JP6064439B2 - 車両用前照灯 - Google Patents

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Description

この発明は、半導体型光源とリフレクタと複数の領域を有するレンズとを備える車両用前照灯に関するものである。特に、この発明は、良好な(理想の)配光パターンを得ることができる車両用前照灯に関するものである。
この種の車両用前照灯は、従来からある(たとえば、特許文献1)。以下、従来の車両用前照灯について説明する。従来の車両用前照灯は、半導体発光素子からなる光源と、リフレクタと、拡散プリズムレンズと、を備えるものである。光源を点灯発光させると、光源からの光がリフレクタで反射して、その反射光が拡散プリズムレンズを透過して、全体的に車幅方向に長くかつ中央部分に高輝度のホットスポットを有する配光パターンとして車両の前方に照射される。
特開2008−41558号公報
かかる車両用前照灯においては、拡散プリズムレンズに段差面を有する場合がある。この場合においては、光源からの直射光やリフレクタからの反射光が、拡散プリズムレンズで配光制御されずに、拡散プリズムレンズのうち段差面を含む部分を透過し、あるいは、段差面において全反射する。このために、配光制御されていない透過光あるいは全反射光により、配光パターンに影響を与え、良好な(理想の)配光パターンを得ることが困難となる場合がある。
この発明が解決しようとする課題は、従来の車両用前照灯では、良好な(理想の)配光パターンを得ることが困難となる場合があるという点にある。
この発明(請求項1にかかる発明)は、半導体型光源と、リフレクタと、レンズと、遮光部材と、を備え、半導体型光源が、下向きもしくは上向きの発光面を有し、リフレクタが、半導体型光源からの光を反射させる反射面を有し、レンズが、反射面からの反射光を配光制御する複数の領域に区画されていて、段差面を有し、遮光部材が、レンズの出射面側であって、段差面に対応する箇所に配置されている、ことを特徴とする。
この発明(請求項2にかかる発明)は、遮光部材が、レンズと別個の部材に設けられている、ことを特徴とする。
この発明(請求項3にかかる発明)は、遮光部材が、レンズと多色成形により一体に設けられている、ことを特徴とする。
この発明の車両用前照灯は、遮光部材により、半導体型光源からの直射光やリフレクタからの反射光であって、複数の領域で配光制御されていない透過光(レンズのうち段差面を含む部分を透過する透過光)あるいは全反射光(段差面において全反射する全反射光)を、レンズの出射面から外部に出射するのを遮蔽(遮断)することができる。この結果、配光制御されていない透過光あるいは全反射光による配光パターンへの影響がないので、良好な(理想の)配光パターンを得ることができる。
図1は、この発明にかかる車両用前照灯の実施形態1を示し、左右両側の車両用前照灯を搭載した車両の平面図である。 図2は、左側のランプユニットを示す分解斜視図である。 図3は、左側のランプユニットを示す斜視図である。 図4は、左側のランプユニットを示す正面図である。 図5は、図4におけるV−V線断面図である。 図6は、遮光部材が有る場合の光路と遮断部材が無い場合の光路とを示す説明図である。 図7は、図4におけるVII−VII線断面図である。 図8は、車両の前方に照射されるロービーム用配光パターン、ハイビーム用配光パターンを示す説明図である。 図9は、この発明にかかる車両用前照灯の実施形態2を示す左側のランプユニットの正面図である。 図10は、この発明にかかる車両用前照灯の実施形態3を示す左側のランプユニットの正面図である。 図11は、図10におけるXI−XI線断面図である。
以下、この発明にかかる車両用前照灯の実施形態(実施例)の3例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。この明細書および特許請求の範囲において、前、後、上、下、左、右は、この発明にかかる車両用前照灯を車両に搭載した際の前、後、上、下、左、右である。
