JP6065255B2 - タイヤ用ビード部材の製造方法、製造装置およびタイヤ用ビード部材 - Google Patents

タイヤ用ビード部材の製造方法、製造装置およびタイヤ用ビード部材 Download PDF

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Description

本発明は、空気入りタイヤに用いられるタイヤ用ビード部材の製造方法、その製造装置およびタイヤ用ビード部材に関する。
従来のタイヤ用ビード部材として、引用文献1の図2に示されるような金属製の素線が巻回されて円環状に形成されたビードコア、あるいは図5(A)に示されるような、金属の素線が巻回されて円環状に形成されたビードコアの周囲に薄膜状のカバーゴムが貼設されたものが用いられていた。
これらのタイヤ用ビード部材を用いたタイヤは、タイヤ用ビード部材の円環外周に沿って、断面形状が略三角形の帯状の硬フィラーゴム部材が貼設され、左右一対のタイヤ用ビード部材間にわたってカーカスプライがトロイダル状に装架され、カーカスプライの端部はそれぞれのタイヤ用ビード部材をU字状に包むように巻き付けられ、その後タイヤのサイドウォール、トレッド等が貼設され一体に形成された後、加硫装置内に搬送されて加硫成型され製造されるものである。
しかし近年、車両の一層の大型化、馬力の向上により、より一層タイヤ全体の強度を高める必要性が生じ、その為にはビード部の強度を増す必要がある。しかし従来のタイヤは、ビードコアの周囲に直接カーカスが巻き付けられているので、タイヤが使用され荷重を受けると、カーカスプライとビードコアが直接擦れ合い、ビードコアを構成している金属製の素線がバラけてビードコアの形状が変形し、ビード部の強度が低下し、カーカスプライが破損する等の問題があった。また、カーカスプライとビードコアとが擦れ合うことにより、ビードコアとカーカスプライとの間でフレッティング磨耗が発生しビードコアの強度の低下を招く場合もあり、さらにタイヤの強度を向上させる必要があった。
また、ビードコアの周囲に薄膜状のゴムが貼設されているビード部材であっても、ビードコアの周囲に巻きつけた薄膜上のゴムは、加硫成型後の残存ゲージが少なく、ビードコアとカーカスプライの間の充分な間隔を得ることが難しく、金属製の素線がバラけることを防止することが難しく、強度の高いタイヤを得ることが困難であった
特開2003−312215号
本発明は、前記従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、強度が高くユニフォーミティに優れたタイヤを得ることが可能であり、作業員による手作業工程を削減し製造効率を向上させコスト低減を図ることができるタイヤ用ビード部材の製造方法、製造装置およびタイヤ用ビード部材を提供することである。
上記目的を解決するために、請求項1記載の発明は、金属製の素線が巻回されてなるビードコアを備えた環状のタイヤ用ビード部材の製造方法において、前記ビードコアを被覆するビードコア被覆ゴム部材は長手方向に溝部が形成された長尺部材であって、前記ビードコアを周方向に回転駆動するように支持し、前記ビードコア被覆ゴム部材の前記ビードコアの巻付け開始時に、開かれた状態の後端部挟持案内機構の後端部挟持部を、巻付け開始基準点よりも下流側に位置する下流側待機位置に待機させ、先端部挟持案内機構の先端部挟持部を閉じて、前記ビードコア被覆ゴム部材の長手方向先端部を挟持し、前記先端部挟持部が、前記ビードコア被覆ゴム部材の前記長手方向先端部を前記ビードコアの前記巻付け開始基準点に案内して、前記ビードコア被覆ゴム部材を前記ビードコアの前記巻付け開始基準点に向かって供給し、前記溝部内に前記ビードコアの一部を嵌装し、
前記先端部挟持部を開き、前記ビードコアを周方向に回転駆動を開始するとともに、前記ビードコア被覆ゴム部材の前記溝部内に前記ビードコアを挿入し、前記ビードコアに前記ビードコア被覆ゴム部材の巻付けを開始し、前記先端部挟持部および前記後端部挟持部を開き、前記先端部挟持部および前記後端部挟持部を、前記巻付け開始基準点よりも上流側に位置する上流側待機位置に移動させ、前記ビードコア被覆ゴム部材をビードコアに圧着し、前記ビードコアの全周に亘って、前記ビードコアの周囲を前記ビードコア被覆ゴム部材で覆い、前記ビードコア被覆ゴム部材の前記長手方向先端部が前記ビードコアの周囲に配設された先端部検出手段により検知されると、前記ビードコアの回転を停止し、前記先端部挟持部および前記後端部挟持部を閉じて、前記ビードコア被覆ゴム部材を前記先端部挟持部および前記後端部挟持部で挟持し、前記先端部挟持部および前記後端部挟持部の間に切断手段を挿入し、前記ビードコア被覆ゴム部材を、前記ビードコアの外周の一周分に相当する所定長さに前記切断手段で切断し、前記ビードコアの回転を再開し、前記ビードコア被覆ゴム部材の長手方向後端部を前記後端部挟持部でもって挟持し、前記後端部挟持案内機構が、前記後端部挟持部により挟持した前記ビードコア被覆ゴム部材の前記長手方向後端部を、前記ビードコアに巻き付けられた前記長手方向先端部に接合することを特徴とするタイヤ用ビード部材製造方法である。
請求項2記載の発明は、請求項1に記載のタイヤ用ビード部材の製造方法において、前記ビードコア被覆ゴム部材として、前記溝部が形成された本体部と、前記本体部の溝部を覆うための蓋部を具備するビードコア被覆ゴム部材を用い前記ビードコア被覆ゴム部材の前記蓋部を、前記ビードコアが嵌装された前記溝部を覆うように、前記ビードコア被覆ゴム部材の本体部およびビードコアに圧着することを特徴とするものである。
請求項3記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のタイヤ用ビード部材製造方法において、前記ビードコア被覆ゴム部材は、前記溝部が形成された本体部と、前記本体部の溝部を覆うための蓋部を具備し、前記本体部と前記蓋部が連結部により連結されるように押出し成型により一体に形成されており、前記ビードコア被覆ゴム部材の前記蓋部の前記ビードコア被覆ゴム部材の前記溝部の本体部および前記ビードコアへの圧着は、前記ビードコアの周囲に配設され、前記ビードコア被覆ゴム部材の前記本体部と前記蓋部を連結する連結部側から順次蓋部を閉じる方向に向かうそれぞれ異なる押圧角度に配置された複数対の圧着ローラによることを特徴とするものである。
請求項4記載の発明は、請求項1ないし請求項3いずれかに記載のタイヤ用ビード部材製造方法において、前記ビードコア被覆ゴム部材の前記ビードコアの巻付け開始時に、前記巻付け開始基準点において、前記ビードコア被覆ゴム部材の前記溝部の側面と前記ビードコアの側面との間に、前記溝部の前記側面と前記ビードコアの前記側面とが接触することを防止するための板状の接触防止部材を挿入することを特徴とするものである。
請求項5記載の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のタイヤ用ビード部材製造方法において、前記ビードコアは、金属製の素線が巻回されてなるコア部と、該コア部の周囲を包皮する薄膜ゴムよりなるものを用いたことを特徴とするものである。
請求項6記載の発明は、金属製の素線が巻回されてなるビードコアを備えた環状のタイヤ用ビード部材の製造装置において、前記ビードコアの周囲を被覆するビードコア被覆ゴムの巻き付け装置であって、前記ビードコアを支持し回転駆動するビードコア回転駆動支持機構と、長手方向に溝部が設けられた本体部および前記溝部を覆うための蓋部が押出し成型により形成されたビードコア被覆ゴム部材の長手方向先端部を挟持する先端部挟持部を備え、前記ビードコア被覆ゴム部材の前記長手方向先端部の前記溝部を前記ビードコアの巻付け開始基準位置に案内する先端部挟持案内機構と、前記ビードコアの外周の一周分に相当する所定長さの前記ビードコア被覆ゴム部材の長手方向後端部を挟持する後端部挟持部を備え、ビードコアの回転に伴い前記長手方向後端部を案内し、前記長手方向先端部と前記長手方向後端部とを接合する後端部挟持案内機構と、前記ビードコアの周囲に配設され、前記ビードコア被覆ゴム部材の前記蓋部を、前記ビードコアが嵌装された前記溝部を覆うように、前記ビードコア被覆ゴム部材の前記本体部および前記ビードコアに圧着する圧着ローラ機構とを備えることを特徴とするタイヤ用ビード部材製造装置である。
請求項7記載の発明は、請求項6に記載のタイヤ用ビード部材製造装置において、前記ビードコア被覆ゴム部材は長尺部材であって、前記ビードコア被覆ゴム部材を前記ビードコアの外周一周に相当する所定長さに切断する切断機構と、前記先端部挟持部および前記後端部挟持部は、前記切断機構が前記ビードコア被覆ゴム部材を切断する際に、前記切断機構の両側で前記ビードコア被覆ゴム部材を挟持することを特徴とするものである。
請求項8記載の発明は、請求項6または請求項7に記載のタイヤ用ビード部材製造装置において、前記圧着ローラ機構は、前記ビードコアの周囲に配設され、前記ビードコア被覆ゴム部材の前記本体部と前記蓋部を連結する連結部側から順次蓋部を閉じる方向に向かうそれぞれ異なる押圧角度に配置された複数対の圧着ローラを具備することを特徴とするものである。
