JP6037542B2 - アルミニウム材のフラックスレスろう付方法、フラックスレスろう付用ブレージングシートおよびその製造方法 - Google Patents

アルミニウム材のフラックスレスろう付方法、フラックスレスろう付用ブレージングシートおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、非酸化性雰囲気中でフラックスを使用せずにろう付可能なフラックスレスろう付用ブレージングシートおよびそのろう製造方法、アルミニウム材のフラックスレスろう付方法、ならびにろう付構造体に関する。
自動車用熱交換器をはじめとしたろう付分野においては、現在、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下でノコロック(登録商標)フラックスなどの非腐食性のフッ化物系フラックスを用いてろう付されるか、ろう材に0.5〜1.5質量%程度のMgを添加して真空雰囲気下でろう付される工法が主流となっている。
しかしながら、上記フッ化物系フラックスを用いた工法においては、薄肉高強度化に有効なMg添加アルミニウム合金を被接合部材に使用した場合、フッ化物系フラックスと合金中のMgとの反応によりMgFが形成されてフラックスが不活性化され、この結果、ろう付性が著しく低下するという問題がある。
これに対し、量産性にも配慮した、大気圧下で行うフラックスレスろう付方法も開発が進められている。しかし、これらのフラックスレスろう付方法では、表面処理、材料仕様、ろう付の工法などに特殊なものが採用されており、コスト、品質安定性に問題があるものが多い。このため、大気圧下で行うフラックスレスろう付方法は、本格的に実用化されるには至っていない。
上記フラックスレスろう付方法の問題を解消するため、特許文献1には、ろう材に添加するMg量を適正な範囲に収めることにより、設備の導入コストや工程コストを発生させず、減圧を伴わない雰囲気下でフラックスを使用せずにろう付を可能にする方法が提案されている。
特許第4547032号公報
しかしながら、従来の大気圧下で行うフラックスレスろう付方法では、ろう材表面の酸化皮膜がろう付熱処理時に十分に破壊、分断されないと、広範囲で接合不良が発生して接合強度が低下するという問題がある。
特に、Al−Si系ろう材にMgを添加したAl−Si−Mg系ろう材を使用した際に、ろう材中のMgと雰囲気中の酸素とが反応してMgの酸化皮膜である酸化マグネシウム膜が成長すると、接合率が低下して安定した接合状態を得ることが難しくなるという問題がある。
前記接合状態の改善には、ろう溶融前に接合部の酸化皮膜を緻密なフィルム状の形態からなるべく微細な粒子状に分断して、溶融ろうの濡れ性や流動性を向上させることが有効である。しかし、従来のAl−Si−Mg系ろう材では、表面酸化皮膜の分断や除去が不十分となる場合が多く、接合の安定性を確保することは困難である。
上記Al−Si−Mg系ろう材を用いた場合の問題に対し、これまで、ろう付条件や部材の改善により接合の信頼性向上が図られている。例えば、ろう付を行う炉内雰囲気中の酸素濃度を低濃度にしたり、ろう付対象部材の初期酸化皮膜を酸洗浄などにより薄くしておくことが行われている(特許文献1参照)。さらには、接合部の形状変更、部材仕様の最適化なども行われている。しかしながら、実用上必要な接合状態を安定して得るには至っていない。特に、近年、部材の薄肉化や熱交換器の高耐圧化が要請されているため、接合部では安定した接合状態を確保することが必須であり、接合状態の改善が求められている。
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、信頼性に優れる安定した接合状態を得ることができるアルミニウム材のフラックスレスろう付方法、フラックスレスろう付用ブレージングシートおよびその製造方法、ならびにろう付構造体を提供することを目的とする。
すなわち、本発明のアルミニウム材のフラックスレスろう付方法のうち、第1の本発明は、質量%で、Si:5.0〜13.0%、Mg:0.1〜3.0%を含有するAl−Si−Mg系ろう材が芯材にクラッドされて最表面に位置し、ろう付前の前記Al−Si−Mg系ろう材表面の酸化皮膜の平均膜厚が150Å以下であり、かつ前記酸化皮膜中の酸化マグネシウム膜の平均膜厚が20Å以下であるブレージングシートを用い、
減圧を伴わない酸素濃度50ppm以下の非酸化性雰囲気中で、前記ブレージングシートにおける前記Al−Si−Mg系ろう材とろう付対象部材とを接触密着させ、密着部分においてフラックスレスで前記Al−Si−Mg系ろう材により前記芯材と前記ろう付対象部材とをろう付接合することを特徴とする。
