JP6057516B2 - 柱部材連結構造及び接合部材 - Google Patents

Description

本発明は、例えば、建築構造物の基礎コンクリート中にその長さ下端部が埋め込まれて立設された柱部材と、この柱部材の上方に立設するよう配置された別の柱部材とを互いに連結するために用いられる、柱部材連結構造及び接合部材に関するものである。

図８から図１０は、従来の柱部材連結構造２を説明するために参照する図である。

従来の柱部材連結構造２においては、図８に示すように、四角筒状の鉄骨柱４（柱部材）の下端部が建築構造物における基礎コンクリート８中に埋め込まれ、この埋め込まれた鉄骨柱４は、図９にも示すように、主鉄筋１０とナット１４を介して、基礎コンクリート８に連結されていた。

そして、従来の柱部材連結構造２における鉄骨柱４は、その上端部がその上方に配置された別の鉄骨柱６（柱部材）の下端部に突き合わされて、互いに連結されていた。これらの鉄骨柱４と６は、その水平断面における外形寸法が略同一に形成されていた。

図９に示すように、鉄骨柱４の水平断面における四辺を構成する周壁それぞれには、主鉄筋１０の直径よりも若干大きい直径を有する、丸孔状の貫通孔１２が複数形成されていた。

これらの貫通孔１２は、水平断面における四辺を構成する周壁のそれぞれに、図８に示すように、水平方向に４つずつ上下２段に並んで形成されており、互いに対向する一対の周壁の面における水平方向に互いに対応する位置にそれぞれ形成されていた。

また、これら上下２段に並んで形成された貫通孔１２は、四角筒状を構成し隅部を介して互いに隣り合う他の周壁に上下２段に並んで形成された貫通孔１２とは、高さ方向にずれて配置されていた。

そして、四角筒状の水平断面における四辺の周壁は、その水平断面の周方向に１枚おきに配置された、互いに対向する一対の周壁の上下２段に並んで形成された貫通孔１２は、互いに同じ高さに形成されていた。

図８及び図９に示すように、基礎コンクリート８中に配筋され、鉄骨柱４の下端部に連結される複数の主鉄筋１０のそれぞれは、その一端部にオネジ部１０ａが形成されていた。

複数の主鉄筋１０のそれぞれは、鉄骨柱４の四角筒状の周壁の貫通孔１２から、その周壁の内側に挿し込まれ、その主鉄筋１０の一端部のオネジ部１０ａは、その主鉄筋１０が挿し込まれた貫通孔１２が形成された周壁の面と対向する面を有する周壁に形成された貫通孔１２を通って、その周壁の外側に突出するようになっていた。

そして、鉄骨柱４の周壁の外側に突出した主鉄筋１０の一端部のオネジ部１０ａには、鉄骨柱４の周壁の外側からナット１４がネジ締結されるようになっていた。主鉄筋１０のオネジ部１０ａにネジ締結された複数のナット１４はすべて、鉄骨柱４の周壁の外側面に引っ掛かることにより、主鉄筋１０が貫通孔１２から抜けないようになっていた（特許文献１参照）。

このような基礎コンクリート８中に下端部が埋め込まれた鉄骨柱４と、その上方に配置された別の鉄骨柱６は、鉄骨柱４の上端部と鉄骨柱６の下端部の水平方向における互いの位置が一致するよう調整された後に、互いの端面同士が突き合わされて、それらの互いに突き合わされた端面の外周部を接合することによって、互いの長さ方向に連続するように連結されていた。

特開平７−１２７１４２号公報

しかしながら、従来の柱部材連結構造２は、図１０に示すように、鉄骨柱４の図中上下方向に伸びる中心線と、その上の別の鉄骨柱６の図中上下方向に伸びる中心線の、互いの位置の間に図中左右方向のずれＳが生じると、互いの端面同士が図中左右方向に一致しないでずれてしまうので、上下の鉄骨柱４と６を接合することができず、それらを互いの長さ方向に連続するように連結することができなくなるという問題があった。

