JP7101550B2 - 角形ボトル - Google Patents
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Description
特に凹部が形成されたパネル面には、周方向に沿って凹部内を横断するように形成され、該凹部を上下に区分する横リブが形成されている。そのため、例えば内容物を充填した場合における内容物の自重、水頭圧等の影響によって、凹部が内容物から応力(圧力)を受け、この応力によって径方向の外側に反転変形するような挙動を示したとしても、横リブを利用して凹部が反転変形してしまうことを抑制することができる。そのため、凹部を径方向の内側に窪ませたままの状態にすることができ、パネル面の剛性を高めた状態を安定に維持することができる。従って、例えばパネル面が径方向の外側に膨らむ等して、胴部の形状が意図せずに角形とは異なる形状に変化することを抑制することができる。
従って、第1壁面及び第2壁面に形成した斜めリブを利用して、凹部が反転変形することをより一層効果的に防止することができる。
さらに、複数の斜めリブを備えているので、凹部が反転変形してしまうことをより効果的に抑制することができる。また、例えば凹部をパネル面に対して広範囲に形成した場合であっても、複数の斜めリブを利用して応力を分散させることができる。従って、例えば角形ボトル或いはパネル面の大きさ等に応じて凹部のサイズを適宜大きくする等、凹部の設計自由度を向上することができる。
さらに、第1壁面側に形成された複数の斜めリブの位置と、第2壁面側に形成された複数の斜めリブの位置と、がボトル軸方向にずれているので、凹部が内容物から応力を受けた際、第1壁面側の斜めリブ及び第2壁面側の斜めリブを利用して、応力をバランス良く分散させることができる。これにより、凹部全体に作用する応力を効率良く低減させることが可能であり、凹部が反転変形してしまうことをさらに効果的に抑制することができる。
図1及び図2に示すように、本実施形態の角形ボトル1は、口部2、肩部3、胴部4及び底部5を備え、これらが、それぞれの中心軸線を共通軸上に位置させた状態で、この順に連設されている。
角形ボトル1は、射出成形されたプリフォームを使用する二軸延伸ブロー成形、又は押出しブロー成形等の各種のブロー成形により形成された合成樹脂製容器とされている。なお、ブロー成形に用いる流体としては、気体或いは液体等を利用することができ、特に限定されるものではない。
胴部4は、周方向に連設された4つのパネル面10(一対の第1パネル面11、及び一対の第2パネル面12)を有し、横断面視四角形状、より具体的に横断面視扁平状に形成されている。
胴部4は、ボトル軸Oを挟んで径方向に向かい合うように配置された一対の第1パネル面11、及び一対の第2パネル面12を備え、これら第1パネル面11と第2パネル面12とが周方向に交互に連設されることで形成されている。第2パネル面12は、周方向に沿った周幅が第1パネル面11の周幅よりも短く形成されている。これにより、胴部4は横断面視扁平状に形成されている。
ただし、胴部4の形状はこの場合に限定されるものではなく、例えば上下方向に亘って外径が変化しない(くびれがない)、ストレート形状であっても構わない。
第2肩パネル面15は、第1肩パネル面14と同様に、第2パネル面12の上方に配置され、第2パネル面12との接続部分から、口部2との接続部分である上端部に向かうにしたがって周方向に沿った周幅が漸次幅狭となるように形成されている。
なお、以下の説明では、一方の第2パネル面12側について詳細に説明するが、他方の第2パネル面12側についても、一方の第2パネル面12側と同様に構成されている。
詳細に説明する。
凹部20は、角形ボトル1の側面視で縦長の楕円状に形成されている。そのため、周方向に沿った凹部20の開口幅は、凹部20における上下方向の中央部分で最も幅広とされ、中央部分から上方及び下方に向かうにしたがって徐々に幅狭となる。さらに凹部20は、周方向に沿った開口幅が径方向の内側に向かうにしたがって漸次幅狭となるように、径方向の内側に向けて窪んでいる。より具体的には、角形ボトル1の横断面視で凹部20は径方向の内側に向けてV字状に窪むように形成されている。
凹部20は上述したようにV字状に窪むように形成されているので、第1壁面22及び第2壁面23は、底部ライン21から第2パネル面12との稜線(すなわち凹部20と第2パネル面12との接続ライン)に向かうにしたがって径方向の外側に向けて延びる傾斜面とされている。また、第1壁面22及び第2壁面23は、底部ライン21を中心として線対称に形成されている。
