JP2010274778A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】ビード部の耐久性に優れる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】空気入りタイヤにおいて、ビードコア2のビードワイヤ10に、隣り合うビードワイヤ10間で形状的に補完し合って係合する係合部12を設け、カーカス3の折返し部3bとサイドゴム8との間に中間ゴム層9を配置するとともに、中間ゴム層9及び第2フィラーゴム層7のうち少なくともいずれか一方のJIS−A硬度を38〜55の範囲内に設定する。
【選択図】図1

Description

この発明は、ビード部の耐久性に優れる空気入りタイヤに関するものであり、特にトラックやバス等の重車両に装着される重荷重用空気入りタイヤとして有利に利用できるものである。
一般に、空気入りタイヤに荷重を負荷すると、荷重の反力を路面から受けて接地側のサイドウオールが撓み、この撓みがビード部へ伝達される。ビードコアの回りに折り返され係留されるカーカスの補強コードとしてスチールコードを使用し、高内圧、高荷重が適用されるトラック・バス用タイヤのような重荷重用タイヤにおいては、上記撓みが取り分け大きい。ここでカーカスの折返し部自体は変形し難いため、該折返し部の先端近傍における周囲のゴムに、撓み変形による大きなせん断歪みが発生する。このせん断歪みはタイヤの回転毎に繰返し生じるので、カーカスの折返し部の先端位置に亀裂が生じ、次いでセパレ−ション故障へと発展するおそれがあった。
このようなセパレ−ション故障を防止するために、特許文献1に開示されているように、ビード部に埋設するビードフィラーにつき、ビードコア側に硬質ゴムを、カーカスの折返し端部の先端に接する上方に軟質ゴムを組み合わせた硬軟複合ゴムを使用し、この先端近傍の上記撓みに基づき生じた歪みを、変形容易な上方軟質ゴムで吸収緩和することによって、亀裂の発生、セパレ−ション等の故障を防止することが提案され、実用化されている。
特開平5−16618号公報
しかしながら、近年の環境への配慮による省資源化やタイヤ更生化(再利用化)の推進に対応するため、また、タイヤ断面の扁平化による走行時におけるビード部への入力の増大に対応するため、ビード部の一層の耐久性向上が強く求められている。
それゆえ、この発明は、ビード部構造の適正化を図ることによりビード部の耐久性により優れる空気入りタイヤを提供することをその目的とする。
この発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、この発明の空気入りタイヤは、ビードワイヤを複数列及び複数層にリング状に形成してなり、左右一対のビード部に配設された一対のビードコアと、コーティングゴムで被覆したコードからなり、該一対のビードコア間に配置されたトロイダル状の本体部及びビードコアの回りにタイヤ幅方向で内側から外側に向かって巻き上げられた折返し部を有するカーカスと、ビードコアからカーカスの本体部に沿って半径方向外側に延びるビードフィラーであって、半径方向内端がビードコアに接する第1フィラーゴム層と、該第1フィラーゴム層の半径方向外側で少なくともカーカスの本体部と折返し部との間に位置する第2フィラーゴム層とを有するビードフィラーと、カーカスの折返し部及びビードフィラーより幅方向外側に位置しタイヤ外面の一部をなすサイドゴムと、を備えた空気入りタイヤにおいて、前記ビードワイヤに、隣り合うビードワイヤ間で形状的に補完し合って係合する係合部を設け、前記カーカスの折返し部と前記サイドゴムとの間に中間ゴム層を配置するとともに、中間ゴム層及び前記第2フィラーゴム層のうち少なくともいずれか一方のJIS−A硬度を38〜55の範囲内としたことを特徴とするものである。
ここで、JIS−A硬度は、JIS K6253に準拠して、タイプAデュロメータ(A型)を用いて室温23℃下で測定されるものである。
