると塗布液のポットライフをより長く保つことができる。
さらに、機能性層には必要に応じてすべり剤を添加してもよい。すべり剤としては、例えば、合成ワックス系化合物、天然ワックス系化合物、界面活性剤系化合物、無機系化合物、有機樹脂系化合物などが挙げられる。中でも、ポリマー層の表面強度の点で、合成ワックス系化合物、天然ワックス系化合物、及び界面活性剤系化合物から選ばれる化合物が好ましい。
合成ワックス系化合物としては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等のオレフィン系ワックス、ステアリン酸、オレイン酸、エルカ酸、ラウリン酸、ベヘン酸、パルミチン酸、アジピン酸などのエステル、アミド、ビスアミド、ケトン、金属塩及びその誘導体、フィッシャートロプシュワックスなどの合成炭化水素系ワックス、リン酸エステル、硬化ヒマシ油、硬化ヒマシ油誘導体の水素化ワックスなどが挙げられる。
天然ワックス系化合物としては、例えば、カルナバワックス、キャンデリラワックス、木蝋などの植物系ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの石油系ワックス、モンタンワックスなどの鉱物系ワックス、蜜蝋、ラノリンなどの動物系ワックスなどが挙げられる。
界面活性剤系化合物としては、例えば、アルキルアミン塩などのカチオン系界面活性剤、アルキル硫酸エステル塩などのアニオン系界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどのノニオン系界面活性剤、アルキルベタインなどの両性系界面活性剤、フッ素系界面活性剤などが挙げられる。
本発明では、機能性層の平均膜厚は、4.0μm以上であればよく、4.5μm以上であることが好ましく、5.0μm以上であることがより好まし。また、機能性層の平均膜厚は、8.0μm以下であればよく、7.5μm以下であることが好ましく、7.0μm以下であることがより好ましい。機能性層の平均膜厚を上記範囲内とすることにより、積層フィルム全体に所望のカールを発生させることができ、ポリマー層とEVAフィルム等の被着物との密着性を効果的に高めることができる。
(製造方法)
本発明の積層フィルムの製造方法は、ポリエステルフィルムを得る工程と、ポリエステルフィルムの一方の面にポリマー層を0.03〜0.5μmの平均膜厚となるように形成する工程と、ポリエステルフィルムの他方の面に機能性層を4.0〜8.0μmの平均膜厚となるように機能性層を形成する工程を含む。ここで、ポリエステルフィルムを得る工程は、ポリエステル樹脂と、ポリエステル樹脂に対して0.3〜5.0質量%の微粒子を混合し、シート状に押し出す押出工程を含み、押出工程では、0.5〜30MPaの押出圧力が付与される。
以下において、各製造工程について説明する。
(ポリエステルフィルムの製造工程)
ポリエステルフィルムの製造工程においては、ポリエステル樹脂と他の添加物を混合したマスターペレットを調整することが好ましい。マスターペレットの調製に用いるポリエステル樹脂は、ジオールとジカルボン酸を常法に従い重縮合した後、ペレット状に加工される。また、ポリエステルフィルムに含まれる微粒子やカルボジイミド化合物やケテンイミン化合物等の末端封止剤も、必要に応じてマスターペレットに混合されることが好ましい。カルボジイミドやケテンイミン化合物等の末端封止剤は、直接押出し機に添加しても良いが、予めポリエステルとマスターバッチを形成し押出し機に投入することが、押出し安定性の観点から好ましい。
マスターペレットを調整する工程では、乾燥工程を設けることが好ましく、微粒子または末端封止剤、ポリエステル樹脂等の組成物を真空中あるいは熱風中で乾燥する。乾燥工程では、これらの組成物中の含水率を100ppm以下、より好ましくは80ppm以下、さらに好ましくは60ppm以下にすることが好ましい。この時の乾燥温度は80〜200℃が好ましく、より好ましくは100〜180℃、さらに好ましくは110〜170℃である。乾燥時間は、上記含水率になるように適宜調整することができる。
