JP6060919B2 - 加熱炉からの自動抽出方法 - Google Patents

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本発明は、熱間圧延において、加熱炉からの圧延材の抽出時刻を自動で決定し抽出する、加熱炉からの自動抽出方法に関する。
スラブ等の圧延材が加熱炉で加熱され、圧延機で圧延される熱間圧延工程では、生産能率を最大化するために非生産時間であるアイドルタイムが最小となるように、圧延材が連続して圧延される。
アイドルタイムを最小にするための一つの方法として、熱間圧延工程では、ミルペーシングを用いた制御方法により圧延材の加熱炉からの自動抽出が行われる。ミルペーシングを用いた制御方法では、熱間圧延ライン上の各設備への圧延材の到達時間が計算され、各設備での圧延材同士の衝突や干渉等の物理的制約、および設定変更等に必要な圧延間隔が考慮されたうえで、各圧延材の圧延間隔が最短となるように加熱炉からの抽出時刻が決定される。
このようなミルペーシングによる自動抽出では、圧延材の搬送時間の予測精度が、圧延能率に直結するため重要な要素となる。これまで、ミルペーシングにおける搬送時間予測を向上させるための取り組みとして、熱間圧延ラインの仕上圧延機の入側到達時の圧延材の温度を予測し、予測された温度から仕上圧延機の入側での待機時間を算出し、算出された待機時間を考慮してミルペーシングを行う方法がある(例えば、特許文献1参照)。
また、仕上圧延機の速度変化を予測することで、到達時間の誤差を小さくし、熱間圧延ライン上に圧延材が滞留することがないように、加熱炉抽出時刻を変更させる方法がある(例えば、特許文献2参照)。
特開2010−202958号公報 特開2012−170968号公報
しかしながら、従来のミルペーシングを用いた圧延材の加熱炉からの自動抽出方法では、ミルペーシングによる圧延材の搬送予測や温度予測の精度が仕上圧延機への噛み込み間隔に直接的に影響する。このため、搬送予測や温度予測に誤差があった場合、生産能率が低下するという問題があった。
特許文献1に開示された圧延材の温度予測を考慮する方法では、仕上圧延機の入側までの温度予測において、1σ=10℃程度の誤差が発生しているため、温度予測の誤差がアイドルタイムの原因となる場合がある。
また、特許文献2に開示された仕上圧延時間の高精度化を行う方法では、仕上げ圧延機のまでの搬送予測において、1σ=5.2秒の誤差が生じているため、搬送予測の誤差がアイドルタイムの原因となる場合がある。
さらに、従来のミルペーシングによる搬送予測において、予測温度や予測搬送時間に一定の誤差が発生することは避けられない。また、従来の熱間圧延工程の設備において、ミルペーシングにおいて計算される搬送予測の精度を今以上に向上させることは技術的に困難である。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、圧延材の搬送時間や温度の誤差による生産能率の低下を抑制する、加熱炉からの自動抽出方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る加熱炉からの自動抽出方法は、加熱炉在炉中に、連続して圧延される圧延材である先行材と後行材との干渉が生じないように、圧延材が抽出される時刻である第1の抽出時刻を決定して、加熱炉から自動的に圧延材を抽出する熱間圧延における加熱炉からの自動抽出方法において、圧延材の加熱炉からの抽出時の推定温度である第1の推定温度と、圧延材が仕上圧延機の入側で必要な温度である第1の目標温度と、に基づいて圧延材を抽出時刻よりも早く抽出できるか否かを判断する判断工程と、判断工程において、早く抽出できると判断された場合に、第1の推定温度と第1の目標温度とに基づいて、圧延材が圧延ラインにて待機可能な時間である待機時間を算出する算出工程と、第1の抽出時刻よりも最大で待機時間の時間分だけ早い抽出時刻である第2の抽出時刻を決定する抽出時刻決定工程と、を備え、第1の推定温度が、加熱炉内の雰囲気温度と、圧延材の加熱炉への装入前の温度と、圧延材の加熱炉内での在炉時間と、加熱炉のヒートパターンとから算出される。
また、このような加熱炉からの自動抽出方法において、判断工程では、圧延材の早く抽出できるか否かの判断は、第1の推定温度が、第1の目標温度に加熱炉からの抽出時点から仕上圧延機に到達するまでの圧延材の温度降下分を足した第2の目標温度よりも高いか否かの判断により行われてもよい。
