JP6058364B2 - 動力伝達装置 - Google Patents

動力伝達装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6058364B2
JP6058364B2 JP2012256601A JP2012256601A JP6058364B2 JP 6058364 B2 JP6058364 B2 JP 6058364B2 JP 2012256601 A JP2012256601 A JP 2012256601A JP 2012256601 A JP2012256601 A JP 2012256601A JP 6058364 B2 JP6058364 B2 JP 6058364B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
case
breather
power transmission
breather passage
transmission device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012256601A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014105712A (ja
Inventor
晃 中村
晃 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Showa Corp
Original Assignee
Showa Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Showa Corp filed Critical Showa Corp
Priority to JP2012256601A priority Critical patent/JP6058364B2/ja
Publication of JP2014105712A publication Critical patent/JP2014105712A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6058364B2 publication Critical patent/JP6058364B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • General Details Of Gearings (AREA)

Description

本発明は、動力伝達装置に関する。
車両(四輪車、二輪車等)に搭載される動力伝達装置は、動力源(エンジン等)で発生した動力を適度に減速させつつ伝達する装置であり、動力を伝達する動力伝達軸と、減速させるためのギヤ機構(減速機構)と、動力伝達軸を軸支する軸受と、動力伝達軸、ギヤ機構及び軸受を収容するケースと、を備えて構成される。動力伝達装置は、例えば、変速機、トランスファ装置、終減速装置である。
動力伝達軸の回転速度は、運転者からの要求、車両の走行状態等に対応して変化し、高負荷・高回転にもなる。したがって、ギヤ機構の噛合部や軸受は高温となるので、ケース内の空間であるオイル室にオイル(潤滑油)を封入し、このオイルによって、ギヤ機構、軸受等を潤滑しつつ、冷却している。
また、動力伝達装置は一般に車体の下部に搭載されることが多いので、外部の泥水や塵埃がケース内に浸入することや、オイルがケース外に漏れることを防止するように、動力伝達軸とケースとの隙間をオイルシール(シール部材)でシールしている。
ところで、ギヤや軸受が発熱して昇温しケース内が高温になると、ケース内の圧力が上昇する。したがって、オイルシール等によって完全な密封状態にしてしまうと、例えば、前記オイルシールのシール部分からオイルが噴き出し漏れる虞がある。
そこで、前記ケースの壁部にケース内外を連通するブリーザ通路を形成し、ケース内の圧力が上昇した場合、ケース内のガスが前記ブリーザ通路を通ってケース外にリリーフすることで、ケース内の圧力を低下させ、オイル漏れを防止する技術が知られている。
ここで、オイルが前記ブリーザ通路を通ってケース外に排出されることは望ましくないので、前記ブリーザ通路のケース内側開口は、ギヤ等によって掻き上げられるオイルから遠ざけると共に、オイル溜まりの油面から遠ざけることが好ましい。しかしながら、このように遠ざけてしまうと、ケース(動力伝達装置)が大型化してしまう。
そこで、特許文献1では、ブリーザ通路のケース内側開口の近傍に、モータジェネレータの3つの端子を配置すると共に、3つの端子をカバーする端子カバーを形成し、ケース内壁面と端子カバーとの間をブリーザ室としている。
