JP6065810B2 - 非磁性ガーネット単結晶基板の製造方法 - Google Patents

非磁性ガーネット単結晶基板の製造方法 Download PDF

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本発明は、チョクラルスキー法等の回転引上げ法により育成された肩部と直胴部を有する非磁性ガーネット単結晶インゴットについて、これを切断かつ加工してビスマス置換型磁性ガーネット膜をエピタキシャル成長させるための非磁性ガーネット単結晶基板を製造する方法に係り、特に、非磁性ガーネット単結晶インゴットを切断して非磁性ガーネット単結晶インゴットの肩部と基板加工部とを切り離す際、上記インゴット全体に発生し易いクラックや割れを未然に防止できる非磁性ガーネット単結晶基板の製造方法に関するものである。
ビスマス置換型磁性ガーネット膜は、光ファイバ通信や光計測において、光アイソレータ、光サーキュレータ、光スイッチ等に組み込まれるファラデー回転子の構成材料として多用されている。例えば、光アイソレータは、光通信システムで半導体レーザ光源から発した伝送光が光学系を介して伝達される際、一部の光が途中の光学系の入射端面で反射して光源まで戻り、通信障害を起こすことを防止するために用いられる。このような光アイソレータは、常磁性体のビスマス置換型磁性ガーネット膜から成るファラデー回転子を偏光子と検光子とで挟み、これを筒状磁石の中に納めて構成されている。
上記ビスマス置換型磁性ガーネット膜は、一般式(R、Bi)3(Fe、Ga、Al)512(但し、Rは希土類元素で、Tb、Gd、Yb、Ho、Er,Tm,Dy等である。)で表され、大きなファラデー回転効果を有し、主に、生産性に優れた液相エピタキシャル成長法(以下、LPE法と呼称する。)で育成される。
このLPE法は、一般には以下のように行われる。まず、溶媒となる物質を一定温度の液体状態に保持し、この溶媒に溶質成分を飽和状態まで溶解させる。しかる後、非磁性ガーネット単結晶基板を溶液中に浸し、この状態で徐々に温度を下げていき、過飽和状態となって溶液状態で存在できなくなった溶質成分を非磁性ガーネット単結晶基板上に析出させる。そして、析出させたビスマス置換型磁性ガーネット膜を得るには、例えば、非磁性ガーネット単結晶基板を研削研磨して除去することで得ることができる。非磁性ガーネット単結晶基板としては、Gd3Ga512基板(格子定数1.238nm)、(Gd、Ca)3(Ga、Mg、Zr)512基板(格子定数1.2498nm)、Nd3Ga512基板(格子定数1.2509nm)、(Gd、Sc)3Ga512基板(格子定数1.256nm)等が用いられている。
そして、この種の非磁性ガーネット単結晶基板は、従来、以下のようにして製造されている。まず、坩堝に収容された原料融液に種結晶を接触させ、かつ、種結晶を回転させながら上方に引上げるチョクラルスキー法等の回転引上げ法よって肩部と直胴部を有する非磁性ガーネット単結晶インゴットを育成し、内周刃切断機等の装置により非磁性ガーネット単結晶インゴットの肩部を切断して直胴部を得、この直胴部を円筒状に研削する。次いで、上記内周刃切断機またはワイヤーソー等で所望の厚さのウエハに切断し、このウエハを所望の条件で研磨加工して非磁性ガーネット単結晶基板は製造されている。
ところで、内周刃切断機等の装置により非磁性ガーネット単結晶インゴットの肩部を切断して上記直胴部を得る際、非磁性ガーネット単結晶インゴット全体にクラックや割れが発生することがある。クラックは、加工前の結晶育成直後に発生することもあり、結晶育成の際に導入される内部歪が原因とされている。
以下、インゴットに内部歪が導入されてしまう原因について簡単に説明する。
まず、チョクラルスキー法等の回転引上げ法で育成した単結晶インゴットは、種結晶を原料融液と接触させた後、所望の直径まで徐々に増径させる上述した肩部と、所望の直径で一定に成長させる上述した直胴部とに区別される。
上記肩部では、種結晶や種結晶を原料融液に接触させた際の熱ショックによって導入された転位等の結晶欠陥を低減させるため、種結晶の回転数を制御して成長界面を原料融液側に凸の状態に保持して成長を行うが、ガーネット単結晶を育成する場合、成長界面の形状によって特定の面方位が成長界面に出現してしまうファセット成長が起こり易い。ファセット成長が起こるとファセット部と非ファセット部で格子定数が異なるため、結晶の肩部には特に大きな内部歪が残留する。加えて、実際に基板が加工される上記直胴部ではファセット成長部が存在すると歪や格子定数等の面内不均一性の原因となる。
