JP2007207483A - 非水電解質組成物及び非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質組成物及び非水電解質二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】高温での保存時における電池外装の膨れ変形を防止することができる非水電解質組成物と、このような非水電解質組成物を用いた非水電解質二次電池を提供すること。
【解決手段】非水溶媒中に、電解質塩、少なくとも炭素数が13〜20の炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基を有する鎖状炭酸エステルと共に、環状スルホン酸エステル及び/又は多重結合を有するスルホンを含有し、必要に応じて、更に炭素−炭素間に二重結合を有する他の炭酸エステルや、高分子化合物を添加して非水電解質組成物とし、この非水電解質組成物を用いて非水電解質二次電池とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、非水電解質組成物及び非水電解質二次電池に係り、更に詳しくは、所定の炭酸エステルと共に、環状スルホン酸エステル及び多重結合を有するスルホンの一方又は双方を含有する非水電解質組成物と、このような非水電解質組成物を用いたリチウムイオン非水電解質二次電池に関するものである。
近年、カメラ一体型VTR(ビデオテープレコーダ)、デジタルカメラ、携帯電話、携帯情報端末及びノート型コンピュータ等のポータブル電子機器が多く登場し、その小型軽量化が図られている。そして、これらの電子機器のポータブル電源として、電池、特に二次電池について、エネルギー密度を向上させるための研究開発が活発に進められている。
中でも、負極活物質に炭素、正極活物質にリチウム−遷移金属複合酸化物、電解液に炭酸エステル混合物を使用するリチウムイオン二次電池は、従来の非水系電解液二次電池である鉛電池や、ニッケルカドミウム電池と比較して大きなエネルギー密度が得られるため、広く実用化されている(例えば、特許文献1参照。)。
特に外装にアルミニウムラミネートフィルムを使用するラミネート電池は軽量なためエネルギー密度が大きい(例えば、特許文献2参照。)。
このようなラミネート電池においては、電解液で膨潤させたポリマーを用いると、電池の変形を抑制することができるため、ラミネートポリマー電池も広く使用されている(例えば、特許文献3参照。)。
特開平4−332479号公報 特許第3482591号公報 特開2005−166448号公報
しかしながら、近時における電池の高容量化に伴って電極に配設される電極活物質の密度が高くなってその隙間が小さくなってきており、電解液を電極に十分に含浸させるのが困難になってきている。
そして、このように電解液が電極に十分に含浸されていない場合には、負極の炭素表面に金属リチウムが析出し、高温での保存時に電池外装が膨れて変形することがあるという問題点があった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、高温保存時における電池外装の膨れ変形を防止することができる非水電解質組成物と、このような非水電解質組成物を用いた非水電解質二次電池を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を繰り返した結果、所定の鎖状炭酸エステルと共に、環状スルホン酸エステル(スルトン)及び多重結合を有するスルホン(不飽和スルホン)の少なくとも一方を用いることによって、上記目的が解決できることを見出し、本発明を完成するに到った。
即ち、本発明の非水電解質組成物は、電解質塩と、非水溶媒と、少なくとも炭素数が13〜20の炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基を有する鎖状炭酸エステルと、環状スルホン酸エステル及び/又は多重結合を有するスルホンを含有することを特徴とする。
また、本発明の非水電解質二次電池は、リチウムイオンを吸蔵及び放出できる材料を正極活物質又は負極活物質とする正極及び負極と、非水電解質組成物と、セパレータと、これらを収容する外装部材を備える非水電解質二次電池であって、上記非水電解質組成物が、電解質塩と、非水溶媒と、少なくとも炭素数が13〜20の炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基を有する鎖状炭酸エステルと、環状スルホン酸エステル及び/又は多重結合を有するスルホンを含有することを特徴とする。
本発明によれば、所定の鎖状炭酸エステルと、環状スルホン酸エステル及び/又は多重結合を有するスルホンを用いることとしたため、高温での保存時における電池外装の膨れ変形を防止し得る非水電解質組成物、及びこれを用いた非水電解質二次電池を提供することができる。
以下、本発明の非水電解質組成物につき詳細に説明する。なお、本明細書において、「%」は特記しない限り質量百分率を表すものとする。
上記したように、本発明の非水電解質組成物は、電解質塩と、非水溶媒と、炭素数が13〜20の炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基を有する鎖状炭酸エステルと、環状スルホン酸エステル(スルトン)及び多重結合を有するスルホン(不飽和スルホン)の少なくとも一方を含有するものであり、リチウムイオン非水電解質二次電池に好適に用いられる。
かかる鎖状炭酸エステルは、後述する正極活物質層や負極活物質層、セパレータに対する含浸性ないしは浸透性に優れており、電池性能の劣化を抑制でき、繰り返し充放電時の放電容量維持率を向上させると共に、電解液を電極に十分に浸透させて、炭素表面における金属リチウムの析出を防止して、電池外装の膨れ、典型的には60〜90℃の高温における膨れを抑制することができる。
ここで、炭素数が13〜20の炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基を有する鎖状炭酸エステルとしては、次の化学式(1)
Figure 2007207483
[式中のR1はC2n+1−m(Xはフッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)又はヨウ素(I)、nは13〜20の整数を示し、mは0≦m≦2nを満足する。)、R2はC2n+1−m(XはF、Cl、Br又はI、nは1〜20の整数を示し、mは0≦m≦2nを満足する。)を示す。]で表される化合物を挙げることができる。
(1)式のR1において、上述のように炭素数としては13〜20であることを要するが、13〜14が更に好ましい。R1における炭素数が13未満では、浸透性が不足となる一方、20を超えると、電解液への溶解度が減少となる。
同様に、R2の炭素数としては、1〜20であることを要するが、1〜14が好ましく、5〜14が更に好ましい。R2における炭素数が20を超えると、電解液への溶解度が減少となる。
なお、R1とR2の炭素数は、互いに同一である方が、製造の観点から好ましい。
また、ハロゲン元素としては、フッ素が好ましく、ハロゲン元素の個数としては、1〜(2n−1)が好ましく、1〜6が更に好ましい。ハロゲン元素の個数が6個を超えると、電解液への溶解度が減少することがある。
(1)式で表される鎖状炭酸エステルとしては、具体的には、それぞれ以下の化学式2〜4で表されるジトリデシルカーボネート[C1327O)CO…(2)]、ジテトラデシルカーボネート[(C1429O)CO…(3)]、及びジエイコシルカーボネート[(C2041O)CO)…(4)]を好ましく用いることができるが、これらの化合物に限定されないことはいうまでもない。
即ち、本発明においては、上記化合物の炭化水素基が直鎖から分岐になった構造異性体をはじめ、(1)式の構造を有する鎖状炭酸エステルであれば適用可能である。