図面において、符号「F」は、車両の前側(車両の前進方向側)を示す。符号「B」は、車両の後側を示す。符号「U」は、ドライバー側から前側を見た上側を示す。符号「D」は、ドライバー側から前側を見た下側を示す。符号「L」は、ドライバー側から前側を見た場合の左側を示す。符号「R」は、ドライバー側から前側を見た場合の右側を示す。また、符号「VU−VD」は、スクリーンの上下の垂直線を示す。スクリーンの左側とは、上下の垂直線VU−VDより左側を言う。スクリーンの右側とは、上下の垂直線VU−VDより右側を言う。符号「HL−HR」は、スクリーンの左右の水平線を示す。スクリーンの上側とは、左右の水平線HL−HRより上側を言う。スクリーンの下側とは、左右の水平線HL−HRより下側を言う。
図8は、コンピュータシミュレーションにより作図されたスクリーン上の配光パターンを簡略化して示す等光度曲線の説明図であって、中央の等光度曲線は、高光度帯であって、その他の曲線は、外に行くにしたがって低くなる光度帯である。
(実施形態1の構成の説明)
図1〜図8は、この発明にかかる車両用前照灯の実施形態1を示す。以下、この実施形態1における車両用前照灯の構成について説明する。図1中、符号1L、1Rは、この実施形態1における車両用前照灯(たとえば、ヘッドランプなど)である。前記車両用前照灯1L、1Rは、左側通行用の車両Cの前部の左右両端部に搭載されている。以下、車両Cの左側Lに搭載される左側の車両用前照灯1Lについて説明する。なお、車両Cの右側Rに搭載される右側の車両用前照灯1Rは、左側の車両用前照灯1Lとほぼ同様の構成をなすので、説明を省略する。
(車両用前照灯1Lの説明)
前記車両用前照灯1Lは、図2〜図7に示すように、ランプハウジング(図示せず)と、ランプレンズ(図示せず)と、第1半導体型光源(ロービーム用半導体型光源)2L、第2半導体型光源(ハイビーム用半導体型光源)2Hと、第1リフレクタ(ロービーム用リフレクタ)3L、第2リフレクタ(ハイビーム用リフレクタ)3Hと、レンズ4と、ヒートシンク部材5と、カバー部材6と、遮光部材7と、を備えるものである。
前記第1半導体型光源2L、前記第2半導体型光源2Hおよび前記第1リフレクタ3L、前記第2リフレクタ3Hおよび前記レンズ4および前記ヒートシンク部材5および前記カバー部材6および前記遮光部材7は、ランプユニットを構成する。前記ランプハウジングおよび前記ランプレンズは、灯室(図示せず)を画成する。前記ランプユニット2L、2H、3L、3H、4、5、6、7は、前記灯室内に配置されていて、かつ、上下方向用光軸調整機構(図示せず)および左右方向用光軸調整機構(図示せず)を介して前記ランプハウジングに取り付けられている。
(第1半導体型光源2L、第2半導体型光源2Hの説明)
前記第1半導体型光源2L、前記第2半導体型光源2Hは、図2、図5、図7に示すように、この例では、たとえば、LED、EL(有機EL)などの自発光半導体型光源である。前記第1半導体型光源2L、前記第2半導体型光源2Hは、発光チップ(LEDチップ)20と、前記発光チップ20を封止樹脂部材で封止したパッケージ(LEDパッケージ)と、前記パッケージを実装した基板21と、前記基板21に取り付けられていて前記発光チップ20に電源(バッテリー)からの電流を供給するコネクタ22と、から構成されている。前記基板21は、スクリュー23により、前記ヒートシンク部材5に固定されている。この結果、前記第1半導体型光源2L、前記第2半導体型光源2Hは、前記ヒートシンク部材5に固定されている。
前記第1半導体型光源2Lの前記発光チップ20は、図7に示すように、平面矩形形状(平面長方形状)をなす。すなわち、複数個たとえば4個の正方形のチップをX1軸方向(左右の水平方向)に配列してなるものである。なお、1個の長方形のチップ、あるいは、1個の正方形のチップ、を使用しても良い。前記発光チップ20の長方形の下側Dの面(下面)は、発光面24をなす。この結果、前記発光面24は、下側Dに向いている。前記発光チップ20の前記発光面24の中心O1は、前記第1リフレクタ3Lの基準焦点F1もしくはその近傍に位置し、かつ、前記第1リフレクタ3Lの基準光軸(基準軸)Z1上もしくはその近傍に位置する。
