JP6060576B2 - 合成樹脂製容器 - Google Patents

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本発明は、ボトル状に成形された合成樹脂製容器に関し、特に充填密封後、垂直荷重が作用した場合であっても、垂直荷重による座屈変形を効果的に抑制することのできる合成樹脂製容器に関する。
従来、ペットボトルなどの各種液体用の合成樹脂製容器が広く知られている。この種の合成樹脂製容器は、通常、中間成形品であるプリフォームに延伸ブロー成形などを施すことによって製造される。また、これらの合成樹脂製容器の底面に、剛性の確保や減圧吸収を目的とした複数の溝を形成することや(特許文献1、2参照)、滑り止めを目的とした凹凸を形成することが知られている(特許文献3参照)。
特開2009−255926号公報 特表平9−510168号公報 特開2006−16071号公報
ところで、昨今における省資源やコスト削減の要請により、この種の合成樹脂製容器(以下、単に「容器」と称す)においても、樹脂の使用量削減を目的とした薄肉化が行われている。しかしながら、単に容器を薄肉化しただけでは、強度や減圧吸収機能の低下、更には延伸ブロー成形の困難化などの他の問題が生じるため、特許文献1及び2に示されるような技術が提案されている。
特許文献1に記載された技術は、内部に液体が充填密封されていることを前提に、容器が荷重を受けて変形した際に、容積の減少によって容器内を陽圧化させて荷重に抗する剛性を発生させるものである。そのため、当該技術においては、縦方向の荷重が作用した際に、容器の高さの変化量(低下量)に比して、容器の底板部の高さの変化量(上昇量)をより大きくさせている。また、当該技術における容器は、底部に深い溝部が形成されている。しかしながら、このような容器では、接地面の比較的細かい段差に追従する可逆変形が行われにくかった。
また、特許文献2に記載された技術は、高積み保管や充填された液体内容物の内圧変化によって容器の底面が変形するのを防止するものであるが、容器が軽量・薄肉化された場合、充填・密封後の容器を特許文献1のような底板部の高さ変化を活用した陽圧化による剛性を発生させることができず、座屈変形を抑制することが困難である。
また、特許文献3に記載された技術は、滑りや転倒防止機能、自立安定性を備えた構造の中空容器として、接地面部分に多数の細い筋状の溝を刻設するか、または、多数の細い突条を突設し、さらに表面が変形可能な柔軟性を有するような形状に形成されているものであるが、変形可能な柔軟性を有するような底部形状として改善の余地がある。
ところで、充填密封した容器を輸送・保管する際、カートン箱が使用されるが、通常のカートン箱は、直方体状に組み立てられた際に長辺側のフラップ(外フラップ)と短辺側のフラップ(内フラップ)が一部重なった状態で上下に位置する、一般にA式と称される
ものである。この種のカートン箱内には、折り畳まれた内フラップに挟まれて内部の高さが低くなる領域が存在する。そのため、カートン箱全体に充填密封した容器が立てて収容された場合には、当該領域内に位置する容器がカートン箱の上面(内フラップ)に接触するのに対し、当該領域外(カートン箱長辺方向中央)に位置する容器はカートン箱の上面(外フラップ)に接触しない状態となる。
したがって、高積み時にカートン箱の上面から作用する荷重は、上面に接触している容器に集中的に作用するため、上面に接触している容器において座屈や皺などの不可逆的な変形が生じることがあった。また、折り畳まれたフラップに底部の一部を載せるようにして配置された容器は、このフラップの段差に対し底部が可逆変形によって追従できず、底部に不均等な荷重が作用するため、座屈変形の発生が特に多かった。
本発明の目的は、充填密封後、垂直荷重が作用した場合であっても、垂直荷重による座屈変形を効果的に抑制することのできる合成樹脂製容器を提供することにある。
本発明は、上記課題を解決するために以下の手段を採用した。
すなわち、本発明に係る合成樹脂製容器は、
筒状の胴部と、前記胴部の一端側に設けられた口部と、前記胴部の他端側に設けられた底部とを備え、
前記底部は、
底面側の中央に位置する底中央部と、前記底中央部の周囲に位置する環状の周縁部と、前記周縁部の外周縁から前記胴部に接続する側面部とを有し、
