JP2012152378A - 皮革および皮革製品 - Google Patents

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Abstract

【課題】手縫いのハンドメイド感を容易に創出することができ、飾り糸の位置が若干ずれても、形状が不自然にならない皮革製品を提供する。
【解決手段】外周部の少なくとも一部に所定の幅の厚肉部位11が形成され、厚肉部位11の内側に所定の幅の中間部位13が形成され、中間部位13の内側に薄肉部位15が形成されており、中間部位13では、薄肉部位15から厚肉部位11に至るに従って、厚さが次第に厚くなっている板状の皮革本体7と、厚肉部位11に設けられた飾り糸9とを有する皮革5を備えた皮革製品1である。
【選択図】図5

Description

本発明は、皮革および皮革製品に係り、たとえば、皮革の外周部に飾り糸が設けられているものに関する。
従来、一定の厚さの皮革本体の端部に飾り糸を設け、この飾り糸が設けられた皮革本体(皮革)を、接着剤を用いて芯材に貼り付けて形成されたシフトノブが知られている(たとえば、特許文献1参照)。
このシフトノブでは、飾り糸を設けた皮革の端部同士が突き合わされている。これにより、いわゆるVステッチが形成され、飾り糸で皮革の端部同士が手縫いされた(ハンドメイドされた)ような、高級感のあるシフトノブが提供される。
しかし、上記従来のシフトノブでは、飾り糸が設けられている皮革の端部が皮革の他の部位に比べて盛り上がっておらず、皮革の表面全体が平坦になっているので、ハンドメイド感が少ない。
すなわち、実際に皮革の端部同士を縫い合わせると、この縫い合わせに使用する糸によって、糸が存在している皮革の端部の厚さが他の部位よりも若干厚くなり、皮革の突き合せ部分が盛り上がる。しかし、上記従来のシフトノブでは、そのような盛り上がりがなく、ハンドメイド感が少なくなる。
ところで、実際に手縫いによって皮革同士を突き合わせる場合には、2枚の皮革(1枚の皮革の一方の端部と他方の端部とをお互いに突き合わせる場合もある)を突き合わせ糸で縫って強く締め付けるので、糸(飾り糸にもなる)が設けられている皮革の突き合せ部分(糸が存在している部位;縫製部)が圧縮される。そして、縫製部での皮革の厚みが増して盛り上がる。
また、実際に手縫いによって皮革同士を突き合わせる場合には、糸で締め付けられた部分(ステッチ部)は厚みが薄くなるので、縫製部におけるステッチ部と、ステッチ部の間の部分(縫製部におけるステッチ部以外の部分)に凹凸ができる。
しかし、上記従来のシフトノブでは、そのような縫製部の盛り上がりがなく、またステッチ部と、ステッチ部の間の部分に凹凸がないため、ハンドメイド感が少なくなる。
そこで、飾り糸によって皮革の端部を締め付けることで縫製部を、皮革の他の部位よりも盛り上げ、また、ステッチ部と、ステッチ部の間の部分に凹凸をつけてハンドメイド感を備えたシフトノブとすることが考えられる。
しかし、飾り糸の糸締めが弱いと、飾り糸の部分で皮革が厚くならずハンドメイド感を創出することができない。一方、飾り糸の糸締めを強くすると、飾り糸を設けた皮革の端部がカールしたりして皮革の端面が変形してしまう。この変形により、皮革の端部同士をうまく突き合わせることができず、芯材に皮革を正しく設けることが困難になる。したがって、糸締めで皮革の端部を厚くする方式を採用することは難しい。
さらに、皮革は、それ自体の部位により硬さが異なる(たとえば、牛の背の部位と腹の部位とでは、硬さが相当に異なる)ので、上述した飾り糸の締め加減を調整することは困難である。
そこで、図9、図10(a)、図10(b)で示すように、皮革本体(所定形状に形成されている皮革素材)200の端部202,204の近くを所定の幅で厚くすることで段差206,208を設け、この段差206,208と端部202,204のところに飾り糸210を設け、この飾り糸210を設けた皮革本体(皮革)200を芯材212に貼り付ける方式が考えられる。