Figure 2007207483
Figure 2007207483
Figure 2007207483
なお、本発明の非水電解質組成物において、上述の鎖状炭酸エステルの含有量は、0.05〜5%、更には0.1〜2%の範囲とすることが好ましい。
即ち、上記鎖状炭酸エステルの含有量が0.05%未満では、効果が十分でなく、5%を超えると、大電流放電時の容量が低下することがある。
本発明の非水電解質組成物においては、上記鎖状炭酸エステルに加えて、環状スルホン酸エステル(スルトン)及び多重結合を有するスルホン(不飽和スルホン)の少なくとも一方を含有させることを要する。
これらスルトンや不飽和スルホンは、保護皮膜を形成する機能を有すると思われるから、当該非水電解質組成物を用いた電池の高温保存時における膨れを効果的に抑制することができる。
ここで、上記環状スルホン酸エステル、即ちスルトンとしては、次の化学式(5)
Figure 2007207483
[式中のR1はC2n(nは自然数を示す。)を示す]で表される化合物を挙げることができる。
(5)式のR1において、炭素数としては2〜5であることが好ましいが、炭素数が2未満では、不安定になる一方、5を超えると、安定すぎて皮膜を形成しにくい傾向がある。
(5)式で表される上記環状スルホン酸エステルとしては、具体的には、それぞれ以下の化学式6〜9で表される1,3−プロパンスルトン…(6)、1,3−ブタンスルトン…(7)、1,3−プロペンスルトン…(8)、及びトルエンスルトン…(9)を好ましく用いることができるが、これらの化合物に限定されないことは言うまでもなく、上記化合物のアルキル置換体を始め、(5)式の構造を有するスルトンであれば適用可能である。
Figure 2007207483
Figure 2007207483
Figure 2007207483
Figure 2007207483
一方、多重結合を有するスルホン、即ち不飽和スルホンとしては、例えば次の化学式(10)
Figure 2007207483
[式中のR2は、C2n+1(nが1〜4の整数であるアルキル基)、C2n−1(nが1〜4の整数であるアルキレン基)、又はC2n−7(nが6〜8の整数であるアリール基)を示す]で表される化合物を挙げることができる。
(10)式のR2において、C2n+1で表わされるアルキル基や、C2n−1で表わされるアルキレン基の場合、炭素数が4を超えると、大電流放電時の容量が低下する傾向がある。
また、C2n−7で表わされるアリール基の場合、炭素数が6未満では、不安定で、8を超えると、大電流放電時の容量が低下する傾向がある。
(10)式で表される不飽和スルホンとしては、具体的には、それぞれ以下の化学式11〜13で表されるジビニルスルホン…(11)、メチルビニルスルホン…(12)、及びフェニルビニルスルホン…(13)を好ましく用いることができるが、これらの化合物に限定されないことは言うまでもなく、上記化合物のアルキル置換体を始め、(10)式の構造を有する不飽和スルホンであれば適用可能である。
Figure 2007207483
Figure 2007207483
Figure 2007207483
なお、本発明の非水電解質組成物において、上記スルトン及び不飽和スルホンの含有量としては、それぞれ0.05〜2%程度の範囲とすることが好ましい。
即ち、これら化合物の含有量がそれぞれ0.05%未満では、効果が少なく、それぞれ2%を超えると、大電流放電時の容量が低下することがあることによる。
本発明の非水電解質組成物は、上記したように、鎖状炭酸エステルと共に、上記スルトン及び不飽和スルホンの少なくとも一方を必須成分とするが、これ以外にも他の化合物を加えることが可能である。
具体的には、炭素−炭素間二重結合を有する他の炭酸エステル、例えばビニレンカーボネート、ビニレンエチレンカーボネートを組み合わせることが可能であり、これにより、繰り返し充放電時の放電容量維持率を向上させることができる。
かかる炭素−炭素間二重結合を有する他の炭酸エステルの含有量は、0.05〜5%とすることが好ましい。0.05%未満では、効果が十分でない一方、5%を超えると、大電流放電時の容量が低下することがある。
更には、所定の高分子化合物を添加し、本発明の非水電解質組成物でこの高分子化合物を膨潤させ、この非水電解質組成物が当該高分子化合物に含浸ないしは保持されるようにすることができる。
かかる高分子化合物の膨潤やゲル化ないしは非流動化により、得られる電池で非水電解質組成物の漏液が起こるのを効果的に抑制することができる。また、上記(1)式で表される鎖状炭酸エステルは、かかる高分子化合物に対する含浸性も良好であると推察され、これによっても得られる電池の繰り返し充放電時の放電容量維持率が向上するものと思われる。
このような高分子化合物としては、以下の化学式14〜16で表されるポリビニルホルマール…(14)、ポリアクリル酸エステル…(15)、ポリフッ化ビニリデン…(16)などを例示することができる。
Figure 2007207483
Figure 2007207483
但し、(15)式中のRはC2n−1(nは1〜8の整数、mは0〜4の整数を示す。)を示し、Nは重合度を示し、好ましくはN=100〜10000である。このとき、Nが100未満では、ゲル化が困難であり、10000を超えると、流動性が減少する傾向がある。
Figure 2007207483
なお、上述の高分子化合物の含有量は、0.1〜5%とすることが好ましい。0.1%未満では、ゲル化が困難となり、5%を超えると、流動性が減少することがある。
本発明の非水電解質組成物に用いる非水溶媒としては、各種の高誘電率溶媒や低粘度溶媒を挙げることができる。
高誘電率溶媒としては、エチレンカーボネートとプロピレンカーボネート等を好適に用いることができるが、これに限定されるものではなく、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、4−フルオロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(フルオロエチレンカーボネート)、4−クロロ−1,3−ジオキソラン−2−オン(クロロエチレンカーボネート)、及びトリフルオロメチルエチレンカーボネートなどの環状炭酸エステルを用いることができる。
また、高誘電率溶媒として、環状炭酸エステルの代わりに又はこれと併用して、γ−ブチロラクトン及びγ−バレロラクトン等のラクトン、N−メチルピロリドン等のラクタム、N−メチルオキサゾリジノン等の環状カルバミン酸エステル、テトラメチレンスルホン等のスルホン化合物なども使用可能である。
一方、低粘度溶媒としては、ジエチルカーボネートを好適に使用することができるが、これ以外にも、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート及びメチルプロピルカーボネート等の鎖状炭酸エステル、酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、イソ酪酸メチル、トリメチル酢酸メチル及びトリメチル酢酸エチル等の鎖状カルボン酸エステル、N,N−ジメチルアセトアミド等の鎖状アミド、N,N−ジエチルカルバミン酸メチル及びN,N−ジエチルカルバミン酸エチル等の鎖状カルバミン酸エステル、並びに1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン及び1,3−ジオキソラン等のエーテルを用いることができる。
なお、本発明の非水電解質組成物において、上述の高誘電率溶媒及び低粘度溶媒は、その1種を単独で又は2種以上を任意に混合して用いることができる。
また、上述の非水溶媒の含有量は、70〜90%とすることが好ましい。70%未満では、粘度が上昇し、90%を超えると、十分な電導度が得られないことがある。
