JP6056721B2 - 非水電解質二次電池及び非水電解質二次電池の製造方法 - Google Patents

非水電解質二次電池及び非水電解質二次電池の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、非水電解質二次電池及び非水電解質二次電池の製造方法に関する。
リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池は、高電圧・高エネルギー密度を有するため、例えば、携帯電話、ノート型パソコン電源などとして広く用いられている。
このような非水電解質二次電池(以下、単に「電池」ともいう)では、一般に、負極活物質に炭素材料、正極活物質にリチウム遷移金属化合物が用いられ、非水電解質として、エチレンカーボネート(EC)やプロピレンピレンカーボネート(PC)などを含有する溶媒にLiPFなどの支持塩を溶解させたものが使用されている。
非水電解質二次電池の性能を向上させるために、従来、非水電解質に種々の添加剤を添加することが検討されている。例えば、特許文献1には、S及び/又はNをヘテロ元素とする複素環式化合物が添加されたものを用いることで、負極上のLi表面に薄くて緻密な保護膜が形成されると記載されている。
また、特許文献2には、次のことが記載されている。「非水電解質に、チオール、チオフェン、チオアニソール、チアゾール、チオ酢酸エステル、芳香族スルホン及びこれらの誘導体のうち少なくとも1種が添加されていることを特徴とする。以上のように構成された本発明に係る非水電解質電池は、非水電解質に添加されている上記有機化合物からなる被膜が負極表面上に形成されるので、負極と非水電解質との間に生じる不可逆反応が防止されている。」
特開平5−258753号公報 特開2002−8720号公報
しかしながら、電解質にこれらの化合物を添加した場合、電池の内部抵抗の増加が大きいという問題があった。
本発明に係る目的は、電池の内部抵抗の増大が抑制された非水電解質二次電池及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、従来技術の問題点を解決するために鋭意検討した結果、特定の官能基を有する化合物を非水電解質の添加剤として用いることにより、電池の内部抵抗の増大が抑制できることを見出し本発明に到達したものである。
すなわち、本発明に係る非水電解質二次電池は、非水電解質と、正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極とを備える非水電解質二次電池であって、前記非水電解質は、複素環化合物を前記非水電解質の総質量に対して0.001質量%以上2.0質量%以下含有し、前記複素環化合物は、メチルチオチアゾール、メチルチオベンゾチアゾール、及びメトキシチアゾールからなる群から選ばれるものである。
また、本発明に係る非水電解質二次電池は、オリビン型のリチウム遷移金属化合物を含む正極活物質を含む正極を備えることが好ましい。オリビン型のリチウム遷移金属化合物を含有する正極活物質を含む正極を備える非水電解質電池において、本発明に係る非水電解質を適用することによる電池の内部抵抗の増加を抑制する効果は大きい。
本発明に係る非水電解質二次電池の製造方法は、前記複素環化合物の含有量を非水電解質の総質量に対して0.001質量%以上2.0質量%以下含有する非水電解質を用いて組み立てる工程を含む。
本発明に係る製造方法において、複素環化合物の含有量を2.0質量%以下の範囲で用いることで、電池の膨れを効果的に抑制することができるため好ましい。
本発明に係る非水電解質二次電池及びその製造方法によれば、電池の内部抵抗の増大が抑制された非水電解質二次電池及びその製造方法を提供することができる。
実施形態1の非水電解質二次電池の断面図
以下、本発明に係る実施の形態について詳細に説明するが、以下に記載する説明は本発明に係る実施態様の一例であり、本発明はその要旨を超えない限り、これらの内容に特定されるものではない。
本発明に係る非水電解質は、―X―R(Xは硫黄原子または酸素原子であり、Rはアルキル基や水素原子である)で表される官能基を有するチアゾールの誘導体又はイソチアゾールの誘導体からなる複素環化合物を含有する。前記複素環化合物は、前記官能基を1種又は2種以上有してもよい。本発明に係る非水電解質は、前記複素環化合物を1種又は2種以上含有してもよい。