特開2009−115304号公報
しかしながら、特許文献1では、動力伝達軸の回転方向(オイルの掻き上げ方向)を考慮したうえで端子及び端子カバーを配置することと、端子等を外部からブリーザプラグに掛かる泥水等の影響を受けないように配置することとの両立が難しい。
そこで、本発明は、ブリーザ室がレイアウト自在となり易い動力伝達装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明は動力を伝達する回転体と、前記回転体を回転自在に支持する軸受と、前記回転体及び前記軸受を収容するケースと、前記ケース内にブリーザ室を構成するブリーザ室構成部材と、を備え、前記ケース内に、前記回転体及び前記軸受を潤滑するオイルが封入されている動力伝達装置であって、前記ケースの上壁部には、前記ケース内外を連通して前記ブリーザ室の空気を前記ケース外に排出するためのブリーザ通路が形成されており、前記ブリーザ室構成部材は、前記ブリーザ通路に差し込まれる被差込部と、前記被差込部と一体であると共に、前記ブリーザ通路の前記ケース内側の開口周りの内壁面との間にブリーザ室を構成する構成部材本体と、を備え、前記被差込部が前記ブリーザ通路から抜けないように前記ブリーザ室構成部材を規制する規制部材を備えることを特徴とする。
このような構成によれば、ブリーザ室構成部材の被差込部がブリーザ通路に差し込んだ状態で規制部材がブリーザ室構成部材を規制することによって、被差込部がブリーザ通路から抜けないと共に、ブリーザ室構成部材が、ブリーザ通路周りのケースの上壁部と規制部材とで挟まれて規制されつつ、ケースに取り付けられることになる。そして、構成部材本体と、ブリーザ通路のケース内側の開口周りの内壁面との間にブリーザ室が構成される。
ここで、ブリーザ通路の向き、規制部材の位置は、動力伝達軸の回転方向(オイルの掻き上げ方向)や、ケース外の状況(動力伝達軸の回転方向(オイルの掻き上げ方向))に対応して、レイアウト自在である。これにより、ブリーザ室構成部材及びブリーザ室も、レイアウト自在となり易くなる。
また、動力伝達装置において、前記ケースは、複数の分割片に分割されており、前記複数の分割片のうちの少なくとも1つの分割片が、前記規制部材であることが好ましい。
このような構成によれば、複数の分割片のうちの少なくとも1つの分割片が規制部材であるので、規制部材専用の部品は兼用であり、部品点数が増加しない。
また、動力伝達装置において、前記構成部材本体は、弾性変形可能であり、その復元力によって、前記ケース内壁面に当接していることが好ましい。
このような構成によれば、弾性変形可能な構成部材本体の復元力によって、構成部材本体がケース内壁面に当接することにより、構成部材本体がケースに安定して支持され易くなる。
また、動力伝達装置において、前記ブリーザ通路の延長方向は、前記回転体が正方向で回転した場合において掻き上げられるオイルの指向方向とずれていることが好ましい。
このような構成によれば、ブリーザ通路の延長方向が、回転体が正方向で回転した場合において掻き上げられるオイルの指向方向とずれているので、オイルがブリーザ通路に流入し難くなり、オイルが外部にさらに漏れ難くなる。
また、動力伝達装置において、前記ブリーザ通路は、外部に向かうにつれて斜め上方に延びており、前記規制部材は、前記構成部材本体の前記被差込部の反対側に当接し、前記ブリーザ通路の延長方向において前記ブリーザ室構成部材を規制していることが好ましい。
このような構成によれば、ブリーザ通路は外部に向かうにつれて斜め上方に延びているので、オイルがブリーザ通路に流入したとしても、オイルがブリーザ通路から外部に流出し難くなる。また、規制部材は構成部材本体の被差込部の反対側に当接しているので、ブリーザ通路の延長方向においてブリーザ室構成部材を良好に規制できる。
また、動力伝達装置において、前記ブリーザ室構成部材は、一体で形成され、弾性変形可能な樹脂成型品であることが好ましい。
また、動力伝達装置において、前記ケースは、前記ブリーザ通路の延長方向に分割された第1ケースと第2ケースとを少なくても備え、前記第1ケースは、前記ブリーザ通路を備え、前記第2ケースは、前記規制部材であり、前記構成部材本体は、弾性変形可能であり、弾性変形した状態で前記第1ケースの内壁面に当接し、前記ブリーザ通路は、外部に向かうにつれて前記第2ケースから離間するように斜め上方に延び、前記規制部材は、前記構成部材本体の前記被差込部の反対側に当接し、前記ブリーザ通路の延長方向において前記ブリーザ室構成部材を規制しており、前記構成部材本体の復元力により、前記被差込部が前記ブリーザ通路から抜ける方向に案内され、前記構成部材本体の前記被差込部の反対側が前記規制部材に押し付けられていることが好ましい。