このため、従来においては、ファセットの成長を抑制するため、肩部の成長途中において、あるいは、肩部から直胴部に移行する際において、種結晶の回転数を制御して成長界面を原料融液に向かって凸の状態からフラットあるいはやや凸の状態に調整する界面反転と呼ばれる操作が行なわれている。
このように、単結晶インゴットの肩部や界面反転領域(界面反転操作が開始された成長位置から界面反転が完了した成長位置までのインゴット内における領域を、本明細書においては「界面反転領域」と定義し、界面反転が完了したインゴット内における成長位置を「界面反転位置」と定義する。尚、「界面反転位置」は、例えば結晶の偏光観察により確認できる。)にはファセット成長や界面反転による内部歪が残留しており、結晶育成後や結晶加工時のクラックや割れの原因となっている。
このため、高周波加熱方式のチョクラルスキー法において肩部の引上げ時に坩堝とワークコイルの位置調整を変動させ、融液直上の温度勾配を小さくして肩部の熱歪を抑制する方法(例えば、特許文献1参照)が検討され、また、肩部育成において肩部の形状にくびれ部を形成することで内部応力をくびれ部分に集中させ、直胴部へのクラック発生を抑制する方法(特許文献2参照)等の対策が検討されている。
しかしながら、結晶育成方法の改善によって内部歪を低減させても、結晶を加工する際のクラックを完全に防止することは困難であり、特に直胴部にクラックや割れが発生した場合にはその後における基板加工の工程が不可能となり、歩留まりを著しく低下させるという問題がある。
特公平8−5756号公報(公報の1頁参照) 特許第4218448号公報(公報の1頁参照)
本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、その課題とするところは、非磁性ガーネット単結晶インゴットを切断して非磁性ガーネット単結晶インゴットの肩部と基板加工部とを切り離す際、インゴット全体に発生し易いクラックや割れを未然に防止できる非磁性ガーネット単結晶基板の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明者は非磁性ガーネット単結晶インゴットの直胴部にクラックや割れが発生しない切断方法について鋭意検討を行った。その結果、内部歪が残留している肩部や界面反転領域を切断した場合、肩部や直胴部全体にクラックや割れが生じる確率は非常に高いが、界面反転位置(界面反転操作が完了されたインゴット内における成長位置)より30mm以上成長した位置において肩部と直胴部を切り離すように切断した場合、クラックや割れが生じる確率は著しく低減し、また、クラックや割れを生じた場合でも肩部のみにクラックが発生し、直胴部には発生しない傾向があることを発見するに至った。本発明はこのような技術的発見により完成されたものである。
すなわち、請求項1に係る発明は、
坩堝に収容された原料融液に種結晶を接触させかつ上記種結晶を回転させながら上方に引上げる回転引上げ法により育成された肩部と直胴部を有する非磁性ガーネット単結晶インゴットについて、これを切断かつ加工してビスマス置換型磁性ガーネット膜をエピタキシャル成長させるための非磁性ガーネット単結晶基板を製造する方法において、
育成時の界面反転操作により上記非磁性ガーネット単結晶インゴットに形成された界面反転位置から30mm以上成長した位置の要件と、上記肩部と上記直胴部の境界位置若しくは上記境界より成長した位置の要件共に満たす位置において上記非磁性ガーネット単結晶インゴットを切断し、上記非磁性ガーネット単結晶インゴットの上記肩部を含む切断上部と、上記非磁性ガーネット単結晶インゴットの切断下部である基板加工部とを切り離すことを特徴とする。
また、請求項2に係る発明は、
請求項1に記載の非磁性ガーネット単結晶基板の製造方法において、
上記肩部と上記直胴部の上記境界から5mm以上成長した位置において上記非磁性ガーネット単結晶インゴットを切断することを特徴とし、
請求項3に係る発明は、
請求項1または2に記載の非磁性ガーネット単結晶基板の製造方法において、
上記非磁性ガーネット単結晶基板が、一般式(Gd、Ca)3(Ga、Mg、Zr)512で表される非磁性ガーネット単結晶で構成されることを特徴とするものである。
