JP2016056055A - CaMgZr置換型ガドリニウム・ガリウム・ガーネット(SGGG)単結晶の育成方法 - Google Patents

CaMgZr置換型ガドリニウム・ガリウム・ガーネット(SGGG)単結晶の育成方法 Download PDF

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正好 松井
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一樹 辰宮
大輔 土橋
Daisuke Dobashi
大輔 土橋
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Abstract

【課題】育成された単結晶の直胴部全体に亘ってクラックや結晶曲りがないチョクラルスキー法によるSGGG単結晶の育成方法を提供する。【解決手段】結晶育成炉1内の原料融液9表面から引き上げ方向1cmまでの雰囲気における温度勾配を7〜14℃/cm、1cmを越え引き上げ方向10cmまでの雰囲気における温度勾配を19〜23℃/cmの範囲に維持すると共に、直胴部7上端から0mm〜30mmまでの直胴部の育成中、種結晶6の回転数を22〜30rpm内の一定値に設定し、直胴部上端から30mmを越えた以降の直胴部の育成中、上記一定値から一定の比率で回転数を減少させて直胴部上端から83mm直胴部が育成した時点における種結晶の回転数が18〜21rpmとなるように管理しながらSGGG単結晶の直胴部を育成することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、CaMgZr置換型ガドリニウム・ガリウム・ガーネット(SGGG)単結晶の育成方法に係り、特に、育成されたSGGG単結晶の直胴部全体に亘ってクラックや結晶曲りがないSGGG単結晶の育成方法に関するものである。
光アイソレータは、磁界を印加することにより入射光の偏光面を回転させるファラデー回転子を有しており、近年、光アイソレータは、光通信の分野だけでなくファイバーレーザー加工機にも使用されるようになってきている。
このような光アイソレータに使用されるファラデー回転子の材料として、CaMgZr置換型ガドリニウム・ガリウム・ガーネット(Substituted Gd5Ga312:SGGG)単結晶を基板(非磁性ガーネット単結晶基板)とし、この基板上に液相エピタキシャル成長させて得られる希土類鉄ガーネット(RIG:Rare-earth iron garnet)等の酸化物ガーネット単結晶膜が知られている(非特許文献1参照)。
尚、上記CaMgZr置換型ガドリニウム・ガリウム・ガーネット(SGGG)単結晶は、(Gd3-xCax)(Ga5-x-2yMgyZrx+y)O12、(GdCa)3(GaMgZr)512等の組成式で表わされる。
そして、非磁性ガーネット単結晶基板は、従来、以下のようにして製造されている。
まず、結晶育成炉内に配置された坩堝の原料融液に種結晶を接触させ、かつ、種結晶を回転させながら上方に引上げるチョクラルスキー(CZ)法よって肩部と直胴部を有するSGGG単結晶インゴットを育成する。
次いで、内周刃切断機等の装置によりSGGG単結晶インゴットの肩部を切断して直胴部を得、この直胴部を円筒状に研削し、かつ、内周刃切断機またはワイヤーソー等で所望の厚さのウエハに切断した後、このウエハを所望の条件で研磨加工して上記非磁性ガーネット単結晶基板は製造されている。
ところで、チョクラルスキー(CZ)法によりSGGG単結晶を育成する場合、上記肩部においては、種結晶からの成長距離に伴い結晶直径が徐々に増加するため上記直胴部とは異なる内部応力が発生する。このため、肩部や肩部と直胴部の境界部分に結晶欠陥が導入されたり、肩部形状による内部歪が原因で成長した結晶にクラックと呼ばれるヒビが入ったり、結晶が割れてしまったりする不具合が発生するため、肩部の育成に関しては、従来、転位等の結晶欠陥やファセット成長を抑制するための界面反転手法を含め詳細な制御方法が開発されている(特許文献1参照)。
