JP6060157B2 - フッ素をドープした酸化物をベースとする固体電解質 - Google Patents

フッ素をドープした酸化物をベースとする固体電解質 Download PDF

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Description

本発明は、フッ素をドープした酸化物、好ましくは金属酸化物をベースとする、イオン伝導性を有する固体電解質の製造に関する。問題の電解質は、既に確立され市販されている固体電解質のそれに匹敵する伝導度の値によって特徴付けられる。本発明は、好ましくは二次高温リチウム電池に使用される、イオンの、具体的にはリチウムイオン伝導性を有する無機−有機固体電解質の調製のための、フッ素化された酸化物、好ましくは金属酸化物をベースとする、ナノメートルの形態を有する一種の無機電解質の使用に関する。
電池は、セルまたは電気化学セルとも呼ばれ、化学反応によって放出されるエネルギーを電気に変換する電気化学デバイスであり、記載されている(例えば、非特許文献1参照。)。
電池は常に、電解質と呼ばれるイオン伝導体と接触している2つの電子伝導体(電極)からなる。リチウム電池の場合のように、電極は液体または固体であってもよく、同様に、電解質は、β−アルミナのように両方とも固体であってもよく、市販のデバイスの大部分のように両方とも液体であってもよい。
電池の動作は、電気化学反応の存在下でのみ起こり得るものである、電極と電解質を分ける表面上における電荷担体の伝導の電子的伝導からイオン性伝導への変化によるものである。電池は、電気化学放電反応が、それぞれ、一方向に生じ得るか、または両方向に生じ得るかに応じて、一次電池または二次電池として分類され得る。
リチウム電池に対する需要、およびその結果起こるリチウム電池の工業化は、高エネルギー密度システムの製造を促進してきた、リチウムの高い陽性度および軽量性に起因する。一次リチウム電池は、アノードの金属リチウム用、カソードの無機材料(いわゆるインターカレーション化合物)用に、リチウムがその中に浸透し得るような構造を有するLiCoO、MnO、Vのタイプを使用し、電解質として、リチウム塩(例えばLiClO)を有機溶媒の混合物(例えばエチレンカルボネートおよびジメチルエーテル)に溶かした溶液を使用する(例えば、非特許文献2参照。)。
金属リチウムに付随するサイクル性の問題(アノード/電解質界面での不動態化の欠陥により生じる)を克服するために、関連するアノードとカソードのインターカレーション材料と共に、二次リチウムイオン電池が開発されてきた(例えば、非特許文献3参照。)。典型的なカソードのインターカレーション材料はLiCoO(コバルト酸リチウム)であり、MOのタイプの8面体からなる構造を有するポリオキソアニオン化合物(式中、M=Fe、Ti、V、Nb)ならびにXO n−のタイプの4面体アニオン(式中、X=S、P、As、MoおよびW)が広範な研究の主題となってきており(例えば、非特許文献4参照。)、これらの化合物の中で最も重要なものはLiFePOである。典型的なアノードのインターカレーション材料はグラファイトである。
電解質の目的は、アノードからカソードへの電荷担体(Li等)の移動を可能とさせることであり、電解質は
− 高いイオン伝導度、
− 特にLi/Li(>4V)に関して酸化しているカソード材料が使用される場合に必要な、広い電気化学的安定範囲、
− 高温電池に必要な高温安定性
といった幾つかの特性を有していなければならない。
電解質は、その物理的状態に応じて4つの主要な種類に分類することができる(例えば、非特許文献5参照。)。
1)液体電解質:例えば溶媒にリチウム塩を溶解させた溶液からなる(例えば、非特許文献6参照。)。その高い伝導度(10−2〜10−3Scm−1の間の値)にも関わらず、液体電解質は、損失および腐食の問題をもたらすこと、その揮発性のゆえに高温で使用することができないこと、および、最終的には上記によってデバイスの小型化が大幅に制限されること、といった幾つかの欠点を有する。
2)固体セラミック電解質:その伝導度が負荷欠陥点の移動に起因して生じ、それは通常は高温システム向けに使用され、3つの種類の化合物に分類することができる。
a.ペロブスカイト型酸化物(例えば、非特許文献7参照。);現在のところ最良のLiイオンセラミック導体は、127℃以下の温度において、Liがランタンの空位を通って固溶体中を移動する、チタン酸ランタンをベースとしている。
b.硫化物(チオ−LISICON等の材料(例えば、非特許文献8参照。))、および
c.リン酸塩(NASICON等の材料(例えば、前掲の非特許文献7参照。))。
3)固体ガラス電解質:これは液体冷却によって得ることができるアモルファス固体からなり、室温において伝導度の値は10−2〜10−5Scm−1の間の範囲の値をとる。
4)融解電解質:これは融解塩の共融混合物からなり、LiCl/KCl混合物等の高温Li電池に使用され、その共融点は355℃である。主要な欠点は、デバイスを高温に維持しておく必要があること、および非常に強力な試薬を使用することにある。
これら第1の4種類の電解質は共通の欠点を有すると考えられ、それはすなわち、電極と電解質の間の常時接触を確実にするために、融解金属(ナトリウム)または融解塩(NaS)等の液体電極の使用が必要であることである。
ポリマー電解質は、完全に固体であるデバイスを製造するための可能な候補であると思われる。この種類には、
a.リチウム塩が極性液体中に溶解され、次に、より高い安定性を与えるために、不活性ポリマー材料がそれに添加され得ている、ゲル電解質、
b.伝導度を改善するために、高い誘電率を有する液体がポリマー電解質に添加されている、可塑化電解質、
c.高い分子量を有するポリマーを液体電解質に添加することによって得られる、イオン性ゴム、
d.燃料電池中に使用されているものと類似の、イオン伝導度を有する膜、
e.有機−無機ハイブリッド電解質
といった材料の様々なサブアセンブリーが含まれる。これらの材料の基本的な構造は、無機物種の架橋として作用する一連の有機高分子(例えばポリエチレンオキシド、PEO)に存する。有機−無機ハイブリッドの例は、3D−HION−APEs(ポリマー電解質としての3次元ハイブリッド無機−有機ネットワーク)、Z−IOPEs(ゼオライト無機−有機ポリマー電解質)およびHGE(ハイブリッドゲル電解質)である。
ドープされていない二酸化チタンの製造が記載されている(例えば、特許文献1および特許文献2参照。)。フッ素をドープした二酸化チタンが記載されている(例えば、非特許文献9、非特許文献10、非特許文献11、特許文献3、特許文献4参照。)。
国際公開第2005/090235号パンフレット 国際公開第2006/077203号パンフレット 米国特許第5597515号明細書 国際公開第2009/113045号パンフレット
