次に、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1から図10Bは、本発明の第1実施形態に係る部品実装装置1を示す。この部品実装装置1は、図11に示すICチップ(第1の部品)2に図12に示すICチップ(第2部品)3を実装するためのものである。
ICチップ2,3は、□2〜□20mm程度のベアチップである。ICチップ2は一方の面に電気的接続のための複数の電極ないしはパッド2aを備えている。また、ICチップ3は一方の面に電気的接続のための複数の電極ないしはバンプ3aを備えている。以下、ICチップ2のパッド2aを備える面を実装面2bと呼び、この実装面2bと対向する面を対向面2cと呼ぶ。同様に、ICチップ3のバンプ3aを備える面を実装面3bと呼び、この実装面3bと対向する面を対向面3cと呼ぶ。ICチップ2は、基板に部品を実装する場合の基板に対応する。また、ICチップ3は、基板に部品を実装する場合の部品に対応する。さらに、ICチップ3を実装済みのICチップ2(例えば、図17Gの符号4参照)は、基板に部品を実装する場合の部品を実装済みの基板に対応する。そこで、以下ICチップ2を基板チップと呼び、ICチップ3を部品チップと呼ぶ。また、ICチップ3を実装済みのICチップ2を実装済みチップ4と呼ぶ。
図13及び図14を参照して、基板チップ2及び部品チップ3の供給形態と実装済みチップ4の回収形態について説明する。搬送プレート(搬送体)5Aに4個のトレイ6A,6B,6C,6Dが取り付けられている。これらのトレイ6A〜6Dには、チップを収容するための複数の凹部6aが設けられている。トレイ6Aの凹部6aには基板チップ2が収容されている。トレイ6Bの凹部6aには部品チップ3が収容されている。また、トレイ6Cは実装済みチップ4を回収するためのものであり、初期状態では凹部6aにチップは収容されていない。トレイ6Dは多目的のトレイであり、基板チップ2、部品チップ3、及び実装済みチップ4のいずれに使用してもよい。基板チップ2及び部品チップ3は、実装面2a,3aが鉛直方向上向きとなる姿勢で凹部6aに収容されている。
図1から図3を参照すると、部品実装装置1は、基板チップ2及び部品チップ3を供給し、かつ実装済みチップ4を回収する部品供給回収部11と、基板チップ2に部品チップ3を実装する実装動作を行う実装部12とを備える。また、部品実装装置1は部品供給回収部11と実装部12の動作を制御するための制御部ないしはコントローラ13を備える。
部品供給回収部11は、リフター(搬送体収容部)15、プレート移動装置(搬送体移動装置)16、プレート配置装置(搬送体保持部)17、認識カメラ18、及びノズル収容部19を備える。
図2を参照すると、部品供給回収部11のリフター15は、昇降可能なマガジン21を備え、このマガジン21には複数の搬送プレート5Aが選択的に供給可能に収容されている。また、いったん取り出した搬送プレート5Aをマガジン21に再度戻すことができる。
プレート移動装置16は、駆動用のモータ22を備えるY軸ロボット23によりY軸方向に移動可能なアーム24を備える。アーム24の先端には搬送プレート5Aを解除可能に把持するクランプ25が設けられている。プレート移動装置16はリフター15のマガジン21から取り出した搬送プレート5Aをプレート配置装置17まで搬送する。また、プレート移動装置16はプレート配置装置17からリフター15まで搬送プレート5Aを搬送してマガジン21に収容する。
図2及び図3を参照すると、プレート配置装置17は、シリンダ26(図2にのみ図示する。)により昇降駆動される一対のプレート押圧体27と、プレート押圧体27の下側に配置された支持機構28(図2にのみ図示する。)を備える。プレート押圧体27が上昇位置にあれば、プレート移動装置16によりプレート押圧体27と支持機構28の隙間に搬送プレート5Aを出し入れできる。一方、プレート押圧体27が降下位置にあれば、プレート押圧体27と支持機構28との間に搬送プレート5Aが挟み込まれ、それによって搬送プレート5Aがプレート配置装置17に保持される。一対のプレート押圧体27は搬送プレート5Aの縁部にのみ当接し、トレイ6A〜6Dが取り付けられた搬送プレート5Aの中央部分はプレート押圧体27に覆われることなく露出している。従って、プレート配置装置17に保持された搬送プレート5Aに対して、後述する部品移送ヘッド装置35が基板チップ2及び部品チップ3のピックアップと、実装済みチップ4の収容を実行できる。図3にのみ概略的に示すように、プレート配置装置17は駆動用のモータ29を備えるY軸ロボット30によりY軸方向に移動可能である。
図1にのみ示すように、プレート配置装置17の上方には、認識カメラ18が配置されている。この認識カメラ18は駆動用のモータ32を備えるX軸ロボット33に搭載されており、X軸方向に移動可能である。認識カメラ18はプレート配置装置19に保持された搬送プレート5A上の部品の位置を光学的に認識する。
図3にのみ示すように、プレート配置装置17の側方には、交換用の吸着ノズル43を収容したノズル収容部19が配設されている。このノズル収容部19については後述する。
実装部12は、部品移送ヘッド装置35、実装ヘッド装置36、実装ステージ37、及び2視野系認識カメラ38を備える。
図3から図5を参照すると、部品移送ヘッド装置35は、ヘッドフレーム(ヘッド支持部)40をX軸方向に移動させるX軸ロボット41を備える。このX軸ロボット41によるヘッドフレーム40のX軸方向の移動範囲は、部品供給回収部11のプレート配置装置17に対応する位置(チップ取扱位置X1)から、後述する実装ヘッド装置36への部品チップ3の受け渡しを行う位置(チップ受渡位置X2)を経て、実装ステージ37に対応する位置(チップ配置位置X3)に到る。
図5を参照すると、ヘッドフレーム40には反転ヘッド42が搭載されている。反転ヘッド42は、チップを解除可能に吸着保持する吸着ノズル43と、この吸着ノズル43をそれ自体の軸線回りに回転(いわゆるθ回転)させるθ回転装置44とを有する反転ヘッド本体45を備える。また、反転ヘッド42は、吸着ノズル43の軸線方向に反転ヘッド本体45を昇降させて、吸着ノズル43の昇降を行うヘッド昇降装置46を備える。さらに、反転ヘッド42は、反転ヘッド本体45を吸着ノズル43の軸線と略直交する方向である図示Y軸方向に延びる回転中心において反転ヘッド本体45を回転させ、吸着ノズル43の鉛直方向の向きを反転させるヘッド反転装置47を備える。従って、反転ヘッド42は、図4Aに示すように吸着ノズル43が鉛直方向下向きとなる姿勢と、図4Bに示すように吸着ノズル43が鉛直方向上向きとなる姿勢のいずれかに設定することができる。
図6から図9を参照して、反転ヘッド42の構造をさらに詳細に説明する。図6及び図7を参照すると、反転ヘッド本体45はノズル支持部558と反転軸シャフト566を備えている。θ回転装置44について説明すると、吸着ノズル43を着脱可能に取り付けるノズル装着部48が、複数の軸受けにより吸着ノズル43の軸線P回りにノズル支持部558に回転可能に支持されている。また、ノズル装着部48の上端には、プーリ559が固定されている。また、ノズル支持部558に固定されたθ回転モータ554の鉛直方向上向きに延びる駆動軸にもプーリ557が固定されている。プーリ557,559にはベルト556が掛け渡されており、θ回転モータ554の回転方向に応じて吸着ノズル43がいわゆるθ回転を行うことが可能となっている。図7においてプーリ559の左側には、プーリ559(吸着ノズル43)の回転方向の原点位置を検出する原点センサ555が配設されている。
ヘッド反転装置47について説明すると、反転シャフト566は、複数の軸受567によりヘッドフレーム40の下部に、それ自体の軸線である反転軸R回りに回転可能に支持されている。反転軸Rは図示Y軸方向に沿って配置されており、吸着ノズル43の軸線と直交している。反転シャフト566の図7において左側端部には直動ガイド542を介してノズル支持部558が取り付けられている。また、反転シャフト566の図7において左側端部の下部には、ばね受部565が固定されている。このばね受部565とノズル支持部558の間に配置されたばね541により、ノズル支持部558が鉛直方向上向きに付勢されている。また、ノズル支持部558に取り付けられたストッパー543により、ノズル支持部558の昇降動作の上限位置が規制されている。
図6及び図7を参照すると、反転シャフト566の図示右側の端部にプーリ564が取り付けられている。また、反転モータ561のY軸方向に延びる駆動軸にもプーリ562が取り付けられている。これらのプーリ564,562にはベルト563が掛け渡されており、反転モータ561の回転方向に応じた向きに、反転シャフト566が回転する。反転シャフト566が回転すると、直動ガイド542を介して反転シャフト566に連結されたノズル支持部558も回転する。ノズル支持部558を回転させることにより、吸着ノズル43の鉛直方向の向きを反転させることができる。
