JP6040528B2 - ハンドラーおよび検査装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ハンドラーおよび検査装置に関する。
従来から、例えばICチップなどの電子部品の電気的特性を検査する検査装置が知られている(引用文献1参照)。
特許文献1の検査装置は、電子部品を供給トレイから検査部に供給し、検査部に供給された電子部品の電気的特性の検査を行い、当該検査の終了後、電子部品を検査用ソケットから回収トレイに回収する。そして、特許文献1の検査装置では、電子部品の供給トレイから検査部への移動や、検査部から回収トレイへの移動は、検査用ロボットによって行われる。
検査装置は、ハンドラー(ICテストハンドラーと呼ばれる場合もある)と検査部(ICテスターと呼ばれる場合もある)に大別される。ハンドラーとは、IC等の部品を把持し所定の位置に搬送する装置であり、直交ロボットや部品把持部等の機構部品で構成される製品である。
ここで、近年の電子部品の小型化、高集積化に伴って、その外部端子のピッチの微細化が進んでいる。そのため、検査部に設けられたプローブピンと、電子部品の外部端子とを正確に接触させるためには、電子部品を検査部に供給する際の高精度な位置決めが要求される。そのため、検査用ロボットは、検査部に対して電子部品の位置決めを精度よく行うことができる構成となっている。
具体的には、検査部は、支持体に対して水平方向(X方向およびY方向)に移動可能な摺動レール受けと、摺動レール受けに対してZ軸まわりに回転可能な回転補正部とを有しており、支持体に対する摺動レール受けの位置と、摺動レール受けに対する回転補正部の角度をそれぞれ制御することにより、検査部に対する電子部品の位置決めを高精度に行うことができるようになっている。
しかしながら、特許文献1の検査用ロボットでは、支持体に対する摺動レール受けのX軸方向の移動およびY軸方向の移動をともにモーターを用いて行っているとともに、摺動レール受けに対する回転補正部の回転もモーターを用いて行っている。モーターは、それ自体が比較的大きいのに加えて、駆動軸(回転軸)の向きを変えるためにラックギア、ピニオンギア等の構成が別途必要となる。そのため、特許文献1の検査装置では、検査用ロボットの大型化、特に、電子部品を保持する部分の大型化を招くという問題がある。
また、検査用ロボットが大型化すると、単位領域内において配置可能な電子部品の数が減少する。そのため、電子部品の検査部への供給、回収トレイへの回収からなる一度の検査工程にて検査を行うことのできる電子部品の数が少なくなってしまうという問題もある。
特開2010−91348号公報
本発明の目的は、小型化を図ることのできるハンドラーおよび当該ハンドラーを備えた検査装置を提供することにある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本発明のハンドラーは、基体部と、
部材を保持する保持部と、
少なくとも一部が前記基体部および前記保持部の間に設けられ、前記保持部に保持された前記部材の位置を前記基体部に対して変える位置変更機構部と、を有し、
前記位置変更機構部は、所定方向に移動可能に設けられている2次元移動部と、前記2次元移動部に対して回動可能に設けられている回動部と、前記2次元移動部に対して前記回動部を回動させる回動部用圧電アクチュエーターと、を有し、
前記2次元移動部は、前記基体部に連結され、前記基体部に対して、前記回動部の回動軸に対して直交する第1方向に移動可能に設けられている第1移動部と、前記第1移動部に連結され、前記第1移動部に対して、前記回動部の回動軸に直交するとともに前記第1方向と交差する第2方向に移動可能に設けられている第2移動部と、を有し、
前記基体部は、前記第2方向に移動可能であり、
前記回動部用圧電アクチュエーターは、前記回動部の当該回動部の回動軸と交差する面に当接することを特徴とする。
これにより、小型なハンドラーを提供することができる。具体的には、回動部を回動させる駆動源として圧電アクチュエーターを用いると、圧電アクチュエーターが従来の駆動源であるモーターに対して薄型(小型)であり、さらに、他の部材を介することなく直接回動部を駆動するため、従来の構成に対して装置の小型化を図ることができる。また、圧電アクチュエーターを用いることにより、回動部用圧電アクチュエーターの配置の自由度が増すため、ハンドラーの設計の自由度が増すとともに、ハンドラーの小型化を図ることができる。また、部材の位置決めを2次元的に補正することができるため、部材の位置決め精度がより向上する。
[適用例2]
本発明のハンドラーでは、前記回動部用圧電アクチュエーターは、前記回動部の回動軸から離間した位置に設けられていることが好ましい。
これにより、ハンドラーの設計の自由度が増す。具体的には、例えば、回動部に回動軸に沿った貫通孔を形成し、その貫通孔に別部材を挿入した構成としたときでも、別部材の配置を回動部用圧電アクチュエーターが阻害することを防止できる。
[適用例3]
本発明のハンドラーでは、前記回動部用圧電アクチュエーターは、前記2次元移動部の側面に沿って設けられていることが好ましい。
これにより、回動部用圧電アクチュエーターの外方への過度な突出を抑制でき、ハンドラーのさらなる小型化を図ることができる。
[適用例4]
本発明のハンドラーでは、前記回動部は、前記回動部の回動軸方向に貫通する貫通孔を有していることが好ましい。
これにより、貫通孔に別部材を挿通したり、貫通孔内に別部材を配置したりすることができるため、ハンドラーの設計自由度が増す。
[適用例5]
本発明のハンドラーでは、前記貫通孔に挿通され、前記回動部に対して前記回動軸方向へ移動可能な軸方向移動部を有していることが好ましい。
これにより、例えば保持部に保持した部材を別部材に押し付けた際に、軸方向移動部が回動部の回動軸方向に移動することによって、その押圧力を受け止めることができ、すなわち、軸方向移動部が応力吸収部として機能し、ハンドラーや部材に過度な応力が加わることを抑制することができる。
[適用例6]
本発明のハンドラーでは、前記軸方向移動部は、前記回動部に対する前記回動軸まわりの回動が規制されていることが好ましい。
これにより、保持部に保持された部材の基体部に対する不本意な回動を防止することができる。
[適用例
本発明のハンドラーでは、前記位置変更機構部は、前記基体部に対して前記第1移動部を移動させる第1圧電アクチュエーターと、前記第1移動部に対して前記第2移動部を移動させる第2圧電アクチュエーターと、を有していることが好ましい。
これにより、小型な駆動源にて第1移動部および第2移動部を移動させることができ、ハンドラーの小型化を図ることができる。
[適用例
本発明のハンドラーでは、前記第1圧電アクチュエーターおよび前記第2圧電アクチュエーターは、それぞれ、前記回動軸と交差する面に当接することが好ましい。
[適用例
本発明のハンドラーでは、前記第1圧電アクチュエーターおよび前記第2圧電アクチュエーターは、それぞれ、前記2次元移動部の側面に沿って設けられていることが好ましい。
これにより、第1、第2圧電アクチュエーターの外方への過度な突出を抑制でき、ハンドラーのさらなる小型化を図ることができる。
[適用例10
本発明のハンドラーでは、前記第1圧電アクチュエーターは、前記第1移動部に固定されていることが好ましい。
このように、第1移動部に第1圧電アクチュエーターを設け、第1圧電アクチュエーターの駆動によって第1移動部を基体部に対して第1方向に移動させる、いわゆる「自走式」の第1移動部とすることにより、第1圧電アクチュエーターの配置の自由度が高まり、ハンドラーのさらなる小型化を図ることができる。
[適用例11
本発明のハンドラーでは、前記第2圧電アクチュエーターは、前記第2移動部に固定されていることが好ましい。
このように、第2移動部に第2圧電アクチュエーターを設け、第2圧電アクチュエーターの駆動によって第2移動部を基体部に対して第2方向に移動させる、いわゆる「自走式」の第2移動部とすることにより、第2圧電アクチュエーターの配置の自由度が高まり、ハンドラーのさらなる小型化を図ることができる。
[適用例12
本発明の検査装置は、本発明のハンドラーと、
部材の検査を行う検査部と、を有し、
前記ハンドラーにより前記部材が前記検査部に搬送させるよう構成されていることを特徴とする。
これにより、優れた検査特性を有する検査装置を提供することができる。
本発明の検査装置の第1実施形態を示す概略平面図である。 図1に示す検査装置が有する検査用個別ソケットの断面図である。 図1に示す検査装置が有する供給ロボットのハンドユニットを示す平面図(部分断面図)である。 図1に示す検査装置が有する検査用ロボットのハンドユニットを示す平面図(部分断面図)である。 図1に示す検査装置が有する検査用ロボットのハンドユニットを示す平面図(部分断面図)である。 図1に示す検査装置が有する検査用ロボットのハンドユニットを示す平面図である。 図1に示す検査装置が有する検査用ロボットのハンドユニットを示す平面図(部分断面図)である。 図5に示すハンドユニットが備える圧電アクチュエーターを示す斜視図である。 図8に示す圧電アクチュエーターの駆動原理を説明する平面図である。 図8に示す圧電アクチュエーターの駆動原理を説明する平面図である。 図1に示す検査装置による電子部品の検査手順を説明する平面図である。 図1に示す検査装置による電子部品の検査手順を説明する平面図である。 図1に示す検査装置による電子部品の検査手順を説明する平面図である。 図1に示す検査装置による電子部品の検査手順を説明する平面図である。 図1に示す検査装置による電子部品の検査手順を説明する平面図である。 図1に示す検査装置による電子部品の検査手順を説明する平面図である。 図1に示す検査装置による電子部品の検査手順を説明する平面図である。 図1に示す検査装置による電子部品の検査手順を説明する平面図である。 図1に示す検査装置による電子部品の検査手順を説明する平面図である。 本発明の第2実施形態に係る検査装置が有するハンドユニットの側面図である。
以下、本発明のハンドラーを適用した検査装置(本発明の検査装置)について添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の検査装置の第1実施形態を示す概略平面図、図2は、図1に示す検査装置が有する検査用個別ソケットの断面図、図3は、図1に示す検査装置が有する供給ロボットのハンドユニットを示す平面図(部分断面図)、図4ないし図7は、図1に示す検査装置が有する検査用ロボットのハンドユニットを示す平面図(図4、図5および図7については、部分断面図)、図8は、図5に示すハンドユニットが備える圧電アクチュエーターを示す斜視図、図9および図10は、図8に示す圧電アクチュエーターの駆動原理を説明する平面図、図11ないし図19は、図1に示す検査装置による電子部品の検査手順を説明する平面図である。
なお、以下では、図1に示すように、互いに直交する3軸をX軸、Y軸およびZ軸とする。また、X軸に平行な方向を「X方向(第1方向)」と言い、Y軸に平行な方向を「Y方向(第2方向)」と言い、Z軸に平行な方向を「Z方向(第3方向)」と言う。また、X方向、Y方向およびZ方向において、矢印先端側を(+)側、矢印基端側を(−)側と言う。
[検査装置]