Vincent et al., Modern Batteries An Introduction to Electrochemical Power Sources, Butterworth Heinmann, Oxford, 1997 Tarascon et. al., Nature 414 (2001) 359−367 Thackeray et al., Material Research Bulletin 18 (1983), 461 −472 Padhi et. al, Journal of the Electrochemical Society 144 (1997) 1609−1613 Gray, Polymer Electrolytes, RSC Material Monographs, Cambridge, 1997 Gali’nsky et al. Electrochimica Acta 51 (2006) 5567−5580 P. Knauth, Solid State Ionics, 180 (2009) 911−916 M. Murayama et al. Journal of Solid State Chemistry 168(1) (2002)140 Li et al. Journal of Fluorine Chemistry, Elsevier, vol. 126, n. 1 , 69−77, 2005 Todorova et al. Material Science and Engineering, Elsevier, vol. 152, n. 1−3, 50−54, 2008 Czoska et al. Journal of Physical Chemistry, vol. 112, 8951−8956, 2008
驚くべきことに、融解させたアルカリまたはアルカリ土類金属(例えばLiもしくはNaもしくはMg)、特にリチウムを用いて、フッ素をドープした酸化物、好ましくは金属酸化物、さらにより好ましくは二酸化チタンまたは酸化鉄の粒子を機能化させることが可能であることが、今や発見された。得られる材料は、表面的には、上述の金属のイオンで機能化され、イオン電池向けの固体電解質の製造に使用することができる。酸素元素と同様に、酸化物は、好ましくはチタン、鉄、ジルコニウム、ハフニウム、タングステン、タンタル、モリブデン、クロム、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、アルミニウム、スズ、スカンジウム、イットリウム、バナジウム、ニオブ、マンガン、ゲルマニウム、インジウム、カドミウムおよびランタニド元素の中から選択される少なくとも1つの金属元素、または室温および室内圧力において結晶性酸化物を形成する少なくとも1つの非金属元素、例えばケイ素およびリン、または酸素以外の同一元素の混合物によって形成される。
特に、熱重量分析によって、これらの新しい電解質は250℃までの安定性を有することが示され、それらは、伝導度が向上したことに関連する全ての利点を伴って、例えば高温リチウム電池中に使用されるべきであることが示唆され、後者は動力学的に緩やかなリチウムの拡散によって左右される。
典型的にはLiイオンが結晶の格子間位置を占める従来の固体電解質(LISICONまたはペロブスカイト型材料参照)とは異なり、本発明による固体電解質では、Liイオンは、例えば、ヒドロキシル基のプロトンをリチウムイオンで置き換えるプロセス(リチオ化と呼ばれるプロセス)によって機能化された、フッ素化された酸化チタンのマイクロメートル未満の粒子の表面上に位置する。それゆえに、これによって、その伝導度がそれ自体で使用されるために十分高い(かつ、ポリマー電解質の製造向けではない)固体電解質がもたらされる。この電解質は、場合により、その伝導度を向上させるために、イオン液体と反応させて、ハイブリッド有機/無機成分をもたらすこともできる。
それゆえに、本発明の1つの主題は、固体電解質を調製するための、平均粒子径が500nm未満、好ましくは10〜500nmの間であり、かつフッ素含量が0.5〜30重量%の間、好ましくは0.5〜5%の間、さらにより好ましくは1.0〜4%の間である、少なくとも1つの結晶性酸化物、好ましくは金属酸化物の粒子の使用に存する。
本発明の別の主題は、前述の粒子を含む、または前述の粒子からなる固体電解質に存する。
本発明の別の主題は、前述の固体電解質をイオン液体と反応させることによって得ることができる無機−有機ハイブリッド電解質に存する。
本発明の別の主題は、前述の固体電解質または前述の無機−有機ハイブリッド電解質を含む電池に存する。
本発明の目的では、フッ素をドープした酸化物の粒子という表現は、平均粒子径が500nm未満、好ましくは10〜500nmの間であり、かつフッ素、ヒドロキシル基、アンモニウム陽イオンおよび窒素酸化物を含む、前記結晶性酸化物、好ましくは金属酸化物の粒子を意味すると理解されよう。具体的な酸化チタンの場合では、フッ素をドープしたTiOの粒子、フッ素をドープした二酸化チタンの粒子、またはFTという表現は、平均粒子径が500nm未満、好ましくは10〜500nmの間、さらにより好ましくは50〜300nmの間であり、その表面上にフッ素、ヒドロキシル基、アンモニウム陽イオンおよび窒素酸化物を有する、アナターゼの粒子を意味すると理解されよう。
より具体的には、その粒子は「シェル−コア(shell−core)」タイプであり、すなわち、好ましくは金属、さらにより好ましくは二酸化チタン、具体的にはアナターゼである結晶性酸化物を実質的に含む内部コア、および平均厚さが0.3〜20nmの間、好ましくは0.6〜10nmの間である表面被膜から形成されている。表面被膜は、金属原子と架橋するフッ素原子および末端のフッ素原子を含み、ヒドロキシル基、アンモニウム陽イオンおよび窒素酸化物もまた多量に、その被膜の表面上に位置している。
具体的なアナターゼの場合では、被膜はチタン原子と架橋するフッ素原子および末端のフッ素原子を含み、ヒドロキシル基、アンモニウム陽イオンおよび窒素酸化物もまた多量に、その被膜の表面上に位置している。
前述の、フッ素をドープした金属酸化物の粒子、および具体的には、フッ素をドープした二酸化チタンの粒子は、参照により本明細書に組み込まれている、国際特許出願WO2012/017347に記載されているプロセスを用いて得ることができる。
具体的には、フッ素をドープした酸化物、好ましくは金属酸化物、さらにより好ましくはフッ素をドープしたTiOおよび/またはFeの粒子を製造するための方法には、以下のステップが含まれ得る。
(a)ミネラル、具体的には金属ミネラルである、好ましくはチタンおよび鉄ミネラルを、NHHFの水溶液と反応させる。
(b)そうして得られた水分散液を濾過することにより、固体残渣と、チタン塩を含む水溶液とを分離する。
(c)そうして得られた水溶液を、pH6.5〜8.0の第一段およびpH9.0〜11.0の第二段を含む加水分解で加水分解する。
(d)そうして得られた水分散液を濾過し、固体残渣に、最大温度約500℃、好ましくは約450℃、さらにより好ましくは約350℃で熱加水分解を施す。
