JP6058432B2 - エポキシ接着剤、及びレンズを備えたプリント配線板 - Google Patents

エポキシ接着剤、及びレンズを備えたプリント配線板 Download PDF

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本発明は、光半導体素子が搭載されているプリント配線板に、レンズを固定するために用いられるエポキシ接着剤に関する。また、本発明は、該エポキシ接着剤が用いられており、かつ光半導体素子とレンズとを備えるプリント配線板に関する。
発光ダイオード(LED)素子などの光半導体素子が、表示装置の光源等に広く用いられている。光半導体素子を用いた光半導体装置の消費電力は低く、かつ寿命が長い。また、上記光半導体装置は、過酷な環境下でも使用され得る。従って、上記光半導体装置は、携帯電話用バックライト、液晶テレビ用バックライト、自動車用ランプ、照明器具及び看板などの幅広い用途で使用されている。
また、液晶テレビ用バックライト用途などにおいて、光半導体素子が搭載されているプリント配線板を液晶画面の背後に設置した状態で発光が行われる、直下方式の光半導体装置の使用が増えている。光半導体素子が搭載されている細いプリント配線板を液晶画面の側面に設置した状態で発光が行われる、エッジ方式の光半導体装置と比較して、直下方式の光半導体装置では、テレビ筐体における設置面積を増やすことができ、放熱性を高めることができる。従って、直下方式の光半導体装置では、放熱性に優れるがコストが高いメタル基板等を用いなくてもよいため、コスト面で利点がある。一方で、直下方式の光半導体装置では、光半導体素子の発光が導光板などを通らず、画面に直接照射される。このため、直下方式の光半導体装置では、画面全体に光を均一に拡散させることが困難である。そこで、直下方式の光半導体装置では、不均一な光の拡散を解消するために、光半導体素子が搭載されており、かつ該光半導体素子の上方にレンズが配置されているプリント配線板が用いられている。上記レンズは、光を拡散させる。
また、上記レンズをプリント配線板に固定するために、接着剤が用いられる。上記レンズは、ポリメチル(メタ)クリレートなどの熱可塑性樹脂により形成されていることが一般的であり、上記レンズの耐熱性は一般的に低い。このため、上記接着剤には、低温で硬化可能であることが求められる。また、上記レンズにより反射する光を有効活用するために、上記接着剤の硬化物には、白色であることも求められる。また、上記接着剤の硬化物には、上記プリント配線板が湾曲しても、上記レンズが剥離しないように、高い接着力を有することが求められる。
下記の特許文献1には、エポキシ基を2個以上有するエポキシ樹脂と、チオール基を2個以上有するポリチオール化合物と、潜在性硬化剤と、固体有機酸とを含むエポキシ樹脂組成物(接着剤)が開示されている。上記固体有機酸は、上記エポキシ化合物、上記ポリチオール化合物及び上記潜在性硬化剤の混合物中に、基本的に不溶である。
特表2002−509178号公報
特許文献1に記載のような従来の接着剤では、低温で硬化可能ではあるものの、硬化物が白色でなかったり、硬化直後の硬化物が略白色であっても、後の段階で光半導体素子により発生する熱又は光の影響で、着色して白色でなくなったりすることがある。
さらに、特許文献1に記載の接着剤では、接着力に関して十分な考慮されていない。特に、特許文献1に記載の接着剤では、光半導体素子が搭載されているプリント配線板に上記レンズを接着した場合の、レンズの接着性(固定力)に関して何ら考慮されていない。
本発明の目的は、低温で硬化可能であり、かつ硬化後の硬化物を白色又は白色に近い色にすることができ、かつレンズの固定後にレンズの剥離を抑えることができるエポキシ接着剤を提供することである。また、本発明の目的は、上記エポキシ接着剤が用いられており、硬化物が白色又は白色に近い色であり、かつ硬化物の接着力が高いレンズを備えたプリント配線板を提供することである。
本発明の広い局面によれば、光半導体素子が搭載されているプリント配線板に、レンズを固定するために用いられるエポキシ接着剤であって、エポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物と、チオール基を2個以上有するチオール化合物と、窒素原子を有する潜在性硬化促進剤と、白色度が70以上である無機フィラーとを含み、エポキシ接着剤100重量%中、前記無機フィラーの含有量が1重量%以上、30重量%以下であり、有機溶剤を含まないか、又は有機溶剤を含みかつエポキシ接着剤100重量%中の前記有機溶剤の含有量が5重量%以下である、エポキシ接着剤が提供される。
本発明に係るエポキシ接着剤のある特定の局面では、厚み50μmの硬化物を得たときに、前記硬化物の反射率が50%以上である。
前記無機フィラーが酸化チタンであることが好ましい。前記無機フィラーがルチル型酸化チタンであることが好ましい。前記酸化チタンが、アルミナ又はシリカにより表面処理されていることが好ましい。
前記エポキシ化合物が、下記式(1)で表されるエポキシ化合物、ビスフェノールA型液状エポキシ化合物、ビスフェノールF型液状エポキシ化合物、フェノールノボラック型液状エポキシ化合物又はクレゾールノボラック型液状エポキシ化合物を含有することが好ましい。
Figure 0006058432
前記エポキシ化合物が、エポキシ基を3個以上有するエポキシ化合物を含有することが好ましい。前記チオール化合物が、2級チオール基を有するチオール化合物を含有することが好ましい。
本発明に係るエポキシ接着剤のある特定の局面では、該エポキシ接着剤は、酸化防止剤又は光安定剤をさらに含む。
本発明に係るエポキシ接着剤のある特定の局面では、該エポキシ接着剤は、ナノクレイを含む。
本発明に係るエポキシ接着剤のある特定の局面では、80℃で10分間加熱して硬化物を得たときに、前記硬化物が、硬化した樹脂中に、海部と島部とを含む海島構造を有する。
本発明に係るエポキシ接着剤のある特定の局面では、海島構造を有する前記硬化物において、前記海部の23℃での弾性率が、前記島部の23℃での弾性率よりも高い。
本発明に係るエポキシ接着剤のある特定の局面では、海島構造を有する前記硬化物において、前記海部と前記島部とが体積比で、95:5〜50:50である。
本発明の広い局面によれば、光半導体素子が搭載されているプリント配線板と、前記プリント配線板の前記光半導体素子が搭載されている表面上に配置されたレンズと、前記プリント配線板に前記レンズを固定している硬化物とを備え、前記硬化物が、上述したエポキシ接着剤を硬化させることにより形成されている、レンズを備えたプリント配線板が提供される。
本発明に係るレンズを備えたプリント配線板のある特定の局面では、前記硬化物が、硬化した樹脂中に、海部と島部とを含む海島構造を有する。
本発明に係るレンズを備えたプリント配線板のある特定の局面では、海島構造を有する前記硬化物において、前記海部の23℃での弾性率が、前記島部の23℃での弾性率よりも高い。
本発明に係るレンズを備えたプリント配線板のある特定の局面では、海島構造を有する前記硬化物において、前記海部と前記島部とが体積比で、95:5〜50:50である。