請求項1〜2に記載の非磁性ガーネット単結晶基板の製造方法は、
育成時の界面反転操作により上記非磁性ガーネット単結晶インゴットに形成された界面反転位置から30mm以上成長した位置の要件と、上記肩部と上記直胴部の境界位置若しくは上記境界より成長した位置の要件共に満たす位置において上記非磁性ガーネット単結晶インゴットを切断し、上記非磁性ガーネット単結晶インゴットの上記肩部を含む切断上部と、上記非磁性ガーネット単結晶インゴットの切断下部である基板加工部とを切り離すことを特徴としている。
そして、請求項1〜2に記載の上記方法によれば、非磁性ガーネット単結晶インゴットの加工中においてインゴット全体にクラックや割れが発生する現象を抑制でき、また、クラックが発生しても肩部のみで基板加工部である直胴部にクラックを生じないため、クラックや割れに起因する歩留まりの低下を最小限に抑制できる効果を有する。
特に、一般式(Gd、Ca)3(Ga、Mg、Zr)512 で表される非磁性ガーネット単結晶基板を加工する場合、この基板には格子定数を調整するための添加元素が含まれているため内部歪に起因したクラックが発生し易い。
このため、請求項3に記載の非磁性ガーネット単結晶基板の製造方法によりクラックに起因する歩留まりの低下を著しく低減できる効果を有する。
肩部と直胴部を有する非磁性ガーネット単結晶インゴットの形状とその切断位置を示す説明図。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。
チョクラルスキー法等の回転引上げ法によって育成された非磁性ガーネット単結晶インゴットの一例を図1に示す。融点以上に加熱された原料融液中に種結晶1を接触させ、種結晶1の回転数や原料融液の温度を制御することで肩部2と呼ばれる増径部が形成される。直胴部3は、目的とする非磁性ガーネット単結晶基板のサイズによって決まる直径で、増径部を経て一定の径に制御することによって得られる。この部分が、円筒研削やスライス、研磨等によって非磁性ガーネット単結晶基板として加工される。
ここで、内部歪が小さく、クラックや割れが発生し難い、例えばシリコンやガリウムヒ素等の単結晶インゴットの場合、直胴部をできる限り有効に加工するため、直径の小さな肩部において主面方位の調整を行った後、両端面を平行に切断し、端面を基準として円筒研削加工を行うのが一般的な加工プロセスである。
しかし、上述した非磁性ガーネット単結晶のように内部歪が大きく、クラックや割れが発生し易い結晶インゴットの場合、切断のための外周刃や内周刃のブレードを肩部2に接触させるだけでクラックが発生することがあり、また、発生したクラックや割れが直胴部3にも伝播してしまって単結晶基板を1枚も加工することができないという、歩留まりの重篤な悪化を招いてしまうことがある。このため、内部歪が大きい肩部2と直胴部3をいかにして切断し、分離するかが歩留まりを左右する重要なポイントとなる。
本発明では、肩部2の切断を避ける要件(すなわち、肩部と直胴部の境界位置若しくは境界より成長した位置において切断することを要する)に加え、図1に示す界面反転位置4から30mm以上成長した位置の要件を満たす位置にて切断を行うことを特徴とする。この方法により、界面反転位置4の近傍に存在する内部歪の影響を最小限に抑え、また、クラックや割れが発生したとしても肩部2のみに発生し、直胴部3には伝播しない特性を利用して、歩留まりの低下を最小限に抑えることが可能となる。一見、直胴部3を無駄にして歩留まりを低下させているように見えるが、クラックや割れによる直胴部3の全破損という事態を考慮すれば、有効な手段であることは明らかである。
尚、上述したように、界面反転位置とは界面反転が完了したインゴット内における成長位置を意味し、育成された結晶の偏光観察等により確認できる位置である。また、界面反転とは、成長界面が原料融液に向かって凸の状態からフラットあるいはやや凸の状態に変わることを意味する。すなわち、チョクラルスキー法等の回転引上げ法で単結晶インゴットを育成する場合、肩部では、種結晶や種結晶を原料融液に接触させた際の熱ショックによって導入された転位等の結晶欠陥を低減させる目的から種結晶の回転数を制御して成長界面を原料融液側に凸の状態に保持して成長を行うが、ガーネット単結晶を育成する場合、成長界面の形状によって特定の面方位が成長界面に出現してしまうファセット成長が起こり易く、このファセット成長を抑制するため、肩部の成長途中においてあるいは肩部から直胴部に移行する際において、種結晶の回転数を制御して成長界面を原料融液に向かって凸の状態からフラットあるいはやや凸の状態に調整して成長を行う。これ等一連の操作を界面反転操作といい、この操作により成長界面が反転することを界面反転という。