他方、結晶直径が略一定である上記直胴部の育成に関しては、肩部の育成に較べて欠陥が導入され難いと考えられており、適正な育成条件が未だ確立されていない。
そして、チョクラルスキー(CZ)法によりSGGG単結晶の直胴部を育成する場合、転位の発生を抑制する観点から原料融液表面上の雰囲気における温度勾配を緩く(例えば、4℃程度/cm以下)設定する方法が採られ、種結晶における回転数の条件については未だ確立されていなかった。
しかし、原料融液表面上の雰囲気における温度勾配を緩く設定してSGGG単結晶の直胴部を育成した場合、目的とする結晶面とは別の結晶面のファセット成長が顕著になり[例えば、<111>結晶方位に成長させた場合、(211)結晶面のファセット成長が顕著になる]、ファセット部とオフファセット部とで格子定数に差異が生じ、ファセット部とオフファセット部の境界に応力が生じる結果、育成されるSGGG単結晶の直胴部にクラックが発生し、また、SGGG単結晶の成長中に螺旋状に捩じれてしまい、結晶形状の制御が困難となる問題が存在した。また、SGGG単結晶の直胴部を育成する際、種結晶の回転数を適正な条件に制御しない場合も上記ファセット成長が発生し、SGGG単結晶の直胴部全体に亘ってクラックや結晶曲りを起こす問題が存在した。
特開2005−29400号公報(特許請求の範囲参照)
D.Mateika, R.Laurien, Ch.Rusche,J. Crystal Growth 56(1982)677
本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、その課題とするところは、育成されたSGGG単結晶の直胴部全体に亘ってクラックや結晶曲りがないSGGG単結晶の育成方法を提供することにある。
そこで、上記課題を解決するため本発明者が鋭意検討した結果、融液上の融液近傍の雰囲気の温度勾配と融液から離れた雰囲気の温度勾配を所定の値に管理し、かつ、種結晶における回転数の条件を適正化することで解決し得ることを見出すに至った。
すなわち、本発明に係る第1の発明は、
結晶育成炉内に配置された坩堝の原料融液に種結晶を接触させ、かつ、上記種結晶を回転させながら引き上げてCaMgZr置換型ガドリニウム・ガリウム・ガーネット単結晶(Substituted Gd5Ga312:SGGG)を育成するチョクラルスキー(CZ:Czochralski)法によるSGGG単結晶の育成方法において、
上記SGGG単結晶における直胴部の育成に際し、結晶育成炉内の原料融液表面から引き上げ方向1cmまでの雰囲気における温度勾配を7〜14℃/cm、1cmを越え引き上げ方向10cmまでの雰囲気における温度勾配を19〜23℃/cmの範囲に維持すると共に、直胴部上端から0mm〜30mmまでの直胴部の育成中、上記種結晶の回転数を22〜30rpm内の一定値に設定し、直胴部上端から30mmを越えた以降の直胴部の育成中、上記一定値から一定の比率で回転数を減少させて直胴部上端から83mm直胴部が育成した時点における種結晶の回転数が18〜21rpmとなるようにしたことを特徴とする。
次に、第2の発明は、
第1の発明に記載のSGGG単結晶の育成方法において、
上記直胴部上端から30mmを越えた以降の直胴部の育成中、上記一定値から一定の比率で回転数を減少させて直胴部上端から83mm直胴部が育成した時点における種結晶の回転数が18〜20rpmとなるようにしたことを特徴とし、
第3の発明は、
第1の発明または第2の発明に記載のSGGG単結晶の育成方法において、