本発明に係るエポキシ接着剤は、エポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物と、チオール基を2個以上有するチオール化合物と、窒素原子を有する潜在性硬化促進剤と、白色度が70以上である無機フィラーとを含み、上記エポキシ接着剤100重量%中、上記無機フィラーの含有量が1重量%以上、30重量%以下であり、更に上記エポキシ接着剤は、有機溶剤を含まないか、又は有機溶剤を含みかつエポキシ接着剤100重量%中の上記有機溶剤の含有量が5重量%以下であるので、低温で硬化可能であり、かつ硬化後の硬化物を白色又は白色に近い色にすることができる。さらに、本発明に係るエポキシ接着剤を用いて、光半導体素子が搭載されているプリント配線板に、レンズを固定した後に、レンズの剥離を抑えることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係るエポキシ接着剤を用いたレンズを備えたプリント配線板の一例を模式的に示す断面図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明に係るエポキシ接着剤は、光半導体素子が搭載されているプリント配線板に、レンズを固定するために用いられる。本発明に係るエポキシ接着剤は、エポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(A)と、チオール基を2個以上有するチオール化合物(B)と、窒素原子を有する潜在性硬化促進剤(C)と、白色度が70以上である無機フィラー(D)とを含む。本発明に係るエポキシ接着剤100重量%中、上記無機フィラーの含有量は1重量%以上、30重量%以下である。本発明に係るエポキシ接着剤は、有機溶剤を含まないか、又は有機溶剤を含みかつエポキシ接着剤100重量%中の上記有機溶剤の含有量が5重量%以下である。本発明に係るエポキシ接着剤は、上記有機溶剤を含む場合であっても、上記有機溶剤の含有量は極めて少なく、5重量%以下である。
本発明に係るエポキシ接着剤は、上述した構成を備えているので、低温で硬化可能である。例えば、本発明に係るエポキシ接着剤は、90℃以下で硬化可能であり、80℃以下でも硬化可能である。従って、本発明に係るエポキシ接着剤を、光半導体素子が搭載されているプリント配線板に、レンズを固定するために用いた場合に、レンズの熱劣化を抑えることができる。例えば、レンズがポリメチル(メタ)クリレートなどの熱可塑性樹脂により形成されている場合には、レンズの耐熱性が低い。本発明に係るエポキシ接着剤の使用により、レンズの耐熱性が比較的低くても、エポキシ接着剤の硬化時にレンズが高温に晒されないようにすることが可能であるため、レンズの熱劣化を十分に抑えることができる。
さらに、本発明に係るエポキシ接着剤は、上述した構成を備えているので、硬化後の硬化物を白色又は白色に近い色にすることができる。従来の低温で硬化可能な接着剤を用いて、レンズを固定した場合には、硬化物が白色ではなかったり、硬化物の白色度が比較的低かったりするために、光半導体素子の発光を十分に活用することができない問題がある。これに対して、本発明に係るエポキシ接着剤の使用により、光半導体素子の発光を十分に活用することができる。
また、本発明に係るエポキシ接着剤は、上述した構成を備えているので、光半導体素子が搭載されているプリント配線板に、レンズを固定した後に、硬化物が高い接着性を有することから、レンズの剥離を抑えることができる。
上記エポキシ接着剤は、上記有機溶剤を含まないことが好ましいが、配合原料に含まれている有機溶剤に由来して、上記エポキシ接着剤に微量の上記有機溶剤が含まれることがある。上記エポキシ接着剤が上記有機溶剤を含む場合に、上記有機溶剤の含有量が少ないほどよい。上記エポキシ接着剤100重量%中、上記有機溶剤の含有量は好ましくは5重量%以下、より好ましくは1重量%以下である。
上記接着剤は23℃で液状であることが好ましい。接着時の取り扱い性を高めるために、上記接着剤の25℃での粘度は好ましくは0.1Pa・s以上、より好ましくは1Pa・s以上、更に好ましくは5Pa・s以上、好ましくは100Pa・s以下、より好ましくは80Pa・s以下である。上記粘度が上記下限以上であると、接着時に、エポキシ接着剤が所定の位置に留まりやすくなり、意図しない位置に過度に濡れ拡がりにくくなる。さらに、上記粘度が上記下限以上であると、接着後の硬化物の厚みが過度に薄くなるのを防ぐことができ、硬化物の接着性を高くすることができ、レンズの剥離をより一層抑えることができる。上記粘度が上記上限以下であると、ディスペンスなどによる接着剤の塗布がより一層容易になる。
上記エポキシ接着剤のチキソトロピーインデックスは好ましくは1.1以上、より好ましくは1.3以上、更に好ましくは1.5以上、好ましくは10以下、より好ましくは8以下、更に好ましくは5以下である。上記チキソトロピーインデックスが上記下限以上であると、レンズの固定時にレンズを押し付けても、エポキシ接着剤が所定の位置に留まりやすくなり、意図しない位置に過度に濡れ拡がりにくくなる。さらに、上記チキソトロピーインデックスが上記下限以上であると、接着後の硬化物の厚みが過度に薄くなるのを防ぐことができ、硬化物の接着性を高くすることができ、レンズの剥離をより一層抑えることができる。上記チキソトロピーインデックスが上記上限以下であると、レンズの固定時にレンズを押し付けたときに、レンズの表面にエポキシ接着剤が十分に濡れ拡がり、硬化物の接着性を高くすることができ、レンズの剥離をより一層抑えることができる。
上記チキソトロピーインデックスは、エポキシ接着剤の23℃及び1rpmでの粘度η1の、エポキシ接着剤の23℃及び10rpmでの粘度η2に対する比(η1/η2)を意味する。
上記粘度は、E型粘度計を用いて測定され、例えば東機産業社製「TV22型粘度計」装置を用いて、1rpm、及び10rpmの条件で測定可能である。
次に、本発明に係るエポキシ接着剤に含まれている各成分の詳細を説明する。
(エポキシ化合物(A))
上記エポキシ化合物(A)は、エポキシ基を2個以上有していれば特に限定されない。上記エポキシ化合物(A)として、従来公知のエポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物を使用可能である。エポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物(A)は、上記チオール化合物(B)及び上記潜在性硬化促進剤(C)の作用により、低温で硬化する。上記エポキシ化合物(A)は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
接着剤の粘度及びチキソトロピーインデックスをより一層好適な範囲に制御する観点からは、上記エポキシ化合物(A)は23℃で液状であることが好ましい。
上記エポキシ化合物の具体例としては、ビスフェノール骨格を有するエポキシモノマー、ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシモノマー、ナフタレン骨格を有するエポキシモノマー、アダマンタン骨格を有するエポキシモノマー、フルオレン骨格を有するエポキシモノマー、ビフェニル骨格を有するエポキシモノマー、バイ(グリシジルオキシフェニル)メタン骨格を有するエポキシモノマー、キサンテン骨格を有するエポキシモノマー、アントラセン骨格を有するエポキシモノマー、ジスルフィド骨格を有するエポキシモノマー、ウレタン骨格を有するエポキシモノマー、脂肪族骨格を有するエポキシモノマー、ブタジエン等の可とう性骨格を有するエポキシモノマー、及びピレン骨格を有するエポキシモノマー等が挙げられる。これらの水素添加物又は変性物を用いてもよい。これらのエポキシ化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ビスフェノール骨格を有するエポキシモノマーとしては、例えば、ビスフェノールA型骨格、ビスフェノールF型骨格及びビスフェノールS型骨格などのビスフェノール骨格を有するエポキシモノマー等が挙げられる。
上記ジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシモノマーとしては、ジシクロペンタジエンジオキシド、及びジシクロペンタジエン骨格を有するフェノールノボラックエポキシモノマー等が挙げられる。
上記ナフタレン骨格を有するエポキシモノマーとしては、1−グリシジルナフタレン、2−グリシジルナフタレン、1,2−ジグリシジルナフタレン、1,5−ジグリシジルナフタレン、1,6−ジグリシジルナフタレン、1,7−ジグリシジルナフタレン、2,7−ジグリシジルナフタレン、トリグリシジルナフタレン、及び1,2,5,6−テトラグリシジルナフタレン等が挙げられる。
上記アダマンタン骨格を有するエポキシモノマーとしては、1,3−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)アダマンタン、及び2,2−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)アダマンタン等が挙げられる。