図7及び図8を参照すると、ヘッド昇降装置46はヘッドフレーム40に固定された昇降モータ571を備える。反転軸Rの上方でY軸方向に延びている昇降モータ571の駆動軸には、昇降用カム部572が取り付けられている。ノズル支持部558の上部には、この昇降用カム部572の外周部572aと当接可能な昇降用カムフォロア部573が取り付けられている。昇降モータ571の回転方向に応じて、昇降用カム部572が偏心軸Q回りに偏心回転し、この偏心回転が昇降用カムフォロア部572により直動運動に変換される。従って、昇降モータ571の回転方向に応じて、反転ヘッド本体45のノズル支持部558は、直動ガイド542に案内されつつ、ヘッドフレーム40に対して昇降する。
図8を参照すると、昇降用カム部572の外周部572aは、昇降用カムフォロア部573と当接される当接部572bと、昇降カムフォロア部73との当接が解除される当接解除部572cとを備える。当接部572bが鉛直方向下向きに位置すると、外周部572aと昇降用カムフォロア部73とが確実に当接された状態となり、昇降用カム部72の回転によりヘッド支持部558が昇降される。一方、当接解除部572cが鉛直方向下向きに位置すると、外周部572aと昇降用カムフォロア部573との間に、互いに当接されないような隙間が確保された状態となる。詳細には、ばね541で付勢されたノズル支持部558がストッパー543に係止される上限規制位置に位置する状態で、昇降用カムフォロア部573と昇降用カム部572の前記隙間が確保される。このように隙間を確保してヘッド昇降装置46と反転ヘッド本体45の機械的連結を切り離すことで、ヘッド反転装置47により反転ヘッド本体45を反転させることが可能となる。隙間が確保された状態で反転ヘッド本体45の鉛直方向の向きが反転されても、反転ヘッド本体45が昇降用カム部572に当接しないように、反転ヘッド本体45の形状、寸法が設定されている。
図7及び図8を参照すると、昇降モータ571の駆動軸の先端にはドグ574が固定されている。このドグ574の切り欠きの有無をセンサ575で検出することで、昇降用カム部572の回転範囲をカム曲線有効範囲内(当接部572bが昇降用カムフォロア部573と当接する範囲内)に規制し、反転ヘッド本体45の昇降動作を確実に行うことができる。
図8を参照すると、昇降用カム部572の回転に対する一定の負荷を付与する回転負荷機構576が、ヘッドフレーム40に取り付けられている。この回転負荷機構576は、昇降用カム部572の外周部572aに当接する負荷用カムフォロア部576aを先端に備える負荷用レバー576bと、この負荷用レバー576bの略中央付近を支点として、負荷用カムフォロア部576aが常時昇降用カム部572の外周部572aに当接するように付勢するばね576cとを備えている。昇降用カム部572の回転に対する一定の負荷を付与することで、昇降用カム部572の回転が安定し、その回転量を良好に制御できる。
図5から図7を参照すると、ヘッドフレーム40はY軸方向の直動ガイド582を介してX軸ロボット41のスライダ568に連結されている。ヘッドフレーム40には補正用カムフォロア部585が取り付けられている。スライダ568には補正用モータ583が搭載され、その駆動軸に固定された補正用カム部584と補正用カムフォロア部585が当接している。補正用カム部584と補正用カムフォロア部585の当接を確保するために、ヘッドフレーム40はばね586によりY軸方向に付勢されている。補正用モータ583の回転方向に応じてヘッドフレーム40がY軸方向に移動し、それによって反転ヘッド42のY軸方向の位置を微調整できる。
次に、図5から図7を参照して、X軸ロボット41の構造を詳細に説明する。X軸ロボット41は部品移送ヘッド装置35のベースフレーム591上に配設されたY軸方向に延びる一対の直動ガイド592と、この直動ガイド592に取り付けられたスライダ568を備える。また、ベースフレーム591には、Y軸方向に延びるボールねじ軸部593の両端が回転可能に支持されている。このボールねじ軸部593に螺合されたナット部594に、スライダ568が固定されている。図5に示すように、ボールねじ軸部593の一端に固定にプーリ595が固定されている。また、ベースフレーム591に搭載された移動モータ598のX軸方向に延びる駆動軸に、プーリ597が固定されている。プーリ595,597にはベルト596が掛け渡されている。移動モータ598の回転は、プーリ595,597及びベルト596によりボールねじ軸部593に伝達される。また、ボールねじ軸部593の回転はスライダ586の直進運動に変換される。従って、移動モータ598の回転方向に応じて、スライダ586がX軸方向に移動し、それによって反転ヘッド42がX軸方向に移動する。
吸着ノズル43はノズル支持部558に対して着脱可能に取り付けられており、前述のノズル収容部19において吸着ノズル43を交換することができる。図10A及び図10Bに示すように、ノズル収容部19の底部には差込孔19aが形成されている。吸着ノズル43はこの差込孔19aに先端側が差し込まれた状態(基端側が鉛直方向上向きの状態)で、ノズル収容部19に収容されている。
図10Aを参照すると、ノズル支持部558の筒状のノズル装着部48の装着孔48aに吸着ノズル43の基端側が挿入されている。また、吸着ノズル43の基端側には複数の係止凹部43aが形成されている。一方、ノズル装着部48の係止凹部43aと対応する位置には収容孔48bが形成され、この収容孔48bには係止部材としてのボール49が収容されている。ノズル装着部48の外側には押圧部材50が配置されている。この押圧部材50は、ばね51で下向きに付勢されている。押圧部材50の傾斜面50aにより内向きに押し込まれたボール49が係止凹部43aに嵌り込むことで、ノズル装着部48に対して吸着ノズル43が固定されている。
図10Bに概略的に示すように、反転ヘッド本体45を降下させてノズル収容部19が備える解除部材52に対して押圧部材50の先端を押し付けると、押圧部材50がばね51の付勢力に抗して鉛直方向上向きに変位する。その結果、押圧部材50がボール49を内向きに押し込まない状態となり、ボール49が係止凹部43aから脱出する。この状態で反転ヘッド本体45が上昇すると吸着ノズル43の基端側が装着孔48aから抜け、ノズル装着部48から吸着ノズル43が外れる。一方、吸着ノズル43を装着する場合には、反転ヘッド本体45を降下させて装着ノズル43の基端側を装着孔48aに差し込むと、ボール49が係止凹部43aに嵌り込んで装着ノズル43がノズル装着部48に固定される。
図3を参照すると、実装ヘッド装置36は、モータ53により作動するX軸ロボット54によりX軸方向に進退移動可能なキャリッジ55を備える。このキャリッジ55に実装ヘッド56が取り付けられている。実装ヘッド56はモータ57によりキャリッジ55に対して昇降可能である。実装ヘッド56は部品チップ3を解除可能に吸着保持するノズル58を備える。このノズル58はモータ59によりそれ自体の軸線回りに回転可能である。実装ヘッド56はノズル58で吸着保持した部品チップ3を介して、押圧エネルギーや超音波振動エネルギーや熱エネルギー等の接合エネルギーを、部品チップ3と基板チップ2の接合部であるパッド2a及びバンプ3aに付与できるように構成されている。
図3を参照すると、実装ステージ37はベース60の上面に上向きに突出するように設けられている。また、実装ステージ37にはヒータ(図示せず)が内蔵されている。さらに、実装ステージ37には吸着孔が設けられており、真空吸引機構(図示せず)によって基板チップ2を解除可能に保持できる。本実施形態では、ベース60上には1個の実装ステージ37のみが設けられている。実装ステージ37のベース37は、XYロボット61上に設置されている。XYロボット61はX軸及びY軸方向の駆動用のモータ62,63を備え、実装ステージ37をX軸方向及びY軸方向に移動させる。
2視野系認識カメラ38の鉛直方向の位置は、実装ステージ37と実装ヘッド56の間に設定されており、実装ヘッド装置36に保持された部品チップ3と実装ステージ37上の基板チップ2の両方を光学的に認識する。また、2視野系認識カメラ38はXYロボット61によりY軸方向に移動する。
次に、本実施形態の部品実装装置1の動作を説明する。本実施形態では、ノズル収容部19を使用した吸着ノズル43の交換は行わない。また、以下に説明する動作はコントローラ13により実行される。換言すれば、コントローラ13は、認識カメラ32及び2視野系認識カメラ38を含む種々のセンサからの入力及び図示しない操作部から入力されるオペレータの指令に基づいて、かつ予め記憶されたプログラムに従って、部品供給回収部11、実装ステージ37、実装ヘッド装置36、及び部品移送ヘッド装置35を含む部品実装装置1全体の動作を制御する。