ただし、横リブ30の形状はこの場合に限定されるものではなく、例えば側壁面31が第2パネル面12よりも径方向の内側に位置するように形成しても構わないし、側壁面31が第2パネル面12よりも径方向の外側に突出する(膨らむ)ように形成しても構わない。
これにより、横リブ30は、角形ボトル1の縦断面視で、径方向の外側に向かって台形状に膨らむように形成されている。
本実施形態では、第1壁面22のうち横リブ30よりも上方に位置する部分を上側第1壁面22aといい、横リブ30よりも下方に位置する部分を下側第1壁面22bという。同様に、第2壁面23のうち横リブ30よりも上方に位置する部分を上側第2壁面23aといい、横リブ30よりも下方に位置する部分を下側第2壁面23bという。つまり、上側凹部20aが上側第1壁面22a及び上側第2壁面23aで形成され、下側凹部20bが下側第1壁面22b及び下側第2壁面23bで形成されている。
従って、上側第1壁面22a及び上側第2壁面23aにそれぞれ形成された斜めリブ25は、底部ライン21側から周方向の外側に向かうにしたがって上方に延びるように傾斜しており、これによって横リブ30から離間するように形成されている。また、下側第1壁面22b及び下側第2壁面23bにそれぞれ形成された斜めリブ25は、底部ライン21側から周方向の外側に向かうにしたがって下方に延びるように傾斜しており、これによって横リブ30から離間するように形成されている。
これら上側第1壁面22aに形成された斜めリブ25と、上側第2壁面23aに形成された斜めリブ25とは、同等の傾斜角度で且つ同等のピッチで配置されていると共に、上下方向に互いに高さ位置を合わせて配置されている。
これら下側第1壁面22bに形成された斜めリブ25と、下側第2壁面23bに形成された斜めリブ25とは、同等の傾斜角度で且つ同等のピッチで配置されていると共に、上下方向に互いに高さ位置を合わせて配置されている。
補助折曲ライン40は、第2パネル面12と共に横リブ30を径方向の内側に向かって周方向に折曲可能とさせる谷折りラインであって、横リブ30における周方向の中央部分に形成されている。具体的には、補助折曲ライン40は、上壁面32、側壁面31及び下壁面33に亘って上下方向に連続的に形成され、底部ライン21に対して繋がっている。
なお、側壁面31における周方向の中央部分は、補助折曲ライン40を中心として径方向の内側に向けてなだらかに窪んでいる。
上部折曲ライン41は、上側凹部20aの上端部から上方に向けて延びるように形成され、第2肩パネル面15に達している。上部折曲ライン41は、第2パネル面12のうち凹部20よりも上方に位置する部分を径方向の内側に向かって周方向に折曲可能とさせる谷折りラインであって、図示の例では径方向の内側に向かって突出する縦長の凹リブ状に形成されている。
なお、第2肩パネル面15は、肩部折曲ライン43が径方向の最も内側に位置するように、横断面視V字状に形成されている。これにより、第2肩パネル面15は、肩部折曲ライン43に沿って周方向に容易に折曲可能とされている。
図示の例では、下部折曲ライン42は、折曲前の段階において径方向の外側に向かって突となる稜線状に形成されている。
非折曲パネル面44は、上述したように、第2パネル面12の谷折りに伴う折曲変形によって、例えば頂点部44aを基点として径方向の内側に向けて回動するような(倒れ込むような)挙動を示す。
次に、上述のように構成された角形ボトル1の作用について説明する。
本実施形態の角形ボトル1によれば、一対の第2パネル面12に凹部20が形成されているので、例えば第2パネル面12をフラットに形成する場合に比べて剛性を高めることができる。従って、剛性が高くなった分、胴部4全体の厚みを薄く形成することができ、軽量化に対応した角形ボトル1とすることができる。
そのため、凹部20を径方向の内側に窪ませたままの状態にすることができ、第2パネル面12の剛性を高めた状態を安定に維持することができる。従って、例えば第2パネル面12が径方向の外側に膨らむ等して、胴部4の形状が意図せずに角形とは異なる形状に変化することを抑制することができる。
従って、第1壁面22及び第2壁面23に形成した斜めリブ25を利用して、凹部20が反転変形することをより一層効果的に防止することができる。
すなわち、斜めリブ25が底部ライン21側から周方向の外側に向かうにしたがって横リブ30から離間するように傾斜しているので、凹部20が内容物から応力を受けた際、斜めリブ25を利用して横リブ30から離間するように応力を分散させ易い。従って、横リブ30にかかる負荷を低減することができ、より一層、横リブ30を利用して凹部20が反転変形してしまうことを抑制することができる。