上記フルオレン骨格を有するエポキシモノマーとしては、9,9−ビス(4−グリシジルオキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−クロロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−ブロモフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−フルオロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3−メトキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3,5−ジクロロフェニル)フルオレン、及び9,9−ビス(4−グリシジルオキシ−3,5−ジブロモフェニル)フルオレン等が挙げられる。
上記ビフェニル骨格を有するエポキシモノマーとしては、4,4’−ジグリシジルビフェニル、及び4,4’−ジグリシジル−3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル等が挙げられる。
上記バイ(グリシジルオキシフェニル)メタン骨格を有するエポキシモノマーとしては、1,1’−バイ(2,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,8’−バイ(2,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,1’−バイ(3,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,8’−バイ(3,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,1’−バイ(3,5−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,8’−バイ(3,5−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,2’−バイ(2,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、1,2’−バイ(3,7−グリシジルオキシナフチル)メタン、及び1,2’−バイ(3,5−グリシジルオキシナフチル)メタン等が挙げられる。
上記キサンテン骨格を有するエポキシモノマーとしては、1,3,4,5,6,8−ヘキサメチル−2,7−ビス−オキシラニルメトキシ−9−フェニル−9H−キサンテン等が挙げられる。
耐熱性をより一層良好にする観点からは、上記エポキシ化合物(A)は、下記式(1)で表されるエポキシ化合物、ビスフェノールA型液状エポキシ化合物、ビスフェノールF型液状エポキシ化合物、フェノールノボラック型液状エポキシ化合物又はクレゾールノボラック型液状エポキシ化合物を含有することが好ましい。なお、上記液状エポキシ化合物は、23℃で液状である。
Figure 0006058432
耐熱性をより一層良好にする観点からは、上記エポキシ化合物(A)は、エポキシ基を3個以上有するエポキシ化合物を含有することが好ましい。
上記エポキシ化合物(A)の分子量は特に限定はされない。上記エポキシ化合物(A)の分子量は10000未満であることが好ましい。上記エポキシ化合物(A)の分子量は好ましくは200以上、より好ましくは1200以下、更に好ましくは600以下、特に好ましくは550以下である。上記エポキシ化合物(A)の分子量が上記下限以上であると、上記エポキシ化合物(A)の揮発性が低くなり、接着剤の保存安定性がより一層高くなる。上記エポキシ化合物(A)の分子量が上記上限以下であると、硬化物の接着性がより一層高くなる。
なお、本明細書において、上記エポキシ化合物(A)における分子量とは、重合体ではない場合、及び構造式が特定できる場合は、当該構造式から算出できる分子量を意味し、重合体である場合は、重量平均分子量を意味する。
上記エポキシ接着剤100重量%中、上記エポキシ化合物(A)の含有量は好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重量%以上、好ましくは80重量%以下、より好ましくは70重量%以下である。上記エポキシ化合物(A)の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、耐熱性がより一層良好になる。
(チオール化合物(B))
上記チオール化合物(B)は、チオール基を2個以上有していれば特に限定はされない。上記チオール化合物(B)として、従来公知のチオール基を有するチオール化合物を使用可能である。上記チオール化合物(B)は、上記エポキシ化合物(A)の低温硬化性を高める役割を有する。上記チオール化合物(B)は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記チオール化合物(B)として、脂肪族ポリチオール化合物を用いてもよく、芳香族ポリチオール化合物を用いてもよい。さらに、上記チオール化合物(B)として、スルフィド結合を有するポリチオール化合物を用いてもよい。
上記脂肪族ポリチオール化合物であり、かつチオール基を2個有するジチオール化合物としては、1,2−エタンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオール、1,7−ヘプタンジチオール、1,8−オクタンジチオール、1,9−ノナンジチオール、1,10−デカンジチオール、1,12−ドデカンジチオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジチオール、3−メチル−1,5−ペンタンジチオール、2−メチル−1,8−オクタンジチオール、1,4−シクロヘキサンジチオール、1,4−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、1,1−シクロヘキサンジチオール、1,2−シクロヘキサンジチオール、ビシクロ[2,2,1]ヘプタ−exo−cis−2,3−ジチオール、1,1−ビス(メルカプトメチル)シクロヘキサン、ビス(2−メルカプトエチル)エーテル、エチレングリコールビス(2−メルカプトアセテート)、及びエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)等が挙げられる。
上記脂肪族ポリチオール化合物であり、かつチオール基を3個有するトリチオール化合物としては、1,1,1−トリス(メルカプトメチル)エタン、2−エチル−2−メルカプトメチル−1,3−プロパンジチオール、1,2,3−プロパントリチオール、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、及びトリス[(メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]イソシアヌレート等が挙げられる。
上記脂肪族ポリチオール化合物であり、かつチオール基を4個以上有するポリチオール化合物としては、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、及びジペンタエリスリトールヘキサ−3−メルカプトプロピオネート等が挙げられる。