一方、上記従来の柱部材連結構造２においては、いくら慎重に鉄骨柱４と６を、水平断面方向における互いの位置にずれが生じないように配置したとしても、基礎コンクリート８がまだ流動状のコンクリートのときにそれを型枠内に打設することにより、鉄骨柱４がその流動状のコンクリートに押されてその水平方向の位置が正しい位置からずれてしまうことがある。

このような場合においても、上述したと同様に、互いの端面同士が図中左右方向に一致しないでずれてしまうので、上下の鉄骨柱４と６を互いの長さ方向に連続するように連結することができなくなるという問題があった。

そこで本発明は、上記問題点に鑑みて、柱部材同士を連結する際に水平断面方向において互いの間にずれが生じても接合が可能であり、柱部材同士を容易かつ確実に互いの長さ方向に連続するように連結することができる柱部材連結構造及び接合部材を提供することを課題とするものである。

上記課題を解決するために、本発明による柱部材連結構造は、
下端部が基礎コンクリート中に埋め込まれた四角筒状の第１柱部材と、
前記第１柱部材の上端面にその平坦な下面が当接して接合され、前記第１柱部材の外形寸法と同じ又はそれより大きい外形寸法を有する平板状の接合部材と、
前記接合部材の平坦な上面に接合され、前記第１柱部材の外形寸法より小さい外形寸法を有する第２柱部材とを備え、
前記接合部材には、平坦な前記下面より下方に向って突出する補強用リブが形成され、
前記補強用リブの水平断面形状は、前記接合部材の前記下面より下方に向かうにつれて、内周が円形で外周が四角形の環状から円環状に変化しながら、その外形寸法が小さくなるように形成され、
前記補強用リブの上端部に形成された、前記内周が円形で外周が四角形の環状の部分は、その水平断面方向における外形寸法が、前記第１柱部材の四角筒状の周壁の内周寸法と略同じに形成されて、前記周壁の内周に嵌合可能に形成され、
前記第１柱部材は、前記補強用リブの下端部に形成された前記円環状の部分の外周面に接触しておらず、
前記内周が円形で外周が四角形の環状の部分の外周面の四隅と、前記円環状の部分の下端面との間の傾斜角度が、前記内周が円形で外周が四角形の環状の部分の外周面の各辺中央部と、前記円環状の部分の下端面との間の傾斜角度よりも小さい
ことを特徴とするものである。

また、本発明による柱部材連結構造は、
前記補強用リブの内側で、前記接合部材の中心部に、上下方向に貫通する貫通孔が形成されていることを特徴とするものである。

また、本発明による柱部材連結構造は、
前記貫通孔の内周には、前記接合部材の前記上面側から、前記補強用リブの前記円環状の部分の下端面に向かうにつれて、その内径が大きくなるようなテーパ部が形成されたことを特徴とするものである。
また、本発明による柱部材連結構造は、
前記第１柱部材の下端部が、前記基礎コンクリート中に配筋された主鉄筋を介して前記基礎コンクリートに連結されたことを特徴とするものである。

また、上記課題を解決するために、本発明による接合部材は、
上面及び下面を有する平板状に形成された接合部材であって、
下端部が基礎コンクリート中に埋め込まれた四角筒状の第１柱部材の上端面が前記接合部材の平坦な下面に当接して接合されると共に、
前記第１柱部材の外形寸法より小さい外形寸法を有する第２柱部材の下端部が前記接合部材の平坦な上面に接合され、
前記接合部材の平坦な前記下面より下方に向って突出する補強用リブが形成され、
前記補強用リブの水平断面形状は、前記接合部材の前記下面より下方に向かうにつれて、内周が円形で外周が四角形の環状から円環状に変化しながら、その外形寸法が小さくなるように形成され、
前記補強用リブの上端部に形成された、前記内周が円形で外周が四角形の環状の部分は、その水平断面方向における外形寸法が、前記第１柱部材の四角筒状の周壁の内周寸法と略同じに形成されて、前記周壁の内周に嵌合可能に形成され、
前記第１柱部材は、前記補強用リブの下端部に形成された前記円環状の部分の外周面に接触しておらず、
前記内周が円形で外周が四角形の環状の部分の外周面の四隅と、前記円環状の部分の下端面との間の傾斜角度が、前記内周が円形で外周が四角形の環状の部分の外周面の各辺中央部と、前記円環状の部分の下端面との間の傾斜角度よりも小さいことを特徴とするものである。