この発明の空気入りタイヤにあっては、カーカスの折返し部に隣接する中間ゴム層及び第2フィラーゴム層の少なくとも一方を軟らかくすることで、荷重負荷時のビード部の倒れ込みによるせん断変形を当該ゴム層で吸収することができるため、結果的にカーカスの折返し部の先端位置でのせん断歪を緩和することができる。
一方、カーカスの折返し部に隣接するゴム層を軟らかくすると、カーカスの折返し部に対する係止力が低下する結果、ビード部からカーカスが引く抜け易くなるという別問題が発生するが、この発明では、ビードワイヤに、隣り合うビードワイヤ間で形状的に補完し合って係合する係合部を設けたことにより、ビードコアの回転剛性(カーカスの引抜けを抑制する力)を高めることができるので、従来タイヤに比べてカーカスの折返し部に隣接するゴム層を軟らかくしても、十分なカーカスの耐引抜け性を確保することができる。
したがって、この発明によれば、ビード部構造の適正化により、二律背反するカーカス端の耐セパレーション性とカーカスの耐引抜け性を高次元で両立させることができ、ビード部の耐久性を効率的に向上させることができる。
なお、この発明の空気入りタイヤにあっては、第1フィラーゴム層のJIS−A硬度を80以上に設定することが好ましい。
また、この発明の空気入りタイヤにあっては、カーカスの折返し部の先端領域を、JIS−A硬度が68〜82のカバーゴムで被覆することが好ましい。
この発明によれば、従来タイヤに比べてカーカスの折返し部の拘束力を小さくして、ここからのセパレーションの発生を抑制しつつも、ビードコア全体としての回転剛性を大きくしてカーカスの引抜けを抑制し、もってビード部の耐久性を向上させた空気入りタイヤを提供することが可能となる。
この発明に従う実施形態の空気入りタイヤのビード部のタイヤ幅方向断面図であり、標準リムに装着された状態で示す。 図1に示すビードコアの一部を拡大して示す拡大断面図である。 この発明に従う他の実施形態の空気入りタイヤのビード部のタイヤ幅方向断面図であり、標準リムに装着された状態で示す。 この発明の空気入りタイヤに好適に適用可能な種々のビードワイヤを例示するタイヤ幅方向の断面図である。 この発明の空気入りタイヤに好適に適用可能な種々のビードワイヤを例示するタイヤ幅方向の断面図である。 従来技術の空気入りタイヤのビード部のタイヤ幅方向断面図であり、標準リムに装着された状態で示す。
以下、この発明に従う実施形態の空気入りタイヤを図面に基づいて説明する。ここで、図1は、この発明に従う実施形態の空気入りタイヤのビード部のタイヤ幅方向断面を、標準リムに装着された状態で示したものである。
図1に示すように、この空気入りタイヤは左右一対のビード部1に配設された一対のビードコア2と少なくとも1枚のプライから構成されているカーカス3とを備えている。カーカス3は両ビードコア2、2間においてトロイダル状に延びる本体部3aと、ビードコア2の回りを囲みながら幅方向内側から幅方向外側に向かって巻き上げられることにより、本体部3aの幅方向外側に配置されるとともに、ほぼ半径方向外側に向かって該本体部3aとほぼ平行に延びる折返し部3bとを有する。そして、前記カーカス3の内部にはラジアル方向(子午線方向)に延びるスチール等の補強コードが多数本埋設されている。また、カーカス3の各折返し部3bの先端近傍領域(半径方向外側領域)3cにはこれを覆うようにカバーゴム4を配置している。このカバーゴム4は耐亀裂成長性の良好なゴム(ここではカーカス3のプライコーティングゴムと実質上同質でJIS−A硬度が68〜82のゴムを使用している)から構成され、該部位における亀裂を抑制している。