第2の本発明のアルミニウム材のフラックスレスろう付方法は、前記第1の本発明において、前記Al−Si−Mg系ろう材は、液相線温度が610℃以下であり、
前記ろう付接合における加熱温度を590℃以上とすることを特徴とする。
第3の本発明のアルミニウム材のフラックスレスろう付方法は、前記第1または第2の本発明において、前記Al−Si−Mg系ろう材は、表面において、円相当径0.25μm以上のSi粒子が1mm当たり20,000個以上存在することを特徴とする。
第4の本発明のアルミニウム材のフラックスレスろう付方法は、前記第1〜第3の本発明のいずれかにおいて、前記芯材が、質量%で、Mn:0.2〜2.5%、Cu:0.05〜1.0%、Si:0.1〜1.0%の内1種または2種以上を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成を有することを特徴とする。
第5の本発明のアルミニウム材のフラックスレスろう付方法は、前記第1〜第3の本発明のいずれかにおいて、前記芯材が、質量%で、Mg:0.01〜1.0%、Mn:0.2〜2.5%、Cu:0.05〜1.0%、Si:0.1〜1.0%の内1種または2種以上を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成を有することを特徴とする。
第6の本発明のブレージングシートは、
ラックスレスろう付用ブレージングシートであって、
質量%で、Si:5.0〜13.0%、Mg:0.1〜3.0%を含有するAl−Si−Mg系ろう材が芯材にクラッドされて最表面に位置し、ろう付前の前記Al−Si−Mg系ろう材表面の酸化皮膜の平均膜厚が150Å以下であり、かつ前記酸化皮膜中の酸化マグネシウム膜の平均膜厚が20Å以下であり、前記ろう材表面の円相当径0.25μm以上のSi粒子が1mm 当たり20,000個以上であることを特徴とす
の本発明のフラックスレスろう付け用ブレージングシートの製造方法は、質量%で、Si:5.0〜13.0%、Mg:0.1〜3.0%を含有する、Al−Si−Mg系ろう材となる素材に、均質化処理を実施せずに、または500℃以下の温度で均質化処理を実施した後、500℃以上での保持時間を1時間以内とした均熱処理を行って芯材となる素材とのクラッド圧延を実施し、前記クラッド圧延後に冷間圧延を実施するとともに、大気中の酸素濃度より酸素濃度が低い雰囲気中にて中間焼鈍または最終焼鈍を250〜500℃の温度で実施し、同雰囲気中で200℃以下まで冷却することを特徴とする。
第9の本発明のろう付構造体は、当該ろう付構造体の一部に請求項6または7に記載のフラックスレスろう付用ブレージングシートが使用され、請求項1〜5のいずれかに記載のアルミニウム材のフラックスレスろう付方法にて前記フラックスレスろう付用ブレージングシートが接合されていることを特徴とする。
以下に、本発明で規定する成分などの限定理由について説明する。なお、各成分量は、いずれも質量%で示される。
1.Al−Si−Mg系ろう材の合金成分
本発明では、Al−Si−Mg系合金からなるAl−Si−Mg系ろう材を用いる。ろう材における各元素の作用および限定理由は以下のとおりである。
Si:5.0〜13.0%
SiはAlに含有することにより、その融点を低下させ、ろう付温度にて溶融して所定の継手を形成するための必須の元素である。また、ろう材表面に存在するSi粒子上では、アルミニウムの緻密な酸化皮膜の成長が抑制され、酸化皮膜の欠陥部が生成する。
すなわち、アルミニウム材料表面の酸化皮膜がろう付熱処理中に厚膜となっても、Si粒子の周辺から溶融ろうの染み出しが発生し、この部位を起点に酸化皮膜の破壊や分断が進み、溶融ろうの濡れ性が向上する。これにより、安定した接合状態を得ることが可能となる。
これらのため、Siの含有量は、5.0%以上が必要である。5.0%未満では生成する液相量が不足するため十分な流動性が得られない。一方、13.0%を超えると初晶Siが急激に増加して加工性が悪化するとともに、ろう付時に接合部のろう侵食が著しく促進される。このためSi含有量を5.0〜13.0%とする。なお、同様の理由により、Siの含有量は、下限を6.5%、上限を12.0%とすることが望ましく、上限を11.0%とするのが一層望ましい。
Mg:0.1〜3.0%