また、本発明による接合部材は、
その前記補強用リブの内側で、前記接合部材の中心部に、上下方向に貫通する貫通孔が形成されていることを特徴とするものである。

このような本発明の柱部材連結構造によれば、
下端部が基礎コンクリート中に埋め込まれた第１柱部材と、
前記第１柱部材の上端部にその下面が接合され、前記第１柱部材の外形寸法と同じ又はそれより大きい外形寸法を有する平板状の接合部材と、
前記接合部材の上面に接合され、前記第１柱部材の外形寸法より小さい外形寸法を有する第２柱部材とを備えたことにより、
柱部材同士を連結する際に水平断面方向において互いの間にずれが生じても接合が可能であり、柱部材同士を容易かつ確実に互いの長さ方向に連続するように連結することができる。

また、本発明の接合部材によれば、
上面及び下面を有する平板状に形成された接合部材であって、
下端部が基礎コンクリート中に埋め込まれた第１柱部材の上端部が前記接合部材の下面に接合されると共に、
前記第１柱部材の外形寸法より小さい外形寸法を有する第２柱部材の下端部が前記接合部材の上面に接合され、
前記接合部材の下面より下方に向って突出する補強用リブが形成されていることにより、
柱部材同士を連結する際に水平断面方向において互いの間にずれが生じても接合が可能であり、柱部材同士を容易かつ確実に互いの長さ方向に連続するように連結することができる。

本発明の一実施の形態に係る柱部材連結構造４０を示す一部破断側面図である。 図１に示す柱部材連結構造４０の接合部材４６を示す図であって、図２（ａ）はその上面図、図２（ｂ）はその下面図である。 図２に示す接合部材４６を示す図であって、図３（ａ）は図２（ａ）に示す接合部材４６のＣ−Ｃ線矢視断面図、図３（ｂ）は図２（ａ）に示す接合部材４６のＤ−Ｄ線矢視断面図である。 図１に示す柱部材連結構造４０の組立手順を説明するための図である。 図１に示す柱部材連結構造４０の組立手順を説明するための図である。 図１に示す柱部材連結構造４０のＢ−Ｂ線矢視断面図である。 図１に示す柱部材連結構造４０において鉄骨柱４２と４４の水平断面方向における互いの位置がずれた状態を示すＢ−Ｂ線矢視断面図に相当する図である。 従来の柱部材連結構造２を示す一部破断側面図である。 図１，８に示す柱部材連結構造４０，２のＡ−Ａ線矢視断面図である。 従来の柱部材連結構造２において鉄骨柱４と６の水平断面方向における互いの位置がずれた状態を説明するための側面半断面図である。

以下、本発明に係る柱部材連結構造及び接合部材を実施するための形態について、図面に基づいて具体的に説明する。

図１から図７、及び図９は、本発明の一実施の形態に係る柱部材連結構造４０及び接合部材４６について説明するために参照する図である。以下、前記従来の柱部材連結構造２と同様の部分には同じ符号を付して説明し、従来と同様の構成についての重複する説明は、その一部を除き省略するものとする。

本実施の形態に係る柱部材連結構造４０は、図１及び図７に示すように、四角筒状の鉄骨柱４２（第１柱部材）と、鉄骨柱４２の上方に配置され、鉄骨柱４２の外形寸法よりその外形寸法が大きく形成された接合部材４６と、接合部材４６の上面４６ｄの上に配置され、鉄骨柱４２の外形寸法よりその外形寸法が小さく形成された四角筒状の鉄骨柱４４（第２柱部材）とにより構成されるようになっている。