前記第2半導体型光源2Hの前記発光チップ(図示せず)は、平面矩形形状(平面長方形状)をなす。すなわち、複数個たとえば2個の正方形のチップを左右の水平方向(前記X1軸方向と平行な方向)に配列してなるものである。この結果、前記第2半導体型光源2Hの発光光量は、前記第1半導体型光源2Lの発光光量よりも少ない。なお、1個の長方形のチップ、あるいは、1個の正方形のチップ、を使用しても良い。前記発光チップの長方形の下側Dの面(下面)は、発光面をなす。この結果、前記発光面は、下側Dに向いている。前記発光チップの前記発光面の中心は、前記第2リフレクタ3Hの基準焦点もしくはその近傍に位置し、かつ、前記第2リフレクタ3Hの基準光軸(基準軸)上もしくはその近傍に位置する。
図5、図7において、X1、Y1、Z1は、直交座標(X−Y−Z直交座標系)を構成する。前記X軸(X1)は、前記第1半導体型光源2Lの前記発光チップ20の前記発光面24の中心O1を通る左右方向の水平軸である。前記X軸は、車両Cの内側、すなわち、この実施形態1において、右側Rが+方向であり、車両Cの外側、すなわち、この実施形態1において、左側Lが−方向である。また、前記Y軸(Y1)は、前記第1半導体型光源2Lの前記発光チップ20の前記発光面24の中心O1を通る上下方向の鉛直軸(垂直軸、法線、垂線)である。前記Y軸は、この実施形態1において、上側Uが+方向であり、下側Dが−方向である。さらに、前記Z軸(Z1)は、前記第1リフレクタ3Lの基準光軸Z1であり、前記第1半導体型光源2Lの前記発光チップ20の前記発光面24の中心O1を通り、かつ、前記X軸および前記Y軸と直交する前後方向の軸である。前記Z軸(Z1)は、この実施形態1において、前側Fが+方向であり、後側Bが−方向である。
(第1リフレクタ3L、第2リフレクタ3Hの説明)
前記第1リフレクタ3Lと前記第2リフレクタ3Hとは、図2に示すように、第1反射部30と、第2反射部36と、取付部33と、から一体に構成されている。前記取付部33は、スクリュー34により、前記ヒートシンク部材5に固定されている。この結果、前記第1リフレクタ3L、前記第2リフレクタ3Hは、前記ヒートシンク部材5に固定されている。なお、前記第1リフレクタ3Lの前記第1反射部30と前記第2リフレクタ3Hの前記第2反射部36とを別体に構成して、それぞれ、取付部を介して前記ヒートシンク部材5に固定しても良い。
前記第1反射部30の前側Fの面(内面)には、ひとつの連続面で形成された第1反射面31が設けられている。前記第2反射部36の前側Fの面(内面)には、ひとつの連続面で形成された第2反射面32が設けられている。前記第1反射面31、前記第2反射面32は、それぞれパラボラ系の自由曲面からなる反射面である。この結果、前記第1反射面31(前記第1リフレクタ3L)は、前記基準焦点F1および前記基準光軸Z1を有する。また、前記第2反射面32(前記第2リフレクタ3H)は、前記基準焦点および前記基準光軸を有する。
前記第1反射面31は、前記第1半導体型光源2Lの前記発光面24からの光を、斜めカットオフラインと水平カットオフラインとエルボー点(斜めカットオフラインと水平カットオフラインとの交点もしくはその近傍の点)とを有する第1基本配光パターン(ロービーム用基本配光パターン、図示せず)として反射させる自由曲面の反射面である。前記第2反射面32は、前記第2半導体型光源2Hの前記発光面からの光を、図示しない高光度帯を有する第2基本配光パターン(ハイビーム用基本配光パターン、図示せず)として反射させる自由曲面の反射面である。
前記第2リフレクタ3H(前記第2反射部36)は、前記第1リフレクタ3L(前記第1反射部30)より車両Cの内側(右側R)に位置する(図2、図7参照)。前記第2リフレクタ3Hは、前記第1リフレクタ3Lと比較して車両Cの下側Dに位置する(図2参照)。前記第2リフレクタ3Hは、前記第1リフレクタ3Lと比較して車両Cの前側Fに位置する(図7参照)。前記第2反射面32の基準焦点距離は、前記第1反射面31の基準焦点距離よりも短い。
(補助反射面35の説明)
前記第1リフレクタ3Lの上縁の中央部すなわち前記ヒートシンク部材5のシェード部53に対応する部分には、補助反射面35が設けられている。前記補助反射面35は、前記半導体型光源2からの光の一部(図示せず)を前記ヒートシンク部材5のシェード部53を交わすように反射させるものである。前記ヒートシンク部材5のシェード部53を交わした反射光(図示せず)は、前記レンズ4を透過して車両Cの前方(前側F)に所定の配光パターン(図示せず)で照射され、もしくは、前記カバー部材6に設けた窓部(図示せず)を通過して車両Cの外側に所定の配光パターン(図示せず)で照射される。