SGGG単結晶における直胴部の育成に対応した結晶育成炉内における引き上げ方向のホットゾーン条件を事前に設定し、かつ、直胴部の育成中における原料融液表面の引き上げ方向の位置を計測すると共に、計測された原料融液表面の位置データに対応したホットゾーン条件に調整して原料融液表面から引き上げ方向1cmまでの雰囲気における温度勾配と1cmを越え引き上げ方向10cmまでの雰囲気における温度勾配を上記数値範囲に維持することを特徴とし、
また、第4の発明は、
第1の発明〜第3の発明のいずれかに記載のSGGG単結晶の育成方法において、
上記種結晶表面における結晶方位が<111>であることを特徴とするものである。
本発明に係るSGGG単結晶の育成方法によれば、
結晶育成炉内の原料融液表面から引き上げ方向1cmまでの雰囲気における温度勾配を7〜14℃/cm、1cmを越え引き上げ方向10cmまでの雰囲気における温度勾配を19〜23℃/cmの範囲に維持すると共に、直胴部上端から0mm〜30mmまでの直胴部の育成中、上記種結晶の回転数を22〜30rpm内の一定値に設定し、直胴部上端から30mmを越えた以降の直胴部の育成中、上記一定値から一定の比率で回転数を減少させて直胴部上端から83mm直胴部が育成した時点における種結晶の回転数が18〜21rpmとなるように管理しながらSGGG単結晶の直胴部を育成するため、ファセット成長と転位が抑制されてクラックや結晶曲りがないSGGG単結晶を育成することが可能となる。
本発明に係るSGGG単結晶の育成方法に用いられる製造装置の概略構成を示す説明図。 本発明に係るSGGG単結晶の肩部と直胴部を示す説明図。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係るCaMgZr置換型ガドリニウム・ガリウム・ガーネット(SGGG)単結晶の育成方法に用いられる製造装置の概略構成を示す説明図である。
この製造装置は、公知のチョクラルスキー法によりSGGG単結晶を育成する育成炉1を備えている。育成炉1の構造を簡単に説明すると、育成炉1は、筒状のチャンバー2と、このチャンバー2の内側に設置された高周波コイル10と、この高周波コイル10の内側に配置された断熱材3およびイリジウム製坩堝8を有している。尚、上記育成炉1の寸法は、製造するSGGG単結晶の大きさに依存するが、一例として直径0.6m、高さ1m程度である。
また、上記育成炉1には開口部(図示せず)が2箇所設けられており、これ等開口部を介して不活性ガス、好適には窒素ガスが給排され、結晶育成時のチャンバー2内は不活性ガスで満たされる。尚、育成炉1内には、上記坩堝8底部の下側に温度を計測する図示外の温度計(熱電対)が設置されている。
また、上記高周波コイル10は銅管で構成され、図示外の制御部を通じ投入電力が制御されて坩堝8が高周波加熱されると共に温度調節がなされる。また、上記チャンバー2の内側で高周波コイル10内には断熱材3が配置されており、複数の断熱材3により囲まれた雰囲気によりホットゾーン5が形成されている。
上記ホットゾーン5の温度勾配は断熱材3の形状と構成(材質)によって広範囲に変化させることができ、育成する単結晶の種類に合わせ断熱材3の形状と構成を設計して適正なホットゾーン5の温度勾配を形成する。更に、高周波コイル10の坩堝8に対する相対位置を調整することによりホットゾーン5の温度勾配を微調整することができる。尚、上記断熱材3は、高融点の耐火物により構成されている。
また、上記坩堝8はカップ状に形成され、その底部が断熱材3上に配置されかつ断熱材3により保持されている。また、坩堝8の上方側には、種結晶6と成長したSGGG単結晶を保持しかつ引き上げるための引き上げ軸4が設置されており、引き上げ軸4は軸線を中心に回転させることができる。