図１に示すように、鉄骨柱４２は、その上端面４２ａを、接合部材４６の平板部４６ａの下面４６ｅに当接させて、溶接Ｗにより接合部材４６と一体的に接合されている。そして、鉄骨柱４２の上方に配置された鉄骨柱４４は、その下端面４４ａを、接合部材４６の平板部４６ａの上面４６ｄに当接させて、溶接Ｗにより接合部材４６と一体的に接合されている。

そして、本実施の形態に係る柱部材連結構造４０は、下方の鉄骨柱４２の長さ方向（図１中上下方向）の下端部が、建築構造物における基礎コンクリート８中に埋め込まれ、図９に示す従来の柱部材連結構造２の鉄骨柱４の下端部と同様に構成されて、主鉄筋１０とナット１４（抜け止め手段）を介して、基礎コンクリート８に連結されるようになっている。

柱部材連結構造４０の接合部材４６は、図１に示すように、その水平断面方向（図中左右方向及び図紙面に垂直方向）における外形寸法が、鉄骨柱４２，４４の水平断面方向におけるいずれの外形寸法よりも大きく形成されている。

接合部材４６は、図３（ａ）に示すように、その表裏両面に平滑な上面４６ｄと下面４６ｅとが形成された平板部４６ａを有しており、その平板部４６ａの下面４６ｅより下方には、その鉛直断面形状が下面４６ｅより下方に向って突出する補強用リブ４６ｂが形成されている。

この接合部材４６は、図２（ａ）及び（ｂ）に示すように、その上面４６ｄの平面形状が正方形状に形成されており、その補強用リブ４６ｂの水平方向内側で、その中心部に板厚方向（図２（ａ）中紙面に垂直方向）に貫通する円形状の貫通孔４６ｃが形成されている。

接合部材４６の補強用リブ４６ｂは、図１に示すように、その水平断面方向における外形寸法が、鉄骨柱４２の四角筒状の周壁の内周寸法より小さく形成されており、その鉄骨柱４２の周壁の内周に緩く嵌合可能に形成されている。

そして、接合部材４６の補強用リブ４６ｂは、図３（ａ）及び（ｂ）に示すように、下面４６ｅより下方の外周面にテーパ部４６ｇが形成されている。

図２（ｂ）に示すように、接合部材４６の、平板部４６ａの外形からその下面４６ｅの幅分だけ内側は、その幅分だけ平板部４６ａの外形より小さな正方形状となっており、上記テーパ部４６ｇは、この小さな正方形状から、下方の円環状の下端面４６ｆに向かって、正方形状が徐々に円環状に変化しながら、その外形寸法が徐々に小さくなるように形成されている。

このテーパ部４６ｇは、図２（ａ）における接合部材４６のＤ−Ｄ線矢視断面図である図３（ｂ）に示すように、平板部４６ａの下面４６ｅの幅分だけ内側の正方形状の四隅部と、円環状の下端面４６ｆとの間の傾斜角度は、図３（ａ）に示すような、その正方形状の各辺の中央部と円環状の下端面４６ｆとの間の傾斜角度とは著しく異なっている。

図３（ａ）に示すように、接合部材４６の貫通孔４６ｃの内周には、その上面４６ｄ側の途中から下端面４６ｆに向かうにつれてその内径が徐々に大きくなるようなテーパ部４６ｈが形成されている。

次に、図４から図７に基づいて、本発明の一実施の形態に係る柱部材連結構造４０の組立手順について説明する。

図４に示すように、図中上方より接合部材４６を下降させるとき、その補強用リブ４６ｂのテーパ部４６ｇが鉄骨柱４２の周壁の内周に案内されて、その周壁の（内側面４２ｃの）内周に緩く嵌合して、接合部材４６が鉄骨柱４２の上に載置される。このとき、接合部材４６の平板部４６ａの下面４６ｅに、鉄骨柱４２の上端面４２ａが当接するようになっている。

