JP2012050993A - アルミニウム材のフラックスレスろう付け方法およびフラックスレスろう付け用アルミニウムクラッド材 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】Mg0.1〜5.0%、Si3〜13%、Be0.0001〜0.1%を含有し、表層面方向で円相当径で1.0μm以上のSi粒子、Al−Si系金属間化合物が合計で、1,000〜100,000個/mm2で分布するAl−Si系ろう材が最表面に位置するアルミニウムクラッド材を用いて、減圧を伴わない非酸化性雰囲気で559〜620℃においてAl−Si系ろう材によりろう付け対象部材との接触密着部を接合するので、フラックスや真空設備を必要とせずに大気圧下でのフラックスレスろう付けが可能になり、ろう材以外の被ろう付け構成部材へMgを添加した場合にもろう付け阻害要因とはならない。
【選択図】図1
Description
上記フラックスを用いる場合、多くがろう付け対象部材をプレス成形等で加工後、所望の組み付け状態とし、フラックス粉末を溶媒に溶いた混濁液を組み付け体に塗着・乾燥させ、高純度窒素ガス雰囲気等の非酸化性雰囲気中で加熱ろう付けしている。この場合、フラックスを使用すること自体、或いは、その塗布工程の設置や管理にコストを要するという問題がある。また、フラックスは、その一部がろう付け加熱過程で蒸発し、炉内壁に付着、堆積することが知られており、堆積物の除去を目的とした定期的な炉のメンテナンスも必要コストとして生じる。そして昨今、自動車の軽量化促進に伴い、自動車用熱交換器でも材料の薄肉高強度化が求められ、アルミニウム材料の高強度化には、アルミニウム合金へのMg添加が有効であることは一般的に知られているが、フラックスを用いたろう付けではMgとフラックスが反応して高融点のMgF2を生成することから、これがろう付け阻害要因となったり、材料中のMgを消費してしまうため、折角添加したMgが高強度化にあまり役立たないという問題がある。すなわち、フラックスろう付けでは製品中のMg添加部位や量に制限があり、積極的に材料高強度化手法として用いることができていないのが現状である。
特許文献3で提案されている方法では、チューブ外面とフィンの接合はフラックスを使用しており、フラックスを使用することによるデメリットは完全に解消されていないという問題がある。
また、特許文献4で提案されている技術では、従来の真空ろう付けやノコロックろう付けに用いる材料に対し、ろう材表面に酸化防止層を設けたクラッド材を準備する必要があり、材料コストが高くなるという問題があり、更に、コアとしては積層構造に限定されるという汎用性の問題がある。
さらに、特許文献5に示される方法では、酸洗浄の工程管理が煩雑となる問題や、酸洗浄工程分のコストが増加するという問題がある。
ろう材表面の酸化皮膜欠陥部はろう溶融直後における濡れ性向上に有効であるが、Beは溶融ろうの表面に形成される酸化皮膜の成長や分解を促進する作用があるため、酸素濃度が高い雰囲気においても接合状態が改善される。また、NaやTiなどはろう材の凝固組織を微細にしたり、溶融ろうの粘度などの物性を変化させる効果があり、フラックスを使用しない本ろう付法において著しく製品性能の向上に寄与する。
本発明ではAl−Si−Mg系合金をベースとしたろう材が使用され、下記含有量でSi、MgおよびBeを必須成分として含有する。
SiはAlに含有することにより、その融点を低下させ、ろう付温度にて溶融して所定の継手を形成する基本的な元素である。ろうとして機能する適正な含有量の範囲として、3〜13%とする。3%未満では生成する液相量が不足するため十分な流動性が得られず、13%を超えると初晶Siが急激に増加して加工性が悪化するとともに、ろう付時に接合部のろう侵食が著しく促進される。Si含有量の一層好ましい下限は6%、上限は12%である。
Mgは材料表面に生成する緻密なアルミニウムの酸化皮膜(A1203)をろう付加熱時に還元、分解して、接合性とろうの濡れ性を向上する効果を有する。本発明において十分な接合を得るためのMg含有量は0.1〜5.0%である。0.1%未満では本発明の効果であるろう付時接合面の酸化皮膜破壊効果が得られず、5.0%を越えるとその効果が飽和し、かつ、アルミニウム材料の加工性に難を生じる。