次いで、乾燥した微粒子またはポリエステルを混練し、高濃度に微粒子が分散したマスターペレットを作成する。マスターペレット中の微粒子または末端封止剤の添加剤濃度は、フィルムでの使用濃度の1.5〜20倍が好ましく、より好ましくは2〜15倍、さらに好ましくは3〜10倍である。添加濃度を目的とする濃度よりも高くするのは、次工程の製膜工程で、ポリエステルペレットによって希釈されて目的濃度となるためである。
混練には、単軸押出し機、2軸押出し機、バンバリーミキサー、ブラベンダー等の各種混練機を使用できる。中でも2軸押出し機を用いることが好ましい。混練温度はポリエステル樹脂の結晶融解温度(Tm)以上Tm+80℃以下が好ましく、より好ましくはTm+10〜Tm+70℃、さらに好ましくはTm+20〜Tm+60℃である。混練雰囲気は、空気中、真空中、不活性気流中いずれでも良いが、より好ましくは真空中、不活性気流中である。混練時間は1〜20分、より好ましくは2〜18分、さらに好ましくは3〜15分である。混練した樹脂はストランド状に押出し、空気中あるいは水中で冷却、固化した後に裁断しペレット化する。
マスターペレットは、樹脂温度の最高到達温度が300℃程度になるよう加熱され、溶融される。その後、溶融樹脂(メルト)は、ダイを通して冷却ロール上にシート状となるように押出される(押出工程)。溶融樹脂は冷却ロール上で固化し、このようにして得られたフィルムは、キャストフィルム(未延伸原反)となる。溶融樹脂は、メルト配管を通し、ギアポンプ、濾過器を通すことが好ましい。またメルト配管中にスタチックミキサーを設け、樹脂と添加物の混合を促すことも好ましい。
なお、末端封止剤の分解を抑止するためにも、上記のような押出しは真空排気や不活性ガス雰囲気下で行なうことが好ましい。
溶融樹脂の押出工程では、0.5〜30MPaの押出圧力が付与されることが好ましい。押出圧力は、0.5MPa以上であることが好ましく、2MPa以上であることがより好ましく、5MPa以上であることがさらに好ましい。また、押出圧力は、30MPa以下であることが好ましく、25MPa以下であることがより好ましく、15MPa以下であることがさらに好ましい。押出工程において、上記範囲内の押出圧力を付与することにより、ポリエステルフィルムの表層領域に微粒子を局在化させることができる。なお、押出圧力を上記下限値未満とすると、粒子を押出す力が弱く、ポリエステルフィルムの表面に粒子を局在化させることができない。一方、押出圧力が上記上限値を超えると、溶融樹脂がダイリップに触れてしまい、ポリエステルフィルムの表面に傷が付く恐れが生じるため好ましくない。
このように、溶融樹脂の押出工程で、0.5〜30MPaの押出圧力を付与することによって、ダイを通して溶融樹脂が吐き出される際に、溶融樹脂を外側に向かって膨張させることができる。すなわち、溶融樹脂はダイリップを通過した直後に、ダイ出口で押出圧力から解放され、ダイリップの間隔よりも広がるように膨張する。この時、ダイリップを通過した直後の溶融樹脂には、シート状の溶融樹脂の両表面に向かって内部から圧力がかかることとなる。この圧力の流れによって、溶融樹脂中に存在する微粒子がフィルムの両表面に向かって拡散する。その後、溶融樹脂の膨張は収まり、冷却ロール上にキャストされ固化する。なお、この固化の過程においては、樹脂の内部に変則的な圧力が付与されることはないため、フィルムの両表面に拡散した微粒子はそのまま表面領域に存在することとなる。このようにして、ポリエステルフィルムの表層領域に微粒子を偏在させることができる。
さらに、押出工程では、押出圧力に1〜10%の変動を付与することが好ましい。押出圧力の変動は1%以上であることが好ましく、1.5%以上であることがより好ましく、2%以上であることがさらに好ましい。また、押出圧力の変動は10%以下であることが好ましく、9%以下であることがより好ましく、8%以下であることがさらに好ましい。ここで、押出圧力の変動とは、ダイリップを通過する際に溶融樹脂に付与される圧力を1分間測定し、その圧力の最大値と最小値の差を平均値で割り百分率で表したものをいう。押出圧力の変動を上記範囲内とすることにより、溶融樹脂がダイリップに付着することを抑制することができる。すなわち、溶融樹脂がダイ出口で膨張しすぎることを抑制することができるため、溶融樹脂がダイリップに付着することを抑制できる。これにより、ポリエステルフィルムの表面に傷や凹凸が付くことをより効果的に防ぐことができる。