(e)場合により、ステップ(d)から得られる濾液を温度150〜170℃、好ましくは約160℃に加熱し、0.5から2時間の期間にわたってその温度で維持することにより、水に再溶解させているとステージ(a)にリサイクルすることができるNHHFの製造を伴う。
(f)場合により、ステップ(b)で形成された固体残渣に、最大温度500℃、好ましくは450℃で熱加水分解を施す。
酸化物が金属酸化物であり、具体的にはこの金属がチタンである場合、この方法には、場合によると濃縮されることのあるミネラルのイルメナイト(FeTiO)からチタンを抽出することが含まれ、この抽出は適切な反応器内で行われ、そのミネラルを、10重量%〜37重量%の間、好ましくは約30重量%であり、pHが好ましくは5.5〜5.7の間である、NHHFの濃い水溶液と反応させる。NHHFとの反応を開始する前にICP−AESを使用して実施したイルメナイトの化学分析によって、そのミネラルには微量(<1重量%)のAl、Ca、Co、NiおよびZnが含まれることが示された。1.1重量%のWもまた存在する。
好ましくは平均粒子径が0.05〜1.5mm、さらにより好ましくは約0.2mmであるそのミネラルを反応器へ添加し、80〜120℃、好ましくは約100℃に予熱してもよい。ミネラルは、反応器内に存在する気体が、その砂向けの吸入管を通って上昇するのを予防するシステムを用いて、反応器の底部に添加するべきであることが示唆される。NHHFの水溶液は、50〜100℃に、好ましくは約80℃に予熱されることが好ましく、イルメナイトとNHHF溶液(好ましくは30重量%)の重量比は、通常は1:6〜1:8の間、好ましくは約1:7.5である。
反応器は、具体的には反応器の底部区域において、試薬間(イルメナイトおよび溶液)の密接な接触を促進するような方法でイルメナイト砂を撹拌する装置を有する。その撹拌は、場合によると、反応器の頂部において乱流運動を生み出さないようなものであり、最良の実施形態では、撹拌速度は20rpmを、好ましくは10rpmを超えるべきではない。
反応器内の温度は100〜110℃、好ましくは104〜106℃、さらにより好ましくは約105℃に、圧力は約1〜2barの間に維持されるが、これは当技術分野で公知の従来のデバイス、例えば反応器の外側の加熱ジャケットシステムを使用して達成してもよく、最良の実施形態では、最大量の熱が、試薬の濃縮が最も大きい反応器の底部分を通って伝搬する。また、気体状化合物が外部環境中へ逃げるのを予防するために、漏れのない反応器を使用するべきことが推奨される。反応の好ましい時間は40から80分である。
この操作状況下における反応器内のpHは約6.5〜7.0である。
その反応によって気体状アンモニアが製造され、これは、反応器の外部へ運び、その次にチタン塩を加水分解させる後続ステージにおいて使用されてもよい、水酸化アンモニウムNHOHの濃縮溶液(約24重量%)を得るために水に吸収させてもよい。アンモニアの除去によってもまた、反応器内の圧力を調整する(通常は約1bar)ことが可能である。
FeTiOとNHHF(水溶液中)の間の反応によって、ヘキサフルオロチタン酸アンモニウム(NHTiFおよびヘキサフルオロ鉄(III)酸アンモニウム(NHFeFの2つの塩が製造される。そのチタン塩は、温度に正比例的に左右され、NHHFの濃度に反比例的に左右される溶解度を有し、それゆえに、それは本反応条件下において溶液中に残存する。その代わりに、鉄塩は無視できるほど小さい溶解度を有し、固体分散体の形態のまま残る。
分散された(NHFeF塩を含むNHHFと(NHTiFの水溶液を反応器から回収する。反応器を出た分散液は、0.1〜2.0μmの間の大きさの固体粒子を保持できるフィルターを通されるが、この結果は2〜3nm、約2.5nmの孔を有する網を使用して達成され得る。鉄塩の固体分散体は、この区画においてチタン塩溶液から分離される。
濾過された沈殿物は、さらにNHFおよび/またはNHHFの溶液を用いて洗浄し、次に2回目の濾過を行ってもよく、これらの2回の濾過は同一の濾過装置内で行ってもよい。
濾過の出口において、以下の
(a)主に鉄塩(NHFeFを含む固体沈殿物部分、
(b)チタン塩(NHTiF、二フッ化アンモニウム(NHHF)、および、最終製品に対しては汚染物質である微量の鉄塩(NHFeFを含む水溶液
が得られる。
固体沈殿物部分(a)は、通常は水分含量が10〜20重量%の間であり、使用する濾過デバイスに左右される。水溶液(b)は、通常は鉄塩(NHFeF含量が約0.04〜0.06重量%である。
濾過ステージからの水溶液(b)は次に、その濃度を0.01重量%未満、好ましくは0.001%未満(鉄塩濃度として理解されたい)に低下させるために、さらに鉄塩(NHFeFから浄化され、これは溶液中のFeイオンが約2.5mg/L(2.5ppm)であることに相当する。
これは、濃縮水酸化アンモニウム(NHOH)溶液(約24重量%)を添加することによって溶液のpHを6.5〜8.0に、好ましくは7.0〜8.0に、さらにより好ましくは7.0〜7.5に転換させることによって引き起こされ、この操作の結果として、残渣の鉄塩(NHFeFを取り込んで析出する不溶性のアンモニウムオキシフルオロチタネート(ammonium oxyfluorotitanate)[(NHTiOF)]が形成される。
この操作は、温度50〜70℃、好ましくは約60℃であり、撹拌を備え、撹拌速度が通常は40〜90rpm、好ましくは約50rpmである反応器内で実施され、添加されるNHOHの量は、容器からの流出物中のpHを好ましい値である7.0〜8.0、さらにより好ましくは7.5〜8.0に維持することによって調整される。
分散液を濾過してチタン塩(NHTiFの水溶液を得、さらに、鉄ならびにチタン複合物および鉄塩(NHFeFを含む沈殿物を含む化合物から浄化する。
この沈殿物を、酸性化のために、撹拌を備えた別の容器の中で再び溶解させてもよく、これは、pH約6.5〜7.0まで濃縮NHFおよび/または場合によりNHHFの溶液(約40〜50重量%)を添加することによって行われ、この方法によって(NHTiFが形成され、チタン塩が再び可溶性となる。次に、主反応器からの流出物に加えて、そうして得られた溶液/分散液がリサイクルされる。
この溶液/分散液は、可溶性のチタン塩(NHTiFおよび、アンモニウムオキシフルオロチタネートに、それが析出する時に取り込まれている不溶性の鉄塩(NHFeFの両方を含む。これによって、廃棄物を全く製造することなく、両方の金属を完全に回収することが可能となる。
チタン塩(NHTiF、NHFおよび水を含む浄化された溶液に、次にさらなる加水分解を施す。
さらなる加水分解は、撹拌を備え(約10rpm)、温度50〜70℃、好ましくは約60℃に維持した反応器内で実施される。その反応は、溶液のpHを非常に高い値、好ましくは9〜11、さらにより好ましくは約10〜11(反応器からの流出物を監視する)に上昇させることによって行われ、この結果は水酸化アンモニウムNHOHの濃縮溶液(約24重量%)を添加することによって得られ、この水酸化アンモニウム溶液は好ましくは反応に必要とされるそれに比べて大過剰の量が使用される。