上記芳香族ポリチオール化合物としては、1,2−ジメルカプトベンゼン、1,3−ジメルカプトベンゼン、1,4−ジメルカプトベンゼン、1,2−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,4−ビス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2−ビス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,3−ビス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,4−ビス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,2−ビス(2−メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリメルカプトベンゼン、1,2,4−トリメルカプトベンゼン、1,3,5−トリメルカプトベンゼン、1,2,3−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3−トリス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4−トリス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3−トリス(2−メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,4−トリス(2−メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,3,5−トリス(2−メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3,4−テトラメルカプトベンゼン、1,2,3,5−テトラメルカプトベンゼン、1,2,4,5−テトラメルカプトベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(メルカプトメチル)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(2−メルカプトエチル)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(2−メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(2−メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、1,2,4,5−テトラキス(2−メルカプトエチレンオキシ)ベンゼン、2,2’−メルカプトビフェニル、4,4’−チオビス−ベンゼンチオール、4,4’−ジメルカプトビフェニル、4,4’−ジメルカプトビベンジル、2,5−トルエンジチオール、3,4−トルエンジチオール、1,4−ナフタレンジチオール、1,5−ナフタレンジチオール、2,6−ナフタレンジチオール、2,7−ナフタレンジチオール、2,4−ジメチルベンゼン−1,3−ジチオール、4,5−ジメチルベンゼン−1,3−ジチオール、9,10−アントラセンジメタンチオール、1,3−ビス(2−メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,4−ビス(2−メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオメチル)ベンゼン、1,3−ビス(2−メルカプトエチルチオメチル)ベンゼン、1,4−ビス(2−メルカプトエチルチオメチル)ベンゼン、1,2,3−トリス(2−メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,4−トリス(2−メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,3,5−トリス(2−メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,3,4−テトラキス(2−メルカプトエチルチオ)ベンゼン、1,2,3,5−テトラキス(2−メルカプトエチルチオ)ベンゼン、及び1,2,4,5−テトラキス(2−メルカプトエチルチオ)ベンゼン等が挙げられる。
上記スルフィド結合を有するポリチオール化合物としては、ビス(2−メルカプトエチル)スルフィド、ビス(2−メルカプトエチルチオ)メタン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)エタン、1,3−ビス(2−メルカプトエチルチオ)プロパン、1,2,3−トリス(2−メルカプトエチルチオ)プロパン、テトラキス(2−メルカプトエチルチオメチル)メタン、1,2−ビス(2−メルカプトエチルチオ)プロパンチオール、2,5−ジメルカプト−1,4−ジチアン、ビス(2−メルカプトエチル)ジスルフィド、3,4−チオフェンジチオール、1,2−ビス(2−メルカプトエチル)チオ−3−メルカプトプロパン、及びビス−(2−メルカプトエチルチオ−3−メルカプトプロパン)スルフィド等が挙げられる。
耐熱性をより一層良好にする観点からは、上記チオール化合物(B)は、チオール基を3個以上有するチオール化合物を含有することが好ましく、脂肪族ポリチオール化合物を含有することが好ましい。また、上記チオール化合物(B)のチオール基の数は一般的に8個以下である。耐熱性を更に一層良好にする観点からは、上記チオール化合物(B)は、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリス[(メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]イソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブタネート)、又はジペンタエリスリトールヘキサ−3−メルカプトプロピオネートであることが好ましい。
耐熱性をより一層良好にする観点からは、上記チオール化合物(B)は、2級チオール基を有するチオール化合物を含有することが好ましく、2級チオール基を2個以上有する化合物を含有することが好ましい。耐熱性を更に一層良好にする観点からは、上記チオール化合物(B)は、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、又はトリメチロールエタントリス(3−メルカプトブチレート)であることが好ましい。
上記エポキシ化合物(A)100重量部に対して、上記チオール化合物(B)の含有量は好ましくは20重量部以上、より好ましくは30重量部以上、好ましくは200重量部以下、より好ましくは150重量部以下である。上記チオール化合物(B)の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、耐熱性がより一層良好になる。
(潜在性硬化促進剤(C))
上記潜在性硬化促進剤(C)は、窒素原子を有していれば特に限定されない。上記潜在性硬化促進剤(C)として、従来公知の窒素原子を有する潜在性硬化促進剤を使用可能である。上記潜在性硬化促進剤(C)は、上記エポキシ化合物(A)の低温硬化性を高める役割を有する。上記潜在性硬化促進剤(C)は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
硬化後の着色及び経時的な着色をより一層抑制する観点からは、上記潜在性硬化促進剤(C)は、ジシアンジアミド、ポリアミドアミン、イミダゾール化合物、ヒドラジド化合物、ポリアミン、ウレア化合物、又はこれらの変性物であることが好ましい。これらの潜在性硬化促進剤(C)は、マイクロカプセル化されていてもよい。
低温硬化性と保存安定性とをより一層高いレベルで両立する観点からは、上記潜在性硬化促進剤(C)は、ポリアミドアミン、イミダゾール化合物のアミンアダクト体、又はイミダゾール化合物のマイクロカプセル体であることが特に好ましい。