本発明で用いるキャストドラムの温度は0〜60℃が好ましく、より好ましくは5〜55℃、さらに好ましくは10〜50℃である。この時、溶融樹脂とキャストドラムの密着を向上させ平面性を向上させるため、静電印加法、エアナイフ法、キャストドラム上への水被覆等の等を用いることも好ましい。
<延伸工程>
フィルム形成工程によって形成された(未延伸)フィルムは、延伸工程において、延伸処理を施すことができる。延伸は縦方向(MD)、横方向(TD)の少なくとも一方に行なうことが好ましく、より好ましくは、MD、TDの両方延伸を行なうことが、フィルムの物性にバランスが取れ好ましい。このような2方向延伸は、縦、横逐次におこなっても良く、同時に実施しても良い。延伸工程においては、冷却ロールで冷却固化させた(未延伸)フィルムに1つまたは2つの方向に延伸されることが好ましく、2つの方向に延伸されることがより好ましい。2つの方向への延伸(二軸延伸)は、長手方向(MD:Machine Direction)の延伸(以下「縦延伸」ともいう)及び幅方向(TD:Transverse Direction)の延伸(以下、「横延伸」ともいう)であることが好ましい。当該縦延伸、横延伸は各々1回で行っても良く、複数回に亘って実施しても良く、同時に縦、横に延伸してもよい。
延伸処理は、フィルムのガラス温度(Tg)℃〜(Tg+60)℃で行うのが好ましく、より好ましくはTg+3℃〜Tg+40℃、さらに好ましくはTg+5℃〜Tg+30℃である。この時、上述のように温度分布を付与することが好ましい。
好ましい延伸倍率は少なくとも一方に280%〜500%、より好ましくは300%〜480%、さらに好ましくは320%〜460%である。二軸延伸の場合、縦、横均等に延伸してもよいが、一方の延伸倍率を他方より大きくし不均等に延伸するほうがより好ましい。縦(MD)、横(TD)いずれを大きくしてもよい。ここで云う延伸倍率は、以下の式を用いて求めたものである。
延伸倍率(%)=100×{(延伸後の長さ)/(延伸前の長さ)}
二軸延伸処理は、例えば、フィルムのガラス転移温度である(Tg1)℃〜(Tg1+60)℃で長手方向に1回もしくは2回以上、合計の倍率が3倍〜6倍になるよう延伸し、その後、(Tg1)℃〜(Tg+60)℃で幅方向に倍率が3〜5倍になるよう施すことができる。
縦二軸延伸処理は出口側の周速を速くした2対以上のニップロールを用いて、長手方向に延伸することができ(縦延伸)、またチャックで幅方向を把持した後、このチャック間の長手方向の間隔を広げることで延伸しても良い。
横延伸はフィルムの両端をチャックで把持しこれを直交方向(長手方向と直角方向)に広げておこなうことができる(横延伸)。
同時延伸は、チャックで把持したあと、長手方向にチャック間隔を拡げる操作と、幅方向にチャック間隔を拡げる操作を組み合わせることで実施できる。
これらの延伸工程に、後述するポリマー層の塗布工程を組み合わせることが好ましい。ポリマー層は、このような延伸工程の前や延伸工程の間の工程において、塗布によりポリエステルフィルムの表面に形成される。すなわち、本発明では、塗布液を塗布し接着層を形成したポリエステルフィルム基材を少なくとも1回延伸することが好ましい。
例えば、延伸工程と塗布工程は、下記のような組合せで実施することができる。
(a)縦延伸→塗布→横延伸
(b)塗布→縦延伸→横延伸
(c)塗布→縦、横同時延伸
(d)縦延伸→横延伸→塗布→縦延伸
(e)縦延伸→横延伸→塗布→横延伸
この中で好ましいのが(a)、(b)、(c)であり、さらに好ましいのが(a)である。この手法が最も密着力が高く、設備もコンパクトとなり好ましい。
延伸工程においては、延伸処理の前又はその後、好ましくは延伸処理後に、フィルムに熱処理を施すことができる。熱処理を施すことによって、微結晶を生成し、力学特性や耐久性を向上させることができる。180〜225℃程度(更に好ましくは、185〜210℃)で1〜60秒間(更に好ましくは2〜30秒間)の熱処理をフィルムに施してもよい。