また、本発明の非水電解質組成物に用いる電解質塩としては、上述の非水溶媒に溶解ないしは分散してイオンを生ずるものであればよく、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)を好適に使用することができるが、これに限定されないことはいうまでもない。
即ち、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF)、六フッ化ヒ酸リチウム(LiAsF)、六フッ化アンチモン酸リチウム(LiSbF)、過塩素酸リチウム(LiClO)、四塩化アルミニウム酸リチウム(LiAlCl)等の無機リチウム塩や、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiCFSO)、リチウムビス(トリフルオロメタンスルホン)イミド(LiN(CFSO)、リチウムビス(ペンタフルオロメタンスルホン)メチド(LiN(CSO)、及びリチウムトリス(トリフルオロメタンスルホン)メチド(LiC(CFSO)等のパーフルオロアルカンスルホン酸誘導体のリチウム塩なども使用可能であり、これらを1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することも可能である。
なお、このような電解質塩の含有量は、10〜30%とすることが好ましい。10%未満では、十分な電導度が得られず、30%を超えると、粘度が上昇することがある。
次に、本発明の非水電解質二次電池について詳細に説明する。
図1は、本発明の非水電解質二次電池の一実施形態であって、ラミネート型電池の一例を示す分解斜視図である。
同図において、この二次電池は、正極端子11と負極端子12が取り付けられた電池素子20をフィルム状の外装部材30の内部に封入して構成されている。正極端子11及び負極端子12は、外装部材30の内部から外部に向かって、例えば同一方向にそれぞれ導出されている。正極端子11及び負極端子12は、例えばアルミニウム(Al)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)又はステンレスなどの金属材料によりそれぞれ構成される。
外装部材30は、例えばナイロンフィルム、アルミニウム箔及びポリエチレンフィルムをこの順に張り合わせた矩形状のラミネートフィルムにより構成されている。外装部材30は、例えばポリエチレンフィルム側と電池素子20とが対向するように配設されており、各外縁部が融着又は接着剤により互いに接合されている。
外装部材30と正極端子11及び負極端子12との間には、外気の侵入を防止するための密着フィルム31が挿入されている。密着フィルム31は、正極端子11及び負極端子12に対して密着性を有する材料により構成され、例えば正極端子11及び負極端子12が上述した金属材料から構成される場合には、ポリエチレン、ポリプロピレン、変性ポリエチレン又は変性ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂により構成されることが好ましい。
なお、外装部材30は、上述したラミネートフィルムに代えて、他の構造、例えば金属材料を含まないラミネートフィルム、ポリプロピレンなどの高分子フィルム又は金属フィルムなどにより構成してもよい。
ここで、外装部材の一般的な構成は、外装層/金属箔/シーラント層の積層構造で表すことができ(但し、外装層及びシーラント層は複数層で構成されることがある。)、上記の例では、ナイロンフィルムが外装層、アルミニウム箔が金属箔、ポリエチレンフィルムがシーラント層に相当する。
なお、金属箔としては、耐透湿性のバリア膜として機能すれば十分であり、アルミニウム箔のみならず、ステンレス箔、ニッケル箔及びメッキを施した鉄箔などを使用することができるが、薄く軽量で加工性に優れるアルミニウム箔を好適に用いることができる。
外装部材として、使用可能な構成を(外装層/金属箔/シーラント層)の形式で列挙すると、Ny(ナイロン)/Al(アルミ)/CPP(無延伸ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)/Al/CPP、PET/Al/PET/CPP、PET/Ny/Al/CPP、PET/Ny/Al/Ny/CPP、PET/Ny/Al/Ny/PE(ポリエチレン)、Ny/PE/Al/LLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)、PET/PE/Al/PET/LDPE(低密度ポリエチレン)、及びPET/Ny/Al/LDPE/CPPなどがある。
図2は、図1に示した電池素子20のI−I線に沿った断面図である。同図において、電池素子20は、正極21と負極22とが本発明の非水電解質組成物から成る非水電解質組成物層23及びセパレータ24を介して対向して位置し、巻回されているものであり、最外周部は保護テープ25により保護されている。
ここで、正極21は、例えば対向する一対の面を有する正極集電体21Aの両面又は片面に正極活物質層21Bが被覆された構造を有している。正極集電体21Aには、長手方向における一方の端部に正極活物質層21Bが被覆されずに露出している部分があり、この露出部分に正極端子11が取り付けられている。
正極集電体21Aは、例えばアルミニウム箔、ニッケル箔又はステンレス箔などの金属箔により構成される。
正極活物質層21Bは、正極活物質として、リチウムイオンを吸蔵及び放出することが可能な正極材料のいずれか1種又は2種以上を含んでおり、必要に応じて導電材及び結着剤を含んでいてもよい。
リチウムを吸蔵及び放出することが可能な正極材料としては、例えば硫黄(S)や、二硫化鉄(FeS)、二硫化チタン(TiS)、二硫化モリブデン(MoS)、二セレン化ニオブ(NbSe)、酸化バナジウム(V)、二酸化チタン(TiO)及び二酸化マンガン(MnO)などのリチウムを含有しないカルコゲン化物(特に層状化合物やスピネル型化合物)、リチウムを含有するリチウム含有化合物、並びに、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリアセチレン及びポリピロールなどの導電性高分子化合物が挙げられる。
これらの中でも、リチウム含有化合物は、高電圧及び高エネルギー密度を得ることができるものがあるので好ましい。このようなリチウム含有化合物としては、例えばリチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物や、リチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物が挙げられるが、より高い電圧を得る観点からは、特にコバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、クロム(Cr)、バナジウム(V)、チタン(Ti)又はこれらの任意の混合物を含むものが好ましい。
かかるリチウム含有化合物は、代表的には、次の一般式(17)又は(18)
LiM…(17)
LiIIPO…(18)
(式中のM及びMIIは1種類以上の遷移金属元素を示し、x及びyの値は電池の充放電状態によって異なるが、通常0.05≦x≦1.10、0.05≦y≦1.10である。)で表され、(17)式の化合物は一般に層状構造を有し、(18)式の化合物は一般にオリビン構造を有する。
また、リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物の具体例としては、リチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)、リチウムニッケル複合酸化物(LiNiO)、これらの固溶体(Li(NiCoMn)O)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(LiNi1−zCo(z<1)、スピネル型構造を有するリチウムマンガン複合酸化物(LiMn)及びこれらの固溶体(Li(Mn2−xNi)O)などが挙げられる。
リチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物の具体例としては、例えばオリビン構造を有するリチウム鉄リン酸化合物(LiFePO)又はリチウム鉄マンガンリン酸化合物(LiFe1−vMnPO(v<1))が挙げられる。
一方、負極22は、正極21と同様に、例えば対向する一対の面を有する負極集電体22Aの両面又は片面に負極活物質層22Bが設けられた構造を有している。負極集電体22Aには、長手方向における一方の端部に負極活物質層22Bが設けられず露出している部分があり、この露出部分に負極端子12が取り付けられている。
負極集電体22Aは、例えば銅箔、ニッケル箔又はステンレス箔などの金属箔により構成される。
負極活物質層22Bは、負極活物質として、リチウムイオンを吸蔵及び放出することが可能な負極材料、金属リチウムのいずれか1種又は2種以上を含んでおり、必要に応じて導電材及び結着剤を含んでいてもよい。
リチウムを吸蔵及び放出することが可能な負極材料としては、例えば炭素材料、金属酸化物及び高分子化合物が挙げられる。炭素材料としては、難黒鉛化炭素材料、人造黒鉛材料やや黒鉛系材料などが挙げられ、より具体的には、熱分解炭素類、コークス類、黒鉛類、ガラス状炭素類、有機高分子化合物焼成体、炭素繊維、活性炭及びカーボンブラックなどがある。
このうち、コークス類にはピッチコークス、ニードルコークス及び石油コークスなどがあり、有機高分子化合物焼成体というのは、フェノール樹脂やフラン樹脂などの高分子材料を適当な温度で焼成して炭素化したものをいう。また、金属酸化物としては、酸化鉄、酸化ルテニウム及び酸化モリブテンなどが挙げられ、高分子化合物としてはポリアセチレンやポリピロールなどが挙げられる。
更に、リチウムを吸蔵及び放出することが可能な負極材料としては、リチウムと合金を形成可能な金属元素及び半金属元素のうちの少なくとも1種を構成元素として含む材料も挙げられる。この負極材料は金属元素又は半金属元素の単体でも合金でも化合物でもよく、またこれらの1種又は2種以上の相を少なくとも一部に有するようなものでもよい。
なお、本発明において、合金には2種以上の金属元素からなるものに加えて、1種以上の金属元素と1種以上の半金属元素とを含むものも含める。また、非金属元素を含んでいてもよい。その組織には固溶体、共晶(共融混合物)、金属間化合物又はこれらのうちの2種以上が共存するものがある。
このような金属元素又は半金属元素としては、例えばスズ(Sn)、鉛(Pb)、アルミニウム、インジウム(In)、ケイ素(Si)、亜鉛(Zn)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、ガリウム(Ga)、ゲルマニウム(Ge)、ヒ素(As)、銀(Ag)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)及びイットリウム(Y)が挙げられる。
中でも、長周期型周期表における14族の金属元素又は半金属元素が好ましく、特に好ましいのはケイ素又はスズである。ケイ素及びスズは、リチウムを吸蔵及び放出する能力が大きく、高いエネルギー密度を得ることができるからである。
スズの合金としては、例えばスズ以外の第2の構成元素として、ケイ素、マグネシウム(Mg)、ニッケル、銅、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛、インジウム、銀、チタン(Ti)、ゲルマニウム、ビスマス、アンチモン及びクロム(Cr)から成る群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。
ケイ素の合金としては、例えばケイ素以外の第2の構成元素として、スズ、マグネシウム、ニッケル、銅、鉄、コバルト、マンガン、亜鉛、インジウム、銀、チタン、ゲルマニウム、ビスマス、アンチモン及びクロムから成る群のうちの少なくとも1種を含むものが挙げられる。
スズの化合物又はケイ素の化合物としては、例えば酸素(O)又は炭素(C)を含むものが挙げられ、スズまたはケイ素に加えて、上述した第2の構成元素を含んでいてもよい。
また、セパレータ24は、例えばポリプロピレン若しくはポリエチレンなどのポリオレフィン系の合成樹脂から成る多孔質膜、又はセラミック製の不織布などの無機材料から成る多孔質膜など、イオン透過度が大きく、所定の機械的強度を有する絶縁性の薄膜から構成されており、これら2種以上の多孔質膜を積層した構造としてもよい。特に、ポリオレフィン系の多孔質膜を含むものは、正極21と負極22との分離性に優れ、内部短絡や開回路電圧の低下をいっそう低減できるので好適である。
次に、上述した二次電池の製造方法の一例につき説明する。
上記ラミネート型二次電池は、以下のようにして製造することができる。
まず、正極21を作製する。例えば粒子状の正極活物質を用いる場合には、正極活物質と必要に応じて導電材及び結着剤とを混合して正極合剤を調製し、N−メチル−2−ピロリドンなどの分散媒に分散させて正極合剤スラリーを作製する。
次いで、この正極合剤スラリーを正極集電体21Aに塗布し乾燥させ、圧縮成型して正極活物質層21Bを形成する。
また、負極22を作製する。例えば粒子状の負極活物質を用いる場合には、負極活物質と必要に応じて導電材及び結着剤とを混合して負極合剤を調製し、N−メチル−2−ピロリドンなどの分散媒に分散させて負極合剤スラリーを作製する。この後、この負極合剤スラリーを負極集電体22Aに塗布し乾燥させ、圧縮成型して負極活物質層22Bを形成する。
次いで、正極21に正極端子11を取り付けるとともに、負極22に負極端子12を取り付けた後、セパレータ24、正極21、セパレータ24及び負極22を順次積層して巻回し、最外周部に保護テープ25を接着して巻回電極体を形成する。更に、この巻回電極体を外装部材30で挟み、一辺を除く外周縁部を熱融着して袋状とする。
しかる後、上述した鎖状炭酸エステルと、六フッ化リン酸リチウムなどの電解質塩と、エチレンカーボネートなどの非水溶媒を含む非水電解質組成物を準備し、外装部材30の開口部から巻回電極体の内部に注入して、外装部材30の開口部を熱融着し封入する。これにより、非水電解質組成物層23が形成され、図1及び図2に示した二次電池が完成する。
なお、この二次電池は次のようにして製造してもよい。
例えば、巻回電極体を作製してから非水電解質組成物を注入するのではなく、正極21及び負極22の上、又はセパレータ24に非水電解質組成物を塗布した後に巻回し、外装部材30の内部に封入するようにしてもよい。
以上に説明した二次電池では、充電を行うと、正極活物質層21Bからリチウムイオンが放出され、非水電解質組成物層23を介して負極活物質層22Bに吸蔵される。放電を行うと、負極活物質層22Bからリチウムイオンが放出され、非水電解質組成物層23を介して正極活物質層21Bに吸蔵される。
ここで、非水電解質組成物層23に含まれる非水電解質組成物は、正極活物質層21B及び負極活物質22Bへの含浸性や浸透性に優れている。従って、多くの活物質に電解質が十分に接触しているので、充放電に際し、この二次電池の電池性能は大きく劣化することはなく、繰り返し充放電時の放電容量維持率が向上している。
また、上記非水電解質組成物は、電池の膨れ防止に有効であり、特に、電池外装の膨れ対策がより強く求められているラミネートフィルム外装電池や、薄型の角型電池に適用した場合に、効果的なものとなる。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
具体的には、以下の各例に記載したような操作を行い、図1及び図2に示したようなラミネート型電池を作製し、その性能を評価した。
(実施例1)