本発明によれば、ブリーザ室がレイアウト自在となり易い動力伝達装置を提供することができる。
本実施形態に係るトランスファ装置の平面図である。 本実施形態に係るトランスファ装置の平断面図であり、図3のX3−X3線断面に対応している。 本実施形態に係るトランスファ装置の側面図である。 本実施形態に係るトランスファ装置の側断面図であり、図1、図2のX1−X1線断面に対応している。 本実施形態に係るトランスファ装置の車幅方向断面図であり、図1〜図3のX2−X2線断面に対応している。 (a)は本実施形態に係るトランスファ装置の一部の斜視図であり、(b)は拡大図である。 本実施形態に係るブリーザ室構成部材の図であり、(a)は左前上からの斜視図、(b)は右後下からの斜視図である。 本実施形態に係るブリーザ室構成部材の図であり、(a)は平面図、(b)は左側面図、(c)は正面図である。 変形例に係るブリーザ室構成部材の図であり、(a)は左前上からの斜視図、(b)は左後上からの斜視図である。
本発明の一実施形態について、図1〜図8を参照して説明する。
≪トランスファ装置の構成≫
図1に示す本実施形態に係るトランスファ装置1(動力伝達装置)は、FFベースの四輪駆動車(車両)に搭載され、ボンネット下のエンジンルームに横置き配置されたエンジン(内燃機関、動力源)からの動力を、前後方向に延びるプロペラシャフトに伝達する装置である。エンジンの動力は、変速機で変速された後、フロントデフ装置を構成するデフケースに入力され、デフケースと一体である入力軸11(インプットシャフト、回転体、図2参照)に入力された後、減速しつつ90°偏向し、プロペラシャフトに入力されるようになっている。
図2に示すように、トランスファ装置1は、入力軸11と、軸受21及び軸受22と、出力軸31(アウトプットシャフト、回転体)と、軸受41及び軸受42と、これらを収容するケース50と、ブリーザプラグ90(図1参照)と、を備えている。そして、ケース50内にはオイル(潤滑油)が封入されている。オイルは、入力軸11、出力軸31、軸受21等、後記するリングギヤ15を潤滑すると共に冷却するものである。
<入力軸>
入力軸11は、車幅方向に延びる円筒状の一体成型品であって、動力を伝達する軸である。入力軸11は、その中間部分において右側に向かうにつれて徐々に拡径した中間部12と、中間部12の左側に形成されたボス部13と、中間部12の右側に形成されたボス部14と、を備えている。なお、入力軸11の左方にフロントデフ装置が配置されており、フロントデフ装置を構成する右サイドギヤと一体で回転し、右サイドギヤから右前輪に向かって延びる右前駆動軸(図示しない)が、入力軸11内を挿通している。
入力軸11の中間やや右側寄りの拡径した部分に、リングギヤ15(回転体)が固定されている。リングギヤ15は、入力軸11と一体で回転するようになっている。
入力軸11(リングギヤ15)は、左側面視において(図4参照)、車両が前進する場合に左回りである正方向A1で回転し、車両が後退する場合に右回りである逆方向A2で回転する。これに対応して、出力軸31(ピニオンギヤ32)は、正面視において(図5、図6参照)、車両が前進する場合に右回りである正方向A3で回転し、車両が後退する場合に左回りである逆方向A4で回転する。
左側のボス部13は、軸受21に内嵌しており、軸受21を介してケース50に回転自在で支持されている。軸受21の外側において、ボス部13とケース50との間には、オイルシール16が装着されている。これにより、ケース50内のオイルが外部に漏れず、また、外部の泥水、塵埃がケース50内に浸入しないようになっている。
ボス部13のオイルシール16(ケース50)から突出する部分の外周面には、スプライン軸13aが形成されている。そして、スプライン軸13aはデフケースのスプライン穴とスプライン結合し、デフケースとスプライン軸13a(入力軸11)とは一体で回転するようになっている。
右側のボス部14は、軸受22に内嵌しており、軸受22を介してケース50に回転自在で支持されている。軸受22の外側において、ボス部14とケース50との間には、オイルシール17が装着されている。これにより、ケース50内のオイルが外部に漏れず、また、外部の泥水、塵埃がケース50内に浸入しないようになっている。
<軸受21、22>
軸受21、軸受22は、入力軸11をケース50に回転自在で軸支するものである。本実施形態において、軸受21、軸受22は、テーパローラベアリングで構成されているが、その他に例えば、ボールベアリング等で構成されてもよい。
<出力軸>
出力軸31は、前後方向に延びる棒状の一体成型品であり、動力を伝達する軸である。
