JP6064835B2 - 自動車用皮革巻き把持部構造 - Google Patents

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Description

この発明は、ステアリングホイールやパーキングブレーキレバーのような把持部である棒状体を被覆する皮革材(合成皮革材を含む)の合わせ目の縫い合わせラインが当該棒状体の長手方向に延在するよう配置された自動車用皮革巻き把持部構造に関する。
一般に、自動車用の皮革巻き把持部構造として、基材の表面が皮革材で覆われたものとしては、特許文献1に開示されたものがある。
すなわち、一方の皮革材の端縁部を折り返して重合部を形成すると共に、他方の皮革材の端縁部も同様に折り返して重合部を形成し、一方の皮革材の重合部の端縁と、他方の皮革材の重合部の端縁とが、互いに接するように糸を用いて接合し、また一方の皮革材の重合部を糸で縫い合わせると共に、他方の皮革材の重合部も同様に糸で縫い合わせ、所謂ダブルステッチを構成する一方、縫製部の見栄えの向上を図るために、重合部の下部における基材に凹部や凸部を形成したものである。
この従来構造は、シフトノブ、パーキングブレーキノブやドアの取手等の把持部に適用することができるが、さらなる装飾性、意匠性の向上が要求されるものである。
また、ステアリングホイールのリム(把持部)を皮革材で被覆した自動車用皮革巻き把持部構造としては、特許文献2に開示されたものがある。
すなわち、ステアリングホイールのリムを覆う皮革材を設け、該皮革材の一方の端部と他方の端部とを突き合わせ、突き合わせ部を縫合する場合、上記各端部の皮革材の表裏それぞれに、該皮革材の端部の縫製用の通過穴に連続する溝を、縫製糸の径と略同一になる深さにして形成し、上記皮革材の突き合わせ部を、縫製糸を用いて縫合し、所謂ベースボールステッチを構成したものである。
この従来構造によれば、ステアリングホイールの転舵時に、ドライバの手が、皮革材の端部や縫製糸に引っかからないようにして、操作フィーリングの向上を図ることができるが、さらなる装飾性や、より一層高い意匠性の発揮が要求されるのが現状である。
特開2008−162343号公報 特開平10−29541号公報
そこで、この発明は、装飾性、意匠性および把持部のグリップ性向上を図りつつ、皮革材の浮き上がりを防止することができる自動車用皮革巻き把持部構造の提供を目的とする。
この発明による自動車用皮革巻き把持部構造は、把持部である棒状体を被覆する皮革材の合わせ目の縫い合わせラインが当該棒状体の長手方向に延在するよう配置された自動車用皮革巻き把持部構造であって、上記縫い合わせラインで対向する皮革材の端辺部同士を、上記棒状体の断面周方向に所定距離離間させて、これらの間に、上記棒状体の延在方向に合致して延びる線条装飾体を収容し、上記皮革材の端辺部同士を縫い合わせる縫合糸のステッチが、当該線条装飾体の表面に接触して、これを押える態様で設けられたものである。
上述の把持部はステアリングホイールやパーキングブレーキレバーに設定してもよく、また、上述の皮革材は合成皮革材であってもよい。さらに、上述の線条装飾体(いわゆる加飾部材)としては、光沢のある金属材料や皮革材とは異なる色の皮革材、または合成樹脂材の表面に、金メッキ層、銀メッキ層などの貴金属メッキ層その他の光沢のある金属メッキ層を化学メッキにより形成したもの等を用いることができる。
上記構成によれば、縫い合わせラインで対向する皮革材の端辺部同士の離間部に、線条装飾体が目視可能に位置するので、縫合糸のステッチの配列と相俟って、高い装飾性、意匠性を発揮することができる。
また、皮革材の端辺部同士を縫い合わせる縫合糸のステッチにより、把持部のグリップ性向上を図ることができる。
さらに、上記ステッチが、線条装飾体の表面に接触して、これを押える態様で設けられているので、皮革材および線条装飾体の浮き上がりを防止することができる。
この発明の一実施態様においては、上記棒状体の長手方向に沿って、上記線条装飾体に合致して当該線条装飾体の一部を収容する溝部が凹設されたものである。
上記構成によれば、次の如き効果がある。
すなわち、上述の線条装飾体は、把持部の長さに対応して所定の長さを有すると共に、所定の高さを有するものであるが、当該線条装飾体の一部を溝部に収容するので、該線条装飾体の位置ずれを防止することができる。
この発明の一実施態様においては、上記線条装飾体が、上記溝部に合致する埋込み基部と、上記縫い合わせラインでステッチの間から露出する隆起した装飾部とから成り、当該装飾部はその端部に向けて細り、皮革材の端辺部が互いに合致して縫い合わされた位置で終止するものである。
上記構成によれば、線条装飾体の埋め込み基部が溝部と合致するので、当該線条装飾体の位置ずれを防止することができ、また、隆起した装飾部がステッチの間から露出するので、高い意匠性を発揮することができる。
しかも、上記装飾部は、ぶつ切り状に終止することなく、その端部に向けて細り、皮革材の端辺部が互いに合致して縫い合わされた位置で終止するので、意匠性のさらなる向上を図ることができる。
この発明の一実施態様においては、上記把持部がステアリングホイールであって、上記縫い合わせラインがその内周面に設けられ、上記線条装飾体がスポーク間で独立して設けられたものである。
上記構成によれば、縫い合わせラインを、ステアリングホイールの内周面に設けたので、ドライバによる操作フィーリングを何等阻害することなく、また、スポーク間に独立して設けられた線条装飾体により、該ステアリングホイールの装飾性および意匠性の向上を図ることができる。
この発明の一実施態様においては、上記縫い合わせラインに沿って両側の皮革材にそれぞれ縫われて平行に延在する第1係止糸と第2係止糸とを有し、上記皮革材の端辺部同士を縫い合わせる縫合糸は少なくとも2本あり、該縫合糸がそれぞれ第1係止糸と第2係止糸とに千鳥状に架け渡されると共に、上記線条装飾体の位置で縫合糸によるステッチが互いに交差する位置関係で縫って張られたものである。
上述の第1係止糸および第2係止糸は、所謂下糸で形成してもよく、また、上述のステッチが互いに交差する位置関係は、X字状に交差するクロスステッチが好ましい。
上記構成によれば、縫合糸によるステッチが、線条装飾体の位置で互いに交差するので、装飾性および意匠性をより一層高めることができると共に、交差する位置関係で縫って張られたステッチにより、皮革材および線条装飾体の浮き上がりをより一層確実に防止することができる。