まず、正極活物質としてリチウム・コバルト複合酸化物(LiCoO)を94重量部と、導電材としてグラファイトを3重量部と、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)を3重量部とを均質に混合してN−メチルピロリドンを添加し正極合剤塗液を得た。
次いで、得られた正極合剤塗液を厚み20μmのアルミニウム箔上の両面に均一に塗布、乾燥して片面当たり40mg/cmの正極合剤層を形成した。これを幅50mm、長さ300mmの形状に切断して正極を作成し、更に正極端子を取り付けた。
次に、負極活物質として黒鉛97重量部、結着剤としてPVdFを3重量部とを均質に混合してN−メチルピロリドンを添加し負極合剤塗液を得た。次いで、得られた負極合剤塗液を負極集電体となる厚み15μmの銅箔上の両面に均一に塗布、乾燥して片面当たり20mg/cmの負極合剤層を形成した。これを幅50mm、長さ300mmの形状に切断して負極を作成し、更に負極端子を取り付けた。
また、非水電解質組成物としては、炭酸エチレン:炭酸プロピレン:炭酸ジエチル:六フッ化リン酸リチウム:ジテトラデシルカーボネート=17:8:60:14:1の割合(重量比)で混合し、これに1,3−プロペンスルトンを0.3%混合して、その分炭酸ジエチルを減らした(炭酸ジエチル:59.7%)ものを用いた。
この正極と負極を、厚さ20μmの微多孔性ポリエチレンフィルムから成るセパレータを介して積層して巻き取り、アルミニウムラミネートフィルムから成る外装部材の一例である袋に入れた。この袋に非水電解質組成物を2g注入後、袋を熱融着してラミネート型電池を作成した。この電池の容量は700mAhである。
この電池を23℃の環境下700mAで4.2Vを上限として3時間充電した後、90℃で4時間保存した時の膨れ量を表1に示す。
このように炭素数が13〜20の炭化水素基を有する鎖状炭酸エステルとスルトン(環状スルホン酸エステル)を使用することで、90℃で4時間保存した時の膨れ量は、後述するように、スルトンを添加していない非水電解質組成物を使用した比較例1の電池よりも改善されていることが分かる。
また、この結果を後述する比較例1〜3の結果と比較することにより、スルトンが0.3%以上含有されれば、ビニレンカーボネート(炭素−炭素間二重結合を有する炭酸エステル)が添加されていなくても、十分な膨れ抑制効果が得られることが分かる。
(実施例2)
非水電解質組成物中の1,3−プロペンスルトンの濃度を0.1%(炭酸ジエチル:59.9%)とした以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例のラミネート型電池を得た。上記同様に90℃で4時間保存した時の膨れ量を測定し、得られた結果を表1に示す。
表1より、1,3−プロペンスルトンの濃度を0.1%にすると、90℃−4時間保存後の膨れ量は実施例1よりは低下するが、比較例1よりも改善されていることが分かる。
(実施例3)
非水電解質組成物中の1,3−プロペンスルトンの濃度を0.5%(炭酸ジエチル:59.5%)とした以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例のラミネート型電池を得た。上記同様に90℃で4時間保存した時の膨れ量を測定し、得られた結果を表1に示す。
表1より、1,3−プロペンスルトンの濃度を0.5%にすることにより、90℃−4時間保存後の膨れ量が実施例1よりも改善されていることが分かる。
(実施例4)
非水電解質組成物中にビニレンカーボネートを1%添加し、その分ジエチルカーボネートを減量した以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例のラミネート型電池を得た。上記同様に90℃で4時間保存した時の膨れ量を測定し、得られた結果を表1に示す。
表1より、炭素数が13〜20の炭化水素基を有する鎖状炭酸エステル及びスルトンに加え、炭素−炭素間二重結合を有する炭酸エステルを併用することにより、90℃−4時間保存後の膨れ量が実施例1よりも更に改善されていることが分かる。
(実施例5〜10)
非水電解質組成物中の1,3−プロペンスルトンを他のスルトン(1,3−プロパンスルトン、1,3−ブタンスルトン及びトルエンスルトン)、及び不飽和スルホン(ジビニルスルホン、メチルビニルスルホン及びフェニルスルホン)に替えた以外は、実施例4と同様の操作を繰り返し、それぞれ実施例5〜10のラミネート型電池を得た。同様に90℃で4時間保存した時の膨れ量を測定し、得られた結果を表1に示す。
表1より、炭素数が13〜20の炭化水素基を有する鎖状炭酸エステル、スルトン又は不飽和スルホンと共に、炭素−炭素間二重結合を有する炭酸エステルを併用すると、90℃−4時間保存後の膨れ量が比較例1や、後述するように、上記鎖状炭酸エステル及びスルトンを含有することなく、ビニレンカーボネートを添加した非水電解質組成物を使用して成る比較例2の電池よりも改善されていることが分かる。
(実施例11及び12)
所定の鎖状炭酸エステルとして、表1に示すように、実施例11ではジトリデシルカーボネート、実施例12ではジエイコシルカーボネートを用いた以外は、実施例4と同様の操作を繰り返し、それぞれ実施例11及び12のラミネート型電池を得た。上記同様に90℃で4時間保存した時の膨れ量を測定し、得られた結果を表1に示す。
表1より、炭素数が13〜20の炭化水素基を有する鎖状炭酸エステルの種類を変えても、90℃−4時間保存後の膨れ量が実施例4とほぼ同等のレベルまで改善されることが分かる。
(実施例13)
所定の鎖状炭酸エステルとして、メチルテトラデシルカーボネートを用いた以外は、実施例4と同様の操作を繰り返し、本例のラミネート型電池を得た。上記同様に90℃で4時間保存した時の膨れ量を測定し、得られた結果を表1に示す。
表1より、炭素数が13〜20の炭化水素基を有する非対称状炭酸エステルとスルトン、炭素−炭素間二重結合を有する炭酸エステルを併用すると、90℃−4時間保存後の膨れ量が比較例2の電池よりも改善されることが分かる。
(比較例1)
スルトンを添加することなく、その分ジエチルカーボネートを増量した以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例のラミネート型電池を得た。上記同様に膨れ量を測定し、得られた結果を表1に示す。
表1より、スルトンを添加しないと、90℃−4時間保存後の膨れ量が上記実施例1〜13よりも劣化することが分かる。
(比較例2)
炭素数が13〜20の炭化水素基を有する鎖状炭酸エステル及びスルトンを添加することなく、その分ジエチルカーボネートを増量した以外は、実施例4と同様の操作を繰り返し、本例のラミネート型電池を得た。上記同様に膨れ量を測定し、得られた結果を表1に示す。
表1より、所定の鎖状炭酸エステルとスルトンを添加しないと、90℃−4時間保存後の膨れ量が上記実施例4〜13よりも劣っていることが分かる。
(比較例3)
炭素数が13〜20の炭化水素基を有する鎖状炭酸エステル及びスルトンを添加することなく、その分ジエチルカーボネートを増量した以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例のラミネート型電池を得た。上記同様に膨れ量を測定し、得られた結果を表1に示す。
表1より、所定の鎖状炭酸エステルとスルトンを添加しないと、90℃−4時間保存後の膨れ量が上記実施例1〜13よりも劣化することが分かる。
(比較例4)
ジテトラデシルカーボネートに替えて、ジドデシルカーボネートを用いた以外は、実施例4と同様の操作を繰り返し、本例のラミネート型電池を得た。上記同様に90℃で4時間保存した時の膨れ量を測定し、得られた結果を表1に示す。
表1より、炭素数が12の炭化水素基を有する鎖状炭酸エステルとスルトン、炭素−炭素間二重結合を有する炭酸エステルを併用しても、90℃−4時間保存後の膨れ量は、上記比較例2よりも改善されていないことが分かる。
(比較例5)