部品移送ヘッド装置35の実行する動作は、3種類に大別される。まず、部品移送ヘッド装置35は、部品供給回収部11のプレート配置装置17に保持された搬送トレイ5Aから基板チップ2をピックアップし、ピックアップした基板部品チップ2を実装ステージ37に移送して載置する動作(第1の供給動作)を実行する。また、部品移送ヘッド装置35は、プレート配置装置17に保持された搬送トレイ5Aから部品チップ3をピックアップし、ピックアップした部品チップ3を部品実装位置X2に移送して実装ヘッド装置36に受け渡す動作(第2の供給動作)を実行する。さらに、部品移送ヘッド装置35は、実装ステージ37から実装済みチップ4をピックアップして部品供給回収部11に移送し、プレート配置装置17に保持された搬送トレイ5Aに戻す動作(回収動作)を実行する。
図15のフローチャートに基づいて本実施形態の部品実装装置1の動作を説明する。図15におい左側に図示されたステップは部品供給回収部11に関連する動作であり、右側に図示されたステップは実装部12に関連する動作である。また、図16A〜図17Gを必要に応じて参照する。後に言及する図18、図20、及び図22において、図15の動作と同一の動作には同一のステップ番号を付している。
図5のステップS11において、プレート配置装置17に搬送プレート5Aを供給する。詳細には、図2を参照すると、リフター15のマガジン21に収容された搬送プレート5Aをプレート移動装置23のクランプ25が把持する。次に、X軸ロボット23によりアーム24がリフター15からプレート配置装置17に移動し、プレート押圧体27と支持機構28の間に搬送プレート17Aを配置する。プレート押圧体27が降下して支持機構28の間に搬送プレート5Aを挟み込んで保持する。
次に、ステップS12において、部品移送ヘッド装置35の反転ヘッド42が搬送プレート5Aのトレイ6Aから基板チップ2をピックアップする(図16A及び図17A参照)。詳細には、認識カメラ32の認識結果に基づいて、Y軸ロボット30によるプレート配置装置17のY軸方向の移動と、X軸ロボット41による反転ヘッド40のX軸方向の移動により、反転ヘッド40の吸着ノズル43がピックアップされる基板チップ2に対して位置決めされる。次に、ヘッド昇降装置46により反転ヘッド本体45が鉛直方向下向きに移動し、吸着ノズル43が基板チップ2の実装面2b側と当接する。真空吸着により吸着ノズル43が基板チップ2を保持した後、ヘッド昇降装置46により反転ヘッド本体45が上昇し、吸着ノズル43で保持された基板チップ2が搬送プレート5Aのトレイ6Aから取り出される。
ステップS13において、部品移送ヘッド装置35の反転ヘッド42で保持した基板チップ2を実装ステージ37に載置する(図16A及び図17B参照)。詳細には、X軸ロボット41により反転ヘッド42が部品供給回収部12(部品取扱位置X1)から実装ステージ37(部品配置X3)に移動する。次に、ヘッド昇降装置46により反転ヘッド本体45が鉛直方向下向きに移動し、基板チップ2の対向面2bが実装ステージ37の上面に当接する。この際にθ回転装置44により吸着ノズル43に保持された基板チップ2の姿勢を調整してもよい。真空吸着により実装ステージ37に基板チップ2が保持された後、反転ヘッド42の吸着ノズル43による基板チップ2の保持が解除される。
ステップS14において、部品移送ヘッド装置36の反転ヘッド42が搬送プレート5Aのトレイ6Bから部品チップ3をピックアップする(図16B及び図17C参照)。詳細には、X軸ロボット41により反転ヘッド42がX軸方向に移動して実装ステージ37からプレート配置装置17に戻る。認識カメラ32の認識結果に基づいて、X軸ロボット30によるプレート配置装置17のY軸方向の移動と、X軸ロボット41による反転ヘッド40のX軸方向の移動により、反転ヘッド40の吸着ノズル43がピックアップされる部品チップ3に対して位置決めされる。次に、ヘッド昇降装置46により反転ヘッド本体45が鉛直方向下向きに移動し、吸着ノズル43が部品チップ3の実装面3b側と当接する。真空吸着により吸着ノズル43が部品チップ3を保持した後、ヘッド昇降装置46により反転ヘッド本体45が上昇し、吸着ノズル43で保持された部品チップ3が搬送プレート5Aのトレイ6Bから取り出される。
ステップS15において、部品移送ヘッド装置35の反転ヘッド42で保持した部品チップ3を実装ヘッド装置36の実装ヘッド56に受け渡す(図16B及び図17D参照)。詳細には、X軸ロボット41により反転ヘッド42が部品供給回収部12(チップ取扱位置X1)からチップ受渡位置X2に移動する。次に、ヘッド反転装置47により反転ヘッド本体45の鉛直方向の向きが反転し、部品チップ3を保持した吸着ノズル43の姿勢が鉛直方向下向きから鉛直方向上向きに変更される。次に、モータ57により実装ヘッド56が降下し、ノズル58が反転ヘッド42に保持された部品チップ3の対向面3cに当接する。真空吸着により実装ヘッド56のノズル58が部品チップ3を保持した後、反転ヘッド42による保持が解除される。受渡完了後に反転ヘッド42は鉛直方向下向きの姿勢に戻る。
ステップS16において、実装ヘッド装置36の実装ヘッド56により、実装ステージ37に保持された基板チップ2に対して部品チップ3を実装する(図16B及び図17E)。詳細には、まずX軸ロボット54により実装ヘッド56が部品受渡位置X2から実装ステージ37(チップ配置位置X3)に移動する。次に、2視野系認識カメラ38の認識結果に基づき、XYロボット61による実装ステージ37のX軸及びY軸方向の移動と、X軸ロボット54による実装ヘッド56の移動により、実装ステージ37上の基板チップ2に対して実装ヘッド56で保持された部品チップ3が位置決めされる。また、モータ59によりノズル58がそれ自体の軸線回りに回転し、部品チップ3の姿勢を調整する。次に、モータ57により実装ヘッド56が降下し、実装ヘッド56で保持された部品チップ3の実装面3bが実装ステージ37上の基板チップ2の実装面2cに当接する。実装ヘッド56から付与される接合エネルギーでパッド2aとバンプ3aを接合した後、実装ヘッド56のノズル58による部品チップ3の保持が解除される。その後、モータ57により実装ヘッド42が上昇して実装ステージ37上の実装済みチップ4から離れる。
ステップS17において、部品移送ヘッド装置35の反転ヘッド42が実装ステージ37上の実装済みチップ4をピックアップする(図16C及び図17F参照)。詳細には、まずX軸ロボット41により反転ヘッド42が実装ステージ37に移動する。次に、ヘッド昇降装置46により反転ヘッド本体45が降下し、実装ステージ37上の実装済みチップ4の反転ヘッド42の吸着ノズル43が当接する。真空吸着により吸着ノズル43に実装済み部品4を保持した後、実装ステージ37による実装済み部品4の保持が解除される。
ステップS18において、部品移送ヘッド装置35の反転ヘッド42が実装済み部品4を搬送プレート5Aに戻す(図16D及び図17G参照)。詳細には、まずX軸ロボット41により実装済みチップ4を保持した反転ヘッド42が実装ステージ37(部品配置位置X3)からプレート配置装置17(部品取扱位置X1)に移動する。次に、認識カメラ32の認識結果に基づいて、Y軸ロボット30によるプレート配置装置17のY軸方向の移動と、X軸ロボット41による反転ヘッド40のX軸方向の移動により、反転ヘッド40の吸着ノズル43が搬送プレート5Aのトレイ6Cの空の凹部6aに対して位置決めされる。次に、ヘッド昇降装置46により反転ヘッド本体45が降下し、搬送プレート5Aのトレイ6Cに実装済みチップ4が収容される。真空吸着による吸着ノズル4の実装済みチップ4の保持を解除した後、ヘッド昇降装置46により反転ヘッド本体45が上昇し、搬送プレート5Aから離れる。
ステップS19において、プレート更新条件(例えば、搬送プレート5Aのトレイ6A,6Bが空になった場合や、トレイ6Cが実装済みチップ4で満杯となった場合)が、成立しない場合には、ステップS12からステップS18の動作が繰り返される。一方、ステップS19においてプレート更新条件が成立する場合には、プレート移動装置16により搬送プレート5Aがプレート配置装置17からリフター15のマガジン21に回収され、1枚の搬送プレート5Aについての動作が終了する。
以上のように、本実施形態の部品実装装置1では、基板チップ2を部品供給回収部11から実装ステージ37に移送する動作(第1の供給動作)、部品チップ3を部品供給回収部11から部品受渡位置X2に移送して実装ヘッド装置36に受け渡す動作(第2の供給動作)、及び実装済み部品4を実装ステージ37から部品供給回収部11に移送する動作(回収動作)が、すべて共通の部品移送ヘッド装置35により実行される。従って、比較的簡易な構成で基板チップ2に対する部品チップ3の実装を効率的に実行することができる。特に、部品移送ヘッド装置35は、単一の反転ヘッド42で第1の供給動作、第2の供給動作、及び回収動作を実行するので、構造が簡易である。
(第2実施形態)