チアゾールの誘導体又はイソチアゾールの誘導体とは、官能基の導入、酸化、還元、原子の置き換えなど、母体の構造 や性質を大幅に変えない程度の改変がなされたチアゾール又はイソチアゾールのことである。例えば、チアゾール又はイソチアゾールに結合した水素原子を、ハロゲン基、アルキル基などの官能基で置き換えたものが挙げられる。前記ハロゲンとしては、塩素、フッ素、臭素、ヨウ素などが挙げられる。チアゾールの誘導体またはイソチアゾールの誘導体の具体例としては、2−エチルチアゾール、4−メチルチアゾール、4,5−ジメチルチアゾールや1,2−ベンゾイソチアゾールが挙げられる。
Xが硫黄原子(S)の場合には、―X―Rで表される官能基は、Rが水素原子であればチオール基、Rがアルキル基であればスルフィド結合を介してアルキル基が連結した構造などを含む。Xが酸素原子(O)の場合には、―X―Rで表される官能基は、Rが水素原子であればヒドロキシル基、Rがアルキル基であればメトキシ基などのアルコキシ基などを含む。Rにおけるアルキル基には、メチル基、エチル基、プロピル基、ジフルオロメチル基、クロロエチル基などを含む。
複素環化合物の具体例としては、チオチアゾール、チオイソチアゾール、メチルチオチアゾール[式(2)の化合物]、エチルチオチアゾール、メチルチオベンゾチアゾールおよびメトキシチアゾール[式(4)の化合物]、などが挙げられ、これらは単独で用いてもよいし2種以上で用いてもよい。
これらのうち、メチルチオチアゾール[式(2)の化合物]、メチルチオベンゾチアゾールおよびメトキシチアゾール[式(4)の化合物]のいずれかを含むことが好ましい。
―X―R(Xは硫黄原子または酸素原子であり、Rはアルキル基または水素原子である)で表される官能基中のアルキル基における炭素数を3以下とすると、非水電解質の分解が著しくなるおそれを低減できるため好ましい。
本発明に係る電池を製造する際に、非水電解質の総質量に対して2.0質量%以下の量の複素環化合物を含む非水電解質を用いることにより、電池の内部抵抗を効果的に抑制することができるので好ましい。
非水電解質が含有する複素環化合物の量を非水電解質の総質量に対して2.0質量%以下とすることで、電池の使用中に気体の発生により電池膨れが大きくなるおそれを低減できるため好ましい。複素環化合物の量が1.5質量%以下であっても、内部抵抗の増大を十分に抑制することができる。
非水電解質が含有する複素環化合物の量を非水電解質の総質量に対して0.001質量%以上とすることで、電池の内部抵抗の増大を確実に抑制することができる。複素環化合物の量が0.2質量%以上の場合には、電池の内部抵抗の増大を抑制する効果が大きい。
本発明に係る非水電解質を有する電池において、保存後の内部抵抗の増大を抑制する機構については、以下のように推測される。
チアゾールの誘導体もしくはイソチアゾールの誘導体は、複素環に硫黄原子および窒素原子を含有することにより、負極上で分解して電解質の不可逆反応を防止する安定な被膜を形成する。
さらに、本発明に係る非水電解質が含有する複素環化合物は、硫黄原子または酸素原子を含むことにより、負極上での被膜形成に寄与しなかった複素環化合物が負極上で還元分解することで、硫黄化合物が生成される。この硫黄化合物は正極上で酸化反応を行い、正極上にも被膜を形成することが考えられる。本発明に係る非水電解質が含有する複素環化合物は、チアゾールに比べて負極上での還元分解反応が良好に進むと考えられる。
このように、本発明に係る複素環化合物は、正極、負極ともに、安定な被膜をつくることができる化合物であると考えられる。この被膜が電解質の分解反応を抑制して、保存後の電池の内部抵抗の増大を抑制することができる。
本発明に係る非水電解質は、オリビン型の結晶構造を有するリチウム遷移金属化合物を含む正極活物質を含む正極を備える非水電解質二次電池に適用することが好ましい。オリビン型のリチウム遷移金属化合物は層状構造のリチウム遷移金属化合物に比べ、鉄などの遷移金属の溶出が起こりやすい。溶出した金属イオンは負極上に析出し、負極の劣化を引き起こすために、オリビン型のリチウム遷移金属化合物を含む正極を有する電池の放置試験後の抵抗上昇率は大きい。本発明に係る非水電解質を含有する複素環化合物を添加すると、オリビン型のリチウム遷移金属化合物の粒子上において、初期の充放電の段階で複素環化合物が還元分解して生成した硫黄化合物による被膜が形成されると考えられる。この被膜は安定な低抵抗の被膜であり、その後の充放電による正極からの鉄など遷移金属の溶出を抑制することができると考えられる。これにより、電池の内部抵抗の上昇を抑制することができると推察される。