ジテトラデシルカーボネートに替えて、ジヘニコシルカーボネートを用いた以外は、実施例4と同様の操作を繰り返し、本例のラミネート型電池を得た。上記同様に90℃で4時間保存した時の膨れ量を測定し、得られた結果を表1に示す。
表1より、炭素数が21の炭化水素基を有する鎖状炭酸エステルとスルトン、炭素−炭素間二重結合を有する炭酸エステルを併用しても、90℃−4時間保存後の膨れ量は、上記比較例2よりも改善されていないことが分かる。
Figure 2007207483
(実施例14)
非水電解質組成物にポリビニルホルマール1%を添加して膨潤させ、その分ジエチルカーボネートを減量した以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例のラミネート型電池を得た。上記同様に90℃で4時間保存した時の膨れ量を測定し、得られた結果を表2に示す。
表2より、炭素数が13〜20の炭化水素基を有する鎖状炭酸エステルとスルトンを使用することによって、90℃で4時間保存した時の膨れ量は、スルトンを添加していない非水電解質組成物を使用した後述する比較例6の電池よりも改善されていることが分かる。
そして、この結果を後述する比較例6〜8の結果と比較すれば、スルトンを0.3%以上含有させることによって、ビニレンカーボネート(炭素−炭素間二重結合を有する炭酸エステル)を添加しなくても、十分な膨れ抑制効果が得られることが分かる。
(実施例15)
非水電解質組成物中の1,3−プロペンスルトンの濃度を0.1%(炭酸ジエチル:59.9%)とした以外は、実施例14と同様の操作を繰り返し、本例のラミネート型電池を得た。上記同様に90℃で4時間保存した時の膨れ量を測定し、得られた結果を表2に示す。
表2より、1,3−プロペンスルトンの濃度を0.1%にした場合、90℃−4時間保存後の膨れ量は実施例13よりは低下するが、比較例6よりも改善されていることが分かる。
(実施例16)
非水電解質組成物中の1,3−プロペンスルトンの濃度を0.5%(炭酸ジエチル:59.5%)とした以外は、実施例14と同様の操作を繰り返し、本例のラミネート型電池を得た。上記同様に90℃で4時間保存した時の膨れ量を測定し、得られた結果を表2に示す。
表2より、1,3−プロペンスルトンの濃度を0.5%にすることによって、90℃−4時間保存後の膨れ量が実施例14よりも改善されていることが分かる。
(実施例17)
非水電解質組成物中にビニレンカーボネートを1%添加し、その分ジエチルカーボネートを減量した以外は、実施例14と同様の操作を繰り返し、本例のラミネート型電池を得た。上記同様に90℃で4時間保存した時の膨れ量を測定し、得られた結果を表2に示す。
表2より、炭素数が13〜20の炭化水素基を有する鎖状炭酸エステル及びスルトンに加え、炭素−炭素間二重結合を有する炭酸エステルを併用すると、90℃−4時間保存後の膨れ量が実施例14よりも更に改善されていることが分かる。
(実施例18〜23)
非水電解質組成物中の1,3−プロペンスルトンを他のスルトン(1,3−プロパンスルトン、1,3−ブタンスルトン及びトルエンスルトン)、及び不飽和スルホン(ジビニルスルホン、メチルビニルスルホン及びフェニルスルホン)に替えた以外は、実施例17と同様の操作を繰り返し、それぞれ実施例18〜23のラミネート型電池を得た。同様に90℃で4時間保存した時の膨れ量を測定し、得られた結果を表2に示す。
表2より、炭素数が13〜20の炭化水素基を有する鎖状炭酸エステル、スルトン又は不飽和スルホンと共に、炭素−炭素間二重結合を有する炭酸エステルを併用することによって、90℃−4時間保存後の膨れ量が比較例6や、上記鎖状炭酸エステル及びスルトンを含有することなく、ビニレンカーボネートを添加した非水電解質組成物を使用して成る比較例7の電池よりも改善されていることが分かる。
(実施例24及び25)
所定の鎖状炭酸エステルとして、表2に示すように、実施例24ではジトリデシルカーボネート、実施例25ではジエイコシルカーボネートを用いた以外は、実施例17と同様の操作を繰り返し、それぞれ実施例24及び25のラミネート型電池を得た。上記同様に90℃で4時間保存した時の膨れ量を測定し、得られた結果を表2に示す。
表2より、炭素数が13〜20の炭化水素基を有する鎖状炭酸エステルの種類を変えても、90℃−4時間保存後の膨れ量が実施例17とほぼ同等のレベルに改善されることが分かる。
(実施例26)
所定の鎖状炭酸エステルとして、メチルテトラデシルカーボネートを用いた以外は、実施例17と同様の操作を繰り返し、本例のラミネート型電池を得た。上記同様に90℃で4時間保存した時の膨れ量を測定し、得られた結果を表2に示す。
表2より、炭素数が13〜20の炭化水素基を有する非対称状炭酸エステルとスルトン、炭素−炭素間二重結合を有する炭酸エステルを併用すると、90℃−4時間保存後の膨れ量が比較例7の電池よりも改善されることが分かる。
(比較例6)
スルトンを添加することなく、その分ジエチルカーボネートを増量した以外は、実施例14と同様の操作を繰り返し、本例のラミネート型電池を得た。上記同様に膨れ量を測定し、得られた結果を表2に示す。
表2より、スルトンを添加しないと、90℃−4時間保存後の膨れ量が上記実施例14〜26よりも劣化することが分かる。
(比較例7)
炭素数が13〜20の炭化水素基を有する鎖状炭酸エステル及びスルトンを添加することなく、その分ジエチルカーボネートを増量した以外は、実施例17と同様の操作を繰り返し、本例のラミネート型電池を得た。上記同様に膨れ量を測定し、得られた結果を表2に示す。
表2より、所定の鎖状炭酸エステルとスルトンを添加しないと、90℃−4時間保存後の膨れ量が上記実施例17〜26よりも劣っていることが分かる。
(比較例8)
炭素数が13〜20の炭化水素基を有する鎖状炭酸エステル及びスルトンを添加することなく、その分ジエチルカーボネートを増量した以外は、実施例14と同様の操作を繰り返し、本例のラミネート型電池を得た。上記同様に膨れ量を測定し、得られた結果を表2に示す。
表2より、所定の鎖状炭酸エステルとスルトンを添加しないと、90℃−4時間保存後の膨れ量が上記実施例14〜26よりも劣化することが分かる。
(比較例9)
ジテトラデシルカーボネートに替えて、ジドデシルカーボネートを用いた以外は、実施例17と同様の操作を繰り返し、本例のラミネート型電池を得た。上記同様に90℃で4時間保存した時の膨れ量を測定し、得られた結果を表2に示す。
表2より、炭素数が12の炭化水素基を有する鎖状炭酸エステルとスルトン、炭素−炭素間二重結合を有する炭酸エステルを併用しても、90℃−4時間保存後の膨れ量は、上記比較例7よりも改善されていないことが分かる。
(比較例10)
ジテトラデシルカーボネートに替えて、ジヘニコシルカーボネートを用いた以外は、実施例17と同様の操作を繰り返し、本例のラミネート型電池を得た。上記同様に90℃で4時間保存した時の膨れ量を測定し、得られた結果を表2に示す。
表2より、炭素数が21の炭化水素基を有する鎖状炭酸エステルとスルトン、炭素−炭素間二重結合を有する炭酸エステルを併用しても、90℃−4時間保存後の膨れ量は、上記比較例7よりも改善されていないことが分かる。
Figure 2007207483
(実施例27)
非水電解質組成物にポリアクリル酸エステル1%を添加して膨潤させ、その分ジエチルカーボネートを減量した以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例のラミネート型電池を得た。上記同様に90℃で4時間保存した時の膨れ量を測定し、得られた結果を表3に示す。
表3より、炭素数が13〜20の炭化水素基を有する鎖状炭酸エステルとスルトンを使用することで、90℃で4時間保存した時の膨れ量は、後述するようにスルトンを添加していない非水電解質組成物を使用した比較例11の電池よりも改善されていることが分かる。