前記周縁部の内周縁から外周縁まで延び接地面に当接する複数のヒール部と、前記周縁部の内周縁から外周縁まで延びる複数の溝部とが、周方向に等間隔で交互に形成されると共に、
前記外周縁におけるヒール部の外周幅が6mm以上且つ9mm以下であり、前記周縁部の外周縁と前記側面部との間に段差が形成されていることを特徴とする。
また、本発明に係る合成樹脂製容器は、前記周縁部の外径に対する前記周縁部の内径の比が0.7以上且つ0.9以下であることを特徴とする。
また、本発明に係る合成樹脂製容器は、前記ヒール部の足長さに対するヒール部の外周幅の比が0.8以上且つ1.0以下であることを特徴とする。
本発明に係る合成樹脂製容器によれば、液体内容物を充填密封した後に垂直荷重が作用した際には、周縁部全体が容器内方に可逆的に変形して、底中央部を容器内方へ押し上げることができる。したがって、充填・密封後の容器の体積が減少して容器内が陽圧化されるため、容器における垂直荷重に抗する剛性が増大し、座屈などの不可逆的な変形の発生を効果的に抑制することができる。
また、本発明に係る合成樹脂製容器によれば、周縁部に形成された個々のヒール部は、周方向と径方向に高い剛性を備えると共に、作用した荷重を効果的に分散させることができる。したがって、空の状態にある容器に垂直荷重が作用した場合であっても、ヒール部において不可逆的な変形が抑制されると共に、周縁部全体の可逆的変形が促されるため、底部全体が沈み込むように変形し、容器の高さを低下させることができる。
さらに、周縁部の外周縁と側面部との間に段差を備えることにより、折れ痕が側面部まで達することを効果的に抑制することができる。
本発明の参考形態に係る合成樹脂製容器の正面図である。 図1の合成樹脂製容器の底面図である。 図1の合成樹脂製容器の底部で、右半分が正面図、左半分が切断部端面図(図2におけるC−C切断部)である。 図1の合成樹脂製容器のヒール部と溝部との関係を示す図であり、(a)は、図2におけるA−A断面を模式的に示した説明図、(b)は、図2におけるB−B矢視図である。 図1の合成樹脂製容器の底部の形状が可逆的に変化する前後の状態を示す模式説明図である。 図1の合成樹脂製容器の底部の一部がA式カートンの内フラップ上に掛かって載置された状態を示す図である。 図1の合成樹脂製容器のブロー成形金型の正面視断面図である。 本発明の実施形態に係る合成樹脂製容器の底部で、右半分が正面図、左半分が切断部端面図である。 本発明の実施例と比較例に係る合成樹脂製容器の具体例の寸法を示す表である。
以下に図面を参照して、この発明を実施するための形態を説明する。
図1〜図3を参照して、本発明の参考形態に係る合成樹脂製容器の構成について説明する。なお、以降においては、図1に示されるような、容器1が接地面Gに直立した状態における容器1の中心軸方向に沿って上方と下方を定義する。
容器1は、射出成形などによって予め成形されたプリフォームを用いて、公知の二軸延伸ブローなどの方法によってボトル状に成形された熱可塑性合成樹脂製の容器である。使用される熱可塑性合成樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリ乳酸、またはこれらの共重合体などの熱可塑性ポリエステル、これらの樹脂あるいは他の樹脂とブレンドされたものなどが好適である。特に、ポリエチレンテレフタレートなどのエチレンテレフタレート系熱可塑性ポリエステルが、好適に使用される。また、アクリロニトリル樹脂、ポリプロピレン、プロピレン―エチレン共重合体、ポリエチレンなども使用することができる。
図1に示されるように、容器1は、上方から順に、円筒状の口部2と、下方に向かって拡径する肩部3と、筒状の胴部4と、底部5とを備える。開口部を有する口部2にはネジ山が形成されており、図示しない蓋体を取り付けることによって充填された液体内容物を密封することができる。また、胴部4には、複数の内圧調整パネル40が設けられており、密封された状態にある容器1の内部の圧力が変化した際の減圧を吸収する機能が発揮される。