(レンズ4の説明)
前記レンズ4は、図2〜図7に示すように、正面視長方形形状をなすレンズ部40と、前記レンズ部40の外周に一体に設けられている立壁部47と、前記立壁部47に一体に設けられている取付部43と、から構成されている。前記取付部43は、スクリュー44により、前記ヒートシンク部材5に固定されている。この結果、前記レンズ4は、前記ヒートシンク部材5に固定されている。前記レンズ4と前記第1リフレクタ3L、前記第2リフレクタ3Hとの間の前後方向の距離は、小さい。
前記レンズ部40は、複数の領域(プリズム、プリズムカット、カット、プリズム面、プリズムカット面、カット面)に区画されているレンズ(薄肉レンズ、プリズムレンズ)である。前記複数の領域は、この例では、図4に示すように、正面視四角形をなす。なお、前記複数の領域は、正面視四角形以外の形状(たとえば、六角形、八角形など)をなしていても良い。
前記レンズ4の前記レンズ部40は、車両Cの平面視において、車両Cの内側(右側R)から外側(左側L)にかけて車両Cの前側Fから後側Bに傾斜(スラント)していて(図7参照)、かつ、車両Cの正面視において、車両Cの内側(右側R)から外側(左側L)にかけて車両Cの下側Dから上側Uに傾斜(スラント)している(つり上がっている。図4参照)。なお、前記レンズ部40が傾斜(スラント)していない場合において、前記第2リフレクタ3Hと前記第1リフレクタ3Lとは、並んで位置する。
前記レンズ部40の内面(後側Bの面)には、入射面45が設けられている。前記レンズ4の前記レンズ部40の外面(前側Fの面)には、出射面46が設けられている。前記入射面45は、平面もしくは複合2次曲面をなす。前記出射面46は、複数の凸面であって、凸状自由曲面をなす。この結果、前記レンズ4の前記レンズ部40は、軸が上下方向のシリンドリカル状のレンズ部(プリズムレンズ部)をなす。なお、前記出射面46の一部は、平面をなす。この結果、前記レンズ4の前記レンズ部40の一部は、素通しのレンズ部をなす。
前記レンズ4の前記レンズ部40は、第1レンズ部(ロービーム用レンズ部)41と、第2レンズ部(ハイビーム用レンズ部)42と、から一体に構成されている。前記第2レンズ部42は、前記第1レンズ部41よりも車両Cの内側(右側R)に位置する(図2〜図4、図7参照)。前記第2レンズ部42は、前記第1レンズ部41と比較して車両Cの下側Dに位置する(図4参照)。前記第2レンズ部42は、前記第1レンズ部41と比較して車両Cの前側Fに位置する(図7参照)。
前記第1レンズ部41は、前記第1リフレクタ3Lの前記第1反射面31に対応して設けられている。前記第1レンズ部41は、前記第1リフレクタ3Lの前記第1反射面31からの前記第1基本配光パターンを、図8(A)に示す第1配光パターンすなわちロービーム用配光パターンLPとして配光制御して車両Cの前方に照射するレンズ部である。前記ロービーム用配光パターンLPは、斜めカットオフラインCL1と水平カットオフラインCL2とエルボー点E(斜めカットオフラインCL1と水平カットオフラインCL2との交点もしくはその近傍の点)とを有する。
前記第2レンズ部42は、前記第2リフレクタ3Hの前記第2反射面32に対応して設けられている。前記第2レンズ部42は、前記第2リフレクタ3Hの前記第2反射面32からの前記第2基本配光パターンを、図8(B)に示す第2配光パターンP2として配光制御して車両Cの前方に照射するレンズ部である。前記第2配光パターンP2は、高光度帯(ホットゾーン)HZを有する。前記ロービーム用配光パターンLPと前記第2配光パターンP2とを重畳(合成)することにより、図8(C)に示すハイビーム用配光パターンHPが得られる。
前記レンズ4は、前記第1リフレクタ3Lの前記基準光軸Z1および前記第2リフレクタ3Hの前記基準光軸と平行もしくはほぼ平行な段差面48を有する。すなわち、前記立壁部47の前記出射面46側の段差面48、および、複数に区画された前記領域間の前記出射面46側の段差面48である。
(ヒートシンク部材5の説明)