請求項9記載の発明は、請求項6ないし請求項8のいずれかに記載のタイヤ用ビード部材製造装置において、前記ビードコア被覆ゴム部材の前記巻付け開始基準点において、前記ビードコア被覆ゴム部材の前記溝部の側面と前記ビードコアの側面との間に、板状の接触防止部材を挿入退出することが可能な接触防止機構を備えたことを特徴とするものである。
請求項10記載の発明は、請求項6ないし請求項9のいずれかに記載のタイヤ用ビード部材製造装置において、前記先端部挟持部および前記後端部挟持部は、エアシリンダにより開閉されることを特徴とするものである。
請求項11記載の発明は、請求項6ないし請求項10のいずれかに記載のタイヤ用ビード部材製造装置において、前記ビードコアは、金属製の素線が巻回されてなるコア部と、該コア部の周囲を包皮する薄膜ゴムよりなることを特徴とするものである。
請求項1記載の発明によれば、ビードコア被覆ゴム部材の溝部内にビードコアを嵌装し、溝部を覆うように蓋部が本体部およびビードコアに圧着されて、ビードコアの周囲がビードコア被覆ゴム部材で覆われているので、ビードコアの金属製の素線がバラけることがなく、ビードコアの変形を防止し、またビードコアとカーカス間におけるフレッティング磨耗の発生を防止し、ビードコア部材の強度を増加させ、ひいてはタイヤ全体の強度を増加させることができる。
ビードコア被覆ゴム部材の長手方向先端部が先端部挟持案内機構によりビードコアの巻付け開始基準点に案内され、巻付けが開始されるので、巻付け開始作業が作業員の手によらず自動化することができるので、作業工程の効率化を図り、生産性が向上する。
さらに、ビードコア被覆ゴム部材の長手方向後端部は、後端部挟持案内機構により長手方向先端部と接合されるので、長手方向先端部と長手方向後端部の接合作業は自動化され、生産性がより向上する。
また、ビードコア被覆ゴム部材は長尺部材であって、所定長さへの切断作業や巻付け開始作業が自動化されるので、作業の効率化がさらに図ることができる。
ビードコア被覆ゴム部材の巻き付け開始作業、切断作業、および長手方向先端部と長手方向後端部とを接合する一連の作業を自動化することができ、作業工程を削減し、作業員の手作業を必要とせず、作業効率を向上させ製造コストの削減を図ることができる。
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明の効果に加えて、ビードコア被覆ゴム部材の溝部内にビードコアを嵌装させつつ、ビードコアを回転させ、ビードコア被覆ゴム部材の蓋部を順次本体部およびビードコアに圧着するので、ユニフォーミティに優れたタイヤ用ビード部材を製造することができ、タイヤ全体のユニフォーミティを向上させることができる。
請求項3記載の発明によれば、請求項1または請求項2記載の発明の効果に加えて、ビードコア被覆ゴム部材の蓋部の本体部とビードコアへの圧着は、ビードコア被覆ゴム部材の本体部と蓋部を連結する連結部側から順次蓋部を閉じる方向に向かうそれぞれ異なる押圧角度に配置された複数対の圧着ローラによるので、確実に精度よく、ビードコア被覆部材の蓋部を本体部に圧着することができ、ビード部の強度を高め、ユニフォーミティに優れたタイヤを製造することができる。
さらに、ビードコア被覆ゴム部材が押し出し成型により形成されているので、タイヤの加硫成型後のビードコア被覆ゴム部材の残存ゲージが大きく、ビードコアとカーカスプライとの間隔を充分に確保することができ、ビードコアの素線がバラけることをさらに防止することができ、さらにタイヤ全体の強度を増加させることができる。
請求項4記載の発明によれば、請求項1ないし請求項3記載の発明の効果に加えて、接触防止部材により、溝部の側面とビードコアの側面の接触を防止することができるので、溝部の底部まで確実にビードコアを嵌装することがで、溝部とビードコアの間の隙間を防止し、ビード部における空気溜まりの発生を防ぎ、ビード部の強度を向上させることができる。
請求項5記載の発明によれば、請求項1ないし請求項4記載の発明の効果に加えて、ビードコアのコア部の周囲を薄膜ゴムでもって包被しているので、ビードコアと、ビードコア被覆ゴム部材の溝部と接着性が向上し、ビード部における空気溜まりの発生をより防止し、さらにビード部の強度を向上させることができる。
請求項6記載の発明によれば、ビードコアを回転させつつ、ビードコア被覆ゴム部材の長手方向先端部を巻き付け開始基準点に案内し、ビードコアの周囲にビードコア被覆ゴム部材を巻きつけ、圧着ローラによりビードコア被覆ゴム部材の蓋部を本体部およびビードコアに圧着することができるので、ビードコアの周囲の全てをビードコア被覆ゴム部材で覆うことができ、ビードコアの金属製の素線がバラけることがなく、ビードコアの変形を防止し、またビードコアとカーカスとの間におけるフレッティング磨耗の発生を防止し、ビードコア部材の強度を増加させ、ひいてはタイヤ全体の強度を増加させることができる。
また、ビードコア被覆ゴム部材が押し出し成型により形成されているので、タイヤの加硫成型後のビードコア被覆ゴム部材の残存ゲージが大きく、ビードコアとカーカスプライとの間隔を充分に確保することができ、ビードコアの素線がバラけることをさらに防止することができ、さらにタイヤ全体の強度を増加させることができる。
さらに、ビードコア被覆ゴム部材の溝部内にビードコアを嵌装させつつ、ビードコアを回転させ、ビードコア被覆ゴム部材の蓋部を順次本体部およびビードコアに圧着することができるので、ユニフォーミティに優れたタイヤ用ビード部材を製造することができ、タイヤ全体のユニフォーミティを向上させることができる。
請求項7記載の発明によれば、請求項6記載の発明の効果に加えて、ビードコア被覆ゴム部材は長尺部材であって切断機構により所定長さに切断されるので、所定長さのビードコア被覆ゴム部材を連続して供給することができ、製造工程の効率化を図ることができる。
またビードコア被覆ゴム部材は、切断機構の両側で先端部挟持部および後端部挟持部により挟持されて、切断機構により切断されるので、精度良くビードコア被覆ゴム部材を切断することができ、ユニフォーミティに優れたタイヤを製造することができる。
請求項8記載の発明によれば、請求項6および請求項7記載の発明の効果に加えて、ビードコア被覆ゴム部材の蓋部の本体部とビードコアへの圧着は、コアビードコア被覆ゴム部材の本体部と蓋部を連結する連結部側から順次蓋部を閉じる方向に向かうそれぞれ異なる押圧角度に配置された複数対の圧着ローラによるので、確実にビードコア被覆部材の蓋部を本体部に圧着することができ、ビード部の強度を高め、ユニフォーミティに優れたタイヤを製造することができる。
請求項9記載の発明によれば、請求項6ないし請求項8記載の発明の効果に加えて、接触防止部材により、溝部の側面とビードコアの側面の接触を防止することができるので、溝部の底部まで確実にビードコアを嵌装することが可能となり、溝部とビードコアの間の隙間を防止し、ビード部における空気溜まりの発生を防ぎ、ビード部の強度を向上させることができる。
請求項10記載の発明によれば、請求項6ないし請求項9記載の発明の効果に加えて、先端部挟持案内機構の挟持部と、後端部挟持案内機構の挟持部の開閉は、エアシリンダによるので、確実にタイミング良くビードコア被覆ゴム部材を挟持することができ、精度の高いビード部材を得ることができる。
請求項11記載の発明によれば、請求項6ないし請求項10記載の発明の効果に加えて、ビードコアのコア部の周囲を薄膜ゴムでもって包被しているので、ビードコアとビードコア被覆ゴム部材の溝部と接着性が向上し、ビード部における空気溜まりの発生をより防止し、さらにビード部の強度を向上させることができる。
また、タイヤ用ビード部材の断面において、ビードコアの径方向の中心点は、ビードコア被覆ゴム部の径方向の中心点よりも、径方向において内側に位置しているので、カーカスが折り返され巻きつけられるビードコアの外周面周辺が、ビードコア被覆ゴム部材により充分な厚さでもって覆われているので、ビードコアとカーカスとの間隔を充分にとることができ、タイヤのビード部の強度が向上し、タイヤ全体の強度が向上する。
さらに、ビードコアとして巻き付けられた素線は、幅方向に対して隣接し互いに接触しているので、ビードコアの強度が高くなり、タイヤ全体の強度が向上する。