延伸工程においては、熱処理後、熱緩和処理を施すことができる。熱緩和処理とは、フィルムに対して応力緩和のために熱を加えて、フィルムを収縮させる処理である。熱緩和処理は、フィルムのMD及びTDの両方向に施すことが好ましい。熱緩和処理における諸条件は、熱処理温度より低い温度で処理することが好ましく、130℃〜220℃が好ましい。また、熱緩和処理は、フィルムの熱収縮率(150℃)がMD及びTDがいずれも1〜12%であることが好ましく、1〜10%が更に好ましい。尚、熱収縮率(150℃)は、測定方向350mm、幅50mmのサンプルを切り出し、サンプルの長手方向の両端近傍300mm間隔に標点を付け、150℃の温度に調整されたオーブンに一端を固定、他端をフリーで30分間放置し、その後、室温で標点間距離を測定し、この長さをL(mm)とし、かかる測定値を用いて、下記式にて熱収縮率を求めることができる。
150℃熱収縮率(%)=100×(300−L)/300
また、熱収縮率が正の場合は縮みを、負は伸びを表わす。
(積層フィルムの製造方法)
<ポリマー層の塗工工程>
本発明の積層フィルムの製造方法においては、上記のようなポリエステルフィルムの作製工程の後に、ポリエステルフィルムの一方の面にポリマー層を形成する工程を設ける。ポリマー層の塗工は、押出しから熱固定の間に、ポリマー層を形成する塗工液を塗布することによって行われることが好ましい。なお、本発明では、塗工液を塗布した後に少なくとも1回の延伸を行うことが好ましい。このように、塗工液を塗布した後に延伸を行うことによって、ポリマー層を薄膜化することができる。これにより、ポリマー層の厚さを0.01〜0.5μmとすることができる。また、塗工液を塗布した後に延伸を行うことによって、フィルム基材とポリマー層との密着性を向上させることができる。これは、延伸中にフィルム基材の表面の分子が切断して発生したラジカルにより塗布成分と化学結合を発現させ、密着をより効果的に発現できる効果も有すると考えられる。
フィルム基材の表面にポリマー層を形成する塗工液を塗工する方法としては、例えば、バーコート法、ロールコート法、ナイフエッジコート法、グラビアコート法、カーテンコート法等の公知の塗布技術を用いることができる。
ポリマー層の塗設に先立ち、ポリエステルフィルム基材に表面処理を行うことも好ましく、例えばコロナ処理、火炎処理、紫外線処理、グロー処理、大気圧プラズマ処理等を挙げることができる。
<機能性層の塗工工程>
本発明の積層フィルムの製造方法においては、上記のようなポリエステルフィルムの作製工程の後に、ポリエステルフィルムの他方の面に機能性層を形成する工程を設ける。機能性層の塗工は、ポリエステルフィルムの上に、機能性層を形成する塗工液を塗布することによって行われることが好ましい。
機能性層形成用塗工液の塗布量は、耐候性および基材フィルムとの密着性の観点から、0.05g/m2〜30g/m2とすることが好ましく、1g/m2〜20g/m2とすることがより好ましい。
<積層フィルムの乾燥工程>
ポリエステルフィルムの各面にポリマー層および機能性層が塗工された積層フィルムは、乾燥させることによって硬化する。このような乾燥工程では、ポリマー層および機能性層に各々乾燥風を供給することによって乾燥が行われる。
乾燥工程においては、ポリエステルフィルムにポリマー層を積層した側と、機能性層を積層した側で、異なる風速の乾燥風が供給されることが好ましい。具体的には、機能性層を積層した側に供給される乾燥風の風速よりも、ポリマー層側に供給される乾燥風の風速が大きいことが好ましい。
このように、機能性層を積層した側に供給される乾燥風の風速とポリマー層側に供給される乾燥風の風速に差を与えることにより、積層フィルム全体が必要以上にカールすることを防ぐことができる。すなわち、乾燥風の風速に差を持たせることによって、積層フィルムに緩やかなカールが付与されるように調整することができる。
このような風速の差は、機能性層を積層した側とポリマー層を積層した側に乾燥風吹き出しノズルを設け、各ノズルの開口度を調整することで付与することができる。なお、乾燥風は熱風であることが好ましい。機能性層を積層した側の吹き出しノズルから供給される乾燥風の平均風速は、40〜70m/秒であることが好ましく、45〜67m/秒であることがより好ましく、50〜63m/秒以下であることがさらに好ましい。また、ポリマー層を積層した側の吹き出しノズルから供給される乾燥風の平均風速は、20〜60m/秒であることが好ましく、30〜60m/秒であることがより好ましく、40〜55m/秒以下であることがさらに好ましい。