上記潜在性硬化促進剤(C)の市販品としては、イミダゾールのマイクロカプセル体である旭化成ケミカルズ社製「ノバキュアHX3941HP」、「ノバキュアHX3921HP」、「ノバキュアHX3721」、「ノバキュアHX3722」、「ノバキュアHX3748」、「ノバキュアHX3088」、「ノバキュアHX3741」、「ノバキュアHX3742」、「ノバキュアHX361」;イミダゾール化合物のアミンアダクト体である味の素社製「アミキュアPN−23」、「アミキュアPN−H」、「アミキュアPN−31」、「アミキュアPN−40」、「アミキュアPN−50」、「アミキュアPN−F」、「アミキュアPN−23J」、「アミキュアPN−31J」、「アミキュアPN−40J」、「アミキュアMY−24」、「アミキュアMY−H」;ヒドラジド化合物である味の素社製「VDH」、「VDH−J」、「UDH」、「UDH−J」;ポリアミン変性型潜在性硬化促進剤である富士化成社製「フジキュアーFXR−1020」、「フジキュアーFXR−1030」、「フジキュアーFXR−1071」、「フジキュアーFXR−1121」;ポリアミドアミン型潜在性硬化促進剤である富士化成社製「トーマイド275」、「トーマイドHR−11」、「トーマイド255−A」、「トーマイド245−HS」、「トーマイド235−S」、「トーマイド225−E」、「トーマイド252−A」、「トーマイド245−S」、「トーマイド245」、「トーマイド235−A」、「トーマイド225−X」、「トーマイド215−X」、「トーマイド210」、「トーマイド2510」、「トーマイド235−R」、「トーマイド2602」、「トーマイド225−R」、「トーマイド292」、「トーマイド290−CA」、「トーマイド290−F」;ウレア型潜在性硬化促進剤であるEmerald Performance Materials社製「オミキュアU−210」、「オミキュアU−210M」、「オミキュアU−24」、「オミキュアU−24M」、「オミキュアU−35」、「オミキュアU−35M」、「オミキュアU−52」、「オミキュアU−52M」、「オミキュアU−405」、「オミキュアU−405M」、「オミキュアU−410」、「オミキュアU−410M」、「オミキュアU−415」、「オミキュアU−415M」等が挙げられる。
上記エポキシ化合物(A)100重量部に対して、上記潜在性硬化促進剤(C)の有効成分含有量は好ましくは0.1重量部以上、より好ましくは0.5重量部以上、好ましくは100重量部以下、より好ましくは30重量部以下である。上記潜在性硬化促進剤(C)の含有量が上記下限以上であると、上記エポキシ接着剤がより一層低温で又はより一層速やかに硬化可能になる。上記潜在性硬化促進剤(C)の含有量が上記上限以下であると、上記エポキシ接着剤の保存安定性がより一層良好になる。
(無機フィラー(D))
上記無機フィラー(D)は、白色度が70以上であれれば特に限定されない。上記無機フィラー(C)として、従来公知の白色度が70以上である無機フィラーを使用可能である。上記無機フィラー(D)の白色度が70以上であることによって、硬化物を白色又は白色に近い色にすることができ、硬化物による隠蔽性を高めることができ、かつ硬化物の耐熱性を高めることができる。上記無機フィラー(D)は、硬化物を白色又は白色に近い色にする役割を有する。上記無機フィラー(D)は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記無機フィラー(D)としては、シリカ、タルク、クレー、カオリン、マイカ、ワラストナイト、酸化マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム及び酸化チタン等が挙げられる。
上記硬化物を白色にし、硬化物による隠蔽性及び硬化物の耐熱性をより一層高める観点からは、上記無機フィラー(D)の白色度は、好ましくは80以上、より好ましくは90以上、更に好ましくは95以上、特に好ましくは99以上である。上記白色度は高いほどよい。
上記硬化物を白色にし、硬化物による隠蔽性及び硬化物の耐熱性をより一層高める観点からは、上記無機フィラー(D)は、酸化チタンであることが特に好ましい。
上記無機フィラーは、ルチル型酸化チタンであることが好ましい。アナターゼ型酸化チタンは光触媒としての活性が高く、樹脂の経時的な劣化を促進する傾向がある。上記ルチル型酸化チタンの触媒活性は、アナターゼ型酸化チタンの触媒活性よりも低いので、上記ルチル型酸化チタンを用いた上記エポキシ接着剤のより保存安定性がより一層高くなる。
上記酸化チタン及び上記ルチル型酸化チタンは、アルミナ又はシリカにより表面処理されていることが好ましい。アルミナ又はシリカによる表面処理によって、上記エポキシ接着剤のより保存安定性がより一層高くなる。
上記無機フィラー(D)の平均粒子径は特に限定されない。上記無機フィラー(D)の平均粒子径は、好ましくは0.1μm以上、好ましくは20μm以下である。上記平均粒子径が上記下限以上であると、上記エポキシ接着剤に上記無機フィラー(D)が良好に分散する。上記平均粒子径が上記上限以下であると、エポキシ接着剤の塗布厚みをより一層好適な範囲に制御でき、レンズ固定後にレンズの剥離がより一層抑えられる。上記「平均粒子径」とは、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定した体積平均での粒度分布測定結果から求められる平均粒子径である。
上記エポキシ接着剤100重量%中、上記無機フィラー(D)の含有量は1重量%以上、30重量%以下である。上記エポキシ接着剤100重量%中、上記無機フィラー(D)の含有量は好ましくは2重量%以上、より好ましくは3重量%以上、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下である。上記無機フィラーの含有量が多いほど、硬化物が白色又は白色により一層近い色になる。上記無機フィラーの含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、レンズの固定後に、レンズの接着状態を目視で容易に確認することが可能になる。また、上記無機フィラー(D)の含有量が上記下限以上であると、上記エポキシ接着剤を用いて厚み30μmの硬化物を得たときに、該硬化物の反射率を50%以上にすることが容易である。
(酸化防止剤、光安定剤)
上記エポキシ接着剤は、酸化防止剤又は光安定剤を含むことが好ましい。酸化防止剤又は光安定剤の使用により、硬化物が光半導体素子より発生する熱及びUVに長時間晒されても、硬化物の白色度が高く維持される。上記エポキシ接着剤は、上記酸化防止剤を含んでいてもよく、上記光安定剤を含んでいてもよく、上記酸化防止剤と上記光安定剤との双方を含んでいてもよい。上記酸化防止剤及び上記光安定剤はそれぞれ、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤及びラクトン系酸化防止剤等が挙げられる。
上記ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオンアミド]、ベンゼンプロパン酸、3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ、C7−C9側鎖アルキルエステル、3,3’,3’’,5,5’,5’’−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a’’−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、4,6−ビス(ドデシルチオメチル)−o−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o―クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert―ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、1,3,5−トリス[(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−キシリル)メチル]−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、2,6−ジ−tert−ブチル−4−[4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン2−イルアミノ]フェノール、ジエチル[{3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル}メチル]ホスフォネート等が挙げられる。