そして、鉄骨柱４２の外側面４２ｂの、上端面４２ａ近傍と、接合部材４６の平板部４６ａの下面４６ｅとが溶接Ｗされることにより、鉄骨柱４２と接合部材４６は一体的に接合される。

図５及び図６に示すように、その水平断面方向（図６中上下左右方向）における外形寸法が鉄骨柱４２の水平断面方向における外形寸法より小さく形成された鉄骨柱４４が、その下端面４４ａを、接合部材４６の平板部４６ａの上面４６ｄに当接させた状態で載置される。

このため、図６に示すように、鉄骨柱４４の下端部を、水平断面方向におけるその中心Ｃ２が鉄骨柱４２の水平断面方向における中心Ｃ１と重なるように、接合部材４６の上面４６ｄ上に載置することができる。

それだけでなく、例えば、図７に示すように、その水平断面方向における鉄骨柱４４の中心Ｃ２が、鉄骨柱４２の水平断面方向における中心Ｃ１より図中左下方向にずれたとしても、鉄骨柱４４の外形寸法は鉄骨柱４２の外形寸法より小さいので、鉄骨柱４４の下端面４４ａは接合部材４６の平板部４６ａの上面４６ｄ上に確実に載置することができる。

また、その水平断面方向における鉄骨柱４４の中心Ｃ２が、鉄骨柱４２の水平断面方向における中心Ｃ１より図中左下方向以外の方向にずれたとしても、上記中心Ｃ１より図中左下方向にずれた場合と同様に、鉄骨柱４４の外形寸法は鉄骨柱４２の外形寸法より小さいので、鉄骨柱４４の下端面４４ａは接合部材４６の平板部４６ａの上面４６ｄ上に確実に載置することができる。

そして、図５に示すように、鉄骨柱４４の外側面４４ｂの、下端面４４ａ近傍と、接合部材４６の上面４６ｄとが溶接Ｗされることにより、鉄骨柱４４の下端部は接合部材４６と一体的に接合される。

また、鉄骨柱４２の内側面４２ｃの内側の空間と、鉄骨柱４４の内側面４４ｃの内側の空間は、接合部材４６の貫通孔４６ｃを通って連通するようになっている。

このような接合部材４６の貫通孔４６ｃからは、その下方の鉄骨柱４２の周壁の内側にコンクリートを流し込むことができる。このため、鉄骨柱４２の下端部と基礎コンクリート８の連結を強固なものにすることができる。

以上に説明したような本実施の形態に係る柱部材連結構造４０及び接合部材４６は、鉄骨柱４２の上端部と鉄骨柱４４の下端部の、水平断面方向における互いの位置がずれていたとしても、鉄骨柱４４の下端部を接合部材４６の上面４６ｄ上に確実に載置することができ、鉄骨柱４４の下端部と鉄骨柱４２の上端部を、それらの間に接合部材４６を介して、互いの長さ方向に連続するように連結することができる。

このため、本実施の形態に係る柱部材連結構造４０及び接合部材４６においては、基礎コンクリート８を打設した際に鉄骨柱４２が動いて水平断面方向における正しい位置からずれても、前記従来の柱部材連結構造２のように鉄骨柱４２が鉄骨柱４４と互いに連結できなくなることはなく、鉄骨柱４２と４４を容易かつ確実に互いの長さ方向に連続するように連結することができる。

また、本実施の形態に係る柱部材連結構造４０及び接合部材４６においては、鉄骨柱４２の上端部と鉄骨柱４４の下端部の、水平断面方向における互いの位置がずれていたとしても、鉄骨柱４２と４４を容易かつ確実に互いの長さ方向に連続するように連結することができるため、その連結作業に掛かる時間や費用を低減することができる。

また、本実施の形態に係る柱部材連結構造４０及び接合部材４６においては、接合部材４６の平板部４６ａの下面４６ｅより下方に突出した補強用リブ４６ｂが形成されているため、例えば地震等により、鉄骨柱４２と４４との間に配置された接合部材４６に曲げモーメントを発生させる荷重が作用した場合でも、その接合部材４６に容易に変形が生じることを防止することができる。このため、柱部材連結構造４０の曲げに対する強度を向上させることができる。