[太陽電池モジュール用バックシート]
本発明の積層フィルムの用途は特に限定されないが、太陽電池モジュール用バックシート、バリアフィルム基材等の用途に好適である。
[太陽電池モジュール]
本発明の太陽電池モジュールは、本発明の積層フィルムまたは本発明の太陽電池モジュール用バックシートを含むことを特徴とする。
太陽電池モジュールへの用途では、電気を取り出すリード配線で接続された発電素子(太陽電池素子)をエチレン・酢酸ビニル共重合体系(EVA系)樹脂等の封止材で封止し、これを、ガラス等の透明基板と、本発明のポリエステルフィルム(バックシート)との間に挟んで互いに張り合わせることによって構成される態様が挙げられる。
太陽電池モジュール、太陽電池セル、バックシート以外の部材については、例えば、「太陽光発電システム構成材料」(杉本栄一監修、(株)工業調査会、2008年発行)に詳細に記載されている。
透明性の基板は、太陽光が透過し得る光透過性を有していればよく、光を透過する基材から適宜選択することができる。発電効率の観点からは、光の透過率が高いものほど好ましく、このような基板として、例えば、ガラス基板、アクリル系樹脂などの透明樹脂などを好適に用いることができる。
太陽電池素子としては、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコンなどのシリコン系、銅−インジウム−ガリウム−セレン、銅−インジウム−セレン、カドミウム−テルル、ガリウム−砒素などのIII−V族やII−VI族化合物半導体系など、各種公知の太陽電池素子を適用することができる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
(実施例1)
<ポリエステルフィルムの作製>
−ポリエステルの合成−
高純度テレフタル酸(三井化学(株)製)100kgとエチレングリコール(日本触媒(株)製)45kgのスラリーを、予めビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート約123kgが仕込まれ、温度250℃、圧力1.2×105Paに保持されたエステル化反応槽に、4時間かけて順次供給し、供給終了後もさらに1時間かけてエステル化反応を行なった。その後、得られたエステル化反応生成物123kgを重縮合反応槽に移送した。
引き続いて、エステル化反応生成物が移送された重縮合反応槽に、エチレングリコールを、得られるポリマーに対して0.3質量%添加した。5分間撹拌した後、酢酸コバルト及び酢酸マンガンのエチレングリコール溶液を、得られるポリマーに対してそれぞれ30ppm、15ppmとなるように加えた。更に5分間撹拌した後、チタンアルコキシド化合物の2質量%エチレングリコール溶液を、得られるポリマーに対して5ppmとなるように添加した。その5分後、ジエチルホスホノ酢酸エチルの10質量%エチレングリコール溶液を、得られるポリマーに対して5ppmとなるように添加した。その後、低重合体を30rpmで攪拌しながら、反応系を250℃から285℃まで徐々に昇温するとともに、圧力を40Paまで下げた。最終温度、最終圧力到達までの時間はともに60分とした。所定の攪拌トルクとなった時点で反応系を窒素パージし、常圧に戻し、重縮合反応を停止した。そして、冷水にストランド状に吐出し、直ちにカッティングしてポリマーのペレット(直径約3mm、長さ約7mm)を作製した。なお、減圧開始から所定の撹拌トルク到達までの時間は3時間であった。
但し、チタンアルコキシド化合物には、特開2005−340616号公報の段落番号[0083]の実施例1で合成しているチタンアルコキシド化合物(Ti含有量=4.44質量%)を用いた。
−固相重合−
上記で得られたペレットを、40Paに保たれた真空容器中、220℃の温度で30時間保持して、固相重合を行った。
−マスターペレットの作製−
PETペレットに酸化チタンが40〜60wt%、末端封止剤が0.2〜1.5wt%になるように混練し、マスターペレットを作製した。
−ベース形成−