またビード部1には、ビードコア2からカーカス3の本体部3aに沿ってほぼ半径方向外側に延びる一対のビードフィラー5が配設されており、これらビードフィラー5は、半径方向内側部位にてカーカス3の本体部3aと折返し部3bとの間にこれらに密着した状態で配置され、また、その半径方向外側部位にてカーカス3の本体部3aの幅方向外側にこれに密着した状態で配置されている。また、ビードフィラー5は、半径方向内端がビードコア2に接する第1フィラーゴム層6と、この第1フィラーゴム層6の半径方向外側で少なくともカーカス3の本体部3aと折返し部3bとの間に位置する第2フィラーゴム層7とを有する。カーカス3の折返し部3bとビードフィラー5の幅方向外側には、タイヤ外面の一部をなすサイドゴム8が配置されている。
カーカス3の折返し部3bとサイドゴム8との間にはこれらに接して略半径方向に延びる中間ゴム層9が介装されている。中間ゴム層9の半径方向外側端は折返し部3bの半径方向外側端よりも半径方向外側に位置している。
そして、前記第2フィラーゴム層7及び中間ゴム層9の少なくとも一方はJIS−A硬度が38〜55の範囲内の変形容易で軟弱なゴム、この例ではいずれも硬度49のゴムから構成されており、この結果、中間ゴム層9、第2フィラーゴム層7のJIS−A硬度はそれに接しているプライコーティングゴム及びカバーゴム4のJIS−A硬度より低いことになる。
ビードコア2は、タイヤ幅方向に複数列(図示例では8列)に並列する環状のビードワイヤ10を複数段(図示例では6段)の積層状に積み重ねてなるものである。図2を参照してビードワイヤ10の断面形状を詳述するに、各ビードワイヤ10(ここでは、説明の便宜上、図2の紙面向かって左側から順にビードワイヤ10a、ビードワイヤ10b、ビードワイヤ10cとする)は、タイヤ幅方向断面において、タイヤ径方向に対して傾斜して(ビードベースにほぼ平行に)直線状に延びる直線部11と、タイヤ幅方向に相互に隣接するビードワイヤ10a、10b、10c間で形状的に相互に補完し合う係合部12とを備えている。直線部11は、タイヤ径方向の上側(紙面向かって上側)と下側(紙面向かって下側)に相互に平行して延びる上側直線部11a及び下側直線部11bからなる。係合部12はこれら2つの直線部11a、11b間に配置されており、紙面向かって左側に位置する第1係合部12aと、紙面向かって右側に位置し、第1係合部12aと形状的に補完する第2係合部12bとを有する。ビードワイヤ10をこのような断面形状に形成したので、例えば、ビードワイヤ10bは、凸状をなすその第1係合部12aにて、隣接するビードワイヤ10aの凹状の第2係合部12bと補完的に係合し、その一方で、凹状をなすその第2係合部12aにて、反対側に隣接するビードワイヤ10cの凸状をなす第1係合部12aと補完的に係合している。
かかる実施形態の空気入りタイヤにあっては、タイヤを負荷転動させると、タイヤの接地部分に対応するビード部1は倒れ込み歪み変形が生じる。このとき、カーカス3の折返し部3bに隣接する中間ゴム層9及び第2フィラーゴム7のゴム硬度が低く軟らかいことから、当該折返し部3bの周りでせん断変形を吸収できるため、結果として、カーカス3の折返し部3bの先端位置の歪みを緩和することができる。
また、ビードコア2にあっては、隣接するビードワイヤ10は第1及び第2係合部12a、12bを介して強固に係合しているので、相互に応力を伝達し易い。よって、空気充填時や経時変化時等にカーカス3からビードコア2に回転応力が付加されても、かかる回転応力が各ビードワイヤ10間に効果的に分散され、ビードコア2全体として回転変形は小さくなり、言い換えれば回転剛性は大きくなる。また、ビードコア2に回転応力が付加された場合に、上記係合部12による補完的係合がタイヤ幅方向に連続して形成されているため、ビードワイヤ10のタイヤ径方向への移動は抑制される。この結果、ビードコア2にカーカス3から回転応力が付加された際の各ビードワイヤ10の、タイヤ幅方向断面における張力分布は均一化される。
このようにこの空気入りタイヤによれば、互いに隣接するビードワイヤ10間に係合部12による強固な係合を形成することにより、ビードコア2全体として回転剛性を大きくしてカーカス3の引抜けを有効に抑制することができる。