出力軸31は、その前端側に、円錐台状のピニオンギヤ32を備えている。ただし、ピニオンギヤ32は、出力軸31と別部品でもよい。ピニオンギヤ32は、リングギヤ15と噛合している。そして、ピニオンギヤ32及びリングギヤ15を備えて構成される減速機構(ギヤ機構)によって、リングギヤ15の動力は、減速しつつ90°偏向し、出力軸31に入力されるようになっている。
出力軸31の後端側の外周面にはスプライン軸33が形成されている。そして、スプライン軸33はプロペラシャフト側のスプライン穴とスプライン結合しており、出力軸31はプロペラシャフトと一体で回転するようになっている。
<軸受41、42>
軸受41、軸受42は、出力軸31をケース50に回転自在で支持するものである。本実施形態において、軸受41、軸受42は、テーパローラベアリングで構成されているが、その他に例えば、ボールベアリング等で構成されてもよい。
<ケース>
ケース50は、入力軸11、軸受21、軸受22、出力軸31、軸受41及び軸受42を収容するケースである。そして、ケース50の内部空間はオイル室51を構成しており、オイル室51にオイルが封入されている。
ケース50は、前後方向(後記するブリーザ通路64の延長方向A5、図4参照)において、3つのピース(分割片)に分割された3ピース構成であり、中央の第1ケース60(ケース本体)と、前側の第2ケース70(カバー、規制部材)と、後側の第3ケース80と、を備えている。ただし、ケース50は3ピース構成に限定されず、2ピース構成、4…ピース構成でもよい。
第1ケース60と第2ケース70との第1分割面(第1合わせ面)は、鉛直面上、言い換えると、平面視において入力軸11の回転軸線O1を通る面上に設定されている。第1ケース60と第3ケース80との第2分割面(第2合わせ面)は、軸受42が装着されるケース50の環状溝55を通る面上に設定されている。ただし、第1分割面(第1合わせ面)の位置はこれに限定されず、例えば、回転軸線O1に対して前後にオフセットした位置でもよいし、また、鉛直方向に対して傾斜してもよい。第2分割面(第2合わせ面)についても同様である。
<第1ケース>
第1ケース60は、前側が開口し略半球殻状を呈する半球殻状部61と、半球殻状部61の後側頂部から後方に延びる円筒状の円筒状部62と、を備えている。半球殻状部61は入力軸11の後半分を収容しており、円筒状部62は出力軸31の前側約2/3を収容している。
<第1ケース−ブリーザ通路>
図4に示すように、半球殻状部61の上壁部63には、半球殻状部61内外を連通し、円形の通路断面であるブリーザ通路64が形成されている。ブリーザ通路64は、後方に向かうにつれて斜め上方に延びており、ブリーザ通路64の前端は半球殻状部61内の後記するブリーザ室52で開口し、ブリーザ通路64の後端は外部に開口している。すなわち、ブリーザ通路64は、第1ケース60の前側開口から遠ざかる後方に向かうにつれて、斜め上方に向かっている。
言い換えると、ブリーザ通路64の延長方向A5と正方向A1で回転するリングギヤ15で掻き上げられるオイルの鉛直上向きの指向方向A6とはずれている。これにより、掻き上げられたオイルがブリーザ通路64内に浸入し難くなっている。
<第2ケース>
第2ケース70は、後側が開口し略半球殻状を呈する半球殻状部71と、蓋72と、を備えている。出力軸31の回転軸線O2上であって、半球殻状部71の前下側には、半球殻状部71(ケース50)内外を連通する連通窓71aが形成されており、蓋72が連通窓71aを閉じている。蓋72は、半球殻状部71に対して、ボルトによって着脱自在に取り付けられている。
第2ケース70は、後記するプレート部120の前側(被差込部110の反対側)に当接し、前後方向(ブリーザ通路64の延長方向)において、プレート部120を規制する部品である。
<第3ケース>
第3ケース80は、前後方向において円筒状を呈する部品であり、出力軸31の後側約1/3を収容している。第3ケース80の後端側の内周面には、オイルシール81が取り付けられている。
<ブリーザプラグ>
図4に示すように、ブリーザプラグ90は、ブリーザ通路64の出口に取り付けられた常閉型のリリーフ弁である。すなわち、ブリーザプラグ90は、ブリーザ通路64が所定圧力以上となった場合に開弁し、ブリーザ通路64のガスを外部にリリーフ(排出)するようになっている。
ここで、ブリーザ通路64はオイル室51及びブリーザ室52と連通しており、ブリーザ通路64の圧力は、オイル室51及びブリーザ室52の圧力と等しい。したがって、ブリーザプラグ90が開弁すると、オイル室51の圧力が低下し、これにより、オイルシール16等がシール不足とならず、オイルが外部に漏れないようになっている。