そして、坩堝8内に原料を充填し、育成炉1のチャンバー2内に上記坩堝8を配置しかつ高周波コイル10により加熱して原料を融解させ、その後、原料融液9に種結晶6を接触させて徐々に温度を降下させ、同時に引き上げ軸4を徐々に引き上げることにより種結晶の下部側において原料融液9を順次結晶化させる。そして、育成条件に従い高周波コイル10への投入電力を調整し、所望とする直径のSGGG単結晶7を育成することが可能となる。
尚、SGGG単結晶7の肩部11を育成するとき、ファセット成長に伴う歪の発生を抑制するため、「界面反転操作」を行って界面形状を凸から平坦にしている。また、単結晶育成に係る一連の温度モニタは上記温度計(熱電対)により行われる。
そして、育成されたSGGG単結晶は育成炉1から取出し、熱歪を除去するアニール処理を行なってから、規格に合わせた厚さの非磁性ガーネット単結晶基板に加工される。
また、SGGG[(GdCa)3(GaMgZr)512]結晶の原料には、酸化ガドリニウム(Gd23)、炭酸カルシウム(CaCO3)、酸化ガリウム(Ga23)、酸化マグネシウム(MgO)および酸化ジルコニウム(ZrO2)を適用するが、これ等原料の配合比は育成する単結晶の組成と育成条件によって決定される。
ところで、本発明に係るSGGG単結晶の育成方法は、従来の育成条件(原料融液の加熱条件、界面反転操作等の従来から採用されている自動制御による条件)を維持したまま、結晶育成炉内の原料融液表面から引き上げ方向1cmまでの雰囲気における温度勾配を7〜14℃/cm、1cmを越え引き上げ方向10cmまでの雰囲気における温度勾配を19〜23℃/cmの範囲に維持すると共に、直胴部7上端から0mm〜30mmまでの直胴部7の育成中、上記種結晶6の回転数を22〜30rpm内の一定値に設定し、直胴部7上端から30mmを越えた以降の直胴部7の育成中、上記一定値から一定の比率で回転数を減少させて直胴部7上端から83mm直胴部が育成した時点における種結晶6の回転数が18〜21rpmとなるように管理しながらSGGG単結晶の直胴部7を育成することを特徴としている。
このため、SGGG単結晶の成長に対応した育成炉1内における引き上げ方向の「ホットゾーン条件」が事前に設定されている。すなわち、SGGG単結晶の成長に伴い坩堝8内の原料が消費されるため、原料融液表面における引き上げ方向の位置が低下しかつ坩堝8内の原料融液量も減少する。このため、原料融液表面における引き上げ方向の変位に対応させて、予備実験等により原料融液表面から引き上げ方向1cmまでの雰囲気における温度勾配が7〜14℃/cm、1cmを越え引き上げ方向10cmまでの雰囲気における温度勾配が19〜23℃/cmの範囲内に維持される育成炉1内における引き上げ方向の「ホットゾーン条件」を事前に求めて設定することを要する。
そして、予備実験により「ホットゾーン条件」を事前に設定する際、ホットゾーン5における温度分布の測定は以下のようにして行っている。すなわち、坩堝8にSGGG結晶の原料を入れると共に、この状態で、結晶育成時に種結晶6が取り付けられる引き上げ軸4に熱電対を取り付け、かつ、原料表面から上記熱電対を徐々に引き上げながらホットゾーン5における引き上げ方向の温度を順次記録する方法により行っている。但し、予備実験においては「B熱電対」を適用しているため、坩堝8内の原料が融解しない条件において行っている。
また、結晶育成時において原料融液表面の引き上げ方向位置を計測する方法として、例えば、光センサ等により直接計測する方法、あるいは、重量計により育成されたSGGG単結晶の重量を測定しかつ坩堝8内の原料消費に伴う原料融液表面の変位を計算により求める方法等が挙げられる。