本発明に係る非水電解質が含有する複素環化合物は、複素環を形成する硫黄原子の隣の炭素原子が前記官能基と結合していることが好ましい。これにより、正極上で良好な被膜が形成されると考えられる。その結果、電池の内部抵抗の上昇を効果的に抑制することができる。硫黄原子を含む官能基をもつ複素環化合物では、正極上での良好な被膜形成が起こると考えられ、抵抗上昇を抑制することができる。
本発明に係る非水電解質が含有する複素環化合物は、複素環を形成する硫黄原子の隣の炭素原子が前記官能基と結合していること、または、複素環を形成する窒素原子の隣の炭素原子が前記官能基と結合していることが好ましい。これにより、正極上で良好な被膜が形成されると考えられるので、電池の内部抵抗の上昇を抑制することができる。本発明に係る非水電解質が含有する複素環化合物は、前記官能基と結合している炭素原子の隣に硫黄原子や窒素原子を有することにより、前記官能基と結合した炭素原子の反応性を高めることができると考えられる。
さらに、複素環を形成する硫黄原子の隣の炭素原子が前記官能基と結合していること、且つ、複素環を形成する窒素原子の隣の炭素原子が前記官能基と結合していることが好ましい。則ち、前記官能基と結合した炭素原子を硫黄原子と窒素原子とで挟む構造を有する複素環化合物は、結合した炭素原子の反応性をさらに高めることができると考えられる。
図1は、本発明に係る一実施形態である角形の非水電解質二次電池1の概略断面図である。この非水電解質二次電池1は、アルミニウム箔からなる正極集電体に正極合剤を塗布してなる正極板3と、銅箔からなる負極集電体に負極合剤を塗布してなる負極板4とがセパレータ5を介して渦巻状に巻回された発電要素2と、非水電解質とを電池ケース6に収納してなる。
電池ケース6には、安全弁8を設けた電池蓋7がレーザー溶接によって取り付けられ、負極板4は負極リード11を介して電池ケース6の上部にある負極端子9と接続され、正極板3は正極リード10を介して電池蓋7と接続されている。
正極板3は、アルミニウムなどの金属により形成された正極集電体の両面に、リチウムイオンを吸蔵放出可能な正極活物質を含有する正極合剤層を備えている。正極集電体のうち正極合剤層の形成されていない部分には正極リード10が溶着されている。
本発明において用いる非水電解質二次電池の正極活物質としては、特に制限はなく、種々の材料を適宜使用できる。例えば、一般式LiM12−δやLiM24−δ(ただし、M1、M2はCo、NiまたはMnから選ばれる1種又は2種以上の金属、0.4≦x≦1.2、0.8≦p≦1.2、1.5≦q≦2.2、0≦δ≦0.5)で表される化合物、またはこれらの化合物にAl、Fe、Cr、Ti、Zn、P、Bから選ばれる少なくとも一種の元素を含有した化合物を使用することができる。
さらに、正極活物質としては、一般式LiCoNiMn2−δ(ただし、0.8≦r+s+t≦1.2、0≦δ≦0.5)で表される化合物、またはこの化合物にAl、Fe、Cr、Ti、Zn、P、Bから選ばれる1種又は2種以上の元素を含有した化合物を使用することができる。
さらに、一般式LiM3PO(ただし、M3は3d遷移金属、0≦x≦2、0.8≦u≦1.2)で表されるオリビン型の結晶構造を有する化合物を正極活物質として用いることができ、また、この化合物に炭素を被覆して用いてもよい。
上記した正極活物質には、導電剤、結着剤などを添加することができる。導電剤としては、無機化合物、有機化合物を用いることができる。無機化合物としては、アセチレンブラック、カーボンブラック、グラファイトなどを用いることができ、有機化合物としては、例えばポリアニリンなどの導電性ポリマーなどを用いることができる。結着剤としては、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、スチレン−ブタジエンゴム、ポリアクリロニトリルなどを単独で、あるいは混合して用いることができる。
次に、負極板4について説明する。負極板4は、銅などの金属により形成された負極集電体の両面に、リチウムイオンを吸蔵放出可能な負極活物質を含有する負極合剤層を備えている。負極集電体のうち負極合剤層の形成されていない部分には、負極リード11が超音波溶着により溶着されている。
負極合剤層に含有される負極活物質としては、グラファイト、難黒鉛化性炭素(ハードカーボン)、易黒鉛化性炭素(ソフトカーボン)などの炭素質材料、Al、Si、Pb、Sn、Zn、Cdなどとリチウムとの合金系化合物、金属Li、一般式M5O(ただしM5は、W、Mo、Si、Cu、およびSnから選ばれる1種又は2種以上の元素、0≦z≦2)で表される金属酸化物、またはこれらの混合物を用いることができる。負極活物質には正極活物質と同様に、ポリフッ化ビニリデンなどの結着剤などを添加することができる。