さらなる加水分解によって、大きさ約0.01μmの粒子の形態の、水和したチタン塩と酸化物の混合物(NHTiOF+(NHTiOF+TiO・nHOの沈澱が生じる。結果として、濾過して取り除くこともできる塩を含む固体が分散したNHFの水溶液が、加水分解反応器の中で製造される。
そうして得られた分散液を、次に、極めて微細な網目(2〜3nm、好ましくは約2.5nm)を有するフィルターを通して濾過する。
NHF、水、過剰のアンモニアおよび微量のチタン塩を含む、フィルターを出た溶液を、好ましくは処理して、イルメナイトと反応するステージにおいてそれを再使用できるように、固体NHHFを得る。この操作を実施するために、その溶液を、非常にわずかな負圧(10から60mmHg)の存在下で、好ましくは沸騰するまで加熱し、これに伴ってアンモニアが放出され、次に温度を150〜170℃まで上昇させ、少なくとも60分間、好ましくは60〜120分間それを維持し(依然として負圧下)、結果としてNHF塩の、NHHFおよびアンモニアへの分解が生じ、後者は取り除かれる。この操作の後には反応器の底部に固体塩が存在し、これを水に溶解させて、10重量%から37重量%、好ましくは約30重量%で、pHが5.5〜5.7の溶液を得る。
フィルターを出た沈殿物部分は、通常は濾過装置に応じて水分含量が10〜20重量%の間であり、熱加水分解プロセスを施される。より詳細には、水が除去される点まで乾燥させた後、チタン塩を含む沈殿物は、最大温度500℃、好ましくは最大温度が330〜470℃の間、さらにより好ましくは350〜450℃の間で、最大温度で1〜3時間、好ましくは約2時間の期間にわたって維持される熱加水分解にかけられ、これは通常は過熱蒸気の雰囲気内の炉内で行われ、最大温度には、好ましくは3〜6℃/分、さらにより好ましくは5℃/分の勾配で徐々に到達させる。
方法のこのステップによって、本発明の二酸化チタンの粒子を得ることが可能であり、それは平均粒子径が500nm未満であること、およびフッ素含量が0.5〜5重量%の間、好ましくは1.0〜4%の間であることによって特徴付けられる。
また、固体沈殿物部分(a)は熱加水分解プロセスにかけてもよい。より詳細には、鉄塩を含む沈殿物は、水が排除されるまで乾燥させた後、最大温度500℃、好ましくは最大温度が330〜470℃の間、さらにより好ましくは350〜450℃の間で、好ましくは、最大温度で0.5〜3時間、さらにより好ましくは約1時間の期間にわたって維持される熱加水分解にかけられ、これは通常は過熱水蒸気の雰囲気を有する炉内で実施される。
方法のこのステップによって、本発明の酸化鉄(Fe)の粒子を得ることが可能であり、それは平均粒子径が500nm未満であること、およびフッ素含量が5〜20重量%の間、好ましくは7〜15%の間であることによって特徴付けられる。
炉から抽出され、NH、HF、HOを含む気体状化合物は、通常は冷却され、水に吸収させて、容易にリサイクルされ反応器へ充填して再使用することのできる、NHFおよび/またはNHHFの濃縮溶液が得られる。結果としてチューブの閉鎖を生じさせるNHFおよび/またはNHHFの結晶の形成を予防するために、その気体は水に吸収させる前に200℃未満に冷却するべきでないことが推奨される。
これらの状況下において、金属が鉄またはチタンである場合、全てのアンモニア性のフッ素結合が破壊され、フッ素をドープしたTiOまたはFeの粒子をそれぞれ明確に含む粉末製品が得られる。
以下に示す特徴は、本発明による、フッ素をドープしたTiOの粒子に当てはまるものである。
・HR−TEM(高分解能透過電子顕微鏡)による分析によって、FT粉末のマイクロメートル未満の形態が明らかにされる。具体的には、その粒子は多分散の粒子径分布を有し、鋭い端部を有する規則的な形状、または不規則でより小さいサイズの形状のいずれかとして存在することが示される。両方のタイプの粒子に対する面間距離の測定によって、大きさ500nm未満のアナターゼのナノ結晶の存在が明らかにされる(図1および図2参照)。
・10kVの加速電圧および標準的な二次電子検出器を使用して実行される走査型電子顕微鏡(SEM)分析によって、幾つかの粒子が集合して球状の塊を形成していた一方で、幾つかが集合して、40〜60μmの間で変動する、好ましくは約50μmの長さの辺を有する、内部が空洞の8面体構造を形成していたことが示された(図3および図4参照)。
・エネルギー分散型微量分析を備えたSEM(SEM−EDS)を使用する元素分析によって、フッ素の重量による量(粒子の合計質量に対して)が0.5〜5重量%の間、好ましくは1.0〜4重量%の間であることが明らかにされた。
・XPS(X線光電子分光法)による表面元素分析によって、チタンに対するフッ素の量が9%〜30%モルの間であることが明らかにされ、これはフッ素の重量分率が1.5〜9重量%の間、好ましくは2.1〜6.8重量%の間であることにおおよそ相当する。後者の値は走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して得られた値よりわずかに大きく、結晶の構造がフッ素により富んでおり、他の元素(窒素およびヒドロキシル基)が表面上に位置していることを表している。
・元素分析によって、窒素の量が0.2〜8重量%の間、好ましくは0.3〜7.5%の間、さらにより好ましくは2.5〜7%の間であり、かつ水素の量が0.05〜4重量%の間、好ましくは0.08〜3%の間、さらにより好ましくは1.5〜2.5%の間(パーセンテージは粒子の合計質量に対して表される)であることが明らかにされ、窒素がとりわけ表面上のアンモニウム基、NH、および窒素酸化物、NOと関連していた一方で、水素の存在は表面のヒドロキシル基と関連していた。
・ICP−AESを使用して実施した粒子の化学分析によって、それが微量(<1重量%)のCa、Co、Fe、K、Mg、Nb、Ni、W、SiおよびZnを含むことが示された。
・X線回折(XRD)調査によって、FT粒子が、アモルファスの微量物またはルチルへの移行が始まった微量物がなく、単一の結晶相−アナターゼ−で構成されていることが確かめられた。FT粉末のXRDスペクトルから、フッ素の存在に起因する構造の変更は確認されず、それゆえに、これはFT粒子の表面上にのみ存在していると考えられ得る。
全ての調査から、粒子はフッ素を含む二酸化チタンのナノ結晶、好ましくはアナターゼであることが分かり、そのナノ結晶は、フッ素が主にその表面上に存在しているという点、およびその濃度が、表面から離れる、すなわち結晶の中心に近づくにつれ徐々に減少するという点において特徴付けられる。
以下に示す特徴は、本発明による、フッ素でドープしたFeの粒子に当てはまるものである。
・10KVの加速電圧および標準的な二次電子検出器を使用して実行される走査型電子顕微鏡(SEM)分析によって、幾つかの粒子が集合して球状の塊を形成していたことが示された(図12参照)。