これにより、飾り糸210を設けた皮革200の部位(端部)214が、飾り糸210を強く締めなくても盛り上がり、ハンドメイド感を備えたシフトノブ216を得ることができる。
なお、シフトノブ216では、段差206,208が形成されている側の面(たとえば、図9(b)における皮革200の上側の面)が、芯材212に対向している。したがって、段差206,208が形成されていない皮革200の面がシフトノブ216の表面となり装飾面となる。また、図9、図10(a)、図10(b)に示した技術に関連する文献として、たとえば、特許文献2を掲げることができる。
特公平8−11563号公報 特開平6−99818号公報
図9、図10(a)、図10(b)に示すシフトノブ216では、上述したように、飾り糸210の締め付け力を厳格に調整しなくても、飾り糸210を設けた皮革200の部位214が盛り上がるので、ハンドメイド感を得ることができる。
しかし、皮革200では、段差206,208が急激に立ち上がっているので(段差206,208の面が、図10(a)等で示すように、皮革200の厚さ方向の両面に対して垂直であるので)、図10(c)で示すように、飾り糸210の位置が少しずれただけで、飾り糸210を設けた皮革200の部位214が不自然な形状になるという問題がある。
すなわち、図10(b)で示すように、飾り糸210が皮革200の端部202(204)と段差206(208)との間に設けられていれば、不自然さが発生しないのであるが、飾り糸210が皮革200の段差まで届いていないと、図10(c)で示すように、皮革200の段差(装飾面における段差)220のところに対して、飾り糸210の端部218(皮革200の端部204と段差220との間に位置している端部)の位置がずれてしまう。
そして、段差220のところに飾り糸210が存在しないことでシフトノブの形状が不自然になる。
上記問題は、シフトノブだけでなくシフトノブ以外の皮革製品(たとえばハンドル)等においても同様に発生する問題である。
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、手縫いのハンドメイド感を容易に創出することができ、飾り糸の位置が若干ずれても、形状が不自然にならない皮革製品を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、外周部の少なくとも一部に所定の幅の厚肉部位が形成され、前記厚肉部位の内側に所定の幅の中間部位が形成され、前記中間部位の内側に薄肉部位が形成されており、前記中間部位では、前記薄肉部位から前記厚肉部位に至るに従って、厚さが次第に厚くなっている板状の皮革本体と、前記厚肉部位、もしくは、前記厚肉部位と前記中間部位、もしくは、前記厚肉部位と前記中間部位とこの中間部位の近傍に位置している薄肉部位とに設けられた飾り糸とを有する皮革である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の皮革において、前記厚さの変化によって形成されている段差は、前記皮革本体の非装飾面に形成されている皮革である。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の皮革において、前記飾り糸は、前記皮革本体の外周から中間部位にわたって設けられている皮革である。
請求項4に記載の発明は、芯材と、前記芯材の表面の少なくとも一部を覆うように、前記芯材に設けられた請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の皮革とを有する皮革製品である。
本発明によれば、手縫いのハンドメイド感を容易に創出することができ、飾り糸の位置が若干ずれても、形状が不自然にならない皮革製品を提供することができるという効果を奏する。