本発明では、上記Mg成分範囲における酸化皮膜破壊活動のみでもろう付性を確保できるが、さらに、Mg含有量を最適化してAl−Si−Mg系ろう材の固相線温度の低下効果を利用すれば、優れたろう付性を発揮できる。この場合のMgの最適含有量は、Si含有量により変動するが、例えばSi含有量が6〜12%の場合は、Mg含有量は0.75〜1.5%が好ましい。この範囲であれば、ろうの融点低下が十分に得られ、Mgによる酸化皮膜破壊効果との相乗効果により、より良好なろう付性を得ることが可能となる。具体的には、Al−Si−Mg合金で最も低い固相線温度の559℃以上でろう付が可能となる。
Beは、ろう付に際し溶融ろうの表面に形成する酸化皮膜の成長を抑制し、雰囲気の酸素濃度が高い状態でも良好な接合状態が得られる。このため、0.0001%以上の含有が必要であり、下限未満では上記作用が十分に得られない。一方、上限を超えると、効果が飽和し、さらに、材料コストの増大を招くためBeの含有量を上記範囲に定める。なお、同様の理由で下限を0.0002%、上限を0.01%とするのが望ましい。
これら成分は、ろう材凝固部の組織(Si粒子)を微細にするため、接合強度が向上し、製品の耐久性向上に著しく寄与するので所望により含有させる。これら成分の含有量が下限未満では十分な効果が得られず、上限を超えると効果が飽和する。
これら成分は、Al−Ti系金属間化合物、Al−Zr金属間化合物、Al−Ti−Zr系金属間化合物を形成し、酸化皮膜の欠陥部を形成し、接合率の向上に寄与し、さらに、溶融ろう中に溶解し、溶融ろうの物性を変化させ、フィレットの安定形成や粗大化に寄与し、製品の耐久性が向上するので所望により含有させる。
これら成分の含有量が下限未満では十分な効果が得られず、上限を超えると効果が飽和し、さらに、粗大な金属間化合物が生成して接合率が低下する。
Biを含有させることにより、よりろう材の濡れ性を向上させることが可能となるので所望によりろう材に含有させる。0.01%未満では効果が十分でなく、1.0%を越えると効果の飽和、材料コストの増大を招くため好ましくない。
Znはろう材の電位を低下させ、犠牲陽極効果によりブレージングシートの耐食性を向上させる効果を有するので所望によりろう材に含有させる。Znの含有量は0.1〜5.0%が望ましい。0.1%未満では電位がほとんど変化しないため十分な耐食性向上効果が得られず、5.0%を超えると腐食速度が著しく増大する。なお、Zn含有量の一層好ましい下限は0.5%、上限は3.0%である。また、Znを積極的に添加しない場合でも、該Znを不可避不純物として0.1%未満で含むものであってもよい。
円相当径1.0μm以上のSi粒子およびAl−Si系金属間化合物が合計で1000〜100000個/mm2以上分布
本発明を実施するにあたっては、ろう材表面に比較的粗大なSi粒子およびAl−Si系金属間化合物が存在していることが必要である。通常、アルミニウム材料表面には緻密なAl2O3等の酸化皮膜が存在し、ろう付け熱処理過程ではこれがさらに成長し厚膜となる。酸化皮膜の厚みが増すほど、酸化皮膜の破壊作用を阻害する傾向が強くなるのが一般的な見解である。本発明では、ろう材表面に粗大なSi粒子およびAl−Si系金属間化合物が存在することで、粗大粒子表面にアルミニウムの緻密な酸化皮膜が成長せず、この部位がアルミニウム材料表面の酸化皮膜欠陥として働く。すなわち、アルミニウム材料表面の酸化皮膜がろう付け熱処理中に厚膜となっても、粗大粒子部分からろう材の染み出し等が発生し、この部位を起点に酸化皮膜破壊作用が進んでいくものと考えられる。
なお、ここでろう材の表層面とは、酸化皮膜を除いたアルミニウム合金生地の表面を意味しており、10μmに至る深さ範囲のいずれかの面方向において、上記条件を満たしていればよい。
なお、同様の理由で上記密度は5,000個/mm2以上が望ましく、75,000個/mm2以下が望ましい。
また、上記Si粒子およびAl−Si系金属間化合物は、ろう材表層面で面方向に均一に分布しているのが望ましい。
例えば、鋳造時の凝固速度や均質化処理の温度と時間、熱間圧延時の最大圧延率等によってSi粒子やAl−Si系金属間化合物の大きさを制御でき、鋳造時の凝固速度によって円相当径1.0μmを越えるような粗大なSi粒子およびAl−Si系金属間化合物の個数を制御することができる。