また、この結果を後述する比較例11〜13の結果と比較すれば、スルトンの0.3%以上の添加によって、ビニレンカーボネートが添加されていない場合でも、十分な膨れ抑制効果が得られることが分かる。
(実施例28)
非水電解質組成物中の1,3−プロペンスルトンの濃度を0.1%(炭酸ジエチル:59.9%)とした以外は、実施例27と同様の操作を繰り返し、本例のラミネート型電池を得た。上記同様に90℃で4時間保存した時の膨れ量を測定し、得られた結果を表3に示す。
表3より、1,3−プロペンスルトンの濃度を0.1%にした場合、90℃−4時間保存後の膨れ量は実施例27よりは低下するが、比較例11よりも改善されていることが分かる。
(実施例29)
非水電解質組成物中の1,3−プロペンスルトンの濃度を0.5%(炭酸ジエチル:59.5%)とした以外は、実施例27と同様の操作を繰り返し、本例のラミネート型電池を得た。上記同様に90℃で4時間保存した時の膨れ量を測定し、得られた結果を表3に示す。
表3より、1,3−プロペンスルトンの濃度を0.5%にすることによって、90℃−4時間保存後の膨れ量が実施例27よりも改善されていることが分かる。
(実施例30)
非水電解質組成物中にビニレンカーボネートを1%添加し、その分ジエチルカーボネートを減量した以外は、実施例27と同様の操作を繰り返し、本例のラミネート型電池を得た。上記同様に90℃で4時間保存した時の膨れ量を測定し、得られた結果を表3に示す。
表3より、炭素数が13〜20の炭化水素基を有する鎖状炭酸エステル及びスルトンに加え、二重結合を有する炭酸エステルを併用することにより、90℃−4時間保存後の膨れ量が実施例27よりも更に改善されていることが分かる。
(実施例31〜36)
非水電解質組成物中の1,3−プロペンスルトンを他のスルトン(1,3−プロパンスルトン、1,3−ブタンスルトン及びトルエンスルトン)、及び不飽和スルホン(ジビニルスルホン、メチルビニルスルホン及びフェニルスルホン)に替えた以外は、実施例30と同様の操作を繰り返し、本例のラミネート型電池を得た。同様に90℃で4時間保存した時の膨れ量を測定し、得られた結果を表3に示す。
表3より、炭素数が13〜20の炭化水素基を有する鎖状炭酸エステル、スルトン又は不飽和スルホンと共に、二重結合を有する炭酸エステルを併用することにより、90℃−4時間保存後の膨れ量が比較例11や、上記鎖状炭酸エステル及びスルトンを含有することなく、ビニレンカーボネートを添加した非水電解質組成物を使用して成る比較例12の電池よりも改善されていることが分かる。
(実施例37及び38)
所定の鎖状炭酸エステルとして、表3に示すように、実施例37ではジトリデシルカーボネート、実施例38ではジエイコシルカーボネートを用いた以外は、実施例30と同様の操作を繰り返し、それぞれ実施例37及び38のラミネート型電池を得た。上記同様に90℃で4時間保存した時の膨れ量を測定し、得られた結果を表3に示す。
表3より、炭素数が13〜20の炭化水素基を有する鎖状炭酸エステルの種類を変えても、90℃−4時間保存後の膨れ量が実施例30とほぼ同等のレベルに改善されることが分かる。
(実施例39)
所定の鎖状炭酸エステルとして、メチルテトラデシルカーボネートを用いた以外は、実施例30と同様の操作を繰り返し、本例のラミネート型電池を得た。上記同様に90℃で4時間保存した時の膨れ量を測定し、得られた結果を表3に示す。
表3より、炭素数が13〜20の炭化水素基を有する非対称状炭酸エステルとスルトン、炭素−炭素間二重結合を有する炭酸エステルを併用すると、90℃−4時間保存後の膨れ量が比較例12の電池よりも改善されることが分かる。
(比較例11)
スルトンを添加することなく、その分ジエチルカーボネートを増量した以外は、実施例27と同様の操作を繰り返し、本例のラミネート型電池を得た。上記同様に膨れ量を測定し、得られた結果を表3に示す。
表3より、スルトンを添加しないと、90℃−4時間保存後の膨れ量が上記実施例27〜39よりも劣化することが分かる。
(比較例12)
炭素数が13〜20の炭化水素基を有する鎖状炭酸エステル及びスルトンを添加することなく、その分ジエチルカーボネートを増量した以外は、実施例30と同様の操作を繰り返し、本例のラミネート型電池を得た。上記同様に膨れ量を測定し、得られた結果を表3に示す。
表3より、所定の鎖状炭酸エステルとスルトンを添加しないと、90℃−4時間保存後の膨れ量が上記実施例30〜39よりも劣っていることが分かる。
(比較例13)
炭素数が13〜20の炭化水素基を有する鎖状炭酸エステル及びスルトンを添加することなく、その分ジエチルカーボネートを増量した以外は、実施例27と同様の操作を繰り返し、本例のラミネート型電池を得た。上記同様に膨れ量を測定し、得られた結果を表3に示す。
表3より、所定の鎖状炭酸エステルとスルトンを添加しない場合、90℃−4時間保存後の膨れ量が上記実施例27〜39よりも劣化することが分かる。
(比較例14)
ジテトラデシルカーボネートに替えて、ジドデシルカーボネートを用いた以外は、実施例30と同様の操作を繰り返し、本例のラミネート型電池を得た。上記同様に90℃で4時間保存した時の膨れ量を測定し、得られた結果を表3に示す。
表3より、炭素数が12の炭化水素基を有する鎖状炭酸エステルとスルトン、炭素−炭素間二重結合を有する炭酸エステルを併用しても、90℃−4時間保存後の膨れ量は、上記比較例12よりも改善されていないことが分かる。
(比較例15)
ジテトラデシルカーボネートに替えて、ジヘニコシルカーボネートを用いた以外は、実施例30と同様の操作を繰り返し、本例のラミネート型電池を得た。上記同様に90℃で4時間保存した時の膨れ量を測定し、得られた結果を表3に示す。
表3より、炭素数が21の炭化水素基を有する鎖状炭酸エステルとスルトン、炭素−炭素間二重結合を有する炭酸エステルを併用しても、90℃−4時間保存後の膨れ量は、上記比較例12よりも改善されていないことが分かる。
Figure 2007207483
(実施例40)
非水電解質組成物にポリフッ化ビニリデン1%を添加して膨潤させ、その分ジエチルカーボネートを減量した以外は、実施例1と同様の操作を繰り返し、本例のラミネート型電池を得た。上記同様に90℃で4時間保存した時の膨れ量を測定し、得られた結果を表4に示す。
表4より、炭素数が13〜20の炭化水素基を有する鎖状炭酸エステルとスルトンを使用することにより、90℃で4時間保存した時の膨れ量は、後述するようにスルトンを添加していない非水電解質組成物を使用した比較例16の電池よりも改善されていることが分かる。
そして、この結果を後述する比較例16〜18の結果と比較することによって、スルトンを0.3%以上添加すれば、ビニレンカーボネートを添加することなく、十分な膨れ抑制効果が得られることが分かる。
(実施例41)
非水電解質組成物中の1,3−プロペンスルトンの濃度を0.1%(炭酸ジエチル:59.9%)とした以外は、実施例40と同様の操作を繰り返し、本例のラミネート型電池を得た。上記同様に膨れ量を測定し、得られた結果を表4に示す。
表4より、1,3−プロペンスルトンの濃度を0.1%にすると、90℃−4時間保存後の膨れ量は実施例40よりは低下するが、比較例16よりも改善されていることが分かる。
(実施例42)
非水電解質組成物中の1,3−プロペンスルトンの濃度を0.5%(炭酸ジエチル:59.5%)とした以外は、実施例40と同様の操作を繰り返し、本例のラミネート型電池を得た。上記同様に膨れ量を測定し、得られた結果を表4に示す。
表4より、1,3−プロペンスルトンの濃度を0.5%にすることにより、90℃−4時間保存後の膨れ量が実施例40よりも改善されていることが分かる。
(実施例43)
非水電解質組成物中にビニレンカーボネートを1%添加し、その分ジエチルカーボネートを減量した以外は、実施例40と同様の操作を繰り返し、本例のラミネート型電池を得た。上記同様に膨れ量を測定し、得られた結果を表4に示す。