シフトノブの概略構成を示す斜視図である。 シフトノブの概略構成を示す分解斜視図である。 (a)は、図1におけるIII部の拡大図であり、(b)は、(a)におけるIII−III断面を示す図である。 シフトノブに使用される皮革本体の斜視図である。 シフトノブにおける皮革の突き合せ部位を示す図であり、図3(b)におけるV部の拡大図であり、(a)は、皮革を芯材に貼り付ける前の状態を示しており、(b)は、皮革を芯材に貼り付けた後の状態を示しており、(c)は、飾り糸の位置がずれている皮革を芯材に貼り付けた後の状態を示している。 変形例に係る皮革本体を示す図である。 変形例に係るシフトノブの概略構成を示す斜視図である。 変形例に係るシフトノブの概略構成を示す分解斜視図である。 従来のシフトノブを示す図である。 従来のシフトノブを示す図である。
自動車等に使用されるシフトノブ1は、図1、図2等で示すように、芯材3と皮革5とを備えて構成されている。皮革5は、芯材3の表面の少なくとも一部を覆うようにして、接着剤等を用いて芯材3に一体的に設けられている。
皮革5は、皮革本体7と飾り糸(装飾糸)9とを備えて構成されている。皮革本体7は、図4等で示すように、板状で所定の形状に形成されており、外周部(縁部)の少なくとも一部に所定の幅(たとえば一定の幅)の厚肉部位(一定の厚さの厚肉部位)11が形成されている。
厚肉部位11の内側には所定の幅(たとえば一定の幅)の中間部位13が形成されており、中間部位13の内側には薄肉部位(厚肉部位11よりも薄い一定の厚さの薄肉部位)15が形成されている。
厚肉部位11と薄肉部位15との間に位置している中間部位13では、薄肉部位15から厚肉部位11に至るに従って、皮革本体7の厚さが次第に厚くなっている。
ここで、皮革本体7の外周とは、板状の皮革本体7をこの厚さ方向から見たときにおける外周であり、外周部とは、外周とこの外周の近傍の部位である。
皮革本体7をこの厚さ方向から見ると、厚肉部位11は、皮革本体7の外周の延伸方向に沿って長く延伸している。厚肉部位11の幅方向は、皮革本体7の外周の延伸方向と皮革本体7の厚さ方向とに対して直交する方向である。
また、皮革本体7をこの厚さ方向から見ると、中間部位13も所定の幅に形成されており、中間部位13の幅方向は、厚肉部位11の幅方向とほぼ一致している。また、中間部位13は厚肉部位11に沿って延伸している(ほぼ平行になって延伸している)。
また、皮革本体7をこの厚さ方向から見ると、薄肉部位15の外側に中間部位13が位置し、中間部位13の外側に厚肉部位11が位置している。そして、中間部位13は、皮革本体7の薄肉部位15を挟むかもしくは囲むように設けられており、厚肉部位11は、皮革本体7の中間部位13を挟むかもしくは囲むように設けられている。
なお、図4等では、厚肉部位11や中間部位13は、皮革本体7の外周部の一部にのみ設けられているが、厚肉部位11や中間部位13が、皮革本体7の外周部の全周に設けられていてもよい。
厚肉部位11や中間部位13が皮革本体7の外周部の一部にのみ設けられているものでは、板状の皮革本体7をこの厚さ方向から見ると、厚肉部位11や中間部位13は、たとえば、図4等から理解されるように、細長い長方形状になっており、皮革本体の一方の側と他方の側に位置している。なお、図8等から理解されるように、厚肉部位11や中間部位13が、たとえば「U」字状になっている場合もある。また、厚肉部位11や中間部位13が形成されていない皮革本体の外周では、薄肉部位15が皮革本体7の外周部を形成している。
さらに、厚肉部位11が皮革本体7の外周部の全周に設けられているもの(図示せず)では、厚肉部位11や中間部位13が環状に形成されて薄肉部位15の外周を全長にわたって囲んでいる。
皮革本体7の外周の延伸方向に対して直交する平面で、厚肉部位11と中間部位13と中間部位13の近くに位置している薄肉部位15とを切断すると、図5(a)で示すように、薄肉部位15と中間部位13との交差角度(劣角)α1が鈍角(たとえば、120°)になっており、中間部位13と厚肉部位11との交差角度(劣角)α2も、鈍角(たとえば、120°)になっている。
上記断面において、皮革本体7の外周では、皮革本体7の側面(縁の面)17が、皮革本体7の面(皮革本体7の厚さ方向の両面)19,21に対して、たとえば直交している。