・エネルギー分散型微量分析を備えたSEM(SEM−EDS)を使用する元素分析によって、フッ素の重量による量(粒子の合計質量に対して)が1〜30重量%の間、好ましくは5〜20重量%の間であることが明らかにされた。
元素分析によって、窒素の量が0.1〜2重量%の間、好ましくは0.15〜1.7%の間、さらにより好ましくは0.2〜1.5%の間であり、かつ水素の量が0〜2重量%の間、好ましくは0〜1.5%の間、さらにより好ましくは0〜1.25%の間(パーセンテージは粒子の合計質量に対して表される)であることが明らかにされた。それゆえに、本発明の1つの態様は、フッ素(またはフッ素原子)が実質的に粒子の表面上に存在するという事実によって表され、言い換えれば、フッ素の少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%が粒子の表面層上に存在し、その表面層の平均厚さは0.3〜20nmの間、好ましくは0.6〜10nmの間である。
実施された調査により、また、フッ素原子はチタン原子間の架橋を形成するかまたは末端であるかのいずれかであることも示される。
アンモニウム陽イオンおよび窒素酸化物と同じく、ヒドロキシル基もまた粒子の表面上に存在する。
粒子の「シェル−コア」構造、すなわちフッ素およびヒドロキシル基が表面に位置することは、固体電解質の製造にこれらを使用する目的において果たされる重要な役割を有する。
それゆえに、本発明の第1の主題は、固体電解質、具体的にはイオン電池向けの固体電解質の調製のための、フッ素でドープした酸化物、好ましくは金属酸化物の粒子、具体的にはフッ素でドープした二酸化チタンおよび/または鉄の粒子の使用に存する。
具体的には、本発明は、固体電解質の調製のための、平均粒子径が500nm未満、好ましくは10〜500nmの間であり、かつフッ素含量が0.5〜30重量%の間、好ましくは0.5〜5%の間、さらにより好ましくは1.0〜4.0%の間(パーセンテージは粒子の合計質量に対して表される)である、フッ素でドープした酸化物、好ましくは金属酸化物の粒子の使用に関する。
より具体的には、本発明は、固体電解質の調製のための、平均粒子径が500nm未満、好ましくは10〜500nmの間、さらにより好ましくは50〜300nmの間であり、フッ素含量が0.5〜30重量%の間、好ましくは0.5〜5%の間、さらにより好ましくは1.0〜4.0%の間である酸化チタンの粒子の使用に関する。
本発明の別の態様によると、その粒子は窒素含量が0.2〜8重量%の間、好ましくは0.3〜7.5%の間、さらにより好ましくは2.5〜7%の間であり、かつ/または水素含量が0.05〜4重量%の間、好ましくは0.08〜3%の間、さらにより好ましくは1.5〜2.5%の間である。
固体電解質は好ましくは、無水の状態の上述の粒子を、融解した状態のアルカリ土類またはアルカリ金属、好ましくはリチウムと反応させることによって調製する。融解した状態のその金属は、好ましくは粒子に対して過剰に使用され、好ましくは金属は、粒子1重量部に対して1000〜0.5重量部の間の量、さらにより好ましくは粒子1重量部に対して50〜1重量部の間の量が使用される。
本発明の1つの態様によると、固体電解質は以下のステップを含むプロセスを使用して調製してもよい。
i)フッ素をドープした金属酸化物の粒子を少なくとも90℃、好ましくは95〜105℃の間の温度で乾燥させる。乾燥は場合によると減圧下で、好ましくは10−1mbar、さらにより好ましくは2×10−1〜0.5×10−1mbarの間の圧力で実施され、それは好ましくは48〜96時間にわたって、さらにより好ましくは約72時間にわたって実施される。
ii)乾燥させた粒子を、好ましくは0.5〜1000重量部の間、さらにより好ましくは1〜50重量部の間の、大過剰の量の融解金属と、不活性気体、好ましくはアルゴン雰囲気の中で反応させる。その反応は金属の融解温度より高いかまたは等しい、好ましくは10〜30%だけ高い温度で実施され、リチウムの場合、その反応は200〜240℃の間、好ましくは約220℃の温度で実施される。粒子と融解金属の混合物は、1〜3時間にわたって、好ましくは約2時間にわたって、この温度に維持される。
iii)混合物は、次に室温、すなわち好ましくは20〜25℃の間の温度で冷却するように置かれ、結果として未反応の過剰の金属の固化が生じる。
iv)上記によって得られた固体は、次に、未反応の過剰の金属を除去するために、アルコール、好ましくはアルコールC〜C、さらにより好ましくはエタノールを用いて洗浄される。固体の重量部(g)あたり好ましくは10から100体積のアルコール(ml)、さらにより好ましくは固体の重量部あたり10〜50体積のアルコールが使用される。次に、固体相から液体相を分離するために、濾過を実施する。
v)上記によって得られた固体相を、少なくとも90℃、好ましくは95〜105℃の間の温度で、場合によると減圧下で、好ましくは10−1mbar、さらにより好ましくは2×10−1〜0.5×10−1mbarの間の圧力で乾燥させ、それは好ましくは12〜36時間にわたって、さらにより好ましくは約24時間にわたって実施される。
具体的には、フッ素をドープした二酸化チタン粒子と融解リチウムの反応の際に、酸化物の粒子は、粉末の外形を維持しながら色が変化することが確認されることもある。反応の進行は赤外(IR)分光法によって監視されることにより、リチウムイオンが、フッ素化された酸化物の表面のヒドロキシル基を塩化させたことが示され、さらにO−Li結合に起因する新しいシグナルが出現した。TiOに関しては、図5に示すMIR(中赤外)スペクトルによって、リチオ化後にFT中に存在するヒドロキシル基の典型的なシグナル(2500〜3500cm−1の間)が消失すること、および、それらの起こり得る塩化に起因することもあり、かつ任意の場合において粒子の表面構造の変更の徴候である変更を、ニトロ基に属する基(1400cm−1)が受けていたことが明らかにされた。
なおもTiOに関して、図6によって、Li−O結合が伸長したことに起因する388および357cm−1のシグナルを示すFIR(遠赤外)スペクトルが示され、これによってヒドロキシル基のリチオ化反応が生じていたことが確かめられる。
フッ素をドープした二酸化チタン粒子のリチオ化の反応は、以下のように図によって表すこともできる。
以上のように、その反応によって、アルカリまたはアルカリ土類金属の陽イオン、当該場合においてはLiをその表面上に持つ粒子の形成が導かれる。新しい化合物は以下LiFTと表示されよう。
これらの粒子は、前述の陽イオンの存在のゆえに、電池、好ましくは二次リチウム高温電池の中に使用される固体電解質として使用されてもよい。典型的にはリチウムイオンが結晶の格子間位置を占める従来の固体電解質(LISICONまたはペロブスカイト型材料参照)とは異なり、当該場合においてはリチウムイオンが表面上に位置し、それゆえに、イオン伝導度のメカニズムは粒子の表面上のLiのホッピングプロセスに起因する。