以上のように固相重合を経た後のペレットおよびマスターペレットを実施例の濃度になるように混合し、280℃で溶融して金属ドラムの上にキャストし、厚さ約3mmの未延伸ベースを作製した。その後、90℃で縦方向に3.4倍に延伸し、下記条件でコロナ放電処理を行い、次いで、下記組成のA層形成用塗布液をポリエチレンテレフタレート支持体のコロナ処理面に、塗布量が5.1ml/m2となるように、MD延伸後、TD延伸前にインラインコート法にて塗布を行い、厚み0.1μmのA層を形成した。なお、TD延伸温度は、105℃で、TD方向に4.5倍に延伸し、膜面200℃で15秒間の熱処理を行い、190℃でMD緩和率5%、TD緩和率11%でMD・TD方向に熱緩和を行い、厚み250μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート支持体を得た。
<ポリマー層の作製>
[ポリマー層形成用塗布液の調製]
ポリマー層を形成するための塗布液を以下の組成となるように作製した。
・オレフィン系バインダー ・・・213.8質量部
(アローベースSE−1013N、ユニチカ(株)製、固形分20.2質量%)
・カルボジイミド化合物(架橋剤) ・・・73.5質量部
(カルボジライトV−02−L2、日清紡績(株)製、固形分:10質量%)
・オキサゾリン化合物(架橋剤) ・・・45.0質量部
(エポクロスWS700、(株)日本触媒製、固形分:5質量%)
・実施例1に記載の二酸化チタン分散液・・・31.6質量部
・界面活性剤 ・・・45.0質量部
(ナロアクティーCL95、三洋化成工業(株)製、固形分:1質量%)
・蒸留水 ・・・591.1質量部
[ポリマー層の形成]
上記のようにして得られたポリマー層形成用塗布液を、ポリエステルフィルムの一方の面に塗布し、170℃で2分間乾燥させて、乾燥厚みが0.2μmのポリマー層を形成した。
<機能性層の作製>
[機能性層形成用塗布液の調製]
下記組成中の各成分を下記順で混合し、ポリマーバインダーとして、有機・無機の複合樹脂である、シリコーン−アクリル系複合樹脂、着色剤としてカーボンブラック、散乱粒子としてニ酸化チタンを含む機能性層形成用塗布液を調製した。
・シリコーンバインダー ・・・ 381.7質量部
(セラネートWSA1070、DIC(株)製、シリコーン−アクリル複合ポリマー、
ポリシロキサン構造単位:約30%、濃度38質量%)
・ノニオン界面活性剤 ・・・ 13.1質量部
(ナロアクティーCL95、三洋化成工業(株)製、濃度1質量%)
・オキサゾリン系架橋剤 ・・・ 105.1質量部
(エポクロスWS−700、日本触媒(株)製、濃度25質量%)
・カーボンブラック水分散液 ・・・ 1.38質量部
(MF−5630ブラック、大日精化(株)製 、濃度31.5質量%)
・蒸留水 ・・・ 15.3質量部
・上記二酸化チタン分散液 ・・・ 483.4質量部
二酸化チタン分散液は、ダイノミル分散機を用いて二酸化チタンの平均粒径が0.42μmになるよう分散して二酸化チタン分散液を調整した。なお、二酸化チタンの平均粒径はハネウェル社製、マイクロトラックFRAを用いて測定した。
なお、二酸化チタン分散液の組成は下記の通りである。
・二酸化チタン ・・・ 455.8質量部
(タイペークCR−95、石原産業(株)製、粉体)
・PVA水溶液 ・・・ 227.9質量部
(PVA−105、クラレ(株)製、濃度10質量%)
・分散剤 ・・・ 5.5質量部
(デモールEP、花王(株)製、濃度25質量%)
・蒸留水 ・・・ 310.8質量部
[機能性層の形成]
ポリエステルフィルムのポリマー層を形成した面の反対面に、得られた機能性層形成用塗布液を塗布し、170℃で2分間乾燥させて、乾燥厚みが4.5μmの機能性層を形成した。
(実施例2〜13、比較例1〜8)
表1に記載の条件にて、ギアポンプの圧力と変動、微粒子の添加率と粒子径、末端封止剤の種類と量、PET厚みを変更した以外は、実施例1と同様に実施例2〜13、比較例1〜8の積層フィルムを作製した。
(評価)
<微粒子の分布>
フィルム断面をミクロトームで切断し、SEM(日立製 S−3700N)を用いて、5,000倍でN数を5で観察した。個数を数える範囲は全膜厚の2%の長さの平方とした(膜厚が250μmであれば5μm角)。