また、皮革本体7の中間部位13では、薄肉部位15から厚肉部位11に移行するにしたがって、厚さが直線的に変化している(薄肉部位15からの距離に比例して厚さの増加量が大きくなっている)が、図5(a)に破線L1,L2で示すように、中間部位13での厚さの変化の割合が適宜変化していてもよい。
すなわち、破線L1で示すように、中間部位13での厚さが増加する割合が、薄肉部位15から離れるほど(厚肉部位11に近づくほど)大きくなっていてもよいし、逆に、破線L2で示すように、中間部位13での厚さが増加する割合が、薄肉部位15から離れるほど小さくなっていてもよい。
このような、厚肉部位11と中間部位13と薄肉部位15とを備えた皮革本体7の製造(マスク漉き)について説明する。
まず、一定の厚さを有するとともに、この厚さ方向から見た形状が所定形状になっている皮革素材を用意する。また、板状のマスク材を用意する。板状のマスク材は、この厚さ方向から見ると、皮革素材の形状(厚さ方向から見た形状)と同形状であって、皮革素材の形状よりも僅かに大きい形状になっている。
また、板状のマスク材は、この厚さ方向の一方の面に凹部(厚さ方向の他方の面側に凹んでいるたとえば帯状の凹部;皮革本体7の厚肉部位11と中間部位13とを形成するための凹部)が形成されている。
続いて、マスク材と皮革素材とをたとえば両面テープを用いて一体化する。この一体化がされた状態では、マスク材の厚さ方向の一方の面と、皮革素材の厚さ方向の一方の面(たとえば銀面)とがお互いに面接触しているとともに、マスク材や皮革素材をこれらの厚さ方向から見ると、マスク材の内側に皮革素材が位置している。また、皮革素材の外周部がマスク素材の凹部に入り込んでいる。さらに、この一体化がされたものの厚さは、マスク材の凹部と皮革素材とがお互いに重なった箇所で薄く、マスク材の凹部以外の部位と皮革素材がお互いに重なった箇所で厚くなっている。
続いて、マスク材の平面(マスク材の厚さ方向の他方の面;凹部が形成されていない面)を加工基準にして、たとえば、厚さの薄い帯状のカッターで、皮革素材を切断する。なお、前記カッターの切断面は、前記加工基準の平面と平行になっている。この切断によって、薄肉部位15と厚肉部位11との間に中間部位13が形成される。
続いて、皮革素材からマスク材と両面テープとを取り除くことで、皮革本体(上記加工がされた皮革素材)7を得ることができる。
飾り糸9は、図3(a)、図5(a)、図5(c)等で示すように、厚肉部位11等の幅方向で、厚肉部位11と中間部位13とにわたって設けられている。すなわち、飾り糸9が、皮革本体7の外周17から境界(薄肉部位15と中間部位13との境界)35にわたって設けられている(飾り糸9の一端部が外周17のところに位置し、飾り糸9の他端部が境界35のところに位置している)か、もしくは、飾り糸9が、皮革本体7の外周17から中間部位13の中間部(薄肉部位15と中間部位13との境界35と、厚保肉部位11と中間部位13との境界37との間)にわたって設けられている(飾り糸9の一端部が外周17のところに位置し、飾り糸9の他端部が前記中間部のところに位置している)。なお、図示していないが、飾り糸9が、厚肉部位11のみ、もしくは、厚肉部位11と中間部位13とこの中間部位13の近傍に位置している薄肉部位15とにわたって設けられていてもよい。また、飾り糸9は、厚肉部位11等の延伸方向で厚肉部位11等のたとえば全長にわたって設けられている。
飾り糸9の設置形態の詳細は省略するが、飾り糸9は、たとえば、特開平06−048305号公報、特開平07−132908号公報、特開平07−185164号公報、特開平06−064546号公報、特開2000−118557号公報、実開平06−033774号公報(全文)、実開平05−003725号公報(全文)、特開2009−165651号公報に示された態様で、皮革本体7に設けられている。