従って、例えば角形ボトル1或いは第2パネル面12の大きさ等に応じて凹部20のサイズを適宜変更する等、凹部20の設計自由度を向上することができる。
また、胴部4を構成する複数のパネル面10の少なくとも1つに、凹部20が形成されていれば構わない。例えば、上記実施形態において、一対の第2パネル面12の一方だけに凹部20を形成しても構わないし、一対の第1パネル面11及び一対の第2パネル面12の全てに凹部20を形成しても構わない。
ただし、凹リブ状の横リブとした場合には、内容物からの応力によって横リブが径方向の外側に向けて先行して反転変形するおそれがあり、これによって凹部20の反転変形を生じさせる(誘発する)可能性が考えられる。そのため、上記実施形態のように、凸リブ状の横リブ30とすることが好ましい。
ただし、凹リブ状の斜めリブとした場合には、内容物からの応力によって斜めリブが径方向の外側に向けて先行して反転変形するおそれがあり、これによって凹部20の反転変形を生じさせる(誘発する)可能性が考えられる。そのため、上記実施形態のように、凸リブ状の斜めリブ25とすることが好ましい。これにより、斜めリブ25を起点とした凹部20の例えば急激な反転変形を生じさせてしまうことを防止することができる。
すなわち、上側第1壁面22aに形成された斜めリブ25と、上側第2壁面23aに形成された斜めリブ25とを、同等の傾斜角度で且つ同等のピッチで配置しながら、上下方向に互いに高さ位置を半ピッチずらした状態で配置するように形成しても構わない。
同様に、下側第1壁面22bに形成された斜めリブ25と、下側第2壁面23bに形成された斜めリブ25とを、同等の傾斜角度で且つ同等のピッチで配置しながら、上下方向に互いに高さ位置を半ピッチずらした状態で配置するように形成しても構わない。
1、50…角形ボトル
2…口部
3…肩部
4…胴部
5…底部
10…パネル面
11…第1パネル面
12…第2パネル面
20…凹部
20a…上側凹部(凹部のうち肩部側に位置する部分)
20b…下側凹部(凹部のうち底部側に位置する部分)
21…底部ライン
22…第1壁面
23…第2壁面
25…斜めリブ
30…横リブ
40…補助折曲ライン
Claims (4)
- 口部、肩部、胴部及び底部がボトル軸方向に沿って上方から下方に向けてこの順に連設された合成樹脂製の角形ボトルであって、
前記胴部は、周方向に連設された複数のパネル面を備え、
少なくとも1つの前記パネル面には、
径方向の内側に向けて窪むと共に、上下方向に沿って延びる縦長の凹部と、
周方向に沿って前記凹部を横断するように形成され、前記凹部を、前記肩部側に位置する部分と前記底部側に位置する部分とに上下に区分する横リブと、が形成され、
前記凹部は、前記凹部において径方向の最も内側に位置し、且つ上下方向に延びる底部ラインを間に挟んで周方向に第1壁面及び第2壁面が並んで配置されるように形成され、
前記第1壁面及び前記第2壁面には、前記底部ライン側から周方向の外側に向かうにしたがって、上方或いは下方に向けて延びる斜めリブがそれぞれ形成され、
前記斜めリブは、前記第1壁面及び前記第2壁面において、上下方向に一定の間隔をあけた状態でそれぞれ複数形成され、
前記第1壁面側に形成された前記斜めリブと、前記第2壁面側に形成された前記斜めリブとは、上下方向に相対的にずれて配置されている、角形ボトル。 - 請求項1に記載の角形ボトルにおいて、
前記斜めリブは、前記底部ライン側から周方向の外側に向かうにしたがって前記横リブから離間するように傾斜している、角形ボトル。 - 請求項1又は2に記載の角形ボトルにおいて、
前記胴部は、前記パネル面として、前記ボトル軸を挟んで径方向に向かい合うように配置された一対の第1パネル面と、前記第1パネル面よりも周方向に沿った周幅が短く形成されると共に、前記ボトル軸を挟んで径方向に向かい合うように配置された一対の第2パネル面と、を有し、且つ前記第1パネル面及び前記第2パネル面が周方向に交互に連設されるように形成され、
前記凹部は、一対の前記第2パネル面に形成されている、角形ボトル。 - 請求項3に記載の角形ボトルにおいて、
前記底部ラインは、前記第2パネルを周方向に折り曲げ可能とさせる折曲ラインとされ、
前記横リブには、前記折曲ラインに沿って前記横リブを折り曲げ可能とさせる補助折曲ラインが形成されている、角形ボトル。
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