したがって、前述したように、カーカス3の折返し部3bに隣接するゴム層7、9を軟らかくしても、これによるカーカス3の折返し部3bの係止力の低下以上にビードコア2によるカーカス3の係留力を向上させているので、カーカス3の引抜けは有効に防止される。
なお、この実施形態では、第1フィラーゴム層6のJIS−A硬度は、第1フィラーゴム層6を配置する部位は荷重負荷時のビード部1の変形が小さく、カーカス3の折返し部3bの先端近傍領域3cへのせん断入力緩和には影響が少ないことから、80以上と硬く設定しているのであり、これによりビードコア2の回転剛性をより一層高めることができ、カーカス3の引抜き防止効果を一層向上させることができる。
ところで、上記実施形態において、ビードワイヤ10の係合部12のタイヤ幅方向長さ、すなわち隣接するビードワイヤ10がタイヤ幅方向で係合している長さの総和(ここでは、第1係合部12aのタイヤ幅方向長さXと第2係合部12bのタイヤ幅方向長さXとの和)は、ビードワイヤ10のタイヤ幅方向長さXの20%以上とすることが好ましい。このようにすれば、確実な係合が得られるので、ビードコア2の回転剛性をさらに効果的に高めることができる。
また、上記実施形態では、隣接するビードワイヤ10は互いに直接的に接触しているが、隣接するビードワイヤ10、10間に被覆ゴム等を介在させることもできる(図示せず)。しかしながら、被覆ゴムの経時的なクリープ変形に起因するビードコア2の形状くずれを防止するという観点からは、隣接するビードワイヤ10を、その相互間に被覆ゴム等を介在させることなく、互いに直接接触させることが好ましい。このように、隣接するビードワイヤ10、10を互いに直接接触させることで、被覆ゴムを介在させた場合に比べてビードコア2の全体としての経時的変化を小さくすることができるので、さらにカーカス3の引抜けを抑制することができるとともに、カーカス3の端部の歪みを小さくすることができる。
図3は、この発明に従う他の実施形態の空気入りタイヤのビード部のタイヤ幅方向断面を、標準リムに装着された状態で示している。この例では、ビードワイヤ10のタイヤ幅方向断面形状を平行四辺形とし、平行四辺形の鋭角角部を第1係合部12aとし、鈍角角部を第2係合部12bとすることで、隣接ビードワイヤ10、10間で補完的な係合を形成している。また、隣接するビードワイヤ10の当接面は、右上がりの形状となっている。図示のビード部1で、カーカス3に引抜け方向の張力が加わった際には、ビードコア2は反時計回りに回転しようとするが、当接面が右上がりであるので、右側のビードワイヤ10は、左側のビードワイヤ10を上方向に押し付けることから応力伝達は良い。この結果、空気充填時、荷重負荷時及び経時変化時等にビードコア2に加えられる回転応力は効率よく分散され、ビードコア2全体としての回転変形は小さくなる。しかも、上記当接面は、反時計回りの回転応力が加えられたときに、隣接するビードワイヤ10をタイヤ径方向上側もしくは下側に押し動かしにくい方向に向き合っていることから、ビードコア2全体としてビードワイヤ10のタイヤ幅方向断面における周方向の張力分布は均一化される。
そして、この例では、ビードコア2のタイヤ幅方向断面形状を平行四辺形状とし、その鋭角角部をタイヤ幅方向外側かつタイヤ径方向内側となるよう配置している。これにより、ビードコア2にカーカス引抜け方向、すなわち反時計回りの回転応力が加わった場合に、上記鋭角角部がカーカス3をリムRに押し付けるように作用することから、カーカス3の引抜け防止効果が向上する。
次に、この発明に好適に利用可能な種々のビードワイヤについて図4を参照して説明する。