第2実施形態の部品実装装置1は、装置構成は第1実施形態のものと同様であるが、動作中に反転ヘッド42の吸着ノズル43の交換を行う点で相違する。ノズル収容部19(図3参照)には、3種類の吸着ノズル、すなわち基板チップ2のピックアップに適した吸着ノズル43、部品チップ3のピックアップに適した吸着ノズル43、及び実装済みチップ4のピックアップに適した吸着ノズル43が収容されている。吸着ノズル43の交換は、図18のステップS21、S22、及びS23で示すタイミングで実行される。
基板チップ2のピックアップ(ステップS12)の直前のステップS21において、第1回目の吸着ノズル43の交換が実行される。このステップS21の動作を開始する直前は、反転ヘッド42に実装済みチップ4用の吸着ノズル43が装着されている。ステップS21では、実装済みチップ用の吸着ノズル43から基板チップ用の吸着ノズル43への交換が実行される。基板チップ用の吸着ノズル43が反転ヘッド42に装着された後、基板チップ2のピックアップが実行される(ステップS12)。
部品チップ3のピックアップ(ステップS14)の直前のステップS22において、第2回目の吸着ノズル43の交換が実行される。ステップS22では、基板チップ用の吸着ノズル43から部品チップ用の吸着ノズル43への交換が実行される。部品チップ用の吸着ノズル43が反転ヘッド42に装着された後、部品チップ3のピックアップが実行される(ステップS14)。
実装ヘッド装置56により実装ステージ37上の基板チップ2に部品チップ3を実装している間に、第3回目の吸着ノズル43の交換が実行される(ステップS23)。ステップS23では、部品チップ用の吸着ノズル43から実装済み部品用の吸着ノズル43への交換が実行される。実装済み部品用の吸着ノズル43が反転ヘッド42に装着された後、実装済み部品4のピックアップ(ステップS17)が実行される。
反転ヘッド42に装着する吸着ノズル43をピックアップするチップに応じて交換することで、吸着エラーを確実に防止することができる。動作中にノズル交換を実行するタイミングは図18に示す例に限定されない。
第2実施形態のその他の構成及び作用は、第1実施形態と同様である。
(第3実施形態)
第3実施形態の部品実装装置1は、装置構成は第1実施形態のものと同様である。第1実施形態では1種類の搬送プレート5A(図13及び図14参照)を使用している。また、この搬送プレート5Aに基板チップ2及び部品チップ3を収容すると共に、実装済みチップ4も搬送プレート15Aに回収される。これに対して、第3実施形態では2種類の搬送プレートを使用し、プレート配置装置17で保持する搬送プレートの交換を動作中に実行する。
図19Aを参照すると、第1の搬送プレート5Bは、2個のトレイ6Eに基板チップ2が収容され、2個のトレイ6Fに部品チップ6Fが収容されている。以下、この搬送プレート5Bを混載プレートと呼ぶ。一方、図19Bを参照すると、第2の搬送プレート5Cは、4個のトレイ6Gがすべて実装済みチップ4を収容するためのものであり、初期状態では凹部6a(図13参照)はすべて空である。以下、この搬送プレート5Cを回収用プレートと呼ぶ。複数の混載プレート5B及び複数の回収用プレート5Cがリフター15のマガジン21に収容されている。
搬送プレートの交換は、図20のステップS31及びS32で示すタイミングで実行される。ステップS11において、プレート配置装置17に最初に供給されるのは混載プレート5Bである。
部品移送ヘッド装置35の反転ヘッド42が混載プレート5Bから基板チップ2をピックアップする動作(ステップS12)と、部品移送ヘッド装置35が混載プレート5Bから部品チップ3をピックアップする動作(ステップS14)が共に終了した後に、ステップS31において第1回目の搬送プレートの交換が実行される。この第1回目の交換では、プレート配置装置17により保持される搬送プレートが混載プレート5Bから回収用プレート5Cに交換される。詳細には、プレート搬送装置17により保持されている混載プレート5Cがプレート移動装置16によりリフター15のマガジン21に戻される。続いて、プレート移動装置16によりリフター15のマガジン21から回収用プレート5Cが取り出され、プレート搬送装置17まで搬送され、プレート搬送装置17で保持される。プレート配置装置17に新たに保持された回収用プレート5Cに実装済み部品4が戻される(ステップS18)。
部品移送ヘッド装置35の反転ヘッド42が実装済みチップ4を回収用プレート5Cに戻す動作(ステップS18)が終了した後に、ステップS32において第2回目の搬送プレートの交換が実行される。この第2回目の交換では、プレート配置装置17により把持される搬送プレートが回収用プレート5Cにから混載プレート5Bに交換される。
2種類の搬送プレート、すなわち混載プレート5Bと回収用プレート5Cを使用することで、1種類の搬送プレートのみを使用する場合と比較して、1枚の回収用プレート5Cに多数の実装済みチップ4を回収することができる。搬送プレートの交換を行うタイミングは図20に示す例に限定されない。具体的には、部品移送ヘッド装置35がプレート配置装置17にアクセスしていないタイミングであれば、搬送プレートの交換を実行することができる。
第3実施形態のその他の構成及び作用は、第1実施形態と同様である。
(第4実施形態)
第4実施形態の部品実装装置1は、装置構成は第1実施形態のものと同様である。しかし、第4実施形態では、3種類の搬送プレートを使用し、プレート配置装置17で保持する搬送プレートの交換を動作中に実行する。
図21Aを参照すると、第1の搬送プレート5Dは、4個のトレイ6Hのすべてに基板チップ2が収容されている。以下、この搬送プレート5Dを基板用プレートと呼ぶ。また、図21Bを参照すると、第2の搬送プレート5Eは、4個のトレイ6Iのすべてに部品チップ3が収容されている。以下、この搬送プレート5Eを部品用プレートと呼ぶ。さらに、図21Cを参照すると、第3の搬送プレート5Fは、4個のトレイ6Jがすべて実装済みチップ4を収容するためのものであり、初期状態では凹部6a(図13参照)はすべて空である。以下、この搬送プレート5Fを回収用プレートと呼ぶ。
搬送プレートの交換は、図22のステップS41、S42、及びS43で示すタイミングで実行される。ステップS11において、プレート配置装置17に最初に供給されるのは基板用プレート5Dである。
部品移送ヘッド装置35の反転ヘッド42が基板用プレート5Dから基板チップ2をピックアップする動作(ステップS12)が終了した後に、ステップS41において第1回目の搬送プレートの交換が実行される。この第1回目の交換では、プレート配置装置17により保持される搬送プレートが基板用プレート5Dから部品用プレート5Eに交換される。プレート配置装置17に新たに保持された部品用プレート5Eから部品用チップ3がピックアップされる(ステップS14)。
部品移送ヘッド装置35の反転ヘッド42が部品用プレート5Eから部品チップ3をピックアップする動作(ステップS14)が終了した後に、ステップS42において第2回目の搬送プレートの交換が実行される。この第2回目の交換では、プレート配置装置17により保持される搬送プレートが部品用プレート5Eから回収用プレート5Fに交換される。プレート配置装置17に新たに保持された回収用プレート5Fに実装済み部品4が戻される(ステップS18)。
部品移送ヘッド装置35の反転ヘッド42が実装済みチップ4を回収用プレート5Fに戻す動作(ステップS18)が終了した後に、ステップS43において第3回目の搬送プレートの交換が実行される。この第3回目の交換では、プレート配置装置17により把持される搬送プレートが回収用プレート5Fから基板用プレート5Dに交換される。
実装済みチップ4の回収専用の回収用プレート5Fを使用することにより、多数の実装済みチップ4を1枚の搬送プレートに回収することができる。また、基板チップ4及び部品チップ3についてそれぞれ専用の基板用プレート5D及び部品用プレート5Eを使用することにより、基板チップ4及び部品チップ3の管理が容易になる。搬送プレートの交換を行うタイミングは図22に示す例に限定されない。
第4実施形態のその他の構成及び作用は、第1実施形態と同様である。
(第5実施形態)
図23から図24Bに示す本発明の第5実施形態に係る部品実装装置1は、部品移送ヘッド装置35が反転ヘッド42に加え、固定ヘッド70(第1の固定ヘッド)を備える点が第1実施形態と異なる。第5実施形態の部品実装装置1の他の装置構成は、第1実施形態のものと同様である。
図24Aを参照すると、固定ヘッド70は反転ヘッド42の先端側に配設された固定ヘッド本体71を備え、この固定ヘッド本体71には吸着ノズル43が着脱可能に装着されている。吸着ノズル43は鉛直方向下向きの姿勢で固定ヘッド本体71に対して装着されている。また、固定ヘッド70は固定ヘッド本体70を鉛直方向に昇降させるヘッド昇降装置72と吸着ノズル43をそれ自体の軸線回りに回転させるθ回転装置73を備える。ただし、固定ヘッド70は吸着ノズル43の鉛直方向の向きを反転させるための機構を備えていない。換言すれば、固定ヘッド70の吸着ノズル43は常に鉛直方向下向きの姿勢を保持する。