Mgは、材料表面に生成する緻密な酸化皮膜(Al)を還元分解し、微細な粒子状の酸化物(MgAl)に変化させることで、ろうの濡れ性や流動性を向上し、もって接合率を向上する効果を有する。また、Mgは、酸化皮膜を還元分解することにより、接合界面での金属/金属接合面積を増加して接合強度を向上する効果を有する。これら作用を十分に得るために0.1%以上の含有が必要である。0.1%未満では、酸化皮膜の還元、分解作用が不十分となるため、十分な接合状態が得られない。一方、3.0%を超えると、ろう材の強度が向上してクラッド圧延が困難となり、また、Mgの酸化皮膜が厚く成長しやすくなってろう付性が阻害される。このため、Mgの含有量は、0.1〜3.0%とする。なお、同様の理由により、Mgの含有量は、下限を0.25%、上限を2.0%とするのが望ましい。
Al−Si−Mg系ろう材は、残部をAlおよび不可避不純物とするものでもよく、また、上記作用を損なわない限りは他の成分を含有するものであってもよい。他の成分としては、Zn、Bi、Be、Sr、Caなどが挙げられる。
2.ろう付前のAl−Si−Mg系ろう材表面の酸化皮膜
本発明では、上記Al−Si−Mg系ろう材が芯材にクラッドされて最表面に位置するブレージングシートにおいて、ろう付前のAl−Si−Mg系ろう材表面の酸化皮膜の平均膜厚、および酸化皮膜中の酸化マグネシウム膜の平均膜厚がそれぞれ所定の範囲に制御される。
一般に、ろう付に際しては、材料表面の初期酸化皮膜が破壊されないと良好な接合状態を得ることができないため、初期酸化皮膜は薄いほど望ましい。しかしながら、一般的なアルミニウム合金の酸化皮膜であるAl膜は、上述のように、Mgにより酸化物に還元分解される。このため、Al膜が多少厚くても、接合率の著しい低下が起こることはない。
一方、Al−Si−Mg系ろう材などのMg添加アルミニウム合金材は、製造時やろう付熱処理時に酸化マグネシウム膜が形成されやすい。以下に、Mg添加アルミニウム合金材において、酸化物などが生成される反応式を示す。
4Al+3O → 2Al ……(1)
2Mg+O → 2MgO ……(2)
3Mg+4Al → 3MgAl+2Al ……(3)
式(1)に従って生成されるAl膜は、上述のようにMgによる還元分解が可能である。これに対し、式(2)に従って生成されるMgO膜は、非常に安定で破壊が困難であるため、膜厚が比較的薄くても接合率の著しい低下を引き起こす。なお、式(3)で表される反応は、酸素濃度が低い場合に起きる反応であり、この反応が進行することにより、Al膜が粒状の酸化物(MgAl)に変化してろう付性が向上することになる。
上記各式で表される反応は、式(2)、式(1)、および式(3)の反応の順で起こりやすく、MgO膜が生成されやすくなっている。したがって、フラックスレスろう付においては、MgO膜の生成を抑制することが、安定した接合状態を得るために必要となる。
そこで、本発明では、ろう付前のAl−Si−Mg系ろう材表面の酸化皮膜の平均膜厚を150Å以下とする。
酸化皮膜は、薄いほどろう付熱処理時に分解されやすくなり、その結果、接合率が向上する。また、接合界面においては、粗大なボイドの形成が抑制されて接合強度や耐久性が著しく向上する。酸化皮膜の平均膜厚を150Å以下とすることにより、接合率を向上し、さらには接合強度や耐久性を向上する効果を得ることができる。この場合の酸化皮膜は、種類は限定されない。従来のフラックスレスろう付法では、ろう付時に酸化皮膜の分断が不十分な部位が生じ、その部位が接合不良部となり、気密性が損なわれたり、耐圧強度が低下する要因となっている。当然ながら接合界面においてはボイドがない状態、あるいは内圧や振動等が負荷された場合に応力集中部とならないように、なるべく微小なボイドとして分散している状態が望ましい。
なお、酸化皮膜の薄膜化はコストアップの一因にもなる。このため、酸化皮膜の平均膜厚は、その下限が特に限定されるものではないが、平均150Å以下の範囲内において、適用部位に応じて選定することが望ましい。
また、酸化皮膜の平均膜厚が150Åを超えると、ろう付時に酸化皮膜の破壊が不十分となり、その結果、接合強度および耐久性が著しく低下し、また、接合率も低下する。
さらに、本発明では、上記酸化皮膜中の酸化マグネシウム膜の平均膜厚を20Å以下とする。
酸化マグネシウム膜は、上述のように非常に安定でろう付熱処理時に破壊するのに困難性を伴うため、平均膜厚が20Åを超えると、ろう付接合を阻害し、接合率の低下、粗大ボイドの生成による接合強度および耐久性の著しい低下を引き起こす。このため、酸化マグネシウム膜は、初期の生成をできるだけ抑制する必要があるため、ろう付前の平均膜厚を20Å以下とする。これにより、酸化マグネシウム膜によるろう付接合阻害を抑制して、信頼性に優れる安定した接合状態を得ることができる。