上述したように、第1係合部12a及び第2係合部12bの形状は、隣接するビードワイヤ10同士を形状的に相互に補完し得るものであればよく、それらは、図1及び2に示した形状に限定されるものではない。例えば図4(a)〜(u)に示すように、凸部及び凹部が複数であったり、曲線状であったり、キー及びキー溝型であったりしても良い。図4(a)〜(d)、(i)〜(l)及び(m)〜(q)では、係合部12は、2つの直線部11a、11b間に全体に亘って延在している。これによれば、各ビードワイヤ10の係合部12は、2つの直線部11a、11b間に全体に亘って延在しているので、空気充填時や経時変化時等に起因にした回転応力がビードワイヤ10に付加されても、係合部12に局所的に力が入力されることがなく、すなわち係合部12に加わる力は効果的に分散される。その結果、ビードワイヤ10の変形量は少なくなり、回転剛性はさらに高まる。図4(e)〜(h)に示すビードワイヤ10は、タイヤ幅方向断面にて、同一形状の2つの方形S、Sをずらして重ねてなる輪郭形状を有するものである。また、ビードワイヤ10は、図4(a)及び(b)に示すように、タイヤ径方向に上下に隣接するビードワイヤ10は左右に揃えて配置しても良く、又は図4(c)及び(d)に示すように左右にずらして配置しても良い。
また、図4に示す例では、タイヤ幅方向断面にて、ビードコア2のタイヤ径方向上側及び下側の輪郭線11a、11bは直線状に延びている。これによれば、ビードコア2のタイヤ径方向下面及び上面に凹凸が生じることがなく、ビードワイヤ10を束ねて使用する場合に形状くずれし難いので、すなわちビードコアの断面形状の安定性が高まるので、加硫時のビードコア2の崩れが抑制される。しかも、リムRからの押圧力がビードワイヤ10の特定の箇所に集中することがないため、ビードワイヤ10全体に均等に力がかかり、これらによって構成されるビードコア2全体にも均等に力がかかることになるので、回転剛性としては高いものになる。加えて、下側の輪郭線11bとタイヤ径方向とのなす角度は、75度以上90度以下の範囲にあることが好ましい(特に図4(a)参照)。このようにすれば、ビードワイヤ10を巻回してビードコア2を形成した際にビードコア2に所定のテーパ角度を与え、ひいてはビード部1とリムRとの密着性をより高めることができる。
なお、上述したところは、この発明の実施形態の一部を示したに過ぎず、この発明の趣旨を逸脱しない限り、これらの構成を相互に組み合わせたり、種々の変更を加えたりすることができる。例えば、図1〜4では、タイヤ幅方向に隣接するビードワイヤ10間で補完的な係合が行われる例を示したが、図5に示すように、タイヤ径方向に隣接するビードワイヤ10間で補完的な係合が行われるように構成することもできる。
タイヤサイズ275/80R22.5のトラック・バス用の空気入りラジアルタイヤにおいて、ビード部構造のみを異ならせた実施例1〜4の空気入りラジアルタイヤ、従来技術に従う従来例1、2の空気入りラジアルタイヤをそれぞれ試作し、ビード部耐久性について評価を行ったので、以下説明する。
実施例1の空気入りラジアルタイヤは、図1に示したビード部構造を有し、実施例2〜4の空気入りラジアルタイヤは、図3に示したビード部構造をそれぞれ有する。これら実施例の空気入りラジアルタイヤのビードコアは、スチール製のビードワイヤをタイヤ幅方向に8本並列に配置し、そしてそれをタイヤ径方向に6層に巻き重ね金属帯により集結したものである。なお、各ビードワイヤ間は直接接触している。また、各実施例の空気入りラジアルタイヤでは、第2フィラーゴム層及び中間ゴム層の少なくともいずれか一方のJIS−A硬度を38〜55の範囲内とし、また、カーカスの折返し部の先端近傍領域に被覆したカバーゴムのJIS−A硬度は72である。さらにリム径ライン位置(リム径測定位置)とカーカスの折返し部の半径方向最外位置との間のタイヤ径方向距離は、30mmである。これらの空気入りラジアルタイヤにおける詳細な諸元を表1に示す。