本実施形態の部品移送ヘッド装置35は、反転ヘッド42と固定ヘッド70が共に鉛直方向下向きである状態(図24A)と、固定ヘッド70は鉛直方向下向きであるが、反転ヘッド42が鉛直方向上向である状態(図24B)とに設定できる。
本実施形態では、反転ヘッド42は、部品供給回収部11のプレート配置装置17に保持された搬送トレイ5Aから基板チップ2をピックアップし、ピックアップした部品チップ1を実装ステージ37に移送して載置する動作(第1の供給動作)と、プレート配置装置17に保持された搬送トレイ5Aから部品チップ3をピックアップし、ピックアップした部品チップ3をチップ受渡位置X2に移送して実装ヘッド装置36に受け渡す動作(第2の供給動作)に使用される。一方、固定ヘッド70は、実装ステージ37から実装済み部品4をピックアップして部品供給回収部11に移送し、プレート配置装置17に保持された搬送トレイ5Aに戻す動作(回収動作)に使用される。
図25A及び図25Bに示すフローチャートに従って本実施形態の部品実装装置1の動作を説明する。また、図26Aから図26Iを参照する。なお、吸着ノズル43の交換は実行しないものとする。また、第1実施形態と同一の1種類の搬送プレート5Aを使用し、動作中の搬送プレートの交換は実行しない。後に言及する図27A,27B、図28A,28B、及び図29A,29Bにおいて、図25A,25Bの動作と同一の動作には同一のステップ番号を付している。
まず、ステップS101において、プレート配置装置17に搬送プレート5Aを供給する。
次に、ステップS102において、部品移送ヘッド装置35の反転ヘッド42が搬送プレート5Aのトレイ6Aから基板チップ2をピックアップする(図26A参照)。続いて、ステップS103において、ヘッドフレーム40(図23参照)が実装ステージ37まで移動し、反転ヘッド42で保持した基板チップ2を実装ステージ37に移載する(図26B参照)。
ヘッドフレーム40がプレート配置装置17に戻った後、ステップS104において反転ヘッド42が搬送プレート5Aのトレイ6Bから部品チップ3をピックアップする(図26C参照)。続いて、ステップS105において、反転ヘッド42で保持した部品チップ3を実装ヘッド装置36の実装ヘッド56に受け渡す(図26D参照)。反転ヘッド42は受渡時には鉛直方向上向きとなるが、受渡完了後に鉛直方向下向きの姿勢に戻る。
ステップS106において、実装ヘッド56により、実装ステージ37に保持された基板チップ2に対して部品チップ3を実装する(図26E参照)。また、この実装動作中に、ヘッドフレーム40がプレート配置装置17に戻り、ステップS107において反転ヘッド42で搬送プレート5Aのトレイ6Aから基板チップ2をピックアップする(同様に図26E参照)。
次に、ヘッドフレーム40が実装ステージ37に移動し、ステップS108において固定ヘッド70が実装ステージ37上の実装済みチップ4をピックアップする(図26F参照)。この実装済みチップ4のピックアップ終了後直ちに、ステップS109において反転ヘッド42で保持した基板チップ2を実装ステージ37に載置する(図26G参照)。
次に、ヘッドフレーム40がプレート配置装置17に戻り、ステップS110において、固定ヘッド70が実装済み部品4を搬送プレート5Aのトレイ6Cに戻す(図26H参照)。
ステップS111においてプレート更新条件が成立すれば、ステップS113において搬送プレート15Aがプレート配置装置17からリフター15のマガジン21に回収される。一方、ステップS111においプレート更新条件が成立しない場合には、ステップS110の実装済み部品4の回収に続いて、ステップS112において反転ヘッド42が搬送プレート5Aのトレイ6Aから基板チップ2をピックアップする(図26I参照)。プレート更新条件が成立するまで、ステップS105〜S112の動作が繰り返される。
図26Fと図26Gを参照すれば明らかなように、部品移送ヘッド装置35は、2つのヘッド、すなわち反転ヘッド42と固定ヘッド70を備えるので、実装ステージ37上の実装済みチップ4をピックアップする動作(固定ヘッド70による実行される。)と、基板チップ1を実装ステージ37に載置する動作(反転ヘッド42により実行される。)を、時間間隔を実質的にあけることなく連続して実行することができる。これにより実装動作の効率化を図ることができる。
第5実施形態のその他の構成及び作用は、第1実施形態と同様である。
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態の部品実装装置1は、第5実施形態のものと同様であるが、動作中に反転ヘッド42の吸着ノズル43の交換を行う点で相違する。ノズル収容部19(図23参照)には、2種類の吸着ノズル、すなわち基板チップ2のピックアップに適した吸着ノズル43と部品チップ3のピックアップに適した吸着ノズル43が収容されている。吸着ノズル43の交換は、図18のステップS121、S122、及びS123で示すタイミングで実行される。固定ヘッド70は実装済みチップ4にのみ使用されるので、吸着ノズル43の交換の対象とされない。
基板チップ2のピックアップ(ステップS102)の直前のステップS121において、第1回目の吸着ノズル43の交換が実行される。このステップS21の動作を開始する直前は、反転ヘッド42には部品チップ用の吸着ノズル43が装着されている。ステップS121では、部品チップ用の吸着ノズル43から基板チップ用の吸着ノズル43への交換が実行される。基板チップ用の吸着ノズル43が反転ヘッド42に装着された後、基板チップ2のピックアップが実行される(ステップS102)。
部品チップ3のピックアップ(ステップS104)の直前のステップS122において、第2回目の吸着ノズル43の交換が実行される。ステップS122では、基板チップ用の吸着ノズル43から部品チップ用の吸着ノズル43への交換が実行される。部品チップ用の吸着ノズル43が反転ヘッド42に装着された後、部品チップ3のピックアップが実行される(ステップS104)。
実装ヘッド装置35による基板チップ2への部品チップ3の実装動作中(ステップS106)、ステップS123において第3回目の吸着ノズル43の交換が実行される。ステップS123では、部品チップ用の吸着ノズル43から基板チップ用の吸着ノズル43への交換が実行される。基板チップ用の吸着ノズル43が反転ヘッド42に装着された後、基板チップ2のピックアップが実行される(ステップS107)。
反転ヘッド42に装着する吸着ノズル43をピックアップするチップに応じて交換することで、吸着エラーを確実に防止することができる。また、実装動作(ステップS106)と並行して吸着ノズル43の交換を行うことにより(ステップS107)、ノズル交換に起因する実装効率の低下を防止できる。なお、動作中にノズル交換を実行するタイミングは図27A,27Bに示す例に限定されない。
第6実施形態のその他の構成及び作用は、第5実施形態と同様である。
(第7実施形態)
第7実施形態の部品実装装置1の装置構成は、第5実施形態のものと同様である。しかし、第7実施形態では、前述の混載プレート5B(図19A参照)と回収用プレート5C(図19B参照)を使用し、これらの搬送プレートの交換を動作中に実行する。
搬送プレートの交換は、図28A,28BのステップS131及びS132で示すタイミングで実行される。ステップS101において、プレート配置装置17に最初に供給されるのは混載プレート5Bである。
反転ヘッド42で混載プレート5Bから部品チップ3をピックアップする動作(ステップS107)が終了した後に、固定ヘッド70で実装済み部品4をピックアップする動作(ステップS108)と並行して、ステップS131において第1回目の搬送プレートの交換が実行される。詳細には、プレート配置装置17により保持される搬送プレートが混載プレート5Bから回収用プレート5Cに交換される。プレート配置装置17に新たに保持された回収用プレート5Cに実装済み部品4が戻される(ステップS110)。
固定ヘッド70が実装済みチップ4を回収用プレート5Cに戻す動作(ステップS110)が終了した後に、ステップS132において第2回目の搬送プレートの交換が実行される。この第2回目の交換では、プレート配置装置17により把持される搬送プレートが回収用プレート5Cから混載プレート5Bに交換される。
第7実施形態のその他の構成及び作用は、第5実施形態と同様である。
(第8実施形態)
第8実施形態の部品実装装置1は、装置構成は第5実施形態のものと同様である。しかし、第8実施形態では、前述の基板用プレート5D(図21A参照)、部品用プレート5E(図21B参照)、及び回収用プレート(図21C)を使用し、これらの搬送プレートの交換を動作中に実行する。
搬送プレートの交換は、図29A,29BのステップS141、S142、及びS143で示すタイミングで実行される。ステップS11において、プレート配置装置17に最初に供給されるのは基板用プレート5Dである。