図1に示す検査装置1は、部材であるICチップ(電子部品)100の電気的特性を検査するための装置である。検査対象となるICチップ100としては、特に限定されないが、例えば、外部端子の間隔の狭いボールデバイスや衝撃に弱いWLCSPなどのICチップが挙げられる。検査装置1によれば、ICチップ100の高精度な位置決めを行うことができるため、狭ピッチな外部端子を有するチップや、破損しやすいチップの検査に特に適している。
検査装置1は、供給トレイ2と、回収トレイ3と、第1のシャトル4と、第2のシャトル5と、検査用ソケット(検査部)6と、供給ロボット7と、回収ロボット8と、検査用ロボット9と、各部の制御を行う制御装置10と、第1カメラ600と、第2カメラ500とを有している。
本実施形態の検査装置1では、これら各部のうちの検査用ソケット6を除く構成、すなわち、供給トレイ2と、回収トレイ3と、第1のシャトル4と、第2のシャトル5と、供給ロボット7と、回収ロボット8と、検査用ロボット9と、制御装置10と、第1カメラ600と、第2カメラ500とによって、ICチップ100の搬送を実行するハンドラー(本発明のハンドラー)が構成されている。
また、検査装置1は、上記各部を搭載する台座11と、上記各部を収容するように台座11に被せられた図示しない安全カバーとを有しており、この安全カバーの内側(以下「領域S」と言う)に、第1のシャトル4、第2のシャトル5、検査用ソケット6、供給ロボット7、回収ロボット8、検査用ロボット9、第1カメラ600および第2カメラ500が配置されているとともに、領域Sの内外に移動可能なように、供給トレイ2および回収トレイ3が配置されている。また、領域S内にてICチップ100の電気的特性の検査が行われる。
(供給トレイ)
供給トレイ2は、検査を行うICチップ100を領域S外から領域S内に搬送するためのトレイである。図1に示すように、供給トレイ2は、板状をなしており、その上面には、ICチップ100を保持するための複数(多数)のポケット21が行列状に形成されている。
このような供給トレイ2は、領域Sの内外を跨るようにY方向へ延びるレール23に支持されており、例えばリニアモーター等の図示しない駆動手段によって、レール23に沿ってY方向に往復移動可能となっている。そのため、領域S外にてICチップ100を供給トレイ2に配置した後、供給トレイ2を領域S内に移動し、供給トレイ2からすべてのICチップ100が取り除かれた後、領域S内の供給トレイ2を領域S外へ移動することができる。
なお、供給トレイ2は、直接レール23に支持されていなくてもよく、例えば、載置面を有するステージがレール23に支持されており、このステージの載置面に供給トレイ2を載置するような構成であってもよい。このような構成によれば、供給トレイ2へのICチップ100の収容を、検査装置1とは別の場所にて行うことができ、装置の利便性が向上する。なお、後述する回収トレイ3についても同様の構成とすることができる。
(回収トレイ)
回収トレイ3は、検査済みのICチップ100を収容し、領域S内から領域S外に搬送するためのトレイである。図1に示すように、回収トレイ3は、板状をなしており、その上面には、ICチップ100を保持するための複数のポケット31が行列状に形成されている。
このような回収トレイ3は、領域Sの内外を跨るようにY方向へ延びるレール33に支持されており、例えばリニアモーター等の図示しない駆動手段によって、レール33に沿ってY方向に往復移動可能となっている。そのため、領域S内にて検査済みのICチップ100を回収トレイ3に配置した後、供給トレイを領域S内に移動し、供給トレイ2からすべてのICチップ100が取り除かれた後、回収トレイ3を領域S外へ移動することができる。
なお、前述した供給トレイ2と同様に、回収トレイ3は、直接レール33に支持されていなくてもよく、例えば、載置面を有するステージがレール33に支持されており、このステージの載置面に回収トレイ3を載置するような構成であってもよい。
このような回収トレイ3は、前述した供給トレイ2に対してX方向に離間して設けられており、供給トレイ2と回収トレイ3の間に、第1のシャトル4、第2のシャトル5および検査用ソケット6が配置されている。
(第1のシャトル)
第1のシャトル4は、供給トレイ2によって領域S内に搬送されてきたICチップ100をさらに検査用ソケット6の近傍まで搬送するため、さらには、検査用ソケット6によって検査された検査済みのICチップ100を回収トレイ3の近傍まで搬送するためのものである。
図1に示すように、第1のシャトル4は、ベース部材41と、ベース部材41に固定された2つのトレイ42、43を有している。これら2つのトレイ42、43は、X方向に並んで設けられている。また、トレイ42、43の上面には、それぞれ、ICチップ100を保持するための4つのポケット421、431が行列状に形成されている。具体的には、トレイ42、43には、X方向およびY方向にそれぞれ2つずつ並ぶように4つのポケット421、431が形成されている。
トレイ42、43のうち、供給トレイ2側に位置するトレイ42は、供給トレイ2に収容されたICチップ100を収容するトレイであり、回収トレイ3側に位置するトレイ43は、検査用ソケット6での電気的特性の検査を終えたICチップ100を収容するためのトレイである。すなわち、一方のトレイ42は、未検査のICチップ100を収容するためのトレイであり、他方のトレイ43は、検査済みのICチップ100を収容するためのトレイである。
トレイ42に収容されたICチップ100は、検査用ロボット9によって検査用ソケット6に搬送され、検査のために検査用ソケット6に配置されたICチップ100は、検査終了後、検査用ロボット9によってトレイ43に搬送される。
このような第1のシャトル4は、X方向へ延びるレール44に支持されており、例えばリニアモーター等の図示しない駆動手段によって、レール44に沿ってX方向に往復移動可能となっている。これにより、第1のシャトル4がX方向(−)側に移動し、トレイ42が供給トレイ2に対してY方向(+)側に並ぶとともに、トレイ43が検査用ソケット6に対してY方向(+)側に並んだ状態と、トレイ43が回収トレイ3に対してY方向(+)側に並ぶとともに、トレイ42が検査用ソケット6に対してY方向(+)側に並んだ状態とをとることができる。
(第2のシャトル)
第2のシャトル5は、前述した第1のシャトル4と同様の機能および構成を有している。すなわち、第2のシャトル5は、供給トレイ2によって領域S内に搬送されてきたICチップ100をさらに検査用ソケット6の近傍まで搬送するため、さらには、検査用ソケット6によって検査された検査済みのICチップ100を回収トレイ3の近傍まで搬送するためのものである。
図1に示すように、第2のシャトル5は、ベース部材51と、ベース部材51に固定された2つのトレイ52、53を有している。これら2つのトレイ52、53は、X方向に並んで設けられている。また、トレイ52、53の上面には、それぞれ、ICチップ100を保持するための4つのポケット521、531が行列状に形成されている。
トレイ52、53のうち、供給トレイ2側に位置するトレイ52は、供給トレイ2に収容されたICチップ100を収容するトレイであり、回収トレイ3側に位置するトレイ43は、検査用ソケット6での電気的特性の検査を終えたICチップ100を収容するためのトレイである。
トレイ52に収容されたICチップ100は、検査用ロボット9によって検査用ソケット6に搬送され、検査のために検査用ソケット6に配置されたICチップ100は、検査終了後、検査用ロボット9によってトレイ53に搬送される。
このような第2のシャトル5は、X方向へ延びるレール54に支持されており、例えばリニアモーター等の図示しない駆動手段によって、レール54に沿ってX方向に往復移動可能となっている。これにより、第2のシャトル5がX方向(−)側に移動し、トレイ52が供給トレイ2に対してY方向(+)側に並ぶとともに、トレイ53が検査用ソケット6に対してY方向(−)側に並んだ状態と、第2のシャトル5がX方向(+)側に移動し、トレイ53が回収トレイ3に対してY方向(+)側に並ぶとともに、トレイ42が検査用ソケット6に対してY方向(−)側に並んだ状態とをとることができる。
なお、第2のシャトル5は、前述した第1のシャトル4に対してY方向に離間して設けられており、第1のシャトル4と第2のシャトル5の間に、検査用ソケット6が配置されている。
(検査用ソケット)
検査用ソケット(検査部)6は、ICチップ100の電気的特性を検査するためのソケットである。
検査用ソケット6は、ICチップ100を配置するための4つの検査用個別ソケット61を有している。また、4つの検査用個別ソケット61は、行列状に設けられている。具体的には、4つの検査用個別ソケット61は、X方向およびY方向にそれぞれ2つずつ並ぶように設けられている。なお、検査用個別ソケット61の数は、4つに限定されず、1〜3つでもよいし、5つ以上であってもよい。また、検査用個別ソケット61の配列状態についても特に限定されず、例えば、X方向またはY方向に一列に配置されていてもよい。
作業の効率化という観点から見れば、検査用個別ソケット61の数は、多いほどよいが、検査装置1の小型をさらに考慮すると、4〜20程度であるのが好ましい。これにより、一度の検査によって検査することのできるICチップ100の数が十分に多くなり、作業の効率化を図ることができる。複数の検査用個別ソケット61は、行列状に配列しても一列に配列してもよい。すなわち、2×2、4×4、8×2のように行列状に配置してもよいし、4×1、8×1のように一列に配置してもよい。
また、前述したトレイ42(トレイ43、52、53についても同様)に形成されたポケット421の配列は、検査用個別ソケット61の配列と同様とし、配設ピッチもほぼ等しくするのが好ましい。これにより、トレイ42、52に収容されたICチップ100を円滑に検査用個別ソケット61に移し替えることができる。また、検査用個別ソケット61に配置されたICチップ100を円滑にトレイ43、53に移し替えることができる。そのため、作業の効率化を図ることができる。
図2に示すように、各検査用個別ソケット61は、XY平面に垂直な側面611を有している。ここで、従来の検査用個別ソケットは、その側面がテーパ状をなしており、これにより、ICチップ100を検査用個別ソケットに配置し易くしていた。このように、側面をテーパ状にしたのは、ICチップ100の検査用個別ソケットに対する位置決めを高精度に行うことができなかったためである。これに対して、本願発明では、ICチップ100の検査用個別ソケット61に対する位置決めを従来の装置よりもより高精度に行うことができるため、側面をテーパ状にする必要がない。側面をXY平面に垂直な面で構成することにより、従来のテーパ状のものに対して、検査用個別ソケット61にてICチップ100をより確実に保持することができる。すなわち、検査用個別ソケット61内でのICチップ100の不本意な変位をより確実に防止することができる。
また、各検査用個別ソケット61には、底部613から突出する複数のプローブピン62が設けられている。これら複数のプローブピン62は、それぞれ、図示しないスプリング等により、上方に付勢されている。また、プローブピン62は、検査用個別ソケット61にICチップ100が配置されると、そのICチップ100が有する外部端子と接触する。これにより、プローブピン62を介してICチップ100と検査制御部101とが電気的に接続された状態、すなわち、ICチップ100の電気的特性の検査を行うことのできる状態となる。