本発明の一実施例におけるタイヤ用ビード部材成型装置の側面の概略図である。 ビードコアの一部の断面斜視図である。 ビードコア被覆ゴム部材の一部の断面斜視図である。 図1の押出し機側から見た図である。 ビードコア被覆ゴム部材部材の溝部にビードコアが嵌装された断面図である。 タイヤ用ビード部材成型装置の要部拡大図である。 回転駆動支持部の要部拡大図である。 図7のVIII-VIII線矢視図である。 架台8に取付けられたコンベア用フリーローラおよび先端部検出センサを示した側面図である。 ビードコア被覆ゴム部材案内機構を示した側面図である。 前方送り機構、溝部案内機構およびビードコア被覆ゴム部材切断機構を示した側面図である。 図11のXII-XII線矢視図である。 図11の平面図である。 図11のXIV−XIV線矢視図である。 第1案内挟持案内機構および第2挟持案内機構を示した平面図である。 第1案内挟持案内機構、第2挟持案内機構、挟持機構および接触防止機構を示した正面図である。 第1挟持部を示した正面図である。 第2挟持部を示した正面図である。 ビードコア被覆ゴム部材の溝部内にビーコアおよび接触防止部材が挿入した断面図である。 第1圧着ローラ機構を図示した側面図。 第2圧着ローラ機構を図示した側面図。 第3圧着ローラ機構を図示した側面図。 タイヤ用ビード部材の断面図である。 タイヤ用ビード部材製造装置によるタイヤ用ビード部材の製造過程を示した概略図である。 タイヤ用ビード部材製造装置によるタイヤ用ビード部材の製造過程を示した概略図である。 タイヤ用ビード部材製造装置によるタイヤ用ビード部材の製造過程を示した概略図である。 タイヤ用ビード部材製造装置によるタイヤ用ビード部材の製造過程を示した概略図である。 タイヤ用ビード部材製造装置によるタイヤ用ビード部材の製造過程を示した概略図である。 タイヤ用ビード部材製造装置によるタイヤ用ビード部材の製造過程を示した概略図である。 タイヤ用ビード部材製造装置によるタイヤ用ビード部材の製造過程を示した概略図である。 タイヤ用ビード部材製造装置によるタイヤ用ビード部材の製造過程を示した概略図である。 タイヤ用ビード部材製造装置によるタイヤ用ビード部材の製造過程を示した概略図である。 タイヤ用ビード部材製造装置によるタイヤ用ビード部材の製造過程を示した概略図である。 タイヤ用ビード部材製造装置によるタイヤ用ビード部材の製造過程を示した概略図である。 タイヤ用ビード部材製造装置によるタイヤ用ビード部材の製造過程を示した概略図である。 タイヤ用ビード部材製造装置によるタイヤ用ビード部材の製造過程を示した概略図である。 タイヤ用ビード部材製造装置によるタイヤ用ビード部材の製造過程を示した概略図である。 本実施例のタイヤ用ビード部材を用いたタイヤの断面図である。 図38の要部拡大図である。
以下、本発明に係る一実施例について図1ないし図11に基づき説明する。
本発明に係る一実施例のタイヤ用ビード部材製造装置1は、硬質のフィラーゴムにより成型されたビードコア被覆ゴムでもってビードコア10の周囲が覆われたタイヤビード部材14を製造する装置である。
タイヤ用のビード部材製造装置1は、図1に示されるように、押出し機2、フェスツーン装置3、ビードコア被覆ゴム部材案内機構4、ビードコア回転駆動支持機構5、圧着ローラ機構6、ビードコア被覆ゴム切断機構7を具備しており、これらの機構は架台8に支持されている。
ビードコア10は、図2に示されるように、金属製の素線11a円環状に巻き付けられてその断面形状が例えば矩形状になるように成形されたコア部11の周囲に、薄膜状のカバーゴム12が巻き付けられたものである。円環状に巻き付けられて成型されたコア部11の素線11aは、幅方向に対して隣接して互いに接触している。該ビードコア10は、作業員の手あるいは図示されない搬送装置により、ビードコア回転駆動支持機構5に1個ずつ供給されてセットされる。前記ビードコア10の断面形状は多角形でもよい。
ビードコア被覆ゴム部材13は、硬質のフィラーゴムがスクリュー式の押出し機2により、連続して押出し成型された長尺部材である。ビードコア被覆ゴム部材13は、図3に示されるように、断面形状が略円形の本体部13aに、断面形状が略正方形であって長手方向に指向した溝13bが形成されている。前記ビードコア被覆ゴム部材13は、図5に示されるように、前記溝部13b内にビードコア10が嵌装され、溝部13bの底面13bがビードコア10の外周面10aに、溝部13bの側面13がビードコア10の側面10bに近接するように、ビードコア10の円周方向に沿って巻き付けることができるようになっている。さらに、溝部13bの上端部一方の連結部13cに蓋部13dが付設されている。溝部13b内にビードコア10が嵌装された後に、該蓋部13dでもって、溝部13bおよびビードコア10の内周面10cを覆うことができるようになっている。
押出し機2により押出されたビードコア被覆ゴム部材13は、図1に示されるように、複数対のフリーローラ25と、フェスツーン装置3に送られる。
前記フェスツーン装置3は、図1および図4に示されるように、複数の円盤状部材20aが同軸上に支持された上部巻付け部20と、上部巻付け部20の下方に配設され、複数の円盤部材21aが他の同軸上に支持された下部巻付け部21を備えており、押出し機2から供給されたビードコア被覆ゴム部材13は、その溝部13bが、上部巻付け部20の円盤状部材20aの外周と下部巻付け部21の円盤状部材21aの外周に嵌るように、円盤状部材20aと円盤状部材21aとに交互に螺旋状に巻きつけられて、フェスツーン24が作成され、押出し機2より吐出されたビードコア被覆ゴム部材13が蓄えられるようになっている。押出し機2より押出された高温のビードコア被覆ゴム部材13は、フェスツーン24としてしばらくの間常温に晒されるようになっている。
下部巻付け部21は上下方向に移動可能に支持され、図1に示されるように、下部巻付け部21の側方には上下方向に複数の近接センサ22が配設されており、下部巻付け部21の高さが近接センサ22でもって検出されるようになっている。下部巻付け部21の位置する高さが近接センサ22により検出されると、図示されない制御装置に送られ、フェスツーン24の長さが算出されて、このフェスツーン24の長さに応じて、制御装置により押出し機2のビードコア被覆ゴム部材13を押出す速度が制御され、フェスツーン24の長さが一定の範囲内に納まるように制御されている。
ビードコア被覆ゴム部材13は、フェスツーン15を経て、複数のフリーローラ26を介して、ビードコア被覆ゴム部材案内機構4へと送られ、ビードコア被覆ゴム部材案内機構4により、ビードコア回転駆動支持機構5に支持されたビードコア10へ送られる。
ビードコア10を回転支持するビードコア回転駆動支持機構5は、図6に示されるように、ビードコア10を支持し回転駆動させる回転駆動支持部30と、回転駆動支持部30を上下方向に昇降させる昇降手段31と、複数のフリーローラ33からなりビードコア10を回転自在に支持する支持部32と、ビードコア被覆ゴム部材先端部を検出する先端部検出センサ58と、図示されない制御装置を具備している。
ビードコア10は、その直径の大きさに係らず、回転駆動支持部30が昇降手段31により上下方向に移動されることにより、ビードコア10の最下端部が、常に巻付け開始基準点Pに位置するように、ビードコア回転駆動支持機構5に支持されるようになっている。該巻付け開始基準点Pとは、図5および図27に示されるように、ビードコア被覆ゴム部材13の長手方向の先端部13eが第1挟持案内機構80の第1挟持部84により案内されて、ビードコア被覆ゴム部材13の溝部13bの底面13bがビードコア10の外周面最下端10dに接し始めるビードコア被覆ゴム部材巻付け開始位置のことである。
回転駆動支持部30は、図6ないし図8に示されるように、ビードコア回転駆動支持機構5にセットされたビードコア10の内周面10cの上方左右それぞれの位置に接して、ビードコア10を支持し回転駆動する一対の回転駆動ローラ35と、一対の回転駆動ローラ35に対してビードコア10を挟んで対向して配設される一対の押え用フリーローラ43と、回転駆動ローラ35を回転駆動させるサーボモータ39を備えており、これらは支持板34に支持され、昇降手段31により一体として昇降される。
サーボモータ39の回転軸40には駆動プーリ41が取付けられている。また、一対の回転駆動ローラ35のそれぞれの回転軸36は、支持板34に配設された軸受37によって回転自在に支持され、該回転軸36の他端部36aには支持板34を挟んでそれぞれ被駆動プーリ38が取付られている。駆動プーリ41と被駆動プーリ38は同一平面上に配設され、タイミングベルト42が巻きかけられており、サーボモータ39が回転駆動されると、タイミングベルト42を介してサーボモータ39の回転駆動力が一対の回転駆動ローラ35に伝達されるようになっている。サーボモータ39は、図示されない制御装置により回転が制御されるものである。
押え用フリーローラ43は、支持板34にブラケット44を介して固定された進退用シリンダ45の作動軸46に回転自在に取付けられている。進退用シリンダ45は、作動軸46が上下方向に進退するような向きに配設されており、ビードコア回転駆動支持機構5にビードコア10をセットする際には、進退用シリンダ45を作動させ押え用フリーローラ43を上方に移動させてからビードコア10をセットし、その後進退用シリンダ45を反対方向に作動させ押え用フリーローラ43を下方に移動させ、ビードコア10は回転駆動ローラ35および押え用フリーローラ43により挟み込まれて支持される。