反転ヘッド42が基板用プレート5Dから基板チップ2をピックアップする動作(ステップS102)が終了した後に、ステップS141において第1回目の搬送プレートの交換が実行される。この第1回目の交換では、プレート配置装置17により保持される搬送プレートが基板用プレート5Dから部品用プレート5Eに交換される。プレート配置装置17に新たに保持された部品用プレート5Eから部品用チップ3がピックアップされる(ステップS104)。
反転ヘッド42で部品用プレート5Eから部品チップ3をピックアップする動作(ステップS107)が終了した後に、固定ヘッド70で実装済みチップ4をピックアップする動作(ステップS108)と並行して、ステップS142において第2回目の搬送プレートの交換が実行される。詳細には、プレート配置装置17により保持される搬送プレートが部品用プレート5Eから回収用プレート5Fに交換される。プレート配置装置17に新たに保持された回収用プレート5Fに実装済み部品4が戻される(ステップS110)。
固定ヘッド70が実装済みチップ4を回収用プレート5Cに戻す動作(ステップS110)が終了した後に、ステップS143において第3回目の搬送プレートの交換が実行される。この第3回目の交換では、プレート配置装置17により把持される搬送プレートが回収用プレート5Fから基板用プレート5Dに交換される。
第8実施形態のその他の構成及び作用は、第1実施形態と同様である。
(第9実施形態)
図30から図31Bに示す第9実施形態の部品実装装置1は、固定ヘッド70の配置が第5実施形態と相違する。詳細には、固定ヘッド70はヘッドフレーム40に対して反転ヘッド42とX軸方向に並ぶように搭載されている。
第9実施形態のその他の構成及び作用は、第1実施形態と同様である。
(第10実施形態)
図32から図33Bに示す本発明の第5実施形態に係る部品実装装置1は、部品移送ヘッド装置35が1つの反転ヘッド42と2つの固定ヘッド70,80を備える。第10実施形態の部品実装装置1の他の装置構成は、第1実施形態のものと同様である。
図33Aを参照すると、部品移送ヘッド装置35のヘッドフレーム40には、反転ヘッド42、第1の固定ヘッド70、及び第2の固定ヘッド80がX軸方向に並ぶように搭載されている。反転ヘッド42の構造は第1実施形態のものと同様である(図6から図9参照)。第1及び第2の固定ヘッド70,80は、固定ヘッド本体71,81を備える。固定ヘッド本体71,81には吸着ノズル43が着脱可能に装着されている。吸着ノズル43は鉛直方向下向きの姿勢で固定ヘッド本体71,81に対して装着されている。また、固定ヘッド70,80は固定ヘッド本体71,81を鉛直方向に昇降させるヘッド昇降装置72,82と吸着ノズル43をそれ自体の軸線回りに回転させるθ回転装置73,74を備える。ただし、第1及び第2の固定ヘッド70,80は、いずれも吸着ノズル43の鉛直方向の向きを反転させるための機構を備えていない。換言すれば、第1及び第2の固定ヘッド70,80の吸着ノズル43は、いずれも常に鉛直方向下向きの姿勢を保持する。
本実施形態の部品移送ヘッド装置35は、反転ヘッド42と固定ヘッド70,80がすべて鉛直方向下向きである状態(図33A)と、2つの固定ヘッド70,80は鉛直方向下向きであるが、反転ヘッド42が鉛直方向上向である状態(図33B)とに設定できる。
反転ヘッド42は、プレート配置装置17に保持された搬送トレイ5Aから部品チップ3をピックアップし、ピックアップした部品を部品実装位置X2に移送して実装ヘッド装置36に受け渡す動作(第2の供給動作)に使用される。また、第1の固定ヘッド70は、部品供給回収部11のプレート配置装置17に保持された搬送トレイ5Aから基板チップ2をピックアップし、ピックアップした部品チップ1を実装ステージ37に移送して載置する動作(第1の供給動作)に使用される。さらに、第3の固定ヘッド80は、実装ステージ37から実装済み部品4をピックアップして部品供給回収部11に移送し、プレート配置装置17に保持された搬送トレイ5Aに戻す動作(回収動作)に使用される。
図34A及び図34Bに示すフローチャートに従って本実施形態の部品実装装置1の動作を説明する。また、図35Aから図35Nを参照する。吸着ノズル43の交換は実行しないものとする。また、第1実施形態と同一の1種類の搬送プレート5Aを使用し、動作中の搬送プレートの交換は実行しない。さらに、以下の説明では実装ステージ37に基板チップ2及び部品チップ3がまったく載置されていない状態、すなわち搬送プレート5Aが供給された後、1回も実装動作が実行されていない状態であるものとする。なお、後に言及する図27A,27B、図28A,28B、及び図29A,29Bにおいて、図25A,25Bの動作と同一の動作には同一のステップ番号を付している。
まず、ステップS201において、プレート配置装置17に搬送プレート5Aを供給する。
次に、ステップS202において部品移送ヘッド装置35の第1の固定ヘッド70が搬送プレート5Aのトレイ6Aから基板チップ2をピックアップする(図35A参照)。続いて、ステップS203において、反転ヘッド42が搬送プレート5Aのトレイ6Bから部品チップ3をピックアップする(図35B参照)。
続いて、ヘッドフレーム40(図32参照)がチップ受渡位置X2まで移動した後、ステップS204において、反転ヘッド42で保持した部品チップ3を実装ヘッド装置36の実装ヘッド56に受け渡す(図35C参照)。反転ヘッド42は受渡時には鉛直方向上向きとなるが、受渡完了後に鉛直方向下向きの姿勢に戻る。受渡完了後、ヘッドフレーム40は実装ステージ37へ移動する。
搬送プレート供給後未だ1回も実装動作が実装されていないので、ステップS205からステップS207に動作が移行し、第1の固定ノズル70が基板チップ2を実装ステージ37に載置する(図35D参照)。この載置完了後、ヘッドフレーム40はプレート配置装置17へ戻る。
次に、ステップS208において、実装ヘッド56により、実装ステージ37に保持された基板チップ2に対して部品チップ3を実装する(図35E参照)。また、この実装動作と並行して、ステップS209〜S213の動作が実行される。
搬送プレート供給後未だ1回も実装動作が実装されていないので、ステップS209からステップS211を経て、ステップS212に動作が移行する。ステップS212では、反転ヘッド42が搬送プレート5Aのトレイ6Bから部品チップ3をピックアップする(図35F参照)。また、ステップS213において、第1の固定ヘッド70が搬送プレート5Aのトレイ6Aから基板チップ2をピックアップする(図35G参照)。その後、ステップS204に再度動作が移行する。
ステップS204では、反転ヘッド42で保持した部品チップ3を実装ヘッド装置36の実装ヘッド56に受け渡す(図35H参照)。次に、すでに実装動作を1回実行済みであるので、ステップS205からステップS206に動作が移行する。
ステップS206では、第2の固定ヘッド80が実装ステージ37上の実装済みチップ4をピックアップする(図35I参照)。続いて、ステップS207において、第1の固定ヘッド70が基板チップ2を実装ステージ37上に載置する(図35J参照)。
次に、ステップS208において実装ヘッド装置36の実装ヘッド56により実装ステージ37上の基板チップ2に部品チップ3を実装する。また、前述のように、この実装動作と並行して、ステップS209〜S213の動作が実行される。
すでに実装動作を1回実行済みであるので、ステップS209からステップS210に動作が移行する。ステップS210では、第2の固定ヘッド80が実装済みチップ4を搬送プレート5Aのトレイ6Cに戻す(図35K及び図35L参照)。ステップS211を経てステップS212に動作が移行し、ステップS212において反転ヘッド42が搬送プレート5Aから部品チップ3をピックアップする(図35M参照)。また、ステップS213において第1の固定ヘッド70が搬送プレート5Aから基板チップ2をピックアップする(図35N参照)。これ以降、ステップS211においてプレート更新条件が成立しない限り、ステップS204〜S213の動作が繰り返される。
ステップS211においてプレート更新条件が成立する場合には、ステップS214において搬送プレート5Aがプレート配置装置17からリフター15に回収され、1枚の搬送プレート5Aに関する実装動作が終了する。
3種類の動作、すなわち第1の供給動作、第2の供給動作、及び回収動作を、反転ヘッド42、第1の固定ヘッド70、及び第2の固定ヘッド80で分担して実行している。これにより実装動作をより効率化できる。