底部5は、胴部4の下端縁から絞り込まれていった下位の部分であり、絞り込みが開始される部位を胴部4と底部5との境界とすることができる。図2に示すように、底部5は、底面側(下端側)の中央に、底部5の中心軸上に中心が位置する円形の底中央部51を備えると共に、底中央部51の周囲に位置する環状の周縁部52と、周縁部52の外周縁から胴部4との境界までを接続する側面部53とを備えている。
底中央部51の中央には、容器1の内側(上方)に窪んだ、複数のリブを備えるドーム状の上げ底部511が形成されている。また、上げ底部511の周囲には、容器1の内側に向かって上向きに傾斜した環状の斜面部512が形成されている。なお、上げ底部511が複数のリブを備えることによって剛性が高いのに対し、斜面部512は緩やかな斜面で形成されているために剛性が低い。そのため、底中央部51の周囲に荷重が作用した場合には、斜面部512が撓むことによって、上げ底部511がほとんど変形することなく上方に持ち上がるなどの変位をする。
周縁部52には、周縁部52の内周縁から外周縁まで延びる複数のヒール部521(図2では32個)と、周縁部52の内周縁から外周縁まで延びる複数の溝部522(図2では32個)が交互に且つ等間隔で形成されている(ナーリング)。図3に示すように、周縁部52は、容器1の側面側まで回り込むようにして形成されている。また、周縁部52に形成された全てのヒール部521は水平な接地面Gに当接することによって、容器1が安定的に支持される。
ヒール部521と溝部522のそれぞれは、周縁部52の外周縁まで延びることにより、周縁部52と側面部53との境界に屈曲部526が形成される。これにより、外周縁またはその近傍を支点として、周縁部52が全体として容器2の内方に撓みやすくなる。同様に、ヒール部521と溝部522のそれぞれが周縁部52の内周縁まで延びることにより、周縁部52と斜面部512との境界に屈曲部527が形成されるため、内周縁またはその近傍を支点として、底中央部51が容器2の内方に撓みやすくなる。
ここで、周縁部52に形成されたヒール部521の外周幅bは6〜9mmが好ましい。
このようにヒール部521の外周幅bを設定することで、周方向の長さが短い個々のヒール部521の周方向における座屈変形に対する剛性を確保しつつ、容器に垂直荷重が作用した際には、周縁部52と側面部53との境界またはその近傍を支点にして、周縁部52全体が容器内方に可逆的に変形して、底中央部51を容器内方へ押し上げることができる。また、個々のヒール部521の周方向における座屈変形に対する剛性が増加し、また、ヒール部521と溝部522との間における周方向の撓みが生じやすくなり、周縁部52における周方向の圧縮による皺の発生が抑制される。
しかし、ヒール部521の外周幅bが6mm未満の場合は、ヒール部521の周方向の長さが過剰に狭くなるため、底中央部51を容器内方へ押し上げる可逆的変形が損なわれる。また、ヒール部521の外周幅bが9mmを超えると、個々のヒール部521の幅が広くなり、座屈変形に対する剛性が不十分となるのとともに、接地面の凹凸に追従した可逆変形が行われにくくなる。
また、本参考形態においては、周縁部52の外径に対する内径の比を0.7以上且つ0.9以下にしている。これにより、個々のヒール部521における径方向の長さが短く形成されるため、径方向の剛性が増加し、容器1が空の状態であっても、座屈などの不可逆的な変形の発生が抑制されるのとともに、周縁部52全体は接地面の比較的細かい凹凸に追従した可逆変形が行われやすくなる。
また、本実施形態においては、ヒール部521の足長さQR(周縁部52の外周半径から内周半径を引いた値と同じ。なお、点Q,点Rの定義は後述する。)に対するヒール部521の外周幅bを0.8〜1.0にしている。これにより、ヒール部521の底面がより正方形に近い形状で形成されるため、ヒール部521に作用した荷重は、径方向と周方向に湾曲した面を介してより効果的に分散される。したがって、容器1が空の状態であっても、個々のヒール部521において座屈などの不可逆的な変形の発生が抑制され周縁部
52全体の可逆変形が促される。