なお、検査用ソケット6の近傍には、さらに、図示しないカメラが設けられており、また、検査用個別ソケット61の近傍には図示しないソケットマークが設けられている。これにより、前記カメラによって、検査用個別ソケット61の位置とソケットマークの相対位置を認識し、さらにソケットマークとデバイスマーク949の相対位置を認識し、デバイスマーク949とICチップ100との相対位置を認識し、検査用個別ソケット61とICチップ100との位置を精度良く位置決めすることができる。
(第1カメラ)
図1に示すように、第1カメラ600は、第1のシャトル4と検査用ソケット6の間であって、検査用ソケット6に対してY方向(+)側に並んで設けられている。このような第1カメラ600は、後述するように、トレイ42に収容されていたICチップ100を保持した検査用ロボット9の第1ハンドユニット92が上方を通過する際に、第1ハンドユニット92に保持されたICチップ100および第1ハンドユニット92が有するデバイスマーク949を撮像する。
(第2カメラ)
図1に示すように、第2カメラ500は、前述した第1カメラ600と同様の機能を有する。このような第2カメラ500は、第2のシャトル5と検査用ソケット6の間であって、検査用ソケット6に対してY方向(−)側に並んで設けられている。第2カメラ500は、後述するように、トレイ52に収容されていたICチップ100を保持した検査用ロボット9の第2ハンドユニット93が上方を通過する際に、第2ハンドユニット93に保持されたICチップ100および第2ハンドユニット93が有するデバイスマークを撮像する。
(供給ロボット)
供給ロボット7は、領域S内に搬送された供給トレイ2に収容されたICチップ100を、第1のシャトル4のトレイ42および第2のシャトル5のトレイ52に移し替えるためのロボットである。
図1および図3に示すように、このような供給ロボット7は、台座11に支持された支持フレーム72と、支持フレーム72に支持され、支持フレーム72に対してY方向に往復移動可能な移動フレーム(Y方向移動フレーム)73と、移動フレーム73に支持され、移動フレーム73に対してX軸方向に往復移動可能なハンドユニット支持部(X方向移動フレーム)74と、ハンドユニット支持部74に支持された4つのハンドユニット75とを有している。
支持フレーム72には、Y方向に延在するレール721が形成されており、このレール721に沿って移動フレーム73がY方向に往復移動する。また、移動フレーム73には、X方向に延在する図示しないレールが形成されており、このレールに沿ってハンドユニット支持部74がX方向に往復移動する。
なお、支持フレーム72に対する移動フレーム73の移動、移動フレーム73に対するハンドユニット支持部74の移動は、それぞれ、例えばリニアモーター等の駆動手段によって行うことができる。
4つのハンドユニット75は、X方向およびY方向にそれぞれ2つずつ並ぶように行列状に配置されている。このように、トレイ42、52に形成された4つのポケット421、521の配列に対応するようにハンドユニット75を設けることにより、供給トレイ2からトレイ42、52へのICチップ100の移し替えを円滑に行うことができる。なお、ハンドユニット75の数は、4つに限定されず、例えば1〜3つでもよいし、5つ以上であってもよい。また、ハンドユニット75は、ポケット21の配列と、ポケット421、521の配列に応じて配列を可変できる構造としもよい。
図3に示すように、各ハンドユニット75は、先端側に位置し、ICチップ100を保持する保持部751と、保持部751をハンドユニット支持部74に対してZ方向に往復移動(昇降)させる昇降装置752とを有している。昇降装置752は、例えば、リニアモーター等の駆動手段を利用した装置とすることができる。
保持部751は、ICチップ100と対向する吸着面751aと、吸着面751aに開放する吸着孔751bと、吸着孔751b内を減圧する減圧ポンプ751cとを有している。吸着孔751bを塞ぐように吸着面751aをICチップ100に接触させた状態にて、減圧ポンプ751cによって吸着孔751b内を減圧すると、吸着面751aにICチップ100を吸着・保持することができる。反対に、減圧ポンプ751cを停止し吸着孔751b内を解放すれば、保持したICチップ100を放すことができる。
このような供給ロボット7は、次のようにして、供給トレイ2からトレイ42、52へのICチップ100の搬送を行う。なお、供給トレイ2からトレイ42、52へのICチップ100の搬送は、互いに同様の方法で行われるため、以下では、トレイ42へのICチップ100の搬送について代表して説明する。
まず、第1のシャトル4をX方向(−)側へ移動させ、トレイ42が供給トレイ2に対してY方向に並んだ状態とする。次に、ハンドユニット75が供給トレイ2上に位置するように、移動フレーム73をY方向に移動させるとともに、ハンドユニット支持部74をX方向に移動させる。次に、昇降装置752によって保持部751を降下させ、保持部751を供給トレイ2上のICチップ100に接触させて、上述した方法により保持部751にICチップ100を保持させる。
次に、昇降装置752によって保持部751を上昇させ、保持したICチップ100を供給トレイ2から取り除く。次に、ハンドユニット75が第1のシャトル4のトレイ42上に位置するように、移動フレーム73をY方向に移動させるとともに、ハンドユニット支持部74をX方向に移動させる。次に、昇降装置752によって、保持部751を降下させ、保持部751に保持されたICチップ100をトレイ42のポケット421内に配置する。次に、ICチップ100の吸着状態を解除し、保持部751からICチップ100を放す。必要に応じて、このような作業を繰り返してもよい。
これにより、供給トレイ2からトレイ42へのICチップ100の搬送(移し替え)が完了する。
(検査用ロボット)
検査用ロボット9は、供給ロボット7によって、トレイ42、52へ搬送されたICチップ100をさらに検査用ソケット6へ搬送するとともに、検査用ソケット6に配置され、電気的特性の検査を終えたICチップ100をトレイ43、53へ搬送する装置である。
また、検査用ロボット9は、トレイ42、52から検査用ソケット6へICチップ100を搬送する際に、検査用ソケット6(検査用個別ソケット61)に対するICチップ100の位置決めを高精度に行うことができる。
また、検査用ロボット9は、ICチップ100を検査用ソケット6に配置し、電気的特性の検査を行う際、ICチップ100をプローブピン62に押し付け、ICチップ100に所定の検査圧を印加する機能も有している。
図1に示すように、検査用ロボット9は、台座11に対して固定的に設けられた第1フレーム911と、第1フレーム911に支持され、第1フレーム911に対してY方向へ往復移動可能な第2フレーム912と、第2フレーム912に支持され、第2フレーム912に対してZ方向に往復移動(昇降)可能な第1ハンドユニット支持部913および第2ハンドユニット支持部914と、第1ハンドユニット支持部913に支持された4つの第1ハンドユニット92と、第2ハンドユニット支持部914に支持された4つの第2ハンドユニット93とを有している。
第1フレーム911には、Y方向に延在するレール911aが形成されており、このレール911aに沿って第2フレーム912がY方向に往復移動する。また、第2フレーム912には、Z方向に延在する貫通孔912a、912bが形成されており、貫通孔912aに沿って第1ハンドユニット支持部913がZ方向に往復移動し、貫通孔912bに沿って第2ハンドユニット支持部914がZ方向に往復移動する。
第1、第2ハンドユニット支持部913、914は、ともに第2フレーム912に支持されているため、X方向およびY方向については一体的に移動するが、Z方向にはそれぞれ独立して移動することができる。第1フレーム911に対する第2フレーム912の移動、第2フレーム912に対する各ハンドユニット支持部913、914の移動は、例えばリニアモーター等の図示しない駆動手段によって行うことができる。
第1ハンドユニット支持部913に支持された4つの第1ハンドユニット92は、第1のシャトル4の各トレイ42、43と検査用ソケット6との間でICチップ100を搬送する装置である。また、未検査のICチップ100をトレイ42から検査用ソケット6に搬送する際に、検査用ソケット6(検査用個別ソケット61)に対する当該ICチップ100の位置決めを行う装置でもある。
同様に、第2ハンドユニット支持部914に支持された4つの第2ハンドユニット93は、第2のシャトル5の各トレイ52、53と検査用ソケット6との間でICチップ100を搬送する装置である。また、未検査のICチップ100をトレイ52から検査用ソケット6に搬送する際に、検査用ソケット6(検査用個別ソケット61)に対する当該ICチップ100の位置決めを行う装置でもある。
4つの第1ハンドユニット92は、第1ハンドユニット支持部913の下側に、X方向およびY方向にそれぞれ2つずつ並ぶように行列状に配置されている。また、4つの第1ハンドユニット92の配設ピッチは、トレイ42(トレイ43、52、53についても同様)に形成された4つのポケット421および検査用ソケット6に設けられた4つの検査用ソケット61の配設ピッチとほぼ等しい。
このように、第1ハンドユニット92をポケット421および検査用個別ソケット61の配列に対応するように配置することにより、トレイ42、43と検査用ソケット6との間でのICチップ100の搬送を円滑に行うことができる。
なお、第1ハンドユニット92の数は、4つに限定されず、例えば、1〜3つでもよいし、5つ以上であってもよい。
同様に、4つの第2ハンドユニット93は、第2ハンドユニット支持部914の下側に、X方向およびY方向にそれぞれ2つずつ並ぶように行列状に配置されている。これら4つの第2ハンドユニット93の配置や配設ピッチは、前述した4つの第1ハンドユニット92と同様である。
以下、図4〜図9に基づいて第1ハンドユニット92および第2ハンドユニット93の構成について詳細に説明するが、各ハンドユニット92、93は、互いに同様の構成であるため、以下では、1つの第1ハンドユニット92について代表して説明し、その他の第1ハンドユニット92および各第2ハンドユニット93については、その説明を省略する。
また、以下では、X軸とY軸で規定される平面を「XY平面」と言い、Y軸とZ軸で規定される平面を「YZ平面」と言い、X軸とZ軸で規定される平面を「XZ平面」と言う。また、図7では、説明の便宜上、第1ハンドユニット92が備える構成要素の一部を省略している。
図4〜図6は、第1ハンドユニット92を異なる方向から見た平面図である。
各図に示すように、第1ハンドユニット92は、第1ハンドユニット支持部913に支持・固定された支持部(基体部)94と、支持部94に支持され、支持部94に対してX方向に往復移動可能な第1移動部95と、第1移動部95に支持され、第1移動部95に対してY方向に往復移動可能な第2移動部96と、第2移動部96に支持され、第2移動部96に対してZ軸まわりに回動可能な回動部97と、回動部97に設けられたシャフト99と、シャフト99に固定された保持部98と、第1移動部95を支持部94に対して移動させる第1圧電アクチュエーター200と、第2移動部96を第1移動部95に対して移動させる第2圧電アクチュエーター300と、回動部97を第2移動部96に対して回動させる第3圧電アクチュエーター(回動部用圧電アクチュエーター)400とを有している。