そして、本発明に係るSGGG単結晶の育成方法においては、上述したように育成炉1内の原料融液表面から引き上げ方向1cmまでの雰囲気における温度勾配と1cmを越え引き上げ方向10cmまでの雰囲気における温度勾配が所定の数値範囲(原料融液表面から引き上げ方向1cmまでの雰囲気における温度勾配が7〜14℃/cm、1cmを越え引き上げ方向10cmまでの雰囲気における温度勾配が19〜23℃/cmの範囲)に維持すると共に、直胴部7上端から0mm〜30mmまでの直胴部7の育成中、上記種結晶6の回転数を22〜30rpm内の一定値に設定し、直胴部7上端から30mmを越えた以降の直胴部7の育成中、上記一定値から一定の比率で回転数を減少させて直胴部7上端から83mm直胴部が育成した時点における種結晶6の回転数が18〜21rpmとなるように管理しながらSGGG単結晶の直胴部7を育成していることから、ファセット成長と転位の両方が抑制されてクラックや結晶曲りがないSGGG単結晶の直胴部7を製造することができる。
尚、原料融液表面上の雰囲気における温度勾配が緩い(例えば、4℃/cm以下)場合と比較し、原料融液表面から引き上げ方向1cmまでの雰囲気における温度勾配が7〜14℃/cm、1cmを越え引き上げ方向10cmまでの雰囲気における温度勾配が19〜23℃/cmの範囲に入るように維持した場合に上記「ファセット成長」と「転位」の発生が抑制される理由について、本発明者は以下のように推測している。
原料融液表面上の雰囲気における温度勾配が緩い(例えば、4℃/cm以下)と、上記温度勾配がきつい場合に較べて、結晶育成時における同じ幅の温度変動でも、温度分布の変動する空間的な領域が広くなり、結晶成長の軸対称性が崩れやすくなり、この結果、結晶の捩れが発生し易くなると推測している。また、原料融液表面上の雰囲気における温度勾配が緩いと、成長し易い結晶面(ファセット成長面)が現れ易くなるのに対し、上記温度勾配がきついと融点の等温線に対応した形状の固液界面が形成される結果、ファセット成長が抑制されると推測している。
以下、本発明の実施例について比較例を挙げて具体的に説明する。
尚、SGGG単結晶の育成装置には図1に示す製造装置を用い、SGGG単結晶の原料には、試薬1級の酸化ガドリニウム(Gd23)、炭酸カルシウム(CaCO3)、酸化ガリウム(Ga23)、酸化マグネシウム(MgO)および酸化ジルコニウム(ZrO2)を適用した。
また、既に確立されている肩部に係る従来の育成条件に従ってSGGG結晶の肩部を育成した後、以下の実施例並びに比較例に記載された育成条件に基づきSGGG結晶の直胴部をそれぞれ育成している。
[実施例1]
予備実験により事前に求めたSGGG単結晶の成長に対応した「ホットゾーン条件」に従い、原料融液表面から引き上げ方向1cmまでの雰囲気における温度勾配が7℃/cm(7〜14℃/cmの範囲内)、1cmを越え引き上げ方向10cmまでの雰囲気における温度勾配が19℃/cm(19〜23℃/cmの範囲内)の条件で、直胴部の直径83mm、長さ86mmのSGGG単結晶を育成した。
尚、直胴部上端から0mm〜30mmまでの直胴部を育成する際には、種結晶の回転数を22rpm(22〜30rpm内の一定値)に設定し、直胴部上端から30mmを越えた以降の直胴部を育成する際には、上記22rpmから一定の比率で回転数を減少させて直胴部上端から83mm直胴部が育成した時点での種結晶の回転数が18rpm(18〜21rpmの範囲内)となるように管理しながらSGGG単結晶の直胴部を育成した。
得られたSGGG単結晶の直胴部にはファセットや捩れの発生が見られず、かつ、クラックの発生もなかった。
得られたSGGG単結晶を1600℃、大気雰囲気にて80時間保持し、かつ、30時間かけて室温まで冷却する「アニール処理」を施した後、加工してSGGG単結晶から成る基板(SGGG単結晶基板:非磁性ガーネット単結晶基板)を得た。
そして、SGGG単結晶における直胴部両端の切れ端を除いて76mmから上記基板を切断することができ、直胴部長の収率は88%と良好であった。
[実施例2]
実施例1と同様の方法により、原料融液表面から引き上げ方向1cmまでの雰囲気における温度勾配が14℃/cm(7〜14℃/cmの範囲内)、1cmを越え引き上げ方向10cmまでの雰囲気における温度勾配が23℃/cm(19〜23℃/cmの範囲内)の条件で、直胴部の直径83mm、長さ86mmのSGGG単結晶を育成した。