上述したように、厚肉部位11と中間部位13と薄肉部位15とが形成されていることにより(皮革本体7の厚さの変化により)、皮革本体7には、段差(中間部位13における緩やかな斜めの段差)23が形成されている。段差23は、皮革本体7(皮革5)のたとえば非装飾面(装飾面とは反対側の面;接着剤を介して芯材3と対向する面)に形成されている。したがって、皮革本体7(皮革5)を芯材3に設置する前の状態(皮革本体7が単体で存在している状態)では、皮革本体7の装飾面は、平面状になっている。
さらに説明すると、皮革本体7は、一定の厚さの皮革素材を切断(裁断)して上述した所定形状(厚さ方向から見たときの所定形状)に形成されている。皮革素材は、この厚さ方向の一方の面が銀面になっており、他方の面が床面になっている。
皮革5は、たとえば、銀面が装飾面になって使用される。したがって、段差23が形成されている面は、皮革本体7の床面ということになる。
また、段差23(薄肉部位15や中間部位13)は、皮革素材の床面側を切削加工等して所定の厚さを適宜切除することで形成されている。たとえば、厚さが2.2mmの皮革素材を所定形状に切断した後、薄肉部位では1.1mm、中間部位では0.0mm〜1.1の厚さ分、皮革素材を削除して、厚さが2.2mmの厚肉部位11と厚さが1.1mmの薄肉部位15と厚さが1.1mm〜2.2mmまで変化している中間部位13とを形成している。なお、厚肉部位11の幅は、3mm程度になっている。
ところで、皮革素材を切断して所定形状(厚さ方向から見たとき所定形状)に形成した後、皮革素材の床面側を、薄肉部位15と中間部位13とに加えて厚肉部位11を含めて削除して、薄肉部位15と中間部位13と厚肉部位11とを備えた皮革本体7を形成してもよい。
皮革5がバックスキンで使用される場合(床面が装飾面となる場合)には、銀面に段差23を形成するか、銀面に代えてもしくは加えて、床面に段差23を形成してもよい。
ところで、上記説明では、皮革素材を所定の厚さだけ適宜削除して、薄肉部位15と中間部位13と厚肉部位11とを備えた皮革本体7を形成しているが、図6(c)で示すように、所定形状で一定の厚さの第1の皮革本体構成部材25の外周部に、中間部位と厚肉部位とを形成するための所定の幅の第2の皮革本体構成部材27を一体的に設けた構成であってもよい。
たとえば、外周の側面が斜めになっている一定の厚さの皮革素材の外周部を適宜折り返した後切断して、薄肉部位15と中間部位13と厚肉部位11とを備えた皮革本体7aを形成してもよい。
詳しく説明すると、図6(a)で示すように、まず、所定形状で一定の厚さの皮革素材29の縁のところを斜めに削除する。この削除をした状態では、皮革素材29の装飾面19と非装飾面21とが平行になっており、削除によって形成された削除面31と、皮革素材29の非装飾面21との交差角度α3が鋭角になっており、削除面31と、皮革素材29の装飾面19との交差角度α4が鈍角になっている。
続いて、図6(b)で示すように、皮革素材29の外周から所定の距離だけ離れた箇所で、皮革素材29を180°折り返して、皮革素材29の非装飾面21同士を面接触させ、たとえば、接着によって固定する。
これにより、皮革素材29の外周とこの近傍では、非装飾面21の一部がお互いに面接触するようにして皮革素材29がお互いに重なっている。
続いて、図6(b)に破線L3で示すように、折り返した部位のうちで皮革素材29の外側に位置している部位をたとえば切断して削除(除去)する。これにより、図6(c)で示すように、外周部に所定の幅の厚肉部位11が形成され、厚肉部位11の内側に所定の幅の中間部位13が形成され、中間部位13の内側に薄肉部位15が形成される。
ところで、飾り糸9は、前述したように、皮革本体7の中間部位13と外周(側面)17との間に設けられている(皮革本体7の厚肉部位11や中間部位13の幅方向では、皮革本体7の中間部位13から皮革本体7の外周にわたって設けられている。
例を掲げて詳しく説明すると、図3(a)等で示すように、飾り糸9のうちで皮革5の装飾面19に現れている縫い目33は、たとえば、複数本で短い線状(たとえば直線状)になっている。
各縫い目33は、図3(a)、図5(a)、図5(b)で示すように、長手方向の一端部が皮革本体7の境界(薄肉部位15と中間部位13との境界)35のところに位置し、長手方向の他端部が皮革本体7の外周のところに位置している。