なお、Mgは、非常に高い活性を有する元素であるため、熱処理時にろう材表面で酸素と結合して酸化皮膜の表層近傍に酸化マグネシウム膜を形成する。上記のように平均膜厚の範囲を規定した酸化マグネシウム膜とは、このように酸化皮膜の表層近傍に形成されたものである。また、酸化マグネシウム膜も薄いほど接合状態は向上するが、同時に酸化マグネシウム膜の薄膜化はコストアップの一因にもなる。Al−Si−Mg系ろう材中のMg含有量を低減すると、酸化マグネシウム膜は生成されにくくなるが、Mgによる酸化皮膜分解効果も低下する。このため、酸化マグネシウム膜の平均膜厚は、その下限が特に限定されることはないが、適用部位に応じて、Mg含有量および製造工程を適宜選定して、平均20Å以下の範囲内において、最適なものを選定することが望ましい。
3.Al−Si−Mg系ろう材表面におけるSi粒子の分布
本発明では、Al−Si−Mg系ろう材の表層において、円相当径0.25μm以上のSi粒子が1mm当たり20,000個以上存在することが望ましい。
ろう材表面にSi粒子が存在する部位は、緻密な酸化皮膜(Al膜)の成長が抑制され、酸化皮膜の欠陥部となる。この欠陥部を起点として、酸化皮膜の破壊や分断が促進され、溶融ろうの濡れ性が向上し、より安定した接合状態を得ることが可能になる。
上記現象は、一定サイズ以上のSi粒子が表面に均一に分散しているほどその効果が大きい。すなわち、ろう材表面のSi粒子サイズが小さ過ぎると、酸化皮膜に欠陥部を生じさせる効果が不十分となる。このため、Si粒子の円相当径は、0.25μm以上であることが望ましい。また、Si粒子の分布密度が低い場合には、酸化皮膜の破壊や分断が起こる場所が減少し、その効果が不十分となる。このため、Si粒子の分布密度は、1mm当たり20,000個以上であることが望ましい。
4.Al−Si−Mg系ろう材の液相線温度
本発明では、Al−Si−Mg系ろう材の液相線温度が610℃以下であることが望ましい。
液相線温度が610℃以下であると、ろう付昇温時にろう材の固相線温度到達後に短時間でろう材が溶融し、ろう付昇温時にろう材のほとんどが短時間で液相となる。このため、ろう材表面の初期酸化皮膜が細かく分断され、溶融ろうとともに接合面外部に流動する。この結果、接合部における溶融ろうの濡れ性が向上し、非常に安定した接合状態が得られる。一方、液相線温度が610℃を超えると、ろうの溶融開始温度付近での液相率が低下し、完全に液相になるまでに時間を要するため、初期酸化皮膜を細かく分断する効果が不十分となる。このため、Al−Si−Mg系ろう材の液相線温度は、610℃以下であることが望ましい。
5.芯材の合金成分
本発明に用いるブレージングシートの芯材の合金成分は、特に限定されるものではなく、芯材にはMgを添加しなくても接合は可能である。しかし、フラックスレスろう付を実現したことにより、高強度化を狙ったMg添加を積極的に行うことも可能となる。
芯材としては、質量%で、Mn:0.2〜2.5%、Cu:0.05〜1.0%、Si:0.1〜1.0%の内1種または2種以上を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成を有するものが示される。また、芯材として、前記組成に、質量%で、さらにMg:0.01〜1.0%を含有するものが示される。
芯材における各元素の作用および限定理由は以下のとおりである。
Mn:0.2〜2.5%
Mnは、金属間化合物として晶出または析出し、ろう付後の強度を向上させる。また、芯材の電位を貴にして耐食性も向上させる。これら作用を十分に得るためはMnを0.2%以上含有する。下限未満ではこれらの効果が不十分である。一方、上限を超えると、鋳造時に巨大金属間化合物が生成して圧延が困難となる。このため、Mnの含有量は、0.2〜2.5%が望ましい。なお、同様の理由で、Mn含有量は、下限が1.0%、上限が1.7%が一層望ましい。
Cu:0.05〜1.0%
Cuは、材料中に固溶してろう付後の強度を向上させるとともに、芯材の電位を貴にして耐食性を向上させる。これら作用を十分に得るためCuを0.05%以上含有する。下限未満ではこれらの効果が不十分であ。一方、上限を超えると、鋳造時に割れが生じたり、圧延性が低下する。このため、Cuの含有量は、0.05〜1.0%が望ましい。なお、同様の理由でCu含有量は、下限が0.1%、上限が0.7%が一層望ましい。
Si:0.1〜1.0%