前記ヒートシンク部材5は、図2〜図5に示すように、第1水平板部50と、第2水平板部54と、第1フィン部51と、第2フィン部55と、取付部52と、前記シェード部53と、から一体に構成されている。
前記第2水平板部54は、前記第1水平板部50のうち車両Cの内側(右側R)の部分に位置する(図2参照)。前記第2水平板部54は、前記第1水平板部50と比較して車両Cの下側Dに位置する(図2参照)。前記第2水平板部54は、前記第1水平板部50と比較して車両Cの前側Fに位置する(図2参照)。
前記第1水平板部50、前記第2水平板部54の一面(下側Dの面)には、前記第1半導体型光源2L、前記第2半導体型光源2Hが前記スクリュー23により取り付けられている。この結果、前記第2半導体型光源2Hは、前記第1半導体型光源2Lより車両Cの内側(右側R)の部分に位置する。前記第2半導体型光源2Hは、前記第1半導体型光源2Lと比較して車両Cの下側Dに位置する。前記第2半導体型光源2Hは、前記第1半導体型光源2Lと比較して車両Cの前側Fに位置する。
前記第1水平板部50のうち車両Cの外側(左側L)の部分の一面(下側Dの面)には、前記第2リフレクタ3Hと一体構造の前記第1リフレクタ3Lが前記スクリュー34により取り付けられている。
前記第1水平板部50、前記第2水平板部54の他面(上側Uの面)には、複数枚の垂直板形状の前記第1フィン部51、前記第2フィン部55が一体に設けられている。前記第1フィン部51、前記第2フィン部55は、前記第1半導体型光源2Lの前記発光チップ20、前記第2半導体型光源2Hの前記発光チップで発生する熱を外部に放出するものである。
前記第1水平板部50の一面の前側Fの縁の左右両端部には、湾曲腕形状の前記取付部52が一体に設けられている。前記取付部52には、前記レンズ4が前記スクリュー44により取り付けられている。
前記第1水平板部50の一面の前側Fの縁の中央部には、湾曲形状の前記シェード部53が一体に設けられている。前記シェード部53は、前記第1半導体型光源2Lの前記発光面24からの光が前記レンズ4の前記レンズ部40に直接入射するのを防ぐものである。前記シェード部53には、前記第1半導体型光源2Lから前記第2レンズ部42に入射する光L1を遮蔽する遮蔽部56が設けられている。
(カバー部材6の説明)
前記カバー部材6は、図2〜図5、図7に示すように、前側Fの部分が閉塞し、かつ、後側Bの部分が開口した中空状のカバー形状をなす。前記カバー部材6は、光不透過性部材から構成されている。
前記カバー部材6の前側Fの部分には、長方形形状をなす挿入開口部60が設けられている。前記挿入開口部60には、前記レンズ4の前記レンズ部40が挿入されている。前記カバー部材6の前側Fの部分の前記挿入開口部60の内側の左右両側の縁には、取付部(図示せず)が一体に設けられている。前記取付部は、前記レンズ4の前記取付部43に取り付けられている。この結果、前記カバー部材6は、前記レンズ4を介して前記ヒートシンク部材5に固定されている。前記カバー部材6の後側Bの開口部の上下の縁の中央部には、通気開口部62が設けられている。
(遮光部材7の説明)
前記遮光部材7は、光不透過部材から構成されている。前記遮光部材7は、前記レンズ4の前記出射面46側であって、前記段差面48に対応する箇所に配置されている。前記遮光部材7は、前記レンズ4と別個の部材である前記カバー部材6に一体に設けられている。すなわち、前記遮光部材7は、図6に示すように、前記カバー部材6の前記挿入開口部60の上側の水平縁および下側の水平縁に一体に設けられている。また、前記遮光部材7は、図6に示すように、前記カバー部材6の前記挿入開口部60の左右両側の垂直縁のほぼ中間を架けるように一体に設けられている。
上下の前記遮光部材7は、前記段差面48に対して平行な水平部分と、前記段差面48に対して直交する垂直部分と、からなる。上下の前記遮光部材7は、前記レンズ4の前記立壁部47における前記出射面46側の前記段差面48を水平にかつ垂直に覆う。中間の前記遮光部材7は、前記レンズ4の前記複数の領域間における前記出射面46側の上の前記段差面48を覆う。なお、図6中の二点鎖線で示すように、中間の前記遮光部材7は、前記レンズ4の前記複数の領域間における前記出射面46側の下の前記段差面48を覆っても良い。中間の前記遮光部材7は、図4に示すように、前記レンズ4の前記複数の領域を上側の複数の領域と下側の複数の領域とに分割する。