また、非磁性ガーネット単結晶インゴットを切断する外周刃や内周刃といった装置の種類や条件は何ら制限されないが、切断幅が小さく、結晶に与えるダメージが小さい内周刃切断装置を用いることが好適である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明の技術的内容が実施例によって何ら限定されるものでは無い。
[実施例1]
高周波誘導加熱による回転引上げ法により、直胴部3の直径が85mm、長さ100mm、種結晶1部から直胴部3へ増径する肩部2の長さが70mmである図1に示す非磁性ガーネット単結晶インゴットを得た。ここで、界面反転は、種結晶1から60mm成長した肩部2途中の位置で、結晶の回転数を変更することによって形成させた。この方法で形成した界面反転位置は成長した結晶を偏光観察することによって確認でき、図1において符号4により界面反転位置を示した。
そして、育成した非磁性単結晶ガーネット単結晶インゴットを、内周刃切断装置を用いて界面反転位置(種結晶1から60mm成長させた位置)4から30mm成長させた切断位置(60mm+30mmの種結晶1から90mmの位置)5において切断した。
尚、この切断位置5は、肩部2と直胴部3の境界位置(種結晶1から70mmの位置)若しくは境界より成長した位置の要件も満たしている。
切断後のクラック発生率は肩部2で約30%であるが、直胴部3では約5%であった。
また、実施例で使用した上記内周刃切断装置は以下のものである。
すなわち、内周刃は、外径422mm、内径152mm、板厚0.18mmのステンレス製台金に、刃厚410μmに亘りニッケルをベースとした結合材とダイヤモンド砥粒を電着させたものを使用した。切断条件は、内周刃の回転速度を3440rpm、切断速度を2.0mm/分、切削液量をサプライ側切削液供給ノズルおよびクリーニング側切削液供給ノズルそれぞれから1.6L/分流して行った。
[実施例2]
種結晶1から80mm成長させた位置で界面反転させた以外は、実施例1と同様の方法により非磁性ガーネット単結晶インゴットを育成した。
そして、育成した非磁性単結晶ガーネット単結晶インゴットを、内周刃切断装置を用いて界面反転位置(種結晶1から80mm成長させた位置)4から30mm成長させた切断位置(80mm+30mmの種結晶1から110mmの位置)5において切断した。
尚、この切断位置5は、肩部2と直胴部3の境界位置(種結晶1から70mmの位置)若しくは境界より成長した位置の要件も満たしている。
切断後のクラック発生率は、肩部で約35%、直胴部で約3%であった。
[実施例3]
種結晶1から20mm成長させた位置で界面反転させた以外は、実施例1と同様の方法により非磁性ガーネット単結晶インゴットを育成した。
そして、育成した非磁性単結晶ガーネット単結晶インゴットを、内周刃切断装置を用いて肩部2と直胴部3の境界から5mm成長させた位置において切断した。
尚、実施例3の切断位置(肩部2と直胴部3の境界から5mm成長させた位置であり、種結晶1から75mm成長させた位置に相当する)は、界面反転位置(種結晶1から20mm成長させた位置)から30mm以上離れた要件も満たしている。
切断後のクラック発生率は、肩部で約45%、直胴部で約5%であった。
[実施例4]
実施例3と同様の方法(種結晶1から20mm成長させた位置で界面反転)により非磁性ガーネット単結晶インゴットを育成した。
そして、育成した非磁性単結晶ガーネット単結晶インゴットを、内周刃切断装置を用いて肩部2と直胴部3の境界から3mm成長させた位置において切断した。
尚、実施例4の切断位置(肩部2と直胴部3の境界から3mm成長させた位置であり、種結晶1から73mm成長させた位置に相当する)は、界面反転位置(種結晶1から20mm成長させた位置)から30mm以上離れた要件も満たしている。
切断後のクラック発生率は、肩部で約45%、直胴部で約9%であった。
[比較例1]
実施例1と同様の方法(種結晶1から60mm成長させた位置で界面反転)により非磁性ガーネット単結晶インゴットを育成した。