次に、図2から図4を参照して、ヒール部521及び溝部522についてより詳細に説明する。図4(a)に示すように、ヒール部521と側面部53との境界をL、ヒール部521と斜面部512との境界をM、及び容器1が空で載置されたときにおけるヒール部521の接地面Gとの接地点をNとする。また、ヒール部521に対する溝部522の谷深さ(溝部522の溝底線LM上の点O’と、当該溝底線LM上の点における垂線とヒール部521のヒール部先端曲線LNMとの交点P’までの長さ)が最大となるときの溝底曲線LM上の点をO、ヒール部先端曲線LNM上の点をPとする。また、点L、Mの接地面Gへの鉛直方向の射影をそれぞれQ、Rとし、また、点Q、N、Rの容器1の中心軸(不図示)に関して対称な点をそれぞれQ’、N’、R’(不図示)とする。そして、線分QRをヒール部の足長さ、線分LQを足高さ、線分MRを内径高さ、線分OPを谷深さと定義する。また、線分QQ’を周縁部52の外径、線分RR’を周縁部52の内径、及び線分NN’を周縁部52の接地径と定義する。ここで、ヒール部の足長さQRは7〜10mmが好ましい。また、足高さは2〜4mm、内径高さは0.3〜2.0mm、谷深さは2〜4mmが好ましい。さらに、ヒール部先端曲線LNMが円弧状であることが好ましく、その円弧半径を先端半径と定義したとき、先端半径は6〜9mmが好ましい。これらを満たすことにより、上述の周縁部52の可逆変形とヒール部521の座屈抑制に一層効果的である。
また、図4(b)に示すように、溝部522は、隣り合う2つのヒール部521のそれぞれの側面に挟まれた、周方向の幅dで径方向に伸びる曲面で形成された溝底を有しており、両側面は角度αを成している。なお、溝部522の溝底523とヒール部521の側面との接続部、及びヒール部521の側面524と先端面525との接続部は曲面で構成されているのが好ましい。本参考形態においては、溝部522の溝底の幅dは0.5〜2.0mmが好ましく、角度αは80〜100°が好ましい。また、溝底523とヒール部521の側面524との境界は半径0.3〜1.0mmの円弧面が好ましく、ヒール部521における側面524と先端面525との境界は半径0.5〜2.0mmの円弧面が好ましい。さらに、溝部522の溝底線523は、図4(a)に示すように、径方向に沿ってなだらかな線(曲線または直線)で形成されることが好ましい。以上のような構成とすることで、互いに隣接するヒール部521と溝部522との間で撓み変形が生じやすくなると共に、溝部522の途中で屈曲するような変形が抑制されるため、周縁部52における径方向及び周方向の可逆的な変形が可能となる。
底部5が以上のような構成を備えることにより、空の状態にある容器1に垂直荷重が作用した場合であっても、周方向と径方向に高い剛性を備えるヒール部521によって、作用する荷重を効果的に分散させることができる。したがって、ヒール部521において不可逆的な変形の発生が抑制されると共に、周縁部52全体の可逆的変形が促されるため、底部5の全体が沈み込むように弾性変形し、容器1を座屈変形させることなく高さを低下させることができる。
次に、図4及び図5を参照して、容器1に垂直荷重が作用したときにおける底部5の変形について詳細に説明する。図5において、容器1に垂直荷重が作用した際に、変形前の底部5を鎖線で示すとともに、変形後の底部5を実線で示している。接地面G上に直立している容器1に垂直荷重が作用すると、接地面Gに当接しているヒール部521に対して、反作用としての上向き荷重が作用する。上述したように、周方向と径方向に剛性が高く形成されているヒール部521は、座屈などの不可逆的変形を生じることなく、作用する荷重を分散させる。すると、主に径方向に分散された荷重によって、周縁部52は、外周縁またはその近傍を支点として、全体が容器1の内方へ撓み変形する。これと共に、周縁部52において周方向の変形も生じて、隣り合うヒール部521の間隔が狭まるが、溝部
522が可逆的に変形することによって、周縁部52において予め設けられている稜線以外の新たな皺などが発生することが抑制される。このようにして、周縁部52が撓み変形することにより、斜面部512と周縁部52との境界において撓み変形が発生し、斜面部512を介して上げ底部511が容器2の内方へ持ち上げられる。これら一連の変形が発生することにより、図5に示されるように、外周縁を支点として撓み変形した周縁部52によって、底部5の高さ(足高さLQ)は低下し、容器全体の高さは低下するが、上げ底部511や斜面部512、周縁部52の接地部より内方側の部分は上方に変位する。なお、荷重を取り除いた後は、底部5における各部位の復元力によって、元の形状に復元される。