このような第1ハンドユニット92では、第1移動部95、第2移動部96、回動部97およびこれらを駆動する第1、第2、第3圧電アクチュエーター200、300、400によって、ICチップ100の位置決め(X方向およびY方向の位置、Z軸まわりの角度の補正)を行う位置変更機構部700を構成している。
また、第1移動部95、第2移動部96およびこれらを駆動する第1、第2圧電アクチュエーター200、300によって、ICチップ100のX、Y方向の位置決めを行う2次元移動部710を構成している。このような2次元移動部710によれば、XY平面内にてICチップ100の位置を2次元的に補正することができるため、ICチップ100のより高精度な位置決めを行うことができる。
−支持部−
支持部94は、Z方向に厚みを有する板状をなす基部941と、基部941の下面に設けられ、第1移動部95をX方向へ案内するための一対の係合部942、943とを有している。一対の係合部942、943は、それぞれ、X方向に延在しており、また、互いにY方向に離間している。係合部942、943の構成は、特に限定されないが、本実施形態の係合部942、943は、それぞれ、後述するレール952、953の長手方向に開放する溝を有している。言い換えれば、係合部942、943は、図中の下方に開放する長尺の溝を有する長尺部で構成されている。
また、基部941内には、連通孔945を介して下面に開放する空間944が形成されており、この空間944内には、倣い機構946が形成されている。倣い機構946については、後に説明する。
また、支持部94は、基部941からZ方向(−)側に向けて延出し、第1圧電アクチュエーター200と当接する当接部947を有している。当接部947は、第2移動部96まで伸びており、第1移動部95および第2移動部96に対してY方向に並ぶように設けられている。また、当接部947の下面947aは、X方向に延在しており、この下面947aに第1圧電アクチュエーター200の凸部203aが当接している。下面947aの表面には、凸部203aとの間の摩擦抵抗を高めるための処理を施したり、高摩擦層を形成したりするのが好ましい。なお、以下では、下面947aを「当接面947a」とも言う。
支持部94をこのような構成とすることにより、第1ハンドユニット92の各部を、互いの間の隙間がより小さくなるように配置すること、言い換えれば、互いにより接近させて配置することができる。そのため、第1ハンドユニット92の小型化を図ることができる。
また、支持部94の基部941には、保持したICチップ100のXY方向の位置決めを行うためのデバイスマーク949が、デバイスマーク支持部948を介して固定されている。
−第1移動部−
第1移動部95は、基部951と、基部951に設けられ、支持部94の係合部942、943に係合する一対のレール952、953とを有している。これにより、第1移動部95のX方向以外への移動が規制され、第1移動部95が円滑かつ確実にX方向に移動する。
また、第1移動部95は、基部951からZ方向(−)側に向けて延出し、第1圧電アクチュエーター200が固定された第1固定部954を有している。第1固定部954は、XZ平面に広がりを有し、Y方向に厚みを有する板状をなしており、第2移動部96(基部961)に対してY方向に並ぶように設けられている。そして、第1固定部954の表面に第1圧電アクチュエーター200が固定されている。
第1圧電アクチュエーター200は、板状をなしており、Y方向を厚さとするように第1固定部954に固定されている。第1圧電アクチュエーター200をこのように配置することにより、第1圧電アクチュエーター200の外方への過度な突出を抑えることができ、第1ハンドユニット92の小型化を図ることができる。
また、前述したように、第1圧電アクチュエーター200の凸部203aは、支持部94の当接面947aに当接している。
また、第1移動部95は、基部951からZ方向(−)側に向けて延出し、第2圧電アクチュエーター300が固定された第2固定部957を有している。第2固定部957は、YZ平面に広がりを有し、X方向に厚みを有する板状をなしており、第2移動部96(基部961)に対してX方向に並ぶように設けられている。そして、第2固定部957の裏面に第2圧電アクチュエーター300が固定されている。
第2圧電アクチュエーター300は、板状をなしており、X方向を厚さとするように第2固定部957に固定されている。第2圧電アクチュエーター300をこのように配置することにより、第2圧電アクチュエーター300の外方への突出を抑えることができ、第1ハンドユニット92の小型化を図ることができる。
また、第2圧電アクチュエーター300の凸部303aは、第2移動部96に設けられた下面965aに当接している。
第1移動部95をこのような構成とすることにより、第1ハンドユニット92の各部を、互いの間の隙間がより小さくなるように配置すること、言い換えれば、互いにより接近させて配置することができる。そのため、第1ハンドユニット92の小型化を図ることができる。また、第1圧電アクチュエーター200および第2圧電アクチュエーター300をともに第1移動部95に固定することによって、第1圧電アクチュエーター200および第2圧電アクチュエーター300の設置の自由度が増し、これにより、第1ハンドユニット92の小型化を図ることができる。特に、本実施形態のように、第1、第2圧電アクチュエーター200、300を第1移動部95の異なる側面と対向するように配置することにより、上記効果がより顕著となる。
また、第1移動部95は、第1移動部95に固定された第1圧電アクチュエーター200の駆動により、支持部94に対してX方向に移動する、いわゆる「自走型」の構成となっている。そのため、第1圧電アクチュエーター200の駆動力を効率的に第1移動部95に伝達することができ、より円滑かつ正確に、支持部94に対して第1移動部95を移動させることができる。また、例えば、第1圧電アクチュエーター200が相対的移動の相手方である支持部94に固定されている場合(いわゆる「固定型」の構成の場合)と比較して、第1圧電アクチュエーター200の配置の自由度が増し、第1ハンドユニット92の小型化を図ることができる。
また、第1移動部95は、第2移動部96をY方向へ案内するための一対の係合部(案内部)955、956を有している。一対の係合部955、956は、それぞれ、Y方向に延在しており、また、互いにX方向に離間している。これら係合部955、956の構成は特に限定されないが、本実施形態の係合部955、956は、それぞれ、後述するレール962、963の長手方向に開放する溝を有している。言い換えれば、係合部955、956は、図中の下方に開放する長尺の溝を有する長尺部で構成されている。
−第2移動部−
第2移動部96は、柱状の基部961と、基部961に設けられ、第1移動部95の係合部955、956に係合する一対のレール962、963を有している。これにより、第2移動部96のY方向以外への移動が規制され、第2移動部96が円滑かつ確実にY方向に移動する。また、基部961には、第2圧電アクチュエーター300と当接する当接部965が設けられている。当接部965は、その下面965aが第2圧電アクチュエーター300の凸部303aと当接するように設けられている。下面965aは、第2移動部96の移動方向であるY方向に延在している。なお、以下では、下面965aを「当接面965a」とも言う。
ここで、「柱状」とは、所定平面(例えば、XY平面、YZ平面、ZX平面等)に広がりを有し、前記所定平面と直交する方向に高さを有する形状を言う。より具体的には、柱状とは、例えば、XY平面に広がりを有し、Z方向に高さを有する場合には、Z方向の長さがX方向およびY方向の両方向の長さよりも長い形状を言う。このような形状を満たせば、その平面視形状(横断面形状)は、特に限定されない。
また、第2移動部96の基部961には、他の部分よりも凹没した面961aが形成されており、この面961aに回動部97を回動させるための第3圧電アクチュエーター400が固定されている。面961aは、YZ平面で構成されており、板状の第3圧電アクチュエーター400は、X方向を厚さとするように、面961aに固定されている。このように第3圧電アクチュエーター400を配置することにより、第3圧電アクチュエーター400の外方への過度な突出を抑制できるため、第1ハンドユニット92の小型化を図ることができる。また、第3圧電アクチュエーター400の配置の自由度が増す。
ここで、第1、第2、第3圧電アクチュエーター200、300、400は、第2移動部96(2次元移動部710)の側面に沿って、かつ側面を囲むようにして設けられている。3つの圧電アクチュエーター200、300、400をこのような配置とすることにより、第1、第2、第3圧電アクチュエーター200、300、400をより中心(シャフト99)に近づけて配置すること、すなわち第1ハンドユニット92の各部を互いにより接近させて配置することができる。そのため、第1ハンドユニット92の小型化を図ることができる。
−回動部−
図5に示すように、回動部97は、第2移動部96の下方(Z方向(−)側)に位置している。このような回動部97は、第2移動部96の基部961の下端に固定された管状の支持部971と、支持部971の内側に、支持部971と同軸的に設けられた回動体(回転体)972と、支持部971と回動体972との間に設けられた複数(2つ)のリング状のベアリング973と、各ベアリング973を固定するための固定部974とを有している。
ベアリング973は、Z方向に沿って複数設けられている。各ベアリング973は、支持部971の内周面に固定された外輪973aと、回動体972の外周面に固定され、外輪973aと対向して配置された内輪973bと、外輪973aと内輪973bとの間に位置し、これらによって挟持されたボール973cとにより構成されている。なお、ボール973cは、外輪973aと内輪973bとの間で自在に回転できるように設けられている。
固定部974は、Z方向上側に位置するベアリング973(973’)と、下側に位置するベアリング973(973”)との間に隙間を形成するように設けられた管状のカラー974aと、ベアリング973’をカラー974aとの間で挟持するように設けられた外輪押え974bおよび内輪押え974cと、ベアリング973”をカラー974aとの間で挟持するように設けられた外輪押え974dおよび内輪押え974eとを有している。
このような構成の回動部97によれば、支持部971に対して回動体972をZ軸まわりに回動(回転)自在としつつ、回動体972のZ方向の変位およびX方向、Y方向の変位を規制することができる。
回動体972は、Z方向を軸とする筒状をなしており、その内部には、上面および下面を貫通する貫通孔972aが形成されている。すなわち、回動体972は、内部に中空部を有する中空構造をなしている。このような構成とすることにより、回動体972に別部材を挿通したり、回動体972内に別部材を配置したりすることができるため、第1ハンドユニット92の設計の自由度が増し、第1ハンドユニット92の小型化を図ることができる。本実施形態では、貫通孔972aに前記別部材としてのシャフト99が挿通されている。