尚、直胴部上端から0mm〜30mmまでの直胴部を育成する際には、種結晶の回転数を30rpm(22〜30rpm内の一定値)に設定し、直胴部上端から30mmを越えた以降の直胴部を育成する際には、上記30rpmから一定の比率で回転数を減少させて直胴部上端から83mm直胴部が育成した時点での種結晶の回転数が20rpm(18〜21rpmの範囲内)となるように管理しながらSGGG単結晶の直胴部を育成した。
得られたSGGG単結晶の直胴部にはファセットや捩れの発生が見られず、かつ、クラックの発生もなかった。
得られたSGGG単結晶を1600℃、大気雰囲気にて80時間保持し、かつ、30時間かけて室温まで冷却する「アニール処理」を施した後、加工してSGGG単結晶から成る基板(SGGG単結晶基板:非磁性ガーネット単結晶基板)を得た。
そして、SGGG単結晶における直胴部両端の切れ端を除いて76mmから上記基板を切断することができ、直胴部長の収率は88%と良好であった。
[実施例3]
実施例1と同様の方法により、原料融液表面から引き上げ方向1cmまでの雰囲気における温度勾配が10℃/cm(7〜14℃/cmの範囲内)、1cmを越え引き上げ方向10cmまでの雰囲気における温度勾配が21℃/cm(19〜23℃/cmの範囲内)の条件で、直胴部の直径83mm、長さ100mmのSGGG単結晶を育成した。
尚、直胴部上端から0mm〜30mmまでの直胴部を育成する際には、種結晶の回転数を25rpm(22〜30rpm内の一定値)に設定し、直胴部上端から30mmを越えた以降の直胴部を育成する際には、上記25rpmから一定の比率で回転数を減少させて直胴部上端から83mm直胴部が育成した時点での種結晶の回転数が20rpm(18〜21rpmの範囲内)となるように管理しながらSGGG単結晶の直胴部を育成した。
得られたSGGG単結晶の直胴部にはファセットや捩れの発生が見られず、かつ、クラックの発生もなかった。
得られたSGGG単結晶を1600℃、大気雰囲気にて80時間保持し、かつ、30時間かけて室温まで冷却する「アニール処理」を施した後、加工してSGGG単結晶から成る基板(SGGG単結晶基板:非磁性ガーネット単結晶基板)を得た。
そして、SGGG単結晶における直胴部両端の切れ端を除いて90mmから上記基板を切断することができ、直胴部長の収率は90%と良好であった。
[実施例4]
実施例1と同様の方法により、原料融液表面から引き上げ方向1cmまでの雰囲気における温度勾配が10℃/cm(7〜14℃/cmの範囲内)、1cmを越え引き上げ方向10cmまでの雰囲気における温度勾配が21℃/cm(19〜23℃/cmの範囲内)の条件で、直胴部の直径83mm、長さ120mmのSGGG単結晶を育成した。
尚、直胴部上端から0mm〜30mmまでの直胴部を育成する際には、種結晶の回転数を25rpm(22〜30rpm内の一定値)に設定し、直胴部上端から30mmを越えた以降の直胴部を育成する際には、上記25rpmから一定の比率で回転数を減少させて直胴部上端から83mm直胴部が育成した時点での種結晶の回転数が20rpm(18〜21rpmの範囲内)となるように管理しながらSGGG単結晶の直胴部を育成した。
得られたSGGG単結晶の直胴部にはファセットや捩れの発生が見られず、かつ、クラックの発生もなかった。
得られたSGGG単結晶を1600℃、大気雰囲気にて80時間保持し、かつ、30時間かけて室温まで冷却する「アニール処理」を施した後、加工してSGGG単結晶から成る基板(SGGG単結晶基板:非磁性ガーネット単結晶基板)を得た。
そして、SGGG単結晶における直胴部両端の切れ端を除いて110mmから上記基板を切断することができ、直胴部長の収率は92%と良好であった。
[実施例5]