この発明によれば、装飾性、意匠性および把持部のグリップ性向上を図りつつ、皮革材および線条装飾体の浮き上がりを防止することができる効果がある。
本発明の自動車用皮革巻き把持部構造を示すステアリングホイールと線条装飾体の分解図 (a)は図1の要部拡大断面図、(b)は図2の(a)のB−B線矢視断面図 線条装飾体の部分拡大斜視図 皮革材巻付け後における図1の矢印A視正面図 (a)は皮革材端辺部同士の縫合構造を示す拡大説明図、(b)は図5の(a)におけるC部の拡大断面図 (a)は縫合構造の他の実施例を示す拡大説明図、(b)は図6の(a)におけるD部の拡大断面図 縫合構造のさらに他の実施例を示す拡大説明図 縫合構造のさらに他の実施例を示す拡大説明図 (a)〜(d)は基材と線条装飾体の関連構造を示す断面図 (a)〜(d)は基材と線条装飾体の関連構造を示す断面図 線条装飾体の端部処理構造を示し、(a)は皮革材巻き付け前の側面図、(b)は図11の(a)のE−E線矢視断面図、(c)は図11の(a)のF−F線矢視断面図、(d)は皮革材巻き付け後の正面図、(e)は図11の(d)のG−G線矢視断面図、(f)は図11の(d)のH−H線矢視断面図 本発明の自動車用皮革巻き把持部構造を、パーキングブレーキレバーに適用した実施例を示す斜視図 (a)、(b)はライナの他の実施例を示す斜視図
装飾性、意匠性および把持部のグリップ性向上を図りつつ、皮革材および線条装飾体の浮き上がりを防止するという目的を、把持部である棒状体を被覆する皮革材の合わせ目の縫い合わせラインが当該棒状体の長手方向に延在するよう配置された自動車用皮革巻き把持部構造において、上記縫い合わせラインで対向する皮革材の端辺部同士を、上記棒状体の断面周方向に所定距離離間させて、これらの間に、上記棒状体の延在方向に合致して延びる線条装飾体を収容し、上記皮革材の端辺部同士を縫い合わせる縫合糸のステッチが、当該線条装飾体の表面に接触して、これを押える態様で設けられるという構成にて実現した。
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は自動車用皮革巻き把持部構造を示し、図1は把持部としてのステアリングホイールと、線条装飾体としてのライナの分解図、図2の(a)は図1の要部拡大断面図、図2の(b)は図2の(a)のB−B線矢視断面図、図3は線条装飾体としてのライナの部分拡大斜視図、図4は皮革材巻付け後における図1の矢印A視正面図である。但し、図1,図2は皮革材巻付け前の状態を示している。
図1において、ステアリングホイール1は、円環状のリム2と、左右横方向に延びるスポーク3,4と、上下方向に延びるスポーク5とを備えており、左右のスポーク3,4間の上側に位置するリム2の内周部には、2つ割り構造(分割構造)のライナL1,L1の一部(後述する埋込み基部51参照)を収容する溝部6が凹設されると共に、この溝部6の両端部には、ライナL1,L1の端部を突刺して埋める穴部7,8を、上記溝部6とを連続するように形成している。
また、スポーク3,5間において左下側に位置するリム2の内周部には、非分割構造のライナL2の一部(埋込み基部)を収容する溝部9が凹設されると共に、この溝部9の両端部には、ライナL2の端部を突刺して埋める穴部10,11を、該溝部9と連続するように形成している。
さらに、スポーク4,5間において右下側に位置するリム2の内周部には、非分割構造のライナL3の一部(埋込み基部)を収容する溝部12が凹設されると共に、この溝部12の両端部には、ライナL3の端部を突刺して埋める穴部13,14を、該溝部12と連続するように形成している。
つまり、線条装飾体としての上述の各ライナL1,L2,L3がスポーク3,4間、スポーク3,5間、スポーク4,5間でそれぞれ独立して設けられるように構成したものであり、ライナL1,L2,L3としては、光沢のある金属材料や後述する皮革材20(図4参照)とは異なる色の皮革材(合成皮革を含む)、または、合成樹脂材の表面に、金メッキ層、銀メッキ層などの貴金属メッキ層その他の光沢のある金属メッキ層を化学メッキにより形成したものを用いることができる。
また、上述の各溝部6,9,12は、図1,図2に示すように、ステアリングホイール1の円弧状棒状体としてのリム2の長手方向に沿って、ライナL1,L2,L3に合致して当該ライナL1,L2,L3の一部(埋込み基部)を収容するように凹設されたものである。
上述の2つ割り構造のライナL1,L1は、分割面15で左右に2分割されており、左側のライナL1と右側のライナL1とは、左右対称に形成されている。
さらに、図2に示すように、上述のリム2は、その断面の中心部に位置するマグネシウム製の芯材16と、該芯材16の外周部に位置する合成樹脂製の基材17とを有し、上述の各溝部6,9,17は該基材17に凹設形成されたものである。
図1に示す3つのライナL1,L2,L3を含む皮革巻き把持部構造は、それぞれ同様であるから、以下の説明においては、ライナL1を含む皮革巻き把持部構造について説明する。
図4に示すように、ステアリングホイール1のリム2を被覆する皮革材20を設け、この皮革材20をリム2に巻き付けて、その合わせ目の縫い合わせラインSが当該リム2の内周面において長手方向に延在するよう配置するものである。
上述の縫い合わせラインSは、皮革材20の端辺部20a,20b同士が所定距離離間した部位と、皮革材20の端辺部20a,20b同士が互いに合致した部位と、の双方を含み、これら両部位の延びる方向に形成されるラインを意味する。
図4に示すように、上述の縫い合わせラインSで対向する皮革材20の端辺部20a,20b同士を、リム2の断面周方向に所定距離離間させて、これらの間(つまり離間部)に、リム2の延在方向に合致して延びる上述のライナL1(線条装飾体)を収容し、かつ上述の皮革材20の端辺部20a,20b同士を2本の縫合糸21,22で撓むことなく張設すべく縫い合わせ、これら2本の縫合糸21,22のステッチ23(stitch、縫い目、編み目のこと)が、上記ライナL1の表面に接触して、これを押えるように構成したものである。
図4の実施例では、皮革材20の端辺部20a,20b同士を、2本の縫合糸21,22で、所謂ベースボール縫いしており、このため上記端辺部20a,20b間には、X字状に交差するクロスステッチ23が形成される。