また、回動体972の上面972bであって、回動体972の回動軸Z’からずれた位置には、第2移動部96に固定された第3圧電アクチュエーター400の凸部403aが当接している。そして、第3圧電アクチュエーター400の駆動によって、回動体972が支持部971(第2移動部96)に対して回動する。
このように、第3圧電アクチュエーター400を回動体972の回動軸Z’からずれた位置(離間した位置)に設けることにより、貫通孔972aへのシャフト99の挿通が阻害されない。そのため、第1ハンドユニット92の設計の自由度が増し、第1ハンドユニット92の小型化を図ることができる。
−シャフト−
図7に示すように、シャフト99は、シャフト本体(軸方向移動部)995と、シャフト本体995を軸受けする軸受991と、シャフト本体995に接続されたシリンダー992と、シリンダー992を支持するシリンダー支持部993とを有している。
シャフト本体995は、軸受991を介して回動体972に固定されている。本実施形態では、シャフト本体995と軸受991は、ボールスプラインを構成している。軸受991は、回動体972の貫通孔972aに嵌合するスプラインボスであり、シャフト本体995は、軸受(スプラインボス)991に対して、Z軸まわりの回動(回転)が阻止された状態でかつZ方向にスライド自在に支持されているスプライン軸である。このような構成とすることにより、シャフト本体995は、回動体972と一体的に回動することはできても、それだけが回動体972に対して回動することはできない。そのため、保持部98で保持したICチップ100の不本意なZ軸まわりの回動が防止され、ICチップ100の位置決めをより正確に行うことができる。
また、シャフト本体995の上方には、シリンダー992が設置されている。シリンダー992を設けることにより、後述するように、第1ハンドユニット92によって把持したICチップ100を検査用個別ソケット61に対して所定の検査圧にて押し当てたときにシャフト本体995がZ方向(+)側に移動することにより、その圧力を受けることができる。
シリンダー992の構成は、特に限定されず、例えば、空気圧シリンダーを用いることができる。このようなシリンダー992は、シリンダーチューブ992aと、シリンダーチューブ992a内を摺動可能に設けられたピストン992bと、ピストン992bを下方へ付勢するスプリング992cとを有している。また、シリンダーチューブ992aには、ピストン992bで仕切られた一方の内部空間への空気の出し入れを行うポート992eと、他方の内部空間への空気の出し入れを行うポート992fとが形成されている。また、ピストン992bからは、シャフト992dが伸びており、このシャフト992dとシャフト本体995が同軸的に連結している。
シリンダーチューブ992aは、その上方に位置し、シャフト本体995と同軸的に設けられた柱状のシリンダー支持部993に支持されている。シリンダー支持部993の先端部は、支持部94に形成された連通孔945を介して支持部94内の空間944内に位置している。また、シリンダー支持部993の先端部は、周方向へ突出するフランジ993aを有している。
フランジ993aの上面および下面と支持部94の内面との間には、上下方向へ隙間を有しない態様にて複数のボール996が設けられている。これにより、支持部94に対するシリンダー支持部993のZ方向の変位を防止しつつ、シリンダー支持部993を支持部94に対して円滑にZ軸まわりに回動させることができる。
また、連通孔945の外径は、シリンダー支持部993の外径よりも大きく形成されており、空間944の外径は、フランジ993aよりも大きく形成されている。これにより、シリンダー支持部993は、支持部94に対してXY平面方向に移動可能となっている。これにより、支持部94に対する第1移動部95の移動および第1移動部95に対する第2移動部96の移動によるシャフト本体995のXY平面内で移動が、シリンダー支持部993と連通孔945との当接によって阻害させるのを防止することができる。すなわち、連通孔945は、シャフト99のXY平面内で移動が阻害されない大きさに設定されている。
このような構成によって倣い機構946が構成され、シャフト本体995(回動体972)の回動や移動が阻害されない。
以上、シャフト99について説明した。前述のように、シャフト99は、その先端部が回動部97を貫通するとともに回動部97に固定され、基端部が支持部94内に侵入するよう(支持部94に到達するよう)に構成されている。すなわち、支持部94と保持部98との間に位置する部材のうち、第1移動部95および第2移動部96には、シャフト99の配置およびXY方向への変位を許容することのできるシャフト配設空間Sfが形成されており、回動部97には、シャフト99を挿通、支持するための貫通孔が形成されている。
なお、シャフト配設空間Sfは、シャフト99を配置することができればどのように構成されていてもよい。例えば、第1移動部95(第2移動部96についても同様)に、その上面および下面を貫通する貫通孔(側面に開放する溝を含む)を形成し、この貫通孔の内部空間をシャフト配設空間Sfとしてもよい。また、第1移動部95を、シャフト配設空間Sfを避けるように形成し、第1移動部95の外側(側方)に位置する空間をシャフト配設空間Sfとしてもよい。
本実施形態では、第1移動部95には、その上面および下面を貫通する貫通孔959が形成されており、貫通孔959の内部空間がシャフト配設空間Sfを構成している。同様に、第2移動部96には、その上面および下面を貫通する貫通孔969が形成されており、貫通孔969の内部空間がシャフト配設空間Sfを構成している。また、回動部97は、回動体972に形成された貫通孔972aを有し、この貫通孔972aにシャフト99が挿通されているとともに、支持されている。
−把持部−
保持部98は、ICチップ100を保持する機能を有し、シャフト99(シャフト本体995)の先端に固定されている。すなわち、保持部98は、シャフト99を介して回動部97に支持されており、回動体972と一体的に、第2移動部96に対して回動可能に設けられている。
このような保持部98は、ICチップ100と対向する吸着面981と、吸着面981に開放する吸着孔982と、吸着孔982内を減圧する減圧ポンプ983とを有している。吸着孔982を塞ぐように吸着面981をICチップ100に接触させた状態にて、減圧ポンプ983によって吸着孔982内を減圧すると、吸着面981にICチップ100を吸着・保持することができる。反対に、減圧ポンプ983を停止し吸着孔982内を解放すれば、ICチップ100を放すことができる。
−圧電アクチュエーター−
次に、第1、第2、第3圧電アクチュエーター200、300、400について説明するが、これらは互いに同様の構成であるため、以下では、第1圧電アクチュエーター200について代表して説明し、第2、第3圧電アクチュエーター300、400については、その説明を省略する。
図8に示すように、第1圧電アクチュエーター200は、ほぼ、長方形の板状をなしている。
なお、「板状」とは、所定平面(例えば、XY平面、YZ平面、ZX平面等)に広がりを有し、前記所定平面と直交する方向に厚さを有する形状を言い、言い換えれば、前記所定平面に扁平した形状を言う。また、板状とは、例えば、XY平面に広がりを有し、Z方向に厚さを有する場合には、Z方向の長さがX方向およびY方向の両方向の長さよりも短い形状を言う。このような形状を満たせば、その平面視形状は、特に限定されないし、また、その表面(表裏関係にある2つの主面)に凹凸が形成されていてもよい。
第1圧電アクチュエーター200は、図8中の上側から4つの電極201a、201b、201cおよび201dと、板状の圧電素子202と、補強板203と、板状の圧電素子204と、板状の4つの電極205a、205b、205cおよび205d(なお、図8中、電極205a、205b、205cおよび205dは、図示せず、各符号のみを括弧内に示す)とをこの順に積層して構成されている。
圧電素子202、204は、それぞれ、板状をなし、補強板203の両面に固着されている。これら圧電素子202、204は、交流電圧を印加することにより、その長手方向(長辺の方向)に伸長・収縮する。圧電素子202、204の構成材料としては、特に限定されず、チタン酸ジルコニウム酸鉛(PZT)、水晶、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、ポリフッ化ビニリデン、亜鉛ニオブ酸鉛、スカンジウムニオブ酸鉛等の各種のものを用いることができる。
第1圧電アクチュエーター200においては、圧電素子202を4つの長方形の領域にほぼ等しく分割し、分割された各領域に、それぞれ、長方形状をなす電極201a、201b、201cおよび201dが設置され、同様に、圧電素子204を4つの領域に分割し、分割された各領域に、それぞれ、長方形状をなす電極205a、205b、205cおよび205dが設置されている。なお、電極201aと電極205a、電極201bと電極205b、電極201cと電極205cおよび電極201dと電極205dが、それぞれ、厚さ方向に対向して配置されている。
一方の対角線上の電極201aおよび201cと、これらの裏側に位置する電極205aおよび205cとは、すべて電気的に接続され、同様に、他方の対角線上の電極201bおよび201dと、これらの裏側に位置する電極205bおよび205dとは、すべて電気的に接続されている。
補強板203は、第1圧電アクチュエーター200全体を補強する機能を有し、第1圧電アクチュエーター200が過振幅、外力等によって損傷するのを防止する。また、補強板203の長手方向の一端部には、凸部(駆動発生部)203aが一体的に形成されている。そして、前述したように、凸部203aは、支持部94が有する当接部947の当接面947aに当接する。また、凸部203aは、摩擦係数の大きな別部材、または耐摩耗性に優れる別部材で構成されていてもよい。
補強板203の構成材料としては、特に限定されないが、例えばステンレス鋼、アルミニウムまたはアルミニウム合金、チタンまたはチタン合金、銅または銅系合金等の各種金属材料であるのが好ましい。
この補強板203は、圧電素子202、204よりも厚さが薄い(小さい)ものであることが好ましい。これにより、第1圧電アクチュエーター200を高い効率で振動させることができる。
補強板203は、圧電素子202、204に対する共通の電極としての機能をも有している。すなわち、圧電素子202には、電極201a、201b、201cおよび201dのうちの所定の電極と補強板203とによって交流電圧が印加され、圧電素子204には、電極205a、205b、205cおよび205dのうちの所定の電極と補強板203とによって交流電圧が印加される。
第1圧電アクチュエーター200の凸部203aが支持部94の当接面947aに当接した状態にて、電極201a、201c、205aおよび205cに通電し、これら電極201a、201c、205aおよび205cと補強板203との間に交流電圧が印加されると、図9に示すように、第1圧電アクチュエーター200の電極201a、201c、205aおよび205cに対応する部分がそれぞれ矢印a方向に繰り返し伸縮し、これにより、第1圧電アクチュエーター200の凸部203aは、矢印bで示す斜めの方向に変位、すなわちXY平面内にて往復運動、または、矢印cで示すように、ほぼ楕円に沿って変位、すなわち楕円運動する。第1圧電アクチュエーター200の電極201a、201c、205aおよび205cに対応する部分が伸長するときに当接面947aと凸部203aとの間に摩擦力(押圧力)が発生し、この繰り返しの摩擦力によって、第1移動部95が支持部94に対してX方向(−)側に移動する。