実施例1と同様の方法により、原料融液表面から引き上げ方向1cmまでの雰囲気における温度勾配が7℃/cm(7〜14℃/cmの範囲内)、1cmを越え引き上げ方向10cmまでの雰囲気における温度勾配が19℃/cm(19〜23℃/cmの範囲内)の条件で、直胴部の直径83mm、長さ86mmのSGGG単結晶を育成した。
尚、直胴部上端から0mm〜30mmまでの直胴部を育成する際には、種結晶の回転数を22rpm(22〜30rpm内の一定値)に設定し、直胴部上端から30mmを越えた以降の直胴部を育成する際には、上記22rpmから一定の比率で回転数を減少させて直胴部上端から83mm直胴部が育成した時点での種結晶の回転数が21rpm(18〜21rpmの範囲内)となるように管理しながらSGGG単結晶の直胴部を育成した。
得られたSGGG単結晶の直胴部には若干の捩れの発生が確認されたが、クラックの発生はなかった。
得られたSGGG単結晶を1600℃、大気雰囲気にて80時間保持し、かつ、30時間かけて室温まで冷却する「アニール処理」を施した後、加工してSGGG単結晶から成る基板(SGGG単結晶基板:非磁性ガーネット単結晶基板)を得た。
そして、SGGG単結晶における直胴部両端の切れ端と結晶曲りの部分を除いて46mmから上記基板を切断することができ、直胴部長の収率は53%であった。
[比較例1]
実施例1と同様の方法により、原料融液表面から引き上げ方向1cmまでの雰囲気における温度勾配が4℃/cm(7〜14℃/cmの範囲外)、1cmを越え引き上げ方向10cmまでの雰囲気における温度勾配が3℃/cm(19〜23℃/cmの範囲外)の条件で、直胴部の直径83mm、長さ87mmのSGGG単結晶を育成した。
尚、直胴部上端から0mm〜30mmまでの直胴部を育成する際には、種結晶の回転数を22rpm(22〜30rpm内の一定値)に設定し、直胴部上端から30mmを越えた以降の直胴部を育成する際には、上記22rpmから一定の比率で回転数を減少させて直胴部上端から83mm直胴部が育成した時点での種結晶の回転数が18rpm(18〜21rpmの範囲内)となるように管理しながらSGGG単結晶の直胴部を育成した。
得られたSGGG単結晶には大きなファセットが見られ、かつ、得られた結晶全体にクラックが発生し、加工することはできなかった。
このため、直胴部長の収率は0%であった。
[比較例2]
実施例1と同様の方法により、原料融液表面から引き上げ方向1cmまでの雰囲気における温度勾配が7℃/cm(7〜14℃/cmの範囲内)、1cmを越え引き上げ方向10cmまでの雰囲気における温度勾配が19℃/cm(19〜23℃/cmの範囲内)の条件で、直胴部の直径83mm、長さ87mmのSGGG単結晶を育成した。
尚、直胴部上端から0mm〜30mmまでの直胴部を育成する際、および、直胴部上端から30mmを越えた以降の直胴部を育成する際の両方共、種結晶の回転数を30rpm(22〜30rpm内の一定値)に設定してSGGG単結晶の直胴部を育成した。
得られた結晶全体にクラックが発生し、加工することはできなかったため、直胴部長の収率は0%であった。
そして、SGGG単結晶を原料融液から切り離したときの成長界面形状を反映する結晶底面が凹型であったことから、歪が蓄積してクラックが発生したと考えられる。
[比較例3]
実施例1と同様の方法により、原料融液表面から引き上げ方向1cmまでの雰囲気における温度勾配が7℃/cm(7〜14℃/cmの範囲内)、1cmを越え引き上げ方向10cmまでの雰囲気における温度勾配が19℃/cm(19〜23℃/cmの範囲内)の条件で、直胴部の直径83mm、長さ87mmのSGGG単結晶を育成した。