上記リン系酸化防止剤としては、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイト、トリス[2−[[2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]ジオキサフォスフェフィン−6−イル]オキシ]エチル]アミン、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、ビス[2,4−ビス(1,1−ジメチルエチル)−6−メチルフェニル]エチルエステル亜リン酸、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)(1,1−ビフェニル)−4,4’−ジイルビスホスフォナイト等が挙げられる。
上記ラクトン系酸化防止剤としては、3−ヒドロキシ−5,7−ジ−tert−ブチル−フラン−2−オンとo−キシレンとの反応生成物等が挙げられる。
上記酸化防止剤は、1次酸化防止剤であるフェノール系酸化防止剤と、2次酸化防止剤であるリン系酸化防止剤との双方を含有することが好ましい。上記フェノール系酸化防止剤と上記リン系酸化防止剤とを併用することで、熱酸化劣化サイクルの進行がより一層抑えられる。また、上記酸化防止剤は、1次酸化防止剤であるフェノール系酸化防止剤と、2次酸化防止剤であるリン系酸化防止剤と、ラクトン系酸化防止剤とを含有することが好ましい。上記ラクトン系酸化防止剤は、熱酸化劣化サイクルにおいて、アルキルラジカルを捕捉して、ラジカル発生点において熱酸化劣化サイクルの進行を抑える。
上記光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤が挙げられる。上記光安定剤は、ヒンダードアミン系光安定剤であることが好ましい。
上記ヒンダードアミン系光安定剤としては、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N’―ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミンとN−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンとの重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[{3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドリキシフェニル}メチル]ブチルマロネート、及びビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート等が挙げられる。
上記エポキシ接着剤100重量%中、上記酸化防止剤又は上記光安定剤の含有量は、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.3重量%以上、更に好ましくは0.7重量%以上、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下、更に好ましくは3重量%以下である。上記酸化防止剤又は上記光安定剤の含有量が上記下限以上であると、硬化物の変色がより一層抑えられる。上記酸化防止剤又は上記光安定剤の含有量が上記上限以下であると、レンズの固定後に、硬化物とレンズとの接着性がより一層高くなり、レンズの剥離がより一層抑えられる。なお、上記エポキシ接着剤が上記酸化防止剤と上記光安定剤との双方を含む場合には、上記酸化防止剤又は上記光安定剤の含有量は、上記酸化防止剤と上記光安定剤との合計の含有量を意味する。
(ナノクレイ)
上記エポキシ接着剤は、ナノクレイを含むことが好ましい。上記エポキシ接着剤は、上記無機フィラー(D)又は上記無機フィラー(D)以外のフィラーとしてナノクレイを含む。上記エポキシ接着剤は、上記無機フィラー(D)としてナノクレイを含むことが好ましい。ナノクレイの使用により、硬化物が光半導体素子より発生する熱に晒されても、硬化物の接着力が高く維持される。上記ナノクレイは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
上記ナノクレイとしては、スメクタイト、マイカ、ベントナイト、モンモリロナイト及びカオリン等が挙げられる。
上記ナノクレイは上記エポキシ化合物(A)中に分散し易いように、有機処理されていてもよい。代表的な有機処理としては、4級アンモニウム、4級ホスホニウム、ロジン及び脂肪酸などによる処理が挙げられる。
上記エポキシ接着剤100重量%中、上記ナノクレイの含有量は、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上、更に好ましくは1.0重量%以上、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下、更に好ましくは5重量%以下である。上記ナノクレイの含有量が上記下限以上であると、硬化物の接着力が高温でもより一層維持される。上記ナノクレイの含有量が上記上限以下であると、レンズの固定後に、硬化物とレンズとの接着性がより一層高くなり、レンズの剥離がより一層抑えられる。
(他の成分)
上記エポキシ接着剤は、必要に応じて、粘着性付与剤、可塑剤、カップリング剤、チキソ性付与剤、難燃剤、光増感剤及び着色剤などを含んでいてもよい。
(エポキシ接着剤、硬化物、及びレンズを備えたプリント配線板)
上記エポキシ接着剤は80℃で10分間加熱して硬化物を得たときに、上記硬化物が、硬化した樹脂中に、海部と島部とを含む海島構造を有することが好ましい。このような海島構造を有することで、樹脂の強靭性が増し、レンズの固定後に、硬化物とレンズとの接着性がより一層高くなり、レンズの剥離がより一層抑えられる。
海島構造を有する前記硬化物において、上記海部(連続層)の弾性率が、上記島部(分散層)の弾性率より高いことが好ましい。このような弾性率の関係を満足すると、レンズの固定後に、硬化物とレンズとの接着性が更に一層高くなり、レンズの剥離が更に一層抑えられる。
上記弾性率は、動的粘弾性測定装置を用いて、5℃/分の条件で測定可能である。動的粘弾性測定装置としては、エスアイアイナノテクノロジー社製「DMS6100」等が挙げられる。
海島構造を有する上記硬化物において、上記海部と上記島部とが体積比(上記海部の体積:上記島部の体積)で、95:5〜50:50であることが好ましく、90:10〜70:30であることがより好ましい。このような体積比を満足することで、レンズの固定後に、硬化物とレンズとの接着性が更に一層高くなり、レンズの剥離が更に一層抑えられる。
上記海島構造は硬化時の相分離により形成されてもよく、エポキシ接着剤中に予めゴム粒子などの島部となる成分を添加することにより形成されてもよい。
上記海島構造を形成するためのゴム粒子としては特に限定されないが、アクリルゴム粒子、ブタジエンゴム粒子、イソプレンゴム粒子、アクリロニトリルブタジエンゴム粒子、スチレンブタジエンゴム粒子、スチレンイソプレンゴム粒子、ウレタンゴム粒子、シリコーンゴム粒子、フッ素ゴム粒子、及び天然ゴム粒子等が挙げられる。
上記ゴム粒子は、単一なゴム粒子であってもよく、コアシェルゴム粒子であってもよい。
上記ゴム粒子の平均粒子径は特に限定はされない。上記ゴム粒子の平均粒子径は好ましくは0.1μm以上、好ましくは30μm以下である。上記平均粒子径が上記下限以上であると、上記エポキシ接着剤中での上記ゴム粒子の分散が容易になる。上記平均粒子径が上記上限以下であると、レンズの固定後に、硬化物とレンズとの接着性がより一層高くなり、レンズの剥離がより一層抑えられる。上記「平均粒子径」とは、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定した体積平均での粒度分布測定結果から求められる平均粒子径である。
上記海島構造を形成するために、上記ゴム粒子以外の添加剤を用いてもよい。上記ゴム粒子以外の添加剤としては、シリコーンポリマー、アクリロニトリルブタジエンポリマー、ポリウレタン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、(メタ)アクリル系ポリマー、スチレン系ポリマー及び天然ゴムポリマーなどの熱可塑性ポリマー、これらの共重合体ポリマー、及びこれらの変性物などが挙げられる。
良好な海島構造を形成する観点からは、末端カルボキシ変性型のアクリロニトリルブタジエンポリマー(CTBN)又は末端アミン変性型のアクリロニトリルブタジエンポリマー(ATBN)が好適に用いられる。