(実施形態1の作用の説明)
この実施形態1における車両用前照灯1L、1Rは、以上のごとき構成からなり、以下、その作用について説明する。
第1半導体型光源2Lの発光チップ20を点灯する。すると、発光チップ20の発光面24から放射される光の大部分は、第1リフレクタ3Lの第1反射面31でレンズ4側に反射される。
第1反射面31で反射された反射光は、斜めカットオフラインと水平カットオフラインとエルボー点とを有する第1基本配光パターン(図示せず)に配光制御されて、レンズ4の第1レンズ部41を、入射面45から出射面46へと、透過する。第1レンズ部41の出射面46から出射する出射光は、レンズ4の複数の領域により配光制御されて、図8(A)に示すように、斜めカットオフラインCL1と水平カットオフラインCL2とエルボー点Eとを有するロービーム用配光パターンLPに配光制御されて車両Cの前方に照射される。
また、第2半導体型光源2Hの発光チップを点灯する。すると、発光チップの発光面から放射される光の大部分は、第2リフレクタ3Hの第2反射面32でレンズ4側に反射される。
第2反射面32で反射された反射光は、高光度帯を有する第2基本配光パターン(図示せず)に配光制御されて、レンズ4の第2レンズ部42を、入射面45から出射面46へと、透過する。第2レンズ部42の出射面46から出射する出射光は、レンズ4の複数の領域により配光制御されて、図8(B)に示すように、高光度帯(ホットゾーン)HZを有する第2配光パターンP2に配光制御されて車両Cの前方に照射される。
図8(A)に示すロービーム用配光パターンLPと、図8(B)に示す第2配光パターンP2とを重畳(合成)することにより、図8(C)に示すハイビーム用配光パターンHPが得られる。
(実施形態1の効果の説明)
この実施形態1における車両用前照灯1L、1Rは、以上のごとき構成および作用からなり、以下、その効果について説明する。
この実施形態1における車両用前照灯1L、1Rは、遮光部材7により、図6中の実線矢印および破線矢印に示すように、第1半導体型光源2L、第2半導体型光源2Hからの直射光L2、L4や第1リフレクタ3Lの第1反射面31、第2リフレクタ3Hの第2反射面32からの反射光L3であって、レンズ4の複数の領域で配光制御されていない透過光L5(すなわち、レンズ4のうち段差面48を含む部分すなわち立壁部47を透過する透過光L5)あるいは全反射光L6、L7(すなわち、立壁部47の段差面48において全反射する全反射光L6、複数の領域間の段差面48において全反射する全反射光L7)を、レンズ4の出射面46から外部に出射するのを遮蔽(遮断)することができる。この結果、配光制御されていない透過光L5あるいは全反射光L6、L7によるロービーム用配光パターンLPとハイビーム用配光パターンHPへの影響がないので、良好な(理想の)ロービーム用配光パターンLPとハイビーム用配光パターンHPを得ることができる。
すなわち、遮光部材7が無い場合においては、半導体型光源2L、2Hからの直射光L2、L4やリフレクタ3L、3Hからの反射光L3が、レンズ4の立壁部47を透過して配光制御されていない透過光L5として、あるいは、レンズ4の立壁部47の段差面48およびレンズ4の複数の領域間の段差面48で全反射して配光制御されていない全反射光L6、L7として、レンズ4の出射面46から外部に出射される。このために、配光制御されていない透過光L5あるいは全反射光L6、L7により、ロービーム用配光パターンLPとハイビーム用配光パターンHPに影響を与え、良好な(理想の)ロービーム用配光パターンLPとハイビーム用配光パターンHPを得ることが困難となる場合がある。これに対して、この実施形態1における車両用前照灯1L、1Rは、遮光部材7により、配光制御されていない透過光L5あるいは全反射光L6、L7をレンズ4の出射面46から外部に出射するのを遮蔽(遮断)することができる。このために、配光制御されていない透過光L5あるいは全反射光L6、L7によるロービーム用配光パターンLPとハイビーム用配光パターンHPへの影響がないので、良好な(理想の)ロービーム用配光パターンLPとハイビーム用配光パターンHPを得ることができる。