Siは、単体でマトリックスに固溶して材料強度を向上させるほか、本発明においては、Mg添加との相乗効果によって得られるMgSiの析出により、材料強度を向上させる。このMgSiの析出は、ろう付熱処理後の時効硬化により、飛躍的な材料強度向上に寄与する。また、Mnと同時に添加されるとAl−Mn−Si化合物として分散して、材料強度を向上させる効果も有する。これら作用を十分に得るためSiを0.1%以上含有する。下限未満ではこれらの効果が不十分である。一方、上限を超えると、融点が低下し、ろう付時に芯材が溶融する。このため、Siの含有量は、0.1〜1.0%が望ましい。なお、同様の理由で、Si含有量の下限は0.4%、上限は0.8%が一層望ましい。
Mg:0.01〜1.0%
Mgは、単独では固溶強化により、また、Siと同時に添加されるとろう付後に微細な金属間化合物MgSiとして析出し、時効硬化することで著しく強度を向上させる効果を有する。また、ろう付加熱中にろう材から拡散してきたSiとも反応し、同様の強度効果を有する。さらに一部はろう材中に拡散し、ろう材表面の酸化膜の破壊や変質に寄与する効果を有する。これら作用を十分に得るためMgを0.01%以上含有する。下限未満ではこれらの効果が不十分である。一方、上限を超えると、融点が低下し、ろう付時に芯材が溶融する。このため、Mgの含有量は、0.01〜1.0%が望ましい。なお、同様の理由でMg含有量の下限は0.2%、上限は0.6%が一層望ましい。
6.ブレージングシート
本発明に使用するブレージングシートにおいては、少なくとも芯材の片面に上記Al−Si−Mg系ろう材がクラッドされていればよく、適宜、片面クラッドのブレージングシートと両面クラッドのブレージングシートとを使い分けることができる。両面クラッドのブレージングシートでは、芯材の両面に上記Al−Si−Mg系ろう材がクラッドされているものであってもよく、また、片面に上記Al−Si−Mg系ろう材がクラッドされ、他の片面に犠牲材などのその他の材料がクラッドされているものであってもよい。
7.ろう付対象部材の材質
ろう付対象部材としては、一般的に用いられているアルミニウム合金であれば何れも問題なく使用可能である。
8.ろう付対象部材の初期酸化膜厚
本発明の実施に当たって、ろう付対象部材は、通常、アルミニウムの量産コイル材として作製される初期酸化膜厚20〜500Å程度のアルミニウム材料を使用できる。初期酸化膜厚を20Å未満とするためには、従来技術に示したような酸洗浄等が必要となる。また、初期酸化膜厚が500Åを超えても本発明材であれば接合は可能であるが、良好な接合状態が得られにくくなるため、初期酸化皮膜はなるべく薄くしておくことが望ましい。
9.炉内雰囲気
本発明の実施にあたっては、炉内雰囲気を不活性ガス、或いは還元性ガス等の非酸化性ガスとすることで、雰囲気中の酸素濃度や露点を低下させ、ろう材およびろう付対象部材の再酸化を抑制する必要がある。使用する置換ガスの種類としては、接合を得るにあたり特に限定されるものではないが、コストの観点で、不活性ガスとしては窒素、アルゴン、還元性ガスとしては水素、アンモニア、一酸化炭素を用いることが好適である。
上記のような非酸化性雰囲気は、減圧を伴わないものとする。本発明では、減圧を伴わない非酸化性雰囲気下であっても、上述のようにして酸化マグネシウム膜による接合阻害を抑制して信頼性に優れる安定した接合状態を得ることができるとともに、減圧を伴わないことで高い量産性を確保することができる。
また、非酸化性雰囲気中の酸素濃度は、体積比で50ppm以下とする。酸素濃度を50ppm以下とすることにより、ろう付時に材料表面の酸化皮膜が成長してろう付性が低下するのを抑制することができる。なお、酸素濃度が高くても接合は可能であるが、接合部の形状によっては、ろう付時に酸化皮膜が成長して接合状態が不安定となり、接合率や特に接合強度が低下することがある。望ましい酸素濃度は、体積比で20ppm以下である。
また、酸素濃度が低下するほど接合率は向上するが、雰囲気の管理に多量のガスを使用する等、製造コストの増大懸念が生じる。このため、要求される接合率などに応じて、酸素濃度を適宜設定することが望ましい。
10.ろう付温度
本発明においては、Al−Si−Mg系ろう材合金の最も低い固相線温度である559℃以上でろう付ができるが、590℃以上のピーク温度まで加熱して、芯材とろう付対象部材とを接合することが望ましい。Al−Si−Mg系ろう材の液相線温度と相俟ってろう付加熱に際し、ろうが良好に生成される。
11.ブレージングシートの製造方法
上記Al−Si−Mg系ろう材が芯材にクラッドされたブレージングシートの製造方法は、本発明としては特定のものに限定されるものではない。しかし、Al−Si−Mg系ろう材のようなMg含有アルミニウム合金材は、酸素濃度の高い雰囲気において500℃を超える温度で保持すると、酸化皮膜が成長し、特に酸化マグネシウム膜が著しく成長する。このため、製造工程中の熱負荷工程を最適化して、ろう付前の酸化皮膜の平均膜厚および酸化皮膜中の酸化マグネシウム膜の平均膜厚を上述のように制御することが望ましい。