図2,図3に示すように、上述のライナL1は、埋込み用の穴部7に対応する固定部50と、上述の溝部6に合致する埋込み基部51と、上述の縫い合わせラインSでステッチ23の間から露出する隆起した装飾部52とから形成されている。
図2の(b)に示すように、埋込み基部51は溝部6に埋込まれるが、この際、埋込み構造と併せて、接着剤による接着構造を併用してもよい。また、上述の装飾部52は溝部6の外方に隆起するように形成されており、その最大隆起量は、皮革材20の厚みと同等に設定されることが好ましい。
図3,図4に示すように、装飾部52はその端部(図3,図4の実施例では下端部)52aに向けて細り、皮革材20の端辺部20a,20bが互いに合致して縫い合わされた位置(部位20c参照)で終止するように形成されている。
つまり、上述の装飾部52は、端部52aを起点として幅および隆起量が立体的に漸増し、端部52aから所定距離離間した位置52bで幅および隆起量が最大となり、この位置52bから反端部側においては最大幅および最大隆起量を維持してリム2の長手方向に延びるように形成されたものである。図3では装飾部52の左側の構造のみを示したが、装飾部52の右側についても同様に形成されている。
また、図4に示すように、皮革材20の端辺部20a,20bは、ライナL1の装飾部52における最大幅、最大隆起量の部位においては、リム2の断面周方向に所定距離離間しており、ライナL1の位置52bから端部52aの範囲においては、皮革材20の端辺部20a,20bの離間距離が漸減し、端部52aよりも反装飾部側(図4の下側)においては、皮革材20の端辺部20a,20bが互いに合致して縫い合わされるものである。
図3,図4では、ライナL1の左側において、装飾部52がその端部52aに向けて漸次細り、皮革材20の端辺部20a,20bが互いに合致して縫い合わされた位置で終止する構造について示したが、ライナL1の右側においても同様に構成されている。
さらに、図4に示すように、皮革材20の端辺部20a,20bが互いに合致して縫い合わされた部位20cにおいては、縫合糸24を用いて端辺部20a,20b間が止め縫いされている。
ここで、上述の止め縫いに用いる縫合糸24は、上述の縫合糸21または22と同一の糸であってもよく、または、別の糸であってもよい。
ところで、上述のステアリングホイール1の芯材16は、リム2内のみならず、各スポーク3,4,5を介してステアリングホイール1の略中央に位置するパッド部にも存在するので、ライナL1,L2,L3を埋め込み固定する構造に代えて、各ライナL1,L2,L3をマグネシウム製の芯材16(いわゆる芯金)に対して鋳ぐるむ構造を採用してもよい。
また、図4の構成において、皮革材20を黒色、縫合糸21,22を黒色に対して明るい色、例えば、赤色等とし、縫合糸21,22によるクロスステッチ23が際立つように構成してもよい。
このように、図1〜図4で示した実施例の自動車用皮革巻き把持部構造は、把持部である棒状体(ステアリングホイール1、特に、そのリム2参照)を被覆する皮革材20の合わせ目の縫い合わせラインSが当該棒状体(リム2)の長手方向に延在するよう配置された自動車用皮革巻き把持部構造であって、上記縫い合わせラインSで対向する皮革材20の端辺部20a,20b同士を、上記棒状体(リム2)の断面周方向に所定距離離間させて、これらの間に、上記棒状体(リム2)の延在方向に合致して延びる線条装飾体(ライナL1参照)を収容し、上記皮革材20の端辺部20a,20b同士を縫い合わせる縫合糸21,22のステッチ23が、当該線条装飾体(ライナL1)の表面に接触して、これを押える態様で張設されたものである(図4参照)。
この構成によれば、縫い合わせラインSで対向する皮革材20の端辺部20a,20b同士の離間部に、線条装飾体(ライナL1)が目視可能に位置するので、縫合糸21,22のステッチ23の配列と相俟って、高い装飾性、意匠性を発揮することができる。
また、皮革材20の端辺部20a,20b同士を縫い合わせる縫合糸21,22のステッチ23により、把持部(ステアリングホイール1)のグリップ性向上を図ることができる。
さらに、上記ステッチ23が、線条装飾体(ライナL1)の表面に接触して、これを押える態様で設けられているので、皮革材20および線条装飾体(ライナL1)の浮き上がりを防止することができる。
この発明の一実施形態においては、上記棒状体(リム2)の長手方向に沿って、上記線条装飾体(ライナL1)に合致して当該線条装飾体(ライナL1)の一部(埋込み基部51参照)を収容する溝部6が凹設されたものである(図2参照)。
この構成によれば、次の如き効果がある。
すなわち、上述の線条装飾体(ライナL1)は、把持部(ステアリングホイール1、特に、そのリム2参照)の長さに対応して所定の長さを有すると共に、所定の高さを有するものであるが、当該線条装飾体(ライナL1)の一部(埋込み基部51)を溝部6に収容するので、該線条装飾体(ライナL1)の位置ずれを防止することができる。
この発明の一実施形態においては、上記線条装飾体(ライナL1)が、上記溝部6に合致する埋込み基部51と、上記縫い合わせラインSでステッチ23の間から露出する隆起した装飾部52とから成り、当該装飾部52はその端部52aに向けて細り、皮革材20の端辺部20a,20bが互いに合致して縫い合わされた位置(部位20c参照)で終止するものである(図2,図3,図4参照)。
この構成によれば、図2の(b)に示すように、線条装飾体(ライナL1)の埋込み基部51が溝部6と合致するので、当該線条装飾体(ライナL1)の位置ずれを防止することができ、また、図4に示すように、隆起した装飾部52がステッチ23の間から露出するので、高い意匠性を発揮することができる。
しかも、上記装飾部52は、ぶつ切り状に終止することなく、その端部52a(図3参照)に向けて次第に細り、皮革材20の端辺部20a,20bが互いに合致して縫い合わされた位置(図4の部位20c参照)で終止するので、意匠性のさらなる向上を図ることができる。
この発明の一実施形態においては、上記把持部がステアリングホイール1であって、上記縫い合わせラインSがその内周面に設けられ、上記線条装飾体(ライナL1、L2,L3)がスポーク3,4間、3,5間、4,5間で独立して設けられたものである(図1,図4参照)。
