JP3980829B2 - ディファレンシャルギヤ装置のブリーザ構造 - Google Patents

ディファレンシャルギヤ装置のブリーザ構造 Download PDF

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    • F16HGEARING
    • F16H57/00General details of gearing
    • F16H57/02Gearboxes; Mounting gearing therein
    • F16H57/027Gearboxes; Mounting gearing therein characterised by means for venting gearboxes, e.g. air breathers

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディファレンシャルギヤを収納するディファレンシャルギヤケースのギヤ室の上方にリブを介して区画したブリーザ室を、前記リブに形成した連通孔を介してギヤ室に連通させたディファレンシャルギヤ装置のブリーザ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
かかるディファレンシャルギヤ装置のブリーザ構造は、特開2000−65191号公報により公知である。このものは、ディファレンシャルギヤのリングギヤの回転によりギヤ室内に撥ね上げられた潤滑油が連通孔を通過してブリーザ室に浸入するのを防止すべく、仕切部材で連通孔の後方を仕切るとともに、リングギヤと連通孔との間を仕切っている。従って、車両の前進走行時にギヤ室の内部で回転するリングギヤが撥ね上げた潤滑油は連通孔の後方を仕切る仕切部材に遮られて連通孔への浸入を阻止され、またリングギヤから側方に流れた潤滑油はリングギヤと連通孔との間を仕切る仕切部材に遮られて連通孔への浸入が阻止される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記特開2000−65191号公報に記載されたものは、その仕切部材が連通孔の後方を仕切っていることから、車両の前進走行時にリングギヤが撥ね上げた潤滑油が連通孔に浸入するのを防止することは可能であるが、車両の後進走行時にリングギヤが撥ね上げた潤滑油を遮ることができず、連通孔を通してブリーザ室に潤滑油が浸入する可能性があった。
【0004】
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、ディファレンシャルギヤケースのブリーザ室への潤滑油の浸入を確実に阻止できるようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、合わせ面において結合される第1ケース半体および第2ケース半体の各々の上部空間に互いに対向するように突設した第1リブおよび第2リブにより、左右軸回りに回転するリングギヤを備えたディファレンシャルギヤを収納するギヤ室と、このギヤ室の上方に位置して大気に連通するブリーザ室とを区画し、第1リブおよび第2リブの少なくとも一方に設けた切欠によりブリーザ室とギヤ室とを連通させる連通孔を形成し、かつ第1ケース半体および第2ケース半体の前記第1リブおよび第2リブよりも下方位置に、ディファレンシャルギヤボックスを回転可能に支持する一対のボールベアリングのうちのリングギヤから遠い側のボールベアリングに向かって下方に傾斜する第3リブおよび第4リブを互いに対向するように突設したディファレンシャルギヤ装置のブリーザ構造において、前方仕切板、後方仕切板および側方仕切板を備えた仕切部材をギヤ室に設け、前記前方仕切板と後方仕切板とで前記連通孔のリングギヤの回転方向に対する前方および後方を仕切るとともに、前記側方仕切板でリングギヤと連通孔との間を仕切り、かつ前記側方仕切板のリングギヤから遠い先端部側を下方に傾斜させて前記第3リブあるいは第4リブに形成した開口の上方に臨ませ、更に前記仕切部材は前方仕切板、後方仕切板、側方仕切板および取付部を一体に有する単一の部材で構成されており、前記取付部は断面U字状に屈曲して前記第1リブまたは第2リブに嵌合することを特徴とするディファレンシャルギヤ装置のブリーザ構造が提案される。 上記構成によれば、車両の前進走行時にディファレンシャルギヤのリングギヤが前進回転して撥ね上げた潤滑油は、連通孔の後方を仕切る後方仕切板に遮られて連通孔への浸入を阻止され、車両の後進走行時にディファレンシャルギヤのリングギヤが後進回転して撥ね上げた潤滑油は、連通孔の前方を仕切る前方仕切板に遮られて連通孔への浸入を阻止され、またリングギヤから側方に撥ね飛ばされた潤滑油はリングギヤと連通孔との間に介在する側方仕切板に遮られて連通孔への浸入を阻止されるため、ブリーザ室への潤滑油の浸入を一層確実に防止することができる。しかもリングギヤから側方に撥ね飛ばされた潤滑油は下方に傾斜した側方仕切板の下面に案内されて流れるので、リングギヤから側方に離れていて潤滑油が届き難い被潤滑部を効果的に潤滑することができる。