<ブリーザ室構成部材>
ブリーザ室構成部材100は、ケース50内に取り付けられ、ケース50内を不完全に仕切り、オイル室51とブリーザ室52とを構成する部品である。ブリーザ室構成部材100は、1枚の鋼板を部分的に不完全に打ち抜き、打ち抜いた部分が立ち上がるように曲げ加工することで形成されている。ブリーザ室構成部材100は、曲げ加工することで形成されブリーザ通路64に差し込まれる被差込部110と、被差込部110と一体であってケース50の内壁面に当接するプレート部120(構成部材本体、土台部)と、を備えている。
なお、オイル室51とブリーザ室52とは、後記する貫通孔121aと、後記するプレート部120及びケース50の内壁面の隙間と、を介して連通している。そして、ケース50内のガスが、貫通孔121a及び前記隙間、ブリーザ室52を通って、ブリーザ通路64に流入するようになっている。
<ブリーザ室構成部材−被差込部>
被差込部110は、側面視において略L字形を呈する短冊状の板片であり、鉛直方向に延びる鉛直部111と、鉛直部111の先端から後斜めに延びる傾斜部112と、を備えている。水平面に対して、傾斜部112の傾斜角度と、ブリーザ通路64の傾斜角度とは同一となっている。傾斜部112の幅はブリーザ通路64の内径よりも僅かに小さく設定されている。
なお、被差込部110は、板状であるため、ブリーザ通路64に差し込んでもブリーザ通路64が閉塞することはない。
鉛直部111の後側は、ブリーザ通路64の入口を囲む第1ケース60の上壁部63に当接しており、被差込部110がブリーザ通路64に所定位置まで差し込まれるようになっている。すなわち、ブリーザ室構成部材100は、前後方向において、前側の第2ケース70と、ブリーザ通路64の入口を囲む第1ケース60の上壁部63とで挟まれており、車両の走行によって振動しても、被差込部110がブリーザ通路64から抜けず、ブリーザ室構成部材100の位置ずれは防止されている。
<ブリーザ室構成部材−プレート部>
プレート部120は、ケース50内を不完全に仕切り、ブリーザ通路64のケース50内側の開口周りを構成する上壁部63の内壁面63aとの間にブリーザ室52を構成する部品である。プレート部120は、正面視において略逆V字形を呈する折り曲げ片であり、折れ線Pを挟んで、左側の第1プレート片121と、第2プレート片122と、を備えている。
ただし、プレート部120は、正面視において略逆V字形に限定されず、その他に例えば、円弧状でもよい。また、独立した第1プレート片121及び第2プレート片122を溶接等によって接合し、プレート部120を構成してもよい。
第1プレート片121と第2プレート片122との間の折り曲げ角θ1(挟角)は鈍角であり(図8(c)参照)、第1プレート片121と第2プレート片122は、折れ線Pを中心として弾性変形可能となっている。
第1ケース60(ケース50)への取り付け前において、プレート部120の折り曲げ角θ1は、ブリーザ通路64のケース50内側開口周りであって、プレート部120が当接する内壁面63aのなす角度θ2よりも僅かに大きく設定されている(θ1>θ2、図5(b)、図8(c)参照)。
一方、第1ケース60(ケース50)への取り付け後において、プレート部120の折り曲げ角θ1は、ケース角θ2と等しくなっている(θ1=θ2、図5(b)参照)。すなわち、ブリーザ室構成部材100の第1ケース60への取り付けると、プレート部120が第1ケース60に密着しつつ、その弾性変形が進み、プレート部120の折り曲げ角θ1が徐々に小さくなり、ケース角θ2と等しくなる。これにより、プレート部120は、それ自身の復元力(ばね力)によって折り曲げ角θ1が大きくなる方向に開こうとしており、ケース内壁面に当接(圧接)し、密着している。
したがって、車両の走行によりトランスファ装置1が振動しても、プレート部120がケース50に継続して密着し、プレート部120とケース50との間で異常な音や振動が発生しないようになっている。また、プレート部120自体の復元力により、プレート部120がケース50に取り付けられた構成であるので、ボルト等の取付部品が不要であり、組み付け作業性も良好である。
第1プレート片121は、そのやや後側寄りに略L字形の貫通孔121aを備えている。貫通孔121aは、後記するように不完全に打ち抜かれた部分(被差込部110)が折り曲げられることで形成された抜き孔である。
貫通孔121aは、略上下方向に延びる第1プレート片121に形成されている(図5(b)参照)。これにより、正方向A1で回転する入力軸11及びリングギヤ15で鉛直上向きに掻き上げられるオイルが、貫通孔121aを通り難くなっている。