アルカリまたはアルカリ土類金属を用いる前述の塩化プロセスによって得られ、それゆえに本発明の別の主題を形成する、結晶性酸化物、好ましくは金属酸化物、さらにより好ましくは二酸化チタンおよび/または酸化鉄の粒子もまた、平均粒子径が500nm未満、好ましくは10〜500nmの間、さらにより好ましくは50〜300nmの間である。それらのフッ素含量は0.5〜30重量%の間、好ましくは0.5〜5%の間、さらにより好ましくは1〜4%の間であり、アルカリまたはアルカリ土類金属、好ましくはリチウムの含量は0.5〜5重量%の間、好ましくは1〜4%の間であり、窒素含量は0.2〜8重量%の間、好ましくは0.3〜7%の間であり、かつ/または水素含量は0.1〜0.5重量%の間、好ましくは0.15〜0.4%の間である(パーセンテージの量は粒子の合計質量に対して表される)。
具体的には、電解質はそれ自体として使用してもよく、またはその伝導度を向上させるためにイオン液体と反応させることにより、ハイブリッド無機−有機電解質を得て使用してもよい。
イオン液体は、例えば参照により本明細書に組み込まれているGali’nskiら、Electrochimica Acta、51(2006)5567〜5580に記載されているように、室温、すなわち20〜25℃の間の温度で液体であるように、融解温度が非常に低い塩である。
本発明の目的のために使用され得るイオン液体には、例えば1−エチル−3−メチルイミダゾリウム[EtMeIm]+、トリメチルプロピルアンモニウム[TMePrA]+、N−メチル−N−プロピルピリジニウム[MePrPi]+、N−メチル−N−プロピルピペリジニウム[MePrPp]+、1−ブチル−1メチルピロリジニウム[BuMePi]、トリエチル−スルホニウム、コリニウムアセテート等の陽イオンのイミダゾリウム、アンモニウム、ピリジニウム、ピペリジニウム、ピロリジニウム、スルホニウムおよびコリニウムから、ならびに陰イオンのbis−トリフルオロメチル−スルホニルイミド[TFSI]-、テトラフルオロボレート[BF4-、ヘキサフルオロホスフェート[PF6-から得ることができるものが含まれる。
本発明の目的のために好ましいイオン液体は、
−EMImTFSIと表示される、陰イオンN,N−bis(トリフルオロメタン)スルホニルイミド(TFSI)を伴う1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(EMIm)、
−およびEMImBFと表示される、陰イオンテトラフルオロボレート[BFを伴うEMIm
である。
イオン液体との反応は混合によって、好ましくはボールミル内で実施され、アルカリまたはアルカリ土類金属を用いて機能化させたフッ素化された酸化物の粒子は、イオン液体1重量部に対して20〜1重量部、好ましくは8〜2重量部である。反応は、室温、すなわち20〜25℃の間の温度で、不活性気体、好ましくはアルゴン雰囲気の中で実施されるのが好ましい。好ましくは、それは0.5〜2時間にわたって、さらにより好ましくは1時間にわたって実施される。
LiFtをEMImTFSIと反応させることによって、化合物LiFT−EMImTFSIが製造される。
画像HR−TEM 2.4Åに等しい、FT中のアナターゼのナノ結晶の面間距離を示すHR−TEM画像の詳細 走査型電子顕微鏡(SEM)分析 走査型電子顕微鏡(SEM)分析 FTおよびLiFTのMIRスペクトル LiFTのFIRスペクトル(および、比較として、フッ素化されていない二酸化チタンそのもの) LiFTおよびLiFFeOの伝導度グラフ FT、LiFTおよびLiFT−EMImTFSIに関する、1/Tに対するLog(σ)のグラフ 円筒対称システム 電解質LiFT−EMImTFSIを用いるLi電池の放電曲線 電解質LiFFeO−EMImTFSIを用いるLi電池の放電曲線 フッ素化されたFe酸化物の画像
本発明によって生じる利点は、説明の用途向けであり、本発明自体を限定するものではない以下の例から明らかとなろう。
図8には、広帯域誘電分光法(BDS)から得られる、FT、LiFTおよびLiFT−EMImTFSIについての電気伝導度の値が示され、同一温度では電気伝導度(log σとしてy軸に沿って表される)はLiFT−EMImTFSI>LiFT>FTというスケールであることが示される。
実施例
−フッ素をドープしたTiOの調製
7リットルの水、3kgのNHHF塩、および粒子径200マイクロメートル未満まで篩ったイルメナイト砂1341gを、約10リットルの体積を有する撹拌付き反応器内に入れた。次に混合物を大気圧において沸騰させ、約1時間にわたってそれで維持した。ミネラルを用いる反応のこのステージの後、反応器の底部のバルブを通して4リットルの溶液を出し、次に濾過した。
チタンおよびフッ化鉄の塩を含む、このようにして濾過された溶液に、アンモニアの30%濃溶液1.5リットルを添加し、70℃に調温し、pHを7.3に上昇させた。濾過によって白色の沈澱が分離され、濾液にさらにアンモニアの30%濃溶液2リットルを添加して約9.5のpHを得た。後続の熱加水分解ステージにかけられる白色の沈澱は、濾過によって分離された。この湿った中間物(水分含量約20%)約30gをアルミニウムチューブの中に置いた。そのチューブを炉チャンバーの中に挿入した。次にそれを、5℃/分で450℃まで加熱し、2時間にわたってそれで維持した。
その後、緩やかに冷却した。テスト全体の間にわたって、それが高温のままであるのが終わるまで、約20g/分の蒸気をチューブに供給した。
最終の粉末は、外見は黄色で、凝集しておらず、約1.2重量%のフッ素でドープされたアナターゼからなり、以下FT(フッ素化されたチタニア)と呼ばれた。
−フッ素をドープしたFeの調製
7リットルの水、3kgのNHHF塩、および粒子径200マイクロメートル未満まで篩ったイルメナイト砂1341gを、約10リットルの体積を有する撹拌付き反応器内に入れた。混合物を大気圧において沸騰させ、約1時間にわたってそれで維持した。
ミネラルを用いる反応のこのステージの後、上記により形成された濁った溶液を、主に(NHFeFからなる固体を分離するために濾過した。沈澱を乾燥させ、酸化鉄の中間物を形成するために粉砕した。約30gのこの中間物をアルミニウムチューブの中に置いた。そのチューブを炉チャンバーの中に挿入した。次にそれを、5℃/分で450℃まで加熱し、1時間にわたってそれで維持した。その後、緩やかに冷却した。テスト全体の間にわたって、それが高温のままであるのが終わるまで、約20g/分の蒸気をチューブに供給した。最終の粉末は、外見は赤錆色で、凝集しておらず、約30重量%のフッ素でドープされた酸化鉄からなり、以下FFeO(フッ素化された酸化鉄)と表示された。
実施例1のようにして得られたFTの一部を、減圧下で72時間にわたって100℃および10−1mbarで乾燥させた。