【0006】
またリングギヤが撥ね上げた潤滑油は下方に傾斜する第3リブおよび第4リブに沿って案内されるので、ディファレンシャルギヤボックスを回転可能に支持する一対のボールベアリングのうち、リングギヤから遠い側にあって潤滑油が届き難いボールベアリングを潤滑することができる。特に、側方仕切板のリングギヤから遠い先端部側を下方に傾斜させて第3リブあるいは第4リブに形成した開口の上方に臨ませたので、側方仕切板に沿って案内された潤滑油を前記開口から落下させてディファレンシャルギヤボックスの内部を潤滑することができる。
【0007】
更に、仕切部材は前方仕切板、後方仕切板、側方仕切板および取付部を一体に有する単一の部材で構成されており、その断面U字状に屈曲する取付部を第1リブまたは第2リブに嵌合させることで着脱自在に取り付けられるので、既存のディファレンシャルギヤ装置を大幅に改修することなく取り付け可能になって極めて低コストである。
【0008】
尚、実施例のフロントケース11およびリヤケース12はそれぞれ本発明の第1ケース半体および第2ケース半体に対応し、実施例の第1連通孔31および第2連通孔33はそれぞれ本発明の連通孔に対応し、実施例の第1仕切板34aは本発明の後方仕切板に対応し、実施例の第2仕切板34bは本発明の前方仕切板に対応し、実施例の第3仕切板34cは本発明の側方仕切板に対応する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
図1〜図6は本発明の一実施例を示すもので、図1はディファレンシャルギヤ装置の水平断面図、図2は図1の2−2線断面図、図3は図2の要部拡大図、図4は図2の4−4線断面図、図5は仕切部材の展開図、図6は仕切部材の斜視図である。
【0010】
図1および図2に示すように、自動車用のプロペラシャフトの駆動力を左右の後輪に配分するディファレンシャルギヤ装置Dは、左右方向に延びる鉛直な合わせ面Pにおいて前後2分割されて6本のボルト10…で締結されたフロントケース11およびリヤケース12を備えており、フロントケース11およびリヤケース12によりディファレンシャルギヤケース13が構成される。フロントケース11には前後方向に延びるインプットシャフト14がローラベアリング15を介して支持されており、その後端にベベルギヤよりなるドライブピニオン16が一体に形成される。フロントケース11およびリヤケース12の合わせ面Pに挟まれた左右一対のボールベアリング17L,17Rに、ディファレンシャルギヤボックス18の左右両端から突出する筒状部18a,18aが回転自在に支持されており、このディファレンシャルギヤボックス18のフランジ18bにボルト19…で固定されたベベルギヤよりなるリングギヤ20が前記ドライブピニオン16に噛合する。図2に鎖線で示すように、ディファレンシャルギヤボックス18には開口18cが形成される。
【0011】
中空のディファレンシャルギヤボックス18をピニオンシャフト21が貫通してピン22で固定されており、このピニオンシャフト21にベベルギヤよりなる一対のディファレンシャルピニオン23,23が回転自在に支持される。ディファレンシャルギヤボックス18の筒状部18a,18aに左右のドライブシャフト24L,24Rが相対回転自在に支持されており、各々のドライブシャフト24L,24Rの相対向する先端部に前記ディファレンシャルピニオン23,23に噛合する左右のディファレンシャルサイドギヤ25L,25Rがスプライン結合される。
【0012】
次に、図2〜図6を参照してディファレンシャルギヤ装置Dのブリーザ構造を説明する。
【0013】
ディファレンシャルギヤケース13の内部には、前記ディファレンシャルギヤボックス18、リングギヤ20、ディファレンシャルピニオン23,23およびディファレンシャルサイドギヤ25L,25Rを含むディファレンシャルギヤ26が収納されるギヤ室27が区画され、その上部右側にブリーザ室28が区画される。即ち、フロントケース11の上部右側に形成された第1リブ29と、リヤケース12の上部右側に形成された第2リブ30とが相互に接合され、その上方にブリーザ室28が区画される。図3において右下がりに傾斜する第1リブ29の下端部に切欠よりなる第1連通孔31が形成され、中間部に切欠よりなる仕切部材取付溝32が形成される。一方、図4において左下がりに傾斜する第2リブ30の上端部に切欠よりなる第2連通孔33が形成される。