すなわち、鋳造時の凝固速度が遅いほど粗大なSi粒子およびAl−Si系金属間化合物が生成され、凝固速度が速いほど微細なSi粒子およびAl−Si系金属間化合物が生成される。また、凝固速度が速いほど、Si粒子およびAl−Si系金属間化合物の個数密度が大きくなり、凝固速度が遅いほどSi粒子およびAl−Si系金属間化合物の個数密度が小さくなる。
また、均質化処理を高温で長時間実施するほど、粗大なSi粒子およびAl−Si系金属間化合物が生成され、低温で短時間実施することで微細なSi粒子およびAl−Si系金属間化合物となる。
また、熱間圧延時の圧下率は、一度の圧下率が大きいほどSi粒子およびAl−Si系金属間化合物が微細に破砕される。
これらの条件を複合的に制御することでSi粒子およびAl−Si系金属間化合物の分布(大きさ、粗大な粒子の個数密度)を変えることができる。
本発明に用いるアルミニウムクラッド材の芯材組成は、特に限定されるものではなく、芯材にはMgを添加しなくても接合は可能である。しかし、本発明にてフラックスレスろう付を実現したことにより、高強度化を狙ったMg添加を積極的に行なうことも可能となる。
芯材成分としては、質量比でSi:0.1〜1.2%、Mg:0.01〜2.0%を含有し、残部がAlと不可避不純物からなるもの、あるいは質量比で、Mn:0.2〜2.5%、Cu:0.05〜1.0%、Si:0.1〜1.2%、Fe:0.1〜1.0%、を含有し、残部Alと不可避不純物とからなるものが示される。
また、質量比でSi:0.1〜1.2%、Mg:0.01〜2.0%を含有し、さらに、Mn:0.2〜2.5%、Cu:0.05〜1.0%、Fe:0.1〜1.0%の内1種または2種以上を含有し、残部がAlと不可避不純物からなるもの、さらにはZr:0.01〜0.3%、Ti:0.01〜0.3%、Cr:0.01〜0.5%の内1種または2種以上を含有し、残部がAlと不可避不純物からなるものが示される。
芯材における各元素の作用及び限定理由は以下の通りである。
Si単体でマトリックスに固溶して材料強度を向上させる他、本発明においては、Mgの積極添加との相乗効果によって得られるMg2Siの析出により、材料強度を向上させる。このMg2Siの析出は、ろう付熱処理後の時効硬化により、飛躍的な材料強度向上に寄与する。従来の JISA3003合金等をベースとした合金設計においては、Al−Mn−Si化合物として分散して、材料強度を向上させる。下限未満ではこれら効果が不十分であり、上限を越えると、融点が低下し、芯材が溶融するので、上記範囲が望ましい。
なお、Si含有量の一層好ましい下限は0.3%、上限は1.0%である。Mn等の含有によりSiの積極的な含有を要しない場合、0.1%未満のSiを不純物として含有することは許容される。
Mgは、Siと同時に添加されることでろう付後に微細な金属間化合物Mg2Siとして析出し、時効硬化により著しく強度が向上する効果を有する。また、ろう付加熱中にろう材から拡散してきたSiとも反応し、同様の強度効果を有する。さらに一部はろう材中に拡散し、ろう材表面の酸化皮膜破壊、酸化皮膜成長抑制作用に寄与する。下限未満ではこれら効果が不十分であり、上限を超えると融点が低下し、芯材が溶融する。このため、Mg含有量は上記範囲が望ましい。
Mnは、金属間化合物として晶出または析出し、ろう付後の強度を向上させる。また、芯材の電位を貴にして耐食性も向上させる。下限未満ではこれら効果が不十分であり、上限を超えると、圧延などの加工性が低下する。また、一層の効果は得られない。これら理由によりMn含有量は上記範囲が望ましい。なお、Mn含有量の一層好ましい下限は0.5%、上限は1.5%である。
Cuは、固溶してろう付後の強度を向上させると共に、芯材の電位を貴にして耐食性を向上させる。下限未満ではこれら効果が不十分であり、上限を超えると、融点が低下し、芯材が溶融する。このため、Cu含有量は上記範囲が望ましい。なお、Cu含有量の一層好ましい下限は0.1%、上限は0.7%である。
Feは金属間化合物として晶出または析出し、ろう付後の強度を向上させる。また、最終焼鈍時とろう付時の再結晶を促進する。下限未満ではこれら効果が不十分であり、上限を超えると、腐食速度が速くなりすぎる。また、最終焼鈍後の結晶粒径が細かくなりすぎて成形時に加工の導入されない部分でろうの侵食が著しく大きくなる。これら理由によりFe含有量が上記範囲が望ましい。なお、Fe含有量の一層好ましい下限は0.2%、上限は0.5%である。