この構成によれば、縫い合わせラインSを、ステアリングホイール1の内周面に設けたので、ドライバによる操作フィーリングを何等阻害することなく、また、スポーク間に独立して設けられた線条装飾体(ライナL1,L2,L3)により、該ステアリングホイール1の装飾性および意匠性の向上を図ることができる。
[他の縫合構造]
図5の(a)は皮革材端辺部同士の縫合構造の他の実施例を示す拡大説明図、図5の(b)は図5の(a)におけるC部の拡大断面図である。
図4の実施例では所謂ベースボール縫いを採用したが、図5に示す実施例ではベースボール縫いとは異なる縫合構造を採用している。
すなわち、図5に示すように、縫い合わせラインSに沿って左右両側の皮革材20にそれぞれ縫われて各端辺部20a,20bと平行に延在する第1係止糸としての下糸25と、第2係止糸としての下糸26とを有している。これらの各下糸25,26は左右両側の皮革材20の裏面に位置する。
また、皮革材20の端辺部20a,20b同士を縫い合わせる縫合糸27,28,29(上糸)は合計3本用いている。これらの各縫合糸27〜29は皮革材20の表面に位置する。
縫合糸27は、ライナL1の装飾部52を隔てた左右両側に渡って設けられるもので、この縫合糸27は、左上から右下に傾斜する傾斜部27aと、この傾斜部27aの右端に位置する折返し部27bと、該折返し部27bに続いて右上から左下に傾斜する傾斜部27cと、この傾斜部27cの左端に位置する折返し部27dと、を有し、これら各部を27a,27b,27c,27d,27a,27b,27c,27dの順に繰返して連続形成し、ジグザグ状に張設されたものである。
縫合糸28は、縫い合わせラインSの左側にのみ設けられるもので、この縫合糸28は、左上から右下に傾斜する傾斜部28aと、この傾斜部28aの右端に位置する折返し部28bと、該折返し部28bに続いて右上から左下に傾斜する傾斜部28cと、この傾斜部28cの左端に位置する曲げ部28dと、曲げ部28dに続く直線部28eと、該直線部28eの端部に連続する曲げ部28fと、を有し、これら各部を28a,28b,28c,28d,28e,28f,28a,28b,28c,28d,28e,28fの順に繰返して連続形成したものである。
縫合糸29は、縫い合わせラインSの右側にのみ設けられるもので、この縫合糸29は、右上から左下に傾斜する傾斜部29aと、この傾斜部29aの左端に位置する折返し部29bと、該折返し部29bに続いて左上から右下に傾斜する傾斜部29cと、この傾斜部29cの右端に位置する曲げ部29dと、曲げ部29dに続く直線部29eと、該直線部29eの端部に連続する曲げ部29fと、を有し、これら各部を29a,29b,29c,29d,29e,29f,29a,29b,29c,29d,29e,29fの順に繰返して連続形成したものである。上述の各縫合糸27,28,29は撓むことなく張設されている。
そして、縫合糸27の左側の各折返し部27dを、左側に位置する縫合糸28の各折返し部28bで係止すると共に、縫合糸27の右側の各折返し部27bを、右側に位置する縫合糸29の各折返し部29bで係止している。
また、図5の(b)に示すように、下糸25,26は皮革材20裏面から該皮革材20の孔H1(いわゆる糸孔、針孔)を通ってその表面に引出して表出した後に、再び同じ孔H1を通ってその裏面に引込んで没入し、皮革材20の表面側に位置する表出部25a,26aで縫合糸28,29(詳しくは、その曲げ部28d,28f,29d,29f)を係止している。
これにより、図5の(a)に示すように、縫合糸27が、左右の各縫合糸28,29を介して、下糸25,26に千鳥状に架け渡されると共に、当該縫合糸27のステッチ30が、ライナL1の表面に接触して、これを押えるように構成されたものである。
また、図5の(a)、(b)に示すように、下糸25,26を孔H1の部位において皮革材20の表面に露出させて、長さが比較的長い表出部25a,26aを形成している。
この場合、皮革材20および各縫合糸27,28,29をそれぞれ黒色とし、下糸25,26を黒色に対して明るい色、例えば、赤色とすると、赤色の表出部25a,26aが周期的に視認できる高い意匠性を発揮することができ、下糸25,26が目立つ縫合構造を確保することができる。
図5で示したこの実施例においても、ライナL1の収容構造、装飾部52の先細り構造、皮革材20が装飾部52の先細り構造に対して次第に端辺部20a,20bが合致するように縫い合わされる構造、その他については、図1〜図4で示した先の実施例と同様であり、同様の作用、効果を奏するので、図5において、前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
[さらに他の縫合構造]
図6の(a)は皮革材端辺部同士の縫合構造のさらに他の実施例を示す拡大説明図、図6の(b)は図6の(а)におけるD部の拡大断面図である。
図6において、縫い合わせラインSに沿って左右両側の皮革材20にそれぞれ縫われて各端辺部20a,20bと平行に延在する第1係止糸としての下糸25と、第2下糸としての下糸26とを有している。これからの各下糸25,26は左右両側の皮革材20の裏面に位置する。
また、皮革材20の端辺部20a,20b同士を縫い合わせる縫合糸31,32,33,34(上糸)は合計4本用いている。これらの各縫合糸31〜34は皮革材20の表面に位置する。
縫合糸31は、ライナL1の装飾部52を隔てた左右両側に渡って設けられるもので、この縫合糸31は、左上から右下に傾斜する傾斜部31aと、この傾斜部31aの右端に位置する折返し部31bと、該折返し部31bに続いて右上から左下に傾斜する傾斜部31cと、この傾斜部31cの左端に位置する折返し部31dと、を有し、これら各部を31a,31b,31c,31d,31a,31b,31c,31dの順に繰返して連続形成したものである。
縫合糸32も、ライナL1の装飾部52を隔てた左右両側に渡って設けられるもので、この縫合糸32は、右上から左下に傾斜する傾斜部32aと、この傾斜部32aの左端に位置する折返し部32bと、該折返し部32bに続いて左上から右下に傾斜する傾斜部32cと、この傾斜部32cの右端に位置する折返し部32dと、を有し、これら各部を32a,32b,32c,32d,32a,32b,32c,32dの順に繰返して連続形成したものである。