【0014】
従って、フロントケース11およびリヤケース12の接合により第1リブ29および第2リブ30の上方に区画されたブリーザ室28は、第1リブ29に形成した第1連通孔31(図3参照)と第2リブ30に形成した第2連通孔33(図4参照)とを介して下方のギヤ室27に連通する。そして第1リブ29に形成した仕切部材取付溝32と第2リブ30との間に形成されたスリット状の開口に仕切部材34が取り付けられる。ブリーザー室28はブリーザパイプ35およびブリーザチューブ36を介して大気に連通する。
【0015】
フロントケース11の第1リブ29の下方とリヤケース12の第2リブ30の下方とに、それぞれ第3リブ37および第4リブ38が相対向するように突設される。第4リブ38はその全長に亘って合わせ面Pと同じ高さであるが、第3リブ37は最も突出した当接面37aだけが合わせ面Pと同じ高さであり、従って第3リブ37および第4リブ38は当接面37aを除く位置で相互に離間しており、そこに開口37b(図3参照)が形成されている。仕切部材34の下方において第3リブ37および第4リブ38は右下がりに傾斜しており、その最も低い右端は右側のボールベアリング17Rの上部に達している。
【0016】
仕切部材34は、図5に示す形状に切断された鉄板を折り曲げることにより、図6に示す立体形状に構成されるもので、平坦な第1仕切板34aと、平坦な第2仕切板34bと、断面L字状に屈曲した第3仕切板34cと、断面U字状に屈曲した取付部34dとを備えており、第1仕切板34aおよび第2仕切板34bは第3仕切板34cにより接続され、取付部34dは第2仕切板34bの上縁から延びている。仕切部材34の第3仕切板34cは第1仕切板34aおよび第2仕切板34bの左側縁および下縁に沿うように折り曲げられており、これにより仕切部材34は箱状に形成される。仕切部材34の取付部34dをフロントケース11の第1リブ29の仕切部材取付溝32に嵌合させた状態で、フロントケース11にリヤケース12を結合すると、仕切部材34はリヤケース12の第2リブ30に押さえられて図3に示す位置に支持される。
【0017】
仕切部材34を装着した状態で、第1仕切板34aは第1、第2連通孔31,33の後方を左右方向に仕切り、かつ第2仕切板34bは第1、第2連通孔31,33の前方を左右方向に仕切るように配置され、更に第3仕切板34cはディファレンシャルギヤケース13の左側面に配置されたリングギヤ20と第1、第2連通孔31,33との間を仕切るように配置される。このとき、第3仕切板34cはリングギヤ20から遠い側にある先端部34e側が下向きに傾斜しており、その先端部34eは右側のディファレンシャルサイドギヤ25Rの上方で終わっている。以上のようにして、仕切部材34は第1、第2連通孔31,33の後方、前方、左側方および下方を覆っており、右側方だけが開口している。
【0018】
しかして、インプットシャフト14に設けたドライブピニオン16に噛合するリングギヤ20が回転すると、ディファレンシャルギヤケース13の底部に貯留された潤滑油がリングギヤ20により撥ね上げられ、ディファレンシャルギヤケース13内のディファレンシャルギヤ26の各噛合部やボールベアリング17L,17Rを潤滑する。温度変化によりディファレンシャルギヤケース13の容積の大部分を占めるギヤ室27内の空気に体積変化が生じたとき、第1リブ29に形成した第1連通孔31および第2リブ30に形成した第2連通孔33を介してギヤ室27がブリーザ室28に連通し、かつブリーザ室28がブリーザパイプ35およびブリーザチューブ36を介して大気に連通していることによりブリーザ機能が発揮される。
【0019】
さて、車両の前進走行時にリングギヤ20は車輪と同方向に前進回転するため、リングギヤ20によりディファレンシャルギヤケース13の内壁面に沿って撥ね上げられた潤滑油は、ブリーザ室28を区画する第1リブ29および第2リブ30の下面に沿って後方から前方に移動する。このとき、仕切部材34の第1仕切板34aがブリーザ室28の第1、第2連通孔31,33の後方を仕切っているので、潤滑油が前記第1、第2連通孔31,33からブリーザ室28に浸入するのを防止することができる。逆に車両の後進走行時には、リングギヤ20によりディファレンシャルギヤケース13の内壁面に沿って撥ね上げられた潤滑油は、第1リブ29および第2リブ30の下面に沿って前方から後方に移動するが、仕切部材34の第2仕切板34bがブリーザ室28の第1、第2連通孔31,33の前方を仕切っているので、潤滑油が前記第1、第2連通孔31,33からブリーザ室28に浸入するのを防止することができる。