以下、製造工程中の熱負荷工程である均質化処理、均熱処理、および中間焼鈍または最終焼鈍の各工程について望ましい条件を説明する。
均質化処理
Al−Si−Mg系ろう材の鋳塊に対する均質化処理は、高温で長時間実施すると、ろう材表面に酸化膜、特に酸化マグネシウム膜が成長してろう付性が低下する。このため、均質化処理は、実施しないか、または500℃以下の温度で実施することが望ましい。
均熱処理
Al−Si−Mg系ろう材をクラッド圧延前に加熱する均熱処理も、高温で長時間実施すると、ろう材表面に酸化膜、特に酸化マグネシウム膜が成長してろう付性が低下する。他方、クラッド圧延時の貼り合わせ性を確保するためには、500℃以上の温度で均熱処理を実施することが必要となる。したがって、酸化皮膜の成長速度が増大する500℃以上の温度で均熱処理を実施する場合には、できるだけ保持時間を短くすることが好ましく、具体的には保持時間を1時間以内とすることが望ましい。なお、圧延材の実体温度が500℃程度でクラッド圧延性は確保されることから、酸化皮膜厚さを抑制するには、均熱処理の保持時間はなるべく短くすることが望ましい。
中間焼鈍、最終焼鈍
クラッド圧延後の冷間圧延に際して実施する中間焼鈍または冷間圧延後の最終焼鈍は、大気中の酸素濃度より酸素濃度が低い雰囲気中にて、250〜500℃の温度で実施することが望ましい。大気中より酸素濃度が低い雰囲気中にて比較的低い温度で中間焼鈍または最終焼鈍を実施することにより、最終製品の酸化皮膜の膜厚を低減するとともに、MgO膜の生成を抑制することができる。
なお、中間焼鈍または最終焼鈍を実施する雰囲気中の酸素濃度は、体積比で1%以下であることが望ましい。
また、焼鈍温度が250℃未満であると、材料が十分に軟化せずに所定の機械的性質を得ることが困難である。また、焼鈍温度が500℃を超えると、MgO膜が成長するため、ろう付性が低下する。このため、焼鈍温度は、250〜500℃とすることが望ましい。
また、上記焼鈍では、上記焼鈍を実施した大気中の酸素濃度より酸素濃度が低い雰囲気中で、ブレージングシートを200℃以下まで冷却することが望ましい。焼鈍後の冷却雰囲気も、大気中よりも酸素濃度が低い雰囲気とすることにより、最終製品の酸化皮膜の膜厚を低減するとともに、MgO膜の生成を抑制することができる。
なお、上記中間焼鈍と最終焼鈍とは所望により行うものとして、いずれか一方または両方を行うことができる。
以上のように、本発明によれば、ろう材成分と雰囲気中の酸素濃度を最適化し、さらには初期酸化皮膜の厚さと構成を制御し、酸化皮膜中の酸化マグネシウム膜の生成を抑制することで、著しく接合状態が改善することができる。
また、より安定した接合状態を得るには、接合部の形状およびろう材の成分ならびに雰囲気中の酸素濃度、ろう材表面の初期酸化皮膜の構成の最適化に加え、ろう材表面のSi粒子の分布形態、ろう材の液相線温度やろう付温度を制御することがさらに有効である。
以上のように、ろう材成分およびろう付条件の最適化に加えて、ブレージングシートにおけるろう材表面の初期酸化皮膜の状態を制御することで、従来法に比べ、接合部の信頼性を飛躍的に向上させることが可能となる。
以下に、本発明の一実施形態を説明する。
質量%で、Si:5.0〜13.0%、Mg:0.1〜3.0%を含有するAl−Si−Mg系ろう材となる素材は、常法により鋳造することができる。得られた素材に対しては、均質化処理を実施せず、または500℃以下の温度で均質化処理を実施する。
Al−Si−Mg系ろう材は、残部がAlと不可避不純物とするものであってもよく、また、さらにZn、Bi、Be、Sr、Caなどを含むものであってもよい。成分調整によってAl−Si−Mg系ろう材は、液相線温度が610℃以下になっている。
また、芯材は、常法により製造することができる。芯材としては、質量%で、Mn:0.2〜2.5%、Cu:0.05〜1.0%、Si:0.1〜1.0%の内1種または2種以上を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成を有するものが例示される。また、芯材として、前記組成に、質量%で、さらにMg:0.01〜1.0%を含有するものが例示される。
次いで、クラッド圧延前の加熱処理として、上記均質化処理が未実施または500℃以下の温度で均質化処理を実施したろう材と、芯材と、必要に応じて犠牲材などの他の材料とに対し均熱処理を実施する。均熱処理は、500℃以上での保持時間を1時間以内とする。