以上のようにして、底部5が全体として可逆的に変形しながら沈み込むことにより、容器1は全体として高さが低下する。したがって、容器1が上述のA式のカートン箱内に収納され高積みされた際、内フラップに挟まれた高さが低い領域内に収容された容器1は、より多く作用する垂直荷重によって可逆的に変形して高さを減少させることができる。これらの容器1の高さが減少すると、カートン箱の上面(内および外フラップ)は、より下方に変位して、カートン箱の中央に収容されている内フラップに接触しない容器1に対しても外フラップが当接するようになる。したがって、カートン箱上面から作用する荷重は、より多くの容器1に分散されるため、既に荷重を受けて変形している容器1に更に作用する荷重は軽減され、当該容器に座屈変形が発生することが回避される。
次に、図6を参照して、容器1が輸送・高積み保管時において上述のA式のカートン箱内に収容された際に、カートン箱の底面の内フラップに底部5の一部が位置した場合における底部5の変形について説明する。図6に示すように、領域Xで示される底部5の一部分のみがカートン箱の内フラップF1上に位置している場合には、垂直荷重は、底部5における周縁部52に対して均等に作用しない。この場合において、領域X内におけるヒール部521には、周縁部52の全体に垂直荷重が作用する場合に比べて相対的に大きい荷重が作用するが、上述のようにヒール部521は、剛性が高く形成されているため、ヒール部521自体はほとんど変形せずに、作用する荷重を径方向及び周方向に分散させることができる。さらに、この場合においては、ヒール部521と隣接する溝部522との境界において周方向の撓みが生じ、内フラップ上のヒール部521が次々に容器内方側に撓み変形して当接していくことで、より多くのヒール部521が内フラップF1に当接するようになる。したがって、領域X内において特定のヒール部521に荷重が集中する状態が回避されると共に、領域X内における底部5の高さが減少する。さらに、領域Y内における外フラップF2に当接するヒール部521においても同様の変形が生じるため、荷重集中が回避されると共に、領域Y内における底部5の高さが減少する。
以上より、このような場合においても、周縁部52が可逆的に、周方向に変形しながら沈み込むことにより、接地面積が増加して荷重の集中が抑制される。また、カートン箱上面から作用する荷重に対し、領域XまたはYにおける容器1の高さを低くすることでカートン箱の上面(内フラップおよび外フラップ)を下方に変位可能にし、カートン箱内の特にカートン箱中央寄りの容器1をカートン箱の上面(外フラップ)により多く当接することができるため、カートン箱上面から作用する荷重を、より多くの容器1に分散させることができる。
次に、図7を参照して、本発明の参考形態に係る合成樹脂製容器のブロー成形方法について簡単に説明する。ブロー成形金型100は、予め射出成形等によって成形された合成樹脂製プリフォームが内部に設置される左右一対の分割金型101、102と、底金型103とを備える。なお、分割金型101及び102によって、容器1の肩部3から底部5における周縁部52までが成形され、底金型103によって底部5の底中央部51が成形される。本参考形態に係る容器1においては、周縁部52に形成される溝部522の谷深さが1mm未満であるため、ブロー成形金型100のような、「二つ割り」と称されるブロー成形金型によって周縁部52を成形することができる。そして、「二つ割り」のブロー成形金型によって周縁部52が成形できることにより、周縁部52も胴部4同様、ヒートセット温度まで高められた分割型101,102を用いてブロー成形できるため、周縁部52の耐熱性を向上させることができる。なお、谷深さが1mmを大きく超える合成樹脂製容器のブロー成形においては、成形後、分割金型101,102を開いて合成樹脂製容器を取り出す際、容器底の溝部を形成する金型の凸状部分が、容器底の溝部に深く干渉するため、分割金型を開いたときに底部が異常変形する。
次に、図8を参照して、本発明の実施形態に係る合成樹脂製容器について説明する。なお、本実施形態に係る合成樹脂製容器は、上述の参考形態の容器1における底部5が異なるだけであるため、説明においては、既に説明された参考形態における構成と同一の構成については、同一の符号を用いると共に説明を省略する。