縫い目33の長手方向は、皮革本体7の外周の延伸方向に対して所定の角度で交差している。各縫い目33は、皮革本体7の外周に沿い所定の間隔をあけて設けられており、お互いに隣接している2つの縫い目33の長手方向が、お互いにほぼ一致している。すなわち、お互いに隣接している2つの縫い目33はほぼ平行になっている。
なお、縫い目33の長手方向の一端部が、皮革本体7の厚肉部位11内、厚肉部位11と中間部位13との境界37、中間部位13内のいずれかに位置していてもよいし、縫い目33の長手方向の他端部が、厚肉部位11内に位置していてもよい。
ところで、各縫い目が、破線状になって、皮革本体7の外周の延伸方向と平行に延伸していてもよい。この場合、各縫い目は、中間部位13、厚肉部位11、中間部位13と厚肉部位11との境界37、薄肉部位15と中間部位13との境界35のうちの少なくともいずれかに設けられているものとする。
シフトノブ1について例を掲げてさらに詳しく説明する。
シフトノブ1の皮革5は、図4等で示すように、矩形状に形成されており、1つの辺とこの1つの辺に対向する他の1つの辺との2箇所に、厚肉部位11と中間部位13とが形成されている。そして、飾り糸9も、厚肉部位11と中間部位13とが形成されている2箇所に設けられている。
そして、この皮革5を芯材3に設けた場合、一方の飾り糸9が設けられている皮革5の端部と、他方の飾り糸等が設けられている皮革5の端部とが対向している。そして、飾り糸9が設けられている皮革5の一方の端部と飾り糸9が設けられている皮革5の他方の端部とが、隙間がほとんど存在しない程度に近接しているかお互いに接触して突き合わされており、芯材3が皮革5で覆われ隠れている。
ここで、シフトノブ1の製造工程について説明する。
まず、皮革素材を所定の形状(たとえば矩形状)に形成する。
続いて、皮革素材を適宜切削して、薄肉部位15と中間部位13と厚肉部位11とが形成された皮革本体7を得る。
続いて、飾り糸9を皮革本体7に設け、接着剤を用いて芯材3に皮革5を一体的に設置する。
シフトノブ1によれば、皮革5の外周部に所定の幅にわたって厚肉部位11が形成され、皮革5の中間部位13では、薄肉部位15から厚肉部位11に至るに従って皮革5の厚さが次第に厚くなっており、飾り糸9が主に厚肉部位11に設けられているので、手縫いのハンドメイド感を容易に創出することができ、飾り糸9の位置が若干ずれても、シフトノブ1の形状が不自然にならない。
すなわち、シフトノブ1における皮革5の突き合せ部位39で、図5(b)で示すように、皮革5が薄肉部位15のところよりも盛り上がり、ハンドメイド感を創出することができる。
また、図5(c)の左側の皮革5(5A)が示すように、飾り糸9の位置ずれが発生していても(飾り糸9が、中間部位13と薄肉部位15との境界35まで届いていなくても)、図10(c)で示すような尖った角部222が皮革5には存在せず、シフトノブ1の形状が不自然になることが回避される。
また、図5(c)の右側の皮革5(5B)が示すように、飾り糸9の位置ずれが発生していても(飾り糸9が、中間部位13と厚肉部位11との境界37まで届いていなくても)、図10(c)で示すような尖った角部222が皮革5には存在しないので、シフトノブ1の形状が不自然になることが回避される。
また、シフトノブ1によれば、飾り糸9が主に厚肉部位11に設けられているので、飾り糸9の糸締めを強くしても、皮革5の端部が変形し難くなっており、皮革5の端部同士をうまく突き合わせることができ、芯材3に皮革5を正しく設けることができる。
また、シフトノブ1によれば、飾り糸9の糸締めを強くすることができるので、ステッチ部と、ステッチ部の間の部分に凹凸ができ、ハンドメイド感を高めることができる。また、飾り糸9の縫い目33が皮革5の装飾面(表面)から出っ張らず、シフトノブ1を操作するときに、指先に飾り糸9が引っ掛かることが無くなり、良好な操作感を得ることができる。