また、本実施の形態に係る柱部材連結構造４０及び接合部材４６においては、接合部材４６にテーパ部４６ｈが形成されているので、その平板部４６ａの上面４６ｄの面積を大きくしても接合部材４６が重量化することを防止することができる。

以上に説明したように、本実施の形態に係る柱部材連結構造４０及び接合部材４６によれば、鉄骨柱４２と４４を連結する際に水平断面方向において互いの間にずれが生じても接合が可能であり、鉄骨柱４２と４４を容易かつ確実に互いの長さ方向に連続するように連結することができる。

なお、前記一実施の形態においては、鉄骨柱４２の下端部の周壁は、主鉄筋１０とナット１４を介して、基礎コンクリート８に連結されるようになっていたが、鉄骨柱４２の下端部が基礎コンクリート８に連結されて固定されるようになっていれば、この構成に限定されるわけではない。

例えば、主鉄筋１０の端部が開口部１２から抜けるのを防止するための抜け止め手段として、この主鉄筋１０の端部にオネジ部１０ａを形成すると共に、このオネジ部１０ａにネジ締結するナット１４を用いるようになっていたが、抜け止め手段はこのようなものに制限されず、ナット１４以外の、主鉄筋１０の径より大きい部材を、主鉄筋１０の端部に溶着する等によりその構成を変更してもよい。

また、鉄骨柱４２が建築構造物における隅部に設けられる場合には、図９に示すように、鉄骨柱４２の周壁の２つの外側面それぞれにナット１４が引っ掛かるようになっていたが、鉄骨柱４２が建築構造物における隅部と隅部の間の壁沿いに設けられる場合には、鉄骨柱４２の周壁の１つの外側面のみにナット１４が引っ掛かるようになっていてもよい。

また、前記一実施の形態においては、基礎コンクリート８中に埋め込まれる鉄骨柱４２の下端部の周壁の内側は空洞であったが、接合部材４６の貫通孔４６ｃからコンクリートや合成樹脂材等の充填材を流し込んで、この周壁の内側に充填材を充填するようにしてもよい。

また、前記一実施の形態においては、鉄骨柱４２と４４は、四角筒状に形成されていたが、四角筒状に限らず、円筒状等の他の筒状であってもよい。また、接合部材４６は、鉄骨柱４２と４４の形状に対応させるべく、その平板部４６ａの外形形状を変更してもよい。

また、前記一実施の形態においては、接合部材４６の水平断面方向における外形寸法は、鉄骨柱４２の水平断面方向における外形寸法より大きく形成されていたが、鉄骨柱４２の水平断面方向における外形寸法と同じに形成されていてもよい。

また、前記一実施の形態においては、鉄骨柱４２の上端面４２ａは接合部材４６の平板部４６ａの下面４６ｅに、鉄骨柱４４の下端面４４ａは接合部材４６の平板部４６ａの上面４６ｄに当接されて、溶接Ｗにより接合部材４６と一体的に接合されるようになっていたが、一体的に接合することができるようになっていれば、当接していなくてもよい。

また、前記一実施の形態においては、接合部材４６の中央部を貫通する円形状の貫通孔４６ｃが形成されていたが、この接合部材４６の貫通孔４６ｃは円形状に限定されず、また、接合部材４６は中央部を貫通する貫通孔が開いていなくてもよい。

２ 柱部材連結構造
４，６ 鉄骨柱
８ 基礎コンクリート
１０ 主鉄筋
１０ａ オネジ部
１２ 貫通孔
１４ ナット
４０ 柱部材連結構造
４２ 鉄骨柱
４２ａ 上端面
４２ｂ 外側面
４２ｃ 内側面
４４ 鉄骨柱
４４ａ 下端面
４４ｂ 外側面
４４ｃ 内側面
４６ 接合部材
４６ａ 平板部
４６ｂ 補強用リブ
４６ｃ 貫通孔
４６ｄ 上面
４６ｅ 下面
４６ｆ 下端面
４６ｇ，４６ｈ テーパ部
Ｃ１ 鉄骨柱４２の中心
Ｃ２ 鉄骨柱４４の中心
Ｓ ずれ
Ｗ 溶接