縫合糸33は、縫い合わせラインSの左側にのみ設けられるもので、この縫合糸33は、左上から右下に傾斜する傾斜部33aと、この傾斜部33aの右端に位置する折返し部33bと、該折返し部33bに続いて右上から左下に傾斜する傾斜部33cと、この傾斜部33cの左端に位置し、皮革材20の孔H2を通ってその裏面に引込まれて没入する没入部33d(図6の(b)参照)と、を有し、これら各部33a,33b,33c,33d,33a,33b,33c,33dの順に繰返して連続形成したものである。
縫合糸34は、縫い合わせラインSの右側にのみ設けられるもので、この縫合糸34は、右上から左下に傾斜する傾斜部34aと、この傾斜部34aの左端に位置する折返し部34bと、該折返し部34bに続いて左上から右下に傾斜する傾斜部34cと、この傾斜部34cの右端に位置し、皮革材20の孔H2を通ってその裏面に引込まれて没入する没入部34d(図6の(b)参照)と、を有し、これら各部34a,34b,34c,34d,34a,34b,34c,34dの順に繰返して連続形成したものである。
上述の各縫合糸31,32,33,34は撓むことなく張設されている。
そして、これら各縫合糸31,32,33,34をジグザグ状に張設し、縫合糸31,32の左側の各折返し部31d,32bを左側の縫合糸33の各折返し部33bで係止すると共に、縫合糸31,32の右側の各折返し部31b,32dを右側の縫合糸34の各折返し部34bで係止している。
また、図6の(b)に示すように、上糸としての縫合糸33,34は皮革材20表面から該皮革材20の孔H2(いわゆる糸孔、針孔)を通って、その裏面に引込んで没入した後に、再び同じ孔H2を通ってその表面に引上げて表出し、皮革材20の裏面側に位置する没入部33d,34dで下糸25,26にて係止されている。
これにより、図6の(a)に示すように、2本の縫合糸31,32が、左右の各縫合糸33,34を介して、下糸25,26に千鳥状に架け渡されると共に、ライナL1の位置で縫合糸31,32によるステッチ35が互いに交差する位置関係で縫って張られている。
つまり、上述の皮革材20の端辺部20a,20b間には、X字状に交差するクロスステッチ35が形成されると共に、当該クロスステッチ35が、ライナL1の表面に接触して、これを押えるように構成されたものである。
図6の(a)、(b)に示すように、下糸25,26は皮革材20の表面に露出しないので、下糸25,26が目立たない縫合構造を確保することができる。
また図6に示す実施例において、皮革材20および各縫合糸31,32を黒色とし、左右の縫合糸33,34を黒色に対して明るい色、例えば、赤色とすると、左右の縫合糸33,34のジグザグ形状を意匠部として目立たせることができ、高い意匠性を発揮することができる。
このように、図6で示した実施例においては、上記縫い合わせラインSに沿って両側の皮革材20にそれぞれ縫われて平行に延在する第1係止糸(下糸25参照)と第2係止糸(下糸26参照)とを有し、上記皮革材20の端辺部20a,20b同士を縫い合わせる縫合糸31,32,33,34は少なくとも2本あり、該縫合糸がそれぞれ第1係止糸(下糸25)と第2係止糸(下糸26)とに千鳥状に架け渡されると共に、上記線条装飾体(ライナL1参照)の位置で縫合糸31,32によるステッチ35が互いに交差する位置関係で縫って張られたものである(図6参照)。
この構成によれば、縫合糸31,32によるステッチ35が、線条装飾体(ライナL1参照)の位置で互いに交差するので、装飾性および意匠性をより一層高めることができると共に、交差する位置関係で縫って張られたステッチ35により、皮革材20および線条装飾体(ライナL1)の浮き上がりをより一層確実に防止することができる。
図6で示したこの実施例においても、ライナL1の収容構造、装飾部52の先細り構造、皮革材20が装飾部52の先細り構造に対応して次第に端辺部20a,20bが合致するように縫い合わされる構造、その他については、先の各実施例と同様であって、同様の作用、効果を奏するので、図6において、前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
[さらに他の縫合構造]
図7は皮革材端辺部同士の縫合構造のさらに他の実施例を示す拡大説明図である。
図7において、縫い合わせラインSに沿って左右両側の皮革材20にそれぞれ縫われて各端辺部20a,20bと平行に延在する第1係止糸としての下糸25と第2係止糸としての下糸26とを有している。これらの各下糸25,26は左右両側の皮革材20の裏面に位置する。
また、皮革材20の端辺部20a,20b同士を縫い合わせる縫合糸36,37,38,39(上糸)は合計4本用いている。これらの各縫合糸36〜39は主に皮革材20の表面に位置する。
縫合糸36は、ライナL1の装飾部52を隔てた左右両側に渡って設けられるもので、この縫合糸36は、左上から右下に傾斜する傾斜部36aと、この傾斜部36aの右端に位置する曲げ部36bと、曲げ部36bに続く直線部36cと、該直線部36cの端部に曲げ部36dを介して右上から左下に傾斜する傾斜部36eと、この傾斜部36eの左端に位置する曲げ部36fと、この曲げ部36fに続く直線部36gと、該直線部36gの端部に位置する曲げ部36hと、を有し、これら各部を36a,36b,36c,36d,36e,36f,36g,36h,36a,36b,36c,36d,36e,36f,36g,36hの順に繰返して連続形成したものである。
縫合糸37も、ライナL1の装飾部52を隔てた左右両側に渡って設けられるもので、この縫合糸37は、右上から左下に傾斜する傾斜部37aと、この傾斜部37aの左端に位置する曲げ部37bと、曲げ部37bに続く直線部37cと、該直線部37cの端部に曲げ部37dを介して左上から右下に傾斜する傾斜部37eと、この傾斜部37eの右端に位置する曲げ部37fと、この曲げ部37fに続く直線部37gと、該直線部37gの端部に位置する曲げ部37hと、を有し、これら各部を37a,37b,37c,37d,37e,37f,37g,37h,37a,37b,37c,37d,37e,37f,37g,37hの順に繰返して連続形成したものである。