数える場所は(1)〜(3)の三箇所とし、それぞれN5ずつ測定した。
(1)反CD面表面から膜厚に対して2%の範囲
(2)CD面表面から膜厚に対して2%の範囲
(3)中央部分(全膜厚の1/2)
ただし、断面を出した場合に酸化チタン粒子が抜け落ちていたとしても1とカウントした。表層領域に存在する微粒子の割合(%)は((1)+(2))/((1)+(2)+(3))×100で計算した。
<部分放電電圧>
積層フィルムを23℃、相対湿度65%の室内で一晩放置した後に、部分放電試験器KPD2050(菊水電子工業製)を用い、部分放電電圧を10回測定し、その平均値をフィルムの部分放電電圧とした。
なお、出力シートにおける出力電圧印加パターンは、1段階目が0Vから所定の試験電圧までの単純に電圧を上昇させるパターン、2段階目が所定の試験電圧を維持するパターン、3段階目が所定の試験電圧から0Vまでの単純に電圧を降下させるパターンの3段階からなるパターンのものを選択した。また、周波数は50Hzとし、試験電圧は1kVとした。しかし、部分放電が観測されなかった場合には、1kVずつ試験電圧を上昇させて、部分放電が観測されるまで測定した。1段階目の時間T1は10sec、2段階目の時間T2は2sec、3段階目の時間T3は10secとした。なお、パルスカウントシートにおけるカウント方法は「+」(プラス)、検出レベルは50%とした。
上記方法で測定した部放電電圧の分布を表1に示した。また、部分放電電圧は、測定値を全層の厚みで割り、単位厚みあたりの部分放電電圧として表示した。
<表面抵抗>
積層フィルムを10cm×10cmに10枚カットし、23℃、相対湿度65%の室内で4時間以上放置した後に、デジタル超高抵抗/微小電流計 8340A(株式会社エーディーシー製)及びレジスティビティ・チャンバ 12702A(株式会社エーディーシー製)を用い、表面抵抗値を作製した10枚測定し、その平均値をフィルムの表面抵抗値とした。
<ガラス/EVA密着性(湿熱経時前)>
積層フィルムを20mm巾×150mmにカットして、サンプル片を2枚準備した。この2枚のサンプル片を、互いにポリマー層側が内側になるように配置し、この間に20mm巾×100mm長にカットしたEVAシート(三井化学ファブロ(株)製のEVAシート:SC50B)を挟み、真空ラミネータ(日清紡(株)製の真空ラミネート機)を用いてホットプレスすることにより、EVAと接着させた。このときの接着条件は、以下の通りとした。
真空ラミネータを用いて、128℃で3分間の真空引き後、2分間加圧して仮接着した。その後、ドライオーブンで150℃、30分間、本接着処理を施した。このようにして、互いに接着した2枚のサンプル片の一端から20mmの部分はEVAと未接着で、残りの100mmの部分にEVAシートが接着された接着評価用試料を得た。
得られた接着評価用試料のEVA未接着部分を、テンシロン(ORIENTEC製 RTC−1210A)にて上下クリップに挟み、剥離角度180°、引っ張り速度300mm/分で引っ張り試験を行ない、接着力を測定した。
測定された接着力をもとに以下の評価基準にしたがってランク付けした。このうち、ランクA、Bが実用上許容可能な範囲である。
<評価基準>
A:密着が非常に良好であった(6N/mm以上)
B:密着は良好であった (4N/mm以上6/mm未満)
C:密着がやや不良であった (3/mm以上4N/mm未満)
D:密着不良が生じた (2N/mm以上3N/mm未満)
E:密着不良が顕著であった (2N/mm未満)
Figure 0006067492
本発明の実施例では、高い部分放電電圧が得られており、かつ被着物との密着性が高められていることがわかる。また、実施例では、好ましい範囲の表面抵抗値が得られており、絶縁特性に優れることがわかる。
一方、比較例では、部分放電電圧が低く、被着物との密着性が劣っている。
本発明によれば、長期経時後であっても部分放電電圧が十分に高い積層フィルムを得ることができる。これにより、長期間に亘って、太陽電池の発電効率を良好な状態に維持することができる。また、本発明によれば、EVAフィルム等の被着物との密着性に優れた積層フィルムを得ることができる。このため、本発明は、太陽電池素子の耐久性を高め、太陽電池素子の性能低下を防ぐことができ、産業上の利用可能性が高い。