Claims (6)

1. 下端部が基礎コンクリート中に埋め込まれた四角筒状の第１柱部材と、
   前記第１柱部材の上端面にその平坦な下面が当接して接合され、前記第１柱部材の外形寸法と同じ又はそれより大きい外形寸法を有する平板状の接合部材と、
   前記接合部材の平坦な上面に接合され、前記第１柱部材の外形寸法より小さい外形寸法を有する第２柱部材とを備え、
   前記接合部材には、平坦な前記下面より下方に向って突出する補強用リブが形成され、
   前記補強用リブの水平断面形状は、前記接合部材の前記下面より下方に向かうにつれて、内周が円形で外周が四角形の環状から円環状に変化しながら、その外形寸法が小さくなるように形成され、
   前記補強用リブの上端部に形成された、前記内周が円形で外周が四角形の環状の部分は、その水平断面方向における外形寸法が、前記第１柱部材の四角筒状の周壁の内周寸法と略同じに形成されて、前記周壁の内周に嵌合可能に形成され、
   前記第１柱部材は、前記補強用リブの下端部に形成された前記円環状の部分の外周面に接触しておらず、
   前記内周が円形で外周が四角形の環状の部分の外周面の四隅と、前記円環状の部分の下端面との間の傾斜角度が、前記内周が円形で外周が四角形の環状の部分の外周面の各辺中央部と、前記円環状の部分の下端面との間の傾斜角度よりも小さい
   ことを特徴とする柱部材連結構造。
2. 前記補強用リブの内側で、前記接合部材の中心部に、上下方向に貫通する貫通孔が形成されている
   ことを特徴とする請求項１に記載の柱部材連結構造。
3. 前記貫通孔の内周には、前記接合部材の前記上面側から、前記補強用リブの前記円環状の部分の下端面に向かうにつれて、その内径が大きくなるようなテーパ部が形成された
   ことを特徴とする請求項２に記載の柱部材連結構造。
4. 前記第１柱部材の下端部が、前記基礎コンクリート中に配筋された主鉄筋を介して前記基礎コンクリートに連結された
   ことを特徴とする請求項１から３のいずれかに記載の柱部材連結構造。
5. 上面及び下面を有する平板状に形成された接合部材であって、
   下端部が基礎コンクリート中に埋め込まれた四角筒状の第１柱部材の上端面が前記接合部材の平坦な下面に当接して接合されると共に、
   前記第１柱部材の外形寸法より小さい外形寸法を有する第２柱部材の下端部が前記接合部材の平坦な上面に接合され、
   前記接合部材の平坦な前記下面より下方に向って突出する補強用リブが形成され、
   前記補強用リブの水平断面形状は、前記接合部材の前記下面より下方に向かうにつれて、内周が円形で外周が四角形の環状から円環状に変化しながら、その外形寸法が小さくなるように形成され、
   前記補強用リブの上端部に形成された、前記内周が円形で外周が四角形の環状の部分は、その水平断面方向における外形寸法が、前記第１柱部材の四角筒状の周壁の内周寸法と略同じに形成されて、前記周壁の内周に嵌合可能に形成され、
   前記第１柱部材は、前記補強用リブの下端部に形成された前記円環状の部分の外周面に接触しておらず、
   前記内周が円形で外周が四角形の環状の部分の外周面の四隅と、前記円環状の部分の下端面との間の傾斜角度が、前記内周が円形で外周が四角形の環状の部分の外周面の各辺中央部と、前記円環状の部分の下端面との間の傾斜角度よりも小さい
   ことを特徴とする接合部材。
6. 前記補強用リブの内側で、前記接合部材の中心部に、上下方向に貫通する貫通孔が形成されている
   ことを特徴とする請求項５に記載の接合部材。

Images