昇降手段31は回転駆動支持部30を昇降する手段であって、前記支持板34の左右に位置して架台8に固定された左右一対のガイドレール48が配設されており、一対のガイドレール48の移動子49に、前記支持板34の裏面34bの左右両側が固着されており、支持板34はガイドレール48に沿って上下方向に移動することができるようになっている。また、架台8に回転自在に支持されたネジシャフト50が、支持板34の表面34a側に左右方向の中央に位置して配設されており、該ネジシャフト50に螺合するブロックナット51が支持板34の表面側中央に設けられており、ネジシャフト50の上端に固着されたハンドル52の回転により支持板34は上下に移動されるようになっており、支持板34に固定された回転駆動支持部30は、昇降手段31により一体として上下方向に昇降される。ビードコア10の直径に応じて昇降手段31により回転駆動支持部30を昇降して、ビードコア10の下端部10dを巻付け開始基準点Pに合致させることができる。
支持部32は、図6に示されるように、4本の幅の広いコンベア用フリーローラ55と、2対の下部支持ローラ56を具備している。コンベア用フリーローラ55は、コンベア用フリーローラ55の回転軸55aがビードコア10の略中心に向かうように架台8に回転自在に支持され、図9に示されるように、4本のコンベア用フリーローラ55のローラ面が同一平面上に存するように配設され、ビードコア10が回転駆動支持部30にセットされた際に、ビードコア10を側面から所定の角度に支持するものである。また、下部支持ローラ56は、それぞれのローラ56aがシリンダ装置57により進退可能に支持され、ビード部材製造装置1にセットされるビードコア10の径に応じて位置を変更することが可能であり、ビードコアを斜め下方から支持する役割を果たすものである。
さらに、図6および図9に示されるように、ビードコア10に巻付けられたビードコア被覆ゴム部材の先端部を検出する先端部検出センサ58が設けられている。該先端部検出センサ58は、ビードコア10の略中心方向に向かって進退可能に架台に支持され、ビードコア10の直径に応じて、ビードコア10の外周に接近させることができるようになっており、ビードコア10の周囲に巻きつけられたビードコア被覆ゴム部材13の先端部が近接すると検知し、先端部検出センサ58により検出された信号が図示されない制御装置に送られるようになっている。
次にビードコア被覆ゴム部材案内機構4について説明する。
ビードコア被覆ゴム部材案内機構4は、図1に示されるようにフェスツーン装置3から送られてきたビードコア被覆ゴム部材13を、ビードコア回転駆動支持機構5にセットされたビードコア10の巻付け開始基準点Pに案内するものである。以下ビードコア被覆ゴム部材13が案内される進行方向を前方、反対方向を後方とし、ビードコア被覆ゴム部材13の流れ方向に向かって右側を右、左側を左とし、装置の上下方向を上下として説明する。
ビードコア被覆ゴム部材案内機構4は、図10に示されるように、ビードコア被覆ゴム部材13を下方から支え前方に送る前方送り機構60と、ビードコア被覆ゴム部材13の溝部13b内を通って蓋部13dを起立させ溝部13bを開口状態にしつつビードコア被覆ゴム部材13を前方に送る溝部案内機構70と、ビードコア被覆ゴム部材13を左右から挟持しビードコア被覆ゴム部材13を所定位置に案内する挟持案内機構80、90と、ビードコア10の巻付け開始基準点Pにおいてビードコア被覆ゴム部材13左右から挟持する挟持機構100と、巻付け開始基準点Pにおいてビードコア被覆ゴム部材13の溝部13bとビードコア10の側面10bとの接触を防ぐ接触防止機構110とを具備している。
前方送り機構60は、図11ないし図13に示されるように、架台8に支持されたブラケット63上に、前後方向に長く延びた前方送り部材61が支持され、この前方送り部材61の上面に、前後方向に沿って左右それぞれ一列に複数のボールローラ62が取付けられており、前方送り機構60に供給されたビードコア被覆ゴム部材13は、ボールローラ62上を前方に送られるようになっている。
案内機構70は、図11ないし図13に示されるように、前方送り機構60に平行に上方に位置して配設され、ブラケット75、76を介してブラケット63に支持されている。溝案内機構70は、溝案内部材71と、溝案内部材71の左右側面に取り付けられるボールローラ74を具備している。
図12に示されるように、ビードコア被覆ゴム部材13の案内方向視における左右のボールローラ74の左右側方頂部までの幅Wは、ビードコア被覆ゴム部材13の溝部13bの幅Wより若干狭い幅に設定されている。また溝案内部材71は、架台8に取り付けられた状態で、その下端面71aが、前方送り機構60上を案内されるビードコア被覆ゴム部材13の溝部13bの底面13bの高さよりも若干高い位置になるよう配設されている。
溝案内部材71は、図11に示されるように前後方向の略中央付近において、上流側溝案内部材72と下流側溝案内部材73とに、前方方向に傾斜して斜めに分割され、上流側溝案内部材72と下流側溝案内部材73との間には所定の間隙が設けられており、該間隙の中に、後述する切断手段としてのカッター125を挿入してビードコア被覆ゴム部材13を切断することができるようになっている。
さらに、上流側溝案内部材72の上流側端部72は、側面視において、上流側溝案内部材72の下面72bは上面72aよりも上流側に張り出して斜めに形成されており、ビードコア被覆ゴム部材13がフェスツーン装置3から案内されてくると、ビードコア被覆ゴム部材13の溝部13bの底面13b側から溝部13b内に上流側端部72cの先端72dが挿入され、蓋部13dにより溝部13bの開口部が覆われていても、蓋部13dが起立されて溝部13bが開口されるようになっている。
ビードコア被覆ゴム部材案内機構4は、図10、図15および図16に示されるように、前後方向に移動可能であってビードコア被覆ゴム部材13を挟持して所定位置に案内する第1挟持案内機構80および第2挟持案内機構90と、巻付け開始基準点Pにおいてビードコア被覆ゴム部材13を挟持することのできる挟持機構100と、巻付け開始基準点Pにおいてビードコア被覆ゴム部材13の溝部13bの側面13bとビードコア10の側面10bとが接触してビードコア10のビードコア被覆ゴム部材13の溝部13bへの挿入の妨げとなることを防止するための接触防止機構110とを具備している。
第1挟持案内機構80と第2挟持案内機構90は、ビードコア被覆ゴム部材13の流れ方向を挟んで左右に配設されている。第1挟持案内機構はビードコア被覆ゴム部材13の先端部13eを挟持して案内する先端部挟持案機構としての役目を果たし、第2挟持案内機構はビードコア被覆ゴム部材13の長手方向の後端部13を挟持して案内する後端部挟持案機構としての役目を果たすものである。
第1挟持案内機構80は、図15および図16に示されるように、前後方向に指向した第1ガイドレール81と、第1ガイドレール81上を前後方向に移動する第1移動体82と、第1移動体82を駆動する第1サーボモータ83と、第1移動体82上に固定され、第1移動体82と一体となって第1ガイドレール上を移動する第1挟持部84を具備している。
第1挟持部84は、ブラケット85を介して固着された第1エアチャック86と、第1エアチャック86の本体部86aに支持されエアにより開閉される第1エアチャック86の一対の移動端子86bと、一対の移動端子86bにクランク状ブラケット87を介して取付けられた一対の第1挟持部材88から構成されている。
図10および図15に示されるように、第1ガイドレール81に取付けられた第1移動体82は、第1ガイドレール81の上流側端部に配設された第1サーボモータ83により前後方向に駆動制御され、第1ガドレール81の側面の複数箇所に配設された近接センサ89により、第1移動体82の前後方向の位置が検出されるようになっている。
図10および図16に示されるように、第1移動体82の上には、第1挟持部84が固定されており、ブラケット85を介して第1エアチャック86が取付けられている。第1エアチャック86は、図17に示されるように、本体部86aと一対の移動端子86bを備えており、移動端子86bは、本体部86aのエアの吸排出により左右方向に平行に移動するものである。この一対の移動端子86bのそれぞれにクランク状ブラケット87を介して一対の第1挟持部材88が取付けられている。
クランク状ブラケット87は、後方視において先端部87aが移動端子86bに固定される固定部87bより左方に位置するようなクランク状に形成されており、左右それぞれ移動端子86bの左側面に取付けられている。クランク状ブラケット87の先端部87aのそれぞれに第1挟持部材88が取付けられ、第1エアチャック86を作動させて移動端子86bが開閉されると、第1挟持部材88は開閉される。
前記一対の第1挟持部材88は、ビードコア被覆ゴム部材13の長手方向に直交した断面の左右両側部の形状に合致するように形成されており、右側挟持部材88aはビードコア被覆ゴム部材13の右側面の形状に合致し、左側挟持部材88bはビードコア被覆ゴム部材13の左側面の形状に合致するようそれぞれ円弧状に形成され、左側挟持部材88bは、ビードコア被覆ゴム部材13の開いた状態の蓋部13を支えることができるように斜め上方に長く形成されている。平面視において、一対の第1挟持部材88間の中心線Lが、前記案内機構のビードコア被覆ゴム部材の流れ方向の中心線Lと重なるようになっており、第1挟持部材88が第1エアチャック86により閉じられると、ビードコア被覆ゴム部材は第1挟持部材88により左右から挟持される。