貫通孔121aは、ピニオンギヤ32の正方向A3で回転した場合において(図5(a)参照)、ピニオンギヤ32の頂部よりも下流に配置されている。これにより、ピニオンギヤ32が正方向A3で回転し、オイルがピニオンギヤ32の接線方向で飛散したとしても、ピニオンギヤ32の頂部よりも下流側におけるオイルの飛散量は少ないので、貫通孔121aを通過するオイル量も少なくなる。
また、貫通孔121aとブリーザ通路64とは、左右方向においてずれているので、オイルが貫通孔121aを通過しブリーザ室52に浸入したとしても、オイルがそのままブリーザ通路64に流入し難くなっている(図5(b)参照)。
第2プレート片122は、その前端側に部分的に前方に突出する突出部122aを備えている。突出部122aは前後方向において第1ケース60よりも前方に突出しており、突出部122aの前端面には第2ケース70が当接し規制している。これにより、ブリーザ室構成部材100が前方に移動せず、被差込部110がブリーザ通路64から抜け出さないようになっている。
<ブリーザ室構成部材−一作製方法>
ブリーザ室構成部材100の一作製方法を説明する。
所定形状の1枚の鋼板を折り曲げ線Pにて折り曲げ角θ1で折り曲げる。折り曲げ線Pを挟み第1プレート片121に対応する折り曲げ片に、被差込部110の外形に対応した打ち抜き線(切れ込み線)を形成する。前記打ち抜き線の内側の部分を、前記折り曲げ線Pを支点として鉛直上方に立ち上げるように折り曲げる。そうすると、ブリーザ室構成部材100を得る。
≪トランスファ装置の効果≫
このようなトランスファ装置によれば次の効果を得る。
ブリーザ室構成部材100の被差込部110をブリーザ通路64に差し込み、第2ケース70がプレート部120の前側に当接することで、前後方向において、ブリーザ室構成部材100が、ブリーザ通路64周りの第1ケース60の上壁部63と第2ケース70とで挟まれて規制されつつ、ケース50に取り付けられる。
≪変形例≫
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、例えば、次のように変更してもよい。
前記した実施形態では、1枚の鋼板を打ち抜き曲げ加工して得たブリーザ室構成部材100を例示したが(図7、図8参照)、その他に例えば、図9に示すブリーザ室構成部材200でもよい。ブリーザ室構成部材200は、一体で形成された樹脂成型品であり、被差込パイプ210と、プレート部220と、を備えている。その他、鋼製のプレート部220に鋼製の被差込パイプ210が接合されたものでもよい。
被差込パイプ210は、鉛直方向に延びる鉛直部211と、鉛直部211の先端から後斜め上方向に延びる傾斜部212と、を備えている。鉛直部211の後側には鉛直部211内外を連通する切欠211a(連通孔)が形成されている。そして、ブリーザ室52のガスが、切欠211aを通って鉛直部211(被差込パイプ210)内に浸入し、傾斜部212内を通ってブリーザ通路64に向かうようになっている。傾斜部212はブリーザ通路64に差し込まれる部分であり、傾斜部212の外径はブリーザ通路64の内径よりも僅かに小さい。
プレート部220は、図7〜図8のプレート部120と同様の構成であり、第1プレート片221と、突出部222aを有する第2プレート片222と、を備えている。
前記した実施形態では、カバーである第2ケース70がプレート部120(ブリーザ室構成部材100)に当接し、第2ケース70が前後方向においてブリーザ室構成部材100を規制する構成を例示したが、その他に例えば、端子台(又は端子カバー)や、オイルガータ等で構成される規制部材が、プレート部120に当接する構成でもよい。端子台は、モータジェネレータの端子が固定される台であり、端子カバーは前記端子を保護するカバーである。オイルガータは、ケース50内において、オイルの通流経路を形成するための樋部材である。
前記した実施形態では、動力伝達装置がトランスファ装置(副変速機)である構成を例示したが、その他に例えば、変速機(主変速機)、終減速装置である構成でもよい。
1 トランスファ装置(動力伝達装置)
11 入力軸(回転体)
15 リングギヤ(回転体)
21、22、41、42 軸受
31 出力軸(回転体)
32 ピニオンギヤ(回転体)
50 ケース
51 オイル室
52 ブリーザ室
60 第1ケース
63 上壁部
63a 内壁面
64 ブリーザ通路
70 第2ケース(規制部材)
80 第3ケース
90 ブリーザプラグ
100 ブリーザ室構成部材
110 被差込部
120 プレート部(構成部材本体)
A1、A3 正方向
A2、A4 逆方向
A5 延長方向
A6 指向方向