上記ゴム粒子、並びに上記ゴム粒子以外の添加剤の含有量は、上記海島構造を形成するために、適宜調整される。
上記エポキシ接着剤を用いて、厚み50μmの硬化物を得たときに、該硬化物の反射率(Y値)が50%以上であることが好ましい。上記反射率はより好ましくは60%以上、更に好ましくは70%以上である。上記反射率は、上記エポキシ接着剤をバーコーター又はスクリーン印刷などで、得られる硬化物の厚みが50μmとなるように調整した後、80℃で10分間加熱して硬化させた硬化物を用いて測定される。
本発明に係るエポキシ接着剤は、光半導体素子が搭載されているプリント配線板に、レンズを固定するために用いられる。本発明に係るエポキシ接着剤の硬化物は、白色であるか又は白色に近い色であるので、光半導体素子を搭載するプリント配線板に用いた場合に、光の利用効率を高めることができる。
本発明に係るレンズを備えたプリント配線板は、光半導体素子が搭載されているプリント配線板と、上記プリント配線板の上記光半導体素子が搭載されている表面上に配置されたレンズと、上記プリント配線板に上記レンズを固定している硬化物とを備える。上記硬化物が、上記エポキシ接着剤を硬化させることにより形成されている。
図1に、本発明の一実施形態に係るエポキシ接着剤を用いたレンズを備えたプリント配線板の一例を模式的に断面図で示す。
図1に示すレンズを備えたプリント配線板1は、光半導体素子11aが搭載されているプリント配線板11と、プリント配線板11の光半導体素子11aが搭載されている上面上に配置されたレンズ12と、プリント配線板11にレンズ12を固定している硬化物13とを備える。レンズ12は、レンズ本体と、レンズ本体のレンズ面とは反対側において、レンズ12をプリント配線板11に固定するための接続部とを有する。接続部は凸部である。プリント配線板11の上面とレンズ12の接続部の下面とが、硬化物13により接着されている。光半導体素子11aの上方に、レンズ12におけるレンズ本体が配置されている。従って、光半導体素子11aから上方に発せられた光は、レンズ12を通過し、レンズ12から出射される。なお、レンズ12の側方において、プリント配線板11の上面に、白色レジスト14が配置されている。
本発明に係るレンズを備えたプリント配線板において、上記硬化物が、硬化した樹脂中に、海部と島部とを含む海島構造を有することが好ましい。本発明に係るレンズを備えたプリント配線板では、上記硬化物において、上記海部の23℃での弾性率が、上記島部の23℃での弾性率よりも高いことが好ましい。本発明に係るレンズを備えたプリント配線板では、上記硬化物において、上記海部と上記島部とが体積比(上記海部の体積:上記島部の体積)で、95:5〜50:50であることが好ましく、90:10〜70:30であることがより好ましい。
以下、本発明の具体的な実施例及び比較例を挙げることにより、本発明を明らかにする。なお、本発明は以下の実施例に限定されない。
以下の材料を用意した。
[エポキシ化合物(A)]
(1)ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(三菱化学社製「エピコート828」、Mw=370)
(2)ビスフェノールF型液状エポキシ樹脂(三菱化学社製「エピコート806」、Mw=342)
(3)フェノールノボラック型エポキシ樹脂(三菱化学社製「エピコート152」、Mw=530)
(4)クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC社製「EPICLON N−660」、Mw=890)
(5)脂環式エポキシ樹脂(ダイセル社製「セロキサイド2021P」、Mw=252.3)
[チオール化合物(B)]
(1)トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピエネート)(SC有機化学社製「TMMP」)
(2)ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピエネート)(SC有機化学社製「TEMPIC」)
(3)ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)
[チオール化合物(B)以外の硬化剤]
(1)脂環式骨格酸無水物(新日本理化社製「MH−700」)
[潜在性硬化促進剤(C)]
(1)アミンアダクト型イミダゾール(味の素ファインテクノ社製「アミキュアPN−23」)
(2)ポリアミノアミド(富士化成社製「トーマイド290−F」)
(3)固体変性アミン化合物(富士化成社製「フジキュアーFXR−1030」)
(4)マイクロカプセル型イミダゾール(旭化成イーマテリアルズ社製「ノバキュア HX−3722」)
[潜在性硬化促進剤(C)以外の潜在性硬化促進剤]
(1)トリフェニルホスフィン
[無機フィラー(D)]
(1)アルミナ表面処理ルチル型酸化チタン(平均粒子径0.26μm、白色度99)
(2)アルミナ/シリカ表面処理ルチル型酸化チタン(平均粒子径0.25μm、白色度99)
(3)アナターゼ型酸化チタン(平均粒子径0.15μm、白色度99)
(4)タルク(平均粒子径2.7μm、白色度95)
(5)マイカ(平均粒子径9μm、白色度86)
(6)シリカ(平均粒子径8μm、白色度93)
(7)クレー(平均粒子径7μm、白色度70)
(8)スメクタイト(平均粒子径0.μm、白色度80)
[無機フィラー(D)以外のフィラー]
ベントナイト(平均粒子径2μm、白色度55)
[海島構造を形成するための成分]
(1)アクリロニトリルブタジエンゴム
(2)末端カルボキシ変性アクリロニトリルブタジエンゴム
(3)アクリルゴム粒子(三菱レーヨン社製「KW4426」、平均粒子径5μm)
(4)シリコンゴム粒子(東レ・ダウコーニング社製「トレフィルE601」、平均粒子径2μm)
[他の添加剤]
(1)表面疎水化ヒュームドシリカ(トクヤマ社製「MT−10」、平均粒子径15nm)
(2)フェノール系酸化防止剤(チバスペシャリティーケミカル社製「イルガノックスQ1010」)
(3)リン系酸化防止剤(チバスペシャリティーケミカル社製「イルガフォス168」)
(4)N−OR型HALS(チバスペシャリティーケミカル社製「TINUVIN XT855」)
(実施例1〜42及び比較例1〜4)
ホモディスパー型撹拌機を用いて、潜在性硬化促進剤を除く下記の表1〜5に示す成分を下記の表1〜5に示す含有量で配合(配合単位は重量部)し、混練し、混練物を得た。なお、実施零17及び実施例30についてはスメクタイトを1μm未満にナノ分散させるために更に3本ロールで混練を行い、混練物を得た。次に、下記の表1〜5に示す潜在性硬化促進剤を下記の表1〜5に示す含有量で、得られた混練物に配合(配合単位は重量部)し、強いせん断をかけないように低速でゆるやかに攪拌し、エポキシ接着剤を調製した。
(評価)
(1)硬化性
1cm×1cmの2枚のポリメチルメタクリレート板の間に、エポキシ接着剤1mgを滴下し、80℃のオーブンで10分加熱して、エポキシ接着剤を硬化させた。この硬化時のエポキシ接着剤の硬化性を以下の基準で判定した。
[硬化性の判定基準]
〇:エポキシ接着剤が完全に固化している
△:エポキシ接着剤の固化が進行しているが、指で軽く押すと動く
×:エポキシ接着剤が液状で硬化していない
(2)保存安定性
エポキシ接着剤を25℃のオーブン内に24時間放置した。放置前の粘度と放置後の粘度とを比較した。粘度は、東機産業社製「TV22型粘度計」を用いて、23℃で、1rpm、及び10rpmの条件で測定した。保存安定性を以下の基準で判定した。
[保存安定性の判定基準]
○○:放置後の粘度が、放置前の粘度の1.5倍未満
〇:放置後の粘度が、放置前の粘度の1.5倍以上、2倍未満
△:放置後の粘度が、放置前の粘度の2倍以上であるが、エポキシ接着剤は固化していない
×:エポキシ接着剤が固化している
(3)せん断接着力の測定
金属を全てエッチングした3cm×3cm、厚み1mmのCEM3を用意した。このCEM3の中央部分にエポキシ接着剤1mgを塗布し、その上に1cm×1cmのポリメチルメタクリレート板を載せて、エポキシ接着剤を80℃で10分で硬化させて、積層体を得た。得られた積層体のポリメチルメタクリレート板のダイシェア強度を室温23℃条件下で測定した。