Zr、TiまたはCrは、ろう付後に微細な金属間化合物として分散し、強度を向上させる。上記記載の下限未満では効果が不十分であり、上限を超えると加工性が低下する。このため、これら成分の含有量は上記範囲が望ましい。
本発明に使用する上記クラッド材においては、少なくとも片面に上記Al−Si系ろう材がクラッドされていればよく、適宜、片面クラッド材と両面クラッド材を使い分けることができる。両面クラッド材では、芯材の両面にろう材がクラッドされているものであってもよく、また片面に上記ろう材がクラッドされ、他の片面に犠牲材等のその他の材料がクラッドされているものであってもよい。
ろう材以外の被ろう付け部材としては、一般的に用いられているアルミニウム合金であれば何れも問題なく使用可能である。
本発明の実施に当たっては、ろう材および被ろう付け部材は、特に材料表面の初期酸化皮膜を抑制するような材料製作は必要としない為、通常、アルミニウムの量産コイル材として作製される初期酸化膜厚20〜500Å程度のアルミニウム材料を使用できる。初期酸化皮膜厚さを20Å未満とするためには、従来技術に示したような酸洗浄等が必要となる。また、初期酸化皮膜厚さが500Åを超えても本発明材であれば接合は可能であるが、良好な接合状態が得られにくくなるため、初期酸化皮膜はなるべく薄くしておくことが望ましい。
本発明の実施にあたっては、炉内雰囲気を不活性ガス、或いは還元性ガス等の非酸化性ガスとすることで、雰囲気中の酸素濃度や露点を低下させ、ろう材および被ろう付け部材の再酸化を抑制する必要がある。使用する置換ガスの種類としては、接合を得るにあたり特に限定されるものではないが、コストの観点で、不活性ガスとしては窒素、アルゴン、還元性ガスとしては水素、アンモニア、一酸化炭素を用いることが好適である。雰囲気中の酸素濃度管理範囲としては、5〜500ppmがよい。5ppm未満の場合は、接合に不具合は生じないが、雰囲気の管理に多量のガスを使用する等、製造コストの増大懸念が生じるためである。500ppm超ではろう材および被ろう付け部材の再酸化が進みやすくなり、特にろう材が表面にないベア構成部材とろう材間の接合が十分に得られない為である。雰囲気中の酸素濃度が低いほど接合状態は良好となるため、全ての接合部で安定した接合状態を得るには、ろうが溶融後の酸素濃度は50ppm以下に制御することが望ましい。しかし、本発明のろう材はBe添加の効果により、溶融ろうの酸化が防止されるため、上記のように酸素濃度が高い雰囲気でも全ての接合部で安定した接合が可能となる。
本発明においては、Al−Si−Mg系ろう材合金の最も低い固相線温度である559℃以上でろう付ができるが、当然、従来からのAl−Siろう材によるろう付温度範囲も適用可能である。具体的には559〜620℃が良い。559℃未満ではろうが溶融しないためろう付ができず、620℃超ではろう侵食が顕著となり、製品形状の維持等に問題が生じるため好ましくない。但し、この温度範囲においても、ろうの合金組成によって固相線温度が低い場合には、ろう侵食が顕著になる場合もあり、その際は、この温度範囲の中で合金組成にあったろう付温度を選択するのが好ましい。
質量%で、少なくともMgを0.1〜5.0%、Siを3〜13%、Be:0.0001〜0.1%を含有するAl−Si系ろう材と、芯材とは常法により製造することができる。両者またはこれに犠牲材などの他の材料とを重ねてクラッド圧延する。各層のクラッド率は本発明として特定されるものではない。
これらの条件を複合的に制御することでSi粒子およびAl−Si系金属間化合物の分布(大きさ、粗大な粒子の個数密度)を調整し、円相当径1.0μm以上のSi粒子およびAl−Si系金属間化合物の個数密度が合計で1,000〜100,000個/mm2の範囲内になるようにする。
上記アルミニウムクラッド材1は、前記Al−Si系ろう材3が、ベアフィン、無垢材コネクタなどの被ろう付け部材4に接触密着するように組み付けられて、好適には熱交換器組立体などを構成する。なお、被ろう付け部材としては種々の組成のアルミニウム材料を用いることができ、本発明としては特定のものに限定されるものではない。
表1、2に示す組成(残部Alと不可避不純物)のAl−Si系ろう材と、Al−0.5Mg−0.5Si−1.0Mn−0.5Cu−0.3Fe合金からなる組成(残部不可避不純物)の芯材とを熱間圧延および冷間圧延によってクラッドした表3、4に示すアルミニウムクラッド材を用意した。各合金の鋳造時の凝固速度は一般的な半連続鋳造の条件である0.1〜2.0℃/secの範囲に制御した。なお、ろう材は鋳造時の凝固速度と均質化処理条件、熱間圧延時の最大圧延率を種々変化させることによって、Si粒子およびAl−Si系金属間化合物の分布を制御した。