縫合糸38は、縫い合わせラインSの左側にのみ設けられるもので、この縫合糸38は、右上から左下に傾斜し、孔H3で皮革材20の表面から裏面に潜る傾斜部38aと、傾斜部38aの左端で下糸25に係止された折返し部38bと、該折返し部38bに続いて左上から右下に傾斜し、孔H3で皮革材20の裏面から表面に引出された傾斜部38cと、傾斜部38cの右端に位置する曲げ部38dと、この曲げ部38dに続く直線部38eと、該直線部38eの端部に位置する曲げ部38fと、を有し、これら各部を38a,38b,38c,38d,38e,38f,38a,38b,38c,38d,38e,38fの順に繰返して連続形成したものである。
縫合糸39は、縫い合わせラインSの右側にのみ設けられるもので、この縫合糸39は、左上から右下に傾斜し、孔H3で皮革材20の表面から裏面に潜る傾斜部39aと、傾斜部39aの右端で下糸26に係止された折返し部39bと、該折返し部39bに続いて右上から左下に傾斜し、孔H3で皮革材20の裏面から表面に引出された傾斜部39cと、傾斜部39cの左端に位置する曲げ部39dと、この曲げ部39dに続く直線部39eと、該直線部39eの端部に位置する曲げ部39fと、を有し、これら各部を39a,39b,39c,39d,39e,39f,39a,39b,39c,39d,39e,39fの順に繰返して連続形成したものである。上述の各縫合糸36,37,38,39は撓むことなく張設されている。
そして、各縫合糸36,37の左側に位置する曲げ部36f,36h,37b,37dを、左側にのみ位置する縫合糸38の曲げ部38d,38fで係止すると共に、各縫合糸36,37の右側に位置する曲げ部36b,36d,37f,37hを、右側にのみ位置する縫合糸39の曲げ部39d,39fで係止している。
これにより、図7に示すように、2本の縫合糸36,37が、左右の各縫合糸38,39を介して、下糸25,26にほぼ千鳥状に掛け渡されると共に、ライナL1の位置で縫合糸36,37によるステッチ40が互いに交差する位置関係で縫って張られている。
つまり、上述の皮革材20の端辺部20a,20b間には、X字状に交差するクロスステッチ40が形成されると共に、当該クロスステッチ40が形成されると共に、当該クロスステッチ40が、ライナL1の表面に接触してこれを押えるように構成されたものである。
このように図7で示した実施例においては、上記縫い合わせラインSに沿って両側の皮革材20それぞれ縫われて平行に延在する第1係止糸(下糸25参照)と第2係止糸(下糸26参照)とを有し、上記皮革材20の端辺部20a,20b同士を縫い合わせる縫合糸36,37,38,39は少なくとも2本あり、該縫合糸がそれぞれ第1係止糸(下糸25)と第2係止糸(下糸26)とにほぼ千鳥状に架け渡されると共に、上記線条装飾体(ライナL1参照)の位置で縫合糸36,37によるステッチ40が互いに交差する位置関係で縫って張られたものである(図7参照)。
この構成によれば、縫合糸36,37によるステッチ40が、線条装飾体(ライナL1)の位置で互いに交差するので、装飾性および意匠性をより一層高めることができると共に、交差する位置関係で縫って張られたクロスステッチ40により、皮革材20および線条装飾体(ライナL1)の浮き上がりをより一層確実に防止することができる。
図7で示したこの実施例においても、ライナL1の収容構造、装飾部52の先細り構造、皮革材20が装飾部52の先細り構造に対応して次第に端辺部20a,20bが合致するように縫い合わされる構造、その他については、先の各実施例と同様であって、同様の作用、効果を奏するので、図7において、前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
[さらに他の縫合構造]
図8は皮革材端辺部同士の縫合構造のさらに他の実施例を示す拡大説明図である。
図8においては、縫い合わせラインSに沿って皮革材20に縫われて左側の端辺部20aと平行に延在し、かつ皮革材20の裏面に位置する第1係止糸としての下糸25を有している。
また、皮革材20の端辺部20a,20b同士を縫い合わせる縫合糸41,42(上糸)は合計2本用いている。これらの縫合糸41,42は主に皮革材20の表面に位置する。
上述の縫合糸41は、ライナL1の装飾部52を隔てた左右両側に渡って設けられるもので、この縫合糸41は、左上から右下に傾斜し、右側の端辺部20aの近傍において孔H4で皮革材20の表面から裏面に潜る傾斜部41aと、傾斜部41aの右端に位置する折返し部41bと、該折返し部41bに続いて右上から左下に傾斜し、折返し部41bの近傍において孔H5で皮革材20の裏面から表面に引出された傾斜部41cと、この傾斜部41cの左端に位置する折返し部41dと、を有し、これら各部を41a,41b,41c,41d,41a,41b,41c,41dの順に繰返して連続形成したものである。
縫合糸42は、縫い合わせラインSの左側にのみ設けられるもので、この縫合糸42は、右上から左下に傾斜する傾斜部42aと、この傾斜部42aの左端に位置し、孔H6で皮革材20の表面から裏面に潜って下糸25に係止された後に、同じ孔H6の位置で皮革材20の裏面から表面に引出された折返し部42bと、該折返し部42bに続いて左上から右下に傾斜する傾斜部42cと、この傾斜部42cの右端に位置する折返し部42dと、を有し、これら各部を42a,42b,42c,42d,42a,42b,42c,42dの順に繰返して連続形成したものである。
上述の各縫合糸41,42はそれぞれ撓むことなくジグザグ状に張設されている。
そして、縫合糸41の左側に位置する折返し部41dを、縫合糸42の右側に位置する折返し部42dで係止している。
これにより、図8に示すように、縫合糸41が、左側にのみ位置する縫合糸42を介して下糸25と、皮革材20の右側部とに千鳥状に架け渡されると共に、ライナL1の位置で縫合糸41によるステッチ43が形成されるよう縫って張られている。
つまり、上述の皮革材20の端辺部20a,20b間にはステッチ43が形成されると共に、当該ステッチ43が、ライナL1の表面に接触して、これを押えるように構成されたものである。
また、図8に示すように、下糸25を係止する単一の折返し部42b当り、単一の孔H6を設けるだけで、下糸25と縫合糸42との係止構造を確保することができる。