図35A及び図35Bを参照すれば明らかなように、基板チップ2を第1の固定ヘッド70でピックアップする動作と、部品チップ3を反転ヘッド42でピックアップする動作は、時間間隔を実質的にあけることなく連続して実行される。また、図35C及び図35Dを参照すれば明らかなように、部品チップ3を反転ヘッド42から実装ヘッド56に受け渡す動作と、第1の固定ヘッド70で基板チップ2を実装ステージ37に載置する動作は、これらの動作の間に一度も部品供給ヘッド装置35をプレート配置装置17に戻すことなく実行される。さらに、図35I及び図35Jを参照すれば明らかなように、実装ステージ37上の実装済みチップ4を第2の固定ヘッド80でピックアップする動作と、第1の固定ヘッド70で基板チップ2を実装ステージ37に載置する動作は、時間間隔を実質的にあけることなく連続して実行される。これらによっても実装動作が効率化される。
第10実施形態の部品実装装置1において、第2実施形態(図18参照)や第6実施形態(図27A,27B参照)と同様に、部品移送ヘッド装置35に装着する吸着ノズル43の交換を実行してもよい。第10実施形態のその他の構成及び作用は、第1実施形態と同様である。
(第11実施形態)
第11実施形態の部品実装装置1は、装置構成は第10実施形態のものと同様である。しかし、第11実施形態では、前述の混載プレート5B(図19A参照)と回収用プレート5C(図19B参照)を使用し、これらの搬送プレートの交換を動作中に実行する。
搬送プレートの交換は、図36A,36BのステップS231及びS232で示すタイミングで実行される。ステップS201において、プレート配置装置17に最初に供給されるのは混載プレート5Bである。
反転ヘッド42から実装ヘッド56に部品3を受け渡す動作(ステップS204)を実行した後、実装済みチップ4を第2の固定ヘッド80でピックアップする動作と並行して、ステップS231において第1回目の搬送プレートの交換が実行される。詳細には、プレート配置装置17により保持される搬送プレートが混載プレート5Bから回収用プレート5Cに交換される。プレート配置装置17に新たに保持された回収用プレート5Cに実装済み部品4が戻される(ステップS210)。
固定ヘッド70が実装済みチップ4を回収用プレート5Cに戻す動作(ステップS210)を終了した後に、ステップS232において第2回目の搬送プレートの交換が実行される。この第2回目の交換では、プレート配置装置17により把持される搬送プレートが回収用プレート5Cから混載プレート5Bに交換される。ただし、搬送プレート5Aをプレート配置装置17に供給後未だ1回も実装動作を実行していない場合には、ステップS231における搬送プレートの交換は行われず、プレート配置装置17にはステップS201で供給された混載プレート5Bが保持されている。従って、この場合にはステップS232の交換は実行されない。
第11実施形態のその他の構成及び作用は、第10実施形態と同様である。
(第12実施形態)
第12実施形態の部品実装装置1は、装置構成は第10実施形態のものと同様である。しかし、第12実施形態では、前述の基板用プレート5D(図21A参照)と部品用プレート5E(図21B参照)、及び回収用プレート5F(図21C参照)を使用し、これらの搬送プレートの交換を動作中に実行する。
搬送プレートの交換は、図37A,37BのステップS241、S242、S243、及びS244で示すタイミングで実行される。ステップS201において、プレート配置装置17に最初に供給されるのは基板用プレート5Dである。
ステップS202において第1の固定ヘッド70が基板チップ2をピックアップした後、ステップS203において反転ヘッド42が部品チップ3をピックアップする前に、ステップS241において第1回目の搬送プレートの交換が実行される。この第1回目の交換では、プレート配置装置17により保持される搬送プレートが基板用プレート5Dから部品用プレート5Eに交換される。
反転ヘッド42から実装ヘッド56に部品3を受け渡す動作(ステップS204)を実行した後、実装済みチップ4を第2の固定ヘッド80でピックアップする動作と並行して、ステップS131において第2回目の搬送プレートの交換が実行される。詳細には、プレート配置装置17により保持される搬送プレートが部品用プレート5Eから回収用プレート5Fに交換される。
ステップS210において、プレート配置装置17に新たに保持された回収用プレート5Fに実装済み部品4が戻された後、ステップS243において第3回目の搬送プレートの交換が実行される。この第3回目の交換では、プレート配置装置17により保持される搬送プレートが回収用プレート5Fから部品用プレート5Eに交換される。このステップS243の搬送プレートの交換も、第11実施形態のステップS232と同様の理由により少なくとも1回実装動作が完了するまでは実行されない。
ステップS212において、プレート配置装置17に新たに保持された部品用プレート5Eから反転ヘッド42が部品用チップ3をピックアップした後、ステップS244において第4回目の搬送プレートの交換が実行される。この第4回目の交換では、プレート配置装置17に保持される搬送プレートが部品用プレート5Eから基板回収用プレート5Fに交換される。
第12実施形態のその他の構成及び作用は、第1実施形態と同様である。
(第13実施形態)
図38に示す第13実施形態の部品実装装置1は、2つの実装ステージ37A,37Bを備える。詳細には、XYロボット61によりX軸方向及びY軸方向に移動するベース60上に、2つの実装ステージ37A,37Bが設けられている。以下、一方のステージ37Aを第1のステージ、他方のステージ37Bを第2のステージと呼ぶ。本実施形態の部品実装装置のその他の装置構成は第1実施形態のものと同様である。
図39を参照して、本実施形態の部品実装装置1の動作を概説する。まず、部品移送ヘッド装置35がプレート配置装置17に保持された搬送プレート5Aからピックアップした基板チップ3を第1の実装ステージ37A上に載置する(時刻t0〜t1)。基板チップ3が載置されると、第1の実装ステージ37Aはヒータによる予熱動作を開始する。一方、第2の実装ステージ37Bには、時刻t0の時点で既に基板チップ2が保持されており、ヒータによる予熱動作を実行中である。
次に、部品移送ヘッド装置35は搬送プレート5Aからピックアップした部品チップ3を実装ヘッド装置36の実装ヘッド56に受け渡す(時刻t1〜t2)。続いて、この実装ヘッド56に受け渡された部品チップ3が、第2の実装ステージ37Bに保持された基板チップ2に実装される(時刻t2〜t3)。
第2の実装ステージ37Bに保持された基板チップ2に対する部品チップ3の実装が終了すると、部品移送ヘッド装置35が第2の実装ステージ37B上の実装済みチップ4をピックアップし、プレート配置装置16に保持された搬送プレート5Aに戻す(時刻t3〜t4)。
次に、部品移送ヘッド装置35が搬送プレート5Aから基板チップ3をピックアップして第2の実装ステージ37B上に載置する(時刻t4〜t5)。
次に、部品移送ヘッド装置35が搬送プレート5Aからピックアップした部品チップ3を実装ヘッド装置36の実装ヘッド56に受け渡す(時刻t5〜t6)。続いて、この実装ヘッド56に受け渡された部品チップ3が、第1の実装ステージ37Aに保持された基板チップ2に実装される(時刻t6〜t7)。実装終了後、部品移送ヘッド装置35が第1の実装ステージ37B上の実装済みチップ4をピックアップして搬送プレート5Aに戻す。
2つの実装ステージ37A,37Bに保持された基板チップ2に対して交互に部品チップ3を実装することにより(時刻t2〜t3及び時刻t6〜t7)、実装動作を一層効率化することができる。なお、3つ以上の実装ステージを設け、これらの実装ステージに保持された基板チップ2に対して順に部品チップ3を実装してもよい。
第13実施形態のその他の構成及び作用は、第1実施形態と同様である。
(第14実施形態)
図40及び図41に示す第14実施形態の部品実装装置1は、基板チップ2及び部品チップ3の供給形態、並びに実装済みチップ4の回収形態が第1実施形態相違する。図41を参照すると、積層状態で収容可能なトレイ(基板チップ用積層トレイ)100Aにそれぞれ複数の基板チップ2が収容されている。同様に積層状態で収容可能なトレイ(部品チップ用積層トレイ)100Bにそれぞれ複数の部品チップ3が収容されている。さらに、実装済みチップ4の回収には、積層状態で収容可能な専用のトレイ(回収用積層トレイ)100Cが使用される。これら基板チップ用積層トレイ100A、部品チップ用積層トレイ100B、及び回収用積層トレイ100Cには、第1実施形態における搬送プレート5Aに取り付けられたトレイ6A〜6Dと同様に、部品を取り出し可能に収容するための複数の凹部が形成されている。