尚、直胴部上端から0mm〜30mmまでの直胴部を育成する際には、種結晶の回転数を22rpm(22〜30rpm内の一定値)に設定し、直胴部上端から30mmを越えた以降の直胴部を育成する際には、上記22rpmから一定の比率で回転数を減少させて直胴部上端から83mm直胴部が育成した時点での種結晶の回転数が14rpm(18〜21rpmの範囲外)となるように管理しながらSGGG単結晶の直胴部を育成した。
得られたSGGG単結晶を1600℃、大気雰囲気にて80時間保持し、かつ、30時間かけて室温まで冷却する「アニール処理」を施した後、切断加工を行ったところ結晶全体にクラックが発生し、直胴長の収率は0%であった。
そして、SGGG単結晶を原料融液から切り離したときの成長界面形状を反映する結晶底面が凸型であり、結晶回転数の変化に伴って成長界面形状が平坦形状から凸型に変わったことから、歪が蓄積してクラックが発生したと考えられる。
本発明の育成方法により育成されたSGGG単結晶から非磁性ガーネット単結晶基板を加工し、該非磁性ガーネット単結晶基板を用いた液相エピタキシャル法により欠陥の無い酸化物ガーネット単結晶膜が得られるため、酸化物ガーネット単結晶膜を光アイソレータ用ファラデー回転子に使用される産業上の利用可能性を有している。
1 育成炉
2 チャンバー
3 断熱材
4 引き上げ軸
5 ホットゾーン
6 種結晶
7 SGGG単結晶の直胴部
8 坩堝
9 原料融液
10 高周波コイル
11 結晶肩部
12 結晶ボトム部

Claims (4)

  1. 結晶育成炉内に配置された坩堝の原料融液に種結晶を接触させ、かつ、上記種結晶を回転させながら引き上げてCaMgZr置換型ガドリニウム・ガリウム・ガーネット単結晶(Substituted Gd5Ga312:SGGG)を育成するチョクラルスキー(CZ:Czochralski)法によるSGGG単結晶の育成方法において、
    上記SGGG単結晶における直胴部の育成に際し、結晶育成炉内の原料融液表面から引き上げ方向1cmまでの雰囲気における温度勾配を7〜14℃/cm、1cmを越え引き上げ方向10cmまでの雰囲気における温度勾配を19〜23℃/cmの範囲に維持すると共に、直胴部上端から0mm〜30mmまでの直胴部の育成中、上記種結晶の回転数を22〜30rpm内の一定値に設定し、直胴部上端から30mmを越えた以降の直胴部の育成中、上記一定値から一定の比率で回転数を減少させて直胴部上端から83mm直胴部が育成した時点における種結晶の回転数が18〜21rpmとなるようにしたことを特徴とするSGGG単結晶の育成方法。
  2. 上記直胴部上端から30mmを越えた以降の直胴部の育成中、上記一定値から一定の比率で回転数を減少させて直胴部上端から83mm直胴部が育成した時点における種結晶の回転数が18〜20rpmとなるようにしたことを特徴とする請求項1に記載のSGGG単結晶の育成方法。
  3. SGGG単結晶における直胴部の育成に対応した結晶育成炉内における引き上げ方向のホットゾーン条件を事前に設定し、かつ、直胴部の育成中における原料融液表面の引き上げ方向の位置を計測すると共に、計測された原料融液表面の位置データに対応したホットゾーン条件に調整して原料融液表面から引き上げ方向1cmまでの雰囲気における温度勾配と1cmを越え引き上げ方向10cmまでの雰囲気における温度勾配を上記数値範囲に維持することを特徴とする請求項1または2に記載のSGGG単結晶の育成方法。
  4. 上記種結晶表面における結晶方位が<111>であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のSGGG単結晶の育成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114164491A (zh) * 2021-11-24 2022-03-11 山东大学 一种离子掺杂钆镓石榴石晶体及其制备方法和应用

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