図8で示したこの実施例においても、ライナL1の収容構造、装飾部52の先細り構造、皮革材20が装飾部52の先細り構造に対応して次第に端辺部20a,20bが合致するように縫い合わされる構造、その他については、先の各実施例と同様であって、同様の作用、効果を奏するので、図8において、前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
[ライナの他の実施例]
図9の(a)〜(d)、図10の(a)〜(d)は、それぞれ基材17と線条装飾体としてのライナの関連構造の他の実施例を示す断面図である。
これら各図で示すライナL4〜L11も、ステアリングホイール1のスポーク間で独立して設けられるものであり、また、これらの各ライナL4〜L11においても、装飾部52がその端部に向けて細るように形成されている。
図9の(a)に示すライナL4は、溝部6に合致する埋込み基部51と、装飾部52とを断面略T字状に形成したものである。基部51は溝部6に埋込み固定されると共に、接着剤を用いて接着固定されている。
図9の(b)に示すライナL5は、溝部6に合致する埋込み基部51と、装飾部52とを断面門形状に形成し、2つの溝部6,6に対して2つの基部51,51を埋込み固定すると共に、これら両者6,51を接着剤にて接着固定したものである。
図9の(c)に示すライナL6は、埋込み基部51を楔形状(略三角形状)に形成し、基材17には当該基部51に合致する形状の溝部6を凹設形成して、この溝部6に対してライナL6の埋込み基部51を埋込み固定すると共に、これら両者6,51を接着剤にて接着固定したものである。
図9の(d)に示すライナL7は、溝部6を凹状に窪む断面半円形状と成し、この溝部6に合致する断面半円形状の埋込み基部51と、断面半円形状の装飾部52とを有し、基部51と装飾部52とで断面円形状のライナL7と成して、基部51を溝部6に埋込み固定すると共に、これら両者6,51を接着剤にて接着固定したものである。
図10の(a)に示すライナL8は、溝部6に合致する埋込み基部51と、装飾部52とを断面I字状に形成したものである。換言すれば、基部51を断面方形状に形成し、装飾部52をこの基部51に対して段差なく連続する断面方形状に形成すると共に、装飾部52の隆起端面をアール形状に加工したものである。
そして、上述の基部51を溝部6に埋込み固定すると共に、これら両者51,6を接着剤にて接着固定したものである。
図10の(b)に示すライナL9は、縦方向に長細い埋込み基部51と、断面円形の装飾部52とを有し、基材17には皮革材20の折曲げ端部20d,20eを巻き込み収容し得る溝部6を形成し、皮革材20の左右の折曲げ端部20d,20eを溝部6内に位置させた後に、ライナL9の埋込み基部51を左右の折曲げ端部20d,20e間に圧入し、ライナL9により皮革材20を巻き込んで端末処理したものである。
図10の(c)に示すライナL10は、基材17に対し装飾部52を断面凸形状に一体形成し、溝部6および埋込み基部51を省略し、部品点数の削減を図ったものである。
この場合、ライナL10を一体形成する基材17は、皮革材20とは異なる色で形成するか、または、合成樹脂製の基材17表面に、金メッキ層、銀メッキ層などの貴金属メッキ層、その他の光沢のある金属メッキ層を化学メッキにより形成したもの等を用いることができる。
図10の(d)に示すライナL11は、装飾部52のみで形成されており、基材17の表面に当該装飾部52を、接着剤を用いて接着固定、または両面テープを用いて貼着固定し、溝部6および埋込み基部51を省略し、構造の簡略化を図ったものである。
[ライナの端部処理構造の他の実施例]
図11は線条装飾体としてのライナの端部処理構造の他の実施例を示し、図11の(a)は皮革材巻き付け前の側面図、図11の(b)は図11の(a)のE−E線矢視断面図、図11の(c)は図11の(a)のF−F線矢視断面図、図11の(d)は皮革材巻き付け後の正面図、図11の(e)は図11の(d)のG−G線矢視断面図、図11の(f)は図11の(d)のH−H線矢視断面図である。
この実施例においては、ライナL12はその断面形状が一定不変のものを用いると共に、基材17にはライナL12を埋込む所定範囲αにおいて一定深さの溝部6を凹設すると共に、この所定範囲αに続いて溝部6の深さが漸減する溝深さ変位部6Aを所定範囲βに形成し、この溝深さ変位部6Aの反溝部側においては基材17に溝部6を形成していない。
ライナL12の一端(図11のaの左端)側を溝部6および溝深さ変位部6Aに埋込み、ライナL12の所定範囲βよりも他端側(図11のaの右端側)は基材17の表面に配置し、図11の(a)における所定範囲αの部分を埋込み基部51に設定し、その他端側を装飾部52に設定している。
つまり、ライナL12はその長手方向の一端側を埋込み基部51とし、その長手方向の他端側を装飾部52としたものであり、所定範囲αにおいて埋込み基部51は基材17表面と同じ高さになるよう埋込まれている。
そして、図11の(d)に示すように、ステアリングホイール1のリム2を被覆する皮革材20の合わせ目の縫い合わせラインSがリム2の長手方向に延在するよう配置され、縫い合わせラインSで対向する皮革材20の端辺部20a,20b同士を、リム2の断面周方向に所定距離離間させて、これらの間に、リム2の延在方向に合致して延びる上記ライナL12を収容し、皮革材20の端辺部20a,20b同士を縫い合わせる縫合糸27,28,29のステッチ30が、当該ライナL12の表面に接触して、これを押える態様で設けられたものである。
また、ライナL12が、溝部6に合致する埋込み基部51と、縫い合わせラインSでステッチ30の間から露出する隆起した装飾部52とから成り、図11の(a)に示す所定範囲βにおいて、図11の(d)に示すように、装飾部52は見掛け上、その一端側に向けて細り、皮革材20の端辺部20a,20bが互いに合致して縫い合わされた位置で終止するように形成されている。
ここで、上述のライナL12は埋込み固定に併せて接着剤による接着固定構造が採用される。また、図11の(d)で示す縫合構造は、図5で示した構造を採用したが、図4で示したベースボール縫いや、図6,図7,図8で示した縫合構造を採用してもよい。
図11で示したこの実施例においても、その他の構成、作用、効果については、先の実施例とほぼ同様であるから、図11において、前図と同一の部分には、同一符号を付してその詳しい説明を省略する。
[パーキングブレーキレバーに適用した実施例]