この実施形態1における車両用前照灯1L、1Rは、遮光部材7がレンズ4と別個の部材であって光不透過部材からなるカバー部材6に一体に設けられているので、部品点数を軽減することができ、製造コストを安価にすることができる。
この実施形態1における車両用前照灯1L、1Rは、中間の遮光部材7が図4に示すようにレンズ4の複数の領域を上側の複数の領域と下側の複数の領域とに分割するので、レンズ4の出射面46の意匠が向上されて見栄えが向上される。
(実施形態2の構成の説明)
図9は、この発明にかかる車両用前照灯の実施形態2を示す。以下、この実施形態2における車両用前照灯1LAについて説明する。図中、図1〜図8と同符号は、同一のものを示す。
前記の実施形態1における車両用前照灯1L、1Rは、レンズ4の複数の領域を上下に分割するように、中間の遮光部材7をカバー部材6の挿入開口部60の左右両側の垂直縁のほぼ中間を架けるように一体に設けるものである。これに対して、この実施形態2における車両用前照灯1LAは、レンズ4の第1レンズ部41と第2レンズ部42とを左右に分割し、かつ、レンズ4の第1レンズ部41の複数の領域を上下に分割するように、垂直な遮光部材70をカバー部材6の挿入開口部60の下側の水平縁から垂直に一体に設け、かつ、中間の遮光部材7をカバー部材6の挿入開口部60の左側の垂直縁から一体に設け、その垂直な遮光部材70と中間の遮光部材7を一体につなげてなるものである。
(実施形態2の作用、効果の説明)
この実施形態2における車両用前照灯1LAは、以上のごとき構成からなるので、前記の実施形態1における車両用前照灯1L、1Rとほぼ同様の作用、効果を達成することができる。
(実施形態3の構成の説明)
図10、図11は、この発明にかかる車両用前照灯の実施形態3を示す。以下、この実施形態3における車両用前照灯1LBについて説明する。図中、図1〜図9と同符号は、同一のものを示す。
前記の実施形態1、2における車両用前照灯1L、1R、1LAは、遮光部材7、70がレンズ4と別個の部材であって光不透過部材からなるカバー部材6に一体に設けられているものである。これに対して、この実施形態3における車両用前照灯1LBは、遮光部材7Bがレンズ4Bと二色成形などの多色成形により一体に設けられているものである。また、遮光部材7Bとカバー部材6Bとは、光不透過部材により一体に設けられている。すなわち、レンズ4Bとカバー部材6Bと遮光部材7Bとは、二色成形などの多色成形により一体に設けられているものである。
(実施形態3の作用、効果の説明)
この実施形態3における車両用前照灯1LBは、以上のごとき構成からなるので、前記の実施形態1、2における車両用前照灯1L、1R、1LAとほぼ同様の作用、効果を達成することができる。
特に、この実施形態3における車両用前照灯1LBは、レンズ4Bとカバー部材6Bと遮光部材7Bとを二色成形などの多色成形により一体に設けてなるものであるから、部品点数をさらに軽減することができ、製造コストをさらに安価にすることができる。
(実施形態1、2、3以外の例の説明)
この実施形態1、2、3においては、車両Cが左側通行の場合の車両用前照灯1L、1R、1LA、1LBについて説明するものである。ところが、この発明においては、車両Cが右側通行の場合の車両用前照灯にも適用することができる。
また、この実施形態1、2、3においては、第1半導体型光源2Lの発光チップ20の発光面24、第2半導体型光源2Hの発光チップの発光面が下側Dに向いているものである。ところが、この発明においては、第1半導体型光源2Lの発光チップ20の発光面24、第2半導体型光源2Hの発光チップの発光面が上側Uに向いているものであっても良い。
さらに、この実施形態1、2、3においては、レンズ4、4Bの出射面46が複数の領域すなわち複数の凸面をなすものである。ところが、この発明においては、レンズの入射面が複数の領域すなわち複数の凸面をなすものであっても良いし、レンズの出射面および入射面が複数の領域すなわち複数の凸面をなすものであっても良い。
さらにまた、この実施形態1、2、3においては、第1配光パターンとして、斜めカットオフラインCL1と水平カットオフラインCL2とエルボー点Eとを有するロービーム用配光パターンLPについて説明するものである。ところが、この発明においては、第1配光パターンとして、斜めカットオフラインを有しない配光パターンであっても良い。