【0020】
リングギヤ20によりディファレンシャルギヤケース13の内壁面の天井部に撥ね上げられた潤滑油の一部は、図2および図4に矢印aで示すように、ディファレンシャルギヤケース13の内壁面に沿って左側に流れ、左側のボールベアリング17Lを潤滑する。またディファレンシャルギヤケース13の内壁面の天井部から直接落下した潤滑油は、図2に矢印bで示すように、ディファレンシャルギヤボックス18の開口18cを通して左側のディファレンシャルサイドギヤ25Lおよび一対のディファレンシャルピニオン23,23を潤滑する。
【0021】
ところで、リングギヤ20はギヤ室27の左側に設けられているため、リングギヤ20から遠い右側のディファレンシャルサイドギヤ25Rや右側のボールベアリング17Rを効果的に潤滑することが難しくなる。しかしながら本実施例によれば、リングギヤ20によりディファレンシャルギヤケース13の内壁面の天井部に撥ね上げられた潤滑油の一部が、図2および図3に矢印cで示すように、ディファレンシャルギヤケース13の内壁面に沿って右側に流れた後に仕切部材34の第3仕切板34cの下面に沿って右側に流れ、第3仕切板34cの先端部34eから落下する。そして第3仕切板34cの先端部34eから落下した潤滑油は、第3リブ37の開口37bおよびディファレンシャルギヤボックス18の開口18cを通して右側のディファレンシャルサイドギヤ25Rを潤滑するとともに、それに連動して回転する一対のディファレンシャルピニオン23,23および左側のディファレンシャルサイドギヤ25Lを潤滑する。よって、焼き付きが発生し易いディファレンシャルピニオン23,23および左右のディファレンシャルサイドギヤ25L,25Rを効果的に潤滑することが可能となる。
【0022】
また図2および図4に矢印dで示すように、リングギヤ20から右側に撥ね飛ばされた潤滑油は、右下がりに傾斜した第3リブ37および第4リブ38の上面に沿って流れ、右側のボールベアリング17Rを潤滑する。特に、第1、第2仕切板34a,34bを第3、第4リブ37,38の上部に沿う形状にすることにより、潤滑油を図2および図4の矢印d方向に導き易くすることができる。
【0023】
上述したように、ディファレンシャルギヤケース13の内壁面の天井部から矢印c方向に流れた潤滑油の一部は、仕切部材34の第3仕切板34cの下面に阻止されて第1、第2リブ29,30の下面に達することができないため、その潤滑油が前記第1、第2連通孔31,33からブリーザ室28に浸入するのを防止することができる。
【0024】
本実施例の仕切部材34は独立に形成されていてディファレンシャルギヤケース13に対して着脱自在であるため、既存のディファレンシャルギヤ装置Dを大幅に改修することなく取り付け可能であり、極めて低コストである。しかも多方向から飛散する潤滑油を効果的に遮って連通孔31,33への浸入を確実に阻止できるので、ディファレンシャル装置Dが左右反転した配置になっても、また潤滑油の飛散状態が異なる様々な機種のディファレンシャルギヤ装置Dに対して効果的に適用することができる。また仕切部材34は箱型に形成されているため、本来のブリーザ室28に対して第2のブリーザ室として機能することができ、本来のブリーザ室28への潤滑油の浸入を一層効果的に防止することができる。
【0025】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
【0026】
例えば、実施例では第1リブ29に第1連通孔31を形成し、第2リブ30に第2連通孔を形成しているが、第1、第2リブ29,30の少なくとも一方に連通孔が設けられていれば良い。また実施例では仕切部材34を鉄板を折り曲げて構成しているが、その材料および製法は任意である。また仕切部材34の各仕切板の形状は平面である必要はなく、屈曲面、湾曲面あるいは波状の面であっても良い。