ビードコア被覆ゴム部材13が第1挟持部材88により挟持された状態で、第1ガイドレール81上の第1移動82が第1サーボモータ83により前方へ移動されると、図27に示されるように、ビードコア被覆ゴム部材13を挟持した第1挟持部84が第1移動82の移動に伴い前方に移動され、ビードコア被覆ゴム部材13の先端部13eの溝部13bの底面13bが、ビードコア回転駆動支持機構5にセットされたビードコア10の下端部の巻付け開始基準点Pに案内される。
第2挟持案内機構90は、図15に示されるように、第1ガイドレール81の左方に平行して、第1ガイドレール81より前方に配設された第2ガイドレール91と、図10および図16に示されるように、第2ガイドレール91上を前後方向に移動する第2移動体92と、第2移動体92を駆動する第2サーボモータ93と、第2移動体92上に固定され、第2移動体92と一体となって第2ガイドレール91上を移動する第2挟持部94を具備している。
第2挟持部94は、ブラケット95を介して固着された第2エアチャック96と、エアにより開閉される第2エアチャック96の一対の移動端子96bと、一対の移動端子96bにクランク状ブラケット97を介して取付けられた一対の第2挟持部材98から構成されている。ブラケット95を介して固着された第2エアチャック96と、エアにより開閉される第2エアチャック96第2挟持部材98の開閉に伴いビードコア被覆ゴム部材13が挟持され、第2サーボモータ93によって駆動される第2移動体92の移動に伴って、第2挟持部材98により挟持されたビードコア被覆ゴム部材13の後端部13fがビードコア10に案内されるようになっている。
クランク状ブラケット97は、図18に示されるように、後方視において先端部97aが移動端子96bに固定される固定部97bより右方に位置するようなクランク状に形成されており、左右それぞれ移動端子96bの右側面に取付けられている。クランク状ブラケット97の先端部97aのそれぞれに第2挟持部材98が取付けられ、第2エアチャック96を作動させて移動端子96bが開閉されると、第2挟持部材98が開閉される。
前記一対の第2挟持部材98は、ビードコア被覆ゴム部材13の長手方向に直交した断面の左右両側部の形状に合致するように形成されており、右側挟持部材98aはビードコア被覆ゴム部材13の右側面の形状に合致し、左側挟持部材98bはビードコア被覆ゴム部材13の左側面の形状に合致するようそれぞれ円弧状に形成され、左側挟持部材98bは、ビードコア被覆ゴム部材13の開いた状態の蓋部13を支えることができるように斜め上方に長く形成されている。平面視において、一対の第2挟持部材98間の中心線Lが、前記案内機構のビードコア被覆ゴム部材13の流れ方向の中心線Lと重なるようになっており、第2挟持部材98が第エアチャック96により閉じられると、ビードコア被覆ゴム部材13は第2挟持部材98により左右から挟持される。
図10に示すように、第1ガイドレール81と第2ガイドレール91の左右外側に、側面視においてビードコア10の巻付け開始基準点Pに重なるように、一対の挟持機構100が設けられている。挟持機構100は、図16に示されるように、第1ガイドレール81および第2ガイドレール91を挟むように、ブラケット79に取付部材101が立設され、取付部材101の上部にシリンダ装置102が架設され、シリンダ装置102の作動軸103に第3挟持部材104が取付けられている。シリンダ装置102が作動すると、一対の第3挟持部材104は開閉し、第3挟持部材104が閉じると、ビードコア被覆ゴム部材13を挟持することができるようになっている。
接触防止機構110は、巻付け開始基準点Pにおいてビードコア被覆ゴム部材13の溝部13bの側面13bビードコア10の側面10bとが接触することにより、溝部13b内へのビードコア10の嵌合が阻害され、ビードコア10の外周面10aと溝部13bの底面13bとの間に隙間が生じ、タイヤ用ビード部材14における空気溜まりが発生して、タイヤ用ビード部材14の強度が低下することを防止するために、巻付け開始基準点Pにおいてビードコア被覆ゴム部材13の溝部13bの側面13bとビードコア10の側面10bとが接触することを防止する機構である。
接触防止機構110は、図16に示されるように、架台8にブラケット111を介して上下方向に指向してシリンダ装置112が設けられており、シリンダ装置112の作動軸113に接触防止部材115が固着されている。接触防止部材115は、所定幅の2枚の板部材115aがビードコア10の幅に相当する間隔を存してブラケット114に固着され、シリンダ装置112の作動により上下動され、図19に示されるように、巻付け開始基準点Pにおいてビードコア被覆ゴム部材13の溝部13b内に、上方からビードコア10を跨いで挿入することができるようになっている。
ビードコア被覆ゴム切断機構7は、ビードコア被覆ゴム部材13をビードコア10の外周の一周分に相当する長さに切断するものであって、図11、図13および図14に示されるように、ブラケット63にブラケット121を介して、ビードコア被覆ゴム部材13の流れ方向と直交して水平に取り付けられたガイドレール122と、ガイドレール122上を移動する移動子123と、移動子123に取付部124を介して取り付けられたカッター125と、カッター125の待機時にカッター125を収納する収納部126と、収納部126のカッター出入側の端部に設けられカッター125に付着したゴムを剥すための剥し板127と、収納部126内に配設されカッター125をビードコア被覆ゴム部材の切断に適切な所定温度に暖めておくヒータ128と、カッター125の位置を検出する複数の近接センサ129を具備している。
ビードコア被覆ゴム切断機構7は、図示されない制御装置によりビードコア被覆ゴム部材切断開始信号が入力されると、図14に示されるように、移動子123がガイドレール122上を右方に移動し、それに伴いカッター125が右方へと移動し、図10に示されるように、第1挟持案内機構80の第1挟持部材88および上流側案内部材72と、第2挟持案内機構90の第2挟持部材98との間、および溝部案内機構70の上流側案内部材72と下流側案内部材73との間の隙間に挿入され、第1挟持案内機構80と第2挟持案内機構90により挟持されたビードコア被覆ゴム部材13が切断されるようになっている。
カッター125は、ビードコア被覆ゴム部材13を切断後、移動子123により待機位置に戻され、カッター125が収納部126に収納される際に、収納部126のカッター出入り側の端部に設けられた剥し板127によりカッター125に付着したゴムが剥され、カッター125は収納部126に収納されヒータ128により所定温度に暖められる。
圧着ローラ機構6は、図6に示されるように、ビードコア10の周囲に配設された第1圧着ローラ機構140、第2圧着ローラ機構150および第3圧着ローラ機構160を具備しており、ビードコア10に巻き付けられたビードコア被覆ゴム部材13の蓋部13dを閉じて本体部13aおよびビードコア10に圧着するための機構である。
第1圧着ローラ機構140は、図20に示されるように、ビードコア被覆ゴム部材13が巻き付けられたビードコア10を挟み圧着させるための一対のローラである、上方圧着ローラ141および下方圧着ローラ142を具備している。上方圧着ローラ141、下方圧着ローラ142は、それぞれ、架台8に支持されたブラケット143、144に固着されたシリンダ装置145、146の作動軸147、148に回転自在に支持されており、シリンダ装置145、146の作動により、上方圧着ローラ141および下方圧着ローラ142は進退して、ビードコア10の径に応じて、上方圧着ローラ141および下方圧着ローラ142の位置を変更することができるようになっている。
第1圧着ローラ機構140は、ビードコア被覆ゴム部材13の前記本体部13aと前記蓋部13dを連結する連結部13c側から蓋部13dを閉じる方向、すなわち水平面から略45度傾いた方向に向かって、ビードコア被覆ゴム部材13を押圧するようになっている。
第2圧着ローラ機構150は、図21に示されるように、上方圧着ローラ151および下方圧着ローラ152を具備しており、上方圧着ローラ151、下方圧着ローラ152は、それぞれ、架台8に支持されたブラケット153、154に固着されたシリンダ装置155、156の作動軸157、158に回転自在に支持されており、シリンダ装置155、156の作動により、上方圧着ローラ151および下方圧着ローラ152は進退し、ビードコア10の径に応じて、その位置を変更することができるようになっている。
第2圧着ローラ機構150は、上下方向から若干傾いた方向であって、蓋部13dを上方から本体部13aおよびビードコア10の内周面10cに圧着する方向に、ビードコア被覆ゴム部材13を押圧するようになっている。
第3圧着ローラ機構160は、図22に示されるように、上方圧着ローラ161および下方圧着ローラ162を具備しており、下方圧着ローラ162は、架台8に支持されたブラケット163に固着されたシリンダ装置165の作動軸167に回転自在に支持されている。上方圧着ローラ161は、架台8に支持されたブラケット164に固着されたシリンダ装置166の作動軸168に支持板169が固着され、支持板169に固定された駆動モータ170の回転により、回転駆動されるようになっている。上方圧着ローラ161および下方圧着ローラ162は、シリンダ装置165、166の作動により進退し、ビードコア10の径に応じて、その位置を変更することができるようになっている。