また、第14実施形態の部品実装装置1は、部品供給回収部11の構成が第1実施形態と異なる。まず、部品供給回収部11には、複数の基板積層トレイ100Aを供給可能に積層状態で収容した基板チップ供給ストッカ(第1の搬送体供給部)101Aが設けられている。この基板チップ供給ストッカ101Aに収容された基板チップ用積層トレイ100Aには、複数の基板チップ2が収容されている。また、複数の部品チップ用積層トレイ100Bを供給可能に積層状態で収容した部品チップ供給ストッカ(第2の搬送体供給部)101Bが設けられている。この部品チップ供給ストッカ101Bに収容された部品チップ用積層トレイ100Bには、複数の部品チップ3が収容されている。さらに、複数の回収用積層トレイ100C供給可能に積層状態で収容した回収用積層トレイ供給ストッカ(第3の搬送体供給部)101Cが設けられている。この回収用積層トレイ供給ストッカ101Cに収容された回収用積層トレイ100Cには、部品は収容されていない。換言すれば、回収用積層トレイ供給ストッカ101C中の回収用積層トレイ100Cは空である。
基板チップ供給ストッカ101A、部品チップ供給ストッカ101B、及び回収用積層トレイ供給ストッカ101CとX軸方向に隣接して、それぞれトレイ回収ストッカ102A,102B,102Cが配設されている。トレイ回収ストッカ(第1の搬送体回収部)102Aには、全部又は一部の基板チップ2が取り出された基板チップ用積層トレイ100Aが収容される。また、トレイ回収ストッカ(第2の搬送体回収部)102Bには、全部又は一部の部品チップ3が取り出された部品チップ用積層トレイ100Bが収容される。さらに、トレイ回収ストッカ(第3の搬送体回収部)102Cには、実装済みチップ4が収容された回収用積層トレイ100Cが収容される。基板チップ供給ストッカ101A、部品チップ供給ストッカ101B、回収用積層トレイ供給ストッカ101C、及びトレイ回収ストッカ102A〜102は支持アーチ103上に固定されている。
基板チップ供給ストッカ101Aとトレイ回収ストッカ102Aに対応して、トレイ操作装置(第1の搬送体取扱装置)104Aが設けられている。同様に、部品チップ供給ストッカ101Bとトレイ回収ストッカ102Bに対応して、トレイ操作装置(第2の搬送体取扱装置)104Bが設けられている。さらに、回収用積層トレイ供給ストッカ101Cとトレイ回収ストッカ102Cに対応して、トレイ操作装置104C(第3の搬送体取扱装置)が設けられている。
トレイ操作装置104Aは、基板チップ供給ストッカ101Aから基板チップ用積層トレイ100Aを取り出し、部品移送ヘッド装置35により基板チップ2を取り出し可能な位置(供給位置)まで搬送する。また、トレイ操作装置104Aは、供給位置で全部又は一部の基板チップ2が取り出された基板チップ用積層トレイ100Aをトレイ回収ストッカ102Aまで搬送し、かつトレイ回収ストッカ102Aに収容する。
トレイ操作装置104Bの動作は、トレイ操作装置104Aと同様である。すなわち、トレイ操作装置104Bは、部品チップ供給ストッカ101Bから部品チップ用積層トレイ100Bを取り出し、部品移送ヘッド装置35により部品チップ3を取り出し可能な位置(供給位置)まで搬送する。また、トレイ操作装置104Bは、供給位置で全部又は一部の部品チップ3が取り出された部品チップ用積層トレイ100Bをトレイ回収ストッカ102Bまで搬送し、かつトレイ回収ストッカ102Bに収容する。
トレイ操作装置104Cの動作も、トレイ操作装置104Aと同様である。すなわち、トレイ操作装置104Cは、部品チップ供給ストッカ101Cから回収用積層トレイ100Cを取り出し、部品移送ヘッド装置35により実装済みチップ4を収容可能な位置(回収位置)まで搬送する。また、トレイ操作装置104Cは、実装済みチップ4が収容された回収用積層トレイ100Cをトレイ回収ストッカ102Cまで搬送し、かつトレイ回収ストッカ102Cに収容する。
トレイ操作装置104A〜104Cの構成は同一であるので、トレイ操作装置104Cについて構造を説明する。図41を参照すると、トレイ操作装置104Cは、モータ106により駆動されるX軸ロボット107と、このX軸ロボット107によりX軸方向に移動する移動アーム108を備える。X軸ロボット107の一端は回収用積層トレイ供給ストッカ101C及び回収トレイ102の下方に位置し、他端は前述の回収位置に位置している。図42を参照すると、移動アーム108の上端側には保持ステージ109が昇降可能に支持されている。この保持ステージ109の上面には吸着孔109aが設けられており、真空吸引機構110により回収用積層トレイ100Cを解除可能に吸着保持できる。また、保持ステージ109の下面にはシリンダ111が固定されており、このシリンダ111の鉛直方向した向きに延びるロッド111aは、移動アーム108に対して固定された受け部112(図40に示す。)に連結されている。従って、シリンダ111の動作に応じて保持ステージ109が昇降する。詳細には、保持ステージ109は、シリンダ111の非作動状態に対応する高さ位置H0(例えば図43A参照)、シリンダ111の第1の動作状態(ロッド111aの突出量が少ない。)に対応する高さ位置H1(例えば図43B参照)、及びシリンダ111の第2の動作状態(ロッド111aの突出量が少ない。)に対応し、高さ位置H1よりも上方の位置する高さ位置H2(例えば図44C参照)のいずれかに設定することができる。保持ステージ109には鉛直方向上向きに突出する一対の操作ロッド113(図42にのみ図示する。)が固定されている。
基板チップ供給ストッカ101A、部品チップ供給ストッカ101B、回収用積層トレイ供給ストッカ101C、及びトレイ回収ストッカ102A〜102Cの構造は同一である。図42を参照すると、トレイの姿勢を保持する下端開口の枠体115を備える。枠体115には互いに対向する固定アーム116A,116Bの基端側が固定されている。固定アーム116A,116Bの先端側の支持ピン117A,117Bには、L字状のフック118A,118Bが揺動自在に支持されている。これらのフック118A,118Bの基端側はばね119A,119Bにより付勢されている。ばね119A,119Bの付勢力はフック118A,118B間の間隔が狭められる方向に作用する。図43A及び図44Aに示すように、積層状態で収容されたトレイのうち最下層のトレイの下面がフック118A,118Bにより支持されている。また、フック118A,118Bにカムフォロアとして機能するローラ120A,120Bが取り付けられている。
次に、図43Aから図43Cを参照して、基板チップ供給ストッカ101A、部品チップ供給ストッカ101B、及び回収用積層トレイ供給ストッカ101C(以下、ストッカと総称する。)から基板チップ用積層トレイ100A、部品チップ用積層トレイ100B、回収用積層トレイ100C(以下、トレイと総称する。)を取り出す動作を説明する。まず、図43Aに示すように、保持ステージ109がストッカの下方に移動される。この状態では保持ステージ109は高さ位置H0にある。次に、シリンダ111(図42参照)が作動して、図43Bに示すように保持ステージ109が高さ位置H1に上昇する。その結果、操作ロッド113の先端がローラ120A,120Bと係合することにより、ばね119A,119Bの付勢力に抗してフック118A,118Bが回動し、フック118A,118Bの間隔が拡がる。この拡げられた間隔を通って保持ステージ109がストッカの内部に進入し、最下層のトレイの下面と当接する。従って、図43Cに示すように、再度高さ位置H0まで降下してストッカの外部に出た保持ステージ109上には1個のトレイが載置される。
次に、図44Aから図44Dを参照して、トレイ回収ストッカ102A〜102Cに基板チップ用積層トレイ100A、部品チップ用積層トレイ100B、回収用積層トレイ100C(以下、トレイと総称する。)を収容する動作を説明する。まず、図43Aに示すように、保持ステージ109がトレイ回収ストッカ102A〜102Cの下方に移動される。この状態では保持ステージ109は高さ位置H0にある。次に、図44Bに示すように、保持ステージ109が高さ位置H1に上昇する。その結果、操作ロッド113によりフック118A,118Bの間隔が拡げられ、保持ステージ109に保持されたトレイがトレイ回収ストッカ102A〜102Cの内部に進入する。図44Cに示すように、保持ステージ109は高さ位置H1からさらに高さ位置H2まで上昇し、保持ステージ109に保持されたトレイは、フック118A,118Bの先端よりも上方に移動する。従って、図44Dに示すように保持ステージ109が再度高さ位置H0まで降下すると、保持ステージ109上にあったトレイは、トレイ回収ストッカ102A〜102C内の最下層のトレイとしてフック118A,118Bにより支持される。
基板チップ2、部品チップ3、及び実装済みチップ4は、それぞれ別個のトレイ(基板チップ用積層トレイ100A、部品チップ用積層トレイ100B、及び回収用積層トレイ100C)に収容され、それらのトレイの供給、回収、及び移動も別個の機構(基板チップ供給ストッカ101A、部品チップ供給ストッカ101B、回収用積層トレイ供給ストッカ101B、回収ストッカ102A〜102C、トレイ操作装置104A〜104C)で実行される。従って、実装動作の効率を損なうことなく、基板チップ2、部品チップ3、及び実装済みチップ4の取扱や管理の容易性を向上することができる。
第14実施形態のその他の構成及び作用は、第1実施形態と同様である。