さらに、シフトノブ1によれば、皮革5の中間部位13では、薄肉部位15から厚肉部位11に至るに従って皮革5の厚さが次第に厚くなっているので、皮革5を芯材3に設置した後、皮革5と芯材3との間に隙間が発生し難くなっており、一層確実にハンドメイド感を創出することができる。
また、シフトノブ1によれば、段差23が皮革本体7(皮革5)の非装飾面に形成されているので、厚肉部位11と中間部位13との境界37に対応する皮革5の装飾面の角部41で、皮革5が尖ることなく丸められ、シフトノブ1の手触り感が一層向上する。
すなわち、段差23が皮革本体7の装飾面ではなく非装飾面に形成されているので、図5(b)で示すように、皮革5を芯材3に貼り付けたときに、皮革5の肉の厚さにより、皮革5の装飾面が小さな円弧を描いて厚肉部位11に対応する部位43から中間部位13に対応する部位45に移行している。これにより、シフトノブ1の手触り感が一層向上する。なお、図5(b)では、角部41が急激に曲がっているが、実際には、上述したように、角部41は、小さな円弧を描いて曲がっている。
シフトノブ1によれば、飾り糸9が、皮革本体7の外周17から中間部位13にわたって設けられているので、飾り糸9の位置ずれを許容することができる。すなわち、上述したように、薄肉部位15の厚さを1.1mmとし厚肉部位11の厚さを2.2mmとし、角部の角度α1,α2を120°にすれば、中間部位13の幅は、1.9mm〜2.0mm程度になる。この1.9mm内に飾り糸9の一方の端部を位置させればよいので、飾り糸9の一方の端部を薄肉部位15と中間部位13との境界35に位置させる場合等に比べて、飾り糸9の位置ずれを広い範囲で許容することができる。
ところで、上記説明では、芯材3に1枚の皮革5を設ける場合を掲げたが、芯材3に複数枚の皮革5を設けてもよい。
たとえば、図7や図8で示すように、シフトノブ1aにおいて、芯材3に2枚の皮革5C,5Dを設け、皮革5Cの外周の一部と、皮革5Dの外周の一部とお互いに突きあわされるようにしてもよい。なお、図7、図8は、厚肉部位や中間部位の表示を省略してある。
なお、上記実施形態では、シフトノブを例に掲げて説明したが、シフトノブだけでなく、自動車のハンドル、ドアの取手等、操作をするときに人が手を触れる皮革製品にも、上記実施形態の態様を適用することができる。
1 シフトノブ(皮革製品)
3 芯材
5 皮革
7 皮革本体
9 飾り糸
11 厚肉部位
13 中間部位
15 薄肉部位
19 装飾面
21 非装飾面
23 段差

Claims (4)

  1. 外周部の少なくとも一部に所定の幅の厚肉部位が形成され、前記厚肉部位の内側に所定の幅の中間部位が形成され、前記中間部位の内側に薄肉部位が形成されており、前記中間部位では、前記薄肉部位から前記厚肉部位に至るに従って、厚さが次第に厚くなっている板状の皮革本体と、
    前記厚肉部位、もしくは、前記厚肉部位と前記中間部位、もしくは、前記厚肉部位と前記中間部位とこの中間部位の近傍に位置している薄肉部位とに設けられた飾り糸と、
    を有することを特徴とする皮革。
  2. 請求項1に記載の皮革において、
    前記厚さの変化によって形成されている段差は、前記皮革本体の非装飾面に形成されていることを特徴とする皮革。
  3. 請求項1または請求項2に記載の皮革において、
    前記飾り糸は、前記皮革本体の外周から中間部位にわたって設けられていることを特徴とする皮革。
  4. 芯材と、
    前記芯材の表面の少なくとも一部を覆うように、前記芯材に設けられた請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の皮革と、
    を有することを特徴とする皮革製品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2017056833A (ja) * 2015-09-16 2017-03-23 カルソニックカンセイ株式会社 内装部品構造

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