また、このような加熱炉からの自動抽出方法において、算出工程では、待機時間は、第1の推定温度から加熱炉からの抽出時点から仕上圧延機に到達するまでの圧延材の温度降下分を引いた第2の推定温度と、第1の目標温度との温度差から算出されてもよい。
本発明に係る圧延材の自動抽出方法によれば、搬送予測の誤差による生産能率の低下を抑制することが可能となる。
本発明の一実施形態の熱間圧延ラインの設備配置例を示す概略側面図である。 従来の加熱炉からの自動抽出方法による圧延予定を示す説明図である。 先行材の圧延が圧延予定より早く終了した場合の、従来の加熱炉からの自動抽出方法による圧延予定と圧延実績との関係を示す説明図である。 本実施形態の加熱炉からの自動抽出方法を示すフローチャートである。 本実施形態の加熱炉からの自動抽出方法による圧延予定を示す説明図である。 先行材の圧延が圧延予定より早く終了した場合の、本実施形態の加熱炉からの圧延材の自動抽出方法による圧延予定と圧延実績との関係を示す説明図である。 先行材の圧延が圧延予定通り終了した場合の、本実施形態の加熱炉からの自動抽出方法による圧延予定と圧延実績との関係を示す説明図である。 先行材の圧延が圧延予定より遅く終了した場合の、従来の加熱炉からの自動抽出方法による圧延予定と圧延実績との関係を示す説明図である。 先行材の圧延が圧延予定より遅く終了した場合の、本実施形態の加熱炉からの自動抽出方法による圧延予定と圧延実績との関係を示す説明図である。 従来の加熱炉からの自動抽出方法による実績を示す説明図である。 図10を本実施形態に係る加熱炉からの自動抽出方法を用いてシミュレーションした結果を示す説明図である。
<1.熱間圧延ラインの概略>
以下、本発明を実施するための形態(以下、実施形態という。)を、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、本発明の一実施形態の熱間圧延ラインは、加熱炉1と、プレス2と、5つの粗圧延スタンドR1,R2,R3,R4,R5を有する粗圧延機3と、7つの仕上圧延スタンドF1,F2,F3,F4,F5,F6,F7を有する仕上圧延機4と、コイラ5と、各設備の動作等を制御し、ミルペーシングを行う制御部6とを備える。
熱間圧延工程にて圧延されるスラブ等の圧延材は、加熱炉1で加熱された後、抽出され、プレス2で所定の幅になるように成形が行われる。次いで、圧延材は、粗圧延機3の各粗圧延スタンドR1,R2,R3,R4,R5、仕上圧延機4の各仕上圧延スタンドF1,F2,F3,F4,F5,F6,F7にて、圧延される。その後、圧延材は、不図示の仕上圧延機4とコイラ5の間に設けられる冷却装置により所定の温度まで冷却され、コイラ5にてコイル状に巻き取られる。熱間圧延ラインでは、生産能率を上げるため、後述する様々な制約条件の下で先行材と後行材との圧延間隔が最短となるようにミルペーシングが行われ、ミルペーシングにより算出される抽出時刻に従って圧延材が加熱炉から自動抽出され、抽出された圧延材が連続して熱間圧延される。
<2.従来の自動抽出方法>
本発明に係る自動抽出方法の説明に先立ち、従来のミルペーシングによる自動抽出方法について説明する。従来の圧延材の自動抽出方法では、様々な制約条件の下で圧延材の圧延間隔が最短となるように加熱炉1からの圧延材の抽出時刻がミルペーシングにより決定され、圧延材の加熱炉1から自動抽出が行われる。従来の自動抽出方法における制約条件には、圧延材の厚み、幅、長さ、機械的特性、抽出予定温度、圧延後のコイルの厚み等の圧延材の条件、および先行材と後行材との衝突や干渉、粗圧延機3、仕上圧延機4の設定変更に要する時間等の設備的な条件がある。従来の圧延材の自動抽出方法では、まず、圧延材の条件に基づいて圧延される各圧延材について圧延ラインの各設備を通過する時間である搬送時間が予測され、次に、設備的な条件に基づいて各圧延材の圧延間隔が最短となるように加熱炉1からの抽出時刻が決定される。以下では、このような自動抽出方法として、特許文献2に記載の自動抽出方法を従来の自動抽出方法として説明する。また、特許文献2に記載の自動抽出方法により決定される加熱炉1からの抽出時刻を第1の抽出時刻ともいう。