逆に、第1圧電アクチュエーター200の対角線上に位置する電極201b、201d、205bおよび205dに通電し、これら電極201b、201d、205bおよび205dと、補強板203との間に、交流電圧が印加されると、図10に示すように、第1圧電アクチュエーター200の電極201b、201d、205bおよび205dに対応する部分がそれぞれ矢印a方向に繰り返し伸縮し、これにより、第1圧電アクチュエーター200の凸部203aは、矢印bで示す斜めの方向に変位、すなわちXZ平面内にて、往復運動、または、矢印cで示すように、ほぼ楕円に沿って変位、すなわち楕円運動する。第1圧電アクチュエーター200の電極201b、201d、205bおよび205dに対応する部分が伸長するときに当接面947aと凸部203aとの間に摩擦力が発生し、この繰り返しの摩擦力によって、第1移動部95が支持部94に対してX方向(+)側に移動する。
なお、第1圧電アクチュエーター200が停止しているときは、当接部947の当接面947aと第1圧電アクチュエーター200の凸部203aとが十分な摩擦力を持って当接している。そのため、第1圧電アクチュエーター200が駆動していないときの支持部94に対する第1移動部95の不本意な移動を効果的に防止することができる。
このような第1圧電アクチュエーター200は、当接面947a側に付勢された状態で設けられているのが好ましい。これにより、凸部203aと当接面947aとの間に発生する摩擦力が増大し、より円滑かつ確実に、支持部94に対して第1移動部95をX方向に移動させることができる。
このような付勢手段としては、板バネ、コイルバネ等のバネ部材を用いた構成など、特に限定されないが、例えば、次のような構成とすることができる。
図8に示すように、補強板203の両側に、弾性を有する一対の腕部203bが一体的に形成されている。各腕部203bは、長手方向とほぼ垂直な方向に突出するように設けられている。また、各腕部203bの先端部には、固定部203cが一体的に形成されており、この固定部203cには、ねじ止め用の孔が形成されている。
そして、第1圧電アクチュエーター200は、固定部203cにおいて、第1移動部95にネジ止め固定されている。これにより、第1圧電アクチュエーター200は、自由に振動することができる。また、第1圧電アクチュエーター200は、腕部203bの弾性力(復元力)により、当接面947a側に付勢され、この付勢力により、凸部203aは、当接面947aへ圧接される(押し付けられる)。
以上、第1圧電アクチュエーター200の構成について説明した。
このような第1圧電アクチュエーター200の駆動と同様に、第2圧電アクチュエーター300は、次のようにして駆動する。前述したように、第2圧電アクチュエーター300の凸部303aは、第2移動部96が有する当接部965の当接面965aと当接している。この状態で第2圧電アクチュエーター300を駆動すると、凸部303aがYZ平面内にて、往復運動または楕円運動する。これにより、当接部965の当接面965aと凸部303aとの間に摩擦力が発生し、第2移動部96が第1移動部95に対してY方向側に移動する。
ここで、図6に示すように、第1、第2圧電アクチュエーター200、300は、互いに同じ方向(上側)を向いている。具体的には、第1圧電アクチュエーター200の凸部(駆動発生部)203aと第2圧電アクチュエーター300の凸部(駆動発生部)303aとは、Z軸方向の同じ側(上側)に向けて突出しており、互いに下方から当接面947a、965aに当接している。このように、第1、第2圧電アクチュエーター200、300を同じ向きに配置することにより、これら第1、第2圧電アクチュエーター200、300をコンパクトに配置することができ、第1ハンドユニット92のさらなる小型化を図ることができる。
また、第3圧電アクチュエーター400は、次のようにして駆動する。前述したように第3圧電アクチュエーター400の凸部403aは、回動体972の上面972bであって、回動軸Z’からずれた位置に当接している。この状態にて、第3圧電アクチュエーター400を駆動すると、凸部403aがYZ平面内にて往復運動または楕円運動する。これにより、上面972bと凸部403aとの間に摩擦力が発生し、回動体972が第2移動部96に対して回動軸Z’まわりに回動する。
以上、第1ハンドユニット92の構成について簡単に説明した。このような構成の第1ハンドユニット92によれば、第1移動部95、第2移動部96および回動部97をそれぞれ、圧電アクチュエーター200、300、400で駆動するため、第1ハンドユニット92の小型化を図ることができる。
具体的には、従来では、駆動源としてモーターを用いていたが、モーターを用いる場合だと、モーターの回転運動を直動運動に変換させるためのギア(ラックギア、ピニオンギア等)やシャフトなどの部材が別途必要となる。そのため、装置の小型化を図ることができなかった。これに対して第1ハンドユニット92のように、駆動源として圧電アクチュエーター200、300、400を用いると、圧電アクチュエーター200、300、400がモーターに対して薄型(小型)であり、さらに、他の部材を介することなく直接第1移動部95、第2移動部96、回動部97を駆動するため、従来の構成に対して装置の小型化を図ることができる。
このように、第1ハンドユニット92の小型化を図ることができれば、複数の第1ハンドユニット92をより狭いピッチで配列することができる。そのため、所定の領域内に配置することのできる第1ハンドユニット92の数を増やすことができ、これに対応して検査ソケット61の数も増やすことができる。そのため、一度に検査することのできるICチップ100の数が増え、装置の大型化を抑えつつ、より効率的にICチップ100の検査を行うことができる。
また、前述したように、第1ハンドユニット92を支持する第1ハンドユニット支持部913は、Y方向に移動可動に設けられている。第1ハンドユニット支持部913がY方向に移動した際には、第1ハンドユニット92にY方向の慣性力が加わる。Y方向に移動可能に設けられている第2移動部96は、第2圧電アクチュエーター300との接触(摩擦力)によって第1移動部95に対する不本意な移動が規制されてはいるが、前記慣性力が大きいと、前記摩擦力に逆らって第1移動部95に対して移動してしまう可能性がある。ここで、慣性力は、第2移動部96および第2移動部96に支持されている部材の総重量が増加するに連れて増大するため、第2移動部96に支持されている部材をなるべく少なくするのが好ましい。そこで、本実施形態の第1ハンドユニット92では、Y方向への移動が規制されている第1移動部95を第2移動部96の上方に位置させる(第1移動部95に第2移動部96を支持させる)ことにより、第2移動部96に支持される部材の数を少なくしている。そのため、前述したような慣性力による、第2移動部96の不本意なずれを効果的に抑制することができる。
このような第1ハンドユニット92は、次のようにして、保持したICチップ100の位置決め(ビジュアルアライメント)を行う。トレイ42に収容れた未検査のICチップ100を保持部98にて保持し、トレイ42の直上から検査用ソケット6の直上まで第1ハンドユニット92が移動する途中、第1ハンドユニット92は、第1カメラ600の直上を通過する。第1カメラ600は、第1ハンドユニット92が、その直上を通過する際に、第1ハンドユニット92に保持されたICチップ100および第1ハンドユニット92が有するデバイスマーク949を捉える様に撮像する。これにより得られた画像データは、制御装置10に送信され、制御装置10によって画像認識処理される。
具体的には、画像認識処理では、第1カメラ600から取得した画像データに所定の処理が施され、デバイスマーク949とICチップ100との相対位置および相対角度が算出される。そして、同算出された相対位置および相対角度がデバイスマーク949とICチップ100との適正な位置関係を示す基準位置および基準角度と対比され、相対位置と基準位置との間に生じている「ずれ位置量」と、相対角度と基準角度との間に生じている「ずれ角度量」とがそれぞれ演算される。なお、前記基準位置および前記基準角度は、第1ハンドユニット92が予め設定されている検査用原点位置に配置されたときにICチップ100の外部端子が検査用ソケット61のプローブピン62に好適に接続される位置を言う。
そして、制御装置10は、求められたずれ位置量およびずれ角度量に基づいて、必要に応じて第1、第2、第3圧電アクチュエーター200、300、400を駆動し、相対位置および相対角度が基準位置および基準角度に一致するように、ICチップ100の位置及び姿勢(角度)を補正する。
具体的には、相対位置と基準位置との間にズレ位置量が発生している場合、制御装置10は、第1圧電アクチュエーター200を駆動し、支持部94に対して第1移動部95をX方向に移動させるとともに、第2圧電アクチュエーター300を駆動し、第1移動部95に対して第2移動部96をY方向に移動させることにより、または、これら第1、第2移動部95、96の移動のうちのいずれか一方を行うことにより、相対位置を基準位置に一致させる。また、相対角度と基準角度との間にズレ角度量が発生している場合、制御装置10は、第3圧電アクチュエーター400を駆動し、第2移動部96に対して回動部97(回動体972)を回動軸Z’まわりに回動させることにより、相対位置を基準位置に一致させる。以上のような制御によって、保持したICチップ100の位置決めを行うことができる。
制御装置10は、4つの第1ハンドユニット92の駆動をそれぞれ独立して制御できるように構成されており、これにより、各第1ハンドユニット92に保持された4つのICチップ100の位置決め(位置補正)をそれぞれ独立して行うことができる。
なお、第2ハンドユニット93によるICチップ100の位置決めは、第1カメラ600に換えて第2カメラ500を用いる以外は、上述した第1ハンドユニット92の場合と同様であるため、その説明を省略する。
(回収ロボット)
回収ロボット8は、第1のシャトル4が有するトレイ43および第2のシャトル5が有するトレイ53に収容された検査済みのICチップ100を、回収トレイ3に移し替えるためのロボットである。
回収ロボット8は、供給ロボット7と同様の構成をなしている。すなわち、回収ロボット8は、台座11に支持された支持フレーム82と、支持フレーム82に支持され、支持フレーム82に対してY方向に往復移動可能な移動フレーム(Y方向移動フレーム)83と、移動フレーム83に支持され、移動フレーム83に対してX方向に往復移動可能なハンドユニット支持部(X方向移動フレーム)84と、ハンドユニット支持部84に支持された複数のハンドユニット85とを有している。これら各部の構成は、供給ロボット7の対応する各部の構成と同様であるため、その説明を省略する。
このような回収ロボット8は、次のようにして、トレイ43、53から回収トレイ3へのICチップ100の搬送を行う。なお、トレイ43、53からの回収トレイ3へのICチップ100の搬送は、互いに同様の方法で行われるため、以下では、トレイ43からのICチップ100の搬送について代表して説明する。