従来例1、2の空気入りラジアルタイヤは、図6に示すように、上記図1及び3に示すビードワイヤに代えて丸素線のビードワイヤを用いてビードコアを構成したものである。すなわち、ビードコアは、スチール製の1.8mm直径の1本のビードワイヤをタイヤ径方向内側から7、8、9、10、9及び8列となるようにタイヤ幅方向及びタイヤ径方向にコイル状に巻き重ねてなり、その断面の輪郭形状はほぼ六角形である。なお、使用するビードワイヤの総体積は実施例のものとほぼ同じである。また、従来例1の空気入りラジアルタイヤでは、第2フィラーゴム層及び中間ゴム層のJIS−A硬度が55より大きく、従来例2の空気入りラジアルタイヤでは、第2フィラーゴム層及び中間ゴム層のJIS−A硬度が38〜55の範囲内である。また、カーカスの折返し部の先端近傍領域に被覆したカバーゴムのJIS−A硬度は72である。さらにリム径ライン位置(リム径測定位置)とカーカスの折返し部の半径方向最外位置との間のタイヤ径方向距離は、30mmである。これらの空気入りラジアルタイヤにおける詳細な諸元を表1に示す。
これら試験用の各空気入りラジアルタイヤをサイズ8.25のリムに装着してタイヤ車輪とし、このタイヤ車輪に空気圧875kPa(相対圧)を適用し、室内ドラム試験機を用い、これらタイヤを正規荷重の150%の荷重の作用下で60km/hの速度で負荷転動させ、ビード部が故障するまでの走行距離を測定し、この測定値から耐久性を評価した。また、ドラム試験を終えた各空気入りラジアルタイヤを解体し、故障の発生箇所を目視確認した。これらの結果を表1に示す。なお、表1中の耐久性は、従来例1の耐久性を100としたときの指数比で示してあり、数値が大きいほど耐久性に優れている。
表1に示す結果から明らかなように、実施例1〜4の空気入りラジアルタイヤは、従来例1、2の空気入りラジアルタイヤに比べてビード部の耐久性が著しく向上することが分かる。
以上の説明から明らかなように、この発明によって、従来タイヤに比べてカーカスの折返し部の拘束力を小さくして、ここからのセパレーションの発生を抑制しつつも、ビードコア全体としての回転剛性を大きくしてカーカスの引抜けを抑制し、もってビード部の耐久性を向上させた空気入りタイヤを提供することが可能となった。
1 ビード部
2 ビードコア
3 カーカス
3a カーカスの本体部
3b カーカスの折返し部
3c カーカスの先端近傍領域
4 カバーゴム
5 ビードフィラー
6 第1フィラーゴム層
7 第2フィラーゴム層
8 サイドゴム
9 中間ゴム層
10 ビードワイヤ
12 係合部

Claims (3)

  1. ビードワイヤを複数列及び複数層にリング状に形成してなり、左右一対のビード部に配設された一対のビードコアと、コーティングゴムで被覆したコードからなり、該一対のビードコア間に配置されたトロイダル状の本体部及びビードコアの回りにタイヤ幅方向で内側から外側に向かって巻き上げられた折返し部を有するカーカスと、ビードコアからカーカスの本体部に沿って半径方向外側に延びるビードフィラーであって、半径方向内端がビードコアに接する第1フィラーゴム層と、該第1フィラーゴム層の半径方向外側で少なくともカーカスの本体部と折返し部との間に位置する第2フィラーゴム層とを有するビードフィラーと、カーカスの折返し部及びビードフィラーより幅方向外側に位置しタイヤ外面の一部をなすサイドゴムと、を備えた空気入りタイヤにおいて、
    前記ビードワイヤに、隣り合うビードワイヤ間で形状的に補完し合って係合する係合部を設け、
    前記カーカスの折返し部と前記サイドゴムとの間に中間ゴム層を配置するとともに、中間ゴム層及び前記第2フィラーゴム層のうち少なくともいずれか一方のJIS−A硬度を38〜55の範囲内としたことを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記第1フィラーゴム層のJIS−A硬度を80以上に設定した、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記カーカスの折返し部の先端領域を、JIS−A硬度が68〜82のカバーゴムで被覆した、請求項1又は2に記載の空気入りタイヤ。
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