そして、育成した非磁性単結晶ガーネット単結晶インゴットを、内周刃切断装置を用いて肩部(肩部の長さは種結晶1から70mm)2における途中の位置(種結晶から30mm成長した位置)において切断した。
尚、比較例1の切断位置は、界面反転位置(種結晶1から60mm成長させた位置)から30mm以上成長した位置の要件と、肩部(肩部の長さは種結晶1から70mm)2と直胴部3の境界位置若しくは境界より成長した位置の要件について共に満たしていない。
このため、内周刃切断装置の内周刃が結晶と接触した直後に肩部と直胴部全体にクラックが発生し、肩部のクラック発生率が約90%、直胴部のクラック発生率も約90%であった。
[比較例2]
実施例1と同様の方法(種結晶1から60mm成長させた位置で界面反転)により非磁性ガーネット単結晶インゴットを育成した。
そして、育成した非磁性単結晶ガーネット単結晶インゴットを、内周刃切断装置を用いて界面反転位置(種結晶1から60mm成長させた位置)4から15mm成長させた切断位置(60mm+15mmの種結晶1から75mmの位置)5において切断した。
尚、比較例2の切断位置は、肩部(肩部の長さは種結晶1から70mm)2と直胴部3の境界位置若しくは境界より成長した位置の要件に関しては満たしているが、界面反転位置(種結晶1から60mm成長させた位置)から30mm以上成長した位置の要件について満たしていない。
このため、切断後のクラック発生率は、肩部で約80%、直動部でも約50%であり、充分な歩留まりは得られなかった。
界面反転による内部歪の影響を避けて加工するには、界面反転位置(種結晶1から60mm成長させた位置)から30mm以上成長した位置で切断する必要があった。
[比較例3]
実施例3と同様の方法(種結晶1から20mm成長させた位置で界面反転)により非磁性ガーネット単結晶インゴットを育成した。
そして、育成した非磁性単結晶ガーネット単結晶インゴットを、内周刃切断装置を用いて界面反転位置(種結晶1から20mm成長させた位置)4から30mm成長させた切断位置(20mm+30mmの種結晶1から50mmの位置)5において切断した。
尚、比較例3の切断位置は、界面反転位置(種結晶1から20mm成長させた位置)から30mm以上成長した位置の要件に関しては満たしているが、肩部(肩部の長さは種結晶1から70mm)2と直胴部3の境界位置若しくは境界より成長した位置の要件について満たしていない。
このため、切断後のクラック発生率は、肩部で約45%、直動部でも約30%であり、充分な歩留まりは得られなかった。
本発明によれば、非磁性ガーネット単結晶インゴットを加工する際に発生するクラックや割れに起因する歩留まり低下が抑制されるため、ビスマス置換型磁性ガーネット膜をエピタキシャル成長させるための非磁性ガーネット単結晶基板を製造する方法として利用される産業上の利用可能性を有している。
1 種結晶
2 肩部
3 直胴部
4 界面反転位置
5 切断位置

Claims (3)

  1. 坩堝に収容された原料融液に種結晶を接触させかつ上記種結晶を回転させながら上方に引上げる回転引上げ法により育成された肩部と直胴部を有する非磁性ガーネット単結晶インゴットについて、これを切断かつ加工してビスマス置換型磁性ガーネット膜をエピタキシャル成長させるための非磁性ガーネット単結晶基板を製造する方法において、
    育成時の界面反転操作により上記非磁性ガーネット単結晶インゴットに形成された界面反転位置から30mm以上成長した位置の要件と、上記肩部と上記直胴部の境界位置若しくは上記境界より成長した位置の要件共に満たす位置において上記非磁性ガーネット単結晶インゴットを切断し、上記非磁性ガーネット単結晶インゴットの上記肩部を含む切断上部と、上記非磁性ガーネット単結晶インゴットの切断下部である基板加工部とを切り離すことを特徴とする非磁性ガーネット単結晶基板の製造方法。
  2. 上記肩部と上記直胴部の上記境界から5mm以上成長した位置において上記非磁性ガーネット単結晶インゴットを切断することを特徴とする請求項1に記載の非磁性ガーネット単結晶基板の製造方法。
  3. 上記非磁性ガーネット単結晶基板が、一般式(Gd、Ca)3(Ga、Mg、Zr)512で表される非磁性ガーネット単結晶で構成されることを特徴とする請求項1または2に記載の非磁性ガーネット単結晶基板の製造方法。
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