図2は、従来の圧延材の自動抽出方法により決定された圧延予定の一例を示すグラフであり、横軸が時刻を示し、縦軸が圧延ラインの各設備の位置である設備位置を示す。図2の設備位置において、P1は加熱炉1の出側位置(加熱炉抽出時点)、P2はプレス2の位置、P3は粗圧延スタンドR1の位置、P4は粗圧延スタンドR2の位置、P5は粗圧延スタンドR3の位置、P6は粗圧延スタンドR4の位置、P7は粗圧延機3と仕上圧延機4との間の待機位置、P8は仕上圧延スタンドF1の位置(仕上圧延機4への噛み込み時点)をそれぞれ示す。また、図2には、先行材の先端、尾端、および後行材の先端が、各設備位置P1〜P8を通過する時刻がそれぞれ示される。図2に図示した圧延予定の例では、先行材、および後行材は、第1の抽出時刻となる時刻t0,t2にそれぞれ加熱炉1から抽出される。そして、先行材、および後行材は、時刻t1,t4にそれぞれ仕上圧延機4へ噛み込まれ、仕上圧延が開始される。
次に、図3を参照して、従来の自動抽出方法における問題点について説明する。図3における実線は先行材の先端、先行材の尾端および後行材の先端のそれぞれについて各設備位置P1〜P8を通過した時刻の実績を示し、破線は図2の圧延予定を示す。前述のように、従来のミルペーシングによる搬送時間の予測では、圧延時間や温度を精度よく予測することは難しく、一定の誤差が生じてしまう。特に、図2に示すように、搬送時間の誤差は、温度の誤差や圧延時間の誤差の影響から、仕上圧延において発生し易い。
ここで、図3に示すように先行材の仕上圧延が圧延予定よりも早く終了する場合、このような圧延予定と圧延実績との搬送予測の誤差は、先行材の尾端が仕上圧延スタンドF1(設備位置P8)を通過する時刻t5で判明する。このとき、後行材が時刻t2にすでに加熱炉1から抽出され、圧延ラインを搬送されている状態であり、後行材の圧延時刻をこれ以上早めることができない。このため、先行材の仕上圧延が早く終了した分の時間dt1がアイドルタイムとなり、生産能率の低下を招く。
このようなアイドルタイムの発生に対し、例えば後行材を加熱炉1から時間dt1だけ早く抽出することで、圧延能力の低下を防ぐことができるが、どれだけ早く抽出する必要があるのかは後行材の加熱炉1からの抽出後でないと分からない。さらに、圧延材を加熱炉1から必要以上に早く抽出した場合、圧延材の温度低下により、表面品質等の品質低下の原因となる。このため、従来の自動抽出方法では、圧延材を抽出予定時刻に沿って抽出するしかなく、圧延実績が圧延予定よりも早く終了する場合、生産能率が低下してしまっていた。
<3.本発明の一実施形態に係る自動抽出方法>
次に、図4および5を参照して、本発明の一実施形態の圧延材の加熱炉からの抽出方法について説明する。
図4に示すように、まず、制御部6は、加熱炉内の圧延材について従来の自動抽出方法による抽出時刻である第1の抽出時刻よりも早く抽出できるか否かを判断する(S100)。ステップS100における判断は、圧延材の加熱炉1からの抽出時点の推定温度である第1の推定温度と、圧延材の仕上圧延機4の入側で必要な温度である第1の目標温度とに基づいて行われる。具体的には、第1の推定温度が、第1の目標温度から算出される第2の目標温度よりも高いか否かで判断される。つまり、第1の推定温度が第2の目標温度よりも高い場合には、圧延材を早く抽出できると判断し、第1の推定温度が第2の目標温度以下の場合には、圧延材を早く抽出できないと判断する。
ここで、第1の推定温度は、加熱炉1内の温度検出装置により検出される加熱炉1内の雰囲気温度と、圧延材の加熱炉1への装入前の温度と、圧延材の加熱炉1内での在炉時間と、加熱炉1のヒートパターンとから算出される推定温度である。また、第1の目標温度は、圧延材の鋼種、板厚や冷却条件等によって決定される仕上圧延スタンドF1(設備位置P8)に噛み込まれ、仕上圧延される時に必要な圧延材の温度である。なお、圧延材が仕上圧延スタンドF1に噛み込まれる時に必要な温度には上限および下限があり、実績の温度が下限を下回る場合には表面品質等の問題が発生し、実績の温度が上限を上回る場合には圧延材を冷却するために待機する動作が行われるためアイドルタイムが発生する。第1の目標温度は、ミルペーシングによる推定温度に対する実績の温度の誤差を考慮し、誤差が生じても上限および下限の範囲を外れることがないような温度に設定される。また、第2の目標温度は、第1の目標温度に、熱伝導方程式により算出される加熱炉1を抽出時点から仕上圧延機4の入側到達までの温度降下分の温度を足した温度である。