均熱処理後、ろう材および芯材に対して、クラッド圧延を実施する。クラッド圧延の条件は特に限定されるものではない。また、各層のクラッド率も本発明としては特定されるものではない。
クラッド圧延後、常法により冷間圧延を実施する。冷間圧延に際しては、大気中の酸素濃度より酸素濃度が低い雰囲気中にて中間焼鈍または最終焼鈍を250〜500℃の温度で実施し、同雰囲気中で200℃以下まで冷却する。
上記のようにして、ろう材が芯材にクラッドされてなるブレージングシートが製造される。得られたブレージングシートにおいては、最表面に位置するAl−Si−Mg系ろう材の表面には酸化皮膜が形成されており、その平均膜厚は150Å以下となっている。また、酸化皮膜中の表層近傍には、酸化マグネシウム膜が形成されており、その平均膜厚は20Å以下となっている。また、Al−Si−Mg系ろう材の表面においては、円相当径0.25μm以上のSi粒子が1mm当たり20,000個以上存在している。
上記ブレージングシートは、ベアフィン、無垢材コネクタなどのろう付対象部材と組み付けられて、好適には熱交換器組立体などを構成する。なお、ろう付対象部材としては種々の組成のアルミニウム材料を用いることができ、本発明としては特定のものに限定されるものではない。
組み立て体においては、Al−Si−Mg系ろう材とろう付対象部材との接触密着部にステンレス鋼やカーボン製の治具などによって圧力が加わるようにする。加圧力が高いほど接合の安定性は向上するが、加圧力が高すぎるとろう付時に部材の変形等が生じるため、接合部の形状によって加圧量は適宜調整される。接合部の加圧力は50gf/cm以上が望ましい。
上記組立体は、減圧を伴うことなく非酸化性雰囲気とされた加熱炉内に配置される。該非酸化性雰囲気は、窒素、アルゴンなどの不活性ガスまたは水素、アンモニア、一酸化炭素などの還元性ガス、あるいはこれらの混合ガスを用いて構成することができる。非酸化性雰囲気は、ろう付加熱時には減圧を伴わず、通常は大気圧とされるが大気圧よりも高い圧力にしたものであってもよい。なお、非酸化性雰囲気を得る前に、置換などの目的で減圧工程を含むものであってもよい。加熱炉は密閉した空間を有することを必要とせず、被ろう付け部材の搬入口、搬出口を有するものであってもよい。このような加熱炉でも、不活性ガスを炉内に吹き出し続けることで非酸化性雰囲気が維持される。該非酸化性雰囲気としては、酸素濃度が体積比で50ppm以下であるものが望ましい。
上記雰囲気下で、Al−Si−Mg系ろう材とろう付対象部材とを接触密着させた状態で、590℃以上に加熱をしてろう付を行う。ろう付においては、Al−Si−Mg系ろう材により接触密着部の密着面において芯材とろう付対象部材とがフラックスレスで良好に接合される。こうして、芯材とろう付対象部材とが接合されたろう付構造体が得られる。
(ろう付試験)
表1に示す組成の芯材(残部Alと不可避不純物)の両面に、同じく表1に示す組成のろう材(残部Alと不可避不純物)を貼り合せたアルミニウムブレージングシートを用意した。ろう材合金は半連続鋳造法にて作製した。鋳造時の凝固速度を0.1〜500℃/secの範囲で変量し、Si粒子サイズを変化させた。同じ成分でも凝固速度が速いほどSi粒子サイズは小さくなり、単位面積当たりの個数は増加する。前記ブレージングシートは、ろう材クラッド率を両面とも5%とし、H14相当調質の1mm厚のO材に仕上げた。本ブレージングシートを50mm角に切断し、5枚を積層して、500gf/cmで均一に加圧し、窒素ガス雰囲気中にて、所定温度まで加熱するろう付熱処理を行った。雰囲気中の酸素濃度は、窒素ガスの流量を変化させて制御を行った。
なお、ブレージングシートの製造工程では、ろう材の均質化処理温度および保持時間、均熱処理の温度および保持時間、ならびに最終焼鈍時の雰囲気および温度を適宜変更して、各評価用サンプルを作製した。各工程の製造条件は、表2にまとめて示す。
(接合率)
作製した各サンプルの各接合面において超音波探傷装置にて接合率を測定し、ろう付性の評価指標とした。超音波測定はボイド部の検出が可能であり、全体の面積に対するボイド部の面積を求め、接合率を算出した。ろう付性の判定は、得られた接合率によって下記判定基準で評価し、その結果を表1に記載した。
◎:接合率95%以上
○:接合率85%以上95%未満
△:接合率75%以上85%未満
×:接合率75%未満
(初期酸化皮膜およびMgO膜の平均膜厚)