セパレータ5としては、織布、不織布、合成樹脂微多孔膜などを用いることができ、特に、合成樹脂微多孔膜を好適に用いることができる。なかでも、ポリエチレン及びポリプロピレン性微多孔膜やアラミドなどを加工した耐熱性樹脂または、これらを複合した微多孔膜などのポリオレフィン系微多孔膜を用いることができる。
非水電解質は非水溶媒に電解質塩などを溶解して調製される。
電解質塩としては、LiClO、LiPF、LiBF、LiAsF、LiCFCO、LiCF(CF、LiCF(C、LiCFSO、LiCFCFSO、LiCFCFCFSO、LiN(SOCF、LiN(SOCFCF、LiN(COCF、LiN(COCFCF、LiPF(CFCFなどを単独でまたは二種以上混合して使用することができる。電解質塩として、LiPFを用いるか、あるいはLiPFを主体として前記電解質塩を少量混合して用いることが好ましい。
上記電解質塩を溶解する非水溶媒は、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどの環状炭酸エステル、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどの鎖状炭酸エステル、メチルアセテート、エチルアセテートなどの鎖状カルボン酸エステル、γ−ブチロラクトン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ホスファゼン類などの極性溶媒を単独または二種以上混合して使用することができる。
また、電池性能向上のために、少量の化合物を非水電解質中に混合してもよく、ビニレンカーボネート、メチルビニレンカーボネートなどのカーボネート類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類、ベンゼン、トルエンなどの芳香族化合物、パーフルオロオクタンなどのハロゲン置換アルカン、ホウ酸トリストリメチルシリル、リン酸トリストリメチルシリル、チタン酸テトラキストリメチルシリルなどのシリルエステル類などを単独または二種以上混合して使用することができる。
図1に示す形態の非水電解質二次電池を以下の方法により作製した。
1.実施例1の非水電解質二次電池の作製
(1)正極板の作製
結着剤であるポリフッ化ビニリデンと、導電剤であるアセチレンブラックと、正極活物質としてオリビン型の結晶構造であるLiFePO(Fe系)とを5:5:90の質量比で含み、N−メチル−2−ピロリドンを溶媒とするペーストを、厚さが20μmのアルミニウム箔製の正極集電体の両面に塗布し、乾燥することによって正極板3を作製し、正極リード10を備え付けた。なお、正極活物質のLiFePOはペースト調製前に、活物質に対して5質量%の炭素が被覆されたものを用いた。
(2)負極板の作製
負極活物質として易黒鉛化性炭素と、結着剤のポリフッ化ビニリデンとを92:8の質量比で含み、N−メチル−2−ピロリドンを溶媒とするペーストを、厚さが10μmの銅箔製の負極集電体の両面に塗布し、乾燥することによって負極板4を製作し、負極リード11を備え付けた。
(3)電池の作製
正極板と負極板との間にポリエチレン微多孔膜からなるセパレータを介在させて、正極板と負極板とを巻回することにより発電要素を作製した。発電要素を電池ケースの開口部から角型の電池ケースに収納し、電池ケースと電池蓋とを接合した。
非水電解質としては、以下の方法で調製した非水電解液を用いた。エチレンカーボネート(EC):エチルメチルカーボネート(EMC)=30:70(体積比)の混合溶媒に、LiPFを調製後に1mol/Lとなるように溶解し、さらに、非水電解液の総質量に対して、0.5質量%の2−(メチルチオ)チアゾールを添加して非水電解液を調製した。
これらの材料を用いて実施例1の非水電解質二次電池を作製した。
(4)実施例2の電池および比較例1から5の電池の作製
2−(メチルチオ)チアゾールに代えて、表1に示す複素環化合物を添加したこと以外は実施例1と同様にして、実施例2および比較例2から5の非水電解質二次電池を作製した。比較例1の電池は、複素環化合物を添加しなかった。
2.実施例4の非水電解質二次電池の作製
(1)正極板の作製
結着剤であるポリフッ化ビニリデンと、導電剤であるアセチレンブラックと、正極活物質としてリチウム遷移金属化合物LiNi0.33Mn0.33Co0.332(三成分系)とを5:5:90の質量比で含み、N−メチル−2−ピロリドンを溶媒とするペーストを作製した。
(2)負極板の作製
負極活物質として黒鉛92質量%と、結着剤のポリフッ化ビニリデン8質量%とを92:8の質量比で含み、N−メチル−2−ピロリドンを溶媒とするペーストを作製した。