まず、第1のシャトル4をX方向(+)側へ移動させ、トレイ43が回収トレイ3に対してY方向に並んだ状態とする。次に、ハンドユニット85がトレイ43上に位置するように、移動フレーム83をY方向に移動させるとともに、ハンドユニット支持部84をX方向に移動させる。次に、ハンドユニット85の保持部を降下させて、保持部を供給トレイ2上のICチップ100に接触させ、保持部にICチップを保持させる。
次に、ハンドユニット支持部84の保持部を上昇させ、保持したICチップ100をトレイ43から取り除く。次に、ハンドユニット85が回収トレイ3上に位置するように、移動フレーム83をY方向に移動させるとともに、ハンドユニット支持部84をX方向に移動させる。次に、ハンドユニット支持部84の保持部を降下させ、保持部に保持されたICチップ100を回収トレイ3のポケット31内に配置する。次に、ICチップ100の吸着状態を解除し、保持部からICチップ100を放す。
これにより、トレイ43から回収トレイ3へのICチップ100の搬送(移し替え)が完了する。
ここで、トレイ43に収容された検査済みのICチップ100の中には、所定の電気的特性を発揮することのできなかった不良品が存在する場合がある。そのため、例えば、回収トレイ3を2つ用意し、一方を、所定の電気的特性を満たした良品を収容するためのトレイとして用い、他方を、前記不良品を回収するためのトレイとして用いてもよい。また、1つの回収トレイ3を用いる場合には、所定のポケット31を前記不良品を収容するためのポケットとして利用してもよい。これにより、良品と不良品を明確に分別することができる。
このような場合、例えば、4つのハンドユニット85に保持された4つのICチップ100のうちの3つが良品であり、残りの1つが不良品である場合、回収ロボット8は、3つの良品を良品用の回収トレイに搬送するとともに、1つの不良品を不良品用の回収トレイに搬送する。各ハンドユニット85の駆動(ICチップ100の吸着)が独立しているため、このような作動を簡単に行うことができる。
(制御装置)
制御装置10は、駆動制御部102と、検査制御部101とを有している。駆動制御部102は、例えば、供給トレイ2、回収トレイ3、第1のシャトル4および第2のシャトル5の移動や、供給ロボット7、回収ロボット8、検査用ロボット9、第1カメラ600および第2カメラ500等の機械的な駆動を制御する。また、検査制御部101は、図示しないメモリー内に記憶されたプログラムに基づいて、検査用ソケット6に配置されたICチップ100の電気的特性の検査を行う。
以上、検査装置1の構成について説明した。
[検査装置による検査方法]
次に、検査装置1によるICチップ100の検査方法について説明する。なお、以下で説明する検査方法、特にICチップ100の搬送手順は、一例であり、これに限定されない。
(ステップ1)
まず、図11に示すように、各ポケット21にICチップ100が収容された供給トレイ2を領域S内へ搬送するとともに、第1、第2のシャトル4、5をX方向(−)側に移動させ、トレイ42、52がそれぞれ供給トレイ2に対してY方向(+)側に並んだ状態とする。
(ステップ2)
次に、図12に示すように、供給ロボット7によって、供給トレイ2に収容されたICチップ100をトレイ42、52に移し替え、トレイ42、52の各ポケット421、521にICチップ100を収容する。
(ステップ3)
次に、図13に示すように、第1、第2のシャトル4、5をともにX方向(+)側に移動し、トレイ42が検査用ソケット6に対してY方向(+)側に、トレイ52が検査用ソケット6に対してY方向(−)側に並んだ状態とする。
(ステップ4)
次に、図14に示すように、第1、第2ハンドユニット支持部913、914を一体的にY方向(+)側に移動させ、第1ハンドユニット支持部913がトレイ42の直上に位置するとともに、第2ハンドユニット支持部914が検査用ソケット6の直上に位置した状態とする。
その後、各第1ハンドユニット92がトレイ42に収容されたICチップ100を保持する。具体的には、まず、各第1ハンドユニット92がZ方向(−)側へ移動し、トレイ42に収容されたICチップ100を吸着・保持する。次に、各第1ハンドユニット92がZ方向(+)側へ移動する。これにより、各第1ハンドユニット92に保持されたICチップ100をトレイ42から取り出す。
(ステップ5)
次に、図15に示すように、第1、第2ハンドユニット支持部913、914を一体的にY方向(−)側に移動させ、第1ハンドユニット支持部913が検査用ソケット6の直上(検査用原点位置)に位置するとともに、第2ハンドユニット支持部914がトレイ52の直上に位置した状態とする。当該移動の最中、第1ハンドユニット支持部913(各第1ハンドユニット92)が第1カメラ600の直上を通過し、この際、第1カメラ600が各第1ハンドユニット92に保持されたICチップ100および各第1ハンドユニット92のデバイスマーク949を捉える様に撮像する。そして、撮像により得られた画像データに基づいて、制御装置10が、前述したような方法により、各ICチップ100の位置決め(ビジュアルアライメント)を独立して行う。前記位置決め(ビジュアルアライメント)は、検査用個別ソケット61と前記ソケットマークの相対位置の認識、前記ソケットマークとデバイスマーク949の相対位置の認識、デバイスマーク949とICチップ100との相対位置の認識と位置決めを行う事であり、検査用個別ソケット61とICチップ100との位置決めが行われたことになる。
このような第1、第2ハンドユニット支持部913、914の移動およびICチップ100の位置決めと並行して、次のような作業も行う。まず、第1のシャトル4をX方向(−)側に移動させ、トレイ43が検査用ソケット6に対してY方向に並んだ状態とするとともに、トレイ42が供給トレイ2に対してY方向に並んだ状態とする。次に、供給ロボット7により、供給トレイ2に収容されたICチップ100をトレイ42に移し替え、トレイ42の各ポケット421にICチップ100を収容する。
(ステップ6)
次に、第1ハンドユニット支持部913をZ方向(−)側に移動させ、各第1ハンドユニット92に保持されたICチップ100が検査用ソケット6の各検査用個別ソケット61内に配置する。この際、所定の検査圧(圧力)でICチップ100を検査用個別ソケット61に押し当てる。これにより、ICチップ100の外部端子と検査用個別ソケット61に設けられたプローブピン62とが電気的に接続された状態となり、この状態にて、制御装置10の検査制御部101によって各検査用個別ソケット61内のICチップ100に対して電気的特性の検査を実施する。当該検査が終了すると、第1ハンドユニット支持部913をZ方向(+)側に移動させ、各第1ハンドユニット92に保持されたICチップ100を検査用個別ソケット61から取り出す。
このような作業(ICチップ100の検査)と並行して、第2ハンドユニット支持部914に支持された各第2ハンドユニット93がトレイ52に収容されたICチップ100を保持し、ICチップ100をトレイ52から取り出す。
(ステップ7)
次に、図16に示すように、第1、第2ハンドユニット支持部913、914を一体的にY方向(+)側に移動させ、第1ハンドユニット支持部913が第1のシャトル4のトレイ43の直上に位置するとともに、第2ハンドユニット支持部914が検査用ソケット6の直上(検査用原点位置)に位置する状態とする。当該移動の最中、第2ハンドユニット支持部914(各第2ハンドユニット93)が第2カメラ500の直上を通過し、この際、第2カメラ500が各第2ハンドユニット93に保持されたICチップ100および各第2ハンドユニット93のデバイスマークを捉える様に撮像する。そして、撮像により得られた画像データに基づいて、制御装置10が、前述したような方法により、各ICチップ100の位置決めを独立して行う。
このような第1、第2ハンドユニット支持部913、914の移動と並行して、次のような作業も行う。まず、第2のシャトル5をX方向(−)側に移動させ、トレイ53が検査用ソケット6に対してY方向に並んだ状態とするとともに、トレイ52が供給トレイ2に対してY方向に並んだ状態とする。次に、供給ロボット7によって、供給トレイ2に収容されたICチップ100をトレイ52に移し替え、トレイ52の各ポケット521にICチップ100を収容する。
(ステップ8)
次に、図17に示すように、第2ハンドユニット支持部914をZ方向(−)側に移動させ、各第2ハンドユニット93に保持されたICチップ100を検査用ソケット6の各検査用個別ソケット61内に配置する。そして、検査制御部101によって、各検査用個別ソケット61内のICチップ100に対して電気的特性の検査が実施される。当該検査が終了すると、第2ハンドユニット支持部914をZ方向(+)側に移動させ、第2ハンドユニット93に保持されたICチップ100を検査用個別ソケット61から取り出す。
このような作業と並行して次のような作業を行う。
まず、各第1ハンドユニット92が保持する検査済みのICチップ100をトレイ43の各ポケット431に収容する。具体的には、まず、各第1ハンドユニット92をZ方向(−)側へ移動させ、保持するICチップ100をポケット431内に配置した後、吸着状態を解除する。次に、各第1ハンドユニット92をZ方向(+)側へ移動させる。これにより、各第1ハンドユニット92に保持されていたICチップ100がトレイ43に収容される。
次に、第1のシャトル4をX方向(+)側に移動させ、トレイ42が検査用ソケット6に対してY方向に並びかつ第1ハンドユニット支持部913(各第1ハンドユニット92)の直下に位置する状態とするとともに、トレイ43が回収トレイ3に対してY方向に並んだ状態とする。次に、各第1ハンドユニット92がトレイ42に収容されたICチップ100を保持する。また、これと並行して、回収ロボット8により、トレイ43に収容された検査済みのICチップ100を回収トレイ3に移し替える。
(ステップ9)
次に、図18に示すように、第1、第2ハンドユニット支持部913、914を一体的にY方向(−)側に移動させ、第1ハンドユニット支持部913が検査用ソケット6の直上(検査用原点位置)に位置するとともに、第2ハンドユニット支持部914がトレイ52の直上に位置した状態とする。この際も、前述したステップ5と同様に、第1ハンドユニット92に保持されたICチップ100の位置決めを行う。
このような第1、第2ハンドユニット支持部913、914の移動と並行して、次のような作業も行う。まず、第1のシャトル4をX方向(−)側に移動させ、トレイ43が検査用ソケット6に対してY方向に並んだ状態となるとともに、トレイ42が供給トレイ2に対してY方向に並んだ状態とする。次に、供給ロボット7によって、供給トレイ2に収容されたICチップ100をトレイ42に移し替え、トレイ42の各ポケット421にICチップ100を収容する。
(ステップ10)
次に、図19に示すように、第1ハンドユニット支持部913をZ方向(−)側に移動させ、各第1ハンドユニット92に保持されたICチップ100を検査用ソケット6の各検査用個別ソケット61内に配置する。そして、検査制御部101によって、各検査用個別ソケット61内のICチップ100に対して電気的特性の検査を実施する。そして、当該検査が終了すると、第1ハンドユニット支持部913をZ方向(+)側に移動させ、各第1ハンドユニット92に保持されたICチップ100を検査用個別ソケット61から取り出す。