ろう付前の各サンプルについて、TEM(透過型電子顕微鏡)でろう材表面の酸化皮膜の膜厚を任意部5ヶ所ずつ観察し、酸化皮膜の平均膜厚を求めた。また、ろう材表面の任意部3ヶ所について、XPS(X線光分子分光法)で深さ方向の元素分布を測定した。原子比(at%)でMgと酸素の合計が70%を超える部位をMgOとし、MgO膜の平均膜厚を算出した。
(接合強度)
作製した各サンプルをφ10mm×厚さ5mmの円柱状に加工し、治具に接着剤で固定し、引張試験を実施し、積層接合界面の破壊強度を測定し、接合強度とした。ろう付性の判定は、得られた接合強度によって下記判定基準で評価し、その結果を表1に記載した。
○:接合強度 80MPa以上
×:接合強度 80MPa未満
(ろう材表面のSi粒子サイズ)
Si粒子サイズはろう材最表面を0.1μmの砥粒で研磨し、0.5%フッ酸水溶液で60秒エッチングした後、表面方向からEPMA(電子線マイクロアナライザ)を用いた全自動粒子解析により粒子サイズと個数を測定した。測定は各サンプルについて250μm角相当の観察視野で任意部5ヶ所について測定し、円相当径で0.25μm以上のSi粒子の分布を求めた。
(ろう材の液相線温度測定)
各ろう材合金について、DSC(示差走査熱量測定)を用いて液相線温度を測定した。
Figure 0006037542
Figure 0006037542

Claims (7)

  1. 質量%で、Si:5.0〜13.0%、Mg:0.1〜3.0%を含有するAl−Si−Mg系ろう材が芯材にクラッドされて最表面に位置し、ろう付前の前記Al−Si−Mg系ろう材表面の酸化皮膜の平均膜厚が150Å以下であり、かつ前記酸化皮膜中の酸化マグネシウム膜の平均膜厚が20Å以下であるブレージングシートを用い、
    減圧を伴わない酸素濃度50ppm以下の非酸化性雰囲気中で、前記ブレージングシートにおける前記Al−Si−Mg系ろう材とろう付対象部材とを接触密着させ、密着部分においてフラックスレスで前記Al−Si−Mg系ろう材により前記芯材と前記ろう付対象部材とをろう付接合することを特徴とするアルミニウム材のフラックスレスろう付方法。
  2. 前記Al−Si−Mg系ろう材は、液相線温度が610℃以下であり、
    前記ろう付接合における加熱温度を590℃以上とすることを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム材のフラックスレスろう付方法。
  3. 前記Al−Si−Mg系ろう材は、表面において、円相当径0.25μm以上のSi粒子が1mm たり20,000個以上存在することを特徴とする請求項1または2に記載のアルミニウム材のフラックスレスろう付方法。
  4. 前記芯材は、質量%で、Mn:0.2〜2.5%、Cu:0.05〜1.0%、Si:0.1〜1.0%の内1種または2種以上を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアルミニウム材のフラックスレスろう付方法。
  5. 前記芯材は、質量%で、Mg:0.01〜1.0%、Mn:0.2〜2.5%、Cu:0.05〜1.0%、Si:0.1〜1.0%の内1種または2種以上を含有し、残部がAlと不可避不純物からなる組成を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアルミニウム材のフラックスレスろう付方法。
  6. フラックスレスろう付用ブレージングシートであって、
    質量%で、Si:5.0〜13.0%、Mg:0.1〜3.0%を含有するAl−Si−Mg系ろう材が芯材にクラッドされて最表面に位置し、ろう付前の前記Al−Si−Mg系ろう材表面の酸化皮膜の平均膜厚が150Å以下であり、かつ前記酸化皮膜中の酸化マグネシウム膜の平均膜厚が20Å以下であり、前記ろう材表面の円相当径0.25μm以上のSi粒子が1mm当たり20,000個以上であることを特徴とするブレージングシート。
  7. 質量%で、Si:5.0〜13.0%、Mg:0.1〜3.0%を含有する、Al−Si−Mg系ろう材となる素材に、均質化処理を実施せずに、または500℃以下の温度で均質化処理を実施した後、500℃以上での保持時間を1時間以内とした均熱処理を行って芯材となる素材とのクラッド圧延を実施し、前記クラッド圧延後に冷間圧延を実施するとともに、大気中の酸素濃度より酸素濃度が低い雰囲気中にて中間焼鈍または最終焼鈍を250〜500℃の温度で実施し、同雰囲気中で200℃以下まで冷却することを特徴とするフラックスレスろう付け用ブレージングシートの製造方法。
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