その他は、実施例1と同様にして、非水電解質二次電池を作製した。
(3)実施例3および実施例5の電池の作製
非水電解質の総質量に対して、0.5質量%の2−(メチルチオ)チアゾールに代えて、表1に示す量を添加したこと以外は実施例4と同様にして、実施例3および実施例5の非水電解質二次電池を作製した。
(4)実施例6の電池、比較例6、比較例7および比較例8の電池の作製
2−(メチルチオ)チアゾールに代えて、表1に示す複素環化合物を添加したこと以外は実施例4と同様にして、実施例6、比較例6、比較例7および比較例8の非水電解質二次電池を作製した。
3.評価試験
(1)放電容量の確認試験
実施例1から6および比較例1から8の各電池を用いて、以下の方法により放電容量確認試験をおこなった。各電池を、25℃において450mA定電流で4.2Vまで、さらに4.2V定電圧で、合計3時間充電した後、450mA定電流で終止電圧2.5Vの条件で放電を行うことにより放電容量を測定した。
(2)放置寿命試験
初期放電容量測定後の各電池について、60℃での放置試験を以下の方法によりおこなった。450mA定電流で4.0Vまで、さらに4.0V定電圧で、合計3時間充電して、60℃の恒温槽中において60日間保管した。25℃に冷却した後、各電池を、450mA定電流、終止電圧2.5Vの条件で放電した後、前記初期放電容量確認試験と同様の条件で充放電をおこなった。
(3)低温での内部抵抗の算出
60℃での保存試験後の実施例1から6および比較例1から8の電池を、それぞれ450mA定電流で3.7Vまで、さらに3.7V定電圧で、合計3時間充電することにより、−20℃で5時間保持した後、90mA(I1)で10秒間放電したときの電圧(E1)、225mA(I2)で10秒間放電したときの電圧(E2)をそれぞれ測定した。上記の測定値を用いて、−20℃における直流抵抗値(Rx)を以下の式により算出し、表1に示した。
Rx=|(E1−E2)/放電電流(I1−I2)|
(4)高温での内部抵抗の算出
60℃での保存試験後の実施例1、2および比較例1から5の電池を、それぞれ450mA定電流で3.7Vまで、さらに3.7V定電圧で、合計3時間充電することにより、−20℃で5時間保持した後、90mA(I3)で10秒間放電したときの電圧(E3)、225mA(I4)で10秒間放電したときの電圧(E4)をそれぞれ測定した。上記の測定値を用いて、25℃における直流抵抗値(Ry)を以下の式により算出し、表2に示した。
Ry=|(E3−E4)/放電電流(I3−I4)|
(5)電池厚みの測定
放置試験後の各電池について、電池厚みは図1の電池ケースの最大平面に垂直な中央部を測定した。
比較例1および比較例3から5の電池では、試験後の直流抵抗値が高く測定できなかった。
表中の「>」は不等記号であり、例えば「>1600」は、1600よりも数値が大きいことを示す。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明に係る技術的範囲に含まれる。
上記実施例では、チアゾールまたはイソチアゾールの誘導体として、チアゾールとベンゾチアゾールを用いたが、チアゾールまたはイソチアゾールの誘導体において、メチル基やエチル基を導入したものや、ハロゲン元素を導入したものや、2つ、3つのメチル基あるいはエチル基を導入したものなどであってもよい。
1…非水電解質二次電池
3…正極板(正極)
4…負極板(負極)
5…セパレータ
6…電池ケース

Claims (3)

  1. 非水電解質と、正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極とを備える非水電解質二次電池であって、
    前記非水電解質は、複素環化合物を前記非水電解質の総質量に対して0.001質量%以上2.0質量%以下含有し、
    前記複素環化合物は、下記式(2)で表されるメチルチオチアゾール、下記式(3)で表されるメチルチオベンゾチアゾール、及び下記式(4)で表されるメトキシチアゾールからなる群から選ばれるものである非水電解質二次電池。

  2. 前記正極活物質はオリビン型のリチウム遷移金属化合物を含む請求項に記載の非水電解質二次電池。
  3. 請求項又はに記載の非水電解質二次電池の製造方法であって、前記複素環化合物の含有量を前記非水電解質の総質量に対して0.001質量%以上2.0質量%以下含有する前記非水電解質を用いて組み立てる工程を含む非水電解質二次電池の製造方法。
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