実施例2のようにして得られた2gのFTを、220℃で、イソマントルを使用して、常に混合しながら、大過剰の融解リチウムと反応させた。反応は、るつぼの中で、アルゴン雰囲気下(酸素および水<1ppm)で実施された。FTと融解リチウム金属を2時間にわたって反応させた。反応の過程において、フッ素化されたチタニアが、粉末の外形を保持しながら色が麦わら色から青色に変化したことが確認された。製品はエタノールを大量に用いて(合計700ml)洗浄され、LiFTとして知られる最終製品が得られた。ICP−AES分析によって、LiFTがTi 33.8%、C 0.30%、N 0.37%、H 0.26%、Li 1.34%およびO 62.73%の組成を有することが明らかにされ、SEM−EDSによってフッ素含量が約1.2重量%であることが示された。
−比較の伝導度測定
FTの調製向けの、実施例4の記載と同一のプロセスを使用して、溶融Liを用いた処理の後にフッ素化されたFe酸化物となるLiFFeOが得られる。ICO分析によって2.7重量%のLiの存在が明らかにされ、このパーセンテージは平均してLiFTのそれの2倍である。別の分析によって、LiFFeOの組成がC 0.26%、N 0.01%、Li 2.7%であると明らかにされた。
−100から150℃の温度範囲で測定したLiFTおよびLiFFeoの伝導度を示すグラフを図7に示す。幾つかの特徴的な温度における伝導度の値を以下に列挙する。
伝導度@30℃ 1.12×10−4Scm−1
伝導度@100℃ 5.09×10−4Scm−1
伝導度@140℃ 1.06×10−3Scm−1
伝導度の値の推移を比較することにより、a)低温においては、LiFTに比べLiFFeOの伝導度がより大きいこと、b)高温においてはLiFTの伝導度がLiFFeOより大きいことが確認され得る。
実施例4のようにして得られたLiFT352.5mgを、アルゴン雰囲気下で、ボールミル内で88.1mgのEMImTFSI(25重量%)と1時間にわたって反応させる。このように混合することによってLiFTとEMImTFSIの中間が得られ、これによって二酸化チタンの表面上へのイオン液体の吸着が確実とされ、Liイオンとイミダゾリウム陽イオンの間のイオン交換が可能となる。上記により電解質LiFT−EMImTFSIが得られる。
実施例4のようにして得られた320.2mgのLiFTを、アルゴン雰囲気下で、ボールミル内で80mgのEMImBFと1時間にわたって反応させる。このように混合することによってLiFTとEMImBFの中間が得られ、これによって二酸化チタンの表面上へのイオン液体の吸着が確実とされ、Liイオンとイミダゾリウム陽イオンの間のイオン交換が可能となる。上記により電解質LiFT−EMImBFが得られる。
電解質LiFT−EMImTFSIを用いるリチウム電池を以下の手順によって調製した。
(a)直径約13mmで、かつ厚さ約0.5mmの金属リチウムの円盤を調製する。この円盤がアノードを形成すると見込まれる。アノードはまた、上記によりリチウムイオン電池が得られるように、グラファイトから構成されてもよい。
(b)カソードは、それぞれ30重量%および70重量%の割合の、LiTi12の粉末から形成される小片およびグラファイトからなり、10重量%のポリアクリロニトリルがそれに添加され、また、カソードの材料はLiCoO、LiNiO、LiFePO、LiMnまたはLiMnOから構成されてもよい。
(c)電解質は、実施例6に記載のプロセスによって得られるLiFT−EMImTFSIからなる。
(d)電解質は、図9に示す円筒対称システムを形成するように、アノード材料とカソード材料の2つの小片の間でプレスされる。
得られた電池は、500μAの定電流で電圧1Vまで放電させた。図10に、最初の放電曲線のプロファイルを示す。図から理解され得るように、その電池は容量が303mA h g−1であり、かつ放電プラトーが約1.4Vである。
実施例6に示されるプロセスによって電解質LiFFeO−EMImTFSIを調製する。実施例8に記載される手順および試薬によって、電解質LiFT−EMImTFSIを用いるリチウム電池を調製した。電解質は、図9に示す円筒対称システムを形成するように、アノード材料とカソード材料の2つの小片の間でプレスされる。図11に放電曲線のプロファイルを示す。充電および放電曲線は、過電圧および動きが小さい場合、経時的な再現可能性が高く、これはシステムの可逆性が非常に良いことを示す。そのセルの放電プラトーは約2.3Vを中心とし、充電プラトーは約2.5Vを中心としている。充電および放電のカットオフ値はそれぞれ2.95および2.05Vである。電池は、このタイプのボタン型電池で標準的である約100μA/cmに対応する80μAの定電流で循環させた。容量は81mAh/gに相当し、これは、LiTi12における理論値130mAh/gよりわずかに小さい値である。
2gのFTを、120℃で、イソマントルを使用して、常に混合しながら、大過剰の量の溶融Naと反応させる。反応は、るつぼの中で、アルゴン雰囲気下(酸素および水<1ppm)で実施された。FTと溶融金属ナトリウムを2時間にわたって反応させた。製品はエタノールを用いて徹底的に洗浄された。このようにして、FT等のフッ素化された酸化物を、ナトリウムを用いて機能化させることが可能であった。
−BDS測定
実施例1に記載されるプロセスを使用して得られたFTの試料、実施例4に記載されるプロセスを使用して得られたLiFTの試料、および実施例6に記載されるプロセスを使用して得られたLiFT−EMImTFSIの試料に、広帯域誘電分光法(BDS)が施された。
この目的のために、それらの試料の、直径が13mm〜20mmの間であり、かつ厚さが100マイクロメートル〜500マイクロメートルの間である小片が使用された。
BDS測定は、周波数範囲10MHz〜7MHzにおいて、かつ温度範囲−100〜155℃において、温度制御システムと結合したインピーダンスアナライザーによって実施され、そのアナライザーは広い周波数範囲における試料の複素インピーダンスZ(ω)を測定し、次に複素誘電率および伝導度ε(ω)およびσ(ω)を計算する。
電解質FTまたはLiFTまたはLiFT−EMImTFSIの全体の伝導度σは、異なる個別の化学的/物理的な電荷移動現象によって決定される。FTおよびLiFTの場合、伝導度はそれぞれHまたはLiのホッピングによって決定される。
電解質として使用されるイオン液体(EMImTFSIのタイプ)においては、伝導度は、σp1、σp2およびσp3と詳述される、同一のイオン液体の陰イオンと陽イオンのクラスターの界面間での個別の分極現象によって決定される。図8では、区域IIIおよびII(したがって、T>EMImTFSIの合同のTであり、−10℃に等しい)において、σp1、σp2およびσp3による伝導度の値はLiFTの伝導度より大きいことが確認され、したがって、LiFT単独に優先してLiFT−EMImTFSIを使用することの利点が示される。
T<−10℃(EMImTFSI固体)である区域Iにおいて、LiFT−EMImTFSIの伝導度σdcはLiFTのσdcより小さく、最初の化合物において、Liより稠密な複合物[Li(TFSI)のホッピングによって電荷の移動が生じたことが示される。

Claims (26)