Claims (7)

  1. 動力を伝達する回転体と、
    前記回転体を回転自在に支持する軸受と、
    前記回転体及び前記軸受を収容するケースと、
    前記ケース内にブリーザ室を構成するブリーザ室構成部材と、
    を備え、
    前記ケース内に、前記回転体及び前記軸受を潤滑するオイルが封入されている動力伝達装置であって、
    前記ケースの上壁部には、前記ケース内外を連通して前記ブリーザ室の空気を前記ケース外に排出するためのブリーザ通路が形成されており、
    前記ブリーザ室構成部材は、前記ブリーザ通路に差し込まれる被差込部と、前記被差込部と一体であると共に、前記ブリーザ通路の前記ケース内側の開口周りの内壁面との間にブリーザ室を構成する構成部材本体と、を備え、
    前記被差込部が前記ブリーザ通路から抜けないように前記ブリーザ室構成部材を規制する規制部材を備える
    ことを特徴とする動力伝達装置。
  2. 前記ケースは、複数の分割片に分割されており、
    前記複数の分割片のうちの少なくとも1つの分割片が、前記規制部材である
    ことを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。
  3. 前記構成部材本体は、弾性変形可能であり、その復元力によって、前記ケース内壁面に当接している
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の動力伝達装置。
  4. 前記ブリーザ通路の延長方向は、前記回転体が正方向で回転した場合において掻き上げられるオイルの指向方向とずれている
    ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の動力伝達装置。
  5. 前記ブリーザ通路は、外部に向かうにつれて斜め上方に延びており、
    前記規制部材は、前記構成部材本体の前記被差込部の反対側に当接し、前記ブリーザ通路の延長方向において前記ブリーザ室構成部材を規制している
    ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の動力伝達装置。
  6. 前記ブリーザ室構成部材は、一体で形成され、弾性変形可能な樹脂成型品である
    ことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の動力伝達装置。
  7. 前記ケースは、前記ブリーザ通路の延長方向に分割された第1ケースと第2ケースとを少なくても備え、
    前記第1ケースは、前記ブリーザ通路を備え、
    前記第2ケースは、前記規制部材であり、
    前記構成部材本体は、弾性変形可能であり、弾性変形した状態で前記第1ケースの内壁面に当接し、
    前記ブリーザ通路は、外部に向かうにつれて前記第2ケースから離間するように斜め上方に延び、
    前記規制部材は、前記構成部材本体の前記被差込部の反対側に当接し、前記ブリーザ通路の延長方向において前記ブリーザ室構成部材を規制しており、
    前記構成部材本体の復元力により、前記被差込部が前記ブリーザ通路から抜ける方向に案内され、前記構成部材本体の前記被差込部の反対側が前記規制部材に押し付けられていることを特徴とする請求項1に記載の動力伝達装置。
JP2012256601A 2012-11-22 2012-11-22 動力伝達装置 Active JP6058364B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012256601A JP6058364B2 (ja) 2012-11-22 2012-11-22 動力伝達装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012256601A JP6058364B2 (ja) 2012-11-22 2012-11-22 動力伝達装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014105712A JP2014105712A (ja) 2014-06-09
JP6058364B2 true JP6058364B2 (ja) 2017-01-11