(4)PCT・24時間後のせん断接着力の測定
金属を全てエッチングした3cm×3cm、厚み1mmのCEM3を用意した。このCEM3の中央部分にエポキシ接着剤1mgを塗布し、その上に1cm×1cmのポリメチルメタクリレート板を載せて、エポキシ接着剤を80℃で10分で硬化させて、積層体を得た。得られた積層体をPCT24時間処理後、23℃50%RH下でエージングした。ポリメチルメタクリレート板のダイシェア強度を室温23℃条件下で測定した。
(5)60℃でのせん断接着力の測定
金属を全てエッチングした3cm×3cm、厚み1mmのCEM3を用意した。このCEM3の中央部分にエポキシ接着剤1mgを塗布し、その上に1cm×1cmのポリメチルメタクリレート板を載せて、エポキシ接着剤を80℃で10分で硬化させて、積層体を得た。得られた積層体のポリメチルメタクリレート板のダイシェア強度を室温60℃条件下で測定した。
(6)接着性
1cm×10cm、厚み1mmのポリメチルメタクリレートフィルムを用意した。このポリメチルメタクリレートフィルムの中央部分にエポキシ接着剤1mgを塗布し、その上に1cm×1cmのポリメチルメタクリレート板を載せて、エポキシ接着剤を80℃で10分で硬化させて、積層体を得た。得られた積層体を直径の異なる円柱に巻きつけた際に、ポリメチルメタクリレート板が剥離するか否かを観察した。接着性を以下の基準で判定した。
[接着性の判定基準]
○○:直径5cmの円柱に巻きつけても、ポリメチルメタクリレート板が剥離しない
〇:直径10cmの円柱に巻きつけても、ポリメチルメタクリレート板が剥離しない
△:直径20cmの円柱に巻きつけても、ポリメチルメタクリレート板が剥離しないが、直径10cmの円柱に巻きつけると、ポリメチルメタクリレート板が剥離する
×:直径20cmの円柱に巻きつけると、ポチメチルメタクリレート板が剥離する
(7)反射率(Y値)
厚さ35μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、バーコーターを用いて、エポキシ接着剤を厚み50μmに塗布し、80℃で10分間で硬化させて、厚み50μmの硬化物を得た。色彩・色差計(コニカミノルタ社製「CR−400」)を用いて、得られた硬化物の表面のY値を測定した。そのY値を反射率とした。反射率(Y値)を下記の基準で判定した。
[反射率Y値の判定基準]
○○:反射率(Y値)が70%以上
○:反射率(Y値)が60%以上、70%未満
△:反射率(Y値)が50%以上、60%未満
×:反射率(Y値)が50%未満
(8)耐熱変色性
上記(7)反射率(Y値)の評価で得られた硬化物を用意した。この硬化物を80℃のオーブン内で、ランプパワー公称50WのUV照射装置(EFOS LITE、サンエイテック社製)を用いて、UVを24時間照射した後、反射率(Y値)を測定した。UV照射後の反射率Y値から、耐熱変色性を下記の基準で判定した。
[耐熱変色性の判定基準]
○○:反射率(Y値)が70%以上
○:反射率(Y値)が60%以上、70%未満
△:反射率(Y値)が50%以上、60%未満
×:反射率(Y値)が50%未満
(9)海島構造の状態
上記(7)反射率(Y値)の評価で得られた硬化物を用意した。この硬化物の断面を1mm×1mmの面積にて、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察した。海島構造の状態を観察した。また、海島構造における海部の23℃での弾性率と島部の23℃での弾性率とを評価した。海部と島部との弾性率の関係を下記の基準で判定した。さらに、海部と島部との体積比を評価した。
[海部と島部との弾性率の関係]
A:海部の23℃での弾性率が島部の23℃での弾性率よりも高い
B:海部の23℃での弾性率が島部の23℃での弾性率と同等以下
結果を下記の表1〜5に示す。
Figure 0006058432
Figure 0006058432
Figure 0006058432
Figure 0006058432
Figure 0006058432
1…レンズを備えたプリント配線板
11…プリント配線板
11a…光半導体素子
12…レンズ
13…硬化物
14…白色レジスト

Claims (17)

  1. 光半導体素子が搭載されているプリント配線板に、レンズを固定するために用いられるエポキシ接着剤であって、
    エポキシ基を2個以上有するエポキシ化合物と、チオール基を2個以上有するチオール化合物と、窒素原子を有する潜在性硬化促進剤と、白色度が70以上である無機フィラーとを含み、
    エポキシ接着剤100重量%中、前記無機フィラーの含有量が1重量%以上、30重量%以下であり、
    有機溶剤を含まないか、又は有機溶剤を含みかつエポキシ接着剤100重量%中の前記有機溶剤の含有量が5重量%以下である、エポキシ接着剤。
  2. 厚み50μmの硬化物を得たときに、前記硬化物の反射率が50%以上である、請求項1に記載のエポキシ接着剤。
  3. 前記無機フィラーが酸化チタンである、請求項1又は2に記載のエポキシ接着剤。
  4. 前記無機フィラーがルチル型酸化チタンである、請求項3に記載のエポキシ接着剤。
  5. 前記酸化チタンが、アルミナ又はシリカにより表面処理されている、請求項3又は4に記載のエポキシ接着剤。
  6. 前記エポキシ化合物が、下記式(1)で表されるエポキシ化合物、ビスフェノールA型液状エポキシ化合物、ビスフェノールF型液状エポキシ化合物、フェノールノボラック型液状エポキシ化合物又はクレゾールノボラック型液状エポキシ化合物を含有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載のエポキシ接着剤。
    Figure 0006058432
  7. 前記エポキシ化合物が、エポキシ基を3個以上有するエポキシ化合物を含有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載のエポキシ接着剤。
  8. 前記チオール化合物が、2級チオール基を有するチオール化合物を含有する、請求項1〜7のいずれか1項に記載のエポキシ接着剤。
  9. 酸化防止剤又は光安定剤をさらに含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載のエポキシ接着剤。
  10. ナノクレイを含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載のエポキシ接着剤。
  11. 80℃で10分間加熱して硬化物を得たときに、前記硬化物が、硬化した樹脂中に、海部と島部とを含む海島構造を有する、請求項1〜10のいずれか1項に記載のエポキシ接着剤。
  12. 海島構造を有する前記硬化物において、前記海部の23℃での弾性率が、前記島部の23℃での弾性率よりも高い、請求項11に記載のエポキシ接着剤。
  13. 海島構造を有する前記硬化物において、前記海部と前記島部とが体積比で、95:5〜50:50である、請求項11又は12に記載のエポキシ接着剤。
  14. 光半導体素子が搭載されているプリント配線板と、
    前記プリント配線板の前記光半導体素子が搭載されている表面上に配置されたレンズと、
    前記プリント配線板に前記レンズを固定している硬化物とを備え、
    前記硬化物が、請求項1〜13のいずれか1項に記載のエポキシ接着剤を硬化させることにより形成されている、レンズを備えたプリント配線板。
  15. 前記硬化物が、硬化した樹脂中に、海部と島部とを含む海島構造を有する、請求項14に記載のレンズを備えたプリント配線板。
  16. 海島構造を有する前記硬化物において、前記海部の23℃での弾性率が、前記島部の23℃での弾性率よりも高い、請求項15に記載のレンズを備えたプリント配線板。
  17. 海島構造を有する前記硬化物において、前記海部と前記島部とが体積比で、95:5〜50:50である、請求項15又は16に記載のレンズを備えたプリント配線板。
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