なお、均質化処理は、300〜595℃×1〜48時間の範囲内で調整し、熱間圧延の最大圧延率は、15〜50%の範囲内で調整した。
作製したアルミニウムクラッド材について、ろう材最表面を0.1μmの砥粒で研磨し、0.5%フッ酸水溶液で60秒エッチングした後、表面方向からEPMA(電子線マイクロアナライザ)を用いた全自動粒子解析を行った。測定は各サンプルについて10000μm2(100μm角相当)の観察視野で任意部5ヶ所について測定を実施した。
該測定では、円相当径で1.0μm以上のSi粒子およびAl−Si系金属間化合物の個数密度(個/mm2)を算出した。
各サンプルのろう材表層面のSi粒子およびAl−Si系金属間化合物の測定結果を表3、4に示した。
また、被ろう付け部材としてJIS A3003合金、H14相当調質のアルミニウムベア材(0.1mm厚)のコルゲートフィン材を用意した。
本発明の上記アルミニウムクラッド材を用いて幅20mmの扁平電縫管を製作し、前記コルゲートフィンと組合せてコア形状とした。コアサイズは、チューブ15段、長さ300mmの構成とした。
上記コアを窒素雰囲気中にて、560〜620℃まで加熱するろう付熱処理を行った後、チューブとフィンの接合率を測定することでろう付性を評価した。フィンの接合率は、以下の式で求め、その結果を表3、4に示した。
フィン接合率=(フィンとチューブの総ろう付接合長さ/フィンとチューブの総接触長さ)×100(%)
雰囲気中の酸素濃度は窒素ガスの流量によって変量し、ろう付温度に達した際の酸素濃度を測定し、表3、4に示した。
作製したコアに内圧0−15kgfを繰返し負荷する耐久試験を実施し、チューブに破断が発生するまでの回数を測定した。フィン材の接合率が優れ、フィレットサイズが大きいほど耐久性に優れる結果が得られる。
2 芯材
3 Al−Si系ろう材
4 被ろう付け部材
Claims (6)
- 質量%でMg:0.1〜5.0%、Si:3〜13%、Be:0.0001〜0.1%を含有し、表層面方向の観察において、円相当径で1.0μm以上のSi粒子およびAl−Si系金属間化合物が合計で、1,000〜100,000個/mm2で分布するAl−Si系ろう材が芯材にクラッドされて最表面に位置するアルミニウムクラッド材を用いて、減圧を伴わない非酸化性雰囲気で、前記Al−Si系ろう材と被ろう付部材とを接触密着させ、加熱温度559〜620℃において、前記Al−Si系ろう材によりフラックスレスで接触密着部の密着面において前記芯材と前記被ろう付部材とを接合することを特徴とするアルミニウム材のフラックスレスろう付方法。
- 前記Al−Si系ろう材に、さらに質量%で、Na:0.001〜0.3%、Sr:0.001〜0.3%、Sb:0.001〜0.3%のうち1種または2種以上を含有することを特徴とする請求項1記載のアルミニウム材のフラックスレスろう付方法。
- 前記Al−Si系ろう材に質量%でさらにTi:0.01〜0.3%、Zr:0.01〜0.3%のうち1種または2種以上含有することを特徴とする請求項1または2に記載のアルミニウム材のフラックスレスろう付方法。
- 前記Al−Si系ろう材に、さらに質量%で、0.1〜5.0%のZnを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアルミニウム材のフラックスレスろう付け方法。
- 前記Al−Si系ろう材に、さらに質量%で、0.01〜1.0%のBiを含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のアルミニウム材のフラックスレスろう付け方法。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のAl−Si系ろう材が芯材にクラッドされて前記Al−Si系ろう材が最表面に位置しており、減圧を伴わない非酸化性雰囲気でフラックスレスのろう付けに供されることを特徴とするフラックスレスろう付け用アルミニウムクラッド材。
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