図12は、本発明の自動車用皮革巻き把持部構造を、パーキングブレーキレバーに適用した実施例を示す斜視図である。
パーキングブレーキを操作するパーキングブレーキレバー60を設け、該パーキングブレーキレバー60(つまり把持部)を被覆する皮革材20の合わせ目の縫い合わせラインSが当該パーキングブレーキレバー60の長手方向に延在するように配置されている。
上述の縫い合わせラインSで対向する皮革材20の端辺部20a,20b同士を、パーキングブレーキレバー60の断面周方向に所定距離離間させて、これら各端辺部20a,20b間に、パーキングブレーキレバー60の延在方向に合致して延びるライナL13を収容し、皮革材20の端辺部20a,20b同士を縫い合わせる縫合糸21,22のステッチ23(クロスステッチ)が、ライナL13の表面に接触して、これを押える態様で設けられている。
この実施例においては、縫合糸21,22による縫合構造は図4と同様にベースボール縫いを採用しているが、図5,図6,図7,図8で示した縫合構造を採用してもよいことは勿論である。
図12において、61はラバーブーツ、62は皮革材20の上端折曲げ部側を覆うグロメット、63はリリースボタンである。
図12で示したこの実施例においても、その他の構成、作用、効果については、先の実施例とほぼ同様であるから、図12において、前図と同一の部分には、同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
[ライナの他の実施例]
図13の(a)、(b)はライナの他の実施例を示す斜視図である。
図13の(a)に示すライナL14は、溝部に合致する埋込み基部51をその下部に有し、縫い合わせラインSでステッチの間から露出する隆起した装飾部52をその上部に有し、これら両者51,52を合成樹脂で一体形成すると共に、長手方向両端部にはその端部53aに向けて先細りとなるU字状の先細り部53,53を形成したものである。
この場合、基材17にはライナL14形状に合致した溝部が凹設される。
図13の(b)に示すライナL15は、溝部に合致する埋込み基部51をその下部に有し、縫い合わせラインSでステッチの間から露出する隆起した装飾部52をその上部に有し、これら両者51,52を合成樹脂で一体形成すると共に、長手方向両端部にはその端部54aに向けて先細りとなるV字状の先細り部54,54を形成したものである。
この場合、基材17にはライナL15形状に合致した溝部が凹設される。
図13の(a)、(b)に示すライナL14,L15を、先の各実施例のライナL1〜L13に代えて、把持部である棒状体に収容しても、当該ライナL14,L15の装飾部52がその端部に向けて細り、皮革材20の端辺部20a,20bが互いに合致して縫い合わされた位置で終止するので、先の実施例と同様に高い意匠性を確保することができる。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の把持部(棒状体)は、実施例のステアリングホイール1のリム2、またはパーキングブレーキレバー60に対応し、
以下同様に、
線条装飾体は、ライナL1〜L15に対応し、
第1係止糸は、下糸25に対応し、
第2係止糸は、下糸26に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
例えば、皮革材20の色、ライナL1〜L15の色、下糸25,26の色、縫合糸の色を、同色、異色、同系統の色に任意に選定し、目立つ部分と目立たない部分とに区分して所望の意匠性を確保するように構成することができる。また、上述の下糸25,26、縫合糸としては金糸や銀糸を用いてもよい。
以上説明したように、本発明は、把持部である棒状体を被覆する皮革材の合わせ目の縫い合わせラインが当該棒状体の長手方向に延在するよう配置された自動車用皮革巻き把持部構造について有用である。
1…ステアリングホイール(把持部)
2…リム(棒状体)
3,4,5…スポーク
6,9,12…溝部
20…皮革材
20a,20b…端辺部
21,22,27〜29,31〜34,36〜39,41,42…縫合糸
23,30,35,40,43…ステッチ
25…下糸(第1係止糸)
26…下糸(第2係止糸)
51…埋込み基部
52…装飾部
60…パーキングブレーキレバー(把持部)
L1〜L15…ライナ
S…縫い合わせライン

Claims (5)

  1. 把持部である棒状体を被覆する皮革材の合わせ目の縫い合わせラインが当該棒状体の長手方向に延在するよう配置された自動車用皮革巻き把持部構造であって、
    上記縫い合わせラインで対向する皮革材の端辺部同士を、上記棒状体の断面周方向に所定距離離間させて、
    これらの間に、上記棒状体の延在方向に合致して延びる線条装飾体を収容し、
    上記皮革材の端辺部同士を縫い合わせる縫合糸のステッチが、当該線条装飾体の表面に接触して、これを押える態様で設けられた
    自動車用皮革巻き把持部構造。
  2. 上記棒状体の長手方向に沿って、上記線条装飾体に合致して当該線条装飾体の一部を収容する溝部が凹設された
    請求項1記載の自動車用皮革巻き把持部構造。
  3. 上記線条装飾体が、上記溝部に合致する埋込み基部と、上記縫い合わせラインでステッチの間から露出する隆起した装飾部とから成り、
    当該装飾部はその端部に向けて細り、皮革材の端辺部が互いに合致して縫い合わされた位置で終止する
    請求項2記載の自動車用皮革巻き把持部構造。
  4. 上記把持部がステアリングホイールであって、
    上記縫い合わせラインがその内周面に設けられ、
    上記線条装飾体がスポーク間で独立して設けられた
    請求項3記載の自動車用皮革巻き把持部構造。
  5. 上記縫い合わせラインに沿って両側の皮革材にそれぞれ縫われて平行に延在する第1係止糸と第2係止糸とを有し、
    上記皮革材の端辺部同士を縫い合わせる縫合糸は少なくとも2本あり、
    該縫合糸がそれぞれ第1係止糸と第2係止糸とに千鳥状に架け渡されると共に、
    上記線条装飾体の位置で縫合糸によるステッチが互いに交差する位置関係で縫って張られた
    請求項1〜4の何れか1項に記載の自動車用皮革巻き把持部構造。
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