表4より、炭素数が13〜20の炭化水素基を有する鎖状炭酸エステル及びスルトンに加え、二重結合を有する炭酸エステルを併用すると、90℃−4時間保存後の膨れ量が実施例40よりも更に改善されていることが分かる。
(実施例44〜49)
非水電解質組成物中の1,3−プロペンスルトンを他のスルトン(1,3−プロパンスルトン、1,3−ブタンスルトン及びトルエンスルトン)、及び不飽和スルホン(ジビニルスルホン、メチルビニルスルホン及びフェニルスルホン)に替えた以外は、実施例43と同様の操作を繰り返し、本例のラミネート型電池を得た。上記同様に膨れ量を測定し、得られた結果を表4に示す。
表4より、炭素数が13〜20の炭化水素基を有する鎖状炭酸エステル、スルトン又は不飽和スルホンと共に、二重結合を有する炭酸エステルを併用することによって、90℃−4時間保存後の膨れ量が比較例16や、上記鎖状炭酸エステル及びスルトンを含有することなく、ビニレンカーボネートを添加した非水電解質組成物を使用して成る比較例17の電池よりも改善されていることが分かる。
(実施例50及び51)
所定の鎖状炭酸エステルとして、表4に示すように、実施例50ではジトリデシルカーボネート、実施例51ではジエイコシルカーボネートを用いた以外は、実施例43と同様の操作を繰り返し、それぞれ実施例50及び51のラミネート型電池を得た。上記同様に膨れ量を測定し、得られた結果を表4に示す。
表4より、炭素数が13〜20の炭化水素基を有する鎖状炭酸エステルの種類を変えても、90℃−4時間保存後の膨れ量が実施例43とほぼ同等のレベルに改善されることが分かる。
(実施例52)
所定の鎖状炭酸エステルとして、メチルテトラデシルカーボネートを用いた以外は、実施例43と同様の操作を繰り返し、本例のラミネート型電池を得た。上記同様に90℃で4時間保存した時の膨れ量を測定し、得られた結果を表4に示す。
表4より、炭素数が13〜20の炭化水素基を有する非対称状炭酸エステルとスルトン、炭素−炭素間二重結合を有する炭酸エステルを併用すると、90℃−4時間保存後の膨れ量が比較例17の電池よりも改善されることが分かる。
(比較例16)
スルトンを添加することなく、その分ジエチルカーボネートを増量した以外は、実施例40と同様の操作を繰り返し、本例のラミネート型電池を得た。上記同様に膨れ量を測定し、得られた結果を表4に示す。
表4より、スルトンを添加しないと、90℃−4時間保存後の膨れ量が上記実施例40〜52よりも劣化することが分かる。
(比較例17)
炭素数が13〜20の炭化水素基を有する鎖状炭酸エステル及びスルトンを添加することなく、その分ジエチルカーボネートを増量した以外は、実施例43と同様の操作を繰り返し、本例のラミネート型電池を得た。上記同様に膨れ量を測定し、得られた結果を表4に示す。
表4より、所定の鎖状炭酸エステルとスルトンを添加しない場合には、90℃−4時間保存後の膨れ量が上記実施例43〜52よりも劣っていることが分かる。
(比較例18)
炭素数が13〜20の炭化水素基を有する鎖状炭酸エステル及びスルトンを添加することなく、その分ジエチルカーボネートを増量した以外は、実施例40と同様の操作を繰り返し、本例のラミネート型電池を得た。上記同様に膨れ量を測定し、得られた結果を表4に示す。
表4より、所定の鎖状炭酸エステルとスルトンを添加しない場合、90℃−4時間保存後の膨れ量が上記実施例40〜52よりも劣化することが分かる。
(比較例19)
ジテトラデシルカーボネートに替えて、ジドデシルカーボネートを用いた以外は、実施例43と同様の操作を繰り返し、本例のラミネート型電池を得た。上記同様に90℃で4時間保存した時の膨れ量を測定し、得られた結果を表4に示す。
表4より、炭素数が12の炭化水素基を有する鎖状炭酸エステルとスルトン、炭素−炭素間二重結合を有する炭酸エステルを併用しても、90℃−4時間保存後の膨れ量は、上記比較例17よりも改善されていないことが分かる。
(比較例20)
ジテトラデシルカーボネートに替えて、ジヘニコシルカーボネートを用いた以外は、実施例43と同様の操作を繰り返し、本例のラミネート型電池を得た。上記同様に90℃で4時間保存した時の膨れ量を測定し、得られた結果を表4に示す。
表4より、炭素数が21の炭化水素基を有する鎖状炭酸エステルとスルトン、炭素−炭素間二重結合を有する炭酸エステルを併用しても、90℃−4時間保存後の膨れ量は、上記比較例17よりも改善されていないことが分かる。
Figure 2007207483
以上、本発明を若干の実施形態及び実施例によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、上記の実施形態では、正極21及び負極22を積層して巻回した電池素子20を備える場合について説明したが、1対の正極と負極とを積層した平板状の電池素子、又は複数の正極と負極とを積層した積層型の電池素子を備える場合についても、本発明を適用することができる。
また、上記の実施形態では、フィルム状の外装部材30を用いる場合について説明したが、外装部材に缶を用いたいわゆる円筒型、角型、コイン型、ボタン型などの他の形状を有する電池についても同様に本発明を適用することができる。更に、二次電池に限らず一次電池についても適用可能である。
更に、本発明は、上述の如く、電極反応物質としてリチウムを用いる電池に関するものであるが、本発明の技術的思想は、ナトリウム(Na)若しくはカリウム(K)などの他のアルカリ金属、マグネシウム(Mg)若しくはカルシウム(Ca)などのアルカリ土類金属、又はアルミニウムなどの他の軽金属を用いる場合についても適用することが可能である。
本発明の非水電解質二次電池の一実施形態であって、ラミネート型電池の一例を示す分解斜視図である。 図1に示した電池素子のI−I線に沿った断面図である。
符号の説明
11…正極端子、12…負極端子、20…電池素子、21…正極、21A…正極集電体、21B…正極活物質層、22…負極、22A…負極集電体、22B…負極活物質層、23…非水電解質組成物層、24…セパレータ、25…保護テープ、30…外装部材、31…密着フィルム

Claims (6)

  1. 電解質塩と、
    非水溶媒と、
    少なくとも炭素数が13〜20の炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基を有する鎖状炭酸エステルと、
    環状スルホン酸エステル及び/又は多重結合を有するスルホンと、
    を含有することを特徴とする非水電解質組成物。
  2. 炭素−炭素間二重結合を有する他の炭酸エステルを、更に含有することを特徴とする請求項1に記載の非水電解質組成物。
  3. 高分子化合物を更に含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の非水電解質組成物。
  4. 上記高分子化合物が、ポリビニルホルマール、ポリアクリル酸エステル及びポリフッ化ビニリデンから成る群より選ばれた少なくとも1種のものであることを特徴とする請求項3に記載の非水電解質組成物。
  5. リチウムイオンを吸蔵及び放出できる材料を正極活物質又は負極活物質とする正極及び負極と、
    非水電解質組成物と、
    セパレータと、
    これらを収容する外装部材と、
    を備える非水電解質二次電池であって、
    上記非水電解質組成物が、電解質塩と、
    非水溶媒と、
    少なくとも炭素数が13〜20の炭化水素基又はハロゲン化炭化水素基を有する鎖状炭酸エステルと、
    環状スルホン酸エステル及び/又は多重結合を有するスルホンと、
    を含有することを特徴とする非水電解質二次電池。
  6. 上記外装部材が、ラミネートフィルムから成るものであることを特徴とする請求項5に記載の非水電解質二次電池。
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