ステップS100において、圧延材を早く抽出できないと判断した場合、制御部6は、上述の従来の圧延材の自動抽出方法により、圧延材の加熱炉からの抽出時刻である第1の抽出時刻を決定する(S102)。なお、制御部6は、第1の抽出時刻の決定と同時に、圧延材の各設備の搬送時間も決定する。
一方、ステップS100において圧延材を早く抽出できると判断した場合、制御部6は、数1で示される待機時間dt2を算出する(S104)。
Figure 0006060919
ここで、数1におけるΔTは第2の予測温度と第1の目標温度との差(単位:秒)を示し、Hはシートバーの厚み(単位:ミリメートル)を示し、αおよびβはパラメータを示す。第2の予測温度は、第1の推定温度から、熱伝導方程式により算出される加熱炉1を抽出時点から仕上圧延機4の入側到達までの温度降下分の温度を引いた温度である。
ステップS104の後、制御部6は、第1の抽出時刻よりも最大で待機時間dt2の時間分だけ早く圧延材が抽出されるように、圧延材の加熱炉1からの抽出時刻である第2の抽出時刻を決定する(S106)。なお、制御部6は、第2の抽出時刻の決定と同時に、圧延材の各設備の搬送時間も算出する。
図5の後行材の先端(予定)で示す線およびプロットは、ステップS106において決定された、加熱炉1からの抽出時刻および各設備位置P1〜P8の通過時刻をそれぞれ示す。図5に図示した例では、後行材の第2の抽出時刻は、第1の抽出時刻である時刻t2よりも待機時間dt2の時間分だけ早い時刻t6となる。また、ステップS104により決定された圧延予定において、圧延材が加熱炉1から抽出された後の搬送時間は、図5に示すように、従来の予測と同様の搬送時間となる。
ステップS102またはステップS106の後、制御部6は、第2の抽出時刻が決定されていない場合には第1の抽出時刻に従い、第2の抽出時刻が決定されている場合には決定された第2の抽出時刻に従って、圧延材を加熱炉から抽出させる(S108)。抽出された圧延材は、後述するように、先行材の圧延実績に対応して圧延される。
以上、本実施形態に係る加熱炉1からの自動抽出方法について説明した。次に、本実施形態に係る加熱炉1からの自動抽出方法において、圧延実績が圧延予定よりも早まった場合、圧延実績が圧延予定通りとなった場合、および圧延実績が圧延予定よりも遅くなった場合について、それぞれ説明する。
はじめに、図5に示す本実施形態の圧延予定において、図3と同様に先行材の仕上圧延が圧延予定よりも早く終了し、圧延予定と圧延実績とに搬送予測の誤差が生じる場合について、図6を参照して説明する。本実施形態に係る自動抽出方法では、待機時間dt2の時間分だけ早く圧延材を抽出する場合、従来よりも待機時間dt2の時間分だけ早く圧延することが可能となる。このため、誤差により先行材の圧延実績が早まったとしても、dt2の時間分だけ後行材の圧延を従来よりも早く開始することができ、生産能率の低下を抑制することができる。つまり、dt1≧dt2の場合には、最大でdt2の時間分の生産能率の低下を防ぐことができる。また、dt1<dt2の場合には、最大でdt1の時間分の生産能率の低下を防ぐことができる。なお、dt1<dt2の場合、待機位置である設備位置P7にて(dt2−dt1)で算出される待機時間が発生する。後行材の待機時間についての詳細は後述する。
次に、図5に示す本実施形態の圧延予定において、先行材の仕上圧延が圧延予定通りに行われた場合について、図7を参照して説明する。
先行材の仕上圧延が圧延予定通りに行われた場合、先行材の圧延予定と圧延実績とに搬送予測の誤差がないことは、時刻t3で判明する。時刻t3においては、後行材の粗圧延がすでに行われているため、粗圧延機3から仕上圧延機4の間の待機位置(設備位置P7)にて待機動作が行われる。なお、本実施形態では、待機に伴う温度降下が圧延材を加熱炉1から抽出する際の判断で考慮されており、仕上圧延機4の入側での第1の目標温度が確保できるように補償されている。このため、待機動作により圧延材の温度が降下しても、表面品質等の問題が生じることはない。