このような作業と並行して次のような作業を行う。まず、各第2ハンドユニット93が保持する検査済みのICチップ100をトレイ53の各ポケット531に収容する。次に、第2のシャトル5をX方向(+)側に移動させ、トレイ52が検査用ソケット6に対してY方向に並びかつ第2ハンドユニット支持部914の直下に位置する状態とするとともに、トレイ53が回収トレイ3に対してY方向に並んだ状態とする。次に、各第2ハンドユニット93がトレイ52に収容されたICチップ100を保持する。また、これと並行して、回収ロボット8により、トレイ53に収容された検査済みのICチップ100を回収トレイ3に移し替える。
(ステップ11)
これ以降は、前述したステップ7〜ステップ10を繰り返す。なお、この繰り返しの途中にて、供給トレイ2に収容されたICチップ100のすべてを第1のシャトル4に移し終えると、供給トレイ2が領域S外に移動する。そして、供給トレイ2に新たなICチップ100を供給するか、既にICチップ100が収容されている別の供給トレイ2と交換した後、供給トレイ2が再び領域S内に移動する。同様に、繰り返しの途中にて、回収トレイ3の全てのポケット31にICチップ100が収容されると、回収トレイ3が領域S外に移動する。そして、回収トレイ3に収容されたICチップ100を取り除くか、回収トレイ3を別の空である回収トレイ3を交換した後、回収トレイ3が再び領域S内に移動する。
以上のような方法によれば、効率よくICチップ100の検査を行うことができる。具体的には、検査用ロボット9が第1ハンドユニット92と第2ハンドユニット93とを有しており、例えば、第1ハンドユニット92(第2ハンドユニット93についても同様)が保持したICチップ100が検査用ソケット6にて検査されている状態にて、これと並行して第2ハンドユニット93が検査を終えたICチップ100をトレイ53に収容するとともに、次に検査するICチップ100を保持してスタンバイしている。このように、2つのハンドユニットを用いて、それぞれ、異なる作業を行うことにより、無駄な時間を削減でき、効率的にICチップ100の検査を行うことができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の検査装置の第2実施形態について説明する。
図20は、本発明の第2実施形態に係る検査装置が有するハンドユニットの側面図である。
以下、第2実施形態の検査装置について、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
本発明の第2実施形態にかかる検査装置は、第2圧電アクチュエーターの配置が異なる以外は、前述した第1実施形態と同様である。なお、前述した第1実施形態と同様の構成には、同一符号を付してある。
図20に示すように、第2圧電アクチュエーター300は、第2移動部96の基部961に固定されている。また、第1移動部95は、基部951からZ方向(−)側に向けて延出し、第2圧電アクチュエーター300の凸部303aと当接する当接部958を有している。当接部958は、第2移動部96まで伸びており、第2移動部96に対してX方向に並ぶように設けられている。また、当接部958の下面(当接面)958aは、Y方向に延在しており、この下面958aに第2圧電アクチュエーター300の凸部303aが当接している。
このような第2移動部96は、第2移動部96に固定された第2圧電アクチュエーター300の駆動により、第1移動部95に対してY方向に移動する、いわゆる「自走型」の構成となっている。そのため、第2圧電アクチュエーター300の駆動力を効率的に第2移動部96に伝達することができ、より円滑かつ正確に、第1移動部95に対して第2移動部96を移動させることができる。また、前述した第1実施形態のような、いわゆる「固定型」の構成の場合と比較して、第2圧電アクチュエーター300の配置の自由度が増し、第1ハンドユニット92の小型化を図ることができる。
特に、本実施形態では、第1移動部95および第2移動部96がともに「自走型」で構成されているため、第1、第2圧電アクチュエーター200、300の配置の自由度がより増し、第1ハンドユニット92の小型化を図ることができる。
このような第2実施形態においても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
以上、本発明のハンドラーおよび検査装置について、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
また、前述した実施形態では、第1移動部がX方向に移動可能であり、第2移動部がY方向に移動可能となっている構成について説明したが、これとは逆に、第1移動部がY方向に移動可能であり、第2移動部がX方向に移動可能となっていてもよい。
1……検査装置 11……台座 2……供給トレイ 21……ポケット 23……レール 3……回収トレイ 31……ポケット 33……レール 4……第1のシャトル 41……ベース部材 42、43……トレイ 421、431……ポケット 44……レール 5……第2のシャトル 51……ベース部材 52、53……トレイ 521、531……ポケット 54……レール 6……検査用ソケット 61……検査用個別ソケット
611……側面 613……底部 62……プローブピン 7……供給ロボット 72……支持フレーム 721……レール 73……移動フレーム(Y方向移動フレーム) 74……ハンドユニット支持部(X方向移動フレーム) 75……ハンドユニット 751……保持部 751a……吸着面 751b……吸着孔 751c……減圧ポンプ 752……昇降装置 8……回収ロボット 82……支持フレーム 821……レール 83……移動フレーム(Y方向移動フレーム) 84……ハンドユニット支持部(X方向移動フレーム) 85……ハンドユニット 9……検査用ロボット 911……第1フレーム 911a……レール 912……第2フレーム 912a、912b……貫通孔 913……第1ハンドユニット支持部 914……第2ハンドユニット支持部 92……第1ハンドユニット 93……第2ハンドユニット 94……支持部 941……基部 942、943……係合部 944……空間 945……連通孔 946……倣い機構 947……当接部 947a……当接面 948……デバイスマーク支持部 949……デバイスマーク 95……第1移動部 951……基部 952、953……レール 954……第1固定部 955、956……係合部 957……第2固定部 958……当接部 958a……当接面 959……貫通孔 96……第2移動部 961……基部 961a……面 962、963……レール 964……回動部支持部 965……当接部
965a……当接面 969……貫通孔 97……回動部 971……支持部 972……回動体 972a……貫通孔 972b……上面 973、973’、973”……ベアリング 973a……外輪 973b……内輪 973c……ボール 974……固定部 974a……カラー 974b、974d……外輪押え 974c、974e……内輪押え 98……保持部 981……吸着面 982……吸着孔 983……減圧ポンプ 99……シャフト 991……軸受 992……シリンダー 992a……シリンダーチューブ 992b……ピストン 992c……スプリング 992d……シャフト 992e……ポート 992f……ポート 993……シリンダー支持部 993a……フランジ 995……シャフト本体 996……ボール 10……制御装置 101……検査制御部 102……駆動制御部 100……ICチップ 200……第1圧電アクチュエーター 201a、201b、201c、201d……電極 202、204……圧電素子 203……補強板 203a……凸部 203b……腕部 203c……固定部 205a、205b、205c、205d……電極 300……第2圧電アクチュエーター 303a……凸部 400……第3圧電アクチュエーター 403a……凸部 500……第2カメラ 600……第1カメラ 700……位置変更機構部 710……2次元移動部 S……領域 Sf……配設空間

Claims (12)

  1. 基体部と、
    部材を保持する保持部と、
    少なくとも一部が前記基体部および前記保持部の間に設けられ、前記保持部に保持された前記部材の位置を前記基体部に対して変える位置変更機構部と、を有し、
    前記位置変更機構部は、所定方向に移動可能に設けられている2次元移動部と、前記2次元移動部に対して回動可能に設けられている回動部と、前記2次元移動部に対して前記回動部を回動させる回動部用圧電アクチュエーターと、を有し、
    前記2次元移動部は、前記基体部に連結され、前記基体部に対して、前記回動部の回動軸に対して直交する第1方向に移動可能に設けられている第1移動部と、前記第1移動部に連結され、前記第1移動部に対して、前記回動部の回動軸に直交するとともに前記第1方向と交差する第2方向に移動可能に設けられている第2移動部と、を有し、
    前記基体部は、前記第2方向に移動可能であり、
    前記回動部用圧電アクチュエーターは、前記回動部の当該回動部の回動軸と交差する面に当接することを特徴とするハンドラー。
  2. 前記回動部用圧電アクチュエーターは、前記回動部の回動軸から離間した位置に設けられている請求項1に記載のハンドラー。
  3. 前記回動部用圧電アクチュエーターは、前記2次元移動部の側面に沿って設けられている請求項1または2に記載のハンドラー。
  4. 前記回動部は、前記回動部の回動軸方向に貫通する貫通孔を有している請求項1ないし3のいずれかに記載のハンドラー。
  5. 前記貫通孔に挿通され、前記回動部に対して前記回動軸方向へ移動可能な軸方向移動部を有している請求項4に記載のハンドラー。
  6. 前記軸方向移動部は、前記回動部に対する前記回動軸まわりの回動が規制されている請求項5に記載のハンドラー。
  7. 前記位置変更機構部は、前記基体部に対して前記第1移動部を移動させる第1圧電アクチュエーターと、前記第1移動部に対して前記第2移動部を移動させる第2圧電アクチュエーターと、を有している請求項1ないし6のいずれかに記載のハンドラー。
  8. 前記第1圧電アクチュエーターおよび前記第2圧電アクチュエーターは、それぞれ、前記回動軸と交差する面に当接する請求項に記載のハンドラー。
  9. 前記第1圧電アクチュエーターおよび前記第2圧電アクチュエーターは、それぞれ、前記2次元移動部の側面に沿って設けられている請求項またはに記載のハンドラー。
  10. 前記第1圧電アクチュエーターは、前記第1移動部に固定されている請求項ないしのいずれかに記載のハンドラー。
  11. 前記第2圧電アクチュエーターは、前記第2移動部に固定されている請求項ないし10のいずれかに記載のハンドラー。
  12. 請求項1ないし11のいずれかに記載のハンドラーと、
    部材の検査を行う検査部と、を有し、
    前記ハンドラーにより前記部材が前記検査部に搬送させるよう構成されていることを特徴とする検査装置。
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