第3圧着ローラ機構160は、上下方向から若干傾いた方向であって、蓋部13dの端部を本体部13aに圧着する方向に、ビードコア被覆ゴム部材13を押圧するようになっている。
図20ないし図22に示されるように、第1圧着ローラ機構140、第2圧着ローラ機構150、第3圧着ローラ機構160のそれぞれの圧着方向が、ビードコア被覆ゴム部材13の本体部13aと蓋部13dを連結する連結部13cから順次蓋部13dを閉じる方向に向かうそれぞれ異なる押圧角度になるように配設されており、巻付け開始基準点Pからビードコア被覆ゴム部材13がビードコア10に巻付け開始され、ビードコア回転駆動支持機構5によりビードコア10が回転されていくと、ビードコア10が溝部13b内に嵌装されたビードコア被覆ゴム部材13の蓋部13dが、圧着ローラ機構6により次第に閉じられていき、図23に示されるように、ビードコア10の周囲にビードコア被覆ゴム部材13が圧着されるようになっている。ビードコア10の周囲にビードコア被覆ゴム部材13が圧着されてタイヤ用ビード部材14となると、タイヤ用ビード部材の断面において、ビードコア10の径方向の中心点Cbは、ビードコア被服ゴム部材の径方向の中心点Cgよりも、径方向において内側に位置するようになっている。
以下、前記したビード部材製造装置1を使用して、ビードコア10の周囲にビードコア被覆ゴム部材13を巻付けて、タイヤ用ビード部材14を製造する方法について説明する。
ビードコア10を、図1に示すように、ビード部材製造装置1のビードコア回転駆動支持機構5にセットする。ビードコア回転駆動支持機構5にビードコア10を支持させる際に、ビードコア10の下端部10dが巻付け開始基準点Pに合致するように、図7に示す昇降手段31のハンドル52を回転させて回転駆動支持部30を適切な位置に移動さ、進退用シリンダ45を作動させ、押え用フリーローラ43を上方に移動させた後、ビードコア10をセットし、押え用フリーローラ43を下方に移動させ、回転駆動ローラ35と押え用フリーローラ43でもってビードコア10を挟み込む。さらに、圧着ローラ機構6のシリンダ装置145、146、155156165166を作動させ、セットされたビードコア10を挟むように圧着ローラ141、142、151、152、161、162を移動させる。
押出し機2を始動させ、押出し機2から押出されたビードコア被覆ゴム部材13を、図1および図4に示すように、例えば作業員が、フェスツーン装置3の上部巻付け部20の円盤状部材20aと、下部巻付け部21の円盤状部材21aとに交互に、円盤状部材20aと円盤状部材21aの外周部にビードコア被覆ゴム部材13の溝部13bが嵌るように巻付けてフェスツーン23を作成し、フェスツーン装置3から出たビードコア被覆ゴム部材13の先端を複数対のフリーローラ26間を通し、ビードコア被覆ゴム部材案内機構4に次のようにセットする。
ビードコア被覆ゴム部材案内機構4の第1挟持案内機構80の第1挟持部材88および第2挟持案内機構90の第2挟持部材98を、図24に示すように、上流側待機位置に移動し、第1エアチャック86、第2エアチャック96を作動させ、第1挟持部材88および第2挟持部材98を開く。
その後フェスツーン装置3から案内されたビードコア被覆ゴム部材13を、図10および図12に示すように、蓋部13dが開かれた状態で、ビードコア被覆ゴム部材案内機4の溝案内部材71がビードコア被覆ゴム部材13の溝部13bを通るように前方送り機構60上に載せ、ビードコア被覆ゴム部材13の先端が第2挟持案内機構90の第2挟持部材98の前端まで到達するようにセットし(図24参照)、第1エアチャック86、第2エアチャック96を作動させ、第1挟持部材88および第2挟持部材98を閉じ、ビードコア被覆ゴム部材13は、第1挟持部材88および第2挟持部材98で挟持される。
その後、図25に示すように、ビードコア被覆ゴム切断機構7を作動し、第1挟持部材88と第2挟持部材98の隙間にカッター125を挿入してビードコア被覆ゴム部材13を切断し、その後カッター125は収納部126に戻る。カッター125は収納部126に収納される際に、カッター125に付着したゴム屑が剥し板127により取り除かれる。
図26に示すように、ビードコア被覆ゴム部材13の端材13gを挟持した第2挟持部94を、下流側の下流側待機位置に移動し、第2挟持部94の第2エアチャック96を作動することにより、第2挟持部材98を開き、第2挟持部材98に挟持されていたビードコア被覆ゴム部材13の端材13gを排出し、第2挟持部94を下流側待機位置にて待機させる。
その後、図27に示すように、第1挟持部84に挟持されたビードコア被覆ゴム部材13の先端部13eを下流側に案内し、先端部13eの溝部13bの底面13bを巻付け開始基準点Pへ案内してビードコア10を溝部13b内に嵌装する。
その後、図28に示すように、接触防止機構110の接触防止部材115を下方へ移動し、図19に示すように、ビードコア被覆ゴム部材13の溝部13bの側面13bと、ビードコア10の側面10bの間に接触防止部材115を挿入し、第1挟持部84を開き、ビードコア回転駆動支持機構5のサーボモータ39の回転を開始して回転駆動ローラ35を回転し、それに伴いビードコア10の回転が始まり、ビードコア10のビードコア被覆ゴム部材13の巻付けが開始される。
ビードコア被覆ゴム部材13の溝部13bの側面13bと、ビードコア10の側面10bの接触を防止することにより、ビードコア被覆ゴム部材の溝部13bの底面13bまでビードコア10の外周面10aが嵌装され、底面13bとビードコアの外周面10aとの間に隙間が生じることがなく、ビード部における空気溜まりが生じるのを防止することができるようになっている。
その後、図29に示すように、ビードコア被覆ゴム部材13が供給されてビードコア10にビードコア被覆ゴム部材13が巻付けられている間に、第1挟持部84および第2挟持部94を開き、開いた状態の第1挟持部84および第2挟持部94を上流側待機位置に移動する。ビードコア10の回転に伴いビードコア10およびビードコア被覆ゴム部材13が圧着ローラ機構6を通過する間に、ビードコア被覆ゴム部材13の蓋部13dが、角度の異なる第1圧着ローラ機構140、第2圧着ローラ機構150および第3圧着ローラ機構160により次第に閉じられ、図23に示すように、蓋部13dは本体部13aおよびビードコア10に圧着される。
さらに、図30に示すように、ビードコア10に巻付けられたビードコア被覆ゴム部材13の先端部13eを先端部検出センサ58が検知すると、検出された信号が図示されない制御装置に送られ、制御装置からの信号により、回転駆動支持部30のサーボモータ39の回転を停止し、ビードコア10の回転が停止され、第1挟持部84および第2挟持部94の第1エアチャックおよび第2エアチャックを閉じ、ビードコア被覆ゴム部材は、上流側待機位置に位置した第1挟持部84および第2挟持部94により挟持される。
その後、図31に示すように、制御装置から信号がビードコア被覆ゴム切断機構7に送られ、ガイドレールの移動子を移動し、移動子に伴い収納部126内でヒータ128により適温に温められたカッター125を右方に移動して、長尺のビードコア被覆ゴム部材13をビードコア10の外周の一周分の長さに切断する。
ビードコア被覆ゴム部材13の切断後、ビードコア回転駆動支持機構5の回転を再開し、ビードコア10および巻付けられたビードコア被覆ゴム部材13を回転させ、図32に示すように、切断されたビードコア被覆ゴム部材13の後端部13fを挟持した第2挟持部94をビードコア被覆ゴム部材13と共に下流側に移動する。新たな先端部13eを挟持した第1挟持部は、上流側待機位置に先端部13eを挟持したまま待機する。
図33に示すように、ビードコア被覆ゴム部材13の後端部13fを挟持した第2挟持部94を巻付け開始基準点P付近に移動して、ビードコア被覆ゴム部材13の先端部13eと後端部13fとを突き合わせて接合する。
その後、図34に示すように、第2挟持部94を開き、第2挟持部94を下流側待機位置に移動させ、挟持機構100のシリンダ装置102を作動し第3挟持部材により接合された先端部13eと後端部13fを左右から締め付け、その後第3挟持部材を開いて元の位置に戻し、接触防止機構の110のシリンダ装置102を作動し、蓋部13が圧着された先端部13eが巻付け開始基準点Pを通過することを阻害しないように、接触防止部材115を上方に退避させる。
図35に示すように、ビードコア被覆ゴム部材13の先端部13eと後端部13fの突合せされた部分が、圧着ローラ機構6の第3圧着ローラ機構160を通過すると、ビードコア10の全周に亘ってビードコア被覆ゴム部材13を巻付けられ、タイヤ用ビード部材14の製造が終わり、ビードコア回転駆動支持機構5の回転駆動を停止する。
図36に示すように、製造されたタイヤ用ビード部材14をビード部材製造装置1より取り外し、新たなビードコア10をビード部材製造装置1にセットする。