さらにまた、この実施形態1、2、3においては、レンズ4の段差48は、第1リフレクタ3Lの基準光軸Z1および第2リフレクタ3Hの基準光軸と平行もしくはほぼ平行な段差面(すなわち、立壁部47の出射面46側の段差面48、および、複数に区画された領域間の出射面46側の段差面48)である。ところが、この発明においては、レンズの段差は、リフレクタの基準光軸と平行もしくはほぼ平行でない段差面であっても良い。
1L、1LA、1LB 左側の車両用前照灯
1R 右側の車両用前照灯
2L 第1半導体型光源
2H 第2半導体型光源
20 発光チップ
21 基板
22 コネクタ
23 スクリュー
24 発光面
3L 第1リフレクタ
3H 第2リフレクタ
30 第1反射部
31 第1反射面
32 第2反射面
33 取付部
34 スクリュー
35 補助反射面
36 第2反射部
4、4B レンズ
40 レンズ部
41 第1レンズ部
42 第2レンズ部
43 取付部
44 スクリュー
45 入射面
46 出射面
47 立壁部
48 段差面
5 ヒートシンク部材
50 第1水平板部
51 第1フィン部
52 取付部
53 シェード部
54 第2水平板部
55 第2フィン部
56 遮蔽部
6、6B カバー部材
60 挿入開口部
62 通気開口部
7、70、7B 遮光部材
F 前側
B 後側
U 上側
D 下側
L 左側(車両外側)
R 右側(車両内側)
C 車両
CL1 斜めカットオフライン
CL2 水平カットオフライン
E エルボー点
F1 第1リフレクタの基準焦点
HL−HR スクリーンの左右の水平線
VU−VD スクリーンの上下の垂直線
LP ロービーム用配光パターン
HP ハイビーム用配光パターン
HZ 高光度帯
P2 第2配光パターン
L1 第1半導体型光源から第2レンズ部に入射する光
L2、L4 半導体型光源からの直射光
L3 リフレクタからの反射光
L5 立壁部を透過する透過光
L6、L7 段差面からの全反射光
O1 発光面の中心
X1 X軸
Y1 Y軸
Z1 第1リフレクタの基準光軸(Z軸)

Claims (4)

  1. 半導体型光源と、リフレクタと、レンズと、遮光部材と、を備え、
    前記半導体型光源は、下向きもしくは上向きの発光面を有し、
    前記リフレクタは、前記半導体型光源からの光を反射させる反射面を有し、
    前記レンズは、前記反射面からの反射光を配光制御する複数の領域に区画されていて、段差面を有し、
    前記遮光部材は、前記レンズの出射面側であって、前記段差面に対応する箇所に配置されており
    前記レンズは、外周に設けられた立壁部を有し、
    前記段差面は、前記リフレクタの基準光軸と平行もしくはほぼ平行であり、少なくとも前記立壁部の前記出射面側に設けられ、
    前記遮光部材は、前記段差面に対して平行な水平部分と、前記段差面に対して直交する垂直部分とを有し、前記水平部分により前記段差面を水平に覆い、かつ、前記垂直部分により前記段差面の前記出射面側を垂直に覆う
    ことを特徴とする車両用前照灯。
  2. 前記段差面は、前記立壁部の前記出射面側と、複数に区画された前記領域間の前記出射面側とに設けられ、
    前記立壁部の前記出射面側の前記段差面に対応する箇所に配置される前記遮光部材は、前記水平部分により前記段差面を水平に覆い、かつ、前記垂直部分により前記段差面の前記出射面側を垂直に覆い、
    複数に区画された前記領域間の前記出射面側の前記段差面に対応する箇所に配置される前記遮光部材は、前記水平部分により前記段差面を覆う
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両用前照灯。
  3. 前記遮光部材は、前記レンズと別個の部材に設けられている、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用前照灯。
  4. 前記遮光部材は、前記レンズと多色成形により一体に設けられている、
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車両用前照灯。
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