待機動作は、後行材の先端が先行材の尾端および仕上圧延機4に干渉しないように行われる。さらに、待機動作では、圧延材の不図示の搬送ロール等に接触する部分の過冷を防止するため、搬送方向の往方向および復方向への搬送が繰り返し行われるオシレーション動作が行われる。
以上のように、本実施形態において先行材の仕上圧延が圧延予定通りに行われる場合、後行材が従来の自動抽出方法による圧延予定と同じ時刻に仕上圧延機4の入側の仕上圧延スタンドF1に噛み込まれるため、従来の自動抽出方法に比べ生産能率が低下することはない。また、先行材の仕上圧延が圧延予定通りに行われる場合、本実施形態に係る自動抽出方法は、従来の自動抽出方法に対し待機位置での待機動作が行われることで、圧延材の温度が低くなり、第1の目標温度に近い値となる可能性が高くなる。つまり、従来であれば圧延材が仕上圧延機4の入側において圧延可能な上限温度を超えるような場合でも、本実施形態では圧延材の温度は上限温度未満となるため、圧延材の冷却のための待機時間を削減することができる。このため、本実施形態では、待機時間の削減により生産能率を向上させることが可能となる。
次に、先行材の仕上圧延が圧延予定よりも遅く終了する場合について、図8および図9を参照して説明する。
図8に示すように、従来の圧延材の加熱炉1からの自動抽出方法において、先行材の仕上圧延が圧延予定よりも遅く終了する搬送予測の誤差が生じる場合、後行材が待機位置(設備位置P7)で誤差となるdt3の時間分だけ待機する待機動作が行われる。待機動作は、図6で説明した動作と同様に行われる。ここで、後行材の温度は、待機に伴い降下する。しかし、この温度降下分は予め仕上圧延機4の入側での目標温度として考慮されており、実績のばらつきから、目標温度を確保すれば先行材の遅れによる待機時間が発生しても、仕上圧延機4の入側で必要な最低温度が確保できるように計算されている。
一方、図4に示す本実施形態の圧延予定において、図7と同様に先行材の仕上圧延が圧延予定よりも遅く終了し、圧延予定と圧延実績とに誤差が生じる場合、図9に示すように後行材は、待機位置にてdt4の時間分だけ待機する待機動作が行われる。待機動作は、図6で説明した動作と同様に行われる。ここで、待機時間dt4は、後行材が従来よりも早く抽出された時間dt2と、先行材の仕上圧延の遅れによって生じた時間dt3とを足し合わせた時間となる。時間dt2,dt3の温度降下分は、上述のように、後行材を加熱炉1から抽出する際の判断、目標温度を決める際にそれぞれ考慮されている。このため、dt4の時間分の待機時間が発生しても、仕上圧延機4の入側における後行材の温度が必要な最低温度が保障される。このため、待機動作により圧延材の温度が降下しても、表面品質等の問題が生じることはない。
以上のように、本実施形態において先行材の仕上圧延が圧延予定より遅く終了する場合、後行材が従来の自動抽出方法による圧延予定と同じ時刻に仕上圧延機4の入側の仕上圧延スタンドF1に噛み込まれるため、従来の自動抽出方法に比べ生産能率が低下することはない。また、先行材の仕上圧延が圧延予定よりも遅れて行われる場合、本実施形態に係る自動抽出方法は、従来の自動抽出方法に対し待機位置での待機動作が行われることで、圧延材の温度が低くなり、圧延材の冷却のための待機時間を削減することができる。このため、本実施形態では、待機時間の削減により生産能率を向上させることが可能となる。
以上のように、本実施形態に係る加熱炉1からの自動抽出方法では、(a)圧延材が加熱炉1に在炉中に第1の推定温度と、第1の目標温度から算出される第2の目標温度とから圧延材を加熱炉1から従来の抽出時刻よりも早く抽出できるか否かを判断する工程(判断工程)と、(b)判断工程において早く抽出できると判断された場合に第1の目標温度から算出される第2の目標温度と第1の目標温度とから、待機時間dt2を算出する工程(算出工程)と、(c)算出工程により算出される待機時間dt2と、従来の自動抽出方法による第1の抽出時刻とから、第2の抽出時刻を決定する工程(抽出時刻決定工程)とを備える。
本実施形態に係る加熱炉1からの自動抽出方法は、上記の構成を備えることにより、先行材の仕上圧延が圧延予定に対して早く終了した場合、従来の自動抽出方法に比べ後行材を早く仕上圧延することができるため、アイドリングタイムを削減することができる。また、本実施形態に係る加熱炉1からの自動抽出方法は、先行材の仕上圧延が圧延予定通り、または圧延予定に対して遅く終了した場合、従来の自動抽出方法に比べ圧延材の温度を仕上圧延における上限温度以下まで低くすることができるため、アイドリングタイムを削減することができる。これにより、本実施形態に係る加熱炉1からの自動抽出方法は、搬送予測の誤差による生産能率の低下を抑制することが可能となる。