1 ポリエステルフィルム
3 ポリマー層
5 機能性層
10 積層フィルム
11a、11b 表層領域
13 中央領域

Claims (16)

  1. ポリエステルフィルムと、前記ポリエステルフィルムの一方の面に積層されるポリマー層と、前記ポリエステルフィルムの他方の面に積層される機能性層とを有し、
    前記ポリエステルフィルムは、2つの表層領域を有し、
    前記表層領域は、各々、前記ポリエステルフィルムの各表面から前記ポリエステルフィルムの平均膜厚の2%の深さに至るまで領域であり、
    前記ポリエステルフィルムは、微粒子を含み、前記微粒子の含有率は前記ポリエステルフィルム中に含まれるポリエステルに対して0.3〜5.0質量%であり、前記微粒子の40〜80%が前記表層領域に存在しており、
    前記ポリマー層の平均膜厚は、0.03〜0.5μmであり、
    前記機能性層の平均膜厚は、4.0〜8.0μmであることを特徴とする積層フィルム。
  2. 前記微粒子の平均粒子径は0.1〜3.0μmであることを特徴とする請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 前記微粒子は無機微粒子であることを特徴とする請求項1または2に記載の積層フィルム。
  4. 前記無機微粒子は酸化チタンであることを特徴とする請求項3に記載の積層フィルム。
  5. 前記ポリエステルフィルムの末端カルボン酸価は、1〜20eq/tonであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  6. 前記表層領域に含まれる微粒子の含有率は、前記表層領域に含まれるポリエステルの質量に対して、2.5〜6.0質量%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  7. 部分放電電圧をP(∨)とし、前記ポリエステルフィルムの平均膜厚をt(μm)とすると、P>2.4t+400であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  8. 表面抵抗値が1×1010〜1×1014Ω/cm2であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  9. 前記ポリマー層が、ポリオレフィン樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  10. 前記機能性層が、シリコーン樹脂を含むことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  11. 前記ポリエステルフィルムの平均膜厚が200〜300μmであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  12. 前記ポリエステルフィルムは、カルボジイミド化合物またはケテンイミン化合物を含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の積層フィルム。
  13. ポリエステルフィルムを得る工程と、
    前記ポリエステルフィルムの一方の面に、ポリマー層を0.03〜0.5μmの平均膜厚となるように形成する工程と、
    前記ポリエステルフィルムの他方の面に、機能性層を4.0〜8.0μmの平均膜厚となるように形成する工程とを含み、
    前記ポリエステルフィルムを得る工程は、ポリエステル樹脂と、前記ポリエステル樹脂に対して0.3〜5.0質量%の微粒子を混合し、シート状に押し出す押出工程を含み、
    前記押出工程では、0.5〜30MPaの押出圧力が付与されることを特徴とする積層フィルムの製造方法。
  14. 前記押出工程では、押出圧力に1〜10%の変動が付与されることを特徴とする請求項13に記載の積層フィルムの製造方法。
  15. 請求項1〜12のいずれか1項に記載の積層フィルムを用いた太陽電池用バックシート。
  16. 請求項15に記載の太陽電池量バックシートを用いた太陽電池用モジュール。
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