  1. 固体電解質の調製のための、少なくとも1つの結晶性酸化物の粒子の使用であって、平均粒子径が500nm未満であり、かつフッ素含量が0.5〜30重量%の間であり、
    前記粒子が、ヒドロキシル基、アンモニウム陽イオンおよび窒素酸化物を含み、
    前記ヒドロキシル基が前記粒子の表面上に存在し、
    前記粒子の表面のヒドロキシル基のプロトンがアルカリ又はアルカリ土類金属イオンで置き換えられていて、当該粒子が固体電解質として使用され得るようになっていることを特徴とする、使用。
  2. 前記粒子の平均粒子径が10〜500nmの間であることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
  3. 前記粒子の窒素含量が0.2〜8重量%の間であり、かつ/または水素含量が0.05〜4重量%の間であることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
  4. 前記フッ素が実質的に前記粒子の表面上に存在することを特徴とする、請求項1に記載の使用。
  5. 前記フッ素の少なくとも80%が前記粒子の表面層内に存在し、前記表面層の平均厚さが0.3〜20nmの間であることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
  6. 前記結晶性酸化物が金属酸化物であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の使用。
  7. 前記金属酸化物が、二酸化チタンであることを特徴とする、請求項6に記載の使用。
  8. 前記粒子のフッ素含量が0.5〜5重量%の間であることを特徴とする、請求項7に記載の使用。
  9. 前記金属酸化物が酸化鉄であることを特徴とする、請求項6に記載の使用。
  10. 前記粒子のフッ素含量が5〜20重量%の間であることを特徴とする、請求項9に記載の使用。
  11. 平均粒子径が500nm未満であり、フッ素含量が0.5〜30重量%の間であり、アルカリまたはアルカリ土類金属の含量が0.5〜5重量%の間である、結晶性金属酸化物の粒子を含み、
    前記粒子が、ヒドロキシル基、アンモニウム陽イオンおよび窒素酸化物を含み、
    前記ヒドロキシル基が前記粒子の表面上に存在し、
    前記粒子の表面のヒドロキシル基のプロトンがアルカリ又はアルカリ土類金属イオンで置き換えられていて、当該粒子が固体電解質として使用され得るようになっていることを特徴とする、固体電解質。
  12. 前記粒子の窒素含量が0.2〜8重量%の間であり、かつ/または水素含量が0.1〜0.5重量%の間であることを特徴とする、請求項11に記載の固体電解質。
  13. 前記アルカリ金属がリチウムであることを特徴とする、請求項11に記載の固体電解質。
  14. 前記結晶性金属酸化物が、二酸化チタンまたは酸化鉄であることを特徴とする、請求項11〜13のいずれか一項に記載の固体電解質。
  15. 固体電解質の調製のための、以下のステップ、
    (i)結晶性酸化物の粒子を少なくとも90℃の温度で乾燥させるステップであって、前記結晶性酸化物の粒子の平均粒子径が500nm未満であり、かつフッ素含量が0.5〜30重量%の間であり、前記粒子が、ヒドロキシル基、アンモニウム陽イオンおよび窒素酸化物を含み、前記ヒドロキシル基が前記粒子の表面上に存在する、ステップと、
    (ii)上記によって得られた乾燥させた粒子を、0.5〜1000重量部の間の大過剰の量の溶融金属と、不活性気体雰囲気の中で反応させるステップであって、前記溶融金属がアルカリまたはアルカリ土類金属である、ステップ
    (iii)上記によって得られた混合物を、室温で冷却させ、結果として未反応の過剰の金属が固化するステップ、
    (iv)上記によって得られた固体を、未反応の過剰の金属を除去するために、アルコールを用いて洗浄するステップ、
    (v)上記によって得られた固体相を、少なくとも90℃の温度で乾燥させるステップ
    を含むことを特徴とする方法。
  16. ステップ(ii)に記載の前記溶融金属がリチウムであることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
  17. ステップ(ii)に記載の反応が、200〜240℃の間の温度で実施されることを特徴とする、請求項16に記載の方法。
  18. ステップ(iv)の間、固体の重量部あたり10から100体積のアルコールが使用されることを特徴とする、請求項15に記載の方法。
  19. 前記結晶性酸化物が金属酸化物であることを特徴とする、請求項15〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記金属酸化物が、二酸化チタンまたは酸化鉄であることを特徴とする、請求項19に記載の方法。
  21. 前記結晶性酸化物が、
    (a)チタンミネラルをNH4HF2の水溶液と反応させるステップ、
    (b)上記によって得られた水分散液を濾過し、結果として固体残渣と、チタン塩を含む水溶液とを分離するステップ、
    (c)上記によって得られた水溶液に加水分解を施し、前記加水分解にはpH6.5〜8.0の第1の段階およびpH9.0〜11.0の第2の段階が含まれるステップ、
    (d)上記によって得られた水相を濾過し、固体残渣に、最大温度500℃で熱加水分解を施すステップ
    を含む方法によって得られることを特徴とする、請求項15〜20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記プロセスが、ステップ(d)から得られる濾液を温度150〜170℃に加熱し、0.5から2時間の期間にわたってこの温度で維持することにより、水に再び溶解させるとステップ(a)にリサイクルすることができるNH4HF2を得る、別のステップ(e)を含むことを特徴とする、請求項21に記載の方法。
  23. 前記方法が、ステップ(b)で形成された固体残渣に、最大温度500℃で熱加水分解を施す、別のステップ(f)を含むことを特徴とする、請求項21に記載の方法。
  24. 請求項11〜14のいずれか一項に記載の固体電解質をイオン液体と反応させるステップを含むことを特徴とする、無機−有機ハイブリッド電解質の製造方法。
  25. 前記イオン液体が、陽イオンのイミダゾリウム、アンモニウム、ピリジニウム、ピペリジニウム、ピロリジニウム、スルホニウムおよびピコリニウムから、ならびに陰イオンのbis−トリフルオロメチル−スルホニルイミド[TFSI]-、テトラフルオロボレート[BF4-、ヘキサフルオロホスフェート[PF6-から得ることができるものの中から選択されることを特徴とする、請求項24に記載の無機−有機ハイブリッド電解質の製造方法。
  26. 請求項11〜14のいずれか一項に記載の固体電解質を含むことを特徴とする、電池。
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