その後、図37に示すように、新たな先端部13eが巻付け開始基準点Pに案内され、図28ないし図36に示すように、ビードコア10にビードコア被覆ゴム部材13が巻きつけられてタイヤ用ビード部材14が製造され、以下同様に繰り返される。
本実施例のタイヤ用ビード部材14を用いて製造されたタイヤ200を図38および図39に示す。タイヤ200は、インナーライナ201の上に、両側にチェーファ202が重ねられたカーカス203が貼設され、ビードフィラー204が外周面に貼設されたタイヤ用ビード部材14の周囲が、カーカス203により折り返されて大部分が覆れるように包まれ、カーカス203の幅方向中央部にベルト205およびトレッド206が重ねられ、トレッド206の両側部と、左右のチェーファ202およびビードフィラー204とに亘り、カーカス203の外周面に、所定の横断面形状をしたサイドウォール207がそれぞれ重ねられて、一体に成型されているものである。
タイヤ用ビード部材14のビードコア被覆ゴム部材13は、ビードフィラー204の硬度よりも高い高度のゴムが用いられている。タイヤ用ビード部材14のビードコア10はその周囲がビードコア被覆ゴム部材13に覆われており、ビードコア10とカーカス203との間の間隔Lは、少なくとも1mmは確保されるようになっている。
本実施例のビード部材製造装置1は前記したように構成され、該ビード部材製造装置1によりタイヤ用ビード部材14は、前記の方法でもって製造されるので、ビードコア被覆ゴム部材13の溝部13b内にビードコア10が嵌装され、溝部13bを覆うように蓋部13dが本体部13aおよびビードコア10に圧着されて、ビードコア10の周囲の全てがビードコア被覆ゴム部材13により覆われるので、ビードコア10の金属製の素線11aがバラけることがなく、ビードコア10の変形を防止し、またビードコア10とカーカス間におけるフレッティング磨耗の発生を防止し、ビードコア部の強度を増加させ、ひいてはタイヤ全体の強度を増加させることができる。
また、ビードコア被覆ゴム部材13は、押出し機2により押し出し成型により形成されているので、タイヤの加硫成型後のビードコア被覆ゴム部材13の残存ゲージが大きく、ビードコア10とカーカスとの間隔を充分に確保することができ、ビードコア10の素線11aがバラけることをさらに防止することができ、さらにタイヤ全体の強度を増加させることができる。
さらに、ビードコア被覆ゴム部材13の溝部13b内にビードコア10を嵌装させつつ、ビードコア回転駆動支持機構5によりビードコア10を回転させ、圧着ローラ機構6によりビードコア被覆ゴム部材13の蓋部13dを順次本体部13aおよびビードコア10に圧着するので、ユニフォーミティに優れたタイヤ用ビード部材14を製造することができ、タイヤ全体のユニフォーミティを向上させることができる。
ビードコア被覆ゴム部材13の先端部13eが第1挟持案内機構80の第1挟持部84によりビードコア10の巻付け開始基準点Pに案内され、巻付けが開始されるので、巻付け開始作業が作業員の手によらず自動化することができるので、作業工程の効率化を図り、生産性が向上する。
さらに、ビードコア被覆ゴム部材13の後端部13fは、第2挟持案内機構90の第2挟持部94により先端部13eと接合されるので、先端部13eと後端部13fの接合作業は自動化され、生産性がより向上する。
また、ビードコア被覆ゴム部材13は、押出し機2から押出し成形された長尺部材であって、ビードコア被覆ゴム切断機構7により、ビードコア10の外周一周分に相当する所定長さへの切断作業がされ、巻付け開始作業が連続して自動化されるので、作業の効率化がさらに図ることができる。
ビードコア被覆ゴム部材13の巻き付け開始作業、切断作業、および先端部と後端部とを接合する一連の作業を自動化することができ、作業工程を削減し、作業員の手作業を必要とせず、作業効率を向上させ製造コストの削減を図ることができる。
ビードコア被覆ゴム部材13の蓋部13dを本体部13aとビードコア10に圧着するには、ビードコア被覆ゴム部材13の本体部13aと蓋部13dを連結する連結部13c側から順次蓋部13dを閉じる方向に向かうそれぞれ異なる押圧角度に配置された第1圧着ローラ機構140、第2圧着ローラ機構150および第3圧着ローラ機構160によるので、確実に精度良く、蓋部13dを本体部13aに圧着することができ、ビード部の強度を高め、ユニフォーミティに優れたタイヤを製造することができる。
また、巻付け開始基準点Pにおいて、接触防止機構110の接触防止部材115をビードコア被覆ゴム部材13の溝部13bの側面13bとビードコア10の側面10bの間に挿入することにより、溝部13bの側面13bとビードコア10の側面10bの接触を防止することができるので、溝部11bの底面13b1まで確実にビードコアを嵌装することがで、溝部13bとビードコア10の間の隙間が発生することを防止し、ビード部における空気溜まりの発生を防ぎ、ビード部の強度を向上させることができる。
第1挟持案内80の第1挟持部84と、第2挟持案内機構90の第2挟持部94の開閉は、第1エアチャックと第2エアチャックによるので、確実にタイミング良くビードコア被覆ゴム部材13を挟持することができ、精度の高いタイヤ用ビード部材14を得ることができる。
ビードコア10のコア部11の周囲をカバーゴム12でもって包被しているので、ビードコア10と、ビードコア被覆ゴム部材13の溝部13bとの接着性が向上し、ビード部における空気溜まりの発生をより防止し、さらにビード部の強度を向上させることができる。
またビードコア被覆ゴム部材13は、第1挟持部84および第2挟持部94により挟持されて、これら第1挟持部84および第2挟持部94の間に設けられた隙間に、所定温度に暖められたカッター125が挿入されて切断されるので、精度の高いビードコア被覆ゴム部材13を得ることができるので、ユニフォーミティに優れたタイヤを製造することができる。
さらに、カッター125は、ビードコア被覆ゴム部材13を切断した後に、収納部126に収納される際に、切断時にカッター125に付着したゴムの切り屑が収納部126に設けられた剥し板127により取り除かれるので、ビードコア被覆ゴム部材13に切り屑が付着することなく、精度の高いビードコア被覆ゴム部材13を得ることができる。
また、ビードコア10の断面形状は矩形状に形成されているので、偏心剛性が高くなるため、走行時にビード崩れがしにくくなる。
さらにまた、ビードコア被覆ゴム部とビードフィラーの双方を硬質のゴムのみで構成すると、剛性段差ができ歪が集中し易く耐久性の悪化につながり、ビードコア被覆ゴム部とビードフィラーの双方を軟質のゴムのみで構成すると、剛性不足により乗り心地が悪化するため好ましくないが、タイヤ用ビード部材14の外周にビードフィラー204が配設され、ビードコア被覆ゴム部材13の硬度はビードフィラー204の硬度よりも高いので、径方向において、タイヤの剛性段差を緩やかにすることができ、耐久性を高めつつ、乗り心地の良いタイヤを得ることができる。
前記した実施例では、ビードコア被覆ゴム部材は、溝部が形成された本体部と蓋部が連結部により連結され一体となっているものであったが、本体部と蓋部が連結されてなく、それぞれ別体となっているものを用いてもよい。さらに、溝部が形成されているが蓋部のないビードコア被覆ゴム部材を用いてもよい。
1…ビード部材製造装置、2…押出し機、3…フェスツーン装置、4…ビードコア被覆ゴム部材案内機構、部、5…ビーコア回転駆動機構、6…圧着ローラ機構、7…ビードコア被覆ゴム切断機構、8…架台、
10…ビードコア、10a…外周面、10b…側面、10c…内周面、10d…下端部、11…コア部、11a…素線、12…カバーゴム、13…ビードコア被覆ゴム部材、13a…本体部、13b…溝部、13c…連結部、13d…蓋部、13e…先端部、13f…後端部、14…タイヤ用ビード部材、
20…上部巻付け部、20a…円盤状部材、21…下部巻付け部、21a…円盤状部材、22…近接センサ、23、ファスツーン、25…フリーローラ、26…フリーローラ、
30…回転駆動支持部、31…昇降手段、32…支持部、33…フリーローラ、34…支持板、35…回転駆動ローラ、36…回転軸、37…軸受、38…被駆動プーリ、39…サーボモータ、40…回転軸、41…駆動プーリ、42…タイミングベルト、43…押え用フリーローラ、44…ブラケット、45…進退用シリンダ、46…作動軸、48…ガイドレール、49…移動子、50…ネジシャフト、51…ブロックナット、52…ハンドル、
55…コンベア用フリーローラ、56…下部支持ローラ、57…シリンダ装置、58…先端部検出センサ、
60…前方送り機構、61…前方送り部材、62…ボールローラ、63…ブラケット、
70…溝部案内機構、71…溝案内部材、72…上流側溝案内部材、73…下流側溝案内部材、74…ボールローラ、75…ブラケット、76…ブラケット、
79…ブラケット、80…第1挟持案内機構、81…第1ガイドレール、82…第1移動体、83…第1サーボモータ、84…第1挟持部、85…ブラケット、86…第1エアチャック、87…クランク状ブラケット、88…第1挟持部材、89…近接センサ、