本発明の実施形態に係る合成樹脂製容器は、図8に示すように、上述の容器1における底部5と同一の構成を有する底部50を備え、更に周縁部52の外周縁と側面部53との間に段差54が形成されることを特徴とする。ここで、容器1における底部5では、過度の垂直荷重が作用した場合には、ヒール部521と溝部522との境界における撓み変形が過度に進行して、目視できるほどの折れ痕が当該境界から側面部53の下方にまで形成されるおそれがある。これに対し、他の実施形態における底部50は、図8に示すように、周縁部52の外周縁と側面部53との間に段差54を備えることにより、このような折れ痕が側面部53まで達することを効果的に抑制することができる。
[実施例]
次に、本実施形態に係る具体的な実施例として、図9の表に記載された寸法を有する実施例1及び実施例2を示す。実施例1は容量1リッターの容器に、32個のヒール部521がピッチ(図2におけるP)7.6mmで形成され、実施例2は容量4リッターの容器に、40個のヒール部521がピッチ9.4mmで形成されている。周縁部52には溝部522が多数形成されているため、接地面Gとの接触面積が少なくなり、接地面Gとのすべり性が向上している。
これに対し、比較例1,2はそれぞれ実施例1,2に対し周縁部52にヒール部521、溝部522が設けられていない以外、同形の合成樹脂製容器である。(周縁部の外径,内径,外径周長,接地径について表中に括弧書きで示すとおり同一の寸法である。)
なお、実施例1と実施例2における、ヒール部幅bはそれぞれ6.6mm,8.4mmであり、実施例1と実施例2における、周縁部52の外径に対する内径の比(内径/外径)はそれぞれ0.80と0.85である。また、実施例1と実施例2における、ヒール部の足長さQRに対するヒール部の外周幅bの比(ヒール部外周幅/足長さ)がそれぞれ0.85と0.94であり1に近い値なので、正方形に近い形状で形成されている。
次に内容品を充填密封した実ボトルの縦圧縮強度は、座屈荷重が比較例1と比較例2でそれぞれ320N,540Nであるのに対し、実施例1と実施例2では、430N,570Nで、実施例の方が比較例より明らかに高い値であった。また、座屈するまでの座屈変位量は比較例1と比較例2がそれぞれ4.6mm,5.5mmであるのに対し、実施例1と実施例2は7.2mm,7.5mmで、実施例の方が上回り、座屈を生じさせず縦方向に弾性的に撓みやすいことが確認された。
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
例えば、口部2はネジ山によるネジ式キャップ用口部に限らず、打栓キャップ用の口部にして打栓キャップを用いて密封する形態にしてもよい。また、肩部,胴部についても適宜形状変更可能である。
1 容器
5、50 底部
51 底中央部
511 上げ底部
512 斜面部
52 周縁部
521 ヒール部
522 溝部
100 ブロー成形金型

Claims (3)

  1. 筒状の胴部と、前記胴部の一端側に設けられた口部と、前記胴部の他端側に設けられた底部とを備え、
    前記底部は、
    底面側の中央に位置する底中央部と、前記底中央部の周囲に位置する環状の周縁部と、前記周縁部の外周縁から前記胴部に接続する側面部とを有し、
    前記周縁部には、
    前記周縁部の内周縁から外周縁まで延び接地面に当接する複数のヒール部と、前記周縁部の内周縁から外周縁まで延びる複数の溝部とが、周方向に等間隔で交互に形成されると共に、
    前記外周縁におけるヒール部の外周幅が6mm以上且つ9mm以下であり、前記周縁部の外周縁と前記側面部との間に段差が形成されていることを特徴とする合成樹脂製容器。
  2. 前記周縁部の外径に対する前記周縁部の内径の比が0.7以上且つ0.9以下であることを特徴とする請求項1に記載の合成樹脂製容器。
  3. 前記ヒール部の足長さに対する前記外周縁におけるヒール部の外周幅の比が0.8以上且つ1.0以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の合成樹脂製容器。
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