また、上記実施形態ではステップS100において、制御部6は、第1の推定温度と第2の目標温度とを比較して圧延材を早く抽出できるか否かを判断したが、本発明はこれに限らない。例えば、ステップS100において、制御部6は、第2の推定温度と第1の目標温度とを比較して圧延材を早く抽出できるか否かを判断してもよい。
また、上記実施形態では、ステップS104において、制御部6は、第2の予測温度と第1の目標温度との差から待機時間dt2を算出したが、本発明はこれに限らない。例えば、ステップS104において、制御部6は、第2の予測温度と第1の目標温度との差の代わりに、第1の推定温度と第2の目標温度との差を用いて待機時間dt2を算出してもよい。
次に、本発明者が行った実施例について説明する。
本発明は、図10に示す連続した15個の圧延材の圧延実績について、本発明に係る加熱炉1からの自動抽出方法を適用した場合について、シミュレーションを行った。図10に示すように、従来の自動抽出方法では、1個目の圧延材の加熱炉1からの抽出時点から、15個目の圧延材の仕上圧延機4の仕上圧延スタンドF1の噛み込みまでの時間は、2202.7秒であった。
一方、図11に示すように、本発明に係る加熱炉1からの自動抽出方法を適用した場合、1個目の圧延材の加熱炉1からの抽出時点から、15個目の圧延材の仕上圧延機4の仕上圧延スタンドF1の噛み込みまでの時間は、2143.9秒となり、熱間圧延ラインの生産能率を2.7%向上させることが可能となることがわかった。
以上の結果から、本発明に係る加熱炉1からの自動抽出方法を適用することにより、搬送予測による誤差の影響を少なくすることができ、生産能率の低下を抑制することが可能となることが確認できた。
1 加熱炉
2 プレス
3 粗圧延機
4 仕上圧延機
5 コイラ
6 制御部
R1,R2,R3,R4,R5 粗圧延スタンド
F1,F2,F3,F4,F5,F6,F7 仕上圧延スタンド

Claims (3)

  1. 加熱炉在炉中に、連続して圧延される圧延材である先行材と後行材との干渉が生じないように、前記圧延材が前記加熱炉から抽出される時刻である第1の抽出時刻を決定して、前記加熱炉から自動的に前記圧延材を抽出する熱間圧延における加熱炉からの自動抽出方法において、
    前記圧延材の前記加熱炉からの抽出時点の推定温度である第1の推定温度と、前記圧延材が仕上圧延機の入側で必要な温度である第1の目標温度と、に基づいて前記圧延材を前記第1の抽出時刻よりも早く抽出できるか否かを判断する判断工程と、
    前記判断工程において、早く抽出できると判断された場合に、前記第1の推定温度と前記第1の目標温度とに基づいて、前記圧延材が圧延ラインにて待機可能な時間である待機時間を算出する算出工程と、
    前記第1の抽出時刻よりも最大で前記待機時間の時間分だけ早い抽出時刻である第2の抽出時刻を決定する抽出時刻決定工程と、
    を備え
    前記第1の推定温度が、前記加熱炉内の雰囲気温度と、前記圧延材の前記加熱炉への装入前の温度と、前記圧延材の前記加熱炉内での在炉時間と、前記加熱炉のヒートパターンとから算出されることを特徴とする加熱炉からの自動抽出方法。
  2. 前記判断工程において、前記圧延材の早く抽出できるか否かの判断は、前記第1の推定温度が、前記第1の目標温度に前記加熱炉からの抽出時点から前記仕上圧延機に到達するまでの前記圧延材の温度降下分を足した第2の目標温度よりも高いか否かの判断により行われることを特徴とする請求項1に記載の加熱炉からの自動抽出方法。
  3. 前記算出工程において、前記待機時間は、前記第1の推定温度から前記加熱炉からの抽出時点から前記仕上圧延機に到達するまでの前記圧延材の温度降下分を引いた第2の推定温度と、前記第1の目標温度との温度差から算出されることを特徴とする請求項1または2に記載の加熱炉からの自動抽出方法。
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