90…第2挟持案内機構、91…第2ガイドレール、92…第2移動体、93…第2サーボモータ、94…第2挟持部、95…ブラケット、96…第2エアチャック、97…クランク状ブラケット、98…第2挟持部材、99…近接センサ、100…挟持機構、101…、ブラケット、102…シリンダ装置、103…作動軸、104…第3挟持部材、
110…接触防止機構、111…ブラケット、112…シリンダ装置、113…作動軸、114…ブラケット、115…接触防止部材、
121…ブラケット、122…ガイドレール、123…移動子、124…取付部、125…カッター、126…収納部、127…剥し板、128…ヒータ、129…近接センサ、130…フリーローラ、131…モータ、132…昇降手段、133…外側フリーローラ、134…内側フリーローラ、135…進退用シリンダ、137…溝ガイド部材、
140…第1圧着ローラ機構、141…上方圧着ローラ、142…下方圧着ローラ、143…ブラケット、144…ブラケット、145…シリンダ装置、146…シリンダ装置、147…作動軸、148…作動軸、
150…第2圧着ローラ機構、151…上方圧着ローラ、152…下方圧着ローラ、153…ブラケット、154…ブラケット、155…シリンダ装置、156…シリンダ装置、157…作動軸、158…作動軸、P…巻付け開始基準点、
160第3圧着ローラ、161…上方圧着ローラ、162…下方圧着ローラ、163…ブラケット、164…ブラケット、165…シリンダ装置、166…シリンダ装置、167…作動軸、168…作動軸、169…支持板、170…駆動モータ、
200…タイヤ、201…インナーライナ、202…チェーファ、203…カーカス、204…ビードフィラー、205…ベルト、206…トレッド、207…サイドウォール。

Claims (11)

  1. 金属製の素線が巻回されてなるビードコアを備えた環状のタイヤ用ビード部材の製造方法において、
    前記ビードコアを被覆するビードコア被覆ゴム部材は長手方向に溝部が形成された長尺部材であって、
    前記ビードコアを周方向に回転駆動するように支持し、
    前記ビードコア被覆ゴム部材の前記ビードコアの巻付け開始時に、開かれた状態の後端部挟持案内機構の後端部挟持部を、巻付け開始基準点よりも下流側に位置する下流側待機位置に待機させ、
    先端部挟持案内機構の先端部挟持部を閉じて、前記ビードコア被覆ゴム部材の長手方向先端部を挟持し、
    前記先端部挟持部が、前記ビードコア被覆ゴム部材の前記長手方向先端部を前記ビードコアの前記巻付け開始基準点に案内して、
    前記ビードコア被覆ゴム部材を前記ビードコアの前記巻付け開始基準点に向かって供給し、
    前記溝部内に前記ビードコアの一部を嵌装し、
    前記先端部挟持部を開き、
    前記ビードコアを周方向に回転駆動を開始するとともに、
    前記ビードコア被覆ゴム部材の前記溝部内に前記ビードコアを挿入し、
    前記ビードコアに前記ビードコア被覆ゴム部材の巻付けを開始し、
    前記先端部挟持部および前記後端部挟持部を開き、
    前記先端部挟持部および前記後端部挟持部を、前記巻付け開始基準点よりも上流側に位置する上流側待機位置に移動させ、
    前記ビードコア被覆ゴム部材をビードコアに圧着し、
    前記ビードコアの全周に亘って、前記ビードコアの周囲を前記ビードコア被覆ゴム部材で覆い、
    前記ビードコア被覆ゴム部材の前記長手方向先端部が前記ビードコアの周囲に配設された先端部検出手段により検知されると、前記ビードコアの回転を停止し、
    前記先端部挟持部および前記後端部挟持部を閉じて、前記ビードコア被覆ゴム部材を前記先端部挟持部および前記後端部挟持部で挟持し、
    前記先端部挟持部および前記後端部挟持部の間に切断手段を挿入し、前記ビードコア被覆ゴム部材を、前記ビードコアの外周の一周分に相当する所定長さに前記切断手段で切断し、
    前記ビードコアの回転を再開し、
    前記ビードコア被覆ゴム部材の長手方向後端部を前記後端部挟持部でもって挟持し、
    前記後端部挟持案内機構が、前記後端部挟持部により挟持した前記ビードコア被覆ゴム部材の前記長手方向後端部を、前記ビードコアに巻き付けられた前記長手方向先端部に接合することを特徴とするタイヤ用ビード部材製造方法。
  2. 前記ビードコア被覆ゴム部材として、前記溝部が形成された本体部と、前記本体部の溝部を覆うための蓋部を具備するビードコア被覆ゴム部材を用い、
    前記ビードコア被覆ゴム部材の前記蓋部を、前記ビードコアが嵌装された前記溝部を覆うように、前記ビードコア被覆ゴム部材の本体部およびビードコアに圧着することを特徴とする請求項1記載のタイヤ用ビード部材製造方法。
  3. 前記ビードコア被覆ゴム部材は、前記溝部が形成された本体部と、前記本体部の溝部を覆うための蓋部を具備し、前記本体部と前記蓋部が連結部により連結されるように押出し成型により一体に形成されており、
    前記ビードコア被覆ゴム部材の前記蓋部の前記ビードコア被覆ゴム部材の前記溝部の本体部および前記ビードコアへの圧着は、
    前記ビードコアの周囲に配設され、前記ビードコア被覆ゴム部材の前記本体部と前記蓋部を連結する連結部側から順次蓋部を閉じる方向に向かうそれぞれ異なる押圧角度に配置された複数対の圧着ローラによることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のタイヤ用ビード部材製造方法。
  4. 前記ビードコア被覆ゴム部材の前記ビードコアの巻付け開始時に、前記巻付け開始基準点において、前記ビードコア被覆ゴム部材の前記溝部の側面と前記ビードコアの側面との間に、前記溝部の前記側面と前記ビードコアの前記側面とが接触することを防止するための板状の接触防止部材を挿入することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のタイヤ用ビード部材製造方法。
  5. 前記ビードコアは、金属製の素線が巻回されてなるコア部と、該コア部の周囲を包皮する薄膜ゴムよりなるものを用いたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のタイヤ用ビード部材製造方法。
  6. 金属製の素線が巻回されてなるビードコアを備えた環状のタイヤ用ビード部材の製造装置において、
    前記ビードコアの周囲を被覆するビードコア被覆ゴムの巻き付け装置であって、
    前記ビードコアを支持し回転駆動するビードコア回転駆動支持機構と、
    長手方向に溝部が設けられた本体部および前記溝部を覆うための蓋部が押出し成型により形成されたビードコア被覆ゴム部材の長手方向先端部を挟持する先端部挟持部を備え、前記ビードコア被覆ゴム部材の前記長手方向先端部の前記溝部を前記ビードコアの巻付け開始基準位置に案内する先端部挟持案内機構と、
    前記ビードコアの外周の一周分に相当する所定長さの前記ビードコア被覆ゴム部材の長手方向後端部を挟持する後端部挟持部を備え、ビードコアの回転に伴い前記長手方向後端部を案内し、前記長手方向先端部と前記長手方向後端部とを接合する後端部挟持案内機構と、
    前記ビードコアの周囲に配設され、前記ビードコア被覆ゴム部材の前記蓋部を、前記ビードコアが嵌装された前記溝部を覆うように、前記ビードコア被覆ゴム部材の前記本体部および前記ビードコアに圧着する圧着ローラ機構とを備えることを特徴とするタイヤ用ビード部材製造装置。
  7. 前記ビードコア被覆ゴム部材は長尺部材であって、
    前記ビードコア被覆ゴム部材を前記ビードコアの外周一周に相当する所定長さに切断する切断機構と、
    前記先端部挟持部および前記後端部挟持部は、前記切断機構が前記ビードコア被覆ゴム部材を切断する際に、前記切断機構の両側で前記ビードコア被覆ゴム部材を挟持することを特徴とする請求項6に記載のタイヤ用ビード部材製造装置。
  8. 前記圧着ローラ機構は、前記ビードコアの周囲に配設され、前記ビードコア被覆ゴム部材の前記本体部と前記蓋部を連結する連結部側から順次蓋部を閉じる方向に向かうそれぞれ異なる押圧角度に配置された複数対の圧着ローラを具備することを特徴とする請求項6または請求項7に記載のタイヤ用ビード部材製造装置。
  9. 前記ビードコア被覆ゴム部材の前記巻付け開始基準点において、前記ビードコア被覆ゴム部材の前記溝部の側面と前記ビードコアの側面との間に、板状の接触防止部材を挿入退出することが可能な接触防止機構を備えたことを特徴とする請求項6ないし請求項8のいずれかに記載のタイヤ用ビード部材製造装置。
  10. 前記先端部挟持部および前記後端部挟持部は、エアシリンダにより開閉されることを特徴とする請求項6ないし請求項9のいずれかに記載のタイヤ用ビード部材製造装置。
  11. 前記ビードコアは、金属製の素線が巻回されてなるコア部と、該コア部の周囲を包皮する薄膜ゴムよりなることを特徴とする請求項6ないし請求項10いずれかに記載のタイヤ用ビード部材製造装置。
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