Family

ID=51027412

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012256601A Active JP6058364B2 (ja) 2012-11-22 2012-11-22 動力伝達装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6058364B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102226557B1 (ko) * 2019-06-13 2021-03-11 현대위아(주) 총륜구동장치의 오일 윤활장치

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3980829B2 (ja) * 2000-12-18 2007-09-26 本田技研工業株式会社 ディファレンシャルギヤ装置のブリーザ構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014105712A (ja) 2014-06-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2650568B1 (en) Gear box and saddle-type vehicle including the same
JP6243514B2 (ja) パワートランスファユニット
JP6058364B2 (ja) 動力伝達装置
JP2018034713A (ja) インホイールモータ駆動装置
JP2006162039A (ja) 自動車等の変速装置
JP2002295644A (ja) ディファレンシャル構造
JP2018173115A (ja) 樹脂ケース
JP4574511B2 (ja) 車両用デファレンシャル装置
JP5130924B2 (ja) ギヤユニット及び潤滑油飛散防止方法
EP3306138B1 (en) Belt type stepless transmission
JP2010101343A (ja) 油量調整機構
JP6390687B2 (ja) デファレンシャルユニットのブリーザー構造
JP2019011824A (ja) 車両用駆動装置
JP6409615B2 (ja) ディファレンシャル装置
JP2019035494A (ja) 車両用動力伝達装置
JP2018076880A (ja) 変速機の磁石取付構造
JP6520449B2 (ja) ディファレンシャル装置
JP2017032039A (ja) 車両用変速機
JP2021063551A (ja) ギヤ機構の冷却構造
JP2014105750A (ja) 動力伝達装置
JP7357553B2 (ja) ブリーザ
JP7443898B2 (ja) 動力伝達装置
JP5559673B2 (ja) シール構造
JP4569147B2 (ja) ディファレンシャル装置のブリーザ構造
JP6683063B2 (ja) 動力伝達装置の潤滑構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150716

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160406

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160419

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20160601

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160602

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20160601

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161115

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161207

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6058364

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250