【0027】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に記載された発明によれば、車両の前進走行時にディファレンシャルギヤのリングギヤが前進回転して撥ね上げた潤滑油は、連通孔の後方を仕切る後方仕切板に遮られて連通孔への浸入を阻止され、車両の後進走行時にディファレンシャルギヤのリングギヤが後進回転して撥ね上げた潤滑油は、連通孔の前方を仕切る前方仕切板に遮られて連通孔への浸入を阻止され、またリングギヤから側方に撥ね飛ばされた潤滑油はリングギヤと連通孔との間に介在する側方仕切板に遮られて連通孔への浸入を阻止されるため、ブリーザ室への潤滑油の浸入を一層確実に防止することができる。しかもリングギヤから側方に撥ね飛ばされた潤滑油は下方に傾斜した側方仕切板の下面に案内されて流れるので、リングギヤから側方に離れていて潤滑油が届き難い被潤滑部を効果的に潤滑することができる。
【0028】
またリングギヤが撥ね上げた潤滑油は下方に傾斜する第3リブおよび第4リブに沿って案内されるので、ディファレンシャルギヤボックスを回転可能に支持する一対のボールベアリングのうち、リングギヤから遠い側にあって潤滑油が届き難いボールベアリングを潤滑することができる。特に、側方仕切板のリングギヤから遠い先端部側を下方に傾斜させて第3リブあるいは第4リブに形成した開口の上方に臨ませたので、側方仕切板に沿って案内された潤滑油を前記開口から落下させてディファレンシャルギヤボックスの内部を潤滑することができる。
【0029】
更に、仕切部材は前方仕切板、後方仕切板、側方仕切板および取付部を一体に有する単一の部材で構成されており、その断面U字状に屈曲する取付部を第1リブまたは第2リブに嵌合させることで着脱自在に取り付けられるので、既存のディファレンシャルギヤ装置を大幅に改修することなく取り付け可能になって極めて低コストである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ディファレンシャルギヤ装置の水平断面図
【図2】 図1の2−2線断面図
【図3】 図2の要部拡大図
【図4】 図2の4−4線断面図
【図5】 仕切部材の展開図
【図6】 仕切部材の斜視図
【符号の説明】
11 フロントケース(第1ケース半体)
12 リヤケース(第2ケース半体)
17L ボールベアリング
17R ボールベアリング
18 ディファレンシャルギヤボックス
20 リングギヤ
26 ディファレンシャルギヤ
27 ギヤ室
28 ブリーザ室
29 第1リブ
30 第2リブ
31 第1連通孔(連通孔)
33 第2連通孔(連通孔)
34 仕切部材
34a 第1仕切板(後方仕切板)
34b 第2仕切板(前方仕切板)
34c 第3仕切板(側方仕切板)
34d 取付部
34e 先端部
37 第3リブ
37b 開口
38 第4リブ
P 合わせ面

Claims (1)

  1. 合わせ面(P)において結合される第1ケース半体(11)および第2ケース半体(12)の各々の上部空間に互いに対向するように突設した第1リブ(29)および第2リブ(30)により、左右軸回りに回転するリングギヤ(20)を備えたディファレンシャルギヤ(26)を収納するギヤ室(27)と、このギヤ室(27)の上方に位置して大気に連通するブリーザ室(28)とを区画し、第1リブ(29)および第2リブ(30)の少なくとも一方に設けた切欠によりブリーザ室(28)とギヤ室(27)とを連通させる連通孔(31,33)を形成し、かつ第1ケース半体(11)および第2ケース半体(12)の前記第1リブ(29)および第2リブ(30)よりも下方位置に、ディファレンシャルギヤボックス(18)を回転可能に支持する一対のボールベアリング(17L,17R)のうちのリングギヤ(20)から遠い側のボールベアリング(17R)に向かって下方に傾斜する第3リブ(37)および第4リブ(38)を互いに対向するように突設したディファレンシャルギヤ装置のブリーザ構造において、
    前方仕切板(34b)、後方仕切板(34a)および側方仕切板(34c)を備えた仕切部材(34)をギヤ室(27)に設け、前記前方仕切板(34b)と後方仕切板(34a)とで前記連通孔(31,33)のリングギヤ(20)の回転方向に対する前方および後方を仕切るとともに、前記側方仕切板(34c)でリングギヤ(20)と連通孔(31,33)との間を仕切り、かつ前記側方仕切板(34c)のリングギヤ(20)から遠い先端部(34e)側を下方に傾斜させて前記第3リブ(37)あるいは第4リブ(38)に形成した開口(37b)の上方に臨ませ
    更に前記仕切部材(34)は前方仕切板(34b)、後方仕切板(34a)、側方仕切板(34c)および取付部(34d)を一体に有する単一の部材で構成されており、前記取付部(34d)は断面U字状に屈曲して前記第1リブ(29)または第2リブ(30)に嵌合することを特徴とするディファレンシャルギヤ装置のブリーザ構造。
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